JPH0552849A - 検体の特異的検出および特異的分離方法 - Google Patents

検体の特異的検出および特異的分離方法

Info

Publication number
JPH0552849A
JPH0552849A JP24021691A JP24021691A JPH0552849A JP H0552849 A JPH0552849 A JP H0552849A JP 24021691 A JP24021691 A JP 24021691A JP 24021691 A JP24021691 A JP 24021691A JP H0552849 A JPH0552849 A JP H0552849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substance
measured
sample
magnetic
reaction product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24021691A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikuo Miyamoto
郁夫 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP24021691A priority Critical patent/JPH0552849A/ja
Publication of JPH0552849A publication Critical patent/JPH0552849A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 検体中の測定対象物質を、それと特異的に
反応する磁性を有する物質及び該磁性を有する物質とは
異なる部位で該測定対象物質と特異的に反応する標識さ
れた物質と反応させるか、又はそれと特異的に反応す
る磁性を有する物質と該磁性を有する物質に対して測定
対象物質と競合的に反応する標識された物質の存在下に
反応させるか、或いはそれと特異的に反応する標識さ
れた物質と該標識された物質に対して該測定対象物質と
競合的に反応する磁性を有する物質の存在下に反応させ
た後、〜で生成した磁性を有する反応物を毛管移動
させ特定の位置で磁力で捕捉して特異的に検出する方
法。 【効果】 検体中の測定対象物質と特異的に反応する物
質等のクロマトグラフ媒体上への固定化や固液分離が不
要であり、検体中の測定対象物質を極めて簡単に且つ高
感度で検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は検体中の測定対象物質を
磁力を利用して特異的に検出する方法に関し、特に磁力
を利用して免疫学的方法により検体中の測定対象物質を
特異的に検出する方法に関する。更に、本発明は、検体
中の分離対象物質を磁力を利用して特異的に分離する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】検体中の測定対象物質を特異的に検出す
る方法として、従来から免疫測定法、すなわちイムノア
ッセイが広く用いられている。イムノアッセイには、検
出に使用される標識の種類に応じて、ラジオイムノアッ
セイ(RIA)、酵素イムノアッセイ(EIA)、蛍光
イムノアッセイ、色素イムノアッセイ等がある。
【0003】イムノアッセイでは、検体中の測定対象物
質である特定の抗原または抗体等と特異的に反応する物
質(抗体、抗原等)に放射線、酵素、蛍光体、色素等に
よって標識を付けた標識体を予め準備し、この標識体を
検体中の該測定対象物質と特異的に反応させて、反応物
における標識の発現の有無や強弱等に応じて、該測定対
象物質の有無や量を検出する。しかしながら、その場合
には、測定対象物質および標識体の一方をビーズ、マイ
クロプレート等の固体に固定化して、測定対象物質と標
識体との反応物を固相として未反応の標識体等を含む液
相から分離するか、または測定対象物質と標識体との反
応物を含む液相を未反応の標識体を固定化した固相から
分離するというB/F分離工程が必要であり、このB/
F分離工程はイムノアッセイを繁雑なものにしていた。
【0004】近年、クロマトグラフィー技術をイムノア
ッセイに利用したイムノクロマトグラフ法と称される方
法が開発された(U.R.Chakradorty et al., Ann. Biol.c
lin.,1990,48, 403-408 ; R.F.Zuk et al., CLINICAL C
HEMISTRY, Vol.31, No.7, 1985)。これらの文献に記載
されているイムノクロマトグラフ法による場合は、クロ
マトグラフ媒体の固相上で、抗原・抗体反応と同時に毛
管移動によって抗原・抗体反応物と未反応物との分離が
行われる。その結果、金コロイド(色素)または酵素で
標識された抗体または抗原による特定の標識がクロマト
グラフ媒体上に出現し、それによって検体中の測定対象
物質の有無や多少を測定することができ、従来のイムノ
アッセイにおけるB/F分離工程を別途行う必要がな
い。
【0005】しかしながら、上記のイムノクロマトグラ
フ法による場合は、検体中の測定対象物質と特異的に反
応する抗体または抗原(大半は抗体)を、標識された抗
体または抗原とは別に、クロマトグラフ媒体上に予め固
定化しておくことが必要であり、そのためにクロマトグ
ラフ媒体としては、試料の毛管移動に適しているだけで
なく、抗体または抗原の固定化に適した特性を有する必
要があり、クロマトグラフ媒体の素材に対して種々の厳
しい要件が求められる。
【0006】また、上記のイムノクロマトグラフ法で
は、クロマトグラフ媒体上に固定化した抗体と標識した
抗原および/または測定対象抗原との反応に伴う表現外
形(−、+のサイン等)、或いは固定化した抗原と標識
した抗体および/または測定対象抗体との反応に伴う表
現外形を、抗体または抗原をクロマトグラフ媒体に固定
