JP2017075511A - 地中障害物撤去装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】対象物を把持するアームを挿入する空間を形成する切削を不要として、作業効率向上とコスト削減を図れる地中障害物撤去装置を提供する。【解決手段】地中に推進させた円筒状のケーシングに吊り下げられ、ケーシング内の地中障害物を撤去するために用いられ、地中障害物を把持する一対のメインアームと、一対のメインアームを開閉動作させる油圧シリンダと、メインアーム及び油圧シリンダを支持する支持フレームと、これらを相互に接続する複数のピンを有し、一対のメインアームの各アーム形状は、ケーシングの内径に沿った円弧状に形成され、各メインアームそれぞれの先端把持側は山形形状に爪が配置されている。【選択図】図1
Description
本発明は、地中障害物撤去装置に関し、特に、地中障害物を撤去するために円筒状のケーシングを推進させ掘削するオールケーシング工法において、ケーシング内の障害物を安全に把持し、撤去するための装置に関する。
従来、建設工事等に伴う既存建造物の解体後に地中に残存する基礎杭を障害物として撤去する場合、クレーン等にワイヤーで吊り下げられ、ケーシング内の障害物を把持し、吊上げ、撤去する装置が用いられる。かかる装置の一例として、特許文献1には、油圧シリンダにて開閉する一対もしくは複数のアームによりケーシング内の障害物を把持し、吊上げることで撤去する装置が開示されている。
一方、ケーシング内の障害物を撤去する方法として、アブソリュートクラッシング工法という方法もある。この方法では、ケーシング内に油圧式クラッシャーを吊りこみ、ケーシング内部で障害物を破砕し、破砕したガラは、油圧式クラッシャーとは別のハンマーグラブ装置を用いてつかみ出して撤去するようにしている。
しかしながら、上記特許文献1に記載された装置は、対となるアームを油圧シリンダにて開閉することで障害物を把持することができるが、対象となる障害物には、基礎杭を代表とする円柱状のもの、地中壁を切断して得られる平板状のもの、或いはフーチング等の台形状のもの等、様々な形状のものがある。これらの様々な形状に対応するためには、一対もしくは二対のアームにより障害物を把持する装置が適していると考えられるが、アームにより把持する構造であるので、ケーシングと対象物の間にアームが入り込む隙間を形成する必要がある。従って、かかる装置では、通常、ケーシング内側に設けたインナービットによりアームが入り込む空間を切削する作業を行わなければならず、ケーシング推進時の作業効率悪化とコスト増加を余儀なくされていた。
また、上述したアブソリュートクラッシング工法では、ケーシング内の基礎杭等の障害物を油圧式クラッシャーにより破砕することはできるが、その破砕したガラを撤去するためには、別途ハンマーグラブ装置等が必要となり、このため、破砕後に油圧式クラッシャーをケーシングから抜き出し、ハンマーグラブ装置と入れ替える作業が必要となるので、作業効率が大変悪かった。
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、その第1の目的は、対象物を把持するアームを挿入する空間を形成するための切削を不要とすることで、ケーシング推進時の作業効率向上とコスト削減を図ることにある。
また、本発明の第2の目的は、別の装置との入れ替え等を不要とすることで、装置のケーシング内への挿入から障害物を撤去するまでの作業全般の効率を向上させることにある。
かかる課題を解決するために、本発明者は、ケーシング内の障害物を把持し、撤去する装置の構成について鋭意研究した結果、第1に、上記装置におけるアーム形状をケーシング内径に近い円弧形状とすることで、アームを挿入する空間を形成するための余分な切削を省略できることを見出すに至った。また、1台の装置で障害物の破砕及び破砕後のガラをつかみ出し撤去することを可能とする構成を想到するに至ったものである。
即ち、上記目的達成のため、本発明は、地中障害物を撤去するために円筒状のケーシングを推進させ掘削するオールケーシング工法において、円筒状のケーシングに吊り下げられ、該ケーシング内の地中障害物を撤去するために用いられる地中障害物撤去装置において、前記地中障害物を把持する一対のメインアームと、該一対のメインアームをそれぞれ開閉動作させる油圧シリンダと、前記メインアーム及び油圧シリンダを支持する支持フレームと、これらメインアーム、油圧シリンダ及び支持フレームを相互に接続する複数のピンを有し、前記一対のメインアームの各アーム形状は、前記ケーシングの内径に沿った円弧状に形成されていると共に、各メインアームそれぞれの先端把持側は、山形形状に爪が配置されていることを特徴とする。
