JP2017075355A - 無電解パラジウムめっき液の銅除去材 - Google Patents

無電解パラジウムめっき液の銅除去材 Download PDF

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Abstract

【課題】
無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に優れた、無電解パラジウムめっき液の銅除去材を提供する。
【解決手段】
温度77.4Kにおける窒素吸着等温線によりMP法で求めた細孔分布において、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積が、0.05cc/g以上である繊維状活性炭を含む、無電解パラジウムめっき液の銅除去材。
【選択図】なし

Description

本発明は、無電解パラジウムめっき液の銅除去材、当該銅除去材を用いた無電解パラジウムめっき液中の銅除去方法、当該銅除去材を含む無電解パラジウムめっき液、当該銅除去材を用いて銅を除去した無電解パラジウムめっき液を用いる無電解パラジウムめっき方法、及び、当該銅除去材を用いて銅を除去した無電解パラジウムめっき液を用いて部材表面にパラジウムめっきを施す電子部品の製造方法に関する。
パソコン、スマートフォン、デジタルカメラ等の多くのデジタル機器には、プリント基板やパッケージ基板等の電子部品が使われている。これらの電子部品は、種々の表面処理技術により設計、製造されている。その中で、配線接合部分、電気接点部品等においては、貴金属を用いた表面処理が行われている。従来、このような表面処理では、金めっきを施すことが主流であった。しかしながら、金は、導電性、ボンディング性に優れているものの、非常に高価であるため、近年、より安価なパラジウムを用いた無電解パラジウムめっきも開発され、採用されている。
無電解パラジウムめっきを施す工程は、一般に、電子部品の製造ラインにおいて後段に位置し、その前段には、配線を形成する銅めっきや下地をつくるためのニッケルめっき等を施す工程が存在する。種々のめっき工程の間には、水洗工程が設けられており、連続的に生産される電子部品は、各めっき工程完了後に洗浄される。しかしながら、洗浄によっても、前のめっき工程の成分が次のめっき工程に持ち込まれることがある。無電解パラジウムめっきの工程では、前の銅めっき工程から銅が持ち込まれることがある。無電解パラジウムめっき工程においては、銅が極微量でも混入していると、パラジウムめっきの付き回りに大きく影響し、製品不良が発生する。このため、無電解パラジウムめっき液中に銅が混入してパラジウムの析出性が低下した場合には、めっき液の一部または全液を更新することが必要となり、コスト的に非常に不利となる。
金めっき液中の重金属類の除去方法としては、キレート樹脂等のキレート剤を用いる方法が知られており、例えば、金めっき液中に不純物として混入している鉄、ニッケル、銅等の重金属類を除去するため、特定の化合物を金めっき中に添加して重金属類とキレート化合物を形成させ、分離、除去する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。該文献によれば、活性炭を用いる方法等では重金属の除去は十分に行えないとする一方、該文献に記載の方法によれば、鉄、ニッケル、銅などの重金属類を簡単な操作で、かつ金をほとんど損失することなく効率よく除去することができるとされている。
また、例えば、めっきに使用された金めっき液にキレート樹脂を接触させる金めっき液の再生処理方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。該文献によれば、活性炭処理では、銅イオン、鉄イオン、ニッケルイオン、クロムイオン等の妨害金属イオンの除去は不十分という問題点があったとする一方、該文献に記載の再生処理方法によれば、金めっき液の金塩及び他の必須成分の吸着を影響がない範囲内に抑えることができ、かつ建浴当初の金めっき液から得られたものと実質的に変わらない結晶構造の皮膜を、生成処理されためっき液から析出させることが可能であるとされている。
一方、無電解パラジウムめっき液については、例えば、銅などの不純物が含まれた無電解パラジウムめっき液を用いる場合であっても、ニッケル皮膜上に安定してパラジウムめっき皮膜を析出させる方法として、パラジウム化合物及びヒドラジン類を含有する水溶液からなる活性化組成物により活性化処理をおこない、その後、無電解パラジウムめっきを行うめっき皮膜形成方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。該文献によれば、銅イオンについては、無電解パラジウムめっき液中に0.1mg/L程度の微量含まれるだけでもめっき反応が停止する場合があり、このような微量の不純物については、活性炭処理では完全には除去することは困難であるとする一方、該文献に記載の方法によれば、不純物として銅イオンを含む無電解パラジウムめっき液を用いた場合であっても、ニッケルめっき皮膜上に良好なパラジウムめっき皮膜を形成できるとされている。
特開昭63−62900号公報 特開2002−309400号公報 特開2008−184679号公報