化するときに予め定めておかねばならず後で変更するこ
とができない。
【0007】更に、上記のイムノクロマトグラフ法で
は、例えば測定対象物質である抗原(抗体)とクロマト
グラフ媒体上に固定化した抗体(抗原)および標識され
た抗体(抗原)等の反応は、毛管移動時のほんの一瞬で
ある。そのため、測定対象物質である抗原(抗体)を高
感度で検出するには、クロマトグラフ媒体上に固定化す
る抗体または抗原としては、測定対象物質である抗原ま
たは抗体、および標識された抗体または抗原と、高レベ
ルで結合する結合定数の高いものが要求され、クロマト
グラフ媒体上に固定化する抗体または抗原の種類が限ら
れる。
【0008】
【発明の内容】上記の点から、本発明者は、従来のイム
ノアッセイにおけるようなB/F分離工程を別途行う必
要がなく、しかも上記した従来のイムノクロマトグラフ
法におけるような種々の厳しい条件を必要とせず、簡単
に且つ高感度で検体中の測定対象物質を検出できる方法
を得ることを目的として研究を続けてきた。その結果、
検体中の測定対象物質と特異的に反応する物質に磁性を
付与しておき、測定対象物質と該特異的反応物質とから
磁性を有する反応生成物を形成させ、これをクロマトグ
ラフ媒体の特定位置に設けた磁場に磁力で捕捉すると、
上記目的を達成できることを見出して本発明を完成し
た。
【0009】すなわち、本発明は、検体中の測定対象
物質を、それと特異的に反応する磁性を有する物質、お
よび該磁性を有する物質とは異なる部位で該測定対象物
質と特異的に反応する標識された物質と反応させ、磁性
を有し且つ標識された反応生成物を毛管移動させると共
に毛管移動媒体の特定の位置で磁力によって捕捉するこ
とを特徴とする検体中の測定対象物質の特異的検出方法
である。
【0010】更に、本発明は、検体中の測定対象物質
を、それと特異的に反応する磁性を有する物質と、該磁
性を有する物質に対して該測定対象物質と競合的に反応
する標識された物質の存在下に反応させ、反応生成物を
毛管移動させると共に、毛管移動媒体の特定の位置に磁
力によって磁性を有する反応生成物を捕捉することを特
徴とする検体中の測定対象物質の特異的検出方法であ
る。
【0011】また、本発明は、検体中の測定対象物質
を、それと特異的に反応する標識された物質と、該標識
された物質に対して該測定対象物質と競合的に反応する
磁性を有する物質の存在下に反応させ、反応生成物を毛
管移動させると共に、毛管移動媒体の特定の位置に磁力
によって磁性を有する反応生成物を捕捉することを特徴
とする検体中の測定対象物質の特異的検出方法である。
【0012】上記〜の方法に限定されるものではな
いが、本発明を検体中の測定対象物質が特定の抗原であ
り測定対象物質と特異的に反応する物質が抗体であり、
そして毛管移動媒体がクロマトグラフである場合を例に
とって、以下に図1〜4を参照して具体的に説明する。
図1は磁石付きのクロマトグラフを側面から見た図であ
り、図2〜図4は〜の方法による検出結果を正面か
ら見た図である。図1〜図4において、1は検体を入れ
る容器、2はクロマトグラフ媒体、3は裏打ちフイル
ム、4は磁石(ゴム磁石等)、5は吸水体、そして6は
検体を示す。
【0013】まず、の方法について説明すると、容器
1に測定対象物質である抗原(○)を含む通常液状をな
す検体6を入れ、これに抗原(○)と特異的に反応する
磁性を有する抗体(>*)(ここで>は抗体、*は磁性;
以後同じ)、および該磁性を有する抗体(>*)とは異
なる部位で抗原(○)と特異的に反応する標識された抗
体(>☆)(ここで>は抗体、☆は標識;以後同じ)を
加えると、抗原・抗体反応によって、磁性と標識の両方
を有する抗原・抗体反応生成物(*<○>☆)が生成す
る。
【0014】そして、反応生成物(*<○>☆)を含む
検体がクロマトグラフ媒体上を吸水体5の方に向かって
徐々に毛管移動によって吸い上げられてゆくと、図2に
見るように、該磁性を有する反応生成物(*<○>☆)
が磁石4を設けた位置で磁石4の形状にほぼ一致した形
状に磁力によりクロマトグラフ媒体上に捕捉されと共に
その位置で標識(☆)による発現を行う。したがって、
クロマトグラフ媒体上の磁石4位置における該標識の発
現の有無や強弱、色調等を調べることによって、検体6
中における抗原(○)の有無や多少を検出することがで
きる。その場合に、磁石4はどのような形状であっても
よいが、例えば方形、円形、星型、花型等々の任意の形
状にしておくと、その形状に合致して標識が発現し、測
定対象物質の有無の検出がより容易に行われる。また、
磁石として電気磁石等を使用してもよい。
【0015】次に、の方法について説明すると、容器
1に入れた測定対象物質である抗原(○)を含む検体6
に、抗原(○)と特異的に反応する磁性を有する抗体
(>*)と、該磁性を有する抗体に対して抗原(○)と
競合的に反応する標識された抗原(●☆)(ここで●は
抗原、☆は標識;以後同じ)を加えると、競合を伴った
抗原・抗体反応によって、磁性を有する反応生成物(○
>*)、および磁性と標識の両方を有する反応生成物(*
<●☆)の2者が生成する。
【0016】そこで、これらの反応生成物を含む検体が
クロマトグラフ媒体上を吸水体5の方に向かって徐々に
毛管移動によって吸い上げられてゆくと、図3に見るよ
うに、磁石4を設けた位置に、上記で生成した2つの反
応生成物(○>*)と(*<●☆)の両方が磁性を有して
いるため、両者が磁力によって捕捉される。この場合
に、検体6中に抗原(○)が存在しない場合には、磁性
のみを有する反応生成物(○>*)は形成されず、磁性
と標識の両方を有する抗原・抗体反応生成物(*<●
☆)のみが形成され、それが磁石4のある位置に捕捉さ
れてその標識の発現が強くなる。これに対して、検体6
中に抗原(○)が含まれる場合には、標識を持たず磁性
のみを有する反応生成物(○>*)も磁石4のある位置
に捕捉される結果、その位置における標識の発現の程度
が低くなる。したがって、磁石4位置におけるクロマト
