JP2017083203A - 検査方法 - Google Patents

検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017083203A
JP2017083203A JP2015209101A JP2015209101A JP2017083203A JP 2017083203 A JP2017083203 A JP 2017083203A JP 2015209101 A JP2015209101 A JP 2015209101A JP 2015209101 A JP2015209101 A JP 2015209101A JP 2017083203 A JP2017083203 A JP 2017083203A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow path
liquid
unit
trap
inspection device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015209101A
Other languages
English (en)
Inventor
達也 塩入
Tatsuya SHIOIRI
達也 塩入
理 額賀
Osamu Nukaga
理 額賀
圭 中村
Kei Nakamura
圭 中村
伸 日高
Shin Hidaka
伸 日高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2015209101A priority Critical patent/JP2017083203A/ja
Publication of JP2017083203A publication Critical patent/JP2017083203A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)

Abstract

【課題】簡単な機構により送液操作を行うことによって、より簡単に免疫測定を行うことが可能な検査デバイスを用いた検査方法を提供する。
【解決手段】流路トラップ部4に磁力を印加することによって、流路トラップ部4の壁面に磁気ビーズBを引き寄せた状態で、流路トラップ部4に対する送液操作を行う工程を含み、送液操作において、流路部3の一端側から流路トラップ部4へと液体Lを流入させるときは、直線流路3aの延長方向が重力に沿った方向となるように、検査デバイス1を保持し、流路トラップ部4から流路部3の他端側へと液体Lを流出させるときは、流路トラップ部4に先に流入させた液体Lと、流路トラップ部4に後から流入させる液体L’との間の流路部3内に空気Kが流入するように、流路部3の一端側から流路トラップ部4へと液体L’を流入させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、検査方法に関する。
抗体は、抗原となる特定のタンパク質や病原菌などの物質と特異的に結合する性質がある(抗原抗体反応という。)。免疫測定(イムノアッセイ)は、このような抗原抗体反応を利用したものであり、測定対象となる抗原と特異的に結合する抗体を用いて、例えば血液や尿などの試料(検体)に含まれる特定の抗原を検出する手法である。免疫測定は、例えばインフルエンザや肝炎、妊娠などの様々な検査・診断などに用いられている。
代表的な免疫測定法としては、イムノクロマトグラフィ法がある。この方法は、クロマトグラフィの一種であり、標識抗体、捕捉抗体、金属コロイドなどが固定されたメンブレン上に、抗原を含んだ検体を滴下する手法である。この手法の場合、捕捉抗体上に特定の抗原が捕捉され、標識抗体に付着した金属コロイドを観察することで、特定の抗原の有無を検出できる。この方法は、検査時間が数分〜十数分程度と比較的短く、検査手法も比較的簡便である。この方法は、例えば妊娠検査薬などの個人で使用する検査キットや、病院でのインフルエンザ等の迅速な診断などに広く利用されている。
また、上述した抗原の有無だけでなく、検体に含まれる抗原の量や濃度などを定量的に検出する手法の一つとして、酵素免疫測定(ELISA:Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)法がある。この方法は、先ず、反応場となるウェルなどに抗原を固定した後、抗原に特異的に吸着する一次抗体を吸着し、次に、酵素で標識した二次抗体を一次抗体に吸着させ、最後に、酵素と反応して発色又は発光する試薬(基質)を加える手法である。この手法の場合、発色・発光の強度を測定することで、検体中に含まれる抗原の量や濃度などを定量的に検出できる。この方法は、食品に含まれるアレルギー物質の検査や、微量のウイルスの検査などに利用されている。
ELISA法や、EIA(Enzyme Immnoassay)法などの免疫測定法は、水洗などにより、抗体と結合した抗原と、抗体と結合していない抗原とを分離(B/F分離)しているため、先に示したイムノクロマト法よりも、濃度測定などにおいて、高い定量性が得られることが知られている。
また、ELISA法は、イムノクロマトグラフィ法よりも少ない検体での検査が可能である。一方、検査に非常に多くの時間を要するため、迅速な診断に用いることが難しい。そこで、検査時間を短縮できるELISA法として、表面に抗原や抗体を固相した磁性微粒子を用いた化学発光免疫測定装置が提案されている(特許文献1を参照。)。
この免疫測定装置では、免疫測定に必要な試薬等を収容し、所定の反応処理を行わせるカートリッジ(検査デバイス)が用いられている。また、カートリッジの反応場に試薬等を送液する手段としては、例えば機械制御による流量ポンプが用いられている。なお、流量ポンプの一例としては、Waters社製の加圧型固相抽出用流量ポンプ(Sep−PakコンセントレーターUni)が挙げられる。
特許第3839349号公報
従来の化学発光免疫測定装置では、カートリッジの反応場に送液する試薬の量や流速を高精度に制御するために、複雑な機構を備えた機械制御による流量ポンプを用いていた。しかしながら、複雑な機構を備えた機械制御による流量ポンプでは、化学発光免疫測定装置が大型化してしまい装置コストが増大する、複雑な装置構成であることによりメンテナンスが難しい、といった問題があった。
本発明の一つの態様は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、試料中に含まれる特定物質の有無を検査する際に、複雑な機構を備えたポンプを用いることなく、簡単な機構により送液操作を行うことによって、より簡単に免疫測定を行うことを可能とした検査デバイスを用いた検査方法を提供することを目的の一つとする。
