JP2017083548A - 偏光板保護フィルム及び偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、偏光板が長方形状以外の形状にカットされた場合における、温湿度環境変動に対する偏光子の耐久性を向上できる偏光板保護フィルムを提供することである。【解決手段】本発明の偏光板保護フィルムは、偏光子に積層されて偏光板を構成する偏光板保護フィルムであって、40℃・90%RHにおける透湿度が10〜300g/(m2・day)の範囲内であり、90℃での弾性率が1.9〜2.5GPaの範囲内であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板保護フィルム及び偏光板に関する。特に、本発明は、偏光板が長方形状以外の形状にカットされた場合における、温湿度環境変動に対する偏光子の耐久性を向上できる偏光板保護フィルム、及びそれを用いた偏光板に関する。
近年、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスを利用した薄型ディスプレイ市場が急速に伸長している。特に、スマートフォンやタブレットと呼ばれる中小型モバイル機器市場の伸長が著しい。
それらの薄型ディスプレイには、偏光板が搭載されている。偏光板は、一般に、偏光子が2枚の偏光板保護フィルムで挟まれた構造をとっている(例えば、特許文献1参照。)。
従来の薄型ディスプレイは長方形状に形成される場合が多く、偏光板は、上記偏光子及び2枚の偏光板保護フィルムが積層された後、当該ディスプレイの形状に合わせて長方形状にカットされてから搭載されることが一般的であった。しかしながら、近年、カーナビゲーション装置のような車載用ディスプレイ等において、デザイン性等の観点から多角形状や曲線部分を含む形状のものが提供されている。このようなディスプレイの形状に合わせて、偏光板を多角形状や曲線部分を含む形状にカットすると、温湿度環境変動による耐久試験において、長方形状にカットされた偏光板では見られない偏光子の劣化や偏光子のクラックが発生してしまうことが分かった。
特開2010−026498号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、偏光板が長方形状以外の形状にカットされた場合における、温湿度環境変動に対する偏光子の耐久性を向上できる偏光板保護フィルム、及びそれを用いた偏光板を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、偏光板保護フィルムの所定の条件における透湿度及び弾性率を特定の数値範囲内とすることによって、偏光板が長方形状以外の形状にカットされた場合における、温湿度環境変動に対する偏光子の耐久性を向上できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
1.偏光子に積層されて偏光板を構成する偏光板保護フィルムであって、
40℃・90%RHにおける透湿度が10〜300g/(m・day)の範囲内であり、90℃での弾性率が1.9〜2.5GPaの範囲内であることを特徴とする偏光板保護フィルム。
2.極性基を有するシクロオレフィン樹脂を含有することを特徴とする第1項に記載の偏光板保護フィルム。
3.無機微粒子を含有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の偏光板保護フィルム。
4.偏光子と、
前記偏光子の少なくとも一方の面に設けられた、第1項から第3項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルムと、を備えることを特徴とする偏光板。
本発明によれば、偏光板が長方形状以外の形状にカットされた場合における、温湿度環境変動に対する偏光子の耐久性を向上できる偏光板保護フィルム、及びそれを用いた偏光板を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
偏光板保護フィルムの40℃・90%RHでの透湿度が10g/(m・day)以上であるため、偏光子から水が抜けやすく、偏光子に含有されるヨウ素の結晶化を抑制して、偏光度の低下を抑制できたものと考えている。一方、偏光板保護フィルムの40℃・90%RHでの透湿度が300g/(m・day)以下であるため、外部から偏光子への水分の侵入が妨げられ、ポリヨウ素やポリビニルアルコールの配向の緩和を抑制して、偏光度の低下を抑制できたものと考えている。
また、偏光板をカットした際に、偏光子の縁部には微細な亀裂が形成されるものと考えられ、偏光板保護フィルムの90℃での弾性率が1.9GPa以上であることで、加熱等による偏光子の伸縮力に偏光板保護フィルムが耐え、上記微細な亀裂が広がって偏光子にクラックが発生することを抑制できたものと考えている。一方、弾性率が2.5GPa以下であるため、偏光板保護フィルムが偏光子の伸縮に追従し、上記微細な亀裂が広がってクラックが発生することを抑制できたものと考えている。
したがって、偏光板保護フィルムの40℃・90%RHでの透湿度を10〜300g/(m・day)の範囲内、90℃での弾性率を1.9〜2.5GPaの範囲内とすることによって、偏光子の劣化及びクラックの発生を抑制することができる。その結果、偏光板が長方形状以外の形状にカットされた場合における、温湿度環境変動に対する偏光子の耐久性を向上できるものと推察される。
また、偏光板保護フィルムが無機微粒子を含有する場合、偏光板保護フィルム表面に凹凸が形成されるため、温湿度環境変動による耐久試験において、偏光子と偏光板保護フィルムとの間に生じる収縮応力に不均一な部分が発生しやすくなる。これにより、従来の偏光板においては、収縮応力が部分的に高い箇所から偏光子と保護フィルムとが剥がれやすくなり、偏光子と保護フィルムの伸縮差によりクラックが生じてしまう場合があった。本発明ではこのような問題に対しても、偏光板保護フィルムの弾性率が上記範囲内となっていることで、当該クラックの発生を抑制することが可能である。
本発明の偏光板保護フィルムは、偏光子に積層されて偏光板を構成する偏光板保護フィルムであって、40℃・90%RHにおける透湿度が10〜300g/(m・day)の範囲内であり、90℃での弾性率が1.9〜2.5GPaの範囲内であることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項4までの請求項に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明においては、極性基を有するシクロオレフィン樹脂を含有することが好ましい。これにより、偏光板保護フィルムをより薄膜化することができる。
また、本発明においては、無機微粒子を含有することが好ましい。偏光板保護フィルムが無機微粒子を含有することでフィルム表面に微細な凹凸形状が形成された場合でも、温湿度環境変動に対する偏光子の十分な耐久性を維持することができる。
また、本発明の偏光板は、偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に設けられた、第1項から第3項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルムと、を備えることを特徴とする。これにより、長方形状以外の形状にカットされた場合における、温湿度環境変動に対する偏光子の耐久性を向上できる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《偏光板の概要》
偏光板は、一般に、偏光子と、偏光子の両面にそれぞれ配置された光学フィルムと、を備える。偏光板は、自然光や偏光を直線偏光、円偏光、楕円偏光等の任意の偏光に変換する機能を有する。
光学フィルムとしては、例えば、偏光板保護フィルムや位相差フィルム等が用いられ、本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に、本発明の偏光板保護フィルムが設けられている。位相差フィルムとしては、従来公知のものを用いることができる。
また、本発明の偏光板は、例えば、偏光子の両面に偏光板保護フィルムや位相差フィルム等が水糊で接着された偏光板である。
なお、本発明の偏光板は、必要に応じてハードコート層その他の構成層を更に備えていても良い。
《偏光子》
偏光板の主たる構成要素である偏光子とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子(偏光膜ともいう。)は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。
偏光子は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられる。
《偏光板保護フィルム》
本発明の偏光板保護フィルムは、40℃・90%RHにおける透湿度が10〜3000g/(m・day)の範囲内で、90℃での弾性率が1.9〜2.5GPaの範囲内である。
偏光板保護フィルムの透湿度が10g/(m・day)以上であることで、水が抜けやすく、偏光子に含有されるヨウ素の結晶化を抑制し、偏光度の低下を抑制することができる。一方、透湿度が300g/(m・day)以下であることで、外部から偏光子への水の侵入を妨げ、ポリヨウ素やポリビニルアルコールの配向の緩和を抑制して、偏光度の低下を抑制することができる。
偏光板保護フィルムの弾性率が1.9GPa以上であることで、偏光子の収縮力に対して偏光板保護フィルムが耐えることができ、偏光板をカットして所望の形状に加工した場合に偏光子の縁部に発生する微細な亀裂が広がりクラックが発生することを抑制できる。一方、弾性率が2.5GPa以下であることで、偏光板保護フィルムが偏光子の伸縮に追従でき、上記微細な亀裂が広がりクラックが発生することを抑制できる。
偏光板保護フィルムの透湿度は、当該偏光板保護フィルムの材料や厚さ等を変更することにより、調整することができる。
偏光板保護フィルムの弾性率は、当該偏光板保護フィルムの材料や、溶液流延法又は溶融流延法等によるフィルム製造時における流延したフィルムの乾燥速度を変更することにより、調整することができる。製膜時において溶剤が乾燥することにより収縮が発生し樹脂が配向するが、このとき、乾燥速度を速くすると乾燥収縮による配向が強くなり、弾性率を上昇させることができる。一方、乾燥速度を遅くすると、乾燥収縮による配向が弱くなり弾性率を低減させることができる。乾燥速度は、乾燥時の環境温度や、熱風の温度、風量等により制御することができる。
なお、本発明の偏光板保護フィルムは、必要に応じてハードコート層その他の構成層を備えていても良い。
[透湿度の測定]
本発明における透湿度とは、JIS Z 0208記載の塩化カルシウム−カップ法に基づき、測定対象のフィルムを40℃・90%RHの条件下で24時間放置して測定した値である。
[弾性率の測定]
