以下、本発明を実施するための一実施形態を添付図面を参照しながら詳述する。なお、以下の実施形態は本出願の特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、以下の説明において遊技機の各部の左右方向は、その遊技機の正面に対面する者にとっての左右方向に合わせて説明する。
(遊技機1)
図1に示すように、本実施形態の遊技機1は、遊技場の島設備に設置される矩形枠状の機枠2と、当該機枠2の左枠部に図示略の蝶番により鉛直軸回りに開閉自在に取り付けられる本体枠3と、当該本体枠3の内側に装着され後述の遊技盤100を含む遊技盤ユニット50と、当該遊技盤ユニット50の前側にあって、機枠2の左枠部に鉛直軸回りに開閉自在に取り付けられ、遊技盤100の前面を遊技者が透視し得るようなガラス窓4aが設けられたガラス扉4と、本体枠3の下側に開閉自在に設けられ、遊技球を貯留するための受皿6を形成する前面装飾板5と、当該前面装飾板5の後側に設けられ受皿6に貯留されている遊技球を導入して遊技盤100の後述の遊技領域101へ向けて発射するための図示略の発射装置と、前面装飾板5の前面右部に設けられ遊技球を遊技領域101へ打ち出す際に操作される発射ハンドル7と、前面装飾板5の後側に設けられ遊技状況に応じた効果音を出力するスピーカ8と、ガラス扉4の前側に設けられ遊技の状況に応じて点灯、消灯及び点滅する照明演出を行う図示略の複数のランプとを備える。
図2に遊技機1の背面側を示すように、さらに遊技機1は、遊技全体を統括して制御するための主制御装置10及び当該主制御装置10の命令に基づいて演出に係る制御を行うための副制御装置20と、賞球された球を受皿6に払い出すための賞球払出装置31と、当該賞球払出装置31及び発射装置を制御するための払出発射制御装置30と、各種電気部品に電力を供給するための電源装置40と、例えば液晶ディスプレイからなる演出表示装置150とがそれぞれ設けられる。なお賞球とは、入賞に対する賞品として払い出される遊技球(賞品球あるいは賞球球ともいう)を指し、賞品球が払い出されることを賞球するという。
演出表示装置150は、前側を向く表示画面150a(図3参照)に遊技に係わる情報の各種キャラクタや数字等で構成される演出図柄を変動、停止表示すると共に、そのときの遊技状態に応じた動画を表示することによって遊技を盛り上げる演出を行う。
主制御装置10、副制御装置20及び払出発射制御装置30は、何れもCPUと、コンピュータプログラム及び遊技処理に必要なデータを格納したROMと、CPUがROMに格納されたコンピュータプログラムに従って処理を行うための一時記憶領域であるRAMとを備えるマイクロコンピュータにより構成される。
(遊技盤ユニット50)
図3に示すように、遊技盤ユニット50は、前面に遊技球が流下可能な遊技領域101を形成する遊技盤100と、遊技盤100の後面に固定される不透明な装飾板200と、当該装飾板200の後側に配置される第1役物ユニット300と、当該第1役物ユニット300の後側に配置される第2役物ユニット400と、第1、2役物ユニット300、400を後側から覆うように固定し、遊技盤100の後側に固定されるセット板500とを含む。
セット板500の裏側には、演出表示装置150が配置される。演出表示装置150の表示画面150aに表示される演出図柄1000(図4参照)は、遊技盤100のほぼ中央部に設けられた表示窓103、装飾板200の開口部210、第1役物ユニット300、第2役物ユニット400及びセット板500の開口部510を通して遊技機1の前方から遊技者が視認可能である。
(遊技盤100)
図4、5に示すように、遊技盤100は、アクリル樹脂等の透明な合成樹脂板により正面視ほぼ方形に形成されると共に、前面には、内外のガイドレール102、102によって包囲される円形(楕円形を含む)の遊技領域101が形成される。受皿6に貯留される遊技球は、発射ハンドル7が回転操作されると、発射装置から発射されて、内外のガイドレール102、102により図4に示す矢印X方向へ誘導されて、遊技領域101の左上部から遊技領域101内に打ち込まれて流下する。
遊技盤100の遊技領域101には、そのほぼ中央部に正面視で枠状の装飾枠105が設けられる。当該装飾枠105により囲まれる内側には、演出表示装置150の表示画面150aに表示される演出図柄1000を遊技機1の前方から視認可能とする遊技盤100の表示窓103が形成される。なお、遊技盤100における表示窓103以外の領域は、遊技盤3の前側から遊技機1の内部構造が見えないように、遊技盤100の後面に不透明の装飾板200が固定されることによって模様、彩色等が施される。
さらに、遊技領域101には、表示窓103以外の領域にあって、遊技領域101に打ち込まれた遊技球の流下方向を変化させる図示略の多数の釘及び風車104と、表示窓103の下方にあって、遊技領域101を流下する遊技球のうち装飾枠105の左側部に設けられたワープ孔106に進入したワープ球(遊技球)を導入して左右及び前後方向へ転動可能とするステージ107と、当該ステージ107の下方にあって、遊技領域101を流下する遊技球及びステージ107から落下したワープ球が入賞可能な始動入賞口108と、遊技者にとって相対的に不利な第1状態(遊技球が入賞不能な閉鎖状態)と遊技者にとって相対的に有利な第2状態(遊技球が入賞可能な開放状態)とに変化可能な開閉板を有する大入賞装置109と、遊技領域101の右領域を流下する遊技球が通過可能なスルーチャッカ110と、遊技領域101を流下する遊技球が入賞可能な複数の一般入賞口111と、遊技状態が特定の遊技状態に移行した場合のみ、遊技領域101の右領域を流下する遊技球が入賞し得るように開放可能な特別入賞装置115と、遊技領域101に打ち込まれた遊技球のうち始動入賞口108、大入賞装置109及び特別入賞装置115等の入賞口に入賞しなかったアウト球を遊技盤100の裏面側に排出するアウト口112等が設けられる。
