JP2017070606A - 水解性シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面強度を向上させた水解性シートとその製造方法を提供する。【解決手段】水溶性バインダーが添加された原紙シートに薬液を含浸させた水解性シートであって、原紙シートは、複数枚の原紙をプライ加工したもので目付が30〜150gsmであり、広葉樹パルプと針葉樹パルプの配合比を1/1未満とし、原紙シートの厚み方向内側から外面に向かうにつれてバインダーの含有量を増加させた状態とし、薬液には、架橋剤と除菌剤を含み、原紙シートの重量に対して150〜300重量%の薬液を含浸させた状態とし、カチオン系殺菌剤の含浸量が0.35〜5.00gsmである。製造方法は、原紙シートにカチオン系殺菌剤を含むバインダー溶液を付与する溶液付与工程、バインダー溶液が付与されたシートを乾燥させる乾燥工程、乾燥後のシートに薬液を付与する薬液付与工程を含み、溶液付与工程のバインダー溶液中にカチオン系殺菌剤を配合する。【選択図】図1

Description

本発明は、トイレクリーナー等の予め薬液が含浸された水解性シート、及びその製造方法に関する。
従来、トイレの清掃には、繰り返し使用される織布製の雑巾等が使われてきたが、これに替わって、近年、紙製の使い捨てのウェットシートが使用されるようになってきている。そして、この種のウェットシートは、洗浄剤が含浸された状態で提供され、また使用後にトイレに流して処理可能とされるものが好まれる。
かかるウェットシートにおいては、拭取り作業時の洗浄剤が含浸された湿潤状態において破れない紙力と、トイレ等に流した際に配管等に詰まらない程度の水解性を確保することが求められるところであるが、これらを効果的に達成する一つの技術として、その基材紙としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を含む水溶性バインダー等を添加した水解紙を用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
水溶性バインダーの添加方法としては、例えば、シートの表面に対してバインダー溶液をスプレーノズルから噴霧する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3865506号 特許第4301996号
ところで、洗浄剤等が配合された薬液を含浸させた水解性シートとして、より表面強度を向上させた水解性シートが望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、表面強度を向上させた水解性シート、及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、
請求項1に記載の発明は、
水溶性バインダーが添加された原紙シートに対して薬液を含浸させた水解性シートであって、
前記原紙シートは、
複数枚の原紙をプライ加工したものであり、かつ目付が30〜150gsmであり、
広葉樹パルプに対する針葉樹パルプの配合比を1/1未満とし、
当該原紙シートの厚み方向内側から表面及び裏面に向かうにつれて前記水溶性バインダーの含有量を増加させた状態とし、
前記薬液には、前記水溶性バインダーに架橋反応を起こさせる架橋剤、及びカチオン系殺菌剤を含み、
前記原紙シートの重量に対して150〜300重量%の前記薬液を含浸させており、
前記カチオン系殺菌剤の含浸量が0.35〜5.00gsmであることを特徴とする水解性シート。
また、請求項2に記載の発明は、水解性シートの製造方法において、
原紙シートの外面に対して、スプレーノズルによりカチオン系殺菌剤を含むバインダー溶液を噴射して付与する溶液付与工程と、
前記バインダー溶液が付与されたシートを乾燥させる乾燥工程と、
乾燥後のシートに薬液を付与する薬液付与工程と、
を含み、
前記溶液付与工程において、前記バインダー溶液中に前記カチオン系殺菌剤を添加することを特徴とする。
本発明によれば、表面強度を向上させた水解性シート、及び、その提供することができる。
