JP2017071476A - ロールおよびウェブ搬送装置 - Google Patents

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葭谷 明彦
Akihiko Yoshitani
明彦 葭谷
哲也 名藤
Tetsuya Nato
哲也 名藤
浩一 津覇
Koichi Tsuha
浩一 津覇
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Abstract

【課題】ウェブのシワの発生が十分に抑えられ、清掃の手間を少なくでき、ウェブに傷がつきにくく、最表層の摩耗が抑えられ、ウェブスリップが発生しにくいロールの提供。
【解決手段】最表層にメッキ層16を有するロール10であり;メッキ層16の表面に、ロール10の回転軸18方向の中央20から端部に向かって螺旋状に延びる平滑面からなる平滑螺旋帯24と、平滑螺旋帯24に隣接し、ロール10の回転軸18方向の中央20から端部に向かって螺旋状に延びる凹凸面からなる凹凸螺旋帯26とが形成され;平滑螺旋帯24および凹凸螺旋帯26の、ロール10の回転軸18方向の中央20から端部に向かう螺旋の巻き方向が、ロール10の回転軸18方向から見てロール10の回転方向と同一とされ;平滑螺旋帯24の平滑面を基準として、凹凸螺旋帯26の凹凸面の平均深さが10μm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガイドロール等として用いられるロール、およびガイドロールを備えたウェブ搬送装置に関する。
ウェブの薄肉化、ラインの幅広化によって、ウェブ搬送装置においてガイドロールに案内されながら搬送される樹脂フィルム等のウェブは、ガイドロールの回転軸方向に波状となるように撓みやすい。ウェブの撓みが臨界座屈荷重に達してしまうと、ウェブが折れて、ウェブにシワが発生してしまう。
ウェブのシワを伸ばす、またはウェブのシワの発生を抑えるロールとしては、下記のものが提案されている。
(1)ロール中央部において振り分けられて方向が逆になる螺旋状溝を形成し、前記螺旋状溝のリード角、螺旋状溝の幅をロール両端部に向かって徐々に大きくなるように形成することを特徴とするウォームロール(特許文献1)。
(2)連続して搬送されるウェブを回転動作により案内するガイドロールであって、回転軸心方向中央を境として螺旋状に対称に延び、回転軸心方向中央から回転方向に行くにつれて次第に回転軸心方向外側に位置する螺旋帯が外周面に設けられ、該螺旋帯は、当該螺旋帯を除く箇所と面一であるとともに上記螺旋帯を除く箇所より摩擦抵抗が高くなっており、上記螺旋帯の幅は、回転軸心方向中央から外側に行くにつれて次第に広くなっていることを特徴とするガイドロール(特許文献2)。
特開2000−109252号公報 特開2014−201401号公報
(1)、(2)のロールの外周面には、ロールの回転軸方向の中央を境にしてロールの回転軸方向の中央から端部に向かって螺旋状に延び、かつロールの回転軸方向の中央から端部に向かう螺旋の巻き方向がロールの回転方向と同一とされた溝または高摩擦抵抗の帯が形成されている。(1)、(2)のロールにおいては、ロールの外周面の螺旋状の溝または帯とウェブとの接触箇所が、ロールの回転とともにロールの回転軸方向の中央から端部に向かって移動する。そのため、接触箇所の移動とともにウェブがロールの端部に向かって引き伸ばされ、ウェブのシワが伸ばされる、またはウェブのシワの発生が抑えられる。
しかし、(1)、(2)のロールには、下記の問題がある。
・(1)のロールにおいては、螺旋状の溝によるウェブの引き伸ばし効果が不十分である。そのため、ウェブが厚さ10μm以下の薄肉の樹脂フィルムの場合や滑りやすい樹脂フィルムの場合、ウェブのシワの発生を十分に抑えることができない。
・(1)のロールにおいては、螺旋状の溝にゴミが溜まりやすく、ゴミを除去するための清掃が煩雑である。
・(1)のロールにおいては、螺旋状の溝によって、ウェブに傷がつきやすい。
・(2)のロールは、最表層がゴムであるため、ウェブとの接触によって最表層が摩耗しやすい。その結果、螺旋状の帯も摩耗し、螺旋状の帯によるウェブの引き伸ばし効果が失われやすい。
・(2)のロールは、螺旋状の帯と、螺旋状の帯を除く箇所とが面一であるため、(1)のロールにおける螺旋状の溝のような、ウェブとロールとの間に巻き込まれた空気の逃げ道がない。そのため、ウェブとロールとの間の空気の巻き込みによるウェブスリップが発生しやすい。
