[実施の形態1]
図1は、建材選択システム10の構成を示す説明図である。建材選択システム10は、サーバ11、ユーザクライアント21およびメーカクライアント31を備える。サーバ11、ユーザクライアント21およびメーカクライアント31は、ネットワークを介して接続されている。なお、図示を省略するが、ネットワークには複数のユーザクライアント21および複数のメーカクライアント31が接続されている。
サーバ11は、サーバCPU(Central Processing Unit)12、主記憶装置13、補助記憶装置14および通信部15を備える。サーバ11は、汎用のパーソナルコンピュータ、汎用のサーバマシン等の情報処理装置である。サーバ11は、本実施の形態の建材選択システム10の建材選択装置の一例である。
サーバCPU12は、本実施の形態に係るプログラムを実行する演算制御装置である。サーバCPU12には、一または複数のCPUまたはマルチコアCPU等が使用される。主記憶装置13は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の記憶装置である。主記憶装置13には、サーバCPU12が行う処理の途中で必要な情報およびサーバCPU12で実行中のプログラムが一時的に保存される。
補助記憶装置14は、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクまたは磁気テープ等の記憶装置である。補助記憶装置14には、サーバCPU12に実行させるプログラムおよびプロジェクトDB(DataBase)41、図面DB42、パターンDB43、建材DB44、構成DB45、リストDB46およびプログラムの実行に必要な各種情報が保存される。通信部15は、ネットワークとの通信を行うインターフェイスである。
なお、サーバ11は一つまたは複数の大型計算機上で動作する仮想マシンであっても良い。プロジェクトDB41、図面DB42、パターンDB43、建材DB44、構成DB45およびリストDB46はネットワークを介してサーバ11に接続されたデータサーバ等の記憶装置に記憶されていても良い。各DBは、別々の記憶装置に記憶されていても良い。
ユーザクライアント21は、建築物を設計する設計者が使用するクライアントである。なお、以後の説明ではユーザクライアント21を使用中の設計者をユーザと記載する場合がある。ユーザクライアント21は、ユーザCPU22、主記憶装置23、補助記憶装置24、通信部25、入力部26および表示部27を備える。ユーザクライアント21は、汎用のパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等の情報機器である。
ユーザCPU22は、サーバCPU12と協調して本実施の形態に係るプログラムを実行する演算制御装置である。ユーザCPU22には、一または複数のCPUまたはマルチコアCPU等が使用される。ユーザCPU22は、バスを介してユーザクライアント21を構成するハードウェア各部と接続されている。
主記憶装置23は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等の記憶装置である。主記憶装置23には、ユーザCPU22が行う処理の途中で必要な情報およびユーザCPU22で実行中のプログラムが一時的に保存される。
補助記憶装置24は、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクまたは磁気テープ等の記憶装置である。補助記憶装置24には、ユーザCPU22に実行させるプログラムおよびプログラムの実行に必要な各種情報が保存される。通信部25は、ネットワークとの通信を行うインターフェイスである。
入力部26は、マウス、キーボード、タッチパネル、ペンタブレット、マイク等の機器であり、ユーザによる操作を建材選択システム10が受け付ける際に使用する。表示部27は、ディスプレイ、プリンタ、プロッタ等の機器であり、選択する建材の候補、選択した結果等を表示する。
メーカクライアント31は、建材を供給するメーカまたは建材を販売する販売会社で働く営業担当者等が使用するクライアントである。メーカクライアント31はメーカCPU32、通信部35、表示部37および図示を省略する主記憶装置、補助記憶装置等を備える。メーカクライアント31は、汎用のパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等の情報機器である。
メーカCPU32は、サーバCPU12と協調して営業担当者が必要とするデータ処理を実行する演算制御装置である。メーカCPU32は、バスを介してメーカクライアント31を構成するハードウェア各部と接続されている。
通信部35は、ネットワークとの通信を行うインターフェイスである。表示部37は、ディスプレイ、プリンタ、プロッタ等の機器である。メーカクライアント31の主記憶装置、補助記憶装置等の機能は、ユーザクライアント21の対応する装置の機能と同様であるので、説明を省略する。
図2は、プロジェクトDB41のレコードレイアウトを示す説明図である。プロジェクトDB41は、建築物を設計するプロジェクトの番号、名称およびプロジェクトに関する情報を関連付けるDBである。プロジェクトDB41は、プロジェクト番号フィールド、名称フィールド、共有者フィールド、所在地フィールド、規模フィールド、構造フィールドおよび状況フィールドを有する。
共有者フィールドには、共有者1フィールド、共有者2フィールド等の連番のフィールドが含まれる。所在地フィールドには、郵便番号フィールドおよび住所フィールドが含まれる。プロジェクトDB41は、一つのプロジェクトについて一つのレコードを有する。
プロジェクト番号フィールドには、プロジェクトに固有の番号が記録されている。名称フィールドには、プロジェクトの名称が記録されている。共有者フィールドには、プロジェクトに関する情報を共有する人、すなわちプロジェクトに関する情報に対するアクセス権限を持つ人の名前が記録されている。なお、同姓同名の人が存在する可能性がある場合には、名前の代わりに各個人に固有のID(IDentification)番号等を使用することが望ましい。
郵便番号フィールドには、建設予定地の郵便番号が記録されている。住所フィールドには、建設予定地の住所が記録されている。規模フィールドには、建設予定地の面積が記録されている。構造フィールドには、建築物の構造の種類が記録されている。状況フィールドには、プロジェクトの進捗状況が記録されている。
図3は、図面DB42のレコードレイアウトを示す説明図である。図面DB42は、プロジェクト番号および建築物の部位と建材を順次配置した組み合わせとを関連付けるDBである。なお、以下の説明では建材を順次配置した組み合わせを構成と記載する。構成についての詳細は後述する。図面DB42は、プロジェクト番号フィールド、項目IDフィールド、図面名フィールド、階フィールド、室名・場所フィールド、部位フィールドおよび構成IDフィールドを有する。図面DB42は、一つの部位について一つのレコードを有する。
プロジェクト番号フィールドには、プロジェクトの番号が記録されている。項目IDフィールドには、図面中の建材を記載する各項目に固有に付与されたIDが記録されている。図面名フィールドには、建材が記載される図面の名称が記録されている。階フィールドには、建材が使用される場所の階数が記録されている。室名・場所フィールドには、建材が使用される場所の室名または場所が記録されている。部位フィールドには、建材が使用される部位が記録されている。図面が内部仕上表である場合には、部位は「床」、「壁」、「天井」等である。図面が外部仕上表である場合には、室名・場所はたとえば「本館」、「離れ」、「一号棟」等であり、部位は「屋根」、「庇」、「外壁」等である。構成IDフィールドには、建材を組み合わせた構成に固有に付与された構成IDが記録されている。
図4は、パターンDB43のレコードレイアウトを示す説明図である。パターンDB43は、パターンIDと、建材の組み合わせ方の代表的なパターンとを関連付けるDBである。パターンDB43は、パターンIDフィールド、部位フィールド、構造フィールド、模式図フィールドおよび建材フィールドを有する。構造フィールドは、RC(Reinforced Concrete)フィールド、鉄骨フィールド、木造フィールドおよびコンクリートブロックフィールドを有する。建材フィールドは、建材1フィールド、建材2フィールド等連番のフィールドを有する。パターンDB43は、一つの建材の組み合わせパターンについて一つのレコードを有する。