さらには、遊技領域101における装飾枠105の下部には、ワープ孔106に進入したワープ球(遊技球)をステージ107上に誘導する誘導路を形成する装飾枠105の下部を形成する前後の透明案内壁113a、113bが形成される。後の透明案内壁113bは、ワープ球が壁を飛び越えて表示窓103内に入り込むことがないような高さに形成され、かつ中央部分には、図5から理解できるように、ステージ107上を上方から覆い被さるように前方へ突出し、かつ下方へ凹んだ凹部113cが形成される。
主制御装置10は、始動入賞口108への入賞による遊技球の検出に基づいて内部で発生させた乱数に応じて、リーチ、大当たり、確率変動、外れ等の判定、及び副制御装置20へ各種コマンドを送信して遊技機1の全体制御を行う。
副制御装置20は、主制御装置10から送信されるコマンドに基づいて演出表示装置150を制御するための図示略の表示制御装置へコマンドを送信すると共に、各種ランプの点滅制御、スピーカ8から出力する効果音の制御を行い、さらに第1役物ユニット300及び第2役物ユニット400の各種モータを制御することによって、図3に示す後述の第1上側演出役物310、左右の第1下側演出役物320、左右の第2下側演出役物420及び第2上側演出役物(430a、430b)の演出制御を行う。また、表示制御装置は、副制御装置20から送信されるコマンドに基づいて、演出表示装置150の表示を制御する。
より具体的には、演出表示装置150の表示画面150aに表示される演出図柄1000の変動態様は、主制御装置10が副制御装置20に送信する変動パターンコマンド(リーチ、大当り、外れの際に表示画面150aに表示される演出図柄の変動態様を指示するコマンド)によって選択・決定される。主制御装置10は、表示画面150aに表示される演出図柄1000の変動態様を指示する変動パターンコマンドと、演出図柄1000の停止図柄の組み合わせを指示する演出図柄指定コマンドとを副制御装置20に送信する。副制御装置20は、変動パターンコマンドと、当該変動パターンコマンドと演出図柄指定コマンドとに基づいて作成した表示用コマンドとを表示制御装置に送信する。変動パターンコマンドを受信した表示制御装置は、演出表示装置150に対して、変動パターンコマンドで指定される変動時間の間、指定の演出動作を行うことを指示する。
なお、「リーチ」とは、複数の図柄列(通常は3列)から構成される演出図柄1000を用い、2列の図柄列を先に停止させ、既に停止表示されている表示結果が当たり図柄(同一の図柄)の組み合わせ(大当たり図柄の組み合わせ)となる条件を満たして最終停止図柄の停止に期待をもたせる演出のことであり、また「リーチアクション」とは、「リーチ」時の一連の演出のことである。
受皿6に貯留されている遊技球が発射装置により発射され、遊技領域101に打ち込まれた遊技球が始動入賞口108に入賞すると、これを契機に、主制御装置10により実行される抽選の結果、所定の変動パターンに基づいて、演出表示装置150の表示画面150aに演出図柄1000を所定の演出態様で表示演出を行い、「リーチ」状態になった場合には、第1上側演出役物310、左右の第1下側演出役物320、左右の第2下側演出役物420または第2上側演出役物(430a、430b)を表示画面150aの前側に出現させる等の「リーチアクション」演出を行う。そして、変動時間経過後に所定の演出図柄1000の組合せ、例えば、左、中、右図柄に同一の図柄が揃って停止表示して確定表示した場合には、大当り状態を生起させて、「リーチアクション」と異なる演出で第1上側演出役物310、左右の第1下側演出役物320、左右の第2下側演出役物420または第2上側演出役物(430a、430b)を作動させると共に、大入賞装置109を第1状態から第2状態に変化させる。
大入賞装置109は、遊技が大当り遊技状態となって第2状態に変化すると、前面に設けた開閉板が開放し、大入賞装置108内に設けた図示略の入賞センサは、遊技球が10個入賞したことを検知するか、または開閉板が開放してから30秒が経過すると閉鎖する。また開放している最中、大入賞装置109内に設けた図示略の特定領域センサが遊技球の入賞を検出した場合には、開閉板が閉鎖後に再度開放する。これを最大15回まで繰返し可能に設定してある。これにより、大当り遊技状態のときには、第2状態にある大入賞装置109に多数の遊技球が入賞可能となり、賞球払出装置31から賞球として大量の遊技球が短時間に受皿6に払い出される。
(第1役物ユニット300)
図3に示すように、第1役物ユニット300は、遊技盤100の裏面に固定される装飾板200の裏面と第2役物ユニット400の前面との間に配置され、矩形枠状のベース部材330と、当該ベース部材330の上側に配置される第1上側役物サブユニット301と、ベース部材330の下部に配置される左右の第1下側役物サブユニット302とを備える。
なお、第1役物ユニット300は、一部構成を除いて左右対称の構成であるので、以下の説明においては、左右対称部分については左側の構成について記載し、右側の構成については必要に応じて省略するか、または括弧内に記載する。
(第1上側役物サブユニット301)
図3、6に示すように、第1上側役物サブユニット301は、演出表示装置150の表示画面150aの前面に沿って上下動可能な正面視ハート状の第1上側演出役物310と、ベース部材330の左右両側に左右の縦プレート332を介して固定される上下方向を向く左右のガイド棒334、334と、左右のガイド棒334、334により上下方向へ移動可能に支持されると共に、第1上側演出役物310の後側に固定される左右方向へ長い連結プレート340及び装飾プレート350と、第1上側演出役物310を動作させる動力を出力可能な左右の第1上側駆動機構360、360と、左右の第1上側駆動機構360、360の動力を第1上側演出役物310に伝達するための左右の可動アーム370、370とを有する。
図3、6に示すように、第1上側演出役物310は、演出図柄1000に関連する演出情報(例えば0〜9の数字)または遊技状態に係る遊技情報を表示可能な例えば7セグメントLEDにより構成される表示部312を有し、図7に示すように、裏面側には左右の可動アーム370がそれぞれ連結される左右方向を向く左右の長孔311が設けられる。
