以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまでも一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下の説明は、タッチ検出機能付き表示装置としてタッチ検出機能付き液晶表示装置を例として述べる。しかしながら、これに限定されず、タッチ検出機能付きOLED表示装置にも適用することが可能である。
(実施の形態1)
実施の形態1では、ペンによるタッチと指によるタッチの両方を検出することが可能なタッチ検出機能付き液晶表示装置(本明細書においては、単に、液晶表示装置または表示装置とも称する)が提供される。先ず、ペンによるタッチを検出する基本原理および指によるタッチを検出する基本原理について説明する。
<電磁誘導方式の基本原理>
ペンによるタッチの検出は、電磁誘導方式を採用しているので、電磁誘導方式の基本原理を説明する。図1は、表示装置を有する電子装置とペンとの関係を模式的に示した説明図である。また、図2は、電磁誘導方式の原理を説明する説明図である。
図1において、電子装置は、金属カバーに納められた液晶表示装置1と、導光板と、磁性シートとを有している。同図には、液晶表示装置1の断面が、模式的に示されている。すなわち、液晶表示装置1は、TFT(Thin Film Transustor)ガラス基板(第1基板、第1ガラス基板)TGBと、このTFTガラス基板TGBに積層されたセンサレイヤ、カラーフィルタおよびCF(Color Filter)ガラス基板(第2基板、第2ガラス基板)CGBを備えている。TFTガラス基板TGBに形成されたセンサレイヤによって、複数のコイルが形成される。
また、外部近接物体に該当するペンには、コイルと容量素子とが内蔵されている。図1では、容量素子は省略されているが、ペンに内蔵されているコイルが、ペン内コイルL1として模式的に示されている。ペン内コイルL1(以下、単にコイルL1とも称する)とセンサレイヤによって形成されたコイルとの間は、磁界によって結合される。図1では、センサレイヤによって形成されたコイルは省略されているが、説明の都合上、センサレイヤによって形成されたコイルを、コイルL2として説明する。
なお、模式的に液晶表示装置1の構造を示すために、図1では省略されているが、例えばTFTガラス基板TGBとカラーフィルタ基板との間には図示しない液晶層が挟まれている。また、磁性シートと液晶表示装置1との間に挟まれるように、導光板が配置され、導光板は、固定部で固定されている。
ペンが、電子装置に近接することにより、コイルL1が、センサレイヤによって形成されたコイルL2に近接することになる。これにより、コイルL1とコイルL2との間に磁界結合が発生し、ペンが近接したことが検出される。
この検出を、図2を用いて説明する。図2(A)は、コイルL2が磁界を発生している状態を示しており、図2(B)は、コイルL1が磁界を発生している状態を示している。
図2において、コイルL2とペン内容量素子(以下、単に容量素子とも称する)Cとは並列的に接続されており、共振回路を構成している。コイルL1は、センサレイヤによって形成された1回巻線のコイルが例として示されており、1対の端子を有している。タッチを検出するとき(タッチ検出のとき)、図2(A)に示すように、コイルL2の一方の端子PTは、所定時間、送信アンプAP1の出力に接続される。その後、所定時間経過したところで、図2(B)に示すように、コイルL2の端子PTは、受信アンプAP2の入力に、所定時間、接続される。また、コイルL2の他方の端子は、図2(A)および(B)に示すように、タッチ検出のとき、接地電圧Vsに接続されている。
図2(C)および(D)は、タッチ検出のときの動作を示す波形図である。図2(C)および(D)において、横軸は、時間を示しており、図2(C)は、送信アンプAP1の出力の波形を示しており、図2(D)は、受信アンプAP2の出力の波形を示している。
コイルL2の一方の端子PTが、送信アンプAP1の出力に接続されているとき、送信アンプAP1の入力には、周期的に変化する送信信号INが供給される。これにより、送信アンプAP1は、送信信号INの変化に従って、周期的に変化する駆動信号φ1を、図2(C)に示すように、所定時間(磁界発生期間)TG、コイルL2の一方の端子PTに供給する。この駆動信号φ1に従って、コイルL2が磁界を発生する。このときの磁力線が、図2(A)ではφGとして示されている。
磁力線φGは、コイルL2の巻線を中心として発生するため、コイルL2の内側の磁界が強くなる。コイルL1が、コイルL2に近接し、例えば図2(A)に示すように、コイルL1の中心軸LOが、コイルL2の内側に存在すると、コイルL1に、コイルL2の磁力線が到達する。すなわち、コイルL1が、コイルL2において発生している磁界内に配置され、コイルL1とコイルL2とが磁界結合されることになる。コイルL2は、駆動信号φ1の変化に従って、周期的に変化する磁界を発生する。そのため、コイルL2とコイルL1間の相互誘導の作用により、コイルL1には、誘起電圧を発生する。容量素子Cは、コイルL1によって発生した誘起電圧によって充電される。
所定時間が経過したところで、コイルL2の一方の端子PTは、所定時間(磁界検出期間)TD、受信アンプAP2の入力に接続される。磁界検出期間TDにおいては、先の磁界発生期間TGにおいて容量素子Cが、充電されていれば、容量素子Cに充電された電荷によって、コイルL1が、磁界を発生する。図2(B)には、容量素子Cに充電された電荷によって発生したコイルL1の磁力線が、φDとして示されている。
タッチ検出のとき、すなわち、磁界発生期間TGおよび磁界検出期間TDのとき、コイルL1が、コイルL2に近接していれば、磁界発生期間TGのとき、容量素子Cに充電が行われ、磁界検出期間TDのとき、コイルL1の磁力線φDが、コイルL2に到達する。コイルL1と容量素子Cとにより共振回路が構成されているため、コイルL1の発生する磁界は、共振回路の時定数に従って変化する。コイルL1が発生する磁界が変化することにより、コイルL2に誘起電圧が発生する。この誘起電圧によって、コイルL2の一方の端子PTにおいて、信号が変化する。この信号の変化が、検出信号φ2として、磁界検出期間TDのとき、受信アンプAP2に入力され、増幅され、センサ信号OUTとして受信アンプAP2から出力される。
一方、タッチ検出のとき、コイルL1が、コイルL2に近接していなれば、磁界発生期間TGのとき、容量素子Cは充電されない、または充電された電荷量が少なくなる。その結果、磁界検出期間TDのとき、コイルL1が発生する磁界の磁力線φDは、コイルL2に到達しない、または到達する磁力線φDが弱くなる。そのため、磁界検出期間TDのとき、コイルL2の一方の端子PTにおける検出信号φ2は変化しない、または信号変化が小さくなる。
図2(C)および(D)には、コイルL1が、コイルL2に近接しているときと、近接していないときの両方の状態が示されている。すなわち、図2(C)および(D)において、左側には、コイルL1がコイルL2に近接していないときの状態が示されており、右側には、コイルL1がコイルL2に近接しているときの状態が示されている。そのため、図2(D)において、左側に示した磁界検出期間TD(ペン無し)では、検出信号φ2は変化しておらず、右側に示した磁界検出期間TD(ペン有り)では、検出信号φ2が変化している。検出信号φ2が変化している場合を、ペン有りと判定し、検出信号φ2が変化していない場合を、ペン無しと判定することにより、ペンによるタッチを検出することができる。
図2では、ペン有りとペン無しの判定を示したが、コイルL1とコイルL2との間の距離に従って、検出信号φ2の値が変化するため、ペンとセンサ板との間の距離あるいはペンの筆圧を判定することも可能である。
なお、コイルL2の端子PTを、送信アンプAP1の出力から受信アンプAP2の入力へ切り替えるときは、センサレイヤによって形成されたコイルL2に蓄積されたエネルギーが放電するまでの所定時間だけ、コイルL2の端子PTをフローティング状態にし、所定時間後に端子PTを受信アンプAP2の入力に接続する。
このように、タッチ検出期間において、ペンが、センサレイヤによって形成されたコイルL2に近接(接触を含む)していると、磁界検出期間TDのとき、受信アンプAP2の出力信号は変化する。一方、ペンが、コイルL2に近接(接触を含む)していないと、磁界検出期間TDのとき、受信アンプAP2の出力信号は変化しない。すなわち、ペンがセンサレイヤによって形成されたコイルL2の近傍をタッチしているか否かを、受信アンプAP2の出力信号によって、検出することが可能となる。また、コイルL2とコイルL1とが近接している場合、その間の距離に従って、コイルL1からコイルL2へ与えられる磁界エネルギーが変化するため、受信アンプAP2の出力信号の値から、ペンの筆圧も判定することが可能となる。
<静電容量方式の基本原理>
次に、指によるタッチを検出する方式を説明する。この実施の形態1では、指によるタッチの検出は、静電容量方式を採用しているので、静電容量方式の基本原理を説明する。図3は、液晶表示装置1の構成を模式的に示す図である。ここで、図3(A)は、液晶表示装置1の平面を、模式的に示した平面図であり、図3(B)は、液晶表示装置1の断面を、模式的に示した断面図である。図3(B)では、図1に示した液晶表示装置1の断面がより詳しく描かれている。
図3(A)において、TL(0)〜TL(p)は、TFTガラス基板TGB(第1ガラス基板)の第1主面TSF1に形成されたレイヤによって構成された駆動電極を示している。また、RL(0)〜RL(p)は、CFガラス基板CGB(第2ガラス基板)の第1主面CSF1に形成されたレイヤによって構成された検出電極を示している。TFTガラス基板TGBは、第1主面TSF1と、この第1主面TSF1と対向する第2主面TSF2(図3(B))を備えている。TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1には、複数のレイヤが形成されているが、図3では、駆動電極TL(0)〜TL(p)を構成するレイヤのみが示されている。
CFガラス基板CGBも、第1主面CSF1と、この第1主面CSF1と対向する第2主面CSF2(図3(B))を備えている。図3では、第1主面CSF1に配置された検出電極RL(0)〜RL(p)を形成するレイヤのみが描かれている。理解を容易にするために、図3(A)では、TFTガラス基板TGBとCFガラス基板CGBとが分離して、描かれているが、具体的には、図3(B)に示すように、液晶層を挟んで、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1とCFガラス基板CGBの第2主面CSF2とが対向するように配置されている。
図3(B)に示すように、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1と、CFガラス基板CGBの第2主面CSF2との間には、複数のレイヤと、液晶層等が挟まれているが、図3では、第1主面TSF1と第2主面CSF2との間に挟まれた駆動電極TL(0)〜TL(n+2)、液晶層およびカラーフィルタのみが示されている。また、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1には、図3(A)に示すように複数の検出電極RL(0)〜RL(p)と偏光板が配置されている。図3(B)では、複数の検出電極RL(0)〜RL(p)のうち、検出電極RL(n)のみが、検出電極の例として示されている。
本明細書では、液晶表示装置1を、図3(B)に示すように、CFガラス基板CGBおよびTFTガラス基板TGBの第1主面CSF1、TSF1側から見たときの状態を、平面視として説明する。すなわち、平面視において、CFガラス基板CGBおよびTFTガラス基板TGBの第1主面CSF1、TSF1側から見た場合を説明している。そのため、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1側に、検出電極および偏光板が配置されていると述べたが、見る方向が変われば、例えば検出電極および偏光板は、CFガラス基板CGBの右側、左側あるいは下側に配置されていることになる。図3(B)において、13は、検出電極RL(n)に接続された増幅回路を示している。
第1主面CSF1およびTSF1側から、平面視で見たとき、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1において、図3(A)に示すように、行方向(横方向)に延在し、列方向(縦方向)に平行に配置されている。また、検出電極RL(0)〜RL(p)は、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1において、図3(A)に示すように、列方向(縦方向)に延在し、行方向(横方向)に平行に配置されている。
図3(B)に示すように、駆動電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)の間には、CFガラス基板CGB、液晶層等が介在している。そのため、駆動電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)は、平面視で見たときには、交差しているが、互いに電気的に分離されている。駆動電極と検出電極との間には、容量が存在するため、図3(B)では、この容量が容量素子として破線で示されている。なお、駆動電極TL(0)〜TL(p)間は、互いに分離されており、検出電極RL(0)〜RL(p)間も互いに分離されている。
駆動電極TL(0)〜TL(p)には、表示のときには、表示用の駆動信号(表示駆動信号)が供給され、指によるタッチを検出するときには、タッチ検出用の駆動信号が供給される。
この実施の形態1においては、指によるタッチの検出は、電界を用いて行い、ペンによるタッチの検出は、磁界(図1および図2参照)を用いて行う。そのため、本明細書においては、磁界を用いたタッチの検出を、磁界タッチ検出と称し、電界を用いたタッチの検出を、電界タッチ検出とも称する。後で説明するが、駆動電極TL(0)〜TL(p)には、磁界タッチ検出のときにも、タッチ検出用の駆動信号が供給される。そのため、表示のときと、電界タッチ検出のときと、磁界タッチ検出のときにおいて、駆動電極TL(0)〜TL(p)には、それぞれに対応した駆動信号が供給されることになる。すなわち、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、表示のときと電界タッチ検出のときと磁界タッチ検出のときとで、共通に用いられる(兼用される)。共通に用いられるという観点で見た場合、駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、共通電極と見なすことができる。
電界タッチ検出の期間においては、駆動電極TL(0)〜TL(p)には、電界用の駆動信号Txが供給される。タッチを検出するように選択された駆動電極に対しては、電圧が周期的に変化する信号が、駆動信号Txとして供給され、タッチを検出しないように非選択とされた駆動電極には、例えば所定の固定電圧が駆動信号Txとして供給される。電界タッチ検出の期間において、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、例えばこの順番で順次、選択される。図3(A)では、駆動電極TL(2)に、周期的に電圧が変化する信号が駆動信号Tx(2)として供給されている状態が示されているが、例えば、駆動電極TL(0)からTL(p)へ向けて、順次、駆動電極が選択され、周期的に電圧が変化する駆動信号が供給されることになる。
これに対し、表示の期間においては、所定の固定電圧あるいは表示すべき画像に応じた電圧が、駆動電極TL(0)〜TL(p)へ、表示駆動信号として供給される。
次に、図4を用いて、静電容量方式の基本原理を説明する。図4において、TL(0)〜TL(p)は、図3に示した駆動電極であり、RL(0)〜RL(p)は、図3に示した検出電極である。図4(A)において、駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、行方向に延在し、列方向に平行して配置されている。また、検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、駆動電極TL(0)〜TL(p)と交差するように、列方向に延在し、行方向に平行して配置されている。検出電極RL(0)〜RL(p)と駆動電極TL(0)〜TL(p)との間に隙間が生じるように、図3(B)に示したように、検出電極RL(0)〜R(p)と駆動電極TL(0)〜TL(p)との間には、液晶層等が配置されている。
図4(A)において、12−0〜12−pのそれぞれは、単位駆動電極ドライバを模式的に示している。同図では、単位駆動電極ドライバ12−0〜12−pから、駆動信号Tx(0)〜Tx(p)が出力される。また、13−0〜13−pのそれぞれは、単位増幅回路を模式的に示している。図4(A)において、実線の○で囲んだパルス信号は、選択された駆動電極へ供給される駆動信号Txの波形を示している。外部検出物体として、同図では、指がFGとして示されている。
図4(A)の例では、駆動電極TL(2)に、単位駆動電極ドライバ12−2から駆動信号Tx(2)として、パルス信号が供給されている。駆動電極TL(2)にパルス信号である駆動信号Tx(2)を供給することにより、図4(B)に示すように、駆動電極TL(2)と交差する検出電極RL(n)との間で電界が発生する。このとき、指FGが、液晶パネルの駆動電極TL(2)に近接している位置をタッチしていると、指FGと駆動電極TL(2)との間でも電界が発生し、駆動電極TL(2)と検出電極RL(n)との間で発生している電界が減少する。これにより、駆動電極TL(2)と検出電極RL(n)との間の電荷量が減少する。その結果、図4(C)に示すように、駆動信号Tx(2)の供給に応答して生じる電荷量は、指FGがタッチしているときは、タッチしていないときに比べてΔQだけ減少する。電荷量の差は、電圧の差として検出信号Rx(n)に表れ、単位増幅回路13−nに供給され、増幅される。
なお、図4(C)において、横軸は時間を示しており、縦軸は電荷量を示している。駆動信号Tx(2)の立ち上がりに応答して、電荷量は、増加(同図において、上側に増加)し、駆動信号Tx(2)の電圧の立ち下がりに応答して、電荷量は、増加(同図において、下側に増加)する。このとき、指FGのタッチの有無によって、増加する電荷量が変わる。また、この図面では、電荷量が、上側に増加した後、下側へ増加する前に、リセットが行われており、同様に、電荷量が下側へ増加した後、上側へ増加する前に、電荷量のリセットが行われている。このようにして、リセットされた電荷量を基準として、上下に電荷量が変化する。言い換えるならば、タッチに応じて、検出電極RL(n)に信号変化が発生する。
駆動電極TL(0)〜TL(p)を、順次選択し、選択した駆動電極に、パルス信号である駆動信号Tx(0)〜Tx(p)を、供給することにより、選択した駆動電極と交差する複数の検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれから、それぞれの交差部分に近接した位置に指FGがタッチしているか否かに応じた電圧値を有する検出信号Rx(0)〜Rx(p)が出力されることになる。電荷量に差ΔQが生じている時刻において、検出信号Rx(0)〜Rx(p)のそれぞれを、サンプリングし、アナログ/デジタル変換部を用いて、デジタル信号へ変換する。変換されたデジタル信号を信号処理することにより、タッチされた位置の座標を抽出することが可能となる。
<液晶表示装置の全体概要>
図5は、実施の形態1に係わる液晶表示装置1の構成を示すブロック図である。図5において、液晶表示装置1は、表示パネル(液晶パネル)、信号線セレクタ3、表示制御装置4、ゲートドライバ5およびタッチ制御装置6を備えている。また、液晶表示装置1は、切り換え駆動回路(駆動回路、第1切り換え回路)SC−L、切り換え駆動SC−R、検出制御回路SRおよび切り換え増幅回路SC−D&AMPを備えている。表示パネルは、表示を行う表示領域(表示部)と周辺領域(周辺部)とを備えている。表示と言う観点で見た場合、表示領域はアクティブ領域であり、周辺領域は非アクティブ領域である。図5では、2が、表示領域(アクティブ領域)として示されている。
表示領域2は、複数の画素が行列状に配置された画素配列LCDを有している。後で図6〜図8等を用いて説明するが、画素配列LCDには、複数の信号線、複数の駆動電極(第1電極)、複数の走査線および複数の検出電極(第2電極)が配置されている。ここで、信号線は、画素配列LCDのそれぞれの列に配置され、駆動電極は、画素配列LCDの行に配置され、複数の走査線は、画素配列LCDのそれぞれの行に配置され、検出電極は、画素配列LCDの列に配置されている。
図5を参照にして述べると、信号線は、縦方向(列方向)に延在し、横方向(行方向)に平行に配置されている。また、駆動電極は、横方向に延在し、縦方向に平行に配置されている。さらに、走査線は、横方向に延在し、縦方向に平行に配置され、検出電極は、縦方向に延在し、横方向に平行に配置されている。この場合、画素は、信号線と走査線とが交差する部分に配置されている。表示の期間(表示期間)においては、信号線と走査線により、画素が選択され、選択された画素には、そのときの信号線の電圧と、駆動電極の電圧が印加され、選択された画素は、信号線と駆動電極との間の電圧差に従った表示を行う。
表示制御装置4は、制御回路D−CNTと信号線ドライバD−DRVとを備えている。制御回路D−CNTは、外部端子Ttに供給されるタイミング信号と入力端子Tiに供給される画像情報とを受け、入力端子Tiに供給されている画像情報に従った画像信号Snを形成し、信号線ドライバD−DRVへ供給する。信号線ドライバD−DRVは、供給された画像信号Snを、表示のとき、時分割的に、信号線セレクタ3へ供給する。また、制御回路D−CNTは、外部端子Ttに供給されるタイミング信号とタッチ制御装置6からの制御信号SWとを受け、種々の制御信号を形成する。制御回路D−CNTが形成する制御信号としては、信号線セレクタ3に供給される選択信号SEL1、SEL2、同期信号TSHD、磁界イネーブル信号SC_EN、周期的に電圧が変化する制御信号TSV、タッチ検出に関する制御信号T−CNT、コイルクロック信号CLK等がある。
この実施の形態1に係わる液晶表示装置1は、磁界タッチ検出と電界タッチ検出とが可能となるようにされている。制御回路D−CNTにより形成される信号のうち、磁界イネーブル信号SC_ENは、磁界タッチ検出の実行を示すイネーブル信号である。この磁界イネーブル信号SC_ENは、例えば磁界タッチ検出のとき、ハイレベルとなり、電界タッチ検出のとき、ロウレベルとなる。また、同期信号TSHDは、表示領域2において表示を行う期間(表示期間)とタッチ検出を行う期間(タッチ検出期間)とを識別する同期信号である。同期信号TSHDが、表示期間を示しているとき、磁界イネーブル信号SC_ENは、ロウレベルとなる。
この実施の形態1においては、磁界タッチ検出のとき、制御回路D−CNTは、周期的に電圧が変化するコイルクロック信号CLKを発生し、電界タッチ検出のときには、周期的に電圧が変化する制御信号TSVを発生する。この実施の形態1においては、コイルクロック信号CLKと制御信号TSVは、後で説明するが、時分割的に同一の信号配線に供給される。そのため、図5では、コイルクロック信号CLKと制御信号TSVは、CLK/TSVとして示されている。
信号線ドライバD−DRVは、表示期間において、選択信号SEL1、SEL2に従って、時分割的に、画像信号Snを信号線セレクタ3へ供給する。信号線セレクタ3は、表示領域2に配置された複数の信号線に接続されており、表示期間のとき、供給されている画像信号を、選択信号SEL1、SEL2に従って、適切な信号線へ供給する。このようにすることにより、表示制御装置4と信号線セレクタ3との間の信号配線の数を低減することが可能となっている。
ゲートドライバ5は、表示期間のとき、制御回路D−CNTからのタイミング信号に従って走査線信号Vs0〜Vspを形成し、表示領域2内の走査線に供給する。表示期間においては、ハイレベルの走査線信号が供給されている走査線に接続されている画素が選択され、選択された画素は、そのとき信号線に供給されている画像信号に従った表示を行う。
タッチ制御装置6は、検出信号Rx(0)〜Rx(p)を受ける検出回路DETと、検出回路DETからの検出信号SE−Oに対して処理を行い、タッチされた位置の座標を抽出する処理回路PRSと、制御回路T−CNTを備えている。制御回路T−CNTは、表示制御装置4から同期信号TSHDおよび磁界イネーブル信号SC_ENを受け、タッチ制御装置6が、表示制御装置4に同期して動作するように制御する。
すなわち、制御回路T−CNTは、同期信号TSHDがタッチ検出期間を示しているとき、検出回路DETおよび処理回路PRSが、動作するように制御する。また、制御回路T−CNTは、特に制限されないが、検出回路DETからの検出信号を受け、制御信号SWを形成し、制御回路D−CNTへ供給する。処理回路PRSは、抽出した座標を、座標情報として、外部端子Toから出力する。
表示領域2は、画素配列LCDの行に平行した辺2−U、2−Dと、画素配列LCDの列に平行した辺2−R、2−Lを有している。ここで、辺2−Uと辺2−Dは、互いに対向した辺であり、この2辺の間に、画素配列LCDにおける複数の駆動電極と複数の走査線が挟まれるように配置されている。また、辺2−Uと辺2−Dも、互いに対向した辺であり、この2辺の間に、画素配列LCDにおける複数の信号線と複数の検出電極が挟まれるように配置されている。
表示領域2に配置された複数の検出電極は、表示領域2の辺2−Dの近傍において、切り換え増幅回路SC−D&AMPに接続されている。切り換え増幅回路SC−D&AMPには、磁界イネーブル信号SC_ENが供給されている。切り換え増幅回路SC−D&AMPは、磁界イネーブル信号SC_ENによって磁界タッチ検出が指示されているとき、検出電極によってコイルを構成し、構成したコイルの一方の端部に接地電圧Vsを供給するとともに、コイルの他方の端部における信号変化を増幅する。一方、磁界イネーブル信号SC_ENがロウレベルとなり、電界タッチ検出が指示されているときには、検出電極における信号変化を増幅する。切り換え増幅回路SC−D&AMPによって増幅された信号変化は、検出信号Rx(0)〜Rx(p)として、検出回路DETへ供給される。
切り換え回路SC−Rは、表示パネルの周辺領域であって、表示領域2の辺2−Rに沿って配置されている。また、切り換え駆動回路SC−Lも、表示パネルの周辺領域であって、表示領域2の辺2−Lに沿って配置されている。切り換え回路SC−Rは、表示領域2の辺2−R側において、表示領域2に配置されている複数の駆動電極に接続され、切り換え駆動回路SC−Lは、表示領域2の辺2−L側において、表示領域2に配置されている複数の駆動電極に接続されている。すなわち、切り換え回路SC−Rおよび切り換え駆動回路SC−Lは、表示パネルの周辺領域(外部)に配置され、表示領域2の辺の近傍において、表示領域2に配置されている駆動電極と接続されている。
検出制御回路SRは、特に制限されないが、表示パネルの周辺領域であって、表示領域2の辺2−Lに沿って配置されており、同じ辺2−Lに沿って配置された切り換え駆動回路SC−Lに対応し、タッチ検出(磁界タッチ検出および電界タッチ検出)期間において、対応する切り換え駆動回路SC−Lを制御する。
上記した切り換え回路SC−Rは、磁界イネーブル信号SC_ENを受け、磁界イネーブル信号SC_ENが、磁界タッチ検出を示しているとき、すなわちハイレベルのとき、表示領域2の辺2−Rの近傍において、所定の駆動電極間を電気的に接続する。一方、磁界イネーブル信号SC_ENが、ロウレベルのときに、切り換え回路SC−Rは、表示領域2の辺2−Rの近傍において、駆動電極間を電気的に分離する。
上記した切り換え駆動回路SC−Lには、所定の電圧VCOMDC、接地電圧(第1電圧)Vs、コイルクロック信号CLKおよび制御信号TSVが供給されている。また、検出制御回路SRには、制御信号T−CNTおよび磁界イネーブル信号SC_ENが供給されている。
この実施の形態1においては、磁界タッチ検出のときと電界タッチ検出のときの両方において、表示領域2に配置されている駆動電極と検出電極が、タッチを検出するために用いられる。すなわち、磁界タッチ検出のとき、駆動電極によってコイル(第1コイル)か構成され、構成されたコイルのうち選択されたコイルの一方の端部および他方の端部に、切り換え駆動回路SC−Lから接地電圧Vsおよび磁界用の駆動信号(磁界駆動信号)が供給される。また、磁界タッチ検出のとき、表示領域2に配置された検出電極によってコイル(第2コイル)が構成され、コイルの一方の端部に接地電圧Vsが供給される。磁界タッチ検出のとき、ペンが発生した磁界は、検出電極よって構成されたコイルの他方の端部において検出される。すなわち、コイルの他方の端部における信号変化が切り換え増幅回路SC−D&AMPによって増幅され、検出信号Rx(0)〜Rx(p)として、検出回路DETへ供給される。
また、電界タッチ検出のときには、表示領域2に配置されている駆動電極に、電界を発生させるための電界駆動信号が、切り換え駆動回路SC−Lから駆動電極に供給される。このとき、検出電極における信号変化が、切り換え増幅回路SC−D&AMPによって増幅され、検出信号Rx(0)〜Rx(p)として、検出回路DETへ供給される。
切り換え回路SC−R、切り換え駆動回路SC−L、検出制御回路SRおよび切り換え増幅回路SC−D&AMPについて、磁界タッチ検出および電界タッチ検出のときの動作概要を述べると、次のようになる。