グラフ媒体上の標識の発現の強弱によって、検体中の抗
原(○)の有無または多少を検出することができる。
【0017】また、上記の方法について説明すると、
容器1に入れた抗原(○)を含む検体6に、抗原(○)
と特異的に反応する標識された抗体(>☆)および該標
識された抗体(>☆)に対して抗原(○)と競合的に反
応する磁性を有する抗原(●*)を加えると、競合を伴
った抗原・抗体反応により、検体中に標識のみを有する
反応生成物(○>☆)と、磁性と標識の両方を有する反
応生成物(☆<●*)の2者が形成される。
【0018】そこで、これらの反応生成物を含む検体が
クロマトグラフ媒体上を吸水体5の方に向かって徐々に
毛管移動によって吸い上げられてゆくと、図4に見るよ
うに、磁石4を設けた位置に、磁性と標識の両方を有す
る反応生成物(☆<●*)のみが磁力によって捕捉さ
れ、標識のみを有する反応生成物(○> ☆)は磁石4位置に捕捉されず、それよりも上部の位置
で標識による発現を生ずの場合に、検体中に抗原(○)
が存在しない場合には、標識のみを有する反応生成物
(○>☆)は形成されず、磁性と標識の両方を有する抗
原・抗体反応生成物(☆<●*)のみが形成されて、そ
れが磁石4位置に捕捉される結果、標識は主に磁石4位
置のみ発現するが、検体中に抗原(○)が含まれる場合
は、磁石4を経過した位置にも標識による発現が生ずる
ことになり、このことから検体中の抗原(○)の有無や
多少を検出することができる。
【0019】そして、上記〜の方法を実施するのに
使用する、検体中の測定対象物質と特異的に反応する磁
性を有する物質(以後「物質ab*」で示す)、物質ab
*とは異なる部位で測定対象物質と特異的に反応する標
識された物質(以後「物質ab☆」で示す)、物質ab*
に対して測定対象物質と競合的に反応する標識された物
質(以後「物質ag☆」で示す)、および物質ab☆に
対して測定対象物質と競合的に反応する磁性を有する物
質(以後「物質ag*」で示す)は、上記〜の検出を
行うたびごとに形成してもよい。しかしながら、本発明
で使用する上記物質ab*、物質ab☆、物質ag☆お
よび物質ag*はいずれも凍結乾燥等の乾燥処理を施す
ことによって、変質することなく長期間安定に保存する
ことができるので、物質ab*、物質ab☆、物質ag
☆および物質ag*の乾燥物を予め形成し保存しておい
て、実際の検出を行う際にその必要量を使用するように
するのが便利である。したがって本発明は、上記〜
の方法を実施するのに使用する物質ab*、物質ab
☆、物質ag☆および物質ag*の乾燥物、更に、それ
らの乾燥物を上記〜の検査方法が容易に行えるよう
に組み合わせたものを包含する。
【0020】そして、上記した物質ab*、物質ab
☆、物質ag☆および物質ag*を乾燥状態でクロマト
グラフ媒体等の毛管移動媒体の特定位置に予め配置した
検査用キット、更に該検査用キットの特定位置に磁石等
の磁場発生部材を配置した検査用キットは、長期保存が
可能であり、しかもそのまま直ちに上記した〜の検
出を行うのに使用することができて極めて便利であり、
したがって本発明はそのような検出用キットをも包含す
る。
【0021】上記検査用キットの例を図5および図6に
より具体的に説明する。図5および図6において、2は
クロマトグラフ媒体、3は裏打ちフイルム、4はゴム磁
石等の磁石、5は吸水体、および7は試料(検体)採取
部を示す。図5の検査用キットでは、試料採取部7と磁
石4との間の試料採取部7に近い位置8に、測定対象物
質と特異的に反応する物質ab*および物質ab☆の両
方が乾燥状態で同時に施してある。そして、この図5の
検査用キットを使用する場合は、試料採取部7に液状の
検体を施すと、検体中に含まれる成分が液体と共に毛管
移動によって吸水体5の方向に移動し、位置8に到達す
ると検体中の測定対象物質が物質ab*および物質ab
☆の両方と反応して磁性と標識の両方を有する反応生成
物を形成し、その反応生成物が磁石4の位置で磁力によ
って捕捉されて、その位置で標識による発現を生ずる。
【0022】また、図6の検査用キットでは、試料採取
部7と磁石4との間の最初の位置9に物質ab*を乾燥
状態で施し、それと少し離れた第2の位置10に物質a
b☆が乾燥状態で施してある。そして、この図6の検査
用キットを使用する場合は、試料採取部7に液状の検体
を施すと、検体中に含まれる成分が液体と共に毛管移動
によって吸水体5の方向に移動し、位置9に到達すると
検体中の測定対象物質が物質ab*と反応して磁性を有
する反応生成物を形成し、その反応生成物が毛管移動に
より更に吸水体5へと移動すると、位置10において更
に物質ab☆と反応して磁性と標識の両方を有する反応
生成物を形成し、その反応生成物が磁石4の位置で磁力
によって捕捉されて、その位置で標識による発現を生ず
る。
【0023】上記した検査用キットにおいて、検出に用
いる物質ab*、物質ab☆、物質ag☆および物質a
g*が互いに反応しないときは、クロマトグラフ媒体上
の同じ位置に施しておいても、または離しておいてもよ
い。一方、それらの物質が互いに反応し易い場合は、同
じ位置に施さず、互いに離れた位置に施しておくのが望
ましい。また、該検査用キットにおいて、磁石等の磁場
発生部材は、最初から検査用キットと一体に設けておい
ても、または着脱自在に設けておいても、或いは個別に
準備しておき各々の検査内容等に応じて検出操作時に適
当な磁場発生部材を配置または取り付けるようにしても
よい。
【0024】図5および図6に示した検査用キットは、
ほんの一例であり、本発明はそれに限定されるものでは
ない。検査用キットに用いる毛管移動媒体、吸水体、裏
打ちフイルム等の材質は、この種の検査用キットにおい
て従来から知られているいずれのものを使用してもよ
く、またそれらの形状もストリップ状だけでなく種々の
形状とすることができる。また、磁性を有する物質ab
*および物質ag*と、標識を有する物質ab☆とag☆
とを互いに異なった色にしておくと、検体検査により、
