JP2017073505A - 電気機械変換膜の製造装置、電気機械変換膜の製造方法、電気機械変換素子の製造方法、液体吐出ヘッドの製造方法、及び液体吐出装置の製造方法 - Google Patents

電気機械変換膜の製造装置、電気機械変換膜の製造方法、電気機械変換素子の製造方法、液体吐出ヘッドの製造方法、及び液体吐出装置の製造方法 Download PDF

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【課題】結晶配向性が十分に確保された電気機械変換膜の形成を可能にする、電気機械変換膜の製造装置を提供する。【解決手段】ゾルゲル法にて形成される電気機械変換膜の製造装置は、電気機械変換膜を形成するための金属成分を含む前駆体ゾルゲル液を収容する液室224を有し液室内の前駆体ゾルゲル液を液滴221にして吐出させ、基板上に部分的に塗布する液滴吐出ヘッド220と、液滴吐出ヘッド220の液室内へ第1の前駆体ゾルゲル液を供給可能な第1の供給手段である溶液タンク231、溶液ポンプ232、溶液流量調整バルブ233と、第1の前駆体ゾルゲル液と同一成分でかつ組成比の異なる金属成分を含む第2の前駆体ゾルゲル液を、第1の供給手段とは独立に供給可能な第2の供給手段である溶液タンク234、溶液ポンプ235、溶液流量調整バルブ236と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電気機械変換膜の製造装置、電気機械変換膜の製造方法、電気機械変換素子の製造方法、液体吐出ヘッドの製造方法、及び液体吐出装置の製造方法に関する。
電気機械変換膜は、例えば液体吐出ヘッド、ステージ駆動用のアクチュエータ、角速度センサや加速度センサ、偏向ミラー、HDDヘッド用微調整装置、強誘電体メモリ素子、マイクロポンプ等のマイクロエレクトロニクスアプリケーションとして使用されている。圧電体(圧電素子)に含まれる電気機械変換膜は、特にジルコン酸チタン酸鉛(PZT)セラミックスなどが用いられている。
電気機械変換膜を製造する方法として、スピンコート方式が一般的である(非特許文献1等)。また、スピンコート方式よりも少ない量の材料で所望のパターンを形成することができる液滴吐出方式も提案されている(例えば、非特許文献2)。液滴吐出方式では、工業用液滴吐出装置を用いて、工業用液滴吐出装置を用いて濡れ性が制御された基板下地層上に対し、PZT前駆体ゾルゲル液を液滴にして吐出することで、高解像度でゾルゲル液の塗り分けを行う、パターン化電気機械変換膜の形成を行う(インクジェット方式ともいう)。
いずれの製造方式においても、乾燥、熱分解及び結晶化の熱処理工程において鉛欠損が起こる、いわゆる「鉛抜け」による結晶性の低下が発生する。これを防ぐため、PZT前駆体ゾルゲル液に、ジルコニウム及びチタンに対して鉛の量を化学量論組成に対して過剰に組成させている。
鉛の消失量は熱処理工程における処理温度によって異なり、処理温度が高いほど鉛の消失量が多くなる。鉛の消失量が多くなったPZTは結晶化すると無配向領域が増加するため、電気機械変換膜としての機能を十分に果たせなくなる。よって液滴を吐出させて部分的に塗布する工程にて、処理温度に合わせて、PZT前駆体ゾルゲル液中の鉛含有量を、処理温度に合わせて、変更する必要がある。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決した、結晶配向性が十分に確保された電気機械変換膜の形成が可能な、電気機械変換膜の製造装置を提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、ゾルゲル法にて形成される電気機械変換膜の製造装置を提供する。製造装置は、電気機械変換膜を形成するための金属成分を含む前駆体ゾルゲル液を収容する液室を有し、該液室内の前記前駆体ゾルゲル液を液滴にして吐出させ、基板上に部分的に塗布する、液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドの液室内へ第1の前駆体ゾルゲル液を供給可能な第1の供給手段と、前記第1の前駆体ゾルゲル液と同一成分でかつ組成比の異なる金属成分を含む第2の前駆体ゾルゲル液を、前記第1の供給手段とは独立に供給可能な第2の供給手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、電気機械変換膜の製造装置において、結晶配向性が十分に確保された電気機械変換膜を形成できる。
本発明の一実施形態に係る、電気機械変換膜の製造装置に備えられるPZT前駆体ゾルゲル液の液滴吐出ヘッド及び液体供給部の概略構成図である。 (a)〜(g)は、ゾルゲル法によるパターン化した電気機械変換膜を形成する工程の一例を示す説明図である。 (d')〜(f')は、2回目以降のPZT前駆体ゾルゲル液の塗り分け工程を説明する説明図である。 本発明の一実施形態に係る、電気機械変換膜の形成方法を示すフローチャートの例である。 図4における、PZT前駆体ゾルゲル液の塗布・加熱工程を示す詳細フローチャートの例である。 図1に示す液滴吐出ヘッドを備える、PZT前駆体ゾルゲル液の塗布装置の概略構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る製造方法で作製された電気機械変換膜を備えた液滴吐出ヘッドの構成例を示す断面図である。 図7の液滴吐出ヘッドを複数個配列した構成例を示す断面図である。 図8の液滴吐出ヘッドを用いた画像形成装置の一例を示す平面説明図である。 Pt上に形成されたPZT膜のXRD測定チャートの一例である。 P−Eヒステリシス曲線のグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、電気機械変換膜(電子機械変換膜ともいう)がPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)膜の場合について説明する。PZT膜のPZT前駆体ゾルゲル液は、例えば酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ、均一溶液として得るようにしても良い。なおPZT前駆体ゾルゲル液は、「ゾルゲル液」、「前駆体ゾルゲル液」とも呼ばれる。
[製造装置の塗布部]
図1は、本発明の一実施形態に係る、電気機械変換膜の製造装置に備えられる液体吐出ヘッド及び液体供給部の概略構成図である。図1では、電気機械変換膜の製造装置における、液体供給部230と、液滴吐出ヘッド220を示している。
本実施形態において、電気機械変換膜として、パターン化したPZT膜を製造する場合、前駆体ゾルゲル液を塗布液として液滴吐出方式で塗布することにより塗膜を形成する。その後、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことでパターン化したPZT膜が得られる。なお、製造装置の塗布、加熱については、図6を用いて後述する。
液体供給部230は、液滴吐出ヘッド220へPZT前駆体ゾルゲル液を供給する。液体供給部230には、溶液タンク231、溶液ポンプ232、溶液流量調整バルブ233、溶液タンク234、溶液ポンプ235、ソレノイドバルブ237、コントローラ238、コントローラ238、及び流路239が配設されている。
