JP2017076190A - 還流式紙幣収納装置、及び紙幣取扱装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1の紙幣還流装置は、紙幣を積載するバックアッププレートと、バックアッププレート上を上下動してバックアッププレート上に移載した紙幣を押さえる二本の押し込み部材と、各押し込み部材上に進入してきた紙幣(入金紙幣)をバックアッププレート側へ移載する紙幣収納ガイド部材と、バックアッププレート上の既堆積紙幣束の最上紙幣と接して回転することによりこれを出金方向へ取り出す繰出しローラとの協働によって、紙幣を入金させたり出金させるようにした紙幣還流装置において、押し込み部材の入金方向後端部の位置を繰出しローラの回転軸を越えて出金方向へ延在させた構成とすることにより、バックアッププレート上の紙幣束後端部の浮き上がりを防止することを可能としている。
繰出しローラは、2つの押し込み部材間の開口を介してバックアッププレート上の積載紙幣と接してこれを出金方向へ繰出す手段であり、出金時には各押し込み部材は繰出しローラの回転軸を越えて上方に退避する必要がある。このため、特許文献1では繰出しローラの回転軸両端部を天板等に設けた支持部材によって両持ち状態で支持することにより、繰出しローラ軸と押し込み部材の後部との干渉を回避している。
紙幣還流装置200は、紙幣収納部201と、紙幣収納部と搬送経路との間で紙幣を双方向へ移動させる正逆転可能な給紙ローラ群250と、給紙ローラ群を駆動するモータ、ギヤ群等の図示しない駆動機構と、図示しない制御手段と、を備える。
紙幣収納部201は、上面に入金紙幣Pを積載し、且つ上下動可能なバックアッププレート202と、バックアッププレート202上に入金されてきた入金紙幣P1を押し込むために上下動可能であり、且つ紙幣通過用の開口を有した押し込み部材210と、バックアッププレート202の上方に位置し押し込み部材210の上下動に際して紙幣通過用の開口内を相対的に進退すると共に紙幣の搬送をガイドする紙幣収納ガイド部材220と、バックアッププレートを上昇方向へ付勢する弾性部材225と、を備える。
給紙ローラ群250は、バックアッププレート202上の紙幣上面に接して出金方向へ回転することにより最上部の紙幣を出金する繰出しローラ251と、分離ローラ対(フリクションローラ252a、ストップローラ252b)等を備える。
下側のストップローラ252bの回転軸には弾性材料(ゴム)から成る薄板状の羽根253aを中心部から放射状に突出させたスイーパ253が固定されている。スイーパの羽根は、フリクションローラ252a、及びストップローラ252bと干渉しない軸方向両端部等に配置されており、羽根先端部によって紙幣収納部内の紙幣後端部の浮き上がりを押さえ込むように構成されている。
図6に示した入金待機ポジションから図示しない出金時ポジションに移行させる場合には、押し込み部材210を入金待機ポジションよりも更に上昇位置に移動させることによりバックアッププレート上の紙幣束Pの最上面を繰出しローラ251と接触させる。この状態で繰出しローラ251及びフリクションローラ252aを繰出し方向へ回転させることにより最上部の紙幣が紙幣収納部201から外部に繰り出される。
特に、スイーパは分離ローラ252bと一体回転するため、分離ローラの回転速度が速い場合にはスイーパの回転速度も速くなり、引込み力(摩擦力)が増大して収納不良が発生するリスクが増大する。
給紙ローラ群250の直近に紙幣取扱装置の入金口が配置されている場合には上記の如き不正が実施されやすくなる。
このような不正を防止する為に入出金口へシャッタを設置する等した場合は、機構部品の増大により構造の複雑化やコストアップ、さらに軽量化を求められるカセットが重量化する嫌いがある。
即ち、押込み部材の後端部は押込み部材上の積載紙幣の後端縁と紙幣収納部内壁との隙間S1を埋めていないため、スイーパによって後方へ引き出された最上部紙幣の後端部がこの隙間から下方に落ち込むことを防止できなかった。
