JP2017072476A - マイクロウェルアレイ、マイクロ流体デバイス、マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入する方法及びマイクロウェルアレイの製造方法 - Google Patents

マイクロウェルアレイ、マイクロ流体デバイス、マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入する方法及びマイクロウェルアレイの製造方法 Download PDF

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【課題】ウェル内に水性液体を封入することが容易なマイクロウェルアレイ及びその製造方法を提供する。また、マイクロ流体デバイス、マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入する方法及び水性液体の分析方法を提供する。【解決手段】ウェル内の体積Vの溶液が、ある大きさ以上でウェル底面に接しているウェルを備えるマイクロウェルアレイ;基板上に親水層または疎水層を形成する工程と、疎水層を掘削する工程とを備えるマイクロウェルアレイの製造方法;流路内に配置されたマイクロウェルアレイを備えるマイクロ流体デバイス;マイクロ流体デバイスの流路に水性液体を送液する工程と、封止液を送液する工程とを備える水性液体の封入方法;水性液体が封入されたマイクロウェルアレイのウェルに電磁波を照射する工程と、蛍光又は燐光を検出する工程とを備える分析方法。【選択図】図2

Description

本発明は、マイクロウェルアレイ、マイクロ流体デバイス、マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入する方法及びマイクロウェルアレイの製造方法に関する。
近年、半導体回路の製造技術に用いられているエッチング技術やフォトリソグラフィ技術等を用いて形成された、種々の形態の微細な流路構造を有するマイクロウェルアレイが検討されている。
これらのマイクロウェルアレイのウェルは、微小体積の流体中で種々の生化学的又は化学的反応をさせるための化学反応容器として用いられている。
マイクロ流体システムの製作のための材料としては、シリコン、ガラス等の硬質の物質、PDMS(ポリジメチルシロキサン)等の種々の高分子樹脂やシリコーンゴム等の軟質の物質等が用いられている。
例えば、特許文献1〜3には、このようなマイクロ流体システムを、種々のマイクロチップ、バイオチップとして用いることが記載されている。
ところで、近年、微少量の容積を有する微小空間内で酵素反応をおこなうことにより生体物質の検査をおこなう技術が注目されている。
例えば、核酸の検出及び定量における新しいアプローチの一つとして、デジタルPCR技術が挙げられる。
デジタルPCR技術とは、試薬と核酸との混合物を無数の微小液滴に分割してPCR増幅をおこない、核酸を含んだ液滴からは蛍光等のシグナルが検出されるようにしておき、シグナルが検出された液滴を数えることにより定量をおこなう技術である。
微小液滴の作製方法として、封止液で分断化することにより微小液滴を作製する方法や、基板上に形成した孔に試薬を入れ、続いて封止液を入れることにより微小液滴を作製する方法(例えば特許文献3を参照。)等が検討されている。
特許第4911592号公報 特許第5337324号公報 国際公開第2014/034781号
しかしながら、従来のマイクロウェルアレイは、水性液体であるPCR反応液等の試料をウェル内に封入することが困難な場合がある。
そこで、本発明は、ウェル内に水性液体を封入することが容易なマイクロウェルアレイを提供することを目的とする。
本発明はまた、上記のマイクロ流体デバイス、マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入する方法及びウェルの形成方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
(1)ウェル表面に親水性部分または疎水性部分を有する複数のウェルを備える、マイクロウェルアレイ。
(2)前記ウェルの底面から形成される側面の角度θが、77°以上であること、または前記ウェルの容積V(10−18)の三乗根の値が3.5以上であることを特徴とする(1)に記載のマイクロウェルアレイ。
(3)前記ウェルの開口部の平面積S2(10−12)が、ウェル底面積S1(10−12)の2.2倍以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のマイクロウェルアレイ。
(4)前記ウェルの開口部の最大径D2(μm)が、ウェル底面の最大径D1(μm)の1.5倍以下であることを特徴とする(1)〜(3)に記載のマイクロウェルアレイ。
(5)前記ウェル形状において、ウェルの底面から形成される側面の角度θのtanθが0.3以下であることを特徴とする(1)〜(4)に記載のマイクロウェルアレイ。
(6)前記ウェルの底面からの高さH(μm)が、ウェル開口部の最大径D1(μm)の5倍以下であることを特徴とする(1)〜(5)に記載のマイクロウェルアレイ。
(7)前記ウェルの容積V(10−18)が、ウェル底面積S1(10−12)の4.5倍以下であることを特徴とする(1)〜(6)に記載のマイクロウェルアレイ。
(8)前記ウェルの容量が1fL〜6nL/ウェルである、(1)〜(7)に記載のマイクロウェルアレイ。
(9)前記ウェルの密度が10万〜1000万個/cmである、(1)〜(8)に記載のマイクロウェルアレイ。
(10)前記ウェルが、電磁波透過性を有する基板上に設けられている、(1)〜(8)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイ。
(11)前記電磁波が、X線、紫外線、可視光線又は赤外線である、(9)に記載のマイクロウェルアレイ。
(12)前記基板は、自家蛍光を実質的に有さないものである、(9)又は(10)に記載のマイクロウェルアレイ。