液滴吐出ヘッド220には、複数のノズル223が設けられている。各ノズル223に対応する、液室(個別液室)224は、流路239に接続された共通液室226と接続されている。
各ノズル223に対応して、液室224と、アクチュエータ225とが設けられている。ノズル223は、製造対象の電気機械変換膜を形成するための原料となる金属成分を含むPZT前駆体ゾルゲル液の液滴221を基板に対して吐出する。液室224はノズル223に連通しており、液室224は、吐出室、加圧液室、圧力室、インク流路等とも称される。アクチュエータ225は、液室224内のPZT前駆体ゾルゲル液の液滴を吐出するために液室224内に圧力を発生させる圧力発生手段である。
アクチュエータ225としては、圧電素子などの電気機械変換素子を用いて液室224の壁面を形成している振動板を変形・変位させることで液滴を吐出させるピエゾ型のアクチュエータを用いることができる。また、アクチュエータ225としては、液室224内に配設した発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液の膜沸騰でバブルを発生させて液滴を吐出させるバブル型(サーマル型)のアクチュエータを用いてもよい。
液体供給部230において、溶液タンク231は、PZT前駆体ゾルゲル液(以後、前駆体ゾルゲル液Aとする)を収容する容器である。溶液ポンプ232は、溶液タンク231から供給されるPZT前駆体ゾルゲル液A(第1の前駆体ゾルゲル液)を搬送する。溶液流量調整バルブ233は、PZT前駆体ゾルゲル液Aの流量を調整する。溶液タンク231、溶液ポンプ232、溶液流量調整バルブ233は第1の供給手段として機能する。
また、溶液タンク234は、溶液タンク231に収容されるPZT前駆体ゾルゲル液Aと同一成分でかつ組成比の異なる金属成分を含む前駆体ゾルゲル液(以後、前駆体ゾルゲル液Bとする)を収容する容器である。ここで、金属成分として、後述する電気機械変換膜を構成するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を形成するための、金属成分Pb、Zr、Tiを含む。
溶液ポンプ235は、溶液タンク234から供給されるPZT前駆体ゾルゲル液B(第2の前駆体ゾルゲル液)を搬送する。溶液流量調整バルブ236は、前駆体ゾルゲル液Bの流量を調整する。溶液タンク234、溶液ポンプ235、溶液流量調整バルブ236は第2の供給手段として機能する。
ソレノイドバルブ237は、溶液流量調整バルブ236をバイパスして各液滴吐出ヘッド220の各液室224に、前駆体ゾルゲル液Bを送り込むためのバルブであって、通常は閉じているノーマルクローズタイプのバルブである。また、コントローラ238は、図示しないメインコントローラの指令に基づいて、溶液ポンプ232,235、及びソレノイドバルブ237を電気的に制御する、例えばプログラマブルコントローラである。
コントローラ238、溶液ポンプ232,235、及びソレノイドバルブ237は、液室224にPZT前駆体ゾルゲル液Aと、PZT前駆体ゾルゲル液Aと同一成分でかつ組成比の異なる金属成分を含む前駆体ゾルゲル液Bとをそれぞれ独立に供給する供給手段として機能する。すなわち、コントローラ238が、溶液ポンプ232をON/OFF制御することで、溶液タンク231内のPZT前駆体ゾルゲル液が流路239内を搬送される。同様に、コントローラ238が、溶液ポンプ235をON/OFF制御することで、溶液タンク234内のPZT前駆体ゾルゲル液が流路239内を搬送される。
このように、二種類のPZT前駆体ゾルゲル液A、Bは流路239内を搬送されながら混合し、混合されたPZT前駆体ゾルゲル液(以後、前駆体ゾルゲル液Cとする)は所定の金属成分の組成比となって、液滴吐出ヘッド220の共通液室226に供給される。さらに混合されたPZT前駆体ゾルゲル液Cは、共通液室226と接続している複数の液室224に供給される。
ここで、電気機械変換膜を構成するPZTは、ジルコン酸鉛(PbZrO3)とチタン酸鉛(PbTiO3)の固溶体で、その比率により特性が異なる。一般的に優れた圧電特性を示す組成はPbZrO3とPbTiO3の比率が53:47の割合で、化学式で示すとPb(Zr0.53Ti0.47)O、一般に、PZT(53/47)と示される。即ち、Pb:Zr:Tiの化学量論組成(ストイキオメトリ)として、100:52:54となる。酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物の出発材料は、この化学式に基づいて秤量される。
なお、金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体溶液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量添加しても良い。PZT以外の複合酸化物としては、チタン酸バリウムなどが挙げられる。この場合はバリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製することも可能である。
ここで、加熱工程において、Ti、Ziに比べて鉛(Pb)は揮発性が高いため、塗布前の供給には、鉛量(Zr組成とTi組成の和に対するPb組成の割合)は、化学量論組成を適度に過剰に存在させることで、後工程である、乾燥・熱分解・結晶化等の熱処理工程における、高温下での鉛抜けによる結晶性低下を防ぐ。このとき、加熱時の温度により、鉛抜けの量が変化するため、加熱温度により、鉛量を調整できると好適である。
本実施形態において、コントローラ238、溶液ポンプ232,235、及びソレノイドバルブ237は、液室224内の混合PZT前駆体ゾルゲル液Cの金属成分の組成比を調整する組成調整手段としても機能する。すなわち、コントローラ238は、溶液ポンプ232と235とをそれぞれ独立にON/OFF制御する。これにより、PZT前駆体ゾルゲル液Aの量と、PZT前駆体ゾルゲル液Aと同一成分でかつ組成比の異なる金属成分を含むPZT前駆体ゾルゲル液Bの量(有無)とを適宜調整して、混合されたPZT前駆体ゾルゲル液Cの金属成分の組成比を所望の組成に調整することができる。
このとき、溶液タンク231内のPZT前駆体ゾルゲル液Aと、溶液タンク234内の前駆体ゾルゲル液Bとの、前駆体ゾルゲル液中の固形分濃度は同一であることが望ましい。
これにより、共通液室226で混合された混合PZT前駆体ゾルゲル液Cの固形分濃度は、溶液ポンプから供給された両前駆体ゾルゲル液から不変になる。よって、複数の液室224を介し各ノズル223より吐出されるゾルゲル液滴221の固形分濃度を全て同一にすることができる。
またゾルゲル液滴221を所望のパターン形状に合わせて塗布し液膜を形成した後、加熱処理によって得られるPZT膜の一度の成膜で得られる膜厚をノズル間で揃えることが可能となり、電気機械変換膜の膜厚調整を容易に実施することができる。
