JP2003099480A - 設計支援方法、設計支援装置、プログラム、および媒体 - Google Patents

設計支援方法、設計支援装置、プログラム、および媒体

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JP2003099480A
JP2003099480A JP2001294235A JP2001294235A JP2003099480A JP 2003099480 A JP2003099480 A JP 2003099480A JP 2001294235 A JP2001294235 A JP 2001294235A JP 2001294235 A JP2001294235 A JP 2001294235A JP 2003099480 A JP2003099480 A JP 2003099480A
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JP2001294235A
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Shigeto Shibaike
成人 芝池
Takayoshi Ueno
貴由 上野
Yuka Okada
夕佳 岡田
Hiroshi Onishi
宏 大西
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品の設計を行いながら、部品に使用すべき
材料を製品全体の評価の中で的確かつ効率的に選択する
ことができなかった。 【解決手段】(a)製品の設計を行うためのCADシス
テム1と、(b)設計される製品の部品に使用すべき材
料の候補を所定の情報を利用して評価し、その評価の結
果に基づいて候補の中から製品の部品に使用すべき材料
を一個または複数個選択するための材料選択システム6
とを協働させることによって、製品の設計を支援するた
めの設計支援装置であって、使用すべき材料の選択の結
果は、製品の評価として部品の全部または一部に関して
総括され、評価および選択は、総括の結果に基づき繰り
返して行われる設計支援装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、環境に
配慮した製品を設計する際に有効な設計支援方法、設計
支援装置、プログラム、および媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、環境に配慮した製品設計は極めて
重要な課題になっている。たとえば、設計プロセスの上
流に位置する概念形成フェーズでは現行製品のLCA評
価などを参考に新製品の設計指針を決定する。下流の詳
細設計フェーズでは生産工程の緻密な分析が必要にな
り、結果は上流側へフィードバックされる。中核となる
具現化設計フェーズでは材料選択が重要になる。材料は
特に環境に対する影響が顕著で、資源の枯渇に始まり、
製造する際のエネルギー消費や各種環境負荷物質の排
出、そして使用時の安全性やリサイクル可能率、廃棄処
理にいたるまで広範な検討が要求されるからである。
【0003】環境調和性を考慮した材料選択方法論は、
機械設計における材料選択に関するM.F.Ashby
の研究を基礎として構築されている。
【0004】本発明者である芝池らの論文(例えば、環
境調和性を考慮した材料選択方法論,D&S’98論文
集,1998,pp.469)に詳しいが、製品設計時
に、使用する材料のコストパフォーマンスと環境調和性
(単位環境負荷量あたりの性能、コストパフォーマンス
に対応する概念)を同時に比較、評価できるように一般
化し、膨大な材料データをX−Y平面に投影する材料選
択チャート(Cambridge Materials
Selector Ver.2.0,グランタデザイ
ン社製)を用いて各材料の特性を基準材料との比較にお
いて、性能指標を用いて相対評価するものである。
【0005】ここで、環境調和性を考慮した材料選択方
法論の説明図である図12を参照しながら、この材料選
択方法論について説明する。
【0006】まず要求事項の明確化を行い、設計対象の
機能、目的、制約条件を定める。次に、選択基準となる
性能指標を作成するために設計対象の基礎解析から目的
関数を導出し、材料の属性に起因するパラメータを抽出
して性能指標を作成し、コストパフォーマンスと環境調
和性に関する評価を行う。
【0007】さらに、環境負荷量をコストに関連付ける
変換係数を用いて評価関数を作成し、必要な機能を得る
ためにその材料に要求されるトータルコストを推量す
る。
【0008】なお、変換係数には環境税、代替エネルギ
ーの製造コスト、廃棄処理や回収費用等、着目する環境
負荷因子の種類によって適当な換算値を代入する。ま
た、評価チャートは右方向及び上方向が良好であること
を示しており、各性能指標と評価関数によって基準材料
に対して領域AからEに分類される。
【0009】各領域内に位置する材料の持つ意味は次の
とおりである。
【0010】A:コストパフォーマンスと環境調和性が
ともに基準材料より優れている。
【0011】B:コストパフォーマンスは劣るものの環
境調和性が基準材料より優れており、トータルコストに
おいても基準材料を凌いでいる。
【0012】C:環境調和性は劣るもののコストパフォ
ーマンスが基準材料より優れており、トータルコストに
おいても基準材料を凌いでいる。
【0013】D:コストパフォーマンスは劣るものの環
境調和性が基準材料より優れているが、トータルコスト
においては基準材料に劣っている。
【0014】E:コストパフォーマンスと環境調和性が
ともに基準材料より劣っている。もしくは、環境調和性
は劣るもののコストパフォーマンスが基準材料より優れ
ているが、トータルコストにおいては基準材料より劣っ
ている。
【0015】したがって、領域AからEの順に材料の選
択優先順位が決定されるが、領域CとDは状況に応じて
逆転することがあると考えられる。
【0016】ここで、材料選択のための従来の評価チャ
ートを示す図13を参照しながら、この方法論を用いて
テレビのフロントキャビネットの材料選択を実施した際
の評価を説明する。
【0017】なお、このチャートは前述の材料選択ソフ
トウェア(Cambridge Materials
Selector)を用いて作成されたものである。
【0018】解析の結果、難燃性ポリスチレンを基準材
料としたとき、アルミニウム合金と普通のポリスチレン
が領域A、マグネシウム合金が領域Bに位置している。
この図は感覚的には理解しやすいが、性能指標の理解に
専門的な知識を要するため、図の正しい理解に関しても
困難な面がある。
【0019】そこで、この材料選択方法論をより効果的
に実現するために、上記の各性能指標や評価関数を自動
的に創出する手法が考案され、パーソナルコンピュータ
用の材料評価ツールとして開発されている。
【0020】これも芝池らの論文(性能指標の自動創出
機能を有する環境調和性を考慮した材料選択方法論,エ
コデザイン’99ジャパンシンポジウム論文集,199
9,pp.96、及び、環境に配慮した材料評価ツー
ル,エコデザイン2000ジャパンシンポジウム論文
集,2000,pp.52)に詳しいが、製品の性能仕
様を拘束する制約条件と、特に力学的な特性(制約条
件)が要求される場合では最終の断面形状や荷重の負荷
様式等とを用い、組み合わせを想定して予め質量あたり
の性能指標を求めておき、必要事項を網羅したメニュー
で設定された各設計要素の組み合わせから、使用する性
能指標を選択して自動的に評価計算を行うものである。
【0021】評価結果は、単位質量あたりの性能を示す
質量性能指標、単位コストあたりの性能を示すコストパ
フォーマンス指標、単位環境負荷量あたりの性能を示す
環境調和性指標、評価関数を用いて総コストを評価する
トータルコスト値により、基準となる材料に対する上述
の領域に応じた点数が与えられて簡単な棒グラフで表示
される。
【0022】ここで、材料選択のための簡略化された評
価チャートを示す図である図14を参照しながら、前述
の論文で発表された評価チャートの例を説明する。
【0023】このチャートはリレーショナルデータベー
スシステムソフトウェアAccess2000(マイク
ロソフト社製)を用いて作成されたものである。
【0024】上部に各条件の設定内容が示され、以下、
各材料の評価結果がデータベース内の全材料について連
続的に表示される(図はグラフ部分の一部のみ)。
【0025】棒グラフの背が高いものほど、好ましい材
料である。各材料は、その属性を表すカテゴリーに分類
されており、データベースに格納されている各材料の評
価を俯瞰することができる。
【0026】こうしたツールにより、材料力学の構成方
程式や各特性に関する専門的な知識がない場合でも最適
な材料選択を可能とし、解析作業を迅速かつ正確に実行
して材料の評価を行い、簡単なチャートで結果を理解す
ることが可能になった。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のツールでは、実際の設計現場での設計作業を
中断してツールを起動し、材料を評価するための各種設
定を行い、評価結果を理解した後、材料選択作業に反映
させるというプロセスが必要になり、非効率的である。
しかも、個々の部品毎の独立した評価を前提としている
ため、製品全体の最適化を可能とするような多様な材料
選択には対応できない。
【0028】つまり、設計作業を進めながら各部品毎の
材料評価を同時に実行してその結果を解りやすく表示し
て材料選択に反映させ、かつ製品全体としての評価によ
る設計の最適化を可能とするような、設計現場の実情に
十分に対応できていない。
【0029】本発明は、上記従来のこのような課題を考
慮し、製品の設計を行いながら、部品に使用すべき材料
を製品全体の評価の中で的確かつ効率的に選択すること
ができる設計支援方法、設計支援装置、プログラム、お
よび媒体を提供することを目的とするものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】第一の本発明(請求項1
に対応)は、(a)製品の設計を行うためのCADシス
テムと、(b)前記設計される製品の部品に使用すべき
材料の候補を所定の情報を利用して評価し、その評価の
結果に基づいて前記候補の中から前記製品の部品に使用
すべき材料を一個または複数個選択するための材料選択
システムとを協働させることによって、前記製品の設計
を支援するための設計支援方法であって、前記使用すべ
き材料の選択の結果を前記製品の評価として前記部品の
全部または一部に関して総括するステップと、前記評価
および前記選択を前記総括の結果に基づき繰り返して行
うステップとを備えた設計支援方法である。
【0031】これにより、設計作業を進めながら材料評
価を同時に実行し、多彩な視点による迅速且つ正確な評
価結果を直接的に材料選択に反映させ、製品全体として
の最適化を可能とする各部品の材料選択が実現できるよ
うな、設計現場の実情に合った設計支援方法を提供する
ものである。
【0032】第二の本発明(請求項2に対応)は前記C
ADシステムは、前記各部品の属性に関する属性データ