パターンIDフィールドには、パターンに固有に割り当てられたIDが記録されている。部位フィールドには、パターンを使用する部位が記録されている。構造フィールドには、RC、鉄骨、木造およびコンクリートブロックの各構造の建築物への使用に適しているか否かが記録されている。たとえば、3行目に示すW1は、RC構造およびコンクリートブロック構造の建築物には適しているが、鉄骨構造および木造構造には適していない。
模式図フィールドには、パターンIDに対応づけてパターンの模式図がjpeg(Joint Photographic Experts Group)形式ファイル等により記録されている。建材フィールドには、パターンを構成する各部材の種類が一方の側から順番に記録されている。たとえば、W1は一番目の建材に仕上材、二番目の建材に下地ボード、三番目の建材に断熱材を使用することが記録されている。なお、図4に示すパターンは例示である。パターンDB43には床、壁、天井、屋根、庇、外壁等、建築物の各部位の仕上げに使用するパターンが記録されている。
図5は、建材DB44のレコードレイアウトを示す説明図である。建材DB44は、建材の番号、名称、用途および仕様を関連付けるDBであり、多くの建材メーカが発行するカタログ等の情報に基づいて、建材選択システム10の運営者が作成する。建材DB44は、建材番号フィールド、用途フィールド、一般名フィールド、商品名フィールド、型番フィールド、メーカフィールド、仕様フィールドおよび特徴フィールドを有する。仕様フィールドには、透湿抵抗フィールド、防水性フィールド、厚さフィールド、設計単価フィールド等が含まれる。建材DB44は、1つの建材について1つのレコードを有する。
建材番号フィールドには、建材に固有の番号が記録されている。用途フィールドには、建材の用途が記録されている。一般名フィールドには、建材の一般名が記録されている。一般名とは、建築確認申請書等の公的な書類に記載する名称である。商品名フィールドには、建材の商品名が記録されている。型番フィールドには、メーカの定めた型番が記録されている。メーカフィールドには、建材を製造販売するメーカの名称が記録されている。仕様フィールドには、透湿抵抗、防水性、厚さ、設計単価等の建材の仕様が記録されている。なお、設計単価とは、建築費を概算する際に使用する単価である。特徴フィールドには、建材の特徴が記録されている。
建材DB44は、たとえば3ヶ月に1回の頻度または新製品が発表される都度、メーカクライアント31から送信される情報に基づいて、最新情報に更新される。
図6は、構成DB45のレコードレイアウトを示す説明図である。構成DB45は、プロジェクト番号、構成ID、建材を配置するパターン固有のIDを示すパターンID、パターン中の各部分に配置する建材の建材番号、構成を使用する建築物中の部位および構成記号を関連付けるDBである。構成DB45は、プロジェクト番号フィールド、構成IDフィールド、パターンIDフィールド、下地フィールド、仕上フィールド、部位フィールド、構成記号フィールドおよびメモフィールドを有する。下地フィールドは、下地1フィールド、下地2フィールド等連番のフィールドを有する。構成DB45は、一つの構成について一つのレコードを有する。
プロジェクト番号フィールドには、プロジェクト番号が記録されている。構成IDフィールドには、建材を組み合わせた構成に付与された固有のIDが記録されている。パターンIDフィールドには、建材を選択する際に使用した建材の組み合わせパターン固有のパターンIDが記録されている。下地フィールドには、下地に選択した建材の番号が一方の側から順番に記録されている。下地フィールドに記録されている建材の順番は、図4を使用して説明したパターンDB43の建材フィールドに記録されている各部材の順番と対応している。仕上フィールドには、仕上げに選択した建材の番号が記録されている。部位フィールドには、構成を使用する部位が記録されている。構成記号フィールドには、構成に付与された構成記号が記録されている。構成記号は、構成を作成したユーザが任意に設定することができる記号である。メモフィールドには、ユーザが任意に設定したメモが記録されている。
図7は、リストDB46のレコードレイアウトを示す説明図である。リストDB46は、
プロジェクト番号、リスト番号、建材番号および用途を関連付けるDBである。リストDB46には、ユーザが建材DB44から選択した建材のリストが記録されている。
リストDB46は、プロジェクト番号フィールド、リスト番号フィールド、建材番号フィールドおよび用途フィールドを有する。リストDB46は、ユーザが選択した一つの建材について、一つのフィールドを有する。
プロジェクト番号フィールドには、プロジェクト番号が記録されている。リスト番号フィールドには、連番で番号が記録されている。建材番号フィールドには、図5を使用して説明した建材DB44に記録された建材の建材番号が記録されている。用途フィールドには、建材の用途が記録されている。
図8から図18は、建材選択システム10の表示画面の例を示す説明図である。図8から図18は、サーバCPU12およびユーザCPU22が協調して行う情報処理の結果に基づいて、ユーザクライアント21の表示部27に表示される。図8から図18を使用して、建材選択システム10の動作を説明する。
図8は、トップ画面の例を示す説明図である。トップ画面は、設計者がユーザクライアント21を使用して建材選択システム10にログインした際に、サーバCPU12から通信部15、ネットワークおよび通信部25を介して得た情報に基づいて、ユーザCPU22が表示部27に表示する画面である。以後の説明では通信部15、ネットワーク、通信部25およびユーザCPU22による処理を省略して、たとえば「サーバCPU12が表示部27に表示する」または「サーバCPU12が表示する」のように簡略化して記載する。
トップ画面には、メニューボタン77、プロジェクト名欄61、対象選択ボタン78およびプロジェクト一覧ボタン79が含まれる。メニューボタン77については後述する。対象選択ボタン78は、建材の種別の選択を受け付けるボタンである。なお、図8に示す建材の種別は一例である。プロジェクト一覧ボタン79は、プロジェクトの一覧を表示する旨の選択を受け付けるボタンである。
プロジェクト名欄61には、表示中のプロジェクトの名称が記載されている。ログオン直後には、サーバCPU12は前回のログオフ時に表示されていたプロジェクトをトップ画面に表示する。プロジェクト名欄61の選択を受け付けると、サーバCPU12はプロジェクトの一覧を示すプルダウンメニューを表示する。このプルダウンメニューにより、サーバCPU12は表示するプロジェクトの変更を受け付けることができる。
図9は、図8中のプロジェクト一覧ボタン79の選択を受け付けた後に、サーバCPU12が表示部27に表示するプロジェクト一覧画面である。プロジェクト一覧画面には、メニューボタン77およびログインしたユーザがアクセス権を有する進行中のプロジェクトの一覧が表示されている。すなわち、図2を使用して説明したプロジェクトDB41から、ログインしたユーザが共有者フィールドに記録されており、状況フィールドに「進行中」と記録されているプロジェクトレコードをサーバCPU12が抽出して、図9に示す画面に表示する。サーバCPU12は、選択中のプロジェクトを太線の選択枠65で囲んで表示する。サーバCPU12は、入力部26を介して選択中のプロジェクトの変更を受け付けることができる。
図10は、図8中の「外皮」の対象選択ボタン78の選択を受け付けた後に、サーバCPU12が表示部27に表示する外皮種類一覧画面である。外皮種類一覧画面には、メニューボタン77、プロジェクト名欄61および用途ボタン68が含まれる。メニューボタン77およびプロジェクト名欄61は、図8を使用して説明したトップ画面と同様であるので説明を省略する。
用途ボタン68は、建材の用途の選択を受け付けるボタンである。なお、図10に示す用途の名称は一例である。用途ボタン68は、図10に示すよりもさらに細かい分類または大まかな分類にすることもできる。
図11は、図10を使用して説明した外皮種類一覧画面中のメニューボタン77の選択を受け付けた後に、サーバCPU12が表示部27に表示する画面である。外皮表示一覧画面全体が右側にずれ、左端にメニュー欄51が表示されている。
メニュー欄51には、ユーザが選択可能な項目が表示されている。サーバCPU12は、入力部26を介してメニュー欄51に表示された項目の選択を受け付ける。図11においては、選択枠65が示すように「構成を作成する」が選択されている。
図8を使用して説明したトップ画面および図9を使用して説明したプロジェクト一覧画面のメニューボタン77の選択を受け付けた場合も同様に、サーバCPU12は元の画面を右側にずらして左端にメニュー欄51を表示する。