例えば、特許文献1〜3に開示されているように、従来、金めっき液または無電解パラジウムめっき液中の銅は、活性炭処理では除去が困難であるというのが技術常識であった。また、例えば、特許文献1及び2に開示されているように、金めっき液の銅除去材としては、キレート剤を用いることが知られていた。しかしながら、本発明者等が検討した結果、無電解パラジウムめっき液の銅除去材として、特許文献1または2に開示されているキレート剤を用いた場合、銅除去効果が不十分であるという問題があることを知得した。
そこで、本発明は、上記問題を解決し、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に優れた、無電解パラジウムめっき液の銅除去材を提供することを主な課題とする。
本発明者等は、上記問題を解決すべく検討し、従来、金めっき液または無電解パラジウムめっき液中の銅の除去が困難であるということが技術常識であった活性炭に着目した。そして、本発明者等が鋭意検討した結果、上記技術常識に反し、温度77.4Kにおける窒素吸着等温線によりMP法で求めた細孔分布において、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積が0.05cc/g以上という特定の繊維状活性炭を、無電解パラジウムめっき液の銅除去材として用いた場合は、該液中の銅除去に優れた効果を発揮することを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 温度77.4Kにおける窒素吸着等温線によりMP法で求めた細孔分布において、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積が、0.05cc/g以上である繊維状活性炭を含む、無電解パラジウムめっき液の銅除去材。
項2. 前記繊維状活性炭の比表面積が1000m2/g以上である、項1に記載の無電解パラジウムめっき液の銅除去材。
項3. 前記繊維状活性炭の全細孔容積が、0.4〜1.5cc/gである、項1又は2に記載の無電解パラジウムめっき液の銅除去材。
項4. 前記無電解パラジウムめっき液中のパラジウム化合物の濃度が、0.1〜30g/Lである、項1〜3のいずれか1項に記載の無電解パラジウムめっき液の銅除去材。
項5. 項1〜4のいずれか1項に記載の無電解パラジウムめっき液の銅除去材を用いる、無電解パラジウムめっき液中の銅除去方法。
項6. パラジウム化合物と、項1〜4のいずれか1項に記載の無電解パラジウムめっき液の銅除去材を含む、無電解パラジウムめっき液。
項7. 項1〜4のいずれか1項に記載の無電解パラジウムめっき液の銅除去材を用いて銅を除去した無電解パラジウムめっき液を用いる、無電解パラジウムめっき方法。
項8. 項1〜4のいずれか1項に記載の無電解パラジウムめっき液の銅除去材を用いて銅を除去した無電解パラジウムめっき液を用いて、部材表面にパラジウムめっきを施す工程を備える、電子部品の製造方法。
本発明の無電解パラジウムめっき液の銅除去材によれば、温度77.4Kにおける窒素吸着等温線によりMP法で求めた細孔分布において、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積が0.05cc/g以上である繊維状活性炭を含むことから、無電解パラジウムめっき液中の銅が効果的に除去される。このため、前の銅めっき工程からの銅が、無電解パラジウムめっき液中に混入したとしても、本発明の銅除去材を用いることにより、当該めっき液中から銅が好適に除去される。また、本発明の銅除去材を用いることにより、無電解パラジウムめっき液を繰り返し再利用しやすくなる。よって、本発明の銅除去材によれば、無電解パラジウムめっきが施された電子部品の製造コストを効果的に低減することが可能となる。
1.無電解パラジウムめっき液の銅除去材
本発明の無電解パラジウムめっき液の銅除去材は、温度77.4Kにおける窒素吸着等温線によりMP法で求めた細孔分布において、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積が、0.05cc/g以上である繊維状活性炭を含むことを特徴とする。
本発明者等が検討したところ、上記構成を有する繊維状活性炭は、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に優れるのに対し、上記構成を有しない繊維状活性炭や、粒状活性炭は、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に劣ることが明らかとなった。
すなわち、無電解パラジウムめっき液中において、パラジウムは、錯体などの比較的嵩高い状態で存在する一方、銅は比較的嵩低い状態で混入している。そこで、本発明者等は、銅を選択的に吸着させるには、パラジウムを吸着させずに銅を吸着させるサイズの細孔を有する繊維状活性炭を用いることにより、銅を効果的に吸着・除去できるのではないか、と推測した。そして、本発明者等がさらに鋭意検討した結果、金めっき液または無電解パラジウムめっき液中の銅は、活性炭処理では除去が困難であるという従来の技術常識(例えば、特許文献1〜3)に反し、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔を0.05cc/g以上と多く含む繊維状活性炭を用いることにより、無電解パラジウムめっき液中の銅を効果的に除去し得ることを見出した。
