JP6217936B2 - 被検物質の検出システム - Google Patents

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Description

本発明は、磁性体及び標識体を用いた被検物質の検出システムに関する。
本願は、2012年7月6日に、日本に出願された特願2012−153054号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
試料中の微量の被検物質を検出する方法としては、ELISA(enzyme‐linked immunosorbent assay)法やMEIA(microparticle enzyme-based immunoassay)法等が普及している。これら検出法は、操作時間や反応時間に長時間を要し、また、測定操作が煩雑である等の問題がある。
そこで近年、ELISA法等に代わる分析法として、イムノクロマトグラフィー法を利用した分析法が注目されている。イムノクロマトグラフィー法とは、被検物質の有無を判定する免疫測定法である。具体的には、被検物質が、毛細管現象により多孔質支持体内を移動し、標識体に捕捉され、更に多孔質支持体に局所的(例えば、ライン状)に固定化された捕捉物質と接触することによって濃縮され、捕捉物質が固定化されたラインが発色し、測定可能となる。
イムノクロマトグラフィー法は、保存安定性、迅速測定、判定の容易さ、特別な付属装置が不要等の様々な点で優れているため、例えば妊娠検査薬やインフルエンザ検査薬に用いられており、新たなPOCT(point of care testing)の手法として注目を集めている。
イムノクロマトグラフィー法は、測定対象物によっては、充分な感度が得られない場合や、測定不可能な場合がある。例えば、現在、イムノクロマトグラフィー法では標識物質として金ナノ粒子が最もよく使用されているが、試験溶液中の被検物質濃度が極めて低濃度であると、テストラインにおける金ナノ粒子の集積量が不十分となるため、発色が極めて薄くなり、陰性と誤判定されるおそれがある。
そこで、イムノクロマトグラフィー法の検出感度向上を目的とした研究が各方面で進められている。
例えば、特許文献1には、蛍光物質を含有したシリカナノ粒子に被検物質を認識する抗体を結合させ、被検物質と結合した前記シリカナノ粒子の蛍光を検出する方法が開示されている。
また、特許文献2には、第1抗体を固定化した展開媒体に対して、被検物質と、前記被検物質を認識する標識第2抗体とを展開させた後、第1抗体を結合させた所定のシグナルを発する増感剤を展開させることで、被検物質の集積量を増加させ、被検物質濃度が低濃度の場合でもシグナルを得る方法が開示されている。
また、特許文献3には、貴金属材料で被覆した磁性体に第1抗体を結合させ、展開媒体の第2抗体が固定化されている領域に、磁力で前記第1抗体を結合させた前記磁性体と被検物質との複合体を集積させることにより短時間で被検物質の検出をする方法が開示されている。
また、特許文献4には、検体中の測定対象物質を、前記測定対象物質と特異的に反応する磁性を有する物質、および前記磁性を有する物質とは異なる部位で前記測定対象物質と特異的に反応する標識された物質と反応させ、磁性を有し且つ標識された反応生成物を毛管移動させると共に毛管移動媒体の特定の位置で磁力によって捕捉することにより測定対象物質を特異的に検出する方法が開示されている。
日本国特許第4514824号公報 日本国特許第4179419号公報 日本国特許第4791867号公報 日本国特開平5−52849号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、被検物質濃度が低濃度の場合に、前記被検物質と前記シリカナノ粒子との反応効率が低くなり陰性と誤判定されるおそれがある。また、特許文献2に記載の方法では、展開、検出操作が煩雑となるため、検出結果を得るまでに時間を要するという問題がある。
また、特許文献3に記載の方法では、被検物質と複合体を形成していない磁性体も集積されるため、洗浄操作を必要とし、除去しきれなかった粒子により誤判定されるおそれがある。また、特許文献4には、クロマトグラフ媒体としてナイロン・テトロン混紡織物を用いることが開示されているが、このようなクロマトグラフ媒体を用いた場合、クロマトグラフ媒体に添加した被検物質および磁性体の展開速度が遅い。またクロマトグラフ媒体の内部で生じた発色反応をクロマトグラフ媒体の外部から検出する際にクロマトグラフ媒体に遮られて十分な感度が得られないことがある。
また上記のイムノクロマトグラフィー法による場合、被検物質を認識する抗体または抗原(大半は抗体)を、標識された抗体または抗原とは別に、展開媒体上に固定化しておくことが必要である。そのため展開媒体としては、試料の毛細管展開に適しているだけでなく、抗体または抗原の固定化に適した特性を有する必要があり、展開媒体の素材に対して厳しい要件が求められる。
さらに上記イムノクロマトグラフィー法では、例えば被検物質と、展開媒体上に固定化された抗体及び標識された抗体等との反応は、毛細管展開時のほんの一瞬である。そのため被検物質を高感度で検出するためには、展開媒体上に固定化する抗体等の結合定数が高いものが要求され、固定化する抗体または抗原の種類が限られる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、試料中の被検物質の高感度な検出を迅速且つ簡便に行うことが可能な被検物質の検出システムを提供することである。