それら複数の色が混ざった種々の色調が得られるので、
その色調を調べることによって測定対象物質の多少や濃
度等を目視等により判定できる。
【0025】そして、本発明の方法は、免疫学的に特異
的に反応する相手が存在する物質(測定対象物質)の検
出に特に有効に使用することができる。該測定対象物質
は、1つまたは2つ以上の免疫学的に活性な部位を有す
る生理学的流体、細胞抽出物、組織抽出物中のどのよう
な構成成分でもよく、例えばペプチド、タンパク質、リ
ポタンパク質、糖タンパク、ステロール、ステロイド、
糖脂質、核酸、酵素、ホルモン、多糖類、アルカロイ
ド、薬物等を挙げることができる。そのうちでも、本発
明は、測定対象物質が特定の抗原または抗体である場合
に有効であり、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、
癌胚抗原(CEA)、ヒト成長ホルモン(HGH)、プ
ロラクチン、エストロゲン、潜血ヘモグロビン、ジゴキ
シン、バルビツール、モルヒネ等の検出に特に有効であ
る。そして、これらの抗原の検出に際しては、それと特
異的に反応することが広く知られている抗体を使用する
ことができる。 また、本発明のおける特異的反応は、免疫学的な抗原・
抗体反応の他にも、DNA・RNAの相互作用や酵素基
質の反応、更にホルモンとリセプターの反応等の一般的
に知られる他の特異的反応であってもよい。
【0026】本発明の上記したおよびの方法で使用
する、検体中の測定対象物質と特異的に反応する磁性を
有する物質、すなわち物質ab*は、例えば磁性ポリス
チレンラテックス、磁性ゴムラテックス等の磁性を付与
した(磁性物質を結合させた)ポリマー微粒子;鉄、コ
バルト、ニッケルまたはそれらの化合物等からなる磁性
物質自体;有機ポリマー、ラテックス自体のスピンを変
えて磁性にした有機磁性ポリマーやラテックス;または
上記のものを組み合わせた物質等;の磁性を有する材料
(通常微粒子)の表面に測定対象物質と特異的に反応す
る物質を物理吸着、化学反応、結合剤により結合等の方
法によって付着させることにより形成することができ
る。また、測定対象物質と特異的に反応する物質がそれ
自体で磁性を有するもの(例えば体内にマグネタイトを
持っている細菌等)の場合は、上記のような磁性付与処
理を行うことなくそのまま直接使用することができる。
また、本発明のの方法で使用する標識された物質(物
質ab☆)に対して測定対象物質と競合的に反応する磁
性を有する物質(物質ag*)も、物質ab*の場合と同
様の方法によって形成することができる。
【0027】更に、本発明の方法により、検体中の複数
種の測定対象物質を同時に検出することも可能である。
その場合には、例えば、検体中の複数の測定対象物質の
各々に特異的に反応する物質を各々準備し、それらに例
えば強さの異なる磁性を付与し、毛管移動媒体にも各々
の磁性に適合した複数の磁場を位置をずらして設けてお
き、毛管移動によって各磁場に反応生成物(例えば上記
した抗原・抗体反応生成物)の各々を別々に捕捉するよ
うにするとよい。
【0028】測定対象物質と特異的に反応する物質また
は測定対象物質と競合的に反応する物質に付ける標識と
しては、イムノアッセイ等のこの種の検出方法において
通常使用されている標識のいずれもが採用でき、例えば
放射性物質、酵素、蛍光物質、色素等による標識を挙げ
ることができる。特に、色素標識を使用した場合には、
磁場に発現した標識をそのまま直接目視により観察でき
て便利であり、色素標識の例としては金コロイド、銀コ
ロイド等の金属コロイド、セレン等の非金属コロイド、
染料や色素の重合体、着色ラテックス等を挙げることが
できる。
【0029】また本発明においては、標識された物質
(物質ab☆または物質ag☆)を使用せずに、検体中
の特定物質をそれと特異的に反応する磁性を有する物質
(物質ab*)と反応させ、その磁性を有する反応生成
物を毛管移動させると共に毛管移動媒体の特定の位置で
磁力によって捕捉する方法を採用することが可能であ
り、この場合には、標識がないために該特定物質は検出
できないものの、該特定物質を毛管移動媒体の特定位置
に磁力によって捕捉し分離することが可能になる。そし
て、磁力によるこのような捕捉・分離方法を使用した場
合には、検体中に含まれていて特定の測定対象物質の検
出に妨害となる他の特定の物質を予め分離することがで
き、測定対象物質の検出をより精密に行うことが可能に
なる。
【0030】そして、本発明において、上記〜の方
法の一つと上記の方法を組み合わせた場合には、検体
中の測定対象物質の検出・測定と検体中の分離対象物質
の分離を一つの操作で同時に行うことができる。具体的
には、例えば、検体中の測定対象物質と分離対象物質の
各々に特異的に反応する物質を各々準備しそれらに強さ
の異なる磁性を各々付与しておき、同時に測定対象物質
とのみ特異的に反応する標識された物質を準備し、毛管
移動媒体に各々の磁性に適合した2つの磁場を位置をず
らして設けておき、毛管移動によって一方各磁場には磁
性を有し且つ標識された測定対象物質の反応生成物を捕
捉し、もう一方の磁場には磁性を有する分離対象物の反
応生成物を捕捉することによって、検体中の測定対象物
質を検出・測定すると共に、検体中の分離対象物を同時
に分離することができる。以下に本発明を実施例により
具体的に説明するが、本発明はそれにより限定されな
い。
【0031】
【実施例】
《実施例 1》[上記の方法によるHCGの検出試
験]磁性ポリスチレン粒子の調製 Polyscience Inc.製の磁性ポリスチレン粒子を蒸留水
4mlに懸濁し、Advanced Magnetic Inc.製のBioMagR
で30秒処理し、凝集した粒子を除去し、更に10分間
処理して磁性ポリスチレン粒子を沈殿させて回収した。
【0032】磁性を有する抗HCGポリクロナール抗体
(PoAb)の調製 上記で調製した磁性ポリスチレン粒子の沈殿物100m
gにPoAb0.1mg/ml50mM炭酸緩衝液(pH9.
