JP2017070881A - 洗浄器 - Google Patents
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Abstract
【課題】循環液の温度に関わらず洗浄ノズルからの噴射流量を所望に保つことができる洗浄器を提供する。【解決手段】被洗浄物が収容される洗浄槽2と、この洗浄槽2内の被洗浄物へ液体を噴射する洗浄ノズル3と、洗浄槽2内の下部に連接された液貯留部4と、この液貯留部4の液体を洗浄ノズル3へ循環供給する循環手段8と、液貯留部4の貯留液または循環手段8による循環液を加熱する加熱手段10と、前記各手段を制御する制御手段とを備える。制御手段は、循環手段8による循環液の温度に基づき、循環手段8の出力を変更する。たとえば、循環手段8による循環流量を設定範囲に維持するように、第二温度センサ39の検出温度に基づき、循環ポンプ23をインバータ制御する。【選択図】図1
Description
本発明は、被洗浄物に液体を噴射して洗浄する洗浄器に関するものである。
従来、下記特許文献1に開示されるように、チャンバ(3)内にスプレー・アーム(8)を回転自在に設け、そのスプレー・アーム(8)のノズルから被洗浄物に液体を噴射して、被洗浄物の洗浄や消毒を図る洗浄器が知られている。この装置では、スプレー・アーム(8)から噴射された液体は、チャンバ(3)下部の収集スペース(10)に集められ、循環ポンプ(12)により循環パイプ(16)を介してスプレー・アーム(8)へ循環供給される。また、出願人は、この種の洗浄器に関連して、各種発明について特許出願済である(特願2015−137448など)。
この種の洗浄器では、洗浄槽下部の液貯留部から洗浄ノズル(スプレー・アーム)へ循環ポンプにより液体を循環供給するが、発明者は、鋭意研究に努めた結果、液体の温度により循環流量が変動することを知見した。すなわち、循環ポンプを一定出力で運転していても、循環液の温度(貯留液の温度ということもできる)が高いほど、循環ポンプでのキャビテーションの発生などにより、洗浄ノズルからの噴射流量が減少することが分かった。洗浄ノズルからの噴射流量が減少すると、洗浄性が低下することになる。
これに対処するために、仮に循環ポンプの出力を大きくすると、循環液が比較的低温の際には、洗浄ノズルからの噴射流量が多すぎるし、それに伴い、液貯留部の貯留液に渦が生じたり、液貯留部の液位が下がったりして、循環ポンプへの液体に空気が巻き込まれやすくなる。その結果、循環ポンプがエア噛みを起こして、洗浄ノズルからの噴射が不安定になったり、洗浄性が低下したりするおそれがある。一方、このようなエア噛みを防止しようとして、循環ポンプの一次側の液量(つまり液貯留部の液量)を増やすと、水や洗剤の使用量や加熱量が多くなるし、それに伴い、給排水や加熱のための時間(言い換えれば運転時間)が長くなる。
その他、従来技術では、貯留液や循環液をヒータで所定温度まで加熱する際、高温になるほど放熱が増えて、徐々に昇温速度が遅くなる不都合もある。
本発明が解決しようとする課題は、循環液の温度に関わらず洗浄ノズルからの噴射流量を所望に保つことができる洗浄器を提供することにある。また、高温になるほど外部への放熱が多くなるという不都合に対処して、循環液にヒータ以外で熱を補うことができる洗浄器を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、被洗浄物が収容される洗浄槽と、この洗浄槽内の被洗浄物へ液体を噴射する洗浄ノズルと、前記洗浄槽内の下部に連接された液貯留部と、この液貯留部の液体を前記洗浄ノズルへ循環供給する循環手段と、前記液貯留部の貯留液または前記循環手段による循環液を加熱する加熱手段と、前記各手段を制御して被洗浄物を洗浄し、前記貯留液の温度または前記循環液の温度に基づき、前記循環手段の出力を変更する制御手段とを備えることを特徴とする洗浄器である。
請求項1に記載の発明によれば、液貯留部の貯留液の温度、または循環手段による循環液の温度に基づき、循環手段の出力を変更することができる。貯留液や循環液が高温になるほど循環手段の出力を上げることで、洗浄ノズルからの噴射流量を所望に保つことができる。
請求項2に記載の発明は、前記循環手段の出力の変更は、前記液貯留部から前記洗浄ノズルへの循環配管に設けた循環ポンプの電源周波数ひいては回転数を、インバータを用いて変更することで行い、前記貯留液の温度または前記循環液の温度に基づき、前記循環ポンプの周波数を変更することを特徴とする請求項1に記載の洗浄器である。
請求項2に記載の発明によれば、貯留液の温度または循環液の温度に基づき、循環ポンプをインバータ制御することで、循環手段の出力を変更することができる。高温になるほど循環ポンプの出力を上げることで、洗浄ノズルからの噴射流量を所望に保つことができる。また、高温になるほど外部への放熱が多くなるという不都合に対処して、高温になるほど循環ポンプの出力を上げることで、循環ポンプでの加熱量を増し、循環液に加熱手段以外で熱を補うことができる。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記循環手段による循環流量を設定範囲に維持するように、前記貯留液の温度または前記循環液の温度に基づき、前記循環ポンプの周波数を変更することを特徴とする請求項2に記載の洗浄器である。