本発明の一態様の被検物質の検出システムは、前記被検物質の第1の結合部位を介して前記被検物質と結合することのできる第一物質で修飾された磁性体と、前記第1の結合部位とは異なる部位である前記被検物質の第2の結合部位を介して前記被検物質と結合することのできる第二物質で修飾された標識体と、光透過性を有する第一シートと、光透過性を有する第二シートと、前記第一シートと前記第二シートとにおいて互いに向き合う平面により構成され、かつ、前記磁性体及び前記標識体が分散された液体が毛細管現象により吸引される間隔を有する流路と、を備え、前記標識体を検出するための検出位置を前記流路の一部に有する展開媒体と、前記流路の一部において前記磁性体を保持するために前記展開媒体に設けられた磁力発生部と、を備える被検物質の検出システムである。
本発明の一態様においては、前記流路内から発せられる光を検出する検出装置をさらに備え、前記標識体は、色素を有していることが好ましい。
本発明の一態様においては、前記検出装置は、所定の波長の励起光を含んだ光を発する光源と、前記励起光を前記流路へ照射する光路部材と、前記励起光を除去するフィルタと、前記フィルタを透過した光を検出する検出部とを備え、前記標識体は前記励起光により蛍光を発する蛍光物質によって標識されていることが好ましい。
本発明の一態様においては、前記第一物質が、抗体、断片化抗体、完全抗原、ハプテン、およびアプタマーからなる群から選ばれていることが好ましい。
本発明の一態様においては、前記第二物質が、抗体、断片化抗体、完全抗原、ハプテン、およびアプタマーからなる群から選ばれていることが好ましい。
本発明の一態様においては、前記標識体が、比色物質、発光物質、酵素発色物質、および酸化還元物質からなる群から選ばれる標識物質を含んでいることが好ましい。
本発明によれば、試料中の被検物質の高感度な検出を迅速且つ簡便に行うことが可能である。
本発明の一実施形態の被検物質の検出システムの模式図である。 同検出システムの作用を説明するための図である。 同検出システムの作用を説明するための図である。 同検出システムの実験結果の一例である。 同検出システムの実験結果の一例である。 同検出システムの実験結果の一例である。
本発明の第1実施形態の被検物質10の検出システム1(以下、単に「検出システム1」と称する。)について説明する。図1は、第1実施形態の検出システム1の模式図である。
図2A及び図2Bは、検出システム1の作用を説明するための図である。
図1に示すように、検出システム1は、試料中の被検物質10の有無を検出するシステムである。第1実施形態においては、生体物質、合成物質等あらゆる物質を被検物質10とすることができる。また、試料としては、例えば血液、血清、尿等の生体由来の試料溶液、前記生体由来の試料溶液を調製して得られた溶液等、任意のものを用いることができる。
検出システム1は、磁性体2と、標識体4と、展開媒体20と、磁力発生部(磁力発生部材)30と、検出装置40とを備える。
磁性体2は、平均粒径が20〜600nmの粒子であり、磁力発生部30によって引き付けられる。すなわち、磁性体2は、磁石や軟磁性体を含有する粒子である。磁性体2は、平均粒径が60〜300nmであることがより好ましい。
また、磁性体2は、被検物質10の結合部位を介して前記被検物質10と結合する第一物質3によって修飾されている。
一例を挙げると、磁性体2は、磁性物質と、磁性物質を被覆するポリマー層とを備える磁性ポリマー粒子である。磁性ポリマー粒子は、1個のポリマー粒子に、複数個の磁性物質が被覆されて存在していてもよい。ポリマー粒子に被覆される磁性物質としては、水中での微粒子生成が可能なマグネタイトなどのフェライト粒子が好ましい。他方、フェライト以外の磁性物質としては、例えば各種磁性金属の微粒子、又は各種磁性化合物が用いられ、これらの磁性物質がそれぞれに有する特徴的な磁気的性質をさまざまに利用することもできる。
第一物質3は、抗体、断片化抗体、完全抗原、ハプテン、およびアプタマーからなる群から選ばれるものが被検物質10に応じて選択して採用される。第一物質3は、被検物質10に対する特異性が高いことが好ましい。例えば、第一物質3は、試料中において被検物質10に対して結合しやすく、被検物質10とは異なる物質には結合しにくい。
また、第一物質3は、標識体4自体及び後述する第二物質5に対する特異性が低いことが好ましい。第1実施形態では、第一物質3は、磁性体2の表面に配置されている。すなわち、第1実施形態では、磁性体2は、第一物質3によって表面修飾されている。なお、第一物質3による磁性体2の修飾方法は表面修飾でなくてもよい。
標識体4は、平均粒径が20〜600nm、好ましくは平均粒径が60〜300nmの粒子であり、第一物質3が被検物質10と結合する部位(被検物質10の第1の結合部位)とは異なる部位(被検物質10の第2の結合部位)を介して被検物質10と結合する第二物質5によって修飾されている。
