以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまでも一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下の説明は、タッチ検出機能付き表示装置としてタッチ検出機能付き液晶表示装置を例として述べる。しかしながら、これに限定されず、タッチ検出機能付きOLED表示装置にも適用することが可能である。また、電磁誘導方式として、2種類の方式を例に説明したが、ここでは、後者の方式を採用している場合について説明する。後者の方式では、ペンに電池を実装しなくてもよいため、ペンの小型化および/または形状の自由度を向上することが可能である。
(実施の形態1)
実施の形態1に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置(以下、単に表示装置とも称する)は、電磁誘導方式によるタッチ検出の機能と、静電容量方式によるタッチ検出の機能の両方を有している。すなわち、ペンによるタッチの検出と指によるタッチの検出が可能となっている。先ず、電磁誘導方式と静電容量方式の原理を説明しておく。
<電磁誘導方式の基本原理>
図1は、表示装置を有する電子装置とペンとの関係を模式的に示した説明図である。また、図2および図3は、電磁誘導方式の基本原理を模式的に示した説明図である。
図1において、電子装置は、金属カバーに納められた表示装置1と、導光板と、センサ板と、磁性シートとを有している。同図に示した例では、表示装置1と金属カバーとの間に、センサ板が実装されている。このセンサ板には、複数のコイルが設けられているが、図1には、そのうちの1個のコイルが、センサ板内コイル(以下、単にコイルとも称する)L2として模式的に示されている。
また、外部近接物体に該当するペンには、コイルと容量素子とが内蔵されている。図1では、容量素子は省略されているが、ペンに内蔵されているコイルが、ペン内コイル(以下、単にコイルとも称する)L1として模式的に示されている。コイルL1とコイルL2との間は、磁界によって結合される。
なお、表示装置1は、模式的にその構造を示すために、図1では、表示装置1に含まれるTFTガラス基板、カラーフィルタおよびCFガラス基板が描かれている。TFTガラス基板には、図示しないが、複数の層が形成されている。CFガラス基板にはカラーフィルタが形成されており、このカラーフィルタとTFTガラス基板との間には図示しない液晶層が挟持されている。また、導光板は、表示装置1とセンサ板との間に挟まれるように、固定部で固定されている。
ペンが、電子装置に近接(接触を含む)することにより、コイルL1が、コイルL2に近接することになる。これにより、コイルL1とコイルL2との間の磁界結合が発生し、ペンが近接したことが検出される。
この検出を、図2および図3を用いて説明する。図2(A)は、コイルL2が磁界を発生している状態を示しており、図2(B)は、コイルL1が磁界を発生している状態を示している。
図2において、ペン内のコイルL1とペン内容量素子(以下、単に容量素子とも称する)Cとは並列的に接続されており、共振回路を構成している。センサ板内コイルL2は、1回巻線のコイルが例として示されており、一対の端子を有している。ペンによるタッチを検出するとき(タッチ検出のとき)、コイルL2の一方の端子PTは、所定時間、送信アンプAP1の出力に接続され、所定時間後に、受信アンプAP2の入力に、所定時間、接続される。また、センサ板内コイルL2の他方の端子は、タッチ検出のとき、接地電圧Vssに接続される。
図3は、タッチ検出のときに動作を示す波形図である。図3の横軸は、時間を示しており、図3(A)は、送信アンプAP1の出力の波形を示しており、図3(B)は、受信アンプAP2の出力の波形を示している。
コイルL2の一方の端子PTが、送信アンプAP1の出力に接続されているとき、送信アンプAP1の入力には、周期的に変化する送信信号INが供給される。これにより、送信アンプAP1は、送信信号INの変化に従って、周期的に変化する駆動信号φ1を、図3(A)に示すように、所定時間(磁界発生期間)TGT、コイルL2の一方の端子に供給する。これにより、コイルL2が磁界を発生する。このときの磁力線が、図2(A)ではφGとして示されている。
磁力線φGは、コイルL2の巻線を中心として発生するため、コイルL2の内側の磁界が強くなる。コイルL1が、コイルL2に近接し、例えば図2(A)に示すように、コイルL1の中心軸LOが、コイルL2の内側に存在すると、コイルL1に、コイルL2の磁力線が到達する。すなわち、コイルL1が、コイルL2において発生している磁界内に配置され、コイルL1とコイルL2とが磁界結合されることになる。コイルL2は、駆動信号φ1の変化に従って、周期的に変化する磁界を発生する。そのため、コイルL2とコイルL1間の相互誘導の作用により、コイルL1には、誘起電圧を発生する。容量素子Cは、コイルL1によって発生した誘起電圧によって充電される。
所定時間後に、コイルL2の一方の端子PTは、所定時間(磁界検出期間または電流検出期間)TDT、受信アンプAP2の入力に接続される。磁界検出期間TDTにおいては、先の磁界発生期間TGTにおいて容量素子Cが、充電されていれば、容量素子Cに充電された電荷によって、コイルL1が、磁界を発生する。図2(B)には、容量素子Cに充電された電荷によって発生したコイルL1の磁力線が、φDとして示されている。
タッチ検出のとき、すなわち、磁界発生期間TGTおよび磁界検出期間TDTのとき、ペン内コイルL1が、センサ板内コイルL2に近接していれば、磁界発生期間TGTのとき、容量素子Cに充電が行われ、磁界検出期間TDTのとき、コイルL1の磁力線φDが、コイルL2に到達する。コイルL1と容量素子Cとにより共振回路が構成されているため、コイルL1の発生する磁界は、共振回路の時定数に従って変化する。コイルL1が発生する磁界が変化することにより、コイルL2に誘起電圧が発生する。この誘起電圧によって、コイルL2の一方の端子PTにおいて、信号が変化する。この信号の変化が、検出信号φ2として、磁界検出期間TDTのとき、受信アンプAP2に入力され、増幅され、センサ信号OUTとして受信アンプAP2から出力される。
一方、タッチ検出のとき、ペン内コイルL1が、センサ板内コイルL2に近接していなければ、磁界発生期間TGTのとき、容量素子Cは充電されない、または充電される電荷量が少なくなる。その結果、磁界検出期間TDTのとき、コイルL1が発生する磁界の磁力線φDは、コイルL2に到達しない。そのため、磁界検出期間TDTのとき、コイルL2の一方の端子PTにおける検出信号φ2は変化しない。
図3には、ペン内コイルL1が、センサ板内コイルL2に近接しているときと、近接していないときの両方の状態が示されている。すなわち、図3において、左側には、コイルL1がコイルL2に近接していないときの状態が示されており、右側には、コイルL1がコイルL2に近接しているときの状態が示されている。そのため、図3(B)において、左側に示した磁界検出期間TDTでは、検出信号φ2は変化しておらず、右側に示した磁界検出期間TDTでは、検出信号φ2が変化している。検出信号φ2が変化している場合を、ペン有りと判定し、検出信号φ2が変化していない場合を、ペン無しと判定することにより、ペンによるタッチを検出することができる。
図3では、ペン有りとペン無しの判定を示したが、コイルL1とコイルL2との間の距離に従って、検出信号φ2の値が変化するため、ペンとセンサ板との間の距離あるいはペンの筆圧を判定することも可能である。
<静電容量方式の基本原理>
次に、静電容量方式の基本原理を説明する。ここでは、図1に示した表示装置1に形成されている信号配線を用いて、指によるタッチを検出する場合を例として説明する。すなわち、静電容量方式のセンサ板が、表示装置と一体化されている場合を説明する。先ず、図1に示した表示装置1の構成を、より詳しく説明する。図4は、表示装置1の構成を模式的に示す図である。ここで、図4(A)は、表示装置1の平面を、模式的に示した平面図であり、図4(B)は、表示装置1の断面を、模式的に示した断面図である。
図4(A)において、TL(0)〜TL(p)は、TFTガラス基板TGB(第1基板)の第1主面TSF1に形成されたレイヤ(層)によって構成された駆動電極を示している。また、RL(0)〜RL(p)は、CFガラス基板CGB(第2基板)の第1主面CSF1に形成されたレイヤ(層)によって構成された検出電極を示している。TFTガラス基板TGBは、第1主面TSF1と、この第1主面TSF1と対向する第2主面TSF2(図4(B))を備えている。TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1には、複数のレイヤが形成されているが、図4では、駆動電極TL(0)〜TL(p)を構成するレイヤのみが示されている。
CFガラス基板CGBも、第1主面CSF1と、この第1主面CSF1と対向する第2主面CSF2(図4(B))を備えている。図4では、第1主面CSF1に配置された検出電極RL(0)〜RL(p)を形成するレイヤのみが描かれている。理解を容易にするために、図4(A)では、TFTガラス基板TGBとCFガラス基板CGBとが分離して、描かれているが、具体的には、図4(B)に示すように、液晶層(層)を挟んで、TFTガラス基板TGB(第1基板)の第1主面TSF1とCFガラス基板CGB(第2基板)の第2主面CSF2とが対向するように配置されている。
TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1と、CFガラス基板CGBの第2主面CSF2との間には、複数のレイヤと、液晶層等が挟まれているが、図4では、第1主面TSF1と第2主面CSF2との間に挟まれた駆動電極TL(0)〜TL(n+2)、液晶層およびカラーフィルタのみが示されている。また、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1には、図4(A)に示すように複数の検出電極RL(0)〜RL(p)と偏光板が配置されている。図4(B)では、複数の検出電極RL(0)〜RL(p)のうち、検出電極RL(n)のみが、検出電極の例として示されている。
本明細書では、表示装置1を、図4(B)に示すように、CFガラス基板CGBおよびTFTガラス基板TGBの第1主面CSF1、TSF1側から見たときの状態を、平面視として説明する。すなわち、平面視は、CFガラス基板CGBおよびTFTガラス基板TGBの第1主面CSF1、TSF1側から見た状態である。そのため、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1側に、検出電極および偏光板が配置されていると述べたが、見る方向が変われば、例えば検出電極および偏光板は、CFガラス基板CGBの右側、左側あるいは下側に配置されていることになる。図4(B)において、13は、検出電極RL(n)に接続された増幅回路を示している。
第1主面CSF1およびTSF1側から、平面視で見たとき、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、TFTガラス基板TGBの第1主面TSF1において、図4(A)に示すように、行方向(横方向)に延在し、列方向(縦方向)に平行に配置されている。また、検出電極RL(0)〜RL(p)は、CFガラス基板CGBの第1主面CSF1において、図4(A)に示すように、列方向(縦方向)に延在し、行方向(横方向)に平行に配置されている。
図4(B)に示すように、駆動電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)の間には、CFガラス基板CGB、液晶層等が介在している。そのため、駆動電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)は、平面視で見たときには、交差しているが、互いに電気的に分離されている。駆動電極と検出電極との間には、容量が存在するため、図4(B)では、この容量が容量素子として破線で示されている。なお、駆動電極TL(0)〜TL(p)間は、互いに分離されており、検出電極RL(0)〜RL(p)間も互いに分離されている。
駆動電極TL(0)〜TL(p)には、表示のときには、表示用の駆動信号(表示駆動信号)が供給され、指によるタッチを検出するときには、タッチ検出用の駆動信号が供給される。
この実施の形態1においては、指によるタッチの検出は、電界を用いて行い、ペンによるタッチの検出は、磁界(図1、図2および図3参照)を用いて行う。そのため、本明細書においては、磁界を用いたタッチの検出を、磁界タッチ検出と称し、電界を用いたタッチの検出を、電界タッチ検出とも称する。後で説明するが、駆動電極TL(0)〜TL(p)には、磁界タッチ検出のときにも、タッチ検出用の駆動信号が供給される。そのため、表示のときと、電界タッチ検出のときと、磁界タッチ検出のときにおいて、駆動電極TL(0)〜TL(p)には、それぞれに対応した駆動信号が供給されることになる。すなわち、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、表示のときと電界タッチ検出のときと磁界タッチ検出のときとで、共通に用いられる(兼用される)。共通に用いられるという観点で見た場合、駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、共通電極と見なすことができる。
電界タッチ検出の期間においては、駆動電極TL(0)〜TL(p)に、電界用の駆動信号Txが供給される。タッチを検出するように選択された駆動電極に対して、電圧が周期的に変化する信号が、駆動信号Txとして供給され、タッチを検出しないように非選択とされた駆動電極には、例えば所定の固定電圧が駆動信号Txとして供給される。電界タッチ検出の期間において、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、例えばこの順番で順次、選択される。図4(A)では、駆動電極TL(2)に、周期的に電圧が変化する信号が駆動信号Tx(2)として供給されている状態が示されているが、例えば、駆動電極TL(0)からTL(p)へ向けて、順次、駆動電極が選択され、周期的に電圧が変化する駆動信号が供給されることになる。
これに対し、表示の期間においては、所定の固定電圧あるいは表示すべき画像情報に応じた電圧が、駆動電極TL(0)〜TL(p)へ、表示駆動信号として供給される。
次に、図5を用いて、静電容量方式の基本原理を説明する。図5において、TL(0)〜TL(p)は、図4に示した駆動電極であり、RL(0)〜RL(p)は、図4に示した検出電極である。図5(A)において、駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、行方向に延在し、列方向に平行して配置されている。また、検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、駆動電極TL(0)〜TL(p)と交差するように、列方向に延在し、行方向に平行して配置されている。検出電極RL(0)〜RL(p)と駆動電極TL(0)〜TL(p)との間に隙間が生じるように、図4(B)に示したように、検出電極RL(0)〜R(p)と駆動電極TL(0)〜TL(p)との間には、液晶層等が配置されている。
図5(A)において、12−0〜12−pのそれぞれは、単位駆動電極ドライバを模式的に示している。同図では、単位駆動電極ドライバ12−0〜12−pから、駆動信号Tx(0)〜Tx(p)が出力される。また、13−0〜13−pのそれぞれは、単位増幅回路を模式的に示している。図5(A)において、実線の○で囲んだパルス信号は、選択された駆動電極へ供給される駆動信号Txの波形を示している。外部近接物体として、同図では、指がFGとして示されている。
図5(A)の例では、駆動電極TL(2)に、単位駆動電極ドライバ12−2から駆動信号Tx(2)として、パルス信号が供給されている。駆動電極TL(2)にパルス信号である駆動信号Tx(2)を供給することにより、図5(B)に示すように、駆動電極TL(2)と交差する検出電極RL(n)との間で電界が発生する。このとき、指FGが、液晶パネルの駆動電極TL(2)に近接している位置をタッチしていると、指FGと駆動電極TL(2)との間でも電界が発生し、駆動電極TL(2)と検出電極RL(n)との間で発生している電界が減少する。これにより、駆動電極TL(2)と検出電極RL(n)との間の電荷量が減少する。その結果、図5(C)に示すように、駆動信号Tx(2)の供給に応答して生じる電荷量は、指FGがタッチしているときは、タッチしていないときに比べてΔQだけ減少する。電荷量の差は、電圧の差として検出信号Rx(n)に表れ、単位増幅回路13−nに供給され、増幅される。
なお、図5(C)において、横軸は時間を示しており、縦軸は電荷量を示している。駆動信号Tx(2)の立ち上がりに応答して、電荷量は、増加(同図において、上側に増加)し、駆動信号Tx(2)の電圧の立ち下がりに応答して、電荷量は、増加(同図において、下側に増加)する。このとき、指FGのタッチの有無によって、増加する電荷量が変わる。また、この図面では、電荷量が、上側に増加した後、下側へ増加する前に、リセットが行われており、同様に、電荷量が下側へ増加した後、上側へ増加する前に、電荷量のリセットが行われている。このようにして、リセットされた電荷量を基準として、上下に電荷量が変化する。言い換えるならば、タッチに応じて、検出電極RL(n)に信号変化が発生する。
駆動電極TL(0)〜TL(p)を、順次選択し、選択した駆動電極に、パルス信号である駆動信号Tx(0)〜Tx(p)を、供給することにより、選択した駆動電極と交差する複数の検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれから、それぞれの交差部分に近接した位置に指FGがタッチしているか否かに応じた電圧値を有する検出信号Rx(0)〜Rx(p)が出力されることになる。電荷量に差ΔQが生じている時刻において、検出信号Rx(0)〜Rx(p)のそれぞれを、サンプリングし、アナログ/デジタル変換部を用いて、デジタル信号へ変換する。変換されたデジタル信号を信号処理することにより、タッチされた位置の座標を抽出することが可能となる。
<表示装置とセンサ板内コイルの一体化構造>
本発明者らは、図1に示したように、表示装置1と、センサ板とを別々に準備した場合、センサ板が高価であるため、電子装置が高価になると考えた。そこで、本発明者らは、センサ板を構成するコイルL2(図1)を、表示装置1の層(レイヤ)により形成し、表示装置とセンサ板とを一体化することを考えた。
図6は、センサ板をセンサ層(レイヤ)として一体化した表示装置1の模式的な断面を示す断面図である。図6は、図1と類似しているので、相違点を主に説明する。図1においては、表示装置1とは別に、センサ板を準備し、導光板と磁性シートとの間に、センサ板を設けるようにしていた。これに対して、図6(A)では、CFガラス基板CGBに、センサレイヤを形成する。また、図6(B)では、TFTガラス基板TGBに、センサレイヤを形成する。これにより、センサ板に相当するセンサレイヤが、表示装置1に設けられるため、価格の上昇を抑制することが可能となる。
図2および図3で説明したように、磁界発生期間TGTのとき、センサ板内コイルL2が、磁界を発生し、磁界検出期間TDTのとき、ペン内コイルL1が発生する磁界を、センサ板内コイルL2が検出していた。すなわち、センサ板内コイルL2が、磁界の発生と磁界の検出に兼用されていた。このように兼用する場合、図6(A)では、CFガラス基板CGBに形成されたレイヤによって、コイルL2が構成されることになる。同様に、図6(B)では、TFTガラス基板TGBに形成されたレイヤによって、コイルL2が構成されることになる。
しかしながら、磁界発生期間TGTにおいて磁界を発生するコイルと、磁界検出期間TDTにおいて磁界を検出するコイルとを、別々に構成することも可能である。この場合、例えば、図6(B)に示したセンサレイヤによって、磁界を発生するコイル(以下、磁界発生コイルとも称する)を構成し、図6(A)に示したセンサレイヤによって、磁界を検出するコイル(以下、磁界検出コイルとも称する)を構成することができる。また、TFTガラス基板TGBには、センサレイヤとして用いることが可能な複数の層が存在する。そのため、図6(B)に示したセンサレイヤによって、磁界発生コイルと磁界検出コイルを別々に構成することもできる。
磁界発生コイルと磁界検出コイルを別々に構成した場合の例を、図7に示す。図7には、TFTガラス基板TGBに形成されたレイヤによって、磁界発生コイルと、磁界検出コイルを構成した場合が示されている。図7において、CX(n)〜CX(n+2)は、例えば磁界発生コイルを示し、CY(n)〜CY(n+2)は、磁界検出コイルを示している。図7では、図4で説明した駆動電極TL(0)〜TL(p)が、磁界発生コイルを構成するレイヤとして用いられており、画像情報を伝達する信号線SL(0)〜SL(p)が、磁界検出コイルを構成するレイヤとして用いられている。信号線SL(0)〜SL(p)については、後で説明するが、駆動電極TL(0)〜TL(p)と同様に、TFTガラス基板TGBに形成されたレイヤにより構成されており、図7では、縦方向に延在し、横方向に平行して配置されている。
図4および図7に示すように、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、互いに平行して、横方向に延在している。磁界発生期間TGTにおいては、図7に示すように、駆動電極TL(n+1)、TL(n+2)のそれぞれの一方の端部と、駆動電極TL(n+6)、TL(n+7)のそれぞれの一方の端部を電気的に接続し、駆動電極TL(n)〜TL(n+2)のそれぞれの他方の端部と、駆動電極TL(n+6)〜TL(n+8)のそれぞれの他方の端部を電気的に接続する。これにより、駆動電極TL(n)〜TL(n+2)およびTL(n+6)〜TL(n+8)を巻線とした3回巻線のコイルCX(n)を形成することができる。同様にして、磁界発生期間TGTにおいて、所定の駆動電極間を電気的に接続することにより、3回巻線のコイルCX(n+1)、CX(n+2)等を構成することができる。
同様に、磁界検出期間TDTにおいて、信号線SL(n+1)、SL(n+2)のそれぞれの一方の端部と、信号線SL(n+6)、SL(n+7)のそれぞれの一方の端部を電気的に接続し、信号線SL(n)〜SL(n+2)のそれぞれの他方の端部と、信号線SL(n+6)〜SL(n+8)のそれぞれの他方の端部を電気的に接続する。これにより、信号線SL(n)〜SL(n+2)およびSL(n+6)〜SL(n+8)を巻線とした3回巻線のコイルCY(n)を形成することができる。同様にして、磁界検出期間TDTにおいて、所定の信号線間を電気的に接続することにより、3回巻線のコイルCY(n+1)、CY(n+2)等を構成することができる。
コイルCX(n)〜CX(n+2)とコイルCY(n)〜CY(n+2)は、電気的に分離された状態で、交差している。例えば、コイルCX(n)を構成する駆動電極TL(n)の一方の端部が、図2に示した端子PTに相当し、磁界発生期間TGTにおいて、図1に示した送信アンプAP1からの出力が供給され、駆動電極TL(n+8)の他方の端部に、接地電圧Vssが供給される。これにより、図2(A)で述べたように、コイルCX(n)において、磁界が発生する。コイルCX(n)において発生した磁界により、ペン内の容量素子C(図2)に電荷が蓄えられる。
磁界検出期間TDTにおいては、所定の信号線間が電気的に接続され、コイルCY(n)〜CY(n+2)が形成される。ペン内の容量素子Cに蓄えられた電荷によって、コイルL1(図1)が、磁界を発生する。この発生した磁界が、コイルCY(n)〜CY(n+2)によって検出される。これにより、ペンが近接しているのか、近接している領域およびペンとの距離を検知することが可能となる。
<磁界発生コイルの課題>
電磁誘導方式において、磁界発生コイルを用いる場合の表示装置の構成を、本発明者らは、本発明に先だって検討した。図36および図37は、本発明者らが、先に検討した表示装置の構成を示すブロック図である。ここでは、磁界発生コイルとして、図7と同様に、駆動電極を用いる場合を説明する。
図36および図37において、TL(n)〜TL(n+5)は、駆動電極を示している。また、USR(n)〜USR(n+5)およびUSL(n)〜USL(n+5)のそれぞれは、単位駆動回路を示している。図36および図37において、VCOMは、接地電圧Vssを給電する電圧配線を示し、TSVは、周期的に電圧が変化する駆動信号TSVCOMを供給する信号配線を示し、CNRおよびCNLは、磁界発生期間TGTにおいて、駆動電極間を接続する信号配線を示している。
これらの図において、SL11〜SL13、SL21〜SL23、SL31〜SL33、SL41〜SL43、SL51〜SL53およびSL61〜SL63は、スイッチを示している。スイッチSL11〜SL13が、一組の第1スイッチ群とされ、駆動電極TL(n)に対応している。同様に、スイッチSL21〜SL23が、一組の第1スイッチ群とされ、駆動電極TL(n+1)に対応し、スイッチSL31〜SL33が、一組の第1スイッチ群とされ、駆動電極TL(n+2)に対応し、スイッチSL41〜SL43が、一組の第1スイッチ群とされ、駆動電極TL(n+3)に対応している。また、スイッチSL51〜SL53が、一組の第1スイッチ群とされ、駆動電極TL(n+4)に対応し、スイッチSL61〜SL63が、一組の第1スイッチ群とされ、駆動電極TL(n+5)に対応している。
それぞれの第1スイッチ群を構成するスイッチのうち、SL11、SL21、SL31、SL41、SL51およびSL61は、第1スイッチとされ、それぞれの第1スイッチは、信号配線TSVと、対応する駆動電極の一方の端部に接続されている。また、第1スイッチ群を構成するスイッチのうち、SL12、SL22、SL32、SL42、SL52およびSL62は、第2スイッチとされ、それぞれの第2スイッチは、電圧配線VCOMと、対応する駆動電極の一方の端部に接続されている。さらに、第1スイッチ群を構成するスイッチのうち、SL13、SL23、SL33、SL43、SL53およびSL63は、第3スイッチとされ、それぞれの第3スイッチは、信号配線CNLと、対応する駆動電極の一方の端部に接続されている。
図36および図37において、SR11〜SR13、SR21〜SR23、SR31〜SR33、SR41〜SR43、SR51〜SR53およびSR61〜SR63も、スイッチを示している。スイッチSR11〜SR13が、一組の第2スイッチ群とされ、駆動電極TL(n)に対応している。同様に、スイッチSR21〜SR23が、一組の第2スイッチ群とされ、駆動電極TL(n+1)に対応し、スイッチSR31〜SR33が、一組の第2スイッチ群とされ、駆動電極TL(n+2)に対応し、スイッチSR41〜SR43が、一組の第2スイッチ群とされ、駆動電極TL(n+3)に対応している。また、スイッチSR51〜SR53が、一組の第2スイッチ群とされ、駆動電極TL(n+4)に対応し、スイッチSR61〜SR63が、一組の第2スイッチ群とされ、駆動電極TL(n+5)に対応している。
