JP2017070307A - 機能性核酸の安定化法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前記一本鎖核酸断片又は二本鎖核酸断片の少なくとも一の末端に、(A)2〜5個の任意のヌクレオチドからなる核酸領域、(B)gna又はgnna(ここで、各nは、独立に、g、t、a若しくはc、塩基類似体又は修飾塩基のいずれかである)の塩基配列からなる核酸領域、及び(C)前記(A)の核酸領域に相補的な塩基配列からなる核酸領域からなり、それらが5'末端側から3'末端側に向かって順番に連結されたヘアピン型DNAを連結する。
【選択図】なし
Description
(I)siRNAのセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片、前記(1)で規定されたヘアピン型DNA、siRNAのアンチセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片及び前記(1)で規定されたヘアピン型DNA、(II)前記(1)で規定されたヘアピン型DNA、siRNAのセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片、前記(1)で規定されたヘアピン型DNA及びsiRNAのアンチセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片、(III)siRNAのアンチセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片、前記(1)で規定されたヘアピン型DNA、siRNAのセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片及び前記(1)で規定されたヘアピン型DNA、又は(IV)前記(1)で規定されたヘアピン型DNA、siRNAのアンチセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片、前記(1)で規定されたヘアピン型DNA及びsiRNAのセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片
(I)siRNAのセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片の5′末端及び3′末端、(II)siRNAのアンチセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片の5′末端及び3′末端、(III)siRNAのセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片及びアンチセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片のそれぞれの3′末端、又は(IV)siRNAのセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片及びアンチセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片のそれぞれの5′末端
(I)siRNAのセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片の5′末端、(II)siRNAのアンチセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片の5′末端、(III)siRNAのセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片の3′末端、(IV)siRNAのアンチセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片の3′末端
(I)前記二本鎖核酸断片を構成する一方の核酸断片、前記(1)で規定されたヘアピン型DNA、二本鎖核酸断片を構成する他方の核酸断片及び前記(1)で規定されたヘアピン型DNA、又は(II)前記(1)で規定されたヘアピン型DNA、前記二本鎖核酸断片を構成する一方の核酸断片、前記(1)で規定されたヘアピン型DNA及び二本鎖核酸断片を構成する他方の核酸断片
前記二本鎖核酸断片を構成する一方の核酸断片、前記(1)で規定されたヘアピン型DNA、二本鎖核酸断片を構成する他方の核酸断片及び前記(1)で規定されたヘアピン型DNA