タッチ検出期間において、磁界イネーブル信号SC_ENにより磁界タッチ検出が指定されている場合、切り換え回路SC−Rによって、所定の駆動電極間が電気的に接続される。これにより、表示領域2に配置された複数の駆動電極により、複数のコイルが構成される。切り換え駆動回路SC−Lは、構成された複数のコイルから選択されたコイルの一方の端部および他方の端部に対して、接地電圧Vsおよびコイルクロック信号CLK(磁界駆動信号)を供給するように、検出制御回路SRによって制御される。選択されたコイルには、接地電圧Vsとコイルクロック信号CLKが供給されるため、コイルクロック信号CLKの電圧変化に応じて変化する磁界が発生する。磁界タッチ検出のとき、切り換え増幅回路SC−D&AMPは、表示領域2に配置されている複数の検出電極によって構成されている複数のコイルの一方の端部に接地電圧Vsを供給し、コイルの他方の端部における信号変化を増幅する。ペンが磁界を発生している場合、ペンが発生している磁界が、検出電極によって構成されたコイルにより検出され、増幅されて、検出回路DETへ供給されることになる。
このように、磁界タッチ検出のときには、それぞれ駆動電極で構成された複数のコイルのうち、選択されたコイルにおいて磁界が発生する。このとき、選択されたコイルの近傍に、図1に示したペン(コイルL1と容量素子Cを有する)が、存在していると、容量素子Cが充電されることになる。充電により蓄積された電荷によって、ペン内のコイルL1が、磁界を発生すると、検出電極によって構成されたコイルの他方の端部には、その一方の端部に供給されている接地電圧Vsを基準とした信号変化が発生することになる。これにより、ペンが、選択されたコイルの近傍に存在しているか否かの検出を行うことが可能となる。
これに対して、磁界イネーブル信号SC_ENがロウレベルにされ、電界タッチ検出が指定されている場合、切り換え回路SC−Rは、駆動電極間を電気的に分離する。また、切り換え駆動回路SC−Lは、選択された駆動電極に対して、その電圧が周期的に変化する制御信号TSVを電界駆動信号として供給するように、検出制御回路SRにより制御される。このとき、切り換え増幅回路SC−D&AMPは、検出電極における信号変化を、増幅して、検出回路DETへ供給する。
このように、電界タッチ検出のときには、選択された駆動電極に、電界駆動信号が供給されるため、図4で説明したように、選択された駆動電極の近傍に、指が存在するか否かに応じて、検出電極における信号変化が変わる。その結果、指の存在を検出することが可能となる。
検出制御回路SRは、例えばシフトレジスタを備えている。このシフトレジスタは、駆動電極によって構成されるコイルにそれぞれ対応した複数の段を有している。制御信号T−CNTによって、シフトレジスタを構成する複数の段のうちの所定の段が、所定の値に設定される。例えば、表示領域2の辺2−Uに最も近接した駆動電極により構成されるコイルに対応する段が、シフトレジスタの初段とされ、この初段に所定の値が設定される。磁界タッチ検出(または電界タッチ検出)を行う度に、シフトレジスタに設定された値は、順次シフトする。シフトレジスタを移動する所定の値が、選択するコイルを指定する情報とされる。これにより、磁界タッチ検出(または電界タッチ検出)が実行される毎に、表示領域2の辺2−Uから辺2−Dに向かって配置されているコイル(または駆動電極)が選択されることになり、表示領域2の全面で、ペン(または指)のタッチを検出することが可能となる。
なお、表示のときには、切り換え駆動回路SC−Lは、表示領域2に配置された複数の駆動電極に、所定の電圧VCOMDCを供給するように、検出制御回路SRによって制御される。これにより、表示のときには、それぞれの駆動電極に、表示駆動信号(電圧VCOMDC)が供給されることになる。
<液晶表示装置1のモジュール構成>
図6は、液晶表示装置1を実装したモジュール600の全体構成を示す模式的な平面図である。模式的ではあるが、図6は、実際の配置に合わせて描かれている。同図において、601は、図3で示したTFTガラス基板TGBの領域を示しており、602は、図3で示したTFTガラス基板TGBとCFガラス基板CGBとが積層された領域を示している。モジュール600において、TFTガラス基板TGBは、領域601と602において一体となっている。すなわち、領域601と領域602において、TFTガラス基板TGBは共通である。また、領域602においては、図3に示したように、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1とCFガラス基板CGBの第2主面CSF2とが対向するように、TFTガラス基板TGBにCFガラス基板CGBが搭載されている。
図6において、600−Uは、モジュール600の短辺を示しており、600−Dは、モジュール600の辺であって、短辺600−Uと対向する短辺を示している。また、600−Lは、モジュール600の長辺を示しており、600−Rは、モジュール600の辺であって、長辺600−Lに対向する長辺を示している。
領域602であって、表示領域2の辺2−Lとモジュール600の長辺600−Lとの間の領域には、図5で示したゲートドライバ5、切り換え駆動回路SC−Lおよび検出制御回路SRが配置されている。また、表示領域2の辺2−Rとモジュール600の長辺600−Rとの間の領域には、図5で示した切り換え回路SC−Rが配置されている。表示領域2の辺2−Dとモジュール600の短辺600−Dとの間の領域には、図5で示した信号線セレクタ3、切り換え増幅回路SC−D&AMPおよびドライブ用半導体装置DDICが配置されている。
この実施の形態1においては、図5に示した信号線ドライブD−DRVおよび制御回路D−CNTは、1個の半導体装置に内蔵されている。本明細書においては、この1個の半導体装置が、ドライブ用半導体装置DDICとして示されている。また、図5に示したタッチ制御装置6も、1個の半導体装置に内蔵されている。本明細書においては、ドライブ用半導体装置DDICと区別するために、タッチ制御装置6を内蔵した半導体装置をタッチ用半導体装置6と称する。勿論、ドライブ用半導体装置DDICおよびタッチ用半導体装置6のそれぞれは、複数の半導体装置で構成してもよいし、ドライブ用半導体装置DDICとタッチ用半導体装置6を1個の半導体装置で構成するようにしてもよい。
この実施の形態1においては、切り換え増幅回路SC−D&AMPは、領域601に配置されており、領域601のTFTガラス基板TGBの第1主面TSF1に形成された配線および部品により構成されている。部品としては、スイッチ部品があり、スイッチ部品は例えば電界効果型トランジスタ(以下、MOSFETと称する)である。また、平面視で見たとき、切り換え増幅回路SC−D&AMPを覆うように、ドライブ用半導体装置DDICが、TFTガラス基板TGBに実装されている。これにより、表示領域2の下側額縁が大きくなるのを抑制することが可能となる。また、切り換え回路SC−R、切り換え駆動SC−Lおよび検出制御回路SRを構成する部品も、領域502におけるTFTガラス基板TGBの第1主面TSF1に形成されている。
図5において説明した検出信号Rx(0)〜Rx(p)は、特に制限されないが、フレキシブルケーブルFB1に伝達される。フレキシブルケーブルFB1には、タッチ用半導体装置6が実装されており、フレキシブルケーブルFB1内の配線を介して、タッチ用半導体装置6に検出信号Rx(0)〜Rx(p)が供給される。また、領域601には、フレキシブルケーブルFB2が接続されており、このフレキシブルケーブルFB2には、コネクタCNが実装されている。このコネクタCNを介して、タッチ用半導体装置6とドライブ用半導体装置DDICとの間で信号の送受信が行われる。図6には、送受信される信号の例として、同期信号TSHDが描かれている。勿論、検出信号Rx(0)〜Rx(p)は、フレキシブルケーブルFB2およびコネクタCNを介して、切り換え増幅回路SC−D&AMPから、タッチ用半導体装置6へ供給するようにしてもよい。
表示領域2には、既に述べたように、複数の画素が行列状に配置された画素配列を有しており、画素配列は、配列の行に沿って配置された複数の駆動電極TL(0)〜TL(p)および走査線GL(0)〜GL(p)と、配列の列に沿って配置された複数の信号線SL(0)〜SL(p)と複数の検出電極RL(0)〜RL(p)とを備えている。図6には、例として、2個の駆動電極TL(n)、TL(m)と2個の信号配線SL(k)、SL(n)とが示されている。なお、図6では、走査線と検出電極は、省略されているが、走査線GL(0)〜GL(p)のそれぞれは、例示した駆動電極TL(n)、TL(m)と平行して、延在しており、検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、例示した信号線SL(k)、SL(n)と平行して、延在している。信号線SL(0)〜SL(p)と走査線GL(0)〜GL(p)あるいは駆動電極TL(0)〜TL(p)との交差部分には、画素が配置されている。図6に示した表示領域2の4辺に明示してあるR、G、Bは、3原色に対応した画素を示している。
<表示領域の構造>
図7は、実施の形態1に係わる液晶表示装置1に含まれる表示領域2の構造を示す断面図である。表示という観点で見た場合、表示パネルの表示部である表示領域2(第1領域)は、アクティブな領域(アクティブ領域)であり、表示パネルの周辺部(表示領域2の外部)の領域(第2領域)は非アクティブな領域(非アクティブ領域)あるいは周辺領域と見なすことができる。この場合、図6を例にして説明すると、アクティブ領域は、表示領域2の辺2−U、2−D、2−Rおよび2−Lによって囲まれた領域となる。
図7は、図6に示した表示領域2のA−A’断面を示している。この実施の形態1においては、カラー表示を行うために、R(赤)、G(緑)およびB(青)の3原色のそれぞれに対応した3個の画素を用いて、1個のカラー画素を表示する。すなわち、1個のカラー画素が、3個の副画素により構成されていると見なすことができる。この場合、表示期間において、カラー画像信号を伝達する信号線は、それぞれ3個の信号線により構成されることになる。図7においては、具体的に表示領域2の構造を示すために、カラー表示を行う場合を説明する。
図7を説明する前に、図7で用いる信号線の符号を説明しておく。信号線SL(0)〜SL(p)のそれぞれは、表示期間において、カラー画像信号を伝達する信号線を示している。それぞれの信号線は、3個の副画素に画像信号を伝達する3個の信号線を有している。図7においては、信号線の符号の後に対応する副画素の英字を付して、3個の信号線を区別している。信号線SL(n)を例にすると、信号線SL(n)は、信号線SL(n)R、SL(n)GおよびSL(n)Bを有している。ここで、符号SL(n)の後に付した英字Rは、三原色の赤(R)を示しており、信号線SL(n)Rは、表示期間においては、三原色の赤に対応する副画素へ画像信号を伝達する信号線を示している。符号SL(n)の後に付した英字Gは、三原色の緑(G)を示しており、信号線SL(n)Gは。三原色の緑に対応する副画素へ画像信号を伝達する信号線を示している。また、符号SL(n)の後に付した英字Bは、三原色の青(B)を示しており、信号線SL(n)Bに対応する副画素へ画像信号を伝達する信号線を示している。
図7において、700は、TFTガラス基板TGBを示している。TFTガラス基板(TGB)700の第1主面TSF1には、第1配線層(導電層)701が形成されている。この第1配線層701に形成された配線によって、走査線GL(n)が構成される。第1配線層701上には、絶縁層702が形成されており、絶縁層702上には、第2配線層(導電層)703が形成されている。第2配線層703に形成された配線によって、信号線SL(n)R、SL(n)G、SL(n)B、信号線SL(n+1)R、SL(n+1)G、SL(n+1)Bおよび信号線SL(n+2)R、SL(n+2)Gが構成されている。同図では、これらの信号線が第2配線層703によって構成されていることを示すために、信号線の符号の後に、第2配線層を示す符号703を[]内に記載している。例えば、信号線SL(n)Gは、SL(n)G[703]として示されている。
第2配線層703上には、絶縁層704が形成され、絶縁層704上には、第3配線層(導電層)705が形成されている。第3配線層705に形成された配線によって、駆動電極TL(n)と補助電極SMが構成されている。ここで、駆動電極TL(n)は、透明電極(第1電極)である。また、補助電極SM(第2電極)は、駆動電極TL(n)よりも抵抗値が低く、駆動電極TL(n)と電気的に接続するように形成されている。透明電極である駆動電極TL(n)の抵抗値は、比較的高いが、補助電極SMを駆動電極TL(n)と電気的に接続することにより、合成抵抗により駆動電極の抵抗を低減することが可能となっている。ここでも、駆動電極および補助電極の符号に付された[705]は、第3配線層705により構成されていることを示している。
第3配線層705上には、絶縁層706が形成され、絶縁層706の上面には画素電極LDPが形成されている。図7において、CR、CB、CGのそれぞれは、カラーフィルタである。カラーフィルタCR(赤)、CG(緑)、CB(青)と絶縁層706との間には液晶層707が挟まれている。ここで、画素電極LDPは、信号線と走査線に囲まれており、各画素電極LDPに対向して、それぞれの画素電極LDPに対応したカラーフィルタCR、CGあるいはCBが設けられている。各カラーフィルタCR、CG、CB間にはブラックマトリクスBMが設けられている。
また、図7では、省略されているが、図3(B)に示したように、TFTガラス基板700の第1主面TSF1と対向するようにCFガラス基板CGBが積層されている。CFガラス基板CGBの第2主面CSF2に、上記したカラーフィルタCR、CG、CBが形成されている。言い換えるならば、上記した第1配線層〜第3配線層、絶縁層、液晶層707を挟んで、TFTガラス基板(TGB)700にCFガラス基板CGBが積層され、CFガラス基板CGBの第2主面CSF2にカラーフィルタCR、CG、CBが形成されている。図7では省略されているが、図3(B)に示したように、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1には、第4配線層(導電層)が形成され、第4配線層の配線によって、図3〜図6等で説明した検出電極RL(0)〜RL(p)が構成されている。検出電極RL(0)〜RL(p)の上面には、さらに、図3に示すように、偏光板が配置されている。
このように、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1には、走査線GL、信号線SLおよび駆動電極TLが配置されている。また、液晶層等によって、TFTガラス基板TGBから隔離されたCFガラス基板CGBの第1主面CSF1には、検出電極RLが配置されている。
ここで、上記した第1〜第4配線層の一例を述べておくと、第1配線層701は、例えばモリブデン(Mo)により形成され、第2配線層703および第4配線層は、例えばアルミニウム(Al)または銅(Cu)で形成される。第3配線層705のうち、駆動電極に対応する配線層は、例えば酸化インジウムスズで形成され、補助電極SMに対応する配線層は、例えばアルミニウムまたは銅によって形成される。
第2配線層703および第4配線層が、アルミニウムまたは銅で形成されるため、信号線SL(0)〜SL(p)および検出電極RL(0)〜RL(p)の抵抗値は、例えば走査線GL(0)〜GL(p)等に比べると小さくなる。また、アルミニウムまたは銅によって補助電極SMが形成され、補助電極SMは、駆動電極TL(0)〜TL(p)に接続されているため、駆動電極TL(0)〜TL(p)の抵抗値も小さくなっている。
本明細書においては、特に明示しない限り、駆動電極は、補助電極SMが電気的に接続された状態の駆動電極を意味している。すなわち、駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、透明電極と、透明電極に電気的に接続された補助電極SMとを意味している。また、本明細書においては、説明を容易にするために、「〜上に、・・・が形成されている」旨の表現を用いている。例えば、「第1配線層701上には、絶縁層702が形成され」と言う表現を用いている。本明細書で用いている「上」は、接していてもよいし、接していなくてもよいことを意味している。先の例を用いて述べるならば、「絶縁層702」は、「第1配線層701」に接していてもよいし、接していなくてもよいことを意味している。
<画素配列>
次に、表示領域2の回路構成を説明する。図8は、図5および図6に示した表示領域2の回路構成を示す回路図である。図8においても、信号線は、図7と同じ表示形式で表されている。同図において、一点鎖線で示した複数個のSPixのそれぞれは、1個の液晶表示素子(副画素)を示している。副画素SPixは、表示領域2において、行列状に配置され、液晶素子配列(画素配列)LCDを構成している。画素配列LCDは、各行に配置され、行方向に延在する複数の走査線GL(0)〜GL(p)と、各列に配置され、列方向に延在する信号線SL(0)R、SL(0)G、SL(0)B〜SL(p)R、SL(p)G、SL(p)Bとを具備している。また、画素配列LCDは、各行に配置され、行方向に延在する駆動電極TL(0)〜TL(p)と、各列に配置され、列方向に延在する検出電極RL(0)〜RL(p)を有している。
図8には、走査線GL(n−1)〜GL(n+1)と、信号線SL(n)R、SL(n)G、SL(n)B〜SL(n+1)R、SL(n+1)G、SL(n+1)Bと、駆動電極TL(n−1)〜TL(n+1)に関する画素配列の部分が示されている。なお、検出電極RL(0)〜RL(p)は、図8では省略されている。
図8においては、説明を容易にするために、駆動電極TL(n−1)〜TL(n+1)が、それぞれの行に配置されているように、示されているが、複数の行に対して1個の駆動電極を配置するようにしてもよい。また、検出電極も、複数の列に対して1個の検出電極を配置するようにしてもよい。
画素配列LCDの行と列の交点に配置されたそれぞれの副画素SPixは、TFTガラス基板(TGB)700に形成された薄膜トランジスタTrと、薄膜トランジスタTrのソースに一方の端子が接続された液晶素子LCとを具備している。画素配列LCDにおいて、同じ行に配置された複数の副画素SPixの薄膜トランジスタTrのゲートは、同じ行に配置されている走査線に接続され、同じ列に配置された複数の副画素SPixの薄膜トランジスタTrのドレインは、同じ列に配置された信号線に接続されている。言い換えるならば、複数の副画素SPixが、行列状に配置され、各行には、走査線が配置され、走査線には、対応する行に配置された複数の副画素SPixが接続されている。また、各列には信号線が配置され、信号線には、対応する列に配置された画素SPixが接続されている。また、同じ行に配置された複数の副画素SPixの液晶素子LCの他端は、行に配置された駆動電極に接続されている。
図8に示した例で説明すれば、同図において、最上段の行に配置された複数の副画素SPixのそれぞれの薄膜トランジスタTrのゲートは、最上段の行に配置された走査線GL(n−1)に接続されている。また、同図において、最も左側の列に配置された複数の副画素SPixのそれぞれの薄膜トランジスタTrのドレインは、最も左側の列に配置された信号線SL(n)Rに接続されている。さらに、最上段の行に配置された複数の副画素SPixのそれぞれの液晶素子LCの他端は、図8においては、最上段の行に配置された駆動電極TL(n−1)に接続されている。
1個の副画素SPixが、先に述べたように、3原色の1つに対応する。従って、3個の副画素SPixによって、R、G、Bの3原色が構成される。図8では、同じ行に、連続的に配置された3個の副画素SPixによって、1つのカラー画素Pixが形成され、当該画素Pixにてカラーが表現される。すなわち、図8において、800Rとして示されている副画素SPixが、R(赤)の副画素SPix(R)とされ、800Gとして示されている副画素SPixが、G(緑)の副画素SPix(G)とされ、800Bとして示されている副画素SPixが、B(青)の副画素SPix(B)とされる。そのために、800Rとして示されている副画素SPix(R)には、カラーフィルタとして赤色のカラーフィルタCRが設けられており、800Gの副画素SPix(G)には、カラーフィルタとして緑色のカラーフィルタCGが設けられており、800Bの副画素SPix(B)には、カラーフィルタとして青色のカラーフィルタCBが設けられている。
また、1つの画素を表す信号のうち、Rに対応する画像信号が、信号線セレクタ3から、信号線SL(n)Rに供給され、Gに対応する画像信号が、信号線セレクタ3から、信号線SL(n)Gに供給され、Bに対応する画像信号が、信号線セレクタ3から、信号線SL(n)Bに供給される。
各副画素SPixにおける薄膜トランジスタTrは、特に制限されないが、Nチャンネル型MOSFETである。走査線GL(0)〜GL(p)には、例えばこの順番で順次ハイレベルとなるパルス状の走査線信号が、ゲートドライバ5(図5および図6)から供給される。すなわち、画素配列LCDにおいて、上段の行に配置された走査線GL(0)から下段の行に配置された走査線GL(p)に向かって、走査線の電圧が、順次ハイレベルとなる。これにより、画素配列LCDにおいて、上段の行に配置された副画素SPixから下段の行に配置された副画素SPixに向かって、副画素SPixにおける薄膜トランジスタTrが、順次オン状態となる。
薄膜トランジスタTrがオン状態となることにより、そのとき信号線に供給されている画像信号が、オン状態の薄膜トランジスタを介して、液晶素子LCに供給される。液晶素子LCは、駆動電極TL(0)〜TL(p)に供給されている表示駆動信号の電圧と、供給された画像信号の電圧との間の電位差に従って、電界が変化し、その液晶素子LCを透過する光の率(透過率)が変わる。これにより、走査線GL(0)〜GL(p)に供給する走査線信号に同期して、信号線SL(0)R、SL(0)G、SL(n)B〜SL(p)R、SL(p)G、SL(p)Bに供給した画像信号に応じたカラー画像が、表示領域2に表示されることになる。
複数の副画素SPixのそれぞれは、選択端子と1対の端子とを有していると見なすことができる。この場合、副画素SPixを構成する薄膜トランジスタTrのゲートが、副画素SPixの選択端子であり、薄膜トランジスタTrのドレインが、1対の端子のうちの一方の端子であり、液晶素子LCの他端が、副画素SPixの他方の端子である。
ここで、図5および図6に示した表示領域2の配置と、図8に示した回路図との対応を述べておくと、次のようになる。
画素配列LCDは、その配列の行と実質的に平行な1対の辺と、その配列の列と実質的に平行な1対の辺とを有している。画素配列LCDの行と平行な1対の辺が、図5および図6に示した表示領域2の短辺2−U、2−Dに対応した第1辺、第2辺であり、画素配列LCDの列と平行な1対の辺が、表示領域2の長辺2−L、2−Rに対応した第3辺、第4辺である。
画素配列LCDにおいて、行と平行な1対の辺のうちの第2辺、すなわち、表示領域2の一方の短辺2−Dに沿って、図6に示されているように、信号セレクタ3、切り換え増幅回路SC−D&AMPおよびドライブ用半導体装置DDICが配置されている。画素配列LCDにおいては、この第2辺(液晶領域2の短辺2−D)の近傍において、信号線セレクタ3を介して、ドライブ用半導体装置DDICからの画像信号が、信号線SL(0)R、SL(0)G、SL(0)B〜SL(p)R、SL(p)G、SL(p)Bに供給される。
また、画素配列LCDにおいて、列と平行な1対の辺(第3辺、第4辺)のうち第3辺、すなわち、表示領域2の長辺2−Lに沿って、ゲートドライバ5が配置されている。画素配列LCDにおいては、この第3辺において、走査線GL(0)〜GL(p)にゲートドライバ5からの走査線信号が供給される。図6では、ゲートドライバ5が、表示領域2の長辺2−Lに沿って配置されていたが、ゲートドライバ5を、2個に分け、長辺2−L(画素配列LCDの第3辺)と長辺2−R(画素配列LCDの第4辺)のそれぞれに沿って配置するようにしてもよい。
表示領域2においてカラー表示を行う場合の画素配列LCDを具体的に説明したが、それぞれ3個の副画素SPixにより構成された複数のカラー画素Pix(画素)により、画素配列LCDが構成されていると見なしてもよい。このように見なした場合、複数の画素Pixが、行列状に配置され、画素配列LCDが構成される。画素Pixにより構成された画素配列LCDのそれぞれの行には、対応する走査線GL(0)〜GL(p)と、対応する駆動電極TL(0)〜TL(p)が配置され、それぞれの列には、信号線SL(0)〜SL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)が配置される。
この場合、3個の副画素SPixを、1個の画素Pixと見なし、画素Pixは、副画素SPixと同様な構成を有していると見なす。画素配列LCDに行列状に配置された画素Pixのそれぞれの選択端子は、画素Pixと同じ行に配置された走査線GL(0)〜GL(p)に接続され、画素Pixのそれぞれの一方の端子は、同じ列に配置された信号線SL(0)〜SL(p)に接続され、画素Pixのそれぞれの他方の端子は、同じ列に配置された駆動電極TL(0)〜TL(p)に接続されることになる。勿論、1個の駆動電極が、画素配列LCDの複数の行に対応していてもよい。この場合には、複数の行に配置された画素Pixの他方の端子が、共通の駆動電極に接続されることになる。
このように、画素配列LCDが、複数の画素Pixにより構成されていると見なした場合においても、図5および図6に示した表示領域2の配置と、図8に示した回路図との対応は、先に説明した内容と同じである。
1個のカラー画素Pixを構成する副画素SPixの数が、3個の場合を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば上記R、G、Bに加えて白(W)や黄色(Y)、または上記R、G、Bの補色(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))のいずれか1色又は複数色を加えた副画素で1つのカラー画素としてもよい。
<切り換え回路、切り換え駆動回路および検出制御回路の構成>
図9は、実施の形態1に係わる液晶表示装置1の構成を示すブロック図である。図9には、表示領域2に配置されている駆動電極TL(0)〜TL(p)のうち、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+13)が示されている。また、切り換え回路SC−R、切り換え駆動回路SC−Lおよび検出制御回路SRについても、これらの駆動電極TL(n−6)〜TL(n+13)に対応する部分のみが示されている。図9に示した駆動電極TL(n−6)〜TL(n+13)を例にして、切り換え回路SC−R、切り換え駆動回路SC−Lおよび検出制御回路SRの構成と動作を説明する。なお、駆動電極TL(0)〜TL(p)、切り換え回路SC−R、切り換え駆動回路SC−Lおよび検出制御回路SRは、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1に形成された配線および素子等によって構成されている。また、図9は、図面を見易くするために、縮小等を行っているが、実際の配置に合わせて描かれている。
図9において、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+13)のそれぞれは、表示領域2において、互いに平行して、行方向(図9では横方向)に延在している。切り換え回路SC−Rは、複数の第1スイッチS10と、複数の第2スイッチS11とを有しており、第1スイッチS10および第2スイッチS11は、磁界イネーブル信号SC_ENによってスイッチ制御される。
この実施の形態1では、磁界タッチ検出のときに、4個の駆動電極を用いて、2回巻線のコイルが1個構成される。すなわち、平面視において、互いに近接して、平行に配置された4個の駆動電極が、電気的には直列となるように接続され、1個のコイルが構成される。図9を参照にして述べると、駆動電極TL(n−6)〜TL(n−3)が、電気的に直列となるように接続され、1個のコイルが構成される。同様に、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)によって、1個のコイルが構成され、駆動電極TL(n+2)〜TL(n+5)によって、1個のコイルが構成される。また、駆動電極TL(n+6)〜TL(n+9)によって、1個のコイルが構成され、駆動電極TL(n+10)〜TL(n+13)によって、1個のコイルが構成される。
コイルを構成するために、駆動電極TL(n−4)と駆動電極TL(n−5)のそれぞれの一方の端部は、表示領域2の辺2−Lの近傍において、電気的に接続されている。また、駆動電極TL(n−4)の他方の端部は、表示領域2の辺2−Rの近傍において、第1スイッチS10に接続されている。駆動電極TL(n−6)の一方の端部は、辺2−Lの近傍において、コイルの端部となるノードTT1に接続され、その他方の端部は、辺2−Rの近傍において、第1スイッチS10に接続されている。また、駆動電極TL(n−5)の他方の端部は、辺2−Rの近傍において、第2スイッチS11に接続されている。駆動電極TL(n−3)の一方の端部は、辺2−Lの近傍において、コイルの端部となるノードTT2に接続され、その他方の端部は、辺2−Rの近傍において、第2スイッチS11に接続されている。
磁界タッチ検出のとき、磁界イネーブル信号SC_ENがハイレベルとなることによって、第1スイッチS10および第2スイッチS11がオン状態となる。これにより、駆動電極TL(n−3)〜TL(n−6)は、コイルの端部となるノードTT1とノードTT2との間に直列接続されることになり、1個のコイルが構成されることになる。
駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)についても同様に、磁界タッチ検出のときには、コイルの端部となるノードTT1とノードTT2との間に、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)が直列的に接続されることになる。すなわち、駆動電極TL(n)、TL(n−1)のそれぞれの一方の端部は、表示領域2の辺2−Lの近傍において、電気的に接続されている。また、駆動電極TL(n)の他方の端部は、表示領域2の辺2−Rの近傍において、第1スイッチS10に接続されている。駆動電極TL(n−2)の一方の端部は、辺2−Lの近傍において、コイルの端部となるノードTT1に接続され、その他方の端部は、辺2−Rの近傍において、第1スイッチS10に接続されている。また、駆動電極TL(n−1)の他方の端部は、辺2−Rの近傍において、第2スイッチS11に接続されている。駆動電極TL(n+1)の一方の端部は、辺2−Lの近傍において、コイルの端部となるノードTT2に接続され、その他方の端部は、辺2−Rの近傍において、第2スイッチS11に接続されている。
磁界タッチ検出のとき、磁界イネーブル信号SC_ENがハイレベルとなることによって、第1スイッチS10および第2スイッチS11がオン状態となる。これにより、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)は、コイルの端部となるノードTT1とノードTT2との間に直列接続されることになり、1個のコイルが構成されることになる。
以下、同様に、磁界タッチ検出のときには、第1スイッチS10およぶ第2スイッチS11がオン状態となることにより、駆動電極TL(n+2)〜TL(n+5)は、コイルの端部となるノードTT1とTT2との間に直列的に接続され、駆動電極TL(n+6)〜TL(n+9)は、コイルの端部となるノードTT1とTT2との間に直列的に接続され、駆動電極TL(n+10)〜TL(n+13)も、コイルの端部となるノードTT1とTT2との間に直列的に接続されることになる。
これにより、磁界タッチ検出のとき、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+13)のそれぞれを巻線とした5個のコイルが構成されることになる。
切り換え駆動回路SC−Lは、複数の第3スイッチ、第4スイッチおよび第5スイッチを備えており、第3スイッチと第4スイッチは、検出制御回路SRからの選択信号によってスイッチ制御され、第5スイッチは、磁界イネーブル信号SC_ENによってスイッチ制御される。図9では、スイッチS20〜S24が、第3スイッチに該当し、スイッチS30〜S34が、第4スイッチに該当し、スイッチS40〜S44が、第5スイッチに該当する。
検出制御回路SRは、表示領域2において、タッチを検出する領域に、それぞれ対応した複数の選択信号を形成して、出力する。検出制御回路SRから出力される選択信号は、磁界タッチ検出のときには、タッチを検出するコイルを指定する選択信号として用いられ、電界タッチ検出のときには、タッチを検出する駆動電極を指定する選択信号として用いられる。この実施の形態1においては、検出制御回路SRは、シフトレジスタと制御回路SRCを有している。シフトレジスタは、直列的に接続された複数の段(レジスタ段)を備えているが、図9には、複数のレジスタ段のうち、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+13)に対応するレジスタ段のみが、符号USI(0)〜USI(4)として示されている。
ここで、レジスタ段USI(0)は、駆動電極TL(n−6)〜TL(n−3)に対応し、レジスタ段USIUSY(1)は、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)に対応し、レジスタ段USI(2)は、駆動電極TL(n+2)〜TL(n+5)に対応している。また、レジスタ段USI(3)は、駆動電極TL(n+6)〜TL(n+9)に対応し、レジスタ段USI(4)は、駆動電極TL(n+10)〜TL(n+13)に対応している。
タッチ検出を行う前に、制御信号T−CNTによって、所定のレジスタ段に、所定の値が設定される。例えば、レジスタ段USI(0)に所定の値が設定される。タッチ検出が実行される毎に、図示しないシフトクロック信号によって、レジスタ段USI(0)に設定された所定の値は、順次レジスタ段USI(1)からUSI(4)へシフト(移動)する。制御回路SRCは、レジスタ段USI(0)〜USI(4)に保持された値と、磁界イネーブル信号SC_ENとに基づいて、それぞれのレジスタ段USI(0)〜USI(4)に対応した選択信号ST00、ST01〜ST40、ST41を形成して、出力する。
例えば、レジスタ段USI(0)に所定の値が保持されていれば、制御回路SRCは、このレジスタ段USI(0)に対応する選択信号ST00を、ハイレベルにし、残りのレジスタ段USI(0)〜USI(4)のそれぞれに対応した選択信号ST10、ST20、ST30およびST40をロウレベルにする。このとき、制御回路SRCは、磁界イネーブル信号SC_ENが、磁界タッチ検出を指定しているか、電界タッチ検出を指定しているかに従って、選択信号ST01、ST11、ST21、ST31およびST41のレベルを変更する。磁界イネーブル信号SC_ENが、磁界タッチ検出を指定している場合、制御回路SRCは、レジスタ段USI(0)〜USI(4)が保持している値にかかわらずに、選択信号ST01、ST11、ST21、ST31およびST41のそれぞれをロウレベルにする。一方、磁界イネーブル信号SC_ENが、電界タッチ検出を指定している場合、制御回路SRCは、所定の値を保持しているレジスタ段USI(0)に対応する選択信号ST01をロウレベルとし、残りのレジスタ段USI(1)〜USI(4)に対応する選択信号ST11、ST21、ST31およびST41をハイレベルにする。
シフトにより、所定の値が、レジスタ段USI(0)からUSI(1)へ移動すると、制御回路SRCは、レジスタ段USI(1)に保持された所定の値に応じて、このレジスタ段USI(1)に対応する選択信号ST10をハイレベルにし、残りの選択信号ST00、ST20、ST30およびST40をロウレベルにする。タッチ検出が、磁界タッチ検出の場合には、制御回路SRCは、選択信号ST01、ST11、ST21、ST31およびST41をロウレベルにし、電界タッチ検出の場合には、選択信号ST11をロウレベルにし、残りの選択信号ST01、ST21、ST31およびST41をハイレベルにする。
以降同様にして、所定の値が、レジスタ段USI(2)〜USI(4)を移動することにより、順次、選択信号ST20〜ST40はハイレベルとなる。このとき、磁界タッチ検出であれば、選択信号ST11〜ST41は、ロウレベルとなり、電界タッチ検出であれば、順次選択信号ST21〜ST41は、ロウレベルとなる。このように、所定の値は、タッチ検出を行う領域を指定する情報であるため、所定の値は、タッチ検出領域指定情報と見なすことができる。
なお、制御回路SRCは、表示期間においては、シフトレジスタに保持されている値とは無関係に、選択信号ST00、ST10、ST20、ST30およびST40をロウレベルにし、選択信号ST01、ST11、ST21、ST31およびST41をハイレベルにする。例えば、同期信号TSHDが、制御回路SRCに供給され、同期信号TSHDが表示期間を示しているとき、制御回路SRCが、上記したレベルの選択信号を形成する。
切り換え駆動回路SC−Lが有している第3スイッチS20〜S24は、対応する選択信号ST00〜ST40によってスイッチ制御され、第4スイッチS30〜S34は、対応する選択信号ST01〜ST41によってスイッチ制御され、第5スイッチS40〜S44は、磁界イネーブル信号SC_ENによってスイッチ制御される。この実施の形態1においては、第3スイッチS20〜S24、第4スイッチS30〜S34および第5スイッチS40〜S44のそれぞれは、供給される信号(選択信号および磁界イネーブル信号)が、ハイレベルのときオン状態となり、ロウレベルのときオフ状態となる。例えば、第3スイッチS20は、対応する選択信号ST00がハイレベルのときオン状態となり、ロウレベルのときオフ状態となる。また、第4スイッチS30は、対応する選択信号ST01がハイレベルのときオン状態となり、ロウレベルのときオフ状態となる。同様に、第5スイッチS40は、磁界イネーブル信号SC_ENがハイレベルのときオン状態となり、ロウレベルのときオフ状態となる。残りの第3スイッチ、第4スイッチおよび第5スイッチも同様である。
駆動電極TL(n−6)、TL(n−2)、TL(n+2)、TL(n+6)およびTL(n+10)のそれぞれの一方の端部、すなわちコイルの端部となるノードTT1は、第5スイッチS40〜S44を介して信号配線Lsに接続されている。また、駆動電極TL(n−3)、TL(n+1)、TL(n+5)、TL(n+9)およびTL(n+13)のそれぞれの一方の端部、すなわちコイルの端部となるノードTT2は、第3スイッチS20〜S24を介して、信号配線Lcに接続されている。さらに駆動電極TL(n−3)、TL(n+1)、TL(n+5)、TL(n+9)およびTL(n+13)のそれぞれの一方の端部(ノードTT2)は、第4スイッチS30〜S34を介して信号配線Lvに接続されている。ここで、信号配線Lsには、接地電圧Vsが供給され、信号配線Lvには、所定の電圧VCOMDCが供給される。また、信号配線Lcには、磁界タッチ検出のときに、コイルクロック信号CLKが供給され、電界タッチ検出のときには、周期的に電圧が変化する制御信号TSVが供給される。
<<表示期間の動作>>
表示期間においては、磁界イネーブル信号SC_ENは、ロウレベルとなる。これにより、切り換え回路SC−R内の第1スイッチS10および第2スイッチS11はオフ状態となる。また、切り換え駆動回路SC−L内の第5スイッチS40〜S44もオフ状態となる。表示期間においては、選択信号ST00〜ST40はロウレベルとなり、選択信号ST01〜ST41はハイレベルとなる。そのため、第3スイッチS20〜S24もオフ状態となり、第4スイッチS30〜S34がオン状態となる。
第5スイッチS40〜S44がオフ状態となることにより、駆動電極TL(n−6)、TL(n−2)、TL(n+2)、TL(n+6)およびTL(n+10)のそれぞれの一方の端部(ノードTT1)は、信号配線Lsから電気的に分離されることになる。また、第3スイッチS20〜S24がオフ状態となるため、駆動電極TL(n−3)、TL(n+1)、TL(n+5)、TL(n+9)およびTL(n+13)のそれぞれの一方の端部(ノードTT2)は、信号配線Lcから電気的に分離されることになる。このとき、第4スイッチS30〜S34がオン状態となるため、駆動電極TL(n−3)、TL(n+1)、TL(n+5)、TL(n+9)およびTL(n+13)のそれぞれの一方の端部(ノードTT2)は、第4スイッチを介して、信号配線Lvに電気的に接続されることになる。
これにより、表示期間において、駆動電極TL(n−3)、TL(n+1)、TL(n+5)、TL(n+9)およびTL(n+13)には、信号配線Lvから所定の電圧VCOMDCが供給されることになる。すなわち、表示期間においては、これらの駆動電極に、電圧VCOMDCが表示駆動信号として供給されることになる。
なお、第1スイッチS10およびS11が、表示期間においてオン状態となるように、例えば同期信号TSHDと磁界イネーブル信号SC_ENとに基づいた信号で、第1スイッチS10およびS11をスイッチ制御するようにしてもよい。このようにすることにより、表示期間において、駆動電極TL(n−3)、TL(n+1)、TL(n+5)、TL(n+9)およびTL(n+13)以外の駆動電極へも、表示駆動信号VCOMDCを供給することが可能となる。
<<磁界タッチ検出の動作>>
磁界タッチ検出のときには、磁界イネーブル信号SC_ENはハイレベルとなる。また、検出制御回路SRから出力される選択信号ST00、ST10、ST20、ST30およびST40のうち、タッチを検出する領域に対応する選択信号がハイレベルとなる。このとき、検出制御回路SRから出力される選択信号ST01、ST11、ST21、ST31およびST41のそれぞれはロウレベルとなる。
図9は、磁界タッチ検出のときに、タッチを検出する領域として、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)の領域を指定している場合が示されている。すなわち、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)の領域を指定する選択信号ST10がハイレベルで、残りの選択信号ST00、ST20、ST30およびST40がロウレベルのときの状態が示されている。
磁界イネーブル信号SC_ENがハイレベルとなることにより、第1スイッチS10および第2スイッチS11がオン状態となり、第5スイッチS40〜S44もオン状態となる。第1スイッチS10および第2スイッチS11がオン状態となることにより、駆動電極TL(n−6)〜TL(n−3)は、ノードTT1とノードTT2との間に直列的に接続されることになる。これらの駆動電極は、平面視で見たとき、近接して互いに平行に延在しているため、これらの駆動電極によって、ノードTT1とノードTT2とをそれぞれ端部としたコイルが、構成されることになる。同様にして、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)により、ノードTT1とノードTT2を端部としたコイルが構成され、駆動電極TL(n+2)〜TL(n+5)により、ノードTT1とノードTT2を端部としたコイルが構成され、駆動電極TL(n+6)〜TL(n+9)により、ノードTT1とノードTT2を端部としたコイルが構成され、駆動電極TL(n+10)〜TL(n+13)により、ノードTT1とノードTT2を端部としたコイルが構成される。
第5スイッチS40〜S44がオン状態となっているため、駆動電極によって構成されたコイル(図9では、5個のコイル)の端部TT1は、第5スイッチS40〜S44を介して、信号配線Lsに接続され、それぞのコイルの端部TT1には、接地電圧Vsが供給される。
選択信号ST10がハイレベルで、選択信号ST00、ST20、ST30およびST40がロウレベルであるため、第3スイッチS21がオン状態となり、第3スイッチS20、S22〜S24はオフ状態となる。これにより、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)によって構成されたコイルの端部(ノードTT2)は、第3スイッチS21を介して、信号配線Lcに接続され、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)以外の駆動電極によって構成されたコイルの端部(ノードTT2)は、信号配線Lcから分離される。このとき、選択信号ST01〜ST41はロウレベルであるため、第4スイッチS30〜S34はオフ状態となり、コイルの端部TT2は、信号配線Lvから分離される。
磁界タッチ検出においては、信号配線Lcに、コイルクロック信号CLKが供給される。そのため、ハイレベルの選択信号ST10によって指定されている駆動電極(n−2)〜TL(n+1)により構成されたコイルの端部(ノードTT2)には、第3スイッチS21を介して、コイルクロック信号CLKが供給されることになる。このとき、残りの駆動電極により構成されたコイルの端部TT2には、コイルクロック信号CLKは供給されない。駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)により構成されたコイルの端部TT1には、第5スイッチS41を介して接地電圧Vsが供給されている。そのため、駆動電極(n−2)〜TL(n+1)により構成されたコイルの端部(ノードTT2)には、接地電圧Vsを基準として、周期的に変化する電圧が供給されることになる。その結果、駆動電極(n−2)〜TL(n+1)により構成されたコイルは、コイルクロック信号CLKに従った磁界を発生することになる。このとき、残りのコイルには、コイルクロック信号CLKが供給されないため、磁界を発生しない。
コイルクロック信号CLKは、磁界を発生させるための磁界駆動信号と見なすことができる。この場合には、検出制御回路SRは、磁界駆動信号を供給するコイルを指定する選択信号を形成し、出力していると見なすことができる。また、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)によって構成されたコイルで磁界を発生するとき、駆動電極TL(n+1)は、磁界駆動信号が供給される所定の駆動電極であると見なすことができる。
駆動電極(n−2)〜TL(n+1)により構成されたコイルに磁界駆動信号を供給する場合を説明したが、同様な動作で、他の駆動電極により構成されたコイルに磁界駆動信号を供給し、磁界を発生させることができる。
<<電界タッチ検出の動作>>
図10は、実施の形態1に係わる表示装置1の構成を示すブロック図である。図10に示す構成は、図9に示した構成と同じである。図9と異なるのは、図9が磁界タッチ検出のときの状態を示しているのに対して、図10は、電界タッチ検出のときの状態を示していることである。すなわち、図10に示す駆動電極TL(n−6)〜TL(n+13)、切り換え回路SC−R、切り換え駆動回路SC−Lおよび検出制御回路SRのそれぞれの構成は、図9と同じであり、第1スイッチ〜第5スイッチの状態が、図9と異なっている。以下、図10を用いて、電界タッチ検出の際の動作を説明する。
図9において説明したように、磁界タッチ検出および電界タッチ検出のいずれの場合でも、検出制御回路SRから出力される選択信号ST00、ST10、ST20、ST30およびST40のうち、タッチを検出する領域に対応する選択信号が、ハイレベルとなり、他の選択信号はロウレベルとなる。一方、電界タッチ検出のときに、検出制御回路SRから出力される選択信号ST01、TS11、ST21、ST31およびST41は、磁界タッチ検出のときに、検出制御回路SRから出力される選択信号のレベルと異なっている。すなわち、図9で説明したように、電界タッチ検出のときには、選択信号ST01、TS11、ST21、ST31およびST41のうち、タッチを検出する領域に対応する選択信号が、ロウレベルとなり、残りの選択信号はハイレベルとなる。また、電界タッチ検出の際には、磁界イネーブル信号SC_ENはロウレベルとなる。
図10においても、図9と同様に、タッチを検出する領域として、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)に該当する領域が指定されているときの状態が示されている。そのため、検出制御回路SRから出力されている選択信号ST00〜ST40のうち、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)に対応する選択信号ST10が、ハイレベルとなり、選択信号ST00、ST20、ST30およびST40はロウレベルとなっている。また、選択信号ST01〜ST41のうち、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)に対応する選択信号ST11がロウレベルとなり、選択信号ST01、St21、ST31およびST41のそれぞれはハイレベルとなっている。
電界タッチ検出においては、磁界イネーブル信号SC_ENがロウレベルとなることにより、第1スイッチS10および第2スイッチS11がオフ状態となる。また、第5スイッチS40〜S44もオフ状態となる。第1スイッチS10および第2スイッチS11がオフ状態となることにより、駆動電極TL(n−6)の他方の端部と駆動電極TL(n−4)の他方の端部との間は、電気的に分離され、駆動電極TL(n−5)の他方の端部と駆動電極TL(n−3)の他方の端部との間も、電気的に分離される。
同様に、駆動電極TL(n−2)の他方の端部と駆動電極TL(n)の他方の端部との間は、電気的に分離され、駆動電極TL(n−1)の他方の端部と駆動電極TL(n+1)の他方の端部との間も、電気的に分離され、駆動電極TL(n+2)の他方の端部と駆動電極TL(n+4)の他方の端部との間は、電気的に分離され、駆動電極TL(n+3)の他方の端部と駆動電極TL(n+5)の他方の端部との間は、電気的に分離される。さらに、駆動電極TL(n+6)の他方の端部と駆動電極TL(n+8)の他方の端部との間は、電気的に分離され、駆動電極TL(n+7)の他方の端部と駆動電極TL(n+9)の他方の端部との間も、電気的に分離され、駆動電極TL(n+10)の他方の端部と駆動電極TL(n+12)の他方の端部との間は、電気的に分離され、駆動電極TL(n+11)の他方の端部と駆動電極TL(n+13)の他方の端部との間は、電気的に分離される。
また、第5スイッチS40〜S44がオフ状態となることにより、駆動電極TL(n−6)、TL(n−2)、TL(n+2)、TL(n+6)およびTL(n+10)のそれぞれの一方の端部(ノードTT1)も、信号配線Lsから電気的に分離される。
ハイレベルの選択信号ST10によって、第3スイッチS21はオン状態となり、ロウレベルの選択信号ST00、ST20、ST30およびST40によって、第3スイッチS20、S22〜S24はオフ状態となる。また、ロウレベルの選択信号ST11によって、第4スイッチS31はオフ状態となり、ハイレベルの選択信号ST01、ST21、ST31およびST41によって、第4スイッチS30、S32〜S34はオン状態となる。これにより、駆動電極TL(n+1)の一方の端部は、第3スイッチS21を介して、信号配線Lcに接続され、駆動電極TL(n−3)、TL(n+5)、TL(n+9)およびTL(n+13)のそれぞれの一方の端部は、第4スイッチS30、S32〜S34を介して、信号配線Lvに接続されることになる。
第1スイッチ10および第2スイッチS11がオフ状態となっているため、駆動電極TL(n+1)は、駆動電極TL(n−1)等から電気的に分離されている。すなわち、駆動電極TL(n+1)の他方の端部は、他の駆動電極を介して、接地電圧Vsに接続されず、フローティング状態となる。電界タッチ検出においては、信号配線Lcに、周期的に電圧が変化する制御信号TSVが供給されるため、この制御信号TSVが、電界駆動信号として、駆動電極TL(n+1)に供給されることになり、駆動電極TL(n+1)は、電界駆動信号の変化に応じた電界を発生することになる。すなわち、選択信号で指定された駆動電極において、電界駆動信号に応じた電界を発生することが可能となる。
駆動電極TL(n+1)を例にして説明したが、レジスタ段USI(0)からレジスタ段USI(4)へ、所定の値が順次移動することにより、選択信号ST00、ST10、ST20、ST30、ST40の順に、そのレベルがハイレベルとなり、これに合わせて、選択信号ST01、ST11、ST21、ST31、ST41の順に、そのレベルがロウレベルとなる。これによって、駆動電極TL(n+1)、TL(n−3)、TL(n+5)、TL(n+9)、TL(n+13)の順に、駆動電極が指定され、指定された駆動電極に電界駆動信号が供給されることになる。その結果、駆動電極TL(n+1)、TL(n−3)、TL(n+5)、TL(n+9)、TL(n+13)の順に、電界が発生することになる。図10に示していない駆動電極についても、同様にして、指定された駆動電極で電界が発生する。駆動電極TL(n+1)は、電界タッチ検出のときに、電界駆動信号が供給される所定の駆動電極であると見なすことができる。
<切り換え増幅回路の構成>
図11および図12は、実施の形態1に係わる液晶表示装置1の構成を示すブロック図である。図11および図12には、特に切り換え増幅回路SC−D&AMPの構成と、検出電極RL(0)〜RL(p)のうちRL(n−7)〜RL(n+8)が示されている。ここで、図11には、磁界タッチ検出のときの状態が示され、図12には、電界タッチ検出のときの状態が示されている。切り換え増幅回路SC−D&AMPの構成および検出電極RL(n−7)〜RL(n+8)の構成は、図11と図12において同じである。そのため、図11を用いて、切り換え増幅回路SC−D&AMPの構成と検出電極RL(n−7)〜RL(n+8)の構成を説明し、図12では、これらの構成の説明は省略する。
検出電極RL(0)〜RL(p)は、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1に形成されている。このCFガラス基板CGBは、図3および図7等で説明したように、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1上に積層されている。平面視で見たとき、検出電極RL(0)〜RL(p)は、列方向(縦方向)に延在し、行方向(横方向)に平行に配置されている。そのため、平面視で見たとき、検出電極RL(0)〜RL(p)は、駆動電極TL(0)〜TL(p)と交差している。
図11では、これらの検出電極RL(0)〜RL(p)のうち、検出電極RL(n−7)〜RL(n+8)が、例示されている。以下、例示した検出電極RL(n−7)〜RL(n+8)を用いて説明する。なお、図11は、図面を見易くするために縮尺等をしているが、実際の配置に合わせて描かれている。
この実施の形態1においては、磁界タッチ検出のときに、4個の検出電極によって、1個のコイル(2回巻線)が形成される。すなわち、検出電極RL(n−6)の一方の端部と検出電極RL(n−5)の一方の端部が、表示領域2の辺2−Dの近傍において、電気的に接続され、検出電極RL(n−6)の他方の端部と検出電極RL(n−4)の他方の端部とが、表示領域2の辺2−Uの近傍において、電気的に接続され、検出電極RL(n−5)の他方の端部と検出電極RL(n−7)の他方の端部とが、表示領域2の辺2−Uの近傍において、電気的に接続されている。検出電極RL(n−4)の一方の端部は、表示領域2の辺2−Dにおいて、検出電極RL(n−7)〜RL(n−4)によって構成されたコイルの一方の端部として、切り換え増幅回路SC−D&AMPに接続されている。同様に、検出電極RL(n−7)の一方の端部が、表示領域2の辺2−Dの近傍において、検出電極RL(n−7)〜RL(n−4)によって構成されたコイルの他方の端部として、切り換え増幅回路SC−D&AMPに接続されている。
すなわち、平面視で見たとき、互いに平行して配置された検出電極RL(n−7)〜RL(n−4)が、直列的に接続されることによりコイルが構成され、コイルの一方の端部と他方の端部が、切り換え増幅回路SC−D&AMPに接続されている。
同様にして、検出電極RL(n−2)の一方の端部と検出電極RL(n−1)の一方の端部が、表示領域2の辺2−Dの近傍において、電気的に接続され、検出電極RL(n−2)の他方の端部と検出電極RL(n)の他方の端部とが、表示領域2の辺2−Uの近傍において、電気的に接続され、検出電極RL(n−1)の他方の端部と検出電極RL(n−3)の他方の端部とが、表示領域2の辺2−Uの近傍において、電気的に接続されている。検出電極RL(n)の一方の端部が、表示領域2の辺2−Dの近傍において、検出電極RL(n−3)〜RL(n)によって構成されたコイルの一方の端部として、切り換え増幅回路SC−D&AMPに接続され、検出電極RL(n−3)の一方の端部が、表示領域2の辺2−Dの近傍において、検出電極RL(n−3)〜RL(n)によって構成されたコイルの他方の端部として、切り換え増幅回路SC−D&AMPに接続されている。
また。検出電極RL(n+2)の一方の端部と検出電極RL(n+3)の一方の端部が、電気的に接続され、検出電極RL(n+2)の他方の端部と検出電極RL(n+4)の他方の端部とが電気的に接続され、検出電極RL(n+3)の他方の端部と検出電極RL(n+1)の他方の端部とが電気的に接続されている。検出電極RL(n+4)の一方の端部が、検出電極RL(n+1)〜RL(n+4)によって構成されたコイルの一方の端部として、切り換え増幅回路SC−D&AMPに接続され、検出電極RL(n+1)の一方の端部が、検出電極RL(n+1)〜RL(n+4)によって構成されたコイルの他方の端部として、切り換え増幅回路SC−D&AMPに接続されている。
さらに、検出電極RL(n+6)の一方の端部と検出電極RL(n+7)の一方の端部が、電気的に接続され、検出電極RL(n+6)の他方の端部と検出電極RL(n+8)の他方の端部とが電気的に接続され、検出電極RL(n+7)の他方の端部と検出電極RL(n+5)の他方の端部とが電気的に接続されている。検出電極RL(n+8)の一方の端部が、検出電極RL(n+5)〜RL(n+8)によって構成されたコイルの一方の端部として、切り換え増幅回路SC−D&AMPに接続され、検出電極RL(n+5)の一方の端部が、検出電極RL(n+5)〜RL(n+8)によって構成されたコイルの他方の端部として、切り換え増幅回路SC−D&AMPに接続されている。
切り換え増幅回路SC−D&AMPは、切り換え回路(第2切り換え回路)SC−Dと増幅回路AMPとを備えている。切り換え回路SC−Dは、複数の単極双投スイッチを備えている。図11では、検出電極RL(n−7)〜RL(n+8)によって構成された4個のコイルに対応する4個の単極双投スイッチが、第6スイッチS50〜S53として示されている。これらの第6スイッチS50〜S53のそれぞれは、単極双投スイッチであるため、共通の端子Pと、第1端子C1と第2端子C2とを備えている。
検出電極RL(n−7)〜RL(n−4)によって構成されたコイルの一方の端部は、第6スイッチS50の第2端子C2に接続され、このコイルの他方の端部は、第6スイッチS50の共通端子Pに接続されている。また、検出電極RL(n−3)〜RL(n)によって構成されたコイルの一方の端部は、第6スイッチS51の第2端子C2に接続され、このコイルの他方の端部は、第6スイッチS51の共通端子Pに接続されている。さらに、検出電極RL(n+1)〜RL(n+4)によって構成されたコイルの一方の端部は、第6スイッチS52の第2端子C2に接続され、このコイルの他方の端部は、第6スイッチS52の共通端子Pに接続されている。同様に、検出電極RL(n+5)〜RL(n+8)によって構成されたコイルの一方の端部は、第6スイッチS53の第2端子C2に接続され、このコイルの他方の端部は、第6スイッチS53の共通端子Pに接続されている。
