JP2017082890A - ドレントラップ用ストレーナ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そのようなものには電磁式ドレントラップ、フロート式ドレントラップ、並びにディスク式ドレントラップが挙げられる。
電磁式ドレントラップは、周期的なタイマーやドレンの貯留量検知センサーの反応によって電気・電子的に電磁弁を開閉弁させるものである。
フロート式ドレントラップは、ドレンの貯留量変化に伴うフロートの位置的変化によって機械的に開閉弁させるものである。微小なパイロット孔を有してパイロットエアーによって前記フロートのエネルギー量を増幅しているものも存する。
ディスク式ドレントラップは、変圧室内の圧力変化によってディスク弁を動作させ、機械的に開閉弁させるものである。やはり、微小な穴に圧縮空気を通過させることで変圧作用を得るものも存する。
空気圧縮機の出力が合計して0.75乃至600kWの回路では、前記オリフィスの開口径は、およそ直径1mm乃至8mm程度である。
ドレントラップの弁体は、ゴムや樹脂などの弾性素材より成り、前記オリフィスに押し当てられたり、それから離れたりすることで開閉弁動作をする。
圧縮空気圧回路配管は、鉄などの金属素材よりなるので、錆などの比較的粒径の大きい異物が多分に存する。近年は、オイルフリー型空気圧縮機の軸受けなどに使用される難燃性樹脂素材の微小な破片などが混入することもある。
電磁式ドレントラップは、前記第一の開閉弁不良もしくは第二の開弁不良を発生する可能性が存する。
フロート式ドレントラップは、前記第一の開閉弁不良もしくは第三の開閉弁不良が発生する可能性が存する。
ディスク式ドレントラップは、前記第三の開閉弁不良が発生する可能性が存する。
ドレントラップにおける開閉弁不良は、ドレンが排出不能となるばかりか無駄な圧縮空気を大気に向けて放出させてしまう可能性も存する。
そのような開閉弁不良を避ける目的で、ドレントラップの弁体部の前段にストレーナが配設されている。
圧力がかかる回路に配設され且つ異物を分離・除去するものなので、前記ストレーナ本体の実態としては、対象異物径より小さいろ過孔を有する金属より成るろ材である。ろ過孔より大きい異物は、ストレーナの表面に捕捉され、分離・除去される。
しかしながら、特許文献1かかる技術提案においては、後述の課題を有している。
耐圧性向上を試みると、ろ材の厚みを増やす、ろ過孔の数を減じる、ろ過孔の開口径を少なくするなどの措置が要される。
ところが、金属繊維より成る金網などのろ過孔の開口径が小さくろ過性能の高いものは耐圧強度が弱く、他方、パンチングプレートなど耐圧強度があるものはろ過孔の開口径が大きくろ過性能が低い。
したがって、特に高圧回路では耐圧強度が要されるので、ろ過孔の開口径を大きなものとせざるを得ず、ストレーナの異物補足性能が不足し、ドレントラップの開閉弁不良の発生頻度が大きくなる可能性が存していた。
流入流路側に第一ろ過手段と流出流路側に第二ろ過手段とが密着されて二重構造を為す円筒ろ過手段を具備し、該第二ろ過手段におけるろ過孔の開口径と耐圧強度とが第一ろ過手段のものよりそれぞれ大きい構成を採用する。
以下、本発明にかかるドレントラップ用ストレーナの実施形態を、図面に基づいて説明する。
また、本発明にかかるドレントラップ用ストレーナは、電磁式ドレントラップ、フロート式ドレントラップ並びにディスク式ドレントラップのいずれにも接続可能である。
また、図2及び図4は、本発明にかかるドレントラップの実施形態を示す要部(円筒ろ過手段)概略図である。
図1及び図2は第一実施例であって、円筒ろ過手段の外側よりドレンを該円筒ろ過手段へ導く態様である。
図3及び図4は第二実施例であって、円筒ろ過手段の内側よりドレンを該円筒ろ過手段へ導く態様である。
本発明にかかるドレントラップ用ストレーナ1は、主要な構成として、流入流路23側にろ過孔の開口径の小さい第一ろ過手段31と流出流路側にろ過孔の開口径が大きい第二ろ過手段32とが密着されて二重構造を為す円筒ろ過手段30を具備し、第一ろ過手段31と第二ろ過手段32との耐圧強度は第二ろ過手段32の方が大きい構成となっている。