さらに、溶液タンク234内に収容される、PZT前駆体ゾルゲル液Aと、同一成分でかつ組成比の異なる金属成分を含む前駆体ゾルゲル液Bにおいて、組成比の異なる部分が鉛含有量であることが望ましい。
これにより、液滴吐出ヘッド220を用いて塗布されるPZT前駆体ゾルゲル液の鉛含有量を、ゾルゲル液滴の塗布およびパターン化液膜形成後の加熱処理温度に応じて調整することができる。即ち、熱処理工程で発生する鉛欠損を見越した鉛含有量での前駆体ゾルゲル液の塗布が可能となるため、結晶配向性が十分に確保された電気機械変換膜の形成をすることができる。
前述した液滴吐出ヘッド220及び液体供給部230の構成によれば、塗布されるPZT前駆体ゾルゲル液の金属成分の組成比調整、即ち混合されたPZT前駆体ゾルゲル液の鉛含有量の調整をノズル内(液室224)で完結して塗布することができる。
このため、金属成分の組成比が異なるPZT前駆体ゾルゲル液への交換や、PZT前駆体ゾルゲル液が供給される液滴吐出ヘッド220内の各液室224、及びPZT前駆体ゾルゲル液の溶液タンク231及び234から液滴吐出ヘッド220までの流路洗浄等の工程を省くことができる。
これにより、基板上に所定のパターンで形成される電気機械変換膜(以下、適宜「電気機械変換膜パターン」という)の組成比調整を容易に実施することができる。
例えば、上述の塗布の構成により、塗布後の処理温度によって、異なる水準の鉛含有量を持つ複数のPZT前駆体ゾルゲル液を塗布するために、鉛含有量ごとに、複数の液体吐出ヘッドを設置する必要がない、したがって、装置のコスト高を抑制できる。
また、仮にゾルゲル液吐出装置が一体の供給部と液体吐出ヘッドを備えているとすると、異なる水準の鉛含有量を持つ、複数のPZT前駆体ゾルゲル液を塗布するには、工程中、鉛含有量を変更する度に塗布するゾルゲル液の入れ替えを実施しなければならない。入れ替え時には液体吐出ヘッドに加えて、これに接続する流路配管、およびタンクまでの洗浄(パージ)も必要であり工程が煩雑になることから、生産性が著しく低下する。特にパージ後のゾルゲル液インクの付け替えでは、液質内および流路内に空気が入りやすくなるため、残留したゾルゲル液インクの溶媒成分の蒸発から、乾固した固形分(金属成分)によって液体吐出ヘッドのノズルが詰まるという別のリスク上昇が発生する問題があった。
しかし、本発明の実施形態では、吐出ヘッドとは独立して供給タンクが複数設けられており、ポンプ等の調整手段により、温度が変化するごとに、鉛含有量を調整できる。よって、製造工程が簡素化でき、生産性を高め装置の低コスト化が実現できる。
図2(a)〜(g)は、ゾルゲル法によるパターン化した電気機械変換膜を形成する工程の一例を示す説明図である。図3(d')〜(f')は、2回目以降のPZT前駆体ゾルゲル液の塗り分け工程を説明する説明図である。図4は、本発明の一実施形態に係る、電気機械変換膜の形成方法を示すフローチャートの例である。
上記ゾルゲル法によるPZT電気機械変換膜の形成方法の一例について、図2及び図4を参照して、さらに詳細に説明する。
図4のステップS1にて、図2(a)に示すように、基板1の表面には下地層としてTiO2を50nmの厚さで成膜する。さらに第1の電極として、白金(Pt)3及びルテニウム酸ストロンチウム(SRO)4が順次積層され形成されている。このときの白金層3、SRO層4の層の厚さは夫々、250nm、60nmとする。さらに、第1の電極にフォトレジスト5を塗布する。
なお、図4では、第1の電極(下部電極)として白金層3を全面に成膜したものについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1の電極として、白金(Pt)や金(Au)、銀(Ag)等の貴金属類と、LNO(ニッケル酸ランタン、LaNiO3)やSRO(ルテニウム酸ストロンチウム、SrRuO3)等の導電性酸化物を順次積層させてもよい。
ここで、S2にて、第1の電極は、液滴を吐出させて部分的に塗布する方式にて電気機械変換膜として形成されるパターンに合致するよう、フォトリソグラフィーによりレジストをパターニングする。そして、ドライエッチングにより電気機械変換素子パターン領域外の表面上に存在するSRO層(及びフォトレジスト被膜5)をエッチングする(図2(b)参照)。
続いてS3で、電気機械変換素子パターンと同じ形状の所定のパターン領域上に残ったフォトレジスト5を剥離する(図2(c)参照)。電気機械変換膜パターンは幅50μm、長さ1000μmの長尺パターンであり、幅方向に1:1ピッチ(パターン幅=スペース幅=50μm)で配列させたものである。前記パターニング工程後の電気機械変換素子パターン領域外の表面は、第1の電極の下層の白金層3が存在する状態とした。
このように、S4及びS5で、一般的なフォトリソグラフィーおよびエッチング工程により、導電性酸化物を所望の電気機械変換膜パターンと同型にパターニングを行う。これにより、所望のパターン領域外は導電性酸化物下面の貴金属層(図2では白金層3)を露出させる。
そして、S4で、SAM(Self assembled monolayer)膜6を形成する。図2(d)は、基板1の表面全体に表面処理を実施し、電気機械変換素子パターン領域外にSAM膜が形成された状態を示している(S4)。
S3のパターニング後の基板1の表面全体をS4でSAM処理すると、SAM膜6を、所定の部分、即ち、導電性酸化物(SRO層4)が形成されたパターン以外の第1の電極(白金層3)上に形成することで、基板1の部分毎に表面改質を行う。
詳しくは、アルカンチオールは貴金属層からなる所望のパターン領域外のみに選択的に自己配列しSAM膜を形成するので、SAM膜が形成された部分は疎水性になる。同時に、導電性酸化物からなる所望の電気機械変換膜パターン領域の下に位置する第1の電極(SRO層4)ではSAM膜が形成されないため親水性が確保される。
具体的には、SAM膜はアルカンチオール希釈液に基板1を浸漬してチオール基を自己配列させることで得られる。ここでアルカンチオールはドデカンチオール<CH(CH11−SH>を使用し、モル濃度0.1[mmol/l]のエタノール希釈液とした。
また基板1のアルカンチオール液への浸漬時間は30秒間とし、浸漬後はエタノール浴中で5分間超音波洗浄を施す。
この結果、基板1における、所定のパターン領域内/外における対純水接触角は、表面の改質が行われたパターン領域外(即ち、白金層3の部分)では90度以上となり十分な疎水性が得られる。また、表面の改質が行われなかったパターン領域内(SRO層4の上)では30度以下となり親水性となった。同時に、パターン領域内/外の接触角コントラストを大きく確保することができた。
そして、S5でPZT前駆体ゾルゲル液を塗布・加熱することで、PZT膜8が成膜する。図2(d)及び図3(d')のような、基板1が表面改質された状態で液滴を吐出させると、表面エネルギーのコントラストにより、親水性の部分である、SAM膜が形成されない白金層3の上のみ、部分的にゾルゲル液が塗布され、PZT前駆体ゾルゲル液の部分ごとの塗り分けが可能となる。
なお、S5の前に、図1に示す液体供給部230において、ゾルゲル液が液滴吐出ヘッド220で塗布可能なようにゾルゲル液の粘度、表面張力を調整しておく。