を保持しており、前記材料選択システムは、前記候補と
なる材料に関する候補材料データを候補材料データベー
スに保持しており、前記所定の情報は、前記属性データ
および前記候補材料データであり、前記属性データを前
記繰り返して行われる選択の最終結果に基づいて更新す
るステップを備えた第一の本発明の設計支援方法であ
る。
【0033】第三の本発明(請求項3に対応)は、前記
選択の結果を保持するための部品表を作成するステップ
を備えた第一の本発明の設計支援方法である。
【0034】第四の本発明(請求項4に対応)は、前記
属性データは、少なくとも前記部品の、識別情報、体積
と数量、材質、および評価条件に関するデータである第
二の本発明の設計支援方法である。
【0035】第五の本発明(請求項5に対応)は、前記
評価条件に関するデータは、前記部品の、断面形状、負
荷様式、および前記部品に要求される性能を示す性能評
価因子の内の少なくとも一つに関する設計情報と、前記
候補材料データベースの識別情報と、地球環境への影響
を示すための環境負荷因子に関する情報とに関するデー
タである第四の本発明の設計支援方法である。
【0036】第六の本発明(請求項6に対応)は、前記
候補材料データベースには、前記候補となる材料の物性
値データと、前記材料の、価格および/または環境負荷
量に関する数値データとが格納されている第二の本発明
の設計支援方法である。
【0037】第七の本発明(請求項7に対応)は、前記
環境負荷量に関する数値データは、前記環境負荷量を付
加コストに換算するための環境コスト変換係数を用い
て、前記価格に関する数値データを利用して前記候補と
なる材料のトータルコストを推量して評価するためのデ
ータである第六の本発明の設計支援方法である。
【0038】第八の本発明(請求項8に対応)は、前記
評価は、前記各部品ごとに前記候補材料データベース内
に格納された全材料の前記性能指標を前記評価条件に対
応する所定の性能指標計算式と前記数値データとを利用
して計算し、最良な前記性能指標を有する材料の性能指
標の計算値を基準として前記全材料の前記計算された値
を正規化して得られた各材料の期待値を利用することに
よって行われ、前記総括は、前記各材料の期待値の内の
前記選択された材料の期待値に基づいて行われる第二の
本発明の設計支援方法である。
【0039】これにより、設計作業を進めながら材料評
価を同時に実行し、多彩な視点による迅速且つ正確な評
価結果を直接的に材料選択に反映させ、製品全体として
の最適化を可能とする各部品の材料選択が実現できるよ
うな、設計現場の実情に合った設計支援方法を提供する
ものである。
【0040】第九の本発明(請求項9に対応)は、前記
総括は、前記蓄積された、前記製品の機能ブロックを構
成する部品に使用するために選択された材料の期待値を
集計することによって行われる第八の本発明の設計支援
方法である。
【0041】第十の本発明(請求項10に対応)は、前
記選択された材料の期待値を、前記部品、前記製品、お
よび前記機能ブロックの全部または一部に関し集計して
表示するステップを備えた第九の本発明の設計支援方法
である。
【0042】これにより、製品全体としての最適化を可
能とする各部品の材料選択が実現できるような、設計現
場の実情に合った設計支援方法を提供するものである。
【0043】第十一の本発明(請求項11に対応)は、
前記期待値を、(1)前記性能指標として前記部品に要
求される性能を示す材料物性値から構成される関数であ
る材料特性と、(2)単位質量あたりの前記性能を示す
前記材料特性と前記材料の密度とから構成される関数で
ある軽量性と、(3)単位コストあたりの前記性能を示
す前記軽量性と前記価格とから構成される関数であるコ
ストパフォーマンスと、(4)前記環境負荷量一単位あ
たりの前記性能を示す前記軽量性と前記環境負荷量とか
ら構成される関数である環境調和性と、(5)前記性能
一単位あたりの前記トータルコストを示す前記コストパ
フォーマンスと前記環境調和性と前記候補となる材料の
環境負荷量を付加コストに換算するための環境コスト変
換係数とから構成される関数である低トータルコスト性
との全部または一部について作成するステップを備えた
第八の本発明の設計支援方法である。
【0044】これにより、多彩な視点による迅速且つ正
確な評価結果を直接的に材料選択に反映させることがで
きるような、設計現場の実情に合った設計支援方法を提
供するものである。
【0045】第十二の本発明(請求項12に対応)は、
前記作成された期待値を、(1)前記材料特性に関して
は前記部品ごとの体積の比率に応じた加重積算を適用
し、(2)前記軽量性に関しては前記部品毎の質量の比
率に応じた加重積算を適用し、(3)前記コストパフォ
ーマンスに関しては前記部品毎の材料の価格の比率に応
じた加重積算を適用し、(4)前記環境調和性に関して
は前記部品毎の材料の環境負荷量の比率に応じた加重積
算を適用し、(5)前記低トータルコスト性に関しては
前記部品毎の材料のトータルコストの比率に応じた加重
積算を適用することにより集計するステップを備えた第
十一の本発明の設計支援方法である。
【0046】これにより、製品全体としての最適化を可
能とする各部品の材料選択が実現できるような、設計現
場の実情に合った設計支援方法を提供するものである。
【0047】第十三の本発明(請求項13に対応)は、
前記加重積算に利用される各部品の体積またはそれら各
部品同士の体積比は、前記CADシステムによって算出
される第十二の本発明の設計支援方法である。
【0048】第十四の本発明(請求項14に対応)は、
(a)製品の設計を行うためのCADシステムと、
(b)前記設計される製品の部品に使用すべき材料の候
補を所定の情報を利用して評価し、その評価の結果に基
づいて前記候補の中から前記製品の部品に使用すべき材
料を一個または複数個選択するための材料選択システム
とを協働させることによって、前記製品の設計を支援す
るための設計支援装置であって、前記使用すべき材料の
選択の結果は、前記製品の評価として前記部品の全部ま
たは一部に関して総括され、前記評価および前記選択
は、前記総括の結果に基づき繰り返して行われる設計支
援装置である。
【0049】これにより、設計作業を進めながら材料評
価を同時に実行し、多彩な視点による迅速且つ正確な評
価結果を直接的に材料選択に反映させ、製品全体として
の最適化を可能とする各部品の材料選択が実現できるよ
うな、設計現場の実情に合った設計支援装置を提供する
ものである。
【0050】第十五の本発明(請求項15に対応)は、
第一の本発明の設計支援方法の、前記使用すべき材料の
選択の結果を前記製品の評価として前記部品の全部また
は一部に関して総括するステップと、前記評価および前
記選択を前記総括の結果に基づき繰り返して行うステッ
プとの全部または一部をコンピュータに実行させるため
のプログラムである。
【0051】これにより、設計作業を進めながら材料評
価を同時に実行し、多彩な視点による迅速且つ正確な評
価結果を直接的に材料選択に反映させ、製品全体として
の最適化を可能とする各部品の材料選択が実現できるよ
うな、設計現場の実情に合った設計支援方法を実現する
プログラムを提供するものである。
【0052】第十六の本発明(請求項16に対応)は、
第一の本発明の設計支援方法の、前記使用すべき材料の
選択の結果を前記製品の評価として前記部品の全部また
は一部に関して総括するステップと、前記評価および前
記選択を前記総括の結果に基づき繰り返して行うステッ
プとの全部または一部をコンピュータに実行させるため
のプログラムを担持した媒体であって、コンピュータに
より処理可能な媒体である。
【0053】これにより、設計作業を進めながら材料評
価を同時に実行し、多彩な視点による迅速且つ正確な評
価結果を直接的に材料選択に反映させ、製品全体として
の最適化を可能とする各部品の材料選択が実現できるよ
うな、設計現場の実情に合った設計支援方法を実現する
媒体を提供するものである。
【0054】
【発明の実施の形態】以下では、本発明にかかる実施の
形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
【0055】(実施の形態1)はじめに、主として図1
を参照しながら、本実施の形態の設計支援装置の構成に
ついて説明する。なお、図1は、本実施の形態の設計支
援装置の構成を示す図である。
【0056】CADシステム1は仮想空間表示機能を有
するCAD制御部2、表示部3、入力部4、及びCAD
データベース5で構成され、このCADデータベース5
には設計情報5a、部品情報5b、製品情報5c、LC
A情報5d等が格納されている。
【0057】一方、材料選択システム6は、製品評価機
能を有する材料選択制御部7、及びリレーショナルデー
タベース8で構成され、このリレーショナルデータベー
ス8には材料リスト8a、性能指標リスト8b、環境コ
ストリスト8c、為替レートリスト8d等が格納されて
いる。
【0058】なお、CAD制御部2と材料選択制御部7
はデータのやり取りを頻繁に行うので一体化して設けて
も良い。また、特に図示はしないがリレーショナルデー
タベース8内に材料リスト8aが複数備えられている場
合もある。このときは設計者の意図に従って適切な材料
リストを選択して材料選択や製品評価を実行する。
【0059】これらの設計支援装置は一般的なパーソナ
ルコンピュータシステム上に実装されるが、ソフトウェ
アのフレームワークとしては、例えばCADシステム1
にAutoCAD(オートデスク社製)、材料選択シス
テム6に前述のAccess2000といった市販のソ
フトウェアを利用することが可能である。
【0060】なお、必要に応じて市販品をカスタマイズ
した形態でこれらを供給することが考えられるが、この
ようなプログラムの融合には、Active Xオート
メーションに対応したマイクロソフトOffice V
BA(Visual Basic for Appli
cation)などのプログラミング環境からアプリケ
ーションをカスタマイズして連係させるのが有効であ
る。
【0061】次に、本実施の形態の設計支援装置の動作
について説明する。なお、本実施の形態の設計支援装置
の動作について説明しながら、本発明の設計支援方法の
一実施の形態についても説明する。
【0062】まず、基本的には機械設計プロセスを想定
しつつ、本実施の形態の設計支援装置の構成を用いた設
計作業について、同設計支援装置を用いた設計作業を示
す図である図2を参照しながら説明する。
【0063】P1:設計者は、通常の作業と同様にCA
Dシステム1を用いて形状設計を行う。
【0064】P2:ある程度設計が進み構成部品の形状
が定まってくると、材料選択システム6に移動して材料
選択や製品評価を実施する。このとき、CADシステム
1のプルダウンメニューなどから起動可能に設定されて
いる材料選択システム6を必要に応じて起動しても良
い。
【0065】P3:材料選択システム6が、CADシス
テム1のCADデータベース5に格納されている設計情
報5a等から、現在設計している製品またはその一部を
構成する部品の属性データを取得して自動的に部品表7
0を作成する。この部品表70がCADシステム1の表