第6スイッチS50〜S53のそれぞれの第1端子C1は、接地電圧(第2電圧)Vsに接続されている。第6スイッチS50〜S53のそれぞれは、磁界イネーブル信号SC_ENによって制御される。すなわち、磁界イネーブル信号SC_ENが、磁界タッチ検出を示すハイレベルのとき、第6スイッチS50〜S53のそれぞれにおいて、共通端子Pは、第1端子C1に接続される。これに対して、磁界イネーブル信号SC_ENが、電界タッチ検出を示すロウレベルのとき、第6スイッチS50〜S53のそれぞれにおいて、供給端子Pは、第2端子C2に接続される。
増幅回路AMPは、この実施の形態1においては、複数の単位増幅回路を有している。それぞれの単位増幅回路は、特に制限されないが、互いに同じ構成を有しており、検出電極によって構成されたコイルに1対1で対応している。図11を例にして述べると、増幅回路AMPは、4個の単位増幅回路を備えている。検出電極RL(n−7)〜RL(n−4)により構成されたコイルの一方の端部が、対応する単位増幅回路の入力に接続され、検出電極RL(n−3)〜RL(n)により構成されたコイルの一方の端部が、対応する単位増幅回路の入力に接続されている。同様にして、検出電極RL(n+1)〜RL(n+4)により構成されたコイルの一方の端部が、対応する単位増幅回路の入力に接続され、検出電極RL(n+5)〜RL(n+8)により構成されたコイルの一方の端部が、対応する単位増幅回路の入力に接続されている。これらの単位増幅回路の出力が、検出信号Rx(0)〜Rx(p)として、検出回路DET(図5)へ供給される。
それぞれの単位増幅回路は互いに同じ構成を有しているため、図11では、4個の単位増幅回路のうち、検出電極RL(n−3)〜RL(n)により構成されたコイルの一方の端部に接続された単位増幅回路のみが示されている。
特に制限されないが、この実施の形態1において、単位増幅回路は、積分回路により構成されている。すなわち、単位増幅回路は、反転入力(−)と非反転入力(+)を有する演算増幅器OPと、積分容量素子CSSと、リセットスイッチRSとを備えている。対応するコイルの一方の端部が、演算増幅器OPの反転入力(−)に接続され、演算増幅器OPの非反転入力(+)は、接地電圧Vsに接続されている。演算増幅器OPの出力と、反転入力(−)との間に、積分容量素子CSSとリセットスイッチRSが並列に接続されている。
例えば、タッチ検出の前に、リセットスイッRSは、オン状態にされ、積分容量素子CSSに蓄積されていた電荷が放電される。その後、リセットスイッチRSはオフ状態にされ、タッチ検出を開始する。タッチの有無または/外部検出物体との距離に応じた信号変化が、検出電極により構成されたコイルの一方の端部に発生する。この信号変化は、周期的に発生する。単位増幅回路を構成する積分回路は、所定の期間内での信号変化を積分し、積分の結果を、検出信号Rx(n)として出力する。
増幅回路AMPは、信号変化を増幅して、信号変化を検出するため、検出回路と見なすこともできる。増幅回路AMPを検出回路と見なした場合、単位増幅回路は、単位検出回路と見なすことができる。
<<磁界タッチ検出の動作>>
磁界タッチ検出のときには、磁界イネーブル信号SC_ENがハイレベルとなる。これにより、図11に示すように、第6スイッチS50〜S53のそれぞれにおいて、共通端子Pは、第1端子C1に接続される。その結果、検出電極RL(n−7)〜RL(n−4)によって構成されたコイルの他方の端部には、第6スイッチS50を介して、接地電圧Vsが供給されることになる。同様に、検出電極RL(n−3)〜RL(n)によって構成されたコイルの他方の端部には、第6スイッチS51を介して、接地電圧Vsが供給され、検出電極RL(n+1)〜RL(n+4)によって構成されたコイルの他方の端部には、第6スイッチS52を介して、接地電圧Vsが供給されることになる。また、検出電極RL(n+5)〜RL(n+8)によって構成されたコイルの他方の端部には、第6スイッチS53を介して、接地電圧Vsが供給されることになる。
図9で説明したように、磁界タッチ検出のとき、複数の駆動電極(例えば、TL(n−2)〜TL(n+1))により構成されたコイルによって磁界が発生する。ペンが近接していれば、図2(A)に示したように、ペン内のコイルL1によって容量素子Cが充電される。次に、図2(B)に示したように、ペン内のコイルL1が磁界を発生する。この実施の形態1においては、図11に示す複数の検出電極(例えばRL(n−3)〜RL(n))によって構成されたコイルによって、ペン内のコイルL1が発生している磁界が検出される。
すなわち、ペン内のコイルL1が発生した磁界により、検出電極によって構成されたコイルに誘起電圧が発生する。この誘起電圧により、コイルの他方の端部(第6スイッチの共通端子P)に供給されている接地電圧Vsを基準として、コイルの一方の端部(第6スイッチの第2端子C1)における信号が変化する。コイルの一方の端部における信号は、基準の接地電圧Vsを中心として、上下に振動しながら減衰する。単位増幅回路を構成する積分回路は、所定の期間、コイルの一方の端部における信号変化を積分することにより、検出信号(例えば、Rx(n))を形成する。
<<電界タッチ検出の動作>>
次に、図12を用いて、電界タッチ検出のときの切り換え増幅回路SC−D&AMPの動作を説明する。
図12は、電界タッチ検出のときの切り換え回路SC−Dの状態を示している。図11と異なる点は、磁界イネーブル信号SC_ENが、電界タッチ検出を示すように、ロウレベルとなっていることである。磁界イネーブル信号SC_ENがロウレベルとなることにより、図12に示すように、第6スイッチS50〜S53のそれぞれにおいて、共通端子Pは、第2端子C2に接続される。
これにより、検出電極RL(n−7)〜RL(n−4)により構成されたコイルの一方の端部と、このコイルの他方の端部は、第6スイッチS50を介して電気的に接続されることになる。言い換えるならば、コイルの他方の端部は、接地電圧Vsから分離されることになる。同様に、検出電極RL(n−3)〜RL(n)により構成されたコイルの一方の端部と、このコイルの他方の端部は、第6スイッチS51を介して電気的に接続され、検出電極RL(n+1)〜RL(n+4)により構成されたコイルの一方の端部と、このコイルの他方の端部は、第6スイッチS52を介して電気的に接続される。また、検出電極RL(n+5)〜RL(n+8)により構成されたコイルの一方の端部と、このコイルの他方の端部は、第6スイッチS53を介して電気的に接続される。
検出電極により構成されたコイルのそれぞれの他方の端部が、接地電圧Vsから電気的に分離されるため、それぞれのコイルは、フローティング状態となる。電界タッチ検出においては、図10で説明したように、選択された駆動電極(例えばTL(n+1))に、周期的に電圧が変化する電界駆動信号が供給される。これにより、選択された駆動電極と、検出電極により構成され、フローティング状態となっているコイルとの間で電界が発生する。図4で説明したように、指がタッチしていれば、電荷量が変化し、検出電極により構成されたコイルの一方の端部に信号変化が発生する。この信号変化が、単位増幅回路を構成する積分回路によって、所定の時間積分され、検出信号(例えば、Rx(n))として、検出回路DET(図5)へ供給される。
<磁界タッチ検出と電界タッチ検出の動作>
磁界タッチ検出のとき、検出制御回路SRは、例えば表示領域2の辺2−Uに近接して配置された駆動電極により構成されたコイルから、表示領域2の辺2−Dに近接して配置された駆動電極により構成されたコイルに向けて、順次指定する。このとき、表示領域2の辺2−Rと辺2−Lとの間に配置された検出電極により構成された複数のコイルにおける信号変化が、増幅回路AMP(図11)によって増幅され、検出信号Rx(0)〜Rx(p)として、検出回路DETへ供給される。これにより、表示領域2において、辺2−Uから辺2−Dに向けて、ペンがタッチされているか否か、あるいはペンとの距離を把握することが可能となり、ペンのタッチされている座標または/および筆圧等を、表示装置1は出力することが可能となる。
また、電界タッチ検出のときには、検出制御回路SRは、例えば表示領域2の辺2−Uに近接して配置された駆動電極から、表示領域2の辺2−Dに近接して配置された駆動電極に向けて、順次指定する。このとき、表示領域2の辺2−Rと辺2−Lとの間に配置された検出電極により構成された複数のコイル(フローティング状態のコイル)における信号変化が、増幅回路AMP(図11)によって増幅され、検出信号Rx(0)〜Rx(p)として、検出回路DETへ供給される。これにより、表示領域2において、辺2−Uから辺2−Dに向けて、指がタッチされているか否かを把握することが可能となり、指のタッチされている座標等を、表示装置1は出力することが可能となる。
<駆動電極の構造>
図13は、実施の形態1に係わる表示装置1の平面図である。また、図14は、実施の形態1に係わる表示装置1の断面図である。図13には、表示領域2において、駆動電極TL(n)を含む領域が部分的に示されている。図13において、一点鎖線B−B’で示した領域の断面が、図14(A)に示されており、一点鎖線C−C’で示した領域の断面が、図14(B)に示されている。図13および図14を用いて、駆動電極、信号線、走査線および検出電極の構造の一例を説明する。
図13には、駆動電極TL(n)と、駆動電極TL(n)に近接して配置された駆動電極TL(n+1)の一部が示されている。駆動電極TL(n)と駆動電極TL(n+1)は、平面視において、行方向(横方向)に延在し、列方向(縦方向)に平行して配置されている。
平面視で見たとき、複数の補助電極SMが、駆動電極TL(n)、TL(n+1)と、平行に延在している。同図では、3個の補助電極SMが、駆動電極TL(n)と平行に延在し、駆動電極TL(n)に電気的に接続されている。また、駆動電極TL(n+1)と、2個の補助電極SMが、平行に延在し、電気的に接続されている。同様に、平面視で見たとき、走査線GL(m)〜GL(m+4)も、駆動電極TL(n)、TL(n+1)と平行に延在している。また、平面視で見たとき、複数の信号線が、駆動電極TL(n)、TL(n+1)と交差するように、列方向に延在し、行方向に互いに平行して配置されている。図13では、複数の信号線のうち、3個の信号線について、符号SL(n−1)〜SL(n+1)が、例示として付されている。
図13において、一点鎖線B−B’で示した領域の断面が、図14(A)に示され、一点鎖線C−C’で示した領域の断面が、図14(B)に示されている。図14(A)において、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1には、第1導電層701が形成され、この第1導電層701(図7)によって、走査線GL(m+2)が構成されている。走査線GL(m+2)上には、例えばシリコンナイトライドのような絶縁層702が形成され、絶縁層702上には、第2導電層703が形成されている。この第2導電層703によって、信号線SL(n−1)〜SL(n+1)が構成されている。図14(A)では、第2導電層703は、それによって構成された信号線SL(n−1)〜SL(n+1)として描かれている。
信号線SL(n−1)〜SL(n+1)上には、シリコンナイトライドのような絶縁層と、層間樹脂からなる絶縁層704が形成されている。絶縁層704上には、第3導電層705が形成されている。第3導電層705によって、駆動電極TL(n)と補助電極SMが構成されている。ここで、駆動電極TL(n)は、例えば酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide:ITO)によって構成された透過性の高い透明電極により構成され、補助電極SMは、例えばアルミニウム(Al)等の低抵抗の導電層によって構成されている。なお、既に述べたように、本明細書においては、特に明示しない限り、透明電極によって構成された駆動電極と、この駆動電極よりも抵抗の低い補助電極SM(第2電極)を合わせて、駆動電極と述べている。
駆動電極TL(n)上には、シリコンナイトライドのような絶縁層706が形成され、絶縁層706上には、画素電極LDPが形成されている。この画素電極LDPも。透明電極によって構成されている。画素電極LDPと、CFガラス基板CGBの第2主面CSF2との間には、液晶層707が挟まれている。このCGガラス基板CGBの第1主面CSF1には、検出電極が形成されている。
図13では、検出電極は省略されているが、この実施の形態1では、平面視で見たとき、複数の検出電極は、信号線SL(n−1)〜SL(n+1)と平行するように、列方向に延在し、行方向に平行して配置されている。図14(A)には、検出電極RL(n−2)〜RL(n+3)が、例として示されている。
図14(B)は、図13において、一点鎖線B−B’と交差する一点鎖線C−C’の領域の断面を示しているため、図14(B)には、第1導電層701(図7)によって構成された走査線GL(m+3)、GL(m+2)が示されている。また、図14(B)には、第3導電層705により構成された駆動電極TL(n+1)、TL(n)および補助電極SMと、画素電極LDPが示されている。さらに、図14(B)には、液晶層707を挟んで、TFTガラス基板TGBと対向するように配置されたCFガラス基板CGBの第1主面CSF1に形成された検出電極RL(n)が示されている。
平面視で見たときには、走査線と駆動電極は、図13に示すように、信号線と交差するように重なっている。これらは、図14に示すように、互いに絶縁層を介して重なっており、電気的には分離されている。また、図13では省略されている検出電極も、平面視で見たときには、駆動電極および走査線と重なっているが、図14に示すように、絶縁層を介して重なっており、電気的に分離されている。
図15は、検出電極の一例を、模式的に示す図である。図15(A)は、CFガラス基板CFGの第1主面CSF1に配置された複数の検出電極を、模式的に示した平面図である。図15(A)には、複数の検出電極のうち、検出電極RL(n−2)〜RL(n+2)が、代表として描かれている。検出電極RL(n−2)〜RL(n+2)のそれぞれは、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1において、表示領域2となる領域で、互いに平行となるように配置されている。すなわち、それぞれの検出電極は、表示領域2において、列方向(縦方向)に延在し、行方向(横方向)に、平行となるように配置されている。図6を参照にして述べると、平面視で見たとき、検出電極RL(n−2)〜RL(n+2)は、表示領域2の辺2−Rと辺2−Lとの間に挟まるように配置され、駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれと交差している。
この実施の形態1においては、特に制限されないが、それぞれの検出電極が、4個の単位検出電極URL(1)〜URL(4)によって構成されている。図15(A)を例にして述べると、検出電極RL(n−2)〜RL(n+2)のそれぞれが、4個の単位検出電極によって構成されている。図15(A)では、図面が複雑になるのを避けるために、検出電極RL(n)を構成する4個の単位検出電極についてのみ、符号URL(1)〜URL(4)が付されているが、残りの検出電極のそれぞれも、4個の単位検出電極URL(1)〜URL(4)によって構成されている。
特に制限されないが、4個の単位検出電極URL(1)〜URL(4)は、屈曲しながら、列方向に延在している。また、検出電極RL(n−2)〜RL(n+2)のそれぞれを構成する4個の単位検出電極URL(1)〜URL(4)は、表示領域2の辺2−U(図6)の近傍において、接続電極RCU(n−2)〜RCU(n+2)に接続されている。さらに、4個の単位検出電極URL(1)〜URL(4)は、表示領域2の辺2−D(図6)の近傍において、接続電極RCD(n−2)〜RCD(n+2)に接続されている。すなわち、接続電極RCU(n−2)〜RCU(n+2)および接続電極RCD(n−2)〜RCD(n+2)のそれぞれによって、単位検出電極URL(1)〜URL(4)は、互いに電気的に接続されている。例えば検出電極RL(n)を例にして述べると、この検出電極RL(n)を構成する4個の単位検出電極URL(1)〜URL(4)のそれぞれの一方の端部は、接続電極RCU(n)に電気的に接続され、それぞれの他方の端部は、接続電極RCD(n)に電気的に接続されている。これにより、検出電極RL(n)の抵抗値が低くされている。他の検出電極も同様である。
接続電極RCU(n−2)〜RCU(n+2)のそれぞれは、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1において、表示領域2の辺2−Uに沿って配置され、接続電極RCD(n−2)〜RCD(n+2)のそれぞれは、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1において、表示領域2の辺2−Dに沿って配置されている。
この実施の形態1においては、複数の検出電極RL(0)〜TL(p)によって、複数のコイルが構成される。そのために、2個の検出電極に対応した接続電極RCU間が、電気的に接続される。また、それぞれ構成するコイルが、2回巻線以上の場合には、2個の検出電極に対応した接続電極RCD間が電気的に接続される。図11および図12では、検出電極により構成されるコイルが、2回巻線のコイルを例として示したが、ここでは説明を容易にするために、検出電極により構成されるコイルが1回巻線の場合を説明する。
1回巻線のコイルを検出電極で構成するために、検出電極RL(n−2)〜RL(n+2)は、2個が1組とされる。接続電極RCU(n−2)〜RCU(n+2)は、検出電極RL(n−2)〜RL(n+2)に対応しているため、接続電極RCU(n−2)〜RCU((n+2)も、2個が1組とされ、組とされた接続電極RCUが互いに電気的に接続される。一方、検出電極RL(n−2)〜RL(n+2)に対応する接続電極RCD(n−2)〜RCD(n+2)のそれぞれは、CFガラス基板CGBに配置された信号配線を介して、TFTガラス基板TGBに配置された切り換え回路SC−Dに接続されている。
図15(B)は、1組とされた検出電極RL(n)とRL(n+1)の平面図である。図15(B)において、CCU(n:n+1)は、接続電極RCU(n)とRCU(n+1)とを電気的に接続する共通接続電極を示している。図15(B)においても、検出電極RL(n)を構成する4個の単位検出電極についてのみ、符号URL(1)〜URL(4)が付されている。図15(B)において、破線DRLは、検出電極間に配置されたダミー電極を示している。ダミー電極DRLは、単位検出電極と平行して配置され、検出電極間に挟まれるように配置されている。ダミー電極DRLが配置されていないと、検出電極が配置されている領域と、検出電極が配置されていない領域とにおいて、反射が異なることになる。ダミー電極DRLを、検出電極間に配置することにより、反射を均一とすることが可能となる。
検出電極RL(n+1)に対応する接続電極RCD(n+1)は、検出電極により構成されたコイルの一方の端部となり、例えば図11および図12に示した第6スイッチS51の第2端子に接続される。この場合、検出電極RL(n)に対応する接続電極RCD(n)は、検出電極により構成されたコイルの他方の端部となり、図11および図12に示した第6スイッチS51の共通端子Pに接続される。他の検出電極に対応する接続電極RCUも2個が1組とされ、共通接続電極CCUに接続され、検出電極に対応する接続電極RCDは、コイルの一方の端部および他方の端部として、第6スイッチの第2端子C2および共通端子Pに接続される。
これにより、互いに近接し、平行して配置された2個の検出電極によって、1回巻線のコイルが構成されることになる。
図11および図12で示したように、複数巻線のコイル(例えば、2回巻線のコイル)を、検出電極によって構成する場合には、例えば、上記した検出電極RL(0)〜RL(p)を第1検出電極とし、この第1検出電極とは電気的に分離された第2検出電極を、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1に形成する。2個の第2検出電極間を、表示領域2の辺2−Uの近傍において電気的に接続する。電気的に接続した第2検出電極のうちの一方に対応する接続電極を、例えば、図15(B)に示した接続電極RCD(n+1)に接続し、第2検出電極のうちの他方に対応する接続電極を、コイルの端部として、第6スイッチの第2端子C2に接続する。これにより、4個の検出電極によって複数巻線(2回巻線)のコイルを構成することが可能となる。この場合、第1検出電極と第2検出電極との間に絶縁層が形成され、第1検出電極と第2検出電極との間は、絶縁層によって分離される。
<変形例>
磁界タッチ検出と電界タッチ検出を、TFTガラス基板TGBに形成された駆動電極とCFガラス基板CGBに形成された検出電極を用いて行う例を説明したが、この変形例においては、TFTガラス基板TGBに形成された駆動電極によって、磁界タッチ検出と電界タッチ検出が行われる。
図16は、変形例に係わる液晶表示装置1の構成を、概念的に示す平面図である。図16(A)は、磁界タッチ検出のときの状態を示しており、図16(B)は、電界タッチ検出のときの状態を示している。
変形例においては、図7等で説明した第3導電層705によって、複数の第1駆動電極TLX(0)〜TLX(p)と複数の第2駆動電極TLY(0)〜TLY(p)が形成される。ここで、複数の第2駆動電極TLY(0)〜TLY(p)は、列方向(縦方向)に延在し、行方向(横方向)に平行して配置されている。また、複数の第1駆動電極TLX(0)〜TLX(p)は、行方向に延在し、列方向に平行に配置されている。図16(A)および(B)には、上記した第2駆動電極のうちの第2駆動電極TLY(n−2)〜TLY(n+1)と、上記した第1駆動電極のうちの第1駆動電極TLX(n−2)〜TLX(n+1)のみが描かれている。
第1駆動電極TLX(n−2)〜TLX(n+1)のそれぞれは、複数の単位第1駆動電極を備えている。すなわち、第1駆動電極TLX(n−2)は、単位第1駆動電極TLX(n−2):0〜TLX(n−2):4を備えており、第1駆動電極TLX(n−1)は、単位第1駆動電極TLX(n−1):0〜TLX(n−1):4を備えている。また、第1駆動電極TLX(n)は、単位第1駆動電極TLX(n):0〜TLX(n):4を備えており、第1駆動電極TLX(n+1)は、単位第1駆動電極TLX(n+1):0〜TLX(n+1):4を備えている。
第1駆動電極TLX(n−2)が有する単位第1駆動電極TLX(n−2):0〜TLX(n−2):4のそれぞれは、物理的には互いに分離されている。同様に、単位第1駆動電極TLX(n−1):0〜TLX(n−1):4は、互いに分離され、単位第1駆動電極TLX(n):0〜TLX(n):4は、互いに分離され、単位第1駆動電極TLX(n+1):0〜TLX(n+1):4も、互いに分離されている。
単位第1駆動電極が分離されている領域を、第2駆動電極TLY(n−2)〜TLY(n+1)が延在するように、第2駆動電極TLY(n−2)〜TLY(n+1)が配置されている。単位第1駆動電極TLX(n−2):0〜TLX(n−2):4を例にして、第2駆動電極TLY(n−2)〜TLY(n+1)の配置を説明すると、次のようになる。
単位第1駆動電極TLX(n−2):0と単位第1駆動電極TLX(n−2):1とを分離している領域を、第2駆動電極TLY(n−2)が延在し、単位第1駆動電極TLX(n−2):1と単位第1駆動電極TLX(n−2):2とを分離している領域を、第2駆動電極TLY(n−1)が延在している。同様に、単位第1駆動電極TLX(n−2)2と単位第1駆動電極TLX(n−2):3とを分離している領域を、第2駆動電極TLY(n)が延在し、単位第1駆動電極TLX(n−2):3と単位第1駆動電極TLX(n−2):4とを分離している領域を、第2駆動電極TLY(n+1)が延在している。他の単位第1駆動電極についても、同様に、単位第1駆動電極間を分離している領域を、第2駆動電極が延在している。
同じ第1駆動電極を構成する複数の単位第1駆動電極間は、第3導電層705とは異なる導電層、例えば第1導電層701(図7)により形成された信号配線によって、電気的に接続されている。第1駆動電極TLX(n−2)を例にして述べると、この第1駆動電極TLX(n−2)を構成する単位第1駆動電極TLX(n−2):0〜TLX(n−2):4間は、第1導電層701により形成された信号配線G(n−2)によって電気的に接続されている。同様に、残りの第1駆動電極TLX(n−1)〜TLY(n+1)についても、それぞれを構成する単位第1駆動電極間は、第1導電層701によって形成された信号配線G(n−1)〜G(n+1)により電気的に接続されている。
これにより、第1駆動電極TLX(n−2)〜TLX(n+1)と第2駆動電極TLY(n−2)〜TLY(n+1)を同じ第3導電層705によって形成しても、第1駆動電極と第2駆動電極とは、電気的に分離した状態で、平面視で見たときには、第1駆動電極と第2駆動電極とが交差した状態となる。
<<磁界タッチ検出の動作>>
磁界タッチ検出においては、図16(A)に示すように、第2駆動電極TLY(n−1)およびTLY(n+1)のそれぞれの一方の端部には、接地電圧Vsが供給される。また、第2駆動電極TLY(n−2)およびTLY(n)のそれぞれの一方の端部は、図11に示した増幅回路AMPに接続され、増幅回路AMPにおいて、積分回路の入力に接続される。このとき、第2駆動電極TLY(n−2)およびTLY(n)のそれぞれの他方の端部は、互いに電気的に接続され、第2駆動電極TLY(n−1)およびTLY(n+1)のそれぞれの他方の端部も、互いに電気的に接続される。これにより、第2駆動電極TLY(n−2)およびTLY(n)のそれぞれを巻線とした1回巻線のコイルが構成され、第2駆動電極TLY(n−1)およびTLY(n+1)のそれぞれ巻線とした1回巻線のコイルが構成されることになる。また、構成されたコイルのそれぞれの一方の端部には、積分回路が接続され、他方の端部には接地電圧Vsが供給されることになる。
磁界タッチ検出のときには、第1駆動電極TLX(n−2)の一方の端部に、磁界駆動信号としてコイルクロック信号CLKが供給され、第1駆動電極TLX(n)の一方の端部に、接地電圧Vsが供給される。このとき、第1駆動電極TLX(n−2)およびTLX(n)のそれぞれの他方の端部は、互いに電気的に接続され、第1駆動電極TLX(n−1)およびTLX(n+1)のそれぞれの他方の端部は、互いに電気的に接続される。これにより、第1駆動電極TLX(n−2)、TLX(n)のそれぞれを巻線とした1回巻線のコイルが構成され、第1駆動電極TLX(n−1)、TLX(n+1)のそれぞれを巻線とした1回巻線のコイルが構成されることになる。
第1駆動電極TLX(n−2)とTL(n)により構成されたコイルの一方の端部には、磁界駆動信号(コイルクロック信号CLK)が供給され、他方の端部には、接地電圧Vsが供給される。その結果、第1駆動電極TLX(n−2)とTL(n)により構成されたコイルにおいて、磁界駆動信号の変化に従った磁界が発生する。発生した磁界によって、ペン内の容量素子が充電されれば、容量素子に充電された電荷に従って、ペン内のコイルが磁界を発生する。ペン内のコイルで発生した磁界に従って、第2駆動電極によって構成されたコイルにおいて信号が変化する。このコイルにおける信号変化が、増幅回路AMPによって増幅され、検出回路DETによって、ペンの有無または/および筆圧が検知される。
磁界駆動信号(コイルクロック信号CLK)は、第1駆動電極TLX(n−2)に供給された後、第1駆動電極TLX(n−1)に供給される。このとき、接地電圧Vsは、第1駆動電極TLX(n)ではなく、第1駆動電極TLX(n+1)へ供給される。このようにして、磁界を発生するコイルが順次変更される。
この変形例においては、平面視で見たとき、第2駆動電極により構成された複数のコイルが、部分的に重なっている。同様に、第1駆動電極により構成された複数のコイルも、部分的に重なっている。すなわち、1個のコイルに注目した場合、注目したコイルの巻線となる第2駆動電極(第1駆動電極)間に、隣接する他のコイルの巻線となる第2駆動電極(第1駆動電極)が配置されている。コイルにより発生する磁界は、コイルの巻線に挟まれている領域、すなわちコイルの内側で強くなる。磁界の検出も、コイルの巻線に挟まれている領域(コイルの内側)で感度がよい。そのため、コイルが部分的に重なるようにすることにより、発生する磁界が弱くなる領域、あるいは感度が低下する領域を減らすことが可能となる。
<<電界タッチ検出の動作>>
次に、電界タッチ検出の動作を図16(B)を用いて説明する。図16(B)に示した第2駆動電極TLY(n−2)〜TLY(n+1)および第1駆動電極TLX(n−2)〜TLX(n+1)の構成は、図16(A)と同じであるため、説明は省略する。
この変形例においては、第2駆動電極TLY(n−2)〜TLY(n+1)のそれぞれの他方の端部は、フローティング状態にされる。また、第2駆動電極TLY(n−2)およびTLY(n−1)のそれぞれの一方の端部は、互いに電気的に接続され、第2駆動電極TLY(n)およびTLY(n+1)のそれぞれの一方の端部も、互いに電気的に接続される。互いに接続された第2駆動電極TLY(n−2)およびTLY(n−1)の一方の端部は、図12に示した増幅回路AMPに接続され、互いに接続された第2駆動電極TLY(n)およびTLY(n+1)の一方の端部も、増幅回路AMPに接続される。
また、第1駆動電極TLX(n−2)〜TLX(n+1)のそれぞれの他方の端部は、フローティング状態にされる。この変形例においては、第1駆動電極TLX(n−2)およびTLX(n−1)のそれぞれの一方の端部に、電界駆動信号である制御信号TSVが供給される。