第二物質5は、第一物質3とは異なる物質であり、被検物質10における第一物質3の結合部位(被検物質10の第1の結合部位)とは異なる部位(被検物質10の第2の結合部位)に結合する。第二物質5は、抗体、断片化抗体、完全抗原、ハプテン、およびアプタマーからなる群から選ばれるものが被検物質10に応じて選択して採用される。第二物質5は、被検物質10に対する特異性が高いことが好ましい。例えば、第二物質5は、試料中において被検物質10に対して結合しやすく、被検物質10とは異なる物質には結合しにくい。
また、第二物質5は、磁性体2自体及び第一物質3に対する特異性が低いことが好ましい。第1実施形態では、第二物質5は、標識体4の表面に配置されている。すなわち、第1実施形態では、標識体4は、第二物質5によって表面修飾されている。なお、第二物質5による標識体4の修飾方法は表面修飾でなくてもよい。
また、標識体4は、比色物質、発光物質、酸化還元物質、酵素発色物質、および磁性物質からなる群から選ばれる標識物質を含んだポリマー等の粒子である。発光物質としては、蛍光分子、リン光分子、化学発光分子、酵素結合分子等が挙げられる。以下、第1実施形態では、発光物質が蛍光分子である場合を例に説明する。
発光物質として用いられる蛍光分子の例としては、希土類金属キレート錯体の蛍光分子が好ましい。
希土類金属キレート錯体の蛍光分子は蛍光寿命が長く、ストークスシフトが大きく、またスペクトル幅が狭いという特徴がある。このため、このような希土類金属キレート錯体を蛍光分子として用いることにより、バッククラウンドの蛍光によるノイズを回避でき、また他の従来の蛍光体を用いた場合に比べ、著しく高感度の蛍光標識を得ることができる。このような蛍光を示す希土類金属キレート錯体を構成する希土類金属としては、ユーロピウム、サマリウム、テルビウム、ジスプロシウム等を挙げることができる。
その他、蛍光分子として、DAPI(4’,6−diamidino−2−phenylindole)、FITC(fluorescein isothiocyanate)、GFP(Green Fluorescent Protein)、Hoechist、及びRhodamine等を用いることもできる。
展開媒体20は、光透過性を有する第一シート21と、光透過性を有する第二シート22と、第一シート21と第二シート22との間に介在されたスペーサ23とを有する。
第一シート21は、板状、シート状、フィルム状、あるいは膜状に形成された部材である。第一シート21は、少なくとも一部が光透過性を有している。具体的には、第一シート21は、ガラス、石英、ITO(インジウムスズ酸化物)、金等の無機材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、セルロース等の高分子材料等であってよい。
第一シート21は、後述する流路24が構成される部分において光透過性を有していればよい。また、第一シート21は、磁力発生部材を用いて磁性体2を集積させる場所(第一シートの検出位置)のみが光透過性を有していてもよい。
第二シート22は、板状、シート状、フィルム状、あるいは膜状に形成された部材である。第二シート22は、少なくとも一部が光透過性を有している。具体的には、第二シート22は、ガラス、石英、ITO、金等の無機材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、セルロース等の高分子材料等であってよい。また、第二シート22は、第一シート21と同じ材料からなっていてもよいし、第一シート21とは異なる材料を含んでいてもよい。
第二シート22は、後述する流路24が構成される部分において光透過性を有していればよい。また、第二シート22は、磁力発生部材を用いて磁性体2を集積させる場所(第二シートの検出位置)のみが光透過性を有していてもよい。
なお、第一シート21と第二シート22との両方が光透過性を有していてもよいし、第一シート21と第二シート22との何れか一方のみが光透過性を有していてもよい。
すなわち、展開媒体20は、少なくとも後述する磁力発生部30が配置される位置において流路24を横断する方向に光透過性を有していればよい。
スペーサ23は、第一シート21と第二シート22との間に隙間が開けられた状態で第一シート21と第二シート22とを保持する。これにより、第一シート21と第二シート22との間には、被検物質10の有無を検出する分析対象となる試料が供給される流路24が構成される。第1実施形態では、流路24内には特に構造体は設けられておらず、第一シート21と第二シート22とにおいて互いに向き合う平面により流路24が構成されている。
第一シート21と第二シート22との間隔は、試料を毛細管現象によって流路24内に広げることができる間隔とされている。
また、第一シート21と第二シート22とにおいて互いに向き合う平面上には、表面処理が施されていてもよい。
第一シート21と第二シート22とにおいて互いに向き合う平面上に施される表面処理は、親水化処理や疎水化処理等である。具体的には、第一シート21と第二シート22とにおいて互いに向き合う平面上の親水性を高めるための機械的加工やコーティングが前記平面の少なくとも何れかに施されていてもよい。
なお、展開媒体20としては、毛細管現象による展開ができるものであれば、いずれの形状及び構造でもよく、また媒体の材質も特に制限はない。例えば、展開媒体20として、展開媒体20の内部に流路24となる空洞が形成された筒状部材が用いられていてもよい。また、展開媒体20として、乾燥多孔質部材が用いられていてもよい。例えば、不織布、濾紙、高分子膜、多孔質膜等を展開媒体20とすることもできる。また、展開媒体20の材質の他の具体例としては、シリカ、ガラスウール、セルロース、ニトロセルロース等を挙げることができる。