本実施形態に係るトイレクリーナーの一例を示す平面図である。 トイレクリーナーのエンボス部分の拡大図及び断面図である。 エンボスの接触面積の一例を示す説明図である。 本実施形態に係る水解性シートの製造方法を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態である水解性シートを詳細に説明する。但し、発明の範囲は、図示例に限定されない。
なお、本発明である水解性シートにおいて、水解性シートはトイレクリーナー100を一例にして説明するが、本発明の水解性シートにはトイレクリーナー以外の清拭用途の薬液を含浸させたウェットティシューなども含まれる。また、トイレクリーナー100の製造時の紙の搬送方向をY方向(縦方向)、搬送方向に直交する方向をX方向(横方向)として説明する。
[トイレクリーナー100の構成]
まず、トイレクリーナー100の構成について説明する。
トイレクリーナー100は、複数枚(例えば、2枚)の原紙がプライ加工(積層)されたものであって、所定の薬液が含浸されている。また、トイレクリーナー100のシート全面には、図1に示す通り、2種類のエンボスEM11及びEM12がエンボス加工により施されている。なお、2種類のエンボスEM11及びEM12により生じる清掃対象物等との接触面積は、100mm当り、15mm〜30mm程度であることが好ましい。
例えば、エンボスEM11は菱形格子となるように配置されることにより、エンボスEM11が正方格子や矩形格子に配置される場合と比較して拭きムラを軽減することができる。また、エンボスEM12は、エンボスEM11の間に配置されている。
また、トイレクリーナー100は、折り加工されることにより、長手方向(Y方向)の中央部で2つ折りに折り畳まれる。そして、折り畳まれた状態で保管用のプラスチックケースや包装フィルム内等に保管され、使用時には必要に応じて広げて使用される。なお、トイレクリーナー100の折り畳み方は、2つ折りに限ることはなく、例えば、4つ折りにしても良く8つ折りにしても良い。
また、本実施形態のトイレクリーナー100は、トイレを掃除した後、そのまま便器の水溜りに廃棄できるように、水解性の繊維集合体から構成されている。
繊維集合体としては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、を混合した繊維を使用する。好適な原料繊維としては、当該原料繊維の成分のうち広葉樹晒クラフトパルプの配合割合が50重量%を超えるもの、すなわち広葉樹晒クラフトパルプに対する針葉樹晒クラフトパルプの配合比が1/1未満となるものがあげられる。針葉樹晒クラフトパルプに比べて広葉樹晒クラフトパルプの配合比を増加させることにより、繊維間の隙間を減少させ、薬液中の水分の蒸散を抑制することができ、繊維集合体内部に薬液をより保持しやすく、拭き取り時にトイレクリーナー100を押させる動作によってより多くの薬液が拭き取り対象物に移りやすい。また、トイレクリーナー100の基材である原紙シートの強度を向上させるために、当該原紙シートには紙力増強剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)が塗布されている。より具体的には、当該原紙シートの厚み方向内側から表面及び裏面に向かうにつれてCMCの含有量が増加するように塗布されている。
また、本実施形態のトイレクリーナー100には、所定の薬液が含浸されており、具体的には、水性洗浄剤の他、香料、防腐剤、殺菌剤、紙力増強剤、有機溶剤等の補助剤を含む所定の薬液が含浸されている。当該薬液は、トイレクリーナー100の基材である原紙シートの重量に対して150〜300重量%含浸させることが望ましい。
薬液としては、適宜のものを使用することができ、例えば、水性洗浄剤としては、界面活性剤の他、低級又は高級(脂肪族)アルコールを使用することができる。香料としては、水性香料の他、オレンジオイル等の油性香料の中から、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン等のパラベン類を使用することができる。殺菌剤としては、カチオン系殺菌剤が使用でき、例えば、第四級アンモニウム塩が挙げられる。第四級アンモニウム塩は、一般に、グラム陽性細菌等に対し強い静菌作用を有し、水溶性で腐食性がなく、通常の濃度では無色無臭であり、その毒性が低いことが知られている。本発明に用いられる第四級アンモニウム塩としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ジメチルアンモニウム、塩化テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム等を例示することができるが、塩化ベンザルコニウムが特に望ましい。前記カチオン系殺菌剤の含浸量が0.35〜5.00gsmであることが好ましい。紙力増強剤(架橋剤)としては、ホウ酸、種々の金属イオン等を使用することができる。有機溶剤としては、グリコール(2価)、グリセリン(3価)、ソルビトール(4価)等の多価アルコールを使用することができる。