上記目的を達成するために、本発明の一つの態様に係る検査方法は、一の方向に延長された直線流路を含む流路部と、前記流路部の一端側から液体を流入させるための液注入部と、前記流路部の他端側から流出した液体を回収するための液回収部と、前記直線流路と前記液回収部との間で前記流路部の一部が少なくとも前記他端側から前記一端側に向かう方向へと折り返された流路トラップ部と、が設けられたカートリッジ本体を備える検査デバイスを準備する工程と、特定の物質と特異的に結合する高分子により表面が修飾された磁気ビーズを含む液体を前記流路部の一端側から前記流路トラップ部へと流入させ、前記流路トラップ部内に前記磁気ビーズを滞留させる工程と、前記流路トラップ部に磁力を印加することによって、前記流路トラップ部の壁面に前記磁気ビーズを引き寄せた状態で、前記流路トラップ部に対する送液操作を行う工程と、を含み、前記送液操作において、前記流路部の一端側から前記流路トラップ部へと液体を流入させるときは、前記直線流路の延長方向が重力に沿った方向となるように、前記検査デバイスを保持し、前記流路トラップ部から前記流路部の他端側へと液体を流出させるときは、前記流路トラップ部に先に流入させた液体と、前記流路トラップ部に後から流入させる液体との間の前記流路部内に空気が流入するように、前記流路部の一端側から前記流路トラップ部へと液体を流入させることを特徴とする。
また、前記検査方法は、前記免疫測定を行う際に、検査対象となる検体を含む液体を送液する工程を含む方法としてもよい。
以上のように、本発明の一つの態様によれば、試料中に含まれる特定物質の有無を検査する際に、複雑な機構を備えたポンプを用いることなく、簡単な機構により送液操作を行うことによって、より簡単に免疫測定を行うことを可能とした検査デバイスを用いた検査方法を提供することが可能である。
本発明の一実施形態に係る検査デバイスの一構成例を示す平面図である。 図1中に示す線分A−A’による検査デバイスの断面図である。 図1に示す検査デバイスの送液操作を説明するための平面図である。 図1に示す検査デバイスの送液操作を説明するための平面図である。 図1に示す検査デバイスの送液操作を説明するための平面図である。 図1に示す検査デバイスの第1の変形型例を示す平面図である。 図1に示す検査デバイスの第2の変形例を示す平面図である。 図1に示す検査デバイスを用いた免疫測定の各工程を順に説明するための平面図である。 図1に示す検査デバイスを用いた免疫測定の各工程を順に説明するための平面図である。 図1に示す検査デバイスを用いた免疫測定の各工程を順に説明するための平面図である。 図1に示す検査デバイスを用いた免疫測定の各工程を順に説明するための平面図である。 図1に示す検査デバイスを用いた免疫測定の各工程を順に説明するための平面図である。 図1に示す検査デバイスを用いた免疫測定の各工程を順に説明するための平面図である。 図1に示す検査デバイスを用いた免疫測定の各工程を順に説明するための平面図である。 図1に示す検査デバイスを用いた免疫測定の各工程を順に説明するための平面図である。 本発明の一実施形態に係る検査装置の一構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る検査装置の別の構成例を示すブロック図である。 デバイス検査部を構成する検出光学系の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
(検査デバイス)
先ず、本発明の一実施形態として、例えば図1及び図2に示す検査デバイス1について説明する。なお、図1は、検査デバイス1の構成を示す平面図である。図2は、図1中に示す線分A−A’による検査デバイス1の断面図である。また、以下の説明では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を検査デバイス1の長さ方向(上下方向)、Y軸方向を検査デバイス1の幅方向(左右方向)、Z軸方向を検査デバイス1の厚み方向(前後方向)として、各部の位置関係について説明するものとする。
検査デバイス1は、図1及び図2に示すように、カートリッジ本体2を備えている。カートリッジ本体2は、本体部(第1の基材)2aと、本体部2aの前面を覆うパネル部(第2の基材)2bとを有している。
本体部2aは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂や、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、アクリロニトリルスチレン樹(AS)樹脂などの耐薬品性を有し且つ透明な樹脂材料又はガラス材料等を用いて、所定の厚みで略矩形平板状に形成されている。パネル部2bは、本体部2aと同様の樹脂材料又はガラス材料等からなる基板を用いて、本体部2aと略一致した外形形状を有して形成されている。カートリッジ本体2は、本体部2aの前面にパネル部2bを突き合わせた状態で接合一体化されている。
カートリッジ本体2は、直線流路3aと、流路トラップ部4と、流路拡大部7とを含む流路部3と、流路部3の上端(一端)側から液体を注入する液注入部5と、流路部3の下端(他端)側から流出した液体を回収する液回収部6とを備えている。
流路部3は、カートリッジ本体2の内部で液体を流入又は流出させるための流通空間を構成している。具体的に、この流路部3は、本体部2aの前面に形成された凹部とパネル部2bとの間で、断面矩形状の流通空間を構成している。なお、流路部3の断面形状については、上述した矩形状に限らず、円形状や楕円状などとしてもよい。
直線流路3aは、一の方向となるカートリッジ本体2の長さ方向に直線状に延長して設けられている。また、直線流路3aの流路断面積は、延長方向において一定となっている。
流路トラップ部4は、直線流路3aの下端側に連続して、流路部3の一部がカートリッジ本体2の下端側から上端側に向かう方向と、カートリッジ本体2の上端側から下端側に向かう方向とに順に折り返された形状を有している。具体的に、この流路トラップ部4は、流路部3の一端(上端)側から他端(下端)側に向かって、第1の曲げ流路4aと、上向流路4bと、第2の曲げ流路4cと、下向流路4dとを順に有している。
第1の曲げ流路4aは、直線流路3aの下端部から斜め上方に向けて屈曲して設けられている。上向流路4bは、第1の曲げ流路4aから斜め上方に向けて延長して設けられている。第2の曲げ流路4cは、上向流路4bの上端部からカートリッジ本体2の下方に向けて屈曲して設けられている。下向流路4dは、第2の曲げ流路4cから下方に向けて延長して設けられている。
流路拡大部7は、液注入部5と直線流路3aとにそれぞれ連通されて、これら液注入部5と直線流路3aとの間の流路部3の一部の流路断面積を拡大したバッファ空間を構成している。すなわち、この流路拡大部7は、流路部3内のバッファ空間として、例えば、液注入部5から流路部3内に注入された液体の逆流を防止したり、流路部3内を流通する液体に空気(気泡)が噛むことを防止したりする機能を有する。
具体的に、この流路拡大部7は、直線流路3aの上端から上方に向かって幅方向の流路断面積が連続的に大きくなる第1のバッファ空間7aと、第1のバッファ空間7aから上方に向かって幅方向の流路断面積が連続的に一定となる第2のバッファ空間7bとを有している。
液注入部5は、予めカートリッジ本体2の内部に収容された液体を流路拡大部7の上端側から注入するための注入源8と、カートリッジ本体2の外部から液体を流路拡大部7の上端側から注入するための注入口9との何れか1つ以上を含む。本実施形態では、液注入部5として、3つの注入源8と、1つの注入口9とを含み、これら3つの注入源8及び1つの注入口9は、流路拡大部7の上方に位置して、カートリッジ本体2の幅方向に並んで設けられている。
