JP2017077432A - ヘアアイロン - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者自身の使い勝手がよく、また癖付け等の作業をやりやすいヘアアイロンを提供する。【解決手段】第1加熱面21を有する第1毛髪挟持部12を備えた第1把持部4と、第2加熱面47を有する第2毛髪挟持部42を備えた第2把持部5と、第1把持部4と第2把持部5とを連結する連結部6と、第1加熱面21を加熱する第1加熱部13と、第2加熱面47を加熱する第2加熱部43とを備え、液体を貯留する液体貯留部14と、液体貯留部14に貯留された液体が供給されるチャンバ31と、供給された液体を蒸発させる温度までチャンバ31内を加熱する第3加熱部35とを有する液体蒸発部16と、貯留された液体をチャンバ31に所定量ずつ送る送液ポンプ28と、第1加熱面21又は第2加熱面47の少なくともいずれかに設けられ、チャンバ31内で蒸発した蒸気を放出する放出孔22a〜22hとを備えた。【選択図】図3

Description

本発明は、毛髪にストレートやカール等の形状の癖付けを行うためのヘアアイロンに関する。
従来から、毛髪を加熱してストレートやカール等のような形状の癖付けを行うためのヘアアイロンがある。一般的に、このようなヘアアイロンでは、二つのアームをヒンジで開閉可能に固定して、ヒンジに近い基端側を使用者が把持する把持部とし、ヒンジから遠い先端側を使用者が毛髪に癖付けを行う加熱部となるように構成されている。また、従来のヘアアイロンでは、この加熱部は二つのアームが互いに対向する位置に設けられており、その対向面が毛髪を挟持する挟持面となっている。この挟持面は、アームに内蔵されているヒータ等によって所定温度まで加熱されており、使用者が電源をオンにして毛髪を挟むと、挟持面から毛髪に伝わる熱によって、使用者の毛髪の癖付けを行うことができるように構成されている。
このようなヘアアイロンは、従来から種々の形態のものが知られている。例えば、下記に示す特許文献1に記載されたヘアアイロンでは、受けパイプと押さえパイプとからなるアイロンパイプと、このアイロンパイプを加熱する加熱手段を備え、受けパイプと押さえパイプとの当接面をストレートアイロン面にし、受けパイプと押さえパイプの外周面をカール付け面にしている。また、特許文献1に記載されたヘアアイロンは、受けパイプの先端に水タンクを配置しており、この水タンクがパイプの長さ方向に移動自在に取り付けられている。また、この水タンクにはフェルト状の導水部材が設けられており、使用者がこの水タンクを移動させて加熱手段への導水部材の押し当て強さを調節することによって、水タンクから加熱手段への水の供給量を調節し、蒸気の発生量を調節することができるようにも構成されている。
特許文献2に記載されたヘアアイロンでは、使用者が手に取って毛髪に癖付けを行うとともに、液体を蒸発させて蒸気を発生する携帯用ユニットと、この携帯用ユニットに対して液体を供給するための流体貯留器と、これら携帯用ユニットと流体貯留器とを流体的及び電気的接続して、流体貯留器内に貯留された流体や電気を携帯用ユニットに供給するコードセットとを備えている。
特開2002−345536号公報 特開2012−101056号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたヘアアイロンは、蒸気を発生させる時は使用者が水タンクをパイプの内部に押し込む方向に操作しながらヘアアイロンを使用しなければいけなかったので、操作性がよくないという問題があった。また、この特許文献1に記載されたヘアアイロンは、水タンクの先端に設けられている導水部材の押し当て強さによって水タンクから加熱手段への水の供給量が調節されるので、一定量の水を供給することが難しく、また導水部材の押し当て強さが強くなりすぎると加熱手段が水タンクから供給された水を蒸気にしきれず、加熱された水が液体のまま使用者の毛髪に供給されるおそれがあるという問題もあった。
また、特許文献2に開示されたヘアアイロンは、携帯用ユニットと、流体貯留部と、コードセットとから構成されているため、ヘアアイロンが大型化してしまう上に、毛髪の癖付けを行う時の取り回しが煩雑であり、癖付け等を行う作業をやりにくくなるという問題があった。特に、特許文献2に開示されたヘアアイロンは、毛髪の癖付けを行うために使用する使用者が自分の毛髪の癖付けを行うために使用するには煩雑な作業になりがちであり、思い通りのヘアスタイルにするためには熟練を要するといった問題もあった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、コンパクトで使用者自身の使い勝手がよく、また癖付け等の作業をやりやすいヘアアイロンを提供することを目的とする。
本発明は、
(1)第1加熱面を有する第1毛髪挟持部を備えた第1把持部と、第2加熱面を有する第2毛髪挟持部を備えた第2把持部と、前記第1把持部と前記第2把持部とを連結する連結部と、前記第1加熱面を加熱する第1加熱部と、前記第2加熱面を加熱する第2加熱部とを備えたヘアアイロンであって、液体を貯留するための液体貯留部と、前記液体貯留部に貯留された液体が供給されるチャンバと、前記供給された液体を蒸発させる温度まで前記チャンバ内を加熱する第3加熱部とを有する液体蒸発部と、前記液体貯留部に貯留された液体を前記チャンバに所定量ずつ送る送液ポンプと、前記第1加熱面又は前記第2加熱面の少なくともいずれかに設けられ、前記チャンバ内で蒸発した蒸気を放出する放出孔とを備えたことを特徴とするヘアアイロン、
(2)送液ポンプは、液体貯留部からチャンバ内に対して所定量の液体を送るように構成されている上記(1)記載のヘアアイロン、
(3)放出孔は複数形成されており、チャンバ内で蒸発した蒸気を複数の前記放出孔に分配する分配部を備えた上記(1)又は(2)記載のヘアアイロンを要旨とする。
本発明によれば、第1加熱面を有する第1毛髪挟持部を備えた第1把持部と、第2加熱面を有する第2毛髪挟持部を備えた第2把持部と、第1把持部と第2把持部とを連結する連結部と、第1加熱面を加熱する第1加熱部と、第2加熱面を加熱する第2加熱部とを備え、液体を貯留するための液体貯留部と、液体貯留部に貯留された液体が供給されるチャンバと、供給された液体を蒸発させる温度までチャンバ内を加熱する第3加熱部とを有する液体蒸発部と、液体貯留部に貯留された液体を前記チャンバに所定量ずつ送る送液ポンプと、第1加熱面又は第2加熱面の少なくともいずれかに設けられ、チャンバ内で蒸発した蒸気を放出する放出孔とを備えたので、コンパクトで使用者の使い勝手がよく、かつ使用者の毛髪に対する癖付け等の作業をやりやすくすることが可能になる。また、本発明によれば、使用者の毛髪に対して熱を加える第1加熱部及び第2加熱部とは別に、チャンバ内を加熱するための第3加熱部を備えているので、使用者の毛髪等に対して加える熱を適当なものにしつつ、供給された液体を全て蒸気にして使用者の毛髪に対して放出することができる。したがって、本発明によれば、使用者の毛髪に対する癖付けをより確実にかつ適切に行うことも可能になる。さらに、本発明によれば、送液ポンプが液体を所定量ずつ送るので、蒸気の放出量も所定量ずつ放出され、放出量のバラつきを低減することができる。したがって、本発明によれば、使用者の毛髪に対して所定量ずつの蒸気を放出させることができ、毛髪の全体にわたって潤いを持たせることも可能になる。