また、上述した薬液の成分の補助剤については適宜選択可能であり、必要に応じて他の機能を果たす成分を薬液に含ませてもよい。
エンボスEM11は、図2(a)に示すように、膨出部PR21が曲面の形状を有している。
また、エンボスEM12は、図2(b)に示すように、膨出部PR22が平面の形状を有している。
そして、エンボスEM12は、エンボスEM11の間に配置されているので、エンボスEM11の膨出部PR21及びEM12の膨出部PR22は近接して密着することにより、図2(c)に示すように連なったエンボスEM21として形成されることになる。
また、エンボスEM11の膨出部PR21とエンボスEM12の膨出部PR22が近接するだけであって、連なっていない場合であってもよい。
このように形成された2種類のエンボスEM11及びEM12により、清掃対象物等との接触面積を増やすことができるので、トイレクリーナー100の硬さが緩和されて、拭き取り性能が高くなる。
すなわち、トイレクリーナー100のシート全面に、膨出部PR21が曲面であるエンボスEM11と、膨出部PR22が平面であるエンボスEM12を組み合わせて形成することにより、拭取り作業時にトイレクリーナー100に力が加わった時点で各エンボスが変形して、初めて接触面積が増加することになるので、接触面積を増加させると共に、各エンボスの変形に起因して、しなやかさも向上することになる。
例えば、図3(a)に示すように、単一のエンボスEM11の場合には、拭取り作業時にトイレクリーナー100に加わる力によりエンボスEM11が変形して生じる接触面積CN31は、エンボスEM11近傍に離散的に生じる。これに対して、2種類のエンボスEM11及びEM12を組み合わせた場合には、図3(b)に示すように、拭取り作業時にトイレクリーナー100に加わる力によりエンボスEM11及びEM12が変形して生じる接触面積CN32は、図3(a)の接触面積CN31と比較して、増加することが分かる。
また、2種類のエンボスEM11及びEM12は、通常のエンボスの効果を同様に得ることができ、トイレクリーナーの風合い、吸収性及び嵩高性等を向上させることができる。さらに、連なったエンボスEM21は、通常のエンボスと同様に、エンボスを施すことによる見栄えの良さの効果も得ることができる。
[トイレクリーナー100の製造方法]
本発明に係る水解性シートの製造方法の実施形態を、図4に示す水解性シートの製造方法を示すフローチャートを参照しながら詳述する。
本発明のカルボキシメチルセルロース(CMC)を含む水溶性バインダーが添加された水解性シートの製造方法では、原紙シートを形成する抄造工程(ステップS1)と、抄造された原紙シートを巻取った原反ロールから当該原紙シートを繰り出して、繰り出される原紙シートに対してバインダー溶液を付与する溶液付与工程(ステップS2)と、溶液の付与された溶液付与シートを乾燥させる乾燥工程(ステップS3)と、乾燥させた乾燥シートを巻き取る巻き取り工程(ステップS4)と、巻き取られた水解性シートを繰り出して、繰り出される水解性シートに対して薬液を付与する薬液付与工程(ステップS5)と、を有する。
〔抄造工程〕
本発明にかかる抄造工程について説明する。
本発明の抄造工程では、例えば、公知の湿式抄紙技術により抄紙原料を抄紙して原紙シートを形成する。すなわち、抄紙原料を湿紙の状態とした後に、ドライヤーなどによりこれを乾燥して、薄葉紙、クレープ紙などの原紙シートを形成する。
原紙シートの原料としては、例えば、既知のバージンパルプ、古紙パルプなどを利用でき、少なくともパルプを含むものであるのが望ましい。これにより、CMCの定着、殺菌剤とCMCとの作用が効果的に発揮されることとなる。この原料となるパルプは、特にLBKPとNBKPを適宜の割合で配合したものが適する。なお、パルプ繊維以外の繊維として、レーヨン繊維や合成繊維などが含有されていてもよい。