注入源8は、液体を収容する液収容部10と、液収容部10に収容された液体を流路拡大部7へと圧送するための液送部11とを有している。また、液収容部10の下端側には、出口流路12が設けられている。出口流路12は、液収容部10と流路拡大部7との間を連結している。液送部11は、ダイヤフラム弁からなり、液収容部10の前面(パネル部2b)に設けられた孔部10aを閉塞するように取り付けられている。
注入源8では、この液送部(ダイヤフラム弁)11を押圧操作することによって、液収容部10に収容された液体を圧送しながら、出口流路12から流路拡大部7へと液体を注入することができる。
なお、注入源8は、上述した構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば、液収容部10を包装し、液送部11に外力を加えることによって、包装のシールの一部を開放し、液収容部10から出口流路12へと液体が流出される構成としてもよい。また、包装のシールの一部を開放する方法としては、包装を圧迫する、包装の蓋となるフィルムを引っ張ることで、包装の蓋を剥がすなどの方法を用いることができる。
注入口9は、液体が一旦収容される液収容部13を有している。また、液収容部13の下端側には、出口流路14が設けられている。出口流路14は、液収容部13と流路拡大部7との間を連結している。一方、液収容部13の上端側には、開口部15が設けられている。
注入口9では、この開口部15を通してカートリッジ本体2の外部から液収容部13へと液体を注入することで、液収容部13に一旦収容された液体を出口流路14から流路拡大部7へと注入することができる。
液回収部6は、カートリッジ本体2の内部で、長さ方向及び幅方向に拡大された下部空間6aを有している。また、液回収部6は、下部空間6aの幅方向の両側に、それぞれ下部空間6aよりも上方に位置する上部空間6bを有している。下向流路4dは、一方(図1中の左側)の上部空間6bと連通されている。
液回収部6は、他方(図1中の右側)の上部空間6bを構成する位置に、空気孔16と、防護壁17とを有している。空気孔16は、カートリッジ本体2を貫通して設けられている。検査デバイス1では、この空気孔16を通して液回収部6内の空気を外部へと脱気することができる。
防護壁17は、空気孔16の下方に位置して上部空間6bの一部を上下に仕切るように設けられている。検査デバイス1では、この防護壁17によって空気孔16から液体が漏れ出し難くなっている。なお、空気孔16及び防護壁17については、本体部2aとパネル部2bとの何れか一方に設けた構成とすればよい。
液回収部6の内部には、液体を吸収する吸収材18が設けられていてもよい。吸収材18には、例えばスポンジや繊維、ポリマーなどを用いることができる。本実施形態では、吸収材18が下部空間6aのほぼ全域に亘って配置されている。
検査デバイス1では、この吸収材18が液体を吸収することで、流路部3(下向流路4d)の下端から流出した液体を液回収部6内に安定的に保持することができる。したがって、この検査デバイス1を傾けたりした場合でも、液回収部6内の液体が流路部3を逆流したり、空気孔16から漏れ出したりすることを防ぐことができる。
以上のような構成を有する検査デバイス1では、流路トラップ部4を免疫測定の反応場として用いることができる。具体的に、流路トラップ部4を免疫測定の反応場として用いる場合の検査デバイス1の送液操作について、図3、図4及び図5を用いて説明する。
なお、図3は、流路トラップ部4に磁気ビーズBを含む液体Lを流入させたときの検査デバイス1の状態を示す平面図である。図4は、流路トラップ部4に磁力を印加したときの検査デバイス1の状態を示す平面図である。図5は、流路トラップ部4から液体Lを流出させたときの検査デバイス1の状態を示す平面図である。
流路トラップ部4を免疫測定の反応場として用いる場合は、先ず、図3及び図4に示すように、特定の物質と特異的に結合する高分子により表面が修飾された磁気ビーズBを流路トラップ部4内に滞留させる。
磁気ビーズBについては、従来より公知のものを適宜選択して用いることができる。例えば、磁気ビーズBとしては、磁性体粒子を内包した高分子材料からなるものを用いることができる。磁性体粒子としては、例えばマグネタイトやパーマロイなどの磁力に比較的引き寄せられ易い材料からなるものを用いることができる。高分子材料としては、例えば、ポリスチレン、PMMA、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーン、水溶性コラーゲン、熱可塑性エラストマーなどの生体適合性があるものを用いることができる。また、磁気ビーズBの表面を修飾する高分子の種類としては、例えば、抗体、ペプチド、DNAアプタマー、RNAアプタマー、糖鎖などを挙げることができる。
磁気ビーズBの粒径については、10nm〜500μmの範囲が好ましい。磁気ビーズBの粒径が大き過ぎると、反応に関わる表面積が小さくなってしまうため、測定に時間がかかることになる。一方、磁気ビーズBの粒径が小さ過ぎると、磁力が弱くなるため、後述する磁石Mで引き寄せることが困難となる。
本実施形態の検査デバイス1では、磁気ビーズBを流路トラップ部4内に滞留させるため、先ず、図3に示すように、磁気ビーズBを含む液体Lを直線流路3aの上端側から注入する。このとき、直線流路3aの延長方向(カートリッジ本体2の長さ方向)が重力に沿った方向となるように、検査デバイス1を保持する。これにより、図4に示すように、重力を利用して直線流路3aの上端側から流路トラップ部4へと液体Lを流入させることができる。
ここで、重力に沿った方向に検査デバイス1を保持するとは、重力によって直線流路3aの上端側から下端側へと液体Lが自然に流れ落ちる方向に、検査デバイス1を保持することを言う。したがって、本実施形態では、直線流路3aの延長方向(カートリッジ本体2の長さ方向)と重力方向とが一致するように検査デバイス1を保持する場合に限らず、重力を利用して直線流路3aの上端側から下端側へと液体Lを流すことができれば、重力方向に対して直線流路3aが傾斜するように検査デバイス1を保持することも可能である。
また、重力に沿った方向に検査デバイス1を保持した場合、流路トラップ部4内の液体Lは、サイフォンの原理によって、流入側の液面と流出側の液面とが同じ水平高さとなる。この状態で磁気ビーズBを流路トラップ部4内に滞留させることができる。なお、厳密には液体Lが液回収部6側に流出する際に加わる液体Lの張力によって、流入側の液面は流出側の液面よりやや高くなる。
次に、本実施形態の検査デバイス1では、図4に示すように、磁力印加手段となる磁石Mを流路トラップ部4に接近させることによって、流路トラップ部4に磁力を印加する。これにより、流路トラップ部4の壁面に磁気ビーズBが引き寄せられた状態となる。
磁石Mについては、永久磁石や電磁石を用いることができる。また、永久磁石としては、例えばフェライト磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石などの強磁性体を挙げることができる。また、磁力印加手段としては、上述した磁石Mを流路トラップ部4に接近させる方法に限らず、例えば流路トラップ部4に接近させた電磁石(磁気コイル)に電流を流すことによって、流路トラップ部4に磁力を印加するようにしてもよい。