磁力発生部30は、展開媒体20に設けられた流路24の一部において磁性体2を保持するために展開媒体20に設けられている。磁力発生部30は、例えば永久磁石や電磁石である。また、磁力発生部30は、展開媒体20に対して着脱可能であってもよい。
検出装置40は、標識体4の存在を検出する。第1実施形態では、検出装置40は、標識体4から発せられる光を検出する。具体的には、検出装置40は、光源41、光路部材42、ダイクロイックミラー43(第一フィルタ及び第二フィルタ)、ならびに検出部44を有する。
光源41は、例えば水銀ランプ、ハロゲンランプ又はキセノンランプ等であり、蛍光分子に対する励起光となる所定の波長を含んだ光を発する。励起光の波長は、紫外領域の波長(例えば200nm〜400nm)としてよい。
光路部材42は、光源41から発せられた光を被検物質10に照射するための光路を構成する。第1実施形態では、光路部材42は、励起光を流路24へ向けて照射する。流路24において励起光が照射される位置が、第1実施形態において標識体4を検出するための検出位置となっている。なお、第1実施形態では、標識体4を検出するための検出位置は、磁力発生部30によって流路24内の磁性体3が集積される位置と一致している。
ダイクロイックミラー43は、光源41から被検物質10へと向かって照射される光のうち励起光のみを反射させ、励起光の波長とは異なる波長の光を透過させる特性を有する光学素子である。すなわち、第1実施形態では、ダイクロイックミラー43は、光源41から被検物質10へと向かって照射される光のうち励起光のみを反射させる第一フィルタと、励起光の波長とは異なる波長の光を透過させる第二フィルタとの2つの機能を併せ持っている。
検出部44は、例えば光電子倍増管又はCCD検出器等を有し蛍光の強度を検知する。
なお、検出部44を設けることに代えて、操作者が直接蛍光を見て判断してもよい。
次に、検出システム1の作用について、検出システム1を用いた被検物質10の検出方法とともに説明する。
まず、被検物質10の有無を検出する分析対象となる試料と、磁性体2及び標識体4を含んだ液体とを混合する。
続いて、試料と上記液体との混合物を流路24における流入口24aに供給する。すると、試料は、毛細管現象によって図2Aに符号Aで示す方向へ向かって流路24内に広がる。流路24内では、試料中に被検物質10が含まれている場合には、磁性体2と被検物質10とが第一物質3を介して結合し、標識体4と被検物質10とが第二物質5を介して結合する。すなわち、磁性体2と標識体4とが被検物質10を介して結合した状態となる(図2A参照)。
試料中に被検物質10が含まれていない場合には、磁性体2と標識体4とを結合させる物質がないので、磁性体2と標識体4とは結合せず、互いに独立して存在している(図2B参照)。
流路24内に広がった混合物中の磁性体2は、磁力発生部30からの磁力によって磁力発生部30に引き付けられる。すなわち、被検物質10と結合している磁性体2及び被検物質10と結合していない磁性体2が共に磁力発生部30に引き付けられる。
ここで、被検物質10が磁性体2と標識体4との両方に結合している場合(図2A参照)には、被検物質10、磁性体2、および標識体4が複合体を形成して磁力発生部30に引き付けられる。その結果、流路24内に広がった混合物中に含まれる被検物質10は、この被検物質10に結合した磁性体2により、標識物質とともに磁力発生部30からの磁力によって流路24の一部に集積した状態で保持される。
これに対して、磁性体2と標識体4とが被検物質10を介して結合していない場合(図2B参照)には、磁性体2は磁力発生部30からの磁力により引き付けられるものの、標識体4は磁力の影響を受けずに試料の流通方向(図2Bに符号Aで示す方向)へと移動する。
また、検出装置40は、流路24内へ向けて励起光L1(図2A参照)を発しているので、流路24内において磁力発生部30に引き付けられた標識体4には励起光が照射される。標識体4に励起光L1が照射されると、標識体4に設けられた蛍光分子から所定の波長の蛍光L2(図2A参照)が発せられる。なお、標識体4のうち磁性体2及び被検物質10に対して結合していないものは、磁力の影響を受けずに流通方向に移動しており、検出装置40位置には存在しないため、あるいは流路24内に分散していても検出装置40の検出限界に満たないため、検出装置40には検出されない。
以上説明したように、第1実施形態の検出システム1によれば、従来のイムノクロマトグラフィー法におけるような種々の厳しい条件を必要とせず、高感度な検出を迅速且つ簡便に得ることができる。
また、第一シート21と第二シート22とにより形成される流路24が、第一シート21と第二シート22とにおいて互いに向き合う平面によって区切られた空洞であるので、メンブレンの孔内を毛細管現象により試料が移動する場合と比較して、メンブレンに被検物質10が吸着されたり引っかかったりすることがない分だけ検出感度が高い。
また、一般的にイムノクロマトグラフィーに使用されるメンブレンの光透過性は低い。
