JP2017072213A - セレクタブルワンウェイクラッチ - Google Patents

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塩入 広行
Hiroyuki Shioiri
広行 塩入
寛之 柴田
Hiroyuki Shibata
寛之 柴田
祐樹 黒崎
Yuki KUROSAKI
祐樹 黒崎
宏樹 安井
Hiroki Yasui
宏樹 安井
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Abstract

【課題】体格を大きくすることなく誤係合を防止することができるセレクタブルワンウェイクラッチを提供すること。
【解決手段】セレクタブルワンウェイクラッチ1は、ポケットプレート11と、ノッチプレート12と、係合状態および非係合状態を切り替えるセレクタプレート13と、アーム30と、係合位置と非係合位置とにセレクタプレート13を回転させるアクチュエータ20とを備え、ノッチプレート12には溝部121が形成され、セレクタプレート13には切欠部13bが形成され、アーム30は、切欠部13bに嵌め込まれたアーム本体31と、溝部121に嵌め込まれた突出部32とを有し、溝部121は、アクチュエータ20の駆動時に突出部32の移動を許容する案内溝と、アクチュエータ20の非駆動時にセレクタプレート13の回転に伴う突出部32の移動を規制する係合溝とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、セレクタブルワンウェイクラッチに関する。
ワンウェイクラッチとして、ポケットプレートとノッチプレートとの間に配置されたセレクタプレートにより、ポケットプレートのストラット(係合片)とノッチプレートのノッチ(係合凹部)とを係合状態または非係合状態に切り替えることが可能なセレクタブルワンウェイクラッチが知られている。このようなセレクタブルワンウェイクラッチでは、セレクタプレートと、ポケットプレートまたはノッチプレートとが相対的に摺動するため、その摺動面に潤滑油を供給することにより、各プレートをスムーズに動作させている。
例えば特許文献1には、各プレート間に潤滑油を供給したセレクタブルワンウェイクラッチにおいて、ノッチプレートの回転方向を切り替えるセレクタプレートを操作するために、当該セレクタプレートの外縁部にアームを連結した構成が開示されている。
特開2008−82478号公報
セレクタブルワンウェイクラッチの各プレートは相対回転するように構成されているため、例えばポケットプレートを固定した状態でノッチプレートを回転させると、ポケットプレートとノッチプレートの間に配置されたセレクタプレートに対して、潤滑油を介してトルクが作用する。これは、潤滑油の粘性に起因する剪断力による引き摺り作用であり、潤滑油の粘度が高いほど、大きいトルク(引き摺りトルク)が作用する。
ここで、図9〜図11に示すように、従来のセレクタブルワンウェイクラッチ101は、リターンスプリング22を備えるアクチュエータ20によってセレクタプレート113に連結されたアーム130を移動させることにより、係合状態と非係合状態とを切り替えるように構成されている。そして、例えばエンジンの始動前は、トルクを伝達する必要がないため、ポケットプレート11およびノッチプレート112が非係合状態となるように、リターンスプリング22の弾性力によって、アーム130が非係合方向に付勢された状態となっている。
しかしながら、例えばエンジンの始動時にセレクタブルワンウェイクラッチ101の潤滑油が低温となっている場合、潤滑油の粘度が高いため、セレクタプレート113が上記の引き摺りトルクによって回転することにより、非係合状態であるポケットプレート11とノッチプレート112とが誤係合する可能性がある。