本発明に係るヘアアイロンの外観構成を示す外観図である。 本実施の形態に係るヘアアイロンの断面図である。 第1加熱面部及び第2毛髪挟持部の構成を示す部分拡大図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 ヘアアイロンの電気的構成を示すブロック図である。
本発明に係るヘアアイロン1の構成を図面を用いて具体的に説明する。なお、本明細書においては、ヘアアイロン本体2に対して給電コード3が接続されている側を基端側といい、その反対側を先端側という。
図1〜5に示すように、ヘアアイロン1は、ヘアアイロン本体2に給電コード3が接続されて構成されている。給電コード3は、従来から公知のものを任意に選択して用いてよい。また、給電コード3は、ヘアアイロン本体2の基端側から接続されている。
ヘアアイロン本体2は、第1把持部4、第2把持部5及び連結部6を備えている。これら第1把持部4及び第2把持部5は、連結部6と接続されている。また、第1把持部4及び第2把持部5は、連結部6を基端にして、これら第1把持部4及び第2把持部5が閉じている閉状態と、第1把持部4及び第2把持部5が開く開状態との間で、略V字状に拡開や閉塞することが可能となるように連結されている。これら第1把持部4及び第2把持部5は、該第1把持部4及び第2把持部5を相対的に回動させることによって、第1把持部4の先端部である第1先端部7及び第2把持部5の先端部である第2先端部8とを接離することができるように構成されている。なお、第1把持部4及び第2把持部5において連結部6と連結している基端側の所定部分には、第1把持部4及び第2把持部5が互いに拡開する方向に付勢力を付与するスプリング(図示せず)が配設されている。
第1把持部4は、基端側の一端部において連結部6と連結されており、第2把持部5と対向するように配置されている。この第1把持部4は、第1本体ケース11、第1毛髪挟持部12、第1加熱部13、液体貯留部14、送液部15、液体蒸発部16を備えている。
第1本体ケース11は、第1把持部4の外装体を形成するように形成されている。この第1本体ケース11は、第1非連結部17、第1取付部18及び貯留タンク取付部19を有している。第1非連結部17は、第1本体ケース11の基端側に形成されており、連結部6と連結可能な形状に形成されている。なお、第1非連結部17は、第2把持部5に対して第1把持部4が閉じている閉状態と、第2把持部5に対して第1把持部4が開く開状態との間で、略V字状に拡開や閉塞することが可能となるように連結部6に連結することができればよく、その形状は任意に決定してよい。
第1取付部18は、第1本体ケース11の先端部に形成されている。この第1取付部18には、第1毛髪挟持部12が取付固定されている。また、この第1取付部18は、第1毛髪挟持部12を取付固定した時に、該第1毛髪挟持部12を構成する、後述する第3加熱部35等が第1本体ケース11の中に位置することができるような大きさに開口形成されている。なお、この第1取付部18は、第1毛髪挟持部12が取付固定される大きさに開口形成されていればよく、その形状等は特に限定されるものではない。
貯留タンク取付部19は、液体貯留部14を構成する後述する貯留タンク25を配置することができるように形成されている。本実施の形態では、貯留タンク25を嵌め込むことが可能な大きさに形成された凹部として形成されているが、形状や大きさはこれに限定されるものではない。また、貯留タンク取付部19には、貯留タンク25に貯留する液体を貯留タンク25外に送り出すための送出部(図示せず)も形成されている。
第1毛髪挟持部12は、第2把持部5に備えられている後述する第2毛髪挟持部42との間に使用者の毛髪を挟んで挟持するためのものである。この第1毛髪挟持部12は第1加熱面21、第1〜第8放出孔22a〜22h及び櫛部23を有している。第1加熱面21は、使用時には使用者の毛髪に触れるように形成されている。この第1加熱面21は、後述する第1加熱部13によって加熱されるようになっており、その熱を使用者の毛髪に伝えることができるように形成されている。このような第1加熱面21は、伝熱性を有する金属材料で形成されていることが好ましい。なお、この第1加熱面21は、図2のX方向に向けて直線状に形成されていてもよいし、X方向に向けて曲線状に形成されていてもよい。なお、本実施の形態では、第1加熱面21は、後述する第2加熱面43と対向する位置にのみ形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、第1加熱面21を第2加熱面43と対向する位置だけではなく、その外周面に亘って全体的に第1加熱面21を形成してもよい。
図2に示すように、複数形成されている第1〜第8放出孔22a〜22hは、第1加熱面21に隣接して設けられている。これら第1〜第8放出孔22a〜22hは、長手方向にそれぞれ開口形成されることによって構成されており、後述する液体蒸発部16において蒸発した蒸気を放出することができるように形成されている。なお、本実施の形態では、これら第1〜第8放出孔22a〜22hとして8つの放出孔が開口形成しているが、この放出孔の形状や個数などはこれに限定されない。
櫛部23は、第1〜第8放出孔22a〜22hが開口形成されている列と平行に、かつ第1〜第8放出孔22a〜22hと隣接する位置に設けられている。この櫛部23は多数の櫛歯24を備えており、使用者が使用する際に、使用者の毛髪をセット等するために用いられる。なお、この櫛部23の構成は、従来から公知のものを任意に使用してよい。