請求項3に記載の発明によれば、貯留液の温度または循環液の温度に基づき、循環ポンプをインバータ制御することで、循環手段による循環流量を設定範囲に維持することができる。
本発明の洗浄器によれば、循環液の温度に関わらず洗浄ノズルからの噴射流量を所望に保つことができる。また、高温になるほど外部への放熱が多くなるという不都合に対処して、循環液にヒータ以外で熱を補うことができる洗浄器を実現することができる。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、特に明示して区別する場合を除き、「洗浄」には、文字通りの洗浄の他、濯ぎや除染が含まれてもよい。なお、「洗浄」は汚れを除去することであり、汚れは有害もしくは不要な物であり、血液等の有機物、無機物、洗浄剤、微生物等が含まれる。
図1は、本発明の一実施例の洗浄器を示す概略図であり、一部を断面にして示している。本実施例の洗浄器1は、器具除染用洗浄器として利用できるものである。
本実施例の洗浄器1は、被洗浄物が収容される洗浄槽2と、この洗浄槽2内の被洗浄物へ液体を噴射する洗浄ノズル3と、洗浄槽2内の下部に連接された液貯留部4と、この液貯留部4への給水手段5と、液貯留部4からの排水手段6と、給水手段5により給水された水への薬液供給手段7と、液貯留部4の液体を洗浄ノズル3へ循環供給する循環手段8と、洗浄槽2内へ空気を送り込む送風機9と、液貯留部4内の貯留水を加熱する第一ヒータ10と、送風機9による洗浄槽2内への空気を加熱する第二ヒータ11と、前記各手段5〜8ならびに送風機9および各ヒータ10,11を制御する制御手段(図示省略)とを備える。
被洗浄物は、特に問わないが、たとえば鉗子などの医療器具である。洗浄槽2内には、上下複数段に洗浄ノズル3が設けられるが、被洗浄物は上下の洗浄ノズル3間に配置される。この際、洗浄槽2内に上下複数段に設けられる網棚(図示省略)に、被洗浄物が載せられる。なお、被洗浄物は、所望によりバスケットなどに収容されていてもよい。
洗浄槽2は、被洗浄物が収容される中空容器である。洗浄槽2は、本実施例では略矩形の中空ボックス状である。洗浄槽2は、ドア(図示省略)により開閉可能とされる。ドアを開けることで、洗浄槽2に対し被洗浄物を出し入れすることができる。ドアは、洗浄槽2の正面に設けられるが、洗浄槽2の正面および背面の双方に設けられてもよい。
洗浄ノズル3は、洗浄槽2内に、上下複数段に設けられる。本実施例では、洗浄槽2の一側部に、上下複数段にアーム状の支持部材12の基端部が保持され、各支持部材12は、洗浄槽2の一側部から左右方向中央部へ向けて延出する。そして、その延出先端部に、洗浄ノズル3の長手方向中央部が鉛直軸まわりに回転自在に保持される。洗浄ノズル3は、支持部材12内を介して供給される流体(液体や空気)を噴射させるノズル孔(図示省略)を複数形成されている。支持部材12を介して洗浄ノズル3内に流体が供給されると、その流体は洗浄ノズル3のノズル孔から噴射される。この噴流により、洗浄ノズル3は、支持部材12の端部の軸受部まわりに回転する。言い換えれば、洗浄ノズル3は、ノズル孔からの噴流で回転するように、ノズル孔が形成されている。この際あるいはこれとは別に、基本的には、洗浄ノズル3の上方および下方へ向けて流体を噴射するように、ノズル孔が形成されている。但し、洗浄槽2内の上端部に設けられる洗浄ノズル3は、下方へのみ流体を噴射し、洗浄槽2内の下端部に設けられる洗浄ノズル3は、上方へのみ流体を噴射するようにしてもよい。
液貯留部4は、洗浄槽2内の下部に連接される。言い換えれば、洗浄槽2は、下部に液貯留部4を備える。本実施例では、洗浄槽2の下壁は、左右両端部が左右方向内側へ行くに従って下方へ傾斜する傾斜面2aに形成されており、左右方向中央部は下方へ略矩形状に凹んで形成されており、この凹部を含んだ形で、洗浄槽2内の下部が液貯留部4とされる。循環手段8の作動中、洗浄ノズル3から洗浄槽2内へ噴射された液体は、洗浄槽2内の下方へ落下し、液貯留部4に集められる。
給水手段5は、洗浄槽2下部の液貯留部4に、給水路13(13a〜13c)を介して水を供給する。本実施例では、複数種の水から選択した水を供給可能とされる。たとえば、水道水の他、温水および膜濾過水の内、選択した種類の水を供給可能とされる。なお、膜濾過水として、本実施例ではRO水(逆浸透膜濾過水)を用いるが、これに限らず、その他の純水または軟水を用いてもよい。
本実施例では、洗浄槽2の上部に、水道水を供給するための第一給水路13aと、温水を供給するための第二給水路13bと、膜濾過水を供給するための第三給水路13cとが接続されている。第一給水路13aには第一給水弁14aが設けられ、第二給水路13bには第二給水弁14bが設けられ、第三給水路13cには第三給水弁14cが設けられる。各給水路13(13a〜13c)に設けた給水弁14(14a〜14c)を開くことで、洗浄槽2を介して液貯留部4に、水道水、温水または膜濾過水を供給することができる。なお、給水時、いずれか一つの給水弁14を開く以外に、所望により二以上の給水弁14を同時にまたは順次に開いてもよい。これにより、たとえば水道水(常温水)と温水とを混ぜて、所望温度にして利用することができる。