ここでも、それぞれの第2スイッチ群を構成するスイッチのうち、SR11、SR21、SR31、SR41、SR51およびSR61は、第1スイッチとされ、それぞれの第1スイッチは、信号配線TSVと、対応する駆動電極の他方の端部に接続されている。また、第2スイッチ群のうち、SR12、SR22、SR32、SR42、SR52およびSR62は、第2スイッチとされ、それぞれの第2スイッチは、電圧配線VCOMと、対応する駆動電極の他方の端部に接続されている。さらに、第2スイッチ群のうち、SR13、SR23、SR33、SR43、SR53およびSR63は、第3スイッチとされ、それぞれの第3スイッチは、信号配線CNLと、対応する駆動電極の一方の端部に接続されている。
単位駆動回路USL(n)〜USL(n+5)のそれぞれは、駆動電極TL(n)〜TL(n+5)のそれぞれに対応し、単位駆動回路USR(n)〜USR(n+5)のそれぞれも、駆動電極TL(n)〜TL(n+5)のそれぞれに対応している。単位駆動回路USL(n)〜USL(n+5)およびUSR(n)〜USR(n+5)のそれぞれは、磁界タッチ検出および電界タッチ検出のときに、対応する駆動電極において磁界および電界が発生するように、第1スイッチ群および第2スイッチ群を制御する。
すなわち、対応する駆動電極において磁界を発生する場合には、対応する駆動電極を挟むように配置された2個の駆動電極が選択されるように、第1スイッチ群および第2スイッチ群を制御する。選択された2個の駆動電極によってコイルが構成され、対応する駆動電極は、コイルの内側に配置されることになる。これにより、対応する駆動電極の領域において、強い磁界が発生することになる。一方、対応する駆動電極において、電界を発生する場合には、対応する駆動電極が選択されるように、第1スイッチ群および第2スイッチ群を制御する。
<<磁界タッチ検出>>
磁界タッチ検出のときに、駆動電極TL(n+2)の領域で、磁界を発生する場合を例にして、動作を説明すると、次の通りである。駆動電極TL(n+2)を挟んでいる駆動電極は、駆動電極TL(n+1)とTL(n+3)である。駆動電極TL(n+2)に対応する単位駆動回路USL(n+2)およびUSR(n+2)は、この駆動電極TL(n+1)を挟んだ駆動電極TL(n+1)、TL(n+3)のそれぞれに対応した第1スイッチ群(SL21、SL22、SL23)、(SL41、SL42、SL43)および第2スイッチ群(SR21、SR22、SR23)、(SR41、SR42、SR43)を制御する。
すなわち、単位駆動回路USL(n+2)は、第1スイッチ群(SL21、SL22、SL23)、(SL41、SL42、SL43)における第1スイッチSL21および第2スイッチSL42をオン状態(導通状態)にし、残りのスイッチをオフ状態(非導通状態)にする。また、単位駆動回路USR(n+2)は、第2スイッチ群(SR21、SR22、SR23)、(SR41、SR42、SR43)における第3スイッチSR23、SR43をオン状態(導通状態)にし、残りのスイッチをオフ状態(非導通状態)にする。
これにより、図36に示すように、駆動電極TL(n+1)の一方の端部は、第1スイッチSL21を介して、信号配線TSVに接続され、駆動電極TL(n+1)の他方の端部は、第3スイッチSR23を介して、信号配線CNRに接続されることになる。また、駆動電極TL(n+3)の一方の端部は、第2スイッチSL42を介して、電圧配線VCOMに接続され、駆動電極TL(n+3)の他方の端部は、第3スイッチSR43を介して、信号配線CNRに接続されることになる。その結果、駆動電極TL(n+1)を挟んで、平行に配置された駆動電極TL(n+1)とTL(n+3)のそれぞれの他方の端部が、信号配線CNRによって電気的に接続されることになり、駆動電極TL(n+2)を内側としたコイルが形成されることになる。
磁界タッチ検出の場合、磁界発生期間TGTにおいて、電圧配線VCOMには、接地電圧Vssが供給され、信号配線TSVには、周期的に電圧が変化する駆動信号TSVCOMが供給される。従って、駆動電極TL(n+1)の一方の端部に、第1スイッチSL21を介して、駆動信号TSVCOMが、磁界駆動信号として供給され、駆動電極TL(n+3)の一方の端部に、第2スイッチSL42を介して、接地電圧Vssが供給されることになる。これにより、駆動電極TL(n+1)、TL(n+3)により構成された磁界発生コイルにより磁界が発生し、駆動電極TL(n+2)において強い磁界が形成されることになる。
図36において、矢印I1、I2は、駆動信号TSVCOMによって、駆動電極TL(n+1)、TL(n+3)を流れる電流と、その方向を示している。駆動電極TL(n+1)は、電流I1が流れることにより、矢印破線φI1で示す方向の磁界を発生する。駆動電極TL(n+3)を流れる電流I2の方向は、電流I1の方向とは正反対であるため、駆動電極TL(n+3)は、矢印破線φI2で示す方向の磁界を発生することになる。駆動電極TL(n+2)において、駆動電極TL(n+1)によって発生した磁界と駆動電極TL(n+3)によって発生した磁界とが重畳され、強い磁界が発生することになる。
なお、上記した第1スイッチ群(SL21、SL22、SL23)、(SL41、SL42、SL43)および第2スイッチ群(SR21、SR22、SR23)、(SR41、SR42、SR43)を除く、第1スイッチ群および第2スイッチ群における第1スイッチ、第2スイッチおよび第3スイッチは、上記した単位駆動回路USL(n+2)、USR(n+2)を除く、単位駆動回路によって、オフ状態にされている。
単位駆動回路USL(n)〜USL(n+5)は、直列的に接続されており、シフトレジスタとして動作する機能を備えている。同様に、USR(n)〜USR(n+5)も直列的に接続されており、シフトレジスタとして動作する機能を備えている。磁界を発生する駆動電極を選択する選択情報が、例えば、単位駆動回路USL(n)、USR(n)に設定され、この選択情報が、単位駆動回路USL(n+5)、USR(n+5)へ向かって順次シフトする。選択情報が、到達した単位駆動回路が、上記したように、第1スイッチ群および第2スイッチ群を制御して、対応する駆動電極において磁界が発生するように制御する。すなわち、図36は、選択情報が、単位駆動回路USL(n+2)、USR(n+2)に到達したときの状態を示している。
シフト動作によって、選択情報が、単位駆動回路USL(n+3)、USR(n+3)に到達したときの状態が、図37に示されている。選択情報が、単位駆動回路USL(n+3)、USR(n+3)に到達したときの動作は、図36で説明した動作と同様であるので、説明は省略する。
このようにして、選択情報が、シフトすることにより、強い磁界を発生する駆動電極も順次切り替わる(移動)することになる。
<<電界タッチ検出>>
次に、電界タッチ検出の場合の動作を説明する。ここでも、駆動電極TL(n+2)を例にして説明する。
電界タッチ検出の場合、単位駆動回路USL(n+2)、USR(n+2)は、磁界タッチ検出の場合とは異なる第1スイッチ群および第2スイッチ群を制御する。すなわち、単位駆動回路USL(n+2)、USR(n+2)に対応する駆動電極TL(n+2)に接続されている第1スイッチ群(SL31、SL32、SL33)および第2スイッチ群(SR31、SR32、SR33)を制御する。この場合には、第1スイッチ群(SL31、SL32、SL33)における第1スイッチSL31と、第2スイッチ群(SR31、SR32、SR33)における第1スイッチSR31をオン状態とし、第2スイッチSL32、SR32および第3スイッチSL33、SR33をオフ状態にする。
電界タッチ検出においても、信号配線TSVには、周期的に電圧が変化する駆動信号TSVCOMが供給される。そのため、駆動電極TL(n+2)には、その両方の端部から、第1スイッチSL31、SR31を介して、駆動信号TSVCOMが、電界駆動信号として供給されることになる。このとき、残りの第1スイッチ群および第2スイッチ群における第1スイッチ、第2スイッチおよび第3スイッチはオフ状態にされている。そのため、駆動電極TL(n)〜TL(n+1)およびTL(n+3)〜TL(n+5)は、フローティング状態となっている。
選択情報が、シフト動作によって、単位駆動回路USL(n+2)、USR(n+2)から、単位駆動回路USL(n+3)、USR(n+3)へ移動すると、単位駆動回路USL(n+3)、USR(n+3)が、対応する駆動電極TL(n+3)に接続されている第1スイッチ群および第2スイッチ群を、上記したのと同様に、制御する。これにより、駆動電極TL(n+3)に駆動信号TSVCOMが電界駆動信号として供給されることになる。
<<課題>>
磁界タッチ検出の場合には、磁界発生コイルを形成するために、上記したように、互いに平行して配置されている複数の駆動電極間を、信号配線(CNR、CNL)と第3スイッチによって接続することが要求される。また、この場合には、強い磁界を発生する領域に配置されている駆動電極とは異なる駆動電極に接続されているスイッチ群を制御することになる。一方、電界タッチ検出の場合には、電界を発生する領域に配置されている駆動電極に接続されているスイッチ群を制御することになる。そのため、制御が複雑になると言う課題が生じる。さらに、制御を行う駆動回路(制御回路)の占有面積も大きくなると言う課題が生じる。
<表示装置の全体構成>
図8は、実施の形態1に係わる表示装置1の構成を示すブロック図である。ここでは、特に制限されないが、表示装置1が、液晶表示装置の場合を例にして説明する。図8において、表示装置1は、表示パネル(液晶パネル)2、信号線セレクタ3、表示制御装置4、ゲートドライバ5およびタッチ制御装置6を備えている。また、表示装置1は、選択駆動回路(第1駆動回路、第2駆動回路)SSR、SSL、切換調整回路SCXおよび増幅回路AMPを備えている。表示装置1が備えるこれらの装置および回路については、あとで詳しく説明するので、ここでは全体概要を説明する。
表示パネル2は、後で図12を用いて説明するが、複数の画素が行列状に配置された画素配列LCDを有している。画素配列LCDには、複数の信号線、複数の駆動電極および複数の走査線が配置されている。ここで、信号線は、画素配列LCDのそれぞれの列に配置され、駆動電極は、画素配列LCDの行に配置され、複数の走査線は、画素配列LCDのそれぞれの行に配置されている。図8で述べると、信号配線は、縦方向(列方向)に延在し、横方向(行方向)に平行に配置されている。また、駆動電極は、横方向に延在し、縦方向に平行に配置されている。さらに、走査線は、横方向に延在し、縦方向に平行に配置されている。この場合、画素は、信号線と走査線とが交差する部分に配置されている。表示の期間(表示期間)においては、信号線と走査線により、画素が選択され、選択された画素には、そのときの信号線の電圧と、駆動電極の電圧(表示駆動信号)が印加され、選択された画素は、信号線と駆動電極との間の電圧差に従った表示を行う。
表示制御装置4は、制御回路D−CNTと信号線ドライバD−DRVとを備えている。制御回路D−CNTは、外部端子Ttに供給されるタイミング信号と入力端子Tiに供給される画像情報とを受け、入力端子Tiに供給されている画像情報に従った画像信号Snを形成し、信号線ドライバD−DRVへ供給する。信号線ドライバD−DRVは、供給された画像信号Snを、表示期間のとき、時分割的に、信号線セレクタ3へ供給する。また、制御回路D−CNTは、外部端子Ttに供給されるタイミング信号とタッチ制御装置6からの制御信号SWとを受け、種々の制御信号を形成する。制御回路D−CNTが形成する制御信号としては、信号線セレクタ3に供給される選択信号SEL1、SEL2、同期信号TSHD、クロック信号CLK、磁界イネーブル信号SC_EN、電界イネーブル信号TC_EN、駆動信号TSVCOM、タッチ検出に関する制御信号Y−CNT、クロック信号CLK等がある。
制御回路D−CNTにより形成される信号のうち、磁界イネーブル信号SC_ENは、磁界タッチ検出を実施することを示すイネーブル信号であり、電界イネーブル信号TC_ENは、電界タッチ検出を実施することを示すイネーブル信号である。また、同期信号TSHDは、表示パネル2において表示を行う期間(表示期間)とタッチ検出(磁界タッチ検出および電界タッチ検出)を行う期間(タッチ検出期間)とを識別する同期信号である。駆動信号TSVCOMは、タッチ検出期間のとき、その電圧が周期的に変化し、磁界駆動信号または電界駆動信号として駆動電極に供給される信号である。
信号線ドライバD−DRVは、表示期間のとき、選択信号SEL1、SEL2に従って、時分割的に、画像信号Snを信号線セレクタ3へ供給する。信号線セレクタ3は、表示パネル2に配置された複数の信号線に接続されており、表示期間のとき、供給されている画像信号を、選択信号SEL1、SEL2に従って、適切な信号線へ供給する。ゲートドライバ5は、表示期間のとき、制御回路D−CNTからのタイミング信号に従って走査線信号Vs0〜Vspを形成し、表示パネル2内の走査線に供給する。表示期間においては、ハイレベルの走査線信号が供給されている走査線に接続されている画素が選択され、選択された画素は、そのとき信号線に供給されている画像信号に従った表示を行うことにより、表示が行われる。
タッチ制御装置6は、センス信号S(0)〜S(p)を受ける検出回路DETと、検出回路DETからの検出信号DET−Dに対して処理を行い、タッチされた位置の座標を抽出する処理回路PRSと、制御回路T−CNTを備えている。制御回路T−CNTは、表示制御装置4から同期信号TSHD、磁界イネーブル信号SC_EN、電界イネーブル信号TC_ENと受け、タッチ制御装置6が、表示制御装置4に同期して動作するように制御する。
すなわち、制御回路T−CNTは、同期信号TSHD、磁界イネーブル信号SC_ENおよび電界イネーブル信号TC_ENがタッチ検出を示しているとき、検出回路DETおよび処理回路PRSが、動作するように制御する。また、制御回路T−CNTは、検出回路DETからの検出信号を受け、制御信号SWを形成し、制御回路D−CNTへ供給する。処理回路PRSは、抽出した座標を、座標情報として、外部端子Toから出力する。
表示パネル2は、画素配列LCDの行に平行した辺2−U、2−Dと、画素配列LCDの列に平行した辺2−R、2−Lを有している。ここで、辺2−Uと辺2−Dは、互いに対向した辺であり、この2辺の間に、画素配列LCDにおける複数の駆動電極と複数の走査線が挟まれるように配置されている。また、辺2−Rと辺2−Lも、互いに対向した辺であり、この2辺の間に、画素配列LCDにおける複数の信号線が挟まれるように配置されている。
選択駆動回路SSRは、表示パネル2の辺2−Rに沿って配置され、選択駆動回路SSLは、表示パネル2の辺2−Lに沿って配置されている。選択駆動回路SSRは、表示パネル2の辺2−R側において、表示パネル2に配置されている複数の駆動電極に結合され、選択駆動回路SSLは、表示パネル2の辺2−L側において、表示パネル2に配置されている複数の駆動電極に結合されている。すなわち、選択駆動回路SSR、SSLは、表示パネル2の外部において、表示パネル2に配置されている駆動電極と接続されている。
選択駆動回路SSRは、駆動回路SR−Rと選択回路SR−Cを備えている。駆動回路SR−Rは、複数のシフト段を有するシフトレジスタを備えており、制御信号Y−CNTによって、選択情報SEIがシフトレジスタに設定される。設定された選択情報SEIは、クロック信号CLKに同期して、順次シフトする。
磁界イネーブル信号SC_ENによって、磁界タッチ検出が指定されている場合、駆動回路SR−Rは、シフトレジスタに格納されている選択情報に従って選択信号を形成して、出力する。特に制限されないが、この実施の形態1において、駆動回路SR−Rは、磁界タッチ検出が指定されていると、選択情報に従って2個の選択信号を形成する。一方、電界イネーブル信号TC_ENによって、電界タッチ検出が指定されている場合も、駆動回路SR−Rは、シフトレジスタに格納されている選択情報に従って選択信号を形成して、出力する。特に制限されないが、この実施の形態1において、駆動回路SR−Rは、電界タッチ検出が指定されていると、選択情報に従って1個の選択信号を形成する。
選択回路SR−Cは、駆動回路SR−Rからの選択信号を受け、選択信号によって指定されている駆動電極を、信号配線(磁界駆動信号配線)TSVと電圧配線(基準信号配線)VCOMに接続する。すなわち、磁界タッチ検出のときには、2個の選択信号のうちの一方の選択信号によって指定された駆動電極を、信号配線TSVに接続し、他方の選択信号によって指定された駆動電極を、電圧配線VCOMに接続する。一方、電界タッチ検出のときには、1個の選択信号によって指定された駆動電極を、信号配線TSVに接続する。
この実施の形態1においては、磁界タッチ検出のとき、電圧配線VCOMには、接地電圧Vssが供給される。また、磁界タッチ検出および電界タッチ検出のとき、信号配線TSVには、周期的に電圧が変化する駆動信号TSVCOMが供給される。そのため、磁界タッチ検出のときには、2個の選択信号のうちの一方の選択信号によって指定された駆動電極には、選択回路SR−Cを介して駆動信号TSVOMが、磁界駆動信号として供給されることになる。このとき、他方の選択信号によって指定された駆動電極には、選択回路SR−Cを介して接地電圧Vssが供給されることになる。
また、電界タッチ検出のときには、選択信号によって指定された駆動電極に、選択回路SR−Cを介して、駆動信号TSVCOMが、電界駆動信号として供給されることになる。
選択駆動回路SSLは、選択駆動回路SSRと同様な構成を有している。すなわち、選択駆動回路SSLは、駆動回路SL−Rと選択回路SL−Cを備えている。駆動回路SL−Rは、複数のシフト段を有するシフトレジスタを備えており、制御信号Y−CNTによって、選択情報SEIがシフトレジスタに設定される。設定された選択情報は、クロック信号CLKに同期して、順次シフトする。
磁界イネーブル信号SC_ENによって、磁界タッチ検出が指定されている場合、駆動回路SL−Rは、シフトレジスタに格納されている選択情報に従って選択信号を形成して、出力する。駆動回路SL−Rは、磁界タッチ検出が指定されていると、選択情報に従って2個の選択信号を形成する。一方、電界イネーブル信号TC_ENによって、電界タッチ検出が指定されている場合も、駆動回路SL−Rは、シフトレジスタに格納されている選択情報に従って選択信号を形成して、出力する。しかしながら、電界タッチ検出が指定されていると、駆動回路SR−Rは、選択情報に従って1個の選択信号を形成する。
選択回路SL−Cは、駆動回路SL−Rからの選択信号を受け、選択信号によって指定されている駆動電極を、信号配線TSVと電圧配線VCOMに接続する。すなわち、磁界タッチ検出のときには、2個の選択信号のうちの一方の選択信号によって指定された駆動電極を、電圧配線VCOMに接続し、他方の選択信号によって指定された駆動電極を、信号配線TSVに接続する。一方、電界タッチ検出のときには、1個の選択信号によって指定された駆動電極を、信号配線TSVに接続する。
これにより、磁界タッチ検出のときには、2個の選択信号のうちの一方の選択信号によって指定された駆動電極には、選択回路SL−Cを介して接地電圧Vssが供給されることになる。このとき、他方の選択信号によって指定された駆動電極には、選択回路SL−Cを介して、駆動信号TSVOMが、磁界駆動信号として供給されることになる。
また、電界タッチ検出のときには、選択信号によって指定された駆動電極に、選択回路SL−Cを介して、駆動信号TSVCOMが、電界駆動信号として供給されることになる。
選択駆動回路SSRと選択駆動回路SSLは、互いに同期して動作するようにされている。特に制限されないが、この実施の形態1においては、同じクロック信号CLKが選択駆動回路SSR、SSLに供給され、同じ制御信号Y−CNTが、選択駆動回路SSR、SSLに供給されることによって、選択駆動回路SSRとSSLは同期して動作するようにされている。
磁界タッチ検出のとき、選択駆動回路SSRにおいて選択情報により指定される駆動電極は、選択駆動回路SSLにおいて選択情報により指定される駆動電極と同じになるようにする。言い換えるならば、磁界タッチ検出のときには、複数の駆動電極のうち、2個の駆動電極が、選択駆動回路SSR、SSLのそれぞれによって指定されるようにする。この場合、選択回路SR−Cにおいて、電圧配線VCOMに接続された駆動電極は、選択回路SL−Cにおいて、信号配線TSVに接続される。また、選択回路SR−Cにおいて、信号配線TSVに接続された駆動電極は、選択回路SL−Cにおいて、電圧配線VCOMに接続される。
これにより、指定された2個の駆動電極のそれぞれにおいて、磁界駆動信号(駆動信号TSVCOM)の電圧変化に応じた電流が流れることになり、それぞれの駆動電極において磁界が発生する。また、流れる電流の方向が、互いに正反対となるため、この2個の駆動電極によって挟まれた領域では、それぞれにより形成された磁界が重畳されることになり、強い磁界となる。
また、電界タッチ検出のときには、同じ駆動電極が、選択回路SR−CおよびSL−Cのそれぞれにおいて、信号配線TSVに接続される。そのため、指定された駆動電極に対して、その両端部から電界駆動信号(駆動信号TSVCOM)が供給されることになり、電界駆動信号の電圧変化に応じた電界が発生することになる。
表示パネル2の辺2−Uに沿って、切換調整回路SCXが配置され、辺2−U側において、切換調整回路SCXは、表示パネル2に配置された複数の信号線に結合されている。すなわち、切換調整回路SCXは、表示パネル2の外部において、複数の信号線に接続されている。また、増幅回路AMPは、表示パネル2の辺2−Dに沿って配置された信号線セレクタ3を介して、表示パネル2に配置された複数の信号線に結合されている。
磁界イネーブル信号SC_ENによって、磁界タッチ検出が指定されているとき、切換調整回路SCXは、表示パネル2に配置されている所定の信号線間を電気的に接続する。これにより、互いに平行して配置されている信号線が、辺2−U側において接続されるため、信号線を巻線とした1回巻線のコイルが、複数個、形成される。複数個のコイルのそれぞれの端部は、辺2−D側において、信号線セレクタ3を介して増幅回路AMPに接続される。1回巻線のコイルが、磁界検出コイルとして機能する。すなわち、磁界検出期間TDT(図2)において、ペンが発生する磁界に応じて、信号線により構成された磁界検出コイルに信号変化が発生する。この信号変化が、増幅回路AMPに供給され、増幅されて、センス信号S(0)〜S(p)として出力され、検出回路DETへ供給される。
また、電界タッチ検出のとき、信号線間は、切換調整回路SCXによって接続されないため、増幅回路AMPは、指によるタッチの有無に応じて変化する信号線の信号変化を増幅して、センス信号S(0)〜S(p)として、検出回路DETへ供給する。
検出回路は、供給されたセンス信号S(0)〜S(p)を処理し、処理回路PRSへ供給する。これにより、磁界タッチ検出のときにはペンによるタッチの有無、タッチした座標、筆圧等が、処理回路PRSにより求められ、外部端子Toから出力される。また、電界タッチ検出のときには指によるタッチの有無、タッチした座標等が、処理回路PRSによって求められ、外部端子Toから出力される。
ここでは、磁界検出コイルが、1回巻線の場合を説明したが、これに限定されるものではない、切換調整回路SCXと同様な機能を、増幅回路AMPに設けることにより、3個以上の信号線を直列的に接続し、1.5回以上の巻線のコイルを形成するようにしてもよい。
<表示装置1のモジュール構成>
図9は、表示装置1を実装したモジュール900の全体構成を示す模式的な平面図である。模式的ではあるが、図9は、実際の配置に合わせて描かれている。同図において、901は、図4で示したTFTガラス基板TGBにおける領域を示しており、902は、図4で示したTFTガラス基板TGBとCFガラス基板CGBとを有する領域を示している。モジュール900において、TFTガラス基板TGBは一体となっている。すなわち、領域901と領域902において、TFTガラス基板TGBは共通であり、領域902には、図4に示したように、TFTガラス基板TGBの上方面に、CFガラス基板CGB等が、さらに形成されている。
図9において、900−Uは、モジュール900の短辺を示しており、900−Dは、モジュール900の辺であって、短辺900−Uと対向する短辺を示している。また、900−Lは、モジュール900の長辺を示しており、900−Rは、モジュール900の辺であって、長辺900−Lに対向する長辺を示している。
領域902であって、表示パネル2の辺2−Lとモジュール900の長辺900−Lとの間の領域には、図8で示したゲートドライバ5、選択駆動回路SSLが配置されている。また、表示パネル2の辺2−Rとモジュール900の長辺900−Rとの間の領域には、図8で示した選択駆動回路SSRが配置されている。表示パネル2の辺2−Uとモジュール900の短辺900−Uとの間の領域には、図8で示した切換調整回路SCXが配置されている。
また、表示パネル2の辺2−Dとモジュール900の短辺900−Dとの間の領域には、図8で示した信号線セレクタ3、増幅回路AMPおよびドライブ用半導体装置DDICが配置されている。
この実施の形態1においては、図8に示した信号線ドライブD−DRVおよび制御回路D−CNTは、1個の半導体装置に内蔵されている。本明細書においては、この1個の半導体装置が、ドライブ用半導体装置DDICとして示されている。また、図8に示したタッチ制御装置6も、1個の半導体装置に内蔵されている。本明細書においては、ドライブ用半導体装置DDICと区別するために、タッチ制御装置6を内蔵した半導体装置をタッチ用半導体装置6とも称する。勿論、ドライブ用半導体装置DDICおよびタッチ用半導体装置6のそれぞれは、複数の半導体装置で構成してもよい。また、例えばドライブ用半導体装置DDICに、増幅回路AMPを内蔵させてもよい。
この実施の形態1においては、増幅回路AMPは、領域901に配置されており、領域901のTFTガラス基板TGBに形成された配線および部品により構成されている。部品としては、例えば薄膜トランジスタ(以下、TFTトランジスタと称する)である。また、平面視的に、増幅回路AMPを覆うように、ドライブ用半導体装置DDICが、TFTガラス基板に実装されている。これにより、表示パネル2の下側額縁が大きくなるのを抑制することが可能となる。
また、選択駆動回路SSL、SSRおよび切換調整回路SCXを構成する部品も、領域902におけるTFTガラス基板TGB上に形成されている。
図9において、FB1、FB2は、フレキシブルケーブルを示している。特に制限されないが、フレキシブルケーブルFB1には、タッチ用半導体装置6が実装され、フレキシブルケーブルFB2には、コネクタCNが実装されている。図8において説明したセンス信号S(0)〜S(p)は、このコネクタCNを介して、増幅回路AMPからタッチ用半導体装置6に供給されている。さらに、コネクタCNを介して、タッチ用半導体装置6とドライブ用半導体装置DDICとの間で信号の送受信が行われる。図9には、送受信される信号の例として、同期信号TSHDが描かれている。