(13)流路と、前記流路内に配置された(1)〜(12)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイとを備える、マイクロ流体デバイス。
(14)流路と、前記流路内に配置された(1)〜(12)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイとを備える、マイクロ流体デバイスの前記流路に水性液体を送液し、前記マイクロウェルアレイのウェルに前記水性液体を導入する工程と、前記流路に封止液を送液し、前記ウェルに導入された前記水性液体の上層に封止液の層を形成させ、前記水性液体を前記ウェル内に封入する工程と、を備える、前記ウェル内に水性液体を封入する方法。
(15)電磁波透過性を有する基板上に親水性材料または疎水性材料を積層して親水層または疎水層を形成する工程と、前記親水層または疎水層を掘削して複数のウェルを形成する工程と、を備える、マイクロウェルアレイの製造方法。
(16)水性液体が封入された、(1)〜(12)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイのウェルに電磁波を照射する工程と、前記ウェルから放出される蛍光又は燐光を検出する工程と、を備える、水性液体の分析方法。
(17)前記蛍光又は燐光が、(1)〜(12)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイの基板側で検出される、(16)に記載の水性液体の分析方法。
本発明によれば、前記ウェルの形状を特定することにより、ウェル内に水性液体を封入することが容易なマイクロウェルアレイを提供することができる。
また、上記のマイクロ流体デバイス、マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入する方法及びウェルの形成方法を提供することができる。
本発明に係るマイクロ流体デバイスの第1実施形態を示す斜視図(a)、(a)におけるb−b線断面図(b)である。 本発明に係るマイクロウェルアレイの第1実施形態を示す断面図(a)、斜視図(b)である。 本発明に係るマイクロウェルアレイの製造方法の第1実施形態を示す断面図である。 本発明に係るマイクロウェルアレイの実験例を示す断面図である。 実験例1〜3のマイクロ流体デバイスのマイクロウェルアレイに水性液体を封入した状態を示す断面図である。 実験例1のマイクロ流体デバイスのマイクロウェルアレイを基板側から蛍光顕微鏡観察した結果を示す写真である。 実験例2のマイクロ流体デバイスのマイクロウェルアレイを基板側から蛍光顕微鏡観察した結果を示す写真である。 実験例3のマイクロ流体デバイスのマイクロウェルアレイを基板側から蛍光顕微鏡観察した結果を示す写真である。 実験例4、5のマイクロ流体デバイスのマイクロウェルアレイに水性液体及びオイルを送液した後の状態を示す断面図である。 実験例4のマイクロ流体デバイスのマイクロウェルアレイを基板側から蛍光顕微鏡観察した結果を示す写真である。 実験例5のマイクロ流体デバイスのマイクロウェルアレイを基板側から蛍光顕微鏡観察した結果を示す写真である。
以下、本発明に係るマイクロウェルアレイ、マイクロ流体デバイス、マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入する方法及びマイクロウェルアレイの製造方法の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるマイクロ流体デバイスを示す斜視図(a)、および(a)におけるb−b線断面図(b)であり、図2は、本実施形態におけるマイクロウェルアレイを示す断面図(a)、斜視図(b)であり、図3は、本実施形態におけるマイクロウェルアレイの製造方法を示す断面図である。なお、各図における寸法比は、説明のため誇張している部分があり、必ずしも実際の寸法比とは一致しない。
[マイクロウェルアレイ]
本実施形態において、本発明は、ウェル表面に親水性部分及び疎水性部分を有する複数のウェルを備える、マイクロウェルアレイを提供する。
後述するように、本実施形態のマイクロウェルアレイは、ウェル内に水性液体を封入することが非常に容易である。
ここで、封入するとは、マイクロウェルアレイを構成するウェルに水性液体を導入し、さらに、各ウェルに導入された液体同士が互いに混合しない状態に隔離することを意味する。
隔離する方法としては、例えば、ウェルに水性液体を導入した後、ウェルの上部にオイル層を形成すること等が挙げられる。
本実施形態のマイクロウェルアレイによれば、マイクロウェルアレイを構成するウェルの90%以上、例えば95%以上、例えば99%以上、例えば100%に水性液体を容易に封入することができる。
本実施形態のマイクロウェルアレイは、ウェル1つあたりの容量が、例えば1フェムトリットル(fL)〜6ナノリットル(nL)であり、好ましくは1fL〜5ピコリットル(pL)であり、さらに好ましくは1fL〜300fLである。
ウェル1つあたりの容量がこのような範囲であると、デジタルPCRやインベーダー反応等の微小空間内でおこなう酵素反応を好適におこなうことができる。
デジタルPCRにより、例えば遺伝子の変異検出等をおこなうことができる。
本実施形態のマイクロウェルアレイは、例えば遺伝子の変異検出に封入した水性液体の温度を変化させた場合も、ウェル内に前記液体を保持することができる。
変化させる温度の範囲は、例えば0℃〜100℃であり、好ましくは0℃〜80℃であり、さらに好ましくは20℃〜70℃である。
ウェルに封入した水性溶液がこのような範囲であると、デジタルPCRやインベーダー反応等の微小空間内でおこなう酵素反応を好適におこなうことができる。
マイクロウェルアレイを用いた解析に酵素反応を利用する場合には、マイクロウェルアレイの材質が酵素反応を阻害しないものであることが好ましい。
あるいは、マイクロウェルアレイの材質(材料)表面に、酵素反応を阻害しない物質をコーティングすることも可能である。