後述するように、左右の可動アーム370が下方へ所定角度回転すると、第1上側演出役物310は、表示窓103の上辺103a近傍で、かつ上辺103aよりも上側の表示窓103外へ退避して装飾枠105の上部分の後側に隠れて遊技者から実質的に視認不能な待機位置(例えば図12に示す位置)から降下し表示画面150aの前面のほぼ中央部分に移動することで表示窓103内に出現して遊技者が視認可能な第1出現位置(例えば図13に示す位置)、及び第1出現位置よりも降下し表示窓103の下辺103b近傍まで移動して遊技者が視認可能な第2出現位置(図14に示す位置)、及びその逆へ移動して各位置に停止する。すなわち、第1上側演出役物310は、待機位置から第2出現位置またはその逆へ移動する場合には表示画面150aを上から下または下から上へ向けて縦断するような演出動作を行う。
なお、表示窓103の上辺103aは、装飾枠105によりその内側に形成される表示窓103、すなわち開口の上縁であって、下向きの縁部分を指し、同じく下辺103bは、装飾枠105の下部を形成する透明案内壁113bにおける凹部113cの底縁を含む上向きの縁部分を指す。
図6に示すように、連結プレート340は、強度的に優れた金属板により形成されると共に、重量軽減を図るため表面には所定の模様を呈する打抜き加工が施され、長手方向の中央部が第1上側演出役物310の裏面側に固定される。連結プレート340の左端部は、左右方向へ遊びが生じないようにスライダ336を介して左のガイド棒334に上下方向へ移動可能に支持され、また同じく右端部は、左右方向へ遊びが生じるようにスライダ338を介して右のガイド棒334に上下方向へ移動可能に支持される。
図9に示すように、左のスライダ336は、連結プレート340の左端部に固定され、ガイド棒334が前後方向へがた付き(遊び)が実質的に生じないようにスライド可能に挿入されるケース336aと、ケース336a内に前後方向を向く軸回りに回転可能に枢支される4個のローラ336bとを含んで構成される。4個のローラ336bのうち左側の上下2個のローラは、ケース336aの上下動に伴ってガイド棒334の左側を向く面に接触しつつ回転可能であり、また4個のローラ336bの右側の上下2個のローラは、左側の上下2個のローラとにより、ガイド棒334を左右方向から挟み込むことにより、ケース336aがガイド棒334に対して相対的に左右方向へがた付き(遊び)が実質的に生じないように、ガイド棒334の右側を向く面に接触しつつ回転可能である。
右のスライダ338は、連結プレート340の右端部に固定され、ガイド棒334が左右方向へがた付き(遊び)があり、前後方向へがた付き(遊び)が実質的にないようにスライド可能に挿入されるケース338aにより構成される。
上述のように、第1上側演出役物310を支持した連結プレート340を左右のガイド棒334に上下動可能に支持することにより、連結プレート340の左右両端部を前後方向へのがた付きを抑止しつつ、部品精度等により生じるスティックスリップ現象(物体がある面上で滑ったり、引っ掛かったりを繰り返す現象)を防止して、連結プレート340の上下動を円滑して、第1上側演出役物310の円滑な上下動を可能にすることができる。
装飾プレート350は、連結プレート340にその表面を装飾するように固定されると共に、長手方向中央部が連結プレート340と共に第1上側役物310の裏面側に固定される。図6、7に示すように、連結プレート340及び装飾プレート350には、第1上側演出役物310の左右の長孔311に対向する左右の長孔341及び351がそれぞれ設けられる。
第1上側演出役物310は、連結プレート340が左右のガイド棒334に案内されて上下方向へ移動することにより、演出表示装置150における表示画面150aの前面に沿って上下方向へ移動する。
可動アーム370は、左側の端部(右の可動アーム370においては右側の外端部)が前後方向の軸371により第1上側駆動機構360のケース361に枢支されると共に、主に図7に示すように、右側の先端部(右の可動アーム370においては左側の先端部)に設けた前向軸部372が第1上側演出役物310の長孔311、また同じく後向軸部373が連結プレート340の長孔341及び装飾プレート350の長孔351にそれぞれ回転かつ左右方向へスライド可能に挿入係合されることで、第1上側演出役物310及び連結プレート340に連結される。
図8に示すように、可動アーム370における端部には、回転中心(軸371)よりも若干先端部寄りにあって、可動アーム370の長手方向へ延伸する長孔374が設けられる。長孔374には、後述のように、第1上側駆動機構360の出力平歯車367が連結される。
可動アーム370の表面には、第1上側演出役物310が第1または第2出現位置に移動した際、第1上側演出役物310の左右及び演出表示装置150の表示画面150aの前面を装飾するような模様及び彩色が施される
可動アーム370は、第1上側演出役物310が待機位置に停止している場合には右斜め上方(右の可動アーム370においては左斜め上方)を向く待機位置(図12に示す位置)、第1上側演出役物310が第1出現位置に停止している場合には待機位置から下方へほぼ45度回転してほぼ水平方向を向く第1上側演出役物310の第1出現位置に対応する第1作動位置(図13に示す位置)、また第1上側演出役物310が第2出現位置に停止している場合には第1作動位置からさらに下方へほぼ45度回転して右斜め下方(右の可動アーム370においては左斜め下方)へ向く第1上側演出役物310の第2出現位置に対応する第2作動位置(図14に示す位置)にそれぞれ停止する。
図8、12〜14に示すように、第1上側駆動機構360は、ベース部材330の前面に固定されるケース361(図8においては、第1上側駆動機構360の内部構造を明示するため省略)と、ケース361に固定されるモータ362と、ケース361に前後方向を向く軸363により枢支され、モータ362の出力軸に固着されたピニオンギヤ364に噛合して回転可能な中間平歯車365と、ケース361に前後方向を向く軸366により枢支され、中間平歯車365に噛合して回転可能な出力平歯車367とを含んで構成される。なお、本実施形態におけるモータ362にはステッピングモータが採用される。