また、原紙シートには、上述したパルプの他、粘剤、湿潤紙力剤、接着剤、剥離剤等の抄紙用薬品を適宜用いてもよい。
原紙シートの物性としては、好適には、目付けが15〜75gsm程度である。また、後述の溶液付与工程にてバインダー溶液を付与された後の水溶性バインダーを含むシート(溶液付与シート)の目付けは、30〜150gsm程度である。なお、目付けは、JIS P 8124に基づくものである。
原紙シートは、溶液付与・乾燥・巻き取り工程を経て、巻き取られた状態の水解性シートとなり、別のワイプ等への加工工程でエンボス・裁断・折り・薬液含浸等の工程を経て、トイレ・掃除用・からだ拭きなどの水に溶けるワイプ等に加工される。これらの工程で、必要な強度・嵩高さ・表面の凹凸等が付与されるが、原紙シートの目付けが15〜75gsmであれば、溶液付与シートとなった状態では30〜150gsmであり、ワイプ等の加工工程での折り・裁断・エンボス・薬液含浸など加工適正が良く、また、調整しやすく、加工条件を調整することで、ワイプとして必要な強度・嵩高さ・表面の凹凸など、用途に応じた品質を得ることができる。
〔溶液付与工程〕
次いで、本発明にかかる溶液付与工程ついて説明する。
本発明の溶液付与工程では、原紙シートの外面に二流体方式または一流体方式のノズルのスプレーノズルにより、バインダー溶液を噴射して塗布する。
本発明にかかるバインダー溶液は、カルボキシルメチルセルロース(CMC)及びカチオン系殺菌剤を含むものである。
バインダー溶液中におけるCMCの濃度としては、1〜30重量%、好ましくは、2.0〜15重量%とする。
また、CMCについては、そのエーテル化度が0.6〜2.0、特に0.9〜1.8、更に好ましくは1.0〜1.5であるのが望ましい。水解性と湿潤紙力の発現が極めて良好となる。
また、CMCは、水膨潤性のものを用いることができる。これにより、殺菌剤中の特定金属イオンの架橋により、未膨潤化のままシートを構成する繊維をつなぎとめる機能が発揮され、清掃・清拭作業に耐えうる拭き取りシートとしての強度を発現させることができる。
また、バインダー溶液中におけるカチオン系殺菌剤の配合率は、製造しようとするバインダー溶液の粘度に応じて適宜設定されるものであるが、1〜10重量%である。これにより、バインダー溶液の粘度を、カチオン系殺菌剤が含まれないバインダー溶液の粘度と比較して1.3倍〜4.5倍まで高めることが可能となり、スプレーノズルにより噴射されるバインダー溶液の粘度を、400〜1200MPa・sとすることができる。
カチオン系殺菌剤は、例えば、第四級アンモニウム塩が挙げられる。第四級アンモニウム塩は、一般に、グラム陽性細菌等に対し強い静菌作用を有し、水溶性で腐食性がなく、通常の濃度では無色無臭であり、その毒性が低いことが知られている。本発明に用いられる第四級アンモニウム塩としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ジメチルアンモニウム、塩化テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム等を例示することができるが、塩化ベンザルコニウムが乾燥効果の点で特に望ましい。
また、バインダー溶液中のCMC及びカチオン系殺菌剤以外の成分としては、ポリビニルアルコール、デンプンまたはその誘導体、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、トラントガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、カラギーナン、ガラクトマンナン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、プルプラン、ポリエチレンオキシド、ビスコース、ポリビニルエチルエーテル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸のヒドロキシル化誘導体、ポリビニルピロリドン/ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体等のバインダー成分が挙げられる。