示部3に提示されるので、設計者は、材料選択か製品及
びブロック評価のいずれかを行う。このプロセスは図3
を用いて後に説明する。
【0066】P4:材料選択を行う場合には、表示部3
に設計条件メニュー10が提示されるので、これを用い
てCADシステム1の入力部4から設計条件を設定入力
する。このプロセスは図4を用いて後に説明する。
【0067】P5:続いて表示部3に評価条件メニュー
20が提示されるので、これを用いて入力部4から評価
条件を設定入力する。このプロセスは図5を用いて後に
説明する。
【0068】P6:この時点で、設定された設計条件及
び評価条件を用いて材料選択システム6が材料の絶対評
価を実行した結果が、表示部3に材料ランキング30と
して提示されるので、設計者はこの表示画面を参照し
て、評価のための基準材料を設定入力する。このプロセ
スは図6を用いて後に説明する。
【0069】P7:次に、材料選択システム6が設定さ
れた基準材料の期待値を求めた結果が、表示部3に部品
評価チャート80として提示されるので、設計者はこの
表示画面を参照して、基準材料を変更して、再度部品評
価を実施するかどうかを決定する。このプロセスは図7
を用いて後に説明する。
【0070】P8:この時点で、相対評価を実施して代
替材料を探索するかどうかを決定する。
【0071】P9:相対評価を実施した場合は、材料選
択システム6が基準材料と評価対象材料との相対評価を
実行した結果が、表示部3に材料評価チャート40とし
て提示されるので、設計者はこの画面を参照して入力部
4から代替する候補材料を設定入力する。このプロセス
は図8を用いて後に説明する。
【0072】P10:この後、設定された候補材料に関
する環境影響の評価結果が、表示部3に環境評価チャー
ト50として提示される。設計者はこの結果を参照し
て、候補材料を変更して再度環境評価チャート50を表
示させるかどうかを決定する。このプロセスは図9を用
いて後に説明する。
【0073】P11:候補材料を新たな基準材料とした
場合は、材料選択システム6が新しい基準材料の期待値
を求めた結果(部品評価チャート80)を参照して、再
び相対評価を行うかどうかを決定する。
【0074】P12:基準材料を変更しないで相対評価
を終了する場合、あるいは相対評価を実施しなかった場
合は、これまでの評価結果を参照して、各種条件設定を
変更して再度材料評価を実施するかどうかを決定する。
【0075】P13:条件を変更しない場合、あるいは
材料選択を実施しなかった場合は、材料選択システム6
が材料選択結果(実施した場合)に関するデータを踏ま
えた部品表70を新たに表示するので、設計者はこの部
品表70を用いて、表示部3に提示される、現在設計中
の製品に関する各構成部品の評価結果をまとめた製品評
価テーブル60及びブロック評価テーブル90を参照し
て、他の部品について材料を修正するかどうかを決定す
る。このプロセスは図10及び図11を用いて後に説明
する。
【0076】P14:材料選択及び製品評価を終了する
場合は、材料を確定しCAD設計に戻る。このとき、材
料選択システム6がCADデータベース5の設計情報5
aにアクセスして、部品の属性データ上記結果を踏まえ
て自動的に更新する。
【0077】なお、これらの設計作業の流れは一例であ
り、上記の順序を必要に応じて入れ替えたり、特定のプ
ロセスを繰り返し、あるいはスキップしたりしても良
い。
【0078】さて、図3は、材料選択システム6によっ
て表示部3に提示される部品表70の表示画面である。
これは、以下の各メニューやチャート等も含めて全て前
述のソフトウェアAccess2000を用いて作成さ
れたものである。
【0079】この部品表70は、材料選択システム6
が、CADデータベース5に格納されている設計情報5
a等から、現在設計している製品またはその一部を構成
する部品の属性データを取得して自動的に作表する。設
計者はこの部品表70を参照し、入力部4を用いて材料
選択か製品及びブロック評価のいずれかを実施する。
【0080】71は各部品の属性リストであり、番号、
部品番号、部品名、材質、ブロック名、数量が示されて
いる。番号はCADシステム1の図面内での表示とのア
イデンティティ確保に用いられ、部品番号はシステム管
理上重複しないように設定されている。
【0081】これらは部品の属性データから抽出してリ
ストアップしたものであるが、詳細表示ボタン72をク
リックすると、ポインタ71aが示す部品の詳細な属性
データが、属性表示テーブル73に表示される。主にテ
ーブル左側73aには部品としての属性、テーブル右側
73bには評価のための属性が配されている。
【0082】図3の例では、部品番号C−1の「ボデ
ィ」という部品名の部品に付いて表示されている。既に
材料選択を実施した例であるため全ての項目にデータが
格納されているが、形状設計を済ませただけの場合は、
未定の部分があっても一向に構わない。可能であればこ
の画面で入力しても良いし、材料選択終了時には必要な
項目は全て自動的に格納される。
【0083】材料を新たに選択、あるいは修正する場合
は材料選択ボタン74をクリックすると、ポインタ71
aが示す部品の材料評価が実施される。材料評価の具体
的な手順は、図4以下に説明する要領で進められる。
【0084】製品評価ボタン75、ブロック評価ボタン
76は、後に詳述する製品全体の評価やブロック毎の評
価を実施する際にクリックするために用意されている。
【0085】材料選択(修正)を実施した後にこの部品
表70に戻ってくると、属性データが結果を踏まえて書
き換えられ、属性リスト71の内容も更新される。この
とき、評価の基準材料がその部品の材質として登録され
る。その内容でよければ、データ更新ボタン77をクリ
ックしてCADデータベース5の内容を最新のデータに
書き換えて結果を反映させる。
【0086】CAD設計ボタン78をクリックすると、
もとのCADシステム1に戻って形状設計を継続するこ
とができるが、この場合データは更新されない。
【0087】次に、図4は、材料選択システム6によっ
て表示部3に提示される設計条件メニュー10の表示画
面である。設計者はこのメニュー画面を参照し、図3に
て説明した部品の材質選定のために、入力部4を用いて
材料の評価に必要な設計条件を設定入力する。
【0088】なお、材料選択が既になされており材料の
修正を行う場合は、過去の評価記録を辿って設定するこ
ともできる。この場合は参照する設計条件が設計条件メ
ニュー10で予め設定されているので、変更が必要な箇
所の修正を以下の手続きと同様にして実施すればよい。
【0089】まず、断面形状設定テーブル11では、材
料評価を行う設計対象の断面形状を、(1)相似形(構
成部材の断面形状は一定、面積は可変)、(2)矩形形
状−1(構成部材の幅は一定、厚みのみ可変で幅より十
分小さい)、(3)矩形形状−2(構成部材の厚みは一
定、幅のみ可変で厚みより十分大きい)、(4)薄肉円
筒形状−1(構成部材の外径は一定、肉厚のみ可変、た
だし外径の1/4以下)、(5)薄肉円筒形状−2(構
成部材の肉厚は一定、外径のみ可変、ただし肉厚の4倍
以上)の5種類のいずれかに設定する。
【0090】図4の評価例では断面形状が「矩形形状−
1」に設定されている。なお、この断面形状について
は、CADデータベース5に格納された設計情報5aや
部品情報5b、製品情報5c等を参照して、CAD制御
部2が自動的に設定して材料選択システム6に提供する
ように構成することも可能であり、この場合は設計者は
チェックする(OKボタンのクリックなどで結果を確認
する)だけでよい。
【0091】次に、負荷様式設定テーブル12では、設
計対象に適用される荷重の形態についてその負荷様式
を、(1)軸方向に作用する引張荷重、(2)軸方向に
作用する圧縮荷重、(3)座屈を伴う圧縮荷重、(4)
軸と直角方向に作用する曲げモーメント、(5)軸と直
角方向に作用するねじりモーメント、(6)内部圧力、
(7)外部圧力、(8)座屈を伴う外部圧力の8種類の
いずれかに設定する。
【0092】図4の評価例では、負荷様式が「曲げモー
メント」に設定されている。なお、この負荷様式につい
ても、CADデータベース5に格納された設計情報5a
や部品情報5b、製品情報5c等を参照して、CAD制
御部2が自動的に設定して材料選択システム6に提供す
るように構成することも可能であり、この場合は設計者
はチェックするだけでよい。
【0093】さらに、性能評価因子設定テーブル13で
は、仕様を直接的に拘束する各種の制約要因を選択す
る。制約要因は力学的性質13a、熱的性質13b、電
気的性質13c、複合性質13dの4種類にカテゴライ
ズされた全27因子(制約なしを含む)から選択できる
ので、製品に要求される性能を考慮した評価が実施可能
である。「制約なし」を選択すると、材料の使用量(質
量)のみで後述する質量性能指標以下の計算を実行す
る。各カテゴリーに含まれる因子は、力学的性質13a
(剛性、強度、耐久性、脆性破壊強度、耐振動性、弾性
エネルギー、最大耐久弾性エネルギー、減衰効果、脆性
破壊のない最大歪み、塑性変形のない最大歪み)、熱的
性質13b(断熱効果、伝熱特性、最大蓄熱容量、耐熱
膨張効果、温度変化抵抗、蓄熱効率、比熱、熱膨張抵
抗、耐熱性、熱歪み抵抗)、電気的性質13c(電気絶
縁特性、導電性、誘電率)、複合性質13d(熱応力抵
抗、熱衝撃抵抗、脆性熱衝撃抵抗)である。
【0094】図4の評価例では、性能評価因子が力学的
性質13aの「剛性」に設定されている。なお、この性
能評価因子についても、CADデータベース5に格納さ
れた設計情報5aや部品情報5b、製品情報5c等を参
照して、CAD制御部2が自動的に設定して材料選択シ
ステム6に提供することも可能であり、この場合は設計
者はチェックするだけでよい。
【0095】以上、設定順序に関わらず設計条件メニュ
ー10における全項目の設定入力(もしくはチェック)
が終われば、終了ボタン14をクリックして設定された
設計条件データを材料選択システム6に送出する。
【0096】材料選択システム6では、受け取ったデー
タをもとに材料選択制御部7がリレーショナルデータベ
ース8の性能指標リスト8dから適当な性能指標計算式
を抽出する。性能指標リスト8dには、上記の設計条件
の全ての組み合わせについて予め求められた性能指標が
格納してあり、設計条件データの組み合わせから適切な
性能指標計算式が選択可能である。
【0097】ここで、上記の性能指標計算式の導出方法
について説明する。まず、質量あたりの性能を「質量性
能」と定義する。この質量性能を評価するためには設計
対象の質量をその性能で表現する必要がある。これは、
要求される機能をある制約条件下で達成するために必要
となる材料の質量をその属性に起因する物性値等で記述
する式であり、解析を支配する方程式になる。設計対象
の質量Mは一般的に、
【0098】
【数1】 で表現される。ρは材料の密度、Aは断面積、Lは長さ
である。
【0099】この式から設計条件を用いて自由変数を消
去すると目的関数が得られる。目的関数が求まれば材料
特性を抜き出して性能指標とする。これが「質量性能指
標」であり、材料の特性値aを用いて[a/ρ]と
