JP2017071988A - 木造建築工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】柱と梁による構造躯体間に取り付けられる下地ユニットを製作して取り付ける新規な木造建築方法を提供する。
【解決手段】木造建築方法は、主たる構造躯体が柱と梁を接合してなるラーメン構造の木造建築物を建築する木造建築工法であって、工場で三角形状の木製下地部材を複数個製作し、木製下地部材を建築現場に搬入し、建築現場で該木製下地部材を少なくとも2つ組み合わせて矩形の下地骨組みを製作し、該下地骨組みの少なくとも一面に薄板を貼り付けて、構造躯体間の少なくとも壁及び床を形成する下地ユニットを製作し、該下地ユニットを所定の構造躯体間に取り付ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、主たる構造躯体が柱と梁を接合してなるラーメン構造の木造建築物を建築する木造建築工法、及び該工法により、構造躯体間に取り付けられる下地ユニットに関する。
住宅建築において、木造軸組工法(いわゆる在来工法)は、土台・柱・梁・桁・筋かいなどの軸組で建物を支える工法であり、梁や柱の継手や仕口などの木材加工については、現在、大工職人による建築現場での加工よりも、工場でのプレカット加工が主流となっている。プレカット加工を利用した木造軸組建築では、プレカット工場において、プレカット加工用資材を設計図に従って機械加工し、プレカット加工された木材を1棟分まとめて建築現場に搬入し、建築現場で木材加工を行うことなく、建築作業を効率的に行うことができる。さらに、プレカット加工を用いた工法は、建築現場で木材を加工する工法と比較して、工期短縮、産業廃棄物抑制などによるコストダウンが図れ、大工職人の技量や建築現場の気象条件などのさまざまな不安定要素に左右されることなく、高精度で均一な部材を安定して供給することができる。また、JAS認定の構造用集成材を用いることにより、品質確保された資材の安定供給が可能となった。
一方で、ここ最近では、東日本大震災からの復興需要により、柱や梁に用いられる構造用集成材などの建築資材の不足及び高騰、大工職人不足、さらには、需要に対するプレカット工場の生産能力不足が指摘され、住宅の早期の着工が困難となり、十分な住宅を早期に供給できない状況が続いている。
そのような中、本発明者らは、プレカット加工を行わず且つ現場での効率的な施工が確保される建築工法の研究を進め、角材組み合わせ構造材を用いた新規な木造建築工法について提案し、平成26年4月に特許出願を行った(特願2014-088826号)。当該出願における木造建築方法は、基本的には、主たる構造躯体が柱と梁を接合してなるラーメン構造の木造建築物を建築する建築工法において、柱は、断面が十字形状になるように複数の角材を重ね合わせて一体化させた第一の部材を複数直列に接合して形成され、梁は、断面がT字形状になるように複数の角材を重ね合わせて一体化させた第二の部材を複数直列に接合して形成されることを特徴としている。
特開平9−158312号公報 特開平2−183036号公報
本発明者らは、当該木造建築工法の研究をさらに推し進め、構造躯体の工法に留まらず、柱と梁による構造躯体間に取り付けられる下地ユニット(壁ユニット、床ユニット、屋根ユニット)の製作及びその取り付けにかかる木造建築方法について、今般新たに開発した。
なお、柱と梁による骨組み間に取り付けられる躯体プレートや壁パネルの取付方法として、特許文献1及び2が知られている。
本発明の目的は、木造軸組工法において、柱と梁による構造躯体間に取り付けられる下地ユニット(壁ユニット、床ユニット、屋根ユニットを含む)を製作して取り付ける新規な木造建築方法及びそれに用いる下地ユニットを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の第1の木造建築工法は、主たる構造躯体が柱と梁を接合してなるラーメン構造の木造建築物を建築する木造建築工法において、工場で三角形状の木製下地部材を複数個製作し、該木製下地部材を建築現場に搬入し、建築現場で該木製下地部材を少なくとも2つ組み合わせて矩形の下地骨組みを製作し、該下地骨組みの少なくとも一面に薄板を貼り付けて、構造躯体間の少なくとも壁及び床を形成する下地ユニットを製作し、該下地ユニットを所定の構造躯体間に取り付けることを特徴とする。