5)を1ml加え、4℃で一昼夜震盪して、磁性ポリス
チレン粒子表面にPoAbを物理吸着させた後、遠心分離を
行って磁性を有するPoAbを回収した。
【0033】金コロイド標識を有する抗HCGモノクロ
ナール抗体(MoAb)の調製 蒸留水1リットルを80℃に加熱して、これにHAuCl
4 0.1g/10ml蒸留水の溶液を加えた。水酸化カ
リウムでpHを4.0〜4.5に調節したリンゴ酸0.2
g/20ml蒸留水の溶液を急速に加えて激しく撹拌し
た。30〜90秒以内に溶液の色が黄白色から赤褐色に
変化して、金コロイドヒドロゾルが形成された。80℃
で更に1時間加熱した後、室温に冷却して、遠心分離し
て金コロイドヒドロゾルを分取した。MoAb 15μg/
ml 3mMリン酸緩衝液(pH8.0)中に上記で調製
した金コロイドヒドロゾルを光波長530nmにおける
吸光度A530(以後同様に標記する)が1.0になるよう
に加えて一昼夜震盪してMoAbに金コロイドを吸着させた
後、遠心分離を行って金コロイドで標識されたMoAbを回
収した。
【0034】検査用キットの作成 図1に示すように、厚さ50μmのポリエチレンテレフ
タレート製の裏打ちフイルム4にナイロン・テトロン混
紡織物(厚さ250μm)からなる毛管移動媒体2を貼
付けた幅8mm、長さ50mmの細長いストリップの上
部にセルロース濾紙からなる縦×横×厚さ=20mm×
20mm×5mmの吸水体5を取り付け、また該ストリ
ップの下端から約20mmの位置で裏打ちフイルム側に
幅×長さ×厚さ=8mm×1mm×1mmのゴム磁石4
(パイロット社製;マグシート)を取り付けて検査用キ
ットを作成し、この検査用キットを複数個用意した。
【0035】HCGの検出試験 1%ウシ血清アルブミン(BSA)0.1Mリン酸緩衝
液(pH7.0)1mlに、上記で調製した磁性を有す
るPoAbをA450が1.0になるように加え、更にこの液に
上記で調製した金コロイドで標識されたMoAbをA530
1.0になるように加えた液を3つ準備した。 そのうち、第1の液にはHCGを50mIU/ml、第
2の液にはHCGを500mIU/ml加え、そして第
3の液にはHCGを加えないで検査用の液(検体)をつ
くり、各検査用液を図1に示した容器1の各々に区別し
て入れた。上記で作成した検査用キットを、HCGを含
有するまたは含有しない上記の検査用液を入れた容器1
の各々に、その下端から4mmまでが液中に浸かるよう
にして5分間浸漬した。その後、各検査用キットを容器
1から取り出して、磁石4を取り付けた位置における着
色(紫色)の有無を目視により観察したところ、下記の
表1に示す結果を得た。
【0036】
【表1】 HCG濃度(mIU/ml) 0 50 500 判 定 結 果 着色なし 薄紫色に着色 濃紫色に着色
【0037】上記表1の結果から、本発明の方法による
場合は、検体中の測定対象物質(HCG)が極めて簡単
な操作で、感度よく検出できることがわかる。
【0038】《実施例 2》[上記の方法によるHC
Gの検出試験]酵素(ペルオキシダーゼ)で標識したHCGの調製 ペルオキシダーゼ(POD)にモル比で10倍のN−サ
クシンイミジルー3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネ
ート(SPDP)を0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)
中で30℃で30分反応させた後、0.1Mクエン酸緩
衝液(pH4.5)中で透析した。次に、ジチオスレイ
トール(DTT)を50mMになるように加えてPOD
に導入したSPDPを還元してSH基を露出させた。次
いで、5mMのEDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.0)を用いて脱塩カラムにかけて過剰のDT
Tを除いて、SH導入PODを調製した。一方、HCG
にモル比で10倍のスルホサクシンイミジル−4−CN
−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシ
レート(S−SMCC)を0.1Mリン酸緩衝液(pH
7.0)中で30℃で30分反応させた後、同じリン酸
緩衝液を使用して脱塩カラムにかけて、マレイミド化H
CGを10mg/mlの濃度で含有する液を調製した。
上記で調製したマレイミド化HCG含有液に、上記で調
製したSH導入PODを5mg/ml以上の割合で混和
し、4℃で一昼夜反応させた。反応物をセファクリルS
−300カラム(ファルマシア社製)を使用して精製し
てPOD標識HCGを得た。
【0039】HCGの検出試験 1%BSA0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)1ml
に、実施例1で使用したのと同じ磁性を有するPoAbをA
450が1.0になるように加え、更にこの液に上記で調製
したPOD標識HCGを0.01μg/mlの割合で加
えた液を4つ準備した。 そのうち、第1の液にはHCGを10mIU/ml、第
2の液にはHCGを100mIU/ml加え、第3の液
にはHCGを1000mIU/ml加え、そして第4の
液にはHCGを加えないで検査用の液(検体)をつく
り、各検査用液を実施例1で使用したのと同じ検査用キ
ットを使用して実施例1と同様にして5分間浸漬した。
その後、各検査用キットを容器1から取り出して、更に
0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)中に5分間浸漬し
てクロマト処理した。次いで、0.015%H22、2,
2'−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリンー6−
スルホン酸)ジアンモニウム塩(ABTS)を含む0.