第1加熱部13は、第1本体ケース11の内部であって、第1毛髪挟持部12の上部と隣接する位置に配置されている。この第1加熱部13は、後述する電源スイッチ51がオンになると通電が開始され、加熱するように構成されている。第1加熱部13は、第1加熱面21の温度が80〜200℃程度まで加熱することができるように構成されている。この第1加熱面21の温度は第1温度センサ62(図6参照)によって検知されており、設定された所定の温度になると第1加熱部13への通電が遮断されるようになっている。なお、第1加熱部13には、例えば加熱ヒータのように、通電に伴って発熱する従来から公知のものを任意に選択して用いてよい。また、第1加熱部13は、第1毛髪挟持部12に所定の熱が伝えることができれば、その構成は限定されない。
液体貯留部14は、液体蒸発部16へ移送する液体を貯留しておくためのものである。この液体貯留部14は、貯留タンク25及び流出部(図示せず)を有している。貯留タンク25は、所定量の液体を貯留しておくためのものである。この貯留タンク25は、第1本体ケース11に形成されている貯留タンク取付部19に着脱自在に取付固定することができるように構成されている。また、この貯留タンク25は、内部に所定の液体を貯留させることができるようになっている。なお、ここで貯留タンク25に用いる液体としては、例えば水や温水、冷水、毛髪への有効成分が混合された液体等が挙げられるが、常温の水を液体として用いることが好ましい。
流出部は、貯留タンク25がセットされた時に、該貯留タンク25内に貯留された液体を貯留タンク25の外、即ち送液部15を構成する後述する第1送液管27に流出させるためのものである。この流出部は、第1送液管27と連通するように形成されている。また、流出部は、例えば貯留タンク25が貯留タンク取付部19から外れている時は閉じられ、貯留タンク25が貯留タンク取付部19に取り付けられると開くように構成されている。このように構成することで、貯留タンク25がセットされておらず流出部が露出している場合に、第1送液管27に溜まっている液体が逆流したりすることを確実に防止したり、貯留タンク25が取り付けられた時には液体を確実に流出させることができるようになる。
送液部15は、貯留タンク25に貯留されている液体を液体蒸発部16に向けて送液するためのものである。この送液部15は、第1送液管27、送液ポンプ28及び第2送液管29を有している。第1送液管27は、例えば樹脂材料で形成された柔軟性のある管状の部材で形成されている。この第1送液管27は、一端部が流出部と連通し、他端部が送液ポンプ28と連通するように接続されている。なお、この第1送液管27は、従来から公知のものを任意に選択して用いてもよい。
送液ポンプ28は、液体貯留部14からチャンバ31内に対して液体を所定量ずつ送るように構成されている。この送液ポンプ28は、第1本体ケース11内に配置されており、入力端が第1送液管27の他端部と接続され、出力端が第2送液管29の一端部と接続されている。この送液ポンプ28は、動作を開始すると、入力端に接続された第1送液管27内の液体、即ち貯留タンク25内の液体を入力端から送液ポンプ28内に流入させる。また、送液ポンプ28は、入力端から流入させた液体を出力端から吐出させ、第2送液管29を通じて液体蒸発部16に向けて送り出す。即ち、送液ポンプ28は、動作を開始すると、貯留タンク25内に貯留されている液体を液体蒸発部16に送液するようになっている。なお、この送液ポンプ28は、従来から公知のものを任意に選択して用いてよいし、送液ポンプ28の駆動方式等も従来から公知のものを任意に選択してよい。
第2送液管29は、例えば樹脂材料で形成された柔軟性のある管状の部材で形成されている。この第2送液管29は、一端部が送液ポンプ28の出力端と連通し、他端部が液体蒸発部16の後述するチャンバ31に連通するように接続されている。なお、この第2送液管29は、従来から公知のものを任意に選択して用いてもよい。
液体蒸発部16は、チャンバ31、蒸気通路32、分配部33及び第1〜第6通過室34a〜34f及び第3加熱部35を備えている。チャンバ31は、内部に蒸発空間36が形成されている容器状の部材である。このチャンバ31は、一端部において蒸発空間36と第2送液管29とが連通する第1連通部37を有し、他端部において蒸発空間36と蒸気通路32とが連通する第2連通部38を有している。
また、チャンバ31は、第1本体ケース11内において第3加熱部35と隣接するように配置されており、第3加熱部35において発生した熱によってチャンバ31内、即ち蒸発空間36が所定の温度となるように形成されている。なお、この所定の温度は、蒸発空間36内に流入する液体が該蒸発空間36内において蒸発する程度の温度であることが好ましく、具体的には150〜250℃であることが好ましく、さらには200〜250℃であることがより好ましい。蒸発空間36内の温度が200〜250℃となっていると、蒸発空間36に流入してきた液体が瞬時に蒸発して蒸気となるのと共に、流入してきた液体を確実に蒸発させて蒸気にすることができるからである。
蒸気通路32は、一端部が蒸発空間36と連通しており、他端部が分配部33と連通する通路である。この蒸気通路32は、蒸発空間36内において蒸発した蒸気を分配部33まで移送するためのものである。図4に示すように、この蒸気通路32は、直線状に形成されており、一端部と他端部とが互いに反対側の向きとなるように形成されている。
分配部33は、蒸気通路32の他端部と第1〜第6通過室34a〜34fとの間に形成されている。この分配部33は、チャンバ31内で蒸発した蒸気を複数の第1〜第8放出孔22a〜22hに分配するためのもので、蒸気通路32を通って流入した蒸気を第1〜第6通過室34a〜34fに向けて分配するためのものである。図4に示すように、分配部33は、第1〜第6通過室34a〜34fに向けて分岐、即ち枝分かれするように形成されている。なお、分配部33は、蒸気通路32を通ってきた蒸気を第1〜第6通過室34a〜34fに向けて分配することができればよく、その形状は上記したものに限定されない。
第1〜第6通過室34a〜34fは、それぞれが第1〜第6通過孔39a〜39fと連通するように形成されており、分配部33を経て移送された蒸気がそれぞれ第1〜第6通過孔39a〜39fに向けて通過させることができるように形成されている。これら第1〜第6通過孔39a〜39fは、移送された蒸気を所定量通過させることができればよい。また、これら第1〜第6通過孔39a〜39fの大きさや形状は、同じであっても異なっていてもよい。
なお、図1〜図5には図示していないが、第1〜第6通過孔39a〜39fの出口側、即ち、第1〜第6通過室34a〜34fと連通している側とは反対側には、所定の大きさの空間が形成されている。この空間は、第1〜第6通過孔39a〜39fを通過した蒸気が流入する空間である。即ち、分配部33において第1〜第6通過室34a〜34fに分配された蒸気は、第1〜第6通過孔39a〜39fを通過した後に一つの空間にまとめられるようになっている。