このため、一般的なイムノクロマトグラフィーでは、メンブレンの表層近傍のみが検出対象となっていた。これに対して、第1実施形態における第一シート21及び第二シート22は光透過性が高く、透明とすることができる。これにより、標識物質から発せられる光の強度を従来よりも検出しやすく、感度の高い検出システム1とすることができる。
なお、磁性体2と標識体4との量が既知であれば、磁力発生部材に引き付けられた磁性体2の磁気と、標識体4から発せられる蛍光の強度とに基づいて、被検物質10の定量をすることもできる。
次に、本発明の他の実施形態について、上述の第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
(第2実施形態)
第2実施形態によれば、被検物質を含む試料と、磁性体及び標識体とを混合し、一定時間経過後に、展開媒体の流路内に供給する。これにより、上述の第1実施形態と比較して、被検物質と磁性体との結合及び被検物質と標識体との結合に寄与する接触時間を増大させることができる。このような工程により、被検物質と磁性体及び標識体との反応効率が向上し、試料中の被検物質が低濃度の場合においても、十分な感度を得ることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、磁性体として、例えば、国際公開第2010−029739号パンフレットに開示された蛍光色素化合物含有磁性体を有する。蛍光色素化合物含有磁性体に含有される蛍光色素化合物は、上述の実施形態で説明した標識体とは異なる波長の光を発する。
例えば、蛍光色素化合物含有磁性体は、蛍光物質に対して親和性を有する官能基を表面に有するポリマーと、ポリマー内に配置された磁性物質とを有する。ポリマーが有する官能基は蛍光物質と結合して、ポリマーと蛍光物質とは共重合体を形成していることが好ましい。
例えば、そのようなポリマー層として、ポリスチレンやポリグリシジルメタクリレート(ポリGMA)、これらの共重合体などが挙げられる。このようなポリマー層を用いることにより、磁性体はポリGMAのエポキシ基などの官能基などを通じて他の物質との結合ができるので、生理活性物質をポリマー層に選択的に結合させることが可能である。
検出装置においては、蛍光色素化合物含有磁性体及び標識体をそれぞれ蛍光検出し、蛍光色素化合物と標識体との存在比を算出することができる。
第3実施形態では、蛍光色素化合物含有磁性体と標識体との使用量を予め既知としておくことにより、被検物質の含有量を定量することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、複数種類の被検物質をそれぞれ検出できる。すなわち、本実施形態の検出システムは、少なくとも、第一の被検物質を検出するための第1の磁性体及び第1の標識体と、第二の被検物質を検出するための第2の磁性体及び第2の標識体を含んでいる。
第一の被検物質を検出するための第1の標識体は、第二の被検物質を検出するための第2の標識体とは異なる波長の蛍光を発するなど、互いに異なる光学的特性を有している。
このような構成であると、1つの試料を用いて多くの被検物質を検出することができる。
また、標識体を修飾する第二物質が、蛍光標識に代えて色素を有していてもよい。この場合、第一の被検物質を検出するための第1の標識体に設けられた第二物質と、第二の被検物質を検出するための第2の標識体に設けられた第二物質とが、互いに異なる色の色素を有している。この場合には、磁力発生部材の位置では、第一の被検物質と第二の被検物質との量及び存在比に対応した色相および彩度となる。
(第5実施形態)
第5実施形態では、流路内における磁性体と標識体との流速が互いに異なっている。
磁性体と標識体との流速を変えるためには、粒子径や、粒子の親水性や疎水性を変更すればよい。また、第5実施形態では、標識体よりも磁性体の方が流路内における流速が速い。
第5実施形態の構成によれば、流路内において標識体よりも先に磁性体が磁力発生部に到達するので、磁性体に対して遅れて磁力発生部に到達する標識体が被検物質に結合していた場合にこの標識体を磁性体に結合させやすい。このため、反応効率が高く、検出感度に優れる。
また、第一シートと第二シートとの間の間隔を狭くしたり広くしたりすることにより、磁性体と標識体とのそれぞれの流速を制御することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態では、流路には、試料を滞留あるいは攪拌させるためのピラーが設けられている。
このような構成であっても上述の第1〜第5実施形態と同様の効果を奏する。さらに、試料を攪拌し、滞留させることにより、被検物質が確実に捕捉され、反応効率が高まる。
なお、ピラーの位置は、流路内であれば特に限定されない。例えば、流路のうち磁力発生部に近い位置にピラーを設けることによって磁力発生部の近傍において試料の流速を落とすことができる。これにより、磁力発生部により磁性体が引き付けられやすくなる。
また、ピラーの親水性や疎水性を変更することで、磁性体や標識体のそれぞれの流速を制御することができる。
なお、試料を滞留あるいは攪拌させるための構造はピラーには限られない。例えば、第一シートと第二シートとの少なくともいずれかに、流路の壁面を構成する凹凸面が設けられていてもよい。
(第7実施形態)