表示パネル2には、既に述べたように、複数の画素が行列状に配置された画素配列を有しており、画素配列は、配列の行に沿って配置された複数の駆動電極TL(0)〜TL(p)および走査線GL(0)〜GL(p)と、配列の列に沿って配置された複数の信号線SL(0)〜SL(p)とを備えている。図9には、例として、2個の駆動電極TL(n)、TL(m)と2個の信号配線SL(k)、SL(n)とが示されている。なお、図9では、走査線は、省略されている。信号線SL(0)〜SL(p)と走査線あるいは駆動電極TL(0)〜TL(p)との交差部分には、画素が配置されている。図9に示した表示パネル2の4辺に明示してあるR、G、Bは、3原色に対応した画素を示している。
図10は、表示パネル2が備えている駆動電極と信号線との関係を示す平面図である。表示パネル2は、駆動電極TL(0)〜TL(p)および信号線SL(0)〜SL(p)を備えているが、図10には、これらの駆動電極および信号線のうちの一部が、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)および信号線SL(n−6)〜SL(n+9)として例示されている。なお、図10には、走査線は省略されている。
図10に示した駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)を例にして、駆動電極を説明すると、それぞれの駆動電極は、第1電極と、この第1電極に接続された複数の第2電極とを備えている。ここで、第1電極は、例えば透明電極であり、第2電極は、第1電極よりもシート抵抗の低い電極である。図10には、それぞれの駆動電極が備えている複数の第2電極のうち1個の第2電極が、補助電極SMとして示されている。なお、図面が複雑になるのを避けるために、図10では、駆動電極TL(n−6)およびTL(n+9)が備えている補助電極についてのみ、符号SMが付されている。
補助電極SMも、駆動電極を構成する第1電極(透明電極)と同様に、配列の行方向に延在し、第1電極と電気的に接続されている。これにより、第1電極と補助電極(第2電極)とを備えている駆動電極の合成抵抗(インピーダンス)の低減が図られている。本明細書においては、特に明示しない限り、第1電極(透明電極)と、この第1電極に接続された第2電極(補助電極SM)とを合わせて、駆動電極と称している。
<表示パネルの構造>
図11は、実施の形態1に係わる表示装置1に含まれる表示パネル2の構成を示す断面図である。表示という観点で見た場合、表示パネル2の領域(第1領域)は、アクティブな領域(アクティブ領域)であり、表示が行われる表示領域である。これに対して、表示パネル2の外部の領域(第2領域)は、表示が行われない領域で有り、非アクティブな領域(非アクティブ領域)あるいは周辺領域と見なすことができる。図9を例にして説明すると、アクティブ領域は、表示パネル2の辺2−U、2−D、2−Rおよび2−Lによって囲まれた領域である。
図11は、図9に示した表示パネル2のA−A’断面を示している。この実施の形態1においては、カラー表示を行うために、R(赤)、G(緑)およびB(青)の3原色のそれぞれに対応した3個の画素を用いて、1個のカラー画素を表示する。すなわち、1個のカラー画素が、3個の副画素により構成されていると見なすことができる。この場合、表示期間において、カラー画像信号を伝達する信号線は、3個の信号線により構成されることになる。図11には、具体的な表示パネル2の構造を示すために、カラー表示を行う例が示されている。
図11を説明する前に、図11で用いる信号線の符号を説明しておく。信号線SL(0)〜SL(p)のそれぞれは、表示期間において、カラー画像信号を伝達する信号線を示している。それぞれの信号線は、3個の副画素に画像信号を伝達する3個の信号線を有している。図11においては、信号線の符号の後に対応する副画素の英字を付して、3個の信号線を区別している。信号線SL(n)を例にすると、信号線SL(n)は、信号線SL(n)R、SL(n)GおよびSL(n)Bを有している。ここで、符号SL(n)の後に付した英字Rは、表示期間においては、三原色の赤(R)に対応する副画素へ画像信号を伝達する信号線を示しており、符号SL(n)の後に付した英字Gは、三原色の緑(G)に対応する副画素へ画像信号を伝達する信号線を示しており、符号SL(n)の後に付した英字Bは、三原色の青(B)に対応する副画素へ画像信号を伝達する信号線を示している。
図11において、1100は、TFTガラス基板(図4では、TGB)を示している。TFTガラス基板1100には、第1配線層(金属配線層)1101が形成されている。この第1配線層1101に形成された配線によって、走査線GL(n)が構成される。第1配線層1101の上には、絶縁層1102が形成されており、絶縁層1102上には、第2配線層(金属配線層)1103が形成されている。第2配線層1103に形成された配線によって、信号線SL(n)R、SL(n)G、SL(n)B、信号線SL(n+1)R、SL(n+1)G、SL(n+1)Bおよび信号線SL(n+2)R、SL(n+2)Gが構成される。同図では、これらの信号線が第2配線層1103によって構成されていることを示すために、信号線の符号の後に、第2配線層を示す符号1103を[]内に記載している。例えば、信号線SL(n)Gは、SL(n)G[1103]として示されている。
第2配線層1103上には、絶縁層1104が形成され、絶縁層1104上には、第3配線層(金属配線層)1105が形成されている。第3配線層1105に形成された配線によって、駆動電極TL(n)と補助電極SMが構成されている。ここで、駆動電極TL(n)は、透明電極(第1電極)である。また、補助電極SM(第2電極)は、駆動電極TL(n)よりも抵抗値が低く、駆動電極TL(n)と電気的に接続するように形成されている。透明電極である駆動電極TL(n)の抵抗値は、比較的高いが、補助電極SMを駆動電極TL(n)と電気的に接続することにより、合成抵抗を低減することが可能となっている。ここでも、駆動電極および補助電極の符号に付された[1105]は、第3配線層1105により構成されていることを示している。
第3配線層1105上には、絶縁層1106が形成され、絶縁層1106の上面には画素電極LDPが形成されている。図11において、CR、CB、CGのそれぞれは、カラーフィルタである。カラーフィルタCR(赤)、CG(緑)、CB(青)と絶縁層1106との間には液晶層1107が挟まれている。ここで、画素電極LDPは、走査線と信号線との交点に設けられており、各画素電極LDPの上方に、それぞれの画素電極LDPに対応したカラーフィルタCR、CGあるいはCBが設けられている。各カラーフィルタCR、CG、CB間にはブラックマトリクスBMが設けられている。
また、図11では、省略されているが、カラーフィルタCR、CG、CB上には、図4および図6に示したように、CFガラス基板CGBが形成されている。さらに、CFガラス基板CGBの上には、図4に示すように、検出電極RL(0)〜RL(p)および偏光板が形成されている。
<画素配列>
次に、表示パネル2の回路構成を説明しておく。図12は、図8および図9に示した表示パネル2の回路構成を示す回路図である。図12においても、信号線は、図11と同じ表示形式で表されている。同図において、一点鎖線で示した複数個のSPixのそれぞれは、1個の液晶表示素子(副画素)を示している。副画素SPixは、表示パネル2において、行列状に配置され、液晶素子配列(画素配列)LCDを構成している。画素配列LCDは、各行に配置され、行方向に延在する複数の走査線GL(0)〜GL(p)と、各列に配置され、列方向に延在する信号線SL(0)R、SL(0)G、SL(0)B〜SL(p)R、SL(p)G、SL(p)Bとを具備している。また、画素配列LCDは、各行に配置され、行方向に延在する駆動電極TL(0)〜TL(p)を有している。
図12には、走査線GL(n−1)〜GL(n+1)と、信号線SL(n)R、SL(n)G、SL(n)B〜SL(n+1)R、SL(n+1)G、SL(n+1)Bと、駆動電極TL(n−1)〜TL(n+1)に関する画素配列の部分のみが示されている。図12においては、説明を容易にするために、駆動電極TL(n−1)〜TL(n+1)が、それぞれの行に配置されているように、示されているが、複数の行に対して1個の駆動電極を配置するようにしてもよい。
画素配列LCDの行と列の交点に配置されたそれぞれの副画素SPixは、TFTガラス基板1100に形成されたTFTトランジスタTrと、TFTトランジスタTrのソースに一方の端子が接続された液晶素子LCとを具備している。画素配列LCDにおいて、同じ行に配置された複数の副画素SPixのTFTトランジスタTrのゲートは、同じ行に配置されている走査線に接続され、同じ列に配置された複数の副画素SPixのTFTトランジスタTrのドレインは、同じ列に配置された信号線に接続されている。言い換えるならば、複数の副画素SPixが、行列状に配置され、各行には、走査線が配置され、走査線には、対応する行に配置された複数の副画素SPixが接続されている。また、各列には信号線が配置され、信号線には、対応する列に配置された画素SPixが接続されている。また、同じ行に配置された複数の副画素SPixの液晶素子LCの他端は、行に配置された駆動電極に接続されている。
図12に示した例で説明すれば、同図において、最上段の行に配置された複数の副画素SPixのそれぞれのTFTトランジスタTrのゲートは、最上段の行に配置された走査線GL(n−1)に接続されている。また、同図において、最も左側の列に配置された複数の副画素SPixのそれぞれのTFTトランジスタTrのドレインは、最も左側の列に配置された信号線SL(n)Rに接続されている。さらに、最上段の行に配置された複数の副画素SPixのそれぞれの液晶素子LCの他端は、図12においては、最上段の行に配置された駆動電極TL(n−1)に接続されている。
1個の副画素SPixが、先に述べたように、3原色の1つに対応する。従って、3個の副画素SPixによって、R、G、Bの3原色が構成される。図12では、同じ行に、連続的に配置された3個の副画素SPixによって、1つのカラー画素Pixが形成され、当該画素Pixにてカラーが表現される。すなわち、図12において、1200Rとして示されている副画素SPixが、R(赤)の副画素SPix(R)とされ、1200Gとして示されている副画素SPixが、G(緑)の副画素SPix(G)とされ、1200Bとして示されている副画素SPixが、B(青)の副画素SPix(B)とされる。そのために、1200Rとして示されている副画素SPix(R)には、カラーフィルタとして赤色のカラーフィルタCRが設けられており、1200Gの副画素SPix(G)には、カラーフィルタとして緑色のカラーフィルタCGが設けられており、1200Bの副画素SPix(B)には、カラーフィルタとして青色のカラーフィルタCBが設けられている。
また、1つの画素を表す信号のうち、R(赤)に対応する画像信号が、信号線セレクタ3から、信号線SL(n)Rに供給され、G(緑)に対応する画像信号が、信号線セレクタ3から、信号線SL(n)Gに供給され、B(青)に対応する画像信号が、信号線セレクタ3から、信号線SL(n)Bに供給される。
各副画素SPixにおけるTFTトランジスタTrは、特に制限されないが、Nチャンネル型TFTトランジスタである。走査線GL(0)〜GL(p)には、例えばこの順番で順次ハイレベルとなるパルス状の走査線信号が、ゲートドライバ5(図8および図9)から供給される。すなわち、画素配列LCDにおいて、上段の行に配置された走査線GL(0)から下段の行に配置された走査線GL(p)に向かって、走査線の電圧が、順次ハイレベルとなる。これにより、画素配列LCDにおいて、上段の行に配置された副画素SPixから下段の行に配置された副画素SPixに向かって、副画素SPixにおけるTFTトランジスタTrが、順次オン(導通)状態となる。
TFTトランジスタTrがオン状態となることにより、そのとき信号線に供給されている画像信号が、導通状態のTFTトランジスタを介して、液晶素子LCに供給される。液晶素子LCは、駆動電極TL(0)〜TL(p)に供給されている表示駆動信号の電圧と、供給された画像信号の電圧との間の差電圧に従って、電界が変化し、その液晶素子LCを透過する光の変調が変わる。これにより、走査線GL(0)〜GL(p)に供給する走査線信号に同期して、信号線SL(0)R、SL(0)G、SL(n)B〜SL(p)R、SL(p)G、SL(p)Bに供給した画像信号に応じたカラー画像が、表示パネル2に表示されることになる。
複数の副画素SPixのそれぞれは、選択端子と一対の端子とを有していると見なすことができる。この場合、副画素SPixを構成するTFTトランジスタTrのゲートが、副画素SPixの選択端子であり、TFTトランジスタTrのドレインが、一対の端子のうちの一方の端子であり、液晶素子LCの他端が、副画素SPixの他方の端子である。
ここで、図8および図9に示した表示パネル2の配置と、図12に示した回路図との対応を述べておくと、次のようになる。
画素配列LCDは、その配列の行と実質的に平行な一対の辺と、その配列の列と実質的に平行な一対の辺を有している。画素配列LCDの行と平行な一対の辺が、図8および図9に示した表示パネル2の短辺2−U、2−Dに対応した第1辺、第2辺であり、画素LCDの列と平行な一対の辺が、表示パネル2の長辺2−L、2−Rに対応した第3辺、第4辺である。
画素配列LCDにおいて、行と平行な一対の辺のうちの第2辺、すなわち、表示パネル2の一方の短辺2−Dに沿って、図9に示されているように、信号セレクタ3、増幅AMP、ドライブ用半導体装置DDICが配置されている。画素配列LCDにおいては、この第2辺(液晶パネル2の短辺2−D)において、信号線セレクタ3を介して、ドライブ用半導体装置DDICからの画像信号が、信号線SL(0)R、SL(0)G、SL(0)B〜SL(p)R、SL(p)G、SL(p)Bに供給される。
また、画素配列LCDの第1辺、すなわち、表示パネル2の他方の辺(短辺2−U)に沿って、図9に示したように、切換調整回路SCXが配置されている。
画素配列LCDにおいて、列と平行な一対の辺(第3辺、第4辺)のうち第3辺、すなわち、表示パネル2の長辺2−Lに沿って、ゲートドライバ5、選択駆動回路SSLが配置されている。画素配列LCDにおいては、この第3辺において、走査線GL(0)〜GL(p)にゲートドライバ5からの走査線信号が供給される。図9では、ゲートドライバ5が、表示パネル2の長辺2−Lに沿って配置されていたが、ゲートドライバ5を、2個に分け、長辺2−L(画素配列LCDの第3辺)と長辺2−R(画素配列LCDの第4辺)のそれぞれに沿って配置するようにしてもよい。また、画素配列LCDにおいては、表示期間のとき、第3辺において、選択駆動回路SSLから、駆動電極に表示駆動信号が供給される。さらに、磁界タッチ検出の磁界発生期間TGTのとき、または電界タッチ検出のときには、この第3辺において、選択駆動回路SSLから、磁界駆動信号または電界駆動信号が、指定された駆動電極へ供給される。
画素配列LCDの第4辺、すなわち表示パネル2の長辺2−Rに沿って、図9に示したように、選択駆動回路SSRが配置されている。表示期間においては、この第4辺において、選択駆動回路SSRから表示駆動信号が、共通電極へ供給される。一方、磁界タッチ検出または電界タッチ検出のときには、上記した選択駆動回路SSLと同様に、この第4辺側からも、磁界駆動信号または電界駆動信号が、指定された駆動電極に供給される。
表示パネル2においてカラー表示を行う場合の画素配列LCDを具体的に説明したが、それぞれ3個の副画素SPixにより構成された複数のカラー画素Pix(画素)により、画素配列LCDが構成されていると見なしてもよい。このように見なした場合、複数の画素Pixが、行列状に配置され、画素配列LCDが構成される。画素Pixにより構成された画素配列LCDのそれぞれの行には、対応する走査線GL(0)〜GL(p)と、対応する駆動電極TL(0)〜TL(p)が配置され、それぞれの列には、信号線SL(0)〜SL(p)が配置される。
この場合、3個の副画素SPixを、1個の画素Pixと見なし、画素Pixは、副画素SPixと同様な構成を有していると見なす。画素配列LCDに行列状に配置された画素Pixのそれぞれの選択端子は、画素Pixと同じ行に配置された走査線GL(0)〜GL(p)に接続され、画素Pixのそれぞれの一方の端子は、同じ列に配置された信号線SL(0)〜SL(p)に接続され、画素Pixのそれぞれの他方の端子は、同じ列に配置された駆動電極TL(0)〜TL(p)に接続されることになる。勿論、1個の駆動電極が、画素配列LCDの複数の行に対応していてもよい。この場合には、複数の行に配置された画素Pixの他方の端子が、共通の駆動電極に接続されることになる。
このように、画素配列LCDが、複数の画素Pixにより構成されていると見なした場合においても、図8および図9に示した表示パネル2の配置と、図12に示した回路図との対応は、先に説明した内容と同じである。
1個のカラー画素Pixを構成する副画素SPixの数が、3個の場合を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば上記R、G、Bに加えて白(W)や黄色(Y)、または上記R、G、Bの補色(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))のいずれか1色又は複数色を加えた副画素で1つのカラー画素としてもよい。
<選択駆動回路>
次に、実施の形態1に係わる表示装置1における選択駆動回路SSL、SSRの構成および動作を、図13〜図18を用いて説明する。
<<選択駆動回路の動作概要>>
選択駆動回路の理解を容易にするために、先ず、動作概要を述べておく。実施の形態1においては、選択駆動回路SSRは、図8に示したように、駆動回路SR−Rと選択回路SR−Cを備えている。駆動回路SR−Rは、磁界タッチ検出の磁界発生期間TGTにおいて、強い磁界を発生する駆動電極を指定する選択信号を形成する。また、電界タッチ検出のときに、駆動回路SR−Rは、電界を発生する駆動電極を指定する選択信号を形成する。選択回路SR−Cは、磁界発生期間TGTのとき、選択信号によって指定された駆動電極において磁界が発生するように、指定された駆動電極を挟む駆動電極を、信号配線TSVおよび電圧配線VCOMに接続する。また、選択回路SR−Cは、電界タッチ検出のとき、選択信号によって指定された駆動電極を、信号配線TSVに接続する。
駆動回路SR−Rは、それぞれシフト段を有する複数の単位駆動回路USR(0)〜USR(p)を備えており、これらの単位駆動回路USR(0)〜USR(p)が直列的に接続されることにより、シフトレジスタが構成される。磁界タッチ検出および電界タッチ検出の際には、選択する駆動電極を指定する選択情報が、複数の単位駆動回路により構成されたシフトレジスタを移動することにより、駆動回路SR−Rは、駆動電極を順次指定する選択信号を形成する。
選択駆動回路SSLも、選択駆動回路SSRと同様に、駆動回路SL−Rと選択回路SL−Cを備えている。駆動回路SL−Rは、駆動回路SR−Rと同様に複数の単位駆動回路USL(0)〜USL(p)を備えており。駆動回路SR−Rと同様に動作する。また、選択回路SL−Cは、選択回路SR−Cと同様に動作する。
図13は、実施の形態1に係わる表示装置1におけるタッチ検出動作を示す説明図である。図13(A)は、タッチ検出動作が、電界タッチ検出の場合を示しており、図13(B)は、タッチ検出動作が、磁界タッチ検出の場合を示している。動作概要を説明するために、図13には、駆動回路SR−Rを構成する複数の単位駆動回路USR(0)〜USR(p)のうち単位駆動回路USR(n)と、駆動回路SL−Rを構成する複数の単位駆動回路USL(0)〜USL(p)のうち単位駆動回路USL(n)が描かれており、選択回路SR−C、SL−Cは省略されている。
単位駆動回路USR(0)〜USR(p)およびUSL(0)〜USL(p)のそれぞれは、互いに平行して配置された駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれに対応しているが、単位駆動回路と駆動電極とは、1対1に対応していなくてもよい。すなわち、単位駆動回路に対して、互いに隣接して配置された複数の駆動電極が、対応するようにしてもよい。図13では、単位駆動回路に対して6個の駆動電極が対応している例が示されている。すなわち、互いに近接し、隣接して配置された6個の駆動電極TL(n)−1〜TL(n)−6が、1個の駆動電極TL(n)と見なされ、単位駆動回路USR(n)、USL(n)に対応している。
電界タッチ検出において、単位駆動回路USR(n)、USL(n)が、対応する駆動電極TL(n)を指定する選択信号を形成すると、この指定された駆動電極TL(n)、すなわち6個の駆動電極TL(n)−1〜TL(n)−6のそれぞれの一方に端部は、辺2−L(図8、図9)側において、信号配線TSVに接続される。また、指定された駆動電極TL(n)、すなわち6個の駆動電極TL(n)−1〜TL(n)−6のそれぞれの他方の端部は、辺2−R(図8、図9)側において、信号配線TSVに接続される。電界タッチ検出の際には、信号配線TSVに周期的に電圧が変化する駆動信号TSVCOMが供給されるため、駆動電極TL(n)、すなわち6個の駆動電極TL(n)−1〜TL(n)−6の両端に、駆動信号TSVCOMが電界駆動信号として供給されることになる。その結果、電界駆動信号(駆動信号TSVCOM)に従って、電界が発生することになる。
一方、磁界タッチ検出の磁界発生期間TGTにおいては、単位駆動回路USR(n)、USL(n)が、対応する駆動電極TL(n)を指定する選択信号を形成すると、この指定された駆動電極TL(n)、すなわち6個の駆動電極TL(n)−1〜TL(n)−6を挟むように配置された駆動電極TL(n−1)、TL(n+1)が、信号配線TSVおよび電圧配線VCOMに接続される。駆動電極TL(n−1)は、6個の駆動電極TL(n−1)−1〜TL(n−1)−6によって構成され、駆動電極TL(n+1)も、6個の駆動電極TL(n+1)−1〜TL(n+1)−6によって構成されている。図13には、これらの駆動電極のうち、駆動電極TL(n−1)−5、TL(n−1)−6、TL(n+1)−1およびTL(n+1)−2のみが示され、残りの駆動電極TL(n−1)−1〜TL(n−1)−4およびTL(n+1)−3〜TL(n+1)−6は、省略されている。
図13に示した駆動電極TL(n−1)−5、TL(n−1)−6、TL(n+1)−1およびTL(n+1)−2を、例にして説明すると、駆動電極TL(n−1)−5およびTL(n−1)−6のそれぞれの一方の端部が、辺2−L側において、信号配線TSVに接続される。また、駆動電極TL(n+1)−1およびTL(n+1)−2のそれぞれの一方の端部が、辺2−L側において、電圧配線VCOMに接続される。このとき、駆動電極TL(n−1)−5およびTL(n−1)−6のそれぞれの他方の端部が、辺2−R側において、電圧配線VCOMに接続され、駆動電極TL(n+1)−1およびTL(n+1)−2のそれぞれの他方の端部が、辺2−R側において、信号配線TSVに接続される。同様に、図示していない駆動電極TL(n−1)−1〜TL(n−1)−4のそれぞれの一方の端部も、辺2−L側において、信号配線TSVに接続され、それぞれの他方の端部は、辺2−R側において、電圧配線VCOMに接続される。また、図示していない駆動電極TL(n+1)−3〜TL(n+1)−6のそれぞれの一方の端部は、辺2−L側において、電圧配線VCOMに接続され、それぞれの他方の端部は、辺2−R側において、信号配線TSVに接続される。
磁界タッチ検出の磁界発生期間TGTにおいては、信号配線TSVに、周期的に電圧が変化する駆動信号TSVCOMが供給され、電圧配線VCOMに接地電圧Vssが供給される。そのため、図13に示すように、指定した駆動電極TL(n)を挟んで配置された駆動電極TL(n−1)、TL(n+1)のうち、駆動電極TL(n−1)には、矢印I1で示す電流が流れ、駆動電極TL(n+1)には、電流I1とは反対方向の電流I2が矢印で示すように流れる。すなわち、指定した駆動電極TL(n)を挟んで配置された駆動電極TL(n−1)とTL(n+1)には、磁界駆動信号(駆動信号TSVCOM)の電圧変化に従って、互いに反対方向の電流が流れることになる。これにより、駆動電極TL(n)が配置された領域において、駆動電極TL(n−1)において発生した磁界と、駆動電極TL(n+1)において発生した磁界とが重畳されることになり、強い磁界が発生することになる。
また、図13に示した例では、6個の駆動電極TL(n−1)−1〜TL(n−1)−6が束とされて、駆動電極TL(n−1)とされており、駆動電極TL(n−1)において発生する磁界が強くされている。同様に、6個の駆動電極TL(n+1)−1〜TL(n+1)−6が束とされて、駆動電極TL(n+1)とされており、駆動電極TL(n+1)において発生する磁界が強くされている。その結果、重畳された磁界をさらに強くすることが可能である。
このように、互いに並列に配置された駆動電極TL(n−1)と駆動電極TL(n+1)を直列的に接続して、コイルを形成するようにしなくても、強い磁界を発生することが可能となる。その結果、制御が容易になるとともに、制御回路の占有面積が増加するのを抑制することが可能となる。
<<選択駆動回路の構成>>
図14は、実施の形態1に係わる選択駆動回路SSLおよびSSRの構成を示すブロック図である。選択駆動回路SSLと選択駆動回路SSRは、互いに類似した構成を有している。先ず選択駆動回路SSLの構成を説明し、選択駆動回路SSRについては、選択駆動回路SSLとの相違点を主に説明する。
選択駆動回路SSLは、図8に示したように、駆動回路SL−Rと選択回路SL−Cを備えている。駆動回路SL−Rは、駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれに対応した複数の単位駆動回路USL(0)〜USL(p)を備えており、選択回路SL−Cは、駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれに対応した複数の第3スイッチおよび第4スイッチと、スイッチ制御回路SWLを備えている。図14には、駆動電極TL(0)〜TL(p)のうち駆動電極TL(n)〜TL(n+5)が示されており、これらの駆動電極TL(n)〜TL(n+5)に対応する選択駆動回路SSLの部分が示されている。以下、駆動電極TL(n)〜TL(n+5)に対応する部分を例として、選択駆動回路SSLを説明する。