また、本発明は、更に、前記一対のメインアームに対して差動すると共に前記一対のメインアームに対してその開閉方向が直交するように配置される一対のサブアームと、該一対のサブアームをそれぞれ開閉動作させる油圧シリンダと、これらサブアーム及び油圧シリンダと前記支持フレームを相互に接続する複数のピンを有していることを特徴とする。
尚、前記一対のサブアームは、前記地中障害物を破砕する破砕アームとして構成されているようにしても良いし、前記メインアームと共に前記地中障害物を把持するサポートアームとして構成されているようにしても良い。
更に、前記一対のメインアーム及び/又は前記一対のサブアームが平行リンク機構により互いに平行に開閉するようにしても良い。
以下、図1及び図2を参照して本発明の第1の実施形態に係る地中障害物撤去装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の地中障害物撤去装置の構成及び作用効果を説明するための図であり、(a)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、その円弧状アームの山形形状(階段状)の爪の作用効果、(b)は、ケーシングと地中障害物撤去装置を示す底面図、(c)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、その一対の円弧状アームにより大径の対象物を把持する状態、(d)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、その一対の円弧状アームにより小径の対象物を把持する状態、をそれぞれ示す。図2は、本発明の第1の実施形態の地中障害物撤去装置の動作を説明するための図であり、(a)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、そのケーシング内を下降する動作、(b)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、その対象物に対して円弧状アームを閉じ、又は反力受けに固定する動作、(c)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、その対象物に対して破砕アームを閉じる動作、をそれぞれ示す。
図1及び図2に示すように、本実施形態の地中障害物撤去装置10は、地中障害物を撤去するために円筒状のケーシング20を推進させ掘削するオールケーシング工法において、クレーン等によりワイヤーWでケーシング20内に吊り下げられ、ケーシング20内の基礎杭等の地中障害物(以下、単に障害物或いは対象物という場合がある)Sを撤去するために用いられる。地中障害物撤去装置10は、第1及び第2から成る一対の円弧状アーム52、54と、これらの円弧状アーム52、54をそれぞれ開閉動作させる油圧シリンダ56,58と、円弧状アーム52、54及び油圧シリンダ56,58を支持する支持フレーム50と、それぞれ各構成物を接続する複数のピン60を有している。
即ち、円弧状アーム52、54のアーム形状は、図1(b)に示すように、ケーシング20の内径に沿った円弧状を形成しており、障害物Sを把持するアームを挿入する空間70を形成するための切削を極力少なくし、ケーシング推進の作業効率向上とコスト削減が図られている。また、アーム形状がケーシング20の内径に沿った円弧状であるため、ケーシング20の挿入時から障害物Sを把持する位置まで地中障害物撤去装置10の姿勢は、常にケーシング20に対して垂直に保持され、安定した姿勢で障害物Sを把持することができる。
従来の地中障害物撤去装置では、ケーシングから抜き出た際に把持している対象物の重心の偏りによりバランスを崩し、対象物落下の危険性があったのに対して、本実施形態の地中障害物撤去装置10は、上述したように安定した姿勢で障害物Sを把持することができるので、このような危険性を減少させることが可能である。
即ち、円弧状アーム52、54のアーム形状は、図1(b)に示すように、ケーシング20の内径に沿った円弧状を形成しており、障害物Sを把持するアームを挿入する空間70を形成するための切削を極力少なくし、ケーシング推進の作業効率向上とコスト削減が図られている。また、アーム形状がケーシング20の内径に沿った円弧状であるため、ケーシング20の挿入時から障害物Sを把持する位置まで地中障害物撤去装置10の姿勢は、常にケーシング20に対して垂直に保持され、安定した姿勢で障害物Sを把持することができる。