液貯留部4付きの洗浄槽2には、液位検出器15が設けられる。液位検出器15は、その構成を特に問わないが、たとえば、液貯留部4の底部に設置した圧力センサから構成される。この場合、液貯留部4(および洗浄槽2)内の液位に応じて、水圧が変わることを利用して液位を把握する。なお、洗浄槽2には、所定以上の液体を外部へ排出するオーバーフロー路16が設けられる。
排水手段6は、洗浄槽2下部の液貯留部4から、排水路17を介して排水する。排水路17には、排水弁18が設けられる。排水弁18を開くことで、液貯留部4内の貯留水を外部へ排水することができる。
薬液供給手段7は、液貯留部4内の貯留水に、給液路19(19a〜19c)を介して薬液を供給する。本実施例では、好適な例として、複数種の薬液から選択した薬液を供給可能とされる。たとえば、アルカリ性洗剤、酵素配合洗剤、潤滑防錆剤、乾燥促進剤などの内、被洗浄物や工程に応じて選択した薬液を供給可能とされる。
図示例では、三種の薬液を供給可能とした例を示しており、第一薬液を貯留した第一薬液タンク20a、第二薬液を貯留した第二薬液タンク20b、第三薬液を貯留した第三薬液タンク20cを備える。そして、第一薬液タンク20aから液貯留部4への第一給液路19aに、第一薬液ポンプ21aが設けられ、第二薬液タンク20bから液貯留部4への第二給液路19bに、第二薬液ポンプ21bが設けられ、第三薬液タンク20cから液貯留部4への第三給液路19cに、第三薬液ポンプ21cが設けられる。各給液路19(19a〜19c)は、各薬液ポンプ21(21a〜21c)よりも下流において共通管路19dとされており、液貯留部4に接続されるが、場合により、洗浄槽2や後述する循環配管22に接続されてもよい。各薬液ポンプ21の作動を制御することで、各薬液タンク20からの薬液の供給の有無や量を調整することができる。
循環手段8は、液貯留部4内の貯留液を、洗浄ノズル3へ循環供給する。具体的には、循環手段8は、循環配管22と循環ポンプ23とを備える。循環配管22は、液貯留部4から各洗浄ノズル3の支持部材12への配管であり、その途中に循環ポンプ23が設けられている。なお、図示例では、循環配管22の内、液貯留部4から循環ポンプ23への配管は、上流側において、排水路17と共通管路とされている。また、循環配管22の内、循環ポンプ23の出口側には、逆止弁24が設けられている。循環ポンプ23を作動させると、液貯留部4内の液体を、循環配管22および支持部材12を介して洗浄ノズル3へ供給することができ、洗浄ノズル3から噴射された液体は、液貯留部4に戻される。
ところで、循環手段8の出力は、変更可能とされる。本実施例では、循環手段8の出力の変更は、循環ポンプ23のモータの電源周波数(駆動周波数)ひいては回転数を、インバータを用いて変更することでなされる。詳細は後述するが、本実施例では、循環手段8による循環液の温度(または液貯留部4の貯留液の温度)に基づき、循環ポンプ23がインバータ制御される。
第一ヒータ10は、加熱手段として、本実施例では液貯留部4に設けられて、貯留液を加熱する。但し、場合により、第一ヒータ10は、前記循環配管22に設けられて、循環液を加熱してもよい。第一ヒータ10は、本実施例では電気ヒータであるが、場合により蒸気ヒータであってもよい。電気ヒータの場合、典型的にはオンオフ制御されるが、場合により出力を調整されてもよい。一方、蒸気ヒータの場合、蒸気管内に蒸気が供給可能とされ、蒸気の凝縮水は蒸気トラップを介して外部へ排出される。そして、給蒸路に設けた給蒸弁の開閉または開度が制御される。
送風機9は、洗浄槽2の上部に、給気路25(25a,25b)を介して接続される。送風機9からの給気路25は、第二ヒータ11の出口側で分岐され、第一給気路25aが逆止弁26を介して前記循環配管22に接続され、第二給気路25bが逆止弁27を介して洗浄槽2上部に接続される。送風機9は、HEPAフィルタ28を介した空気を吸い込んで吐出し、第二ヒータ11を介して洗浄槽2内へ送り込む。つまり、送風機9からの空気は、第二ヒータ11で加熱された後、第一給気路25a、循環配管22および支持部材12を介して、洗浄ノズル3から噴射される一方、第二給気路25bを介して洗浄槽2内へ供給される。
洗浄槽2の上部には、外部への排気路29が接続される。排気路29には、所望により凝縮器を設けて、排気中の水分の凝縮を図った後、外部へ放出してもよい。また、場合により、排気の一部を送風機9に戻して、洗浄槽2との間で循環させてもよい。
洗浄器1は、さらに加熱タンク30を備えてもよい。加熱タンク30は、後の工程で用いる液体を予め加熱するのに用いられる。本実施例では、加熱タンク30は、設置スペースの関係上、洗浄槽2の上部に設けられる。
加熱タンク30には、タンク給水路31を介して水が供給される。この水として、給水手段5と同様に、水道水、温水または膜濾過水の内、予め設定された水が供給可能とされる。タンク給水路31にはタンク給水弁32が設けられており、タンク給水弁32の開閉により、加熱タンク30への給水を制御することができる。本実施例では、加熱タンク30には、水位検出器(図示省略)が設けられており、少なくとも満水状態(設定水位までの給水状態)と空水状態とが検知可能とされる。水位検出器の検出信号に基づきタンク給水弁32を制御して、加熱タンク30に設定水位まで給水することができる。なお、加熱タンク30には、所定以上の水を溢れされるオーバーフロー路33が設けられる。