第7実施形態では、磁力により流路内で試料を攪拌する攪拌部が設けられている。
攪拌部は、流路への試料の供給口から磁力発生部に至るまでの流路の一部に設けられている。第一シート近傍に設けられ、第一シート近傍へ磁性体を引き付ける第1の磁石と、第二シート近傍に設けられ、第二シート近傍へ磁性体を引き付ける第2の磁石とが、流路の試料が流れる方向において交互に並べられている。
第7実施形態では、流路内で、試料が流れる方向に対して磁性体が蛇行して進むことにより、磁性体と被検物質との接触機会が増え、また、磁性体が結合した状態の被検物質と標識体との接触機会も増える。これにより、反応効率が上がる。
また、磁石に代えて、流路への試料の供給口から磁力発生部に至るまでの流路の一部に交流磁場発生装置が設けられていても同様の効果を奏する。
(第8実施形態)
第8実施形態は、流路内で試料を攪拌するための攪拌用粒子が設けられている点において上述の第1〜第7実施形態と異なっている。
また、水溶性物質からなる固形物によって、流路への試料の供給口の近傍に、磁性体、標識体及び攪拌用粒子が固定されている。流路への試料の供給口の近傍への磁性体、標識体及び攪拌用粒子を固定するための水溶性物質としては、トレハロース等の糖を用いることができる。
第8実施形態では、流路への試料の供給口に試料が供給されると、試料中の水分によって水溶性物質が溶解し、磁性体、標識体及び攪拌用粒子が遊離する。すると、攪拌用粒子は、試料、磁性体、標識体、及び攪拌用粒子の混合物を攪拌する。
このような構成であっても、上述の第1〜第7実施形態に対してさらに反応効率を高めることができる。
なお、攪拌用粒子の形状は特に限定されず、表面に凹凸を有する形状や不定形などとしてよい。
また、攪拌用粒子の配置位置は流路内であれば特に限定されない。
(第9実施形態)
第9実施形態では、流路の一部に磁性体を集積させるための磁力発生部の構成が上述の第1〜第8実施形態と異なっている。
第9実施形態では、磁力発生部は、流路に対する磁力の大きさが一定方向に漸次変化するように流路の近傍に設けられている。
具体的には、磁力発生部は、試料の流通方向に行くに従って漸次磁力が強くなり、且つ試料の流通方向に対して突出する突端部分を有するL字形状である永久磁石である。
このような構成の場合、磁性体は永久磁石からの磁力が最も強くなる突端部分に集積される。磁性体が突端部分に集積されることにより、磁性体の密度が高まる。すなわち、被検物質を介して標識体と結合された磁性体の密度が高まるので、被検物質の検出感度を高めることができる。
(第10実施形態)
第10実施形態では、磁力発生部が、第一シート近傍と第二シート近傍との両方に配置されている。このような構成を有することにより、磁性体をより効率よく磁力発生部に保持させることができる。
(第11実施形態)
第11実施形態では、展開媒体は円筒状のキャピラリーによって構成されており、磁力発生部は、キャピラリーが挿通される環状の永久磁石である。
このような構成であっても、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
すなわち、磁力発生部は、展開媒体の形状に対応した形状であればよい。
(第12実施形態)
第12実施形態では、上述の第1〜第11実施形態で説明した磁力発生部に加えて、流路が形成されている領域の近傍を自在に移動させることができる可動磁石を有している。
可動磁石は、流路に沿って移動することにより、流路内の磁性体を引き付けて磁性体を移動させる。
このため、磁力発生部によって捕捉しきれなかった磁性体を可動磁石によって集積することができる。
(第13実施形態)
第13実施形態では、上述の第1〜第12実施形態で説明した磁力発生部に代えて、分割可能な複数の磁石を有する。流路に沿って互いに離間した位置に配置された状態が各磁石の初期位置である。各磁石が初期位置にある状態で、試料、磁性体及び標識体の混合物が流路内に供給される。
第13実施形態では、流路に沿って互いに離間した位置に配置された磁石の何れかに磁性体が引き付けられる。その後、各磁石を流路の一部に集めることにより、磁性体を集積させる。
このような構成であっても、上述の第1〜第12実施形態と同様の効果を奏する。
(第14実施形態)
第14実施形態では、被検物質と結合しなかった標識体を除去する手段を有している。
すなわち、第14実施形態では、流路における試料の流通方向において、磁力発生部よりも下流近傍へ向かって標識体を移動させることにより、磁力発生部の近傍においてバックグラウンドの蛍光を発する可能性がある標識体を減少させることができる。
標識体を除去する手段(部材又は装置)は、流路において磁力発生部よりも下流側に設けられた吸水材やポンプ等を有していてもよい。
なお、吸水材やポンプによって流路中の液体成分を全て除去すると、流路中の液体成分による自家蛍光を減らすことができる。
(第15実施形態)
第15実施形態では、流路内における試料の流通方向を変更可能な切替手段(部材又は装置)を有する。
切替手段は、流路の一端(第1端)から他端(第2端)へ向かって試料、磁性体、及び標識体を移動させ、切替により、流路の他端(第2端)から一端(第1端)へ向かって試料、磁性体、及び標識体を移動させる。
第15実施形態では、試料、磁性体、および標識体が磁力発生部を通過した後に、切替手段によって、試料、磁性体、および標識体を再度磁力発生部に近づけることができる。