従来の地中障害物撤去装置では、ケーシングから抜き出た際に把持している対象物の重心の偏りによりバランスを崩し、対象物落下の危険性があったのに対して、本実施形態の地中障害物撤去装置10は、上述したように安定した姿勢で障害物Sを把持することができるので、このような危険性を減少させることが可能である。
また、円弧状アーム52、54それぞれの先端把持側は、図1(a)に示すように、山形形状(階段状)に爪が配置されている。この山形形状(階段状)に爪が配置されている構成により、一対の円弧状アーム52、54のみで対象物Sの大小、円柱状、板状等の形状の相違に拘わらず、常に4点で対象物Sを保持できるので、安定した把持状態を維持することができる。更に、この円弧状アーム52、54それぞれの先端把持側の構成は、障害物Sを把持する際、ケーシングと障害物Sとの間に詰まった切削ガラを逃げやすくし、円弧状アーム52、54によるケーシングと障害物Sとの間への侵入を容易にさせる効果がある。
また、図1(a)(b)に示すように、本実施形態の地中障害物撤去装置10は、上述した障害物Sを把持するための円弧状アーム52、54の他に、対象物Sを破砕する差動アーム62,64を有している。この差動アーム62,64は、油圧シリンダ57,59の動作により、上記円弧状アーム52、54の開閉と時間差を経て開閉動作するように構成されている。ここで、本実施形態の地中障害物撤去装置10は、差動アーム62,64を開閉動作させて障害物Sを破砕する際、一対の円弧状アーム52、54により、その破砕対象である障害物Sをつかむことで、反力受けの作用効果を奏するようになっている。ここで、前述したアブソリュートクラッシング工法では、油圧式クラッシャーによる破砕部とは別に、ケーシング内径に保持部材を張り出し固定する装置を設けることで、油圧式クラッシャーによる圧砕時の反力受けとすると共に、破砕したガラは別途ハンマーグラブ装置等によりつかみ出さなければならなかった。これに対して、本実施形態の地中障害物撤去装置10では、一対の円弧状アーム52、54が障害物Sをつかんだまま差動アーム62,64を動作させることで、反力受けの作用効果からも破砕が促進されると共に、破砕物を一対の円弧状アーム52、54により、そのままつかみ上げることができるので、別途、ハンマーグラブ装置等のつかみ機を準備する必要が無くなる。
ここで、図2を参照して本発明の第1の実施形態の地中障害物撤去装置の動作を簡単に説明しておく。図2において、(a)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、そのケーシング内を下降する動作、(b)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、その対象物に対して円弧状アームを閉じ、又は反力受けに固定する動作、(c)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、その対象物に対して破砕アームを閉じる動作、をそれぞれ示す。図2(a)に示すように、地中障害物撤去装置10は、クレーン等によりワイヤーWでケーシング20内に吊り下げられ、ケーシング20内を基礎杭等の円柱状の地中障害物Sに向って下降する。この時、地中障害物撤去装置10の円弧状アーム52、54のアーム形状は、上述したように、ケーシング20の内径に沿った円弧状であるため、ケーシング20の挿入時から障害物Sを把持する位置まで地中障害物撤去装置10の姿勢は、常にケーシング20に対して垂直に保持され、安定した姿勢を維持している。また、ケーシング20の内径に沿った円弧状を形成しているので、障害物Sを把持するアームを挿入する空間70を形成するための切削を極力少なくし、ケーシング推進の作業効率向上とコスト削減を図れる。そして、図2(b)に示すように、円弧状アーム52、54の先端側を空間70に挿入し、円弧状アーム52、54を閉じることで、安定した姿勢で障害物Sを把持することができる。また、円弧状アーム52、54それぞれの先端把持側は、図1(a)に示すように、山形形状(階段状)に爪が配置されているので、一対の円弧状アーム52、54のみで円柱状の地中障害物Sを4点で保持できるので、安定した把持状態を維持することができる。