本発明における90℃での弾性率は、以下の測定方法に基づき得られた値である。
すなわち、本発明における90℃での弾性率(Pa)は、JIS K 7127に記載の方法に準じつつ、引っ張り試験器(株)オリエンテック製テンシロンRTA−100と、90℃に加熱した炉とを用い、90℃に加熱した炉内で引っ張り試験を行うことで得ることができる。
[偏光板保護フィルムの構成材料]
本発明の偏光板保護フィルムは、透湿度及び弾性率が上記範囲内であればいずれの材料を含有するものであっても良く、例えば、シクロオレフィン樹脂やセルロースエステル樹脂を用いて構成することができる。
以下、本発明の偏光板保護フィルムに含有され得る材料について説明する。
(1)極性基を有するシクロオレフィン樹脂
本発明に係るシクロオレフィン樹脂としては、例えば、下記式で表される(共)重合体が挙げられる。
Figure 2017083548
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基又は極性基を表し、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基は、酸素原子、窒素原子、イオウ原子又はケイ素原子を有する連結基を介して結合していても良い。RとR又はRとRの二つが結合して2価の炭化水素基を形成していても良く、炭素環又は複素環を形成していても良い。複数のR〜Rの各々は同一であっても異なっていても良い。ただし、R〜Rの少なくとも一つは極性基である。p及びmは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。)
極性基としては、例えば、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜10のアルコキシル基、炭素原子数1〜10のアシルオキシ基、炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、アミド基、イミド環含有基、トリオルガノシロキシ基、トリオルガノシリル基、アミノ基、アシル基、炭素原子数1〜10のアルコキシシリル基、スルホニル含有基及びカルボキシ基等が挙げられる。これらの極性基について、更に具体的に説明すると、上記アルコキシル基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられ;アシルオキシ基としては、例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基等のアルキルカルボニルオキシ基、及びベンゾイルオキシ基等のアリールカルボニルオキシ基が挙げられ;アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられ;アリールオキシカルボニル基としては、例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基等が挙げられ;トリオルガノシロキシ基としては、例えばトリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等が挙げられ;トリオルガノシリル基としては、例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基等が挙げられ;アミノ基としては、例えば第1級アミノ基が挙げられ;アルコキシシリル基としては、例えばトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシカルボニル基が好ましく、メトキシカルボニル基がより好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。
炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基;フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族基等が挙げられる。これらの炭化水素基は置換されていても良く、置換基としては例えばフッ素原子、塩素原子及び臭素原子等のハロゲン原子、フェニルスルホニル基等が挙げられる。
また、置換又は非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基は、直接環構造に結合していても良いし、連結基(linkage)を介して結合していても良い。連結基としては、例えば式:−(CH−(mは1〜10の整数)で表されるアルキレン基等の炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、イオウ原子若しくはケイ素原子を含む連結基が挙げられる。酸素原子、窒素原子、イオウ原子又はケイ素原子を含む連結基の具体例としては、カルボニル基[−CO−]、カルボニルオキシ基[−COO−]、オキシカルボニル基[−OCO−]、スルホニル基[−SO−]、エーテル結合[−O−]、チオエーテル結合[−S−]、イミノ基[−NH−]、アミド結合[−NHCO−、−CONH−]、シロキサン結合[−OSi(R)−(式中、Rはメチル基、エチル基等のアルキル基)]、及びこれらの基が2種以上連結されてなる基等が挙げられる。
とR又はRとRの二つが結合して2価の炭化水素基を形成しても良く、炭素環又は複素環を形成しても良いが形成していない方が好ましい。炭素環又は複素環は、単環構造であっても多環構造であっても良く、当該炭素環又は当該複素環は芳香環であっても非芳香環であっても良いが、非芳香族環の方が好ましい。
〜Rの少なくとも一つは極性基であり、R〜Rの極性基以外の基は、水素原子であることが好ましい。
また、mが0〜3の整数、pが0〜3の整数であることが好ましく、m+p=0〜4であることがより好ましく、m+p=0〜2であることが更に好ましく、m=1、p=0である特に好ましい。
m=1、p=0である特定単量体は、得られるシクロオレフィン樹脂のガラス転移温度が高くかつ機械的強度も優れたものとなる点で好ましい。
上記式で表される(共)重合体の生成に用いられる共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエン等のシクロオレフィンを挙げることができる。
シクロオレフィンの炭素原子数としては、4〜20の範囲内が好ましく、更に好ましくは5〜12の範囲内である。
本発明において、シクロオレフィン樹脂は1種単独で、又は2種以上を併用することができる。
本発明に係るシクロオレフィン樹脂の好ましい分子量は、固有粘度〔η〕inhで0.2〜5dl/g、更に好ましくは0.3〜3dl/g、特に好ましくは0.4〜1.5dl/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は8000〜100000、更に好ましくは10000〜80000、特に好ましくは12000〜50000であり、重量平均分子量(Mw)は20000〜300000、更に好ましくは30000〜250000、特に好ましくは40000〜200000の範囲のものが好適である。
固有粘度〔η〕inh、数平均分子量及び重量平均分子量が上記範囲にあることによって、シクロオレフィン樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性、及び本発明の偏光板保護フィルムとしての成形加工性が良好となる。
本発明に係るシクロオレフィン樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、通常、110℃以上、好ましくは110〜350℃、更に好ましくは120〜250℃、特に好ましくは120〜220℃の範囲内である。Tgを110℃以上とすると、高温条件下での使用、又はコーティング、印刷等の二次加工により変形が起こりにくいため好ましい。一方、Tgを350℃以下とすると、成形加工が困難になる場合を回避し、成形加工時の熱によって樹脂が劣化する可能性を抑制することができる。
また、シクロオレフィン樹脂としては、市販品を好ましく用いることができる。市販品の例としては、JSR(株)からアートン(Arton:登録商標)G、アートンF、アートンR、及びアートンRXという商品名で市販されており、これらを使用できる。
(2)セルロースエステル樹脂
本発明の偏光板保護フィルムには、セルロースエステル樹脂が含有されていても良い。本発明の偏光板保護フィルムに用いられるセルロースエステル樹脂としては、特に限定されないが、エステル基が炭素原子数2〜22程度の直鎖又は分岐のカルボン酸エステルであることが好ましく、これらのカルボン酸は環を形成しても良く、芳香族カルボン酸のエステルでも良い。なお、これらのカルボン酸は置換基を有していても良い。セルロースエステルとしては、特に炭素原子数が6以下の低級脂肪酸エステルであることが好ましい。
好ましいセルロースエステル樹脂として、具体的には、セルロースアセテートの他に、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートのようなアセチル基の他にプロピオネート基又はブチレート基が結合したセルロースの混合脂肪酸エステルを挙げることができる。
アシル基で置換されていない部分は、通常ヒドロキシ基として存在しているものである。これらは公知の方法で合成することができる。
なお、アセチル基の置換度や他のアシル基の置換度は、ASTM−D817−96に規定の方法により求めることができる。
本発明に係る偏光板保護フィルムに用いられるセルロースエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは75000以上であり、75000〜300000の範囲であることがより好ましく、100000〜240000の範囲内であることが更に好ましく、160000〜240000のものが特に好ましい。セルロースエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)が75000以上であれば、セルロースエステル樹脂層自身の自己成膜性や密着の改善効果が発揮され、好ましい。本発明では2種以上のセルロースエステル樹脂を混合して用いることもできる。
前記セルロースエステル樹脂の平均分子量(Mn、Mw)は、それぞれゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより以下の測定条件で測定することができる。
溶媒: ジクロロメタン
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した。)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000((株)日立製作所製)
流量: 1.0mL/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=500〜2800000の範囲内の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