一方、前記細孔容積が0.05cc/g未満である繊維状活性炭は、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に劣っている。これは、銅を効果的に吸着し得る細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔が少ないことに起因しているものと推測される。
また、本発明において、粒状活性炭ではなく、繊維状活性炭を用いることによって、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に優れる理由としては、次のように考えることができる。すなわち、繊維状活性炭の細孔構造は、所謂ミクロ孔及びメソ孔が活性炭表面に発達する構造であるのに対して、粒状活性炭の細孔構造は、活性炭表面に直径50nmを越える大きな孔、所謂マクロ孔が発達し、このマクロ孔の中にミクロ孔やメソ孔が発達する構造である。そうすると、粒状活性炭は、表面に存在するマクロ孔の細孔直径が大きいが故、該マクロ孔が無電解パラジウムめっき液に含まれる成分の何らかの影響により塞がれてしまうことで、銅を吸着するサイトが無くなり、結果、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に劣ると推測される。一方、繊維状活性炭においては、銅を吸着するサイト(ミクロ孔及びメソ孔)がマクロ孔の中ではなく、繊維表面に位置するため、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に優れていると考えられる。
本発明の銅除去材に含まれる繊維状活性炭は、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に優れつつ、めっき液中における繰り返し使用に対する強度に優れるという観点から、温度77.4Kにおける窒素吸着等温線によりMP法で求めた細孔分布において、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積としては、0.05〜0.8cc/g程度が好ましく、0.05〜0.5cc/g程度がより好ましく、0.05〜0.1cc/g程度が特に好ましい。
本発明の銅除去材に含まれる繊維状活性炭の比表面積(窒素を被吸着物質として用いたBET法(1点法)により測定される値)としては、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に優れつつ、めっき液中における繰り返し使用に対する強度に優れるという観点から、好ましくは1000〜3500m2/g程度、より好ましくは1000〜2500m2/g程度、さらに好ましくは1000〜1800m2/g程度、特に好ましくは1000〜1400m2/g程度が挙げられる。
本発明において、活性炭の細孔分布は、温度77.4Kにおいて窒素吸着等温線に基づいて算出されるものであり、具体的には次のようにして窒素吸着等温線が作成される。活性炭を温度77.4K(窒素の沸点)に冷却し、窒素ガスを導入して容量法により窒素ガスの吸着量V[cc/g]を測定する。このとき、導入する窒素ガスの圧力P[mmHg]を徐々に上げ、窒素ガスの飽和蒸気圧P0[mmHg]で除した値を相対圧力P/P0として、各相対圧力に対する吸着量をプロットすることにより窒素吸着等温線が作成される。窒素ガスの吸着量は、市販の自動ガス吸着量測定装置(商品名「AUTOSORB−6」(QUANTACHROME製)を用いて実施できる。本発明では、窒素吸着等温線に基づき、MP法に従って求めた細孔分布から細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積(cc/g)を算出することができる。この解析は、上記装置に付属する解析プログラム等のような公知の手段を用いることができる。そして、活性炭の全細孔容積は、上記の窒素ガスの吸着量の測定結果における窒素の最大吸着量から計算することができる。
本発明の銅除去材に含まれる繊維状活性炭の全細孔容積としては、特に制限されないが、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に優れつつ、めっき液中における繰り返し使用に対する強度に優れるという観点から、好ましくは0.4〜1.5cc/g程度、より好ましくは0.4〜1.2cc/g程度、さらに好ましくは0.4〜1.0cc/g程度、特に好ましくは0.4〜0.7cc/g程度が挙げられる。繊維状活性炭の全細孔容積は、前述の方法により測定した値である。
本発明の銅除去材に含まれる繊維状活性炭の平均細孔直径としては、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に優れつつ、めっき液中における繰り返し使用に対する強度に優れるという観点から、好ましくは15〜50Å程度、より好ましくは15〜40Å程度、さらに好ましくは15〜35Å程度、特に好ましくは15〜20Å程度が挙げられる。なお、繊維状活性炭の平均細孔直径は、下記式1により求めた値である。