更に、この円弧状アーム52、54それぞれの先端把持側の構成は、障害物Sを把持する際、ケーシング20と障害物Sとの間に詰まった切削ガラを逃げやすくし、円弧状アーム52、54によるケーシング20と障害物Sとの間への侵入を容易にさせる効果がある。尚、本実施形態の地中障害物撤去装置10は、後述するように、把持した障害物Sを破砕(差動)アーム62,64により破砕することなく、一対の円弧状アーム52、54を閉じる力により把持したまま、クレーン等によりワイヤーWでケーシング20内から吊り上げることで、ケーシング20から障害物Sを抜き出して撤去するようにしても良い。ケーシング20から抜き出した障害物Sは、そのまま(円柱状のまま)移動撤去させても良いし、破砕機等により細かく砕いて移動撤去させても良い。
以上のように、本実施形態の地中障害物撤去装置10は、特に、破砕(差動)アーム62,64を必要とすることなく、円弧状アーム52、54がケーシング20の内径に沿った円弧状であること、及びその先端把持側に山形形状(階段状)に爪が配置されていることにより、以上のような優れた作用効果を奏することができる。
更に、本実施形態の地中障害物撤去装置10は、破砕(差動)アーム62,64をも用いることにより、更なる作用効果を生じる。即ち、本実施形態の地中障害物撤去装置10では、一対の円弧状アーム52、54が障害物Sをつかんだまま破砕(差動)アーム62,64を、図2(c)に示すように、閉動作させることで障害物Sを破砕することができる。また、一対の円弧状アーム52、54が障害物Sをつかんだ状態が反力受けとして作用することでその効果からも破砕が促進されると共に、破砕(差動)アーム62,64により破砕した物を一対の円弧状アーム52、54により、そのままつかみ上げることができる。これにより、別途、ハンマーグラブ装置等のつかみ機を準備する必要が無い。
以上のように、本実施形態の地中障害物撤去装置10は、特に、破砕(差動)アーム62,64を必要とすることなく、円弧状アーム52、54がケーシング20の内径に沿った円弧状であること、及びその先端把持側に山形形状(階段状)に爪が配置されていることにより、以上のような優れた作用効果を奏することができる。
更に、本実施形態の地中障害物撤去装置10は、破砕(差動)アーム62,64をも用いることにより、更なる作用効果を生じる。即ち、本実施形態の地中障害物撤去装置10では、一対の円弧状アーム52、54が障害物Sをつかんだまま破砕(差動)アーム62,64を、図2(c)に示すように、閉動作させることで障害物Sを破砕することができる。また、一対の円弧状アーム52、54が障害物Sをつかんだ状態が反力受けとして作用することでその効果からも破砕が促進されると共に、破砕(差動)アーム62,64により破砕した物を一対の円弧状アーム52、54により、そのままつかみ上げることができる。これにより、別途、ハンマーグラブ装置等のつかみ機を準備する必要が無い。
次に、図3を参照して本発明の第2の実施形態の地中障害物撤去装置について説明する。本発明の第2の実施形態の地中障害物撤去装置20は、上述した第1の実施形態の破砕(差動)アーム62,64の替りに、サポート(差動)アーム162,164を有している。このサポート(差動)アーム162,164は、油圧シリンダ57,59が作動すると一対の円弧状アーム52、54の開閉動作と時間差を置いて(差動して)開閉動作する点は、第1の実施形態の破砕(差動)アーム62,64と同様であるが、破砕(差動)アーム62,64のように破砕歯を有するのではなく、円弧状アーム52、54よりも小型であるが同様の把持アームとしての構成を有している。
図3において、(a)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、そのケーシング内を下降する動作、(b)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、その対象物に対して円弧状アームを閉じる動作、(c)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、その対象物に対してサポート(差動)アームを閉じる動作、をそれぞれ示す。図3(a)の地中障害物撤去装置20がそのケーシング内を下降する動作、図3(b)に示す円弧状アーム52、54の先端側を空間70に挿入し、円弧状アーム52、54を閉じる動作は、第1の実施形態に関する図2(a)(b)の動作と同様である。