(I)完全に又は部分的に塩基対合する二本鎖核酸断片、又は(II)一以上のステム構造及び一以上のループ構造を有する一本鎖核酸断片
第1の実施形態において、本発明は、核酸分解酵素に対する分解耐性能を有する核酸に関する。図1に本発明に関連する核酸の構造例を模式図で示す。この図の(A)〜(C)で示すように、本発明の核酸は、ヘアピン型DNA(101)及び核酸断片(102、103、108)からなり、核酸断片の少なくとも一の末端にヘアピン型DNAを連結した構造を有する。
前述のように、本発明の核酸は、ヘアピン型DNA(101)及び核酸断片(二本鎖核酸断片:102又は103;一本鎖核酸断片:108)から構成される。以下、それぞれについて具体的に説明をする。
本発明の核酸を構成するヘアピン型DNAの模式図を図2に示す。この図で示すように、ヘアピン型DNAは、第1核酸領域(201)、第2核酸領域(202)及び第3核酸領域(203)の3つのDNA核酸領域がそれぞれ5′末端側から3′末端側に向かって順番に連結された構造を有する。
本発明の核酸を構成する核酸断片は、二本鎖核酸断片又は分子内アニールによって高次構造を形成する一本鎖核酸断片からなる。これらの核酸断片は、機能性核酸の塩基配列を包むことができる。ここで「機能性核酸」とは、生体内又は細胞内において、特定の生物学的機能、例えば、酵素機能、触媒機能又は生物学的阻害若しくは亢進機能(例えば、転写、翻訳の阻害又は亢進)を有する核酸をいう。具体的には、例えば、siRNA、shRNA、miRNA(pri-miRNA、pre-miRNAを含む)、核酸アプタマー(RNAアプタマー、DNAアプタマーを含む)、リボザイム(デオキシリボザイムを含む)、リボスイッチ、U1アダプター、モレキュラー・ビーコン又は転写因子結合領域等が挙げられる。
二本鎖核酸断片を構成する各核酸断片の塩基は、本発明の核酸において互いに完全に又は部分的に塩基対合をしている。「完全に」とは、本明細書において、少なくとも一方の核酸断片の全ての塩基が他方の核酸断片の対応する塩基と塩基対合することをいう。したがって、各核酸断片の塩基長が等しい場合、両核酸断片の全ての塩基が互いに塩基対を形成することとなる。また、「部分的に」とは、各核酸断片の対応する塩基配列間において、一部の塩基、好ましくは連続する2以上の塩基が塩基対合を形成している状態を意味する。したがって、この場合、二本鎖核酸断片は、図1(B)で示すようにその内部に一以上の塩基のミスマッチ部位(104)、又は一以上のバルジ構造(105)を有していてもよい。
「siRNA」(短分子干渉RNA:small interference RNA)とは、標的遺伝子の一部に相当する塩基配列を有するセンス鎖、及びそのアンチセンス鎖からなる小分子二本鎖RNAである。siRNAは、細胞(真核細胞)へ導入することによって配列特異的な転写後遺伝子サイレンシング(いわゆる、RNA干渉)を誘導することができる(Fire A. et al.,1998,Nature,391, 806-811)。以下、本発明の核酸を構成する二本鎖核酸断片中にsiRNAの塩基配列が含まれる場合について説明をする。
「miRNA」(micro RNA)とは、生体内に存在し、特定の遺伝子の発現を調節する長さ21〜23塩基長の一本鎖ノンコーディングRNAである。このRNAは、標的遺伝子のmRNA及びタンパク質因子と結合して複合体を形成し、標的遺伝子の翻訳を阻害することが知られている。miRNAは、pri-miRNAと呼ばれる一本鎖の前駆体状態でゲノムから転写された後、核内でDroshaと呼ばれるエンドヌクレアーゼによりpre-miRNAと呼ばれるさらなる一本鎖前駆体状態にプロセシングされ、核外でDicerと呼ばれるエンドヌクレアーゼの働きによって成熟型二本鎖miRNAとなり、そのうち一方の鎖がRISC(RNA-induced silencing complex)複合体に取り込まれて、成熟型一本鎖miRNAとして標的遺伝子発現を調製する。本発明の核酸において、二本鎖核酸断片は、この成熟型二本鎖miRNAの塩基配列を包含することができる。
「標的分子の結合領域」とは、標的とする特定の分子と特異的及び/又は高親和性で結合することのできる核酸上の領域である。この標的分子の結合領域を有する機能性核酸断片(以下、本項において、「機能性核酸断片」とする)は、生体内又は細胞内において標的分子と結合することによって、その標的分子の生物学的機能を阻害又は抑制することができる。標的分子としては、例えば、DNA又はRNAに特異的に結合するタンパク質因子、核酸又は低分子化合物が挙げられる。機能性核酸断片としては、例えば、特定の転写調節因子のDNA結合領域を有し、その転写因子の機能を阻害又は抑制するデコイDNA(おとりDNA)が挙げられる。