平均細孔直径(Å)
=4×全細孔容積(cc/g)/比表面積(m2/g)×104 (式1)
また、本発明の銅除去材において、全細孔容積(cc/g)に対する細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積(cc/g)の割合(細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積/全細孔容積)としては、好ましくは0.1以上が挙げられる。また、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に優れつつ、めっき液中における繰り返し使用に対する強度に優れるという観点から、0.1〜0.7が好ましく、0.1〜0.6がより好ましく、0.1〜0.4がさらに好ましく、0.10〜0.15が特に好ましい。
温度77.4Kにおける窒素吸着等温線によりMP法で求めた細孔分布において、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積が、0.05cc/g以上である繊維状活性炭を製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、次のような方法が挙げられる。すなわち、不融化処理した活性炭原料を、好ましくは水蒸気飽和窒素雰囲気下、雰囲気温度800〜1200℃で5〜120分間、より好ましくは900〜1100℃で10〜110分間、賦活処理をおこない、次いで、空気存在下室温まで冷却する方法が挙げられる。より具体的に、雰囲気温度800〜1200℃で賦活処理すると、まず約5Å程度の細孔が生じ、賦活処理をさらに進めるにつれて、直径約5Å程度の細孔が新たに生じつつ、一部の直径約5Åの細孔の直径が広がり、さらに直径が大きい細孔に発達していく。そして、5〜120分間程度賦活をおこなうことにより、温度77.4Kにおける窒素吸着等温線によりMP法で求めた細孔分布において細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積が0.05cc/g以上の活性炭を得ることが可能である。
本発明の無電解パラジウムめっき液の銅除去材に含まれる繊維状活性炭の原料としては、特に制限されず、例えば、木材、おがくず、ヤシガラ、ポリアクリロニトリル系、セルロース系、フェノール樹脂系、石油系ピッチ、石炭系ピッチ等を用いることができる。所定の細孔直径の細孔をより生じやすくするという観点からは、石炭系ピッチが好ましい。繊維状活性炭の原料は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の銅除去材に含まれる繊維状活性炭の平均繊維径としては、特に制限されないが、例えば、5〜30μm程度、好ましくは10〜25μm程度が挙げられる。なお、繊維状活性炭の平均繊維径は、画像処理繊維径測定装置(JIS K 1477に準拠)により観察して得られる画像に含まれる任意の70本の繊維状活性炭の繊維径の平均値である。
本発明の銅除去材に含まれる繊維状活性炭の強度としては、めっき液中における繰り返し使用に対する形態安定性に優れるという観点から、好ましくは0.1〜0.4GPa程度、より好ましくは0.2〜0.4GPa程度、特に好ましくは0.25〜0.4GPa程度が挙げられる。繊維状活性炭の強度(引張強度)は、JIS K 1477 2007に規定に準拠した方法により測定した値である。
本発明の銅除去材において、繊維状活性炭の含有形態は、特に制限されない。例えば、繊維状活性炭を原綿のまま用いたり、繊維状活性炭を成型したりすることが挙げられる。また、繊維状活性炭を原綿のまま本発明の銅除去材としたり、繊維状活性炭の成型体を本発明の銅除去材とすることもできる。繊維状活性炭の成型体としては、公知のものが挙げられ、例えば、湿式抄紙法、乾式法等により得られる不織布、該不織布からなるシート、該不織布を捲回して得られる円筒状、円柱状等のフィルター、繊維状活性炭を含む水性スラリー中に吸引口を有する成形型を入れ、吸引口から吸引し成型される所謂湿式成型法により得られる円筒状、円柱状等のフィルター等が挙げられる。
本発明の銅除去材は、温度77.4Kにおける窒素吸着等温線によりMP法で求めた細孔分布において、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積が、0.05cc/g以上である繊維状活性炭以外の他の成分を含むことができる。例えば、粒状活性炭、粉末状活性炭、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、天然石、セラミック、亜硫酸カルシウム、中空糸などが挙げられる。その他の成分を用いる場合、1種類だけ用いてもよいし、2種類以上を用いても構わない。さらに、フィルターの強度を向上させるため、バインダー成分(例えば、フィブリル化したバインダー繊維(アクリル繊維、アラミド繊維、レーヨン繊維等)などを添加してもよい。本発明の銅除去材中、温度77.4Kにおける窒素吸着等温線によりMP法で求めた細孔分布において細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積が0.05cc/g以上である繊維状活性炭の含有割合としては、例えば、70〜100質量%が挙げられ、90〜100質量%が好ましく挙げられる。