バインダー溶液を噴射するための二流体方式のスプレーノズルは、2系統に分けられた圧縮空気と液体を混合し、噴射させる方式のスプレーノズルであり、圧縮した液体を単独で噴射させる一流体方式のスプレーノズルに比べて、液体をきめ細かく均一に噴霧することができる。
本実施形態で二流体方式のスプレーノズルを使用する場合、原紙シートの外面に高い圧力(噴射圧1.5MPa以上)でバインダー溶液(粘度400〜1200MPa・s)を塗布するので、シート表面にバインダー溶液を均一に塗布させやすくすることができる。
一方、本実施形態で一流体方式のスプレーノズルを使用する場合、原紙シートの外面に噴射圧1.5MPa以下でバインダー溶液(粘度400〜1200MPa・s)を塗布することで、シートの厚さ方向にバインダー溶液を含浸させやすくすることができる。
〔乾燥工程〕
次いで、本発明にかかる乾燥工程について説明する。
本発明にかかる乾燥工程では、乾燥設備において、バインダー溶液中の不溶な液分を蒸発させて、有効成分、特にCMCを繊維に対して定着させる。
乾燥設備としては、特に限定はないが、溶液付与シートに対して熱風を吹き付けて乾燥させるフード付きドライヤー設備が利用できる。
また、乾燥設備として赤外線照射による設備を用いても良い。この場合、上記溶液付与シートの搬送方向に複数の赤外線照射部を並列し、搬送される溶液付与シートに対して赤外線を照射して乾燥を行なう。赤外線により水分が発熱し乾燥されるものであるため、熱風によるドライヤーと比較して、均一な乾燥が可能であり、後続の巻き取り工程においての皺の発生が防止できる。
〔巻き取り工程〕
次いで、本発明にかかる巻き取り工程について説明する。
本発明にかかる巻取り工程では、乾燥された乾燥シートをオフラインの加工機で加工する際の原反とするために、上述の乾燥工程で乾燥されCMCの定着が図られた乾燥シートをテンションを調整しながら、スリッターで所定の幅にスリットし、ワインダー設備において、巻き取ることとなる。巻き取り速度は、溶液付与工程、乾燥工程を考慮して適宜定める。過度に早いと乾燥シートの破断が生じ、過度に遅いと皺が発生するのでこれに留意する。
〔薬液付与工程〕
次いで、本発明にかかる薬液付与工程ついて説明する。
本発明の薬液付与工程では、スプレーノズルにより、上述の巻き取り工程で巻き取られた水解性シートを繰り出し、これに対して薬液を付与する。
なお、薬液付与工程に先立って、上述の巻き取り工程により巻き取られた乾燥シートに所望の液保持性等を担保すべく、一旦乾燥シートを湿らせてエンボス加工を施し、再度乾燥させる等の工程を実施しても良い。
本発明の薬液付与工程で付与する薬液は、上記溶液付与工程で付与したバインダー溶液中のカチオン系殺菌剤と同様のカチオン系殺菌剤である。即ち、元々カチオン系殺菌剤が付与されている水解性シートに、所望の静菌作用を持たせるべく更にカチオン系殺菌剤を付与するだけなので、他の成分を付与した場合に起こりうる化学反応等の他への影響を低減する共に、付与する薬液の量を極力抑えることができる。
また、薬液の付与方法としては、例えば、上記溶液付与工程で用いられたものと同様、二流体方式または一流体方式のノズルのスプレーノズルにより薬液を噴射して塗布する手法を用いることができる。
この後、薬液の付与された水解性シートは所定の大きさに断裁され、密閉された状態に梱包されて製品状態となる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<バインダー溶液の粘度測定>
バインダー溶液として、CMC(CMC 1330,ダイセル社)2重量%溶液に対して、塩化ベンザルコニウムを1重量%、3重量%、6重量%、10重量%配合した溶液(実施例1〜4)、及び塩化ベンザルコニウムを配合していない溶液(比較例1)を用い、それぞれJISに基づく試験方法にて粘度測定を行った。測定温度は30℃であった。
表1に、各溶液(実施例1〜4、比較例1)の粘度測定の結果を示す。
Figure 2017070606
表1の結果から、塩化ベンザルコニウムを1重量%〜10重量%配合したバインダー溶液(実施例1〜4)では、塩化ベンザルコニウムを配合していないもの(比較例1)と比較して、粘度が1.3倍〜4.5倍まで高まったことがわかる。
<表面強度試験>