また、この図示しない空間には、第1〜第8放出孔22a〜22hが開口形成されている。即ち、図2に示す第1〜第8放出孔22a〜22hは、図示しない空間と連通するように形成されている。図4に示す符号Bは、第2送液管29から蒸発空間36に流入した液体が蒸発して蒸気になった後の移送経路を示している。即ち、蒸発空間36において生成された蒸気は、蒸発空間36から蒸気通路32を経て分配部33に移送される。そして、分配部33において分配された蒸気は、第1〜第6通過孔39a〜39fを通過し、その後さらに図示しない空間にまとめられ、さらにその後は第1〜第8放出孔22a〜22hから放出されることになる。このような経路を経て蒸気を放出することによって、第1〜第8放出孔22a〜22hから放出される蒸気の速度を低減することができ、また放出される蒸気の温度も使用者にとって心地よい温度に低減させることもできる。
第3加熱部35は、第1本体ケース11内においてチャンバ31と隣接する位置に配置されている。この第3加熱部35は、チャンバ31における蒸発空間36内の温度を所定温度まで加熱させるためのものである。第3加熱部35は、後述する電源スイッチ51がオンになると通電が開始されて加熱するように構成されており、蒸発空間36内の温度を150〜250℃まで加熱させることができるように構成されている。この蒸発空間36内の温度は第3温度センサ64(図6参照)によって検知されており、設定された所定の温度になると第3加熱部35への通電が遮断されるようになっている。なお、第3加熱部35は、例えば加熱ヒータのように、通電に伴って発熱する従来から公知のものを任意に選択して用いてよい。また、第3加熱部35は、チャンバ31に所定の熱を伝え、蒸発空間36内の温度を上記した温度にまで上昇させることができれば、その構成は限定されない。
第2把持部5は、基端側の一端部において連結部6と連結されており、第1把持部4と対向するように配置されている。この第2把持部5は、第2本体ケース41、第2毛髪挟持部42、第2加熱部43及び操作部44を備えている。
第2本体ケース41は、第2把持部5の外装体を形成するように構成されている。この第2本体ケース41は、第2非連結部45、第2取付部46を有している。第2非連結部45は、第2本体ケース41の基端側に形成されており、連結部6と連結可能な形状に形成されている。なお、第2非連結部45は、第1把持部4に対して第2把持部5が閉じている閉状態と、第1把持部4に対して第2把持部5が開く開状態との間で、略V字状に拡開や閉塞することが可能となるように連結部6に連結することができればよく、その形状は任意に決定してよい。
第2毛髪挟持部42は、第1把持部4に備えられている第1毛髪挟持部12との間に使用者の毛髪を挟んで挟持するためのものである。この第2毛髪挟持部42は、第2加熱面47及び櫛受部48を有している。第2加熱面47は、使用時には使用者の毛髪に触れるように形成されている。この第2加熱面47は、後述する第2加熱部43によって加熱されるようになっており、その熱を使用者の毛髪に伝えることができるように形成されている。このような第2加熱面47は、伝熱性を有する金属材料で形成されていることが好ましい。なお、この第2加熱面47は、図2のX方向に向けて直線状に形成されていてもよいし、X方向に向けて曲線状に形成されていてもよい。なお、本実施の形態では、第2加熱面47は、第1加熱面21と対向する位置にのみ形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、第2加熱面43を第1加熱面21と対向する位置だけではなく、その外周面に亘って全体的に第2加熱面47を形成してもよい。
櫛受部48は、第1把持部4に形成されている櫛部23と対向する位置に設けられている。この櫛受部48は、第1把持部4及び第2把持部5を閉じた時に櫛部23が第2把持部5と干渉しないようにするためのものである。なお、櫛受部48は、櫛部23と第2把持部5とが干渉しないようにできればよく、図2に示すように櫛を受け入れる凹部として形成することに限定されるものではない。
第2加熱部43は、第2本体ケース41の内部であって、第2毛髪挟持部42の下部と隣接する位置に配置されている。この第2加熱部43は、後述する電源スイッチ51がオンになると通電が開始されて加熱するように構成されている。第2加熱部43は、第2加熱面47の温度が80〜200℃程度まで加熱することができるように構成されている。この第2加熱面47の温度は第2温度センサ63(図6参照)によって検知されており、設定された所定の温度になると第2加熱部43への通電が遮断されるようになっている。なお、第2加熱部43には、例えば加熱ヒータのように、通電に伴って発熱する従来から公知のものを任意に選択して用いてよい。また、第2加熱部43は、第2毛髪挟持部42に所定の熱を伝えることができれば、その構成は限定されない。
操作部44は、第2本体ケース41の側面部に設けられている。この操作部44は、電源スイッチ51、第1温度調節スイッチ52、第2温度調節スイッチ53、開閉スイッチ54、蒸発部用スイッチ55及び温度表示部56を備えている。電源スイッチ51は、ヘアアイロン1のオン又はオフを切り替えるためのスイッチである。電源スイッチ51をオンにすると第1加熱部13、第2加熱部43及び第3加熱部35等に給電が開始される。この電源スイッチ51は、従来から公知のものを任意に選択して用いてよい。
第1温度調節スイッチ52は、第1加熱部13及び第2加熱部43の設定温度を調節するためのものである。この第1温度調節スイッチ52は、第1加熱部13及び第2加熱部43の設定温度を下げる際に操作されるスイッチであり、この第1温度調節スイッチ52が操作されると、例えば5℃刻みで設定温度が下がるように構成されている。
第2温度調節スイッチ53は、第1加熱部13及び第2加熱部43の設定温度を調節するためのものである。この第2温度調節スイッチ53は、第1加熱部13及び第2加熱部43の設定温度を上げる際に操作されるスイッチであり、この第2温度調節スイッチ53が操作されると、例えば5℃刻みで設定温度が上がるように構成されている。
なお、これら第1温度調節スイッチ52及び第2温度調節スイッチ53には、従来から公知のものを任意に選択して用いてよい。また、これら第1温度調節スイッチ52及び第2温度調節スイッチ53による設定温度は、5℃刻みに変更することができるものには限定されず、5℃以外の温度、例えば3℃刻みだったり、7℃刻みに変更できるようにしてもよいし、これら以外の温度であってもよい。