本発明の第2の木造建築工法は、主たる構造躯体が柱と梁を接合してなるラーメン構造の木造建築物を建築する木造建築工法において、工場で三角形状の木製下地部材を複数個製作し、該木製下地部材を複数個組み合わせて矩形の下地骨組みを製作し、該下地骨組みの少なくとも一面に薄板を貼り付けて、構造躯体間の壁及び床の少なくともその一部を形成する下地ユニットを製作し、該下地ユニットを建築現場に搬入し、該下地ユニットを所定の構造躯体間に取り付けることを特徴とする。
本発明における下地ユニットは、主たる構造躯体が柱と梁を接合してなるラーメン構造の木造建築物の前記構造躯体間に取り付けられる下地ユニットであって、所定長さの角材を三角形状に結合して形成された三角形状の木製下地部材を少なくとも2つ組み合わせて構成される矩形の下地骨組みから構成されることを特徴とする。
本発明の木造建築工法によれば、あらかじめ三角形状の下地部材を工場にて製作し、下地部材を組み合わせることで、さまざまな寸法の下地ユニットを効率的に製作する工程を採用することで、高い品質と強度を確保した上で、建築現場での建築作業量及び作業時間を減らし、省力化及び工期短縮を図ることができる。
必要なサイズ及び枚数の下地部材は、工場で製作され、工場において、下地部材を組み合わせて下地骨組みを製作する、又は、下地部材を現場に搬入し、現場において、複数の下地部材を組み合わせて下地骨組みを製作するかのいずれかにより、下地骨組みが製作され、いずれの工法によっても、あらかじめ製作された下地部材を指定された組み合わせパターンで結合していく作業であるので、高度な加工技術を用いることなく、さまざまな下地ユニットを標準化された作業工程により、精度良く効率的に製作することができる。すなわち、熟練技術を必要とすることなく、一定品質及び必要強度を確保しつつ、現場施工の労務の平準化を図ることができる。
また、三角形状の下地部材を組み合わせて矩形の下地ユニットを製作する手法は、単純な三角形状の下地部材を大量に製作し、それを所定の組み合わせパターンで結合する作業で行われるので、高度な技術・技能を要せずに、精度の高い施工が可能となる。三角形状の基本下地部材を合理的に加工生産し、それを用いて、現場での作業を極力減らした省労務型の建築工法となる。
また、基本部材である木製下地部材一つ一つは、下地骨組みの長さより短い小さなパーツであり、木製下地部材を長さ方向又は幅方向に2つ又は3つ以上つなげて、長尺の下地骨組みを製作する。このように、本工法では、長尺な部材を不要とし、作業や運搬での取り扱いが容易であり、短尺な部材をつないで、長尺な下地ユニットを製作することができる。
一辺の長さが相対的に短い三角形状の基本下地部材を製作し、長さ方向につなげるように組み合わせることで、一辺が相対的に長い矩形の下地ユニットを、相対的に長さが短い短尺材を用いて製作することができる。
本実施の形態における木造建築工法が適用される構造躯体例の各階梁伏図である。 本実施の形態における木造建築工法が適用される構造躯体例の縦断面図である。 本実施の形態における木造建築工法で用いられる三角形状の木製下地部材の例を示す図である。 本実施の形態における壁ユニットの構成例を説明する図である。 本実施の形態における壁ユニットの構成例を説明する図である。 本実施の形態における別の壁ユニットの構成例を説明する図である。 本実施の形態における別の壁ユニットの構成例を説明する図である。 本実施の形態における床ユニットの構成例を説明する図である。 本実施の形態における床ユニットの構成例を説明する図である。 下地部材をずらして組み合わせた下地骨組みの形成を示す図である。 本実施の形態における天井下地基本部材を説明する図である。 本実施の形態における天井下地基本部材を説明する図である。 本実施の形態における天井下地基本部材を説明する図である。 本実施の形態における天井下地基本部材を説明する図である。 三角形状の下地部材の辺同士をずらして組み合わせた天井下地基本部材Cの構成例である。 本実施の形態における仕口補強ユニットの構成例を説明する図である。 本実施の形態における仕口補強ユニットの構成例を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本実施の形態における木造建築工法では、木造軸組工法を採用し、柱及び梁による構造躯体を建築した後、その構造躯体間に取り付ける壁ユニット、床ユニット、天井ユニット、屋根ユニットなどの各下地ユニットを制作し、それを所定位置に取り付ける。
構造躯体の構造は、例えば、特願2014-088826で提案される柱部材と梁部材をつなぎ合わせて形成される。柱部材は、5本の角材を断面が十字形状になるように組み合わせて形成され、梁部材は、5本の角材を断面がT字形状になるように組み合わせて形成される。