次に、本実施形態の検査デバイス1では、図5に示すように、流路トラップ部4に磁力を印加した状態のまま、液体L’を直線流路3aの上端側から注入する。このとき、重力に沿った方向に検査デバイス1を保持する。また、流路トラップ部4内の液体Lとの間に空気Kが入り込むように、直線流路3aの上端側から液体L’を流入させる。
これにより、流路トラップ部4内に磁気ビーズBを滞留させたまま、重力を利用して直線流路3aの上端側から流路トラップ部4へと液体L’を流入させることができる。同時に、流路トラップ部4内に磁気ビーズBを滞留させたまま、流路トラップ部4内の液体Lを液体L’と交じり合うことなく、流路部3(下向流路4d)の下端側から液回収部6へと流出させることができる。
すなわち、流路トラップ部4から流路部3(下向流路4d)の下端側へと液体Lを流出させるときは、流路トラップ部4に先に流入させた液体Lと、流路トラップ部4に後から流入させる液体L’との間の流路部3内に空気Kが流入するように、流路部3(直線流路3a)の上端側から流路トラップ部4へと液体L’を流入させる。これにより、磁気ビーズBを流路トラップ部4内に滞留させた状態で、上述した流路トラップ部4に対する送液操作を繰り返し行うことができる。
なお、流路トラップ部4に先に流入させた液体Lと、流路トラップ部4に後から流入させる液体L’との間の流路部3内により確実に空気Kを流入させるためには、以下の(1)〜(4)等について考慮する必要がある。
(1)後から流入させる液体L’の流入量。
(2)後から流入させる液体L’の圧力量。
(3)流路部3の口径。
(4)流路トラップ部4に先に流入させた液体L及び後から流入させる液体L’の種類。
上記(1)〜(4)等を考慮することにより、上述した流路トラップ部4に対する送液操作を繰り返し行うことが可能である。
以上のように、本実施形態の検査デバイス1では、上述した重力を利用した送液操作によって、ポンプを用いることなく、流路トラップ部4に対する送液操作を行うことが可能である。これにより、後述する免疫測定をより簡単に行うことが可能である。
また、本実施形態の検査デバイス1では、上述した流路トラップ部4の下向流路4dが液回収部6の上部空間6bに対して下向きに接続されているため、重力を利用した送液操作の際に、下向流路4dから上部空間6bに流出された液体Lが上部空間6bを構成する液回収部6の側面に比較的伝わりにくくなっている。これにより、上部空間6bにおける液体Lによる汚染を防止することが可能である。
なお、本発明は、上記検査デバイス1の構成に必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
[第1の変形例]
上記検査デバイス1の第1の変形例として、図6に示す検査デバイス1Aの構成について説明する。なお、図6は、検査デバイス1Aの構成を示す平面図である。なお、以下の説明では、上記検査デバイス1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
図6に示す検査デバイス1Aは、上記流路トラップ部4の代わりに、流路トラップ部4Aを備えている。流路トラップ部4Aは、流路部3の一部をカートリッジ本体2の下端側から上端側に向かう方向に折り返した形状を有している。
具体的に、この流路トラップ部4Aは、流路部3の一端(上端)側から他端(下端)側に向かって、第1の曲げ流路4aと、上向流路4bとを順に有している。そして、上向流路4bは、一方(図6中の左側)の上部空間6bと連通されている。このため、一方の上部空間6bは、図1に示す他方の上部空間6bよりも上方に延長された形状を有している。それ以外は、上記検査デバイス1と基本的に同じ構成である。
図6に示す検査デバイス1Aでは、上記検査デバイス1と同様に、流路トラップ部4Aを免疫測定の反応場として用いることができる。また、流路トラップ部4Aを免疫測定の反応場として用いる場合は、上記検査デバイス1の場合と同様に、磁気ビーズBを流路トラップ部4A内に滞留させた状態で、流路トラップ部4Aに対する送液操作を行うことが可能である。
以上のように、図6に示す検査デバイス1Aでは、上記検査デバイス1と同様に、上述した重力を利用した送液操作によって、ポンプを用いることなく、流路トラップ部4Aに対する送液操作を行うことが可能である。これにより、後述する免疫測定をより簡単に行うことが可能である。
[第2の変形例]
上記検査デバイス1の第2の変形例として、図7に示す検査デバイス1Bの構成について説明する。なお、図7は、検査デバイス1Bの構成を示す平面図である。なお、以下の説明では、上記検査デバイス1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
図7に示す検査デバイス1Bは、上記液回収部6のうち、一方(図7中の左側)の上部空間6bと下部空間6aとの間に傾斜面6cを設けた構成である。それ以外は、上記検査デバイス1と基本的に同じ構成である。
図7に示す検査デバイス1Bでは、上記検査デバイス1と同様に、流路トラップ部4を免疫測定の反応場として用いることができる。また、流路トラップ部4を免疫測定の反応場として用いる場合は、上記検査デバイス1の場合と同様に、磁気ビーズBを流路トラップ部4内に滞留させた状態で、流路トラップ部4に対する送液操作を行うことが可能である。
図7に示す検査デバイス1Bでは、流路部3(下向流路4d)の下端側から流出した液体Lを傾斜面6に沿って吸収材18側へと流れ込むようにすることで、液体Lを速やかに且つ確実に回収することができる。
以上のように、図7に示す検査デバイス1Bでは、上記検査デバイス1と同様に、上述した重力を利用した送液操作によって、ポンプを用いることなく、流路トラップ部4に対する送液操作を行うことが可能である。これにより、後述する免疫測定をより簡単に行うことが可能である。
(検査方法)
次に、本発明の一実施形態に係る検査方法について説明する。なお、本実施形態の検査方法では、上記検査デバイス1を用いた検査方法を例示するが、本発明を適用した検査デバイスであればよく、上記検査デバイス1A,1Bも同様に用いることが可能である。
上記検査デバイス1を用いた検査方法では、上述した磁気ビーズBを流路トラップ部4内に滞留させることによって、流路トラップ部4を免疫測定の反応場として用いる。また、流路トラップ部4を免疫測定の反応場として用いる場合は、磁気ビーズBを流路トラップ部4内に滞留させた状態で、上述した流路トラップ部4に対する送液操作を行う。
これにより、本実施形態の検査方法では、ポンプを用いることなく、重力を利用した流路トラップ部4に対する送液操作を行うことが可能である。また、後述する免疫測定をより簡単に行うことが可能である。
[免疫測定]
次に、上記検査デバイス1を用いた免疫測定の一例について、図8〜図15を参照して説明する。なお、図8〜図15は、上記検査デバイス1を用いた免疫測定の各工程を順に説明するための平面図である。