本発明の核酸を構成する一本鎖核酸断片の塩基は、図1(c)で示すように、分子内アニールによって一以上のステム構造(109)及び一以上のループ構造(110)を有する。さらに、ステム構造は、一以上のミスマッチ部位(111)及び/又は一以上のバルジ構造(112)を含んでいてもよい。一本鎖核酸断片に含まれ得る機能性核酸は、分子内アニールによって高次構造を形成し、その機能を発揮し得るものが該当する。例えば、一本鎖miRNA前駆体、shRNA、核酸アプタマー、リボザイム(デオキシリボザイムを含む)、モレキュラー・ビーコン、リボスイッチ、U1アダプター又は標的分子の結合領域を有する機能性核酸断片が挙げられる。一方、プライマー、プローブ、成熟型一本鎖miRNA又はアンチセンスDNAのように、一般に分子内アニールによって高次構造を形成しない機能性核酸は、当該一本鎖核酸断片には含まれない。以下、一本鎖核酸断片に含まれ得る機能性核酸について説明をする。
「一本鎖miRNA前駆体」は、前述の「成熟型二本鎖miRNA」の項で説明したように、ゲノムから転写された後、核内でプロセシングを受け、成熟型一本鎖miRNAになるまでの間の一本鎖状態の前駆体状態のmiRNAをいう。具体的には、例えば、pri-miRNAやpre-miRNAが該当する。
「shRNA」(short hairpin RNA)とは、siRNA又は成熟型二本鎖miRNAが適当な短いスペーサ配列で連結された一本鎖RNAをいう。したがって、shRNAは、一分子内でセンス領域とアンチセンス領域が互いに塩基対合してステム構造を形成し、同時に前記スペーサ配列がループ構造をとることによって、分子全体としてヘアピン型のステム−ループ構造を有する。スペーサ配列は、通常3〜24塩基、好ましくは、4〜15塩基あればよい。スペーサ配列については、siRNA又は成熟型二本鎖miRNAが塩基対合することができる配列であれば、特に制限はない。
「核酸アプタマー」とは、それ自身の立体構造によって標的分子に結合し、その機能を阻害又は抑制することのできる核酸をいう。RNAで構成されるRNAアプタマーと、DNAで構成されるDNAアプタマーが知られるが、本発明の核酸に含まれる核酸アプタマーは、DNA、RNA又はそれらの組合せのいずれで構成されていてもよい。好ましくはRNAで構成されるRNAアプタマーである。一般に、RNAはDNAと比較して、より多くの立体構造を形成できる柔軟性を有するからである。
「リボザイム」とは、RNAの特定の部位を特異的に切断する触媒機能をもつRNAをいう。本発明のリボザイムは、RNAで構成されるリボザイムのほかに、DNAで構成されるデオキシリボザイムを包含する。したがって、本発明のリボザイムは、広く一本鎖RNA及び/又はDNAとして構成されるものをさす。
「モレキュラー・ビーコン」とは、ステム構造とループ構造とを持つヘアピン構造の一本鎖核酸であり、ループ部分と相補性のある配列の存在確認のためのプローブとして利用される遺伝子解析ツールである。通常は、蛍光剤と消光剤の距離が近いため消光されている。しかしループ部分に相補な配列があると、ループ部分が相補配列とハイブリダイズするため、ヘアピン構造が開き、蛍光剤と消光剤が引き離されるため、蛍光が検出される。
「リボスイッチ」とは、mRNAの5′末端の非翻訳領域に存在するシスエレメントであり、代謝産物感受性遺伝子スイッチとして機能する。リボスイッチは、低分子有機化合物等と直接結合することによりmRNAの立体構造を変化させ、その遺伝子発現を調整することができる。
「U1アダプター」とは、標的遺伝子のmRNA前駆体における3'末エクソンに相補的な5'側の「標的ドメイン」と、U1 snRNAの5′領域に相補的な配列を有する3'側の「U1ドメイン」を含む二機能性の約25塩基からなる一本鎖核酸である(Goraczniak R. et al., 2009, Nat Biotechnol., Vol 27, p257-263,)。生体内にU1アダプターを導入すると、U1 snRNAを含むU1核内低分子リボ核蛋白質(U1 snRNP)が標的遺伝子のmRNA前駆体におけるポリAシグナル周辺に結合し、該mRNAのポリアデニル化を特異的に阻害する。その結果、標的遺伝子のmRNA前駆体が不安定化し、その後、核内で分解されることによって、遺伝子のサイレンシングが生じる。