S4及びS5の工程により、液滴吐出方式による塗工でPZT前駆体ゾルゲル液を選択的に塗布しているので、PZT前駆体ゾルゲル液の消費量を低減することができる。
このようにしてパターン化されたPZT前駆体ゾルゲル液の液膜(塗膜)7を、液滴吐出方式にて形成した後は、通常のゾルゲル液プロセスに従って熱処理を行う。即ち、ホットプレートやクリーンオーブンによる熱源装置や、赤外線ランプによる急速加熱処理(RTA:Rapid Thermal Annealing)装置等による加熱処理によって乾燥・熱分解・結晶化工程を実施することで、所望のPZT膜8を得る。またレーザー光照射による加熱処理でもよい。なお、前記加熱処理により、図2(g)に示すようにSAM膜6は消滅する。加熱工程の詳細は図5、図6を用いて後述する。
一度の成膜で得られるPZT膜8の膜厚は50〜100nm程度が好ましい。また、加熱処理後にPZT膜8となるPZT前駆体溶液の液膜(塗膜)7の膜厚は、使用するPZT前駆体ゾルゲル液の固形分濃度により調整することができる。固形分濃度は、合成の出発となった出発材料となる素材を秤量したものを溶媒で割った濃度を示す。
上記の一連の工程について、2回目以降のPZT前駆体ゾルゲル液の塗り分け工程を、図3(d')〜(f')に示す。工程は1回目と同様に行うが、このときSAM膜6は、酸化物膜(薄膜)、即ち、図3(d')に示す形成されたPZT膜8(加熱分解後のアモルファス状態のPZT膜又は結晶化により配向したPZT膜)上は形成されない。よって、SAM処理ではPZT膜8のない領域(電気機械変換膜パターン外)の第1の電極のうち白金層3上のみにSAM膜6が形成される、Pt膜の表面改質工程は簡便化することができる。
以上の工程を、PZT膜8'が所望の膜厚になるまで繰り返すが、この工法によるパターン化はPZT膜(電気機械変換膜)8'が5μmの厚さまで形成することができる。
図6は、上記PZT前駆体ゾルゲル液の塗布に用いられる、産業用の前駆体ゾルゲル液塗布装置の概略構成を示す斜視図である。
電気機械変換膜の成膜方法において、上記ゾルゲル液を塗布液として液滴吐出方式で塗布して塗膜を形成した後、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことでパターン化したPZT膜が得られる。
具体的に、熱処理とは、ゾルゲル液膜に含まれる溶媒成分を乾燥させる工程と、乾燥させたゾルゲル液膜を熱分解させる工程と、熱分解されたゾルゲル液膜(アモルファス層)を結晶化させる工程と、を含む。このとき、各々の工程は独立して行っても良く、図5に示すように連続して実施しても良い。
また、各々の熱処理の好ましい温度としては、前駆体の成分によっても変わるが、一般的には、ゾルゲル液膜に含まれる溶媒成分を乾燥させる工程は70℃〜350℃であり、乾燥させたゾルゲル液膜を熱分解させる工程は350℃〜650℃であり、熱分解されたゾルゲル液膜を結晶化させる工程は650℃〜950℃である。
塗膜から結晶化膜への変態には体積収縮が伴うので、クラックフリーな膜を得るには一度の工程で100nm以下の膜厚が得られるようにするのが好ましい。そして、前駆体濃度は、電気機械変換膜の成膜面積とPZT前駆体溶液の塗布量との関係から適正化するように調整するのが好ましい。また、液滴吐出装置の電気機械変換素子として用いる場合、このPZT膜の膜厚は1μm〜2μmが要求される。この膜厚を得るには十数回、工程を繰り返すことになる。
図6に示す前駆体ゾルゲル液塗布装置200において、架台208に、直動案内とステッピングモータ等からなるY軸駆動手段201及びX軸支持部材204が設けられている。Y軸駆動手段201には、Y方向に往復移動自在なステージ203が支持されている。このステージ203には、基板202が載置される。また、X軸支持部材204には、直動案内とステッピングモータ等からなるX軸駆動手段205が配設されており、液滴吐出ヘッド220がX方向に往復移動自在に支持されている。
液滴吐出ヘッド220には、ヘッドベース206と、図1に示す流路1の一部として機能する材料供給用パイプ210が接続されている。また、液滴吐出ヘッド220は、直動案内とエアシリンダ等からなるZ軸駆動手段211で支持されており、ヘッドベース206と材料供給用パイプ210と一体で、上下方向に移動自在に構成されている。
上記構成の前駆体ゾルゲル液塗布装置200において、ステージ203に載置された基板202をY方向に移動させ、液滴吐出ヘッド220をX方向に移動させることにより、基板202の全面にPZT前駆体ゾルゲル液を塗布することができる。なお、PZT前駆体ゾルゲル液を基板202に塗布するときは、Z軸駆動手段211を駆動させて液滴吐出ヘッド220を下降させ、ヘッドベース206を基板202に近づけてもよい。
上記構成の前駆体ゾルゲル液塗布装置200により、前述の図2(d)に示す工程で形成された基板1上の親水性領域、即ち所望の電気機械変換膜のパターン形成領域にPZT前駆体ゾルゲル液を塗布した(図2(e)、(f)参照)。前述した通り、電気機械変換膜パターンの形成領域内/外における接触角のコントラストのため、PZT前駆体ゾルゲル液は親水部のみに広がりパターン(θ>0)が形成される。
これを、溶媒を乾燥させる工程(図5、S52)において、ホットプレートによる基板下面加熱により、昇温速度20[℃/min]で、室温から200℃まで温度上昇させて熱処理を行う。
本工程でゾルゲル液膜を乾燥させた後、有機物の熱分解処理を500℃の温度で実施することで、図2(g)に示すような電気機械変換膜パターンのPZT膜を得る。このときの電気機械変換膜厚は80nmとなり、電気機械変換膜パターンの長手方向の中央部/端部で膜厚差のない良好な電気機械変換膜を得られる。
引き続き、繰返しにより、イソプロピルアルコール洗浄後、同様にチオール希釈液への浸漬にて基板の表面処理を実施しSAM膜を形成する。2回目以降、SAM膜は酸化膜上、すなわちPZT上には形成されないので、図3(d')に示すようなSAM膜のパターンが容易に得られる。またこのときの対純水接触角θは、電気機械変換膜パターン領域外(SAM膜上)は100°以上、PZT膜上は25°以下となる。
この状態で、1回目に形成した電気機械変換膜パターンに位置合わせを行い、再度、前駆体ゾルゲル液塗布装置200によりPZT前駆体ゾルゲル液を塗布した(図3(e')、(f')参照)。
塗布後は1回目の塗布後と同様に、溶媒を乾燥させる工程と、続いて有機物の熱分解処理を実施し、電気機械変換膜パターンのPZT膜を得る。
上記PZT膜はその後、結晶化処理(750℃の温度)をRTA(急速熱処理)にて行い、重ね塗りされたPZT膜が得られた(図3(g')参照)。このとき膜にクラックなどの不良は生じない。また、このときの電気機械変換膜の膜厚は160nmとなる。
引き続き一連の工程、すなわち表面処理によるSAM膜形成→PZT前駆体ゾルゲル液の塗布→200℃乾燥→500℃熱分解→SAM膜形成→PZT前駆体ゾルゲル液の塗布→200℃乾燥→500℃熱分解→750℃結晶化処理までの工程を実施する(図5)。