図14において、USL(n)〜USL(n+5)は、駆動電極TL(n)〜TL(n+5)に対応する単位駆動回路である。単位駆動回路USL(n)〜USL(n+5)のそれぞれは、シフト段を備えている。単位駆動回路USL(n)〜USL(n+5)のそれぞれのシフト段は、直列的に接続され、シフトレジスタを構成している。磁界発生期間TGTおよび電界タッチ検出期間のとき、単位駆動回路USL(n)の前段の単位駆動回路USL(図示しない)から選択情報SEIが、単位駆動回路USL(n)に供給される。クロック信号CLKに同期して、選択情報SEIは、単位駆動回路USL(n)〜USL(n+5)のシフト段によって構成されたシフトレジスタをシフトし、単位駆動回路USL(n)から単位駆動回路USL(n+5)へ向かって移動する。また、選択情報SEIが移動するとき、単位駆動回路USL(n)〜USL(n+5)のそれぞれから、選択信号が、スイッチ制御回路SWLへ出力される。
スイッチ制御回路SWLは、単位駆動回路USL(n)〜USL(n+5)からの選択信号と、磁界イネーブル信号SC_ENと、電界イネーブル信号TC_ENを受け、第3スイッチSTLn〜STLn+5をスイッチ制御する第1駆動信号と、第4スイッチSVLn〜SVLn+5をスイッチ制御する第2駆動信号を形成する。
第3スイッチSTLn〜STLn+5および第4スイッチSVLn〜SVLn+5のそれぞれは、駆動電極TL(n)〜TL(n+5)のそれぞれに対応している。例えば、第3スイッチSTLnと第4スイッチSVLnは、駆動電極TL(n)に対応し、第3スイッチSTLn+5と第4スイッチSVLn+5は、駆動電極TL(n+5)に対応している。残りの第3スイッチおよび第4スイッチのそれぞれも、同様に駆動電極に1対1で対応している。
第3スイッチSTLn〜STLn+5のそれぞれは、表示パネル2の辺2−L側において、信号配線TSVと対応する駆動電極TL(n)〜TL(n+5)の一方の端部との間に接続され、第1駆動信号によってスイッチ制御される。また、第4スイッチSVLn〜SVLn+5のそれぞれは、表示パネル2の辺2−L側において、電圧配線VCOMと対応する駆動電極TL(n)〜TL(n+5)の一方の端部との間に接続され、第2駆動信号によってスイッチ制御される。第3スイッチSTLn、STLn+5および第4スイッチSVLn、SVLn+5を例にして説明すると、第3スイッチSTLnは、辺2−L側において、信号配線TSVと駆動電極TL(n)の一方の端部との間に接続され、第4スイッチSVLnは、辺2−L側において、電圧配線VCOMと駆動電極TL(n)の一方の端部との間に接続されている。また、第3スイッチSTLn+5は、辺2−L側において、信号配線TSVと駆動電極TL(n+5)の一方の端部との間に接続され、第4スイッチSVLn+5は、辺2−L側において、電圧配線VCOMと駆動電極TL(n+5)の一方の端部との間に接続されている。残りの第3スイッチおよび第4スイッチも同様である。
この実施の形態1では、第3スイッチSTLn〜STLn+5と、第4スイッチSVLn〜SVLn+5と、スイッチ制御回路SWLによって、図8に示した選択回路SL−Cが構成されている。
選択駆動回路SSRにおいて、USR(n)〜USR(n+5)は、上記した単位駆動回路USL(n)〜USL(n+5)に相当する単位駆動回路であり、SWRは、上記したスイッチ制御回路SWLに相当するスイッチ制御回路である。また、STRn〜STRn+5は、上記した第3スイッチSTLn〜STLn+5に相当する第5スイッチであり、SVRn〜SVRn+5は、上記した第4スイッチSVLn〜SVLn+5に相当する第6スイッチである。
単位駆動回路USR(n)〜USR(n+5)内のシフト段が直列的に接続され、選択情報SEIが、クロック信号CLKに同期して、単位駆動回路USR(n)からUSR(n+5)へ向けて移動する。移動の際に、単位駆動回路USR(n)〜USR(n+5)に格納された選択情報SEIは、単位駆動回路USR(n)〜USR(n+5)の選択信号として、スイッチ制御回路SWRに出力される。スイッチ制御回路SWRは、単位駆動回路USR(n)〜USR(n+5)からの選択信号と、磁界イネーブル信号SC_ENと、電界イネーブル信号TC_ENとを受け、第5スイッチSTRn〜STRn+5をスイッチ制御する第3駆動信号と、第6スイッチSVLn〜SVLn+5をスイッチ制御する第4駆動信号を形成する。
単位駆動回路USR(n)〜USR(n+5)によって構成された駆動回路SR−Rと、第5スイッチ、第6スイッチおよびスイッチ制御回路SWRによって構成された選択回路SR−Cは、図8に示したように、表示パネル2の辺2−Rに沿って配置されている。そのため、第5スイッチSTRn〜STRn+5のそれぞれは、辺2−R側において、信号配線TSVと対応する駆動電極TL(n)〜TL(n+5)のそれぞれの他方の端部との間に接続されている。また、第6スイッチSVRn〜SVRn+5のそれぞれは、辺2−R側において、電圧配線VCOMと対応する駆動電極TL(n)〜TL(n+5)のそれぞれの他方の端部との間に接続されている。
第5スイッチSTRn、STRn+5および第6スイッチSVRn、SVRn+5を例にして説明すると、第5スイッチSTRnは、辺2−R側において、信号配線TSVと駆動電極TL(n)の他方の端部との間に接続され、第6スイッチSVRnは、辺2−R側において、電圧配線VCOMと駆動電極TL(n)の他方の端部との間に接続されている。また、第5スイッチSTRn+5は、辺2−R側において、信号配線TSVと駆動電極TL(n+5)の他方の端部との間に接続され、第6スイッチSVRn+5は、辺2−R側において、電圧配線VCOMと駆動電極TL(n+5)の他方の端部との間に接続されている。残りの第5スイッチおよび第6スイッチも同様である。
磁界タッチ検出において、磁界発生期間TGTのときには、信号配線TSVに周期的に変化する駆動信号TSVCOMが供給される。また、このとき、電圧配線VCOMには、接地電圧Vssが供給される。図15は、磁界発生期間TGTにおいて、信号配線TSVおよび電圧配線VCOMに供給される電圧の波形を示す波形図である。図15において、横軸は、時間tを示し、縦軸は電圧を示している。図15(A)は、選択回路SL−Cに配置された信号配線TSVに供給される駆動信号TSVCOMの波形を示しており、図15(B)は、選択回路SR−Cに配置された信号配線TSVに供給される駆動信号TSVCOMの波形を示している。また、図15(C)は、選択回路SL−C、SR−Cに配置されている電圧配線VCOMの電圧波形を示している。
図15に示すように、選択回路SL−Cに供給される駆動信号TSVCOMと選択回路SR−Cに供給される駆動信号TSVCOMは、互いに同期しており、接地電圧Vssと所定の電圧(第1電圧)Vpとの間で、それぞれの電圧値は周期的に変化している。これに対して、電圧配線VCOMには、接地電圧Vssが供給されている。
電界タッチ検出のときにも、選択回路SL−Cに配置された信号配線TSVと選択回路SR−Cに配置された信号配線TSVには、図15(A)および(B)に示すように、互いに同期した駆動信号が供給される。特に制限されないが、駆動信号TSVCOMにおける所定の電圧Vpは、磁界発生期間TGTと電界タッチ検出のときとでは、異なっている。また、図15(A)および(B)に示した駆動信号TSVCOMの周期も、磁界発生期間TGTと電界タッチ検出期間のときとでは、異なっている。勿論、所定の電圧Vpと周期は、これに限定されるものではなく、同じであってもよい。
スイッチ制御回路SWL、SWRは、磁界イネーブル信号SC_ENによって磁界タッチ検出が指定された場合と、電界イネーブル信号TC_ENによって電界タッチ検出が指定された場合とで異なる動作を行う。磁界タッチ検出が指定された場合の動作を、図16および図17を用いて説明し、電界タッチ検出が指定された場合の動作を、図18を用いて説明する。
<<磁界発生の動作>>
図16および図17は、磁界タッチ検出が指定された場合の動作を示す模式的な平面図である。
スイッチ制御回路SWLは、単位駆動回路から供給された選択信号が、選択を示していた場合、選択を示している選択信号を出力している単位駆動回路に対応する駆動電極を挟むように配置された2個の駆動電極を、信号配線TSVと電圧配線VCOMに接続するように、第3スイッチおよび第4スイッチを制御する。特に制限されないが、この実施の形態1においては、2個の駆動電極のうち、辺2−Uに近い駆動電極を信号配線TSVに接続するように、スイッチ制御回路SWLは、第3スイッチを制御し、辺2−Dに近い駆動電極を電圧配線VCOMに接続するように、スイッチ制御回路SWLは、第4スイッチを制御する。
スイッチ制御回路SWRも、同様に、単位駆動回路から供給された選択信号が、選択を示していた場合、選択を示している選択信号を出力している単位駆動回路に対応する駆動電極を挟むように配置された2個の駆動電極を、電圧配線VCOMと信号配線TSVに接続するように、第6スイッチおよび第5スイッチを制御する。この実施の形態1においては、2個の駆動電極のうち、辺2−Uに近い駆動電極を電圧配線VCOMに接続するように、スイッチ制御回路SWRは、第6スイッチを制御し、辺2−Dに近い駆動電極を信号配線TSVに接続するように、スイッチ制御回路SWLは、第5スイッチを制御する。
単位駆動回路USL(n)〜USL(n+5)によって構成されたシフトレジスタと、単位駆動回路USL(n)〜USL(n+5)によって構成されたシフトレジスタは、互いに同期して動作している。そのため、スイッチ制御回路SWLによって、その一方の端部が、信号配線TSVに接続された駆動電極は、その他方の端部が、スイッチ制御回路SWRによって、電圧配線VCOMに接続されることになる。また、スイッチ制御回路SWRによって、その他方の端部が、信号配線TSVに接続された駆動電極は、その一方の端部が、スイッチ制御回路SWLによって、電圧配線VCOMに接続されることになる。
図16には、単位駆動回路USL(n+2)と単位駆動回路USR(n+2)が、選択を示す選択信号を出力しているときの状態が示されている。単位駆動回路USL(n+2)、USR(n+2)に対応する駆動電極は、駆動電極TL(n+2)であるため、この駆動電極TL(n+2)を挟むように配置された2個の駆動電極は、駆動電極TL(n+1)と駆動電極TL(n+3)となる。スイッチ制御回路SWLは、2個の駆動電極のうち、辺2−Uの近くに配置された駆動電極TL(n+1)の一方の端部が、信号配線TSVに接続されるように、第1駆動信号によって、第3スイッチSTLn+1をオン状態にする。このとき、スイッチ制御回路SWLは、辺2−Dの近くに配置された駆動電極TL(n+3)の一方の端部が、電圧配線VCOMに接続されるように、第2駆動信号によって、第4スイッチSVLn+3をオン状態にする。
また、このとき、スイッチ制御回路SWLは、第3スイッチSTLn+1を除く、残りの第3スイッチSTLn、STLn+2〜STLn+5がオフ状態となるように第1駆動信号によって制御する。同様に、スイッチ制御回路SWLは、第4スイッチSVLn+3を除く、残りの第4スイッチSVLn〜SVLn+2、SVLn+4〜SVLn+5がオフ状態となるように第2駆動信号によって制御する。
一方、スイッチ制御回路SWRは、2個の駆動電極のうち、辺2−Uの近くに配置された駆動電極TL(n+1)の他方の端部が、電圧配線VCOMに接続されるように、第4駆動信号によって、第6スイッチSVRn+1をオン状態にする。このとき、スイッチ制御回路SWRは、辺2−Dの近くに配置された駆動電極TL(n+3)の他方の端部が、信号配線TSVに接続されるように、第3駆動信号によって、第5スイッチSTRn+3をオン状態にする。
また、このとき、スイッチ制御回路SWRは、第5スイッチSTRn+3を除く、残りの第5スイッチSTRn〜STRn+2、STRn+4〜STLn+5がオフ状態となるように第3駆動信号によって制御する。同様に、スイッチ制御回路SWRは、第6スイッチSVRn+1を除く、残りの第6スイッチSVLn、SVRn+2〜SVRn+5がオフ状態となるように第4駆動信号によって制御する。
これにより、駆動電極TL(n+2)を挟むように配置された2個の駆動電極のうちの一方の駆動電極TL(n+1)は、その一方の端部が、信号配線TSVに接続され、その他方の端部は、電圧配線VCOMに接続されることになる。このとき、他方の駆動電極TL(n+3)は、その一方の端部が、電圧配線VCOMに接続され、その他方の端部は、信号配線TSVに接続されることになる。図15に示すように、周期的に電圧値が変化する駆動信号TSVCOMが、信号配線TSVに供給され、接地電圧Vssが、電圧配線VCOMに供給されることにより、駆動電極TL(n+1)では、図16に矢印で示すような電流I1が流れ、駆動電極TL(n+3)では、矢印で示すような電流I2が流れる。
電流I1が流れることにより、駆動電極TL(n+1)には、矢印破線で示す磁界φI1が発生する。一方、駆動電極TL(n+3)には、電流I1とは反対方向の電流I2が流れることにより、駆動電極TL(n+3)では、矢印破線で示す磁界φI2が発生する。駆動電極TL(n+2)は、駆動電極TL(n+1)とTL(n+3)の間に挟まれているため、この駆動電極TL(n+2)の領域において、磁界φI1と磁界φI2とが重畳されることになり、強い磁界が発生することになる。また、このとき、駆動電極TL(n+1)およびTL(n+3)を除く駆動電極TL(n)、TL(n+2)、TL(n+4)およびTL(n+5)のそれぞれは、フローティング状態となっている。
選択を示す選択情報SEIは、シフトクロックCLKが変化することにより、単位駆動回路USL(n+2)、USR(n+2)から、単位駆動回路USL(n+3)、USR(n+3)へ移動する。この移動により、強い磁界を発生する領域が、駆動電極TL(n+2)から、駆動電極TL(n+3)の領域へ移る。図17は、駆動電極TL(n+3)において、強い磁界が発生している状態を示している。
クロック信号CLKが変化することにより、選択を示す選択情報SEIが、単位駆動回路USL(n+3)、USR(n+3)へ移動する。この単位駆動回路USL(n+3)、USR(n+3)に対応する駆動電極は、駆動電極TL(n+3)である。そのため、スイッチ制御回路SWL、SWRは、駆動電極TL(n+3)よりも、辺2−Uに近接して配置された駆動電極TL(n+2)を信号配線TSVと電圧配線VCOMに接続させる。また、このとき、スイッチ制御回路SWL、SWRは、駆動電極TL(n+3)よりも、辺2−Dに近接して配置された駆動電極TL(n+4)を電圧配線VCOMと信号配線TSVに接続させる。すなわち、スイッチ制御回路SWLは、第1駆動信号によって、第3スイッチSTLn+2をオン状態にし、第2駆動信号によって、第4スイッチSVLn+4をオン状態にし、残りの第3スイッチおよび第4スイッチをオフ状態にする。また、スイッチ制御回路SWRは、第3駆動信号によって、第5スイッチSVRn+2をオン状態にし、第4駆動信号によって、第6スイッチSTRn+4をオン状態にし、残りの第5スイッチおよび第6スイッチをオフ状態にする。
この結果、駆動電極TL(n+2)の一方の端部は、第3スイッチSTLn+2を介して、信号配線TSVに接続され、他方の端部は、第5スイッチSVRn+2を介して、電圧配線VCOMに接続されることになる。このとき、駆動電極TL(n+4)の一方の端部は、第4スイッチSVLn+4を介して、電圧配線VCOMに接続され、他方の端部は、第6スイッチSVRn+2を介して、信号配線TSVに接続されることになる。駆動信号TSVCOMが、信号配線TSVに供給され、接地電圧Vssが、電圧配線VCOMDCに供給されると、駆動電極TL(n+2)では、図17に矢印で示した方向に電流I1が流れ、駆動電極TL(n+4)では、矢印で示す方向に電流I2が流れることになる。
この電流I1、I2が流れることにより、駆動電極TL(n+2)では、矢印破線で示すような磁界φI1が発生し、駆動電極TL(n+4)では、矢印破線で示すような磁界φI2が発生する。駆動電極TL(n+3)の領域において、磁界φI1と磁界φI2とが重畳されることになり、強い磁界が発生することになる。また、このとき、駆動電極TL(n+2)およびTL(n+4)を除く駆動電極TL(n)、TL(n+1)、TL(n+3)およびTL(n+5)のそれぞれは、フローティング状態となっている。
上記したように、選択を示す選択情報SEIが、単位駆動回路USL(n)、USR(n)から、単位駆動回路USL(n+5)、USR(n+5)へ移動することにより、辺2−Uから辺2−Dに向かって、順次磁界を発生することが可能となる。この場合、駆動電極間を接続することによって、磁界発生コイルを構成しなくても、強い磁界を発生することが可能となる。
<<電界発生の動作>>
電界イネーブル信号TC_ENによって、電界タッチ検出が指示されている場合、スイッチ制御回路SWL、SWRは、単位駆動回路から供給された選択信号が、選択を示していたとき、選択を示している選択信号を出力している単位駆動回路に対応する駆動電極を、信号配線TSVに接続するように、第3スイッチおよび第5スイッチを制御する。電界を発生するためには、磁界発生のときと異なり、駆動電極に直流電流を流すことは必要とされないため、スイッチ制御回路SWL、SWRは、第4スイッチおよび第6スイッチをオフ状態にする。
図18は、電界タッチ検出が指定された場合の動作を示す模式的な平面図である。同図には、単位駆動回路USL(n+2)、USR(n+2)が、選択を示す選択信号を出力しているときの状態が示されている。
スイッチ制御回路SWLは、単位駆動回路USL(n+2)から、選択を示す選択信号が供給されると、この単位駆動回路USL(n+2)に対応する駆動電極TL(n+2)の一方の端部と信号配線TSVとの間に接続されている第3スイッチSTLn+2を、第1駆動信号によって、オン状態にする。また、スイッチ制御回路SWLは、このとき、第3スイッチSTLn+2を除く他の第3スイッチSTLn〜STLn+1およびSTLn+3〜STLn+5がオフ状態となるように、第1駆動信号によって制御する。
スイッチ制御回路SWRは、単位駆動回路USR(n+2)から、選択を示す選択信号が供給されると、この単位駆動回路USR(n+2)に対応する駆動電極TL(n+2)の他方の端部と信号配線TSVとの間に接続されている第5スイッチSTRn+2を、第3駆動信号によって、オン状態にする。また、スイッチ制御回路SWRは、このとき、第5スイッチSTRn+2を除く他の第5スイッチSTRn〜STRn+1およびSTRn+3〜STRn+5がオフ状態となるように、第3駆動信号によって制御する。
スイッチ制御回路SWL、SWRは、電界を発生する駆動電極TL(n+2)に接続された第4スイッチSVLn+2および第6スイッチSVRn+2を除いて、第4スイッチおよび第6スイッチを、第2駆動信号および第4駆動信号によって、オン状態にする。
電界タッチ検出の際にも、周期的に電圧が変化する駆動信号TSVCOMが、信号配線TSVに供給される。そのため、第3スイッチSTLn+2を介して、駆動信号TSVCOMが、駆動電極TL(n+2)の一方の端部に供給され、第5スイッチSTRn+2を介して、駆動信号TSVCOMが、駆動電極TL(n+2)の他方の端部に供給されることになる。その結果、駆動電極TL(n+2)には、その両端部から、駆動信号TSVCOMが供給されることになり、駆動信号TSVCOMに従った電界が、駆動電極TL(n+2)において発生することになる。
クロック信号CLKが変化することにより、選択を示す選択情報SEIは、単位駆動回路USL(n+2)、USR(n+2)から、単位駆動回路USL(n+3)、USR(n+3)へ移動する。これにより、スイッチ制御回路SWLは、第3スイッチSTLn+3をオン状態にし、スイッチ制御回路SWRは、第5スイッチSTRn+3をオン状態にする。このとき、第3スイッチSTLn+3を除く第3スイッチと、第5スイッチSTRn+3を除く第5スイッチはオフ状態にする。これにより、駆動電極TL(n+2)の隣に配置された駆動電極TL(n+3)において、駆動信号TSVCOMに応じた電界が発生する。
以上のようにして、クロック信号CLKを変化させることにより、辺2−U側に配置された駆動電極から辺2−D側に配置され駆動電極に向けて、順次電界が発生する。
図15〜図18では、1個の駆動電極に対して、それぞれ1個の第3スイッチ、第4スイッチ、第5スイッチおよび第6スイッチを接続する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、図13に示したように、互いに隣接して配置された6個(複数個)の駆動電極に対して、それぞれ1個の第3スイッチ、第4スイッチ、第5スイッチおよび第6スイッチを接続するようにしてもよい。
また、互いに隣接した駆動電極のそれぞれに接続された第3スイッチ、第4スイッチ、第5スイッチおよび第6スイッチを、同じ単位駆動回路からの選択情報に基づいて、実質的に同時にスイッチ制御するようにしてよい。例えば、図16において、駆動電極TL(n)に接続された第3スイッチSTLnと駆動電極TL(n+1)に接続された第3スイッチSTLn+1が、単位駆動回路USL(n+2)からの選択信号に基づいて、実質的に同時にオン状態とされ、駆動電極TL(n)に接続された第6スイッチSVRnと駆動電極TL(n+1)に接続された第6スイッチSVRn+1が、単位駆動回路USR(n+2)からの選択信号に基づいて、実質的に同時にオン状態とされるようにしてもよい。これにより、駆動電極TL(n)と駆動電極TL(n+1)を束ねて、磁界を発生することが可能となり、発生する磁界を強くすることが可能である。
駆動電極TL(n)と駆動電極TL(n+1)を束ねる場合、同様に駆動電極TL(n+3)と駆動電極TL(n+4)も束ねることにより、さらに、駆動電極TL(n+2)の領域において発生する磁界を強くすることが可能となる。この場合、駆動電極TL(n+3)と駆動電極TL(n+4)を束ねる構成は、駆動電極TL(n)と駆動電極TL(n+1)を束ねる構成と同じである。
例えば、図36および図37で示した構成に対して、実施の形態1の構成では、スイッチの数を低減することができる。そのため、制御が容易となり、占有面積の増加を抑制することが可能となる。
<切換調整回路の構成>
図19は、実施の形態1に係わる表示装置1の構成を示す平面図である。図19には、磁界タッチ検出のときの状態が示されている。図14から図17で説明したように、磁界タッチ検出において、磁界発生期間TGTでは、駆動電極を用いて磁界が発生する。図1および図2で説明したように、ペンが近接しているか否かに応じて、磁界発生期間TGTにおいて発生した磁界により、ペン内の容量素子Cに充電される電荷量が変わる。磁界検出期間TDTにおいては、ペン内の容量素子Cに蓄積された電荷量によって、ペン内のコイルL1が発生する磁界を検出することになる。
図1および図2では、磁界発生コイルと磁界検出コイルが同じコイルによって構成される場合を例として説明した。これに対して、実施の形態1においては、図14から図17で説明したように、磁界発生期間TGTにおいては、コイル(磁界発生コイル)を用いずに磁界を発生し、ペンからの磁界は、磁界検出コイルによって検出する。
実施の形態1においては、信号線を用いて、磁界検出期間TDTのときに、磁界検出コイルが形成される。
図19では、磁界発生期間TGTのときに磁界を発生するのに用いられる駆動電極は省略されており、磁界検出期間TDTのときに、磁界検出コイルを構成する信号線のみが描かれている。磁界検出期間TDTのとき、信号線は、磁界を検出するために用いられるため、検出電極と見なすことができる。このように見なした場合、図19には、検出電極のみが描かれていると見なすことができる。
図19において、ペン内のコイルL1は、磁界発生期間TGTのときの磁界によって誘起された電圧により充電された容量素子Cの電荷に基づいて、磁界を発生している。図19において、SL(0)〜SL(p)は、信号線を示している。信号線SL(0)〜SL(p)は、図10で示したように、駆動電極TL(0)〜TL(p)と交差している。すなわち、表示パネル2の辺2−Rと辺2−Lとの間に、信号線SL(0)〜SL(p)が、互いに平行に配置されている。
特に制限されないが、この実施の形態1においては、表示パネル2の辺2−Lに沿って、磁界用信号線SL(dL)が配置され、表示パネル2の辺2−Rに沿って、磁界用信号線SL(dR)が配置されている。すなわち、表示パネル2のアクティブ領域の外部であって、辺2−Rに沿って、信号線SL(0)〜SL(p)(第1信号線)と平行するように配置された磁界用信号線SL(dR)(第2信号線)と、表示パネル2のアクティブ領域の外部であって、辺2−Rに沿って、信号線SL(0)〜SL(p)と平行するように配置された磁界用信号線SL(dL)(第2信号線)とを備えている。この磁界用信号線SL(dR)、SL(dL)は、表示パネル2のアクティブ領域の外部であるため、表示には寄与せず、磁界タッチ検出の際に用いられる。
実施の形態1においては、表示パネル2の辺2−Uに沿って、切換調整回路SCXが、配置されている。図19において、上側が、表示パネル2の辺2−U側を示しており、下側が、表示パネル2の辺2−D側を示している。切換調整回路SCXが、第7スイッチj00、j01および第8スイッチk00〜kpを備えている。
信号線SL(0)〜SL(p)は、特に制限されないが、この順番で、表示パネル2の辺2−Lから辺2−Rに向けて配置されている。この実施の形態1においては、磁界検出期間TDTのとき、間に2個の信号線を挟むように配置された信号線間が、第8スイッチk00〜kpによって接続されている。図19を例にして説明すると、第8スイッチk00は、信号線SL(1)の端部と信号線SL(4)の端部との間に接続され、第8スイッチk01は、信号線SL(3)の端部と信号線SL(6)の端部との間に接続されている。また、第8スイッチkn−1は、信号線SL(n−2)の端部と信号線SL(n+1)の端部との間に接続され、第8スイッチknは、信号線SL(n)の端部と信号線SL(n+3)の端部との間に接続され、第8スイッチkn+1は、信号線SL(n+2)の端部と信号線SL(n+5)の端部との間に接続されている。
さらに、第8スイッチkp−1は、信号線SL(p−6)の端部と信号線SL(p−3)の端部との間に接続され、第8スイッチkpは、信号線SL(p−4)の端部と信号線SL(p−1)の端部との間に接続されている。
第7スイッチj00は、磁界用信号線SL(dL)の端部と信号線SL(2)の端部との間に接続され、第7スイッチj01は、磁界用信号線SL(dR)の端部と信号線SL(p−2)の端部との間に接続されている。
第7スイッチj00、j01および第8スイッチk00〜kpのそれぞれは、磁界イネーブル信号SC_ENによってスイッチ制御される。この実施の形態1において、第7スイッチj00、j01および第8スイッチk00〜kpは、磁界イネーブル信号SC_ENが、磁界タッチ検出を指定するとき、オン状態となり、それ以外のときには、オフ状態となる。
その結果、磁界タッチ検出のときには、間に2個の信号線を挟んだ信号線間が電気的に接続されることになる。図19を例にして述べると、信号線SL(2)とSL(3)を挟んで配置された信号線SL(1)とSL(4)との間が、第8スイッチk00によって電気的に接続される。同様に。信号線SL(4)、SL(5)を挟んで配置された信号線SL(3)と信号線SL(6)との間が、第8スイッチk01によって接続され、信号線SL(n−1)、SL(n)を挟んで配置された信号線SL(n−2)と信号線SL(n+1)との間が、第8スイッチkn−1によって接続され、信号線SL(n+1)、SL(n+2)を挟んで配置された信号線SL(n)と信号線SL(n+3)との間が、第8スイッチknによって接続され、信号線SL(n+3)、SL(+4)を挟んで配置された信号線SL(n+2)と信号線SL(n+5)との間が、第8スイッチkn+1によって接続される。