上記検査デバイス1を用いた免疫測定では、先ず、図8に示すように、磁気ビーズBを含む液体L1を直線流路3aの上端側から注入する。このとき、重力に沿った方向に検査デバイス1を保持する。これにより、重力を利用して直線流路3aの上端側から流路トラップ部4へと液体Lを流入させることができる。また、磁気ビーズBの表面は、図8中の囲み部分に拡大して示すように、捕捉抗体Ab1で予め修飾されている。
次に、図9に示すように、流路トラップ部4に磁石Mを接近させることによって、流路トラップ部4に磁力を印加する。これにより、流路トラップ部4の壁面に磁気ビーズBが引き寄せられた状態となる。この状態で、検査対象となる検体を含む液体L2を直線流路3aの上端側から注入する。このとき、重力に沿った方向に検査デバイス1を保持する。また、流路トラップ部4内の液体L1との間に空気Kが入り込むように、直線流路3aの上端側から液体L2を流入させる。
これにより、図10に示すように、流路トラップ部4内に磁気ビーズBを滞留させたまま、重力を利用して直線流路3aの上端側から流路トラップ部4へと液体L2を流入させることができる。同時に、流路トラップ部4内に磁気ビーズBを滞留させたまま、流路トラップ部4内の液体L1を液体L2と交じり合うことなく、流路部3(下向流路4d)の下端側から流出させることができる。液体L2を流入させた後は、磁石Mを流路トラップ部4から離間させることによって、流路トラップ部4に磁力を印加した状態を解除する。これにより、磁気ビーズBは、液体L2中で局所的に偏ることなく、少なくとも流路トラップ部4内にある液体L2中の全体に亘ってより均一に分散していく。
また、流路トラップ部4では、図10中の囲み部分に拡大して示すように、捕捉抗体Ab1と特異的に結合する抗原Agが検体に含まれている場合、抗原Agが抗原抗体反応より捕捉抗体Ab1と結合することによって、磁気ビーズBに捕捉される。その後、洗浄工程として、流路トラップ部4に磁石Mを接近させた状態で水などの洗浄液を送液する。これにより、捕捉抗体Ab1と反応しなかった余分な抗原Agを洗い流す(B/F分離という。)。
なお、上記液体L1を送液する前には、上記液体L1と同様の送液操作によって、例えばスキムミルクやアルブミンなどのブロッキング剤を含む液体を送液し、流路トラップ部4の壁面にブロッキング剤を固定するブロッキング工程などを設けてもよい。また、上記液体L1を送液した後には、上記液体L1と同様の送液操作によって、水などの洗浄液を送液し、流路部3内を洗浄する洗浄工程などを設けてもよい。
また、洗浄液の送液操作については、重力に沿った方向に検査デバイス1を保持し、磁石Mにより流路トラップ部4に磁力を印加した状態で、流路トラップ部4内の液体L1との間に空気Kが入り込むように、直線流路3aの上端側から洗浄液を流入させる。これにより、流路トラップ部4内に磁気ビーズBを滞留させたまま、重力を利用して直線流路3aの上端側から流路トラップ部4へと洗浄液を流入させることができる。同時に、流路トラップ部4内に磁気ビーズBを滞留させたまま、流路トラップ部4内の液体L1を洗浄液と交じり合うことなく、流路部3(下向流路4d)の下端側から流出させることができる。
また、洗浄液の送液操作については、例えば、磁石Mにより流路トラップ部4に磁力を印加し、流路トラップ部4内の液体が流路部3(下向流路4d)の下端側から流出される方向に検査デバイス1を傾けた状態で、流路部3の上端側から下端側へと洗浄液を連続的に流通させる方法を用いてもよい。
さらに、洗浄工程については、流路トラップ部4に先に流入させた液体と、流路トラップ部4に後から流入させる液体との間に、上述した洗浄液を流通させる工程を設ける場合に限らず、後から流入させる液体によって洗浄を行ってもよい。なお、以下の工程で行われる洗浄工程においても、同様の送液操作を行うことが可能である。
次に、図11に示すように、流路トラップ部4に磁石Mを接近させることによって、流路トラップ部4に磁力を印加する。これにより、流路トラップ部4の壁面に磁気ビーズBが引き寄せられた状態となる。この状態で、酵素Enで標識された標識抗体Ab2を含む液体L3を直線流路3aの上端側から注入する。このとき、重力に沿った方向に検査デバイス1を保持する。また、流路トラップ部4内の液体L2との間に空気Kが入り込むように、直線流路3aの上端側から液体L3を流入させる。
これにより、図12に示すように、流路トラップ部4内に磁気ビーズBを滞留させたまま、重力を利用して直線流路3aの上端側から流路トラップ部4へと液体L3を流入させることができる。同時に、流路トラップ部4内に磁気ビーズBを滞留させたまま、流路トラップ部4内の液体L2を液体L3と交じり合うことなく、流路部3(下向流路4d)の下端側から流出させることができる。液体L3を流入させた後は、磁石Mを流路トラップ部4から離間させることによって、流路トラップ部4に磁力を印加した状態を解除する。これにより、磁気ビーズBは、液体L3中で局所的に偏ることなく、少なくとも流路トラップ部4内にある液体L3中の全体に亘ってより均一に分散していく。
また、流路トラップ部4では、図12中の囲み部分に拡大して示すように、液体L3に含まれる標識抗体Ab2が抗原抗体反応より抗原Agと結合することによって、磁気ビーズBに捕捉される。その後、洗浄工程として、流路トラップ部4に磁石Mを接近させた状態で水などの洗浄液を送液する。これにより、抗原Agと反応しなかった余分な標識抗体Ab2を洗い流す(B/F分離という。)。
次に、図13に示すように、磁石Mにより流路トラップ部4に磁力を印加した状態で、標識抗体Ab2の酵素Enと反応して発色又は発光する基質(標識基質)Sを含む液体L4を直線流路3aの上端側から注入する。このとき、重力に沿った方向に検査デバイス1を保持する。また、流路部3には、流路トラップ部4内の液体L3との間に空気Kが入り込むように液体L4を流入させる。
これにより、図14に示すように、流路トラップ部4内に磁気ビーズBを滞留させたまま、重力を利用して直線流路3aの上端側から流路トラップ部4へと液体L4を流入させることができる。同時に、流路トラップ部4内に磁気ビーズBを滞留させたまま、流路トラップ部4内の液体L3を液体L4と交じり合うことなく、流路部3(下向流路4d)の下端側から流出させることができる。液体L4を流入させた後は、磁石Mを流路トラップ部4から離間させることによって、流路トラップ部4に磁力を印加した状態を解除する。これにより、磁気ビーズBは、液体L4中で局所的に偏ることなく、少なくとも流路トラップ部4内にある液体L4中の全体に亘ってより均一に分散していく。
また、流路トラップ部4では、図14中の囲み部分に拡大して示すように、液体L4に含まれる標識基質Sが酵素Enと反応として標識生成物Snを生成する。なお、本実施形態では、標識基質Sとして蛍光発光基質を用いることによって、標識生成物Snとして、励起光の照射により発光可能な蛍光生成物が生成される場合を例示している。
この状態で、例えば、流路部3内の液体L4に対して励起光を照射すると、液体L4内の標識生成物(蛍光生成物)Snが蛍光を発することになる。したがって、上記検査デバイス1を用いた免疫測定では、液体L4に励起光を照射したときの標識生成物Snの発光強度を測定することで、検体に含まれる抗原Agの量や濃度などを定量的に検出することが可能である。