加熱タンク30には、第三ヒータ34が設けられる。第三ヒータ34は、図示例では電気ヒータとされるが、第一ヒータ10と同様、場合により蒸気ヒータであってもよい。第三ヒータ34により、加熱タンク30内の液体を設定温度まで加熱することができる。典型的には、後述する除染工程で使用する熱水を製造することができる。
加熱タンク30と洗浄槽2とは、熱水路35により接続されており、熱水路35には熱水弁36が設けられている。熱水弁36を開くことで、加熱タンク30から洗浄槽2内へ熱水を供給することができる。
洗浄槽2には、さらに、超音波振動子37を設けてもよい。本実施例では、洗浄槽2の下壁の左右の傾斜面2aに、それぞれ超音波振動子37が設けられている。
液貯留部4には、第一温度センサ38が設けられる。第一温度センサ38の検出温度に基づき第一ヒータ10を制御することで、液貯留部4内の貯留水、ひいては洗浄ノズル3から噴射する液体の温度を調整することができる。
送風機9から洗浄槽2への給気路25(図示例では第一給気路25aまたは循環配管22)には、第二ヒータ11の設置位置よりも下流側に、第二温度センサ39が設けられる。第二温度センサ39の検出温度に基づき第二ヒータ11を制御することで、洗浄槽2内への給気温度を調整することができる。なお、第二温度センサ39は、熱風の温度の他、循環液の温度も検出でき、第二温度センサ39の検出温度に基づき循環ポンプ23を制御したり、第一ヒータ10を制御したりしてもよい。
加熱タンク30には、第三温度センサ40が設けられる。第三温度センサ40の検出温度に基づき第三ヒータ34を制御することで、加熱タンク30内の貯留水を所望温度に調整することができる。
洗浄器1は、さらに制御手段としての制御器(図示省略)を備える。具体的には、各給水弁14(14a〜14c)、排水弁18、各薬液ポンプ21(21a〜21c)、循環ポンプ23、送風機9、タンク給水弁32、熱水弁36、第一ヒータ10、第二ヒータ11、第三ヒータ34、超音波振動子37、液貯留部4の液位検出器15、加熱タンク30の水位検出器、第一温度センサ38、第二温度センサ39および第三温度センサ40などは、制御器に接続されている。そして、制御器は、後述するように、所定の手順(プログラム)に従い、洗浄槽2内の被洗浄物の洗浄や濯ぎなどを図る。
また、制御器は、循環手段8の作動中、循環手段8による循環液の温度(または液貯留部4の貯留液の温度)に基づき、循環手段8の出力を変更可能である。本実施例では、第二温度センサ39(または第一温度センサ38)の検出温度に基づき、循環ポンプ23の周波数ひいては回転数を変更可能である。この際、循環手段8による循環流量(言い換えれば洗浄ノズル3からの噴射流量)を設定範囲に維持するように、第二温度センサ39(または第一温度センサ38)の検出温度に基づき、循環ポンプ23の周波数ひいては回転数を変更するのがよい。
このように構成する理由は、次のとおりである。すなわち、発明者は、鋭意研究に努めた結果、仮に循環ポンプ23を一定出力で作動させたとしても、循環液の温度が高いほど実際の循環流量(ひいては洗浄ノズル3からの噴射流量)が減ることを知見した。そこで、本実施例では、液温に基づく循環流量の変動を抑えるように、循環ポンプ23をインバータ制御する。つまり、循環液(または貯留液)が高温になるほど循環ポンプ23の周波数を高くして、洗浄ノズル3からの噴射流量を所定に保つことようにする。たとえば、循環流量が所定の目標値になるように、循環液(または貯留液)の温度と循環ポンプ23の周波数との関係を予め制御器に設定しておき、第二温度センサ39(または第一温度センサ38)の検出温度に基づき、循環ポンプ23の周波数が変更される。なお、このような液温に基づく循環ポンプ23のインバータ制御は、液温の変化に基づき周波数を連続的に変化させる以外に、液温を複数の領域に分けて段階的に周波数を変更してもよい。さらに、液温による流量変動の影響が大きくなる所定温度以上の場合にのみ行うようにしてもよい。
このように制御することで、次のような不都合も解決することができる。すなわち、循環ポンプ23を作動させつつ第一ヒータ10で液体を加熱する際、液温が高くなるほど外部への放熱が増えて、徐々に昇温速度が遅くなるという不都合があるが、本実施例では、液温が高まるにつれて循環ポンプ23の周波数を高めることで、循環ポンプ23での加熱量(循環ポンプ23から循環液への入熱)を増し、第一ヒータ10による加熱を補うことができる。循環ポンプ23を勢いよく回転させるほど、循環ポンプ23において循環液を加熱できることになる。なお、このような制御を、流量計によらずに、温度センサに基づき行うので、流量計の設置コストを低減することができる。
以下、本実施例の洗浄器1の運転方法について具体的に説明する。初期状態において、各弁14,18,32,36は閉じられ、各ポンプ21,23、各ヒータ10,11,34、送風機9および超音波振動子37は停止している。但し、排水弁18は、運転開始前には開いた状態にしておき、運転開始時に閉じてもよい。いずれにしても、運転開始に先立って、洗浄槽2内には、被洗浄物が収容され、洗浄槽2のドアは気密に閉じられる。