さらに、信号線SL(p−5)、SL(p−4)を挟んで配置された信号線SL(p−6)と信号線SL(p−3)との間が、第8スイッチkp−1によって接続され、信号線SL(p−3)、SL(p−2)を挟んで配置された信号線SL(p−4)と信号線SL(p−2)との間が、第8スイッチkpによって接続される。
この実施の形態1においては、さらに、信号線SL(0)、SL(1)を挟むように配置された磁界用信号線SL(dL)と、信号線SL(2)との間が、第7スイッチj00によって接続され、信号線SL(p−1)、SL(p)を挟むように配置された磁界用信号線SL(dR)と、信号線SL(p−2)との間が、第7スイッチj01によって接続される。
これにより、磁界検出期間TDTのとき、信号線SL(0)〜SL(p)のうち任意の複数の信号線により磁界検出コイルが形成されることになる。実施の形態1では、表示パネル2の辺2−Rおよび2−Lの近傍にも、磁界検出期間TDTのとき、磁界検出コイルを形成することが可能となる。すなわち、表示パネル2の辺2−Lに近接して配置されている信号線SL(0)、SL(1)を、内側とした磁界検出コイルを、磁界用信号線SL(dL)と信号線SL(2)を巻線として形成することができる。同様に、表示パネル2の辺2−Rに近接して配置されている信号線SL(p−1)、SL(p)を、内側とした磁界検出コイルを、磁界用信号線SL(dR)と信号線SL(p−2)を巻線として形成することができる。これにより、辺2−Rおよび辺2−Lの近傍に、ペンが近接している場合も検出することが可能となる。また、この実施の形態1においては、図19から理解されるように、形成される磁界検出コイルが、互いに重なっている。これにより、検出漏れを防ぐことが可能となる。
磁界用信号線SL(dR)、SL(dL)の幅d8、d10は、信号線SL(0)〜SL(p)の幅d9、d10よりも狭くされている。これにより、額縁が大きくなるのを抑制することが可能である。
磁界検出期間TDTのとき、信号線により形成されたそれぞれの磁界検出コイルの一対の端子のうちの、一方の端子には、接地電圧Vssが供給され、他方の端子は、図8で説明した増幅回路AMPに接続される。図19を例にして説明すると、信号線SL(n−2)、SL(n)、SL(n+2)のそれぞれの端部が、増幅回路AMPに接続される。信号線により構成された磁界検出コイルに、ペンからの磁界が到達すると、磁界検出コイルに誘起電圧が発生し、増幅回路AMPの入力信号が変化する。増幅回路AMPは、この入力信号の変化を増幅して、センス信号S(0)〜S(p)として出力する。
一方、電界タッチ検出においては、第7スイッチj00、j01および第8スイッチk00〜kpが、オフ状態となる。電界タッチ検出のときには、図14および図18で説明したように、駆動電極が電界を発生する。指がタッチするか否かに応じて、信号線における電界が変化し、この変化が、増幅回路AMPに伝えられ、増幅されて、センス信号S(0)〜S(p)として出力される。
実施の形態1では、表示パネル2の両方の辺に沿って、磁界検出コイルを形成する際に巻線となる磁界用信号線SL(dR)、SL(dL)を設ける例を示したが、勿論、いずれか一方に設けるようにしてもよい。
図20は、実施の形態1に係わる表示装置1の構成を模式的に示す斜視図である。同図には、駆動電極TL(0)〜TL(p)と、信号線SL(0)〜SL(p)と、第8スイッチk00〜kpと、ドライブ用半導体装置DDICと、選択駆動回路SSR、SSLと、ゲートドライバ5が示されている。これらは、TFTガラス基板TGBに形成されている。そのため、図20には、モジュールに実装された表示装置1が示されていると見なすこともできる。また、図20には、コイルL1を備えたペンも示されている。
モジュールの辺900−Rに沿って、選択駆動回路SSRが配置され、辺900−Lに沿って、選択駆動回路SSLおよびゲートドライバ5が配置されている。選択駆動回路SSLと選択駆動回路SSRとの間に、信号線SL(0)〜SL(p)が、互いに平行となるように配置されており、モジュールの辺900−Uに沿って、第8スイッチk00〜kpが配置されている。駆動電極TL(0)〜TL(p)は、信号線SL(0)〜SL(p)と直交し、互いに平行となるように配置されている。
第8スイッチk00〜kpは、図19で説明したように、タッチ検出のとき、信号線間を接続する。図20では、モジュールの辺900―Dに沿って、TFTガラス基板TGBに形成された第9スイッチl00〜lpが配置されている。
第9スイッチl00〜lpは、2つのグループに分けられ、第1のクループの第9スイッチは、磁界検出期間TDTのとき接地電圧Vssが供給されるべき信号線、例えば図19に示した信号線SL(2)、SL(n+3)、SL(p−1)等のそれぞれの端部と、電圧配線VL3との間に接続され、磁界検出期間TDTのとき、オン状態にされる。また、第2グループの第12スイッチは、磁界検出期間TDTのとき、コイルにおける信号の変化を出力する信号線、例えば、図19に示した信号線SL(1)、SL(n)、SL(p−4)等の端部と、対応する信号配線LL7との間に接続されている。図20では、例示として、信号線SL(0)の端部に接続された第9スイッチ(第2グループ)、信号線SL(n)の端部に接続された第9スイッチ(第2グループ)、信号線SL(n+3)の端部に接続された第9スイッチ(第1グループ)および信号線L(p)の端部に接続された第9スイッチ(第1グループ)に、符号l00、ln、ln+3およびlpが付されている。信号配線LL7は、1個の配線として示されているが、第2グループの第9スイッチに対応した数の信号配線を含んでいる。磁界検出期間のとき、第2グループの第9スイッチもオン状態とされる。これにより、それぞれのコイルに発生した信号が、対応する信号配線LL7に伝達され、増幅回路AMPによって増幅され、センス信号S(0)〜S(p)として、タッチ検出用半導体装置6(図8)へ供給される。
電界タッチ検出のときにも、第2クループの第9スイッチが、オン状態とされ、信号線における信号の変化が、増幅回路AMPに供給され、増幅され、センス信号S(0)〜S(p)して、タッチ検出用半導体装置6(図8)へ供給される。
この実施の形態1においては、第9スイッチl00〜lpは、TFTガラス基板に形成されており、第9スイッチl00〜lpを覆うように、ドライブ用半導体装置DDICが、配置されている。これにより、額縁が広くなるのを抑制することが可能とされている。
特に制限されないが、モジュールの辺900−Rおよび900−Lに沿って、信号配線TSVおよび電圧配線VCOMは延在している。磁界発生期間TGTにおいては、この信号配線TSVに、駆動信号TSVCOMが供給され、電圧配線VCOMに、接地電圧Vssが供給される。また、電界タッチ検出のときには、信号配線TSVに、駆動信号TSVCOMが供給される。
磁界タッチ検出の磁界発生期間TGTのとき、選択駆動回路SSL、SSRによって、駆動電極TL(n−1)およびTL(n)において、矢印で示す方向の電流I1が流れるようにされる。また、このとき、選択駆動回路SSL、SSRによって、駆動電極TL(n+3)およびTL(n+4)において、矢印で示す方向の電流I2が流れるようにされる。これにより、駆動信号TSVCOMが周期的に変化することにより、駆動電極TL(n−1)、TL(n)、TL(n+3)およびTL(n+4)のそれぞれにおいて、周期的に変化する磁界が発生する。図20では、発生する磁界φI1、φI2の様子が、模式的に破線で示されている。駆動電極TL(n−1)、TL(n)、TL(n+3)およびTL(n+4)によって挟まれた駆動電極TL(n−1)、TL(n+1)の領域において、磁界φI1とφI2とが重畳され、強い磁界が発生する。
強い磁界が発生している領域の近傍にペンが存在すると、ペン内のコイルL1が、相互誘導の作用により、誘起電圧を発生する。発生した誘起電圧により、ペンPN内の容量素子C(図示しない)が充電される。
容量素子Cに充電された電荷によって、ペン内コイルL1が、磁界検出期間TDTのとき、磁界を発生する。このときの磁力線が、図20では、φDとして示されている。
磁界検出期間TDTにおいては、図19で説明したように、第8スイッチk00〜kpがオン状態にされる。これにより、信号線SL(0)〜SL(p)を巻線とした複数のコイルが形成される。信号線を巻線としたコイルとペン内コイルL1との相互誘導の作用により、信号線を巻線としたコイルに誘起電圧が発生し、信号線における信号が、第2グループの第9スイッチへ伝達される。第2グループの第9スイッチをオン状態にすることにより、センス信号S(0)〜S(p)として、増幅回路AMPから出力される。図20では、信号線SL(n)を介して、第9スイッチlnに伝達される信号が、矢印を付した実線で示されている。これにより、磁界を発生させた駆動電極の駆動時に、磁界を検出した検出電極を特定することによって、ペンがタッチした座標を特定することができる。
磁界用信号線SL(dL)、SL(dR)を、表示パネル2のアクティブ領域の外部に配置する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、表示パネル2のアクティブ領域内であって、辺2−Lおよび2−Rのそれぞれに沿って、磁界用信号線SL(dL)および/または磁界用信号線SL(dR)を配置するようにしてもよい。この場合、配置する磁界用信号配線SL(dL)および/またはSL(dR)の幅d10を、信号線の幅d11よりも狭くすることにより、表示領域が狭くなるのを低減することが可能である。
<変形例>
図21は、実施の形態1の変形例に係わる表示装置1を模式的に示す斜視図である。図21は、図20と類似しているので、図20との相違点を主に説明する。図20に示した表示装置1においては、磁界タッチ検出のとき、信号線SL(0)〜SL(p)によって、磁界検出コイルが形成されていた。また、電界タッチ検出のときにも、電界の変化を信号線SL(0)〜SL(p)を用いて、検出していた。これに対して、変形例においては、CFガラス基板CGBに形成された検出電極RL(0)〜RL(p)が、磁界タッチ検出のとき、磁界検出コイルを形成するのに用いられる。また、電界タッチ検出のときにも、検出電極RL(0)〜RL(p)が、電界の変化を検出するために用いられる。すなわち、図20に示した信号線SL(0)〜SL(p)の代わりに、CFガラス基板CGBに形成された検出電極RL(0)〜RL(p)が、磁界タッチ検出および電界タッチ検出のときに用いられることになる。
検出電極RL(0)〜RL(p)は、図4に示したように、CFガラス基板CGBの主面CSF1に形成される。そのため、検出電極RL(0)〜RL(p)は、液晶層、カラーフィルタおよびCFガラス基板CGBを挟んで、駆動電極TL(0)〜TL(p)上に形成されている。CFガラス基板CGBの主面CSF1側から、平面視で見たとき、駆動検出電極RL(0)〜RL(p)は、互いに平行であって、電極TL(0)〜TL(p)と直交するように配置されている。
図21において、検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれの一方の端部は、所定の間隔で、互いに接続されている。この変形例においては、図20に示した信号線SL(0)〜SL(p)と同様に、2個の検出電極を間に挟むような間隔で、検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれの一方の端部は接続されている。この接続は、CFガラス基板CGBに形成された信号配線によって、検出電極間を接続することにより達成されている。図21においては、図面を見易くするために、検出電極RL(0)〜RL(p)のうち、検出電極RL(0)〜RL(6)、RL(n)、RL(n+3)およびRL(p−3)〜RL(p)のみに、符号が付されている。図21を例にして説明すると、モジュールの辺900−U側において、検出電極RL(1)とRL(4)のそれぞれの一方の端部間が接続されている。また、検出電極RL(3)とRL(6)のそれぞれの一方の端部間が接続されている。なお、検出電極RL(2)の一方の端部は、1個の検出電極TL(1)を挟んで、モジュールの辺900−Lに最も近接した検出電極RL(0)の一方の端部に接続されている。他の検出電極のそれぞれの一方の端部も、検出電極RL(p−3)を除いて、間に2個の検出電極を挟みように、それぞれの一方の端部間が接続されている。
検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれの他方の端部は、TFTガラス基板TGBに形成された第9スイッチl00〜lpに接続されている。図21では、検出電極RL(0)〜RL(p)と第9スイッチl00〜lpとの接続を示すために、第9スイッチl00〜lpが、CFガラス基板CGB上に描かれているが、図20と同様に、この第9スイッチl00〜lpは、TFTガラス基板TGBに形成されている。さらに、この第9スイッチl00〜lpは、図20で示したのと同様に、ドライブ用半導体装置DDICによって覆われている。図21では、このドライブ用半導体装置DDICが、TFTガラス基板TGBにおいて破線で示されている。
図21に示した第9スイッチl00〜lpは、図20に示した第9スイッチl00〜lpと同様に、第1グループと第2グループによって構成されている。磁界検出期間TDTにおいて、第1グループの第9スイッチがオン状態となることにより、検出電極RL(0)〜RL(p)によって形成された磁界検出コイルの端部に、接地電圧Vssが供給され、第2グループの第9スイッチがオン状態となることにより、磁界検出コイルの端部が、増幅回路AMPに接続されることになる。
この変形例においても、磁界発生期間TGTにおいては、図20と同様に、駆動電極TL(0)〜TL(p)によって、磁界が発生する。発生した磁界に基づいて、磁界検出期間TDTにおいて、ペンが磁界φDを発生すると、検出電極RL(0)〜RL(p)により形成された磁界検出コイルによって、磁界φDが検出され、増幅回路AMPからセンス信号S(0)〜S(p)として、出力される。そのため、磁界を発生させた駆動電極の駆動時に、磁界を検出した検出電極を特定することによって、ペンがタッチした座標を特定することができる。
電界タッチ検出のときには、図20と同様に、駆動電極TL(0)〜TL(p)によって電界が発生し、指がタッチしているか否かにより生じる電界の変化が、検出電極RL(0)〜RL(p)によって、増幅回路AMPに伝達され、センス信号S(0)〜S(p)として、出力される。
信号線SL(0)〜SL(p)は、表示期間のとき、画像情報を伝達するために用いられるため、表示期間のときには、互いに電気的に分離していることが要求される。そのため、図19および図20に示した表示装置1においては、第7スイッチおよび第8スイッチが設けられていた。これに対して、図21に示した変形例においては、信号線SL(0)〜SL(p)を用いずに、検出電極RL(0)〜RL(p)を用いて、磁界タッチ検出および電界タッチ検出が行われる。そのため、磁界タッチ検出のために、第7スイッチおよび第8スイッチを設けなくて済み、占有面積の増加を抑制することが可能となる。
実施の形態1においては、磁界発生コイルを形成することが要求されないため、制御が容易となり、制御回路の占有面積の増加を抑制することが可能となる。
(実施の形態2)
図22は、実施の形態2に係わる表示装置1の構成を示す平面図である。図22には、実施の形態1で説明した表示パネル2に関する部分のみが示されており、他の部分は省略されている。
図22において、TL(0)〜TL(p)は、表示パネル2の辺2−Uと辺2−Dとの間に、互いに平行に配置された駆動電極を示している。また、TL(dLU)は、表示パネル2の外部の領域(非アクティブ領域)であって、辺2−Uに沿って配置された磁界発生用ダミー駆動電極を示しており、TL(dLD)は、表示パネル2の外部の領域(非アクティブ領域)であって、辺2−Dに沿って配置された磁界発生用ダミー駆動電極を示している。磁界発生用ダミー駆動電極は、表示パネル2の外部領域に配置されるため、以下、外部領域駆動電極とも称する。
また、図22において、USL(0)〜USL(p)およびUSR(0)〜USR(p)のそれぞれは、単位駆動回路を示している。図14、図16および図17で説明したように、単位駆動回路USL(0)〜USL(p)のそれぞれは、表示パネル2の辺2−Lに沿って配置されており、駆動電極TL(0)〜TL(p)に対応している。また、単位駆動回路USR(0)〜USR(p)のそれぞれは、表示パネル2の辺2−Rに沿って配置されており、駆動電極TL(0)〜TL(p)に対応している。
実施の形態1で説明したように、磁界発生期間TGTにおいては、選択を指定している選択信号を出力している単位駆動回路に対応する駆動電極を挟むように配置された2個の駆動電極に、駆動信号TSVCOMが、供給される。例えば、磁界発生期間TGTにおいて、単位駆動回路USL(2)およびUSR(2)が、選択を指定する選択信号を出力すると、これらの単位駆動回路USL(2)、USR(2)に対応する駆動電極TL(2)を挟むように配置された駆動電極TL(1)、TL(3)に、駆動信号TSVCOMが供給されることになる。すなわち、駆動電極TL(1)の一方の端部に対して、辺2−L側から駆動信号TSVCOMが供給され、駆動電極TL(1)の他方の端部に対して、辺2−R側から接地電圧Vssが供給される。このとき、駆動電極TL(3)の他方の端部に対して、辺2−R側から駆動信号TSVCOMが供給され、この駆動電極TL(3)の一方の端部に対して、辺2−L側から接地電圧Vssが供給される。これにより、選択する駆動電極TL(2)において、駆動電極TL(1)において発生した磁界と駆動電極TL(3)において発生した磁界とが重畳され、強い磁界が発生することになる。
このようにした場合、表示パネル2の辺2−Uに近接して配置された駆動電極TL(0)を選択するとき、この駆動電極TL(0)に近接した駆動電極は、駆動電極TL(1)のみとなる。そのため、駆動電極TL(0)を選択する場合、駆動電極TL(0)において発生する磁界が弱くなる。同様に、表示パネル2の辺2−Dに近接して配置された駆動電極TL(p)を選択するとき、この駆動電極TL(p)に近接した駆動電極は、駆動電極TL(p−1)のみとなる。そのため、駆動電極TL(p)を選択する場合、駆動電極TL(p)において発生する磁界が弱くなる。
この実施の形態2においては、辺2−Uを挟んで、駆動電極TL(0)の反対側に、外部領域駆動電極TL(dLU)が配置され、辺2−Dを挟んで、駆動電極TL(p)の反対側に、外部領域駆動電極TL(dLD)が配置されている。
駆動電極TL(0)において磁界を発生するとき、この駆動電極TL(0)を挟むように配置された駆動電極TL(1)と外部領域駆動電極TL(dLU)のそれぞれで磁界が発生するようにされる。また、駆動電極TL(p)において磁界を発生するとき、この駆動電極TL(p)を挟むように配置された駆動電極TL(p−1)と外部領域駆動電極TL(dLD)のそれぞれで磁界が発生するようにされる。これにより、表示パネル2の辺2−U、2−Dに近い領域で、ペンの検出精度が低下するのを防ぐことが可能となる。
なお、外部領域駆動電極TL(dLU)、TL(dLD)は、磁界発生にのみ用いられるため、その線幅dLU、dLDは、駆動電極TL(0)〜TL(p)の線幅ddに比べて狭くてもよい。
図23は、駆動電極TL(0)において磁界を発生する場合を示す平面図である。磁界発生期間TGTにおいて、駆動電極TL(0)に対応する単位駆動回路USL(0)、USR(0)が、選択を示す選択信号を出力したとき、単位駆動回路USL(0)からの選択信号に応答して、外部領域駆動電極TL(dLU)の一方の端部に、辺2−L側で、駆動信号TSVCOMを供給し、駆動電極TL(1)の一方の端部に、辺2−L側で、接地電圧Vssを供給するように、選択回路SL−C(図8および図14)が構成される。また、このときの単位駆動回路USR(0)からの選択信号に応答して、外部領域駆動電極TL(dLU)の他方の端部に、辺2−R側で、接地電圧Vssを供給し、駆動電極TL(1)の他方の端部に、辺2−R側で、駆動信号TSVCOMを供給するように、選択回路SR−C(図8および図14)が構成される。
これにより、辺2−Uに最も近接して配置された駆動電極TL(0)が選択された場合には、駆動電極TL(1)に、矢印の電流I2が流れ、磁界が発生する。また、外部領域駆動電極TL(dLU)に、矢印の電流I1が流れ、磁界が発生する。駆動電極TL(1)によって発生した磁界と、外部領域駆動電極TL(dLU)によって発生した磁界が、駆動電極TL(0)の領域において、重畳されることになり、強い磁界を、駆動電極TL(0)の領域で発生することが可能となる。
図24は、駆動電極TL(p)において磁界を発生する場合を示す平面図である。磁界発生期間TGTにおいて、駆動電極TL(p)に対応する単位駆動回路USL(p)、USR(p)が、選択を示す選択信号を出力したとき、単位駆動回路USL(p)からの選択信号に応答して、外部領域駆動電極TL(dLU)の一方の端部に、辺2−L側で、接地電圧Vssを供給し、駆動電極TL(p−1)の一方の端部に、辺2−L側で、駆動信号TSVCOMを供給するように、選択回路SL−C(図8および図14)が構成される。また、このときの単位駆動回路USR(p)からの選択信号に応答して、外部領域駆動電極TL(dLU)の他方の端部に、辺2−R側で、駆動信号TSVCOMを供給し、駆動電極TL(p−1)の他方の端部に、辺2−R側で、接地電圧Vssを供給するように、選択回路SR−C(図8および図14)が構成される。
これにより、辺2−Dに最も近接して配置された駆動電極TL(0)が選択された場合には、駆動電極TL(p−1)に、矢印の電流I1が流れ、磁界が発生する。また、外部領域駆動電極TL(dLD)に、矢印の電流I2が流れ、磁界が発生する。駆動電極TL(p−1)によって発生した磁界と、外部領域駆動電極TL(dLD)によって発生した磁界が、駆動電極TL(p)の領域において、重畳されることになり、強い磁界を、駆動電極TL(p)の領域で発生することが可能となる。
磁界発生期間TGTのとき、選択を示す選択信号を出力する単位駆動回路に対応する駆動電極を挟むように配置された2個の駆動電極に、駆動信号TSVCOMと接地電圧Vssを供給する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、強い磁界を発生する領域に対応する駆動電極を挟むように配置された2個の駆動電極が、対応する単位選択回路によって選択されるようにしてもよい。この場合には、図22から図24に示すように、外部領域駆動電極TL(dLU)の両端部に、単位駆動回路USL(dU)とUSR(dU)が配置され、外部領域駆動電極TL(dLD)の両端部に、単位駆動回路USL(dD)とUSR(dD)が配置される。
この場合、磁界発生期間TGTにおいて、単位駆動回路USL(0)〜USL(p)、USL(dL)およびUSL(dD)のうち、強い磁界を発生する駆動電極に対応する単位駆動回路を挟むように配置された2個の単位駆動回路が、選択を示す選択信号を出力する。同様に、単位駆動回路USR(0)〜USR(p)、USR(dL)およびUSR(dD)のうち、強い磁界を発生する駆動電極に対応する単位駆動回路を挟むように配置された2個の単位駆動回路が、選択を示す選択信号を出力する。
例えば、駆動電極TL(2)の領域において、強い磁界を発生させる場合、単位選択回路USL(2)を挟むように配置された単位駆動回路USL(1)と単位駆動回路USL(3)が、選択を示す選択信号を出力する。選択回路SL−C(図8、図14)は、単位選択回路USL(1)、USL(3)からの選択信号に基づいて、単位選択回路USL(1)に対応する駆動電極TL(1)の一方の端部に、駆動信号TSVCOMを供給し、単位選択回路USL(3)に対応する駆動電極TL(3)の一方の端部に、接地電圧Vssを供給する。
このとき、駆動電極TL(2)に対応する単位選択回路USR(2)を挟むように配置された単位駆動回路USR(1)と単位駆動回路USR(3)が、選択を示す選択信号を出力する。選択回路SR−C(図8、図14)は、単位選択回路USR(1)、USR(3)からの選択信号に基づいて、単位選択回路USR(1)に対応する駆動電極TL(1)の他方の端部に、接地電圧Vssを供給し、単位選択回路USR(3)に対応する駆動電極TL(3)の他方の端部に、駆動信号TSVCOMを供給する。これにより、駆動電極TL(2)の領域において、駆動電極TL(1)によって発生した磁界と、駆動電極TL(3)によって発生した磁界とが重畳されることになる。
駆動電極TL(0)において強い磁界を発生させる場合には、図23に示した単位駆動回路USL(dU)、USR(dU)、USL(1)およびUSR(1)が、選択を示す選択信号を出力する。これに応答して、選択回路SL−Cは、外部領域駆動電極TL(dLU)の一方の端部に、駆動信号TSVCOMを供給し、駆動電極TL(1)の一方の端部に、接地電圧Vssを供給する。また、選択回路SR−Cは、外部領域駆動電極TL(dLU)の他方の端部に、接地電圧Vssを供給し、駆動電極TL(1)の他方の端部に、駆動信号TSVCOMを供給する。これにより、図23において、矢印で示す電流I1、I2が流れ、磁界が発生し、駆動電極TL(0)の領域において、強い磁界を発生することが可能となる。
また、駆動電極TL(p)において強い磁界を発生させる場合には、図24に示した単位駆動回路USL(dD)、USR(dD)、USL(p−1)およびUSR(p−1)が、選択を示す選択信号を出力する。これに応答して、選択回路SL−Cは、外部領域駆動電極TL(dLD)の一方の端部に、接地電圧Vssを供給し、駆動電極TL(p−1)の一方の端部に、駆動信号TSVCOMを供給する。また、選択回路SR−Cは、外部領域駆動電極TL(dLU)の他方の端部に、駆動信号TSVCOMを供給し、駆動電極TL(p−1)の他方の端部に、接地電圧Vssを供給する。これにより、図24において、矢印で示す電流I1、I2が流れ、磁界が発生し、駆動電極TL(p)の領域において、強い磁界を発生することが可能となる。
勿論、外部領域駆動電極は、表示パネル2の一方の辺にのみ、配置するようにしてもよい。
実施の形態2においては、表示が行われる領域(表示パネル2の領域)において、検出精度が低下する領域を減らすことが可能となる。
(実施の形態3)
表示装置1においては、表示パネル2で表示を行うとともに、ペン、指等の外部近接物体が、表示パネル2の領域内をタッチしているか等の検出が行われる。この実施の形態3においては、表示パネル2において、表示を行う1フレーム期間中に、複数段階の検出ステップを実行することによって、外部近接物体が、表示パネル2の領域内をタッチしているか等の検出が行われる。ここでは、1フレーム期間中に、2段階の検出ステップを実行することにより、外部近接物体のタッチを検出する例を説明する。