図1は、本実施の形態における木造建築工法が適用される構造躯体例の各階梁伏図であり、図2は、その縦断面図である。構造躯体は、好ましくは、特願2014-088826で提案される断面十字形状の柱部材及び断面T字形状の梁部材をつなぎ合わせて形成され、柱部材同士及び梁部材同士が直列に連結する部位や、梁部材同士が直角に連結する部位、梁部材と柱部材が直角に連結する部位については、相補的な凹凸が形成された端部同士を咬み合わせ、部材つなぎ金物及び接着剤による連結、構造用合板を連結する部分を跨ぐように貼り付ける加工、釘打ちなど複数の固定・補強手段を用いて、必要な強度を確保して固定する。なお、柱部材を5本の角材を組み合わせた上述の断面T字形状で形成してもよいし、梁部材を、5本の角材を組み合わせた上述の断面十字形状で形成してもよい。
そして、本実施の形態においては、この構造躯体間に取り付けられる各下地ユニットの骨組み(下地骨組み)を、基本部材としての三角形状の木製下地部材を複数個組み合わせて製作する。
図3は、本実施の形態における木造建築工法で用いられる三角形状の木製下地部材の例を示す図である。三角形状の木製下地部材は、例えば2×4材(断面寸法38×89mm)又は2×6材(断面寸法38×140mm)、さらには角材などの木材を切断加工し、所定寸法の三角形状を形成する。図3(a)は最も単純な三角形状の下地部材T0を示し、図3(b)は、図3(a)の下地部材2つ分を一つとして形成した下地部材T1の構成例、図3(c)は、さらに、図3(b)の下地部材T1の2つ分を一つとして形成した下地部材T2の構成例を示す。下地ユニットのサイズに応じて適宜作り分けられ、大きさに応じて三角形内側に必要な補強を施す。木製下地部材を構成する木材間の接着は好ましくは接着剤で行う。角材同士の角部合わせ部分の形状は任意でよい。木材の切断加工は、切断角度を調整可能な木工用角度切のこぎりで可能であり、切断には高度な技術を必要とせず、また、プレカット工場で用いる大がかりな加工装置は不要であり、一般工務店の工場(又は作業場)でも切断・製作作業が可能である。
製作される下地部材のサイズは、複数種類用意され、各下地ユニットを構成するのに必要なサイズを必要な個数だけ製作する。
図4及び図5は、本実施の形態における壁ユニットの構成例を説明する図であり、図4は、壁ユニットの下地骨組み(a)と合板が貼りつけられた外観例(b)を示す。図5は、その壁ユニットを構成するための下地部材のサイズ(a)と組み合わせパターン(b)を示す図である。図4及び図5に示す壁ユニットは、外装壁ユニットである。図4(a)に示されるように、複数の三角形状の下地部材を組み合わせた下地骨組みが形成され、図4(b)に示されるように、下地骨組みに合板を貼り付けることで外装壁ユニットW0ができあがる。合板は、好ましくは、下地骨組みの両面に貼着されるが、少なくとも一方の面に貼着されればよい。
図4の外装壁ユニットW0は、中心付近に建具開口を有し、該開口を形成するように、複数サイズの下地部材を組み合わせた下地骨組みを組み立てる。図4の外装壁ユニットW0を製作するため、7サイズの下地部材を図5(a)に示す枚数(合計15枚)作成し、図5(b)に示す組み合わせパターンで、各下地部材を結合することで、外装壁ユニットW0の下地骨組みを製作することができる。下地部材同士は接着剤により結合される。また、壁ユニットの一方の面には、仕上げ材として、外装仕上げパネルが貼られる。
製作工程としては、(1)必要なサイズ及び枚数の下地部材は、工場で製作し、そして、工場において、下地部材を組み合わせて下地骨組みを製作し、さらに、合板を貼り付けて壁ユニットを完成させ、それを、現場に搬入し、取り付ける工程、又は(2)必要なサイズ及び枚数の下地部材を工場で製作し、そして、それを現場に搬入し、現場において、下地部材を組み合わせて下地骨組みを製作し、さらに、合板を貼り付けて壁ユニットを完成させ、取り付ける工程のいずれかを取り得る。いずれにしても、あらかじめ製作された下地部材を指定された組み合わせパターンで結合していく作業であるので、高度な加工技術を用いることなく、壁ユニットを製作することができる。
また、基本部材である木製下地部材一つ一つは、下地骨組みの長さより短い小さなパーツであり、木製下地部材を長さ方向又は幅方向に2つ又は3つ以上つなげて、長尺の下地骨組みを製作する。このように、本工法では、長尺な部材を不要とし、作業や運搬での取り扱いが容易であり、短尺な部材をつないで、長尺な下地ユニットを効率的に製作することができる。