図12は、図10を使用して説明した外皮種類一覧画面中の「防水材」の用途ボタン68の選択を受け付けた後に、サーバCPU12およびユーザCPU22が協調して表示部27に表示する画面である。図12は、複数のメーカから販売されている建材の仕様を一覧表示する画面である。図12に示す画面には、メニューボタン77、プロジェクト名欄61、グラフ欄71、候補欄72、終了ボタン69および凡例ボタン70が含まれる。グラフ欄71の上部には、表示するグラフの種類を変更する指示を受け付ける切替タブ64が表示されている。切替タブ64に表示される項目は、建材の種類により異なる。
図12では、透湿防水性を重視して建材を選択する際に適したグラフが表示されている。左側のグラフの横軸は防水性で単位はキロパスカル、縦軸は価格で単位は円/1平方メートルである。右側のグラフの横軸は透湿抵抗で単位は平方メートル秒パスカル/マイクログラム、縦軸は価格で単位は円/1平方メートルである。サーバCPU12は、図5を使用して説明した建材DB44から用途フィールドに「透湿防水シート」と記録されている建材レコードを抽出してユーザCPU22に送信する。ユーザCPU22は、受信した建材レコードを、仕様フィールドに記録されたデータに基づいてグラフに表示する。黒丸、白丸および菱形は、メーカフィールドに記録されたメーカ名に対応付けられている。凡例ボタン70の選択を受け付けた場合には、サーバCPU12は黒丸、白丸および菱形のそれぞれに対応付けられたメーカ名を表示した小さい枠を図12の画面に重畳させて表示する。なお、グラフ上のデータは、メーカ別または素材別等で色分けして表示しても良い。
ユーザCPU22は、入力部26を介してユーザによるグラフ上の任意の位置の指定を受け付ける。具体的には、たとえばマウスのボタンがクリックされた場合にユーザCPU22はカーソルが表示されている位置の選択を受け付ける。ユーザCPU22は、選択を受け付けた位置を中心として正方形の周辺マーク74を表示する。ユーザCPU22は、周辺マーク74で囲まれる範囲の仕様の建材を候補欄72に表示する。
候補欄72には、建材DB44に記録されたフィールドのうち、建材番号フィールド、メーカフィールド、商品名フィールド、および仕様フィールドの一部のフィールドに記録されたデータが表示されている。また、候補欄72の右端には、リストDB46への保存の要否を受け付けるチェックボックスが表示されている。
チェックボックスの選択を受け付けた場合には、ユーザCPU22はチェックボックスにチェックマークを表示する。ユーザCPU22はチェックボックスの選択を受け付けた建材に対応するグラフ上の点の近傍に三角形のリストマーク73を表示する。ユーザCPU22は、ネットワークを介してサーバCPU12に選択を受け付けた建材を通知する。サーバCPU12は、リストDB46に新しいレコードを作成し、通知された建材の建材番号および用途を記録する。
グラフ上の別の位置の指定を受け付けた場合には、ユーザCPU22は周辺マーク74を移動する。グラフ上の別の位置の選択を受け付けた場合には、ユーザCPU22は候補欄72に表示された建材を消去して、新たに周辺マーク74で囲まれる範囲の建材を候補欄72に表示する。ここで、表示する建材の中に既にリストDB46に保存されている建材が含まれている場合には、ユーザCPU22はチェックボックスにチェックマークを表示する。
チェックマークが表示されているチェックボックスの選択を受け付けた場合には、ユーザCPU22はチェックボックスを削除する。さらにユーザCPU22は、ネットワークを介してサーバCPU12に対応する建材を通知する。サーバCPU12は、リストDB46から対応するレコードを削除する。
終了ボタン69の選択を受け付けた場合には、ユーザCPU22は図12の画面よりも以前に表示部27に表示していた画面に戻る。ユーザCPU22は、図8を使用して説明したトップページ、または図10を使用して説明した外皮種類一覧画面に戻っても良い。メニューボタン77およびプロジェクト名欄61は、図8を使用して説明したトップ画面と同様であるので説明を省略する。
なお、ユーザCPU22は、グラフ欄71に1個または3個以上のグラフを表示しても良い。周辺マーク74は長方形、円形または楕円形であっても良い。周辺マーク74の大きさは、ユーザが設定できることが望ましい。
図13は、図10を使用して説明した外皮種類一覧画面中の「下地ボード」の用途ボタン68の選択を受け付けた後に、サーバCPU12およびユーザCPU22が協調して表示部27に表示する画面である。図13も、複数のメーカから販売されている建材の仕様を一覧表示する画面である。図13に示す画面には、メニューボタン77、プロジェクト名欄61、グラフ欄71、候補欄72、終了ボタン69、凡例ボタン70および特徴ボタン76が含まれる。グラフ欄71の上部には、表示する建材の仕様を絞り込むボタンが表示されている。
メニューボタン77、プロジェクト名欄61および終了ボタン69は、図12を使用して説明した「透湿防水シート」を選択する画面と同様であるので説明を省略する。
グラフ欄71の横軸は価格で、単位は円/1平方メートル、縦軸は建材の一般名および特徴である。たとえば、白丸は一般名が「せっこうボード」である建材を、黒丸は一般名が「化粧せっこうボード」である建材を、白四角は一般名が「吸放湿せっこうボード」である建材をそれぞれ示す。
サーバCPU12は、図5を使用して説明した建材DB44から用途フィールドに下地ボードと記録されている建材レコードを抽出してユーザCPU22に送信する。ユーザCPU22は、受信した建材レコードを、一般名フィールドおよび特徴フィールドに記録されたデータの組み合わせを縦軸に、設計単価フィールドに記録されたデータを横軸にしたグラフを表示部27に表示する。なお、図13中の「セメント系ボード」には、建材DB44の特徴フィールドに複数の特徴が記録されている。
ユーザCPU22は、建材DB44の特徴フィールドに記録された項目に対応する特徴ボタン76を画面の上部に表示する。ユーザによる特徴ボタン76の選択を受け付けた場合には、ユーザCPU22は選択された特徴に対応する建材を抽出してグラフ欄71に表示する。ユーザCPU22は、一個の特徴ボタン76のみの選択を受け付けても良いし、複数の特徴ボタン76の選択を受け付けても良い。
図12を使用して説明した場合と同様に、ユーザCPU22は、入力部26を介してユーザによるグラフ上の任意の位置の指定を受け付ける。ユーザCPU22は、指定を受け付けた位置を中心として正方形の周辺マーク74を表示する。具体的には、ユーザCPU22は、マウスカーソルがグラフの上に位置する場合に、カーソルの代わりに周辺マーク74を表示する。
ユーザCPU22は、入力部26を介してユーザによる位置の選択を受け付ける。具体的には、ダブルクリック、右クリック等の操作が行われた場合に、ユーザCPU22は位置の選択を受け付ける。ユーザCPU22は、周辺マーク74で囲まれる範囲の仕様の建材を候補欄72に表示する。なお、図13に示す例では、周辺マーク74で囲まれる範囲に建材が存在しない。このような状態でユーザによる位置の選択を受け付けた場合には、ユーザCPU22は候補欄72に表示された建材を削除し、候補欄72を空欄の表示にする。
図12および図13を使用して説明した画面を用いた操作により、サーバCPU12は、ユーザによる選択を受け付けた建材をリストDB46に記録する。サーバCPU12は、ユーザごとにリストDB46のアクセス権を設定しても良い。また、サーバCPU12は、同一のプロジェクトを担当する複数のユーザが共有するように、リストDB46のアクセス権を設定しても良い。
以上に述べたように、切換タブ64を切り替えて様々な観点から建材を比較検討することにより、ユーザは複数のメーカから提供されている建材の中からリストDB46に記録する建材を選択する。
図12に示す切替タブ64は例示である。ユーザCPU22は、たとえば遮音性、熱伝導率、耐久性、保証期間等の観点で建材を比較検討するのに適したグラフを表示する切替タブ64を表示しても良い。図12に示すグラフ欄71も例示である。ユーザCPU22は、ユーザによる縦軸および横軸の項目の選択を受け付けられることが望ましい。
ユーザCPU22は、グラフ欄71に建材の外観写真を並べて表示しても良い。壁紙、屋根材等の外観が重要な建材である場合には、数値で表現できる仕様に基づいて絞り込んだ建材の候補の外観写真を見比べることにより、ユーザは所望の仕様および外観を備えた建材を選択することができる。
ユーザCPU22は、図12および図13にグラフ欄71に表示された建材をたとえばメーカ名、耐水性、材質等の観点から絞り込む要求を受け付ける条件選択ボタンを追加で表示して良い。このようにすることにより、グラフ上に多数のデータが表示されている場合に、ユーザは所望の仕様の建材を選択しやすくなる。