本発明は、ロールに接するウェブのシワの発生が十分に抑えられ、ロールの清掃の手間を少なくでき、ロールによってウェブに傷がつきにくく、ロールの最表層の摩耗が抑えられ、ウェブとロールとの間の空気の巻き込みによるウェブスリップが発生しにくいロールおよびウェブ搬送装置を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>最表層にメッキ層を有するロールであり;前記メッキ層の表面が、前記ロールの回転軸方向の中央を境にして前記ロールの第1の端部側の第1の領域および前記ロールの第2の端部側の第2の領域に分割され;前記第1の領域および前記第2の領域のそれぞれには、前記ロールの回転軸方向の中央から端部に向かって螺旋状に延びる平滑面からなる1本以上の平滑螺旋帯と、前記平滑螺旋帯に隣接し、前記ロールの回転軸方向の中央から端部に向かって螺旋状に延びる凹凸面からなる1本以上の凹凸螺旋帯とが形成され;前記平滑螺旋帯および前記凹凸螺旋帯の、前記ロールの回転軸方向の中央から端部に向かう螺旋の巻き方向が、前記ロールの回転軸方向から見て前記ロールの回転方向と同一とされ;前記平滑螺旋帯の平滑面を基準として、前記凹凸螺旋帯の凹凸面の平均深さが、10μm以下である、ロール。
<2>ロール基材をさらに有するロールであり;前記ロール基材が、炭素繊維強化複合材料からなる、<1>のロール。
<3>前記炭素繊維の少なくとも一部が、ピッチ系炭素繊維である、<2>のロール。
<4>金属スリーブをさらに有するロールであり;前記メッキ層が、前記金属スリーブの表面に設けられている、<1>〜<3>のいずれかのロール。
<5>前記凹凸螺旋帯の凹凸面の平均深さが、0.1μm以上である、<1>〜<4>のいずれかのロール。
<6>前記第1の領域における前記平滑螺旋帯および前記凹凸螺旋帯と、前記第2の領域における前記平滑螺旋帯および前記凹凸螺旋帯とが、前記ロールの回転軸方向の中央を対称面として、面対称とされている、<1>〜<5>のいずれかのロール。
<7>前記平滑螺旋帯の幅が、前記ロールの回転軸方向の中央から端部に向かうにしたがって広くされている、<1>〜<6>のいずれかのロール。
<8>前記平滑螺旋帯の螺旋角が、前記ロールの回転軸方向の中央から端部に向かうにしたがって大きくされている、<1>〜<7>のいずれかのロール。
<9>前記平滑螺旋帯の算術平均粗さが、0.1μm未満であり;前記凹凸螺旋帯の算術平均粗さが、0.1μm以上である、<1>〜<8>のいずれかのロール。
<10>搬送されるウェブを案内する1本以上のガイドロールを備え;前記ガイドロールの少なくとも一部が、<1>〜<9>のいずれかのロールである、ウェブ搬送装置。
<11>下記式(I)の関係を満足する、<10>のウェブ搬送装置。
3×σ≧H/20 (I)
ただし、σは、本発明のロールの表面の二乗平均平方根粗さ(m)であり、下記式(II)から求められ、Hは、本発明のロールとウェブとの間に形成される空気層の厚さ(m)であり、下記式(IV)から求めらる。
σ=Ra×(π/2)1/2 (II)
ただし、Raは、本発明のロールの表面の算術平均粗さ(m)であり、下記式(III)から求められる。
Ra=(Ra1×R1+Ra2×R2)/100 (III)
ただし、Ra1は、平滑螺旋帯の平滑面の算術平均粗さ(m)であり、R1は、平滑螺旋帯の面積と凹凸螺旋帯の面積の合計に対する平滑螺旋帯の面積の割合(%)であり、Ra2は、凹凸螺旋帯の凹凸面の算術平均粗さ(m)であり、R2は、平滑螺旋帯の面積と凹凸螺旋帯の面積の合計に対する凹凸螺旋帯の面積の割合(%)である。
H=0.589R[{6η(Ur+Uw)}/T]2/3 (IV)
ただし、Rは、本発明のロールの半径(m)であり、Urは、本発明のロールの周速度(m/s)であり、Uwは、ウェブの搬送速度(m/s)であり、Tは、ウェブの張力(N/m)であり、ηは、空気の粘度(Pa・s)である。
本発明のロールによれば、ロールに接するウェブのシワの発生が十分に抑えられ、ロールの清掃の手間を少なくでき、ロールによってウェブに傷がつきにくく、ロールの最表層の摩耗が抑えられ、ウェブとロールとの間の空気の巻き込みによるウェブスリップが発生しにくい。
本発明のウェブ搬送装置においては、ロールに接するウェブのシワの発生が十分に抑えられ、ロールの清掃の手間を少なくでき、ロールによってウェブに傷がつきにくく、ロールの最表層の摩耗が抑えられ、ウェブとロールとの間の空気の巻き込みによるウェブスリップが発生しにくい。
本発明のロールの一例を示す正面図および一部断面図である。 本発明のロールの他の例を示す正面図および一部断面図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「平滑面」とは、隣接する凹凸面に比べて相対的に算術平均粗さが小さい表面を意味する。
「凹凸面」とは、隣接する平滑面に比べて相対的に算術平均粗さが大きい表面を意味する。
平滑面および凹凸面の「算術平均粗さ」は、JIS B 0601:1994にしたがい、評価長さ:4.0mm、測定速度:0.6m/s、カットオフ値:0.8mmで測定した値である。
凹凸面の「平均深さ」は、平滑面の粗さ曲線の平均線(JIS B 0601:1994)と、凹凸面の粗さ曲線の平均線(JIS B 0601:1994)とのロールの半径方向の高低差である。
螺旋帯の「幅」は、ロールの回転軸方向の螺旋帯の幅である。
螺旋帯の「螺旋角」は、ロールの周方向を0度としたときの螺旋の傾斜度である。