いう形で定義し、その最大化が目的になる。
【0100】性能指標計算式とはこの質量性能指標のこ
とであり、設計条件の組み合わせで特性値a、次数b、
次数hが決まる。なお、[a]だけを取り出して特に
「材料性能指標」と呼び、質量に左右されない材料独自
の性能を示す指標として用いる場合もある。
【0101】図4の評価例の場合、性能評価因子は「剛
性」、負荷様式は「曲げモーメント」、断面形状は「矩
形形状−1」である。
【0102】「剛性」では、軽くて堅い材料を選ぶため
の評価を行う。荷重に耐えて変形量を極力少なくし、機
構精度を保つのが役目の構造体、機構部品等が対象であ
る。材料の使用量を増やせば同じ荷重に対する変形量を
減らせるので、構造設計と材料選択には密接な関係が有
り、負荷様式と断面形状の双方に関する精緻な考察が要
求される。
【0103】さて、「曲げモーメント」を解析するため
に用いられる弾性曲げの構成方程式は、δを設計対象の
たわみとすれば以下のように記述される。
【0104】ここで、Fは作用する力(モーメントでは
ない)、Eは材料のヤング率、Iは断面2次モーメン
ト、そしてC1は端部拘束様式等で決まる定数である。
この式から、断面2次モーメントIを介して断面形状が
弾性たわみに関与することが確認される。
【0105】「矩形形状−1」は材料の厚さtのみ可変
である。Wを部材の幅とすれば、断面積A及び断面2次
モーメントIは、
【0106】
【数2】 で表される。厚さtを自由変数とし、前出の式を用いて
目的関数から消去すれば、
【0107】
【数3】 となる。
【0108】この式の最終形態の第2の括弧までは形状
と負荷様式に関する設計仕様であり、定数と扱って差し
支えない。すなわち、材料の属性に起因する特性は第3
の括弧内だけであるから、質量性能指標は[E1/3
ρ]となり、性能指標リスト8dには特性値aがヤング
率E、次数bが1/3、次数hが1、として格納され
る。
【0109】さて、このようにして設計条件の全ての組
み合わせについて予め求めた性能指標計算式から、設計
条件に合致する式を選択して用いるが、設計条件の各要
素の内容によっては、上記のような扱いができない場合
がある。
【0110】例えば、性能評価因子に熱的性質13bの
「断熱効果」を選択すると、軽くて断熱効果の大きい材
料を選ぶための評価を行うが、定常的な熱の移動量を少
なくして長期間の保温、保冷効果を高める断熱材等が対
象となる。個の場合は、熱流束が熱の移動方向の断面積
に比例するので、自由変数には材料の厚さを考慮し、断
面の形状及び負荷様式は考慮する必要がない。
【0111】したがって、この場合は性能評価因子だけ
で質量性能指標が決定され、詳しい説明は省略するが、
特性値aが熱伝導率λ、次数bが−1、次数hが1にな
る。
【0112】さらに、設計や材料の質量に影響されない
材料固有の特性によって製品の性能が決定される場合も
ある。
【0113】例えば、複合性質13dの「熱応力抵抗」
を選択すると、温度変化により材料内部に発生する応力
の小さい材料を選ぶための評価を行うが、製造プロセス
の熱履歴が残留応力となって性能に影響を与える薄膜デ
バイス用材料等が対象となる。個の場合は、詳細に解析
すると質量性能指標が定義できなってしまう。
【0114】ここで重要なのはヤング率Eと線膨張率α
の積[E・α]であり、この値は設計条件とは関係ない
ので、特性値aが[Eα]、次数bが−1、次数hが0
となる。そして、「制約なし」を選択した場合と同様、
材料の密度の逆数[1/ρ]を便宜上質量性能指標とし
て別途定義し、材料の質量のみを考慮して以降の各評価
を実行しなくてはならない。
【0115】図5は、材料選択システム6によって表示
部3に提示される評価条件メニュー20の表示画面を示
している。設計者は、このメニュー画面を参照し、入力
部4を用いて材料の評価に必要な評価条件を設定入力す
る。
【0116】なお、材料選択が既になされており材料の
修正を行う場合は、過去の評価記録を辿って設定するこ
ともできる。この場合は参照する設計条件が評価条件メ
ニュー20で予め設定されているので、変更が必要な箇
所の修正を以下の手続きと同様にして実施すればよい。
【0117】まず、環境負荷因子設定テーブル21で
は、材料評価において考慮すべき環境への影響に関する
要因を選択する。
【0118】環境負荷因子は基礎的なデータ21a、ガ
ス等の排出量21b、環境影響指標21cの3種類にカ
テゴライズされた全18因子から選択できるので、製品
が地球環境に与える多様な負荷を考慮した評価が実施可
能である。
【0119】各カテゴリーに含まれる因子は、(1)基
礎的なデータ21a(エネルギー容量、二次エネルギー
容量、最低溶融エネルギー、埋蔵鉱量、年間生産高)、
(2)ガス等の排出量21b(炭酸ガス、一酸化炭素、
塵埃、炭化水素、メタンガス、窒素酸化物、硫黄酸化
物)、(3)環境影響指標21c(温室効果、酸性化、
大気汚染、富栄養化、資源枯渇、エコインジケータ)で
ある。図5の評価例では、環境負荷因子が基礎的なデー
タ21aの「エネルギー容量」に設定されている。
【0120】ここで「エネルギー容量」とは材料自体が
有するエネルギーと製造に要するエネルギーの和と定義
された数値で、この材料を使用した場合にリサイクルし
なければ地球上から消滅するエネルギーと考えられる量
である。
【0121】なお、この環境負荷因子については、CA
Dデータベース5に予めデータが格納されたLCA情報
5d等を参照して、CAD制御部2が自動的に設定して
材料選択システム6に提供するように構成することも可
能であり、この場合は設計者はチェックするだけでよ
い。
【0122】次に、評価基準材料設定ボタン22をクリ
ックすると、リレーショナルデータベース8内に格納さ
れている材料リスト8aが1種類の場合は材料名の選択
メニュー画面(図示せず)が、複数種類の場合はそのデ
ータベース名(材料リスト8a)の一覧が提示されるの
で、相対評価時の基準となる材料が含まれているデータ
ベース(複数の場合)と評価のための基準材料を選ぶ。
【0123】図5の解析例では、「Trial Mat
erials Database」という名前の材料リ
スト8aにデータが格納されている「PP(ポリプロピ
レン樹脂)」が基準材料として設定されていることが、
データベース名表示窓22a及び基準材料名表示窓22
bに示されている。
【0124】ここで、基準材料とは、評価対象とする部
品の「材質」であるが、新しく材料選択を実施する場合
は設計者が通常よく使用する材料であったり、現行機種
の同種の機能を有する部品材料として用いられている材
料であったりする。
【0125】しかし、基準とする材料が想定できない場
合や、絶対評価、すなわち後述する材料ランキングだけ
で材料選択を実行する場合には、ここで基準材料を設定
する必要はない。材料リスト8aが複数種類設けられて
いる場合は、絶対評価であっても評価の対象となるデー
タベースを選択する。もちろん、評価ランキングの結果
を参照してから再び基準材料を設定することも可能であ
る。
【0126】さて、質量許容割合設定ボタン23をクリ
ックすると、上で設定した基準材料に対する評価対象材
料(同じデータベース名の材料リスト8aに含まれる全
ての材料)の質量の増減許容割合が設定できる。基準材
料と同じ性能を維持する各評価対象材料の質量が、基準
材料の質量に対してどの程度増減しても良いかを設定す
るのである。
【0127】具体的には「増減なし」を1.0として、
質量が2倍になっても可なら2.0、半分にしたい場合
は0.5というように記入するが、質量許容割合表示窓
23aには百分率で表示される。
【0128】図5の評価例では、90%、すなわち質量
が評価基準材料より10%軽くなる状態を相対評価時の
基準として設定している。
【0129】同様に、コスト許容割合設定ボタン24を
クリックすると、設定した基準材料に対する評価対象材
料のコストの増減許容割合が設定できる。ここでは基準
材料と同じ性能を維持する各評価対象材料のコストがど
の程度増減しても良いかを設定するのである。設定方法
も質量の場合と同じである。
【0130】図5の評価例では、110%、すなわちコ
ストは基準材料より10%増加する値まで許容して評価
基準に設定していることが、コスト許容割合表示窓24
aに示されている。
【0131】環境負荷量許容割合設定ボタン25も、同
じく基準材料に対する評価対象材料の環境負荷量の増減
許容割合を設定するためのものであり、設定方法は上述
の場合と同じである。
【0132】図5の評価例では、100%、すなわち基
準材料の環境負荷量をそのまま評価基準に設定してお
り、環境負荷量許容割合表示窓25aにて確認される。
これらの設定作業は設計者の裁量による材料評価を可能
とするものであり、基準材料の設定に対して画一的な評
価に陥らないための重要なステップである。一方、リサ
イクル効果設定ボタン26は、基準材料にリサイクル効
果を適用するか否かをトグルスイッチ方式で設定する。
【0133】図5の評価例では、リサイクル効果設定ボ
タン26が引っ込んでいるので、リサイクル効果は考慮
されない。対象となる材料の評価については、この設定
の如何に関わらず、リサイクル効果を考慮する場合とし
ない場合の双方について評価を実行する。絶対評価であ
ってもこの項目は設定する必要がある。
【0134】さらに、通貨設定テーブル27では、各材
料のコストデータに適用する通貨を選択する。
【0135】図5の評価例では、通貨名表示窓27aに
あるように「British Pound」が選択され
ている。この設定は材料リスト8a及び環境コストリス
ト8cの内容と整合していなければならない。外貨の換
算レートはリレーショナルデータベース8内の為替レー
トリスト8dに格納されたデータを参照している。この
データは常に変化しているので管理に工夫が必要であ
り、例えばネットワークを通じて常にデータを更新する
ように構成することも効果がある。
【0136】以上、設定順序に関わらず評価条件メニュ
ー20における全項目の設定入力(もしくはチェック)
が終われば、終了ボタン28をクリックして設定された
評価条件データを材料選択システム6に送出する。
【0137】材料選択システム6では、受け取ったデー
タをもとに材料選択制御部7がリレーショナルデータベ
ース8から必要なデータを抽出して各指標と評価関数を
用いた評価を実行する。
【0138】ここで、先に求めた質量性能指標をもとに
各評価を実施する方法について説明する。
【0139】まず、材料のコストパフォーマンスを評価
するために「コストパフォーマンス指標」を定義する。
【0140】これは、質量性能指標から簡単に求められ
る。すなわち、質量当たりの材料コストを価格データC
mとすれば、前述の記号を用いて材料全体のコストC
を、
【0141】
【数4】 と表せるので、コストパフォーマンス指標は[質量性能
指標/Cm]と定義され、その最大化が目的になる。
【0142】同様に「環境調和性指標」を定義する。
(個の場合は、環境調和性は、「単位環境負荷当たりの
材料特性」で定義される)。
【0143】質量当たりの環境負荷を比環境負荷Fmと
すれば材料全体の環境負荷Dは、
【0144】