また、特許文献1では、紙幣収納部の上部に位置する支持部材によって支持された軸受金具によって繰出しローラの回転軸の両端部を回転自在に軸支しているが、部品点数が増大するだけでなく、既存の装置構成を大きく改造する必要があるため、この点の改良が求められていた。
そのため、押込み部材上の最上部の入金紙幣がスイーパによって後方へ引き出されてその後端部が下方の入金紙幣後端と紙幣収納庫内壁との間の隙間S1に落ち込むという収納不良(繰出し不良をもたらす)が発生し易かった。
また、前記隙間S2が存在するため、紙幣搬出入部から差し込んだ不正具をバックアッププレート上の積載紙幣にアプローチさせることが可能となり、不正に紙幣を抜き取る行為が可能であった。
<基本的構成、及び特徴的構成>
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係わる還流式紙幣収納装置の要部の構成を示す斜視図、及び平面図であり、図2(a)及び(b)は還流式紙幣収納装置の入金待機ポジションと出金ポジションを示す正面図であり、図3は懸架構造を示す部分断面図である。また、図4は入金紙幣の後部が隙間に引き込まれることが防止されている状態を示す略図であり、図5は不正行為を阻止する原理の説明図である。
なお、本明細書において入金方向前方とは図1(b)、図2(a)(b)における左方向であり、入金方向後方とは同図における右方向である。
還流式紙幣収納装置1は、紙幣取扱装置に設けた図示しない紙幣入金部から投入された紙幣を収納方向と出金方向の双方向へ搬送可能な搬送経路と連通し、該搬送経路を搬送されてきた紙幣を収納(入金)したり該搬送経路へ繰出す手段である。本装置において、紙幣は、長手方向一端縁を先頭として長手方向に沿って搬送される。
還流式紙幣収納装置1は、搬送されてきた紙幣を上下方向へ積層した状態で収納する紙幣収納部2と、紙幣収納部と搬送経路との間で紙幣を出金方向、及び入金方向へ双方向移動させる給紙ローラ群50と、スイーパ55と、紙幣収納部2を内部に有した紙幣収納庫70と、給紙ローラ群50、その他の可動部を駆動するモータ、ギヤ群等の図示しない駆動機構と、駆動機構を制御する制御手段と、を備える。
還流式紙幣収納装置1をカセット形式として紙幣取扱装置に対して着脱自在に構成する場合には、駆動機構の一部、或いは全部は紙幣取扱装置側に配備される。
更に、2つの押込み部材10の遊端状の後部(後端部)10aの少なくとも一部は、押し込み部材上の入金紙幣P1の後端部と紙幣収納庫内壁74との間の隙間S(S1)内に突出(位置)している。
なお、ここで隙間Sとは、押し込み部材上の入金紙幣P1の後端部と紙幣収納庫内壁74との間の隙間(図6の隙間S1)を指す場合と、バックアッププレート後端部(バックアッププレート上の積載紙幣Pの後端部)と紙幣収納庫内壁74との間の隙間(図7の隙間S2)を指す場合がある。つまり、本発明では押し込み部材の後部は、図6の隙間S1と図7の隙間S2との境界線に沿って突出している。
本例では、揺動軸20Aは、繰出しローラ51のブラケット60の側面から突出した状態で固定されており、この揺動軸20Aによって紙幣収納ガイド部材20は上下方向へ揺動自在に軸支されている。
紙幣収納庫内に位置する紙幣収納部2には、上面に入金紙幣を積載し、且つ上下動可能なバックアッププレート3と、バックアッププレートを上方に付勢する弾性部材4と、バックアッププレート上において一体的に上下動可能であり、且つ紙幣通過用の開口11を介して並行に対向配置された一対の押し込み部材10と、バックアッププレート3の上方に位置し各押し込み部材10の上下動に際して紙幣通過用の開口11内を相対的に進退すると共に下面にて紙幣の上面に接してその搬送をガイドする紙幣収納ガイド部材20が配置されている。
各押し込み部材10は、入金待機ポジションでは入金されてくる入金紙幣をその上面に保持する一方で、バックアッププレート上に相対的に下降した時には積載紙幣上面に圧接してこれを押さえる手段である。