1Mクエン酸緩衝液(pH4.0)0.1mlを検査用
キットの磁石取り付け位置に相当する毛管移動媒体上に
施して室温で5分間反応させた後、その部分における4
10nmにおける反射吸光度を測定した。その結果を図
7に示す。
【0040】図7の結果から、検体中のHCGの濃度と
410nmにおける反射吸光度とはほぼ一定の直線関係
にあることがわかる。したがって、特定の検査用キット
に対して図7に見るような検量線を予め作成しておき、
該検査用キットを使用して実際の検体を試験した時に得
られた値(反射吸光度)を該検量線に対比することによ
って、実際の検体中のHCGの有無や濃度の検出ができ
る。
【0041】《実施例 3》[図5の検査用キットを使
用したの方法のよるHCGの検出]黄色を有する磁性ポリスチレン粒子の調製 実施例1で使用したのと同じ磁性ポリスチレンラテック
ス0.5mlを精製水4mlに懸濁した後、Advanced M
agnetic Inc.製のBioMagR Separatorを使用して1分間
処理して、重い磁性粒子や磁気量の多い粒子を磁力で吸
引して沈殿させて除去した。上澄み液を分別して容器に
入れ、上記のBioMagR Separatorを使用して更に10分
処理して、磁性を有するポリスチレン微粒子を磁力で集
めて回収した。
【0042】黄色を有する磁性PoAbの調製 上記で回収した磁性を有するポリスチレン微粒子の表面
に実施例1におけるのと同様にしてPoAbを物理吸着させ
た後、遠心分離を行って黄色を有する磁性PoAbを得た。
【0043】青色標識を有するMoAbの調製 アミノ基を有するポリスチレンラテックス粒子(青色)
0.1gを0.1%グルタルアルデヒド水溶液1ml中に
入れて、室温で30分間処理した後、遠心分離して回収
した。これをMoAb 1mg/ml 10mMリン酸緩衝液
(pH8.0)2ml中に懸濁し、室温で2時間反応さ
せた後、1Mグリシン水溶液(pH8.0)を1ml加え
て更に2時間反応させた。遠心分離により反応物を回収
して、1%BSA 0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)
に懸濁させた後、遠心分離して青色標識を有するMoAbを
回収した。
【0044】検査用キットの作成 厚さ50μmのポリエステル製の裏打ちフイルム4にナ
イロン・テトロン混紡織物(厚さ250μm)からなる
毛管移動媒体2を貼付けた幅8mm、長さ80mmの細
長いストリップを用意した。上記で調製した黄色を有す
る磁性PoAbおよび青色標識を有するMoAbをそれぞれA
4501.01、A4201.01になるような量で3%BSA
0.1Mショ糖液に加えた液10μlを、レーヨン不織
布(厚さ150μm、長さ10mm、幅10mm)に含
浸させ、凍結乾燥した後、この不織布を、上記のストリ
ップの左端から10〜20mmの位置に亙って軽く圧着
した。次に、該ストリップの右端部に縦×横=20mm
×20mmのNo.1濾紙からなる吸水体5を取り付
け、また左端には親水性多孔性プラスチックからなる幅
×長さ×厚さ=8mm×40mm×4mmの試料採取部
7を取り付け、更に該ストリップの左端から約50mm
の位置で裏打ちフイルム側に幅×長さ×厚さ=8mm×
2mm×1mmのゴム磁石4(パイロット社製;マグシ
ート)を取り付けて、図5に示した検査用キットを作成
した。
【0045】HCGの検出試験 HCGを各100mIU/ml、500mIU/mlを
加えた液、更にHCGを加えない液の3種類の液を調製
し、上記で作成した検査用キット3個の各々の試料採取
部7に各液を1ml含ませた。5分放置した後、毛管移
動媒体2の磁石4取り付け位置における呈色状態を目視
により観察したところ、下記の表2に示す結果を得た。
【0046】
【表2】 HCG濃度(mIU/ml) 0 100 500 呈色状態 黄色 緑色 ほぼ青色
【0047】上記表2の結果から、測定対象物質と特異
的に反応する磁性を有する物質(物質ab*)と標識を
有する物質(物質ab☆)とを異なった色にしておく
と、検体中の測定対象物質の濃度に応じて磁石位置に発
現する呈色状態が変化すること、したがって濃度の変化
に応じた標準色調表を作成しておくと、その標準色調表
との対比によって、実際の検体中の測定対象物質の濃度
を知ることができることがわかる。
【0048】《実施例 4》[図6の検査用キットを使
用したの方法のよるHCGの検出]検査用キットの作成 ポリエチレンテレフタレート製の裏打ちフイルム4にテ
トロン・ナイロン混紡織物からなる毛管移動媒体2を貼
付けた実施例3で用いたのと同じ細長いストリップ複数
個用意した。該ストリップの左端から10mmの位置に
実施例1におけるのと同様に調製した磁性を有するPoAb
を含有するA450が1.0の1%BSA 0.1Mリン酸緩
衝液(pH7.0)を施し、更に該ストリップの左端か
ら30mmの位置に実施例1におけるのと同様に調製し
た金コロイド標識を有するMoAbを含有するA530が1.0
の1%BSA 0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を施
した後凍結乾燥した。次に、該ストリップの右端部に実
施例3と同様にしてNo.1濾紙からなる吸水体5を取
り付け、また左端には多孔質の親水性試料採取部7を取
り付け、更に該ストリップの左端から約60mmの位置
で裏打ちフイルム側に実施例3と同様にゴム磁石4を取
り付けて、図6に示した検査用キットを作成した。
【0049】HCGの検出試験 HCGを各々0、20、50、100および200mI
U/ml加えた試験液調製し、上記で作成した検査用キ
ットの各々の試料採取部7に各試験液を1ml含ませ
た。5分放置した後、毛管移動媒体2の磁石4取り付け
位置における呈色状態を目視により観察したところ、そ
の検出限界は50mIU/mlであった。
【0050】《比較例 1》実施例4に使用した検査用
キットの磁石4を取り外し、毛管移動媒体2の磁石4の
あった位置に、キット上に施した磁性を有するPoAb量と
等しくなるように極細ニードルを使用してPoAb液を更に
スポット状に施して(PoAb約0.2μg)、比較用の検査
用キットを複数個作成した。この比較用の検査用キット
の各々に、実施例4と同様にしてHCGを各々0、2
0、50、100および200mIU/ml加えた試験
液をその試料採取部7に各1ml含ませた。5分間放置
した後、毛管移動媒体2のPoAbスポットを施した位置に
おける呈色状態を目視により観察したところ、その検出
限界は100mIU/mlであった。
【0051】上記実施例4および比較例1の結果から、
特定の位置に磁石を取り付けた実施例4の本発明の検査
用キットの場合は、磁石のない比較例1の検査用キット
に比べてその検出感度が2倍にもなり大幅に向上するこ
とがわかる。
【0052】
【発明の効果】本発明による場合は、従来のイムノアッ
セイにおけるような測定対象物質および標識体の一方を
ビーズ、マイクロプレート等の固体に固定化して、測定
対象物質と標識体との反応物を固相として未反応の標識
体等を含む液相から分離するか、または測定対象物質と
標識体との反応物を含む液相を未反応の標識体を固定化
した固相から分離するというB/F分離工程が不要であ
り、検体中の測定対象物質を簡単に検出することができ
る。
【0053】また、本発明による場合には、これまで知
られたイムノクロマト法と異なり、検体中の測定対象物