このような誤係合を回避するために、引き摺りトルクに抗するリターンスプリング22の弾性力を大きくすることも可能であるが、この場合、係合時にはアクチュエータ20によってその弾性力に打ち勝つ吸引力を発生させる必要があるため、体格が大きくなり、ひいては車両ボディへの搭載性が悪化する可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、体格を大きくすることなく誤係合を防止することができるセレクタブルワンウェイクラッチを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るセレクタブルワンウェイクラッチは、ポケットプレートと、前記ポケットプレートと対向して配置されており、前記ポケットプレートに対して相対回転するノッチプレートと、前記ポケットプレートおよび前記ノッチプレートと同軸で回転することにより、前記ポケットプレートと前記ノッチプレートとの間でトルクを伝達させる係合状態、および前記ポケットプレートと前記ノッチプレートとの間でトルクを伝達させない非係合状態を切り替える円盤状のセレクタプレートと、前記セレクタプレートに連結されており、前記セレクタプレートの径方向外側に突出したアームと、前記アームを介して、前記ポケットプレートと前記ノッチプレートとが前記係合状態となる係合位置と、前記ポケットプレートと前記ノッチプレートとが前記非係合状態となる非係合位置と、に前記セレクタプレートを回転させるアクチュエータと、を備えるセレクタブルワンウェイクラッチにおいて、前記ノッチプレートの前記ポケットプレートと対向する面には、溝部が形成されており、前記セレクタプレートには、前記セレクタプレートの径方向に切り欠かれた切欠部が形成されており、前記アームは、前記切欠部に嵌め込まれたアーム本体と、前記アーム本体の先端において、前記ノッチプレートの前記溝部が形成された面に向かって突出し、前記溝部に嵌め込まれた突出部と、を有し、前記溝部は、前記セレクタプレートと同軸の円環状に形成され、前記アクチュエータの駆動時において、前記アクチュエータの駆動に伴う前記突出部の移動を許容することにより、前記アームを介して前記セレクタプレートを前記係合位置まで回転させる案内溝と、前記案内溝の一部に形成され、前記アクチュエータの非駆動時に前記セレクタプレートが前記係合位置に向かって回転した場合において、前記セレクタプレートの回転に伴う前記突出部の移動を規制することにより、前記セレクタプレートが前記係合位置まで回転することを防止する係合溝と、を有することを特徴とする。
これにより、セレクタブルワンウェイクラッチは、アクチュエータの非駆動時に引き摺りトルクの影響によってセレクタプレートが係合位置に向かって回転しようとする場合であっても、アームの突出部がノッチプレートの係合溝に係合することで、セレクタプレートの回転が防止される。
本発明に係るセレクタブルワンウェイクラッチによれば、アクチュエータの非駆動時におけるセレクタプレートの係合位置への回転を防止することができるため、体格を大きくすることなく、誤係合を防止することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るセレクタブルワンウェイクラッチの構成を模式的に示す図である。 図2は、本発明の実施形態に係るセレクタブルワンウェイクラッチのノッチプレートの構成を模式的に示す図である。 図3は、本発明の実施形態に係るセレクタブルワンウェイクラッチのセレクタプレートの構成を模式的に示す図である。 図4は、本発明の実施形態に係るセレクタブルワンウェイクラッチにおいて、アクチュエータの非駆動時にアームに作用する力を示す図である。 図5は、本発明の実施形態に係るセレクタブルワンウェイクラッチにおいて、アクチュエータの駆動時、かつ引き摺りトルクによるセレクタプレートの回転時にアームに作用する力を示す図である。 図6は、本発明の実施形態に係るセレクタブルワンウェイクラッチにおいて、アクチュエータの駆動時にアームに作用する力を示す図である。 図7は、本発明の実施形態に係るセレクタブルワンウェイクラッチにおいて、アクチュエータの駆動時にアームに作用する力を示す図である。 図8は、本発明の実施形態に係るセレクタブルワンウェイクラッチにおいて、アームおよび溝部に作用する力を説明するための図である。 図9は、従来技術に係るセレクタブルワンウェイクラッチの構成を示す図である。 図10は、従来技術に係るセレクタブルワンウェイクラッチの構成を示す図であって、図9を矢視A方向から見た図である。 図11は、従来技術に係るセレクタブルワンウェイクラッチの構成を示す図であって、図9のB−B断面図である。
本発明の実施形態に係るセレクタブルワンウェイクラッチ(以下、SOWCという)について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。なお、以下で説明する図1〜図7では、SOWCの一部(下半分)の図示を省略している。