開閉スイッチ54は、第2把持部5に設けられており、第2把持部5が第1把持部4と対向する面から、第1把持部4に向けて配置されている。本実施の形態では、この開閉スイッチ54には磁気スイッチが用いられている。即ち、開閉スイッチ54は、第1把持部4及び第2把持部5が開状態の時には開閉スイッチ54において磁力が検知されないためにオフとなり、第1把持部4及び第2把持部5が閉状態の時には第1把持部4が近接することによって磁力が検知されてオンになるように構成されている。この開閉スイッチ54は、オン又はオフの動作によって、送液ポンプ28を駆動したり停止したりするためのものである。即ち、開閉スイッチ54がオンになると送液ポンプ28は駆動を開始し、開閉スイッチ54がオフになると送液ポンプ28は駆動を停止するように構成されている。
なお、本実施の形態では、開閉スイッチ54に磁気スイッチを用いているが、第1把持部4及び第2把持部5が閉状態又は開状態のどちらの状態にあるかによってオン又はオフを切り替えることができるものであればよい。例えば、この開閉スイッチ54には、機械的に作動する機械スイッチを用いてもよいし、センサ部材を取り付けてもよい。また、これら以外のものを用いて開状態又は閉状態のいずれであるかを検知し、オン又はオフを切り替えることができるものであればよい。
蒸発部用スイッチ55は、送液ポンプ28の駆動をオフ又はオンするためのスイッチである。この蒸発部用スイッチ55は、開閉スイッチ54がオンになっている時に、該送液ポンプ28の駆動をオフ又はオンすることができるように構成されている。即ち、送液ポンプ28が駆動している時に蒸発部用スイッチ55を操作をすると送液ポンプ28の駆動が停止され、さらに送液ポンプ28が停止している時に蒸発部用スイッチ55をさらに操作すると送液ポンプ28が駆動するようになっている。なお、この蒸発部用スイッチ55は、開閉スイッチ54がオフになっている時は、送液ポンプ28を駆動させることができないようになっている。この蒸発部用スイッチ55は、従来から公知のものを任意に選択して用いてよい。
温度表示部56は、第1温度調節スイッチ52及び第2温度調節スイッチ53で調節を行った第1加熱部13及び第2加熱部43の設定温度を表示するためのものである。例えば、第1温度調節スイッチ52及び第2温度調節スイッチ53を操作して「80℃」に設定した場合には、温度表示部56には「80」と表示されるようになっている。なお、この温度表示部56には、従来から公知のもの、例えば7セグメント液晶表示器や7セグメントLEDなどを任意に選択して用いてもよい。
次に、本実施の形態に係るヘアアイロン1の電気的な構成を説明する。
図6に示すように、ヘアアイロン1は、制御部61を有しており、この制御部61でヘアアイロン1の総括的な制御を行っている。制御部61の入力端側には、電源スイッチ51、第1温度調節スイッチ52、第2温度調節スイッチ53、開閉スイッチ54、蒸発部用スイッチ55、第1温度センサ62、第2温度センサ63及び第3温度センサ64が電気的に接続されている。また、制御部61の出力端側には、報知部65、温度表示部56、送液ポンプ28、第1加熱部13、第2加熱部43及び第3加熱部35が電気的に接続されている。また、制御部61をはじめとするヘアアイロン1の駆動は、図示しない外部電源からの電力の供給を受けることで行われる。
電源スイッチ51は、ヘアアイロン1をオン又はオフするためのスイッチである。電源スイッチ51をオンにすると外部電源からの給電が開始される。
第1温度調節スイッチ52は、第1加熱部13及び第2加熱部43の設定温度を下げる際に操作するためのスイッチである。第1温度調節スイッチ52は、使用者が該第1温度調節スイッチ52を操作すると、制御部61に対して第1温度調節スイッチ52が操作された旨の信号を出力する。
第2温度調節スイッチ53は、第1加熱部13及び第2加熱部43の設定温度を上げる際に操作するためのスイッチである。第2温度調節スイッチ53は、使用者が該第2温度調節スイッチ53を操作すると、制御部61に対して第2温度調節スイッチ53が操作された旨の信号を出力する。
開閉スイッチ54は、送液ポンプ28への通電をオンまたはオフするためのスイッチである。この開閉スイッチ54は、オンになると、制御部61に対して開閉スイッチ54がオンになった旨の信号を出力する。また、開閉スイッチ54は、オフになると、制御部61に対して開閉スイッチ54がオフになった旨の信号を出力する。
蒸発部用スイッチ55は、制御部61が送液ポンプ28に対して制御している送液ポンプ28への通電を遮断するためのスイッチである。この蒸発部用スイッチ55は、開閉スイッチ54がオンになった後に操作されると、制御部61に対して蒸発部用スイッチ55が操作された旨の信号を出力する。また、蒸発部用スイッチ55は、その後さらに操作されると、制御部61に対して蒸発部用スイッチ55が再度操作された旨の信号を出力する。
第1温度センサ62は、第1加熱面21の温度を検知して出力するためのものである。この第1温度センサ62は、第1加熱面21の温度を常時検知し、検知した結果を第1検知信号として制御部61に出力する。
第2温度センサ63は、第2加熱面47の温度を検知して出力するためのものである。この第2温度センサ63は、第2加熱面47の温度を常時検知し、検知した結果を第2検知信号として制御部61に出力する。
第3温度センサ64は、蒸発空間36内の温度を検知して出力するためのものである。この第3温度センサ64は、蒸発空間36内の温度を常時検知し、検知した結果を第3検知信号として制御部61に出力する。
報知部65は、例えば使用者が所定の操作を行った場合や、第1加熱部13及び第2加熱部43が所定温度まで加熱されてヘアアイロン1を使用できるようになった時に、使用者に知らせるためのものである。この報知部65は、制御部61から第1報知信号の出力を受け取ると、例えば「ピッ」というような電子音を出力して、使用者に対して、ヘアアイロン1の電源がオンになったことを知らせる。また、報知部65は、制御部61から第2報知信号の出力を受け取ると、例えば「ピピッ」というような電子音を出力して、使用者に対して、ヘアアイロン1が使用できる状態になったことを知らせる。
温度表示部56は、例えば7セグメント液晶表示器や7セグメントLEDなどが使用されている。この温度表示部56は、制御部61から温度表示信号の出力を受けると、その温度表示信号の内容に基づいた数値、即ち第1温度調節スイッチ52及び第2温度調節スイッチ53の操作によって設定された、設定温度を表示する。
送液ポンプ28は、貯留タンク25内の液体を蒸発空間36に移送するためのものである。送液ポンプ28は、制御部61から駆動信号を受けると駆動を開始して、貯留タンク25内の液体の蒸発空間36への移送を開始する。また、送液ポンプは28は、制御部61から停止信号を受けると駆動を停止して、貯留タンク25内の液体の蒸発空間36への移送を停止する。