マイクロウェルアレイのウェルの形状や大きさに特に制限はないが、例えば、微小液滴中で種々の生化学的な反応をおこなう場合には、1個〜数個の生体分子又は担体を収容可能な形状と大きさを有していることが好ましい。
担体は例えばビーズであってもよく、担体には試料である生体分子が結合されていてもよい。
ウェルの形状は、例えば、円筒形、複数の面により構成される多面体(例えば、直方体、六角柱、八角柱等)、逆円錐形、逆角錐形(逆三角錐形、逆四角錐形、逆五角錐形、逆六角錐形、七角以上の逆多角錐形)等であってもよく、これらの形状の二つ以上を組み合わせた形状であってもよい。
例えば、一部が円筒形であり、残りが逆円錐形であってもよい。
また、逆円錐形、逆角錐形の場合、円錐や角錐の底面がウェルの入り口(開口部)となるが、逆円錐形、逆角錐形の頂上から一部を切り取った形状であってもよい。
この場合、マイクロウェルの底部は平坦になる。
ウェルの形状が円筒形、直方体である場合、マイクロウェルの底部は通常、平坦であるが、曲面(凸面や凹面)としてもよい。
マイクロウェルの底部を曲面とすることができるのは、逆円錐形、逆角錐形の頂上から一部を切り取った形状の場合も同様である。
ウェルの形状が例えば円錐台である場合、図2に示すように、その容積V(10−18)とすると、例えばウェルの底面積S1(10−12)がVの1倍以上4.5倍以下であり、好ましくは2倍以上4.3倍以下であり、さらに好ましくは3倍以上4.2倍以下である。
ウェル1つあたりの容積に対し、ウェルの底面積がこのような範囲であると、本実施形態のマイクロウェルアレイによれば、マイクロウェルアレイを構成するウェルの90%以上、例えば95%以上、例えば99%以上、例えば100%に水性液体を容易に封入することができる。
後述するように、発明者らは、このような構成とすることにより、マイクロウェルアレイのウェルに水性液体を封入させることが非常に容易になることを見出した。
ウェルの形状は例えばウェルの平面積を制御することでも可能である。
例えば、図2に示すように、ウェルの開口部の平面積S2(10−12)が、ウェルの底面積S1の0.5倍以上2.2倍以下であり、好ましくは1倍以上2倍以下であり、さらに好ましくは1.1倍以上1.8倍以下である。
ウェル1つあたりの容積に対し、ウェルの底面積がこのような範囲であると、本実施形態のマイクロウェルアレイによれば、水性液体を封入させることが非常に容易になる。
例えば、図2に示すように、前記ウェルの開口部の最大径D2(μm)が、ウェル底面の最大径D1(μm)の0.5倍以上1.5倍以下であり、好ましくは0.7倍以上1.4倍以下であり、さらに好ましくは1倍以上1.3倍以下である。
ウェルの開口部の最大径に対し、ウェルの底面の最大径がこのような範囲であると、本実施形態のマイクロウェルアレイによれば、水性液体を封入させることが非常に容易になる。
例えば、図2に示すように、ウェルの底面から形成される側面の角度θが、例えば30°以上103°以下であり、好ましくは60°以上103°以下であり、さらに好ましくは90°以上103°以下である。
また、側面角度θが、77°以上であること、または前記ウェルの容積V(10−18)の三乗根の値が3.5以上であることができる。
ウェル底面から形成される側面の角度がこのような範囲であると、本実施形態のマイクロウェルアレイによれば、水性液体を封入させることが非常に容易になる。
例えば、図2に示すように、ウェルの底面からの高さH(μm)が、最大径D1の0.2倍以上10倍以下であり、好ましくは0.4倍以上5倍以下であり、さらに好ましくは0.6倍以上2倍以下である。
ウェル底面から形成される側面の角度がこのような範囲であると、本実施形態のマイクロウェルアレイによれば、水性液体を封入させることが非常に容易になる。
ウェルが円筒形の場合、生体分子を含む水性液体を封入する目的のためには、ウェルの最大径、高さHは例えば10nm〜100μm、好ましくは100nm〜10μm、さらに好ましくは1μm〜10μmであってもよい。
ウェルの寸法は、ウェルに収容する水性液体の量や、生体分子を付着させたビーズ等の担体の大きさとウェルの寸法の好適な比等を考慮して、1つのマイクロウェルに1つ、もしくは数個の生体分子が収容されるように、適宜決定する。
本実施形態のマイクロウェルアレイを使用して検出する検出対象は、例えば血液等の生体から採取した試料やPCR産物等であってもよく、人工的に合成された化合物等であってもよい。
例えば、生体分子であるDNAを検出対象とする場合、ウェルは、DNAが1分子入るような形状と大きさであってもよい。
本実施形態のマイクロウェルアレイは、ウェルの密度が、例えば10万〜1000万個/cmであり、好ましくは10万〜500万個/cmであり、さらに好ましくは10万〜100万個/cmである。
ウェルの密度がこのような範囲であると、所定数のウェルに試料である水性液体を封入させる操作が容易である。
また、実験結果を解析するためのウェルの観察も容易である。
例えば、セルフリーDNAの変異を測定する場合において、検出対象の変異の野生型に対する存在割合が0.01%程度である場合、例えば、100万〜200万個のウェルを使用することが好適である。
本実施形態のマイクロウェルアレイにおいて、各ウェルは、基板上に親水性材料または疎水性材料を積層して親水層または疎水層を形成する工程と、前記親水層または疎水層を掘削して複数のウェルを形成する工程から作製することができる。
ただし、本実施形態を実現できる条件であれば、マイクロウェルは基板と同一材料とされて、成型加工や切削加工によって形成されてもよい。
(基板)
本実施形態のマイクロウェルアレイは、基板上に形成されていてもよい。
基板は、電磁波透過性を有するものであってもよく、有さないものであってもよい。ここで、電磁波としては、X線、紫外線、可視光線、赤外線等が挙げられる。
マイクロウェルアレイが電磁波透過性を有する基板上に形成されていた場合には、マイクロウェルアレイ上でおこなった実験結果を解析するために、電磁波を利用することが可能になる。