特に図8に明示されるように、出力平歯車367は、回転中心から遠心方向へ延伸し、かつ先端部の回転面に後方へ突出する連結軸部367aを形成したアーム部367bを有し、第1上側駆動機構360が非作動状態にあるときにはアーム部367bが左斜め上方(右の第1上側駆動機構360においては右斜め上方)を向く可動アーム370の待機位置に対応する待機位置(図8、12に示す位置)に停止している。第1上側駆動機構360が非作動状態にある状態において、モータ362が正転すると、出力平歯車367は、待機位置(図8、12に示す位置)から時計方向(右の第1上側駆動機構360においては反時計方向)へほぼ120度回転し可動アーム370の第1作動位置に対応する第1作動位置(図13に示す位置)に移動して停止する。出力平歯車367が第1作動位置に停止している状態において、さらに、モータ362が正転すると、出力平歯車367は、第1作動位置から時計方向(右の第1上側駆動機構360においては反時計方向)へほぼ90度回転し可動アーム370の第2作動位置に対応する第2作動位置(図14に示す位置)に移動して停止する。そして、出力平歯車367が第2作動位置にある状態でモータ362が逆転すると、出力平歯車367は、第2作動位置から待機位置に戻って停止する。
出力平歯車367の連結軸部367aは、可動アーム370の長孔374に回転かつその長手方向へスライド可能に係合される。詳細には、図8に示すように、可動アーム370が待機位置にあって、第1上側演出役物310が待機位置に停止している状態においては、可動アーム370の回転中心(軸371)と連結軸部367aとを結んだ直線a(図8参照)と、出力平歯車367の回転中心(軸366)と連結軸部367aとを結んだ直線b(図8参照)とが互いにほぼ直角となるように、連結軸部367aが可動アーム370の長孔374に係合される。これにより、第1上側演出役物310及び可動アーム370がそれぞれ待機位置にある場合、第1上側演出役物310、可動アーム370及びその他の要素の自重は、可動アーム370に対して軸371を中心として下方へ回転させようとする力として作用するが、可動アーム370に作用する力のモーメントの作用線は、出力平歯車367の回転中心(軸366)を向く方向、すなわち直線bの方向と同じ方向となるため、出力平歯車367に対しては回転モーメントが作用しない。したがって、特別なブレーキ部品等を使用しないで、第1上側演出役物310を簡単な構造で確実に待機位置に停止保持させることができる。さらには、第1上側演出役物310を待機位置に保持するときには、モータ362をブレーキとして励磁させる必要がないため、ノイズ発生を可及的に抑制してハードウェアへの影響を減少させると共に、省電力化を図ることが可能となる。
(第1下側役物サブユニット302)
図6、10及び図11に示すように、左右の第1下側役物サブユニット302は、正面視ハート形状で、第1上側演出役物310よりも小型の第1下側演出役物320と、ベース部材330の下部前面に配置される第1下側駆動機構380とを備える。
第1下側演出役物320は、前面に演出表示装置150の表示画面150aに表示される演出図柄1000に関連する演出情報、例えば0〜9の数字、または遊技状態に係わる遊技情報を表示可能な例えば7セグメントLEDにより構成される表示部322を有し、第1下側駆動機構380の動力により後述のように上下動を行う。
図10、11に明示されるように、第1下側駆動機構380は、ベース部材330の下部前面に固定されるケース381と、ケース381の裏面に固定されるモータ382と、長手方向の中間部が前後方向を向く軸383aによりケース381に枢支されるセクタギヤ383と、左端部(右の第1下側駆動機構380においては右端部)が前後方向を向く軸385aによりケース381に枢支される第1リンク385と、第1リンク385の下方にあって、左端部(右の第1下側駆動機構380においては右端部)が前後方向を向く軸386aによりケース381に枢支され、第1リンク385と共に平行リンク機構を構成する第2リンク386とを含んで構成される。
セクタギヤ383は、モータ382の出力軸に固着されたピニオンギヤ384に噛合し、モータ382の回転により軸383aを中心に上下方向へ所定角度回転する。
第1リンク385は、右端部(右の第1下側駆動機構380においては左端部)が前後方向を向く軸385bにより第1下側演出役物320の下部に回転可能に連結される。第2リンク386は、右端部(右の第1下側駆動機構380においては左端部)が前後方向を向く軸386bにより第1下側演出役物320の下部に回転可能に連結され、中間部が前後方向を向く軸386cによりセクタギヤ383の右端部(右の第1下側駆動機構380においては左端部)に回転可能に連結される。これにより、第1下側演出役物320は、第1リンク385、第2リンク386により構成される四節リンク機構によって、ケース381に上下方向へほぼ直線移動可能に支持される。
モータ382が正転した場合には、当該正転は、ピニオンギヤ384、セクタギヤ383、第2リンク386を介して第1下側演出役物320に伝達される。これにより、第1下側演出役物320は、モータ382の正転により、セクタギヤ383が図10に示す位置から反時計方向(右の第1下側駆動機構380においては時計方向)へ所定角度回転すると、四節リンク機構により、図11に示す位置まで上方し、また図11に示す状態からモータ382の逆転により、セクタギヤ383が時計方向(右の第1下側駆動機構380においては反時計方向)へ所定角度回転すると、四節リンク機構により図10に示す位置に降下する。
(第1役物ユニット300の演出)