この工程を、前記同様の条件で12サイクル、即ちPZT前駆体溶液の塗布を24回分実施する。最終的に成膜された電気機械変換膜パターンの膜厚を測定したところ、パターン化PZT膜の厚さは2.0μmとなり、パターン間での膜厚ムラがほとんどない良好な電気機械変換膜が得られる。
ここで、図5において、表面改質を行う工程S51と、塗布工程S52と、乾燥工程S53と、熱分解工程S54とを第1の一連の塗布加熱工程とする。また、表面改質を行う工程S55と、塗布工程S56と、乾燥工程S57と、熱分解工程S58と、結晶化工程S5とを第2の一連の塗布加熱工程とする。
熱処理において、熱分解工程では、乾燥されたゾルゲル液膜を、乾燥時よりも高い温度で熱分解する。結晶化工程では、熱分解されたゾルゲル液膜を、熱分解時よりも高い温度で加熱する。
S56の塗布工程では、S51で用いた前駆体ゾルゲル液と同一成分でかつ、金属成分の組成比がS51で用いた組成比(第1の組成比)よりも多い金属成分の組成比(第2の組成比)の金属成分を含む前駆体ゾルゲル液の液滴を用いている点がS52と異なる。
また、S51では、前駆体ゾルゲル液の液滴は、初回のみ、表面改質がされていない部分として、導電性酸化物(SRO層4)が形成されたパターン上に、塗布される。しかし、S51(図4のS4)の繰り返しの2回目以降又はS55において、前駆体ゾルゲル液の液滴は、表面改質がされていない部分の導電性酸化物である、熱分解されたゾルゲル液膜又は結晶化されたPZT膜の上に、塗布される。
なお、上述では、第1の一連の塗布加熱工程と、第2の一連の塗布加熱工程とを交互に繰り返す例を示しているが、第1の一連の塗布加熱工程を複数回繰り返した後に、第2の一連の塗布加熱工程を実施してもよい。
なお、加熱工程である、乾燥工程S53,S57、熱分解工程S54、S58、結晶化工程S59の後、夫々に、またはいずれかに、冷却工程を設けてもよい。
ここで、本発明の実施形態に係る製造方法における、PZT前駆体ゾルゲル液の金属成分の組成比の調整のより具体的な、実施例について、比較例とともに後述する。
[液体吐出ヘッド]
次に、本発明に係る製造方法で形成した電気機械変換素子を備えた液滴吐出ヘッドについて説明する。図7は、個別の液体吐出ヘッドの構成例を示す断面図である。また、図8は、個別の液体吐出ヘッドを複数個配置した構成例の断面図である。なお、図中、液体供給手段、流路、流体抵抗についての記載は省略している。
図7に示すように、個別の液体吐出ヘッド50は、液滴を吐出するノズル11が形成されたノズル板10と、ノズル11が連通する液室(圧力室)21を形成する液室基板20と、液室21の壁面を形成する振動板30とが積層されている。また、振動板30の液室21と反対側の面に本発明に係る電気機械変換素子40からなる圧電アクチュエータが設けられている。
電気機械変換素子40は、振動板30上に、酸化物電極41、第1の電極(下部電極)としての白金族電極42、電気機械変換膜43、第2の電極(上部電極)44を順次積層形成したものである。
ここで、電気機械変換素子40は、上述したように簡便な製造工程で振動板30上に形成される。しかも、その電気機械変換素子40はバルクセラミックスと同等の性能を持つ。そして、その後の液室21の形成のための裏面からのエッチング除去を行い、ノズル11を有するノズル板10を接合することで、液体吐出ヘッドを得ることができる。
なお、複数のノズル列を配列した液体吐出ヘッドの例について図8に示しているが、このヘッド部分の構成は上記図7と同様であるので、説明を省略する。
[液体吐出装置]
下記、図8のように、複数のノズル列を搭載した液体吐出ヘッドが搭載された液体吐出装置の一例として、画像形成装置の例を説明する。
なお、上記のような電気機械変換膜が搭載される液体吐出ヘッド(図7,図8)の一例として、図1で示す、電気機械変換膜の製造装置に搭載される、前駆体ゾルゲル液の液滴を吐出する液滴吐出ヘッド220へ適用してもよい。例えば、図1及び図6に示す液滴吐出ヘッド220に、図7又は図8に示す上述の液体吐出ヘッド50の構成を適用する場合は、電気機械変換膜の製造装置の塗布装置200が液体吐出装置の一例となり得る。
[画像形成装置(液体吐出装置)]
次に、本発明に係る電気機械変換を適用する液体吐出ヘッドを搭載した画像形成装置の一例について図9を参照して説明する。なお、図9は画像形成装置の平面説明図である。
この画像形成装置400は、シリアル型インクジェット記録装置であり、図示しない左右の側板に横架した主ガイド部材401及び図示しない従ガイド部材でキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して主走査方向(キャリッジ移動方向)に往復移動する。
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド404を搭載している。記録ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する4列のノズル列404nを有している。また、記録ヘッド404は、複数のノズルからなるノズル列404nを主走査方向と直交する副走査方向に配置し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。
一方、用紙410を搬送するために、用紙を静電吸着して記録ヘッド404に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト412を備えている。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413とテンションローラ414との間に掛け渡されている。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416からの駆動力によりタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。この搬送ベルト412は、周回移動しながら図示しない帯電ローラによって帯電(電荷付与)される。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に記録ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420が配置され、他方側には搬送ベルト412の側方に記録ヘッド404から空吐出を行う空吐出受け421が夫々配置されている。
維持回復機構420は、例えば記録ヘッド404のノズル面(ノズル104が形成された面)をキャッピングするキャップ部材420a、ノズル面を払拭するワイパ部材420bなどで構成されている。
また、キャリッジ403の主走査方向に沿って両側板間に、所定のパターンを形成したエンコーダスケール423を張装し、キャリッジ403にはエンコーダスケール423のパターンを読取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ424を設けている。これらのエンコーダスケール423及びエンコーダセンサ424は、キャリッジ403の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)を構成している。