各押し込み部材10は、モータ、プーリ、ベルト等からなる昇降機構により一体的に昇降駆動される。
給紙ローラ群50の上流側には、紙幣収納部2から紙幣を出金する際に出金を完了したか否かを検知する通紙センサ30が配置されており、通紙センサ30からの検知信号に基づいて制御手段が所定のタイミングで給紙ローラ群50、バックアッププレート3、押し込み部材10等を駆動する。
なお、本例では、押し込み部材後部10aから更に小幅部分10a’を突出し、この小幅部分をスリット74a内に差し込んで上下方向にガイドされるようにしているが、小幅部分は必須ではなく後部10aを紙幣収納庫内壁を越えて後方へ突出させて昇降自在に構成されていればよい。
なお、押し込み部材の後部10aは必ずしも紙幣収納庫内壁74に設けたスリット74a内に嵌合させる程度に延長することが望ましいが、内壁74の面と接触状態(摺接状態)、或いは非接触状態で近接することにより、隙間Sの上部に突出(オーバーハング)するように構成してもよい。要するに後部10aは、入金紙幣後端縁の隙間内への進入と、不正行為時における紙幣の隙間を経由した抜取りを阻止できる程度に突出していればよい。
フリクションローラ(上側搬送ローラ)53とストップローラ(重送防止ローラ)54は夫々の回転軸を、例えば図示しない側板、或いは天板等に設けた軸受部により軸支され、図示しないモータからの駆動力によって回転駆動される。
スイーパ55は、図2(a)に示した入金待機時に反時計回り方向へ回転する過程で個々の弾性羽根57を順次紙幣収納部2内に突出させることにより、押し込み部材上に収納された紙幣の後端部を下向きに叩いて整形し、押し込み部材上の折れ癖、膨らみ癖等を有した紙幣の後端部を押さえ込む。押し込み部材上の入金紙幣の後端部が浮き上がっている場合には、後続の入金紙幣と衝突して進入を妨げたり、ジャムを起こす虞があるため、スイーパの弾性羽根によって既入金紙幣の後端部を押さえ込むことによって、分離ローラ対52によって後続紙幣を紙幣押え部材上の収容空間内にスムーズに進入させることが可能となる。
繰出しローラ51は、図示しないモータからの駆動力をブラケット60等によって支持された図示しないプーリやタイミングベルト等を介して伝達することにより回転駆動される。
このように紙幣収納ガイド20の揺動軸20Aと、ブラケット60の揺動軸60Aを、上側のフリクションローラ53の回転軸53aと共用してもよい。ここで「共用」とは、各揺動軸20A、60Aの軸芯が上側のフリクションローラ53の回転軸53aの軸芯と一致していることを意味する。
本例では、紙幣収納ガイド20の揺動軸20Aをブラケット60の側面によって支持することにより紙幣収納ガイドをブラケットに対して揺動自在に支持した構成例を示したが、これは一例であり、各揺動軸を押し込み部材10の延長された後部10aと干渉しない位置に設けた構成であれば上側のフリクションローラ53の回転軸53aを揺動軸として共用させなくてもよい。例えば、本装置の図示しない天板、側板、その他の部材によって各揺動軸を支持するようにしてもよい。
なお、繰出しローラ51の回転軸51aを紙幣収納ガイド20によって軸支したり、特許文献1に示したように天板等に設けた軸受金具等によって支持することによって回転軸51aと押し込み部材後部とが干渉しないように構成した場合には、紙幣収納ガイド部材20の揺動軸20Aのみを押し込み部材後部10aの昇降経路外へ退避させた構成とすればよい。
制御手段は、図示しない昇降機構を駆動することにより、押し込み部材10を最下降位置に保持した図示しない収納ポジションと、該収納ポジションよりも上方の入金待機ポジション(図2(a))と、入金待機ポジションよりも上方の出金ポジション(図2(b))と、出金ポジションよりも更に上方の図示しない最上点ポジションとの間で昇降させ、且つ各ポジションにて停止させることにより、紙幣の入金(収納)、及び収納されていた紙幣の出金を夫々行う。