質と特異的に反応する抗体または抗原(大半は抗体)を
標識された抗体または抗原とは別に、クロマトグラフ媒
体上に予め固定化しておくことが不要であるため、毛管
移動媒体(クロマトグラフ媒体)は試料の毛管移動に適
した特性を備えているだけでよく、毛管移動媒体の素材
に対して厳しい要件が不要である。
【0054】更に、本発明による場合には、標識の発現
外形を適宜変更した形で設定でき、測定対象物質とそれ
と特異的に反応する物質は毛管移動媒体上を徐々に移動
しながら長時間に亙って確実に行われるので、測定対象
物質との結合定数が比較的低い物質でも使用でき、しか
も測定対象物質を高感度で検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する磁石付きのクロマトグラフを
側面から見た図である。
【図2】図1の磁石付きのクロマトグラフを使用して、
の方法により検出を行った結果を正面から見た図であ
る。
【図3】図1の磁石付きのクロマトグラフを使用して、
の方法により検出を行った結果を正面から見た図であ
る。
【図4】図1の磁石付きのクロマトグラフを使用して、
の方法により検出を行った結果を正面から見た図であ
る。
【図5】本発明の検査用キットの一例を示す図である。
【図6】本発明の検査用キットの別の例を示す図であ
る。
【図7】実施例2の測定結果を示した図である。
【符号の説明】
1 検体を入れる容器 2 クロマトグラフ媒体 3 裏打ちフイルム 4 磁石 5 吸水体 6 検体 7 試料採取部 8 磁性物質(物質ab*)および標識物質(物質ab
☆)の配置位置 9 磁性物質(物質ab*)の配置位置 10 標識物質(物質ab☆)の配置位置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体中の測定対象物質を、それと特異的
    に反応する磁性を有する物質、および該磁性を有する物
    質とは異なる部位で該測定対象物質と特異的に反応する
    標識された物質と反応させ、磁性を有し且つ標識された
    反応生成物を毛管移動させると共に毛管移動媒体の特定
    の位置で磁力によって捕捉することを特徴とする検体中
    の測定対象物質の特異的検出方法。
  2. 【請求項2】 検体中の測定対象物質を、それと特異的
    に反応する磁性を有する物質と、該磁性を有する物質に
    対して該測定対象物質と競合的に反応する標識された物
    質の存在下に反応させ、反応生成物を毛管移動させると
    共に、毛管移動媒体の特定の位置に磁力によって磁性を
    有する反応生成物を捕捉することを特徴とする検体中の
    測定対象物質の特異的検出方法。
  3. 【請求項3】 検体中の測定対象物質を、それと特異的
    に反応する標識された物質と、該標識された物質に対し
    て該測定対象物質と競合的に反応する磁性を有する物質
    の存在下に反応させ、反応生成物を毛管移動させると共
    に、毛管移動媒体の特定の位置に磁力によって磁性を有
    する反応生成物を捕捉することを特徴とする検体中の測
    定対象物質の特異的検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項の方法を実
    施するのに使用する、検体中の測定対象物質と特異的に
    反応する磁性を有する物質、該磁性を有する物質とは異
    なる部位で該測定対象物質と特異的に反応する標識され
    た物質、該磁性を有する物質に対して該測定対象物質と
    競合的に反応する標識された物質、該測定対象物質と特
    異的に反応する標識された物質および該標識された物質
    に対して該測定対象物質と競合的に反応する磁性を有す
    る物質の各々の乾燥物、またはそれらの乾燥物の組み合
    わせ体。
  5. 【請求項5】 請求項4の乾燥物質を、請求項1〜3の
    いずれか1項の方法を実施し得るように、毛管移動媒体
    の特定位置に予め配置した検査用キット。
  6. 【請求項6】 毛管移動媒体の特定位置に磁場発生部材
    を配置した請求項5の検査用キット。
  7. 【請求項7】 検体中の分離対象物質を、それと特異的
    に反応する磁性を有する物質と反応させ、その磁性を有
    する反応生成物を毛管移動させると共に毛管移動媒体の
    特定の位置で磁力によって捕捉し分離することを特徴と
    する検体中の分離対象物質の分離方法。
  8. 【請求項8】 請求項7の分離対象物質が測定対象物質
    と異なる請求項1〜7のいずれか1項による測定対象物
    質の検出方法、およびこれに関する検出試薬、キットお
    よび装置。
JP24021691A 1991-08-28 1991-08-28 検体の特異的検出および特異的分離方法 Pending JPH0552849A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24021691A JPH0552849A (ja) 1991-08-28 1991-08-28 検体の特異的検出および特異的分離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24021691A JPH0552849A (ja) 1991-08-28 1991-08-28 検体の特異的検出および特異的分離方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0552849A true JPH0552849A (ja) 1993-03-02

Family

ID=17056180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24021691A Pending JPH0552849A (ja) 1991-08-28 1991-08-28 検体の特異的検出および特異的分離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0552849A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1226434A1 (en) * 1999-10-15 2002-07-31 Wavesense, Llc Systems and methods for performing magnetic chromatography assays
US6753189B1 (en) 1998-06-04 2004-06-22 Mizuho Medy Co., Ltd. Detection apparatus and method for the same
JP2006308572A (ja) * 2005-03-31 2006-11-09 Hitachi Maxell Ltd 貴金属コート磁性粒子を用いた被検物質の検出方法
JP2007040717A (ja) * 2005-07-29 2007-02-15 Kyowa Medex Co Ltd 測定器具及びこれを用いた測定用キット、測定方法並びに測定装置
JP2009204617A (ja) * 1997-05-16 2009-09-10 Abbott Lab 磁気応答性試薬を使用する磁気補助結合アッセイ
JP2012189453A (ja) * 2011-03-10 2012-10-04 Toppan Printing Co Ltd 標識磁性粒子を用いた被検物質の検出方法、及び被検物質の検出システム
