JP2017077998A - 耐熱構造部材 - Google Patents

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正晴 橘
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Abstract

【課題】酸化雰囲気中であって、かつ高温環境下において長時間使用しても、あるいは、長期間繰り返し使用しても、基材であるカーボン/カーボン材料の強度、剛性の低下が生じない耐熱構造部材の低コストでの提供。【解決手段】耐熱金属材料11とカーボン/カーボン材料13からなる耐熱構造部材10であって、耐熱金属材料11は、外殻のシェル構造をなし、カーボン/カーボン材料13は、外殻のシェル構造の内部に封入された芯部材を構成し、外殻のシェル構造内に、少なくとも水及び/又は炭素酸化物を還元する還元剤を封入した構成の耐熱構造部材10。前記還元剤【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱構造部材に係るものであり、更に詳細には、高温炉内において使用する構造物を構成する耐熱構造部材に係るものである。
各種材料や製品の熱処理や表面処理には、多種多様な高温炉が使用される。 高温炉には、各種材料や製品を連続的に高温処理する連続炉や、各種材料や製品をある量まとめて同時に処理するバッチ炉などの炉があり、更には、大気中で高温処理する大気炉、炉内をガス雰囲気(窒素、水素、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気)にして高温処理する雰囲気炉、炉内を真空にして高温処理する真空炉等がある。
このような高温炉において、各種材料や製品を熱処理したり、コーティング等の表面処理を行う場合、炉内で各種材料や製品を取り扱ったり、炉内の所定空間に各種材料や製品を保持したりするために、種々の構造物が使用される。
このような構造物としては、板状のトレー、棚を構成するフレーム、梁、柱、ハンドリング用のフォーク状構造物、支柱など多種多様な構造物が使用される。
このような構造物は、高温環境下で使用されるため、例えば、耐熱金属材料を使用して前述したような構造物を構築したとしても、温度上昇に伴う構造材料の弾性率の低下に起因して、あるいは高温クリープ等の現象に起因して、使用しているうちに構造物が大きく変形してしまい、極めて短期間で使用できなくなってしまうという問題が生じていた。
このような問題を解決するために、特許文献1では、カーボン/カーボン材料からなる基材の外周にセラミック層を設け、更にセラミック層の外周をステンレスの如き耐熱金属で被覆した耐熱構造部材に係る発明が開示されている。
この耐熱構造部材は、上述したような構成を有しているため、HO、CO、O等が存在する高温環境において繰り返し使用できるものであった。
しかしながら、このような耐熱構造部材を高温環境下で繰り返し使用すると、耐熱構造部材が徐々に変形していき、ついには破壊してしまうという問題が生じていた。
特開平7−196386号公報
発明者らは、上記問題の原因について詳細な調査、研究を行った結果、以下のような事実が明らかになった。
すなわち、カーボン/カーボン材料からなる基材をステンレスの如き耐熱金属で被覆することによって、カーボン/カーボン材料を高温環境下において、HO、CO、O等を含む外部の雰囲気ガスから遮断したとしても、カーボン/カーボン材はもともとポーラスな材料であり、空孔内に、ある程度の酸素と水を包含している。
カーボン/カーボン材料の空孔内に予め含有された酸素や水は、高温環境下において、以下の化学平衡式に示すように、気相のO、H、CO、CO、HO、そして固相のCが関係する化学平衡状態になる。

C+(1/2)O ⇔ CO
CO+(1/2)O ⇔ CO
C+CO ⇔ 2CO
C+HO ⇔ CO+H
CO+HO ⇔ CO+H
そして、耐熱構造部材が加熱、冷却を繰り返されると、上記化学平衡状態も推移し、その都度新たな固相のCが、ガス化していき、どんどん消耗、消失していく。 すなわち、耐熱構造部材が加熱、冷却を繰り返されると、カーボン/カーボン材料のマトリックスおよび強化繊維を構成する炭素が徐々に消耗、消失していくことになる。