図6及び図7は、本実施の形態における別の壁ユニットの構成例を説明する図であり、図6は、高さが異なる2つの壁ユニットの下地骨組みを示し、図7は、その壁ユニットを構成するための下地部材のサイズ(a)と組み合わせパターン(b)を示す図である。図6及び図7に示す壁ユニットは、間仕切り壁ユニットである。間仕切り壁ユニットW1は梁に沿って梁下に設けられる壁ユニットであり、間仕切り壁ユニットW2は梁間に設けられる壁ユニットであり、配置位置により高さが異なる。図4及び図5に示される外装壁ユニットW0と同様に、複数サイズの下地部材を図7(b)に示す組み合わせパターンで、各下地部材を結合することで、間仕切り壁ユニットW1、W2の下地骨組みが形成される。下地骨組みの両面に合板が貼り付けられ、間仕切り壁ユニットW1、W2が完成する。間仕切り壁ユニットの両面は、さらに内装仕上げされることになる。
また、壁ユニットは、階段用壁ユニットとしても適用することができる。階段用壁ユニットは、階段を支持するために階段の両側に配置される壁ユニットや、踊り場を支持する支持壁ユニットを含み、その構成は、間仕切り壁ユニットや外装壁ユニットと同様に、階段壁のサイズに応じて、三角形状の下地基本部材を組み合わせて矩形の下地骨組みが形成され、両面又は片面に合板が貼られる。
図8及び図9は、本実施の形態における床ユニットの構成例を説明する図であり、図8は、床全体に8枚の床ユニットF0が配置された全体を示す図であり、図9は、その床ユニットF0を構成するための下地部材のサイズ(a)と組み合わせパターン(b)を示す図である。床ユニットも、壁ユニットと同様に、複数サイズの下地部材を図9(b)に示す組み合わせパターンで、各下地部材を結合することで、各床ユニットF0の下地骨組みが製作される。製作された各下地骨組みの両面に合板を貼り付けることで、床ユニットF0が完成し、図6に示すように、8枚の床ユニットを床全体に敷き詰める。敷かれた床ユニットF0の床面側の合板上には、床仕上げ材がさらに敷かれることになる。
下地部材のサイズは、上述の床ユニットや壁ユニットなど各ユニットの寸法に合わせて決められる。例えば、1つの床ユニットのサイズが幅910mm、長さ7160mmである場合、図9(a)に示されるように、1つの下地部材aのサイズは、高さ910mm、長さ1790mmである(1790mmは、7160mmを4等分した長さ)。一方で、切断や組み合わせ加工による若干のズレを許容するために、下地部材のサイズを、床ユニットのサイズに厳密に合わせずに、それよりも短い寸法に設定してもよい。その場合、図9(b)に示されるような三角形状の下地部材の辺同士をぴったり重ねるのではなく、若干ずらして重ね合わせていくことで、下地骨組みを形成するようにしてもよい。
図10は、下地部材をずらして組み合わせた下地骨組みの形成を示す図である。図10は、図9(b)に示した床ユニットの組み合わせパターンにおいて、各下地部材のサイズを小さめにした場合の組み合わせパターンを示している。1つの床ユニットの寸法に合わせるように、下地部材を交互にずらしながら下地骨組みを形成していく。下地部材のサイズを、床ユニットのサイズより小さめに作り、対向する辺同士をずらして組み合わせるようにすることで、所定の寸法に自在に合わせることができる。これにより、下地部材の寸法誤差を許容することができ、高い加工精度を必要とすることなく、寸法通りの下地骨組みを作ることができる。下地部材同士をずらした接着は、必要な強度を得るのに十分な接着面積を確保できる範囲で可能であり、目安として辺の長さのおおよそ10%以内であれば、強度的に問題ない範囲である。
下地部材をずらして組み合わせた下地骨組みは、床ユニットに限らず、上述の壁ユニット(外装壁ユニット、間仕切り壁ユニット、階段用壁ユニットなど)にも適用可能であり、それにより、必要な強度を確保した上で、柔軟な寸法調整が可能となる。
床ユニットと同様の手法により、屋根ユニットを形成することができる。屋根ユニットは、例えば2階建住宅の建築物の場合、2階の天井の上部において、屋根斜面を形成する面に、複数枚の屋根ユニットを配置し、各屋根ユニットは、上述の床ユニット同様、三角形状の下地部材を所定パターンで組み合わせて矩形の下地ユニットとして製作する。