【数5】 であるので、環境調和性指標は[質量性能指標/Fm]
と定義できる。
【0145】しかし、環境負荷の種類によっては質量当
たりでは評価できない因子も含まれる。
【0146】この矛盾を取り除くため、「環境負荷f」
に「次数g」による補正を行って[f]とする。
【0147】さらに、リサイクルによる効果を考慮する
場合には「リサイクル効果Re」を適用して、最終的に
比環境負荷Fmを[f/Re]で表す。
【0148】この結果、環境調和性指標は[質量性能指
標/f]、もしくは[質量性能指標×Re/f]と
定義され、やはり最大化が目的になる。この「リサイク
ル効果Re」は、環境調和性指標に乗ずることでリサイ
クルによる効果を考慮できるように設定されている。具
体的には、0と1の間の数値で表される「リサイクル可
能率(通常の技術力で想定される損失分を差し引いた、
材料のリサイクル可能な重量比率)」をRとして、
【0149】
【数6】 と定義して用いることにより、リサイクルされずに廃棄
された材料に対して比環境負荷Fmを考慮して環境調和
性指標を算出する。
【0150】最後に、コストパフォーマンスと環境調和
性を同時に評価するために「トータルコスト値」という
評価関数を導入する。
【0151】このトータルコスト値はコストパフォーマ
ンス指標と環境調和性指標、さらに「環境への影響がも
たらす付加コスト」を示す「ペナルティp」を用いて
[1/コストパフォーマンス指標+p/環境調和性指
標]と定義される。したがって、トータルコスト値は最
大化ではなく最小化を目的とし、コストパフォーマンス
指標と環境調和性指標の評価が分かれた場合の判断に必
要である。このペナルティpは上記の環境負荷因子の設
定内容により、環境コストリスト8cを参照して適用す
る。
【0152】例えば、ガス等の排出量21bから「炭酸
ガス」を選んで設定した場合には「炭素税」が適用され
る。
【0153】図5の評価例では、基礎的なデータ21a
の「エネルギー容量」が設定されているので「エネルギ
ー代償コスト」が適用される。
【0154】なお、環境負荷因子の設定によっては、対
応するペナルティpに適当なデータが存在しない場合が
ある。このような時には「製品回収コスト」が適用され
るが、これは質量そのものを環境負荷量として環境影響
による付加コストを計算するように構成されている。環
境コストは自由に設定が可能であり、既存の環境コスト
リスト8c内のデータも変更可能である。
【0155】さて、上記のように設計条件と評価条件が
設定されると、情報を受け取った材料選択システム6が
適切なデータを用いて材料リスト8a内に格納されてい
る各評価対象材料の絶対評価を実行する。
【0156】図6は、材料選択システム6によって表示
部3に提示される材料ランキング30の表示画面を示し
ている。設計者は、このランキング画面を参照し、入力
部4を用いて相対評価を実施するかどうかを入力する。
【0157】材料ランキング30は、図14で示した従
来の簡略化された評価チャートと似たような構成になっ
ている。
【0158】チャート上部には、設計条件表示テーブル
31及び評価条件表示テーブル32に絶対評価のために
必要な条件設定内容が示され、ここまでに設定した設計
条件(今回の例では「矩形−1」、「曲げモーメン
ト」、「剛性」)及び評価条件(同「エネルギー容量」
と「エネルギー代償コスト」、リサイクル効果は「考慮
しない」)が確認される。
【0159】チャート下部には、材料評価ランキンググ
ラフ33が立体的に表示されており、右上の優先項目設
定テーブル34では、材料評価ランキンググラフ33に
表示される材料の順位において優先する指標及び評価関
数を指定する。
【0160】材料評価ランキンググラフ33では、材料
リスト8a内に格納されている各材料に対する絶対評価
の結果の上位20種類の材料が左から順に示される。優
先項目設定テーブル34の軽量性優先ボタン34aをク
リックすると、質量性能指標(質量性能指標が定義でき
ないときは材料特性指標を用い表示も変わる、後述)の
順位に従って各材料が示される。
【0161】同様に、コストパフォーマンス優先ボタン
34bをクリックすると、材料のコストパフォーマンス
指標の順位に従って各材料が表示される。
【0162】環境調和性優先ボタン34cであれば、環
境調和性指標(もちろん、リサイクル効果を考慮するこ
ともできる)の順位に従って示される。低トータルコス
ト性優先ボタン34dなら、材料のトータルコスト値
(同様に、リサイクル効果を考慮する場合もある)で順
位が決まる。最初の画面を表示する時は軽量性(あるい
は材料特性)が優先されている。
【0163】さて、解析状況表示窓35に「設計依存解
析」、「断面非依存解析」、「機能非依存解析」、「質
量解析」と表示されている場合は質量性能指標が定義で
きるので問題ないが、解析状況表示窓35に「負荷解
析」もしくは「設計非依存解析」と表示されている場合
は、質量性能指標が定義できない解析なので、材料独自
の性能を示す指標、すなわち材料性能指標で評価する。
【0164】このときのコストパフォーマンス指標以下
の評価は、前述のように材料の密度の逆数を便宜上の質
量性能指標として実行する。なお、性能評価因子を設定
しない場合は、正規に材料の密度の逆数が質量性能指標
になることも前述のとおりである。
【0165】ここで、解析状況表示窓35に表示されて
いる内容は、質量性能指標を導出する際に説明した、質
量性能指標計算式と設計条件との関連性を示している。
つまり、「剛性」のように材料の断面形状や負荷様式に
依存する場合は「設計依存解析」と表示され、「断熱効
果」のように材料の使用量(質量)にのみ依存する場合
は「機能非依存解析」と表示され、「熱応力抵抗」のよ
うに設計との関連がない場合は「設計非依存解析」と表
示される。
【0166】なお、「断面非依存解析」とは「弾性エネ
ルギー」のように材料の断面形状に依存しない場合、
「負荷解析」とは「耐振動性」で「引張荷重」を選択し
た時のように負荷様式にのみ依存する場合、また「質量
解析」とは「制約なし」を選んだ場合のように材料の使
用量(質量)のみ考慮する場合に、それぞれ対応してい
る。
【0167】材料評価ランキンググラフ33は、設定内
容による値のばらつきを排除するために、各指標内の最
高値を分母として各評価対象材料の値を分子とする演算
処理を施し、各材料とも0から1の間の評価値に正規化
した対数グラフで表示する。ここで、低トータルコスト
性を示す評価関数(トータルコスト値)だけは逆で、最
低値を分子として各材料の値を分母とする。
【0168】この正規化された評価値を、各評価対象材
料の期待値と呼ぶことにする。利用可能なデータベース
(評価対象材料のリスト)内で、各材料が、設定された
条件下でどの程度高いポテンシャルを有するか、を期待
させる数値だからである。
【0169】グラフは円錐台形状であり、鋭くとがった
ものほど期待値が高いことを示している。当然優先項目
で最も左側に位置する材料は期待値が1であり、完全な
円錐になっている。
【0170】図6の評価例では、軽量性優先で「Woo
d ULD Pa(超低密度木材)」が最も高い期待値
を示しており、20番目が「MgO(酸化マグネシウ
ム)」である。
【0171】グラフ左上の材料順位表示窓33a及び3
3bには、現在表示されている評価対象材料の順位が示
されている。21番目以降の期待値を有する材料を確認
するには、右下の次表示ボタン33cをクリックすれば
21〜40番目の評価対象材料が示される。
【0172】この操作を繰り返し、材料リスト8a内の
全ての材料が表示されたら、また最初に戻って1〜21
番目の評価対象材料が表示される。
【0173】他の指標に関する期待値による評価順位が
知りたい場合は、随時、優先項目設定テーブル34の設
定を変更して確認する。
【0174】確認したら終了ボタン36をクリックして
次のステップに進み、上記ランキング結果を参照して再
び評価条件メニュー20により基準材料を設定する。
【0175】次に、上記の基準材料の期待値を求めた結
果が、図7に示す部品評価チャート80として表示部3
に提示されるので、設計者はこの表示画面を参照して、
基準材料を変更して、再度部品評価を実施するかどうか
を決定する。
【0176】図7の部品評価チャート80は、基本的に
図6の材料ランキング30と同じ情報を提示している
が、全材料ではなく特定の材料、すなわち基準材料に対
する期待値を集めて表示するものである。
【0177】チャート上部には、設計条件表示テーブル
81及び環境負荷因子表示テーブル82、リサイクル効
果表示窓83に期待値計算のために必要な条件設定内容
が示され、ここまでに設定した設計条件(今回の例では
「矩形−1」、「曲げモーメント」、「剛性」)及び評
価条件(同「エネルギー容量」と「エネルギー代償コス
ト」、リサイクル効果は「考慮しない」)が確認され
る。
【0178】さらに、材質表示テーブル85に現時点の
基準材料、解析状況表示窓86には設計との関連性が示
されている。
【0179】チャート下部には、期待値グラフ87が簡
単な対数棒グラフで表示されており、各性能指標や評価
関数に対応して、基準材料(ここでは材質)であるPP
の軽量性期待値87a、コストパフォーマンス期待値8
7b、環境調和性期待値87c、低トータルコスト性期
待値87dが示されている。
【0180】図7の例では、環境調和性期待値87cが
他の期待値に比べて低いことが理解される。ただし、コ
ストとの連携を考慮した低トータルコスト性期待値87
dが良いので、許容できるとも考えられる。
【0181】この環境調和性期待値87cが低いのは、
図6の材料ランキングでも見られたように木材の存在に
よる。木材はそのエネルギー容量が非常に低いので、環
境調和性に関する評価が高くなり、必然的に他の金属材
料やプラスチック材料の評価を低くする。しかし、この
部品(ボディ)には使用環境の点で木材を利用できない
という事情があり、多少環境調和性期待値87cが低く
ても基準材料にPPを設定しているのである。
【0182】もちろん、ソフトウェアに使用環境に関す
る設定項目を設けて、評価対象とする材料を制限するよ
うな機能を持たせることは容易に実現できる。
【0183】ここで設計者は、以上の評価結果を参照し
て、以下の相対評価を実施するか、あるいは評価を終了
して材質を確定し、部品表70に戻ってブロックあるい
は製品の評価に移るかどうかを決定して、終了ボタン8
8をクリックして次のステップに進む。
【0184】さて、相対評価を実行した場合は、図8に
示す材料評価チャート40が材料選択システム6によっ
て表示部3に提示されるので、設計者は、このグラフ画
面を参照し、入力部4を用いて基準材料に代替する可能
性のある(最有力な)候補材料を設定入力する。
【0185】図8の材料評価チャート40は、図14に
て示した従来の材料選択の結果表示グラフと基本的には
同じ構成になっている。
【0186】すなわち、チャート上部の設計条件表示テ
ーブル41、環境負荷因子表示テーブル42、及び基準
材料表示テーブル43には、評価のための条件設定内容
が示される。そして、以下の材料評価俯瞰グラフ44に
は、基準材料に許容割合を考慮した値に対する代替のた