WO2014007248A1 (ja) 2012-07-06 2014-01-09 凸版印刷株式会社 被検物質の検出システム
CN113655219A (zh) * 2021-08-20 2021-11-16 中国人民解放军军事科学院军事医学研究院 基于上转发光免疫层析技术的crp和saa的联合定量检测方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009204617A (ja) * 1997-05-16 2009-09-10 Abbott Lab 磁気応答性試薬を使用する磁気補助結合アッセイ
JP2011257413A (ja) * 1997-05-16 2011-12-22 Abbott Laboratories 磁気応答性試薬を使用する磁気補助結合アッセイ
US6753189B1 (en) 1998-06-04 2004-06-22 Mizuho Medy Co., Ltd. Detection apparatus and method for the same
NO331708B1 (no) * 1999-10-15 2012-03-05 Wavesense Llc Systemer og fremgangsmåter for utføring av magnetisk kromatografianalyser
JP2003512625A (ja) * 1999-10-15 2003-04-02 ウェーブセンス エルエルシー 磁気クロマトグラフィ測定法を行うためのシステムおよび方法
EP1226434A1 (en) * 1999-10-15 2002-07-31 Wavesense, Llc Systems and methods for performing magnetic chromatography assays
EP1226434B1 (en) * 1999-10-15 2007-11-28 Wavesense, Llc Methods for performing magnetic chromatography assays
JP4683806B2 (ja) * 1999-10-15 2011-05-18 ウェーブセンス エルエルシー 磁気クロマトグラフィ測定法を行うためのシステムおよび方法
JP2006308572A (ja) * 2005-03-31 2006-11-09 Hitachi Maxell Ltd 貴金属コート磁性粒子を用いた被検物質の検出方法
JP2007040717A (ja) * 2005-07-29 2007-02-15 Kyowa Medex Co Ltd 測定器具及びこれを用いた測定用キット、測定方法並びに測定装置
JP2012189453A (ja) * 2011-03-10 2012-10-04 Toppan Printing Co Ltd 標識磁性粒子を用いた被検物質の検出方法、及び被検物質の検出システム
WO2014007248A1 (ja) 2012-07-06 2014-01-09 凸版印刷株式会社 被検物質の検出システム
CN104487845A (zh) * 2012-07-06 2015-04-01 凸版印刷株式会社 被检物质的检测系统
JPWO2014007248A1 (ja) * 2012-07-06 2016-06-02 凸版印刷株式会社 被検物質の検出システム
US9632077B2 (en) 2012-07-06 2017-04-25 Toppan Printing Co., Ltd. Detection system of test substance
CN113655219A (zh) * 2021-08-20 2021-11-16 中国人民解放军军事科学院军事医学研究院 基于上转发光免疫层析技术的crp和saa的联合定量检测方法
CN113655219B (zh) * 2021-08-20 2023-10-13 中国人民解放军军事科学院军事医学研究院 基于上转发光免疫层析技术的crp和saa的联合定量检测方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU614294B2 (en) Process for immunochromatography with colloidal particles
JP3358737B2 (ja) 改良された投与量応答曲線を有するアッセイ
EP0630475B1 (en) Red blood cell separation means for specific binding assays
US6699722B2 (en) Positive detection lateral-flow apparatus and method for small and large analytes
US7803636B2 (en) Devices for analyte assays with built-in result reporting using recognizable symbols
US7238538B2 (en) Chromatographic assay device and methods
JP2868900B2 (ja) ワンステップ側方流非吸収性アッセイ
EP0323605A2 (en) Chromatographic binding assay devices and methods
CA2041782A1 (en) Conjugate recovery binding assays and devices
KR20070090190A (ko) 시료 효율적인 측면 흐름 면역분석법
KR20050062529A (ko) 자기 입자를 이용한 내부 교정 시스템을 사용하는 유동분석 장치
JPH1073592A (ja) 固相イムノアッセイ法
KR20050062528A (ko) 자기 결합 분석용 자가-교정 시스템
WO2007081330A1 (en) Device and method for immunoassays
US7704753B2 (en) Devices and methods for analyte assays with built-in result reporting using recognizable symbols
EP0962771B1 (en) Detection apparatus and method for the same
WO1994006940A1 (en) Multiple assay test strip devices
JPH0552849A (ja) 検体の特異的検出および特異的分離方法
CA2570383C (en) Filter device, the method, kit and use thereof
JP2002148266A (ja) 検出装置及びその製造方法
JP2000097944A (ja) 免疫クロマトグラフィーのためのキット
CN106526166A (zh) 猪肉中瘦肉精的快速检测
WO2002006837A1 (fr) Proteine a marquage de particules et immuno-chromatographe utilisant ce dernier
JP3841559B2 (ja) 免疫学的検査方法および免疫学的検査キット
JP3930970B2 (ja) 免疫学的検査方法および免疫学的検査用キット