指がタッチしている否かにより、第2駆動電極TLY(n−2)〜TLY(n+1)における電荷量が変化し、この変化に伴って、第2駆動電極における信号変化が変わる。第2駆動電極における信号変化が、増幅回路AMPによって増幅され、検出回路DETにより検出される。その結果、指のタッチの有無等を検出することが可能となる。なお、第1駆動電極TLX(n−2)およびTLX(n−1)に電界駆動信号を供給した後、例えば第1駆動電極TLX(n)、TL(n+1)へ、電界駆動信号が供給され、第1駆動電極TLX(n)、TL(n+1)に係わるタッチの検出が行われることになる。
<<表示の動作>>
表示の際には、第2駆動電極TLY(n−2)〜TLY(n+1)および第1駆動電極TLX(n−2)〜TLX(n+1)のそれぞれに、表示駆動信号が供給される。これにより、信号線における電圧と表示駆動信号とに基づいた表示が行われることになる。
<<第1駆動電極および第2駆動電極>>
図17は、変形例に係わる表示装置の構成を示す平面図である。図17において、TLY(n−5)〜TLY(n+4)は、第2駆動電極を示しており、TLX(0)〜TLX(p)は、第1駆動電極を示している。図16で説明したように、第2駆動電極および第1駆動電極は、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1に形成された第3導電層705によって形成されている。図16では、コイル間が部分的に重なるように、第2駆動電極により構成されたコイル内に、隣接したコイルの巻線が1個配置された例を説明したが、図17では、平面視で見たとき、コイル内に、そのコイルと隣接する2個のコイルの巻線が、それぞれ配置されている例が示されている。これにより、図16で述べたように、磁界の検出感度が低下する領域を低減することが可能となる。なお、第1駆動電極TLX(0)〜TLX(p)のそれぞれは、図16で説明したように、複数の単位第1駆動電極を有し、複数の単位第1駆動電極間は、信号配線によって電気的に接続されている。
図18は、図17において、第2駆動電極TLY(n)と第1駆動電極TLX(n−2)〜TLX(n+2)が交差する部分の平面および断面を示す図である。図18(A)は、第2駆動電極TLY(n)と第1駆動電極TLX(n−2)〜TLX(n+2)が交差する部分の平面を示しており、図18(B)は、図18(A)において一点鎖線D−D’で示した部分の断面を示している。
図18(A)において、第2駆動電極TLY(n)は、破線で示されている。また、TLX(n−2):0、TLX(n−2):1は、第1駆動電極TL(n−2)を構成する単位第1駆動電極を示し、TLX(n−1):0、TLX(n−1):1は、第1駆動電極TL(n−1)を構成する単位第1駆動電極を示し、TLX(n):0、TLX(n):1は、第1駆動電極TL(n)を構成する単位第1駆動電極を示している。さらに、TLX(n+1):0、TLX(n+1):1は、第1駆動電極TL(n+1)を構成する単位第1駆動電極を示し、TLX(n+2):0、TLX(n+2):1は、第1駆動電極TL(n+2)を構成する単位第1駆動電極を示している。
図16において説明したように、同じ第1駆動電極を構成する単位第1駆動電極間は、物理的に分離され、駆動電極を形成する第3配線層705とは異なる配線層によって電気的に接続されている。図17および図18において、第2駆動電極TLY(0)〜TLY(p)のそれぞれは、平面視で見たとき、信号線SL(0)〜SL(p)と平行するように延在しており、第1駆動電極TLX(0)〜TLX(p)は、走査線GL(0)〜GL(p)と平行するように延在している。図18(A)には、信号線SL(0)〜SL(p)のうち、信号線SL(n−3)〜SL(n+4)が描かれている。また、走査線は、走査線GL(0)〜GL(p)のうち、走査線GL(m−3)〜GL(m+6)のみが描かれている。
同じ第1駆動電極を構成する単位第1駆動電極間は、TFTガラス基板TGBに形成された第1導電層701(図7)によって構成された信号配線G(n−2)〜G(n+2)によって電気的に接続されている。走査線GL(m−3)〜GL(m+6)も、第1導電層701によって構成されているため、第1導電層701によって、単位第1駆動電極間を接続する信号配線G(n−2)〜G(n+2)と走査線GL(m−3)〜GL(m+6)が形成されていることになる。これにより、新たな導電層を設けなくても、単位第1駆動電極間を電気的に接続することが可能となっている。また、単位第1駆動電極間は、2個の信号配線によって接続されている。例えば、単位第1駆動電極TLX(n−2):0と単位第1駆動電極TLX(n−2):1との間には、並列的に2個の信号配線G(n−2)が配置され、電気的に接続されている。これにより、信号配線G(n−2)の抵抗値が比較的高くても、合成抵抗を低減することが可能とされている。
また、平面視で見たとき、第2駆動電極TLY(n)に重なっている信号線SL(n−1)〜SL(n+1)のそれぞれと第2駆動電極TLY(n)との間には、表示領域2の辺2−U(例えば図6)の近傍において、図示しないスイッチが接続されている。同様に、信号線SL(n−1)〜SL(n+1)のそれぞれと第2駆動電極TLY(n)との間には、表示領域2の辺2−D(例えば図6)の近傍においても、図示しないスイッチが接続されている。この第2駆動電極TLY(n)と信号線SL(n−1)〜SL(n+1)のそれぞれとの間に接続されたスイッチは、タッチ検出のとき(磁界タッチ検出のときと電界タッチ検出のとき)にオン状態にされる。これにより、磁界タッチ検出のときと電界タッチ検出のときに、信号線(n−1)〜SL(n+1)と第2駆動電極TLY(n)とが並列接続されることになり、第2駆動電極TLY(n)の合成抵抗を小さくすることが可能となる。第2駆動電極TLY(n)を例にして説明したが、他の第2駆動電極も同様に、タッチ検出のときには、信号線によって、合成抵抗が小さくなるようにされている。
図18(B)において、LDPは画素電極を示しており、SL(n−3)〜SL(n+3)は、第2導電層703(図7)によって形成された信号線を示している。TLY(n)は、第3導電層705によって形成された第2駆動電極を示している。また、TLX(n−1):0およびTLX(n−1):1のそれぞれは、第1駆動電極TLX(n−1)を構成する単位第1駆動電極を示している。単位第1駆動電極TLX(n−1):0、TLX(n−1):1も、第3導電層705によって構成されているが、物理的には、分断されている。G(n−1)は、第1導電層701によって形成された信号配線を示しており、物理的に互いに分離されている単位第1駆動電極TLX(n−1):0およびTLX(n−1):1は、絶縁層704等に設けられた開口部を介して、電気的に信号配線G(n−1)に接続されている。これにより、物理的には分離されている単位第1駆動電極TLX(n−1):0およびTLX(n−1):1は、電気的には接続され、図16で説明したように、磁界駆動信号、電界駆動信号および表示用駆動信号を、伝達することが可能となっている。
磁界タッチ検出のとき、第1駆動電極TLXによって磁界を発生するコイル(以下、磁界発生コイルまたは第1コイルとも称する)を構成し、第2駆動電極TLYによって磁界を検出するコイル(以下、磁界検出コイルまたは第2コイルとも称する)を構成する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2駆動電極TLYによって、磁界発生コイルを構成し、第1駆動電極TLXによって、磁界検出コイルを構成するようにしてもよい。
実施の形態1においては、磁界タッチ検出のとき、磁界を発生する磁界発生コイルと、ペンからの磁界を検出する磁界検出コイルとが、別々になっている。例えば、図9および図11では、駆動電極によって、磁界発生コイルが構成され、検出電極によって、磁界検出コイルが構成される。また、変形例においては、第1駆動電極によって、磁界発生コイルが構成され、第2駆動電極によって、磁界検出コイルが構成されている。
図2で説明したように、同一のコイル(L2)で、磁界を発生し、ペンからの磁界を検出する場合、検出が遅くなる、あるいは検出精度が低下することが危惧される。すなわち、コイルは、寄生容量等が付随する。そのため、コイルへの磁界駆動信号の供給を停止しても、コイルにおける電圧等は変動しており、収束するのに時間を要することになる。同一のコイルで、ペンからの磁界を検出する場合には、コイルにおける変動が所定の値に収束したタイミングで、検出をしないと、誤検出となる。そのため、検出が遅くなることが考えられる。また、コイルにおける変動の収束を待っている期間においても、ペンは、容量素子に蓄積された電荷によって磁界を発生している。そのため、コイルにおける変動の収束を待っている期間においても、容量素子に蓄えられていた電荷は失われることになる。従って、磁界を検出するタイミングが遅いと、ペンからの磁界が弱くなっており、検出精度が低下することになる。
実施の形態1においては、ペンが発生した磁界を検出する磁界検出コイルが、磁界発生コイルとは別のコイルとなっている。そのため、磁界駆動信号の供給を停止した後、磁界発生コイルにおける電圧等が変動していても、磁界検出コイルにおける電圧等は変動していないため、短時間で、磁界検出を開始することが可能となる。これにより、検出が遅くなるのを防ぐことが可能となる。また、磁界発生コイルにおける変動の収束を待たなくても、検出を開始することができるため、ペンから強い磁界が発生しているときに、検出を開始することが可能となり、検出精度の低下を防ぐことが可能となる。
実施の形態1においては、切り換え回路SC−R、SC−Lによって、駆動電極が、磁界発生コイルを構成する駆動電極または電界を発生する駆動電極として、切り換えて用いられる。すなわち、磁界タッチ検出の際には、駆動電極によって磁界発生コイルが構成され、選択された磁界発生コイルには、磁界駆動信号と所定の電圧(接地電圧Vs)とが供給される。一方、電界タッチ検出の際には、選択された駆動電極は、フローティング状態で、電界駆動信号が供給される。これにより、電界タッチ検出の際には、選択された駆動電極から、電界駆動信号に従った電界を発生させることが可能となる。
また、切り換え回路SC−Dによって、検出電極は、磁界検出コイルを構成する検出電極または電界を検出する検出電極として、切り換えて用いられる。すなわち、磁界タッチ検出の際には、磁界検出コイルに所定の電圧(接地電圧Vs)が供給され、所定の電圧を基準として、磁界検出コイルにおける信号変化が検出される。一方、電界タッチ検出の際には、検出電極はフローティング状態とされ、タッチにより生じる電荷の変化が検出電極における信号変化として検出される。
このように、磁界タッチ検出と電界タッチ検出とで、同じ電極(駆動電極および検出電極)を用いることが可能であるため、磁界タッチ検出または/および電界タッチ検出のために、新たな電極あるいは信号配線を設けることが要求されないため、表示装置の価格の上昇を抑制することが可能となる。
変形例においては、磁界タッチ検出のとき、磁界発生コイルと磁界検出コイルが、駆動電極により構成される。また、電界タッチ検出のときには、駆動電極によって、電界の発生と検出が行われる。そのため、例えば、検出電極を設けなくても、磁界タッチ検出と電界タッチ検出を実行することが可能であり、表示装置の価格の上昇を抑制することが可能である。
透明電極よりも抵抗値の低い補助電極SM(第2電極)を用いずに、透明電極のみを駆動電極として、磁界発生コイルまたは/および磁界検出コイルを構成することが考えられる。例えば、磁界発生コイルを、駆動電極(補助電極SMを有しない)で構成した場合、駆動電極の抵抗値が高いため、表示領域2において、発生する磁界の強さに、バラツキが発生する。図6を例にして述べると、表示領域2の辺2−D側から磁界駆動信号が、駆動電極に供給されるが、この場合には、辺2−D側において発生する磁界に比べて、辺2−U側において発生する磁界が弱くなる。そのため、表示領域2において、磁界の強度にバラツキが生じ、磁界の強度に分布が発生することになる。
また、磁界検出コイルを駆動電極(補助電極SMを有しない)によって構成した場合、駆動電極の抵抗値が高いため、表示領域2において増幅回路AMPから離れた領域における磁界の変化により生じる増幅回路AMPの入力信号の変化と、増幅回路AMPに近接した領域における磁界の変化により生じる増幅回路AMPの入力信号の変化とでは異なってしまう。そのため、駆動電極によって磁界検出コイルを形成した場合にも、表示領域2における検出の位置(領域)において、検出感度のバラツキが生じてしまうことが考えられる。
さらに、透明電極によって構成された駆動電極によって、磁界発生コイルと磁界検出コイルの両方を構成した場合には、上記したように、磁界発生におけるバラツキと磁界検出におけるバラツキの両方が生じることになる。その結果、増幅回路AMPに供給される信号変化は、表示領域2において検出する位置によってばらつくことになる。これに対応するためには、例えば、増幅回路AMP(検出回路)の増幅率等の特性を、検出する位置に応じて変更することが考えられる。しかしながら、この変更は大きな負担となり、表示装置の価格上昇を招くことが危惧される。
実施の形態1においては、磁界タッチ検出の際に、透明電極と補助電極とを有する駆動電極によって磁界発生コイルが構成される。透明電極は比較的抵抗値が大きいが、補助電極は、透明電極に比べて抵抗値が小さい。そのため、透明電極と、透明電極と並列的に接続された補助電極(第2電極)を有する駆動電極の合成抵抗は小さくなる。これにより、磁界を発生するときに、強い磁界を発生することが可能となり、ペン内の容量素子に蓄えられる電荷量の多くすることが可能となる。
また、ペンからの磁界を検出する磁界検出コイルは、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1に形成された検出電極によって構成される。検出電極は、例えばアルミニウム等によって構成されるため、抵抗値が小さい。また、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1に形成される導電層の数は、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1に形成される導電層の数に比べて少ない。例えば、図14を参照にして述べると、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1には、走査線、信号線および駆動電極等を形成する複数の導電層が形成されるのに対して、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1には、検出電極を形成する導電層が形成されているだけである。そのため、検出電極に付随する寄生容量は小さくなる。磁界タッチ検出に際して、磁界検出コイルは、抵抗値が小さく、付随する寄生容量も小さい検出電極によって構成されるため、表示領域2において、検出感度のバラツキを低減することが可能となる。
実施の形態1においては、磁界を発生するときは、透明電極と補助電極とを有する駆動電極を用いた磁界発生コイルが使われ、強い磁界が発生される。また、ペンからの磁界を検出するときには、抵抗値および寄生容量が小さい検出電極を用いた磁界検出コイルが使われ、磁界の検出が行われる。表示領域2において、発生する磁界にバラツキが生じていても、強い磁界を発生することが可能となるため、ペンの容量素子に蓄えられる電荷量を多くすることにより、バラツキの影響が低減される。一方、ペンからの磁界を検出するときには、検出電極を用いることにより、表示領域2における検出感度のバラツキが低減される。そのため、増幅回路AMPに供給される信号変化が、表示領域2における検出の位置によってばらつくのを低減することが可能となる。これにより、検出する位置に応じて、増幅回路AMP(検出回路)の特性を変更する必要がなくなる。あるいは変更を少なくすることが可能となる。
なお、実施の形態1では、増幅回路AMPが、磁界タッチ検出と電界タッチ検出の両方において、共通で用いられている。磁界タッチ検出の際に、コイルを構成する検出電極に発生する信号変化の値と、電界タッチ検出の際に、検出電極に発生する信号変化の値とは、異なる。そのため、磁界タッチ検出のときと、電界タッチ検出のときとで、増幅回路AMPの特性を変更あるいは切り換えることが望ましい。例えば、磁界タッチ検出のときと、電界タッチ検出のときとで、積分容量CGS(図11、図12)の値を切り換えることが望ましい。
変形例においては、磁界タッチ検出のとき、磁界発生コイルと磁界検出コイルが、駆動電極により構成される。また、電界タッチ検出のときにも、駆動電極によって、電界の発生と検出が行われる。磁界発生コイルを構成する駆動電極は、物理的に分離された単位駆動電極(単位第1駆動電極)を、信号配線によって電気的に接続することにより、構成される。物理的に分断された単位駆動電極を信号配線によって接続するため、磁界発生コイルを構成する駆動電極は、抵抗値および付随する寄生容量が大きくなることが危惧される。しかしながら、例えば、検出電極を設けなくても、磁界タッチ検出と電界タッチ検出を実行することが可能であり、表示装置の価格の上昇を抑制することが可能である。
(実施の形態2)
図19は、実施の形態2に係わる表示装置1の構成を示すブロック図である。図19は、図5に類似しているので、ここでは相違点を主に説明する。図19において、ゲートドライバ5、タッチ制御装置6および信号線ドライバD−DRVは、図5に示したゲートドライ5、タッチ制御装置6および信号線ドライバD−DRVと同じであるため、説明は省略する。図19に示した制御回路D−CNTは、図5に示した制御回路D−CNTと類似しているが、図19に示した制御回路D−CNTは、図5に示した制御回路D−CNTに加えて、表示の期間を示す表示制御信号DP_ENと、この表示制御信号DP_ENの位相を反転した反転表示制御信号/DP_ENを形成する。この表示制御信号DP_EN、反転表示制御信号/DP_ENは、例えば同期信号TSHDに基づいて形成される。この実施の形態2においては、表示制御信号DP_ENは、表示期間においてハイレベルとなり、磁界タッチ検出および電界タッチ検出のときにはロウレベルとなる。そのため、反転表示制御信号/DP_ENは、表示期間において、ロウレベルとなり、磁界タッチ検出および電界タッチ検出のときにはハイレベルとなる。
実施の形態1においては、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、行方向(横方向)に延在し、列方向(縦方向)に平行に配置されており、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、信号線SL(0)〜SL(p)と交差していた。また、検出電極RL(0)〜RL(p)は、列方向に延在し、行方向に平行に配置されていた。
これに対して、実施の形態2においては、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、列方向に延在し、行方向に平行に配置されている。信号線SL(0)〜SL(p)は、実施の形態1と同様に、列方向に延在し、行方向に平行に配置されている。そのため、実施の形態2において、表示領域2Aを上面視から見た場合、駆動電極TL(0)〜TL(p)と、信号線SL(0)〜SL(p)は、平行に配置されている。また、実施の形態2において、検出電極RL(0)〜RL(p)は、行方向に延在し、列方向に平行に配置されている。そのため、実施の形態1と同様に、検出電極(第2配線)RL(0)〜RL(p)は、表示領域2Aにおいて、駆動電極(第1配線)TL(0)〜TL(p)と交差し、信号線SL(0)〜SL(p)とも交差している。
図19において、3Aは信号線セレクタを示している。信号線セレクタ3Aは、表示期間のときには、図5に示した信号線セレクタ3と同様に動作する。すなわち、信号線セレクタ3Aは、信号線ドライバD−DRVから、時分割的に画像信号が供給される。表示期間においては、供給された画像信号を、選択信号SEL1およびSEL2に従って、適切な信号線へ伝達する。
これに対して、磁界タッチ検出および電界タッチ検出のとき、すなわちタッチ検出期間においては、信号線セレクタ3Aは、信号線を駆動電極に電気的に接続する。表示領域2Aの辺2−Uに沿って切り換え回路SC−UA1が配置されている。この切り換え回路SC−UA1も、タッチ検出期間において、信号線と駆動電極とを電気的に接続する。そのため、タッチ検出期間においては、表示領域2Aの辺2−U側と辺2−D側で、信号線と駆動電極とが電気的に接続されることになる。これにより、タッチ検出期間において、駆動電極の合成抵抗が低減されることになる。なお、図19では、図面が複雑になるのを避けるために、信号線セレクタ3Aと表示領域2Aとの間に配置されている駆動電極は省略され、信号線SL(0)〜SL(p)のみが示されている。同様に、表示領域2Aと切り換え回路SC−UA1との間に配置されている信号線は省略されており、駆動電極TL(0)〜TL(p)のみが示されている。
タッチ検出期間においては、検出制御回路SXから、選択信号が、切り換え駆動回路(駆動回路、第1切り換え回路)SC−DAに供給される。切り換え駆動回路SC−DAには、所定の電圧VCOMDCおよび接地電圧Vsが供給されている。また、磁界タッチ検出のとき、切り換え駆動回路SC−DAには、コイルクロック信号CLKが供給され、電界タッチ検出のときには、周期的に電圧が変化する制御信号TSVが供給される(CLK/TSVと記載)。
表示領域2Aの辺2−Uの近傍には、切り換え回路SC−UA2が配置されている。切り換え回路SC−UA2は、辺2−U側において、駆動電極TL(0)〜TL(p)に接続されており、磁界タッチ検出のときには、所定の駆動電極間を電気的に接続する。
上記した切り換え駆動回路SC−DAにおいても、所定の駆動電極間が電気的に接続されている。磁界タッチ検出のときに、切り換え回路SC−UA2によって所定の駆動電極間が電気的に接続されることにより、駆動電極を巻線とした複数の磁界発生コイルが形成される。切り換え駆動回路SC−DAは、検出制御回路SXからの選択信号に従って、複数の磁界発生コイルから、磁界を発生する磁界発生コイルを選択し、選択した磁界発生コイルに、接地電圧Vsと、コイルクロック信号CLKを供給する。選択された磁界発生コイルには、接地電圧Vsを基準として、コイルクロック信号CLKが磁界駆動信号として供給され、磁界駆動信号に従った磁界が発生する。タッチ検出期間では、信号線セレクタ3Aおよび切り換え回路SC−UA1によって、駆動電極には、信号線が電気的に接続されているため、駆動電極の合成抵抗を小さくすることが可能であり、選択された磁界発生コイルは、強い磁界を発生する。
切り換え回路SC−UA2は、電界タッチ検出のとき、駆動電極間を電気的に分離する。また、切り換え駆動回路SC−DAは、検出制御回路SXからの選択信号によって選択された駆動電極がフローティング状態となるようにし、選択された駆動電極へ制御信号TSVを電界駆動信号として供給する。これにより、選択された駆動電極は、電界駆動信号に従った電界を発生する。
表示領域2Aに配置されている検出電極RL(0)〜RL(p)は、信号配線RLL(0)〜RLL(p)を介して、切り換え増幅回路(第2切り換え回路、検出回路)SC−LAおよびSC−RAに接続されている。実施の形態2においては、互いに隣接して配置された2個の検出電極が組とされており、組とされた2個の検出電極の端部が電気的に接続され、2個の検出電極の別の端部が、信号配線RLLに接続されている。一例を述べると、検出電極RL(0)と、この検出電極RL(0)に平行して、隣接した検出電極RL(1)とが、組とされる。組とされた検出電極RL(0)と検出電極RL(1)とは、辺2−L側において電気的に接続され、辺2−R側において、信号配線RLL(0)とRLL(1)に接続され、切り換え増幅回路SC−LAに接続されている。同様に、組とされた検出電極RL(2)と検出電極RL(3)は、辺2−R側において電気的に接続され、辺2−L側において、信号配線RLL(2)とRLL(3)に接続され、切り換え増幅回路SC−RAに接続されている。
切り換え増幅回路SC−RA、SC−LAは、磁界タッチ検出のとき、信号配線RLL(0)〜RLL(p)のうち、第1の信号配線(例えば、RLL(1)、RLL(3)、以下、切り換え信号配線とも称する)に接地電圧Vsを供給し、第2の信号配線(例えば、RLL(0)、RLL(2)、以下、検出信号配線とも称する)における信号変化を増幅し、検出信号Rxとして、検出回路DETへ供給する。実施の形態2においては、互いに近接して、平行に配置された検出電極によって、1回巻線の磁界検出コイルが構成される。この磁界検出コイルに、切り換え信号配線を介して接地電圧Vsを供給することにより、切り換え増幅回路SC−RA、SC−LAは、接地電圧Vsを基準として、磁界検出コイルにおける信号変化を、検出信号配線を介して受信し、増幅することになる。その結果、ペンからの磁界に応じた検出信号を、検出回路DETへ供給することが可能となり、ペンの有無または/および筆圧を検出することができる。
また、電界タッチ検出のとき、切り換え増幅回路SC−RA、SC−LAは、信号配線RLL(0)〜RLL(p)のうち、切り換え信号配線をフローティング状態にし、検出信号配線における信号変化を増幅して、検出信号Rxとして検出回路DETへ供給する。指がタッチされているか否かにより、電界が変化する。この変化に従って、検出信号配線における信号が変化する。そのため、検出回路DETで検出信号Rxを判定することにより、指の有無を検出することができる。
なお、この実施の形態2においては、ペンからの磁界が、複数の磁界検出コイルにより検出され、検出信号Rx(0)〜Rx(p)として、検出回路DETへ供給される。また、電界タッチ検出のときも、電界駆動信号によって発生した電界の変化が、複数の検出電極によって検出され、検出信号Rx(0)〜Rx(p)として、検出回路DETへ供給される。
表示期間においては、切り換え駆動回路SC−DAから、駆動電極に、所定の電圧VCOMDCが、表示駆動電圧として供給される。表示の動作は、実施の形態1と同じであるため、省略する。なお、表示期間においては、信号線セレクタ3Aおよび切り換え回路SC−UA1は、信号線と駆動電極を電気的に分離する。
<信号線セレクタ3Aおよび切り換え回路SC−UA1>
次に信号線セレクタ3Aおよび切り換え回路SC−UA1の一例を説明する。図20は、実施の形態2に係わる表示装置における信号線セレクタ3Aおよび切り換え回路SC−UA1の構成を示す回路図である。図20において、TL(0)〜TL(p)は、表示領域2Aに配置された駆動電極を示しており、SLは、表示領域2Aに配置された信号線を示している。平面視で見たとき、図20に示すように、駆動電極TL(0)〜TL(p)と複数の信号線SLは、互いに平行して、延在するように配置されている。
信号線セレクタ3Aは、複数の単位セレクタU3Aを備えている。単位セレクタU3Aは、互いに同じ構成を有しているため、図20では、1個の単位セレクタU3Aの構成が詳しく示されている。単位セレクタU3Aは、第7スイッチS60と第8スイッチS70、S71を備えている。第7スイッチS60は、信号線ドライバD−DRVの出力ノードndrv(0)と切り換え駆動回路SC−DAのノードnda(0)との間に接続され、反転表示制御信号/DP_ENによってスイッチ制御される。また、第8スイッチS70およびS71は、信号線ドライバD−DRVの出力ノードndrv(0)と信号線SLとの間に接続され、第8スイッチS70は、選択信号SEL1によってスイッチ制御され、第8スイッチS71は、選択信号SEL2によってスイッチ制御される。
表示期間においては、反転制御信号/DP_ENは、ロウレベルとなるため、第7スイッチS60はオフ状態となる。これにより、駆動電極TL(0)と信号線SLとは分離される。一方、表示期間においては、選択信号SEL1とSEL2が相補的にハイレベルとなり、第8スイッチS70とS71が、相補的にオン状態となる。これにより、信号線ドライバD−DRVの出力ノードndrv(0)から出力された画像信号は、複数の信号線SL(図では2個の信号線)に、時分割的に供給されることになる。
タッチ検出のときには、反転表示制御信号/DP_ENがハイレベルとなり、選択信号SEL1およびSEL2は、ともにハイレベルとなる。これにより、タッチ検出のときには、第7スイッチS60および第8スイッチS70、S71がオン状態となる。その結果、タッチ検出のときには、駆動電極TL(0)に、複数の信号線SLが電気的に接続されることになる。
切り換え回路SC−UA1も、互いに同じ構成を有する複数の単位切り換え回路U−UA1を備えている。図20では、単位信号線セレクタU3Aに対応する単位切り換え回路U−UA1についてのみ、詳しい構成が示されている。単位切り換え回路U−UA1は、第9スイッチS80〜S82を備えている。第9スイッチS80は、駆動電極TL(0)とノードnua(0)との間に接続され、第9スイッチS81およびS82のそれぞれは、信号線SLとノードnua(0)との間に接続されている。第9スイッチS80〜S82は、反転表示制御信号/DP_ENによってスイッチ制御される。
表示期間においては、反転表示制御信/DP_ENはロウレベルとなるため、第9スイッチS80〜S82はオフ状態となる。これに対して、タッチ検出のとき、反転表示制御信号/DP_ENはハイレベルとなり、第9スイッチS80〜S82はオン状態となる。これにより、表示期間においては、信号線SLは、駆動電極TL(0)から電気的に分離される。一方、タッチ検出のときには、第9スイッチS80〜S82を介して、駆動電極TL(0)に信号線SLが電気的に接続されることになる。
信号線セレクタ3Aは、表示領域2Aの辺2−Dに沿って配置され、切り換え回路SC−UA1は、表示領域2Aの辺2−Uに沿って配置されている。そのため、タッチ検出のときには、辺2−D側において、駆動電極TL(0)に信号線SLが接続されるとともに、辺2−U側においても、駆動電極TL(0)に信号線SLが接続されることになる。すなわち、駆動電極TL(0)に対して、複数の信号線SLが並列接続されることになる。この結果、タッチ検出のときには、駆動電極TL(0)の合成抵抗を小さくすることが可能となる。一方、表示期間においては、駆動電極TL(0)は、信号線SLから電気的に分離されるため、駆動電極TL(0)に表示駆動信号を供給することにより、表示駆動信号と画像信号とが、画素に供給され、表示を行うことが可能となる。