図1および図2における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。また、図2においては、図1と同じ構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明のロールの第1の実施形態一例を示す正面図および一部断面図である。
ロール10は、ロール基材12と、ロール基材12の表面を覆う金属スリーブ14と、金属スリーブ14の表面に設けられたメッキ層16と、ロール基材12の両端に嵌合されたジャーナル28とを有する。
ロール10の回転軸18方向の長さL(ジャーナル28を除く。)は、600mm〜6000mmが好ましく、1500〜3000mmがより好ましい。
ロール10の直径D(外径)は、50〜250mmが好ましく、90〜150mmがより好ましい。
(メッキ層)
メッキ層16の表面は、ロール10の回転軸18方向の中央20を境にしてロール10の第1の端部22側の第1の領域Iおよびロール10の第2の端部(図示略)側の第2の領域IIに分割されている。
第1の領域Iおよび第2の領域IIのそれぞれには、ロール10の回転軸18方向の中央20から端部に向かって螺旋状に延びる平滑面からなる2本の平滑螺旋帯24と、平滑螺旋帯24に隣接し、ロール10の回転軸18方向の中央20から端部に向かって螺旋状に延びる凹凸面からなる2本の凹凸螺旋帯26とが交互に形成されている。
平滑螺旋帯24および凹凸螺旋帯26の、ロール10の回転軸18方向の中央20から端部に向かう螺旋の巻き方向は、ロール10の回転軸18方向から見てロール10の回転方向と同一とされている。
平滑螺旋帯24は、ウェブとの接触面積が大きい平滑面からなるため、ウェブとの摩擦抵抗が高い。そして、平滑螺旋帯24の、ロール10の回転軸18方向の中央20から端部に向かう螺旋の巻き方向がロール10の回転方向と同一とされたロール10においては、ロール10の外周面の平滑螺旋帯24とウェブとの接触箇所が、ロール10の回転とともにロール10の回転軸18方向の中央20から端部に向かって移動する。そのため、接触箇所の移動とともにウェブがロール10の端部に向かって引き伸ばされ、ウェブのシワの発生が抑えられる。
凹凸螺旋帯26は、ウェブとの接触面積が小さい凹凸面からなるため、ロールとウェブとの間に空隙を有し、ウェブとロールとの間に巻き込まれた空気の逃げ道となる。そのため、外周面に凹凸螺旋帯26を有するロール10においては、ウェブとロールとの間の空気の巻き込みによるウェブスリップが発生しにくい。
第1の領域Iにおける平滑螺旋帯24および凹凸螺旋帯26と、第2の領域IIにおける平滑螺旋帯24および凹凸螺旋帯26とが、ロール10の回転軸18方向の中央20を対称面として、面対称とされている。第1の領域Iにおける各螺旋帯と第2の領域IIにおける各螺旋帯とが面対称とされていれば、第1の領域Iと第2の領域IIとで、螺旋帯によるウェブの引き伸ばし効果が均等になり、ウェブを横ズレなく安定して搬送できる。
凹凸螺旋帯26の凹凸面の平均深さは、平滑螺旋帯24の平滑面を基準として、10μm以下であり、5μm以下が好ましい。凹凸螺旋帯26の凹凸面の平均深さが10μm以下であれば、凹凸螺旋帯26にゴミが溜まりにくい。そのため、ロール10の清掃の手間を少なくできる。また、平滑螺旋帯24と凹凸螺旋帯26との段差が小さくなるため、段差の角がウェブに接触することによってウェブに傷がつくことが抑えられる。
凹凸螺旋帯26の凹凸面の平均深さは、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。凹凸螺旋帯26の凹凸面の平均深さが0.1μm以上であれば、ロールとウェブとの間の空隙が増え、ウェブとロールとの間に巻き込まれた空気がさらに逃げやすくなる。そのため、ウェブとロールとの間の空気の巻き込みによるウェブスリップがさらに発生しにくい。
平滑螺旋帯24の平滑面の算術平均粗さは、0.1μm未満であり、0.05μm以下が好ましい。平滑螺旋帯24の算術平均粗さが0.1μm未満であれば、ウェブとの接触面積が増えてウェブとの摩擦抵抗が高くなり、平滑螺旋帯24によるウェブの引き伸ばし効果が高くなる。平滑螺旋帯24の算術平均粗さの下限値は0μmである。
凹凸螺旋帯26の凹凸面の算術平均粗さは、0.1μm以上であり、1μm以上が好ましい。凹凸螺旋帯26の算術平均粗さが0.1μm以上であれば、ロールとウェブとの間の空隙が増え、ウェブとロールとの間に巻き込まれた空気がさらに逃げやすくなる。そのため、ウェブとロールとの間の空気の巻き込みによるウェブスリップがさらに発生しにくい。凹凸螺旋帯26の算術平均粗さは、4μm以下が好ましい。
平滑螺旋帯24の面積と凹凸螺旋帯26の面積の合計に対する平滑螺旋帯24の面積の割合は、50〜90%が好ましく、60〜80%がより好ましい。平滑螺旋帯24の面積の割合が50%以上であれば、平滑螺旋帯24によるウェブの引き伸ばし効果がさらに高くなる。平滑螺旋帯24の面積の割合が90%以下であれば、凹凸螺旋帯26による空気の逃げ道が多くなり、ウェブとロールとの間の空気の巻き込みによるウェブスリップがさらに発生しにくい。