本発明に係るセルロースエステル樹脂が有するアシル基としては、芳香族アシル基であっても良いし、脂肪族アシル基であっても良い。脂肪族アシル基は、直鎖であっても分岐していても良く、更に置換基を有しても良い。
(芳香族アシル基)
芳香族アシル基は、エステル結合部と直接結合しても、連結基を介して結合しても良いが、直接結合していることが好ましい。ここでいう連結基とは、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基を表し、連結基は置換基を有していても良い。連結基として好ましくは、炭素原子数が1〜10のアルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基であり、より好ましくは炭素原子数が1〜6のアルキレン基及びアルケニレン基であり、最も好ましくは炭素原子数が1〜4のアルキレン基及びアルケニレン基である。
また、芳香族アシル基は置換基を有していても良く、芳香族アシル基に置換されている置換基及び前述の連結基に置換されている置換基は、例えばアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル、シクロヘキシル基等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等が挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜16、特に好ましくは0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルチオ基等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメシル基、トシル基等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基等が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基等が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、具体的には例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素原子数3〜40、より好ましくは3〜30、特に好ましくは3〜24であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されても良い。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なっていても良い。また、互いに連結して環を形成していても良い。
芳香族アシル基を構成する芳香族基としては、芳香族炭化水素基でも芳香族ヘテロ環基でも良く、より好ましくは芳香族炭化水素基である。
芳香族炭化水素基としては、炭素原子数が6〜24のものが好ましく、6〜12のものがより好ましく、6〜10のものが最も好ましい。芳香族炭化水素基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられ、より好ましくはフェニル基である。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が特に好ましい。
芳香族ヘテロ環基としては、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子のうち少なくとも一つを含むものが好ましい。そのヘテロ環の具体例としては、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデン等が挙げられる。芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、トリアジニル基、キノリル基が特に好ましい。
芳香族アシル基として好ましいものは、フェニルアセチル基、ヒドロシンナモイル基、ジフェニルアセチル基、フェノキシアセチル基、ベンジロキシアセチル基、O−アセチルマンデリル基、3−メトキシフェニルアセチル基、4−メトキシフェニルアセチル基、2,5−ジメトキシフェニルアセチル基、3,4−ジメトキシフェニルアセチル基、9−フルオレニルメチルアセチル基、シンナモイル基、4−メトキシ−シンナモイル基、ベンゾイル基、オルト−トルオイル基、メタ−トルオイル基、パラ−トルオイル基、m−アニソイル基、p−アニソイル基、フェニルベンゾイル基、4−エチルベンゾイル基、4−プロピルベンゾイル基、4−t−ブチルベンゾイル基、4−ブチルベンゾイル基、4−ペンチルベンゾイル基、4−ヘキシルベンゾイル基、4−ヘプチルベンゾイル基、4−オクチルベンゾイル基、4−ビニルベンゾイル基、4−エトキシベンゾイル基、4−ブトキシベンゾイル基、4−ヘキシロキシベンゾイル基、4−ヘプチロキシベンゾイル基、4−ペンチロキシベンゾイル基、4−オクチロキシベンゾイル基、4−ノニロキシベンゾイル基、4−デシロキシベンゾイル基、4−ウンデシロキシベンゾイル基、4−ドデシロキシベンゾイル基、4−イソプロピオキシベンゾイル基、2,3−ジメトキシベンゾイル基、2,5−ジメトキシベンゾイル基、3,4−ジメトキシベンゾイル基、2,6−ジメトキシベンゾイル基、2,4−ジメトキシベンゾイル基、3,5−ジメトキシベンゾイル基、3,4,5−トリメトキシベンゾイル基、2,4,5−トリメトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、2−ビフェニルカルボニル基、4−ビフェニルカルボニル基、4′−エチル−4−ビフェニルカルボニル基、4′−オクチロキシ−4−ビフェニルカルボニル基、ピペロニロイル基、ジフェニルアセチル基、トリフェニルアセチル基、フェニルプロピオニル基、ヒドロシンナモイル基、α−メチルヒドロシンナモイル基、2,2−ジフェニルプロピオニル基、3,3−ジフェニルプロピオニル基、3,3,3−トリフェニルプロピオニル基、2−フェニルブチリル基、3−フェニルブチリル基、4−フェニルブチリル基、5−フェニルバレリル基、3−メチル−2−フェニルバレリル基、6−フェニルヘキサノイル基、α−メトキシフェニルアセチル基、フェノキシアセチル基、3−フェノキシプロピオニル基、2−フェノキシプロピオニル基、11−フェノキシデカノイル基、2−フェノキシブチリル基、2−メトキシアセチル基、3−(2−メトキシフェニル)プロピオニル基、3−(p−トルイル)プロピオニル基、(4−メチルフェノキシ)アセチル基、4−イソブチル−α−メチルフェニルアセチル基、4−(4−メトキシフェニル)ブチリル基、(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)−アセチル基、4−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)−ブチリル基、(3,4−ジメトキシフェニル)アセチル基、3,4−(メチレンジオキシ)フェニルアセチル基、3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオニル基、4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブチリル基、(2,5−ジメトキシフェニル)アセチル基、(3,5−ジメトキシフェニル)アセチル基、3,4,5−トリメトキシフェニルアセチル基、3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−プロピオニル基、アセチル基、1−ナフチルアセチル基、2−ナフチルアセチル基、α−トリチル−2−ナフタレン−プロピオニル基、(1−ナフトキシ)アセチル基、(2−ナフトキシ)アセチル基、6−メトキシ−α−メチル−2−ナフタレンアセチル基、9−フルオレンアセチル基、1−ピレンアセチル基、1−ピレンブチリル基、γ−オキソ−ピレンブチリル基、スチレンアセチル基、α−メチルシンナモイル基、α−フェニルシンナモイル基、2−メチルシンナモイル基、2−メトキシシンナモイル基、3−メトキシシンナモイル基、2,3−ジメトキシシンナモイル基、2,4−ジメトキシシンナモイル基、2,5−ジメトキシシンナモイル基、3,4−ジメトキシシンナモイル基、3,5−ジメトキシシンナモイル基、3,4−(メチレンジオキシ)シンナモイル基、3,4,5−トリメトキシシンナモイル基、2,4,5−トリメトキシシンナモイル基、3−メチリデン−2−カルボニル基、4−(2−シクロヘキシロキシ)ベンゾイル基、2,3−ジメチルベンゾイル基、2,6−ジメチルベンゾイル基、2,4−ジメチルベンゾイル基、2,5−ジメチルベンゾイル基、3−メトキシ−4−メチルベンゾイル基、3,4−ジエトキシベンゾイル基、α−フェニル−O−トルイル基、2−フェノキシベンゾイル基、2−ベンゾイルベンゾイル基、3−ベンゾイルベンゾイル基、4−ベンゾイルベンゾイル基、2−エトキシ−1−ナフトイル基、9−フルオレンカルボニル基、1−フルオレンカルボニル基、4−フルオレンカルボニル基、9−アントラセンカルボニル基、1−ピレンカルボニル基等が挙げられる。
上記芳香族アシル基のうち、特に好ましくは、ベンゾイル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル基、フェニルベンゾイル基、4−ヘプチルベンゾイル基、2,4,5−トリメトキシベンゾイル基、又は3,4,5−トリメトキシベンゾイル基である。
(脂肪族アシル基)
本発明における脂肪族アシル基は、直鎖状、分岐状又は環状構造の脂肪族アシル基のいずれであっても良く、また、不飽和結合を含む脂肪族アシル基であっても良い。好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは炭素原子数2〜10、より好ましくは炭素原子数2〜4の脂肪族アシル基である。
脂肪族アシル基の好ましい例としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基であり、中でもアセチル基が好ましい。脂肪族アシル基をアセチル基とすることで、適度なガラス転移点(Tg)、弾性率等を有するフィルムが得られる。アセチル基等の炭素原子数が小さい脂肪族アシル基を有することにより、Tg及び弾性率等を低下させずに、フィルムとして適切な強度を得ることができる。
(3)添加剤
本発明の偏光板保護フィルムには、本発明の効果を損なわない範囲内で各種添加剤が含有されていても良い。添加剤としては、例えば、無機微粒子、可塑剤、紫外線吸収剤等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
(無機微粒子)
本発明の偏光板保護フィルムは、フィルムの搬送性の観点から、無機微粒子を含有していても良い。無機微粒子が含有されていることで、偏光板保護フィルムの表面が凸凹状になるため、当該偏光板保護フィルムを搬送しやすくなる。無機微粒子としてはシリカ微粒子が好ましい。
