JP2017082988A - ボールジョイント - Google Patents
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Abstract
【課題】閉止部材のベアリング部材に対する予圧量のばらつきや、ベアリング部材が熱膨張に関わらず、ベアリング部材のボールに対する圧力の変化を極力抑え、所定の性能を安定的に維持し得るボールジョイントを提供する。【解決手段】ベアリング部材32の閉止部材37から加圧される端部32aを、半径方向の肉厚がベアリング中最大でボール部34とは接しない筒状の予圧部となし、この与圧部の周面に複数の凹溝43、43a、43bを設けた。【選択図】図5
Description
本発明はボールジョイントに関する。
特許文献1のボールジョイントでは、ベアリング部材は、ボールの頂部およびスタッド連結部を除いて、ボールの球面を覆うように肉厚を均等にしながら球状に形成され、そしてベアリング部材の下面を支承する支承部材または閉止部材の支承面もボールの球面に沿って、凹球面になっている。
ところで、ベアリング部材は、閉止部材によって、ベアリング部材の軸方向に予圧されて、ハウジングに固定されると共に、ボールを所定の圧力をもって回転可能に支持するものであるが、特許文献1のものでは、ベアリングの、ボールと支承部材または閉止部材とに挟まれる部分の体積が充分ではなく、したがってその部分のばね定数は必然的に大きくなる。このため、製作誤差により、閉止部材のベアリング部材に対する予圧量にばらつきがあると、即座に、ベアリング部材のボールに対する圧力が大きく変化してしまう。このことは、ボールジョイントの使用中、ベアリング部材が熱膨張したとき、ベアリング部材のボールに対する圧力が急増することを意味し、ボールジョイントの性能を不安定にさせる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、閉止部材のベアリング部材に対する予圧量のばらつきや、ベアリング部材の熱膨張に関わらず、ベアリング部材のボールに対する圧力の変化を極力抑え、所定の性能を安定的に維持し得るボールジョイントを提供することを目的とする。
本発明の第1側面によれば、軸方向一端を第1開口部、他端を第2開口部として開放した内室を有し、この内室の第1開口部側半周面は第1開口部に向かって小径となる凹球面となっているハウジングと、前記内室に嵌装される合成樹脂製のベアリング部材と、このベアリング部材に首振り可能に保持されるボール部、およびこのボール部から前記第1開口部外方へ突出するスタッド部を有するボールスタッドと、前記凹球面と協働して前記ベアリング部材に予圧を与えながら第2開口部を閉鎖するようにハウジングに固着される閉止部材とを備え、前記ベアリング部材の閉止部材から加圧される端部を、半径方向の肉厚がベアリング中最大で前記ボール部とは接しない筒状の予圧部となし、この与圧部の周面には複数の凹溝を設けたボールジョイントは提供される。
第2側面によれば、第1側面の構成に加え、前記凹溝は、ベアリング部材の内面に開口する潤滑剤保持用の溝もしくはスリットに連続している。
第3側面によれば、第1または第2側面の構成に加え、ボールジョイントは電動パワーステアリング装置用ボールジョイントであって、前記スタッド部およびハウジングの一方はタイロッドに、他方はナックルにそれぞれ連結される。
第1側面によれば、与圧部は、半径方向の肉厚がベアリング中最大でボール部とは接しない筒状をなしているので、与圧部に充分な体積を付与して、与圧部のばね定数を充分に下げることができ、さらに与圧部の周面に複数の凹溝を設けたことにより、与圧部のばね定数を一層下げることができ、その結果、与圧部を閉止部材により加圧したとき、与圧部を介してベアリングに加圧力を効果的に伝達できて、大なる所望の予圧を付与することができるので、ベアリング部材およびボール部間の摩擦抵抗を大なる所望値に設定することができる。
また予圧部のばね定数が充分に低いことは、ベアリング部材の摩耗時、それを予圧部が補償するときでも、ベアリングおよびボール部間の摩擦抵抗の低下が少なく、ボール部の高首振りトルクが安定していることを意味する。
しかも、予圧部周面の複数凹溝は、予圧部の熱膨張時、その膨張分を吸収し、ボール部の高首振りトルクの安定化に寄与する。
第2側面によれば、潤滑剤保持用の溝もしくはスリットとばね定数低下用の凹溝とを連続させることで、ベアリング部材の成形時、全ての溝を一挙に形成することができ、成形性が良い。
第3側面によれば、ボール部の首振りトルクを充分に増大させることができるため、操舵停止時、電動モーターのローターの慣性によるステアリング要素のオーバーシュートを抑制し、操舵フィーリングの向上に寄与し得る。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