このように、第15実施形態では、切替手段によって、結合反応及び磁力発生部への引き寄せを複数回行なうことができるので、検出感度を高めることができる。
(第16実施形態)
第16実施形態では、標識体から発せられた光を、検出部に入射させるための光学部材が流路内に設けられている。すなわち、光学部材を通じて標識体からの光が検出部に到達するので、集光効率が良く、検出感度が高い。
光学部材としては、流路内で検出部へ向かって延びるライトガイドや、流路を間に挟んで検出部と反対側に位置し、標識体からの光を検出部へ反射させる反射板等を採用することができる。
(第17実施形態)
第17実施形態では、流路の内壁面に、磁力発生部の位置する方向に向かって窪んで形成された溝が設けられている。溝は、磁性体、被検物質および標識体からなる複合体が1つあるいは一定数だけ入る大きさを有し、流路内で互いに離間して複数形成されている。
第17実施形態では、標識体の発光を検出することができる溝の数を測定することにより、磁性体、被検物質および標識体からなる複合体の数を定量することができる。これにより、被検物質の有無の定性的な判定に加えて、被検物質の定量的な測定をすることができる。
(第18実施形態)
第18実施形態では、標識体は、光を発する物質を用いることに代えて、所定の基質に対して酵素反応をする酵素により修飾されている。さらに、上述の第1〜第17実施形態で説明した検出装置に代えて、酵素反応を電気化学的に測定する電極およびセンサーが設けられている。第18実施形態における電極は、銀、金、ステンレス、ITO等の導体によって形成することができる。
このような構成であっても上述の第1〜第17実施形態と同様の効果を奏する。
また、第18実施形態においても、磁力発生部によって集積された磁性流体を磁気センサーを用いることにより定量することができる。なお、第18実施形態では、上記電極及びセンサーと、上記磁気センサーとの少なくとも何れかが設けられていればよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
また、上述の各実施形態において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、磁性体と標識物質としてユーロピウム錯体とを含有させた標識磁性粒子を用いて磁気集積を行い、光透過性の高いフィルムを展開媒体として用いた場合と、一般的にイムノクロマトグラフィーに使用されるニトロセルロースメンブレンを展開媒体として用いた場合との検出量を比較した。
ニトロセルロースメンブレンとしては、Hi−Flow Plusメンブレン90(以下、HF90と示す)を用いた。第一シート及び第二シートとしての光透過性の高いフィルム(フィルム間部材)としては、PETフィルム(膜厚:100μm)を用いた。磁石を各部材(HF90及びPETフィルム)の下に設置し、各濃度の標識磁性粒子の溶液(0.1μg/mL,1μg/mL,10μg/mL,100μg/mL,1000μg/mL)を10μL滴下した。PETフィルムにおいては、第一シートとしての第1のPETフィルムに滴下した液滴上に、第二シートとしての第2のPETフィルムを重ね合わせた。HF90及びPETフィルムを用いた場合のそれぞれにおいて、磁石設置位置での標識磁性粒子の蛍光発色を、キセノンランプで照射しCCD検出器を用いて検出し、数値化を行った。結果を図3に示す。
実施例1の結果より、第1のPETフィルムと第2のPETフィルムとを用いた場合での蛍光強度においては、粒子濃度10μg/mLまで蛍光強度に対する濃度依存性を確認できた。一方、HF90を用いた場合は100μg/mLまでしか濃度依存性を確認できず、10μg/mL以下の濃度においては蛍光強度に対する濃度依存性が確認されなかった。
以上に示すように、第1のPETフィルムと第2のPETフィルムとを用いた場合(フィルム間部材を用いた場合)において、メンブレンを用いた場合よりも、10分の1の標識磁性粒子を検出できることを確認した。フィルム間、磁気集積における検出法により、通常のイムノクロマトグラフィー法では検出不可能であった低濃度領域において、蛍光を検出することが可能となった。
(実施例2)
実施例2では、被検物質として前立腺癌のバイオマーカーである前立腺特異抗原(PSA)を用いて、被検物質の検出実験を行った。第1物質としてはPSAを認識するモノクローナル抗体(第1の抗PSA抗体)を用いた。第2物質としては、PSAの第1物質を認識する部位とは異なる部位を認識するモノクローナル抗体(第2の抗PSA抗体)を用いた。また、磁性粒子表面に対して、第1の抗PSA抗体を結合させ、抗PSA抗体修飾磁性粒子を得た。さらに蛍光標識物質としてユーロピウム錯体を含有させた標識粒子表面に対して、第2の抗PSA抗体を結合させ、抗PSA抗体修飾標識粒子を得た。
展開媒体としては、マイクロカバーガラス、Gap付カバーガラス(Gap厚:20μm)を重ね合わせたGapガラス間媒体を用いた。磁石をGapガラス間媒体の下に設置し、抗PSA修飾磁性粒子溶液、抗PSA修飾標識粒子溶液、各濃度の抗原溶液(PSA溶液)(PSA濃度:0ng/mL,0.01ng/mL,0.1ng/mL,1ng/mL,10ng/mL)を10分間混合した混合溶液を、Gapガラス間に20μL滴下し、磁気集積を行い、抗PSA修飾磁性粒子、PSA、及び抗PSA修飾標識粒子からなる複合体を集積させた。磁気集積開始から5分後、PBST(0.05%Tween20を添加したリン酸緩衝溶液)30μLでGapガラス間を置換した後に、磁石設置位置における前記複合体をキセノンランプで照射し、前記複合体より得られた蛍光発色を、CCD検出器を用いて検出し、数値化を行った。結果を図4に示す。