このように、カーボン/カーボン材料が消耗、消失していくため、カーボン/カーボン材料の強度、剛性が徐々に失われる。
その結果、上述したように、耐熱構造部材を高温環境下で繰り返し使用するうちに、耐熱構造部材が徐々に変形していき、ついには破壊してしまうという問題に至ることが判明した。
更に、カーボン/カーボン材料の空孔に予め含有されていたHOは、高温環境下に置かれると気化し、その結果、耐熱金属で被覆した空間内の圧力が上昇し、その圧力によって耐熱材料のシーリングが破壊され、耐熱材料の内外に通気性が生じ、これによってカーボン/カーボン材料の酸化消耗が促進されてしまうという問題も生じていた。
本発明は、かかる現状を鑑みてなされたものであり、高温環境下において剛性低下に伴う大変形、および構造強度の低下を生じさせない耐熱構造部材を低コストで提供することを課題とするものであり、更に詳細には、酸化雰囲気中であって、かつ高温環境下において長時間使用しても、あるいは、長期間繰り返し使用しても、基材であるカーボン/カーボン材料の強度、剛性の低下が生じない耐熱構造部材を低コストで提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点に係る発明では、
耐熱金属材料とカーボン/カーボン材料からなる耐熱構造部材であって、耐熱金属材料は、外殻のシェル構造をなし、カーボン/カーボン材料は、外殻のシェル構造の内部に封入された芯部材を構成し、外殻のシェル構造内に、少なくとも水及び/又は炭素酸化物を還元する還元剤を封入した構成の耐熱構造部材とした。
また、本発明の第2の観点に係る発明では、
第1の観点に係るは発明の耐熱構造部材において、還元剤は、少なくとも金属マグネシウム粉末、金属アルミニュウム粉末、鉄粉末、亜鉛粉末のいずれかを含む構成の耐熱構造部材とした。
更に、本発明の第3の観点に係る発明では、
第1又は第2の観点に係るは発明の耐熱構造部材において、耐熱金属材料は、コバルト合金、ニッケル合金、高ニッケル合金、チタン合金、ステンレス合金の中から選択されたものである構成の耐熱構造部材とした。
上述した発明の構成としたことにより、酸化雰囲気中であって、かつ高温環境下において長時間使用しても、あるいは長時間繰り返し使用しても、カーボン/カーボン材料の消耗、消失に伴う強度、剛性の低下が生じない耐熱構造部材を低コストで提供することが可能となった。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる耐熱構造部材の概要を示したものである。 図2は、本発明の第2の実施形態にかかる耐熱構造部材の概要を示したものである。
図に基づき、本発明に係る実施形態について説明する。 図1は、本発明の第1の実施形態にかかる耐熱構造部材10の概要を示したものであって、図中、上の図は、第1の実施形態にかかる耐熱構造部材10の分解斜視図を示したものであり、下の図は、第1の実施形態にかかる耐熱構造部材10の断面図を示したものである。
第1の実施形態に係る耐熱構造部材10は、外殻のシェル構造を成す中空円筒状の耐熱金属材料11と、同じく外殻のシェル構造を成す2つの円板状の耐熱金属材料12−1、12−2と、芯部材を成す円柱状または中空円筒状のカーボン/カーボン材料13と、還元剤(図示せず)とから構成されている。
ここで、耐熱金属材料とは、コバルト合金、ニッケル合金、高ニッケル合金、チタン合金、ステンレス合金等の耐熱性を有する金属材料を言うが、必ずしもこれらの金属材料に限定されるものではなく、使用する温度環境において使用できる程度の耐熱性を有するものであれば、ここで述べた以外の金属材料を使用することもできる。
カーボン/カーボン材料(炭素繊維強化炭素複合材料とも呼ぶ)とは、カーボン繊維(炭素繊維)をカーボン(炭素)マトリックスで固めた複合材料の総称であり、カーボン/カーボン材料の製造方法の代表的なものとして、レジンチャー法またはCVD法がある。
例えばレジンチャー法により板状のC/Cコンポジット材を製造する場合、典型的には以下のような工程をとる。
すなわち、
(1)炭素繊維織物に熱硬化性樹脂を含浸し半硬化させてプリプレグを製造する工程、
(2)上記プリプレグを複数枚重ねて、加熱・加圧し、板状に成形する工程、
(3)上記板状成形体を加熱し炭化処理する工程、
(4)炭化処理した板状成形体にピッチ(又は樹脂)を含浸する工程、