通常遊技状態においては、図12に示すように、第1上側演出役物310は、待機位置にあって遊技盤100の装飾枠105の後側に隠れて遊技者から実質的に視認不能な状態にある。可動アーム370、連結プレート340及び装飾プレート350も遊技盤100の表示窓103外に退避して遊技者から実質的に視認不能な位置にある。
また、左右の第1下側演出役物320は、遊技盤100の表示窓103の下側に位置しているが、装飾枠105の下部を形成する透明案内壁113bの真後ろに位置しているため、透明案内壁113a、113bを透して視認可能な状態にある。
したがって、通常遊技状態において、第1役物ユニット300に係る要素は、左右の第1下側演出役物320のみが透明案内壁113a、113bを透して視認可能であるだけで、他の要素は遊技者から実質的に視認不能であり、演出表示装置150の表示画面150aに表示される演出図柄1000の視認を遮る要素は存在しない。
通常遊技状態において、遊技領域101に打ち込まれた遊技球が始動入賞口108に入賞し、これを契機に実行される主制御装置10の抽選の結果、「リーチ」が発生し、リーチ演出状態に移行すると、副制御装置20は、第1上側駆動機構360のモータ362が所定数正転するための制御コマンドを送信し、モータ362を正転制御する。
第1上側演出役物310は、モータ362の正転による可動アーム370の下方への回転に伴って、待機位置から降下し図13に示すように表示画面150aの前面のほぼ中央部に位置する第1出現位置に移動して停止する。第1上側演出役物310が第1出現位置にあるときには、モータ362に所定の励磁信号を送信して、第1上側演出役物310が自重で落下しないようにモータ362を制御する。
第1上側演出役物310が第1出現位置に停止した状態においては表示画面150aのほぼ中央部に位置しているため、表示画面150aに表示されている左中右の演出図柄1000のうち中の演出図柄は、第1上側演出役物310により隠されて遊技者から実質的に視認不能となる。その代わりに、中の演出図柄に相当する演出情報を第1出現位置に停止している第1上側演出役物310の表示部312に表示させる等の演出表示が行われる。
さらに、「リーチ」状態が発展して大当りが確定した場合には、モータ362が正転制御され、第1上側演出役物310は、第1出現位置からさらに降下し図14に示す第2出現位置に移動して停止する。第1上側演出役物310が第2出現位置に移動した状態においては、第1上側演出役物310が表示画面150aの演出図柄1000が表示される表示領域から外れた領域で透明案内壁113bの凹部113cに陥入する。この結果、第1上側演出役物310は、左右の第1下側演出役物320間にあって、左右の第1下側演出役物320と共に互いに左右方向へ一列に並ぶ。そして、左右方向へ一列に並んだ第1上側演出役物310及び第1下側演出役物320のそれぞれの表示部312、322には、演出表示装置150の表示画面150aに確定表示される演出図柄1000、またはそのときの大当り係る各種情報が表示される。
(第2役物ユニット400)
図3に示すように、第2役物400ユニットは、第1役物ユニット300の後側に配置され、さらに図15にも示されるように、正面視矩形枠状のベース部材410と、ベース部材410の下部前面に配置され、遊技盤100の表示窓103の下側から当該表示窓103内に出現して遊技の高揚感を演出する左右の第2下側演出役物420を有する第2下側役物サブユニット401と、ベース部材410の上部前面に配置され、遊技盤100の表示窓103の上側から当該表示窓103内に出現して第2下側演出役物420と協動して遊技の高揚感を演出する第2上側演出役物中央部430a及び左右の第2上側演出役物横部430bからなる第2上側演出役物を備える第2上側演出役物サブユニット402とを含む。
なお、第2役物ユニット400は、一部構成を除いて左右対称の構成であるので、以下の説明においては、左右対称部分については左側の構成について記載し、右側の構成については必要に応じて省略するか、または括弧内に記載する。
(第2下側役物サブユニット401)
図15、16に示すように、第2下側役物サブユニット401は、演出表示装置150の表示画面150aの前面に沿って上下動可能な正面視で蝶の羽根を模した左右の第2下側演出役物420と、第2下側演出役物420を上下動させるための動力を出力可能な左右の第2下側駆動機構440と、第2下側駆動機構440の回転運動を直線運動に変換して左右の第2下側演出役物420に伝達するための左右の動力伝達機構450とを備える。
第2下側演出役物420は、内部前面に図示略の複数の光源(例えば発光ダイオード)を内蔵し、図15、16に示すように、裏面側に後述のピニオンキャリア454が噛合する上下方向を向く役物用ラック422及び孔が上下方向へ貫通する上下一対のスラスト軸受部423を有し、外側部に設けたスライド部421がベース部材410の両側部に設けられる上下方向を向くガイドレール部411に上下方向へスライド可能に支持されると共に、裏面がベース部材410の下部に設けた上下方向を向く固定ガイドレール412に後述のように間接的に上下方向へスライド可能に支持され、第2下側駆動機構440の作動をもって、図23に示すように遊技盤100の表示窓103の下側に位置して遊技者から実質的に視認不能とする待機位置(表示窓103の下側)から図24に示すように表示窓103に僅かに出現する第1出現位置及び第1出現位置よりも上昇し表示窓103の上辺103a近傍まで上昇して全体が出現する第2出現位置に移動して各位置に停止する。
図15、16に示すように、第2下側駆動機構440は、モータ441と、モータ441の回転軸442(図17〜19参照)に固着されたピニオン445に噛合し前後方向を向く軸443を中心に回転可能な中間平歯車446と、中間平歯車446に噛合し前後方向を向く軸444を中心に回転可能な出力平歯車447と、ベース部材410に固定され各歯車446、447を支持するケース448とを備える。