シリカ微粒子は極性基で修飾されていても良く、例えばスルホ基で修飾されていても良いが、特段、修飾手法に制限はない。
本発明に好ましく適用することができるシリカ微粒子としては、例えば、富士シリシア化学(株)製のサイリシア、日本シリカ(株)製のNipsil E、日本アエロジル(株)製のアエロジルシリーズ、日産化学工業(株)製のコロイダルシリカ、オルガノシリカゾル等を適用することができる。
また、シリカ微粒子の他に、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ等の微粒子を用いることができ、これらを単独又は複数組み合わせて用いることができる。
ここで、本発明において、微粒子とは、5nm〜1.0μmの範囲内の平均粒径を有する粒子をいう。当該平均粒子径としては、粒子を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の一次粒子の粒径を求め、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
また、本発明に係る無機微粒子の平均粒径としては、5〜500nmであることが好ましい。これは平均粒径が大きすぎると光の散乱が大きくなり、透過率が低下するためである。
本発明において、偏光板保護フィルムに含有される無機微粒子の含有割合は、本発明で規定する条件を満たす範囲であれば特に制限はないが、好ましくは例えばシクロオレフィン樹脂100質量%に対して0.1〜45質量%、密着性向上の観点及び、得られるフィルムの透明性の観点から、0.2〜10質量%であるとより好ましい。更に好ましくは、0.2〜1質量%である。
無機微粒子は、溶媒等と混合された状態で、高圧分散装置により分散処理されることが好ましい。高圧分散装置としては、例えばMicrofluidicsCorporation社製の超高圧ホモジナイザー(商品名:マイクロフルイダイザー)、ナノマイザー社製ナノマイザー又はマントンゴーリン型高圧分散装置(例えば(株)イズミフードマシナリ製ホモゲナイザー)等を採用することができる。
ここで、上記したような無機微粒子が偏光板保護フィルムに含有される場合、偏光板保護フィルム表面に凹凸が形成されるため、温湿度環境変動による耐久試験において、偏光子と偏光板保護フィルムとの間に生じる収縮応力に不均一な部分が発生しやすくなる。このため、従来の偏光板においては、収縮応力が部分的に高い箇所から偏光子と保護フィルムとが剥がれやすくなり、偏光子と保護フィルムの伸縮差によりクラックが生じてしまう。これに対し、本発明の偏光板保護フィルムにあっては、弾性率が上記範囲内に調整されていることで、当該クラックの発生を抑制することが可能となっている。このような効果は、上記した無機微粒子に限定されず、その他の添加剤が偏光板保護フィルムに含有される場合にも得られる。
(可塑剤)
本発明に係る偏光板保護フィルムには、組成物の流動性や柔軟性を向上するために、可塑剤を含有させることも可能である。可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステル系、エポキシ系、ピロメリット酸系、又は多価アルコールエステル系、グリコレート系、クエン酸エステル系、カルボン酸エステル系、バルビツール酸系等が挙げられる。
この中で、ポリエステル系とフタル酸エステル系の可塑剤が好ましく用いられる。ポリエステル系可塑剤は、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル系の可塑剤に比べて非移行性や耐抽出性に優れるが、可塑化効果や相溶性にはやや劣る。
したがって、用途に応じてこれらの可塑剤を選択、又は併用することによって、広範囲の用途に適用できる。
ポリエステル系可塑剤は、一価ないし四価のカルボン酸と一価ないし六価のアルコールとの反応物であるが、主に二価カルボン酸とグリコールとを反応させて得られたものが用いられる。代表的な二価カルボン酸としては、グルタル酸、イタコン酸、アジピン酸、フタル酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。
特に、アジピン酸、フタル酸等を用いると可塑化特性に優れたものが得られる。グリコールとしてはエチレン、プロピレン、1,3−ブチレン、1,4−ブチレン、1,6−ヘキサメチレン、ネオペンチレン、ジエチレン、トリエチレン、ジプロピレン等のグリコールが挙げられる。これらの二価カルボン酸及びグリコールはそれぞれ単独で、又は混合して使用しても良い。
このエステル系の可塑剤は、エステル、オリゴエステル、ポリエステルの型のいずれでも良い。分子量は100〜10000の範囲内であることが好ましいが、600〜3000の範囲内であると可塑化効果が大きいためより好ましい。
また、可塑剤の粘度は、分子構造や分子量と相関があるが、アジピン酸系可塑剤の場合、相溶性及び可塑化効率の関係から200〜5000MPa・s(25℃)の範囲内が好ましい。更に、いくつかのポリエステル系可塑剤を併用しても良い。
可塑剤は、本発明に係る偏光板保護フィルム100質量部に対して、0.5〜30質量部の範囲内で含有させることが好ましい。可塑剤の添加量が30質量部以下であれば、表面がべとつくことなく、実用上好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明に係る偏光板保護フィルムには、紫外線吸収剤を含有させることも好ましい。これにより偏光板保護フィルム及びそれを備えた偏光板の耐光性を向上させることができる。
使用できる紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシベンゾフェノン系、又は、サリチル酸フェニルエステル系のもの等が挙げられる。例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類を例示することができる。
ここで、紫外線吸収剤のうちでも、分子量が400以上の紫外線吸収剤は、高沸点で揮発しにくく、高温成形時にも飛散しにくいため、比較的少量の添加で効果的に耐候性を改良することができる。
分子量が400以上の紫外線吸収剤としては、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等のベンゾトリアゾール系、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系、更には2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の分子内にヒンダードフェノールとヒンダードアミンの構造をともに有するハイブリッド系のものが挙げられ、これらは単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。これらのうちでも、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾールや2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が特に好ましい。
また、紫外線吸収剤としては高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることができ、特に特開平6−148430号記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。また、紫外線吸収剤は、ハロゲン基を有していないことが好ましい。
紫外線吸収剤の含有量としては、樹脂に対して、0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。紫外線吸収剤の含有量が0.01質量%以上であることで、十分な紫外線吸収効果を得ることができる。一方、10質量%以下であることで、フィルムの透明性を維持することができる。
(その他の添加剤)
本発明の偏光板保護フィルムには、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば特開平9−221577号公報、特開平10−287732号公報、特開2014−159082号公報に記載されている、特定の炭化水素系樹脂、又は公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム質重合体、有機微粒子等を含有させても良く、特定の波長分散剤、界面活性剤、分散剤、糖エステル化合物、剥離促進剤、ゴム粒子等の添加剤を含んでも良い。更に、本発明に係る偏光板保護フィルムには、成形加工時の熱分解性や熱着色性を改良するために各種の酸化防止剤を添加することもできる。また、帯電防止剤を加えて、偏光板保護フィルムに帯電防止性能を付与することも可能である。
本発明に係る偏光板保護フィルムには、リン系難燃剤を配合した難燃アクリル系樹脂組成物を用いても良い。
ここで用いられるリン系難燃剤としては、赤リン、トリアリールリン酸エステル、ジアリールリン酸エステル、モノアリールリン酸エステル、アリールホスホン酸化合物、アリールホスフィンオキシド化合物、縮合アリールリン酸エステル、ハロゲン化アルキルリン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合ホスホン酸エステル、含ハロゲン亜リン酸エステル等から選ばれる1種、又は2種以上の混合物を挙げることができる。
具体的な例としては、トリフェニルホスフェート、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキシド、フェニルホスホン酸、トリス(β−クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等が挙げられる。
《偏光板保護フィルムの製造方法》
本発明の偏光板保護フィルムの製造方法の例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。偏光板保護フィルムの製造方法としては、例えば、インフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルジョン法、ホットプレス法等の製造法が使用できるが、着色抑制、異物欠点の抑制、ダイライン等の光学欠点の抑制等の観点から流延法による溶液製膜が好ましい。
本発明の偏光板保護フィルムの製造方法としては、移動する支持体上に、樹脂及び溶媒等を含むドープを流延させて流延膜を形成する流延工程を有することが好ましい。更に、当該流延工程には、支持体上に流延された流延膜に前記溶媒中の主溶媒を含む主溶媒ガスを吹き付ける蒸発抑制工程と、該蒸発抑制工程を経た流延膜に乾燥風を吹き付ける乾燥工程とが含まれることが好ましい。主溶媒とは、1種類の溶媒を使用する際にはその溶媒をいい、複数の溶媒からなる混合溶媒を使用する際には、体積比で最も大きい溶媒をいう。