2.無電解パラジウムめっき液
本発明の銅除去材を適用する無電解パラジウムめっき液としては、特に制限されず、パラジウム化合物を含む公知の無電解パラジウムめっき液が挙げられる。
無電解パラジウムめっき液中に含まれるパラジウム化合物としては、めっき液に可溶性であって、所定の濃度の水溶液が得られるものであれば特に限定なく使用できる。例えば、硫酸パラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロジエチンレジアミンパラジウム、テトラアンミンパラジウムジクロライド等の水溶性パラジウム化合物を用いることができる。また、パラジウム化合物として、パラジウムを溶液化した、いわゆるパラジウム溶液を使用することもできる。パラジウム溶液としては、例えば、ジクロロジエチレンジアミンパラジウム溶液やテトラアンミンパラジウムジクロライド溶液等も使用することができる。本発明のパラジウム化合物は、1種単独又は2種以上混合して用いることができる。めっき液中のパラジウム化合物の含有量は、パラジウムとして0.1〜30g/L程度とすることが好ましく、0.3〜10g/L程度とすることがより好ましい。
無電解パラジウムめっき液中には、還元剤がさらに含まれていてもよい。還元剤としては、公知のものが使用でき、例えば、蟻酸、次亜リン酸、亜リン酸、これらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等を用いることができる。これらの還元剤は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。還元剤の含有量は、0.1〜100g/L程度とすることが好ましく、1〜50g/Lとすることがより好ましい。
無電解パラジウムめっき液中には、錯化剤がさらに含まれていてもよい。錯化剤としては、公知のものが使用でき、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類;エチレンジアミンジ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸等のアミノポリカルボン酸、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等;グリシン、アラニン、イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸2酢酸、L−アスパラギン酸、タウリン等のアミノ酸類、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等;アミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等を配合することができる。錯化剤は1種単独又は2種以上混合して用いることができる。錯化剤の含有量は、0.5〜100g/L程度とすることが好ましく、5〜50g/L程度とすることがより好ましい。
無電解パラジウムめっき液のpHとしては、特に制限されないが、2〜9程度であることが好ましく、3〜8程度であることがより好ましい。pH調整には、硫酸、リン酸等の無機酸、水酸化ナトリウム、アンモニア水等を使用することができる。また、温度としては、20〜80℃程度であることが好ましく、20〜70℃程度であることがより好ましい。
無電解パラジウムめっき液から除去される銅は、銅錯体、銅イオン、銅原子など、銅元素を含むいずれの形態であってもよい。
また、無電解パラジウムめっき液中の銅の濃度としては、特に制限されない。例えば、プリント基板やパッケージ基板の製造工程において無電解パラジウムめっき液中に混入し得る銅の含有量としては、例えば、0.01〜100mg/L程度が挙げられ、無電解パラジウムめっき液の銅除去材の効果をより発揮しやすいという観点から、1〜10mg/L程度が好ましく挙げられる。
本発明の銅除去材を無電解パラジウムめっき液に適用する方法としては、例えば、後述の「3.無電解パラジウムめっき液中の銅除去方法」で説明する連続通液式やバッチ式等が挙げられる
3.無電解パラジウムめっき液中の銅除去方法
本発明の無電解パラジウムめっき液中の銅除去方法は、前述の本発明の銅除去材を用いることを特徴とする。本発明の銅除去材が適用される無電解パラジウムめっき液としては、パラジウム化合物を含むものであれば特に制限されず、公知の無電解パラジウムめっき液が挙げられる。無電解パラジウムめっき液の具体例としては、前述の「1.無電解パラジウムめっき液の銅除去材」の項目で例示したものが挙げられる。
無電解パラジウムめっき液中の銅を除去する方法としては、無電解パラジウムめっき液と本発明の銅除去材とが接触する条件で用いる方法であれば、特に制限されないが、具体的な方法としては、本発明の銅除去材に対して、無電解パラジウムめっき液を連続的に通液する連続通液式や、無電解パラジウムめっき液中に本発明の銅除去材を一定時間浸漬させるバッチ式等が挙げられる。