ここで、標識生成物Snの発光強度を測定する際は、図15に示すように、磁石Mにより流路トラップ部4に磁力を印加し、流路トラップ部4内で磁気ビーズBを滞留させたまま、液体L4中に発光基質Sを分散させた状態で、流路トラップ部4内の液体L4が流路部3(下向流路4d)の他端側から流出される方向とは反対側に検査デバイス1を傾ける。この状態で、流路部3(直線流路3a)内の磁石Mがない領域の液体L4に対して励起光を照射することが好ましい。この場合、流路トラップ部4内に磁気ビーズBを滞留させたままとすることで、直線流路3a内の標識生成物Snの発光が磁気ビーズBの存在によって阻害されにくくなる。なお、標識生成物Snにおける発光強度の測定としては、上述した方法に限られず、例えば、磁力を印加しない状態で検査デバイス1を傾けずに測定してもよい。
これにより、各々の標識生成物Snによる検出光の阻害を低減することができ、検出感度及び定量性を向上させることが可能である。また、流路トラップ部4に滞留する液体L4はほぼ定量であるため、定量性の高い測定を容易に行うことが可能である。
なお、標識抗体Ab2としては、上述した酵素Enで標識されたものに限らず、酵素Enの他にも、液体L4中に含まれる標識基質Sと反応して発色又は発光する物質により標識された標識抗体Ab2を用いてもよい。このような物質により標識された標識抗体Ab2を用いた場合には、液体L4に含まれる標識基質Sと標識抗体Ab2の上記物質とが反応することにより、上記物質から標識生成物Snが生成されると同時に、この標識生成物Snが標識抗体Ab2から脱離する。したがって、この標識生成物Snを検出することによって、検体に含まれる抗原Agの量や濃度などを定量的に検出することが可能である。
また、標識抗体Ab2としては、予め発色又は発光する物質(標識物質)で標識された標識抗体Ab2を用いてもよい。この場合、上記図13に示す工程の後に、上記図14に示す工程にて基質(標識基質)Sを省略することができる。また、抗原Agに結合した標識抗体Ab2の標識物質を検出することによって、検体に含まれる抗原Agの量や濃度などを定量的に検出することが可能である。
さらに、上述した酵素Enや標識物質等で標識された標識抗体Ab2を含む液体L3の代わりに、抗原Agに特異的に結合する一次抗体を含む液体を直線流路3aの上端側から流路トラップ部4へと流入させることによって、抗原Agに一次抗体を結合させた後に、一次抗体に特異的に結合し、なお且つ、酵素Enで標識された二次抗体を含む液体を直線流路3aの上端側から流路トラップ部4へと流入させることによって、一次抗体に二次抗体を結合させてもよい。
この場合、標識基質Sを含む液体L4を直線流路3aの上端側から流路トラップ部4へと流入させることによって、標識基質Sが二次抗体の酵素Enと反応として標識生成物Snを生成する。
また、1つの一次抗体に対しては、複数の二次抗体を結合させることができる。この場合、酵素Enで標識された複数の二次抗体(標識抗体)によって、標識生成物Snを検出する際のシグナルの増幅が可能である。また、二次抗体を用いる場合は、一次抗体を酵素Enで標識する必要がなくなると共に、使用する一次抗体に適した二次抗体(標識抗体)の選択の幅を広げることが可能である。
なお、標識基質Sとしては、例えば、ルシフェリン、ルミノール、アクリジニウム、シュウ酸エステルなどの化学発光基質や、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、緑色蛍光タンパク質(GFP)などの蛍光物質が挙げられる。一方、酵素としては、例えば、ペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、イクオリン等が挙げられる。また、酵素の基質としては、例えば、3−(p−ハイドロオキシフェノール)プロピオン酸及びその類似体、ルシフェリン及びルシフェリン類似体、セレンテラジン及びセレンテラジン類似体等が挙げられる。また、これらの標識基質Sの中から少なくとも1種又は2種以上を用いることができる。
また、非発光性の標識物質としては、例えば、公知のラジオイムノアッセイ法で使用される様な放射性標識物質が挙げられる。なお、標識抗体Ab2に標識物質を結合させる方法については、特に限定されず、公知方法が適用可能である。
抗原Agの種類については、特に制限されず、生化学検査の目的に応じて適宜選定される。抗原Agの具体例としては、例えば、心筋マーカー、風邪、肝炎、後天的免疫不全等を惹起するウイルス、細菌等の病原体に由来するタンパク質、ペプチド、核酸、脂質、糖鎖等が挙げられる。
捕捉抗体Ab1及び標識抗体Ab2については、特定の抗原Agに特異的に結合する検体を予め準備しておく必要があるが、このような抗体については従来より公知の中から適宜選択して用いることが可能である。
また、抗原Agや捕捉抗体Ab1、標識抗体Ab2等を吸着させたくない箇所が流路内にある場合には、当該箇所の撥水性を高めるコーティング等の表面処理を予め施しておくことにより、不要な吸着を防ぐことができる。
以上のように、上記検査デバイス1を用いた免疫測定では、検査対象となる検体内における抗原Agの有無を定性的に検出すること、並びに、検体に含まれる抗原Agの量や濃度などを定量的に検出することが可能である。また、上記検査デバイス1を用いることによって、上述した免疫測定をより簡単に行うことが可能である。
なお、上記検査デバイス1を用いた免疫測定としては、例えば、サンドイッチイムノアッセイ法や、間接抗体イムノアッセイ法、ブリッジングイムノアッセイ法などの公知のイムノアッセイ法を採用することが可能であり、上述した方法に特に限定されるものではない。
(検査装置)
次に、本発明の一実施形態として、例えば図16及び図17に示す上記検査デバイス1を用いた検査装置100A,100Bについて説明する。なお、図16は、検査装置100Aの構成を示すブロック図である。図17は、検査装置100Bの構成を示すブロック図である。
なお、本実施形態では、上記検査デバイス1を用いた検査装置100A,100Bを例示するが、本発明を適用した検査デバイスであれば、上記検査デバイス1に限らず、上記検査デバイス1A,1Bも同様に用いることが可能である。
本実施形態の検査装置100A,100Bは、図16及び図17に示すような検査デバイス1を保持するデバイス保持部101と、検査デバイス1を検査するデバイス検査部102とを備えている。また、検査装置100Aは、図16に示すように、デバイス検査部102として、発光部103及び受光部104を備えている。一方、検査装置100Bは、図17に示すように、デバイス検査部102として、受光部104を備えている。
デバイス保持部101は、重力に沿った方向に検査デバイス1を保持する。なお、検査デバイス1を保持する機構については、特に限定されるものではなく、従来より公知の機構を用いることができる。
本実施形態の検査装置100A,100Bでは、この状態で、ポンプを用いることなく、上述した重力を利用した流路トラップ部4に対する送液操作を行うことが可能である。また、この状態で、上述した検査デバイス1を用いた免疫測定を行うことが可能である。したがって、本実施形態の検査装置100A,100Bでは、装置構成を簡略化し、装置全体の小型化、低コスト化、装置構成の簡略化によるメンテナンス性の向上を図ることが可能である。