動力伝達機構450は、第2下側演出役物420の裏面に配置され、第2下側演出役物450を上下方向へ所定量スライド自在に支持するキャリアプレート451と、当該キャリアプレート451に相対的に上下方向へ所定量スライド可能に連結されるスライダ452と、キャリアプレート451に前後方向の軸回りに枢支されるピニオンキャリア454とを含む。
キャリアプレート451は、正面視で左側縁(右のキャリアプレート451においては右側縁)に出力平歯車447に噛合する上下方向のラック451aを形成し、裏面に固定されたレール458が上下方向を向く中間レール459を介して固定ガイドレール412に上下方向へ移動可能に支持され、上下方向へ延伸する左右の案内棒456、457のうち一方の案内棒456が第2下側演出役物420のスラスト軸受部423に上下方向へスライド自在に挿入されることによって、第2下側演出役物420に相対的に上下方向へ移動可能に連結される。
上述により、第2下側演出役物420は、その裏面がキャリアプレート451、レール458、中間レール459及び固定ガイドレール412を介してベース部材410の下部に上下動可能に支持される。また、キャリアプレート451は、第2下側駆動機構440の出力平歯車447がモータ441の回転軸442により図17において時計方向へ回転した場合には上昇し、また、同じく図19において反時計方向へ回転した場合には降下する。
ピニオンキャリア454は、役物用ラック422及びスライダ452の後述のラック452aが噛合し得るように、キャリアプレート451のほぼ中央部分に前後方向を向く軸回りに回転可能に枢支される。
スライダ452は、役物用ラック422に相対する状態でピニオンキャリア454に噛合する上下方向のラック452a、及び上下方向へ貫通する上下一対のスラスト軸受部452bを有し、当該スラスト軸受部452bにキャリアプレート451に固定された案内棒457が上下方向へスライド自在に挿入されることによってピニオンキャリア454に噛合した状態でキャリアプレート451に上下方向へ相対移動可能に支持される。
なお、スライダ452の上下方向への移動ストロークは、自体に設けた上下方向へ延伸する凹部452cの上下端がケース448に設けた凸状のストッパ部448aに当接することによって、キャリアプレート451の上下方向への移動ストロークのほぼ半分に制限されている。
図23に示すように、第2下側演出役物420が待機位置にある状態(以下、”第2下側演出役物待機状態”と記す)においては、第2下側演出役物420は、遊技盤100の表示窓103の下側にあって、演出表示装置150の表示画面150aから外れて遊技盤100の裏側に隠れている。この状態においては、図17に示すように、第2下側駆動機構440の出力平歯車447は、キャリアプレート451のラック451aの上段部に噛合し、ピニオンキャリア454は、役物用ラック422の上段部及びスライダ452のラック452aの下段部にそれぞれ噛合し、第2下側演出役物420は、上下のスラスト軸受部423のうち下のスラスト軸受部423がキャリアプレート451の下部に当接しキャリアプレート451に対して相対的に下方への移動が阻止された位置にある。スライダ452は、上下のスラスト軸受部452bのうち上のスラスト軸受部452bがキャリアプレート451の上部に当接しキャリアプレート451に対して相対的に上方への移動が阻止された位置にある。
第2下側演出役物待機状態において第2下側駆動機構440のモータ441が正転し、出力平歯車447が図17において時計方向(右の出力平歯車447においては反時計方向)へ回転すると、キャリアプレート451は、スライダ452の凹部452cの下端がケース448のストッパ部448aに当接してスライダ452の上昇移動が阻止されるまで、スライダ452及び第2下側演出役物420と一体になって上昇移動する。
そして、図24に示すように、第2下側演出役物420が第1出現位置に移動すると、そのことが図示略の位置検出センサにより検出され、モータ441は停止制御され、第2下側演出役物420は第1出現位置に停止する。すなわち、第2下側演出役物420は、待機位置から第1出現位置に上昇移動する前半期間においてはキャリアプレート451の上昇移動と同じストロークだけ上昇する。
図24に示すように、第2下側演出役物420が第1出現位置にある状態(以下、”第2下側演出役物第1出現状態”と記す)においては、第2下側演出役物420は、その上部のみが表示窓103の下側から出現し、図18に示すように、第2下側駆動機構40の出力平歯車447は、キャリアプレート451のラック451aの中段に噛合し、スライダ452は、凹部452cの下端がケース448のストッパ部448aに当接することでそれ以上の上昇移動が阻止される。
図24に示す第2下側演出役物第1出現状態からモータ441が正転して出力平歯車447がさらに図18において時計方向(右の出力平歯車447においては反時計方向)へ回転すると、キャリアプレート451は、図18に示すハーフストローク位置から図19に示すフルストローク位置まで上昇移動し、第2下側演出役物420は、図25に示すように、上端が表示窓103の上辺103aに接近してほぼ全体が表示窓103に出現することで演出表示装置150の表示画面150aに表示されている演出図柄1000を前面から覆い隠すような第2出現位置まで上昇移動する。
この場合、キャリアプレート451がハーフストローク位置からフルストローク位置まで上昇移動する後半期間は、スライダ452の上昇移動が阻止されているため、スライダ452のラック452aに噛合しているピニオンキャリア454は、キャリアプレート451の上昇移動に伴って、時計方向へ回転する。さらに、ピニオンキャリア454に噛合している役物用ラック422と実質的に一体である第2下側演出役物420は、ピニオンキャリア454の時計方向への回転に伴って、キャリアプレート451に対して相対的に上昇移動する。