駆動電極TL(0)に対応する単位信号線セレクタU3Aおよび単位切り換え回路U−UA1を例にして説明したが、他の駆動電極TL(1)〜TL(p)に対応する単位信号線セレクタU3Aおよび単位切り換え回路U−UA1についても、構成および動作は同じである。
なお、図20では、説明を容易にするために、タッチ検出のときに、1個の駆動電極に対して、2個の信号線を接続する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、タッチ検出の際に、3個以上の信号線が、1個の駆動電極に並列接続されるようにしてもよい。
<磁界発生コイル>
図21は、実施の形態2に係わる液晶表示装置の構成を示す模式的な平面図である。実施の形態2では、磁界タッチ検出のとき、表示領域2Aに配置されている駆動電極TL(0)〜TL(p)を用いて、磁界発生コイルを形成する。この実施の形態2においては、磁界タッチ検出のとき、切り換え回路SC−UA2と切り換え駆動回路SC−DAによって、所定の駆動電極間が電気的に接続されることにより、磁界発生コイルが形成されることになる。図21を用いて、切り換え回路SC−UA2と切り換え駆動回路SC−DAにより、駆動電極を巻線として磁界発生コイルの形成する動作を説明する。なお、図21では、図20で説明した切り換え回路SC−UA1および信号線セレクタ3Aは省略されているが、タッチ検出のときには、切り換え回路SC−UA1および信号線セレクタ3Aによって、それぞれの駆動電極には、複数の信号線が並列接続されているものとする。
図21では、2回巻線の磁界発生コイルが、駆動電極によって形成されている場合を示している。また、説明を容易にするために、図21には、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1に形成された駆動電極TL(0)〜TL(p)のうち、駆動電極TL(0)〜TL(8)のみが示されている。
切り換え回路SC−UA2は、表示領域2Aの辺2−Uに沿って配置されており、切り換え回路SC−UA1のノードnua(0)〜nua(8)(図20参照)に接続されている。図20から理解されるように、ノードnua(0)〜nua(8)は、磁界タッチ検出のとき、対応する駆動電極TL(0)〜TL(8)に接続される。切り換え駆動回路SC−DAは、表示領域2Aの辺2−Dに沿って配置されており、ノードnda(0)〜nda(8)(図20参照)を備えている。図20から理解されるように、磁界タッチ検出のとき、ノードnda(0)〜nda(8)は、対応する駆動電極TL(0)〜TL(8)に接続される。なお、図20で、説明したように、磁界タッチ検出のとき、駆動電極TL(0)〜TL(8)のそれぞれには、複数の信号線が並列接続されている。
磁界タッチ検出のとき、切り換え回路SC−UA2は、駆動電極TL(0)に対応するノードnua(0)と、駆動電極TL(3)に対応するノードnua(3)とを電気的に接続し、駆動電極TL(1)に対応するノードnua(1)と、駆動電極TL(4)に対応するノードnua(4)とを電気的に接続する。一方、切り換え駆動回路SC−DAは、駆動電極TL(1)に対応するノードnda(1)と駆動電極TL(3)に対応するノッドnda(3)とを接続する信号配線を備えている。これにより、磁界タッチ検出のときには、互いに平行して配置された駆動電極TL(0)、TL(1)、TK(3)およびTL(4)が、切り換え回路SC−UA2と切り換え駆動回路SC−DAによって直列的に接続されることになり、これらの駆動電極TL(0)、TL(1)、TK(3)およびTL(4)を巻線とした磁界発生コイルが形成されることになる。
また、磁界タッチ検出のときには、切り換え駆動回路SC−DAが、辺2−D側から、駆動電極TL(0)に対応するノードnda(0)に接地電圧Vsを供給し、駆動電極TL(4)に対応するノードnda(4)に、コイルクロック信号CLKを供給する。これにより、駆動電極TL(0)、TL(1)、TK(3)およびTL(4)によって挟まれた駆動電極TL(2)を中心とした磁界発生コイルが形成され、コイルクロック信号CLKに応じて変化する磁界が発生する。この場合、発生する磁界は、コイルの中心である駆動電極TL(2)において、最も強い磁界となる。
磁界タッチ検出のときには、同様にして、切り換え回路SC−UA2と切り換え駆動回路SC−DAにより、別の駆動電極を巻線とした磁界発生コイルが形成される。例えば、駆動電極TL(5)、TL(6)、TL(8)およびTL(9)を巻線とした磁界発生コイルが形成される。この場合、駆動電極TL(7)が、磁界発生コイルの中心となり、この磁界発生コイルに接地電圧Vsとコイルクロック信号CLKを供給した場合には、駆動電極TL(7)の領域において、より強い磁界が発生することになる。
このようにして、磁界タッチ検出のときに、駆動電極を巻線とした複数の磁界発生コイルが形成されるが、形成された複数の磁界発生コイルのうち、いずれの磁界発生コイルにコイルクロック信号CLKを供給するかは、検出制御回路SX(図19)によって定められる。
<切り換え回路SC−UA2の構成>
図22は、実施の形態2に係わる切り換え回路SC−UA2の構成を示す回路図である。図22には、図21に示した駆動電極TL(0)〜TL(8)と、駆動電極TL(8)に近接して配置された駆動電極TL(9)に対応する部分の回路が示されている。
切り換え回路SC−UA2は、第10スイッチS90〜S93を備えている。第10スイッチS90〜S93のそれぞれは、磁界イネーブル信号SC_ENによってスイッチ制御される。すなわち、磁界イネーブル信号SC_ENがハイレベルのとき、オン状態となり、ロウレベルのとき、オフ状態となる。言い換えるなら、磁界タッチ検出のとき、第10スイッチS90〜S93はオン状態となり、電界タッチ検出のとき、第10スイッチS90〜S93はオフ状態となる。
第10スイッチS90は、駆動電極TL(0)に対応するノードuna(0)と駆動電極TL(3)に対応するノードuna(3)との間に接続され、第10スイッチS91は、駆動電極TL(1)に対応するノードuna(1)と駆動電極TL(4)に対応するノードuna(4)との間に接続されている。同様に、第10スイッチS92は、駆動電極TL(5)に対応するノードuna(5)と駆動電極TL(8)に対応するノードuna(8)との間に接続され、第10スイッチS93は、駆動電極TL(6)に対応するノードuna(6)と駆動電極TL(9)に対応するノードuna(9)との間に接続されている。
これにより、磁界タッチ検出のときには、表示領域2の辺2−U側において、駆動電極TL(0)と駆動電極TL(3)とが接続され、駆動電極TL(1)と駆動電極TL(4)が接続される。また、このとき、駆動電極TL(5)と駆動電極TL(8)とが接続され、駆動電極TL(6)と駆動電極TL(9)が接続されることになる。一方、電界タッチ検出のときには、駆動電極TL(0)〜TL(9)は、電気的に分離されることになる。
駆動電極TL(10)〜TL(p)についても、同様に、第10スイッチによって、磁界タッチ検出のときには、所定の駆動電極間が電気的に接続され、電界タッチ検出のときには、駆動電極間は、電気的に分離される。
<切り換え駆動回路SC−DAの構成>
図23は、実施の形態2に係わる切り換え駆動回路SC−DAの構成を示す回路図である。図23には、図22で述べた駆動電極TL(0)〜TL(9)に対応する部分の回路のみが示されている。
切り換え駆動回路SC−DAは、第11スイッチS100、S101、第12スイッチS110、S111、第13スイッチS120、S121および信号配線CCN1、CCN2を備えている。第11スイッチS100、S101は、磁界イネーブル信号SC_ENによってスイッチ制御され、第12スイッチS110、S111は、表示制御信号DP_ENによってスイッチ制御され、第13スイッチS120、S121は、検出制御回路SXからの対応する選択信号SN(0)、SN(1)によってスイッチ制御される。
第11スイッチS100は、駆動電極TL(0)に対応するノードnda(0)と信号配線Lsとの間に接続され、第11スイッチS101は、駆動電極TL(5)に対応するノードnda(5)と信号配線Lsとの間に接続されている。磁界イネーブル信号SC_ENは、磁界タッチ検出のとき、ハイレベルとなるため、磁界タッチ検出のとき、第11スイッチS100、S101がオン状態となり、電界タッチ検出のときには、第11スイッチS100、S101はオフ状態となる。磁界タッチ検出のとき、第11スイッチS100、S101がオン状態となることにより、ノードnda(0)を介して対応する駆動電極TL(0)は、信号配線Lsに接続され、ノードnda(5)を介して対応する駆動電極TL(5)も、信号配線Lsに接続される。この信号配線Lsには、接地電圧Vsが供給されている。そのため、磁界タッチ検出のとき、駆動電極TL(0)およびTL(5)は、辺2−D側において、接地電圧Vsが供給されることになる。
第12スイッチS110は、駆動電極TL(4)に対応するノードnda(4)と信号配線Lvとの間に接続され、第12スイッチS111は、駆動電極TL(9)に対応するノードnda(9)と信号配線Lvとの間に接続されている。表示制御信号DP_ENは、表示期間のとき、ハイレベルとなるため、表示期間のとき、第12スイッチS110、S111がオン状態となり、タッチ検出のときには、第12スイッチS110、S111はオフ状態となる。表示期間のとき、第12スイッチS110、S111がオン状態となることにより、ノードnda(4)を介して対応する駆動電極TL(4)は、信号配線Lvに接続され、ノードnda(9)を介して対応する駆動電極TL(9)も、信号配線Lvに接続されことになる。この信号配線Lvには、所定の電圧VCOMDCが供給されている。
表示期間のとき、第12スイッチがオン状態となることにより、駆動電極TL(4)およびTL(9)は、辺2−D側において、所定の電圧VCOMDCが供給されることになる。この所定の電圧VCOMDCが、表示駆動信号となる。図23では、駆動電極TL(4)およびTL(9)に対して、第12スイッチを設けているが、駆動電極TL(0)〜TL(p)に対して、第12スイッチを設けるようにしてもよい。
第13スイッチS120は、駆動電極TL(4)に対応するノードnda(4)と信号配線Lcとの間に接続され、第13スイッチS121は、駆動電極TL(9)に対応するノードnda(9)と信号配線Lcとの間に接続されている。この実施の形態1において、検出制御回路SXは、第13スイッチのそれぞれに対応した選択信号を出力する。図23には、第13スイッチS120に対応する選択信号SN(0)と、S121に対応する選択信号SN(1)のみが示されている。
検出制御回路SXは、後で図24を用いて説明するが、タッチ検出のとき、すなわち磁界タッチ検出のときと、電界タッチ検出のときに、検出する領域に対応する選択信号をハイレベルにし、検出を行わない領域に対応する選択信号をロウレベルにする。タッチ検出のときに、例えば選択信号SN(0)がハイレベルとなることにより、第13スイッチS120がオン状態となる。このとき、選択信号SN(1)はロウレベルであり、第13スイッチS121はオフ状態となる。第13スイッチS120がオン状態となると、この第13スイッチS120およびノードnda(4)を介して対応する駆動電極TL(4)は、信号配線Lcに接続される。このとき、第13スイッチS121はオフ状態であるため、対応する駆動電極TL(9)は、信号配線Lcに接続されず、駆動電極TL(9)と信号配線Lcとは電気的に分離されることになる。
タッチ検出が磁界タッチ検出のときには、信号配線Lcにコイルクロック信号CLKが供給されため、駆動電極TL(4)には、コイルクロック信号CLKが供給されることになる。一方、タッチ検出が電界タッチ検出のときには、信号配線Lcに周期的に電圧が変化する制御信号TSVが供給される。そのため、電界タッチ検出のときには、駆動電極TL(4)に制御信号TSVが供給されることになる。
選択信号SN(1)がハイレベルで、選択信号SN(0)がロウレベルのときには、同様にして、第13スイッチS121がオン状態となり、第13スイッチS120はオフ状態となる。これにより、磁界タッチ検出のときには、第13スイッチS121を介して、コイルクロック信号CLKが、駆動電極TL(9)に供給され、電界タッチ検出のときには、第13スイッチS121を介して、制御信号TSVが、駆動電極TL(9)に供給される。
駆動電極TL(1)に対応するノードnda(1)および駆動電極TL(3)に対応するノードnda(2)は、切り換え駆動回路SC−DAにおいて、信号配線CCN1により接続されている。また、駆動電極TL(6)に対応するノードnda(6)および駆動電極TL(8)に対応するノードnda(8)は、切り換え駆動回路SC−DAにおいて、信号配線CCN2により接続されている。
<検出制御回路の構成>
図24は、実施の形態2に係わる検出制御回路SXの構成を示すブロック図である。検出制御回路SXは、図9で説明した検出制御回路SRと同様に、シフトレジスタと制御回路SRCとを備えている。図24には、シフトレジスタを構成するレジスタ段がUSX(0)〜USX(p)として示されている。タッチ検出を実行するまえに、制御信号T−CNTによって、所望のレジスタ段にタッチ検出領域指定情報を設定する。例えば、レジスタ段USX(0)にタッチ検出領域指定情報を設定する。設定されたタッチ検出領域指定情報は、図示しないシフトクロック信号が変化することにより、順次、レジスタ段を移動する。例えば、レジスタ段USX(0)に設定されたタッチ検出領域指定情報は、シフトクロック信号の変化に同期して、レジスタ段USX(0)からUSX(p)へ向けて移動(シフト)する。レジスタ段USX(0)からUSX(p)に保持されているタッチ検出領域指定情報が、制御回路SRCを介して、選択信号SN(0)〜SN(p)として出力される。
制御回路SRCは、例えば表示制御信号DP_ENによって、表示期間かタッチ検出期間かを判定し、タッチ検出期間のとき、レジスタ段USX(0)からUSX(p)に保持されているタッチ検出領域指定情報を出力する。例えば、タッチ検出のとき、タッチ検出領域指定情報が、レジスタ段USX(0)からレジスタ段USX(p)へ向けて移動することにより、選択信号は、選択信号SN(0)からSN(p)に向けて、順次ハイレベルとなる。
<切り換え回路SC−UA2、切り換え駆動回路SC−DAおよび検出制御回路SXの動作>
次に、図22から図24を用いて、磁界タッチ検出のときの動作を説明する。ここでは、駆動電極TL(0)、TL(1)、TL(3)およびTL(4)によって、磁界発生コイルが構成され、この磁界発生コイルが選択される場合を例として説明する。この場合、レジスタ段USX(0)に、タッチ検出領域指定情報が保持されており、このタッチ検出領域指定情報により、レジスタ段USX(0)に対応する選択信号SN(0)がハイレベルとなっており、残りの選択信号SN(1)〜SN(p)はロウレベルとなっている。
磁界タッチ検出のときには、磁界イネーブル信号SC_ENがハイレベルとなるため、図22に示した第10スイッチS90〜S93がオン状態となる。これにより、駆動電極TL(0)は、辺2−U側において、第10スイッチS90を介して駆動電極TL(3)に接続され、駆動電極TL(3)は、辺2−D側において、信号配線CCN1を介して駆動電極TL(1)に接続され、駆動電極TL(1)は、辺2−U側において、第10スイッチS91を介して駆動電極TL(4)に接続される。これにより、駆動電極TL(0)、TL(1)、TL(3)およびTL(4)が、直列に接続され、磁界発生コイルが構成される。このとき、他の駆動電極、例えば駆動電極TL(5)、TL(6)、TL(8)およびTL(9)も、直列に接続され、これらの駆動電極によって、別の磁界発生コイルが構成されている。
磁界イネーブル信号SC_ENがハイレベルとなることにより、図23に示した第11スイッチS100、S101もオン状態となる。これにより、駆動電極により構成された磁界発生コイルのそれぞれの一方の端部(ノードnda(0)、nda(5))には、第11スイッチを介して、接地電圧Vsが供給される。このときは、表示期間でないため、表示制御信号DP_ENはロウレベルとなっている。そのため、図23に示した第12スイッチS110、S111はオフ状態となっている。
選択信号SN(0)がハイレベルとなっているため、第13スイッチS120がオン状態となる。このとき、選択信号SN(1)はロウレベルであるため、第13スイッチS121はオフ状態となる。磁界タッチ検出のときには、信号配線Lcにコイルクロック信号CLKが供給される。コイルクロック信号CLKは、選択信号SN(0)によってオン状態とされた第13スイッチS120を介して、ノードnda(4)に供給される。すなわち、磁界発生コイルの他方の端部(ノードnda(4))に、コイルクロック信号CLKが供給される。このとき、駆動電極TL(5)、TL(6)、TL(8)およびTL(9)により構成された別の磁界発生コイルの他方の端部(ノードnda(9))には、コイルクロック信号CLKが供給されない。
駆動電極TL(0)、TL(1)、TL(3)およびTL(4)により構成された磁界発生コイルの一方の端部には、接地電圧Vsが供給され、他方の端部には、コイルクロック信号CLKが供給される。コイルクロック信号CLKは、周期的に電圧が変化するため、この磁界発生コイルには、接地電圧Vsを基準として、周期的に変化する電圧が印加されることになり、磁界を発生する。
一方、別の磁界発生コイル、例えば駆動電極TL(5)、TL(6)、TL(8)およびTL(9)により構成された磁界発生コイルには、その一方の端部(ノードnda(5))には接地電圧Vsが供給されるが、他方の端部(ノードnda(9))には、コイルクロック信号CLKが供給されない。その結果、別の磁界発生コイルにおいては、磁界が発生しない。
このように、磁界タッチ検出のときに、検出制御回路SXから出力される選択信号は、表示領域2Aに配置された駆動電極により構成された複数の磁界発生コイルから、磁界を発生させる磁界発生コイルを選択する信号となる。磁界が発生している磁界発生コイルを構成している駆動電極が配置されている領域において、ペンの検出が行われるため、選択信号は、検出する領域を選択する選択信号とも見なせる。
次に、電界タッチ検出のときの動作を説明する。ここでも、レジスタ段USX(0)に対応する選択信号SN(0)がハイレベルで、他の選択信号SN(1)〜SN(p)はロウレベルであるとする。
電界タッチ検出のとき、磁界イネーブル信号SC_ENはロウレベルとなる。そのため、第10スイッチS90〜S93はオフ状態となる。また、第11スイッチS100、S101もオフ状態となる。表示期間ではないため、表示制御信号DP_ENはロウレベルとなり、第12スイッチS110、S111はオフ状態となる。
選択信号SN(0)がハイレベルであるため、第13スイッチS120はオン状態となる。このとき、選択信号SN(1)はロウレベルであるため、第13スイッチS121はオフ状態となる。第13スイッチS120がオン状態となることにより、駆動電極TL(4)は、信号配線Lcに接続される。信号配線Lcには、電界タッチ検出であるため、制御信号TSVが供給されている。そのため、駆動電極TL(4)は、辺2−D側において、制御信号TSVが供給されることになる。制御信号TSVが供給されるとき、第10スイッチS90、S91、第11スイッチS100および第12スイッチS110はオフ状態となっているため、駆動電極TL(4)は、他の駆動電極から電気的に分離されており、フローティング状態で、制御信号TSVが供給されることになる。その結果、駆動電極TL(4)は、制御信号TSVの電圧変化に従って、電界を発生することになる。言い換えるならば、駆動電極TL(4)には、制御信号TSVを電界駆動信号として供給され、電界駆動信号の変化に従って電界を発生する。
駆動電極TL(4)に電界駆動信号が供給されているとき、他の駆動電極(例えば、TL(0)〜TL(3)およびTL(5)〜TL(9))には、電界駆動信号が供給されないため、他の駆動電極では、電界駆動信号に従った電界は発生しない。そのため、電界タッチ検出のとき、検出制御回路SXから出力される選択信号は、表示領域2Aに配置された複数の駆動電極から、電界を発生する駆動電極を選択する信号となる。タッチ検出においては、電界を発生する駆動電極の近傍が、例えば指によってタッチされているか否かの検出が行われる。従って、電界タッチ検出のときも、選択信号は、タッチを検出する領域を選択する信号であるとも見なすことができる。
<磁界検出コイル>
実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1に配置された検出電極が、タッチ検出の際に用いられる。すなわち、検出電極は、磁界タッチ検出のときには、磁界検出コイルを構成する電極として用いられ、電界タッチ検出のときには、電界の変化を検出する電極として用いられる。
図25は、実施の形態2に係わる検出電極の構成を示す模式的な平面図である。図25は、模式的ではあるが、実際の配置に合わせて描かれている。検出電極RL(0)〜RL(p)は、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1に配置されている。実施の形態2では、検出電極RL(0)〜RL(p)は、行方向に延在し、列方向に平行に配置されている。また、この実施の形態2においては、2個の検出電極が組とされ、1組の検出電極によって、1回巻線のコイルが構成される。磁界タッチ検出のときには、1組の検出電極によって構成されたコイルが、磁界検出コイルとして用いられる。また、電界タッチ検出のときには、コイルを構成する1組の検出電極のうちの少なくとも一方が、電界を検出する電極として用いられる。なお、検出電極RL(0)〜RL(p)は、例えば図15で説明したような構成を備えている。
この実施の形態2においては、平面視で見たときに、互いに近接している2個の駆動電極が、コイルを構成する1組の検出電極とされている。図25を例にして説明すると、検出電極RL(0)とRL(1)が組とされ、検出電極RL(2)とRL(3)が組とされ、検出電極RL(4)とRL(5)が組とされ、検出電極RL(6)とRL(7)が組とされている。以降同様にして、検出電極RL(p−1)とRL(p)が組とされている。
検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、一方の端部TTR1と他方の端部TTR2とを備えている。組とされた検出電極RL(0)の他方の端部TTR2と検出電極RL(1)の一方の端部TTR1が、表示領域2Aの辺2−R側(図19)において、接続電極CCU(図15)に接続されている。また、組とされた検出電極RL(2)の他方の端部TTR2と検出電極RL(3)の一方の端部TTR1が、表示領域2Aの辺2−L側(図19)において、接続電極CCU(図15)に接続されている。さらに、組とされた検出電極RL(4)の他方の端部TTR2と検出電極RL(5)の一方の端部TTR1が、表示領域2Aの辺2−R側において、接続電極CCUに接続され、組とされた検出電極RL(6)の他方の端部TTR2と検出電極RL(7)の一方の端部TTR1が、表示領域2Aの辺2−L側において、接続電極CCUに接続されている。以降、組とされている検出電極間が、交互に、辺2−R側に配置された接続電極CCUと、辺2−L側に配置された接続電極CCUによって接続されている。
組とされている検出電極の端部において、接続電極CCUに接続されていない端部は、辺2−Rまたは辺2−Lに沿って配置された信号配線RLL(0)〜RLL(p)に接続され、信号配線RLL(0)〜RLL(p)を介して、切り換え増幅回路SC−RA、SC−LAに接続されている。すなわち、検出電極RL(0)の一方の端部TTR1は、辺2−Lに沿って配置された信号配線RLL(0)を介して、切り換え増幅回路SC−LAに接続され、検出電極RL(1)の他方の端部TTR2は、辺2−Lに沿って配置された信号配線RLL(1)を介して、切り換え増幅回路SC−LAに接続されている。また、検出電極RL(2)の一方の端部TTR1は、辺2−Rに沿って配置された信号配線RLL(2)を介して、切り換え増幅回路SC−RAに接続され、検出電極RL(3)の他方の端部TTR2は、辺2−Rに沿って配置された信号配線RLL(3)を介して、切り換え増幅回路SC−RAに接続されている。
以降、同様にして、検出電極RL(4)の一方の端部TTR1は、信号配線RLL(4)を介し、検出電極RL(5)の他方の端部TTR2は、信号配線RLL(5)を介して、切り換え増幅回路SC−LAに接続され、検出電極RL(p−3)の一方の端部TTR1は、信号配線RLL(p−3)を介し、検出電極RL(p−2)の他方の端部TTR2は、信号配線RLL(p−2)を介して、切り換え増幅回路SC−LAに接続されている。また、検出電極RL(6)の一方の端部TTR1は、信号配線RLL(6)を介し、検出電極RL(7)の他方の端部TTR2は、信号配線RLL(7)を介して、切り換え増幅回路SC−RAに接続され、検出電極RL(p−1)の一方の端部TTR1は、信号配線RLL(p−1)を介し、検出電極RL(p)の他方の端部TTR2は、信号配線RLL(p)を介して、切り換え増幅回路SC−RAに接続されている。
このように、検出電極と切り換え増幅回路とを接続する信号配線を、辺2−R側と辺2−L側に分散して配置することにより、表示領域2Aの額縁が大きくなるのを防ぐことが可能となる。さらに、この実施の形態2においては、磁界タッチ検出のとき、切り換え増幅回路SC−LA、SC−RAは、破線で示した信号配線(切り換え信号配線に該当)、すなわち、信号配線RLL(1)、RLL(5)、RLL(p−2)およびRLL(3)、RLL(8)、RLL(p)に接地電圧Vsを供給する。これにより、磁界を検出するとき、磁界によって発生する電流が、図25に矢印で示すように、それぞれの検出電極の一方の端部TTR1から他方の端部TTR2へ向けて流れるようになる。これにより、互いに近接した2個のコイルにおいて、互いに近接して配置された検出電極(例えばRL(1)とRL(2))を流れる電流の向きが同じになる。その結果、互いに近接した検出電極を流れる電流の向きが反対になることにより、磁界が弱くなるのを防ぐことが可能となる。
この実施の形態2においては、切り換え増幅回路SC−LA、SC−RAは、磁界タッチ検出のときと電界タッチ検出のときとで、破線で示した信号配線の接続先を切り換える。また、切り換え増幅回路SC−LA、SC−RAは、磁界タッチ検出および電界タッチ検出のとき、実線で示した信号配線(検出信号配線に該当)における信号変化を増幅して、検出信号Rxとして出力する。
<切り換え増幅回路の構成>
図26は、実施の形態2に係わる切り換え増幅回路の構成を示す回路図である。図25に示した切り換え増幅回路SC−LAおよびSC−RAは、互いに同じ構成を有している。そのため、図26には、切り換え増幅回路SC−LAの構成が示されている。
切り換え増幅回路SC−LAは、複数の単位切り換え回路USCCと、複数の単位増幅回路UAMPとを備えている。単位切り換え回路USCCは、組とされた検出電極に1対1で対応しており、単位増幅回路UAMPも、組とされた検出電極に1対1で対応している。図26を例にして説明すると、切り換え増幅回路SC−LAは、組とされた検出電極RL(0)、RL(1)に対応する単位切り換え回路USCC(0)、組とされた検出電極RL(4)、RL(5)に対応する単位切り換え回路USCC(4)、組とされた検出電極RL(p−2)、RL(p−3)に対応する単位切り換え回路USCC(p−3)を備えている。また、切り換え増幅回路SC−LAは、組とされた検出電極RL(0)、RL(1)に対応する単位増幅回路UAMP(0)、組とされた検出電極RL(4)、RL(5)に対応する単位増幅回路UAMP(4)、組とされた検出電極RL(p−2)、RL(p−3)に対応する単位増幅回路UAMP(p−3)を備えている。
単位切り換え回路USCC(0)、USCC(4)、USCC(p−3)は、互いに同じ構成を有しているため、図26では、例として単位切り換え回路USCC(0)およびUSCC(4)の構成が示されている。また、単位増幅回路UAMP(0)、UAMP(4)、UAMP(p−3)も、互いに同じ構成を有している。単位増幅回路UAMP(0)、UAMP(4)、UAMP(p−3)は、例えば、図11で示した積分回路(リセットスイッチRB、積分容量CSSおよび演算増幅器OP)によって構成されている。
単位切り換え回路USCC(0)およびUSCC(4)は、共通端子P、第1端子C1および第2端子C2を有する単極双投スイッチ(以下、第14スイッチとも称する)S130を備えている。第14スイッチS130は、磁界イネーブル信号SC_ENのレベルに従って、共通端子Pを第1端子C1または第2端子C2へ接続する。すなわち、磁界イネーブル信号SC_ENが、ハイレベルのとき、第14スイッチS130における共通端子は、第1端子C1に接続され、ロウレベルのときには、共通端子Pは、第2端子C2に接続される。
単位切り換え回路USCC(0)は、信号配線RLL(0)およびRLL(1)を介して、対応する検出電極RL(0)、RL(1)に接続されている。単位切り換え回路USCC(0)においては、信号配線RLL(1)を介して、検出電極RL(1)が、第14スイッチの共通端子Pに接続され、信号配線RLL(0)を介して、検出電極RL(0)が、第14スイッチS130の第2端子C2に接続されている。
単位切り換え回路USCC(4)は、信号配線RLL(4)およびRLL(5)を介して、対応する検出電極RL(4)、RL(5)に接続されている。単位切り換え回路USCC(4)においては、信号配線RLL(5)を介して、検出電極RL(5)が、第14スイッチの共通端子Pに接続され、信号配線RLL(4)を介して、検出電極RL(4)が、第14スイッチS130の第2端子C2に接続されている。