(比較例1)
比較例1では、実施例2と同様のPSA、抗PSA抗体を用いて、従来のイムノクロマトグラフィー法による被検物質の検出実験を行った。ニトロセルロースメンブレンとしてHi−Flow Plusメンブレン120(HF120)を用いたテストラインに対応する領域に第1の抗PSA抗体を塗布し、コントロールラインに対応する領域に抗マウスIgG抗体を塗布した。その後、ブロッキング、ウォッシングを行い、抗体固定化メンブレンを得た。
また、蛍光標識物質としてユーロピウム錯体を含有させた磁性粒子表面に、第2の抗PSA抗体を結合させた標識磁性粒子を、ガラスファイバーパッド中にて乾燥させることにより、抗PSA抗体修飾標識磁性粒子を含有した結合パッドを得た。
前記メンブレン、前記結合パッド、さらに吸水パッド、サンプルパッドを用いてテストストリップを作製した。テストストリップに対して各濃度抗原溶液(PSA濃度:0ng/mL,0.01ng/mL,0.1ng/mL,1ng/mL,10ng/mL)を滴下し、15分経過後、蛍光イムノクロマトリーダーを用いて、テストライン位置における標識磁性粒子の蛍光発色を検出し、数値化を行った。結果を図5に示す。
実施例2の結果より、抗原濃度に対する蛍光強度において濃度依存性が確認された。Gapガラス間媒体、磁性粒子、標識粒子を用いた磁気集積による検出が確認された。検出限界に関しては、2SD法による算出において、0.01ng/mL以下では確認されなかった。そのため、検出限界(検出下限)は0.01〜0.1ng/mLの範囲内であった。
一方、比較例1における検出限界に関しては、2SD法による算出において、検出限界(検出下限)は、0.1〜1ng/mLの範囲内であった。
以上に示すように、本発明の被検物質の検出システムは、Gapガラス間媒体、磁性粒子、標識粒子を用いた磁気集積による検出において、一般的なテストストリップを用いた検出よりも検出限界が低濃度領域であることが確認された。また、本発明の被検物質の検出システムにより、通常のイムノクロマトグラフィー法では検出不可能であった低濃度の抗原(PSA)を検出することが可能となった。
1 検出システム
2 磁性体
3 第一物質
4 標識体
5 第二物質
10 被検物質
20 展開媒体
21 第一シート
22 第二シート
23 スペーサ
24 流路
L1 励起光
L2 蛍光

Claims (6)

  1. 被検物質の検出システムであって、
    前記被検物質の第1の結合部位を介して前記被検物質と結合することのできる第一物質で修飾された磁性体と、
    前記第1の結合部位とは異なる部位である前記被検物質の第2の結合部位を介して前記被検物質と結合することのできる第二物質で修飾された標識体と、
    光透過性を有する第一シートと、光透過性を有する第二シートと、前記第一シートと前記第二シートとにおいて互いに向き合う平面により構成され、かつ、前記磁性体及び前記標識体が分散された液体が毛細管現象により吸引される間隔を有する流路と、を備え、前記標識体を検出するための検出位置を前記流路の一部に有する展開媒体と、
    前記流路の一部において前記磁性体を保持するために前記展開媒体に設けられた磁力発生部と、
    を備える
    被検物質の検出システム。
  2. 請求項1に記載の被検物質の検出システムであって、
    前記流路内から発せられる光を検出する検出装置をさらに備え、
    前記標識体は、色素を有する
    被検物質の検出システム。
  3. 請求項2に記載の被検物質の検出システムであって、
    前記検出装置は、
    所定の波長の励起光を含んだ光を発する光源と、
    前記励起光を前記流路へ照射する光路部材と、
    前記励起光を除去するフィルタと、
    前記フィルタを透過した光を検出する検出部と、を備え、
    前記標識体は前記励起光により蛍光を発する蛍光物質によって標識されている被検物質の検出システム。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の被検物質の検出システムであって、
    前記第一物質が、抗体、断片化抗体、完全抗原、ハプテン、およびアプタマーからなる群から選ばれる被検物質の検出システム。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の被検物質の検出システムであって、
    前記第二物質が、抗体、断片化抗体、完全抗原、ハプテン、およびアプタマーからなる群から選ばれる被検物質の検出システム。
  6. 請求項1または2に記載の被検物質の検出システムであって、
    前記標識体が、比色物質、発光物質、酵素発色物質、および酸化還元物質からなる群から選ばれる標識物質を含む被検物質の検出システム。
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