(5)ピッチ(又は樹脂)を含浸した板状成形体を加熱し炭化処理する工程、
(6)板状成形体を更に加熱し黒鉛化処理する工程、
(7)(4)、(5)、(6)の工程を3〜4回繰り返す。
なお、本発明に使用することができるカーボン/カーボン材料13は、ここで説明した製造方法に基づくものに限定されるものではなく、この他の種々の製造方法により製造されたカーボン/カーボン材料13を使用することができる。
本明細書でいう還元剤とは、還元剤自身の酸化により酸素を固定化する作用(脱酸素作用)及び/又は脱水作用のある物質のことをいう。
本発明で使用する還元剤としては、還元剤自身が酸化物となった後、少なくとも耐熱構造部材10が使用される環境温度下では、熱分解を起こさず安定であることが望ましい。
また、本発明で使用する還元剤としては、炭素(C)が酸化反応を開始する温度以下において酸化反応を開始することが望ましく、CO、HOに対して還元作用があることが望ましい。
このような還元剤の例として、金属マグネシウム(Mg)の粉末、金属アルミニュウム(Al)の粉末、あるいは鉄粉末や亜鉛粉末を例示することができ、金属マグネシウム(Mg)の場合、以下のような還元作用を有する。

Mg+HO → MgO+H
2Mg+CO → 2MgO+C
芯部材を成す円柱状または中空円筒状のカーボン/カーボン材料13は、外殻のシェル構造を成す中空円筒状の耐熱金属材料11の中に挿入され、シェル構造を成す中空円筒状の耐熱金属材料11の両端の開口部11−1および11−2には、円板状の耐熱金属材料12−1、12−2が機械的に結合され、中空円筒状のカーボン/カーボン材料13は、シェル構造の内部に封入された状態になっている。
なお、中空円筒状の耐熱金属材料11の中にカーボン/カーボン材料13を挿入する際に、中空円筒状の耐熱金属材料11の中に予め還元剤の粉末を所定量入れておくことが望ましい。
あるいは、カーボン/カーボン材料13の外部に露出した空孔のなかに還元剤の粉末を所定量充填しておき、これを中空円筒状の耐熱金属材料11の中に挿入するようにしても良い。
ここで、カーボン/カーボン材料13と、還元剤が、シェル構造の内部に封入された状態とは、以下のような(1)〜(3)の状態を意味するものである。
(1)シェル構造を成す中空円筒状の耐熱金属材料11並びに円板状の耐熱金属材料12−1、12−2と、芯部材を成す円柱状または中空円筒状のカーボン/カーボン材料13とは、機械的に結合されておらず、芯部材を成すカーボン/カーボン材料13と還元剤は、シェル構造を成す耐熱金属材料11並びに12−1、12−2の内部においてある程度相対的に移動することが可能な状態。
(2)シェル構造を成す中空円筒状の耐熱金属材料11並びに円板状の耐熱金属材料12−1、12−2と、芯部材を成す円柱状または中空円筒状のカーボン/カーボン材料13とは、たとえば、ファスナー等を介して機械的に結合されており、芯部材を成すカーボン/カーボン材料13は、シェル構造を成す耐熱金属材料11並びに12−1、12−2の内部において相対的に移動できない状態。 ただし、還元剤は相対的な移動は可能である。
(3)シェル構造を成す中空円筒状の耐熱金属材料11並びに円板状の耐熱金属材料12−1、12−2と、芯部材を成す円柱状または中空円筒状のカーボン/カーボン材料13とは、機械的に結合されておらず、芯部材を成すカーボン/カーボン材料13に還元剤を加えた外寸法と、シェル構造を成す耐熱金属材料11並びに12−1、12−2の内寸法がタイトに仕上がっているため、芯部材を成すカーボン/カーボン材料13は、シェル構造を成す耐熱金属材料11並びに12−1、12−2の内部において相対的に移動できない状態。 ただし、還元剤は相対的な移動は可能である。
また、シェル構造を成す中空円筒状の耐熱金属材料11と円板状の耐熱金属材料12−1、12−2とは、(1)ファスナーによる結合、(2)ねじ結合、(3)溶接、(4)その他の機械的な接合方法により結合されており、シェル構造を成す中空円筒状の耐熱金属材料11と円板状の耐熱金属材料12−1、12−2との接合部は、気密性を有していても良いし、完全な気密性を有していなくとも良い。 ただし、耐熱構造部10が所定温度以上の高温雰囲気中であって、酸化性雰囲気中において使用される場合には、シェル構造の接合部においてシーリングされていることが望ましい。