めの候補材料の評価結果が、材料リスト8a内にデータ
を有する全材料(評価対象材料)について連続的に表示
される。
【0187】各材料は、その属性を示すカテゴリーに分
類された棒グラフで示されており、その評価を俯瞰する
ことができる。材料数が多いので、図8においては、材
料評価俯瞰グラフ44の一部を示している(なお、材料
評価俯瞰グラフ44の左側の三つのボックスには、この
図では、「Thermoplastics 1(熱可塑
性樹脂)」、「Thermoplastics 2」、
「Metal Alloys(合金)」と記されてい
る)。
【0188】各棒グラフの高さは各評価対象材料の評価
点を示しており、その点数は図12及び図13における
コストパフォーマンス指標、環境調和性指標、評価関数
(トータルコスト値)で定められるチャート上の各領域
に対して以下のように付与されている。
【0189】なお、データの欠如に関しても、以下の点
数で表示している。
【0190】4点(領域A):コストパフォーマンス、
環境調和性とも優れている。
【0191】3.5点(領域B):コストパフォーマン
スは劣るが環境調和性が優れており、環境コストを考慮
すると優位になる。
【0192】3点(領域D):コストパフォーマンスは
劣るが環境調和性が優れている。環境コストを考慮して
も優位にはならない。
【0193】2.5点(領域C):環境調和性は劣るが
コストパフォーマンスが優れており、環境コストを考慮
すると優位になる。
【0194】2点(領域Eの右半分):環境調和性は劣
るがコストパフォーマンスが優れている。環境コストを
考慮しても優位にならない。
【0195】1点(領域Eの左半分):コストパフォー
マンス、環境調和性とも劣っている。
【0196】0.5点(領域なし):環境調和性を評価
するのに必要な環境負荷量のデータがない。
【0197】0点(領域なし):材料特性のデータがな
い。
【0198】また、棒グラフの内部の塗り方によって、
以下の内容を示している。
【0199】まず、解析状況表示窓45に「設計依存解
析」、「断面非依存解析」、「機能非依存解析」、「質
量解析」と表示されている場合は、色付であれば質量性
能指標による評価が優位である、つまり基準材料より軽
量性に優れていることを示し、枠のみであればその逆、
つまり基準材料より軽量性で劣っていることを示してい
る。
【0200】一方、解析状況表示窓45に「負荷解
析」、もしくは「設計非依存解析」と表示されている場
合は、色付なら材料性能指標による評価が優位である、
つまり基準材料より材料特性で優れていることを示し、
枠のみならその逆、つまり基準材料より材料特性で劣っ
ていることを示している。
【0201】図8の評価例では、「設計依存解析」と表
示されているので、軽量性に関する評価結果が示されて
いる。
【0202】一方、本明細書では良く表示できないが、
棒グラフの色は、評価対象材料にリサイクル効果を考慮
するか否かを示している。赤(濃く表示)はリサイクル
効果を考慮しない状態、青(薄く表示)は考慮した場合
の評価である。
【0203】基準材料にリサイクル効果を考慮するか否
かは、基準材料表示テーブル43内のリサイクル効果表
示窓43aに示してあり、この設定は同一チャート内で
は不変である。
【0204】図14に示した従来の評価チャートの例で
は、このリサイクル効果についての取り扱いが本実施の
形態の場合とは異なっており、基準材料と評価対象材料
のいずれもリサイクル効果を考慮する場合の評価、いず
れも考慮しない場合の評価、という具合に構成されてい
た。
【0205】すなわち、従来の評価チャートにおいて
は、「リサイクル効果を考慮していない基準材料」に対
する「リサイクル効果を考慮した評価対象材料」の評価
はなされていないし、その逆もまた同様である。
【0206】したがって、評価結果において、「リサイ
クル効果を考慮した場合の評価」より「リサイクル効果
を考慮しない場合の評価」の方が良い評価結果を示すこ
とがある。
【0207】これは、基準材料のリサイクル可能率と評
価対象材料の各リサイクル可能率との数値が違うために
生じる現象であって何ら不思議はないのだが、リサイク
ルをすることは環境に良いはずなので、この評価結果は
なんとなく奇異な印象を与える。すなわち、同一の材料
評価チャート40内では「リサイクル効果を考慮した場
合」は必ず「リサイクル効果を考慮しない場合」より良
い結果か、もしくは同等の評価結果が得られるようにシ
ステムを構成する方が自然であり、本実施の形態では、
基準材料の設定を固定し評価対象材料のみ設定を変化さ
せて、上記のような結果が得られるように変更されてい
る。
【0208】その結果、図14と図8とを比較すると、
他の条件設定が同じなのに、材料評価俯瞰グラフ44の
「リサイクル効果を考慮した場合」のグラフが違ってい
る。さて、以上のように材料リスト8aに格納されてい
る評価対象材料の評価を一覧した上で、設計者が基準材
料の代替としての候補材料をその中から選定する。この
候補材料の設定方法は、基準材料の設定の場合と同様
に、材料評価チャート40上候補材料設定ボタン46を
クリックして候補材料の設定画面(図示せず)を出し、
詳細な環境影響評価を実施する材料を選ぶ。
【0209】設定後には、再び材料評価チャート40に
戻って候補材料名表示窓47にて候補材料名を確認す
る。
【0210】図8の評価例では、候補材料が「Al A
lloys W(アルミニウム合金)」に設定されてい
ることが確認できる。
【0211】これで良ければ環境評価チャート表示ボタ
ン48をクリックして、図8に示す環境評価チャート5
0に移行する。候補材料を変更する場合は、上記の作業
を繰り返す。特に必要がなければ、終了ボタン49をク
リックして次のステップに進む。
【0212】図9は、材料選択システム6によって表示
部3に提示される環境評価チャート50である。設計者
は、このグラフ画面を参照し、入力部4を用いて候補材
料を基準材料の代替とするかどうかを決定する。
【0213】環境評価チャート50は、図8で示した材
料評価チャート40とよく似た構成になっている。すな
わち、チャート上部の設計条件表示テーブル51、基準
材料表示テーブル52、及びリサイクル効果表示窓52
aに評価のための条件設定内容が示され、候補材料表示
テーブル53には設定された候補材料名が表示されてい
る。
【0214】以下、環境影響評価俯瞰グラフ54には、
基準材料に許容割合を考慮した値に対し、設定された候
補材料の評価結果が、図5に示した評価条件メニュー2
0の環境負荷因子設定テーブル21に提示された全環境
負荷因子について連続的に表示される。
【0215】各環境負荷因子は、その属性を示すカテゴ
リーに分類された棒グラフで示されており、設定された
候補材料の環境影響を俯瞰することができるので、最終
的な材料選択はこの評価を見て判断するのが良い。
【0216】各棒グラフの表示方式は材料評価チャート
40と同一である。したがって、環境負荷因子のうちの
1つは材料評価チャート40で評価したものと同じ結果
が提示されている。現在の候補材料が好ましくないと判
断される場合は、一段前のステップに戻って候補材料を
設定し直し、再びこの環境評価チャート50による評価
を行うという手続きを繰り返す。
【0217】図9の評価例では、候補材料の「Al A
lloys W」が、基準材料の「PP」に対して、リ
サイクル効果を考慮すれば、設定された設計条件におい
てエネルギー容量において好ましい評価結果が得られた
ものの、他の環境負荷因子による評価では、環境コスト
を考慮してもコスト的に優位とはならないことを示して
いる。
【0218】このため、基準材料の代替として決定する
には他の要因(設計条件、特に性能評価因子)について
の検討がさらに必要であるが、そのためには終了ボタン
55をクリックしてもとへ戻り、各種の条件を設定し直
して評価を継続すれば良い。最終的に候補材料を新たな
基準材料、すなわち現在評価している部品の材質とする
か、あるいは基準材料をそのまま材質として登録するか
を決定して材料選択及び材料評価を終了する。
【0219】以上のようにして、各構成部品の材質を選
定するための材料評価を実施した後、各構成部品に関す
る評価結果は図3に示した部品表70に蓄積されるの
で、このデータを用いて各部品によって構成されるブロ
ック毎の評価、及びそれらの集合である製品の評価を実
施する。
【0220】図10は、製品評価の実施手法を示す製品
評価テーブル60である。
【0221】一般的に、1つの製品は、その機能毎に複
数のブロック(図10の機能ブロックA61a、機能ブ
ロックB61b等)より構成され、さらにその各ブロッ
クが複数の部品(構成部品A162a、構成部品A26
2b、構成部品B162c等)より構成されている。な
お、図3の部品表70で示された例以外にも、図10に
おいて、製品はモータであり、機能ブロックAはロータ
であり、機能ブロックBはステータであり、構成部品A
1は主軸(ステンレス)であり、構成部品A2はコイル
(銅)であるような具体例が考えられる。
【0222】したがって、部品ごとに材料選択を実施
し、製品としてはそれらの集合として評価されるべきで
あり、場合によっては、各部品それぞれの最適化より製
品全体としての最適化が優先された材料の選定がなされ
ることもあり得る。
【0223】また、CADを用いた設計では、複数の部
品の設計を同時に進行したり、全体の設計状況を確認し
たりするのに適しており、個々の設計と製品全体の設計
とのバランスを良く考えた、ダイナミックでフレキシブ
ルな材料選択が実現できる。
【0224】例えば、図6に示した材料ランキング30
では、材料評価ランキンググラフ33の順位について4
種類の優先項目(軽量性あるいは材料特性、コストパフ
ォーマンス、環境調和性、低トータルコスト性)が示さ
れた。これは、言い換えれば、同じ設計及び評価条件に
おいて4種類の材料選択が可能であることを示してい
る。
【0225】また、図8の材料評価チャート40と図9
の環境評価チャート50では、一応の目安として領域分
類に対応した簡単な数値化を行い、各優先項目間の重み
付けの一例を示した。
【0226】もちろん、この数値化も理解を容易にする
ために施された手段の一つであり、周囲の状況に応じて
重み付けの比率はいかようにも変化すべきであって、こ
の限りではない。また、同一の部品であっても材料評価
のための条件は通常複数存在するので、それらの複合評
価として最終的な材料の選定に達する、というプロセス
も必要であろう。
【0227】そこで、こうした多くの評価結果から合理
的な材料選択を実現するにあたり、もう少し大きい単位
での(すなわち、各ブロックや製品全体としての)評価
を知ることが重要である。
【0228】図10の製品評価テーブル60は、こうし
た要求に応えるもので、各構成部品における材料評価の
結果をまとめて表示し、各ブロックや製品全体としての
評価が容易にできるようになっている。
【0229】その結果、ある部品ではコストを重視する
が、他の部品では軽量性を重視する、といった柔軟な材
料選択も可能になり、結果的に製品全体としての最適化
が達成されるように各部品の材料を選定することができ
る。
【0230】図10の製品評価グラフ63a、機能ブロ