SOWCは、例えば車両における変速機等の動力伝達機構に用いられ、切替部材(セレクタプレート)を所定角度回転させることで、係合(ロック)状態と非係合(アンロック)状態とが切り替わるように構成されている。SOWC1は、図1に示すように、ポケットプレート11と、ノッチプレート12と、セレクタプレート13と、スナップリング14と、アクチュエータ20と、アーム30と、を備えている。
ポケットプレート11は、円筒状に形成され、図示しないケースに固定されている。ポケットプレート11の外周には、図1に示すように、切欠部11bが形成されている。そして、この切欠部11bにアーム30のアーム本体31が差し込まれることにより、ポケットプレート11の内部でアーム30とセレクタプレート13とが連結されている。
ポケットプレート11の表面のうち、ノッチプレート12(セレクタプレート13)と対向する面には、板厚方向に窪んだ複数のポケット(図示省略)が形成され、その内部に係合片であるストラット11aが収容されている。また、ストラット11aとポケットの底面との間には、スプリング(図示省略)が配置され、ポケットの底面からノッチプレート12の方向に向けてストラット11aを付勢している。
ノッチプレート12は、円盤状に形成されている。また、ノッチプレート12は、ポケットプレート11と対向して配置され、ポケットプレート11に対して相対回転可能に構成されている。
ノッチプレート12の表面のうち、ポケットプレート11(セレクタプレート13)と対向する面には、ストラット11aに対応する位置に、当該ストラット11aに対応する係合凹部であるノッチ(図示省略)が形成されている。このノッチは、後記するセレクタプレート13の窓孔13aを通ってノッチプレート12側に突出したストラット11aを入り込ませて係合する凹部である。
セレクタプレート(切替部材)13は、図1に示すように、環状(中空円盤状)に形成されている。また、セレクタプレート13は、ポケットプレート11およびノッチプレート12のそれぞれと対向して配置され、ポケットプレート11およびノッチプレート12と同軸で所定角度回転可能に構成されている。セレクタプレート13には、ストラット11aに対応する位置に、板厚方向に貫通した窓孔13aが形成されている。
窓孔13aがストラット11aの位置と一致している場合、ストラット11aが図示しないスプリングに押され、窓孔13aを通ってノッチプレート12側に突出する。これにより、ストラット11aがノッチプレート12のノッチに係合する係合状態となる。一方、窓孔13aがストラット11aの位置に対してずれている場合、セレクタプレート13の窓孔13aが形成されていない部分によって、ストラット11aがポケットプレート11のポケット内に押し込められる。これにより、ストラット11aがノッチプレート12のノッチに係合しない非係合状態となる。
なお、前記した「係合状態」とは、ポケットプレート11のストラット11aとノッチプレート12のノッチとが係合し、ポケットプレート11とノッチプレート12との間でトルクが伝達される状態のことを指す。この係合状態では、ポケットプレート11に対して、ノッチプレート12がいずれか一方向のみに回転可能で、いずれか他方向には回転不可能となる。
一方、前記した「非係合状態」とは、ポケットプレート11のストラット11aとノッチプレート12のノッチとの係合が解除され、ポケットプレート11とノッチプレート12との間でトルクが伝達されない状態のことを指す。この非係合状態では、ポケットプレート11に対して、ノッチプレート12がいずれの方向にも回転可能となる。
スナップリング14は、ポケットプレート11、セレクタプレート13およびノッチプレート12を一体に組み付けるためのものであり、環状(中空円盤状)に形成されている。
アクチュエータ20は、アーム30を介してセレクタプレート13を所定角度回転させるものである。すなわち、アクチュエータ20は、アーム30を介して、ポケットプレート11とノッチプレート12とが係合状態となる係合位置と、ポケットプレート11とノッチプレート12とが非係合状態となる非係合位置と、にセレクタプレート13を回転させる。アクチュエータ20は、例えばソレノイドによって構成され、図1に示すように、プランジャ21と、リターンスプリング22と、ケーシング23と、を備えている。