第1加熱部13は、第1加熱面21を加熱するためのものである。この第1加熱部13は、制御部61から、該第1加熱部13をオンにする旨の信号を受け取ると、電力の供給を受けて加熱を開始する。また、第1加熱部13は、制御部61から、該第1加熱部13をオフにする旨の信号を受け取ると、電力の供給を停止して加熱を停止する。
第2加熱部43は、第2加熱面47を加熱するためのものである。この第2加熱部43は、制御部61から、該第2加熱部43をオンにする旨の信号を受け取ると、電力の供給を受けて加熱を開始する。また、第2加熱部43は、制御部61から、該第2加熱部43をオフにする旨の信号を受け取ると、電力の供給を停止して加熱を停止する。
第3加熱部35は、蒸発空間36内を加熱するためのものである。この第3加熱部35は、制御部61から、該第3加熱部35をオンにする旨の信号を受け取ると、電力の供給を受けて加熱を開始する。また、第3加熱部35は、制御部61から、該第3加熱部35をオフにする旨の信号を受け取ると、電力の供給を停止して加熱を停止する。
次に、本実施の形態に係るヘアアイロン1の作用効果について説明する。なお、この作用効果の説明では、一つの例として、第1加熱部13により加熱される第1加熱面21の温度及び第2加熱部43により加熱される第2加熱面47の温度が80℃に設定されており、(即ち、設定温度が80℃)、第3加熱部35により加熱される蒸発空間36内の温度が200℃に設定されている場合について説明するが、この設定温度はこれらに限定されるものではない。
まず、使用者が電源スイッチ51をオンにすると、制御部61は、報知部65に対して第1報知信号を出力する。制御部61から第1報知信号の出力を受け取った報知部65は、「ピッ」という起動時の電子音を鳴らして、使用者に対してヘアアイロン1の電源がオンになったことを知らせる。
また、制御部61は、電源スイッチ51がオンになると、第1加熱部13に対して、該第1加熱部13をオンにする旨の信号を出力する。この信号の出力を受け取った第1加熱部13は、電力の供給を受けて加熱を開始する。また、制御部61は、電源スイッチ51がオンになると、第2加熱部43に対して、該第2加熱部43をオンにする旨の信号を出力する。この信号の出力を受け取った第2加熱部43は、電力の供給を受けて加熱を開始する。さらに、制御部61は、電源スイッチ51がオンになると、第3加熱部35に対しても、該第3加熱部35をオンにする旨の信号を出力する。この信号の出力を受け取った第3加熱部35は、電力の供給を受けて加熱を開始する。即ち、制御部61は、電源スイッチ51がオンになると、第1加熱部13、第2加熱部43及び第3加熱部35における発熱を開始するように制御を行う。
第1加熱部13が加熱すると、第1加熱面21の温度が上昇する。この第1加熱面21の温度は、第1温度センサ62によって常時検知されている。また、第1温度センサ62は、検知した結果を第1検知信号として、制御部61に対して常時出力している。
制御部61は、第1温度センサ62から出力される第1検知信号を常時受け取っており、この第1検知信号によって第1加熱面21の温度が80℃になったか否かを判定している。ここで、制御部61は、第1加熱面21の温度が80℃に到達したと判定した場合には、第1加熱部13をオフにする旨の信号を第1加熱部13に対して出力する。そして、制御部61は、第1検知信号によって第1加熱面21の温度が80℃よりも低くなったと判定した場合には、再び第1加熱部13をオンにする旨の信号を第1加熱部13に対して出力する。このように、制御部61は、第1検知信号によって第1加熱面21の温度が80℃に到達したか否かを常時判定して、第1加熱面21の温度が80℃を維持するように制御している。
第2加熱部43が加熱すると、第2加熱面47の温度が上昇する。この第2加熱面47の温度は、第2温度センサ63によって常時検知されている。また、第2温度センサ63は、検知した結果を第2検知信号として、制御部61に対して常時出力している。
制御部61は、第2温度センサ63から出力される第2検知信号を常時受け取っており、この第2検知信号によって第2加熱面47の温度が80℃になったか否かを判定している。ここで、制御部61は、第2加熱面47の温度が80℃に到達したと判定した場合には、第2加熱部43をオフにする旨の信号を第2加熱部43に対して出力する。そして、制御部61は、第2検知信号によって第2加熱面47の温度が80℃よりも低くなったと判定した場合には、再び第2加熱部43をオンにする旨の信号を第2加熱部43に対して出力する。このように、制御部61は、第2検知信号によって第2加熱面47の温度が80℃に到達したか否かを常時判定して、第2加熱面47の温度が80℃を維持するように制御している。
制御部61は、第1検知信号及び第2検知信号から、第1加熱面21及び第2加熱面47の温度が80℃となったと判定すると、報知部65に対して第2報知信号を出力する。制御部61から第2報知信号の出力を受け取った報知部65は「ピピッ」という電子音を鳴らして、使用者に対してヘアアイロン1が使用可能な状態になったことを知らせる。
第3加熱部35が加熱すると、蒸発空間36内の温度が上昇する。この蒸発空間36内の温度は、第3温度センサ64によって常時検知されている。また、第3温度センサ64は、検知した結果を第3検知信号として、制御部61に対して常時出力している。
制御部61は、第3温度センサ64から出力される第3検知信号を常時受け取っており、この第3検知信号によって蒸発空間36内の温度が200℃に到達したと判定した場合には、第3加熱部35をオフにする旨の信号を第3加熱部35に対して出力する。そして、制御部61は、第3検知信号によって蒸発空間36内の温度が200℃よりも低くなったと判定した場合には、再び第3加熱部35をオンにする旨の信号を第3加熱部35に対して出力する。このように、制御部61は、第3検知信号によって蒸発空間36内の温度が200℃を維持するように制御している。
なお、使用者が第1温度調節スイッチ52を操作して制御部61に対して該第1温度調節スイッチ52が操作された旨の信号を出力した場合、又は使用者が第2温度調節スイッチ53を操作して制御部61に対して該第2温度調節スイッチ53が操作された旨の信号を出力した場合には、制御部61は、これらの信号を受け取って、当初80℃と設定されていた設定温度を使用者が新たに設定した温度に更新する。そして、制御部61は、その更新された設定温度を維持するように、第1加熱部13及び第2加熱部43を制御する。なお、ここでの制御部61による第1加熱部13及び第2加熱部43の制御の内容は、設定温度が相違するのみでそれ以外は上記したと同じであるので、ここでの説明は省略する。