平滑螺旋帯24の幅は、5〜150mmが好ましく、30〜100mmがより好ましい。平滑螺旋帯24の幅が5mm以上であれば、平滑螺旋帯24によるウェブの引き伸ばし効果がさらに高くなる。平滑螺旋帯24の幅が150mm以下であれば、ウェブとロールとの間の空気の巻き込みが抑えられる。
凹凸螺旋帯26の幅は、5〜50mmが好ましく、10〜40mmがより好ましい。凹凸螺旋帯26の幅が5mm以上であれば、凹凸螺旋帯26による空気の逃げ道が広くなり、ウェブとロールとの間の空気の巻き込みによるウェブスリップがさらに発生しにくい。凹凸螺旋帯26の幅が50mm以下であれば、摩擦抵抗の低い凹凸螺旋帯26とウェブとの間のスリップが抑えられる。
各螺旋帯の螺旋角θは、30度以上が好ましく、45度以上がより好ましい。螺旋角θが45度以上であれば、平滑螺旋帯24によるウェブの引き伸ばし効果がさらに高くなる。螺旋角θは80度以下が好ましい。
メッキ層を構成する金属としては、クロム、ニッケル、銅等が挙げられる。
メッキ層の厚さは、10〜100μmが好ましく、30〜60μmがより好ましい。
(ロール基材)
ロール10は、ロール10の剛性を高める点から、ロール基材12をさらに有することが好ましい。
ロール基材12の形状は、通常、円筒状である。
ロール基材12としては、軽量であり、かつ弾性率が高い点から、繊維強化複合材料からなるものが好ましく、炭素繊維強化複合材料からなるものがより好ましい。
ロール基材12のヤング率は、120GPa以上が好ましく、180GPa以上がより好ましい。ロール基材12のヤング率が120GPa以上であれば、ロール10の剛性が高くなるため、ロール10の曲がりを小さくすることができる。ロール基材12のヤング率の上限は限定されないが、炭素繊維のヤング率の上限が500GPa程度であることから、500GPaとされる。
強化繊維としては、無機繊維、有機繊維、金属繊維、これらの複合繊維等が挙げられる。
無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイト繊維、ボロン繊維、ガラス繊維等が挙げられる。
有機繊維としては、アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等が挙げられる。
金属繊維としては、例えば、ステンレスの繊維、鉄の繊維、金属を被覆した炭素繊維等が挙げられる。
強化繊維は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
強化繊維としては、繊維強化複合材料の機械特性(強度、弾性率等)に優れる点から、炭素繊維が好ましい。
炭素繊維としては、ピッチ系炭素繊維、ポリアクリロニトリル系(以下、PAN系と記す。)炭素繊維等が挙げられる。
ピッチ系炭素繊維は、「メソフェーズピッチすなわち石油タール、石炭タール等を処理して生じた部分的に液晶構造を示す樹脂、または、人工的に合成されたメソフェーズピッチを紡糸して、不融化して、さらに炭化させて生成した、黒鉛結晶構造が繊維軸方向に高度に発達した実質的に炭素のみからなるフィラメント繊維」である。
PAN系炭素繊維とは、「アクリロニトリルを主成分として重合させたポリアクリロニトリル系樹脂からなる繊維を、不融化させて、さらに炭化させて生成した実質的に炭素のみからなるフィラメント繊維」である。
炭素繊維としては、弾性率が高く、熱膨張が少ない点から、ピッチ系炭素繊維が好ましい。炭素繊維として、ピッチ系炭素繊維とPAN系炭素繊維とを併用してもよい。
繊維強化複合材料におけるマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂の硬化物または熱可塑性樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66等)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、変性ポリオレフィン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリカーボネイト、ポリアミドイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブチレン−スチレン共重合体、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリエステル、アクリロニトリル−スチレン共重合体等が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
マトリックス樹脂は、繊維強化複合材料の要求物性に応じて、各種添加剤(難燃剤、耐候性改良剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、相溶化剤、導電性フィラー等)を含んでいてもよい。
(金属スリーブ)
ロール10は、金属スリーブ14をさらに有することが好ましい。
金属スリーブ14を構成する金属としては、耐腐食性の点からは、ステンレススチールまたはチタンが好ましく、熱膨張係数が小さい点からは、鉄またはチタンが好ましく、軽量である点からは、アルミニウムが好ましい。