図14は、図11を使用して説明したメニュー欄51より「構成を作成する」の選択を受け付けた場合に、サーバCPU12とユーザCPU22とが協調して表示部27に表示する画面である。図14は、建材配置のパターンの候補を表示し、ユーザの選択を受け付ける画面である。図14に示す画面には、メニューボタン77、プロジェクト名欄61、部位欄54、終了ボタン69およびパターン選択欄56が含まれる。パターン選択欄56の上部には、切替タブ64が表示されている。
メニューボタン77およびプロジェクト名欄61は、図12を使用して説明した画面と同様であるので説明を省略する。部位欄54には、構成を使用する部位が表示されている。部位欄54はプルダウンメニューとなっており、ユーザCPU22は部位欄54から部位の選択を受け付けることができる。
パターン選択欄56には、内部仕上げまたは外部仕上げに使用する建材の組み合わせパターンが表示されている。組み合わせパターンは、建築物の構造別に分けられている。以下では、図14に示すように「木造」タブの表示について説明する。サーバCPU12は、図4を使用して説明したパターンDB43から部位フィールドに「床」と記録されており、構造フィールド内の「木造」フィールドに「適」とされているレコードを抽出する。サーバCPU12は、抽出したレコードの模式図フィールドに記録されている模式図を、パターン選択欄56に表示する。サーバCPU12は、入力部26を介してユーザによる指示を受け付けた模式図を囲む選択枠65を表示する。
切替タブ64の選択を受け付けることにより、サーバCPU12は表示するパターンを切り替える。なお、サーバCPU12は、図2を使用して説明したプロジェクトDB41から表示中のプロジェクトの建築物の構造を抽出し、それに対応するパターンのみを表示しても良い。このようにする場合には、サーバCPU12は切替タブ64を表示しなくても良い。
終了ボタン69の選択を受け付けた場合、サーバCPU12はDB選択枠65で囲まれたパターンを受け付ける。サーバCPU12は、受け付けたパターンに含まれる建材の用途をキーとしてリストDB46を検索してレコードを抽出する。サーバCPU12は、抽出したレコードの建材番号フィールドに記録されている建材番号をキーとして建材DB44を検索し、対応する建材を抽出する。
図15は、図14の画面で終了ボタン69の選択を受け付けた場合に、サーバCPU12およびユーザCPU22が協調して表示部27に表示する画面である。図15は、建材の組み合わせた構成の入力を受け付ける画面である。図15に示す画面には、メニューボタン77、プロジェクト名欄61、終了ボタン69、構成欄67および候補欄72が含まれる。構成欄67には、模式図欄66、構成記号欄52、構成要素欄53および制御ボタン63が含まれる。
メニューボタン77およびプロジェクト名欄61は、図12を使用して説明した画面と同様であるので説明を省略する。模式図欄66には、図14を説明した画面で選択を受け付けたパターンの模式図が表示されている。構成要素欄53には、模式図欄66に表示されたパターン内の各部分に対応する行が室内側から順に表示されている。候補欄72には、リストDB46から抽出した建材が用途ごとに表形式で表示されている。
ユーザCPU22は、部位欄54に表示された部位に対応する文字と連番との組み合わせを構成記号欄52のデフォルト値に使用する。ユーザCPU22は、入力部26を介して構成記号欄52の編集を受け付ける。ユーザCPU22は、図14を使用して説明した画面で終了ボタン69の選択を受け付けた日時に対応する文字列を構成記号欄52のデフォルト値に使用しても良い。ユーザCPU22は、空の文字列を構成記号欄52のデフォルト値に使用しても良い。
ユーザCPU22は、候補欄72の建材の選択を受け付けて、対応する構成要素欄53に表示する。具体的には、ユーザCPU22は、ユーザが候補欄72に表示された建材を構成要素欄53にドラッグアンドドロップする操作を受け付け、その建材を構成要素欄53に表示する。なお、選択された建材の用途と構成要素欄53の用途とが対応しない場合には、ユーザCPU22はその操作を無視する。具体的には、たとえば下地ボードの建材が構成要素欄53の断熱材の行にドラッグアンドドロップされた場合には、ユーザCPU22はそのドラッグアンドドロップ操作を無視する。
図16は、4行の構成要素欄53の各行に建材の選択を受け付けた後にサーバCPU12が表示部27に表示する画面の例を示す。図16に示す画面には、模式図欄66の模式図中の各構成要素の建材の一般名、厚さ、設計単価、構成要素の合計厚さおよび合計単価が表示されている。なお、一般名の上にカーソルが置かれたことを受け付けた場合には、サーバCPU12は建材の商品名、型番およびメーカ名を表示した枠を、図16に示す画面に重畳して表示する。
終了ボタン69の選択を受け付けた場合、ユーザCPU22は、表示部27にメモの入力を促すダイアログを表示し、入力部26を介してメモの入力を受け付ける。ユーザCPU22は、パターンID、構成要素欄53の各行に対応する建材番号、部位、構成記号およびメモを、ネットワークを介してサーバCPU12に送信する。
サーバCPU12は、図6を使用して説明した構成DB45に新しいレコードを作成して、受信したデータを記録する。この際、サーバCPU12は、構成IDフィールドにはレコードに固有のIDを割り当てて記録する。パターンIDフィールドには、模式図欄66に表示された模式図を示す記号を記載する。下地フィールドには、仕上材以外の構成要素に選択された建材の番号を記録する。仕上げフィールドには、仕上材に選択された建材の番号を記録する。
サーバCPU12は、リストDB46の代わりに建材DB44から建材を抽出しても良い。このようにする場合には、表示画素数が多く、数多くの建材を一覧表示することが可能な表示部27を使用することが望ましい。
サーバCPU12は、候補欄72に表示されていない建材をユーザが手入力する直接入力を受け付けても良い。具体的には、図示しない「直接入力」を示すボタンの選択を受け付けた場合に、サーバCPU12は図15に示す画面に重畳して、ユーザによる建材のメーカ名、商品名、仕様等の入力を受け付けるダイアログボックスを表示する。なお、直接入力を受け付けた場合には、サーバCPU12は、受け付けた建材に建材番号を付与し、図5を使用して説明した建材DB44に新たな建材レコードを記録する。このようにすることにより、以後の処理においてはサーバCPU12は、直接入力された建材と候補欄72から選択された建材とを同様に扱うことができる。
サーバCPU12は、構成要素欄53に表示された一般名の修正を受け付けても良い。たとえばサーバCPU12は、構成要素欄53の一般名の上にカーソルが置かれた状態でダブルクリックが行われたことを受け付けた場合に、一般名を編集可能な状態とする。なお、一般名の修正を受け付けた場合には、サーバCPU12は建材DB44に新たにレコードを作成し、一般名を修正し、新たな建材番号を付与した建材レコードを記録する。サーバCPU12は、構成DB45中の建材番号を、一般名を修正した建材レコードの建材番号に修正する。このようにすることにより、以後の処理においてはサーバCPU12は、一般名を修正した建材と一般名を修正しない建材とを同様に扱うことができる。
図17は、図11を使用して説明したメニュー欄51より「内部仕上表にまとめる」の選択を受け付けた場合に、サーバCPU12とユーザCPU22とが協調して表示部27に表示する画面である。図17は、建築用の図面の雛形を表示し、各部位に使用する構成の選択を受け付ける画面である。図17に示す画面には、メニューボタン77、プロジェクト名欄61、終了ボタン69、仕上表欄62、行追加用の制御ボタン63、構成候補欄75、部位選択ボタン81およびプロジェクト選択ボタン82が表示されている。
仕上表欄62には、建築用の図面の一種である仕上表の雛形が表示されている。すなわち、仕上表欄62には、建築用の図面の雛形が表示されている。仕上表は、建築物の外装の仕上げを示す外部仕上表と、建築物の内装の仕上げを示す内部仕上表に分かれている。仕上表欄62の上部には、切替タブ64が表示されている。切替タブ64の選択を受け付けることにより、サーバCPU12は外部仕上表と内部仕上表とを切り替えて表示する。
なお、図11を使用して説明したメニュー欄51より「外部仕上表にまとめる」の選択を受け付けた場合には、サーバCPU12は外部仕上表の切換タブ64をアクティブな状態にして表示する。外部仕上表には、建築物の外部の部位、下地、仕上げ、記号および備考が表形式で表示される。制御ボタン63の選択を受け付けた場合には、サーバCPU12は仕上表に新たな行を追加して表示する。