但し、本実施形態の地中障害物撤去装置20は、一対の円弧状アーム52、54が障害物Sをつかんだままを、図3(c)に示すように、サポート(差動)アーム162,164閉動作させることで障害物Sをより強固に把持することができる。また、図3(c)から分かるように、サポート(差動)アーム162,164のアーム形状は、障害物Sの上端部の周縁を把持するに相応しい形状を有し、その閉動作により障害物Sの上端部の周縁を把持するようになる。従って、円弧状アーム52、54が障害物Sの上端部を深く把持し、更に、サポート(差動)アーム162,164のアーム形状は、障害物Sの上端部の周縁を把持することで、障害物Sをより強固に把持することができる。尚、本実施形態の地中障害物撤去装置20は、これら二対のアームにより障害物Sを把持したまま、クレーン等によりワイヤーWでケーシング20内から吊り上げることで、ケーシング20から障害物Sを抜き出して撤去することができる。ケーシング20から抜き出した障害物Sは、そのまま(円柱状のまま)移動撤去させても良いし、破砕機等により細かく砕いて移動撤去させても良い。
図3において、(a)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、そのケーシング内を下降する動作、(b)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、その対象物に対して円弧状アームを閉じる動作、(c)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、その対象物に対してサポート(差動)アームを閉じる動作、をそれぞれ示す。図3(a)の地中障害物撤去装置20がそのケーシング内を下降する動作、図3(b)に示す円弧状アーム52、54の先端側を空間70に挿入し、円弧状アーム52、54を閉じる動作は、第1の実施形態に関する図2(a)(b)の動作と同様である。但し、本実施形態の地中障害物撤去装置20は、一対の円弧状アーム52、54が障害物Sをつかんだままを、図3(c)に示すように、サポート(差動)アーム162,164閉動作させることで障害物Sをより強固に把持することができる。また、図3(c)から分かるように、サポート(差動)アーム162,164のアーム形状は、障害物Sの上端部の周縁を把持するに相応しい形状を有し、その閉動作により障害物Sの上端部の周縁を把持するようになる。従って、円弧状アーム52、54が障害物Sの上端部を深く把持し、更に、サポート(差動)アーム162,164のアーム形状は、障害物Sの上端部の周縁を把持することで、障害物Sをより強固に把持することができる。尚、本実施形態の地中障害物撤去装置20は、これら二対のアームにより障害物Sを把持したまま、クレーン等によりワイヤーWでケーシング20内から吊り上げることで、ケーシング20から障害物Sを抜き出して撤去することができる。ケーシング20から抜き出した障害物Sは、そのまま(円柱状のまま)移動撤去させても良いし、破砕機等により細かく砕いて移動撤去させても良い。
次に、図4を参照して本発明の第3の実施形態の地中障害物撤去装置について説明する。本発明の第3の実施形態の地中障害物撤去装置は、一対の円弧状アーム352、354が平行リンク機構により常に互いに平行に開閉することを特徴とする。図4において、(a)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、その平行リンクを開いた状態、(b)は、ケーシングと共に地中障害物撤去装置を示し、その平行リンクを閉じた状態、をそれぞれ示す。
本実施形態の地中障害物撤去装置30は、各構成物を接続する複数のピン360を有しており、このピンの数は、第1の実施形態の地中障害物撤去装置より多い。本実施形態の地中障害物撤去装置30では、アーム支持体350に枢着支持された第1及び第2から成る一対のアーム352、354の背面側上部にケーシング20の内周面と噛み合って反力受けとして機能させるための歯部352A、354Aを有している。従って、本実施形態の地中障害物撤去装置30では、一対の円弧状アーム352、354が障害物Sをつかむ際、反力により装置全体が上方に押し上げられてしまうのを有効に防止できる。また、本実施形態の地中障害物撤去装置30でも、一対の円弧状アーム352、354が障害物Sをつかんだまま差動アーム62,64を動作させることで、反力受けの作用効果からも破砕が促進されるのは同様である。尚、本実施形態の地中障害物撤去装置30では、一対の円弧状アーム352、354のみが平行リンク機構により常に互いに平行に開閉するように構成したが、変形例として、サポート(差動)アーム362、364のみが平行リンク機構により常に互いに平行に開閉するように構成しても良いし、円弧状アーム352、354も平行リンク機構により常に互いに平行に開閉するし、サポート(差動)アーム362、364も平行リンク機構により常に互いに平行に開閉するように構成しても良い。