以下、同様にして、対応する組の検出電極(例えば、RL(p−2)、RL(p−3))が、単位切り換え回路(例えば、USCC(p−3))内の第14スイッチS130の共通端子Pと第2端子C2に接続されている。単位切り換え回路USCC(0)、USCC(4)、USCC(p−3)のそれぞれにおける第14スイッチS130の第1端子C1には、接地電圧Vsが供給される。
検出電極RL(0)、RL(4)、RL(p−3)に接続された信号配線RLL(0)、RLL(4)、RLL(p−3)は、それぞれ対応する単位増幅回路UAMP(0)、UAMP(4)、UAMP(p−3)の入力に接続されている。言い換えるならば、検出電極RL(0)、RL(4)、RL(p−3)のそれぞれの一方の端部TTR1が、対応する単位増幅回路の入力に接続されている。
切り換え増幅回路SC−RAも、切り換え増幅回路SC−LAと同様に、複数の単位切り換え回路と単位増幅回路を備えており、信号配線を介して対応する検出電極に接続されている。
<切り換え増幅回路の動作>
次に、図25および図26を用いて、切り換え増幅回路の動作を説明する。先ず、磁界タッチ検出のときの動作を説明する。
磁界タッチ検出のときには、磁界イネーブル信号SC_ENがハイレベルとなる。これにより、図26に示した第14スイッチS130においては、共通端子Pが第1端子C1に接続される。その結果、破線で示した信号配線RLL(1)、RLL(5)、RLL8p−2)およびRLL(3)、RLL(7)、RLL(p)、すなわち切り換え信号配線には、第14スイッチS130を介して接地電圧Vsが供給される。
互いに平行して配置された検出電極が、接続電極CCUによって接続されているため、互いに平行した検出電極によりコイルが形成されていることになる。第14スイッチS130を介して、形成されたコイルの一方の端部(切り換え信号配線が接続された端部)に接地電圧Vsが供給されるため、ペンから磁界が与えられると、接地電圧Vsを基準として、コイルの他方の端部(検出信号配線が接続された端部)に、磁界に応じた信号変化が発生する。コイルの他方の端部に発生した信号変化は、検出配線である信号配線(RLL(0)、RLL(4)、RLL(p−3))を介して、単位増幅回路UAMP(0)、UAMP(4)、UAMP(p−3)に伝達され、増幅されて、検出信号Rxとして、検出回路DET(図19)に供給される。これにより、ペンの有無または/および筆圧の検出が可能となる。すなわち、検出電極によって構成されたコイルが、ペンからの磁界を検出する磁界検出コイルとして動作し、ペンの検出が行われる。
電界タッチ検出においては、磁界イネーブル信号SC_ENがロウレベルとなる。これにより、図26に示した第14スイッチS130において、共通端子Pは、第2端子C2に接続される。そのため、組となる検出電極は、切り換え増幅回路SC−LA、SC−RAにおいて、互いに電気的に接続されることになり、フローティング状態となる。電界タッチ検出においては、図22から図24で説明したように、選択された駆動電極に電界駆動信号が供給される。選択された駆動電極とフローティング状態の検出電極との間の電界が、指の存在によって変化する。この電界の変化が、検出信号配線である信号配線(RLL(0)、RLL(4)、RLL(p−3))を介して、単位増幅回路UAMP(0)、UAMP(4)、UAMP(p−3)に伝達され、増幅されて、検出信号Rxとして、検出回路DET(図19)に供給される。これにより、指のタッチが検出される。この実施の形態2においては、検出電極によって構成されたコイルが、電界タッチ検出のときには、検出電極用コイルとして機能していると見なすこともできる。
<駆動電極の構造>
図27は、実施の形態2に係わる液晶表示装置1の平面図である。また、図28は、実施の形態2に係わる液晶表示装置1の断面図である。図27には、表示領域2Aにおいて、駆動電極TL(n)を含む領域が部分的に示されている。図27において、一点鎖線E−E’で示した領域の断面が、図28(A)に示されており、一点鎖線F−F’で示した領域の断面が、図28(B)に示されている。図27および図28を用いて、駆動電極、信号線、走査線および検出電極の構造の一例を説明する。
図27には、駆動電極TL(n)と、駆動電極TL(n)に近接して配置された駆動電極TL(n−1)の一部が示されている。駆動電極TL(n)と駆動電極TL(n−1)は、平面視において、列方向(縦方向)に延在し、行方向(横方向)に平行して配置されている。
平面視で見たとき、複数の補助電極SMが、駆動電極TL(n)、TL(n−1)と、平行に延在している。同図では、7個の補助電極SMが、駆動電極TL(n)と平行に延在し、駆動電極TL(n)に電気的に接続されている。また、駆動電極TL(n−1)と、8個の補助電極SMが、平行に延在し、電気的に接続されている。平面視で見たとき、走査線GL(m)〜GL(m+4)は、駆動電極TL(n)、TL(n−1)と交差するように延在している。また、平面視で見たとき、複数の信号線SL(n−9)〜SL(n+6)が、駆動電極TL(n)、TL(n−1)と平行に延在するように、列方向に延在し、行方向に互いに平行して配置されている。
図28(A)において、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1には、第1導電層701(図7)が形成され、この第1導電層701によって、走査線GL(m+2)が構成されている。走査線GL(m+2)上には、例えばシリコンナイトライドのような絶縁層702が形成され、絶縁層702上には、第2導電層703(図7)が形成されている。この第2導電層703によって、信号線SL(n−1)〜SL(n+1)が形成されている。
信号線SL(n−1)〜SL(n+1)上には、シリコンナイトライドのような絶縁層と層間樹脂からなる絶縁層704が形成されている。絶縁層704上には、第3導電層705(図7)が形成されている。第3導電層705によって、駆動電極TL(n)と補助電極SMが形成されている。ここで、駆動電極TL(n)は、実施の形態1と同様に、例えばITOによって構成された透過性の高い透明電極により構成され、補助電極SMは、例えばアルミニウム(Al)等の低抵抗の導電層によって構成されている。
駆動電極TL(n)上には、シリコンナイトライドのような絶縁層706(図7)が形成され、絶縁層706上には、画素電極LDPが形成されている。この画素電極LDPも、透明電極によって構成されている。画素電極LDPと、CFガラス基板CGBの第2主面CSF2との間には、液晶層707が挟まれている。このCGガラス基板CGBの第1主面CSF1には、検出電極が形成され、第2主面には、カラーフィルタ(図示せず)が形成されている。
図27では、検出電極は省略されているが、この実施の形態2では、平面視で見たとき、複数の検出電極は、信号線SL(n−9)〜SL(n+6)および駆動電極TL(n)、TL(n−1)と交差し、走査線GL(m)〜GL(m+4)と平行するように、行方向(横方向)に延在し、列方向(縦方向)に平行して配置されている。図28(A)では、検出電極RL(n)が、例として示されている。
図28(B)は、図27において、一点鎖線E−E’と交差する一点鎖線F−F’の領域の断面を示しているため、図28(B)には、第1導電層701(図7)によって構成された走査線GL(m+3)、GL(m+2)が示されている。また、図28(B)には、第3導電層705により構成された駆動電極TL(n)と、画素電極LDPが示されている。なお、図27に示すように一点鎖線F−F’の領域には、補助電極SMが存在しないため、図28(B)では、補助電極SMは示されていない。さらに、図28(B)には、液晶層707を挟んで、TFTガラス基板TGBと対向するように配置されたCFガラス基板CGBの第1主面CSF1に形成された検出電極RL(n−3)〜RL(n+2)が示されている。
平面視で見たときには、走査線、信号線および駆動電極は、図27に示すように、互いに交差するように重なっているが、これらは、図28に示すように、互いに絶縁層を介して重なっており、電気的には分離されている。また、図27では省略されている検出電極も、平面視で見たときには、駆動電極と重なっているが、図28に示すように、絶縁層を介して重なっており、電気的に分離している。
<磁界タッチ検出の動作>
図29は、実施の形態2に係わる表示装置1の動作を示すタイミング図である。図29において、横軸は時間を示している。図29(A)は、周期的に発生するフレーム信号を示しており、表示装置1は、例えば1画面分の表示を、フレーム信号によって定められた1フレーム期間Fにおいて行う。実施の形態2においては、図19に示した制御回路D−CNTは、1フレーム期間Fにおいて、複数の表示期間と複数のタッチ検出期間とが、交互に発生するように制御する。図29(B)〜図29(G)は、複数のフレーム期間Fのうち、1フレーム期間F内でのタイミングを示している。すなわち、図29(B)〜図29(G)に示すタイミングが、複数のフレーム期間Fのそれぞれにおいて発生する。
ここで、図29(B)は、1フレーム期間Fにおいて発生する表示期間と、タッチ検出期間とを模式的に示している。図29(C)は、信号線セレクタ3A(図19)に供給する選択信号SEL1、SEL2の波形を示している。図29(D)は、磁界イネーブル信号SC_ENの波形を示している。また、図29(E)および図29(F)は、検出制御回路SXからの選択信号のうち、選択信号SN(0)、SN(1)の波形を示しており、図29(G)は、コイルクロック信号CLKの波形を示している。図29では、検出制御回路SXから出力される選択信号の例として、選択信号SN(0)およびSN(1)が示されているが、検出制御回路SXから出力される任意の選択信号SN(n−1)、SN(n)も、同様である。
制御回路D−CNTは、図29(B)に示すように、それぞれのフレーム期間Fにおいて、表示期間Displayとタッチ検出期間Sense1(Sense2)とが、時系列的に交互に発生するように制御する。なお、図29は、タッチ検出のうち、磁界タッチ検出が指定されている場合を示している。
表示期間Displayにおいては、画像信号Snが信号線ドライバD−DRV(図19)から信号線セレクタ3Aへ供給され、選択信号SEL1、SEL2が交互にハイレベルとなることにより、画像信号が適切な信号線に供給される。なお、図29(C)では、選択信号SEL1、SEL2が変化していることを示すために、選択信号SEL1、SEL2を1個の波形で示している。
表示期間Displayにおいては、ハイレベルの表示制御信号DP_ENが、制御回路D−CNTから切り換え駆動回路SC−DAに供給されている。このとき、切り換え回路SC−UA1および信号線セレクタ3Aには、ロウレベルの反転表示制御信号/DP_ENが、制御回路D−CNTが供給されている。これにより、駆動電極と信号線とは電気的に分離されている。また、このとき、切り換え駆動回路SC−DA内の第12スイッチS110、S111が、ハイレベルの表示制御信号DP_ENによってオン状態となっているため、駆動電極には、所定の電圧VCOMDCが、表示駆動信号として供給される。ゲートドライバ5(図19)から適切な走査信号が走査線GL(0)〜GL(p)へ供給されるように、ゲートドライバ5が制御される。これにより、表示パネル2A(図19)では、表示期間Displayのとき、画像信号Snに応じた表示が行われる。
図29(D)に示すように、タッチ検出期間Sense1(Sense2)において、制御回路D−CNTは、磁界イネーブル信号SC_ENをハイレベルにする。これにより、検出制御回路SXは、例えば、選択信号SN(0)からSN(p)の順にハイレベルにする。図29においては、タッチ検出期間Sense1のとき、選択信号SN(0)がハイレベルになり、次のタッチ検出期間Sense2において、選択信号SN(1)がハイレベルになっている状態が示されている。
タッチ検出期間Sense1(Sense2)は、磁界発生コイルを用いて磁界を発生する磁界発生期間TCGと、磁界発生期間TCGに続く磁界検出期間TDTとを備えている。磁界検出期間TDTにおいては、磁界発生コイルとは異なるコイルを用いて磁界の検出が行われる。すなわち、磁界発生期間TCGにおいては、駆動電極によって構成された磁界発生コイルにより磁界が発生し、ペンへ磁界エネルギーが供給される。磁界検出期間TDTにおいては、ペンが発生する磁界が、検出電極によって構成された磁界検出コイルによって検出される。制御回路D−CNTは、磁界発生期間TCGのとき、図29(G)に示すように、コイルクロック信号CLKを信号配線Lcへ供給する。
磁界イネ−ブル信号SC_ENがハイレベルとなることにより、図21〜図23で説明したように、TFTガラス基板TGBに形成された駆動電極TL(0)〜TL(p)によって、複数の磁界発生コイルが形成される。例えば、図22および図23において説明したように、駆動電極TL(0)、TL(1)、TL(3)およびTL(4)によって、1個の磁界発生コイルが形成され、駆動電極TL(5)、TL(6)、TL(8)およびTL(9)によって、1個の磁界発生コイルが形成される。
選択信号SN(0)が、ハイレベルとなることにより、図23で説明したように、この選択信号SN(0)に対応する磁界発生コイルには、信号配線Lcからコイルクロック信号CLKが磁界駆動信号として、供給される。その結果、駆動電極TL(0)、TL(1)、TL(3)およびTL(4)によって構成された磁界発生コイルは、コイルクロック信号CLKの変化に従った磁界を発生する。
磁界発生期間TCGにおいて、駆動電極TL(0)、TL(1)、TL(3)およびTL(4)により形成された磁界発生コイルの近傍に、ペン(図1)が存在していれば、磁界発生コイルとペン内のコイルL1とが磁界結合される。これにより、ペン内の容量素子Cが充電されることになる。一方、このとき、磁界発生コイルの近傍に、ペンが存在していなければ、磁界発生コイルとペン内のコイルL1との間は磁界結合されず、容量素子Cの充電が行われない。
磁界イネーブル信号SC_ENがハイレベルとなることにより、図25および図26で説明したように、単位切り換え回路USCC(0)〜USCC(p)のそれぞれにおける第14スイッチS130においては、共通端子Pが、第1端子C1に接続される。これにより、検出電極の組(例えば、図25にRL(0)とRL(1)、RL(2)とRL(3))によって、それぞれ形成された複数のコイルの一方の端部には、第14スイッチS130を介して、接地電圧Vsが供給される。
コイルクロック信号CLKが停止され、磁界発生期間TCGから磁界検出期間TDTに移行する。移行するまえの磁界発生期間TCGにおいて、ペン内の容量素子Cが充電されていれば、磁界検出期間TDTにおいて、ペン内のコイルL1は、容量素子Cに充電された電荷に従って、電界を発生する。検出電極によって形成された磁界検出コイルに、ペン内のコイルL1が近接していれば、コイルL1と磁界検出コイルとの間で磁界結合が発生する。これにより、複数の磁界検出コイルのうち、ペンが近接している磁界検出コイルにおいては、ペン内のコイルL1によって発生している磁界の変化に応じた信号変化が発生し、単位増幅回路UAMP(0)〜UAMP(p)によって増幅され、検出信号Rxとして検出回路DETへ供給される。
なお、磁界検出期間TDTにおいて、制御回路D−CNTは、信号配線Lcを、例えば、ハイインピーダンス状態にする。
次に、制御回路D−CNTは、磁界イネーブル信号SC_ENをロウレベルにして、表示動作を、表示期間Displayにおいて行う。表示期間Displayのあとで、再び、制御回路D−CNTは、磁界イネーブル信号SC_ENをハイレベルにする。なお、表示期間Displayにおいては、検出制御回路SXは、選択信号SN(0)〜SN(p)をロウレベルにする。
磁界イネーブル信号SC_ENがハイレベルになることにより、タッチ検出期間Sense1のときと同様に、駆動電極によって、複数の磁界発生コイルが形成される。このとき、検出制御回路SXは、選択信号SN(0)をロウレベルに維持し、選択信号SN(1)をロウレベルからハイレベルへ変化させる。これにより、選択信号SN(1)に対応した駆動電極TL(5)、TL(6)、TL(8)およびTL(9)により形成された磁界発生コイルへ、コイルクロック信号CLKを供給する。すなわち、図23において、第13スイッチS121がオン状態となり、駆動電極TL(9)が、信号配線Lcに接続され、制御回路D−CNTは、信号配線Lcにコイルクロック信号CLKを供給する。
その結果、タッチ検出期間Sense2の磁界発生期間TCGにおいては、駆動電極TL(5)、TL(6)、TL(8)およびTL(9)により形成された磁界発生コイルによって磁界が発生する。この磁界発生期間TCGに続く、磁界検出期間TDTにおける動作は、タッチ検出期間Sense1における磁界検出期間TDTの動作と同じである。
このようにして、1フレーム期間Fの間、表示と磁界タッチ検出とが、交互に行われる。この場合、1フレーム期間Fにおいては、磁界発生期間TCGのとき、選択信号が、選択信号SN(0)からSN(p)へ向けて、順次ハイレベルとなるため、表示領域2Aの辺2−Uに近接した領域から、辺2−Dに近接した領域に向けて、ペンのタッチ検出が行われることになる。
なお、図29(C)に示すように、タッチ検出期間Sense1(Sense2)においては、制御回路D−CNTは、選択信号SEL1、SEL2の両方をハイレベにする。これにより、タッチ検出期間においては、表示領域2Aの辺2−U側と辺2−D側において、駆動電極に複数の信号線が電気的に接続され、駆動電極の合成抵抗が低くされる。
タッチ検出として、磁界タッチ検出の代わりに、電界タッチ検出を用いる場合には、タッチ検出期間Sense1(Sense2)において、磁界イネーブル信号SC_ENがロウレベルにされる。また、タッチ検出期間Sense1(Sense2)においては、コイルクロック信号CLKの代わりに、周期的に電圧が変化する制御信号TSVが、制御回路D−CNTから信号配線Lcに供給される。これにより、図23で説明したように、駆動信号のうち、選択される駆動電極(例えば、駆動電極TL(4))は、フローティング状態で、制御信号TSVが電界駆動信号として供給される。また、タッチ検出期間Sense2においても、選択される駆動電極(例えば、駆動電極TL(9))は、フローティング状態で、制御信号TSVが供給されることになる。
電界タッチ検出の場合には、図26で説明したように、第14スイッチS130において、共通端子Pが、第2端子C2に接続される。そのため、組となる検出電極(例えば、図25のRL(0)とRL(1)、RL(2)とRL(3))は、フローティング状態となる。これにより、タッチ検出期間Sense1においては、選択される駆動電極TL(0)と、それぞれ組となる検出電極(RL(0)とRL(1)、RL(2)とRL(3))間の電界変化が、増幅回路AMPによって増幅され、検出信号Rxとして、検出回路DETに供給される。同様に、タッチ検出期間Sense2においては、選択される駆動電極TL(1)と、それぞれ組となる検出電極(RL(0)とRL(1)、RL(2)とRL(3))間の電界変化が、増幅回路AMPによって増幅され、検出信号Rxとして、検出回路DETに供給される。図4で説明したように、指のタッチの有無に従って、電界変化が変わるため、検出回路DETは、指のタッチを検出することが可能となる。
図30は、実施の形態2に係わる磁界タッチ検出の動作を、模式的に示す説明図である。図30(A)および(C)は、磁界発生期間TCGのときの動作を示しており、図30(B)は、磁界検出期間TDTのときの動作を示している。
図30(A)および(C)において、GY(n−1)〜GY(n+4)のそれぞれは、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1に形成された駆動電極によって構成された磁界発生コイルを示している。また、図30(B)において、DX(n−2)〜DX(n+1)のそれぞれは、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1に形成された検出電極により構成された磁界検出コイルを示している。図30において、L1は、ペン内のコイルを示しており、Cは、ペン内の容量素子を示しており、コイルL1と容量素子Cは、並列接続され、共振回路を構成している。
図30(A)〜(C)においては、説明を一般化するために、n番目を基準とし、磁界発生コイルおよび磁界検出コイルに符号を付している。以下、図30の磁界発生コイルGY(n)は、駆動電極TL(0)、TL(1)、TL(3)およびTL(4)によって構成された磁界発生コイルに該当し、磁界発生コイルGY(n+1)は、駆動電極TL(5)、TL(6)、TL(8)およびTL(9)によって構成された磁界発生コイルに該当するものとして説明する。また、図30の磁界検出コイルDX(n)は、検出電極RL(0)、RL(1)によって構成された磁界検出コイルに該当するものとして説明する。
図30(A)は、図29において、タッチ検出期間Sense1の磁界発生期間TCGを示しており、図30(B)は、タッチ検出期間Sense1の磁界検出期間TDTを示しており、図30(C)は、タッチ検出期間Sense2の磁界発生期間TCGを示している。
磁界発生期間TCGにおいては、駆動電極により構成された磁界発生コイルGY(n−1)〜GY(n+4)のそれぞれの一方の端部に、接地電圧Vsが供給される。また、複数の磁界発生コイルGY(n−1)〜GY(n+4)のうち、対応する選択信号がハイレベルとなっている、磁界発生コイルGY(n)には、その他方の端部に、コイルクロック信号CLKが供給される。磁界発生コイルGY(n)は、駆動電極TL(0)、TL(1)、TL(3)およびTL(4)によって構成されているため、これらの駆動電極によって挟まれた駆動電極TL(2)が、磁界発生コイルGY(n)の中心となる。そのため、磁界発生コイルGY(n)は、コイルクロック信号CLKの変化に応じて、駆動電極TL(2)において、最も強くなる磁界を発生する。図30(A)においては、磁界発生コイルGY(n)によって発生した磁力線がφ1として示されている。
図30(A)では、コイルL1が、磁界発生コイルGY(n)に近接している状態が示されている。一例として、コイルの中心と磁界発生コイルGY(n)の中心とが一致している場合が示されている(図30においては、一点鎖線は、コイルL1の中心軸を示す)。コイルL1が、磁界発生コイルGY(n)に近接しているため、磁界発生コイルGY(n)とコイルL1との間で磁界結合が発生し、容量素子Cが充電される。
容量素子Cに充電された電荷により、コイルL1は、図30(B)に示すように、充電された電荷によって磁界を発生する。この場合、コイルL1によって発生する磁力線が、φ2として、図30(B)には示されている。この例では、コイルL1が、磁界検出コイルDX(n)に近接している状態が示されており、コイルL1と磁界検出コイルDX(n)との間で磁界結合が発生している。
磁界検出コイルDX(n−2)〜DX(n+1)のそれぞれの一方の端部には、図26および図29で説明したように、磁界検出期間TDTのとき、接地電圧Vsが供給される。これにより、磁界検出コイルDX(n)の他方の端部においては、接地電圧Vsを基準とした信号変化が発生し、検出信号Rx(n)として、切り換え増幅回路SC−RA、SC−LAから出力される。これにより、ペンが、磁界検出コイルDX(n)に近接していることが検出される。
次のタッチ検出期間Sense2においては、磁界発生コイルGY(n)に近接して配置された磁界発生コイルGY(n+1)に対応する選択信号がハイレベルとなり、図30(C)に示すように、磁界発生コイルGY(n+1)の他方の端部に、コイルクロック信号CLKが供給される。これにより、タッチ検出期間Sense2の磁界発生期間TCGにおいては、磁界発生コイルGY(n+1)が、コイルクロック信号CLKに応じた磁界を発生する。図30(C)の例では、ペンは、磁界発生コイルDY(n)に近接した状態が維持されている。そのため、コイルL1と磁界発生コイルDY(n+1)との間は磁界結合が発生しない、あるいは弱い磁界結合が発生することになる。その結果、容量素子Cは充電されない、あるいは充電される電荷量が少なくなる。
次に、タッチ検出期間Sense2の磁界検出期間TDTにおいて、図30(B)と同様な磁界の検出が行われる。この場合、容量素子Cは充電されていない、あるいは充電されている電荷量が少ないため、磁界検出コイルDX(n)の他方の端部においては、信号変化が発生しない、あるいは発生する信号変化が小さくなる。このときの検出信号Rx(n)を判定することにより、ペンは磁界発生コイルGY(n+1)に近接していない、あるいは距離が離れていることを検知することが可能となる。
磁界タッチ検出のときに、磁界は、駆動電極により構成された磁界発生コイルによって発生し、ペンからの磁界は、検出電極により構成された磁界検出コイルによって検出される。すなわち、磁界を発生するコイルと、磁界を検出するコイルとが、異なっている。そのため、磁界駆動信号(コイルクロック信号CLK)を停止したあと、磁界発生コイルが過渡的に変動していても、ペンからの磁界を検出する動作を開始することができる。これにより、検出が遅くなることを防ぐことが可能となる。また、容量素子Cに蓄積された電荷が、比較的多いときに、磁界検出を開始することが可能となるため、検出精度の向上を図ることができる。
(実施の形態3)
実施の形態1および2においては、電界タッチ検出と磁界タッチ検出の両方において、TFTガラス基板TGBに形成された駆動電極TLとCFガラス基板CGBに形成された検出電極RLが用いられていた。すなわち、駆動電極TLが、磁界発生と電界発生に用いられ、検出電極RLが、磁界検出と電界検出に用いられていた。これに対して、実施の形態3においては、磁界発生と電界発生に、駆動電極(第1配線)TLが用いられ、磁界検出には、信号線(第2配線)SLが用いられ、電界検出には、検出電極(第3配線)RLが用いられる。
実施の形態3に係わる表示装置1の構成は、図5に示した表示装置の構成と類似している。すなわち、図5において、切り換え増幅回路SC−D&AMPの構成が、実施の形態3では、実施の形態1と異なっている。
図31は、実施の形態3に係わる表示装置1の構成を示す平面図である。同図には、表示領域2の平面が示されている。同図において、TL(n−2)〜TL(n+1)のそれぞれは、行方向(横方向)へ延在し、列方向(縦方向)へ平行して配置された駆動電極を示している。また、GL(m−2)〜GL(m+2)は、走査線を示しており、SL(n−6)〜SL(n+9)は、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)と交差するように配置された信号線を示している。さらに、SMは、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)に接続された補助電極を示している。
図31に示した駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)は、図9および図10に示すように、表示領域2の辺2−Rの近傍において、第1スイッチS10および第2スイッチS11に接続されている。駆動電極TL(n+1)の端部(ノードTT2)は、第3スイッチS21を介して信号配線Lcに接続され、さらに第4スイッチS31を介して信号配線Lvに接続されている。また、駆動電極TL(n−2)の端部(ノードTT1)は、第5スイッチS41を介して信号配線Lsに接続されている。
図9で説明したように、磁界タッチ検出のときには、駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)によってコイルが構成され、選択信号ST10がハイレベルとなることにより、ノードTT2にコイルクロック信号CLKが供給され、ノードTT1には、接地電圧Vsが供給される。これにより、これらの駆動電極によって構成されたコイルにより磁界が発生する。また、図10で説明したように、電界タッチ検出のときには、第4スイッチS31がオフ状態とされ、制御信号TSVが、ノードTT2へ供給される。これにより、駆動電極TL(n+1)が、制御信号TSVに従って電界を発生する。
図32は、磁界タッチ検出のときの信号線の状態を示している。表示期間においては、信号線SL(n−6)〜SL(n+9)は、互いに分離されている。磁界タッチ検出のときには、互いに隣接した2個の信号線が接続される。すなわち、表示領域2の辺2−D(図5)側において、互いに隣接した2個の信号線間にスイッチが接続され、磁界イネーブル信号SC_ENにより、磁界タッチ検出のとき、このスイッチを介して互いに接続されるにされる。また、表示領域2の辺2−U(図5)側において、互いに隣接した2個の信号線間にスイッチが接続され、磁界イネーブル信号SC_ENにより、磁界タッチ検出のとき、このスイッチを介して互いに接続される。
図32では、磁界タッチ検出において、信号線SL(n−6)とSL(n−5)とが接続され、信号線SL(n−4)とSL(n−3)とが接続され、信号線SL(n−2)とSL(n−1)とが接続された状態が示されている。また、同様に、信号線SL(n)とSL(n+1)とが接続され、信号線SL(n+2)とSL(n+3)とが接続され、信号線SL(n+4)とSL(n+5)とが接続され、信号線SL(n+6)とSL(n+7)とが接続され、信号線SL(n+8)とSL(n+9)とが接続された状態が示されている。
磁界タッチ検出のとき、磁界検出コイルが、信号線によって構成されるように、辺2−U側には、信号配線LU1〜LU5が配置され、所定の信号線間が、信号配線LU1〜LU5によって接続されている。図32では、信号線SL(n−6)、SL(n−5)と、信号線SL(n−2)、SL(n−1)とが、辺2−Uの近傍において、信号配線LU1により接続され、信号線SL(n−4)、SL(n−3)と、信号線SL(n+2)、SL(n+3)とが、辺2−Uの近傍において、信号配線LU2により接続されている。また、信号線SL(n)、SL(n+1)と、信号線SL(n+6)、SL(n+7)とが、辺2−Uの近傍において、信号配線LU3により接続され、信号線SL(n+4)、SL(n+5)と、図示しない信号線とが、辺2−Uの近傍において、信号配線LU4により接続されている。さらに、信号線SL(n+8)、SL(n+9)と、図示しない信号線とが、辺2−Uの近傍において、信号配線LU5により接続されている。なお、これらの信号配線LU1〜LU5と信号線との間には、磁界イネーブル信号SC_ENによってスイッチ制御されるスイッチが設けられており、磁界タッチ検出のときのみ、信号配線LU1〜LU5と信号線とが接続される。