標的分子の結合領域は、前述の「1−2−1.二本鎖核酸断片」の「標的分子の結合領域を有する機能性核酸断片」の項で説明したとおりである。ここでの機能性核酸断片としては、例えば、特定の選択的スプライシング調節因子のRNA結合領域(例えば、ドナー部位又はアクセプター部位)や特定のmiRNAのRNA結合領域(すなわち、標的遺伝子のmiRNA結合領域)等を有し、特定の選択的スプライシング調節因子やmiRNAの機能を阻害又は抑制するデコイRNAが挙げられる。
本発明の核酸は、一以上のヘアピン型DNAが核酸断片に連結されてなる。以下、本発明の核酸の構造及びその核酸におけるヘアピン型DNAと核酸断片の連結態様について具体的に説明をする。
二本鎖核酸断片にヘアピン型DNAが連結された核酸は、最大で4つ、すなわち二本鎖核酸断片の5′末端及び3′末端のそれぞれに、本発明の前記ヘアピン型DNAを連結することができる。通常は、1つ又は2つのヘアピン型DNAが二本鎖核酸断片に連結されていれば、本発明の核酸の効果を奏し得る。
二本鎖核酸断片とヘアピン型DNAの連結には、図3で示す3つ態様がある。本発明の核酸は、いずれの連結態様であってもよい。また、この場合、二本鎖核酸断片に含まれる機能性核酸の種類は問わない。すなわち、RNAで構成されるsiRNAや成熟型二本鎖miRNAの塩基配列を含んでいてもよいし、DNAで構成されるデコイDNAのような標的分子の結合領域の塩基配列を含んでいてもよい。
本連結態様では、ヘアピン型DNAの3′末端と二本鎖核酸断片を構成する他方の核酸断片の5′末端が連結されていない。この連結態様における本発明の核酸は、二本の核酸断片、すなわち、二本鎖核酸断片の一方の核酸断片とヘアピン型DNAとを連結してなる核酸断片と、二本鎖核酸断片の他方の核酸断片とから構成される。
本連結態様では、ヘアピン型DNAの3′末端と二本鎖核酸断片を構成する他方の核酸断片の5′末端が連結されていない。本連結態様における本発明の核酸は、前記(A)の場合と同様に、二本の核酸断片、すなわち、二本鎖核酸断片の一方の核酸断片とヘアピン型DNAとを連結してなる核酸断片と、二本鎖核酸断片の他方の核酸断片とから構成される。
本連結態様では、ヘアピン型DNAの5′末端及び3′末端が二本鎖核酸断片のそれぞれの核酸断片と連結されている。その結果、この連結態様における本発明の核酸は、
・二本鎖核酸断片の一方の核酸断片、
・ヘアピン型DNA、及び
・二本鎖核酸断片の他方の核酸断片
を5′末端側から3′末端側に向かって順番に連結した一本の核酸断片で構成される。
・ヘアピン型DNA、及び
・siRNAのアンチセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片、
を5′末端側から3′末端側に向かって順番に連結した図4(E)で示す核酸
(ii)・siRNAのアンチセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片、
・ヘアピン型DNA、及び
・siRNAのセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片、
を5′末端側から3′末端側に向かって順番に連結した図4(F)で示す核酸
二本鎖核酸断片とヘアピン型DNAの非連結部位の数に基づいて、以下の3つ態様に大別できる。本発明の核酸は、いずれの連結態様であってもよい。また、この場合、二本鎖核酸断片に含まれる機能性核酸の種類は問わない。すなわち、RNAを主な構成要素とするsiRNAや成熟型二本鎖miRNAの塩基配列を含んでいてもよいし、DNAを主な構成要素とするデコイDNAのような標的分子の結合領域の塩基配列を含んでいてもよい。
本連結態様では、二本鎖核酸断片を構成する一方の核酸断片の一末端と一のヘアピン型DNAの一末端との間に非連結部位を有する。したがって、本連結態様の核酸は、二本鎖核酸断片のそれぞれの核酸断片と2つのヘアピン型DNAが連結した一本の核酸断片として構成される。
・二本鎖核酸断片を構成する一方の核酸断片、
・ヘアピン型DNA、
・二本鎖核酸断片を構成する他方の核酸断片及び
・ヘアピン型DNA
本連結態様では、二本鎖核酸断片を構成する一方の核酸断片の5′末端と一のヘアピン型DNAの3′末端とが連結されていない。
・ヘアピン型DNA、
・二本鎖核酸断片を構成する一方の核酸断片、
・ヘアピン型DNA及び
・二本鎖核酸断片を構成する他方の核酸断片