例えば、電磁波を照射した結果生じる蛍光、燐光等を基板側から計測することができる。蛍光、燐光等の検出には、例えば蛍光顕微鏡等を利用することができる。
この場合、電磁波は、例えば基板側から照射してもよいし、例えばウェルの入り口側から照射してもよい。
例えば、マイクロウェルアレイにおいて、可視光領域である400〜700nmの波長範囲にピークを有する蛍光を検出する場合には、少なくとも上記可視光領域の光に対して良好な透過性を有する基板を用いればよい。
電磁波透過性を有する基板としては、例えば、ガラス、樹脂等が挙げられる。
樹脂基板としては、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、COC(シクロオレフィンコポリマー)、COP(シクロオレフィンポリマー)、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ酢酸ビニル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等が挙げられる。
これらの樹脂は各種添加剤を含んでいてもよく、複数の樹脂が混合されていてもよい。
実験結果の検出に蛍光や燐光を利用する観点から、上記の基板は、自家蛍光を実質的に有さないものであることが好ましい。ここで、自家蛍光を実質的に有さないとは、基板が、実験結果の検出に使用する波長の自家蛍光を全く有さないか、有していても実験結果の検出に影響を与えないほど微弱であることを意味する。
例えば、検出対象の蛍光に比べて1/2以下、1/10以下程度の自家蛍光の強さであれば、実験結果の検出に影響を与えないほど微弱であるといえる。
電磁波透過性を有し、かつ自家蛍光を全く発しない素材としては、例えば、石英ガラスが挙げられる。
自家蛍光が微弱であり、電磁波を用いた実験結果の検出に支障がない素材としては、低蛍光ガラス、アクリル樹脂、COC(シクロオレフィンコポリマー)、COP(シクロオレフィンポリマー)等が挙げられる。
生体分子の検出に用いる蛍光としては、例えば蛍光分子を内包した蛍光ビーズや、DNAの二重らせんに特異的に入り込み、蛍光を発するSYBR Green等のインターカレーター等に由来するものが挙げられる。
ウェルに収容された生体分子から発せられる蛍光の観察は、例えば、倒立顕微鏡を用いて、マイクロウェルアレイの基板側からおこなうことができる。
この蛍光観察により、所定の蛍光を発するマイクロウェルの個数を数えることで、目的分子の数を特定することができる。
生体分子は、例えば、ウェルに収容する前に、目的分子を特異的に標識する蛍光標識で処理しておくとよい。
あるいは、対象分子を特異的に認識するビーズを用いて、対象分子を補足した後に、ビーズをウェルに収容し、対象分子を特異的に標識し得る蛍光標識と接触させて、目的分子をウェル内で蛍光標識してもよい。
基板の厚みは、適宜決定することができるが、たとえば基板側から蛍光顕微鏡を用いて蛍光を観察する場合には、例えば5mm以下、例えば2mm以下、あるいは1.6mm以下であることが好ましい。
本実施形態のマイクロウェルアレイを使用した生体分子の観察には、蛍光以外にも、例えば濁度等を利用することもできる。
濁度は、例えば400〜1000nm程度の波長の光の透過性により測定することができる。
(親水性樹脂)
親水性部分を形成する樹脂(以下「親水性樹脂」という場合がある。)としては、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、樹脂の構成成分の分子が、親水性を発現する親水性基を有するものが挙げられる。
親水性基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン基、スルホニル基、アミノ基、アミド基、エーテル基、エステル基等が挙げられる。
より具体的には、シロキサンポリマー;エポキシ樹脂;ポリエチレン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリアクリルアミド樹脂;ポリビニルピロリドン樹脂;ポリアクリル酸共重合体等のアクリル樹脂;カチオン化ポリビニルアルコール、シラノール化ポリビニルアルコール、スルホン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリビニルブチラール樹脂;ポリエチレンポリアミド樹脂;ポリアミドポリアミン樹脂;ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド共重合体等のポリアルキレンオキサイド誘導体;無水マレイン酸共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;スチレン−ブタジエン共重合体;上記の樹脂の組み合わせ等の中から、適宜選択して使用することができる。
親水性樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよく、電子線やUV光等の活性エネルギー線により硬化する樹脂であってもよく、エラストマーであってもよい。
なお、親水性部分(親水性部分の材質)は、JIS R3257−1999に規定された静滴法に準じて測定した接触角が70度未満とされることも可能である。
また、前述する基板が存在する場合には、基板と疎水層とを密着させる機能も有していてもよい。
例えば、熱硬化性のシランカップリング剤等を基板に塗布し、熱硬化させてシロキサンポリマーを形成することにより、親水層を形成してもよい。
(疎水性樹脂)
疎水性部分を形成する樹脂(以下「疎水性樹脂」という場合がある。)としては、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、例えば、ノボラック樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;スチレン樹脂;塩化ビニル樹脂;塩化ビニリデン樹脂;ポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂;ポリスルフォン樹脂;フッ素樹脂;シリコーン樹脂;ユリヤ樹脂;メラミン樹脂;グアナミン樹脂;フェノール樹脂;セルロース樹脂;上記の樹脂の組み合わせ等の中から、JIS R3257−1999に規定された静滴法に準じて測定した接触角が70度以上であるものを適宜選択して使用することができる。