次に、以下の要領で、上記実施例2のバインダー溶液を噴射し、付与されたベンザルコニウム量の異なる4つのシート(実施例A〜D)を作製すると共に、上記比較例1のバインダー溶液を噴射したシート(比較例A)を作製し、表面強度試験を行った。なお、実施例A〜Dのシートの塩化ベンザルコニウム量は、表2に示す通りである。
先ず、NBKPとLBKPの割合40/60、米坪45g/mの原紙シートの外面に、二流体方式または一流体方式のノズルの各スプレーノズルにより、実施例2及び比較例1のバインダー溶液を噴射した。バインダー溶液の塗布量は、10kg/tとした。
次いで、バインダー溶液が噴射された溶液付与シートを乾燥させ、乾燥させた乾燥シートに薬液を付与した。薬液は、Zn1%、PGME10%、PG5%に調整し、薬液の含浸率は、紙重量に対し200%とした。
上述にようにして作成したシート(実施例A〜D及び比較例A)に対して、マーチンデール摩耗試験機にて表面が破れるまでの回転回数を測定した。
表2に、表面強度試験の結果を示す。
Figure 2017070606
表2の結果から、塩化ベンザルコニウムを配合したバインダー溶液を付与したシート(実施例1〜4)は、塩化ベンザルコニウムを配合していないバインダー溶液を付与したシート(比較例1)と比較して、表面強度が向上していることがわかる。
本実施形態の水解性シートの製造方法によれば、薬液付与工程(ステップS5)において、バインダー溶液に含まれるカチオン系殺菌剤を含む薬液を付与する。
このため、薬液付与工程において、元々カチオン系殺菌剤が付与されている乾燥シートに所望の静菌作用を持たせるべく更にカチオン系殺菌剤を付与するだけなので、他の成分を付与した場合に起こりうる化学反応等の他への影響を低減する共に、付与する薬液の量を極力抑えることができる。
また、本実施形態の水解性シートの製造方法によれば、スプレーノズルにより噴射されるバインダー溶液の粘度が400〜1200MPa・sである。
このため、好適な粘度のバインダー溶液を噴射するので、バインダー溶液をシートの外面に斑なく均一に付与することができる。
また、本実施形態の水解性シートの製造方法によれば、前記バインダー溶液を含んでいない原紙シートのそれぞれの目付が15〜75gsmであり、前記バインダー溶液を含む原紙シートの目付けが30〜150gsmである。
このため、バインダー溶液を含んでいない原紙のそれぞれの目付けが15〜75gsm程度の場合、バインダー溶液を含む状態では30〜150gsmであり、ワイプ等の加工工程での折り・裁断・エンボスなど加工適正が良く、加工条件を調整しやすく、加工条件を調整することで、ワイプとして必要な強度・嵩高さ・表面の凹凸など、用途に応じた品質を得られることができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
100 トイレクリーナー(水解性シート)
EM11、EM12、EM21 エンボス
PR21、PR22 膨出部

Claims (2)

  1. 水溶性バインダーが添加された原紙シートに対して薬液を含浸させた水解性シートであって、
    前記原紙シートは、
    複数枚の原紙をプライ加工したものであり、かつ目付が30〜150gsmであり、
    広葉樹パルプに対する針葉樹パルプの配合比を1/1未満とし、
    当該原紙シートの厚み方向内側から表面及び裏面に向かうにつれて前記水溶性バインダーの含有量を増加させた状態とし、
    前記薬液には、前記水溶性バインダーに架橋反応を起こさせる架橋剤、及びカチオン系殺菌剤を含み、
    前記原紙シートの重量に対して150〜300重量%の前記薬液を含浸させており、
    前記カチオン系殺菌剤の含浸量が0.35〜5.00gsmであることを特徴とする水解性シート。
  2. 原紙シートの外面に対して、スプレーノズルによりカチオン系殺菌剤を含むバインダー溶液を噴射して付与する溶液付与工程と、
    前記バインダー溶液が付与されたシートを乾燥させる乾燥工程と、
    乾燥後のシートに薬液を付与する薬液付与工程と、
    を含み、
    前記溶液付与工程において、前記バインダー溶液中に前記カチオン系殺菌剤を添加することを特徴とする水解性シートの製造方法。
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