互いに接続された信号線が、辺2−Dの近傍において、増幅回路AMPに接続されている。増幅回路AMPは、図11で説明した積分回路を複数有しており、それぞれの積分回路に、互いに接続された信号線における信号変化が伝達され、積分回路の出力が、磁界タッチ検出のときの検出信号Rxとして、検出回路DETへ供給される。図32に示した例では、互いに並列接続された信号線SL(n−6)、SL(n−5)と、互いに並列接続された信号線SL(n−2)、SL(n−1)によって、磁界検出コイルが構成される。また、互いに並列接続された信号線SL(n−4)、SL(n−3)と、互いに並列接続された信号線SL(n+2)、SL(n+3)によって、磁界検出コイルが構成され、互いに並列接続された信号線SL(n)、SL(n+1)と、互いに並列接続された信号線SL(n+6)、SL(n+7)によって、磁界検出コイルが構成される。
磁界タッチ検出のとき、磁界発生期間TCG(図29)において、駆動電極により構成された磁界発生コイルにより磁界が発生する。ペンが磁界を発生している磁界発生コイルの近傍に存在する場合には、ペン内の容量素子Cが充電される。磁界発生期間TCGに続く磁界検出期間TDT(図29)においては、ペンからの磁界が、信号線によって構成された磁界検出コイルによって検出され、増幅回路AMPへ伝達される。増幅回路AMPからの検出信号Rxに基づいて、検出回路DETが、ペンの存在または/および筆圧の検知を行う。
この実施の形態3においては、磁界タッチ検出のとき、複数の信号線が、並列接続されているが、これに限定されず、1個の信号線を、磁界検出コイルの巻線としてもよい。しかしながら、複数の信号線を並列接続することにより、磁界検出コイルの抵抗を小さくすることが可能となる。
図33は、実施の形態3に係わる表示装置1の構成を示す平面図である。図33において、RL(0)〜RL(5)は、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1に配置された検出電極を示している。図31には示していなかったが、検出電極RL(0)〜RL(5)のそれぞれは、列方向に延在し、行方向に平行に配置されている。すなわち、図31に示した駆動電極TL(n−2)〜TL(n+1)と交差し、信号線SL(n−6)〜SL(n+9)と平行するように、CFガラス基板CGBの第1主面SCSF1に配置されている。
検出電極RL(0)〜RL(5)は、表示領域2の辺2−D(図19)側において、増幅回路AMPに接続されている。増幅回路AMPは、図11で説明した積分回路を複数有しており、それぞれの積分回路には、検出電極RL(0)〜RL(5)における信号変化が伝達され、積分回路の出力が、電界タッチ検出のときの検出信号Rxとして、検出回路DETへ供給される。
電界タッチ検出のときに、例えば図31に示した駆動電極TL(n+1)に周期的に電圧が変化する制御信号TSVが、電界駆動信号として供給される。駆動電極TL(n+1)と検出電極RL(0)〜RL(5)のそれぞれとの間の電界の変化が、増幅回路AMPによって増幅され、検出信号Rxとして、検出回路DETに供給されることになる。これにより、指のタッチの有無等を検知することが可能となる。
実施の形態3において、磁界タッチ検出のときに信号変化を増幅する増幅回路と、電界タッチ検出のときに信号変化を増幅する増幅回路は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
実施の形態3によれば、磁界タッチ検出および電界タッチ検出のとき、表示領域2の辺2−D側において、信号線および検出電極から、信号変化が、増幅回路AMPへ伝達される。そのため、表示領域の辺2−Lおよび2−R側の額縁が大きくなるのを防ぐことが可能となる。
実施の形態3では、同一の駆動電極を用いて、磁界の発生と電界の発生を行い、磁界の検出と電界の検出とを、異なる導電層によって形成された信号線および検出電極を用いて行っている。これに限定されず、磁界と電界が、例えば異なる導電層によって形成された信号配線(または電極)によって発生させるようにしてもよい。例えば、磁界は、列方向に延在し、行方向に平行に配置された複数の信号配線を用いて、発生する。電界は、行方向に延在し、列方向に平行に配置された信号配線を用いて、発生するようにしてもよい。この場合、磁界の検出は、行方向に延在し、列方向に平行して配置された複数の信号配線を用いて行う。また、電界の検出は、列方向に延在し、行方向に平行に配置された信号配線を用いて行う。この場合には、磁界の発生と検出が、電界の発生と検出に対して、実質的に90度、ずれることになる。この場合であっても、磁界発生コイルは、磁界検出コイルと異なるため、検出精度の向上を図ることが可能である。
(実施の形態4)
この実施の形態においては、平面視で見たとき、複数の磁界発生コイルが、互いに重なるようにされる。このようにすることにより、磁界タッチ検出のとき、発生する磁界が弱くなる領域を低減することが可能となり、検出感度が低下する領域が発生するのを防ぐことが可能となる。また、磁界検出コイルも、平面視で見たとき、互いに重なるようにされる。磁界発生コイルが互いに重なり、磁界検出コイルも互いに重なっている例は、既に図30に示している。勿論、磁界発生コイルのみが、互いに重なるようにしてもよいし、磁界検出コイルのみが、互いに重なるようにしてもよい。
ここでは、磁界発生コイルが、互いに重なるようにする構成を例として説明する。この実施の形態4に係わる表示装置1は、実施の形態1で説明した図5の表示装置に類似している。主に相違するのは、切り換え回路SC−R、切り換え駆動回路SC−Lおよび検出制御回路SRの構成である。実施の形態4においては、図5に示した切り換え回路SC−R、切り換え駆動回路SC−Lおよび検出制御回路SRの代わりに、切り換え制御駆動回路SR−RおよびSR−Lが用いられる。
図34は、実施の形態4に係わる切り換え制御駆動回路SR−Rの構成を示す回路図である。また、図35は、実施の形態4に係わる切り換え制御駆動回路(駆動回路、第1切り換え回路)SR−Lの構成を示す回路図である。切り換え制御駆動回路SR−Rは、図5において、切り換え回路SC−Rの代わりに、表示領域2の辺2−R(図5)側に沿って配置され、辺2−Rの近傍において、駆動電極に接続されている。また、切り換え制御駆動回路SR−Lは、図5において、切り換え駆動回路SC−Lおよび検出制御回路SRの代わりに、辺2−L(図5)側に沿って配置され、辺2−Lの近傍において、駆動電極TLに接続されている。すなわち、平面視で見たとき、駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、切り換え制御駆動回路SR−Rと切り換え制御駆動回路SR−Lとの間に配置されていることになる。
切り換え制御駆動回路SR−RおよびSR−Lは、複数の単位選択回路と、単位選択回路に対応した複数の単位切換調整回路を備えている。ここで、それぞれの単位選択回路は、磁界タッチ検出のときに強い磁界を発生する領域に配置された駆動電極に対応している。また、単位切換調整回路は、対応する単位選択回路によって制御される。
切り換え制御駆動回路SR−Rにおいて、複数の単位選択回路USR−R(0)〜USR−R(p)および単位切換調整回路USC−R(0)〜USC−R(p)は、互いに同じ構成を有している。そのため、図34には、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)に対応する単位選択制御回路USR−R(n−2)〜USR−R(n+1)と、これらの単位選択制御回路に対応する単位切換調整回路USC−R(n−2)〜USC−R(n+1)の構成が、示されている。
また、切り換え制御駆動回路SR−Lにおいても、複数の単位選択回路USR−L(0)〜USR−L(p)および単位切換調整回路USC−L(0)〜USC(p)は、互いに同じ構成を有している。そのため、図35には、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)に対応する単位選択制御回路USR−L(n−2)〜USR−L(n+1)と、これらの単位選択制御回路に対応する単位切換調整回路USC−L(n−2)〜USC−L(n+1)の構成が、示されている。
実施の形態1においては、図9に示すように、磁界タッチ検出のとき、それぞれ2回巻線の磁界発生コイルが、駆動電極を用いて形成されていた。これに対して、この実施の形態4においては、磁界タッチ検出のとき、それぞれの磁界発生コイルは、1.5回巻線のコイルによって構成される。すなわち、磁界タッチ検出のとき、駆動電極TL(n−6)、TL(n−5)およびTL(n+2)を巻線として、1個の磁界発生コイルが形成され、駆動電極TL(n)、TL(n+1)およびTL(n+8)を巻線として、1個の磁界発生コイルが形成される。
例えば、駆動電極TL(n−6)、TL(n−5)およびTL(n+2)を巻線として、1個の磁界発生コイルが形成された場合、これらの駆動電極によって挟まれた領域、すなわち駆動電極TL(n−4)〜TL(n+1)が、磁界発生コイルの内側となり、強い磁界が発生する。同様に、駆動電極TL(n)、TL(n+1)およびTL(n+8)を巻線として、1個の磁界発生コイルが形成された場合、これらの駆動電極によって挟まれた領域、すなわち駆動電極TL(n+2)〜TL(n+7)が、磁界発生コイルの内側となり、強い磁界が発生する。これにより、強い磁界が発生している領域が分断されるのを防ぐことが可能となる。
<切り換え制御駆動回路SR―R>
切り換え制御駆動回路SR−Rに設けられている単位選択制御回路USR−R(0)〜USR−R(p)のそれぞれは、磁界タッチ検出のときに、強い磁界を発生する領域(駆動電極)を指定する磁界制御信号C−Rを出力する。また、電界タッチ検出のとき、単位選択制御回路のそれぞれは、磁界制御信号C−Rを所定の電圧にする。さらに、単位選択制御回路は、表示期間において、表示駆動信号が供給される駆動電極を指定する表示制御信号D−Rを出力する。
図34に示した単位選択制御回路USR−R(n−1)、USR−R(n)および単位切換調整回路USC−R(n−1)、USC−R(n)を例にして説明する。
磁界タッチ検出のとき、単位選択制御回路USR−R(0)〜USR−R(p)は、順次、磁界制御信号C−R(0)〜C−R(p)をハイレベルにする。例えば、磁界制御信号C−R(n−2)、C−R(n−1)、C−R(n)、C−R(n+1)の順に、ハイレベルにする。また、電界タッチ検出のときには、磁界制御信号C−R(0)〜C−R(p)をロウレベルにする。さらに、表示期間においては、表示駆動信号が供給される駆動電極を指定する表示制御信号D−R(0)〜D−R(p)をハイレベルにする。
<単位切換調整回路USC−Rの構成>
単位切換調整回路USC−R(n−1)を代表として、単位切換調整回路USC−Rの構成を説明する。単位調整回路USC−R(n−1)は、第15スイッチR210〜R215と、第16スイッチR220〜R225と、信号配線6340とを備えている。ここで、第16スイッチR220〜R225は、対応する単位選択制御回路USR−R(n−1)に対応した駆動電極TL(n−4)〜TL(n+1)と、電圧配線LV1との間に接続されている。この第16スイッチR220〜R225は、対応する単位選択制御回路USR−R(n−1)からの表示制御信号D−R(n−1)によりスイッチ制御される。
第15スイッチR210は、単位選択制御回路USR−R(n−1)が対応する駆動電極TL(n−4)〜TL(n+1)に隣接して配置されている駆動電極TL(n−6)と信号配線6340との間に接続されている。また、第15Rスイッチ211は、単位選択制御回路USR−R(n−1)が対応する駆動電極TL(n−4)〜TL(n+1)の隣に配置されている駆動電極TL(n−5)と電圧配線LV2との間に接続されている。さらに、第15スイッチR212は、単位選択制御回路USR−R(n−1)が対応する駆動電極TL(n−4)〜TL(n+1)の隣に配置されている駆動電極TL(n+2)と信号配線6340との間に接続されている。さらに、第15スイッチR213〜R215は、それぞれの一方の端子が、駆動電極TL(n+3)〜TL(n+5)に接続され、それぞれの他方の端子は、フローティング状態となっている。これらの第15スイッチR213〜R215は、第15スイッチの配置が規則的になるように設けられている。そのため、第15スイッチの規則性を担保しなくてもよい場合には、第15スイッチR213〜R215は、設けなくてもよい。第15スイッチR210〜R215は、対応する単位選択制御回路USR−R(n−1)からの磁界制御信号C−R(n−1)によってスイッチ制御される。
残りの単位切換調整回路も、上記した単位切換調整回路USC−R(n−1)と同じ構成を有している。図34において、単位切換調整回路USC−R(n)を構成する第15スイッチは、(R210)〜(R215)として示され、第16スイッチは、(R220)〜(R225)として示され、信号配線は、(6340)として示されている。同様に、単位切換調整回路USC−R(n−2)内の第15スイッチR212〜R215は、[R212]〜[R215]として示され、第16スイッチR224、R225は、[R224]、[R225]として示され、信号配線6340は、[6340]として示されている。また、単位切換調整回路USC−R(n+1)内の第15スイッチR210、R211が、<R210>、<R211>として示され、第16スイッチR220、R221は、<R220>、<R221>として示され、信号配線6340は、<6340>として示されている。
単位選択制御回路(例えば、USR−R(n−1))に対応する単位切換調整回路に含まれる第15スイッチR210〜R213は、2組に分けられ、この単位選択制御回路に対応する駆動電極TL(n−4)〜TL(n+1)を、その間に挟むように配置された所定の駆動電極に接続されている。すなわち、第15スイッチR210、R211と、第15スイッチR212、R213とに分けられ、駆動電極TL(n−4)に隣接した所定の駆動電極と、駆動電極TL(n+1)に隣接した所定の駆動電極に接続されている。
<切り換え制御駆動回路SR−L>
切り換え制御駆動回路SR−Lに設けられている単位選択制御回路USR−L(0)〜USR−L(p)のそれぞれは、磁界タッチ検出のときに、強い磁界を発生する領域(駆動電極)を指定する磁界制御信号C−Lを出力する。また、電界タッチ検出のとき、これらの単位選択制御回路は、電界駆動信号が供給される駆動電極を指定する電界制御信号を出力する。この実施の形態4においては、磁界制御信号C−Lが、電界制御信号としても用いられている。さらに、これらの単位選択制御回路は、表示期間において、表示駆動信号が供給される駆動電極を指定する表示制御信号D−Lを出力する。
図35に示した単位選択制御回路USR−L(n−1)、USR−L(n)および単位切換調整回路USC−L(n−1)、USC−L(n)を例にして説明する。
磁界タッチ検出のとき、単位選択制御回路USR−L(0)〜USR−L(p)は、順次、磁界制御信号C−L(0)〜C−L(p)をハイレベルにする。例えば、磁界制御信号C−L(n−2)、C−L(n−1)、C−L(n)、C−L(n+1)の順に、ハイレベルにする。また、電界タッチ検出のときには、電界駆動信号が供給される駆動電極に対応した磁界制御信号(例えば、C−L(0))をハイレベルにし、残りの磁界制御信号(C−L(1)〜C−L(p))をロウレベルにする。電界タッチ検出で、電界駆動信号が供給される駆動電極を順次指定する場合には、例えば、磁界制御信号C−L(0)からC−L(p)の順にハイレベルにする。さらに、表示期間においては、表示駆動信号が供給される駆動電極を指定する表示制御信号D−L(0)〜D−L(p)をハイレベルにする。
<単位切換調整回路USC−Lの構成>
次に、図35に示した単位切換調整回路USC−L(n−1)を代表として、単位切換調整回路USC−Lの構成を説明する。単位調整回路USC−L(n−1)は、第17スイッチL210〜L215と、第18スイッチL220〜L225と、信号配線6341とを備えている。ここで、第18スイッチL220〜L225は、対応する単位選択制御回路USR−L(n−1)に対応した駆動電極TL(n−4)〜TL(n+1)と、電圧配線LV1との間に接続されている。第18スイッチL220〜L225は、対応する単位選択制御回路USR−L(n−1)からの表示制御信号D−L(n−1)によりスイッチ制御される。
第17スイッチL210は、対応する駆動電極TL(n−4)〜(n+1)に隣接して配置された駆動電極TL(n−6)と信号配線LL1との間に接続され、第17スイッチL211は、対応する駆動電極TL(n−4)〜(n+1)の隣に配置されている駆動電極TL(n−5)と信号配線6341との間に接続されている。また、第17スイッチL212は、対応する駆動電極TL(n−4)〜(n+1)の隣に配置された駆動電極TL(n+2)と信号配線6341との間に接続されている。さらに、第17スイッチL213〜L215は、それぞれの一方の端子が、駆動電極TL(n−3)〜TL(n−1)に接続され、それぞれの他方の端子は、フローティング状態となっている。これらの第17スイッチL213〜L215は、先に説明した第15スイッチR213〜R215と同じであるため、説明は省略する。第17スイッチL210〜L215は、対応する単位選択制御回路USR−L(n−1)からの磁界制御信号C−L(n−1)によってスイッチ制御される。
残りの単位切換調整回路も、上記した単位切換調整回路USC−L(n−1)と同じ構成を有している。図35において、単位切換調整回路USC−L(n)を構成する第17スイッチは、(L210)〜(L215)として示され、第18スイッチは、(L220)〜(L225)として示され、信号配線は、(6341)として示されている。同様に、単位切換調整回路USC−L(n−2)内の第17スイッチL212〜L215は、[L212]〜[L215]として示され、第18スイッチL224、L225は、[L224]、[L225]として示され、信号配線6341は、[6341]として示されている。また、単位切換調整回路USC−L(n+1)内の第17スイッチL210、L211が、<L210>、<L211>として示され、第18スイッチL220、L221は、<L220>、<L221>として示され、信号配線6341は、<6341>として示されている。
単位選択制御回路(例えば、USR−L(n−1))に対応する単位切換調整回路に含まれる第17スイッチL210〜L212は、2組に分けられ、この単位選択制御回路に対応する駆動電極TL(n−4)〜TL(n+1)を、その間に挟むように配置された所定の駆動電極(TL(n−6)、TL(n−5)およびTL(n+2)に接続されている。
<磁界タッチ検出>
次に、図34および図35を参照して、磁界タッチ検出のときの動作を説明する。ここでは、磁界タッチ検出において、駆動電極TL(n−4)〜TL(n+1)の領域が、ペンによってタッチされているか否かを検出する場合を例として説明する。
駆動電極TL(n−4)〜TL(n+1)の領域においてペンのタッチを検出するために、駆動電極TL(n−4)〜TL(n+1)に対応する単位選択制御回路USR−R(n−1)およびUSR−L(n−1)は、ハイレベルの磁界制御信号C−R(n−1)およびC−L(n−1)を出力する。このとき、残りの単位選択制御回路(例えば、USR−R(n)、USR−L(n))は、ロウレベルの磁界制御信号(C−R(n)およびC−L(n))を出力する。また、磁界タッチ検出のとき、表示制御信号D−R(n−1)、D−R(n)、D−R(n−1)、D−R(n)およびD−L(n−1)、D−L(n)、D−L(n−1)、D−L(n)はロウレベルとなる。
磁界発生期間TCGのときに、制御回路D−CNTが、周期的に変化するコイルクロック信号CLKを信号配線LL1へ供給する。また、磁界タッチ検出の期間では、電圧配線LV2に接地電圧Vsが供給される。
磁界制御信号C−R(n−1)がハイレベルとなることにより、単位切換調整回路USC−R(n−1)において、第15スイッチR210〜R212がオン状態となる。これにより、単位切換調整回路USC−R(n−1)において、駆動電極TL(n−6)は、第15スイッチR210を介して、信号配線6340に接続され、駆動電極TL(n−5)は、第15スイッチR211を介して、電圧配線LV2に接続される。また、単位切換調整回路USC−R(n−1)において、駆動電極TL(n+2)は、第15スイッチR212を介して、信号配線6340に接続される。
一方、磁界制御信号C−L(n−1)がハイレベルとなることにより、単位切換調整回路USC−L(n−1)において、第17スイッチL210〜L212がオン状態となる。これにより、単位切換調整回路USC−L(n−1)において、駆動電極TL(n−6)は、第17スイッチL210を介して、信号配線LL1に接続され、駆動電極TL(n−5)は、第17スイッチL211を介して、信号配線6341に接続される。また、単位切換調整回路USC−L(n−1)において、駆動電極TL(n+2)は、第17スイッチL212を介して、信号配線6341に接続される。
これにより、駆動電極TL(n−4)〜TL(n+1)の領域を挟んで、互いに平行に配置されている駆動電極TL(n−6)、TL(n−5)およびTL(n+2)は、電圧配線LV2と信号配線LL1との間に直列的に接続されることになる。その結果、これらの駆動電極を巻線として、1回と半分(1.5回)巻いた磁界発生コイルが形成される。
磁界発生期間TCGにおいては、コイルクロック信号CLKが、信号配線LL1に供給されるため、コイルクロック信号CLKに従って変化する磁界が、磁界発生コイルにおいて発生する。ペンが駆動電極TL(n−4)〜TL(n+1)の領域の近傍に存在していれば、磁界発生コイルで発生した磁界エネルギーによって、ペン内の容量素子Cが充電される。
ペン内の容量素子Cに充電された電荷により、磁界検出期間TDTのとき、ペン内のコイルが磁界を発生する。ペンが発生した磁界が、検出電極RL(0)〜RL(p)によって構成された磁界検出コイルによって検出され、検出信号Rxとして、検出回路DETへ供給される。
駆動電極(n−6)、TL(n−5)およびTL(n+2)によって、磁界発生コイルが形成されているとき、単位選択制御回路USR−R(n)、USR−L(n)からの磁界制御信号C−R(n)、C−L(n)はロウレベルであるため、単位切換調整回路USC−R(n)およびUSC−L(n)における第15スイッチ(R210)〜(R215)および第17スイッチ(L210)〜(L215)はオフ状態となる。そのため、単位切換調整回路USC−R(n)およびUSC−L(n)において、駆動電極は信号配線(6340)、(6341)、電圧配線LV2および信号配線LL1に接続されず、磁界発生コイルは形成されない。
<電界タッチ検出>
電界タッチ検出のとき、単位選択制御回路USR−L(0)〜USR−L(p)は、磁界制御信号C−L(0)〜C−L(p)を電界制御信号として出力する。例えば、駆動電極TL(n−6)を、電界を発生する駆動電極として選択する場合を説明すると、次のようになる。
単位選択制御回路USR−L(n−1)は、磁界制御信号C−L(n−1)を、電界制御信号としてハイレベルにする。このとき、残りの単位選択制御回路USR−L(0)〜USR−L(n−2)、USR−L(n)〜USR(p)は、ロウレベルの磁界制御信号を出力する。また、単位選択制御回路USR−R(0)〜USR−R(p)は、ロウレベルの磁界制御信号C−R(0)〜C−R(p)を出力する。なお、表示期間でないため、表示制御信号D−LおよびD−Rはロウレベルである。
これにより、第15スイッチはオフ状態となる。このとき、ハイレベルの磁界制御信号C−L(n−1)によって、第17スイッチL210〜L215がオン状態となる。第17スイッチL210がオン状態となることにより、駆動電極TL(n−6)は、第17スイッチL210を介して信号配線LL1に接続される。
電界タッチ検出のときには、制御回路D−CNTは、信号配線LL1へ周期的に電圧が変化する制御信号TSVを供給する。これにより、駆動電極TL(n−6)には、制御信号TSVが磁界駆動信号として供給される。第15スイッチがオフ状態のため、駆動電極TL(n−6)は、フローティング状態で、磁界駆動信号が供給されることになり、磁界駆動信号に従った電界を発生する。
検出電極RL(0)〜RL(p)と、駆動電極TL(n−6)との間の電界の変化が、検出信号Rxとして、検出回路DETへ供給され、指のタッチ検出が行われる。
表示期間においては、例えば、単位選択制御回路USR−R(0)〜USR−R(p)およびUSR−L(0)〜USR−L(p)のそれぞれが、ハイレベルの表示制御信号D−R(0)〜D−R(p)およびD−L(0)〜D−L(p)を出力する。これにより、第16スイッチおよび第18スイッチがオン状態となり、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、表示領域2の辺2−Rおよび2−Lの近傍において、電圧配線LV1に接続される。制御回路D−CNTは、表示期間のとき、電圧配線LV1に表示用の駆動電圧を供給する。これによって、表示期間においては、表示駆動電圧が、駆動電極TL(0)〜TL(p)に供給されることになる。
磁界発生コイルを例にして、互いに重なるコイルの構成を説明したが、同様にして磁界検出コイルも互いに重なるようにすることができる。
図5に示した液晶表示装置1に、図34および図35に示した切り換え制御駆動回路SR―R、SR−Lを用いる例を、実施の形態4として説明したが、図19に示した液晶表示装置1に、切り換え制御回路SR−R、SR−Lを用いるようにしてもよい。この場合、信号線と駆動電極とが平行して延在するため、実施の形態2で説明したように、タッチ検出のとき、駆動電極に信号線を並列接続することが可能となり、駆動電極の抵抗値をさらに小さくすることが可能となる。
また、図9では、互いに近接した駆動電極(例えば、駆動電極TL(n−6)〜TL(n−3))によって、磁界発生コイルを構成する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、図9において、駆動電極TL(n−5)と駆動電極TL(n−4)との間に、1個または複数個の駆動電極が挟まれるようにしてもよい。この場合には、駆動電極TL(n−5)と駆動電極TL(n−4)との間に挟まれた駆動電極の領域が、磁界発生コイルの内側となり、この内側の領域において、強い磁界が発生することになる。同様に、図11では、互いに近接した検出電極(例えば、RL(n−3)〜RL(n))によって、磁界検出コイルを構成する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、図11において、検出電極RL(n−2)と検出電極RL(n−1)との間に、1個または複数個の検出電極が挟まれるようにしてもよい。この場合には、検出電極RL(n−2)と検出電極RL(n−1)との間に挟まれた検出電極の領域が、磁界検出コイルの内側となり、この内側の領域において、磁界の検出が向上する。
また、図12では、第6スイッチS50〜S53が、単極双投スイッチによって構成されいる例を示したが、これに限定されるものではない。電界タッチ検出のときに、電界駆動信号が供給される検出電極がフローティング状態になればよいため、第6スイッチは、検出電極RLと接地電圧Vsと間に接続された単極単投スイッチであってもよい。この場合、磁界タッチ検出のときに、検出電極RLが、接地電圧Vsに接続されるように単極単投スイッチはオン状態にされ、電界タッチ検出のときには、単極単投スイッチはオフ状態にされる。図26に示した第14スイッチS130についても、同様に単極双投スイッチに限定されず、単極単投スイッチであってもよい。
TFTガラス基板TGBは、複数の信号線と複数の走査線で区画された画素の領域(画素領域)を備えた第1基板と見なすことができる。この場合、CFガラス基板CGBは、第1基板と対向する第2基板と見なすことができる。磁界発生期間においては、例えば、図9に示したように、複数の磁界発生コイル(第1コイル)が、第1基板に配置される。この場合、磁界発生コイルのそれぞれは、平面視で見たとき、長方形型をしている。長方形型の磁界発生コイルの長辺は、行方向(第1方向)に延在し、長方形型の磁界発生コイルは、列方向(第2方向)に平行に配置されている。また、磁界検出期間においては、複数の磁界発生コイルと交差するように、複数の磁界検出コイルが、TFTガラス基板TGBまたはCFガラス基板CGBに配置される。例えば、図11に示したように、磁界検出コイルのそれぞれも、平面視で見たとき、長方形型をしており、その長辺は、列方向(第2方向)に延在し、行方向(第1方向)に平行に配置されている。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
例えば、実施の形態2においては、駆動電極TL(0)〜TL(p)および信号線SL(0)〜SL(p)は、列方向に延在し、行方向に並列に配置されている場合を説明したが、行方向および列方向は、見る視点により変化する。見る視点を変えて、駆動電極TL(0)〜TL(p)および信号線SL(0)〜SL(p)が、行方向に延在し、列方向に並列に配置されている場合も本発明の範囲に含まれるものである。また、本明細書で用いている「平行」とは、互いに一端から他端に亘るまで交わることなく延在することを意味する。そのため、一方の線(あるいは電極)の一部又は全部が他方の線(あるいは電極)に対して傾いた状態で設けられていたとしても、これらの線が一端から他端まで交わるものでなければ、本明細書においては、この状態も「平行」であるとする。