サーバCPU12は、構成DB45に記録された構成を構成候補欄75に表形式で表示する。なお、サーバCPU12は、部位選択ボタン81およびプロジェクト選択ボタン82の選択状態に基づいて構成候補欄75に表示する構成を抽出する。具体的には、図17に示す場合には、サーバCPU12は、構成DB45から部位フィールドが「床」であり、プロジェクト番号フィールドが「PJ2」に対応する「12」であるレコードを抽出して、構成候補欄75に表示する。
ユーザCPU22は、構成候補欄75に表示された構成の選択および仕上表欄の場所の選択を受け付けて、選択された構成を仕上表欄62に表示する。具体的には、ユーザCPU22は、ユーザが構成候補欄75に表示された構成を仕上表欄62にドラッグアンドドロップする操作を受け付け、ドラッグされた構成を仕上表欄62のドロップされた場所に表示する。たとえば「F001」の構成が仕上表欄62の「1階 リビング」の行にドラッグアンドドロップされた場合には、ユーザCPU22は「1階 リビング」の床の構成を構成記号「F001」に対応する構成ID「KOUSEI001」の構成に設定する。ユーザCPU22は、設定した構成を仕上表欄62に表示する。
サーバCPU12は、初期状態では入力中のプロジェクトに関連付けられたすべての構成を構成候補欄75に一覧表示しても良い。このようにする場合には、表示画素数が多く、数多くの構成を一覧表示することが可能な表示部27を使用することが望ましい。
図18は、「F001」を「1階 リビング」にドラッグアンドドロップする操作を受け付けた後に、サーバCPU12が表示部27に表示する画面を示す。「1階 リビング 床」の部分を拡大して示すように、1階のリビングの床に使用する建材の一般名およびパターンを示す記号が表示されている。
たとえば拡大した部分の左端の「下地」の欄には、図16の画面に示す断熱材、透湿防水シートおよび下地ボードの構成が一般名を使用して「押出法ポリスチレンフォームの上、透湿防水シートの上、断熱性床下地材」と表示されている。拡大した部分の中央の「仕上」の欄には、図16の画面に示す仕上材が一般名を使用して「木質フローリング」と表示されている。拡大した部分の右端の「記号」の部分には、建材配置のパターンを示すパターンIDが表示されている。
以上の手順を繰り返すことにより、各室の床、壁および天井に使用する構成を選択して記録することができる。また、外部仕上表についても同様にして屋根、庇および外壁に使用する構成を選択して記録することができる。建具表、衛生設備、空調設備、電気設備等を記載する器具表等についても、同様である。
なお、プロジェクト選択ボタン82を使用することにより、ユーザは入力作業中のプロジェクトとは異なるプロジェクトで作成した構成を流用することができる。他のプロジェクトで作成した構成が流用された場合には、サーバCPU12は、流用された構成を入力中のプロジェクトの構成DB45に複写する
終了ボタン69の選択を受け付けた場合には、サーバCPU12は、図3を使用して説明した図面DB42中の選択した図面、階、室名および部位に対応するレコードの構成IDフィールドに、構成IDを記録する。
なお、図17では、仕上表欄62には入力を開始する前の仕上表の雛形が表示されている。既に仕上表の入力が行われている場合には、サーバCPU12は図3を使用して説明した図面DB42から選択中のプロジェクトに関する情報を抽出して、仕上表欄62に表示する。すなわち、サーバCPU12は、作成途中または修正対象である建築用の図面を出力する。
なお、図8から図18に示す画面は一例である。各画面は、ユーザが好みに応じて表示する項目およびレイアウトを調整できることが望ましい。
図17および図18に示す画面には、行の削除を受け付けるボタン、行の順番の変更を受け付けるボタン、入力中のデータの保存を受け付けるボタン等の制御ボタン63が設けられていても良い。仕上表欄62の上部に、窓、ドア等の建具を記載する建具表、衛生設備、空調設備、電気設備等を記載する器具表を表示する切替タブ64が設けられていても良い。
図19は、建材選択システム10の処理の流れを示すフローチャートである。なお、ユーザが建材選択システム10にログインしている段階から処理の流れの説明を開始する。なお、説明の簡略化のために図19においては、サーバCPU12における処理のみを記載するが、それぞれのステップにおいてサーバCPU12はユーザCPU22との通信を行い、両者が連携して動作する。
サーバCPU12は、リスト作成を行うか否かを判定する(ステップS501)。具体的には、表示部27に図10を使用して説明した画面が表示されている場合に、サーバCPU12はリスト作成を行うと判定する。
リスト作成を行うと判定した場合(ステップS501でYES)、サーバCPU12はリスト作成のサブルーチンを起動する(ステップS502)。リスト作成のサブルーチンは、建材DB44に記録されている建材の仕様を表示し、選択を受け付けた建材をリストDB46に記録するサブルーチンである。リスト作成のサブルーチンの処理の流れは後述する。
リスト作成の処理を行わないと判定した場合(ステップS501でNO)およびステップS502の終了後、サーバCPU12は処理を終了するか否かを判定する(ステップS503)。具体的には、図11を使用して説明した画面のメニュー欄51中の「終了する」が選択されている場合に、サーバCPU12は処理を終了すると判定する。また、ユーザクライアント21とサーバ11との間のネットワークが切断されている場合にも、サーバCPU12は処理を終了すると判定する。
処理を終了すると判定した場合(ステップS503でYES)、サーバCPU12は処理を終了する。処理を終了しないと判定した場合(ステップS503でNO)、サーバCPU12は構成を作成するか否かを判定する(ステップS504)。具体的には、図11を使用して説明した画面のメニュー欄51中の「構成を作成する」が選択されている場合に、サーバCPU12は構成を作成すると判定する。
構成を作成すると判定した場合(ステップS504でYES)、サーバCPU12は構成作成のサブルーチンを起動する(ステップS505)。構成作成のサブルーチンは、パターンDB43からパターンを抽出し、パターンの各部分に建材を関連付けた構成を作成して、構成DB45に記録するサブルーチンである。構成作成のサブルーチンの処理の流れは後述する。
構成を作成しないと判定した場合(ステップS504でNO)およびステップS505の終了後、サーバCPU12は処理を終了するか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506の判定方法は、ステップS503の判定方法と同様である。処理を終了すると判定した場合(ステップS506でYES)、サーバCPU12は処理を終了する。
処理を終了しないと判定した場合(ステップS506でNO)、サーバCPU12は図面を作成するか否かを判定する(ステップS507)。具体的には、図11を使用して説明した画面のメニュー欄51中の「外部仕上表にまとめる」または「内部仕上表をまとめる」が選択されている場合に、サーバCPU12は図面を作成すると判定する。なお、メニュー欄51には外部仕上表、内部仕上表以外の図面の選択肢が表示されていても良い。
図面を作成すると判定した場合(ステップS507でYES)、サーバCPU12は図面作成のサブルーチンを起動する(ステップS508)。図面作成のサブルーチンは、建築用の図面の雛形または作成途中の図面を表示し、図面中の各部位に構成DB45に記録された構成を関連付けて、図面DB42に記録するサブルーチンである。図面作成のサブルーチンの処理の流れは後述する。
仕上表を作成しないと判定した場合(ステップS507でNO)およびステップS508の終了後、サーバCPU12は処理を終了するか否かを判定する(ステップS509)。ステップS509の判定方法は、ステップS503の判定方法と同様である。処理を終了すると判定した場合(ステップS509でYES)、サーバCPU12は処理を終了する。処理を終了しないと判定した場合(ステップS509でNO)、サーバCPU12はステップS501に戻る。
図20は、リスト作成のサブルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。リスト作成のサブルーチンは、建材DB44に記録されている建材の仕様を表示し、選択を受け付けた建材をリストDB46に記録するサブルーチンである。
ユーザCPU22は、建材の用途を受け付ける(ステップS521)。具体的には、ユーザCPU22は図10を使用して説明した画面から用途ボタン68の選択を受け付ける。ユーザCPU22は、受け付けた用途をサーバCPU12に送信する。