疎水性樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよく、電子線やUV光等の活性エネルギー線により硬化する樹脂であってもよく、エラストマーであってもよい。
疎水性部分は、例えばレジストで形成されていてもよい。レジストは、微細構造を形成しやすい観点から、フォトレジストであってもよい。フォトレジストは、例えば、感光性のノボラック樹脂であってもよい。
[マイクロ流体デバイス]
本実施形態において、本発明は、流路と、前記流路内に配置された上記のマイクロウェルアレイとを備える、マイクロ流体デバイスを提供する。
このようなマイクロ流体デバイスを用いることにより、マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入することが容易になる。
図1(a)は、マイクロ流体デバイスの1実施形態を示す斜視図である。図1(b)は、図1(a)におけるb−b線断面図である。
本実施形態に係るマイクロ流体デバイス1000は、底部部材1100と、蓋部材1200と、流路1300と、流路1300の一端に設けられた流路入口1210と、流路1300の他端に設けられた流路出口1220と、流路1300の側面を形成する封止部材1400と、流路1300の内部に配置されたマイクロウェルアレイmとを備える。
流路1300に流体を送液する場合には、例えば、シリンジ等を用いて、流路入口1210から流体を導入し、流路出口1220から排出するとよい。
マイクロウェルアレイmの構造については後述する。
マイクロウェルアレイmの基板110と、マイクロ流体デバイス1000の底部部材1100は一体であってもよい。
また、マイクロウェルアレイmの親水層1120及び疎水層1130は、マイクロ流体デバイス1000の底部部材1100上に一体成型されていてもよい。
すなわち、マイクロウェルアレイmは、マイクロ流体デバイス1000の底部部材1100上に形成されていてもよい。
底部部材1100及び蓋部材1200の材質としては、上述したマイクロウェルアレイの基板の材質と同様のものを使用することができる。
また、封止部材1400の材質としては、特に制限されないが、例えばシリコーンゴム、アクリル発泡体からなる芯材フィルムの両面にアクリル系粘着剤が積層された両面粘着テープ等が挙げられる。
[マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入する方法]
本実施形態において、本発明は、流路と、前記流路内に配置された上記のマイクロウェルアレイとを備える、マイクロ流体デバイスの前記流路に水性液体を送液し、前記マイクロウェルアレイのウェルに前記水性液体を導入する工程と、前記流路に封止液を送液し、前記ウェルに導入された前記水性液体の上層に封止液の層を形成させ、前記水性液体を前記ウェル内に封入する工程を備える、マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入する方法を提供する。
ここで、水性液体とは、水、検出対象である生体分子を含有する緩衝液等の生体試料、酵素反応液等を意味する。
生体試料とは一般的に水性液体である。
水性液体とは、例えば、生体試料を鋳型とし、検出試薬としてSYBR Greenを含むPCR反応溶液等であってもよい。
また、水性液中には界面活性剤などを含むことで、ウェル内に液体を封入しやすくしてもよい。
また、封止液とは、マイクロウェルアレイの各ウェルに導入された液体どうしが互いに混合しない状態に隔離するために用いる液体を意味し、例えば、オイル類を用いることができる。
オイルとしては、例えばシグマ社製の商品名「FC40」や、3M社製の商品名「HFE−7500」、PCR反応等に用いられるミネラルオイル等を用いることができる。
従来のマイクロウェルアレイでは、ミネラルオイルを封止液に利用することは困難な場合があるが、上述したマイクロウェルアレイであれば、ミネラルオイルを封止液に利用しても、ウェルに水性液体を封入することができる。
封止液は、マイクロウェルアレイの疎水層の材質に対する接触角が5〜80度であることが好ましい。
封止液の接触角がこの範囲であると、マイクロウェルアレイのウェルに水性液体を封入することができる。
封止液の接触角は、例えば、JIS R3257−1999に規定された静滴法に準じて、水の代わりに封止液を用いて測定すればよい。
マイクロウェルアレイの疎水層を形成する材料と封止液の組み合わせを適宜選択することにより、上述した具体的なオイル以外の液体も封止液として使用することができる。
続いて、図1に基づいて、マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入する方法を説明する。
まず、シリンジ等を用いて、マイクロ流体デバイス1000の流路入口1210からPCR反応溶液、インベーダー反応溶液等の水性液体を送液する。
その結果、流路1300の内部に配置されたマイクロウェルアレイmの各ウェル内に水性液体が導入される。
次に、シリンジ等を用いて、流路入口1210から封止液を送液する。
その結果、流路1300の内部に配置されたマイクロウェルアレイmの各ウェルのウェル入り口近傍に封止液の層が形成され、ウェル内に水性液体が封入される。
マイクロウェルアレイmが上述した構成を備えていることにより、本実施形態の方法によって、マイクロウェルアレイmの各ウェルに水性液体を容易に封入することができる。
マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入した後、例えば、サーマルサイクラー等を用いてPCR反応やインベーダー反応等の酵素反応等をおこなうとよい。