次に、使用者がヘアアイロン1を手に取って毛髪の癖付け等に使用する場合には、第1加熱面21及び第2加熱面47の間に毛髪を挟み込んで行う。この時、使用者は、第1把持部4及び第2把持部5を開いた開状態から、これら第1把持部4及び第2把持部5を閉じた閉状態にする。これら第1把持部4及び第2把持部5が閉状態になると、開閉スイッチ54がオフからオンに切り替わる。そして、開閉スイッチ54は、オンになると、制御部61に対して、該開閉スイッチ54がオンになった旨の信号を出力する。
制御部61は、開閉スイッチ54がオンになった旨の信号の出力を受け取ると、送液ポンプ28に対して駆動信号を出力する。駆動信号の出力を受け取った送液ポンプ28は、駆動を開始して、貯留タンク25内の液体の蒸発空間36への移送を開始する。この時の送液ポンプ28は、所定量の液体を送るように構成されているから、順次、所定量の液体を貯留タンク25から蒸発空間36に向けて移送する。
送液ポンプ28の駆動によって移送される液体は、貯留タンク25から第1送液管27、送液ポンプ28、第2送液管29を通って、チャンバ31内の蒸発空間36に到達する。この時、蒸発空間36は、温度が200℃に維持されているので、液体は、蒸発空間36内に到達すると瞬時に蒸発して蒸気となる。送液ポンプ28は、所定量の液体を移送するので、移送された液体は、順次蒸発空間36内に到達すると瞬時に蒸発して蒸気となる。
この蒸気は、蒸発空間36内を移送されて、蒸気通路32を通過し、さらに分配部33で第1〜第6通過室34a〜34fに分配される。そして、第1〜第6通過室34a〜34fにそれぞれ設けられている第1〜第6通過孔39a〜39fを通って、その更に下部にある図示しない空間内に流入する。このように、蒸気を分配部33において分配し、第1〜第6通過室34a〜34fを通って第1〜第6通過孔39a〜39fを通過して図示しない空間に流入させることで、この図示しない空間内に均等に蒸気が分散した状態で分布するようにすることができる。このように図示しない空間に流入した蒸気は、その後さらに第1〜第8放出孔22a〜22hからヘアアイロン1外に放出される。
ヘアアイロン1外に放出された蒸気は、第1毛髪挟持部12及び第2毛髪挟持部42で挟んだ使用者の毛髪に到達する。使用者の毛髪は、第1加熱部13によって加熱された第1加熱面21及び第2加熱部32によって加熱された第2加熱面47からの熱を受けるほかに、放出された蒸気も供給されるので、より毛髪の癖付け等をしやすくすることができる。
ここで、使用者が、第1毛髪挟持部12及び第2毛髪挟持部42で毛髪を挟んだまま、第1〜第8放出孔22a〜22hからの蒸気の放出を止める場合には、蒸発部用スイッチ55を操作する。この蒸発部用スイッチ55は、使用者によって操作されると、蒸発部用スイッチ55が操作された旨の信号を制御部61に対して出力する。制御部61は、この蒸発部用スイッチ55が操作された旨の信号の出力を受け取ると、送液ポンプ28に対して停止信号を出力する。
送液ポンプ28は、制御部61から停止信号の出力を受け取ると、駆動を停止して、貯留タンク25内の液体の蒸発空間36内への移送を停止する。この液体の移送が停止されると、蒸発空間36内に液体が供給されなくなるので、蒸発空間36内での液体の蒸発及び第1〜第8放出孔22a〜22hからの蒸気の放出が止まる。
また、使用者が蒸発部用スイッチ55を操作して第1〜第8放出孔22a〜22hからの蒸気の放出を止めた後に、第1毛髪挟持部12及び第2毛髪挟持部42で毛髪を挟んだまま第1〜第8放出孔22a〜22hからの蒸気の放出を再度開始する場合には、使用者は蒸発部用スイッチ55を再度操作する。この蒸発部用スイッチ55は、使用者によって再度操作されると、蒸発部用スイッチ55が再度操作された旨の信号を制御部61に出力する。制御部61は、この蒸発部用スイッチ55が再度操作された旨の信号の出力を受け取ると、送液ポンプ28に対して駆動信号を出力する。
送液ポンプ28は、制御部61から駆動信号の出力を受け取ると、駆動を開始して、貯留タンク25内の液体の蒸発空間36内への移送を再度開始する。この液体の移送が開始されると、蒸発空間36内に液体が再度供給され、蒸発空間36内での液体の蒸発及び第1〜第8放出孔22a〜22hからの蒸気の放出が再度開始される。
このように、ヘアアイロン1は、蒸気を用いて第1加熱面21及び第2加熱面47の熱によって使用者の毛髪の癖付け等を行うことができるだけではなく、蒸気を用いずに、第1加熱面21及び第2加熱面47の熱によって使用者の毛髪の癖付け等を行うようにすることもできる。なお、制御部61は、開閉スイッチ54がオフの時に蒸発部用スイッチ55から、該蒸発部用スイッチ55が操作された旨の信号及び蒸発部用スイッチ55が再度操作された旨の信号の出力を受け取った場合には、送液ポンプ28に対して停止信号及び駆動信号を出力することはない。即ち、制御部61は、蒸発部用スイッチ55が操作された旨の信号及び蒸発部用スイッチ55が再度操作された旨の信号の出力を受け取ることにより、送液ポンプ28へ停止信号及び駆動信号を出力するのは、開閉スイッチ54がオンになっている旨の信号の出力を受け取っていることが前提条件としている。そのため、制御部61は、開閉スイッチ54がオンになっている旨の信号の出力を受け取っていない場合、即ち開閉スイッチ54がオフの場合には、蒸発部用スイッチ55が操作された旨の信号及び蒸発部用スイッチ55が再度操作された旨の信号の出力を受け取っても、開閉スイッチ54がオンになっている旨の信号の出力を受け取っていないため、送液ポンプ28に対して停止信号及び駆動信号を出力することはない。
また、使用者が毛髪の癖付け等を終えて第1把持部4及び第2把持部5を閉状態から開状態にすると、開閉スイッチ54がオフになる。開閉スイッチ54がオフになると、該開閉スイッチ54がオフになった旨の信号が制御部61に出力される。この信号を受け取った制御部61は、送液ポンプ28に対して停止信号を出力する。この停止信号の出力を受け取った送液ポンプ28は、駆動を停止して、貯留タンク25内の液体の蒸発空間36内への移送を停止する。この液体の移送が停止されると、蒸発空間36内に液体が供給されなくなるので、蒸発空間36内での液体の蒸発及び蒸気の放出が止まる。
本発明に係るヘアアイロン1によれば、この第1〜第8放出孔22a〜22hから放出される蒸気の元となる液体を蒸発させるのは、第1加熱面21及び第2加熱面47を加熱する第1加熱部13及び第2加熱部43とは別個の第3加熱部35である。第1加熱面21及び第2加熱面47は、使用者の頭皮や毛髪に直接触れるものであるため、あまり高温にしすぎると頭皮や毛髪を痛めてしまって妥当ではなく、その一方で液体を蒸発させる温度として、80℃程度の温度にすると、液体は加熱される一方、沸点との関係で蒸発することはできないので、第1〜第8放出孔22a〜22hから、蒸気ではなく液体が放出され、使用者がやけどを負う問題がある。