また、搬送ローラ413の軸にはコードホイール425を取り付け、このコードホイール425に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ426を設けている。これらのコードホイール425及びエンコーダセンサ426は、搬送ベルト412の移動量及び移動位置を検出するロータリエンコーダ(副走査エンコーダ)を構成している。
このように構成した画像形成装置400においては、図示しない給紙トレイから用紙410が帯電された搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410にインク滴を吐出して1行分を記録する。そして、用紙410を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙410の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙410を図示しない排紙トレイに排紙する。
なお、本願において、「用紙」とは材質を紙に限定するものではなく、OHP、布、ガラス、基板などを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含む。また、画像形成、記録、印字、印写、印刷はいずれも同義語とする。
また、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
また、「インク」とは、特に限定しない限り、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
また、画像形成装置には、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置及びライン型画像形成装置のいずれも含まれる。また、画像形成装置として、プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置又は画像形成装置へ適用することができる。
上述のように製造された電気機械変換膜は、良好な圧電特性を獲得できる。従って、電気機械変換膜が搭載された液体吐出ヘッドで液体の一例としてインクを吐出させると、インクの吐出が良好になる。よって、液体吐出ヘッドを適用した画像形成装置では、騒音が極めて小さくかつ高速印字が可能となる。さらに、吐出対象のインクの自由度があり安価な普通紙を使用できるなど多くの利点がある。
[PZT前駆体ゾルゲル液の作製]
次に、本実施形態で使用するPZT前駆体ゾルゲル液Aの作製について説明する。
出発材料には酢酸鉛三水和物<Pb(CH3COO)2・3H2O>、イソプロポキシドジルコニウム<Zr{OCH(CH3)2}4>、イソプロポキシドチタン<Ti{OCH(CH3)2}4>を用いた。
作製プロセスとして、酢酸鉛の結晶水は、メトキシエタノール<CH3OCH2CH2OH>に溶解後、脱水した。
そして、イソプロポキシドジルコニウム、イソプロポキシドチタンをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、上述の酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することでPZT前駆体ゾルゲル液を合成した。
このように作製したPZT前駆体ゾルゲル液では、鉛量は、(Pb:Zr:Ti=100:53:47)である化学量論組成に対し、12.5[mol%]過剰とした。即ち、Pb、Zr、Tiの組成比を(112.5:53:47)となる。
PZT前駆体ゾルゲル液において、鉛量を過剰に存在させることで、後工程である、乾燥・熱分解・結晶化等の熱処理工程における、高温下での鉛抜けによる結晶性低下を防ぐ。
なお、作製工程において、安定剤として、PZT固形分濃度と同モル濃度分の酢酸を添加した。さらに、副溶媒としてメトキシエタノールより高沸点であるジエチレングリコールモノメチルエーテル<CH3OCH2CH2OCH2CH2OH>、および1−ノナノール<CH3(CH2)8OH>を添加した。よって、最終的にPZT前駆体ゾルゲル液の固形分濃度は0.2[mol/l]とした。
作製したPZT前駆体ゾルゲル液は、図1に示すような液滴吐出ヘッド220に溶液タンク231から供給した。
同様に、本実施形態で使用する、前記PZT前駆体ゾルゲル液Aと同一成分で、かつ組成比の異なる金属成分を含む前駆体ゾルゲル液Bも作製した。出発材料は前述のゾルゲル液と同じく酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドジルコニウム、イソプロポキシドチタンを用いた。
合成プロセスも前述と同じく酢酸鉛の結晶水の脱水、アルコール交換反応、エステル化反応、および酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液との混合を進めることでPZT前駆体ゾルゲル液を合成した。
このように作製したPZT前駆体ゾルゲル液では、鉛量は化学量論組成に対し17.5[mol%]過剰とした。すなわち、Pb、Zr、Tiの組成比を(117.5:53:47)となるように作製した。
また、安定剤および副溶媒の添加も同様に進め、最終的なPZT前駆体ゾルゲル液の固形分濃度は、前記ゾルゲル液と同じ0.2[mol/l]とした。
[実施例1]
実施例1で用いる製造装置において、溶液タンク231から溶液流量調整バルブ233を通って供給されるPZT前駆体ゾルゲル液Aは、12.5[mol%]過剰なPZT前駆体ゾルゲル液とする。また、溶液タンク234から溶液流量調整バルブ236を通って供給されるPZT前駆体ゾルゲル液、鉛量が化学量論組成に対し17.5[mol%]過剰なPZT前駆体ゾルゲル液とする。
パターン化PZT膜の形成において、塗布回数の奇数回目では、PZT前駆体ゾルゲル液塗布後の加熱工程として、200℃の乾燥処理及び500℃の熱分解処理を行った。
奇数回目では、図1に示す液滴吐出ヘッド220中の共通液室226へ供給されるPZT前駆体ゾルゲル液は、溶液タンク231から供給されるPZT前駆体ゾルゲル液Aのみとし、溶液タンク234供給されるPZT前駆体ゾルゲル液Bの供給は行わなかった。
すなわち、各液室224を介し各ノズル223から吐出されるゾルゲル液の鉛量は、PZT前駆体ゾルゲル液AのPZTの組成比である、化学量論組成に対し12.5[mol%]過剰のままとした。
また、塗布回数の偶数回目では、PZT前駆体ゾルゲル液塗布後の加熱工程において、200℃の乾燥処理、500℃の熱分解処理、及び750℃の結晶化処理を行った。
偶数回目では、溶液タンク231から供給されるPZT前駆体ゾルゲル液Aと、溶液タンク234から供給されるPZT前駆体ゾルゲル液Bとの体積比が1:1となるようなPZT前駆体ゾルゲル液で、共通液室226を充填させた。
すなわち、混合されたPZT前駆体ゾルゲル液の鉛量は、化学量論組成に対し15[mol%]過剰なPZT前駆体ゾルゲル液として調整され、各液室224を介し各ノズル223から吐出させた。
[実施例2]