2段階の検出ステップは、1段階目の検出ステップと、1段階目の検出ステップの後に実行される2段階目の検出ステップを備えている。1段階目の検出ステップでは、外部近接物体として、磁界タッチ検出により検出することが可能な物体、例えばペンが、表示パネル2の領域をタッチしているか否かの検出が、粗く行われる。1段階目の検出ステップで、外部近接物体としてペンが、表示パネル2の領域をタッチしていると検知した場合、タッチしている座標、距離等を検知する磁界タッチ検出が、細かく行われる。一方、1段階目の検出ステップにおいて、ペンによるタッチが検知されなかった場合には、電界タッチ検出が行われる。この細かく行われる磁界タッチ検出または電界タッチ検出が、2段階目の検出ステップとなる。これにより、表示を行っている1フレームの期間中に、表示パネル2の領域内を、ペンおよび指のいずれがタッチしても、タッチを検知することが可能となる。
この2段階の検出ステップは、特に制限されないが、タッチ検出用半導体装置6(図8)とドライブ用半導体装置DDIC(図8)とによって実現される。すなわち、タッチ検出用半導体装置6内の制御回路T−CNTは、1フレーム期間を、第1期間と、それに続く第2期間とに分け、第1期間のとき、磁界イネーブル信号SC_ENにより磁界タッチ検出を指示する。また、この第1期間のときには、粗く磁界タッチ検出が行われるように、制御信号Y−CNTによって、選択駆動回路SSLおよびSSRを制御する。この第1期間のときに、ペンによるタッチが検知されたか否かが、タッチ検出用半導体装置6から制御信号SWによって、ドライブ用半導体装置DDIC内の制御回路D−CNTに通知される。第1期間においては、磁界タッチ検出が粗く行われるように、制御信号Y−CNTによって、選択駆動回路SSLおよびSSRが制御される。
1段階目の検出ステップにおける磁界タッチ検出において、ペンのタッチが検知された場合、ドライブ用半導体装置DDIC内の制御回路D−CNTは、第2期間においても、磁界イネーブル信号SC_ENにより磁界タッチ検出を指示する。この場合、第2期間においては、磁界タッチ検出が細かく行われるように、制御信号Y−CNTによって、選択駆動回路SSLおよびSSRが制御される。これにより、第2期間において、ペンによるタッチの検出が行われることになる。
一方、1段階目の検出ステップにおける磁界タッチ検出において、ペンのタッチが検出されなかった場合、ドライブ用半導体装置DDIC内の制御回路D−CNTは、第2期間において、電界イネーブル信号TC_ENにより電界タッチ検出を指示する。これにより、第2期間においては、電界タッチ検出が行われ、指によるタッチの検出が行われることになる。
ドライブ用半導体装置DDICが、タッチ検出用半導体装置6からの制御信号SWを基にして、2段階の検出ステップを実施する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、タッチ検出用半導体装置6が、2段階の検出ステップの制御を実施し、制御信号SWによってドライブ用半導体装置DDICから磁界イネーブル信号SC_EN、電界イネーブル信号TC_EN等を出力させるようにしてもよい。
粗い磁界タッチ検出と細かい磁界タッチ検出との相違は、磁界発生期間TGTのときに、駆動信号が供給される駆動電極間に挟まれる駆動電極の数の差である。すなわち、磁界発生期間TGTのときに、駆動電極間に挟まれる駆動電極の数が、粗い磁界タッチ検出の場合には、細かい磁界タッチ検出の場合に比べて大きくされる。例えば、粗い磁界タッチ検出の場合には、32個の駆動電極を間に挟んだ一対の駆動電極に、実施の形態1および2で説明したように、駆動信号TSVCOMが供給される。これに対して、細かい磁界タッチ検出の場合には、32個未満で1個以上の駆動電極を間に挟んだ一対の駆動電極に、実施の形態1および2で説明したように、駆動信号TSVCOMが供給される。
駆動信号TSVCOMが供給される駆動電極の数が、例えば粗い磁界タッチ検出と細かい磁界タッチ検出とで同じであれば、粗い磁界タッチ検出を行うと、短時間で表示パネル2の全領域におけるペンのタッチを検出することが可能となる。一方、細かい磁界タッチ検出の場合には、駆動信号が供給される一対の駆動電極間の距離が短くなるため、強い磁界を発生することが可能となり、検出精度の向上を図ることが可能となる。第1期間と第2期間の両方において、磁界タッチ検出が行われる場合、第1期間は、粗い磁界タッチ検出期間と見なすことができ、第2期間は、細かい磁界タッチ検出期間と見なすことができる。
また、粗いタッチ検出のときには、駆動信号が供給される駆動電極の数を増やすようにして、発生する磁界が強くなるようにしてもよい。例えば、図13(B)で説明したように、駆動信号TSVCOMが供給される一対の駆動電極のそれぞれを、複数個の駆動電極により構成された束としてもよい。
第1期間において、ペンによるタッチが検出されない場合、第2期間において、指のタッチを検出するように、電界タッチ検出が行われる。そのため、指によるタッチも検出することが可能となる。
第1期間および第2期間のそれぞれにおいて、表示パネル2の全領域に対して、タッチの検出が行われる。そのため、1フレーム期間中に、表示パネル2の全領域を2回タッチ検出していると見なすこともできる。このように見なした場合、1回目のタッチ検出は、磁界タッチ検出であり、2回目のタッチ検出が、磁界タッチ検出または電界タッチ検出となる。
図25は、実施の形態3に係わる表示装置1の動作を示すタイミング図である。図25において、横軸は時間tを表している。図25(A)は、フレーム信号Fを示すタイミング図である。ドライブ用半導体装置DDICは、このフレーム信号Fに従って、表示パネル2に表示を行う。すなわち、ドライブ用半導体装置DDICは、フレーム信号Fの1周期TFの間に、表示パネル2の全領域に対して表示を行う。言い換えるならば、1フレーム期間(TF)で、1画面分の表示が行われる。
図25(B)は、周期的なフレーム信号Fの1周期(1フレーム期間)TFを示すタイミング図である。図25(B)において、TF1は、フレーム信号Fに応答して始まる第1期間を示し、TF2は、第1期間TF1に続く第2期間を示している。表示装置1において表示が行われているとき、図25(B)に示したフレーム期間TFが、繰り返されるため、第1期間TF1とTF2も、この順番で交互に発生することになる。
図25(C)は、模式的に表示期間とタッチ検出期間を示したタイミング図である。図25(C)において、斜線で埋めた期間DPS1〜DPSpのそれぞれが、表示期間を示している。なお、図25(C)では、図面が複雑になるのを避けるために、表示期間については、DPS1、DPS2、DPSn〜DPSn+2およびDPSpについてのみ符号が付されている。表示期間DPS1〜DPSpのそれぞれにおいて、ドライブ用半導体装置DDICから信号線に画像情報が供給され、走査線がハイレベルとなることにより、表示パネル2に、画像情報が表示される。表示期間DPS1〜DPSpのそれぞれにおいて、表示が行われることにより、1画面分の表示が行われることになる。
図25(C)において、CSS11〜CSS1pおよびCSS21〜CSS2pは、タッチ検出期間を示している。ここで、CSS11〜CSS1pは、第1期間TF1において実施されるタッチ検出期間を示し、CSS21〜CSS2pは、第2期間TF2において実施されるタッチ検出期間を示している。タッチ検出期間CSS11〜CSS1pのそれぞれにおいては、粗い磁界タッチ検出が行われ、タッチ検出期間CSS11〜CSS1pのそれぞれにおいて、磁界タッチ検出が行われることにより、表示パネル2の全領域に対して、ペンによるタッチの検出が行われる。
タッチ検出期間CSS21〜CSS2pのそれぞれにおいては、細かい磁界タッチ検出または電界タッチ検出が行われる。タッチ検出期間CSS21〜CSS2pのそれぞれにおいて、タッチ検出が行われることにより、表示パネル2の全領域に対して、ペンまたは指によるタッチの検出が行われる。
タッチ検出期間CSS11〜CSS1pのそれぞれにおいては、粗い磁界タッチ検出が行われるため、少ない回数で、表示パネル2の全領域に対するタッチを検出することが可能となる。そのため、1画面の表示が完了する前の時刻tpにおいて、全領域のタッチ検出が完了している。これにより、1画面の表示が完了するまでに、表示パネル2の全領域を対象としたタッチ検出を行う時間を確保することが可能となる。この結果、時刻tpから再び、全領域のタッチ検出が、タッチ検出期間CSS21〜CSS2pにおいて行われる。
図25(D)〜図25(I)は、表示パネル2に配置された駆動電極TL(n)〜TL(n+5)に供給される駆動信号TSVCOMを示すタイミング図である。
駆動信号TL(n)〜TL(n+5)のそれぞれには、図8に示した選択駆動回路SSLおよびSSRから駆動信号が供給される。図25(D)〜図25(I)において、左側は、タッチ検出期間CSS12のときに、駆動電極TL(n)〜TL(n+5)に供給される駆動信号を示し、右側は、タッチ検出期間CSS24のときに、駆動電極TL(n)〜TL(n+5)に供給される駆動信号を示している。
タッチ検出期間CSS12においては、例えば選択駆動回路SSLから駆動電極TL(n)の一方の端部に駆動信号TSVCOMが供給され、駆動電極TL(n+5)の一方の端部に接地電圧Vssが供給される。このとき、選択駆動回路SSRから駆動電極TL(n)の他方の端部に、接地電圧Vssが供給され、駆動電極TL(n+5)の他方の端部に駆動信号TSVCOMが供給される。これにより、駆動電極TL(n)と駆動電極TL(n+5)のそれぞれで磁界が発生する。発生した磁界が、駆動電極TL(n)と駆動電極TL(n+5)によって挟まれた駆動電極TL(n+1)〜TL(n+4)の領域において重畳されることになる。
一方、タッチ検出期間CSS24においては、例えば選択駆動回路SSLから駆動電極TL(n)の一方の端部に駆動信号TSVCOMが供給され、駆動電極TL(n+2)の一方の端部に接地電圧Vssが供給される。このとき、選択駆動回路SSRから駆動電極TL(n)の他方の端部に、接地電圧Vssが供給され、駆動電極TL(n+2)の他方の端部に駆動信号TSVCOMが供給される。これにより、駆動電極TL(n)と駆動電極TL(n+2)のそれぞれで磁界が発生する。発生した磁界が、駆動電極TL(n)と駆動電極TL(n+2)によって挟まれた駆動電極TL(n+1)の領域において重畳されることになる。駆動信号TSVCOMが供給される駆動電極間には、駆動電極TL(n+1)のみが挟まれているため、駆動電極間の距離が短くなり、磁界の重畳により得られる磁界が強くなる。その結果、検出精度の向上を図ることが可能となる。
また、タッチ検出期間CSS12において、選択駆動回路SSLから駆動電極TL(n)とTL(n+1)に駆動信号TSVCOMを供給し、選択駆動回路SSRから駆動電極TL(n+4)とTL(n+5)に駆動信号TSVCOMを供給するようにしてもよい。すなわち、粗い磁界タッチ検出のとき、2個(複数個)の駆動電極を束にして、駆動信号TSVCOMを供給するようにしてもよい。これにより、粗い磁界タッチ検出のときにも、発生する磁界を強めることが可能となり、検出精度の向上を図ることが可能となる。
タッチ検出期間CSS21〜CSS2pのそれぞれにおいて、磁界タッチ検出を行う例を説明したが、第1期間TF1において、ペンがタッチしていないと検知した場合には、タッチ検出期間CSS21〜CSS2pのそれぞれにおいて、電界タッチ検出が行われる。これにより、第2期間TF2において、表示パネル2の全領域において、指がタッチしているか否か等を検知することが可能となる。
制御信号Y−CNTによる、粗い磁界タッチ検出と細かい磁界タッチ検出の切り換えは、例えば、制御信号Y−CNTに基づいた切り換え制御信号によって、スイッチ制御回路SWL、SWRを制御することにより達成することができる。切り換え制御信号が粗い磁界タッチ検出を示していた場合、スイッチ制御回路SWL、SWRは、選択を示している選択信号を出力している単位駆動回路に対応する駆動電極と、この駆動電極の隣の駆動電極とを挟むように配置された一対の駆動電極に、駆動信号TSVCOMと接地電圧Vssを供給するようにすれば、粗い磁界タッチ検出を行うことが可能となる。
また、図22に示したように、駆動電極のそれぞれに単位駆動回路が対応している場合には、選択を示す選択情報SEIを、単位駆動回路により構成されたシフトレジスタへ供給するタイミングを変えることによって、粗い磁界タッチ検出と細かい磁界タッチ検出の切り換えを達成することができる。
<磁界タッチ検出動作>
図26は、タッチ検出期間と表示期間との関係を示すタイミング図である。図25に示したように、タッチ検出期間CSS11〜CSS1p、CSS21〜CSS2pと表示期間DPS1〜DPSpは交互に発生する。図26には、タッチ検出期間の後に、表示期間が発生する場合が例として示されている。また、図26では、タッチ検出期間CSS11〜CSS1p、CSS21〜CSS2pを纏めて示すために、タッチ検出期間は、符号CSSとして示され、表示期間DPS1〜DPSpを纏めて示すために、表示期間は、符号DPSで示されている。さらに、図26では、タッチ検出期間CSSにおいて、磁界タッチ検出が行われる場合が示されている。なお、図26においても、横軸は、時間tを表している。
図26(A)は、タッチ検出期間CSSに行われる磁界タッチ検出の構成を示す模式的なタイミング図である。タッチ検出期間は、磁界発生期間TGT、磁界検出期間TDTおよびプリチャージ期間RSTを備えている。プリチャージ期間RSTにおいては、次に発生する表示期間DPSのために、駆動電極TL(0)〜TL(p)、信号線SL(0)〜SL(p)等の電圧が、所定の値にプリチャージされる。
磁界発生期間TGTは、先に説明したように、磁界を発生する期間であり、磁界検出期間TDTは、磁界検出コイルによって、ペンからの磁界を検出する期間である。図8に示した制御回路D−CNTは、タッチ検出期間CSSにおいて、磁界イネーブル信号SC_ENを、図26(C)に示すように、ハイレベルからロウレベルへ変化させる。これにより、磁界タッチ検出が指定されることになる。また、制御回路D−CNTは、磁界発生期間TGTにおいて、図26(B)に示すように、駆動信号TSVCOMを周期的に変化させる。これにより、上述したように、駆動電極を挟んで配置された一対の駆動電極のそれぞれに、駆動信号TSVCOMが供給され、駆動信号TSVCOMの変化に応じた磁界が発生し、一対の駆動電極間に挟まれた駆動電極の領域において、磁界の重畳が行われる。
磁界発生期間TGTにおいて発生した磁界により、ペン内の容量素子が充電される。ペンがタッチしていれば、磁界検出期間TDTにおいて、磁界検出コイルにより、ペンが発生する磁界が検出され、検出した磁界に応じた検出信号が磁界検出コイルから出力される。また、表示期間DPSのとき、制御回路D−CNTは、図26(B)に示すように、駆動信号TSVCOMを、所定の電圧にし、磁界イネーブル信号SC_ENをハイレベルにする。
次に、磁界検出コイルからの検出信号に基づいて、ペンがタッチしているか否か等を検出する検出回路の一例を、図27を用いて説明する。図8では、増幅回路AMPおよびタッチ用半導体装置6によって、タッチを検出する検出回路が構成されていたが、ここでは、マイクロコントローラMCUを用いた検出回路の例を示す。
図26(D)〜図26(F)は、図27に示す検出回路の動作を説明するためのタイミング図である。そのため、図27に示した検出回路の構成および動作を説明するなかで、図26(D)〜図26(F)は参照する。
図27において、MPXは、複数のスイッチSWA0〜SWApを備えたマルチプレクサ(セレクタ)である。磁界検出期間TDTにおいては、実施の形態1で述べたように、信号線SL(0)〜SL(p)または検出電極RL(0)〜RL(p)によって、磁界検出コイルCY(0)〜CY(p)が構成される。これらの磁界検出コイルのそれぞれの一方の端部が、対応するスイッチSWA0〜SWApの一方の端部に接続され、それぞれの他方の端部は、接地電圧Vssに接続される。例えば、図19等で述べたように互いに平行に配置された2個の信号線間を接続することにより形成された磁界検出コイルCY(0)の一方の端部は、スイッチSWA0の一方の端部に接続され、他方の端部は接地電圧Vssに接続される。残りの磁界検出コイルCY(1)〜CY(p)も、同様にして、対応するスイッチSWA1〜SWApの一方の端部と接地電圧Vssとの間に接続される。
また、スイッチSWA0〜SWApのそれぞれの他方の端部は、ノードnAに接続されている。スイッチSWA0〜SWApは、磁界検出期間TDTのとき、いずれかが選択され、オン状態となる。この選択は、マイクロコントローラMCUによって行われる。すなわちマイクロコントローラMCUからの選択信号によって、スイッチSWA0〜SWApのうちのいずれかが選択され、オン状態とされる。図26(D)は、スイッチSWA0〜SWApのうちの1個をオン状態にする選択信号SC_SELの波形を示している。図26(D)では、選択信号SC_SELが、ハイレベルからロウレベルへ変化することにより、スイッチがオン状態となる。
磁界検出期間TDTにおいて、スイッチSWA0〜SWApのいずれかがオン状態となることにより、磁界検出コイルにおける検出信号が、ノードnAに伝達される。ノードnAおける検出信号は、ゲイン回路に供給され、ゲイン回路によって増幅される。増幅された検出信号は、ノイズを除去するためにフィルタ回路に供給され、フィルタ回路の出力は、整流回路で整流され、積分回路へ供給される。積分回路の出力は、マイクロコントローラMCUに供給される。
マイクロコントローラMCUは、図示しないが、アナログ/デジタル変換回路、クロック信号発生回路、プログラムを格納した不揮発性メモリ、不揮発性メモリに格納されたプログラムに従って動作する処理ユニットを有している。上記した積分回路からの出力は、マイクロコントローラMCUの端子ADCを介してアナログ/デジタル変換回路に供給され、デジタル信号に変換される。変換により得られたデジタル信号は、処理ユニットによって処理され、コイルCY(0)〜CY(p)のいずれかにペンが近接しているか否かの判定が行われる。
マイクロコントローラMCU内の処理ユニットは、プログラムに従って、制御信号を形成する。この制御信号としては、スイッチSWA0〜SWApを選択する選択信号、イネーブル信号ENおよびリセット信号rstがある。また、マイクロコントローラMCU内のクロック信号発生回路によって、周期的に電圧が変化するクロック信号MCLKが発生する。
クロック信号MCLKは、バッファ回路BFに供給される。バッファ回路BFは、イネーブル信号ENにより制御される。イネーブル信号ENがハイレベルのとき、クロック信号MCLKが抵抗R11を介して、ノードnAへ供給される。一方、イネーブル信号ENがロウレベルのときには、バッファ回路BFの出力はハイインピーダンス状態(Hi−Z)となる。
ゲイン回路は、抵抗R8〜R10と、オペアンプOP4と、直流カット用の容量素子CP3を有している。検出信号は、オペアンプOP4の正相入力(+)に供給され、オペアンプOP4の反転入力(−)は、抵抗R9を介して接地電圧Vssに接続され、また、抵抗R8を介して、オペアンプOP4の出力に接続されている。
フィルタ回路は、抵抗R4〜R7と、容量素子CP2と、オペアンプOP3を有している。オペアンプOP3の正相入力(+)は、抵抗R7を介して接地電圧Vssに接続され、容量素子CP2を介して、ゲイン回路からの出力信号が供給される。また、オペアンプOP3の反転入力(−)は、抵抗R6を介して接地電圧Vssに接続され、さらに抵抗R5を介して、オペアンプの出力に接続されている。さらに、オペアンプOP3の出力は、抵抗R4を介して、フィルタ回路の入力に接続されている。
整流回路は、抵抗R1〜R3と、オペアンプOP2と、ダイオードDとを有している。オペアンプの正相入力(+)は、抵抗R3を介して接地電圧Vsに接続され、オペアンプOP2の反転入力(−)は、抵抗R2を介して、フィルタ回路からの出力が供給され。さらに、整流回路の出力が抵抗R1を介して供給されている。オペアンプOP2の出力はダイオードDを介して出力される。
積分回路は、容量素子CP1と、リセット信号rstをスイッチ制御信号として受けるスイッチSWAAと、オペアンプOP1とを有している。オペアンプの正相入力(+)は、接地電圧Vssに接続され、反転入力(−)は、容量素子CP1を介して、積分回路の出力に接続されている。また、積分回路の出力と入力との間にスイッチSWAAが接続されている。
図26において、時刻t0で、リセット信号rstがロウレベルとなる。これにより、スイッチSWAAがオフ状態となり、リセットが解除される。このとき、マイクロコントローラMCUは、イネーブル信号ENをハイレベルにする。これにより、クロック信号CLKは、抵抗R11を介しバッファ回路BFから、ノードnAへ供給される。
ノードnAに供給されたクロック信号CLKは、ゲイン回路にも供給される。ゲイン回路の出力OUT1は、クロック信号MCLKの電圧変化に従って変化するため、図26(E)に示すように。変化する。ゲイン回路の出力OUT1は、フィルタ回路を介して整流回路に供給され、整流された出力が積分回路に供給される。時刻t0から時刻t1においては、ノードnAの電圧は、周期的に変化しているが、包絡線的には、変化がないため、積分回路の出力は一定の値となる。
時刻t1において、マイクロコントローラMCUは、イネーブル信号ENをロウレベルにする。これにより、ノードnAはハイインピーダンス状態(Hi−Z)となる。また、時刻t1において、選択信号SC_SEL(図26(D))により例えばコイルCY(3)に対応するスイッチSWA3がオン状態にされる。これにより、コイルCY(3)の一方の端部は、ノードnAに接続された状態となる。
このとき、コイルCY(3)の近傍にペンが有るため、時刻t0からt2の磁界発生期間TGTにおいて発生した磁界により、ペン内のコイルに誘起電圧が発生し、容量素子C(図2)が充電されている。
時刻t1において、ペン内のコイルL1は、容量素子Cに充電された電荷量に基づいて磁界を発生する。コイルL1が発生する磁界の変化によって、コイルCY(3)に誘起電圧が発生する。
その結果、ゲイン回路の出力OUT1は、図26(E)に示すように、振動しながら、減衰する。すなわち、電圧は、包絡線的には、減衰する。ゲイン回路の出力OUT1が、時刻t1から、振動しながら、減衰するため、積分回路の出力OUT2は、図26(F)に示すように、徐々に上昇する。マイクロコントローラMCUは、この積分回路の出力OUT2をデジタル信号へ変換することにより、ペンが有ると判定する。このとき、マイクロコントローラMCUは。スイッチSWA0〜SWApのうち、オン状態にしたスイッチを、選択信号SC_SELによって把握しているため、選択した磁界発生コイルの位置を把握することが可能であるため、変換によって得たデジタル信号の値と、把握した磁界検出コイルの位置から、ペンが有る位置、すなわちタッチした位置と、ペンの筆圧等を判定することができる。以上の動作を繰り返すことにより、ペンの有無と、筆圧等を判定することができる。
図27に示した検出回路では、複数の磁界検出コイルCY(0)〜CY(p)に対してゲイン回路、フィルタ回路、整流回路および積分回路を共用することが可能となり、検出回路の占有面積の増加を抑制することが可能となる。
(実施の形態4)
図28は、実施の形態4に係わる表示装置1の構成を示す平面図である。図28には、表示パネル2の模式的な平面図が示されている。
図28で、Tx1−1〜TxN−Mは、表示パネル2においてドットマトリクス状に配置された駆動電極(検出電極)を示している。このドットマトリクス状に配置された駆動電極によって、例えば指がタッチしているか否かを、電荷量の変化として検出する。同図には、ドットマトリクス状に配置された駆動電極のうち、5行、5列に配置された駆動電極が例示されている。また、SDL(1)〜SDL(m)は、検出信号線を示し、GL(1)〜GL(n)は、走査線を示している。検出信号線SDL(1)〜SDL(m)は、表示パネル2において、図示しない信号線SL(0)〜SL(p)と平行して配置されている。例えば、図10を参照にして述べると、信号線SL(n−6)〜SL(n+9)は、列方向に延在し、行方向に平行に配置されているが、検出信号線SDL(1)〜SDL(m)は、これらの信号線SL(0)〜SL(p)と同様に、列方向に延在し、行方向に平行に配置されている。
ドットマトリクス状に配置された駆動電極Tx1−1〜TxN−Mのそれぞれは、1対1に対応する検出信号線SDL(1)〜SDL(m)に接続されている。例えば、ドットマトリクスの第1行目に配置された駆動電極Tx1−1、Tx1−2、Tx1−3、Tx1−17、Tx1−Mは、1対1に対応する検出信号線SDL(1)、SDL(n+1)、SDL(2n+1)、SDL(k+1)、SDL(m−n)に接続されている。また、ドットマトリクスの第N行目に配置された駆動電極TxN−1、TxN−2、TxN−3、TxN−17、TxN−Mは、1対1に対応する検出信号線SDL(n)、SDL(2n)、SDL(3n)、SDL(k+n)、SDL(m)に接続されている。
この実施の形態4において、指によるタッチの検出は、検出信号線SDL(1)〜SDL(m)のそれぞれにおける信号の変化を検出することより行われる。この場合、検出信号線のそれぞれが、駆動電極に1対1で対応しているため、検出信号線SDL(1)〜SDL(m)における信号の変化を検出することにより、タッチされた位置を把握することが可能である。
図29は、ドットマトリクス状に配置された駆動電極Tx1−1〜TxN−Mを用いる場合のタッチ検出の原理を示す回路図である。ここでは、駆動電極TxN−Mを例にして説明する。図29において、OP5はオペアンプ、CP5は容量素子、SWD1〜SWD3はスイッチを示している。
駆動電極TxN−Mと接地電圧Vssとの間には、寄生容量C2が存在する。先ず、スイッチSWD3をオン状態にし、スイッチSWD1およびSWD2をオフ状態にする。これにより、容量素子CP5に蓄積されている電荷が、スイッチSWD3を介して放電される。次に、スイッチSWD3をオフ状態にし、スイッチSWD1をオン状態にする。このとき、駆動電極TxN−Mに指がタッチしていれば、指との容量にも電荷が充電されることになる。
次に、スイッチSWD1をオフ状態にし、スイッチSWD2をオン状態にする。容量素子CP5によるフィードバックによって、オペアンプOP5の両方の入力は、仮想的に同電位(図29では、接地電圧Vss)になるため、駆動電極TxN−Mに蓄えられていた電荷は、容量素子CP5へ移動する。そのため、指が、駆動電極TxN−Mにタッチしていれば、容量素子CP5へ移動する電荷が多くなる。その結果、オペアンプOP5から出力される電圧の絶対値は、より大きくなる。指が駆動電極TxN−Mをタッチしているか否かにより、オペアンプOP5から出力される電圧(信号)が変化することになる。この信号の変化により、指のタッチの有無が検出される。すなわち、オペアンプOP5から出力された信号が、センス信号Sとなる。