図2(a)に示した入金待機ポジションでは、一対の押し込み部材10が下降してバックアッププレート3上の紙幣束Pの最上面に接してこれを押し下げることにより、押し込み部材上に入金紙幣P1の収容空間を形成する。この状態でフリクションローラ53を矢印で示した入金方向へ回転させることにより収容空間内に入金紙幣P1を順次収容する。続いて押し込み部材10を上昇させることにより、バックアッププレート3が弾性部材4の付勢力によって上昇し、入金紙幣の中央部上面が紙幣収納ガイド部材20により押さえられた状態となり、入金紙幣P1は押し込み部材に設けた紙幣通過用の開口11内を相対的に通過してバックアッププレート上に積載した紙幣束P上に移載される。各押し込み部材10が、再び下降することにより入金紙幣の両端部上面を既積載紙幣P上に押さえ込む。
図2(b)に示した出金ポジションでは、押し込み部材10を繰出しローラ51の最下部(積載紙幣上面との接触位置)より上方に位置させた時に、バックアッププレート上の紙幣束Pの最上面の紙幣が適切な圧力で繰出しローラ51と接するように弾性部材4の付勢力が設定されている。更に、バックアッププレート3上の積載紙幣枚数が減少するのに応じて弾性部材によってバックアッププレートが押し上げられ分離圧力を調整する。この状態で繰出しローラ51及びフリクションローラ53を矢印で示した繰出し方向へ回転させることにより最上部の紙幣が紙幣収納部2から外部に繰り出される。この際、重送防止手段としてのストップローラ54は回転を停止するか、或いは矢印で示した戻し方向へ回転することにより、重送されてきた紙幣のうちの下側紙幣を紙幣収納部2側に戻す。
本発明では、押し込み部材10の後部(後端部)10aが、押し込み部材上の入金紙幣の後端部(或いは、バックアッププレート上の積載紙幣の後端部、又はバックアッププレート後端部)を越えて紙幣収納庫の内壁74に向けて突出することにより入金紙幣P1の後端部と紙幣収納庫内壁との間の隙間S1の下部、及びバックアッププレート上の積載紙幣P1と紙幣収納庫内壁との間の隙間S2の上部を夫々塞いでいる。しかも押し込み部材の後部10aの昇降経路(特に上昇経路)内に干渉する部材が存在しないように構成した。このため、押し込み部材の後部は入金紙幣束の後端部を越える長さを有している。
本発明では、一対の押し込み部材の後部(後端部)を繰出しローラの回転軸を越えて夫々長尺化すると共に、繰出しローラを支持するブラケット60の揺動軸60Aと、紙幣収納ガイド部材20の揺動軸20Aが各押し込み部材の昇降経路に干渉しない構成としたため、繰出しローラ(回転軸)、及びバックアッププレートの後端部を越えて2つの押し込み部材の後部を出金方向(入金方向後方)へ延長形成することが可能となる。
押し込み部材10上の入金紙幣P1の後部と紙幣収納庫内壁74との間の隙間S1の下部が押し込み部材後部10aによって塞がれているため、図4に示すように、スイーパによって最上部の入金紙幣P1が後方へ位置ずれしたとしてもその後端部が隙間S1内に入り込んで積載不良をもたらす虞がなくなる。特に、入金紙幣後端部は押し込み部材後端部を越えて下方へずれ込むことができないので積載不良状態を最小限に留めることが可能となる。
なお、紙幣搬出入部から隙間S2を経由して不正具を差し込んでバックアッププレート上の積載紙幣を抜き取る不正行為を完全に防止するためには、押し込み部材の後部により隙間S2を部分的に塞ぐだけではなく、各種動作を終了した時点で各構成要素を図2(a)に示した入金待機ポジションに移行させて、非動作時には入金待機ポジションを保持しておくことが望ましい。即ち、押し込み部材が紙幣の入出金経路(紙幣搬出入部72)の高さ位置を越えて上方に位置している時には、押し込み部材後部による不正防止効果を発揮することができないからである。
これによって、シャッタ等の不正防止機構が必要なく、部品の増大やコストアップ、重量化されることなく、簡易に不正が防止できる。