プランジャ21は、図1に示すように、リターンスプリング22が巻回されており、通電による電磁力によって、セレクタプレート13の外周の接線方向に直線的に動作するように構成されている。また、プランジャ21は、アーム30の一端側と連結されており、セレクタプレート13の外周の接線方向に直線的に動作することにより、アーム30の一端側をセレクタプレート13の外周方向に移動させる(例えば後記する図6参照)。なお、「アーム30の一端側」とは、後記するアーム本体31において、突出部32が設けられる側と反対側の端部のことを示している。
リターンスプリング22は、プランジャ21をケーシング23から突出させる方向に弾性力を作用させるものである。リターンスプリング22は、プランジャ21を引き戻す電磁力とは反対方向に当該プランジャ21を付勢する。
ケーシング23は、プランジャ21を収容するためのものである。ケーシング23は、SOWC1の係合時は通電による電磁力によって引き戻されたプランジャ21を収容し、SOWC1の非係合時は、図1に示すように、ケーシング23の外部にプランジャ21を突出させる。
アーム30は、アクチュエータ20の駆動力をセレクタプレート13に伝達するためのものである。アーム30は、図1に示すように、ポケットプレート11の切欠部11bに差し込まれ、その他端側がセレクタプレート13と連結される。また、アーム30の一端側は、セレクタプレート13の径方向外側に突出し、前記したようにプランジャ21と連結される。
ここで、前記したように、従来のSOWCでは、内部の潤滑油の粘度に起因する引き摺りトルクにより、意図しない時(非係合状態の時)に係合状態に切り替わってしまう誤係合が発生する場合があった。本実施形態に係るSOWC1は、このような誤係合を防止するために、図2および図3に示すように、従来とは異なる構成のノッチプレート12、セレクタプレート13およびアーム30を用いている。
すなわち、ノッチプレート12のポケットプレート11と対向する面には、溝部121が形成されている。この溝部121は、図2に示すように、セレクタプレート13と同軸の円環状に形成された案内溝121aと、案内溝121aの一部に形成された係合溝121bおよび逃げ溝121cと、を有している。係合溝121bは、案内溝121aと板厚方向において同じ深さで、かつノッチプレート12の外周側に向かって形成されている。また、逃げ溝121cは、案内溝121aと板厚方向において同じ深さで、かつノッチプレート12の中心軸側に形成されている。なお、溝部121(案内溝121a、係合溝121bおよび逃げ溝121c)の作用については後記する(図4〜図7参照)。
セレクタプレート13には、図3に示すように、当該セレクタプレート13の径方向に切り欠かれた切欠部13bが形成されている。この切欠部13bは、セレクタプレート13の外周側から内周側に向かって所定長さで形成されている。
アーム30は、図1に示すように、アーム本体31と、突出部32と、を有している。アーム本体31は、セレクタプレート13の切欠部13bに嵌め込まれている。また、突出部32は、アーム本体31の先端(アーム30の他端側)に形成され、ノッチプレート12の溝部121が形成された面に向かって突出している。また、突出部32は、案内溝121aが形成されている方向、すなわちノッチプレート12の周方向に向かって延長して形成されている。そして突出部32は、図1の断面図に示すように、溝部121に嵌め込まれている。
なお、従来技術に係るSOWC101では、図9に示すように、セレクタプレート113に切欠部13bが存在せず、アーム本体131によってセレクタプレート113を挟み込むことにより、アーム30とセレクタプレート113とを連結していた。
以下、溝部121の作用について説明する。以下では、アクチュエータ20の非駆動時に引き摺りトルクによってセレクタプレート13が回転した場合(セレクタプレート13が引き摺られて回転する場合)と、アクチュエータ20の駆動時にセレクタプレート13を回転させる場合(セレクタプレート13を意図的に回転させる場合)とに分けて説明する。
(アクチュエータ非駆動時)
アクチュエータ20の非駆動時は、図4に示すように、アーム30の一端側に対して、リターンスプリング22からの力F1(リターンスプリング22の弾性力)が作用している。このような場合において、図5に示すように、引き摺りトルクによってセレクタプレート13が引き摺られて回転した場合、アーム30の他端側(突出部32)に対して、セレクタプレート13からの力F2が作用する。従って、セレクタプレート13の回転に連れ回るように、アーム30の突出部32が溝部121内を移動(摺動)することになる。