溶液流延法で製造する場合においてドープの調製に有用な有機溶媒としては、上記樹脂成分及びその他の添加剤を同時に溶解するものであれば制限なく用いることができる。
例えば、塩素系有機溶媒としては、ジクロロメタン、非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることができ、ジクロロメタン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトンを好ましく使用し得る。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の範囲内の炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有させることが好ましい。ドープ中のアルコールの比率が高くなるとウェブがゲル化し、金属支持体からの剥離が容易になり、また、アルコールの割合が少ない場合は非塩素系有機溶媒系でセルロースエステル樹脂又はアクリル樹脂等の溶解を促進する役割もある。
炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。これらの中でも、ドープの安定性に優れ、沸点も比較的低く、乾燥性が良好であり、毒性がないことから等からエタノールが好ましい。
ドープ中に含まれる溶媒の含有割合は、1〜50質量%であることが好ましい。1質量%以上とすることで、フィルムの脆性の低下、製造中のフィルムが裂ける等の欠陥発生による生産性の低下が抑制される。また、50質量%以下とすることで、フィルムの透明性の低下が抑制される。溶媒成分の含有割合は、フィルムの生産条件、作製するフィルムの膜厚等から適宜調整可能である。
また、ドープには、適宜、上記した添加剤を配合しても良い。
樹脂及び添加剤等は、上記した溶媒に溶解されてドープが調製される。ドープは、濾材で濾過され、その後、脱泡される。濾材としては、捕集粒子径が0.5〜5μmで、濾水時間が10〜25秒/100mLのものを用いることが好ましい。
主溶媒ガスとは、上記主溶媒が揮発して調製されたガスをいう。主溶媒ガス中の主溶媒の濃度は、飽和蒸気圧として示すことができる。本発明において、主溶媒ガスの濃度としては、飽和蒸気圧に近いほど好ましい。すなわち、主溶媒の飽和蒸気量をSvとしたときに、主溶媒ガスの濃度は、0.7Sv〜Svであることが好ましく、より好ましくはSvである。主溶媒ガスの濃度が0.7Sv未満の場合、蒸発抑制よりも乾燥促進の効果が顕著となってしまう傾向がある。
流延膜とは、流延ダイから支持体上にドープを流延することにより形成された膜をいい、後述する延伸工程や第二乾燥工程等によりフィルムを形成するまでのドープを指す。
[蒸発抑制工程]
流延工程に含まれる蒸発抑制工程について説明する。蒸発抑制工程は、流延直後における流延膜表面からの溶媒の蒸発を抑制する工程である。
流延直後の流延膜は、その構成成分中に占める溶媒量が多く、流動性に富んでいる。このような状態の流延膜に乾燥風を吹き付けた場合、流延膜の表面性状が悪化するほか、流延膜の表面と内部、底部(支持体との接触部)との溶媒量の差が大きくなり、得られる偏光板保護フィルムの物性にムラが生じる傾向がある。一方、乾燥風を使用しない場合には、軟膜として支持体から剥ぎ取れる程度に乾燥するまでに時間がかかり、生産効率が低下する傾向がある。また、乾燥風を使用しない場合には、流延膜の表面性状をレベリングすることができない傾向がある。そのため、流延直後の流延膜からは、溶媒の蒸発を抑制し、ある程度流延した後に乾燥させることにより、表面性状を良好に維持しながら、軟膜の形成を速めることができる。このような観点から、流延ダイから支持体上に流延された流延膜に対して、後述する乾燥手段よりも支持体の移動方向の上流に設けられた給気手段により、上記した溶媒中の主溶媒を含む主溶媒ガスを吹き付けることが好ましい。
まず、ドープは、流延ダイより支持体上に流延される。具体的には、ドープは、例えば加圧型定量ギヤポンプ等の送液ポンプによりタンクから流延ダイに送られ、流延ダイの流延口から流延される。
流延ダイとしては、吐出口の形状が調整可能なものが好ましい。また、流延膜の膜厚を均一にしやすい加圧ダイが好ましい。加圧ダイの種類としては、コートハンガーダイやTダイ等があり、いずれも好ましく用いられる。製膜速度を上げるために、加圧ダイを2基以上並べて配設し、ドープを分割して吐出しても良い。流延ダイからドープを吐出する吐出速度は、支持体の移動速度との兼ね合いや生産性等を考慮して、例えば、30〜150m/分程度であることが好ましい。
支持体は、無端ベルトにより無端状に形成されていることが好ましい。電源により駆動制御された回転ローラーにより無端ベルトが回転し、支持体上の流延膜を移動させる。支持体の移動速度(無端ベルトの回転速度)としては、60〜150m/分であることが好ましい。支持体の移動速度をこの範囲内とすることにより、偏光板保護フィルムを高速生産することができる。
支持体としては、表面を鏡面仕上げしたものを好ましく使用することができる。支持体としては、ステンレススティールベルト又は鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムを好ましく使用することができる。キャストの幅は1〜4mとすることができる。流延工程の支持体の表面温度としては、−50〜40℃の温度が好ましく、より好ましくは0〜40℃であり、更に好ましくは5〜30℃である。支持体の温度を制御する方法は特に限定されず、温風又は冷風を吹きかける方法や、温水を支持体の裏側に接触させる方法がある。本発明では、温風や冷風を吹きかけることにより支持体上の流延膜の表面性状が悪化することがないよう、温水を支持体の裏側に接触させる方法を採用することが好ましい。
支持体上に流延された流延膜は、当該支持体により移動し、給気手段から給気される主溶媒ガスが吹き付けられる。
給気手段は、支持体上を移動する流延膜に主溶媒ガスを吹き付けるために設けられている。給気手段の設置場所は、支持体の移動方向に沿って、ドープが流延される位置の下流側であって、後述する乾燥手段により乾燥風が吹き付けられる位置の上流側である。
給気手段より給気される主溶媒ガスの吹き付け方向としては、支持体上を移動する流延膜の法線(支持体の所定位置の面に対して直交する方向)に沿って、流延膜の表面方向へ、当該法線から流延膜の移動する方向へ45〜85°傾斜する方向が好ましく、より好ましくは50〜65°傾斜する方向である。また、支持体に対する主溶媒ガスの風速は、実効風速で0.1〜3.0m/sであることが好ましく、より好ましくは、1.0〜2.0m/sである。この吹き付け方向及び主溶媒ガスの風速を採用することにより、伴走風を打ち消すことができる。
ここで、伴走風とは、支持体上を移動する流延膜の表面に発生する相対的な向かい風をいう。流延直後の流延膜は、流動性に富んでいるため、伴走風により流延膜の表面にムラを発生しやすい。このような表面ムラに対する伴走風の影響は、光学フィルムを高速生産するために支持体の移動速度を速くした場合に特に顕著に現れる。そのため、本発明では、給気手段より主溶媒ガスを吹き付けることにより伴走風を打ち消している。これにより、伴走風による表面ムラの発生を抑制することができるとともに、流延膜の表面近傍に主溶媒ガスを滞留させて、流延膜からの溶媒の蒸発を抑制することができるとともに、流延膜の表面にレベリング効果を付与することができる。
なお、本発明において、実効風速とは、フィルム表面から1.0cm離れた位置で、風速計(アネモマスター:日本カノマックス(株)製)で測定した平均風速を指すものとする。
また、主溶媒ガスを吹き付ける際の給気手段のガス供給口の位置としては、支持体上を移動する流延膜の表面から1〜300mm離間した位置であることが好ましく、より好ましくは、10〜100mm離間した位置である。離間距離を上記範囲内に保つことにより、移動する支持体上の流延膜にムラなく主溶媒ガスを吹き付けることができ、表面ムラの発生を抑制することができる。また、移動中の流延膜と給気手段のガス供給口とが接触することがなく、かつ、流延膜からの溶媒の蒸発を充分に抑制することができる。
主溶媒ガスを吹き付ける期間としては、支持体上に流延されたドープ中の溶媒量を100質量%とした場合に、残留溶媒率が80質量%以上100質量%未満となるまでの期間が好ましく、より好ましくは85〜90質量%となる期間である。溶媒量が上記範囲内となる期間、主溶媒ガスを吹き付けることにより、後続する乾燥工程において、より確実に流延膜の表面にレベリング効果を付与するとともに、表面ムラを生じない程度に流延膜を乾燥することができる。なお、本発明においては、残留溶媒率は以下の式により定義される。
残留溶媒率(質量%)=(M/N)×100
(式中、Mは『流延膜の加熱処理前の質量−流延膜の加熱処理後の質量』を表し、Nは『流延前のドープの加熱処理前の質量−流延前のドープの加熱処理後の質量』を表す。当該流延膜は、支持体上の任意の点において採取する。ドープは、支持体上に流延した直後のドープを採取することが好ましい。加熱処理とは、115℃で1時間加熱する処理をいう。)
また、支持体の両側には、遮蔽部材を設けることが好ましい。遮蔽部材を設けることにより、給気手段から給気される主溶媒ガスが支持体の両側から拡散しにくくなるため、支持体上を移動する流延膜の表面近傍に主溶媒ガスを滞留させやすくすることができる。すなわち、上記のとおり、支持体に対する主溶媒ガスの風速は、実効風速で0.1〜3.0m/s程度に調整されているため、支持体上を移動する流延膜の表面近傍には、主溶媒ガスが滞留しやすい環境となっている。このような環境下において、支持体の両側に遮蔽部材が設けられていると、更に主溶媒ガスを効率的に滞留させることができる。その結果、流延膜の表面における主溶媒ガスの濃度を安定に高く保持することができ、より確実に流延膜からの溶媒の蒸発を抑制することができる。遮蔽部材の材質としては、例えばステンレスを挙げることができ、遮蔽部材の大きさとしては、例えば高さ10cm、長尺方向の長さ50cmとすることができる。
また、給気手段のガス供給口には、ガス供給口から供給される主溶媒ガスの流れを整流する整流部材が設けられることが好ましい。
整流部材を設けることにより、例えばガス供給口の縁に近い部分と、縁から遠い部分(ガス供給口の中心部)との間で、主溶媒ガスの風速や拡散度合いに差が生じることがない。特に、広幅の流延膜を支持体上に流延させ、移動する広幅の流延膜に対して均一に主溶媒ガスを吹き付けるためには、ガス供給口の形状は扁平な形状を呈していることが好ましい。このような場合であってもガス供給口から供給される主溶媒ガスの風速や拡散度合いに差が生じることがなく、支持体上を移動する流延膜に対する主溶媒ガスの実効風速を均一に保ち、流延膜に局所的な表面ムラが生じることを防止することができる。