すなわち、本発明の最要部は、第一ろ過手段31と第二ろ過手段32より成る円筒ろ過手段30である。
なお、開口径の大小については、第一ろ過手段31と第二ろ過手段32とを相対的に比較したものであって、他の基準との比較による大小ではない。
流入口21及び流出口22は、回路配管に接続されるために設けられる。
流入口21及び流出口22の口径は、規格された配管口径があるので、ドレン量に応じたものを選択すればよい。
流入流路23及び流出流路24は、円筒ろ過手段30の前後に配置される流路であり、ドレンを導きまたは排出させるための流路である。
少なくとも流入流路23は、ろ過処理を行う都合上、流速を速めた方が慣性が働いてろ過性能が向上するので、流入口21より単位通過距離当たりの断面積が小さい方がよい。
つば部25は、円筒ろ過手段30の下方水平端部(31c・32c)に接し、該下方水平端部(31c・32c)の内側より外側円周方向に向かって配置される円形水平面である。
つば部25の第一の役割は、円筒ろ過手段30が垂直上方より下方へ向けられた力によって固定される際の「受け」である。
つば部25の第二の役割は、第一ろ過手段31の表面に捕捉された異物が油分などと共に重力で下がってきた際に堆積可能な場所とすることである。異物が仮に堆積可能な場所が存すると、その分、第一ろ過手段31の表面に場所が空くので、ろ過性能低減を防止でき得る。
円筒ろ過手段30は、それぞれ平らな平状体の状態である第一ろ過手段31と第二ろ過手段32が重ね合わされ密着された状態で円筒加工され、さらに左方垂直端部及び右方垂直端部である両垂直端部(31b・32b)を重ね合わせてスポット溶接もしくはレーザー溶接され完成される。
なお、固定手段40内部には円筒ろ過手段30の内側に面して開口される孔部より流入流路23もしくは流出流路24へ連通する流路が配置される。
その理由については後述の第一の理由乃至乃第三の理由による。
より粒径の小さい異物を分離・除去しようとすると、ろ過孔の開口径は小さくする必要があるが、その様にしてしまうと耐圧強度は低下する。
これは、同素材で開口径を小さくし且つ同数の開口孔を配置するのであればむしろ耐圧強度向上とすることができるが、実用上、開口孔はより多く存していた方が目詰防止が図れるので、実用上は開口孔の数を増加させる措置をとることが一般的であることに起因する。
ここで、異物の捕捉性能は低いが耐圧強度が十分なろ過孔32dの開口径が大きい第二ろ過手段32を主構造体として、それに副構造体として、異物の捕捉性能は高いが耐圧強度が低いろ過孔31dの開口径が小さい第一ろ過手段31を密着させて二重構造とすれば、第一ろ過手段31の耐圧強度不足の問題は解決される。
ドレントラップは開閉弁を繰り返すものである。ドレントラップ50が閉弁した時、圧縮空気やドレンは慣性をもつので、瞬間的に回路には設定圧力以上の逆方向圧力が印加される。そのような場合は、当然ながら強度が小さい第一ろ過手段31にもその力が印加されるので、まず強度の強い第二ろ過手段32により逆方向圧力を干渉・分散させてから第一ろ過手段31へ印加させた方が円筒ろ過手段30の破断防止が図られる。
反対に、通常時は第一ろ過手段31より第二ろ過手段32へ回路圧がかかることとなるが、第一ろ過手段31は第二ろ過手段32で支えられ補強されているので、同様に破断防止が図られる。
第二ろ過手段32のろ過孔32dの開口径は、第一ろ過手段31のそれより大きい。したがって、流入流路23側に第二ろ過手段32が配設されて該第二ろ過手段32のろ過孔32dより第一ろ過手段31のろ過孔31dが覗くような態様を採った場合、第二ろ過手段32の板厚とろ過孔32dの開口面積との比である体積部分に異物が溜まってしまうここととなり目詰まりが早くなる。
前述の逆の態様、すなわち流入流路23側に第一ろ過手段31を配設する態様であれば、より表面が滑らかになるので、該第一ろ過手段31のろ過孔31dに付着した遺物は重力やドレンの重みによりつば部25に向けて流れやすい。