ック評価グラフ64a、64b、そして構成部品評価グ
ラフ65a、65b、65cは、上記の4種類の優先項
目についてそれぞれの単位で集計した結果であることを
示している。なお、図の各グラフにおいて、同じ模様は
同じ優先項目である。
【0231】構成部品評価グラフ65a、65b、65
cの各棒グラフの高さは、材料評価ランキンググラフ3
3及び期待値グラフ87で用いた、考慮されている材料
に関する正規化された4種類(軽量性あるいは材料特
性、コストパフォーマンス、環境調和性、低トータルコ
スト性)の期待値である。この期待値は、前述のよう
に、それぞれ最大値が1であり、設計及び評価条件によ
って定まる、材料リスト8a内の評価対象材料が有する
上記の各種性能を相対的且つ無次元で示している。
【0232】したがって、各条件で用いられる材料物性
値の絶対値や単位の違いに起因する期待値間の差がな
く、常に同一データベース内の材料間の優劣を考慮した
評価、すなわち期待度を示す数値になっている。この値
が図7にて示した各部品個々の期待値であり、今後の演
算の基礎データになる。
【0233】さて、機能ブロック評価グラフ64a、6
4bでも同様に4種類の期待値が提示されている。
【0234】各期待値は上記各部品の各期待値に対応し
ており、それらの加重積算値である。すなわち、機能ブ
ロックA61aの軽量性の期待値は、構成部品A162
a、構成部品A262b等のそれぞれの軽量性期待値
(図7の87aに相当)に、機能ブロックA61を構成
する各部品の質量比を乗じた数値を足し合わせた数値で
あり、他も同様である。
【0235】具体的には、コストパフォーマンス期待値
(図7の87bに相当)であれば材料コスト比、環境調
和性期待値(図7の87cに相当)であれば環境負荷量
比、低トータルコスト性期待値(図7の87dに相当)
であればトータルコスト(材料コスト+環境コスト)比
による加重積算である。ただし、環境負荷量は統一して
おく必要がある。
【0236】この結果、各部品の期待値から簡単にブロ
ックとしての期待値を求めることができ、その最大値も
やはり1となって理解も容易になる。
【0237】この評価手法の最大の利点は、各部品が担
う役割の違いを気にせずにブロック全体としての評価が
できるところにある。
【0238】例えば、構成部品A162aが回転シャフ
トで構成部品A262が断熱材である場合でも、何の問
題もなく評価が可能である。各期待値は、そのときに着
目している負の要因(質量、コスト等)の比率に応じた
重み付けによる影響力の調整がなされた複合評価であ
り、複数の構成要素を一つの数値で的確に表現してい
る。
【0239】同様に製品全体では、各ブロックの期待値
の加重積算によって製品としての期待値を算出する(あ
るいは、全ての部品の期待値を加重積算しても良い)だ
けである。
【0240】このように同じような手順を繰り返すだけ
で、製品の複雑さによって階層構造を増やすことも容易
であり、評価の緻密さを促進する。
【0241】また、CAD制御部2が設計情報5aを用
いて各部品の体積比を自動的に計算し、そのデータを材
料選択制御部7が加工して質量比、コスト比、環境負荷
量比、トータルコスト比を計算するように構成すれば、
さらに使い勝手の良いシステムが実現できる。
【0242】これらの比率計算は、設計が進行して部品
形状が定まってくるにつれてどんどん精度が高くなり、
設計の初期段階では概略の見積もりであったものが、最
終段階では完全な評価を得ることができる。
【0243】図11は、上記の手法で作成し、表示部3
に提示される製品評価チャート90であり、図3に示し
た部品表70の製品評価ボタン75をクリックすると表
示される。設計者はこのテーブルを参照し、製品全体の
評価からブロック毎の評価を行い、材質を選定し直すべ
き部品がないかどうかを考慮する。
【0244】2種類のグラフのうち、上側の製品期待値
グラフ91には、上記の手法で算出した製品全体に関す
る各期待値が示されている。図7の部品評価チャートと
同じ構成ではあるが、部品が複数になるため、軽量性期
待値91a、コストパフォーマンス期待値91b、環境
調和性期待値91c、低トータルコスト性期待値91d
に加え、材料特性期待値91eが新たに提示されてい
る。
【0245】このグラフから環境調和性期待値91cが
他に比べてやや低いことが確認される。ここで、環境調
和性Nとしてあるのは、環境負荷量を統一して積算でき
るようにするために、各部品材料の評価条件における環
境負荷因子をエネルギー容量に設定していることを示し
ている。もちろん、個別の評価の際は統一する必要はな
いが、全体評価の際は前述の手法を適用するために必要
な処置である。この場合、他の環境負荷因子を最も良く
推量できる因子としてエネルギー容量を選んでいる。
【0246】さて、下側のブロック期待値グラフ92に
は、この製品を構成するブロックが3種類提示され、そ
れぞれの期待値がまとめて表示されている。
【0247】図の例であれば、「電源」及び「外装」ブ
ロックの環境調和性期待値が低く、「原動」ブロックは
比較的良好であることが理解される。したがって、製品
全体の環境調和性期待値91cを向上させるために、
「電源」及び「外装」ブロックを構成する部品の環境調
和性期待値をチェックする必要がある。
【0248】ブロック評価チャート(図示せず)は、図
3に示した部品表70のブロック評価ボタン76をクリ
ックすると表示されるが、構成、動作とも同様なので説
明は省略する。
【0249】期待値の確認が終われば、終了ボタン93
をクリックして図3の部品表70に戻る。
【0250】このようにして、製品全体のバランスを考
慮した材料評価をすることで、各部品の材質に修正が必
要かどうかの判断が可能になり、その必要があれば材料
選択へ戻り、必要がなければ材料を確定して、CADシ
ステム1に移動し、形状設計を継続することができる。
【0251】また、CADデータベース5に格納された
LCA情報5dを活用すれば、上記と同様の手法を適用
することにより、対象とする製品のライフサイクル全体
を考慮した材料選択も可能であり、本発明の有効性をさ
らに拡大する。
【0252】以上においては、本実施の形態1である設
計支援装置について詳しく説明したが、もちろん、本発
明には、上記設計支援装置を実現させる設計支援方法が
含まれる。
【0253】つまり、本発明には、(a)製品の設計を
行うためのCADシステムと、(b)設計される製品の
部品に使用すべき材料の候補を所定の情報を利用して評
価し、その評価の結果に基づいて候補の中から製品の部
品に使用すべき材料を一個または複数個選択するための
材料選択システムとを協働させることによって、製品の
設計を支援するための設計支援方法であって、使用すべ
き材料の選択の結果を製品の評価として部品の全部また
は一部に関して総括するステップと、評価および選択を
総括の結果に基づき繰り返して行うステップとを備えた
設計支援方法が含まれる。
【0254】なお、発明は、上述した本発明の設計支援
装置の全部または一部の手段(または、装置、素子、回
路、部など)の機能をコンピュータにより実行させるた
めのプログラムであって、コンピュータと協働して動作
するプログラムである。もちろん、本発明のコンピュー
タは、CPUなどの純然たるハードウェアに限らず、フ
ァームウェアやOS、さらに周辺機器を含むものであっ
ても良い。
【0255】また、本発明は、上述した本発明の設計支
援方法の全部または一部のステップ(または、工程、動
作、作用など)の動作をコンピュータにより実行させる
ためのプログラムであって、コンピュータと協働して動
作するプログラムである。
【0256】なお、本発明の一部の手段(または、装
置、素子、回路、部など)、本発明の一部のステップ
(または、工程、動作、作用など)は、それらの複数の
手段またはステップの内の幾つかの手段またはステップ
を意味する、あるいは一つの手段またはステップの内の
一部の機能または一部の動作を意味するものである。
【0257】また、本発明の一部の装置(または、素
子、回路、部など)は、それら複数の装置の内の幾つか
の装置を意味する、あるいは一つの装置の内の一部の手
段(または、素子、回路、部など)を意味する、あるい
は一つの手段の内の一部の機能を意味するものである。
【0258】また、本発明のプログラムを記録した、コ
ンピュータに読みとり可能な記録媒体も本発明に含まれ
る。また、本発明のプログラムの一利用形態は、コンピ
ュータにより読み取り可能な記録媒体に記録され、コン
ピュータと協働して動作する態様であっても良い。ま
た、本発明のプログラムの一利用形態は、伝送媒体中を
伝送し、コンピュータにより読みとられ、コンピュータ
と協働して動作する態様であっても良い。また、記録媒
体としては、ROM等が含まれ、伝送媒体としては、イ
ンターネット等の伝送媒体、光・電波・音波等が含まれ
る。
【0259】なお、本発明の構成は、ソフトウェア的に
実現しても良いし、ハードウェア的に実現しても良い。
【0260】また、発明は、上述した本発明の設計支援
装置の全部または一部の手段の全部または一部の機能を
コンピュータにより実行させるためのプログラムを担持
した媒体であり、コンピュータにより読み取り可能かつ
読み取られた前記プログラムが前記コンピュータと協動
して前記機能を実行する媒体である。
【0261】また、本発明は、上述した本発明の設計支
援方法の全部または一部のステップの全部または一部の
動作をコンピュータにより実行させるためのプログラム
を担持した媒体であり、コンピュータにより読み取り可
能かつ読み取られた前記プログラムが前記コンピュータ
と協動して前記動作を実行する媒体である。
【0262】よって、本発明によれば、いかなる設計課
題にも対応が可能で、設計作業を進めながら材料評価を
同時に実行してその結果を解りやすく表示し、設計者の
意図と多彩な視点による迅速且つ正確な評価結果を直接
的に材料選択に反映でき、製品全体としての最適化も可
能とするような、設計現場の実情に合った設計支援装置
の提供が可能になり、その工業的価値は非常に高い。
【0263】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明は、製品の設計を行いながら、部品に使用すべき
材料を製品全体の評価の中で的確かつ効率的に選択する
ことができるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の設計支援装置の構成を示
す図
【図2】同設計支援装置を用いた設計作業を示す図
【図3】同設計支援装置の部品表の表示画面を示す図
【図4】同設計支援装置の設計条件メニューの表示画面
を示す図
【図5】同設計支援装置の評価条件メニューの表示画面
を示す図
【図6】同設計支援装置の材料ランキングの表示画面を
示す図
【図7】同設計支援装置の部品評価チャートの表示画面
を示す図
【図8】同設計支援装置の材料評価チャートの表示画面
を示す図
【図9】同設計支援装置の環境評価チャートの表示画面
を示す図
【図10】同設計支援装置の評価手法である製品評価テ
ーブルを示す図
【図11】同設計支援装置の製品評価チャートの構成を
示す図