本連結態様では、二本鎖核酸断片を構成する一方の核酸断片の3′末端と一のヘアピン型DNAの5′末端とが連結されていない。したがって、本連結態様においても、二本鎖核酸断片がsiRNAの塩基配列を含む場合、前記(i)と同様に、siRNAのセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片又はアンチセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片のいずれが、前記「一方の核酸断片」に相当するかは、特に限定はしない。すなわち、図6(D)で示すように、前記「一方の核酸断片」がsiRNAのセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片であって、「他方の核酸断片」がsiRNAのアンチセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片であってもよいし、図6(B)で示すように、前記「一方の核酸断片」がsiRNAのアンチセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片であって、「他方の核酸断片」がsiRNAのセンス鎖の塩基配列を含む核酸断片であってもよい。
本連結態様では、二本鎖核酸断片を構成するそれぞれの核酸断片の一末端と各ヘアピン型DNAの一末端との間に非連結部位を有する。
本連結態様の核酸は、二本鎖核酸断片の一方の核酸断片に2つのヘアピン型DNAが連結された核酸断片と二本鎖核酸断片の他方の核酸断片の二本の核酸断片から構成される。すなわち、本連結態様の核酸において、他方の核酸断片は、その両末端(5′末端及び3′末端)にヘアピン型DNAを連結していない。それ故、前記他方の核酸断片の両末端と2つのヘアピン型DNAのそれぞれの一方の末端との間に2つの非連結部位が存在する。
本連結態様の核酸は、二本鎖核酸断片の各核酸断片にヘアピン型DNAが1つ連結された二本の核酸断片から構成される。
本連結態様における核酸は、二本鎖核酸断片の末端と2つのヘアピン型DNAの末端とが全て連結されている。すなわち、本連結態様における核酸は、以下の核酸断片及びヘアピン型DNAが5′末端側から3′末端側に向かって順番に連結され、かつ前記5′末端側と3′末端側とが互いに連結された構成を有する。
・ヘアピン型DNA、
・二本鎖核酸断片を構成する他方の核酸断片及び
・ヘアピン型DNA
本連結態様では、二本鎖核酸断片領域内のニックの位置及び数によって、以下のさらなる3つの態様がある。
本態様において、本発明の核酸は、閉環状であり、いわゆるダンベル型構造を呈する。
本態様において、本発明の核酸は、前記「(2)ヘアピン型DNAを2つ有する場合
(I)非連結部位が1つの場合」に記載の核酸と類似の構造を有する。ただし、前記(2)(I)に記載の核酸とは、ニック(非連結部位)の位置が二本鎖核酸断片を構成する核酸断片とヘアピン型DNA間ではなく、二本核酸断片内である点において異なる。
本態様において、本発明の核酸は、前記(2)(II)(ii)に記載の核酸と類似の構造を有する。前記「(2)ヘアピン型DNAを2つ有する場合(II)非連結部位が2つの場合
(ii)」に記載の核酸とは、ニック(非連結部位)の位置が二本鎖核酸断片を構成する核酸断片とヘアピン型DNA間ではなく、二本核酸断片内である点において異なる。
一本鎖核酸断片にヘアピン型DNAが連結された核酸は、一本鎖核酸断片の5′末端及び3'末端のいずれかに一つ、又は5′末端及び3'末端の各末端にヘアピン型DNAを連結することができる。
一本鎖核酸断片とヘアピン型DNAの連結には、図10で示すような以下の3つ態様がある。本発明の核酸は、いずれの連結態様であってもよい。また、一本鎖核酸断片に含まれる機能性核酸の種類は問わない。例えば、前述の一本鎖miRNA前駆体、shRNA、核酸アプタマー、リボザイム(デオキシリボザイムを含む)、モレキュラー・ビーコン又はリボスイッチU1アダプター、又は標的分子の結合領域のいずれの塩基配列も含むことができる。
本連結態様の核酸は、一本鎖核酸断片とヘアピン型DNAが連結した一本の核酸断片として構成される。本核酸は、5′末端が一本鎖核酸断片に、また3′末端がヘアピン型DNAに由来する。
本連結態様の核酸は、一本鎖核酸断片とヘアピン型DNAが連結した一本の核酸断片として構成される。本核酸は、5′末端がヘアピン型DNAに、また3′末端が一本鎖核酸断片に由来する点で前記(I)とは構造的に異なる。
本連結態様の核酸は、一本鎖核酸断片とヘアピン型DNAが連結した閉環状核酸として構成される。