[マイクロウェルアレイの製造方法]
(第1実施形態)
本実施形態においては、電磁波透過性を有する基板上に疎水性材料を積層して疎水層を形成する工程と、前記疎水層を掘削して複数のウェルを形成する工程と、を備える、マイクロウェルアレイの製造方法を提供する。
ここで、図3を参照しながら、本実施形態のマイクロウェルアレイ100の製造方法について説明する。
図3は、第1実施形態のマイクロウェルアレイ100の製造方法を示す断面図である。
本実施形態のマイクロウェルアレイ100の製造方法では、まず、図3に示すように、基板110の表面115に疎水層120を形成する。
基板110は、例えばガラス基板であってよい。
このとき、ガラス基板の表面にHMDS(ヘキサメチルジシラザン)を含む溶液を塗布してもよい。 これにより基板110への疎水層120の密着が良好になる。
疎水性樹脂として、フォトレジストを使用してもよい。
この場合、フォトレジストをスピンコート等により疎水層120上に塗布する。そして、スピンコート後、フォトレジストに熱を加えてプリベークをおこない、固化させて疎水層120を生成する。
続いて、疎水層120を掘削して、ウェルを形成する。掘削は、例えばフォトレジストの現像によっておこなうことができる。
具体的には、疎水層120上にパターンマスクを取り付け、その上から紫外線等を照射して感光させる。
フォトレジストとしては、例えばポジ型のものを使用する。ポジ型のフォトレジストは、光が当たると分解し、現像液に溶解するタイプである。そのため、パターンマスクとしては、マイクロウェルを形成したい箇所に、目的のパターンの穴が開いているようなデザインのものを使用する。
露光時間や条件は、使用するフォトレジストのデータシートを参照して適宜決定するとよい。
続いて、用いたフォトレジストに適した現像液を用いて現像をおこない、マイクロウェルアレイ100を形成する。現像時間は、使用するフォトレジストのデータシートを参照して適宜決定する。
現像後、リンス液で現像を止め、洗浄する。リンス液としては、例えば純水等を使用すればよい。
続いて、必要に応じてポストベークをおこない、フォトレジストを安定化させる。
以上の操作により、図2に示すような本実施形態のマイクロウェルアレイ100を製造することができる。
なお、上記のウェルを形成する工程は、ドライエッチングをおこない、疎水層120を掘削して複数のウェルを形成する工程であってもよい。ドライエッチングとは、イオンを高速で対象物にぶつけて、その運動エネルギーを利用してエッチングをおこなう方法である。
以上の方法により、基板110の表面が露出したウェルを有するマイクロウェルアレイを製造することができる。
[水性液体の分析方法]
本実施形態においては、水性液体が封入された、上記のマイクロウェルアレイのウェルに電磁波を照射する工程と、ウェルから放出される蛍光又は燐光を検出する工程と、を備える、水性液体の分析方法を提供する。
本実施形態の分析方法により、マイクロウェルアレイを構成するウェルのうち、何個のウェルが蛍光又は燐光を発しているかを計測することができる。
例えば、マイクロウェルアレイ内でPCR反応をおこない、PCR増幅が見られたウェルにおけるSYBR Greenの蛍光を検出することにより、増幅が見られたウェルの割合を算出することができる。
本実施形態の分析方法は、例えば、蛍光顕微鏡を用いておこなってもよい。
また、電磁波の照射は、マイクロウェルアレイの基板側からおこなってもよく、ウェル側からおこなってもよく、その他の任意の方向からおこなってもよい。
また、電磁波の照射の結果発生する蛍光又は燐光の検出は、マイクロウェルアレイの基板側からおこなってもよく、ウェル側からおこなってもよく、その他の任意の方向からおこなってもよいが、例えば蛍光顕微鏡を用いて蛍光又は燐光を検出する場合には、マイクロウェルアレイの基板側からおこなうことが簡便である。
次に実験例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
<実験例1>
上述した第1実施形態の製造方法にしたがって、実験例1のマイクロウェルアレイを作製した。
図4は、実験例1のマイクロウェルアレイの構造を示す断面図である。
実験例1のマイクロウェルアレイは、開口部直径D2約4.92μm、底面部直径D1約3.82μm、高さH約3μmの円錐台のウェルを有しており、基板110としては、ガラス基板を使用した。
また、疎水性樹脂120として、ポジ型フォトレジスト(型番「PFI89−B4」)住友化学社製を使用した。
<実験例2>
実験例1と同様にして、実験例2のマイクロウェルアレイを作製した。
実験例2のマイクロウェルアレイは、開口部直径D2約6.96μm、底面部直径D1約6.46μm、高さH約3μmの円錐台のウェルを有しており、基板110としては、ガラス基板を使用した。
また、疎水性樹脂120として、ポジ型フォトレジスト(型番「PMER P−HA 100PM」、東京応化工業社製)を使用した。
また密着剤にはHMDSを使用した。
<実験例3>
実験例1、2と同様にして、実験例3のマイクロウェルアレイを作製した。
実験例3のマイクロウェルアレイは、開口部直径D2約5.32μm、底面部直径D1約4.08μm、高さH約3μmの円錐台のウェルを有しており、基板110としては、ガラス基板を使用した。
また、疎水性樹脂120として、ポジ型フォトレジスト(型番「MICRO POSIT S1818」ローム&ハース社製)を使用した。
実験施例1、2,3のマイクロウェルアレイ100を備えるマイクロ流体デバイスを組み立てた。
続いて、上記のマイクロ流体デバイスに、シリンジを用いて、蛍光物質であるFITCを適量溶解し、界面活性剤を適量含む水性液体を送液した。
その後、上記のマイクロ流体デバイスに、シリンジを用いてオイル(型番「FC40」、シグマ社製)を送液した。
図5は、本実験例のマイクロ流体デバイスにオイルを送液した後の状態を示す断面図である。