図1は車両としての四輪自動車11の構成を概略的に示す。四輪自動車11は操舵輪としての前輪12、12および後輪(図示されず)を備える。車室内のステアリングホイール13は電動ステアリングユニット14を介して前輪12、12に接続される。電動ステアリングユニット14は、ステアリングホイール13に連結されてステアリングホイール13と一体に回転するステアリングシャフト15と、ステアリングシャフト15の下端に結合されたピニオン16と、ピニオン16に噛み合うラック17と、ラック17の左右両端に第1ボールジョイント18を介して連結されたラックエンド19と、ラックエンド19の外端にねじ結合されたタイロッドエンド(タイロッド)21とを備える。個々のタイロッドエンド21の先端は第2ボールジョイント22で前輪12のナックル23に連結される。
前輪12、12は個々に水平軸回りに回転自在にナックル23に支持される。ナックル23は、四輪自動車11の車体に上下方向に揺動自在に連結される。第2ボールジョイント22は、サスペンションストロークに追従したラックエンド19の上下動を吸収する。運転者がステアリングホイール13を操作すると、ピニオン16の回転動作がラック17の線形動作に変換され、前輪12の転舵は実現される。第2ボールジョイント22は、ラックエンド19の転舵動作に従ってタイロッドエンド21に対してナックル23の回転動作を許容する。
電動ステアリングユニット14はステアリングアクチュエーター24を備える。ステアリングアクチュエーター24は電気モーターで構成される。電気モーターの駆動軸はウオームギヤ25を介してステアリングシャフト15に連結される。電気モーターの駆動力は操舵トルクを支援する。こうして操舵の操作にあたって運転手の労力は軽減される。
図2に示されるように、第2ボールジョイント22はハウジング26を備える。ハウジング26は、軸方向一端を第1開口部27、他端を第2開口部28として開放した内室29を有する。この内室29の第1開口部側半周面は第1開口部27に向かって小径となる凹球面31となっている。ハウジング26はタイロッドエンド21に結合される。ハウジング26はタイロッドエンド21に一体化されてもよい。内室29には合成樹脂製のベアリング部材32が嵌装される。ベアリング部材32は弾性を有する。ベアリング部材32は例えばポリアセタールといった樹脂材料から一体成型される。
ハウジング26にはボールスタッド33が連結される。ボールスタッド33は、ベアリング部材32に首振り可能に保持されるボール部34と、このボール部34から第1開口部27外方へ突出するスタッド部35とを備える。スタッド部35は、前輪12を支持するナックル23に結合される。スタッド部35はナックル23に一体化されてもよい。スタッド部35の軸心35aがボール部34の中心34aを通過する。スタッド部35の軸径はボール部34の直径よりも小さい。第1開口部27の内径はスタッド部35の外径よりも大きくボール部34の外径よりも小さい。スタッド部35は第1開口部27を貫通する。第1開口部27はスタッド部35の可動範囲を規定する。ハウジング26の凹球面31は第1開口部27からボール部34の抜け落ちを阻止する。
ハウジング26には閉止部材37が固着される。閉止部材37は、凹球面31と協働してベアリング部材32に予圧を与えながら第2開口部28を閉鎖する。ベアリング部材32は第2開口部28からハウジング26の円筒部26aに嵌め込まれる。円筒部26aの内向き円筒面は、ボール部34の外径よりも大きい径を有する。
ベアリング部材32の端部32aは閉止部材37から加圧される。端部32aは、半径方向にベアリング中で最大の肉厚を有してボール部34とは接しない筒状の予圧部を構成する。閉止部材37をハウジング26の嵌合孔に段部38に当接するまで嵌装することで、ベアリング部材32に規定の与圧量を付与し、その後、ハウジング26の下端部をかしめて閉止部材37を固定する。
図3に示されるように、ベアリング部材32には、ハウジング26の中心軸39を含む垂直面に沿って第1開口部27側の先端から端部32aに向かって延び、ベアリング部材32の内面に開口する潤滑剤保持用のスリット41が形成される。スリット41は、その全長にわたって均一なスリット幅wを有する。ここでは、図4に示されるように、スリット41は中心軸39周りに90度間隔で配置される。ただし、スリット41の間隔は90度に限定されるものではない。
図4および図5に示されるように、端部32a(与圧部)の周面には複数の凹溝43が設けられる。第1実施形態に係る凹溝43は外周の円筒面に形成される。凹溝43は、中心軸39に平行に延びる縦溝であればよい。凹溝43の溝幅をスリット幅wと同じまたはこれよりも狭くすれば、アンダーカットとならないので、離型時の干渉を回避できる。凹溝43の溝深さは全長にわたって均一であればよい。
端部32a(与圧部)は、半径方向の肉厚がベアリング中最大でボール部34とは接しない筒状をなしているので、与圧部に充分な体積を付与して、与圧部のばね定数を充分に下げることができ、さらに与圧部の周面に複数の凹溝43を設けたことにより、与圧部のばね定数を一層下げることができ、その結果、与圧部を閉止部材37により加圧したとき、与圧部を介してベアリングに加圧力を効果的に伝達できて、大なる所望の予圧を付与することができるので、ベアリング部材32およびボール部34間の摩擦抵抗を大なる所望値に設定することができる。特に、凹溝43はボール部34との接触を避けて配置されることから、ベアリング部材32とボール部34との接触面積の減少は回避されることができる。