サーバCPU12は、リストDB46からレコードを抽出する(ステップS541)。具体的には、サーバCPU12はユーザCPU22から受信した用途をキーとして、リストDB46を検索し、受信した用途と同一の用途が用途フィールドに記録されているレコードを抽出する。
サーバCPU12は、建材DB44からレコードを抽出する(ステップS542)。具体的には、サーバCPU12は、ユーザCPU22から受信した建材番号をキーとして建材DB44を検索し、同一の建材番号が建材番号フィールドに記録されているレコードを抽出する。サーバCPU12は、ステップS541およびステップS542で抽出したレコードをユーザCPU22に送信する。ユーザCPU22は、受信したレコードを補助記憶装置24または主記憶装置23に記憶する。
ユーザCPU22は、受信したレコード中のステップS542で抽出したレコードをグラフ形式にして表示部27に表示する(ステップS522)。ユーザCPU22は、受信したレコード中のステップS541で抽出したレコードの建材番号に対応するデータの近傍にリストマーク73を追加で表示する(ステップS523)。
ユーザCPU22は、グラフ上の位置の指定を受け付けたか否かを判定する(ステップS524)。具体的には、カーソルがグラフ欄71中のグラフ内に表示されている間に、クリックまたはダブルクリックを受け付けた場合に、ユーザCPU22は位置の指定を受け付けたと判定する。なお、ユーザCPU22は、タッチパネルを使用したダブルタップまたはマウスボタンの右クリック等により位置を受け付けても良い。
グラフ上の位置の指定を受け付けたと判定した場合(ステップS524でYES)、ユーザCPU22は、カーソルに対応する位置に表示された選択枠65の内部に対応する建材を示すレコードを、ステップS542で抽出したレコードの中から抽出する(ステップS525)。ユーザCPU22は、ステップS525で抽出したレコードを一覧表形式で候補欄72に表示する(ステップS526)。
グラフ上の位置の指定を受け付けていないと判定した場合(ステップS524でNO)およびステップS526の終了後、ユーザCPU22は、候補欄72のチェックボタンの選択を新たに受け付けたか否かを判定する(ステップS527)。選択を受け付けたと判定した場合(ステップS527でYES)、ユーザCPU22は、チェックボタンが選択された建材に対応するレコードを補助記憶装置24に記憶したリストDBに追加する。ユーザCPU22は、チェックボタンが選択された建材に対応するレコードをサーバCPU12に送信する。サーバCPU12は、補助記憶装置14のリストDB46に新たなレコードを作成して、受信したレコードを保存する(ステップS543)。
新たな選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS527でNO)、ユーザCPU22は、終了するか否かを判定する(ステップS528)。具体的には、図12を使用して説明した画面中の終了ボタン69の選択を受け付けた場合に、ユーザCPU22は終了すると判定する。
終了すると判定した場合(ステップS528でYES)、ユーザCPU22は処理を終了する。終了しないと判定した場合(ステップS528でNO)、ユーザCPU22はステップS523に戻る。
図21は、構成作成のサブルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。構成作成のサブルーチンは、パターンDB43からパターンを抽出し、パターンの各部分に建材を関連付けた構成を作成して、構成DB45に記録するサブルーチンである。
ユーザCPU22は、部位の指定を受け付ける(ステップS561)。具体的には、ユーザCPU22は図14を使用して説明した画面の部位欄54から指定された部位を取得する。ユーザCPU22は、受け付けた部位をサーバCPU12に送信する。
サーバCPU12は、受信した部位をキーとしてパターンDB43からレコードを抽出する(ステップS581)。サーバCPU12は、抽出したレコードをユーザCPU22に送信する。
ユーザCPU22は、受信したレコードを表示部27に表示する(ステップS562)。表示の例を図14に示す。図14では受信したレコードを構造フィールドに記録されたデータごとに切換タブ64に振り分けて表示している。ユーザCPU22はパターンの選択を受け付ける(ステップS563)。具体的には、ユーザCPU22は、終了ボタン69の選択を受け付けた場合に、選択枠65で囲まれているパターンの選択を受け付ける。ユーザCPU22は、受け付けたパターンをサーバCPU12に送信する。
サーバCPU12は、受信したパターンに含まれる構成要素を抽出する(ステップS582)。具体的には、図14に示すように「F1」のパターンが選択されたことを受信した場合、サーバCPU12はパターンDB43の「F1」のレコードの建材フィールドを参照して、「仕上材」、「下地ボード」、「透湿防水シート」および「断熱材」の4つの構成要素を抽出する。
サーバCPU12は、ステップS581で抽出した各々の構成要素をキーとしてリストDB46の用途フィールドを検索して、リストレコードを抽出する(ステップS583)。サーバCPU12は、ステップS583で抽出したリストレコードに記録された建材番号をキーとして建材DB44の建材番号フィールドを検索して、建材レコードを抽出する(ステップS584)。サーバCPU12は、抽出した建材レコードをユーザCPU22に送信する。
ユーザCPU22は、受信した建材レコードを表示部27に表形式で表示する(ステップS564)。具体的には、ユーザCPU22は、図15を使用して説明した画面の候補欄72に、受信した建材レコードを表示する。
ユーザCPU22は、候補欄72に表示した建材の選択を受け付ける(ステップS565)。ユーザCPU22は、パターン中の位置の指定を受け付ける(ステップS566)。具体的には、ステップS565およびステップS566は、候補欄72に表示された建材が構成要素欄53にドラッグアンドドロップされる操作を受け付けることによって行われる。ステップS565およびステップS566は、候補欄72に表示された建材のクリックまたはタップと、構成要素欄53のクリックまたはタップとの組み合わせ、または音声入力等の任意のユーザインターフェイスにより受け付けられても良い。ステップS566は、模式図欄66に表示された模式図上の位置または模式図に記載された構成要素の一般名が選択される操作を受け付けることにより行われても良い。
ユーザCPU22は、ステップS565で受け付けた建材の用途フィールドに記録された用途と、ステップS566で受け付けたパターン中の位置に対応する構成要素とが対応するか否かを判定する(ステップS567)。具体的には、「下地ボード」の建材と、図15を使用して説明した画面中の上から2番目の「下地ボード」の構成要素欄53とを受け付けた場合には、ユーザCPU22は、両者が対応すると判定する。一方、「下地ボード」の建材と、図15を使用して説明した画面中の上から1番目の「仕上材」の構成要素欄53とを受け付けた場合には、ユーザCPU22は、両者が対応しないと判定する。
対応すると判定した場合(ステップS567でYES)、ユーザCPU22はステップS566で受け付けた位置に対応する構成要素欄53に、ステップS565で受け付けた建材を表示する(ステップS568)。対応しないと判定した場合(ステップS567でNO)およびステップS568の終了後、ユーザCPU22は入力の受付を終了するか否かを判定する(ステップS569)。具体的には、終了ボタン69の選択を受け付けた場合に、ユーザCPU22は入力の受付を終了すると判定する。
終了しないと判定した場合(ステップS569でNO)、ユーザCPU22は、ステップS565に戻る。終了すると判定した場合(ステップS569でYES)、ユーザCPU22は、構成要素欄53に受け付けた構成をサーバCPU12に送信する。サーバCPU12は、受信した構成を構成DB45に記録する(ステップS585)。その後、ユーザCPU22は処理を終了する。
図22は、図面作成のサブルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。図面作成のサブルーチンは、建築用の図面の雛形または作成途中の図面を表示し、図面中の各部位に構成DB45に記録された構成を関連付けて、図面DB42に記録するサブルーチンである。
ユーザCPU22は、作成する図面の種類を受け付ける(ステップS601)。具体的には、ユーザCPU22は、図11を使用して説明した画面のメニュー欄51中から図面の種類の選択を受け付ける。ユーザCPU22は、受け付けた図面の種類をサーバCPU12に送信する。