図11、図12、図13及び図14は、本実施の形態における天井下地部材を説明する図であり、図11は、天井パネル及びそれに付随する照明ボックスを支持するように取り付けられる3種類の天井下地部材の配置位置を示す図であり、図12は、天井パネル及びそれに付随する照明ボックス及び天井下地部材の取付状態を示す断面図であり、図13は、天井下地部材の構成例を示す図である。天井下地部材C0は、1つの三角形状下地部材であり、天井ユニットC1及びC2は、二つの直角三角形状下地部材をその斜辺同士を重ね合わせて矩形状に作られる。
天井下地部材C0は、建築物の外周の梁に沿って一定間隔で取り付けられ、外周側に配置された照明ボックスを支持する照明ボックス受けである。
天井ユニットC1は、建築物の中心部を横断する梁に沿って取り付けられる、横断する梁の下に配置される天井の一部である照明ボックスを支持する照明ボックス受けである。天井ユニットC1は、横断する梁に沿って、複数連結されて配置されてもよいし、一定の間隔で複数配置されてもよい。
天井ユニットC2は、2階の床を形成する床ユニットと天井パネルとの間で両者を支持するように取り付けられる。天井ユニットC2は複数連結されて配置されてもよいし、天井パネル毎に一定に間隔で複数配置されてもよい。図14(a)は天井ユニットC2が連結されて配置されている例を示し、図14(b)は天井ユニットC2が間隔をあけて配置されている例を示す。天井ユニットC2は、天井パネルを支持する下地ユニットである。
また、天井ユニットC1、C2は、切断や組み合わせ加工による若干のズレを許容するために、下地部材のサイズを、設計上の高さ寸法に厳密に合わせずに、それよりも短い寸法に設定してもよい。その場合、図11に示される床ユニットの例と同様に、三角形状の下地部材の辺同士をぴったり重ねずに、若干ずらして重ね合わせていくことで、下地骨組みを形成するようにしてもよい。
図15は、三角形状の下地部材の辺同士をずらして組み合わせた天井ユニットC2の構成例を示す。現場での作業に合わせて、必要な強度を確保した上で、柔軟に寸法調整が可能となる。この場合、天井ユニットは、間隔をあけて配置される。また、天井ユニットC1についても、同様に、三角形状をずらした骨組みを形成することができる。
図16及び図17は、本実施の形態における仕口補強ユニットの構成例を説明する図である。具体的には、図16(a)は仕口補強ユニットの配置位置を示す平面図であり、図16(b)は、仕口補強ユニットL0と柱の接合部分の拡大図である。また、図17は、仕口補強ユニットL0の下地骨組みを構成する組み合わせパターンを示す図である。下地骨組みは、例えば、図13(b)に示す2つの三角形状下地部材を組み合わせて矩形を形成し、それを縦方向に複数個連結することで構成することができる。
仕口補強ユニットW3は、柱と梁の接合部分である仕口を補強するように、上下の梁間にわたって柱と結合するパネルユニットであり、例えば、図16(a)に示すように、柱間にわたる梁の両端部に配置される。図16では、コーナーの各柱に対して、二重に仕口補強ユニットL0が配置されている例が示されるが、それぞれ一つずつであってもよい。仕口補強ユニットL0は、図17に示すように、三角形状の下地基本部材を組み合わせて矩形の下地骨組みを形成し、好ましくは両面に構造用合板が貼られる。
本実施の形態例においては、一辺の長さが相対的に短い三角形状の基本下地部材を製作し、長さ方向につなげるように組み合わせることで、一辺が相対的に長い矩形の下地ユニットを、相対的に長さが短い短尺材を用いて製作することができる。
あらかじめ三角形状の下地部材を工場にて製作し、下地部材を組み合わせることで、さまざまな寸法の下地ユニットを効率的に製作する工程を採用することで、高い品質を確保した上で、建築現場での建築作業量及び作業時間を減らし、省力化及び工期短縮を図ることができる。
また、三角形状の下地部材を組み合わせて矩形の下地ユニットを製作する手法は、基本部材として、単純な三角形状の下地部材を大量に製作し、それを所定の組み合わせパターンで結合する作業で行われるので、高度な技術・技能を要せずに、精度の高い施工が可能となる。三角形状の基本下地部材を合理的に加工生産し、それを用いて、現場での作業を極力減らした省労務型の建築工法となる。
必要なサイズ及び枚数の下地部材は、工場で製作され、工場において、下地部材を組み合わせて下地骨組みを製作する、又は、下地部材を現場に搬入し、現場において、複数の下地部材を組み合わせて下地骨組みを製作するかのいずれかにより、下地骨組みが製作され、いずれの工法によっても、あらかじめ製作された下地部材を指定された組み合わせパターンで結合していく作業であるので、高度な加工技術を用いることなく、さまざまな下地ユニットを標準化された作業工程により、精度良く効率的に製作することができる。すなわち、熟練技術を必要とすることなく、一定品質及び必要強度を確保しつつ、現場施工の労務の平準化を図ることができる。さらに、工場でプレス加工により製作することで、高い平面精度を有する下地部材を製作することができる。