また予圧部のばね定数が充分に低いことは、ベアリング部材32の摩耗時、それを予圧部が補償するときでも、ベアリング部材32およびボール部34間の摩擦抵抗の低下が少なく、ボール部34の高首振りトルクが安定していることを意味する。
しかも、予圧部周面の複数の凹溝43は、予圧部の熱膨張時、その膨張分を吸収し、ボール部34の高首振りトルクの安定化に寄与する。これによりボール部34の首振りトルクを充分に増大させることができるため、操舵停止時、電動モーターのローターの慣性によるステアリング要素のオーバーシュートを抑制し、操舵フィーリングの向上に寄与し得る。
潤滑剤保持用のスリット41とばね定数低下用の凹溝43とを連続させることで、ベアリング部材32の成形時、全ての溝を一挙に形成することができ、成形性がよい。
図6は第2実施形態に係るベアリング部材32の構造を概略的に示す。ベアリング部材32は凹溝43aを備える。第2実施形態に係る凹溝43aは内周の円筒面に形成される。凹溝43aは、中心軸39に平行に延びる縦溝であればよい。凹溝43aの溝幅をスリット幅wと同じまたはこれよりも狭くすれば、アンダーカットとならないので、離型時の干渉を回避できる。凹溝43aの溝深さは全長にわたって均一であればよい。その他の構成は前述の第2ボールジョイント22と同様である。この第2実施形態では前述の第1実施形態と同様な作用効果が達成されることができる。
図7は第3実施形態に係るベアリング部材32の構造を概略的に示す。ベアリング部材32は凹溝43bを備える。第3実施形態に係る凹溝43bはベアリング部材32の下面に形成される。凹溝43は、中心軸39から遠心方向に半径線に沿って延びる横溝であればよい。その他の構成は前述の第2ボールジョイント22と同様である。この第3実施形態では前述の第1実施形態と同様な作用効果が達成されることができる。
なお、本発明は上述に記載の実施形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、前述のスリット41は、ベアリング部材32の内面に開口する潤滑剤保持用の溝に置き換えられてもよい。また、前述のようにナックル23にスタッド部35が連結されタイロッドエンド21にハウジング26が連結されるだけでなく、タイロッドエンド21にスタッド部35が連結されナックル23にハウジング26が連結されてもよい。
21…タイロッドエンド、23…ナックル、26…ハウジング、27…第1開口部、28…第2開口部、29…内室、31…凹球面、32…ベアリング部材、32a…端部(予圧部)、33…ボールスタッド、34…ボール部、35…スタッド部、37…閉止部材、41…スリット、43…凹溝、43a…凹溝、43b…凹溝。
Claims (3)
- 軸方向一端を第1開口部(27)、他端を第2開口部(28)として開放した内室(29)を有し、この内室(29)の第1開口部(27)側半周面は第1開口部(27)に向かって小径となる凹球面(31)となっているハウジング(26)と、
前記内室(29)に嵌装される合成樹脂製のベアリング部材(32)と、
このベアリング部材(32)に首振り可能に保持されるボール部(34)、およびこのボール部(34)から前記第1開口部(27)外方へ突出するスタッド部(35)を有するボールスタッド(33)と、
前記凹球面(31)と協働して前記ベアリング部材(32)に予圧を与えながら第2開口部(28)を閉鎖するようにハウジング(26)に固着される閉止部材(37)とを備え、
前記ベアリング部材(32)の前記閉止部材(37)から加圧される端部(32a)を、半径方向の肉厚がベアリング中最大で前記ボール部(34)とは接しない筒状の予圧部となし、
この与圧部の周面には複数の凹溝(43、43a、43b)を設けたことを特徴とするボールジョイント。 - 請求項1記載のボールジョイントにおいて、前記凹溝(43、43a)は、ベアリング部材(32)の内面に開口する潤滑剤保持用の溝もしくはスリット(41)に連続していることを特徴とするボールジョイント。
- 請求項1または2に記載のボールジョイントは、電動パワーステアリング装置用ボールジョイントであって、前記スタッド部(35)およびハウジング(26)の一方はタイロッド(21)に、他方はナックル(23)にそれぞれ連結されることを特徴とするボールジョイント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015214197A JP2017082988A (ja) | 2015-10-30 | 2015-10-30 | ボールジョイント |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021116829A (ja) * | 2020-01-23 | 2021-08-10 | 日本発條株式会社 | ボールシート及びボールジョイント |
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2015
- 2015-10-30 JP JP2015214197A patent/JP2017082988A/ja active Pending
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