本実施例の洗浄器1は、予洗工程、シャワー洗浄工程、超音波洗浄工程、高温洗浄工程、濯ぎ工程、除染工程および乾燥工程の内、選択された工程を実行する。但し、これら工程のすべてを実行可能に構成せずに、たとえば予洗工程や高温洗浄工程は、場合により省略可能である。いずれにしても、どの工程をどのような順序で行うか(また各工程を何回行うか)は、予め設定されている。たとえば、運転開始に先立ち、ユーザにより設定器を介して設定される。典型的には、上記各工程の内、選択された工程を順に実行する。
なお、工程に応じて、所望により、給水手段5による水の種類や、薬液供給手段7による薬液の種類についても設定される。また、以下の各工程において、循環ポンプ23を作動させて液体を循環中、第二温度センサ39(または第一温度センサ38)の検出温度に基づき、循環ポンプ23をインバータ制御してもよいのは、前述したとおりである。
いずれにしても、所定の運転開始ボタンにより運転開始が指示されると、制御器は、設定された工程を順次に実行する。以下、各工程の具体的内容を説明する。なお、以下において、設定温度は、工程ごとに異なったものとでき、設定時間も、工程ごとに異なったものとできるのは、言うまでもない。
≪予洗工程≫
予洗工程は、薬液を投入しない水で、被洗浄物を洗浄する工程である。具体的には、まず、液位検出器15が設定水位を検出するまで、給水手段5により液貯留部4に給水する。その後、循環ポンプ23を作動させて、液貯留部4からの水を、循環配管22および支持部材12を介して洗浄ノズル3へ供給し、洗浄ノズル3を回転させながら、洗浄ノズル3のノズル孔から被洗浄物に噴射する。これにより、被洗浄物は、上下の洗浄ノズル3から噴射される水で洗浄される。各洗浄ノズル3から噴射された水は、洗浄槽2下部の液貯留部4へ戻される。設定時間だけ水を循環させた後、循環ポンプ23を停止する。そして、排水弁18を開けて液貯留部4から排水し、排水完了後には排水弁18を閉じる。
予洗工程は、薬液を投入しない水で、被洗浄物を洗浄する工程である。具体的には、まず、液位検出器15が設定水位を検出するまで、給水手段5により液貯留部4に給水する。その後、循環ポンプ23を作動させて、液貯留部4からの水を、循環配管22および支持部材12を介して洗浄ノズル3へ供給し、洗浄ノズル3を回転させながら、洗浄ノズル3のノズル孔から被洗浄物に噴射する。これにより、被洗浄物は、上下の洗浄ノズル3から噴射される水で洗浄される。各洗浄ノズル3から噴射された水は、洗浄槽2下部の液貯留部4へ戻される。設定時間だけ水を循環させた後、循環ポンプ23を停止する。そして、排水弁18を開けて液貯留部4から排水し、排水完了後には排水弁18を閉じる。
≪シャワー洗浄工程≫
シャワー洗浄工程は、薬液(洗剤)を投入した水(洗浄水)で、被洗浄物を洗浄する工程である。シャワー洗浄工程は、基本的には予洗工程と同様である。そこで、ここでは、シャワー洗浄工程が予洗工程と異なる点について説明する。シャワー洗浄工程では、液貯留部4に設定水位まで水を貯留すると共に、薬液供給手段7により所望の薬液を投入する。薬液供給手段7による薬液は、給水手段5による給水に対し、設定濃度になるように設定量だけ投入される。さらに、第一ヒータ10を作動させて、液貯留部4内の貯留水を設定温度(たとえば40℃)まで加熱する。但し、循環ポンプ23を作動させながら、液貯留部4内の貯留水を設定温度まで加熱してもよい。また、給水路13または熱水路35により、温水を給水できる場合には、その温水を利用してもよい。いずれにしても、液貯留部4内に洗浄水を準備した後、循環ポンプ23を作動させて、被洗浄物を洗浄水により洗浄する。洗浄水の循環中、第一温度センサ38(または第二温度センサ39)の検出温度に基づき第一ヒータ10を制御して、洗浄水の温度を設定温度に維持する。洗浄水が設定温度に到達してから、設定時間経過すると、第一ヒータ10による加熱や循環ポンプ23による循環を停止する。そして、排水手段6により排水するが、排水せずに、次工程の超音波洗浄工程で、洗浄水を継ぎ足して利用してもよい。なお、設定温度を変えて(あるいは変えずに)、シャワー洗浄工程を複数回行ってもよい。その際、設定温度を変えるごとに、洗浄槽2内の洗浄水を入れ替えてもよいし、入れ替えなくてもよい。
シャワー洗浄工程は、薬液(洗剤)を投入した水(洗浄水)で、被洗浄物を洗浄する工程である。シャワー洗浄工程は、基本的には予洗工程と同様である。そこで、ここでは、シャワー洗浄工程が予洗工程と異なる点について説明する。シャワー洗浄工程では、液貯留部4に設定水位まで水を貯留すると共に、薬液供給手段7により所望の薬液を投入する。薬液供給手段7による薬液は、給水手段5による給水に対し、設定濃度になるように設定量だけ投入される。さらに、第一ヒータ10を作動させて、液貯留部4内の貯留水を設定温度(たとえば40℃)まで加熱する。但し、循環ポンプ23を作動させながら、液貯留部4内の貯留水を設定温度まで加熱してもよい。また、給水路13または熱水路35により、温水を給水できる場合には、その温水を利用してもよい。いずれにしても、液貯留部4内に洗浄水を準備した後、循環ポンプ23を作動させて、被洗浄物を洗浄水により洗浄する。洗浄水の循環中、第一温度センサ38(または第二温度センサ39)の検出温度に基づき第一ヒータ10を制御して、洗浄水の温度を設定温度に維持する。洗浄水が設定温度に到達してから、設定時間経過すると、第一ヒータ10による加熱や循環ポンプ23による循環を停止する。そして、排水手段6により排水するが、排水せずに、次工程の超音波洗浄工程で、洗浄水を継ぎ足して利用してもよい。なお、設定温度を変えて(あるいは変えずに)、シャワー洗浄工程を複数回行ってもよい。その際、設定温度を変えるごとに、洗浄槽2内の洗浄水を入れ替えてもよいし、入れ替えなくてもよい。