整流部材の構成としては特に限定されないが、例えば、給気手段のガス供給口を格子状に区切るように構成されていることが好ましく、ガス供給口をパンチ板形状とするように構成されていることがより好ましい。このような構成を採用することにより、支持体上を移動する流延膜の表面全体に対して、主溶媒ガスをより静圧に近い状態で均一にかつ安定に吹き付けることができる。
なお、整流部材は給気手段のガス給気口と一体的に設けても良く、着脱可能に別体として設けても良い。
[乾燥工程]
流延工程に含まれる乾燥工程について説明する。乾燥工程は、蒸発抑制工程を経た流延膜に乾燥風を吹き付けることにより、支持体から軟膜として流延膜を剥離可能な程度にまで乾燥させる工程である。この乾燥工程において、上記したとおりフィルムの乾燥速度を調整することにより、製造される偏光板保護フィルムの90℃での弾性率を調整することが可能である。
光学フィルムが良好な平面性を示すためには、支持体から流延膜を剥離する際の残留溶媒率が70〜90質量%となっていることが好ましい。乾燥工程では、このような範囲に収まるよう乾燥条件を調整する。
乾燥方法としては特に限定されず、例えば、乾燥手段としてノズルやパンチ板等を使用することができる。また、乾燥条件としては、例えば50℃10%RHの乾燥風を静圧で100〜2000Paの条件で吹き付けることができる。
乾燥手段は、支持体の移動方向に沿って給気手段の下流側に設けられていれば良い。また、乾燥手段は複数個所に設けられていても良い。
[その他の工程]
(ドープの調製工程)
ドープの調製工程について説明する。ドープの調製工程は、流延工程において流延ダイから支持体上に流延されるドープを調製する工程である。ドープの調製方法としては特に限定されず、例えば、溶解釜を使用して、上記した溶媒に樹脂を投入して調製することができる。ドープ中の樹脂の含有量としては、例えば固形分濃度として15〜30質量%である。樹脂の含有量が固形分濃度として15質量%未満の場合、支持体上で充分な乾燥ができず、剥離時に流延膜の一部が支持体上に残り、支持体が汚染される傾向がある。一方、30質量%を超える場合、ドープの粘度が高くなり、ドープの調製工程においてフィルター詰まりを生じたり、支持体上への流延時に圧力が高くなり過ぎて流延ダイより押し出せなくなったりする傾向がある。
樹脂を溶媒に溶解させる方法としては、常圧で溶解する方法、溶媒の沸点以下で溶解する方法、加圧しながら溶媒の沸点以上で溶解する方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報又は特開平9−95538号公報に記載されるように、冷却溶解法を採用する方法、特開平11−21379号公報に記載されるように高圧で溶解する方法等を採用することができる。これらの中では、加圧しながら溶媒の沸点以上で溶解する方法が好ましい。
得られたドープは、濾材で濾過され、脱泡された後、送液ポンプで流延ダイに送られる。濾過は、捕集粒子径が0.5〜5μmで、かつ濾水時間が10〜25秒/100mLである濾材を用いることが好ましい。濾過により、樹脂粒子の分散時に残存する凝集物等のみを除去することができる。
ドープには、返材を10〜50質量%程度配合することができる。返材とは、偏光板保護フィルムの粉砕物であり、偏光板保護フィルムを製造するときに発生する、フィルムの両サイド部分を切り落とした物や、擦り傷等でスペックアウトした偏光板保護フィルム原反等である。返材には樹脂成分や添加剤等が含まれることがあるため、返材の添加量に合わせて各種材料の添加量を調整することが好ましい。また、あらかじめ各種材料を混練してペレット化したものを使用することができる。
上記のとおり調製されたドープは、流延ダイより支持体上に流延される。
(剥離工程)
剥離工程について説明する。剥離工程は、乾燥工程を経て軟膜を形成した流延膜を剥離ロールにより支持体から剥離する工程である。剥離された軟膜は、第二乾燥工程、延伸工程及び熱処理工程等の工程に送られ、その後、巻取工程により巻き取られて偏光板保護フィルムが製造される。
支持体上の剥離位置の温度は、10〜40℃であり、好ましくは11〜30℃である。支持体と流延膜とを剥離する際の剥離張力は、通常、196〜245N/mであるが、剥離の際に皺が入りやすい場合、190N/m以下の張力で剥離することが好ましく、剥離できる最低張力〜166.6N/m、次いで、最低張力〜137.2N/mで剥離することが好ましい。
(第二乾燥工程、延伸工程、熱処理工程、巻取工程)
第二乾燥工程、延伸工程、熱処理工程、巻取工程について説明する。これらの工程は、剥離された流延膜を内部に複数配置されたローラーで交互に搬送する乾燥装置、及び、ピンで流延膜の両端を保持して搬送するピンテンター延伸装置の少なくとも一方を用いて、乾燥、延伸、熱処理を施し偏光板保護フィルムを作製するとともに、得られた偏光板保護フィルムを巻き取る工程である。装置の構成によってはこれらのうち複数の工程が同時に行われることがある。なお、上記した流延工程においても乾燥工程を有していることから、当該乾燥工程と区別する目的で、剥離した軟膜に対して行う乾燥工程を第二乾燥工程と呼んでいる。
第二乾燥工程における乾燥方法としては、流延膜の両面に熱風を吹き付ける方法が一般的であるが、熱風の代わりにマイクロウェーブを当てて加熱する方法を採用することも可能である。流延膜は急激な乾燥により、表面ムラが発生しやすいため、残留溶媒率が8質量%以下となった時点から乾燥するのが好ましい。乾燥温度としては、40〜250℃程度が好ましい。
延伸工程において、ピンテンター延伸装置を用いる場合は、ピンテンターによる流延膜(フィルム)の保持位置を左右で独立に制御できる装置を用いることが好ましい。また、平面性を改善するため意図的に異なる温度帯域を持つ区画を作っても良い。
なお、延伸操作は多段階に分割して実施しても良く、長手方向と幅手方向とに二軸延伸を実施することが好ましい。なお、二軸延伸を行う場合には同時に延伸しても良く、段階的に延伸しても良い。段階的に延伸する場合、例えば、延伸方向の異なる延伸を順次行うことも可能であるし、同一方向の延伸を多段階に分割し、かつ異なる方向の延伸をそのいずれかの段階に加えることも可能である。すなわち、長手方向に延伸、幅手方向に延伸、長手方向に延伸、長手方向に延伸の順で延伸しても良いし、幅手方向に延伸、幅手方向に延伸、長手方向に延伸、長手方向に延伸の順で延伸しても良い。本発明において、同時二軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方を、張力を緩和して収縮させる場合も含まれる。同時二軸延伸の好ましい延伸倍率は、長手方向、幅手方向ともに1.01倍(延伸率:1%)〜1.5倍(延伸率:50%)の範囲である。
テンターによる延伸を行う場合の流延膜の残留溶媒率は、テンター開始時(延伸開始時)に3〜8質量%であるのが好ましく、かつ流延膜の残留溶媒率が5質量%以下になるまでテンターをかけながら乾燥を行うことが好ましい。テンターによる延伸を行う場合の乾燥温度としては、30℃以上であり、かつ、アクリル樹脂のガラス転移温度とセルロースエステル樹脂のガラス転移温度とのうちいずれか高い方のガラス転移温度αよりも30℃高い温度(α+30℃)以下が好ましい。このような温度としては、例えば、30〜190℃、30〜160℃、50〜150℃、70〜140℃等である。
延伸工程において、幅手方向の温度分布が少ないことが、得られる偏光板保護フィルムの表面性状の均一性を高める観点から好ましく、幅手方向の温度分布は、±5℃以内が好ましく、より好ましくは±2℃以内であり、更に好ましくは±1℃以内である。
巻取工程について説明する。巻取工程は、流延膜中の残留溶媒率が1質量%以下となってから偏光板保護フィルムとして巻取り機により巻き取る工程である。
巻き取り方法としては特に限定されず、公知の巻取方法を採用することができ、例えば定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等を採用することができる。
巻取長さとしては、100〜8000m程度が好ましく、通常はロール状に巻き取る。また、巻き取られた偏光板保護フィルムの幅は、1.3〜3.0m程度である。
《偏光板の製造方法》
本発明の偏光板は、一般的な方法で製造することができる。
例えば、本発明の偏光板保護フィルムの偏光子側をアルカリケン化処理し、ヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の少なくとも一方の面に、完全ケン化型のポリビニルアルコール水溶液(水糊)を用いて貼り合わせる。また、同様にしてアルカリケン化処理した光学フィルムを、偏光子のもう一方の面に水糊を用いて貼り合わせる。ここで用いる光学フィルムとしては、本発明の偏光板保護フィルムであっても良いし、従来公知の位相差フィルム又は偏光板保護フィルムであっても良い。なお、本発明の偏光板保護フィルム及び光学フィルムに対しては、ケン化処理前に、コロナ放電処理をしておくことが好ましい。
コロナ放電処理とは、大気圧下、電極間に1kV以上の高電圧を印加し、放電することで行う処理のことである。コロナ処理によって、フィルムの樹脂表面に酸素含有極性基(ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボン酸基等)が発生し、表面が親水化される。
コロナ放電処理は、春日電機(株)や(株)トーヨー電機等で市販されている装置を用いて行うことができる。コロナ放電処理の強度は、電極間距離、単位面積当たりの出力、ジェネレーターの周波数に依存する。コロナ放電処理装置の一方の電極(A電極)は、市販のものを用いることができるが、材質はアルミニウム又はステンレス等から選択ができる。もう一方はプラスチックフィルムを抱かせるための電極(B電極)であり、コロナ放電処理が、安定かつ均一に実施されるように、前記A電極に対して一定の距離に設置されるロール電極である。これも通常市販されているものを用いることができ、材質は、アルミニウム、ステンレス、及びそれらの金属でできたロールに、セラミック、シリコン、EPTゴム、ハイパロンゴム等がライニングされているロールが好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。また、ガラス転移温度は、DSC(Differential Scanning Calorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS K 7121−2012に準拠した方法により求めた。
[実施例1]
《偏光板101の作製》
(1)第1の偏光板保護フィルムの作製
<主ドープの調製>
下記組成の主ドープを調製した。まず、加圧溶解タンクにジクロロメタンとエタノールを添加した。ジクロロメタンとエタノールの混合溶液の入った加圧溶解タンクにシクロオレフィン樹脂1を撹拌しながら投入した。これを加熱し、撹拌しながら、完全に溶解した。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用してろ過し、主ドープを調製した。シクロオレフィン樹脂1としては、JSR(株)製、ARTON G7810を用いた。当該シクロオレフィン樹脂1は、ガラス転移温度が178℃のアルコキシカルボニル基を有する樹脂である。