本実施形態の地中障害物撤去装置30は、各構成物を接続する複数のピン360を有しており、このピンの数は、第1の実施形態の地中障害物撤去装置より多い。本実施形態の地中障害物撤去装置30では、アーム支持体350に枢着支持された第1及び第2から成る一対のアーム352、354の背面側上部にケーシング20の内周面と噛み合って反力受けとして機能させるための歯部352A、354Aを有している。従って、本実施形態の地中障害物撤去装置30では、一対の円弧状アーム352、354が障害物Sをつかむ際、反力により装置全体が上方に押し上げられてしまうのを有効に防止できる。また、本実施形態の地中障害物撤去装置30でも、一対の円弧状アーム352、354が障害物Sをつかんだまま差動アーム62,64を動作させることで、反力受けの作用効果からも破砕が促進されるのは同様である。尚、本実施形態の地中障害物撤去装置30では、一対の円弧状アーム352、354のみが平行リンク機構により常に互いに平行に開閉するように構成したが、変形例として、サポート(差動)アーム362、364のみが平行リンク機構により常に互いに平行に開閉するように構成しても良いし、円弧状アーム352、354も平行リンク機構により常に互いに平行に開閉するし、サポート(差動)アーム362、364も平行リンク機構により常に互いに平行に開閉するように構成しても良い。
以上のように、本発明によれば、対象物を把持するアームを挿入する空間を形成するための切削を不要とすることで、ケーシング推進時の作業効率向上とコスト削減を図ることができる。また、別の装置との入れ替え等を不要とすることで、装置のケーシング内への挿入から障害物を撤去するまでの作業全般の効率を向上させることが可能である。
尚、以上に述べた実施形態は、本発明の一具体例であり、本発明の範囲は以上の実施形態に限定されないで、以下の特許請求の範囲の記載の範囲内で、他の実施形態にも及び得るのは勿論である。
尚、以上に述べた実施形態は、本発明の一具体例であり、本発明の範囲は以上の実施形態に限定されないで、以下の特許請求の範囲の記載の範囲内で、他の実施形態にも及び得るのは勿論である。
Claims (5)
- 地中障害物を撤去するために円筒状のケーシングを推進させ掘削するオールケーシング工法において、円筒状のケーシングに吊り下げられ、該ケーシング内の地中障害物を撤去するために用いられる地中障害物撤去装置において、前記地中障害物を把持する一対のメインアームと、該一対のメインアームをそれぞれ開閉動作させる油圧シリンダと、前記メインアーム及び油圧シリンダを支持する支持フレームと、これらメインアーム、油圧シリンダ及び支持フレームを相互に接続する複数のピンを有し、
前記一対のメインアームの各アーム形状は、前記ケーシングの内径に沿った円弧状に形成されていると共に、各メインアームそれぞれの先端把持側は、山形形状に爪が配置されていることを特徴とする地中障害物撤去装置。 - 請求項1に記載の地中障害物撤去装置において、更に、前記一対のメインアームに対して差動すると共に前記一対のメインアームに対してその開閉方向が直交するように配置される一対のサブアームと、該一対のサブアームをそれぞれ開閉動作させる油圧シリンダと、これらサブアーム及び油圧シリンダと前記支持フレームを相互に接続する複数のピンを有していることを特徴とする地中障害物撤去装置。
- 請求項2に記載の地中障害物撤去装置において、前記一対のサブアームは、前記地中障害物を破砕する破砕アームとして構成されていることを特徴とする地中障害物撤去装置。
- 請求項2に記載の地中障害物撤去装置において、前記一対のサブアームは、前記メインアームと共に前記地中障害物を把持するサポートアームとして構成されていることを特徴とする地中障害物撤去装置。
- 請求項1乃至4に記載の地中障害物撤去装置において、前記一対のメインアーム及び/又は前記一対のサブアームが平行リンク機構により互いに平行に開閉することを特徴とする地中障害物撤去装置。
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