上記連続通液式とする場合、無電解パラジウムめっき液を通液する空塔速度SVとしては、例えば、0.1〜50/hが挙げられ、0.1〜30/hが好ましく挙げられる。
4.無電解パラジウムめっき方法及び電子部品の製造方法
本発明の無電解パラジウムめっき方法は、前述した本発明の銅除去材を用いて銅を除去した無電解パラジウムめっき液を用いることを特徴とする。本発明の無電解パラジウムめっき方法においては、無電解パラジウムめっき液中に含まれる銅が効果的に除去されたものを用いるため、パラジウムのめっき不良を効果的に抑制することができる。
また、本発明の電子部品の製造方法は、前述した本発明の銅除去材を用いて銅を除去した無電解パラジウムめっき液を用いて、部材表面にパラジウムめっきを施す工程を備えることを特徴とする。本発明の電子部品の製造方法においては、無電解パラジウムめっき液として、銅が効果的に除去されためっき液を用いるため、パラジウムのめっき不良が効果的に抑制された電子部品を製造することができる。なお、パラジウムめっきが施される電子部品としては、特に制限されず、プリント基板、パッケージ基板、コネクター、リードフレーム等が挙げられる。また、部材表面にパラジウムめっきを施す工程は、無電解パラジウムめっきを部材に接触させる公知の無電解めっき処理を行えばよい。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
(実施例1)
内径15mmΦのガラスカラムに、無電解パラジウムめっき液の銅除去材としての繊維状活性炭(株式会社アドール製商品名A−15、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積=0.31cc/g、比表面積=1700m2/g、全細孔容積=0.8cc/g)を、層高50mmとなるように充填し(充填量1.3g)ポンプを用いて被処理水を通水させた。被処理水として、パラジウムめっき新液(奥野製薬工業株式会社製商品名パラトップLP、パラジウム濃度1000mg/L、pH7.1〜7.5、温度55〜65℃)に銅(ナカライテスク株式会社製商品名硫酸銅(II)五水和物)を添加した液を用いた。該被処理水のパラジウム濃
度は970mg/L、銅濃度は10mg/Lであった。被処理水を流量2.2mL/min、SV=15h-1で通水して、ガラスカラムより流出した処理水を50mL/回で5回採水し、採水した処理水のパラジウム濃度及び銅濃度を測定し、評価した。
(実施例2)
無電解パラジウムめっき中の銅除去材として繊維状活性炭(株式会社アドール製商品名W−15W、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積=0.62cc/g、比表面積=1300m2/g、全細孔容積=1.1cc/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして測定・評価した。
(実施例3)
無電解パラジウムめっき中の銅除去材として繊維状活性炭(株式会社アドール製商品名W−10W、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積=0.42cc/g、比表面積=1100m2/g、全細孔容積=0.6cc/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして測定・評価した。
(実施例4)
無電解パラジウムめっき中の銅除去材として繊維状活性炭(株式会社アドール製商品名A−10、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積=0.07cc/g、比表面積=1300m2/g、全細孔容積=0.6cc/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして測定・評価した。
(実施例5)
無電解パラジウムめっき中の銅除去材として繊維状活性炭(株式会社アドール製商品名A−20、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積=0.73cc/g、比表面積=2000m2/g、全細孔容積=1.1cc/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして測定・評価した。
(実施例6)
内径15mmΦのガラスカラムに、無電解パラジウムめっき液の銅除去材としての繊維状活性炭(株式会社アドール製商品名A−15)を、層高50mmとなるように充填し(充填量1.3g)、ポンプを用いて被処理水を通水させた。被処理水はパラジウムめっき老化液(奥野製薬工業株式会社製商品名パラトップLP、パラジウム濃度1000mg/L、pH7.1〜7.5、温度55〜65℃を用い、銅めっき工程及びニッケルめっき工程を含む製造方法により無電解パラジウムめっきを行った後の使用液)に、さらに銅(ナカライテスク株式会社製商品名硫酸銅(II)五水和物)を添加した液を用いた。該被処理水のパラジウム濃度は850mg/L、銅濃度は8.5mg/Lであった。被処理水を流量2.2mL/min、SV=15h-1で通水して、ガラスカラムより流出した処理水を50mL/回で4回採水し、採水した処理水のパラジウム濃度及び銅濃度を測定し、評価した。