一本鎖核酸断片の5′末端及び3′末端のそれぞれに異なるヘアピン型DNAの連結された態様である(図11)
本連結態様の核酸は、一本鎖核酸断片が2つのヘアピン型DNAに挟み込まれるように、それぞれが連結した一本の核酸断片として構成される。
本発明の核酸において、ヘアピン型DNAは主としてDNAから、また核酸断片はDNA、RNA、ヌクレオチド類似体又はそれらの混合体からなる。
本発明の核酸は、二本鎖核酸断片又は分子内アニールにより高次構造を形成する一本鎖核酸断片の核酸分解酵素に対する分解耐性能を、それらの核酸断片単独の場合又はそれらに公知のリンカー核酸若しくはヘアピン型核酸等の分解耐性を付与する核酸を連結した場合と比較して、より向上させることができる。それにより、二本鎖核酸断片等に含まれる機能性核酸の生体内での安定性を高めることが可能となり、その機能性核酸の薬理効果を継続及び/又は強化することができる。
第2の実施形態において、本発明は、医薬組成物に関する。
本発明の医薬組成物は、前記第1の実施形態の核酸を有効成分として含むことを特徴とする。
本発明の医薬組成物の製造方法については、当業者に公知の製剤化方法を応用すればよい。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences (Merck Publishing Co., Easton, Pa.)に記載された方法を参照することができる。
医薬組成物の投与方法は、投与単位形態で投与することが好ましい。経口投与、組織内投与(例えば、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与)、組織外投与(例えば、経皮投与、点眼、経鼻投与又は経直腸的投与)で投与することができる。本発明の医薬組成物の投与に際しては、その投与方法に適する形態であることが好ましい。例えば、組織内投与の場合、血流を介した注射が好ましく、それ故、剤形は液体(注射液)となる。
第3の実施形態において、本発明は、二本鎖核酸断片又は分子内アニールにより高次構造を形成する一本鎖核酸断片の核酸分解酵素に対する分解耐性能を向上させる方法、及びそれによって生体内で安定性を保持し得る核酸を調製する方法に関する。
本発明の方法は、前述のように、核酸断片の末端に前記実施例1に記載のヘアピン型DNAを連結することにより、その核酸断片の核酸分解酵素に対する分解耐性能が核酸断片単独の場合や他の公知のリンカー核酸を核酸断片に連結した場合と比較して向上するという知見に基づく。したがって、本発明の方法は、二本鎖核酸断片又は分子内アニールにより高次構造を形成する一本鎖核酸断片の少なくとも一の末端に前記実施形態1に記載のヘアピン型DNAを連結すればよい。
核酸断片の末端への実施形態1に記載のヘアピン型DNAの連結させた本発明の核酸の調製は、前述の「I.3.本発明の核酸の製造」で述べたように化学合成によって行なわれる。したがって、本発明の方法では、核酸分解酵素に対する分解耐性能の向上を目的とする所望の核酸断片の所定の位置にヘアピン型DNAが連結した本発明の核酸を予め設計しておき、その設計に基づいて、化学合成を行なう結果、所定の位置にヘアピン型DNAが連結されることとなる。
本発明の向上方法によれば、従来生体内で核酸分解酵素による分解を受け易く、不安定であった核酸断片に、核酸分解酵素に対する分解耐性能を付与する。それによって、核酸断片単独又は分解耐性能を付与することが知られている他の公知のリンカー核酸又はヘアピン核酸よりも所定の核酸断片を安定化することができる。したがって、核酸断片が機能性核酸を含む場合、その効果をより長時間維持及び/又は強化することが可能となる。その結果、その機能性核酸の効果を増強することも可能となる。
本実施例では、実施例1〜5に使用するためのsiRNAの塩基配列を含む二本鎖核酸断片の少なくとも一の末端にヘアピン型DNAを連結した本発明の核酸を調製した。
本実施例では、実施例1で調製したsiRNAを含む種々の核酸(Cont.I〜III、核酸a〜g)によるホタルルシフェラーゼ遺伝子の発現抑制効果を検証した。抑制効果の測定は、実施例1の各種核酸を、標的分子であるホタルルシフェラーゼ遺伝子をコードするプラスミドと共にリポフェクション法によりHeLa細胞に導入し、ルシフェラーゼの発光強度を測定することで前記各種核酸の発現抑制効果を検証した。