一方、図5に示すように、アーム30の一端側は、図示しないケースに当接された状態であり、かつリターンスプリング22からの力F1が作用しているため、アーム30の一端側はケースに固定された状態となる。従って、突出部32は、アーム30の一端側が支点となり、係合溝121bに向かって移動することになる。
突出部32が係合溝121bに当接すると、図5に示すように、突出部32に対して係合溝121bからの力F3(セレクタプレート13からの反力)が作用する。そして、突出部32に作用する2つの力F2,F3が釣り合うことにより、突出部32の移動が停止する。また、突出部32が係合溝121bに当接する際に、突出部32において係合溝121bと当接する側とは反対側は、逃げ溝121cに収容される。そして、アーム30の他端側(突出部32)の移動が停止することに伴い、アーム30と連結されたセレクタプレート13の回転も停止する。
ここで、係合溝121bの長さl121b(図2参照)は、突出部32の移動とともにセレクタプレート13が回転する場合において、当該セレクタプレート13が係合位置に到達しない範囲の長さに形成されている。従って、図4および図5に示すように、突出部32が係合溝121bに係合した場合は、セレクタプレート13は非係合位置で停止し、ポケットプレート11とノッチプレート12とが誤係合することはない。
このように、溝部121は、アクチュエータ20の非駆動時にセレクタプレート13が係合位置に向かって回転した場合において、セレクタプレート13の回転に伴う突出部32の移動を規制し、セレクタプレート13が係合位置まで回転することを防止する機能を有している。
(アクチュエータ駆動時)
アクチュエータ20の駆動時は、図6に示すように、アーム30の一端側に対してアクチュエータ20からの力F4(アクチュエータ20の吸引力)が作用するとともに、アーム30全体に対して、切欠部13bからの力F5,F6(セレクタプレート13からの反力)が作用する。
これにより、アクチュエータ20の吸引力によってアーム30の一端側が図示しないケースの内面に沿って移動するとともに、突出部32が溝部121の案内溝121aに沿って移動(摺動)することになる。従って、係合溝121bによって移動が規制されることなく、突出部32が案内溝121a内を移動することで、セレクタプレート13が係合位置まで回転し、ポケットプレート11とノッチプレート12とが正常に係合する状態となる。なお、図6では、アーム30およびセレクタプレート13の動きを誇張して示すために、便宜上、他の図と比較してアクチュエータ20の位置をずらして示しているが、実際にはアクチュエータ20は固定されている。実際には、アクチュエータ20を固定した状態で、アーム30およびセレクタプレート13を移動させることが可能である。
このように、溝部121は、アクチュエータ20の駆動時において、当該アクチュエータ20の駆動に伴う突出部32の移動を許容し、アーム30を介してセレクタプレート13を係合位置まで回転させる機能を有している。
なお、アーム30の突出部32の形状は、図7に示すように、案内溝121aが形成されている方向に延長されているため、このように延長されていない形状と比較してモーメントアームMaが大きい。従って、突出部32に作用する作用する力のモーメントM1,M2が低減され、突出部32が案内溝121a内を移動しやすくなる。
(アーム本体と突出部の長さ)
ここで、アーム本体31および突出部32の長さは、アーム本体31、突出部32および溝部121に作用する力を考慮して決定する。図8は、アーム本体31、突出部32および溝部121に作用する力を概念的に示したものである。
図8に示すように、リターンスプリング22の弾性力をFa、アーム本体31の長さをL、突出部32の長さをlとしたとき、溝部121に発生する垂直抗力Nは、アーム30に作用する力のモーメントの釣り合い(FaL=Nl)から、下記式(1)に示すものとなる。
Figure 2017072213
このとき、溝部121と突出部32との間に発生する摩擦力Fは、図8に示すように、2か所に作用するため、2Fとなる。そして、摩擦力の式(F=μN)から2F=2μNとなり、これに上記式(1)を代入すると、下記式(2)となる。
Figure 2017072213
このとき、突出部32が溝部121を摺動するためには、Fa>2Fであればよく、これに上記式(2)を代入し、さらに両辺の共通項Faを消去すると、下記式(3)となる。