金属スリーブ14の内径は、金属スリーブ14をロール基材12の外周に圧入し、金属スリーブ14とロール基材12とを密着一体化させる点から、ロール基材12の外径よりも0.005〜0.5%小さいことが好ましく、0.01〜0.2%小さいことがより好ましい。
(ロールの製造方法)
ロール10は、例えば、下記の工程(i)〜(iv)を有する製造方法によって製造される。
工程(i):ロール基材12を作製する工程。
工程(ii):金属スリーブ14をロール基材12の外周に圧入する工程。
工程(iii):金属スリーブ14の表面にメッキ層16を設ける工程。
工程(iv):メッキ層16の表面に凹凸螺旋帯26を形成する工程。
工程(i):
円筒状のロール基材12は、例えば、プリプレグを用いた公知の方法(シートワインディング法等)によって作製できる。
プリプレグとしては、強化繊維を一方向に引き揃えて熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させたUDプリプレグ、強化繊維を織ったクロスに熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂樹脂を含浸させたクロスプリプレグ等が挙げられる。
ロール基材12の表面は、金属スリーブ14をロール基材12の外周に均一に圧入し、確実に密着一体化する点から、研削されることが好ましい。
研削方法としては、公知の金属用研削機械を用いて研削する方法等が挙げられる。研削速度は、通常の金属、具体的にはスチールと同等にすることができる。
工程(ii):
金属スリーブ14をロール基材12の外周に圧入し、密着一体化させ、金属被覆ロール基材を得る。
圧入の条件としては、炭素繊維強化複合材料の弾性率が金属なみであることから、通常の圧入の条件を採用できる。
金属被覆ロール基材の金属スリーブ14の表面は、凹凸螺旋帯26を形成する前のメッキ層16の表面を平滑にする点から、研磨されることが好ましい。
工程(iii):
公知のメッキ法によって金属スリーブ14の表面にメッキ層16を設ける。
メッキ層16の表面は、凹凸螺旋帯26を形成する前のメッキ層16の表面を平滑にする点から、研磨されることが好ましい。
工程(iv):
凹凸螺旋帯26は、例えば、メッキ層16の表面にマスキングを施し、公知の粗面化処理(サンドブラスト等)によって、マスキングされていない部分を粗面化することによって形成される。マスキングされて粗面化されなかった部分は、平滑螺旋帯24となる。
粗面化処理した後のメッキ層16の全面に、化粧メッキを施してもよく、化粧メッキを施した後の平滑螺旋帯24の表面を、クラックを落とすために、研磨してもよい。
(作用機序)
以上説明したロール10にあっては、最表層にメッキ層16を有するため、ロールの最表層の摩耗が抑えられる。その結果、平滑螺旋帯24によるウェブの引き伸ばし効果および凹凸螺旋帯26による空気の逃げ道としての機能が失われにくい。
また、ロール10にあっては、メッキ層16の表面に、ロール10の回転軸18方向の中央20から端部に向かって螺旋状に延びる平滑面からなる平滑螺旋帯24が形成され、かつ平滑螺旋帯24の、ロール10の回転軸18方向の中央から端部に向かう螺旋の巻き方向が、ロール10の回転軸18方向から見てロール10の回転方向と同一とされているため、平滑螺旋帯24によるウェブの引き伸ばし効果によって、ロール10に接するウェブのシワの発生が十分に抑えられる。
また、ロール10にあっては、メッキ層16の表面に、ロール10の回転軸18方向の中央20から端部に向かって螺旋状に延びる凹凸面からなる凹凸螺旋帯26が形成されているため、凹凸螺旋帯26が空気の逃げ道として機能し、ウェブとロール10との間の空気の巻き込みによるウェブスリップが発生しにくい。
また、ロール10にあっては、平滑螺旋帯24の平滑面を基準として、凹凸螺旋帯26の凹凸面の平均深さが10μm以下であるため、凹凸螺旋帯26にゴミが溜まりにくく、ロール10の清掃の手間を少なくできる。また、平滑螺旋帯24と凹凸螺旋帯26との段差の角がウェブに接触することによってウェブに傷がつくことが抑えられる。
<第2の実施形態>
図2は、本発明のロールの第2の実施形態を示す正面図および一部断面図である。
第1の実施形態と同じ構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
平滑螺旋帯24の幅は、ロール10の回転軸18方向の中央20から端部に向かうにしたがって広くされている。平滑螺旋帯24の幅がロール10の端部に向かうにしたがって広くされていることによって、ロール端部に近づくほどウェブのシワの引き伸ばし量が大きくなり、ロール10の回転軸18方向の中央20付近およびロール10の端部付近に同時にシワが発生しても、中央20付近にシワが蓄積されることなく、シワが十分に引き伸ばされる。凹凸螺旋帯26の幅は、ロール10の端部に向かうにしたがって広くされていてもよく、ロール10の回転軸18方向の中央20から端部にわたって同じであってもよい。