(主ドープの組成)
シクロオレフィン樹脂1(ARTON G7810、JSR(株)製) 100質量部
ジクロロメタン(SP値:20) 200質量部
エタノール(SP値:26) 10質量部
次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープを温度31℃、1800mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は28℃に制御した。ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が40質量%になるまで溶媒を蒸発させた。このときの乾燥条件としては、50℃10%RHの乾燥風を静圧で1700Paの条件で吹き付けた。次いで、剥離張力110N/mでステンレスベルト支持体上からフィルムを剥離した。剥離したフィルムを、140℃の熱をかけながらテンターを用いて幅方向に5%延伸した。なお、延伸開始時の残留溶媒は15質量%であった。
次いで、乾燥ゾーンを多数のローラーで搬送させながら乾燥を終了させ、テンタークリップで挟んだ端部をトリミングし、その後巻き取った。乾燥温度は130℃で搬送張力は100N/mとした。
以上のようにして、偏光板101の第1の偏光板保護フィルムを作製した。
作製した第1の偏光板保護フィルムは、透湿度5g/(m・day)、90℃での弾性率2.3GPa、厚さ500μmであった。透湿度は、JIS Z 0208記載の塩化カルシウム−カップ法に基づき、測定対象のフィルムを40℃・90%RHの条件下で24時間放置して測定した。また、弾性率は、JIS K 7127に記載の方法に準じつつ、引っ張り試験器(株)オリエンテック製テンシロンRTA−100と、90℃に加熱した炉とを用い、90℃に加熱した炉内で引っ張り試験を行うことで測定した。以下、偏光板保護フィルムの透湿度及び弾性率を同様にして測定した。
(2)第2の偏光板保護フィルムの作製
上記第1の偏光板保護フィルムの作製において、流延したフィルムを乾燥させるときの乾燥条件を、50℃10%RHの乾燥風を静圧で1000Paの条件で吹き付けるように変更した以外は同様にして、第2の偏光板保護フィルムを作製した。
(3)偏光板101の作製
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。
これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗・乾燥し、厚さ7μmの偏光子を得た。
次いで、下記工程1〜5に従って、偏光子の一方の面に上記作製した第1の偏光板保護フィルムを貼り合わせ、偏光子の他方の面に上記作製した第2の偏光板保護フィルムを貼り合わせて偏光板101を作製した。
工程1:偏光子と貼合する側の面をケン化した、第1及び第2の偏光板保護フィルムを、60℃の2モル/Lの水酸化ナトリウム溶液に90秒間浸漬し、次いで水洗し乾燥した。
工程2:偏光子を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸漬した。
工程3:工程2で偏光子に付着した過剰の接着剤を軽く拭き除き、偏光子の一方の面が工程1で処理した第1の偏光板保護フィルムに対向するように、偏光子を第1の偏光板保護フィルムの上に載せて配置した。
工程4:工程3で積層した偏光子及び第1の偏光板保護フィルムに、当該偏光子の他方の面に対向するように、第2の偏光板保護フィルムを圧力20〜30N/cm、搬送スピード約2m/分で貼合した。
工程5:80℃の乾燥機中で工程4で作製した偏光子、第1及び第2の偏光板保護フィルムの積層体を2分間乾燥し、これを偏光板101とした。
《偏光板102〜105、108の作製》
上記偏光板101の作製において、第1の偏光板保護フィルムの透湿度が表1に記載の値となるように、第1の偏光板保護フィルムの厚さを表1に記載の値に変更した以外は同様にして、偏光板102〜105、108を作製した。
《偏光板106の作製》
上記偏光板101の作製において、第1の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板106を作製した。
<第1の偏光板保護フィルムの作製>
下記組成の主ドープを調製した。まず、加圧溶解タンクにジクロロメタンとエタノールを添加した。ジクロロメタンとエタノールの混合溶液の入った加圧溶解タンクにセルロースエステル樹脂1(下記セルロースアセテートプロピオネート)と可塑剤としてのトリフェニルホスフェートとを撹拌しながら投入した。これを加熱し、撹拌しながら、完全に溶解した。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用してろ過し、主ドープを調製した。
(主ドープの組成)
セルロースアセテートプロピオネート(アシル基総置換度2.75、アセチル基置換度0.19、プロピオニル基置換度2.56、Mw=200000) 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 8質量部
ジクロロメタン(溶媒) 418質量部
エタノール(溶媒) 23質量部
次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープを温度31℃、1800mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は28℃に制御した。ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が40質量%になるまで溶媒を蒸発させた。このときの乾燥条件としては、50℃10%RHの乾燥風を静圧で1000Paの条件で吹き付けた。次いで、剥離張力110N/mでステンレスベルト支持体上からフィルムを剥離した。剥離したフィルムを、140℃の熱をかけながらテンターを用いて幅方向に5%延伸した。なお、延伸開始時の残留溶媒は15質量%であった。
次いで、乾燥ゾーンを多数のローラーで搬送させながら乾燥を終了させ、テンタークリップで挟んだ端部をトリミングし、その後巻き取った。乾燥温度は130℃で搬送張力は100N/mとした。
以上のようにして、偏光板106の第1の偏光板保護フィルムを作製した。
《偏光板107の作製》
上記偏光板106の作製において、第1の偏光板保護フィルムの透湿度が表1に記載の値となるように、第1の偏光板保護フィルムの厚さを表1に記載の値に変更した以外は同様にして、偏光板107を作製した。
《偏光板109の作製》
上記偏光板104の作製において、第1の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板109を作製した。
すなわち、偏光板104の第1の偏光板保護フィルムの作製において、流延したフィルムを乾燥させるときの乾燥条件を、50℃10%RHの乾燥風を静圧で1000Paの条件で吹き付けるように変更した以外は同様にして、偏光板109の第1の偏光板保護フィルムを作製した。
《偏光板110の作製》
上記偏光板104の作製において、第1の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板110を作製した。
すなわち、偏光板104の第1の偏光板保護フィルムの作製において、流延したフィルムを乾燥させるときの乾燥条件を、50℃10%RHの乾燥風を静圧で1300Paの条件で吹き付けるように変更した以外は同様にして、偏光板110の第1の偏光板保護フィルムを作製した。
《偏光板111の作製》
上記偏光板104の作製において、第1の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板111を作製した。
すなわち、偏光板104の第1の偏光板保護フィルムの作製において、流延したフィルムを乾燥させるときの乾燥条件を、50℃10%RHの乾燥風を静圧で1550Paの条件で吹き付けるように変更した以外は同様にして、偏光板111の第1の偏光板保護フィルムを作製した。
《偏光板112の作製》
上記偏光板104の作製において、第1の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板112を作製した。
すなわち、偏光板104の第1の偏光板保護フィルムの作製において、流延したフィルムを乾燥させるときの乾燥条件を、50℃10%RHの乾燥風を静圧で1900Paの条件で吹き付けるように変更した以外は同様にして、偏光板112の第1の偏光板保護フィルムを作製した。
《偏光板113の作製》
上記偏光板104の作製において、第1の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板113を作製した。
すなわち、偏光板104の第1の偏光板保護フィルムの作製において、流延したフィルムを乾燥させるときの乾燥条件を、50℃10%RHの乾燥風を静圧で2500Paの条件で吹き付けるように変更した以外は同様にして、偏光板113の第1の偏光板保護フィルムを作製した。
《偏光板114の作製》
上記偏光板104の作製において、第2の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板114を作製した。
すなわち、上記偏光板106の第1の偏光板保護フィルムの作製において、セルロースエステル樹脂1を、セルロースエステル樹脂2(セルロースアセテート(アシル基総置換度2.90、アセチル基置換度2.90、Mw=150000))に変更し、透湿度が表1に記載の値となるように偏光板保護フィルムの厚さを変更した以外は同様にして、偏光板114の第2の偏光板保護フィルムを作製した。
《偏光板115の作製》
上記偏光板105の作製において、第2の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板115を作製した。
すなわち、上記偏光板114の第2の偏光板保護フィルムの作製と同様にして、偏光板115の第2の偏光板保護フィルムを作製した。
《偏光板116の作製》
上記偏光板104の作製において、第2の偏光板保護フィルムを、シクロオレフィン樹脂2からなる厚さ40μmのシクロオレフィンフィルム(Zeonor Film ZF14、日本ゼオン(株)製)に変更した以外は同様にして、偏光板116を作製した。
《偏光板117の作製》
上記偏光板105の作製において、第2の偏光板保護フィルムを、シクロオレフィン樹脂2からなる厚さ40μmのシクロオレフィンフィルム(Zeonor Film ZF14、日本ゼオン(株)製)に変更した以外は同様にして、偏光板117を作製した。
《偏光板101〜117の評価》