【図12】環境調和性を考慮した材料選択方法論の説明
【図13】材料選択のための従来の評価チャートを示す
【図14】材料選択のための従来の簡略化された評価チ
ャートを示す図
【符号の説明】
1 CADシステム 2 CAD制御部 3 表示部 4 入力部 5 CADデータベース 5a 設計情報 5b 部品情報 5c 製品情報 5d LCA情報 6 材料選択システム 7 材料選択制御部 8 リレーショナルデータベース 8a 材料リスト 8b 性能指標リスト 8c 環境コストリスト 8d 為替レートリスト 10 設計条件メニュー 11 断面形状設定テーブル 12 負荷様式設定テーブル 13 性能評価因子設定テーブル 13a 力学的性質 13b 熱的性質 13c 電気的性質 13d 複合性質 14、28、36、49、55、88、93 終了ボタ
ン 20 評価条件メニュー 21 環境負荷因子設定テーブル 21a 基礎的なデータ 21b ガス等の排出量 21c 環境影響指標 22 評価基準材料設定ボタン 22a データベース名表示窓 22b 基準材料名表示窓 23 質量許容割合設定ボタン 23a 質量許容割合表示窓 24 コスト許容割合設定ボタン 24a コスト許容割合表示窓 25 環境負荷量許容割合設定ボタン 25a 環境負荷量許容割合表示窓 26 リサイクル効果設定ボタン 27 通貨設定テーブル 27a 通貨名表示窓 30 材料ランキング 31、41、51、81 設計条件表示テーブル 32 評価条件表示テーブル 33 材料評価ランキンググラフ 33a、33b 材料順位表示窓 33c 次表示ボタン 34 優先項目設定テーブル 34a 軽量性優先ボタン 34b コストパフォーマンス優先ボタン 34c 環境調和性優先ボタン 34d 低トータルコスト性優先ボタン 35、45、86 解析状況表示窓 40 材料評価チャート 42、82 環境負荷因子表示テーブル 43、52 基準材料表示テーブル 43a、52a、83 リサイクル効果表示窓 44 材料評価俯瞰グラフ 46 候補材料設定ボタン 47 候補材料名表示窓 48 環境評価チャート表示ボタン 50 環境評価チャート 53 候補材料表示テーブル 54 環境影響評価俯瞰グラフ 60 製品評価テーブル 61a 機能ブロックA 61b 機能ブロックB 62a 構成部品A1 62b 構成部品A2 62c 構成部品B1 63a 製品評価グラフ 64a、64b 機能ブロック評価グラフ 65a、65b、65c 構成部品評価グラフ 70 部品表 71 属性リスト 71a ポインタ 72 詳細表示ボタン 73 属性表示テーブル 73a テーブル左側 73b テーブル右側 74 材料選択ボタン 75 製品評価ボタン 76 ブロック評価ボタン 77 データ更新ボタン 78 CAD設計ボタン 80 部品評価チャート 85 材質表示テーブル 87 期待値グラフ 87a、91a 軽量性期待値 87b、91b コストパフォーマンス期待値 87c、91c 環境調和性期待値 87d、91d 低トータルコスト性期待値 90 製品評価チャート 91 製品期待値グラフ 91e 材料特性期待値 92 ブロック期待値グラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 夕佳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大西 宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5B046 AA00 BA01 CA04 JA01 KA05

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)製品の設計を行うためのCADシ
    ステムと、(b)前記設計される製品の部品に使用すべ
    き材料の候補を所定の情報を利用して評価し、その評価
    の結果に基づいて前記候補の中から前記製品の部品に使
    用すべき材料を一個または複数個選択するための材料選
    択システムとを協働させることによって、前記製品の設
    計を支援するための設計支援方法であって、 前記使用すべき材料の選択の結果を前記製品の評価とし
    て前記部品の全部または一部に関して総括するステップ
    と、 前記評価および前記選択を前記総括の結果に基づき繰り
    返して行うステップとを備えた設計支援方法。
  2. 【請求項2】 前記CADシステムは、前記各部品の属
    性に関する属性データを保持しており、 前記材料選択システムは、前記候補となる材料に関する
    候補材料データを候補材料データベースに保持してお
    り、 前記所定の情報は、前記属性データおよび前記候補材料
    データであり、 前記属性データを前記繰り返して行われる選択の最終結
    果に基づいて更新するステップを備えた請求項1記載の
    設計支援方法。
  3. 【請求項3】 前記選択の結果を保持するための部品表
    を作成するステップを備えた請求項1記載の設計支援方
    法。
  4. 【請求項4】 前記属性データは、少なくとも前記部品
    の、識別情報、体積と数量、材質、および評価条件に関
    するデータである請求項2記載の設計支援方法。
  5. 【請求項5】 前記評価条件に関するデータは、前記部
    品の、断面形状、負荷様式、および前記部品に要求され
    る性能を示す性能評価因子の内の少なくとも一つに関す
    る設計情報と、前記候補材料データベースの識別情報
    と、地球環境への影響を示すための環境負荷因子に関す
    る情報とに関するデータである請求項4記載の設計支援
    方法。
  6. 【請求項6】 前記候補材料データベースには、前記候
    補となる材料の物性値データと、前記材料の、価格およ
    び/または環境負荷量に関する数値データとが格納され
    ている請求項2記載の設計支援方法。
  7. 【請求項7】 前記環境負荷量に関する数値データは、
    前記環境負荷量を付加コストに換算するための環境コス
    ト変換係数を用いて、前記価格に関する数値データを利
    用して前記候補となる材料のトータルコストを推量して
    評価するためのデータである請求項6記載の設計支援方
    法。
  8. 【請求項8】 前記評価は、前記各部品ごとに前記候補
    材料データベース内に格納された全材料の前記性能指標
    を前記評価条件に対応する所定の性能指標計算式と前記
    数値データとを利用して計算し、最良な前記性能指標を
    有する材料の性能指標の計算値を基準として前記全材料
    の前記計算された値を正規化して得られた各材料の期待
    値を利用することによって行われ、 前記総括は、前記各材料の期待値の内の前記選択された
    材料の期待値に基づいて行われる請求項2記載の設計支
    援方法。
  9. 【請求項9】 前記総括は、前記蓄積された、前記製品
    の機能ブロックを構成する部品に使用するために選択さ
    れた材料の期待値を集計することによって行われる請求
    項8記載の設計支援方法。
  10. 【請求項10】 前記選択された材料の期待値を、前記
    部品、前記製品、および前記機能ブロックの全部または
    一部に関し集計して表示するステップを備えた請求項9
    記載の設計支援方法。
  11. 【請求項11】 前記期待値を、(1)前記性能指標と
    して前記部品に要求される性能を示す材料物性値から構
    成される関数である材料特性と、(2)単位質量あたり
    の前記性能を示す前記材料特性と前記材料の密度とから
    構成される関数である軽量性と、(3)単位コストあた
    りの前記性能を示す前記軽量性と前記価格とから構成さ
    れる関数であるコストパフォーマンスと、(4)前記環
    境負荷量一単位あたりの前記性能を示す前記軽量性と前
    記環境負荷量とから構成される関数である環境調和性
    と、(5)前記性能一単位あたりの前記トータルコスト
    を示す前記コストパフォーマンスと前記環境調和性と前
    記候補となる材料の環境負荷量を付加コストに換算する
    ための環境コスト変換係数とから構成される関数である
    低トータルコスト性との全部または一部について作成す
    るステップを備えた請求項8記載の設計支援方法。
  12. 【請求項12】 前記作成された期待値を、(1)前記
    材料特性に関しては前記部品ごとの体積の比率に応じた
    加重積算を適用し、(2)前記軽量性に関しては前記部
    品毎の質量の比率に応じた加重積算を適用し、(3)前
    記コストパフォーマンスに関しては前記部品毎の材料の
    価格の比率に応じた加重積算を適用し、(4)前記環境
    調和性に関しては前記部品毎の材料の環境負荷量の比率
    に応じた加重積算を適用し、(5)前記低トータルコス
    ト性に関しては前記部品毎の材料のトータルコストの比
    率に応じた加重積算を適用することにより集計するステ
    ップを備えた請求項11記載の設計支援方法。
  13. 【請求項13】 前記加重積算に利用される各部品の体
    積またはそれら各部品同士の体積比は、前記CADシス
    テムによって算出される請求項12記載の設計支援方
    法。
  14. 【請求項14】 (a)製品の設計を行うためのCAD
    システムと、(b)前記設計される製品の部品に使用す
    べき材料の候補を所定の情報を利用して評価し、その評
    価の結果に基づいて前記候補の中から前記製品の部品に
    使用すべき材料を一個または複数個選択するための材料
    選択システムとを協働させることによって、前記製品の
    設計を支援するための設計支援装置であって、 前記使用すべき材料の選択の結果は、前記製品の評価と
    して前記部品の全部または一部に関して総括され、 前記評価および前記選択は、前記総括の結果に基づき繰
    り返して行われる設計支援装置。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の設計支援方法の、前記
    使用すべき材料の選択の結果を前記製品の評価として前
    記部品の全部または一部に関して総括するステップと、
    前記評価および前記選択を前記総括の結果に基づき繰り
    返して行うステップとの全部または一部をコンピュータ
    に実行させるためのプログラム。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の設計支援方法の、前記
    使用すべき材料の選択の結果を前記製品の評価として前
    記部品の全部または一部に関して総括するステップと、
    前記評価および前記選択を前記総括の結果に基づき繰り
    返して行うステップとの全部または一部をコンピュータ
    に実行させるためのプログラムを担持した媒体であっ
    て、コンピュータにより処理可能な媒体。
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