このようにして、駆動電極Tx1−1〜TxN−Mのそれぞれにおける信号の変化を検出することにより、指によるタッチを検出することが可能となる。図29に示した検出方式では、スイッチSWD1をオン状態にして、駆動電極(例えば、TxN−M)に駆動信号を供給し、同じ駆動電極TxN−Mにおける信号の変化を検出して、指のタッチを検出している。すなわち、駆動信号を供給した駆動電極における信号変化を基にして、指のタッチを検出する。そのため、所謂、静電容量式セルフ検出方式である。
走査線GL(1)〜GL(n)は、検出信号線SDL(1)〜SDL(m)および図示しない信号線SL(1)〜SL(m)と直交するように配置されている。この実施の形態4においては、この走査線GL(1)〜GL(n)が、磁界タッチ検出のとき、磁界を発生する信号配線として用いる。すなわち、磁界発生期間TGTにおいて、走査線GL(1)〜GL(n)が、実施の形態1で説明した駆動電極TL(0)〜TL(p)として用いられる。特に制限されないが、複数の走査線が束として、1個の駆動電極として用いられる。図28に示した例では、20個の走査線が1個の束とされている。すなわち、走査線GL(1)〜GL(20)が束とされ、走査線GL(21)〜GL(40)が束とされ、走査線GL(41)〜GL(60)が束とされ、走査線GL(61)〜GL(80)が束とされ、走査線GL(n−19)〜GL(n)が束とされている。
磁界発生期間TGTにおいては、束とされた走査線に、実施の形態1と同様に、駆動信号が供給される。例えば、束とされた走査線GL(1)〜GL(20)の一方の端部に対して、表示パネル2の辺2−L側から、駆動信号TSVCOMが供給され、表示パネル2の辺2−R側から、他方の端部に対して、接地電圧Vssが供給される。このとき、例えば、束とされた走査線GL(41)〜GL(60)の一方の端部に対して、表示パネル2の辺2−L側から、接地電圧Vssが供給され、表示パネル2の辺2−R側から、他方の端部に対して、駆動信号TSVCOMが供給される。これにより、走査線GL(1)〜GL(20)の束と、走査線GL(41)〜GL(60)の束のそれぞれにおいて磁界が発生し、走査線GL(21)〜GL(40)の領域において、磁界が重畳されることになる。
この実施の形態4では、駆動電極Tx1−1〜TxN−Mおよび検出信号線SDL(1)〜SDL(m)は、TFTガラス基板TGBに形成され、磁界検出コイルは、CFガラス基板CGBに形成された検出電極RL(0)〜RL(p)によって構成される。CFガラス基板CGBに形成された検出電極RL(0)〜RL(p)によって構成された磁界検出コイルは、既に図21において説明しているので、説明は省略する。実施の形態4では、TFTガラス基板TGBに形成され、ドットマトリクス状に配置された駆動電極によって、指によるタッチの検出が行われる。そのため、CFガラス基板CGBに形成された検出電極RL(0)〜RL(p)を、指によるタッチの検出に用いなくてもよくなるので、検出電極RL(0)〜RL(p)は、磁界を検出するのに適した形状(例えば、コイル形状)に固定することが可能である。
また、実施の形態4では、複数個の走査線が束として扱われるため、磁界発生期間TGTのとき、走査線の合成抵抗を低くすることが可能となり、発生する磁界を強くすることが可能となる。
<変形例1>
図28では、CFガラス基板CGBに形成された検出電極RL(0)〜RL(p)を、磁界の検出に用いように説明した。この変形例1においては、図28に示した検出電極TX1−1〜TxN−Mのそれぞれが、磁界検出に用いられる。これにより、CFガラス基板CGBに、磁界検出のための検出電極RL(0)〜RL(p)を配置することが必要とされなくなり、安価に製造することが可能となる。
<変形例2>
図38は、実施の形態4の変形例2に係わる表示装置1の構成を示す平面図である。図38には、表示パネル2の模式的な平面図が示されている。図38は、図28と類似しているため、ここでは相違点のみを説明する。
図38に示す変形例2においては、検出信号線SDL(1)〜SDL(m)のそれぞれと対を構成する検出信号線SDL(1)P〜SDL(m)Pが、対を構成する検出信号線SDL(1)〜SDL(m)と平行に延在している。図28では、図面が複雑になるのを避けるために、検出信号線SDL(1)、SDL(2)およびSDL(n)のそれぞれと対を構成する検出信号線にのみ符号SDL(1)P、SDL(2)PおよびSDL(n)Pが付され、これ以外の検出信号線の符号は省略されている。
ここでは、図38において、最も左側に配置された1列(駆動電極Tx1−1〜TxN−1)を例にして説明するが、他の列も同様である。検出信号線SDL(1)と検出電極SDL(1)Pは、平行して延在し、駆動電極Tx1−1に接続され、検出信号線SDL(2)と検出電極SDL(2)Pも、平行して延在し、駆動電極Tx2−1に接続されている。以降、同様にして、検出信号線SDL(n)と検出電極SDL(n)Pは、平行して延在し、駆動電極TxN−1に接続されている。
磁界タッチ検出のとき、対として平行に延在している検出信号線によって、磁界検出コイルが形成される。例えば、対を構成する検出信号線SDL(1)とSDL(1)Pによって、磁界検出コイルが形成され、対を構成する検出信号線SDL(2)とSDL(2)Pによって、磁界検出コイルが形成され、対を構成する検出信号線SDL(n)とSDL(n)Pによって、磁界検出コイルが形成される。この場合、対を構成する検出信号線のうち、一方の検出信号線、例えば検出信号線SDL(1)、SDL(2)およびSDL(n)における信号の変化がセンス信号Sとして出力される。このとき、対を構成する検出信号線のうち、他方の検出信号線SDL(1)P、SDL(2)PおよびSDL(n)Pのそれぞれには、接地電圧Vssが供給される。
検出信号線SDL(1)〜SDL(m)およびSDL(1)P〜SDL(m)Pのそれぞれによって、磁界検出コイルが形成されるため、CFガラス基板CGBに磁界検出のための検出電極を配置する必要がなくなるため、安価に製造することが可能となる。また、電界タッチ検出は、図28で述べたのと同様に行うことができる。
また、1列(駆動電極Tx1−1〜TxN−1)に配置されている複数対の検出信号線のうち、特定の対の検出信号線のみを用いて、磁界タッチ検出のとき、磁界を検出するようにしてもよい。この特定の対の検出信号線としては、図38に示した検出信号線SDL(1)、SDL(1)Pが相当する。この検出信号線SDL(1)、SDL(1)Pは、1行目に配置された駆動電極Tx1−1に接続されているため、直交する走査線の数が多くなり、磁界タッチ検出の際に検出することが可能な範囲が広くなるため、磁界タッチ検出に用いるのに適している。ドットマトリクスの他の列においても同様に、それぞれの列に含まれる複数対の検出信号線のうち、1行目に配置された駆動電極Tx1−2〜Tx1−Mに接続される対の検出信号線を、磁界タッチ検出のときに、磁界検出コイルとして用いる。
<変形例3>
図39は、実施の形態4の変形例3に係わる表示装置1の構成を示す平面図である。図39には、表示パネル2の模式的な平面図が示されている。図39は、図28と類似しているため、ここでは相違点のみを説明する。
図28では、検出信号線は、対応する駆動電極に接続する領域まで延在していた。これに対して、この変形例3においては、検出信号線SDL(1)〜SDL(m)のそれぞれは、表示パネル2を横断するように、延在している。例えば、表示パネル2の辺2−Dから辺2−Uへ延在するように配置されている。ここでも、ドットマトリクスの1列目(駆動電極Tx1−1〜TxN−1)を例にして説明するが、他の列も同様である。
検出信号線SDL(1)は、辺2−Dから辺2−Uに延在し、途中で駆動電極Tx1−1に接続され、検出信号線SDL(2)も、辺2−Dから辺2−Uに延在し、途中で駆動電極Tx2−1に接続されている。以降、同様にして、検出信号線SDL(n)も、辺2−Dから辺2−Uに延在し、途中で駆動電極TxN−1に接続されている。
辺2−U側において、所定の検出信号線間には、スイッチSDSが接続されている。図39では、検出信号線SDL(1)とSDL(2)との間に接続されたスイッチSDSと、検出信号線SDL(3)およびSDL(n)に接続されたスイッチSDSのみが示されている。
磁界タッチ検出のとき、スイッチSDSは、図19に示した第8スイッチk00〜kpと同様に、オン状態にされる。これにより、複数の検出信号線間が接続されることになる。図39の例では、検出信号線SDL(1)とSDL(2)が、辺2−U側において接続されることになる。これにより、磁界タッチ検出のとき、検出信号線SDL(1)、SDL(2)によって、磁界検出コイルが形成されることになる。このとき、例えば検出信号線SDL(2)には、接地電圧Vssを供給し、検出信号線SDL(1)における信号の変化がセンス信号Sとして出力される。
これにより、検出信号線SDL(1)〜SDL(m)を用いて磁界検出コイルが形成されるため、CFガラス基板CGBに磁界検出のための検出電極を配置する必要がなくなるため、安価に製造することが可能となる。また、電界タッチ検出は、図28で述べたのと同様に行うことができる。
図39では、隣接した検出信号線SDL(1)、SDL(2)を用いて、磁界検出コイルを形成する例を述べたが、これに限定されるものではない。すなわち、互いに重なった磁界検出コイルが形成されるように、間に検出信号線を挟むように配置された検出信号線間を、スイッチで接続するようにしてもよい。また、1回巻線ではなく、1.5回巻線以上であってもよい。
<変形例4>
図30は、実施の形態4の変形例4に係わる表示装置1の構成を示す平面図である。図30は、図28と類似しているので、ここでは相違点を主に説明する。図30において、SL(0)〜SL(p)は、信号線を示している。図28で説明したように、検出信号線SDL(1)〜SDL(m)は、表示パネル2において、信号線SL(0)〜SL(p)と平行して配置されている。
この変形例においては、信号線SL(0)〜SL(p)が、磁界を発生する信号配線として用いられる。特に制限されないが、この変形例においては、複数の信号線が束とされ、磁界発生期間TGTのときに、駆動信号TSVCOMが供給される。図30を例にして、説明すると、磁界発生期間TGTのとき、信号線SL(0)〜SL(19)が束とされ、信号線SL(20)〜SL(39)が束とされ、信号線SL(40)〜SL(59)が束とされる。また、信号線SL(k)〜SL(k+19)が束とされ、信号線SL(p−19)〜SL(p)が束とされる。
磁界発生期間TGTのときには、束とされた信号線に駆動信号が供給される。例えば、束とされた信号線SL(0)〜SL(19)の一方の端部に対して、表示パネル2の辺2−U側において駆動信号TSVCOMが供給され、表示パネル2の辺2−D側において、他方の端部に、接地電圧Vssが供給される。このとき、例えば、束とされた信号線SL(40)〜SL(59)の一方の端部に対して、表示パネル2の辺2−U側において接地電圧Vssが供給され、表示パネル2の辺2−D側において、他方の端部に、駆動信号TSVCOMが供給される。これにより、磁界発生期間TGTのとき、信号線SL(20)〜SL(39)の領域において、重畳された磁界が形成されることになる。
この変形例の場合、磁界検出コイルは、例えばCFガラス基板CGBに形成された検出電極RL(0)〜RL(p)によって構成される。検出電極RL(0)〜RL(p)によって、磁界検出コイルを形成する場合には、検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、信号線SL(0)〜SL(p)と直交し、互いに平行となるように形成され、図21に示したように、所定の検出電極間が接続される。また、磁界検出コイルは、走査線GL(0)〜GL(p)によって形成するようにしてもよい。
また、検出電極Tx1−1〜TxN−Mによって、磁界を検出するようにしてもよい。検出電極Tx1−1〜TxN−Mによって、磁界を検出するようにすれば、例えばCFガラス基板CGBに、磁界検出のための検出電極を配置する必要がなくなり、安価に製造することが可能となる。
<変形例5>
図40は、実施の形態4の変形例5に係わる表示装置1の構成を示す平面図である。図40は、図30と類似しているので、ここでは相違点を主に説明する。この変形例5においては、検出信号線SDL(1)〜SDL(m)のそれぞれと平行に延在する検出信号線SDL(1)L〜SDL(m)Lが、配置される。図40では、図面が複雑になるのを避けるために、1列目の駆動電極Tx1−1〜TxN−1に配置された検出信号線についてのみ、符号SDL(1)L、SDL(2)LおよびSDL(n)Lが付されている。
ここでは、1列目の駆動電極を例にして説明するが、他の列も同様である。検出信号線SDL(1)と平行に検出信号線SDL(1)Lが延在し、検出信号線SDL(1)と検出信号線SDL(1)Lは、検出信号線SDL(1)が接続されている駆動電極Tx1−1の領域において、ループLPPを形成するように接続されている。また、検出信号線SDL(2)と平行に検出信号線SDL(2)Lが延在し、検出信号線SDL(2)と検出信号線SDL(2)Lは、検出信号線SDL(2)が接続されている駆動電極Tx2−1の領域において、ループLPPを形成するように接続されている。以降、同様にして、検出信号線SDL(n)と平行に検出信号線SDL(n)Lが延在し、検出信号線SDL(n)と検出信号線SDL(n)Lは、検出信号線SDL(n)が接続されている駆動電極TxN−1の領域において、ループLPPを形成するように接続されている。
ループLPPは、例えば、互いに接続される検出信号を、平面で見たとき、屈曲させて、接続することにより形成されている。
この変形例5においては、このループLPPが、磁界検出コイルとして機能する。すなわち、磁界タッチ検出のとき、互いに接続された検出信号線のうちの一方の検出信号線における信号変化がセンス信号Sとされ、他方の検出信号線に接地電圧Vssが供給される。これにより、ペンによって駆動電極の近傍がタッチされると、ペンからの磁界によって、当該駆動電極の領域においてループLPPを形成する検出信号線に信号変化が生じ、ペンによるタッチおよび座標を求めることが可能となる。
例えば、検出信号線SDL(1)L、SDL(2)L〜SDL(n)Lのそれぞれを、ループを形成する検出信号線のうちの他方の検出信号線とした場合、これらの検出信号線SDL(1)L、SDL(2)L〜SDL(n)Lのそれぞれに、接地電圧Vssを供給する。このとき、ループを形成する検出信号線のうちの一方の検出信号線となる検出信号線SDL(1)、SDL(2)〜SDL(n)における信号の変化をセンス信号Sとして検出する。これにより、1列目のいずれかの部分にペンがタッチされているかを検出することが可能となるとともに、1列目において、どの行(駆動電極Tx1−1〜TxN−1のいずれの領域)がタッチされているかを検出することが可能となる。
この変形例5においても、検出信号線が磁界検出コイルとして用いられるため、安価に製造することが可能となる。また、電界タッチ検出は、変形例4と同様に行うことができる。さらに、検出信号線は、磁界検出および電界検出に共用することが可能であるため、磁界タッチ検出および電界タッチ検出が可能な表示装置の価格が上昇するのを抑制することが可能である。
(実施の形態5)
実施の形態1から4においては、主に、表示パネル2において、信号線SL(0)〜SL(p)と直交する信号配線を用いて、磁界発生期間TGTのとき、磁界を発生する例を説明した。この実施の形態5においては、表示パネル2において、信号線SL(0)〜SL(p)と平行して配置された信号配線を用いて、磁界発生期間TGTのときに、磁界を発生する例を説明する。ここでは、信号線SL(0)〜SL(p)と平行して配置された信号配線として、駆動電極を用いる場合を説明する。
図31は、実施の形態5に係わる表示装置1の構成を示す模式的な平面図である。図31には、表示パネル2に係わる部分が示されている。表示パネル2には、複数の信号線SL(0)〜SL(p)、複数の走査線GL(0)〜GL(p)および複数の駆動電極TL(0)〜TL(p)等が配置されるが、図31では、説明を容易にするために、信号線SL(0)〜SL(7)、走査線GL(0)〜GL(3)および駆動電極TL(0)〜TL(7)が配置された表示パネル2が示されている。信号線SL(0)〜SL(7)は、表示パネル2において、列方向に延在し、行方向に平行に配置されている。この実施の形態5においては、磁界発生期間TGTのときに、駆動信号が供給される駆動電極TL(0)〜TL(7)が、信号線SL(0)〜SL(7)と平行に配置されている。すなわち、駆動電極TL(0)〜TL(7)も、表示パネル2において、列方向に延在し、行方向に平行に配置されている。
走査線GL(0)〜GL(3)は、表示パネル2において、行方向に延在し、列方向に平行に配置されている。この実施の形態5においては、特に制限されないが、表示パネル2の辺2−Lと、辺2−Rのそれぞれに沿ってゲートドライバ5−1、5−2が配置されている。走査線GL(0)〜GL(3)は、辺2−L側において、ゲートドライバ5−1に接続され、辺2−R側において、ゲートドライバ5−2に接続されている。表示パネル2において、表示を行うとき、ゲートドライバ5−1が、例えばハイレベルの走査線信号を、走査線GL(0)へ供給し、次のタイミングでは、ゲートドライバ5−2が、ハイレベルの走査線信号を、次の走査線GL(1)へ供給する。すなわち、走査線GL(0)〜GL(3)には、ゲートドライバ5−1、5−2から交互にハイレベルの走査線信号が供給される。これにより、額縁が大きくなるのを防ぐことが可能である。
図31において、3は信号線セレクタを示している。信号線セレクタ3は、図8等で説明しているので、その説明は省略する。同図において、SCW−DおよびSCW−Uは、タッチ検出のとき、平面視でみたときに重なっている信号線SL(0)〜SL(7)と共通電極TL(0)〜TL(7)を電気的に接続する接続回路を示している。すなわち、タッチ検出のとき、接続回路SCW−Dは、辺2−D側において、駆動電極TL(0)と信号線SL(0)とを接続し、接続回路SCW−Uは、辺2−U側において、駆動電極TL(0)と信号線SL(0)とを接続する。同様に、タッチ検出のときには、接続回路SCW−D、SCW−Uによって、駆動電極TL(1)と信号線SL(1)が接続される。残りの駆動電極と線号線も同様に、タッチ検出のとき、電気的に接続される。これにより、タッチ検出のときには、平面視で見たときに重なっている駆動電極と信号線とが、並列接続されることになり、合成抵抗の低減を図ることが可能となる。
図31において、SU−R、SD−Rは、駆動回路を示し、SU−C、SD−Cは、選択回路を示している。実施の形態1と同様に、駆動回路SU−Rと選択回路SU−Cによって、選択駆動回路(第1駆動回路または第2駆動回路)SSUが構成され、駆動回路SD−Rと選択回路SD−Cによって、選択駆動回路(第2駆動回路または第1駆動回路)SSDが構成される。選択駆動回路SSUは、表示パネル2の辺2−Uに沿って配置され、選択駆動回路SSDは、表示パネル2の辺2−Dに沿って配置されている。
磁界タッチ検出の磁界発生期間TGTのとき、選択駆動回路SSUは、辺2−U側から、選択した一対の駆動電極のうちの一方の駆動電極に駆動信号を供給し、他方の駆動電極に接地電圧Vssを供給する。また、選択駆動回路SSDは、辺2−D側から、上記した一対の駆動電極のうちの他方の駆動電極に接地電圧Vssを供給し、一方の駆動電極に駆動信号を供給する。これにより、磁界発生期間TGTにおいて、選択された一対の駆動電極間に、重畳された強い磁界が発生することになる。
図31において、VCOMは、所定の電圧VCOMDCが供給される電圧配線を示している。また、TPLは、接地電圧Vssが供給される電圧配線を示し、TPHは、所定の電圧(例えば、図15に示した電圧Vp)が供給される電圧配線を示している。選択駆動回路SSU、SSDは、選択した駆動電極に接地電圧Vssを供給するために、電圧配線TPLを選択した駆動電極に接続する。また、選択駆動回路SSU、SSDは、選択した駆動電極に駆動信号を供給するために、電圧配線TPHを選択した駆動電極に接続する。
磁界検出コイルは、例えば、CFガラス基板CGBに形成された検出電極RL(0)〜RL(p)によって構成される。この実施の形態5の場合、検出電極RL(0)〜RL(p)は、表示パネル2において、走査線と同様に、行方向に延在し、列方向に平行に配置されることになる。また、磁界検出期間TDTのとき、磁界検出コイルを形成するように、所定の検出電極間が接続される。また、磁界検出コイルは、走査線GL(0)〜GL(3)によって形成するようにしてもよい。
この実施の形態5において、電界タッチ検出のときには、選択駆動回路SSDが、選択した駆動電極に駆動信号を供給する。これにより、選択した駆動電極において電界が発生する。この場合、例えば、CFガラス基板CGBに形成された検出電極RL(0)〜RL(p)または走査線GL(0)〜GL(3)によって、電界の変化が検出される。
なお、特に制限されないが、ゲートドライバ5−1、5−2は、走査線GL(0)〜GL(3)をフローティング状態にする機能を有しており、例えば、磁界発生期間TGTにおいては、走査線GL(0)〜GL(3)をフローティング状態にする。
<選択駆動回路の構成>
図32は、実施の形態5に係わる選択駆動回路SSU、SSDの構成を示す回路図である。図32は、模式的にではあるが、実際の配置に合わせて描かれている。同図には、図31に示した駆動電極TL(0)〜TL(7)のうち、駆動電極TL(0)〜TL(6)と、この駆動電極TL(0)〜TL(6)に対応する選択駆動回路SSU、SSDの部分が示されている。
図31に示したように、選択駆動回路SSUは、表示パネル2の辺2−Uに沿って配置され、選択駆動回路SSDは、表示パネル2の辺2−Dに沿って配置されている。選択駆動回路SSU内の駆動回路SU−Rは、駆動電極TL(0)〜TL(6)のそれぞれに対応し、辺2−Uに沿って配置された単位駆動回路USU(0)〜USU(6)を備えている。同様に、選択駆動回路SSD内の駆動回路SD−Rは、駆動電極TL(0)〜TL(6)のそれぞれに対応し、辺2−Dに沿って配置された単位駆動回路USD(0)〜USD(6)を備えている。
この実施の形態5においては、電圧配線TPLおよびTPHは、表示パネル2を取り囲むように配置されている。図9に示したモジュールを例にして説明すると、電圧配線TPLおよびTPHは、表示パネル2の辺2−Lとモジュール900の辺900−Lとの間の領域、表示パネル2の辺2−Uとモジュール900の辺900−Uとの間の領域、表示パネル2の辺2−Rとモジュール900の辺900−Rとの間の領域、および表示パネル2の辺2−Dとモジュール900の辺900−Dとの間の領域を通過するように配置されている。すなわち、電圧配線TPLおよびTPHは、モジュール900の上下および左右の額縁に配置されている。一方、電圧配線VCOMは、表示パネル2の辺2−Dとモジュール900−Dとの間の領域に配置されている。
選択駆動回路SSU内の選択回路SU−Cは、この実施の形態5においては、単位駆動回路USU(0)〜USU(6)のそれぞれに対応した単位選択回路UUC(0)〜UUC(6)を備えている。単位選択回路UUC(0)〜UUC(6)のそれぞれは、第10スイッチUSW1と第11スイッチUSW2を備えている。単位選択回路UUC(0)〜UUC(6)のそれぞれにおいて、第10スイッチUSW1は、電圧配線TPHと対応する駆動電極の一方の端部との間に接続され、対応する単位駆動回路からの選択信号によってスイッチ制御され、第11スイッチUSW2は、電圧配線TPLと対応する駆動電極の一方の端部との間に接続され、対応する単位駆動回路からの選択信号によってスイッチ制御される。
すなわち、単位選択回路UUC(0)において、第10スイッチUSW1は、電圧配線TPHと駆動電極TL(0)の一方の端部との間に接続され、単位選択回路USU(0)からの選択信号C10によってスイッチ制御される。また、単位選択回路UUC(0)において、第11スイッチUSW2は、電圧配線TPLと駆動電極TL(0)の一方の端部との間に接続され、単位選択回路USU(0)からの選択信号C20によってスイッチ制御される。単位選択回路UUC(1)において、第10スイッチUSW1、第11スイッチUSW2は、電圧配線TPH、TPLと駆動電極TL(1)の一方の端部との間に接続され、単位選択回路USU(1)からの選択信号C11、C21によってスイッチ制御される。単位選択回路UUC(2)において、第10スイッチUSW1、第11スイッチUSW2は、電圧配線TPH、TPLと駆動電極TL(2)の一方の端部との間に接続される、単位選択回路USU(2)からの選択信号C12、C22によってスイッチ制御される。
同様に、単位選択回路UUC(3)において、第10スイッチUSW1、第11スイッチUSW2は、電圧配線TPH、TPLと駆動電極TL(3)の一方の端との間に接続され、単位選択回路USU(3)からの選択信号C13、C23によってスイッチ制御され、単位選択回路UUC(4)において、第10スイッチUSW1、第11スイッチUSW2は、電圧配線TPH、TPLと駆動電極TL(4)の一方の端部との間に接続され、単位選択回路USU(4)からの選択信号C14、C24によってスイッチ制御される。単位選択回路UUC(5)において、第10スイッチUSW1、第11スイッチUSW2は、電圧配線TPH、TPLと駆動電極TL(5)の一方の端部との間に接続され、単位選択回路USU(5)からの選択信号C15、C25によってスイッチ制御され、単位選択回路UUC(6)において、第10スイッチUSW1、第11スイッチUSW2は、電圧配線TPH、TPLと駆動電極TL(6)の一方の端部との間に接続され、単位選択回路USU(6)からの選択信号C16、C26によってスイッチ制御される。
駆動選択回路SSD内の駆動回路SD−Rも、駆動電極TL(0)〜TL(6)のそれぞれに対応した単位駆動回路USD(0)〜USD(6)を備えている。また、選択回路SD−Cは、駆動電極および単位駆動回路のそれぞれに対応した単位選択回路UDC(0)〜UDC(6)を備えている。単位選択回路UDC(0)〜UDC(6)のそれぞれは、対応する単位選択回路からの制御信号によってスイッチ制御される第12スイッチUSW3、第13スイッチUSW4および第14スイッチUSW5を備えている。ここで、第12スイッチUSW3は、対応する駆動電極の他方の端部と電圧配線VCOMとの間に接続され、第13スイッチUSW4は、対応する駆動電極の他方の端部と電圧配線TPLとの間に接続され、第14スイッチUSW5は、対応する駆動電極の他方の端部と電圧配線TPHとの間に接続されている。
すなわち、単位選択回路UDC(0)においては、第12スイッチUSW3は、駆動電極TL(0)の他方の端部と電圧配線VCOMとの間に接続され、第13スイッチUSW4は、駆動電極TL(0)の他方の端部と電圧配線TPLとの間に接続され、第14スイッチUSW5は、駆動電極TL(0)の他方の端部と電圧配線TPHとの間に接続されている。また、単位選択回路UDC(0)における第12スイッチUSW3は、単位駆動回路USD(0)からの選択信号S30によってスイッチ制御され、第13スイッチUSW4は、単位駆動回路USD(0)からの選択信号S40によってスイッチ制御され、第14スイッチUSW5は、単位駆動回路USD(0)からの選択信号S40によってスイッチ制御される。