サーバCPU12は、図面DB42から、受信した種類の図面を抽出する(ステップS621)。図面DB42に該当する図面が記録されていない場合には、サーバCPU12は受信した種類の図面の雛形を抽出する。なお、雛形は補助記憶装置14に記憶されているか、またはネットワークを介して接続された他のサーバに記憶されている。サーバCPU12は、抽出した図面をユーザCPU22に送信する。
ユーザCPU22は、受信した図面を表示部27に表示する(ステップS602)。ステップS602で表示する画面の例は、図17および図18を使用して説明した画面中の仕上表欄62である。
ユーザCPU22は、部位選択ボタン81およびプロジェクト選択ボタン82を介して、構成を選択する対象部位および対称プロジェクトを受け付ける(ステップS603)。ユーザCPU22は、受け付けた部位およびプロジェクトをサーバCPU12に送信する。サーバCPU12は、受信した部位およびプロジェクトをキーとして構成DB45から構成レコードを抽出する(ステップS622)。
サーバCPU12は、ステップS622で抽出した構成レコードの下地フィールドおよび仕上げフィールドに記録された建材番号をキーとして建材DB44を検索し、それぞれの建材のレコードを抽出する(ステップS623)。サーバCPU12は、ステップS622で抽出した構成およびステップS623で抽出した建材をユーザCPU22に送信する。
ユーザCPU22は、表示部27に表形式で構成を表示する(ステップS604)。ステップS604で表示する画面の例は、図17および図18を使用して説明した画面中の構成候補欄75である。
ユーザCPU22は、入力部26を介して構成の選択を受け付ける(ステップS605)。ユーザCPU22は、入力部26を介して、階数および室名等により定められる場所の指定を受け付ける(ステップS606)。具体的には、ステップS605およびステップS606は、構成候補欄75に表示された建材が仕上表欄62にドラッグアンドドロップされる操作を受け付けることによって行われる。なお、ステップS605およびステップS606は、構成候補欄75に表示された構成のクリックまたはタップと、仕上表欄62に表示された場所のクリックまたはタップとの組み合わせ、または音声入力等の任意のユーザインターフェイスにより受け付けられても良い。
ユーザCPU22は、ステップS606で受け付けた場所中の、ステップS603で受け付けた部位と、ステップS605で受け付けた構成との組み合わせを受け付ける。ユーザCPU22は、仕上表欄62内に、受け付けた構成を表示する(ステップS607)。ステップS607で表示する画面の例は、図18を使用して説明した画面中の拡大表示部分である。
ユーザCPU22は、入力を終了するか否かを判定する(ステップS608)。具体的には、ユーザCPU22は終了ボタン69の選択を受け付けた場合に、入力を終了すると判定する。入力を終了しないと判定した場合(ステップS608でNO)、ユーザCPU22はステップS603に戻る。
入力を終了すると判定した場合(ステップS608でYES)、ユーザCPU22は、仕上表欄62に表示されている場所、部位および構成との組み合わせをサーバCPU12に送信する。
サーバCPU12は、ステップS605で受け付けた構成が、入力中の図面と同一のプロジェクト内の構成のみであるか否かを判定する(ステップS624)。異なるプロジェクトから読み出した構成が含まれると判定した場合(ステップS624でNO)、サーバCPU12は、構成DB45に新しいレコードを作成して保存する(ステップS625)。新しいレコードは、ステップS622で抽出したレコードのうち、対応するレコードのプロジェクト番号フィールドを、入力中のプロジェクトの番号で置き換え、新たな構成IDを付与したレコードである。
異なるプロジェクトから読み出した構成が含まれないと判定した場合(ステップS624でYES)およびステップS625の終了後、サーバCPU12は受信した部位と構成との組み合わせを図面DB42に記録し、保存する(ステップS626)。その後、ユーザCPU22は処理を終了する。
本実施の形態によると、建材DB44を使用することにより、多くのメーカから供給されている建材を横断的に調査して使用する建材を選択することが可能な建材選択装置等を提供することができる。
本実施の形態によると、図18を使用して説明したように、建材の一般名を記載した仕上表を作成し、出力することができる。一般名を記載した仕上表は建築用の図面の一種であり、建築確認申請に使用することができる。一方、図6を使用して説明したように、構成DB45に選択した建材の建材番号が記録されているので、建材の発注書および施工指示書を容易に作成することができる。
本実施の形態によると、リストDB46を使用することにより、ユーザは紙のカタログを使用する従来の設計作業と同様の感覚で図面を作成することができる。すなわち、紙のカタログを見て、自分が採用する可能性のある建材のページに付箋を貼っておき、付箋を貼った建材の中から、実際に使用する建材を決定する感覚を再現することができる。したがって、ユーザが使用しやすい建材選択システム10を提供することができる。
本実施の形態によると、構成DB45を使用することにより、複数の部屋等に同じ構成を繰り返して使用することが容易な建材選択システム10を提供することができる。本実施の形態によると、図17を使用して説明したプロジェクト選択ボタン82を使用することにより、他のプロジェクトで使用した構成を流用することが容易な建材選択システム10を提供することができる。
プロジェクトDB41、図面DB42、パターンDB43、構成DB45およびリストDB46は、ユーザクライアント21の補助記憶装置24に保存されていても良い。また、これらのDBがユーザの所属する組織が管理するサーバに記憶されていても良い。このようにすることにより、プロジェクトの内容に関する情報が外部に流出する可能性を低減することができる。このようにする場合であっても、建材DB44は建材システム10の運営者が管理するサーバ11に保存された最新のDBを使用することが望ましい。建材DB44もユーザクライアント21の補助記憶装置24に保存する場合には、定期的にサーバ11に保存された建材DB44と同期を取り、最新情報にアップデートすることが望ましい。
図20から図22で説明した処理の大半をサーバCPU12が行い、ユーザCPU22はユーザの操作の受付および表示部27への表示のみを行うようにしても良い。
図20を使用して説明したリスト作成のサブルーチン、図21を使用して説明した構成作成のサブルーチンおよび図22を使用して説明した図面作成のサブルーチンは、それぞれ異なるハードウェアで実行されても良い。たとえば、建材システム10の運営者が、推奨する構成を記録した構成DB45をあらかじめ作成し、建材DB44とともにユーザに提供しても良い。
[実施の形態2]
本実施の形態は、リストDB46に記録された建材にタグを付与し、タグに基づいて建材を抽出できるようにした建材選択装置等に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図23は、実施の形態2のリストDB46のレコードレイアウトを示す説明図である。本実施の形態のリストDB46は、プロジェクト番号、リスト番号、建材番号、用途およびタグを関連付けるDBである。
本実施の形態のリストDB46は、図7を使用して説明した実施の形態1のリストDB46にタグフィールドを追加したDBである。タグフィールドには、「#」で始まる任意の文字列からなるタグが記録されている。
ユーザCPU22は、リスト作成のサブルーチンのステップS527で選択を新たに受け付けたと判定した後に(ステップS527でYES)、表示部27にタグの入力を促すダイアログを表示し、入力部26を介してタグの入力を受け付ける。ユーザCPU22はステップS543において、リストDB46のタグフィールドに入力を受け付けたタグを記録する。
タグは、WEBブラウザ等で使用されることの多い「#お気に入り」の他、特定の製品シリーズで使用することを示すタグ、特定の顧客の指定建材であることを示すタグ等、任意のタグを使用することができる。
図15および図16を使用して説明した画面に、候補欄72に表示した建材に設定されているタグの一覧を示すボタン等を設けることにより、ユーザはタグにより建材を絞り込むことが可能になる。
本実施の形態によると、タグを使用することにより、建材の候補を絞り込んで表示することが可能な建材選択装置等を提供することができる。
なお、タグの先頭を示す文字は「#」とは異なる任意の文字を使用しても良い。