≪超音波洗浄工程≫
超音波洗浄工程は、被洗浄物を超音波洗浄する工程である。具体的には、まず、給水手段5により、設定水位まで洗浄槽2内に給水する。この際、洗浄槽2内の被洗浄物が水没(つまり洗浄水に被洗浄物を浸漬)するまで、洗浄槽2内に給水する。洗浄槽2内の被洗浄物が水没するのであれば、必ずしも洗浄槽2内の上部まで給水する必要はない。洗浄槽2内に所望水位まで水が貯留されると、液位検出器15によりそれを検知して、給水を停止する。なお、シャワー洗浄工程の終了時、洗浄水を排水せずに、直後の超音波洗浄工程において、継ぎ足す形で給水してもよいし、シャワー洗浄工程の終了時、洗浄水を排水しておき、超音波洗浄工程において、新たに一から給水してもよい。いずれにしても、超音波洗浄工程では、洗浄槽2内に水を貯留すると共に、薬液供給手段7により所望の薬液(通常はシャワー洗浄工程と同じ薬液)を液貯留部4内に投入して、設定濃度の洗浄水とする。そして、シャワー洗浄工程と同様に、第一ヒータ10を作動させて、洗浄水を設定温度に加熱する。その後、超音波振動子37を作動させることで、被洗浄物を超音波洗浄する。但し、超音波振動子37の作動は、場合により、洗浄槽2内への給水中(特に少なくとも一部の被洗浄物を浸漬後)や、あるいは洗浄槽2内の貯留水の加熱中において開始してもよい。また、超音波洗浄中、循環ポンプ23を作動させて、洗浄ノズル3からの水の噴射を併用してもよい。洗浄槽2内の上方に配置された被洗浄物は、場合により超音波が当たり難く洗浄効果が薄れる場合があるが、洗浄ノズル3からのシャワー洗浄を併用することで、洗浄ノズル3からの液体の噴射とそれによる貯留水の流動とにより、すべての被洗浄物を効果的に洗浄することができる。洗浄水が設定温度に到達してから、設定時間経過すると、第一ヒータ10の他、超音波振動子37や循環ポンプ23を停止する。そして、排水手段6により排水するが、全量を排水せずに、次工程の高温洗浄工程で、洗浄水の一部のみを排水して残りを利用してもよい。
超音波洗浄工程は、被洗浄物を超音波洗浄する工程である。具体的には、まず、給水手段5により、設定水位まで洗浄槽2内に給水する。この際、洗浄槽2内の被洗浄物が水没(つまり洗浄水に被洗浄物を浸漬)するまで、洗浄槽2内に給水する。洗浄槽2内の被洗浄物が水没するのであれば、必ずしも洗浄槽2内の上部まで給水する必要はない。洗浄槽2内に所望水位まで水が貯留されると、液位検出器15によりそれを検知して、給水を停止する。なお、シャワー洗浄工程の終了時、洗浄水を排水せずに、直後の超音波洗浄工程において、継ぎ足す形で給水してもよいし、シャワー洗浄工程の終了時、洗浄水を排水しておき、超音波洗浄工程において、新たに一から給水してもよい。いずれにしても、超音波洗浄工程では、洗浄槽2内に水を貯留すると共に、薬液供給手段7により所望の薬液(通常はシャワー洗浄工程と同じ薬液)を液貯留部4内に投入して、設定濃度の洗浄水とする。そして、シャワー洗浄工程と同様に、第一ヒータ10を作動させて、洗浄水を設定温度に加熱する。その後、超音波振動子37を作動させることで、被洗浄物を超音波洗浄する。但し、超音波振動子37の作動は、場合により、洗浄槽2内への給水中(特に少なくとも一部の被洗浄物を浸漬後)や、あるいは洗浄槽2内の貯留水の加熱中において開始してもよい。また、超音波洗浄中、循環ポンプ23を作動させて、洗浄ノズル3からの水の噴射を併用してもよい。洗浄槽2内の上方に配置された被洗浄物は、場合により超音波が当たり難く洗浄効果が薄れる場合があるが、洗浄ノズル3からのシャワー洗浄を併用することで、洗浄ノズル3からの液体の噴射とそれによる貯留水の流動とにより、すべての被洗浄物を効果的に洗浄することができる。洗浄水が設定温度に到達してから、設定時間経過すると、第一ヒータ10の他、超音波振動子37や循環ポンプ23を停止する。そして、排水手段6により排水するが、全量を排水せずに、次工程の高温洗浄工程で、洗浄水の一部のみを排水して残りを利用してもよい。
≪高温洗浄工程≫
高温洗浄工程は、薬液(洗剤)を投入した水(洗浄水)で、被洗浄物を高温洗浄する工程である。高温洗浄工程は、基本的にはシャワー洗浄工程と同様である。そこで、ここでは、高温洗浄工程がシャワー洗浄工程と異なる点について説明する。高温洗浄工程では、液貯留部4に設定水位まで水を貯留すると共に、薬液供給手段7により所望の薬液を投入した状態で、循環ポンプ23を作動させて、被洗浄物に洗浄ノズル3から洗浄水を噴射して洗浄する。この際、第一ヒータ10を作動させて循環水を加熱し、循環水が設定温度以上である積算時間が設定時間に達すると、第一ヒータ10や循環ポンプ23を停止して、排水手段6により排水する。