図16に示すデバイス検査部102では、発光部103が発する励起光を検査デバイス1に照射する。一方、励起光で励起されて発光する発光基質からの光(以下、検出光という。)を受光部104が受光する。これにより、検出光の発光強度から、検体に含まれる抗原の有無を定性的に検出すると共に、抗原の量や濃度などを定量的に検出することが可能である。
一方、図17に示すデバイス検査部102では、自己発光する発光基質からの光(以下、検出光という。)を受光部104が受光する。これにより、検出光の発光強度から、検体に含まれる抗原の有無を定性的に検出すると共に、抗原の量や濃度などを定量的に検出することが可能である。
本実施形態の検査装置100A,100Bは、検査デバイス1の液注入部5に対して注入操作を自動で行う注入駆動部105を備えている。注入駆動部105は、上述した注入源8の液送部11を押圧操作することによって、液収容部10に収容された液体を出口流路12へと圧送する役割を果たしている。
なお、液送部11を押圧操作する機構については、特に限定されるものではなく、従来より公知の機構を用いることができる。また、液収容部10を包装した構成では、包装のシールの一部を開放する操作を行う構成としてもよい。
また、注入駆動部105は、注入源8の数に合わせて複数の操作機構を設けた構成に限らず、1つの操作機構で位置を変更しながら、複数の注入源8を選択的に操作する構成としてもよい。なお、各注入源8を操作するタイミングについては、時間差を設ける必要がある。
さらに、検査デバイス1の液注入部5に対して液体の注入操作を手動で行う場合は、注入駆動部105を省略することも可能である。
本実施形態の検査装置100A,100Bは、検査デバイス1を回動操作するためのデバイス駆動部106を備えていてもよい。デバイス駆動部106は、検査デバイス1を保持するデバイス保持部101を回動操作する。これにより、重力に沿った方向に対して検査デバイス1を一方側(反時計回り)に傾けたり、重力に沿った方向に対して検査デバイス1を他方側(時計回り)に傾けたりすることができる。上記検査デバイス1を用いた検査方法では、検査デバイス1を必ずしも傾ける必要がないため、デバイス駆動部106を省略し、検査デバイス1を回動操作しない構成とすることも可能である。
本実施形態の検査装置100A,100Bは、流路トラップ部4に対して磁力を印加するための磁力印加部107を備えている。磁力印加部107は、検査デバイス1のパネル部2b側の面に沿って、磁石Mが流路トラップ部4と重なる位置と、磁石Mが流路トラップ部4と重ならない位置との間で、磁石Mをスライド操作する。これにより、流路トラップ部4に対して磁石Mを近づけたり、磁石Mを遠ざけたりすることができる。また、磁力印加部107では、上述したスライド操作に限らず、流路トラップ部4に対して磁石Mを近づけたり、遠ざけたりする方向に直接操作するようにしてもよい。さらに、磁力印加部107では、上述した磁力印加手段として、流路トラップ部4に接近させた電磁石(磁気コイル)に電流を流すことによって、流路トラップ部4に磁力を印加するようにしてもよい。
なお、デバイス保持部101を回動操作する機構や、磁石Mをスライド操作する機構については、特に限定されるものでなく、従来より公知の機構を用いることができる。
本実施形態の検査装置100A,100Bでは、上記の構成以外にも、例えば、各部の駆動を制御する制御部や、電力を供給する電源供給部、デバイス検査部102が検出した結果に基づいて演算を行う演算部、演算部が演算した結果を信号として出力する出力部などを備えている。
[検出光学系]
次に、上記図16及び図17に示すデバイス検査部102を構成する検出光学系の一例について、図18を参照して説明する。なお、図18は、検出光学系の構成を示す断面図である。
図18に示す検出光学系では、デバイス保持部101に保持された検査デバイス1を挟んで発光部103と受光部104とが配置されている。発光部103には、検査デバイス1に接近する方向に向かって、発光素子108と、コリメートレンズ109とが、光軸AX1上に順に並んで配置されている。受光部104には、検査デバイス1から離間する方向に向かって、コリメートレンズ110と、光学フィルタ111と、集光レンズ112と、受光素子113とが、光軸AX2上に順に並んで配置されている。
発光部103側の光軸AX1は、検査デバイス1の主面に対して傾斜した角度を有している。一方、受光部104側の光軸AX2は、検査デバイス1の主面に対して垂直な角度を有している。すなわち、光軸AX1と光軸AX2とは、発光部103が発する励起光の光路と、受光部104が受光する検出光の光路とが一致しないように、検査デバイス1の検出位置Dにおいて互いに交差している。
発光素子108は、例えば半導体レーザー等からなり、励起光を検査デバイス1の検出位置Dに向けて照射する。コリメートレンズ109は、励起光を検査デバイス1の検出位置Dに向けて平行化(コリメート)する。コリメートレンズ110は、検出光を受光素子113に向けて平行化(コリメート)する。また、コリメートレンズ110の代わりに、検出光を受光素子113に向けて集光するレンズを用いてもよい。光学フィルタ111は、検出光以外の光(励起光や外部からの光)をカットし、受光素子113に入射する検出光のS/N比を向上させる。集光レンズ112は、検出光を受光素子113に向けて集光する。受光素子113は、例えば、光電子増倍管や、固体撮像素子(CCD)、アバランシェフォトダイオード、フォトダイオードなどからなり、検出光を受光する。
検査デバイス1を挟んだ発光部103側には、発光素子108と検査デバイス1との間の光路を遮光する遮光路115が設けられている。これにより、励起光が外部に漏れ出さないように、また、外部の光が検査デバイス1に入射しないように遮光することができる。
また、検査デバイス1を挟んだ発光部103とは反対側には、光軸AX1の延長上の光路を遮光する遮光路116が設けられている。これにより、励起光が受光部104側に入射しないように遮光することができる。
検査デバイス1を挟んだ受光部104側には、検査デバイス1と受光素子113との間の光路を遮光する遮光路117が設けられている。これにより、検出光が外部に漏れ出さないように、また、外部の光が受光素子113に入射しないように遮光することができる。
デバイス保持部101には、励起光が通過する発光部103側の開口部101aと、検出光が通過する受光部104側の開口部101bとが設けられている。また、受光部104側の開口部101bは、絞りとして機能を有している。これにより、受光素子113で受光される検出光のスポットサイズを一定とし、受光部104で受光される検出光を定量化することができる。
なお、上記デバイス検査部102は、上述した検出光学系の構成に必ずしも限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能である。例えば、デバイス保持部101には、検査デバイス1を加温するヒータ(図示せず。)を設けた構成としてもよい。これにより、検査デバイス1を特定の温度に保持することができる。