[実施の形態3]
本実施の形態は、構成DB45に記録された構成にタグを付与し、タグに基づいて構成を抽出できるようにした建材選択装置等に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図24は、実施の形態3の構成DB45のレコードレイアウトを示す説明図である。本実施の形態の構成DB45は、プロジェクト番号、構成ID、パターンID、パターン中の各部分に配置する建材の建材番号、構成を使用する建築物中の部位、構成記号およびタグを関連付けるDBである。
本実施の形態の構成DB45は、図6を使用して説明した実施の形態1の構成DB45のメモフィールドの代わりにタグフィールドを有するDBである。タグフィールドには、「#」で始まる任意の文字列からなるタグが記録されている。
ユーザCPU22は、構成作成のサブルーチンのステップS569で終了すると判定した後に(ステップS569でYES)、表示部27にタグの入力を促すダイアログを表示し、入力部26を介してタグの入力を受け付ける。ユーザCPU22はステップS585において、構成DB45のタグフィールドに入力を受け付けたタグを記録する。
タグは、WEBブラウザ等で使用されることの多い「#お気に入り」の他、特定の製品シリーズで使用することを示すタグ、特定の顧客の指定建材であることを示すタグ等、任意のタグを使用することができる。
図17および図18を使用して説明した画面に、構成候補欄75に表示した構成に設定されているタグの一覧を示すボタン等を設けることにより、ユーザはタグにより構成を絞り込むことが可能になる。
本実施の形態によると、タグを使用することにより、構成の候補を絞り込んで表示することが可能な建材選択装置等を提供することができる。
[実施の形態4]
本実施の形態は、建材の仕様を一覧表示するグラフに、平易な表現で建材の特性を表示する建材選択装置等に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図25は、実施の形態4の軸説明DBのレコードレイアウトを示す説明図である。軸説明DBは、建材の仕様を一覧表示するグラフの軸名称と、軸の大小の意味を表す平易は表現とを関連付けるDBである。
軸説明DBは、軸名称フィールド、大側フィールドおよび小側フィールドを有する。軸名称フィールドには、建材の仕様を一覧表示するグラフに使用される軸の名称が記録されている。大側フィールドには、軸の大きい側の意味が平易な表現で記録されている。小側フィールドには軸の小さい側の意味が平易な表現で記録されている。軸説明DBは、一つの軸の名称について、一つのレコードを有する。
図26は、実施の形態4の建材選択システム10の表示画面の例を示す説明図である。図26は、図12の代わりにユーザCPU22が表示部27に表示する画面の例である。なお、図26においては、「強度」の切換タブ64が選択されている。
図26では、強度を重視して建材を選択する際に適したグラフが表示されている。左側のグラフの横軸は縦方向の引張強さで単位はニュートン/5センチメートル、縦軸は横方向の引張強さで単位はニュートン/5センチメートルである。右側のグラフの横軸は縦方向の針保持強さで単位はニュートン/5センチメートル、縦軸は横方向の針保持強さで単位はニュートン/5センチメートルである。なお、引張強さおよび針保持強さの定義は日本工業規格に定められているので、説明を省略する。
ユーザCPU22は、入力部26を介してユーザによるグラフ上の任意の位置の指定を受け付ける。ユーザCPU22は、指定を受け付けた位置を中心として正方形の周辺マーク74を表示する。ユーザCPU22は、指定を受け付けた位置を中心として、グラフの縦軸および横軸に平行な補助軸84を表示する。ユーザCPU22は、補助軸84の端部に、各軸の大きい側の意味および小さい側の意味を、平易な言葉で示す説明指標83を表示する。
図26の右側に示すグラフを例にして、さらに具体的に説明する。ユーザCPU22は、横軸の名称「針保持強さ縦」をキーとして図25を使用して説明した軸名称DBを検索してレコードを抽出する。抽出したレコードより、横軸の数値が大きい側に対して「針穴に強い」の文字列を、横軸の数値が小さい側に対して「針穴に弱い」の文字列をそれぞれ関連付けて補助記憶装置24に記憶する。同様にユーザCPU22は、縦軸の名称「針保持強さ横」をキーとして図25を使用して説明した軸名称DBを検索してレコードを抽出する。抽出したレコードより、縦軸の数値が大きい側に対して「針穴に強い」の文字列を、横軸の数値が小さい側に対して「針穴に弱い」の文字列をそれぞれ関連付けて補助記憶装置24に記憶する。
ユーザCPU22は、周辺マーク74の位置に合わせて、補助軸84を表示する。ユーザCPU22は、補助記憶装置24に記憶した文字列を用いて、軸の向きに合わせた説明指標83を補助軸84の端部に表示する。
本実施の形態によると、建築分野における専門用語を軸に使用したグラフに対して、素人にも理解しやすい表現を追加して表示する建材選択装置等を提供することができる。
たとえば、注文住宅を購入しようとする顧客は建築分野については素人であることが一般的であり、専門用語の意味を理解できない場合が多い。一方建材選択システム10のユーザである設計者は、建築分野の専門家であり、日常的に専門用語を使用している。したがって、素人に理解しやすい平易な表現に言い換えて説明することは可能ではあるものの、専門用語が登場する都度説明するには時間が掛かり、ユーザ、顧客双方の負担になる。
本実施の形態によると、ユーザと顧客とが共通のグラフを使用して、スムーズに建材の選択をすることが可能な建材選択装置等を提供することが可能である。
[実施の形態5]
図27は、実施の形態5の建材選択装置の動作を示す機能ブロック図である。建材選択装置は、サーバCPU12による制御に基づいて以下のように動作する。
図面出力部91は、建築用の図面を出力する。構成候補出力部92は、建材の構成の候補を出力する。構成受付部93は、構成候補出力部92が出力した候補から選択された構成を受け付ける。場所受付部96は、図面出力部91が出力した図面から選択された場所を受け付ける。第1記録部94は、場所受付部96が受け付けた場所と構成受付部93が受け付けた構成との組み合わせを記録する。
[実施の形態6]
本実施の形態は、汎用のコンピュータとプログラム40とを組み合わせて動作させることにより、建材選択システム10を実現する形態に関する。図28は、実施の形態6の建材選択システム10の構成を示す説明図である。図28を使用して、本実施の形態の構成を説明する。なお、実施の形態1と共通する部分の説明は省略する。
本実施の形態の建材選択システム10は、サーバ11、ユーザクライアント21およびメーカクライアント31を備える。
サーバ11は、サーバCPU12、主記憶装置13、補助記憶装置14、通信部15および読取部16を備える。サーバ11は、汎用のパソコン等の情報処理装置である。
プログラム40は、可搬型記録媒体38に記録されている。サーバCPU12は、読取部16を介してプログラム40を読み込み、補助記憶装置14に保存する。またサーバCPU12は、サーバ11内に実装されたフラッシュメモリ等の半導体メモリ39に記憶されたプログラム40を読出しても良い。さらに、サーバCPU12は、通信部15およびネットワークを介して接続される図示しない他のサーバコンピュータからプログラム40をダウンロードして補助記憶装置14に保存しても良い。
サーバCPU12は、プログラム40のうちユーザCPU22が実行する部分をユーザクライアント21に送信する。サーバCPU12は、プログラム40のうちメーカCPU32が実行する部分をメーカクライアント31に送信する。
プログラム40は、サーバ11の制御プログラムとしてインストールされ、主記憶装置13にロードして実行される。ユーザクライアント21が受信したプログラム40は、ユーザクライアント21の制御プログラムとしてインストールされ、主記憶装置23にロードして実行される。メーカクライアント31が受信したプログラム40は、メーカクライアント31の制御プログラムとしてインストールされ、図示しない主記憶装置にロードして実行される。
プログラム40は、最初にユーザクライアント21に読み込まれてサーバ11およびメーカクライアント31に送信されても良い。プログラム40は、最初にメーカクライアント31に読み込まれてサーバ11およびユーザクライアント21に送信されても良い。
以上により、サーバ11、ユーザクライアント21およびメーカクライアント31は上述した建材選択システム10として機能する。
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。