そのため、本発明に係るヘアアイロン1のように、第1加熱部13、第2加熱部43に加えて、蒸発空間36の温度を上昇させるための第3加熱部35を設けることにより、使用者の頭皮や毛髪を痛めることなく、かつ第1〜第8放出孔22a〜22hから放出される各種の液体も、確実に蒸気にすることができる。したがって、使用者にとっては、使い勝手がよく、さらにやけどのおそれもない、安全かつ快適な使用をすることのできるヘアアイロン1を提供することができる。
このように、本発明に係るヘアアイロン1によれば、使用者にとっても安全であるのは言うまでもなく、さらに使用者が毛髪をセットする時のセットのしやすさ、及び蒸気にした液体を毛髪等に噴くことによって、使用者の毛髪をより健康にすることが可能になる。
次に、本発明に係るヘアアイロンの変形例について説明する。この変形例は、蒸発部用スイッチの構成及び動作が先に説明した例とは相違する。なお、この変形例においては、蒸発部用スイッチの構成及び動作を説明し、先に説明した例と同一の構成及び動作については、説明を省略する。
まずは、蒸発部用スイッチの電気的な構成について説明する。蒸発部用スイッチは、制御部が送液ポンプに対して制御している送液ポンプへの通電をオンまたはオフするためのスイッチである。この蒸発部用スイッチは、オンになると制御部に対して蒸発部用スイッチがオンになった旨の信号を出力する。また、蒸発部用スイッチは、オフになると制御部に対して蒸発部用スイッチがオフになった旨の信号を出力する。
次に、この変形例の動作について説明する。なお、この変形例では、先に説明したヘアアイロンの動作は同じであるから、ここでの説明は省略する。
この変形例においては、蒸発部用スイッチのオン又はオフをすることができる点で、動作が相違する。即ち、このヘアアイロンは、使用者が蒸発部用スイッチをオンにすると、制御部に対して蒸発部用スイッチがオンになった旨の信号を出力する。制御部は、蒸発部用スイッチがオンになった旨の信号を受け取ると、送液ポンプに対して駆動信号を出力する。駆動信号の出力を受け取った送液ポンプは、駆動を開始して、貯留タンク内の液体の蒸発空間への移送を開始する。この時の送液ポンプは順次、所定量の液体を移送する。
また、使用者が蒸発部用スイッチをオフにすると、制御部に対して蒸発部用スイッチがオフになった旨の信号を出力する。制御部は、蒸発部用スイッチがオフになった旨の信号を受け取ると、送液ポンプに対して停止信号を出力する。停止信号の出力を受け取った送液ポンプは、駆動を停止して、貯留タンク内の液体の蒸発空間への移送を停止する。
この蒸発部用スイッチのオン又はオフによる送液ポンプの駆動及び停止は、第1把持部及び第2把持部が閉状態になっているか、又は開状態になっているかのいずれであってもよい。即ち、先に説明した例では、蒸発部用スイッチは、第1把持部及び第2把持部が閉状態で、開閉スイッチがオンになっている時に、送液ポンプの駆動を停止するように構成されているのに対し、この変形例では、送液ポンプは、開閉スイッチのオン又はオフによって駆動を開始又は停止するだけでなく、蒸発部用スイッチのオン又はオフによっても駆動を開始又は停止する。つまり、この変形例では、送液ポンプをオン又はオフにするためのスイッチとして、開閉スイッチ及び蒸発部用スイッチの二つが設けられている。
このように、蒸発部用スイッチのオン又はオフによって送液ポンプの駆動又は停止することができるように構成することで、第1把持部及び第2把持部が開状態になっている時にも、蒸気を発生させることができる。したがって、この変形例によれば、第1加熱面及び第2加熱面で毛髪を挟む前に、毛髪に対して蒸気を放出することができ、これにより、毛髪に対してより多くの水分を与えて、毛髪が潤う状態にしつつ、毛髪を傷めることなく癖付け等を行うことが可能になる。なお、この変形例においても、先に説明した例のヘアアイロンが奏する効果を奏するのは言うまでもない。
以上、本発明に係るヘアアイロンについて詳細に説明したが、上記したのは本発明の一つの例であり、これに限定されるものではない。例えば、貯留タンクに貯留されている液体の量や、第1送液管を移送される液体を検知することで、貯留タンクに貯留されている液体の量や該液体の有無を検知手段により検出して、検知手段から出力される信号を受けて制御部がヘアアイロンの各種制御を行うように構成してもよい。また、マイナスイオンを発生するためのマイナスイオン発生部を設けており、第1〜第8放出孔や別の箇所から放出させることができるように構成してもよい。また、本発明に係るヘアアイロンは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記した以外にも適宜改良等をしてよい。
1 ヘアアイロン
2 ヘアアイロン本体
4 第1把持部
5 第2把持部
6 連結部
12 第1毛髪挟持部
13 第1加熱部
14 液体貯留部
15 送液部
16 液体蒸発部
21 第1加熱面
22a〜22h 第1〜第8放出孔
28 送液ポンプ
31 チャンバ
33 分配部
35 第3加熱部
36 蒸発空間
42 第2毛髪挟持部
43 第2加熱部
47 第2加熱面

Claims (3)

  1. 第1加熱面を有する第1毛髪挟持部を備えた第1把持部と、第2加熱面を有する第2毛髪挟持部を備えた第2把持部と、前記第1把持部と前記第2把持部とを連結する連結部と、前記第1加熱面を加熱する第1加熱部と、前記第2加熱面を加熱する第2加熱部とを備えたヘアアイロンであって、
    液体を貯留するための液体貯留部と、
    前記液体貯留部に貯留された液体が供給されるチャンバと、前記供給された液体を蒸発させる温度まで前記チャンバ内を加熱する第3加熱部とを有する液体蒸発部と、
    前記液体貯留部に貯留された液体を前記チャンバに所定量ずつ送る送液ポンプと、
    前記第1加熱面又は前記第2加熱面の少なくともいずれかに設けられ、前記チャンバ内で蒸発した蒸気を放出する放出孔とを備えたことを特徴とするヘアアイロン。
  2. 送液ポンプは、液体貯留部からチャンバ内に対して所定量の液体を送るように構成されている請求項1記載のヘアアイロン。
  3. 放出孔は複数形成されており、
    チャンバ内で蒸発した蒸気を複数の前記放出孔に分配する分配部を備えた請求項1又は2記載のヘアアイロン。
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