第1の本発明に係る還流式紙幣収納装置は、紙幣搬出入部72を備えた紙幣収納庫70と、紙幣搬出入部から紙幣収納庫内に長手方向に沿って搬送されてきた紙幣を上下方向へ積載(積層)すると共に、上向きに弾性付勢された昇降自在なバックアッププレート3と、バックアッププレート上に昇降して該バックアッププレート上の積載紙幣Pの幅方向両端部側の上面を夫々押さえる一対の押し込み部材10と、該一対の押し込み部材間の開口11内を相対的に昇降し、該開口内を相対的に下降する時に該一対の押し込み部材上の紙幣をバックアッププレート3上に移載する紙幣収納ガイド部材20と、バックアッププレートの上方に配置され、開口11を介して積載紙幣上面と接して出金方向へ回転することにより該紙幣を紙幣搬出入部72へ移行させる繰出しローラ51と、を備える。
更に、繰出しローラの回転軸51aは、2つの押し込み部材の昇降経路に干渉しない構成を備えており、2つの押込み部材の遊端状の後部10aの少なくとも一部は、押し込み部材上の紙幣P1の後端部(バックアッププレート上の紙幣の後端部)と紙幣収納庫内壁(収納庫側壁)74との間の隙間S1内(隙間S1の下部)に突出(位置)していることを特徴とする。
還流式紙幣収納装置がカセットタイプである場合には紙幣取扱装置に対して着脱自在な構成となる。その場合には管理者等が還流式紙幣収納装置を紙幣取扱装置から取り外して運搬したり、保管することになるが、紙幣搬出入部の直近の内部に紙幣が収容されているため、不正具を用いた紙幣の抜取りが容易となる。
本発明によれば、押し込み部材によって隙間Sを塞ぐ構成としたため、管理者による不正行為をも確実に防止することが可能となる(図5)。
押し込み部材の後部(後端部)10aは、押し込み部材上の入金紙幣の後端部を越えて隙間S(S1、S2)内に突出することにより、入金紙幣の後端部が隙間内に入り込んだり、バックアッププレート上の紙幣を不正に隙間を経由して抜き取る行為を防止できるが、その突出長としては種々のパターンが想定できる。押し込み部材の後部(後端部)10aを紙幣収納庫内壁を越えて後方へ突出させれば上記の不具合を確実に防止できる(図4)。
押し込み部材の後部10aを紙幣収納庫内壁を越えて後方へ突出させる手法の一つとしては、紙幣収納庫内壁に後部10aを嵌合させて上下方向への移動をガイドするスリットを設けることができる。
繰出しローラ51の回転軸51aを紙幣収納庫の両側壁によって軸支する、或いは片持ち支持する構造を採用すると、回転軸51aが軸方向に突出して押し込み部材の昇降経路に干渉するため、ブラケット60によって繰出しローラの短尺な回転軸の両端部を軸支しつつ、ブラケットの入金方向後端部を揺動軸60Aによって軸支する。更に、この揺動軸60Aが押し込み部材の後部10aと干渉する虞がある場合には、ブラケットの揺動軸を2つの押込み部材が上昇した時に該各押込み部材の後端部と干渉しない位置に配置する。
従来の紙幣収納ガイド部材20の揺動軸20Aは繰出しローラの揺動軸(60A)とは異なった位置に配置されており、揺動軸20Aと押し込み部材後部10aとの干渉を防止するためには押し込み部材の後部を短くする必要があった。しかし、従来は押し込み部材の後部が隙間Sに達しない程度に短いために上記の不具合が発生していた。そこで本発明では、紙幣収納ガイド部材の揺動軸20Aを押し込み部材の後部の昇降経路外に配置した。
即ち、押し込み部材は、最下位置から最上位置までの広い範囲を昇降移動するために、押し込み部材の上昇時に延長した後端部が紙幣収納ガイド部材20の揺動軸20Aと干渉する虞がある。
繰出しローラの揺動軸60Aを押し込み部材後部10aの昇降経路から退避させただけでは紙幣収納ガイド部材の揺動軸20Aが後部10aと干渉する問題が残る場合には、繰出しローラの揺動軸60Aをも後部10aの昇降経路から退避させる。
揺動軸20Aを退避させる位置は、押し込み部材後部の昇降経路よりも入金方向後方であればどのような位置であっても良い。