Figure 2017072213
ここで、金属間の摩擦係数μを一般的な値であるμ=0.1とした場合、アーム本体31の長さLと突出部32の長さlの比L/lは、下記式(4)を満たせばよいことがわかる。
Figure 2017072213
なお、突出部32と溝部121を低μ化(例えば表面処理、潤滑条件の改良等)することで、アーム本体31の長さLと突出部32の長さlの比L/lは、上記式(4)に示す5より大きくすることができ、低μ化を行えば行うほど、アーム本体31の長さLに対する突出部32の長さlを短くすることができる。
このように、本実施形態に係るSOWC1は、アクチュエータ20の非駆動時にセレクタプレート13に引き摺られて動く場合(図5参照)と、アクチュエータ20の駆動時に意図的に動かす場合(図6参照)とで、アーム30の姿勢が異なることに着目し、セレクタプレート13の荷重(引き摺りトルク)を、アーム30を介してノッチプレート12の溝部121で受けることで対抗力を発生させる。
すなわち、本実施形態に係るSOWC1は、アクチュエータ20の非駆動時に引き摺りトルクの影響によってセレクタプレート13が係合位置に向かって回転しようとする場合であっても、アーム30の突出部32がノッチプレート12の係合溝121bに係合することで、セレクタプレート13の回転を防止する。これにより、体格を大きくすることなく、意図しない誤係合を防止することができる。
以上、本発明に係るセレクタブルワンウェイクラッチについて、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
1,101 セレクタブルワンウェイクラッチ(SOWC)
11 ポケットプレート
11a ストラット(係合片)
11b 切欠部
12,112 ノッチプレート
121 溝部
121a 案内溝
121b 係合溝
121c 逃げ溝
13,113 セレクタプレート
13a 窓孔
13b 切欠部
14 スナップリング
20 アクチュエータ
21 プランジャ
22 リターンスプリング
23 ケーシング
30,130 アーム
31,131 アーム本体
32 突出部

Claims (1)

  1. ポケットプレートと、
    前記ポケットプレートと対向して配置されており、前記ポケットプレートに対して相対回転するノッチプレートと、
    前記ポケットプレートおよび前記ノッチプレートと同軸で回転することにより、前記ポケットプレートと前記ノッチプレートとの間でトルクを伝達させる係合状態、および前記ポケットプレートと前記ノッチプレートとの間でトルクを伝達させない非係合状態を切り替える円盤状のセレクタプレートと、
    前記セレクタプレートに連結されており、前記セレクタプレートの径方向外側に突出したアームと、
    前記アームを介して、前記ポケットプレートと前記ノッチプレートとが前記係合状態となる係合位置と、前記ポケットプレートと前記ノッチプレートとが前記非係合状態となる非係合位置と、に前記セレクタプレートを回転させるアクチュエータと、
    を備えるセレクタブルワンウェイクラッチにおいて、
    前記ノッチプレートの前記ポケットプレートと対向する面には、溝部が形成されており、
    前記セレクタプレートには、前記セレクタプレートの径方向に切り欠かれた切欠部が形成されており、
    前記アームは、
    前記切欠部に嵌め込まれたアーム本体と、
    前記アーム本体の先端において、前記ノッチプレートの前記溝部が形成された面に向かって突出し、前記溝部に嵌め込まれた突出部と、
    を有し、
    前記溝部は、
    前記セレクタプレートと同軸の円環状に形成され、前記アクチュエータの駆動時において、前記アクチュエータの駆動に伴う前記突出部の移動を許容することにより、前記アームを介して前記セレクタプレートを前記係合位置まで回転させる案内溝と、
    前記案内溝の一部に形成され、前記アクチュエータの非駆動時に前記セレクタプレートが前記係合位置に向かって回転した場合において、前記セレクタプレートの回転に伴う前記突出部の移動を規制することにより、前記セレクタプレートが前記係合位置まで回転することを防止する係合溝と、
    を有することを特徴とするセレクタブルワンウェイクラッチ。
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