高温洗浄工程は、薬液(洗剤)を投入した水(洗浄水)で、被洗浄物を高温洗浄する工程である。高温洗浄工程は、基本的にはシャワー洗浄工程と同様である。そこで、ここでは、高温洗浄工程がシャワー洗浄工程と異なる点について説明する。高温洗浄工程では、液貯留部4に設定水位まで水を貯留すると共に、薬液供給手段7により所望の薬液を投入した状態で、循環ポンプ23を作動させて、被洗浄物に洗浄ノズル3から洗浄水を噴射して洗浄する。この際、第一ヒータ10を作動させて循環水を加熱し、循環水が設定温度以上である積算時間が設定時間に達すると、第一ヒータ10や循環ポンプ23を停止して、排水手段6により排水する。
≪濯ぎ工程≫
濯ぎ工程は、予洗工程と同様の工程であり、液貯留部4に水を貯留した後、循環ポンプ23を作動させて、洗浄ノズル3から水を噴射して、被洗浄物を濯ぐ工程である。この際、第一ヒータ10により貯留水を設定温度まで加熱してもよい。また、場合により、貯留水に薬液を投入してもよい。設定時間だけ水を循環させた後、循環ポンプ23を停止する。そして、排水弁18を開けて液貯留部4から排水し、排水完了後には排水弁18を閉じる。なお、典型的には、濯ぎ工程を設定回数(少なくとも1回)繰り返す。具体的には、給水手段5による給水と、循環手段8による設定時間の循環と、排水手段6による排水とのセットを設定回数(たとえば2回)繰り返す。
濯ぎ工程は、予洗工程と同様の工程であり、液貯留部4に水を貯留した後、循環ポンプ23を作動させて、洗浄ノズル3から水を噴射して、被洗浄物を濯ぐ工程である。この際、第一ヒータ10により貯留水を設定温度まで加熱してもよい。また、場合により、貯留水に薬液を投入してもよい。設定時間だけ水を循環させた後、循環ポンプ23を停止する。そして、排水弁18を開けて液貯留部4から排水し、排水完了後には排水弁18を閉じる。なお、典型的には、濯ぎ工程を設定回数(少なくとも1回)繰り返す。具体的には、給水手段5による給水と、循環手段8による設定時間の循環と、排水手段6による排水とのセットを設定回数(たとえば2回)繰り返す。
≪除染工程≫
除染工程も、基本的にはシャワー洗浄工程と同様であるが、水温が異なる。除染工程では、循環水は、熱水(65℃以上95℃以下の高温水)とされる。第一ヒータ10で熱水まで加熱してもよいが、予め加熱タンク30において熱水を用意しておき、給水路13からの給水の代わりに、加熱タンク30から熱水を給水すれば、運転時間の短縮を図ることができる。除染工程では、被洗浄物に噴射される液体の温度を確実に消毒温度に維持できるように、洗浄ノズル3の直前における循環水温度を第二温度センサ39で監視し、その温度に基づき第一ヒータ10を制御するのがよい。なお、除染工程では、所望により、薬液供給手段7により薬液(たとえば潤滑防錆剤および/または乾燥促進剤)を投入してもよい。循環水が設定温度以上である積算時間が設定時間に達すると、第一ヒータ10や循環ポンプ23を停止して、排水手段6により排水する。
除染工程も、基本的にはシャワー洗浄工程と同様であるが、水温が異なる。除染工程では、循環水は、熱水(65℃以上95℃以下の高温水)とされる。第一ヒータ10で熱水まで加熱してもよいが、予め加熱タンク30において熱水を用意しておき、給水路13からの給水の代わりに、加熱タンク30から熱水を給水すれば、運転時間の短縮を図ることができる。除染工程では、被洗浄物に噴射される液体の温度を確実に消毒温度に維持できるように、洗浄ノズル3の直前における循環水温度を第二温度センサ39で監視し、その温度に基づき第一ヒータ10を制御するのがよい。なお、除染工程では、所望により、薬液供給手段7により薬液(たとえば潤滑防錆剤および/または乾燥促進剤)を投入してもよい。循環水が設定温度以上である積算時間が設定時間に達すると、第一ヒータ10や循環ポンプ23を停止して、排水手段6により排水する。
≪乾燥工程≫
乾燥工程は、被洗浄物を熱風により乾燥させる工程である。具体的には、送風機9を作動させればよい。また、第二ヒータ11を作動させることで、洗浄槽2内へ熱風を送り込むことができる。この際、第二温度センサ39の検出温度に基づき第二ヒータ11を制御することで、熱風の温度を設定温度に維持することができる。送風機9からの熱風は、第一給気路25a、循環配管22および支持部材12を介して、洗浄ノズル3を回転させながら、洗浄ノズル3のノズル孔から噴射される。また、これと並行して、送風機9からの熱風は、第二給気路25bを介して、洗浄槽2内へ供給される。これら熱風は、洗浄槽2の上部の排気路29から導出されるが、前述したように、場合により排気の一部を送風機9の吸込口へ戻してもよい。設定時間経過すると、第二ヒータ11や送風機9を停止する。
乾燥工程は、被洗浄物を熱風により乾燥させる工程である。具体的には、送風機9を作動させればよい。また、第二ヒータ11を作動させることで、洗浄槽2内へ熱風を送り込むことができる。この際、第二温度センサ39の検出温度に基づき第二ヒータ11を制御することで、熱風の温度を設定温度に維持することができる。送風機9からの熱風は、第一給気路25a、循環配管22および支持部材12を介して、洗浄ノズル3を回転させながら、洗浄ノズル3のノズル孔から噴射される。また、これと並行して、送風機9からの熱風は、第二給気路25bを介して、洗浄槽2内へ供給される。これら熱風は、洗浄槽2の上部の排気路29から導出されるが、前述したように、場合により排気の一部を送風機9の吸込口へ戻してもよい。設定時間経過すると、第二ヒータ11や送風機9を停止する。