上記のようにして作製したガスバリアーフィルム101〜117について、温湿度環境を変動させる下記の耐久試験を行いながら、偏光子劣化評価及びクラック評価を行った。各評価結果を表1に示す。
(1)耐久試験
得られた偏光板を、偏光子の吸収軸方向に20cm、吸収軸に対して直角方向に10cmの大きさの略長方形状であってその角部が曲線形状となるように、2Rの曲げ加工した刃型で打ち抜きし、粘着層を介してガラス板に貼り合わせ、サンプルを作製した。エスペック社製小型冷熱衝撃装置TES−11Aを用いて、作製したサンプルを−40℃の雰囲気下に30分間放置した後、90℃の雰囲気下に30分間放置する操作を1サイクルとして、これを複数回行った。
(2)偏光子劣化評価
上記耐久試験を1サイクル行う度に、紫外可視分光光度計(日本分光社製、製品名「V7100」)を用いて、偏光板の単体透過率(Ts)、平行透過率(Tp)及び直交透過率(Tc)を測定し、偏光度(P)を次式により求めた。上記耐久試験を繰り返し、算出された偏光度(P)が99.95%未満となったときのサイクル数を、下記基準に従って評価した。「◎」又は「○」であれば実用上問題ないと判断することができる。
偏光度(P)(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
なお、上記Ts、Tp及びTcは、JIS Z 8701の2度視野(C光源)により測定し、視感度補正を行ったY値である。
◎:1000サイクル以上
○:500〜999サイクル
×:250〜499サイクル
××:249サイクル以下
(3)クラック評価
上記耐久試験を1サイクル行う度に、偏光板を観察し、長さ1cm以上のクラックが発生しているか否かを確認した。上記耐久試験を繰り返し、長さ1cm以上のクラックが発生したときのサイクル数を、下記基準に従って評価した。「◎」又は「○」であれば実用上問題ないと判断することができる。
◎:1000サイクル以上
○:500〜999サイクル
×:250〜499サイクル
××:249サイクル以下
Figure 2017083548
表1に示されるように、本発明の偏光板保護フィルムを備える偏光板は、偏光子の劣化及びクラックの発生がともに抑制されていることから、偏光板が長方形状以外の形状にカットされた場合における、温湿度環境変動に対する偏光子の耐久性を向上させることができるといえる。
これに対し、比較例のポリイミドフィルムは、第1の偏光板保護フィルムの透湿度及び弾性率が所定範囲内にないため、偏光子の劣化及びクラックの少なくとも一方が発生している。
[実施例2]
《偏光板201の作製》
上記実施例1の偏光板101の作製と同様にして、偏光板201を作製した。
《偏光板202の作製》
上記実施例1の偏光板101の作製において、第1の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板202を作製した。
すなわち、偏光板101の第1の偏光板保護フィルムの作製において、主ドープの調製時に、ジクロロメタンとエタノールの混合溶液の入った加圧溶解タンクにシクロオレフィン樹脂1とともに、0.3質量部の無機微粒子添加液を投入した以外は同様にして、偏光板202の第1の偏光板保護フィルムを作製した。無機微粒子添加液は、以下のようにして調製した。
<無機微粒子添加液の調製>
11質量部の無機微粒子(アエロジル R812V、日本アエロジル(株)製)と、89質量部のエタノールとを、ディゾルバーで50分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散し、無機微粒子分散液を調製した。
99質量部のジクロロメタンを入れた溶解タンクに十分撹拌しながら、5質量部の無機微粒子分散液をゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、無機微粒子添加液を調製した。
《偏光板203、204、206、209の作製》
上記偏光板202の作製において、第1の偏光板保護フィルムの透湿度が表1に記載の値となるように、第1の偏光板保護フィルムの厚さを表1に記載の値に変更した以外は同様にして、偏光板203、204、206、209を作製した。
《偏光板205の作製》
上記実施例1の偏光板104の作製と同様にして、偏光板205を作製した。
《偏光板207の作製》
上記偏光板206の作製において、第1の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板207を作製した。
すなわち、偏光板206の第1の偏光板保護フィルムの作製において、無機微粒子をアエロジル R972V(日本アエロジル(株)製)に変更した以外は同様にして、偏光板207の第1の偏光板保護フィルムを作製した。
《偏光板208の作製》
上記偏光板206の作製において、第1の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板208を作製した。
すなわち、偏光板206の第1の偏光板保護フィルムの作製において、無機微粒子をアエロジル 200V(日本アエロジル(株)製)に変更した以外は同様にして、偏光板208の第1の偏光板保護フィルムを作製した。
《偏光板210の作製》
上記実施例1の偏光板108の作製と同様にして、偏光板210を作製した。
《偏光板211の作製》
上記実施例1の偏光板108の作製において、第1の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板211を作製した。
すなわち、偏光板108の第1の偏光板保護フィルムの作製において、主ドープの調製時に、ジクロロメタンとエタノールの混合溶液の入った加圧溶解タンクにシクロオレフィン樹脂1とともに、0.3質量部の無機微粒子添加液を投入した以外は同様にして、偏光板211の第1の偏光板保護フィルムを作製した。無機微粒子添加液は、偏光板202の作製における無機微粒子添加液の調製と同様にして、調製した。
《偏光板212の作製》
上記実施例1の偏光板109の作製と同様にして、偏光板212を作製した。
《偏光板213の作製》
上記実施例1の偏光板109の作製において、第1の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板213を作製した。
すなわち、偏光板109の第1の偏光板保護フィルムの作製において、主ドープの調製時に、ジクロロメタンとエタノールの混合溶液の入った加圧溶解タンクにシクロオレフィン樹脂1とともに、0.3質量部の無機微粒子添加液を投入した以外は同様にして、偏光板213の第1の偏光板保護フィルムを作製した。無機微粒子添加液は、偏光板202の作製における無機微粒子添加液の調製と同様にして、調製した。
《偏光板214の作製》
上記実施例1の偏光板110の作製と同様にして、偏光板214を作製した。
《偏光板215の作製》
上記実施例1の偏光板110の作製において、第1の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板215を作製した。
すなわち、偏光板110の第1の偏光板保護フィルムの作製において、主ドープの調製時に、ジクロロメタンとエタノールの混合溶液の入った加圧溶解タンクにシクロオレフィン樹脂1とともに、0.3質量部の無機微粒子添加液を投入した以外は同様にして、偏光板215の第1の偏光板保護フィルムを作製した。無機微粒子添加液は、偏光板202の作製における無機微粒子添加液の調製と同様にして、調製した。
《偏光板216の作製》
上記実施例1の偏光板112の作製において、第1の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板216を作製した。
すなわち、偏光板112の第1の偏光板保護フィルムの作製において、主ドープの調製時に、ジクロロメタンとエタノールの混合溶液の入った加圧溶解タンクにシクロオレフィン樹脂1とともに、0.3質量部の無機微粒子添加液を投入した以外は同様にして、偏光板216の第1の偏光板保護フィルムを作製した。無機微粒子添加液は、偏光板202の作製における無機微粒子添加液の調製と同様にして、調製した。
《偏光板217の作製》
上記実施例1の偏光板113の作製と同様にして、偏光板217を作製した。
《偏光板218の作製》
上記実施例1の偏光板113の作製において、第1の偏光板保護フィルムの作製方法を以下のように変更した以外は同様にして、偏光板218を作製した。
すなわち、偏光板113の第1の偏光板保護フィルムの作製において、主ドープの調製時に、ジクロロメタンとエタノールの混合溶液の入った加圧溶解タンクにシクロオレフィン樹脂1とともに、0.3質量部の無機微粒子添加液を投入した以外は同様にして、偏光板218の第1の偏光板保護フィルムを作製した。無機微粒子添加液は、偏光板202の作製における無機微粒子添加液の調製と同様にして、調製した。
《偏光板201〜218の評価》
上記のようにして作製した偏光板201〜218について、実施例1と同様にして、偏光子劣化評価及びクラック評価を行った。各評価結果を表2に示す。
Figure 2017083548
表2に示されるように、比較例の偏光板は、偏光子の劣化及びクラックの少なくとも一方が発生しているが、第1の偏光板保護フィルムに無機微粒子が含有されることでクラックが促進され、耐久性が更に低下していることが分かる。これは、無機微粒子が含有されることで、第1の偏光板保護フィルムの表面に僅かに凹凸が形成されることにより、偏光子と第1の偏光板保護フィルムとが剥がれやすくなったためと考えられる。
これに対して本発明の偏光板によれば、第1の偏光板保護フィルムに無機微粒子が含有されていても、クラックの発生が抑制されている。したがって、本発明によれば、第1の偏光板保護フィルムの弾性率が所定数値範囲であることで、無機微粒子を含有する場合においても、温湿度環境変動に対する偏光子の耐久性を十分に向上させることができるといえる。

Claims (4)

  1. 偏光子に積層されて偏光板を構成する偏光板保護フィルムであって、
    40℃・90%RHにおける透湿度が10〜300g/(m・day)の範囲内であり、90℃での弾性率が1.9〜2.5GPaの範囲内であることを特徴とする偏光板保護フィルム。
  2. 極性基を有するシクロオレフィン樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の偏光板保護フィルム。
  3. 無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の偏光板保護フィルム。
  4. 偏光子と、
    前記偏光子の少なくとも一方の面に設けられた、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルムと、を備えることを特徴とする偏光板。
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