(比較例1)
内径15mmΦのガラスカラムに、無電解パラジウムめっき中の銅除去材として粒状活性炭(大阪ガスケミカル株式会社製 粒状活性炭 商品名粒状白鷺WH2c、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積=0.57cc/g、比表面積=1700m2/g、全細孔容積=0.9cc/g)を、層高50mm充填し(充填量3.5g)、ポンプを用いて被処理水を通水させた。被処理水はパラジウムめっき新液(奥野製薬工業株式会社製商品名パラトップLP、パラジウム濃度1000mg/L、pH7.1〜7.5、温度55〜65℃)に銅(ナカライテスク株式会社製商品名硫酸銅(II)五水和物)を添加した液を用いた。該被処理水のパラジウム濃度は970mg/L、銅濃度は10mg/Lであった。被処理水を流量2.2mL/min、SV=15h-1で通水して、ガラスカラムより流出した処理水を50mL/回で4回採水し、採水した処理水のパラジウム濃度及び銅濃度を測定し、評価した。
(比較例2)
無電解パラジウムめっき液の銅除去材としての繊維状活性炭(株式会社アドール製商品名A−7、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積=0.03cc/g、比表面積=850m2/g、全細孔容積=0.4cc/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして測定・評価した。
(比較例3)
内径15mmΦのガラスカラムに、無電解パラジウムめっき液の銅除去材としてのキレート樹脂(三菱化学株式会社製商品名ダイヤイオンCR11)を、層高50mmとなるように充填し(充填量2.4g)、ポンプを用いて被処理水を通水させた。被処理水はパラジウムめっき新液(奥野製薬工業株式会社製商品名パラトップLP、パラジウム濃度1000mg/L、pH7.1〜7.5、温度55〜65℃)に銅(ナカライテスク株式会社製商品名硫酸銅(II)五水和物)を添加した液を用いた。該被処理水のパラジウム濃度は970mg/L、銅濃度は10mg/Lであった。被処理水を流量2.2mL/min、SV=15h-1で通水して、ガラスカラムより流出した処理水を50mL/回で2回採水し、採水した処理水のパラジウム濃度及び銅濃度を測定し、評価した。
(比較例4)
内径15mmΦのガラスカラムに、無電解パラジウムめっき液の銅除去材としてのキレート樹脂(三菱化学株式会社製商品名ダイヤイオンCR11)を、層高50mm充填し(充填量2.4g)、ポンプを用いて被処理水を通水させた。被処理水はパラジウムめっき老化液(奥野製薬工業株式会社製商品名パラトップLP、パラジウム濃度1000mg/L、pH7.1〜7.5、温度55〜65℃を用い、銅めっき工程及びニッケルめっき工程を含む製造方法により無電解パラジウムめっきをおこなった後の使用液)に、さらに銅(ナカライテスク株式会社製商品名硫酸銅(II)五水和物)を添加した液を用いた。該被処理水のパラジウム濃度は850mg/L、銅濃度は8.5mg/Lであった。被処理水を流量2.2mL/min、SV=15h-1で通水して、ガラスカラムより流出した処理水を50mL/回で4回採水し、採水した処理水のパラジウム濃度及び銅濃度を測定し、評価した。
(比較例5)
内径15mmΦのガラスカラムに、無電解パラジウムめっき液の銅除去材としてのイオン交換繊維(東洋紡株式会社製商品名NX−73U)を、層高50mmとなるように充填し(充填量1.3g)、ポンプを用いて被処理水を通水させた。被処理水はパラジウムめっき老化液(奥野製薬工業株式会社製商品名パラトップLP、パラジウム濃度1000mg/L、pH7.1〜7.5、温度55〜65℃を用い、銅めっき工程及びニッケルめっき工程を含む製造方法により無電解パラジウムめっきを行った後の使用液)に、さらに銅(ナカライテスク株式会社製商品名硫酸銅(II)五水和物)を添加した液を用いた。該被処理水のパラジウム濃度は850mg/L、銅濃度は8.5mg/Lであった。被処理水を流量2.2mL/min、SV=15h-1で通水して、ガラスカラムより流出した処理水を50mL/回で4回採水し、採水した処理水のパラジウム濃度及び銅濃度を測定し、評価した。
<処理水及び被処理水のパラジウム濃度の測定>
処理水及び被処理水のパラジウム濃度は、JIS K 0102 2013 5.5に準じ、試料10mlに硝酸5%を2.5ml加え、100℃×1時間の条件で加熱し、常温まで冷却後、超純水を加えて50mlとして前処理をおこない、JIS K 0102 2013 52.4に規定されるICP発光分光分析法に準じ、内標準液としてイットリウム溶液を用いて測定をおこなった。なお、パラジウム濃度が0.05ppm以下の場合であって、上記ICP発光分光分析法により測定不可の場合は、JIS K 0102 2013 52.5ICP質量分析法に準じ、内標準液としてイットリウム溶液を用いて測定をおこなった。
<処理水及び被処理水の銅濃度の測定>