以上のような構成の耐熱構造部材10を、各種材料や製品を連続的に高温処理する連続炉や、各種材料や製品をある量まとめて同時に処理するバッチ炉内で使用する構造物の構成要素として使用した場合、高温環境によってシェル構造を構成する耐熱金属材料11の弾性率が低下して大変形を起こすような状況、あるいは、高温クリープ現象によって時間経過に伴って大変形を起こすような状況であっても、芯部材を構成するカーボン/カーボン材料13が構造部材としての強度、剛性を補完するようになり、高温環境下で使用される耐熱構造部材10としての機能を十分に果たすことができる。
なお、カーボン/カーボン材料13は、一般的には、2800℃までの耐熱性を有すると共に、温度上昇に従って強度、弾性率(剛性)が向上するという特性を有しており、本発明における芯部材としては、理想的な材料であると言える。
また、本発明に係る耐熱構造部材10が、高温酸化性雰囲気下で使用されたとしても、シェル構造を構成する耐熱金属材料11、12−1、12−2が存在するため、シェル内部は外気と遮断され、また芯部材を構成するカーボン/カーボン材料13の周囲に封入された還元剤が存在するため、還元剤による還元作用により、前述したような問題を防止することが可能となる。
また、本発明に係る耐熱構造部材10を高温炉内で使用する構造物の要素として使用した場合、炉内で高温処理する各種材料や製品は、カーボン/カーボン材料13の表面に直接接触することはないので、浸炭等の各種材料や製品に悪影響を与える可能性のある反応を防止することもできる。
以上説明したように、本発明に係る耐熱構造部材10は、カーボン/カーボン材料13の表面に、耐酸化被膜を設ける等の高度で、コスト高な技術であって、かつ耐酸化被膜の耐久性にも問題のあるような技術を使用しなくとも、高温酸化性雰囲気下で使用することができ、かつ各種材料や製品に浸炭等の反応が生じないようにすることができる、低コストな耐熱構造部材10を提供することができる。
なお、本発明の第1の実施形態に係る耐熱構造部材10としては、耐熱金属材料11を中空円筒状、耐熱金属材料12−1、12−2を円板状、カーボン/カーボン材料13を円柱状または中空円筒状として説明したが、このような形状の耐熱構造部材10に限定されるものではない。
耐熱構造部材10が全体として、棒状の形状を有するものであれば、本発明の第1の実施形態に係る耐熱構造部材10として使用することができる。 例えば、耐熱構造部材10の断面が、三角形、四角形、多角形、楕円等の任意の形状となるように、耐熱金属材料11、12−1、12−2およびカーボン/カーボン材料13の形状を設定しても良い。
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。 図2は、本発明の第2の実施形態にかかる耐熱構造部材20の概要を示したものであって、図中、上の図は、第2の実施形態にかかる耐熱構造部材20の分解斜視図を示したものであり、下の図は、第2の実施形態にかかる耐熱構造部材20の断面図を示したものである。 本発明に係る第2の実施形態については、本発明に係る第1の実施形態と異なる点についてのみ説明することとし、説明のない点については、第1の実施形態と同様である。
本発明に係る第2の実施形態の耐熱構造部材20が第1の実施形態の耐熱構造部材10と異なる点は、外殻のシェル構造を構成する耐熱金属材料の形状と、芯部材を構成するカーボン/カーボン材料の形状が異なっていることである。
本発明に係る第2の実施形態の耐熱構造部材20では、耐熱金属材料は、外殻のシェル構造を成す上側プレート状の耐熱金属材料21と、同じく外殻のシェル構造を成す下側プレート状の耐熱金属材料22と、芯部材を構成するプレート状のカーボン/カーボン材料23と、還元剤(図示せず)から構成されている。
そして、上側プレート状の耐熱金属材料21、または下側プレート状の耐熱金属材料22のいずれかに、あるいは上側プレート状の耐熱金属材料21と下側プレート状の耐熱金属材料22の両方にプレート状のカーボン/カーボン材料23を封入することができる窪みを設けてある。(図2では、下側プレート状の耐熱金属材料22に、プレート状のカーボン/カーボン材料23を封入することができる窪みを設けてある。)