また、単位選択回路UDC(1)において、第12スイッチUSW3、第13スイッチUSW4および第14スイッチUSW5は、駆動電極TL(1)の他方の端部と電圧配線VCOM、TPLおよびTPHに接続され、単位駆動回路USD(1)からの選択信号S31、S41によってスイッチ制御され、単位選択回路UDC(2)において、第12スイッチUSW3、第13スイッチUSW4および第14スイッチUSW5は、駆動電極TL(2)の他方の端部と電圧配線VCOM、TPLおよびTPHに接続され、単位駆動回路USD(2)からの選択信号S32、S42によってスイッチ制御される。単位選択回路UDC(3)において、第12スイッチUSW3、第13スイッチUSW4および第14スイッチUSW5は、駆動電極TL(3)の他方の端部と電圧配線VCOM、TPLおよびTPHに接続され、単位駆動回路USD(3)からの選択信号S33、S43によってスイッチ制御される。
同様に、単位選択回路UDC(4)において、第12スイッチUSW3、第13スイッチUSW4および第14スイッチUSW5は、駆動電極TL(4)の他方の端部と電圧配線VCOM、TPLおよびTPHに接続され、単位駆動回路USD(4)からの選択信号S34、S44によってスイッチ制御され、単位選択回路UDC(5)において、第12スイッチUSW3、第13スイッチUSW4および第14スイッチUSW5は、駆動電極TL(5)の他方の端部と電圧配線VCOM、TPLおよびTPHに接続され、単位駆動回路USD(5)からの選択信号S35、S45によってスイッチ制御される。また、単位選択回路UDC(6)において、第12スイッチUSW3、第13スイッチUSW4および第14スイッチUSW5は、駆動電極TL(6)の他方の端部と電圧配線VCOM、TPLおよびTPHに接続され、単位駆動回路USD(6)からの選択信号S36、S46によってスイッチ制御される。
図面が複雑になるのを避けるために、単位選択回路UDC(0)〜UDC(6)のそれぞれにおいて、第13スイッチUSW4と第14スイッチUSW5は、1個の選択信号(例えば、選択信号S40)によってスイッチ制御されるように、示されているが、第13スイッチUSW4と第14スイッチUSW5は、対応する単位駆動回路によって、別々にスイッチ制御される。
この実施の形態5においては、磁界発生期間TGTのとき、図22で説明したのと同様に、選択を示す単位駆動回路に対応する駆動電極に駆動信号または接地電圧Vssが供給される。この場合、駆動信号は、電圧配線TPHにおける所定の電圧に相当し、電圧配線TPHにおける所定の電圧を、駆動電極へ供給することが、駆動信号の供給に相当する。
単位駆動回路USU(0)〜USU(6)のそれぞれは、シフト段を備えており、それぞれのシフト段は、この順番で直列的に接続されている。同様に、単位駆動回路USD(0)〜USD(6)のそれぞれも、シフト段を備えており、それぞれのシフト段は、この順番で直列的に接続されている。例えば、単位駆動回路USU(0)、USU(1)、USD(0)およびUSD(1)に選択を示す選択情報SEIが設定され、図示しないクロック信号に同期して、選択情報SEIは、単位駆動回路USU(6)およびUSD(6)へ向けて順次シフトする。
例えば、単位駆動回路USU(0)、USU(1)、USD(0)およびUSD(1)に選択を示す選択情報SEIが設定されると、磁界発生期間TGTのときに、単位駆動回路USU(0)は選択信号S20によって、単位選択回路UUC(0)内の第11スイッチUSW2をオン状態にし、選択信号S10によって、第10スイッチUSW1をオフ状態にする。このとき、単位駆動回路USU(1)は、選択信号S11によって、単位選択回路UUC(1)内の第10スイッチUSW1をオン状態にし、選択信号S21によって、第11スイッチUSW2をオフ状態にする。
また、このとき、単位駆動回路USD(0)は、選択信号S40によって、第14スイッチUSW5をオン状態にし、第13スイッチUSW4をオフ状態にする。また、単位駆動回路USD(0)は、選択信号S30によって、第12スイッチUSW3をオフ状態にする。さらに、このとき、単位駆動回路USD(1)は、選択信号S41によって、第13スイッチUSW4をオン状態にし、第14スイッチUSW5をオフ状態にする。また、単位駆動回路USD(1)は、選択信号S30によって、第12スイッチUSW3をオフ状態にする。
これにより、駆動電極TL(0)の一方の端部は、単位選択回路UUC(0)内の第11スイッチUSW2を介して、電圧配線TPLに接続され、駆動電極TL(1)の他方の端部は、単位選択回路UDC(1)内の第13スイッチUSW4を介して、電圧配線TPLに接続されることになる。このとき、駆動電極TL(0)の他方の端部は、単位選択回路UDC(0)内の第14スイッチUSW5を介して、電圧配線TPHに接続され、駆動電極TL(1)の一方の端部は、単位選択回路UUC(1)内の第10スイッチUSW1を介して、電圧配線TPHに接続されることになる。その結果、駆動電極TL(0)の一方の端部と駆動電極TL(1)の他方の端部には、接地電圧Vssが供給され、駆動電極TL(0)の他方の端部と駆動電極TL(1)の一方の端部には、駆動信号として、所定の電圧が供給されることになる。
この所定の電圧により、駆動電極TL(0)においては、他方の端部から一方の端部へ向かう方向(図において上側に向かう方向)の電流が流れ、駆動電極TL(1)においては、一方の端部から他方の端部へ向かう方向(図において、下側に向かう方向)の電流が流れることになり、それぞれの駆動電極TL(0)とTL(1)において磁界が発生し、駆動電極TL(0)とTL(1)の間に挟まれた領域で、磁界が重畳されることになる。
なお、このとき、単位駆動回路USU(2)〜USU(6)のそれぞれは、選択信号S12〜S16およびS22〜S26によって、対応する単位選択回路UUC(2)〜UUC(6)のそれぞれにおける第10スイッチUSW1および第11スイッチUSW2をオフ状態にしている。また、このとき、単位駆動回路USD(2)〜USD(6)のそれぞれは、選択信号S32〜S36およびS42〜S46によって、対応する単位選択回路UDC(2)〜UDC(6)のそれぞれにおける第12スイッチUSW4、第13スイッチUSW4および第14スイッチUSW5をオフ状態にしている。その結果、駆動電極TL(2)〜TL(6)のそれぞれは、ハイインピーダンスの状態にされている。
クロック信号が変化して、選択情報SEIが、単位駆動回路USU(1)、USU(2)、UDC(1)およびUDC(2)へ移動すると、単位駆動回路USU(1)は、選択信号S11、S21によって、単位選択回路UUC(1)内の第10スイッチUSW1をオフ状態にし、第11スイッチUSW2をオン状態にする。このとき、単位駆動回路USU(2)は、選択信号S11、S21によって、単位選択回路UUC(2)内の第10スイッチUSW1をオン状態にし、第11スイッチUSW2をオフ状態にする。また、単位選択回路USD(1)は、選択信号S31、S41によって、単位選択回路UDC(1)内の第14スイッチUSW5をオン状態にし、第12スイッチUSW3および第13スイッチUSW4をオフ状態にする。また、単位選択回路USD(2)は、選択信号S32、S42によって、単位選択回路UDC(2)内の第13スイッチUSW4をオン状態にし、第12スイッチUSW3および第14スイッチUSW5をオフ状態にする。
この結果、駆動電極TL(1)においては、その他方の端部からその一方の端部へ向かう電流が流れ、駆動電極TL(2)においては、その一方の端部からその他方の端部へ向かう電流が流れることになる。この電流により、駆動電極TL(1)とTL(2)において磁界が発生し、重畳された磁界が発生することになる。このとき、単位選択回路UUC(0)、UUC(3)〜UUC(6)およびUDC(0)、UDC(3)〜UDC(6)のそれぞれにおける第10スイッチ〜第14スイッチは、オフ状態にされ、駆動電極TL(0)、TL(3)〜TL(6)は、ハイインピーダンスの状態にされる。
以降、クロック信号に同期して、選択情報SEIが、単位駆動回路USU(6)、USD(6)へ向けて移動するのに応じて、順次磁界が発生する。すなわち、駆動電極TL(2)とTL(3)で磁界が発生し、次のタイミングでは、駆動電極TL(3)とTL(4)で磁界が発生し、さらに次のタイミングでは、駆動電極TL(4)とTL(5)で磁界が発生し、次に、駆動電極TL(5)とTL(6)で磁界が発生する。
駆動電極を流れる電流の向きは、上記した向きに限定されるものではない。例えば、駆動電極TL(0)およびTL(1)において、磁界を発生する場合、駆動電極TL(0)において、一方の端部から他方の端部へ向かう方向に電流が流れ、駆動電極TL(1)において、他方の端部から一方の端部へ向かって電流が流れるようにしてもよい。すなわち、隣接して配置された一対の駆動電極間で、電流の方向が正反対になるようにすればよい。
互いに隣接して配置した駆動電極を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、1個あるいは複数の駆動電極が挟まれるように配置された駆動電極によって、磁界が発生するようにしてもよい。例えば、選択を示す選択情報SEIを、単位駆動回路USU(0)、USC(2)、USD(0)およびUSD(2)に設定するようにしてもよい。このようにすることにより、駆動電極TL(1)を挟むように配置された一対の駆動電極TL(0)、TL(2)で磁界が発生する。以降、クロック信号の変化に同期して、選択情報SEIがシフトすることにより、1個の駆動電極を挟むように配置された駆動電極で、順次磁界が発生する。
電界タッチ検出のときには、単位駆動回路USU(0)〜USU(6)のそれぞれは、対応する単位選択回路UUC(0)〜UUC(6)内の第10スイッチUSW1および第11スイッチUSW2を、選択信号S10〜S16、S20〜S26によって、オフ状態にする。一方、単位駆動回路USD(0)〜USD(6)においては、選択情報SEIが、順次、移動する。例えば、単位駆動回路USD(0)に選択情報SEIが設定されると、単位駆動回路USD(0)は、選択信号S30によって、第12スイッチUSW3をオン状態にする。これにより、第12スイッチUSW3を介して、駆動電極TL(0)は、電圧配線VCOMに接続される。この実施の形態5においては、電界タッチ検出の場合、制御回路D−CNT(図8)は、電圧配線VCOMに、周期的に電圧が変化する電界駆動信号を供給する。これにより、電界タッチ検出のとき、駆動電極TL(0)は、電界駆動信号に従って電界を発生することになる。
なお、このとき、単位選択回路UDC(0)における第13スイッチUSW4および第14スイッチUSW5は、オフ状態にされる。また、残りの単位選択回路USD(1)〜USD(6)のそれぞれにおける第12スイッチUSW3、第13スイッチUSW4および第14スイッチUSW5もオフ状態にされる。
選択情報SEIが、単位駆動回路USD(0)からUSD(6)へ向かって移動することにより、駆動電極TL(2)からTL(6)へ向けて、順次、電界が発生することになる。
電界タッチ検出のときに、電圧配線VCOMに、周期的に電圧が変化する電界駆動信号を供給する例を述べたが、これに限定されるものではない。例えば、選択信号S30で、第12スイッチUSW3をオン状態するのではなく、選択信号S40によって、第13スイッチUSW4と第14スイッチUSW5が、相補的にオン/オフ状態となるようにしてもよい。第13スイッチUSW4と第14スイッチUSW5が、相補的にオン/オフ状態となることにより、駆動電極TL(0)は、電圧配線TPHとTPLに交互に接続されるようになる。その結果、駆動電極TL(0)には、時間的に変化する電圧が供給されることになり、時間に伴って変化する電界を発生することが可能となる。
磁界タッチ検出のとき、磁界検出コイルは、実施の形態4で述べたのと同様に、検出電極RL(0)〜RL(p)または走査線GL(0)〜GL(p)によって形成することができる。また、電界タッチ検出のときには、例えば走査線を、電荷量の変化を検出する検出電極として用いることができる。
<変形例>
図33は、実施の形態5の変形例に係わる選択駆動回路SSU、SSDの構成を示す回路図である。図33は、模式的にではあるが、実際の配置に合わせて描かれている。図33は、図32に類似しているので、ここでは、主に相違点を説明する。
図32に示した構成では、電圧配線TPL、TPHのそれぞれが、表示パネル2を取り囲むように、配置されていた。これに対して、図33に示す変形例においては、表示パネル2の辺2−Lとモジュール900(図9)の辺900−Lとの間の領域に、電圧配線TPLが配置され、表示パネル2の辺2−Rとモジュール900の辺900−Rとの間の領域に、電圧配線TPHが配置されている。言い換えるならば、表示パネル2の辺2−Lとモジュール900(図9)の辺900−Lとの間の領域には、電圧配線TPHが配置されず、表示パネル2の辺2−Rとモジュール900(図9)の辺900−Rとの間の領域には、電圧配線TPLが配置されていない。すなわち、左右の額縁には、電圧配線TPHおよびTPLのいずれか一方のみが配置されている。
この変形例においても、表示パネル2の辺2−Uとモジュール900の辺900−Uとの間の領域には、電圧配線TPL、TPHが配置され、表示パネル2の辺2−Dとモジュール900の辺900−Dとの間の領域にも、電圧配線TPL、TPHが配置されている。また、辺2−Uと辺900−Uとの間の領域に配置された電圧配線TPLは、辺2−Lと辺900−Lとの間の領域に配置された電圧配線TPLによって、辺2−Dと辺900−Dとの間の領域に配置された電圧配線TPLに接続されている。さらに、辺2−Uと辺900−Uとの間の領域に配置された電圧配線TPHは、辺2−Rと辺900−Rとの間の領域に配置された電圧配線TPRによって、辺2−Dと辺900−Dとの間の領域に配置された電圧配線TPRに接続されている。
これにより、額縁が大きくなるのを抑制しながら、表示パネル2の辺2−Uに沿って配置された選択駆動回路SSUと、表示パネル2の辺2−Dに沿って配置された選択駆動回路SSDに、接地電圧Vssと所定の電圧を供給することが可能となる。
(実施の形態6)
図34は、実施の形態6に係わる表示装置1の構成を示す模式的な平面図である。模式的ではあるが、図34も実際の配置に合わせて描かれている。この実施の形態6に係わる表示装置1においても、実施の形態5と同様に、信号線SL(0)〜SL(p)と平行して配置された駆動電極を用いて、磁界発生期間TGTのとき、磁界を発生する場合を説明する。
図34には、図31と同様に、表示パネル2に係わる部分が示されている。図34は、図31と類似しているので、ここでは、主に相違点を説明する。図31においては、駆動回路SU−Rと選択回路SU−Cを備えた選択駆動回路SSUによって、磁界発生期間TGTのとき、一対の駆動電極に、駆動信号となる所定の電圧と接地電圧Vssを供給することにより、磁界を発生するようにしていた。そのため、電圧配線TPLおよびTPHが、表示パネル2の辺2−Uに沿って配置され、選択回路SU−Cに、接地電圧Vssと所定の電圧を供給していた。
この実施の形態6においても、表示パネル2の辺2−Uに沿って選択駆動回路SSU−Sが配置されている。この実施の形態6に係わる選択駆動回路SSU−Sは、駆動回路SU−Rと選択接続回路SU−Sを備えている。選択接続回路SU−Sは、実施の形態5で説明した選択回路SU−Cと異なり、磁界発生期間TGTにおいて、信号線SL(0)〜SL(p)と平行して配置された信号配線間を接続して、磁界発生コイルを形成する。ここで、信号線SL(0)〜SL(p)と平行して配置された信号配線としては、駆動電極と表示パネル2の辺2−L、2−Rに沿って配置された電圧配線が相当する。
表示パネル2の辺2−Lとモジュール900の辺900−Lとの間に配置された電圧配線TPHと、表示パネル2の辺2−Rとモジュール900の辺900−Rとの間に配置された電圧配線TPLとに注目した場合、実施の形態5では、選択回路SU−Cに所定の電圧と接地電圧Vssを供給するのに用いられていた。これに対して、この実施の形態6では、特に制限されないが、表示パネル2の辺2−Lと辺2−Rに沿って配置された電圧配線TPL、TPHは、磁界発生コイルの巻線としても用いられる。
<選択接続回路の構成>
図35は、実施の形態6に係わる選択駆動回路SSU−Sの構成を示す回路図である。図35は、模式的にではあるが、実際の配置に合わせて描かれている。図35において、選択駆動回路SSDおよび駆動電極TL(0)〜TL(6)は、図32と同じであるため、説明は省略する。
駆動回路SU−Rは、図32と同様に、複数の単位駆動回路USU(0)〜USU(6)を備えている。単位駆動回路USU(0)〜USU(6)のそれぞれは、シフト段を備えている。単位駆動回路USU(0)〜USU(6)のそれぞれのシフト段は、直列的に接続され、単位駆動回路USU(0)に設定された選択情報SEIは、図示しないクロック信号に同期して、単位駆動回路USU(6)へ向かって移動する。単位駆動回路USU(0)〜USU(6)のそれぞれは、選択を示す選択情報SEIが設定されることにより、選択を示す選択信号S50〜S56を出力する。例えば、単位駆動回路USU(3)は、選択を示す選択情報SEIが、前段の単位駆動回路USU(2)から移動して、供給されると、選択を示す選択を示す選択信号S53を出力する。
選択接続回路SU−Sは、単位駆動回路USU(0)〜USU(6)のそれぞれに対応した第15スイッチUSW6(0)〜USW6(6)を備えている。第15スイッチUSW6(0)〜USW(6)は、間に1つの駆動電極を挟むように、駆動電極TL(0)〜TL(6)と、表示パネル2の辺2−Lに沿って配置された電圧配線TL(TPH)と、表示パネル2の辺2−Rに沿って配置された電圧配線TL(TPL)との間に接続されている。図35において、電圧配線TL(TPH)は、電圧配線TPHにおいて、表示パネル2の辺2−Lに沿って配置された領域を示しており、電圧配線TL(TPL)は、電圧配線TPLにおいて、表示パネル2の辺2−に沿って配置された領域を示している。電圧配線TL(TPH)およびTL(TPL)は、表示パネル2の辺2−Lおよび辺2−Rに沿っているため、駆動電極TL(0)〜TL(6)と平行していることになる。
第15スイッチUSW6(0)は、電圧配線TL(TPH)と駆動電極TL(1)の一方の端部との間に接続され、単位駆動回路USU(0)からの選択信号S50によって、スイッチ制御され、第15スイッチUSW6(1)は、駆動電極TL(0)と駆動電極TL(2)のそれぞれの一方の端部間に接続され、単位駆動回路USU(1)からの選択信号S51によって、スイッチ制御され、第15スイッチUSW6(2)は、駆動電極TL(1)と駆動電極TL(3)のそれぞれの一方の端部間に接続され、単位駆動回路USU(2)からの選択信号S52によって、スイッチ制御される。また、第15スイッチUSW6(3)は、駆動電極TL(2)と駆動電極TL(4)のそれぞれの一方の端部間に接続され、単位駆動回路USU(3)からの選択信号S53によって、スイッチ制御され、第15スイッチUSW6(4)は、駆動電極TL(3)と駆動電極TL(5)のそれぞれの一方の端部間に接続され、単位駆動回路USU(4)からの選択信号S54によって、スイッチ制御される。
同様に、第15スイッチUSW6(5)は、駆動電極TL(4)と駆動電極TL(6)のそれぞれの一方の端部間に接続され、単位駆動回路USU(5)からの選択信号S55によって、スイッチ制御され、第15スイッチUSW6(6)は、駆動電極TL(5)の一方の端部と電圧配線TL(TPL)との間に接続され、単位駆動回路USU(6)からの選択信号S56によって、スイッチ制御される。
この実施の形態6においては、磁界発生期間TGTにおいて、単位駆動回路USU(0)が、選択を示す選択信号S50を出力するとき、単位駆動回路USD(1)が、単位選択回路UDC(1)内の第13スイッチUSW4をオン状態にし、第14スイッチUSW5をオフ状態にするような選択信号S41を出力する。選択信号S50によって、第15スイッチUSW6(0)がオン状態にされているため、互いに平行に配置された電圧配線TL(TPH)と、駆動電極TL(1)が、直列的に接続されることになる。その結果、電圧配線TL(TPH)と駆動電極TL(1)を、巻線とした磁界発生コイルが形成されることになる。直列的に接続された電圧配線TL(TPH)と駆動電極TL(1)とを電流が流れることにより電圧配線TL(TPH)と駆動電極TL(1)のそれぞれで磁界が発生する。電圧配線TL(TPH)と駆動電極TL(1)との間に挟まれた駆動電極TL(0)の領域において、発生した磁界が重畳され、強い磁界が発生することになる。
次に、選択を示す選択情報SEIが、単位駆動回路USU(1)へ移動すると、選択信号S51によって、第15スイッチUSW6(1)がオン状態となる。このとき、単位駆動回路USD(0)は、単位選択回路UDC(0)内の第14スイッチUSW5をオン状態にし、第13スイッチUSW4をオフ状態にするような選択信号S40を出力する。また、単位選択回路UDC(2)は、単位選択回路UDC(2)内の第13スイッチUSW4をオン状態にし、第14スイッチUSW5をオフ状態にするような選択信号S42を出力する。第15スイッチUSW6(1)がオン状態となるため、互いに平行に配置された駆動電極TL(0)とTL(2)が直列的に接続され、これらの駆動電極を巻線とした磁界発生コイルが形成されることになる。また、直列的に接続された駆動電極TL(0)、TL(2)を電流が流れるため、磁界が発生し、発生した磁界は、駆動電極TL(1)の領域おいて重畳されることになる。
以降、同様にして、順次、第15スイッチがオン状態にされ、2個の駆動電極間が直列的に接続され、直列接続された駆動電極を電流が流れることにより、強い磁界が発生する。また、単位駆動回路USU(6)からの選択信号S56によって、第15スイッチUSW6(6)がオン状態にされたときには、駆動電極TL(5)と電圧配線TL(TPL)を巻線とした磁界発生コイルが形成されることになる。この場合には、駆動電極TL(6)の領域において、強い磁界が発生することになる。
図35では、間に1個の駆動電極を挟む場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、2個以上の駆動電極を間に挟むようにしてもよいし、間に駆動電極を挟まないようにしてもよい。例えば、2個の駆動電極を間に挟む場合には、第15スイッチUSW6(0)は、電圧配線TL(TPH)と駆動電極TL(2)との間に接続され、第15スイッチUSW6(1)は、駆動電極TL(0)と駆動電極TL(3)との間に接続されることになる。一方、間に電極を挟まない場合には、第15スイッチUSW6(0)は、電圧配線TL(TPH)と駆動電極TL(0)との間に接続され、第15スイッチUSW6(1)は、駆動電極TL(0)と駆動電極TL(1)との間に接続されることになる。
磁界検出コイルおよび電界検出電極は、実施の形態5と同様にすればよい。また、電界タッチ検出も、実施の形態5と同様に実現することが可能である。
この実施の形態6においては、表示パネル2の辺に沿って、表示パネル2の外部に配置された電圧配線TL(TPH)、TL(TPL)も、磁界発生コイルの巻線として用いている。そのため、表示パネル2の辺2−L、辺2−Rに近接した部分においても、ペンのタッチを検出することが可能である。勿論、一方の電圧配線のみを、磁界発生コイルの巻線として利用するようにしてもよいし、電圧配線TL(TPH)およびTL(TPL)を、磁界発生コイルの巻線として用いなくてもよい。また、図35では、1回巻線の磁界発生コイルを例にして説明したが、磁界発生コイルは1.5回以上の巻線であってもよい。
本明細書において、磁界発生期間TGTのときに磁界を発生する駆動配線、例えば駆動電極、信号線または走査線等は、一対の端部を有している。この一対の端部のうちの他方の端部(または一方の端部)は、一方の端部(または他方の端部)に対して、駆動配線の延在方向に存在する。磁界を発生するとき、一方の端部(または他方の端部)に、駆動信号が供給され、他方の端部(または一方の端部)に基準信号である接地電圧Vssが供給される。一方の端部および他方の端部を、駆動配線の第1領域および第2領域と見なした場合、磁界発生期間TGTにおいては、駆動配線の第1領域(または第2領域)に、駆動信号が供給され、第2領域(または第1領域)に、基準信号が供給されると見なすことができる。
実施の形態1の図8を例にすると、磁界発生期間TGTのときに、磁界を発生する駆動配線は、行方向に延在する駆動電極TL(0)〜TL(p)であり、第1領域(第2領域)は、第2領域(第1領域)に対して行方向に延在した方向に存在することになる。また、複数の駆動電極TL(0)〜TL(p)を、複数の駆動配線と見なした場合、磁界発生期間TGTにおいて、単位駆動回路からの選択信号により選択される一対の駆動電極のうちの一方の駆動電極を、第1の駆動配線と見なし、他方の駆動電極を、第2の駆動配線と見なすことができる。この場合、第1の駆動配線と第2の駆動配線のそれぞれの一方の端部(例えば、第1領域)は、表示パネル2の同じ辺(例えば、辺2−L)側に配置され、それぞれの他方の端部(第2領域)は、表示パネル2の2の同じ辺(辺2−R)側に配置されることになる。そのため、第1の駆動配線と第2の駆動配線のそれぞれの第1領域(一方の端部)は、互いに近接し、第1の駆動配線と第2の駆動配線のそれぞれの第2領域(他方の端部)は、互いに近接することになる。
また、磁界発生期間TGTにおいて、選択される一対の駆動配線間に、1個以上の駆動配線(図8では、駆動電極)が挟まれる場合、この挟まれた駆動配線は、第3の駆動配線と見なすことができる。さらに、図8を例にして、駆動電極TL(0)〜TL(p)を駆動配線と見なした場合、駆動電極TL(0)〜TL(p)と交差するように、列方向に延在する信号線SL(0)〜SL(p)は、検出配線と見なすことができる。勿論、検出配線は、信号線SL(0)〜SL(p)に限定されず、走査線GL(0)〜GL(p)あるいは検出電極RL(0)〜RL(p)であってもよい。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
例えば、実施の形態においては、共通電極TL(0)〜TL(p)および信号線SL(0)〜SL(p)は、列方向に延在し、行方向に配置されている場合を説明したが、行方向および列方向は、見る視点により変化する。見る視点を変えて、共通電極TL(0)〜TL(p)および信号線SL(0)〜SL(p)が、行方向に延在し、列方向に配置されている場合も本発明の範囲に含まれるものである。また、本明細書で用いている「平行」とは、互いに一端から他端に亘るまで交わることなく延在することを意味する。そのため、一方の線の一部又は全部が他方の線に対して傾いた状態で設けられていたとしても、これらの線が一端から他端まで交わるものでなければ、本明細書においては、この状態も「平行」であるとする。また、図18では、電界タッチ検出のときに、電界を発生する駆動電極を除いた駆動電極を、電圧配線VCOMに接続する例を示したが、これに限定されず、電界を発生する駆動電極を除いた駆動電極は、フローティング状態となるようにしてもよい。