また、基本部材である木製下地部材一つ一つは、下地骨組みの長さより短い小さなパーツであり、木製下地部材を長さ方向又は幅方向に2つ又は3つ以上つなげて、長尺の下地骨組みを製作する。このように、本工法では、長尺な部材を不要とし、作業や運搬での取り扱いが容易であり、短尺な部材をつないで、長尺な下地ユニットを製作することができる。
本実施の形態例における木造建築工法を用いて一般住宅を建築する場合、本発明に特徴的な構造躯体の組立及び下地ユニットの設置の他の住宅建築要素、例えば、屋根、内装設備(洗面所、浴室、台所など)の施工は、従前からの住宅建築のそれを適用することができる。
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る各種変形、修正を含む要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
T0:下地部材、T1:下地部材、T2:下地部材、W0:外装壁ユニット、W1:間仕切り壁ユニット、W2:間仕切り壁ユニット、F0:床ユニット、C0:天井下地部材、C1:天井ユニット、C2:天井ユニット、L0:仕口補強壁ユニット

Claims (9)

  1. 主たる構造躯体が柱と梁を接合してなるラーメン構造の木造建築物を建築する木造建築工法において、
    工場で三角形状の木製下地部材を複数個製作し、
    該木製下地部材を建築現場に搬入し、
    建築現場で該木製下地部材を少なくとも2つ組み合わせて矩形の下地骨組みを製作し、
    該下地骨組みの少なくとも一面に薄板を貼り付けて、構造躯体間の少なくとも壁及び床を形成する下地ユニットを製作し、
    該下地ユニットを所定の構造躯体間に取り付けることを特徴とする木造建築工法。
  2. 主たる構造躯体が柱と梁を接合してなるラーメン構造の木造建築物を建築する木造建築工法において、
    工場で三角形状の木製下地部材を複数個製作し、
    該木製下地部材を複数個組み合わせて矩形の下地骨組みを製作し、
    該下地骨組みの少なくとも一面に薄板を貼り付けて、構造躯体間の壁及び床の少なくともその一部を形成する下地ユニットを製作し、
    該下地ユニットを建築現場に搬入し、
    該下地ユニットを所定の構造躯体間に取り付けることを特徴とする木造建築工法。
  3. 壁として形成される前記下地ユニットは、外装壁、間仕切り壁、及び階段用壁のいずれかの壁ユニットであることを特徴とする請求項1又は2に記載の木造建築方法。
  4. 前記下地ユニットは、天井パネルを支持する天井ユニット、屋根を形成する屋根ユニット、又は柱と梁の接合部分である仕口を補強する仕口補強ユニットであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の木造建築方法。
  5. 接合する二つの前記木製下地部材をずらして組み合わせて前記下地骨組みを製作することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の木造建築工法。
  6. 前記下地骨組みの長さより短い木製下地部材を幅方向又は長さ方向に複数つなげて、前記下地骨組みを製作することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の木造建築工法。
  7. 主たる構造躯体が柱と梁を接合してなるラーメン構造の木造建築物の前記構造躯体間に取り付けられる下地ユニットであって、
    所定長さの角材を三角形状に結合して形成された三角形状の木製下地部材を少なくとも2つ組み合わせて構成される矩形の下地骨組みから構成されることを特徴とする下地ユニット。
  8. 前記下地骨組みは、壁を形成する壁ユニット、床を形成する床ユニット、屋根を形成する屋根ユニット、天井を支持する天井下地部材を形成することを特徴とする請求項7に記載の下地ユニット。
  9. 前記木製下地部材は下地骨組みの幅方向又は長さ方向の長さより短い寸法を有し、複数の前記木製下地部材を幅方向又は長さ方向に複数つなげて構成されることを特徴とする請求項7又は8に記載の下地ユニット。
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