平滑螺旋帯24の螺旋角θは、ロール10の回転軸18方向の中央20から端部に向かうにしたがって大きくされている。平滑螺旋帯24の螺旋角θがロール10の端部に向かうにしたがって大きくされていることによって、ロール端部に近づくほどウェブのシワの引き伸ばし量が大きくなり、ロール10の回転軸18方向の中央20付近およびロール10の端部付近に同時にシワが発生しても、中央20付近にシワが蓄積されることなく、シワが十分に引き伸ばされる。凹凸螺旋帯26の螺旋角θは、通常、平滑螺旋帯24の螺旋角θとともに変化する。
<他の実施形態>
本発明のロールは、最表層にメッキ層を有するロールであり;メッキ層の表面が、ロールの回転軸方向の中央を境にしてロールの第1の端部側の第1の領域およびロールの第2の端部側の第2の領域に分割され;第1の領域および第2の領域のそれぞれには、ロールの回転軸方向の中央から端部に向かって螺旋状に延びる平滑面からなる1本以上の平滑螺旋帯と、平滑螺旋帯に隣接し、ロールの回転軸方向の中央から端部に向かって螺旋状に延びる凹凸面からなる1本以上の凹凸螺旋帯とが形成され;平滑螺旋帯および凹凸螺旋帯の、ロールの回転軸方向の中央から端部に向かう螺旋の巻き方向が、ロールの回転軸方向から見てロールの回転方向と同一とされ;平滑螺旋帯の平滑面を基準として、凹凸螺旋帯の凹凸面の平均深さが、10μm以下であるものであればよく、図示例のものに限定されない。
例えば、最表層にメッキ層を有するロールであればよく、ロール基材および金属スリーブのいずれか一方または両方を省略してもよい。金属スリーブを省略した場合は、メッキ層は、ロール基材の表面に設けられる。
第1の領域における平滑螺旋帯および凹凸螺旋帯と、第2の領域における平滑螺旋帯および凹凸螺旋帯とが、ロールの回転軸方向の中央を対称面として、面対称とされていなくてもよい。
各領域における平滑螺旋帯および凹凸螺旋帯は、それぞれ1本以上であり、かつ交互に形成されていればよく、図示例の2本に限定はされない。
平滑螺旋帯が2本以上の場合、各平滑螺旋帯の幅は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
凹凸螺旋帯が2本以上の場合、各凹凸螺旋帯の幅は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
平滑螺旋帯の幅および凹凸螺旋帯の幅のいずれか一方が、ロールの回転軸方向の中央から端部に向かうにしたがって広くされ、他方が、ロールの回転軸方向の中央から端部に向かうにしたがって広くされていなくてもよい。
平滑螺旋帯または凹凸螺旋帯の幅は、ロールの回転軸方向の中央から端部に向かうにしたがって連続的に広くされていてもよく、段階的に広くされていてもよい。
平滑螺旋帯または凹凸螺旋帯の螺旋角は、ロールの回転軸方向の中央から端部に向かうにしたがって連続的に大きくされていてもよく、段階的に大きくされていてもよい。
平滑螺旋帯が2本以上の場合、各平滑螺旋帯の平滑面の算術平均粗さは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
凹凸螺旋帯が2本以上の場合、各凹凸螺旋帯の凹凸面の算術平均粗さは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
<ウェブ搬送装置>
本発明のウェブ搬送装置は、搬送されるウェブを案内する1本以上のガイドロールを備え、ガイドロールの少なくとも一部として、本発明のロールを用いているものである。
ウェブ搬送装置は、必要に応じて、ウェブを製造するウェブ製造装置;ウェブがロール状に巻き取られたロール体からウェブを供給するウェブ供給装置;ウェブをロール状に巻き取るウェブ巻取装置;ウェブに各種処理(表面処理、コーティング処理等)を施すウエブ処理装置;ガイドロール以外の各種ロール(タッチロール、ニップロール等)等を有していてもよい。また、ガイドロール以外の各種ロールとして、本発明のロールを用いてもよい。
ウェブ搬送装置としては、下記式(I)の関係を満足するものが好ましい。
3×σ≧H/20 (I)
ただし、σは、本発明のロールの表面の二乗平均平方根粗さ(m)であり、下記式(II)から求められ、Hは、本発明のロールとウェブとの間に形成される空気層の厚さ(m)であり、下記式(IV)から求めらる。
σ=Ra×(π/2)1/2 (II)
ただし、Raは、本発明のロールの表面の算術平均粗さ(m)であり、下記式(III)から求められる。
Ra=(Ra1×R1+Ra2×R2)/100 (III)
ただし、Ra1は、平滑螺旋帯の平滑面の算術平均粗さ(m)であり、R1は、平滑螺旋帯の面積と凹凸螺旋帯の面積の合計に対する平滑螺旋帯の面積の割合(%)であり、Ra2は、凹凸螺旋帯の凹凸面の算術平均粗さ(m)であり、R2は、平滑螺旋帯の面積と凹凸螺旋帯の面積の合計に対する凹凸螺旋帯の面積の割合(%)である。
H=0.589R[{6η(Ur+Uw)}/T]2/3 (IV)