なお、このような一連の各工程の終了後、完了工程として、所定操作がなされるまでか所定時間が経過するまで、送風機9を間欠的に運転してもよい。この際、第二ヒータ11による加熱は行わない。完了工程の実施により、洗浄槽2内の被洗浄物への結露の付着を防止することができる。
本発明の洗浄器1は、前記実施例の構成(制御を含む)に限らず適宜変更可能である。特に、(a)被洗浄物が収容される洗浄槽2と、(b)この洗浄槽2内の被洗浄物へ液体を噴射する洗浄ノズル3と、(c)洗浄槽2内の下部に連接された液貯留部4と、(d)液貯留部4の液体を洗浄ノズル3へ循環供給する循環手段8と、(e)液貯留部4の貯留液または循環手段8による循環液を加熱する加熱手段10と、(f)前記各手段8,10を制御して被洗浄物を洗浄し、貯留液の温度または循環液の温度に基づき、循環手段8の出力を変更する制御手段とを備えるのであれば、その他の構成は、適宜に変更可能である。
たとえば、前記実施例において、加熱タンク30や超音波振動子37は、場合により省略可能である。また、前記実施例において、乾燥工程を実施しないのであれば、場合により送風機9や第二ヒータ11を省略してもよい。
さらに、前記実施例では、被洗浄物は、洗浄槽2内の網棚に対し出し入れされたが、洗浄槽2内に洗浄ラック(図1において二点鎖線で示される)を出し入れ可能とし、その洗浄ラックの網棚に被洗浄物を収容可能としてもよい。その場合、上下複数段に設けられる洗浄ノズル(特に最上部および/または最下部の洗浄ノズル以外の洗浄ノズル)3は、洗浄ラックに設けられる。洗浄ラックには、前記実施例と同様に、一側部に、上下複数段にアーム状の支持部材12が設けられ、各支持部材12に洗浄ノズル3が回転可能に保持される。そして、洗浄槽2に洗浄ラックを収容した状態で、循環ポンプ23からの液体(または送風機9からの空気)を洗浄ラックの洗浄ノズル3へ供給可能に、洗浄ラック側の支持部材12への流体供給口と、洗浄槽2側の循環ポンプ23からの配管の流体吐出口とが、着脱可能に接続される。なお、洗浄ラックは、下端部にキャスターが設けられたワゴン状とされてもよい。また、前記実施例において洗浄槽2内の上下両端部に設けられた洗浄ノズル3の内、一方または双方は、洗浄ラックに設けるのではなく、洗浄槽2の側に設けられてもよい。
1 洗浄器
2 洗浄槽
3 洗浄ノズル
4 液貯留部
5 給水手段
6 排水手段
7 薬液供給手段
8 循環手段
9 送風機
10 第一ヒータ(加熱手段)
11 第二ヒータ
23 循環ポンプ
2 洗浄槽
3 洗浄ノズル
4 液貯留部
5 給水手段
6 排水手段
7 薬液供給手段
8 循環手段
9 送風機
10 第一ヒータ(加熱手段)
11 第二ヒータ
23 循環ポンプ
Claims (3)
- 被洗浄物が収容される洗浄槽と、
この洗浄槽内の被洗浄物へ液体を噴射する洗浄ノズルと、
前記洗浄槽内の下部に連接された液貯留部と、
この液貯留部の液体を前記洗浄ノズルへ循環供給する循環手段と、
前記液貯留部の貯留液または前記循環手段による循環液を加熱する加熱手段と、
前記各手段を制御して被洗浄物を洗浄し、前記貯留液の温度または前記循環液の温度に基づき、前記循環手段の出力を変更する制御手段と
を備えることを特徴とする洗浄器。 - 前記循環手段の出力の変更は、前記液貯留部から前記洗浄ノズルへの循環配管に設けた循環ポンプの電源周波数ひいては回転数を、インバータを用いて変更することで行い、
前記貯留液の温度または前記循環液の温度に基づき、前記循環ポンプの周波数を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の洗浄器。 - 前記循環手段による循環流量を設定範囲に維持するように、前記貯留液の温度または前記循環液の温度に基づき、前記循環ポンプの周波数を変更する
ことを特徴とする請求項2に記載の洗浄器。
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Family Applications (1)
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Citations (6)
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JPH04183428A (ja) * | 1990-11-20 | 1992-06-30 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 食器洗浄機 |
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-
2015
- 2015-10-06 JP JP2015198097A patent/JP2017070881A/ja active Pending
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