1,1A…検査デバイス 2…カートリッジ本体 2a…本体部(第1の基材) 2b…パネル部(第2の基材) 3…流路部 3a…直線流路 4,4A…流路トラップ部 4a…第1の曲げ流路 4b…上向流路 4c…第2の曲げ流路 4d…下向流路 5…液注入部 6…液回収部 6a…下部空間 6b…上部空間 7…流路拡大部 8…注入源 9…注入口 10…液収容部 11…送液部 12…出口流路 13…液収容部 14…出口流路 15…開口部 16…空気孔 17…防護壁 18…吸収材 100A,100B…検査装置 101…デバイス保持部 102…デバイス検査部 103…発光部 104…受光部 105…注入駆動部 106…デバイス駆動部 107…磁力印加部 108…発光素子 109…コリメートレンズ 110…コリメートレンズ 111…光学フィルタ 112…集光レンズ 113…受光素子 115,116,117…遮光路 B…磁気ビーズ M…磁石 L,L1〜L4…液体 Ab1…捕捉抗体 Ab2…標識抗体 En…酵素 S…標識基質 Sn…標識生成物

Claims (2)

  1. 一の方向に延長された直線流路を含む流路部と、
    前記流路部の一端側から液体を流入させるための液注入部と、
    前記流路部の他端側から流出した液体を回収するための液回収部と、
    前記直線流路と前記液回収部との間で前記流路部の一部が少なくとも前記他端側から前記一端側に向かう方向へと折り返された流路トラップ部と、が設けられたカートリッジ本体を備える検査デバイスを準備する工程と、
    特定の物質と特異的に結合する高分子により表面が修飾された磁気ビーズを含む液体を前記流路部の一端側から前記流路トラップ部へと流入させ、前記流路トラップ部内に前記磁気ビーズを滞留させる工程と、
    前記流路トラップ部に磁力を印加することによって、前記流路トラップ部の壁面に前記磁気ビーズを引き寄せた状態で、前記流路トラップ部に対する送液操作を行う工程と、を含み、
    前記送液操作において、前記流路部の一端側から前記流路トラップ部へと液体を流入させるときは、前記直線流路の延長方向が重力に沿った方向となるように、前記検査デバイスを保持し、
    前記流路トラップ部から前記流路部の他端側へと液体を流出させるときは、前記流路トラップ部に先に流入させた液体と、前記流路トラップ部に後から流入させる液体との間の前記流路部内に空気が流入するように、前記流路部の一端側から前記流路トラップ部へと液体を流入させることを特徴とする検査方法。
  2. 検査対象となる検体を含む液体を送液する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
JP2015209101A 2015-10-23 2015-10-23 検査方法 Pending JP2017083203A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015209101A JP2017083203A (ja) 2015-10-23 2015-10-23 検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015209101A JP2017083203A (ja) 2015-10-23 2015-10-23 検査方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017083203A true JP2017083203A (ja) 2017-05-18

Family

ID=58710805

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015209101A Pending JP2017083203A (ja) 2015-10-23 2015-10-23 検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017083203A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110941207A (zh) * 2018-09-25 2020-03-31 富士施乐株式会社 控制装置、控制方法、控制系统和计算机可读记录介质

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110941207A (zh) * 2018-09-25 2020-03-31 富士施乐株式会社 控制装置、控制方法、控制系统和计算机可读记录介质
CN110941207B (zh) * 2018-09-25 2023-09-05 富士胶片商业创新有限公司 控制装置、控制方法、控制系统和计算机可读记录介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5488695B2 (ja) 試料分析装置及び試料分析方法
JP6217936B2 (ja) 被検物質の検出システム
JP6096779B2 (ja) 光フィルタを有する分析デバイスおよび分析方法
BR112014032304B1 (pt) Método e sistema para a determinação quantitativa ou qualitativa de um componente alvo em uma amostra líquida, e, dispositivo microfluídico
JP6072891B2 (ja) 生体分析デバイスおよび生体分子分析装置
US20130109106A1 (en) System for selectively proceeding a sample
WO2007052613A1 (ja) 非液相型化学発光酵素免疫測定法および測定キット
JP6239243B2 (ja) 自動分析装置
US20210156856A1 (en) Systems, devices, and methods for amplifying signals of a lateral flow assay
JP6313977B2 (ja) 試料分析装置及び試料分析方法
JP2016512597A (ja) 検定の検出感度を向上させる方法とシステム
JP2013238420A (ja) 試料分析装置及び試料分析方法
JP2016173330A (ja) 検査デバイス
JP2015105858A (ja) 化学発光酵素免疫測定方法及び化学発光酵素免疫測定キット
JP2017083203A (ja) 検査方法
JP2017090216A (ja) 検査デバイス、検査方法及び検査装置
JP2009162558A (ja) イムノクロマト分析法及びイムノクロマト分析キット
JP2017083202A (ja) 検査デバイス、検査方法及び検査装置
JP2017083204A (ja) 検査デバイス、検査方法、及び検査装置
JP2017090217A (ja) 検査デバイス、検査方法、及び検査装置
JP2017090215A (ja) 検査デバイス、検査方法及び検査装置
JP2007255944A (ja) バイオセンサー装置、及びそれを用いた濃度測定方法
JP2021145666A (ja) 時間分解蛍光分析を用いたノロウイルス側方流動分析装置およびこれを用いた測定方法
JP4518015B2 (ja) Bf分離デバイス
JP2016130652A (ja) 検査デバイス、検査方法及び検査装置