ただし、Rは、本発明のロールの半径(m)であり、Urは、本発明のロールの周速度(m/s)であり、Uwは、ウェブの搬送速度(m/s)であり、Tは、ウェブの張力(N/m)であり、ηは、空気の粘度(Pa・s)である。式(IV)の出典は、橋本巨著、「ウェブハンドリングの基礎理論と応用」、加工技術研究会、2008年4月、p.70〜73である。
外周面の全面が平滑面であるロールにおいては、ロールの表面の二乗平均平方根粗さσが、ロールとウェブとの間に形成される空気層の厚さHの3倍以上であれば、ロールとウェブとの間の摩擦係数がゼロとなって、ウェブがロールから完全に浮いた状態となり、ウェブスリップが発生しやすくなることが知られている(橋本巨著、「ウェブハンドリングの基礎理論と応用」、p.43〜48)。
外周面に凹凸螺旋帯が形成されている本発明のロールにおいては、このような状態は、ロールの表面の二乗平均平方根粗さσが、空気層の厚さHの20分の1の3倍以上となったときに発生するという知見を、本発明者らは実験的に得た。式(I)は、この知見に基づくものである。
式(I)の関係を満足するウェブ搬送装置においては、ロールとウェブとの間の摩擦係数がゼロとならないため、ウェブスリップが発生しにくい。
搬送されるウェブとしては、樹脂フィルム、金属箔、紙等が挙げられる。
ウェブの厚さは、特に限定されない。本発明のロールは、薄肉の樹脂フィルムであってもウェブの引き伸ばし効果が十分に発揮されることから、樹脂フィルムの厚さは、10μm以下が好ましい。
(作用機序)
以上説明した本発明のウェブ搬送装置にあっては、ガイドロールとして本発明のロールを有するため、ロールに接するウェブのシワの発生が十分に抑えられ、ロールの清掃の手間を少なくでき、ロールによってウェブに傷がつきにくく、ロールの最表層の摩耗が抑えられ、ウェブとロールとの間の空気の巻き込みによるウェブスリップが発生しにくい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
工程(i):
下記の3種類のプリプレグを用いて、シートワインディング法にて炭素繊維強化複合材料製の円筒状のパイプを作製した。プリプレグの炭素繊維は、周方向および軸方向に配向させた。パイプのヤング率は、210GPaであった。
1)UDプリプレグ(三菱レイヨン社製のプリプレグHyEJ34M65PD、強化繊維:ピッチ系炭素繊維、熱硬化性樹脂:エポキシ樹脂)。
2)UDプリプレグ(三菱レイヨン社製のプリプレグHyEJ17、強化繊維:PAN系炭素繊維、熱硬化性樹脂:エポキシ樹脂)。
3)UDプリプレグ(三菱レイヨン社製のプリプレグHyEJ25、強化繊維:PAN系炭素繊維、熱硬化性樹脂:エポキシ樹脂)。
パイプについて長さ決めを行い、その両端にSUS304製のジャーナルを接着した。
パイプの表面を研削し、炭素繊維強化複合材料製のロール基材を得た。ロール基材の回転軸方向の長さは、2600mmであり、ロール基材の外径は、99mmであった。
工程(ii):
ロール基材の外周に金属スリーブ(金属:SUS304、肉厚:0.7mm)圧入した。金属スリーブの表面を研磨して金属被覆ロール基材を得た。
工程(iii):
金属スリーブの表面にクロムメッキ処理を施し、メッキ層(厚さ:50μm)を設けた。メッキ層の表面を研磨した。
工程(iv):
メッキ層の表面の平滑螺旋帯に相当する部分にマスキングを施し、マスキングされていない部分をサンドブラストによって粗面化した。
マスキングを取り除いた後、メッキ層の表面にクロムメッキ処理を施し、化粧用のメッキ層(厚さ:5μm)を設けた。
平滑螺旋帯の表面のクラックを落とすために、平滑螺旋帯の表面を研磨した。
ジャーナルに軸芯を取り付けて、図2に示すような本発明のロールを得た。
ロールの回転軸方向の長さLは、2600mmであり、ロールの直径D(外径)は、100mmであり、L/Dは26であった。
平滑螺旋帯および凹凸螺旋帯は、それぞれ2本とした。
平滑螺旋帯の平滑面の算術平均粗さは、0.01μmであり、凹凸螺旋帯の凹凸面の算術平均粗さは、3μmであり、凹凸螺旋帯の凹凸面の平均深さは、3μmであった。
平滑螺旋帯の面積と凹凸螺旋帯の面積の合計に対する平滑螺旋帯の面積の割合は、70%であった。
平滑螺旋帯の幅は、ロールの回転軸方向の中央から端部に向かうにしたがって20mmから70mmに変化させ、凹凸螺旋帯の幅は、ロールの回転軸方向の中央から端部にわたって一定(40mm)とした。
平滑螺旋帯の螺旋角および凹凸螺旋帯の螺旋角は、ロールの回転軸方向の中央から端部に向かうにしたがって30度から50度に変化させた。
ガイドロールとして実施例1のロールと、ウェブ巻取装置とを備えたウェブ搬送装置を用意した。ガイドロールの周速度:1.67m/s、ウェブの搬送速度:1.67m/s、ウェブの張力:100N/mの条件にて、ガイドロールにてウェブを案内しながらウェブを搬送した。ウェブ搬送装置は、上述した式(I)の関係を満足しており、ガイドロールの表面においてウェブスリップは発生しなかった。式(I)における空気の粘度は、1.822×10−5Pa・sとした。また、ガイドロールに接するウェブにシワが発生することがなく、ガイドロールによってウェブに傷がつくこともなかった。ウェブの搬送を3時間実施したが、ガイドロールの最表層の摩耗が少なく、平滑螺旋帯によるウェブの引き伸ばし効果が失われることはなかった。また、ガイドロールの凹凸螺旋帯にゴミが溜まることはなかった。