これにより、キャリアプレート451がハーフストローク位置からフルストローク位置まで上昇移動する後半期間は、第2下側演出役物420は、キャリアプレート451の上昇移動+キャリアプレート451に対する相対的上昇移動分だけ上昇移動することから、第2下側演出役物420の上昇ストロークは、キャリアプレート451の上昇ストロークのほぼ1.5倍となる。したがって、キャリアプレート451の上下方向への長さを第2下側演出役物420の移動ストロークよりも短くすることができるため、第2下側役物サブユニット401を小スペース内に配置することが可能となり、かつ第2下側演出役物420を大きく上昇移動させることができる。
(第2上側役物サブユニット402)
図15に示すように、第2上側役物サブユニット402は、ベース部材410の上部前面に配置され、単一の第2上側演出役物中央部430aと、左右一対の第2上側可動横部430bとからなり所定の態様で演出動作して全体形状を変形可能な第2上側演出役物と、第2上側演出役物(430a、430b)を演出動作させるための動力を出力可能な第2上側駆動機構460とを備える。
図20〜22に示すように、上側役物駆動機構460は、ベース部材410の上部前面に配置されるモータ461と、ベース部材410の上部前面に前後方向を向く軸464により枢支され、モータ461の動力により回転する平歯車462とを備え、平歯車462の前側の回転面には、前方へ突出する連結突部463が設けられる。平歯車462は、モータ461の動力により、連結突部463が最上位にある図21に示す待機位置から時計方向へ180度回転して連結突部463が最下位となる図23に示す作動位置、及びその逆へ回転可能である。
図21、22に示すように、第2上側演出役物中央部430aは、正面視で長手方向が左右方向を向く眉型の形状であって、後述の待機位置から出現位置に移動することによって、左右の第2上側演出役物横部430b及び左右の第2下側演出役物420と共同して形成する図24に示すように正面視がハート形状の枠状演出体の上部を形成する。
第2上側演出役物中央部430aは、自体の中央上部に設けたスライド部431の裏面がベース部材410の上部前面中央部に設けられる上下方向のガイド部413に上下方向へ直線移動可能に支持され、スライド部431の左部に設けた左右方向の長孔432に第2上側駆動機構460の平歯車462の連結突部463が平歯車462の回転に伴って左右方向へ移動し得るように係合されることにより、平歯車462が待機位置に停止している場合には図21に示す待機位置に保持され、平歯車462がモータ461の動力により待機位置から作動位置に回転した場合には、待機位置から降下し図23に示す出現位置に直線移動し、また、平歯車462がモータ461に動力により作動位置から待機位置に回転した場合には出現位置から上昇して待機位置に直線移動する。
第2上側演出役物中央部430aは、待機位置にある場合には、図23に示すように、遊技盤100の表示窓103の上側にあって、ほぼ全体が遊技盤100の装飾枠105の裏側に隠れて遊技者から実質的に視認不能であり、出現位置にある場合には、表示窓103の上側から表示窓103内に出現して遊技者から視認可能となる。
図20〜22に示すように、第2上側演出役物横部430bは、前述の枠状演出体の上部の両側を形成するように正面視円弧状であって、右端部(右の第2上側演出役物横部430bにおいては左端部)に設けた後向突部435がベース部材410の上部に設けた左右の長孔414のうち左の長孔414にその長手方向へスライド自在に係合し、長手方向のほぼ中央部分が前後方向の連結軸436により第2上側演出役物中央部430aの左端部(右の第2上側演出役物横部430bにおいては右端部)に所定角度回転自在に連結される。
これにより、左右の第2上側演出役物横部430bは、第2上側演出役物中央部430aが待機位置に停止している場合には、図21に示すように、第2上側演出役物中央部430aと左右方向へ一列に並ぶような姿勢となる待機位置に保持され、第2上側演出役物中央部430aが待機位置から出現位置へ降下した場合には、当該降下に伴って後向突部435が長孔414を長手方向の外側へ移動しつつ後向突部435を中心に下方へほぼ45度回転し、その先端部430b1が第2上側演出役物中央部430aよりも下方へ大きく移動した図22に示す出現位置に移動する。
第2上側演出役物中央部430a及び左右の第2上側演出役物横部430bは、それぞれが待機位置にある場合には、図23に示すように、互いに左右方向へ一列に並ぶような姿勢となることで、遊技盤100の表示窓103の上側に位置して遊技盤100の装飾枠105の裏側に隠れて遊技者から実質的に視認不能であり、またそれぞれが出現位置に移動した場合には、図24に示すように、表示窓103に出現して遊技者から視認可能となると共に、左右の第2上側演出役物横部430bの先端部430b1と第1出現位置に移動した左右の第2下側演出役物420の上端とが互いに当接する。
左右の第2上側演出役物横部430bの先端部430b1と左右の第2下側演出役物420の上端とが互いに当接した場合には、図24に示すように、左右の第2下側演出役物420と第2上側演出役物中央部430aと左右の第2上側演出役物横部430bとが共同して、正面視でハート形状の枠状演出体を形成する。そして、演出表示装置150の表示画面150aに表示される演出情報1000の全ては、枠状演出体により囲まれる。
上述のように、第2上側演出役物(430a、430b)を構成することによって、単一のモータ461で第2上側演出役物中央部430aを直線運動させつつ、左右の第2上側演出役物横部430bを回転運動させてその先端部430b1を大きく移動させることができる。また、第2上側演出役物中央部430a及び左右の第2上側演出役物横部430bが待機位置にある場合には、互いに左右方向へ一列に並ぶ姿勢となって、上下方向の寸法が縮小されるため、第2上側演出役物中央部430a及び左右の第2上側演出役物横部430bを、遊技盤100の表示窓103の上側に形成される狭い空間に遊技者が実質的に視認不能とする待機状態で格納することが可能となる。
(第1役物ユニット300及び第2役物ユニット400の演出)