実施例2で用いる製造装置においても、溶液タンク231から溶液流量調整バルブ233を通って供給されるPZT前駆体ゾルゲル液Aは、12.5[mol%]過剰なPZT前駆体ゾルゲル液とする。また、溶液タンク234から溶液流量調整バルブ236を通って供給されるPZT前駆体ゾルゲル液、鉛量が化学量論組成に対し17.5[mol%]過剰なPZT前駆体ゾルゲル液とする。
パターン化PZT膜の形成において、塗布回数の奇数回目では、PZT前駆体ゾルゲル液塗布後の加熱工程として、200℃の乾燥処理及び500℃の熱分解処理を行った。
奇数回目では、溶液タンク231から供給されるPZT前駆体ゾルゲル液Aと、溶液タンク234から供給されるPZT前駆体ゾルゲル液Bとの体積比が3:1となるようなPZT前駆体ゾルゲル液で、共通液室226を充填させた。
すなわち、混合されたPZT前駆体ゾルゲル液の鉛量は、化学量論組成に対し13.8[mol%]過剰なPZT前駆体ゾルゲル液として調整され、各液室224を介し各ノズル223から吐出させた。
また、塗布回数の偶数回目では、PZT前駆体ゾルゲル液塗布後の加熱工程において、200℃の乾燥処理と、500℃の熱分解処理、及び750℃の結晶化処理を行った。
偶数回目では、図1に示す液滴吐出ヘッド220中の共通液室226へ供給されるPZT前駆体ゾルゲル液は、溶液タンク234から供給されるPZT前駆体ゾルゲル液Bのみとし、溶液タンク231から供給されるPZT前駆体ゾルゲル液Aの供給は行わなかった。
すなわち、各液室224を介し各ノズル223から吐出されるゾルゲル液の鉛量は、PZT前駆体ゾルゲル液BのPZTの組成比である、化学量論組成に対し17.5[mol%]過剰のままとした。
[比較例1]
比較例として、塗布回数によらず、すなわちPZT前駆体ゾルゲル液塗布後の加熱工程における最終処理温度によらず、図1に示す液滴吐出ヘッド220中の共通液室226へ供給されるPZT前駆体ゾルゲル液のPZTの組成比を変えないものとした。
比較例においても、溶液タンク231から溶液流量調整バルブ233を通って供給されるPZT前駆体ゾルゲル液Aは、12.5[mol%]過剰なPZT前駆体ゾルゲル液とする。また、溶液タンク234から溶液流量調整バルブ236を通って供給されるPZT前駆体ゾルゲル液、鉛量が化学量論組成に対し17.5[mol%]過剰なPZT前駆体ゾルゲル液とする。
しかし、全ての加熱工程において、共通液室226へ供給されるPZT前駆体ゾルゲル液は、溶液タンク231から供給されるPZT前駆体ゾルゲル液Aのみとし、溶液タンク234供給されるPZT前駆体ゾルゲル液Bの供給は行わなかった。
すなわち、各液室224を介し各ノズル223から吐出されるゾルゲル液の鉛量は、毎回の塗布機会において化学量論組成に対し12.5[mol%]過剰で共通とした。
このように、パターン膜としての体を成した、実施例1、2及び比較例1で得られた電気機械変換膜について、X線回折装置(XRD)にて結晶構造を測定した。第1の電極の白金層3上に形成されたPZT膜の代表的なXRD測定チャートを図10に、測定結果を表1に示している。
Figure 2017073505
表1に示すように、実施例1、2で得られた電気機械変換膜はPZT(100)ピーク強度のカウント数が130kカウント以上であり高い結晶性を示すと共に、(100)配向率も99%以上の高配向であった。一方、比較例1で得られた電気機械変換膜はPZT(100)ピーク強度のカウント数が、上記実施例1、2の1/3弱程度であり、(100)配向率も91%であった。
これはPZT前駆体ゾルゲル液の塗布後、加熱工程においてゾルゲル液塗膜が無機膜化できたものの、750℃で行う結晶化処理において結晶の構成要素である鉛の欠損が生じたことを示す。これによって、結晶としての体をなさない無配向な領域が発生し、あるいは結晶中に配向が(111)や(110)に変化した領域が増えたことが読み取れる。
次に、実施例1、2および比較例1より形成された電気機械変換膜の素子化を実施した。パターン化電気機械変換膜を含む基板上に、スパッタ法にて白金を成膜し、フォトリソグラフィー、エッチング工程により所望パターン上に第2の電極(上部電極)を形成し、電気機械変換素子とした。第2の電極を形成する際のエッチング工程において、電気機械変換素子パターン領域外では第1の電極のオーバーエッチングは発生しなかった。
本実施形態の製造方法で形成された電気機械変換膜を有する電気機械変換素子の電気特性、および電気機械変換能(圧電定数)の評価を行った。
実施例1および2の電気機械変換膜は、それぞれ比誘電率が1940および1980、誘電損失が7.7%および7.5%、耐圧が56Vおよび59Vで、優れた電気特性を示した。また、図11のP−Eヒステリシス曲線に示すように、いずれも残留分極は18.3[μC/cm]、抗電界は34.5[kV/cm]であり、通常のセラミック焼結体と同等の特性を持った。一方、比較例1の電気機械変換膜では、比誘電率が1080、誘電損失が15.7%、耐圧が28Vと、実施例より劣る電気特性を示した。
実施例1、2の電気機械変換膜を有した電気機械変換素子の、電気機械変換能は電界印加による変形量をレーザードップラー振動計で計測し、シミュレーションによる合わせ込みから算出した。その結果、圧電定数d31はいずれも148[pm/V]以上を示し、こちらもセラミック焼結体と同等の値であった。これは液体吐出ヘッドとして十分設計できうる特性値であった。
上述のように製造された電気機械変換膜は、良好な圧電特性を獲得できる、従って、電気機械変換膜が搭載された液体吐出ヘッドで液滴を吐出させると、液滴の吐出が良好になる。
なお、上記の実施例では、圧電定数d31の変形を利用した横振動(ベントモード)型の電気機械変換膜を有する電気機械変換素子を製造対象の例として説明したが、本発明はこの型の電気気合変換膜に限定されることなく適用可能である。
1 基板
2 TiO
3 白金層(第1の電極)
4 SRO層(第1の電極)
5 フォトレジスト被膜
6 SAM膜
7 ゾルゲル液膜
8 PZT膜
10 ノズル板
11 ノズル
20 圧力室基板
21 圧力室(液室
30 振動板
40 電気機械変換素子
43 電気機械変換膜
50 (個別の)液体吐出ヘッド
200 前駆体ゾルゲル液塗布装置(液体吐出装置)
220 液滴吐出ヘッド(液体吐出ヘッド)
221 PZT前駆体ゾルゲル液の液滴
223 ノズル
224 液室
225 電気機械変換素子(アクチュエータ)
226 共通液室
227 電気機械変換膜
230 液体供給部
231 溶液タンク(第1の供給手段)
232 溶液ポンプ(第1の供給手段)
233 溶液流量調整バルブ(第1の供給手段)
234 溶液タンク(第2の供給手段)
235 溶液ポンプ(第1の供給手段)
236 溶液流量調整バルブ(第2の供給手段)
237 ソレノイドバルブ(調整手段)
238 コントローラ(調整手段)
400 画像形成装置(液体吐出装置)
403 キャリッジ
404 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
K.D.Budd,S.K.Dey,D.A.Payne,Proc.Brit.Ceram.Soc.36,107(1985). A.Kumar and G.M.Whitesides,Appl.Phys.Lett.,63,2002(1993).