繰出しローラ51の回転軸、或いは揺動軸が押し込み部材後部の昇降経路から更に後方へ退避した位置にある場合には、紙幣収納ガイド部材の揺動軸対策のみをとればよい。即ち、本発明のように紙幣収納ガイド部材の揺動軸を押し込み部材後部の昇降経路から退避させた構成とすればよい。
押し込み部材の後部10aの昇降経路、特に上昇した位置の外側には上側搬送ローラ53の回転軸53aが位置している。本発明ではこの回転軸53aを各揺動軸20A、60Aとして兼用するものである。既存の回転軸53aを利用することにより新たな部材を付加する必要がなくなり、構成をシンプル化し、既存の装置に後付けで改造することが可能となる。
紙幣収納ガイド部材、及び繰出しローラの揺動軸を上側搬送ローラの回転軸と共用しているため、部品点数の増大を防ぐことができ、且つ既存の装置に対して後付け等により改造することができるので製造手数、コストを低減することができる。
本発明に係る還流式紙幣収納装置は、各種自動販売機、入出金装置、両替機等の各種の紙幣取扱装置に適用することができる。
Claims (7)
- 紙幣搬出入部を備えた紙幣収納庫と、前記紙幣搬出入部から前記紙幣収納庫内に長手方向に沿って搬送されてきた紙幣を上下方向へ積載すると共に、上向きに弾性付勢された昇降自在なバックアッププレートと、該バックアッププレート上に昇降して該バックアッププレート上の積載紙幣の幅方向両端部側の上面を夫々押さえる一対の押し込み部材と、該一対の押し込み部材間の開口内を相対的に昇降し、該開口内を相対的に下降する時に該一対の押し込み部材上の紙幣をバックアッププレート上に移載する紙幣収納ガイド部材と、前記バックアッププレートの上方に配置され、前記開口を介して前記積載紙幣上面と接して搬出方向へ回転することにより該紙幣を前記紙幣搬出入部へ移行させる繰出しローラと、を備え、
前記繰出しローラの回転軸は、前記2つの押し込み部材の昇降経路に干渉しない構成を備えており、
前記2つの押込み部材の遊端状の後部の少なくとも一部は、前記押し込み部材上の紙幣の後端部と前記紙幣収納庫内壁との間の隙間内に位置していることを特徴とする還流式紙幣収納装置。 - 前記押し込み部材の後部を、前記紙幣収納庫内壁を越えて更に後方へ位置させたことを特徴とする請求項1に記載の還流式紙幣収納装置。
- 前記紙幣収納庫内壁には前記押し込み部材の後部を嵌合させた状態で昇降させるスリットが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の還流式紙幣収納装置。
- 前記繰出しローラを軸支して上下方向へ揺動自在に支持するブラケットを備え、該ブラケットはその入金方向後端寄りに設けた揺動軸によって上下動自在に軸支されており、
前記ブラケットの揺動軸は前記2つの押込み部材が上昇した時に該各押込み部材の後部と干渉しない位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の還流式紙幣収納装置。 - 前記紙幣収納ガイド部材は、入金方向後部を揺動軸によって上下方向へ揺動自在に軸支されており、
前記紙幣収納ガイド部材の揺動軸は、前記一対の押込み部材が上昇した時に該押込み部材の後部と干渉しない位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の還流式紙幣収納装置。 - 前記紙幣搬出入部には、紙幣をニップして搬出入する上側搬送ローラと下側搬送ローラが配置され、
前記紙幣収納ガイドの揺動軸と、前記ブラケットの揺動軸は、前記上側搬送ローラの回転軸と共用されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の還流式紙幣収納装置。 - 請求項1乃至6の何れか一項に記載の還流式紙幣収納装置を備えたことを特徴とする紙幣取扱装置。
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