ここで、カーボン/カーボン材料23が、シェル構造を構成する上側プレート状の耐熱金属材料21と下側プレート状の耐熱金属材料22の内部に封入された状態とは、第1の実施形態において説明したものと同様な状態を意味するものである。 また、還元剤は、例えば、下側プレート状の耐熱金属材料22の窪みの中へ予め所定量入れておくか、あるいは、カーボン/カーボン材料23の外部に露出した空孔のなかに還元剤の粉末を所定量充填しておき、これを下側プレート状の耐熱金属材料22の窪みの中へ入れるようにしても良い。
また、シェル構造を成す上側プレート状の耐熱金属材料21と下側プレート状の耐熱金属材料22とは、(1)ファスナーによる結合、(2)溶接、(3)その他の機械的な接合方法により結合されており、シェル構造を成す上側プレート状の耐熱金属材料21と下側プレート状の耐熱金属材料22との接合部は、気密性を有していても良いし、完全な気密性を有していなくとも良い。 ただし、耐熱構造部材20が高温雰囲気中であって、酸化性雰囲気中において使用される場合に、シェル構造の接合部においてシーリングされていることが望ましい。
以上のような構成の耐熱構造部材20を、各種材料や製品を連続的に高温処理する連続炉や、各種材料や製品をある量まとめて同時に処理するバッチ炉内で使用する構造物の構成要素として使用した場合、高温環境によってシェル構造を構成する上側プレート状の耐熱金属材料21と下側プレート状の耐熱金属材料22の弾性率が低下して大変形を起こすような状況、あるいは、高温クリープ現象によって時間経過に伴って大変形を起こすような状況であっても、芯部材を構成するプレート状のカーボン/カーボン材料23が構造部材としての強度、剛性を補完するようになり、高温環境下で使用される耐熱構造部材20としての機能を果たすことができる。
また、本発明に係る耐熱構造部材20が、高温酸化性雰囲気下で使用されたとしても、シェル構造を構成する上側プレート状の耐熱金属材料21と下側プレート状の耐熱金属材料22が存在するため、シェル内部は外気と遮断され、また芯部材を構成するカーボン/カーボン材料23の周囲に封入された還元剤が存在するため、還元剤による還元作用により、前述したような問題を防止することが可能となる。
また、本発明に係る耐熱構造部材20を高温炉内で使用する構造物の要素として使用した場合、炉内で高温処理する各種材料や製品は、プレート状のカーボン/カーボン材料23の表面に直接接触することはないので、浸炭等の各種材料や製品に悪影響を与える可能性のある反応を防止することもできる。
以上説明したように、本発明に係る耐熱構造部材20は、プレート状のカーボン/カーボン材料23の表面に、耐酸化被膜を設ける等の高度で、コスト高な技術であって、耐酸化被膜の耐久性にも問題のある技術を使用しなくとも、高温酸化性雰囲気下で使用することができ、かつ各種材料や製品に浸炭等の反応が生じないようにすることができる、低コストな耐熱構造部材20を提供することができる。
10、20 耐熱構造部材
11 中空円筒状の耐熱金属材料
11−1、11−2 開口部
12−1、12−2 円板状の耐熱金属材料
13 円柱状または中空円筒状のカーボン/カーボン材料
21 上側プレート状の耐熱金属材料
22 下側プレート状の耐熱金属材料
23 プレート状のカーボン/カーボン材料


Claims (3)

  1. 耐熱金属材料とカーボン/カーボン材料からなる耐熱構造部材であって、
    耐熱金属材料は、外殻のシェル構造をなし、
    カーボン/カーボン材料は、外殻のシェル構造の内部に封入された芯部材を構成し、
    外殻のシェル構造内に、少なくとも水及び/又は炭素酸化物を還元する還元剤を封入したことを特徴とする耐熱構造部材。
  2. 請求項1に記載の耐熱構造部材において、前記還元剤は、少なくとも金属マグネシウム粉末、金属アルミニュウム粉末、鉄粉末、亜鉛粉末のいずれかを含むものであることを特徴とする耐熱構造部材。
  3. 請求項1又は2に記載の耐熱構造部材において、前記耐熱金属材料は、コバルト合金、ニッケル合金、高ニッケル合金、チタン合金、ステンレス合金の中から選択されたものであることを特徴とする耐熱構造部材。


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