処理水及び被処理水の銅濃度は、JIS K 0102 2013 5.5に準じ、試料40mlに硝酸5%を2.5ml加え、100℃×1時間の条件で加熱し、常温まで冷却後、超純水を加えて50mlとして前処理をおこない、JIS K 0102 2013 52.4に規定されるICP発光分光分析法に準じ、内標準液としてイットリウム溶液を用いて測定をおこなった。なお、銅濃度が0.01ppm以下の場合であって、上記ICP発光分光分析法により測定不可の場合は、JIS K 0102 2013 52.5ICP質量分析法に準じ、内標準液としてイットリウム溶液を用いて測定をおこなった。
<細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積及び全細孔容積の測定>
前述の方法により測定、算出した。
<活性炭の比表面積の測定>
窒素を被吸着物質として用いたBET法(1点法)で測定した。
<平均細孔直径の測定>
前述の方法により測定、算出した。
<繊維状活性炭の強度>
繊維状活性炭の強度(引張強度)は、JIS K 1477 2007に規定に準拠した方法により測定した。
各実施例、比較例の銅除去材の物性を表1に、処理水及び被処理水のパラジウム濃度、銅濃度を表2に示す。
実施例1〜6の無電解パラジウムめっき液の銅除去材は、温度77.4Kにおける窒素吸着等温線によりMP法で求めた細孔分布において細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積が0.05cc/g以上である繊維状活性炭を含むことから、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に優れるものであった。
実施例1〜6の中でも、4回目の通水終了時におけるガラスカラム中の繊維状活性炭の形態変化の度合いは、小さいものから実施例4>実施例1、6>実施例5>実施例3>実施例2であった。従って、実施例1〜6の中において、実施例4の無電解パラジウムめっき液の銅除去材が、最もめっき液中における繰り返し使用に対する強度に一層優れ、めっき液中における繰り返し使用に対する形態安定性により一層優れるものであった。
一方、比較例1は、4回目の通水終了時におけるガラスカラム中の活性炭の形状変化はほとんど見られなかったが、上記繊維状活性炭を含まず、粒状活性炭を含むものであったことから、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に劣るものであった。
比較例2は、4回目の通水終了時におけるガラスカラム中の活性炭の形状変化はほとんど見られなかったが、用いた繊維状活性炭が温度77.4Kにおける窒素吸着等温線によりMP法で求めた細孔分布において細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積が0.05cc/g未満であったことから、無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に劣るものであった。
比較例3〜5は、温度77.4Kにおける窒素吸着等温線によりMP法で求めた細孔分布において細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積が0.05cc/g以上である繊維状活性炭を含まないものであったことから、実施例1〜6に比して無電解パラジウムめっき液中の銅除去効果に劣るものであった。

Claims (8)

  1. 温度77.4Kにおける窒素吸着等温線によりMP法で求めた細孔分布において、細孔直径10Å以上20Å以下の範囲の細孔容積が、0.05cc/g以上である繊維状活性炭を含む、無電解パラジウムめっき液の銅除去材。
  2. 前記繊維状活性炭の比表面積が1000m2/g以上である、請求項1に記載の無電解パラジウムめっき液の銅除去材。
  3. 前記繊維状活性炭の全細孔容積が、0.4〜1.5cc/gである、請求項1又は2に記載の無電解パラジウムめっき液の銅除去材。
  4. 前記無電解パラジウムめっき液中のパラジウム化合物の濃度が、0.1〜30g/Lである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無電解パラジウムめっき液の銅除去材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の無電解パラジウムめっき液の銅除去材を用いる、無電解パラジウムめっき液中の銅除去方法。
  6. パラジウム化合物と、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無電解パラジウムめっき液の銅除去材を含む、無電解パラジウムめっき液。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の無電解パラジウムめっき液の銅除去材を用いて銅を除去した無電解パラジウムめっき液を用いる、無電解パラジウムめっき方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の無電解パラジウムめっき液の銅除去材を用いて銅を除去した無電解パラジウムめっき液を用いて、部材表面にパラジウムめっきを施す工程を備える、電子部品の製造方法。
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