本発明のロールは、ウェブ搬送装置におけるガイドロールとして有用である。また、本発明のロールは、タッチロール、ニップロール等として用いることもできる。
10 ロール
12 ロール基材
14 金属スリーブ
16 メッキ層
18 回転軸
20 中央
22 第1の端部
24 平滑螺旋帯
26 凹凸螺旋帯
28 ジャーナル

Claims (11)

  1. 最表層にメッキ層を有するロールであり、
    前記メッキ層の表面が、前記ロールの回転軸方向の中央を境にして前記ロールの第1の端部側の第1の領域および前記ロールの第2の端部側の第2の領域に分割され、
    前記第1の領域および前記第2の領域のそれぞれには、前記ロールの回転軸方向の中央から端部に向かって螺旋状に延びる平滑面からなる1本以上の平滑螺旋帯と、前記平滑螺旋帯に隣接し、前記ロールの回転軸方向の中央から端部に向かって螺旋状に延びる凹凸面からなる1本以上の凹凸螺旋帯とが形成され、
    前記平滑螺旋帯および前記凹凸螺旋帯の、前記ロールの回転軸方向の中央から端部に向かう螺旋の巻き方向が、前記ロールの回転軸方向から見て前記ロールの回転方向と同一とされ、
    前記平滑螺旋帯の平滑面を基準として、前記凹凸螺旋帯の凹凸面の平均深さが、10μm以下である、ロール。
  2. ロール基材をさらに有するロールであり、
    前記ロール基材が、炭素繊維強化複合材料からなる、請求項1に記載のロール。
  3. 前記炭素繊維の少なくとも一部が、ピッチ系炭素繊維である、請求項2に記載のロール。
  4. 金属スリーブをさらに有するロールであり、
    前記メッキ層が、前記金属スリーブの表面に設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のロール。
  5. 前記凹凸螺旋帯の凹凸面の平均深さが、0.1μm以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のロール。
  6. 前記第1の領域における前記平滑螺旋帯および前記凹凸螺旋帯と、前記第2の領域における前記平滑螺旋帯および前記凹凸螺旋帯とが、前記ロールの回転軸方向の中央を対称面として、面対称とされている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のロール。
  7. 前記平滑螺旋帯の幅が、前記ロールの回転軸方向の中央から端部に向かうにしたがって広くされている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のロール。
  8. 前記平滑螺旋帯の螺旋角が、前記ロールの回転軸方向の中央から端部に向かうにしたがって大きくされている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のロール。
  9. 前記平滑螺旋帯の算術平均粗さが、0.1μm未満であり、
    前記凹凸螺旋帯の算術平均粗さが、0.1μm以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のロール。
  10. 搬送されるウェブを案内する1本以上のガイドロールを備え、
    前記ガイドロールの少なくとも一部が、請求項1〜9のいずれか一項に記載のロールである、ウェブ搬送装置。
  11. 下記式(I)の関係を満足する、請求項10に記載のウェブ搬送装置。
    3×σ≧H/20 (I)
    ただし、σは、本発明のロールの表面の二乗平均平方根粗さ(m)であり、下記式(II)から求められ、Hは、本発明のロールとウェブとの間に形成される空気層の厚さ(m)であり、下記式(IV)から求めらる。
    σ=Ra×(π/2)1/2 (II)
    ただし、Raは、本発明のロールの表面の算術平均粗さ(m)であり、下記式(III)から求められる。
    Ra=(Ra1×R1+Ra2×R2)/100 (III)
    ただし、Ra1は、平滑螺旋帯の平滑面の算術平均粗さ(m)であり、R1は、平滑螺旋帯の面積と凹凸螺旋帯の面積の合計に対する平滑螺旋帯の面積の割合(%)であり、Ra2は、凹凸螺旋帯の凹凸面の算術平均粗さ(m)であり、R2は、平滑螺旋帯の面積と凹凸螺旋帯の面積の合計に対する凹凸螺旋帯の面積の割合(%)である。
    H=0.589R[{6η(Ur+Uw)}/T]2/3 (IV)
    ただし、Rは、本発明のロールの半径(m)であり、Urは、本発明のロールの周速度(m/s)であり、Uwは、ウェブの搬送速度(m/s)であり、Tは、ウェブの張力(N/m)であり、ηは、空気の粘度(Pa・s)である。
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