図26に示すように、通常遊技状態においては、第1上側演出役物310、左右の第1下側演出役物の320、左右の第2下側演出役物420及び第2上側演出役物(430a、430b)は、それぞれが演出表示装置150の表示画面150aの前面から外れて遊技者が実質的に視認不能な待機位置に停止している。但し、左右の第1下側演出役物320は、遊技盤100の透明案内壁113a、113bの後側に位置しているため、透明案内壁113a、113bを透して遊技盤100の前方から実質的に視認可能である。
よって、通常遊技状態においては、演出表示装置150の表示画面150aに表示される演出図柄1000の変動表示及び確定表示を各演出役物310、320、420、430a、430bに遮られることなく視認することが可能であり、かつ左右の第1下側演出役物320の上下動及びその表示部322に表示される演出情報を遊技者は視認可能である。
通常遊技状態において、遊技領域101に打ち込まれた遊技球が始動入賞口108に入賞し、これを契機に、主制御装置10により実行される抽選の結果、表示画面150aに左、中、右の演出図柄1000を所定の演出態様で所定の変動時間だけ表示演出を行った後、「リーチ」状態になった場合には、第2役物ユニット400の第2下側駆動機構440のモータ441及び第2上側駆動機構460のモータ461を起動させ、図27に示すように、第2下側演出役物420を待機位置から第1出現位置、左右の第2上側演出役物中央部430a及び左右の第2上側演出役物横部430bを待機位置から出現位置にそれぞれ移動させ、遊技盤100の表示窓103内にあって、表示画面150の前面にハート形状の枠状演出体を形成し、表示画面150aに表示される演出図柄1000が枠状演出体の内側に形成されるハート形状の演出表示窓403内に表示される。したがって、図27に示す「リーチ」状態においては、通常遊技状態とは異なる形態でハート形状の演出表示窓403に囲まれる表示画面150aに表示される演出図柄1000を表示されることとなり、通常遊技状態と異なる雰囲気で表示画面150aの演出図柄1000の変動表示を楽しむことが可能となる。さらには、この状態において、第1下側演出役物320を上下動させる等の演出を組み合わせても良い。
図27に示す「リーチ」状態からさらに信頼度が高い激アツの「リーチ」状態に発展した場合には、第1役物ユニット300の第1上側駆動機構360のモータ362を起動させ、図28に示すように、第1上側演出役物310を待機位置から第1出現位置に降下移動させ、表示画面150aの前面にあって、左右の第2下側演出役物420及び第2上側演出役物(403a、403b)により形成される枠状演出体のハート形状の演出表示窓403の前側に停止させる。そして、第1出現位置に停止した第1上側演出役物310の表示部312には、表示画面150aに表示されている3列の演出図柄1000のうち中の演出図柄に対応する演出情報または他の演出情報が表示される。
図28に示す状態において、第1上側演出役物310の表示部312に変動表示されていた演出情報の表示が停止し、その結果、大当りが確定した場合には、第1上側駆動機構360のモータ362を起動させ、第1上側演出役物310を第1出現位置からさらに降下させる。これにより、図29に示すように、第1上側演出役物310は、表示画面150aの前側を縦に断ち切って表示窓103の下辺103b近傍で、かつ透明案内壁113bの凹部113c内に陥入する第2出現位置まで降下する。これにより、第1上側演出役物310を、演出表示装置150の表示画面150aの前側を縦断させ、表示画面150aに表示される演出図柄1000の視認を遮ることがない第2出現位置まで降下させることが可能となる。
続いて、大当りが確定し大当り遊技状態に移行した場合には、大入賞装置109の開閉板が開放し、遊技球が入球し易い第2状態に変化する。そして、これとほぼ同時に、第2下側駆動機構440のモータ441を起動させ、左右の第2下側演出役物420は、第2出現位置に停止している第1上側演出役物310の後側を通過して第1上側演出役物310よりも高い位置に上昇する第2出現位置まで移動する。第2下側演出役物420が第2出現位置に移動した形態においては、図30に示すように、左右の第2下側演出役物420が第1上側演出役物310よりも上方にあって、蝶のような形態となる。この状態においては、左右の第2下側演出役物420が演出表示装置150の表示画面150aの前側にあって、表示画面150aの表示領域のほぼ全体を覆い隠し、第1上側演出役物310の表示部312及び左右の第1下側演出役物320の表示部322には、そのときの遊技状態に応じて表示画面150aに表示される演出図柄1000と同一の情報を示す演出情報または大当り時の残りラウンド回数または消化ラウンド回数、または確変か否かが表示される。そして、大当り遊技状態が終了すると、全ての演出役物は、待機位置に戻る。
以上により、本実施形態においては、第1上側演出役物310、第1下側演出役物320、第2上側演出役物(430a、430b)及び第2下側演出役物420の演出動作をもって、多彩な演出を実現することが可能となり、表示画面150aにおける演出図柄100おの表示への注目度の向上を実現することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような種々の変形や変更を施すことが可能である。
第1上側演出役物310を上下方向へ移動可能とした前記実施形態に代えて、表示画面150aの前側を左右方向へ移動可能とする。そして、第1上側演出役物310は、待機位置にあるとき、表示窓103の左右いずれかの一辺の近傍に位置し、第2出現位置に移動する場合には表示画面150aを前側を横切って表示窓103の前記一辺に対向する対向辺の近傍に位置するようにする。さらには、第1下側演出役物320を上下一対として、左右方向へ移動可能な構成とし、第1上側演出役物310が第2出現位置にした場合には、上下一対の第1下側演出役物320の間に介在して、上下方向へ一列に並ぶようにする。
なお、特許請求の範囲に記載した本発明に係る第1役物は、本実施形態の第1上側演出役物310、第2役物は、第1下側演出役物320にそれぞれ相当する。