マイクロ流体デバイス1000は、マイクロウェルアレイを保持する底部部材1110と、蓋部材1200と、マイクロ流路1300とを備えていた。
本実験例においては、底部部材1110は、実験例1のマイクロウェルアレイ100の基板110と一体になっている。
すなわち、実験例1のマイクロウェルアレイ100は、底部部材1110を基板110として形成されたものであった。
実験例1,2,3のマイクロ流体デバイス1000に、水性液体440として、界面活性剤を適量含むFITC溶液を送液すると、マイクロウェルアレイ100のウェル内に水性液体440が導入された。
続いて、マイクロ流体デバイス1000にオイル450を送液すると、図5に示すように、マイクロウェルアレイ100のウェル内に水性液体440を保持した状態で、ウェルのウェル入り口近傍にオイル450の層が形成された。
すなわち、マイクロウェルアレイ100のウェル内に水性液体440が封入された。
各ウェルは、微小体積の水性液体440中で種々の生化学的又は化学的反応を行う化学反応容器として機能する。
図6は、オイルを送液した後の、実験例1のマイクロウェルアレイを基板側から蛍光顕微鏡観察した結果を示す写真である。
その結果、図6に示すように、実験例1のマイクロウェルアレイのウェルのパターンに、規則正しくFITCの蛍光が観察された。
図6において、白く見える部分が蛍光を発しているウェルであり、黒い部分は基板である。
この結果は、実験例1のマイクロウェルアレイの各ウェルに、FITC溶液を封入することができたことを示す。
なお、実験例1のマイクロウェルアレイにおいて、疎水性樹脂として使用したノボラック樹脂は自家蛍光を有するが、その蛍光値は十分に低く、検出対象であるFITCの蛍光値と十分な差があるため、FITCの蛍光の検出には支障がない。
図7は、オイルを送液した後の、実験例2のマイクロウェルアレイを基板側から蛍光顕微鏡観察した結果を示す写真である。
その結果、図7に示すように、実験例2のマイクロウェルアレイのウェルのパターンに、規則正しくFITCの蛍光が観察された。
図7において、白く見える部分が蛍光を発しているウェルであり、黒い部分は基板である。
この結果は、実験例2のマイクロウェルアレイの各ウェルに、FITC溶液を封入することができたことを示す。
図8は、オイルを送液した後の、実験例3のマイクロウェルアレイを基板側から蛍光顕微鏡観察した結果を示す写真である。
その結果、図8に示すように、実験例3のマイクロウェルアレイのウェルのパターンに、規則正しくFITCの蛍光が観察された。
図8において、白く見える部分が蛍光を発しているウェルであり、黒い部分は基板である。
この結果は、実験例3のマイクロウェルアレイの各ウェルに、FITC溶液を封入することができたことを示す。
<実験例4>
実験例1〜3と同様にして、実験例4のマイクロウェルアレイを作製した。
実験例4のマイクロウェルアレイは、開口部直径D2約4.10μm、底面部直径D1約2.32μm、高さH約3μmの円錐台のウェルを有しており、基板110としては、ガラス基板を使用した。
また、疎水性樹脂120として、ネガ型フォトレジスト(型番「ZPN1150−90」日本ゼオン社製)を使用した。
<実験例5>
実験例1〜4と同様にして、実験例5のマイクロウェルアレイを作製した。
実験例5のマイクロウェルアレイは、開口部直径D2約4.34μm、底面部直径D1約2.88μm、高さH約3μmの円錐台のウェルを有しており、基板110としては、ガラス基板を使用した。
また、疎水性樹脂120として、ネガ型フォトレジスト(型番「ZPN1150−90」)を使用した。
実験例1〜3と同様にして、実験例4,5のマイクロウェルアレイ100を備えるマイクロ流体デバイスを組み立てた。
続いて、上記のマイクロ流体デバイスに、シリンジを用いて、蛍光物質であるFITCを適量溶解し、界面活性剤を適量含む水性液体を送液した。
その後、上記のマイクロ流体デバイスに、シリンジを用いてオイル(型番「FC40」、シグマ社製)を送液した。
図9は、本実験例のマイクロ流体デバイスにオイルを送液した後の状態を示す断面図である。
図10は、オイルを送液した後の、実験例4のマイクロウェルアレイを基板側から蛍光顕微鏡観察した結果を示す写真である。
その結果、図10に示すように、実験例4のマイクロウェルアレイにおいては、複数のウェルにまたがって蛍光が観測され、ウェルのパターンに沿った規則正しいFITCの蛍光は観察されなかった。
この結果は、実験例4のマイクロウェルアレイには、FITC溶液を封入することができなかったことを示す。
図11は、オイルを送液した後の、実験例5のマイクロウェルアレイを基板側から蛍光顕微鏡観察した結果を示す写真である。
その結果、図11に示すように、実験例5のマイクロウェルアレイにおいては、複数のウェルにまたがって蛍光が観測され、ウェルのパターンに沿った規則正しいFITCの蛍光は観察されなかった。
この結果は、実験例5のマイクロウェルアレイには、FITC溶液を封入することができなかったことを示す。
この結果は、実験例4,5のマイクロウェルアレイには、FITC溶液を封入することができなかったことを示す。
すなわち、ある大きさ以上で底面が送液した液体に接着していないマイクロウェルが形成されている場合、水性溶液を保持することが困難となり、オイルを送液した際に、ウェル内の水性溶液が全てオイルに置き換わってしまうことが明らかとなった。
また、ウェル内の体積Vの溶液が、ある大きさ以上でウェル底面に接しているウェルを備えるマイクロウェルアレイは、水性溶液をウェル内に封入するために非常に有用であることを示す。
各実験例における、寸法を表1に示す。
ウェルの形状としては、表1に示すように、図2に示した容積V(10−18)、底面積S1(10−12)、開口部の平面積S2(10−12)、開口部の最大径D2(μm)、底面の最大径D1(μm)、ウェルの底面から形成される側面の角度θ、高さH(μm)に対して、次のことがわかった。