Claims (10)

  1. ゾルゲル法にて形成される電気機械変換膜の製造装置において、
    電気機械変換膜を形成するための金属成分を含む前駆体ゾルゲル液を収容する液室を有し、該液室内の前記前駆体ゾルゲル液を液滴にして吐出させ、基板上に部分的に塗布する、液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドの液室内へ第1の前駆体ゾルゲル液を供給可能な第1の供給手段と、
    前記第1の前駆体ゾルゲル液と同一成分でかつ組成比の異なる金属成分を含む第2の前駆体ゾルゲル液を、前記第1の供給手段とは独立に供給可能な第2の供給手段と、を備えることを特徴とする、
    電気機械変換膜の製造装置。
  2. 前記第1の前駆体ゾルゲル液及び前記第2の前駆体ゾルゲル液は、前記電気機械変換膜を形成するための金属成分のうち鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)と、溶媒とを含み、
    前記第1の前駆体ゾルゲル液と前記第2の前駆体ゾルゲル液とは、固形分濃度が同一であることを特徴とする、
    請求項1に記載の電気機械変換膜の製造装置。
  3. 前記第1の前駆体ゾルゲル液及び前記第2の前駆体ゾルゲル液は、同一成分でかつ組成比の異なるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を形成する金属成分Pb、Zr、Tiを含み、
    前記第1の前駆体ゾルゲル液と前記第2の前駆体ゾルゲル液とは、含んでいる金属成分の組成比の鉛含有量が異なっていることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の電気機械変換膜の製造装置。
  4. 前記第1の前駆体ゾルゲル液と前記第2の前駆体ゾルゲル液とが供給され、前記液滴吐出ヘッドの前記液室内へ供給される金属成分の組成比を調整する調整手段を有する
    ことを特徴とする、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気機械変換膜の製造装置。
  5. 前記第1の前駆体ゾルゲル液と前記第2の前駆体ゾルゲル液とは、同一成分でかつ組成比の異なるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の金属成分Pb、Zr、Tiを含み、
    前記調整手段は、前記第1の前駆体ゾルゲル液と、前記第2の前駆体ゾルゲル液の、供給の有無又は体積比を調整することで、金属成分の組成比の鉛含有量を調整し、
    前記第1の前駆体ゾルゲル液に含まれる金属成分の鉛含有量及び前記第2の前駆体ゾルゲル液に含まれる金属成分の鉛含有量とは異なる鉛含有量の組成比である金属成分を含む前駆体ゾルゲル液を前記液滴吐出ヘッドへ供給可能であることを特徴とする、
    請求項4に記載の電気機械変換膜の製造装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気機械変換膜の製造装置を用いて形成される電気機械変換膜の製造方法であって、
    基板上に、所定のパターンで形成される電気機械変換膜と同じパターンで導電性酸化物を形成された第1の電極を形成する工程と、
    前記導電性酸化物が形成されたパターン以外の前記第1の電極上に表面改質を行う工程と、
    前駆体ゾルゲル液の液滴を、前記表面改質がされていない部分へ、前記所定のパターンで吐出させて前記所定のパターンでゾルゲル液塗膜にする塗布工程と、
    前記所定のパターンのゾルゲル液塗膜を乾燥する工程と、
    乾燥されたゾルゲル液膜を熱分解する工程と、
    熱分解されたゾルゲル液膜を結晶化する工程とを有する、
    ことを特徴とする、電気機械変換膜の製造方法。
  7. 前記導電性酸化物が形成されたパターン以外の部分の前記第1の電極上に表面改質を行う工程と、
    前駆体ゾルゲル液の液滴を、前記表面改質がされていない部分、前記所定のパターンで吐出させて前記所定のパターンでゾルゲル液塗膜にする塗布工程と、
    前記所定のパターンのゾルゲル液塗膜を乾燥する工程と、
    乾燥されたゾルゲル液膜を、乾燥時よりも高い温度で熱分解する工程と、を含む、
    第1の一連の塗布加熱工程と、
    前記第1の一連の塗布加熱工程で形成されたゾルゲル液膜以外の部分の前記第1の電極上に表面改質を行う工程と、
    前記前駆体ゾルゲル液と同一成分でかつ、金属成分の組成比が前記第1の一連の塗布加熱工程で用いた金属成分の組成比よりも多い前駆体ゾルゲル液の液滴を、前記表面改質がされていない部分、前記所定のパターンで吐出させて前記所定のパターンでゾルゲル液塗膜にする塗布工程と、
    前記所定のパターンのゾルゲル液塗膜を乾燥する工程と、
    乾燥されたゾルゲル液膜を、乾燥時よりも高い温度で熱分解する工程と、
    熱分解されたゾルゲル液膜を、熱分解時よりも高い温度で加熱する、結晶化工程を含む、
    第2の一連の塗布加熱工程と、を含み、
    前記第1の一連の塗布加熱工程と、前記第2の一連の塗布加熱工程とを繰り返すことを特徴とする、
    請求項6に記載の電気機械変換膜の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載の方法で、前記第1の電極上に所定のパターンの電気機械変換膜を形成する工程と、
    前記所定のパターンに形成された電気機械変換膜上に、第2の電極を配置する工程と、を有することを特徴とする、
    電気機械変換素子の製造方法。
  9. 請求項8に記載の方法で、電気機械変換素子を形成する工程と、
    ノズルが形成されたノズル板と、前記ノズルが連通する液室を形成する液室基板と、前記液室の壁面を形成する振動板とが積層される工程と、
    前記振動板上に前記電気機械変換素子を積層する工程と、を有することを特徴とする、
    液体吐出ヘッドの製造方法。
  10. 請求項9に記載の方法で、液体吐出ヘッドを製造する工程と、
    前記液体吐出ヘッドを1又は複数個配置する工程と、を有することを特徴とする、
    液体吐出装置の製造方法。
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