ドレントラップ50(電磁式)は、制御手段51による開弁指令によってコイル52を励磁し、弁体53bを有するプランジャー53を引き上げることで開弁動作させてオリフィス54よりドレンを排出させる。
ドレントラップ50は、ドレンの排出が終わると、オリフィス54へ弁体53bを押し付けることにより閉弁する。
また、弁体53bはゴムや樹脂などの弾性体より成る。
本発明は、ドレントラップ50の前段に円筒ろ過手段30が配設され、円筒ろ過手段30によって異物を分離・除去可能であるので、前記空隙や弁体53bと弁座であるオリフィス54へ異物が付着したり噛みこんだりするなどして発生する開閉弁不良の防止が図られる。
したがって、産業上の利用可能性は大であると思料する。
10 カバー
20 ボディー
21 流入口
22 流出口
23 流入流路
24 流出流路
25 つば部
30 円筒ろ過手段
31 第一ろ過手段
31b 垂直端部
31c 下方水平端部
31d ろ過孔
32 第二ろ過手段
32b 垂直端部
32c 下方水平端部
32d ろ過孔
40 固定手段
41 シャフト
42 ボルト
43 ワッシャ
50 ドレントラップ
51 制御手段
52 コイル
53 プランジャー
53b 弁体
54 オリフィス
流入流路側に平板状の繊維状金属より成る金網である第一ろ過手段と流出流路側に平板状の金属に多数のろ過孔が開口されて成る第二ろ過手段とが密着されて二重構造を為す円筒ろ過手段を具備し、該第二ろ過手段におけるろ過孔の開口径と耐圧強度とが第一ろ過手段のものよりそれぞれ大きい構成を採用する。
流入流路側に平板状の繊維状金属より成る金網である第一ろ過手段と流出流路側に平板状の金属に多数のろ過孔が開口されて成る第二ろ過手段とが密着されて二重構造を為す円筒ろ過手段が形成され、該第二ろ過手段におけるろ過孔の開口径と耐圧強度とが第一ろ過手段のものよりそれぞれ大きくすると共に、該円筒ろ過手段は、それぞれ平状体である該第一ろ過手段と該第二ろ過手段とが重ね合わされた上で円筒加工され、さらに両垂直端部同士を重ね合わせてスポット溶接もしくはレーザー溶接されて成る構成となっている。
以下、本発明にかかるドレントラップ用ストレーナの実施形態を、図面に基づいて説明する。
Claims (6)
- 圧縮空気圧回路に接続されるドレントラップ用ストレーナであって、
流入流路側に第一ろ過手段と流出流路側に第二ろ過手段とが密着されて二重構造を為す円筒ろ過手段を具備し、該第二ろ過手段におけるろ過孔の開口径と耐圧強度とが第一ろ過手段のものよりそれぞれ大きいことを特徴とするドレントラップ用ストレーナ。 - 前記流入流路は、流入口より単位通過距離当たりの流路断面積が小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載のドレントラップ用ストレーナ。
- 前記円筒ろ過手段の重力方向である下方水平端部に接し、該下方水平端部の内側より外側円周方向に向かって配置されるつば部が具備されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のドレントラップ用ストレーナ。
- 前記第一ろ過手段が、繊維状金属より成る金網であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のドレントラップ用ストレーナ。
- 前記第二ろ過手段が、金属より成るパンチングプレートであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のドレントラップ用ストレーナ。
- 前記円筒ろ過手段は、それぞれ平状体である前記第一ろ過手段と前記第二ろ過手段とが重ね合わされた上で円筒加工され、さらに両垂直端部同士を重ね合わせてスポット溶接もしくはレーザー溶接されて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のドレントラップ用ストレーナ。
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