体積Vが1fL〜6nL/ウェルであり、かつ、底面積S1(10−12)の1倍以上4.5倍以下、2倍以上4.3倍以下であり、3倍以上4.2倍以下となることが好ましい。
平面積S2(10−12)が、底面積S1の0.5倍以上2.2倍以下、1倍以上2倍以下、1.1倍以上1.8倍以下であることが好ましい。
開口部の最大径D2(μm)が、底面の最大径D1(μm)の0.5倍以上1.5倍以下、0.7倍以上1.4倍以下、1倍以上1.3倍以下であることが好ましい。
側面角度θが、30°以上103°以下、60°以上103°以下、90°以上103°以下であることが好ましい。あるいは、側面角度θが、77°以上であること、または前記ウェルの容積V(10−18)の三乗根の値が3.5以上であることができる。あるいは、側面の角度θのtanθが0.3以下であることができる。
高さH(μm)が、最大径D1の0.2倍以上10倍以下、は0.4倍以上5倍以下、0.6倍以上2倍以下であることが好ましい。
本発明によれば、ウェル内に水性液体を封入することが容易なマイクロウェルアレイを提供することができる。
また、上記のマイクロウェルアレイの製造方法、マイクロ流体デバイス、マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入する方法及び水性液体の分析方法を提供することができる。
例えば、生体由来のDNAやRNA等の検出により診断を行う場合等に、微小な空間内へ試薬とともに核酸を入れることが可能となる。
さらに、本発明の活用例として、微小な空間内で核酸の検出を行うことで、従来よりも高精度に遺伝子変異を検出できる。この技術は疾病原因となる遺伝子の早期検出や、より正確な診断を行うことが可能となる。
100,m…マイクロウェルアレイ
110,1100…基板
115…表面
1120…親水層
120,1130…疎水層
1000…マイクロ流体デバイス
1100…底部部材
1200…蓋部材
1300…マイクロ流路
1210…流路入口
1220流路出口
1400…封止部材
m…マイクロウェルアレイ
440…水性液体
450…オイル

Claims (17)

  1. ウェル表面に親水性部分または疎水性部分を有する複数のウェルを備える、マイクロウェルアレイ。
  2. 前記ウェルの底面から形成される側面の角度θが、77°以上90°以下であること、または前記ウェルの容積V(10−18)の三乗根の値が3.5以上5.0以下であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロウェルアレイ。
  3. 前記ウェルの開口部の平面積S2(10−12)が、ウェル底面積S1(10−12)の2.2倍以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマイクロウェルアレイ。
  4. 前記ウェルの開口部の最大径D2(μm)が、ウェル底面の最大径D1(μm)の1.5倍以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロウェルアレイ。
  5. 前記ウェル形状において、ウェルの底面から形成される側面の角度θのtanθが0.3以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロウェルアレイ。
  6. 前記ウェルの底面からの高さH(μm)が、ウェル開口部の最大径D1(μm)の5倍以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロウェルアレイ。
  7. 前記ウェルの容積V(10−18)が、ウェル底面積S1(10−12)の4.5倍以下であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のマイクロウェルアレイ。
  8. 前記ウェルの容量が1fL〜6nL/ウェルである、請求項1〜請求項7のいずれかに記載のマイクロウェルアレイ。
  9. 前記ウェルの密度が10万〜1000万個/cmである、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のマイクロウェルアレイ。
  10. 前記ウェルが、電磁波透過性を有する基板上に設けられている、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のマイクロウェルアレイ。
  11. 前記電磁波が、X線、紫外線、可視光線又は赤外線である、請求項8に記載のマイクロウェルアレイ。
  12. 前記基板は、自家蛍光を実質的に有さないものである、請求項9又は請求項10に記載のマイクロウェルアレイ。
  13. 流路と、前記流路内に配置された、請求項1〜請求項12のいずれかに記載のマイクロウェルアレイとを備える、マイクロ流体デバイス。
  14. 流路と、前記流路内に配置された請求項1〜請求項12のいずれかに記載のマイクロウェルアレイとを備える、マイクロ流体デバイスの前記流路に水性液体を送液し、前記マイクロウェルアレイのウェルに前記水性液体を導入する工程と、前記流路に封止液を送液し、前記ウェルに導入された前記水性液体の上層に封止液の層を形成させ、前記水性液体を前記ウェル内に封入する工程と、を備える、前記ウェル内に水性液体を封入する方法。
  15. 電磁波透過性を有する基板上に親水性材料または疎水性材料を積層して親水層または疎水層を形成する工程と、前記親水層または疎水層を掘削して複数のウェルを形成する工程と、を備える、マイクロウェルアレイの製造方法。
  16. 水性液体が封入された、請求項1〜請求項12のいずれかに記載のマイクロウェルアレイのウェルに電磁波を照射する工程と、前記ウェルから放出される蛍光又は燐光を検出する工程と、を備える、水性液体の分析方法。
  17. 前記蛍光又は燐光が、請求項1〜請求項12のいずれかに記載のマイクロウェルアレイの基板側で検出される、請求項16に記載の水性液体の分析方法。
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