HeLa細胞の培養は、二酸化炭素濃度5%、培養温度37℃の条件下で、10%仔ウシ血清(FBS、JRH BIOSCIENCES社)を含むMEM培地(Minimum Essential Medium Eagle、シグマ社)に抗生物質(ペニシリン最終濃度100 U/mL、ストレプトマイシン100 μg/mL)を添加したものを用いた。
96穴プレートの1穴あたりに1.5×104個(100μL)のHeLa細胞をに播種し、抗生物質を含まない10% 仔ウシ血清含有MEM培地で24時間培養した。トランスフェクションは、リポフェクタミン2000(インビトロジェン社)を1穴あたり0.5μL用いて、ホタルルシフェラーゼ遺伝子をコードするプラスミド(pGL3-control、プロメガ社)を1穴あたり200ng、ウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子をコードするプラスミド(pGL4.74[hRluc/TK]、プロメガ社)を1穴あたり200ng、及び前記実施例1で調製した各種核酸を最終濃度が0.1nMとなるようにOPTI-MEM培地(インビトロジェン社)中で混合した溶液(50μL)を添加することで行った。
トランスフェクション後22時間培養し、デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイシステム(プロメガ社)を用いて、ホタルルシフェラーゼ及びウミシイタケルシフェラーゼの発光をそれぞれ定量し、siRNAの標的となるホタルルシフェラーゼのタンパク質発現の抑制効果を調べた。具体的には、トランスフェクション後の細胞を1穴あたり100μLのPBSで2回洗浄したのち、20μLの細胞溶解用緩衝液を加えて、25℃で30分間静かに攪拌しながら細胞を溶解した。この溶液に、LARII試薬を100μL加えて混合し、LAS4000(富士フィルム社)を用いてホタルルシフェラーゼの発光を検出(露光時間:120秒)した。続いて、Stop&Glo試薬を100μL加えて、ウミシイタケルシフェラーゼの発光を検出(露光時間:200秒)し、それぞれの発光の強さをScienceLab 2005 MultiGauge(富士フィルム社)を用いて数値化した。各発光検出において、バックグラウンドとしてトランスフェクションを行わなかった場合の発光量をそれぞれのルシフェラーゼの発光量から差し引いた後、標的分子であるホタルルシフェラーゼの発光量を共発現させたコントロールであるウミシイタケルシフェラーゼの発光量で除することによって規格化した。そして、siRNAを含む核酸の非存在下における値を100%として、種々のsiRNA存在下での標的分子とするルシフェラーゼの相対活性を算出した。また、異なる種々の濃度のsiRNA存在下でも標的分子とするルシフェラーゼの相対活性を算出し、濃度に対して相対活性をプロットしたグラフからIC50値を求めた。具体的には、カレイダグラフ(Albeck Software)を用いて、計算式Y=M4+(M3-M4)/(1+10^((LOG(M0)-LOG(M1))*M2))[初期値:M1=M2=M3=1、M4=100]に当てはめて、最小二乗法によるデータフィッティングにより算出した。Y(%)はsiRNA存在下での標的分子とするルシフェラーゼの相対活性、M0(nM)はsiRNA濃度、IC50値はM1(nM)に相当する。
本発明の核酸の二本鎖核酸断片領域中に含まれるsiRNAの塩基長を短縮する実験を行った。25塩基対の核酸bを基準にして、それぞれ23(核酸h、l)、21(核酸i、k)及び19ヌクレオチド(核酸j)に短縮した。それぞれの核酸の発現抑制効果の測定は、実施例2に準じて行なった。
哺乳動物細胞等では、長鎖二本鎖RNAによってインターフェロン応答が誘導され、非特異的な転写の抑制が起こることが知られている(Nature Cell Biol., (2003) 5(9): 834-839, Nature Genet., (2003) 34(3):263-264)。siRNAは、短い二本鎖RNAを使用することによりインターフェロン応答を回避し、特異的な遺伝子発現抑制を可能にしているが、本発明の核酸の導入による前記実施例2、3の遺伝子抑制効果がインターフェロン応答によるものでないことを確認するため、本発明の核酸の導入によって、インターフェロン応答が起きているか否かを、リアルタイムRT-PCRにより検出することで検証した。
24穴プレートに1穴あたり9×104個(700μL)のHeLa細胞を播種し、抗生物質を含まない10% 仔ウシ血清含有MEM培地で24時間培養した。トランスフェクションは、リポフェクタミン2000(1穴あたり3.5μL)を用いて、ホタルルシフェラーゼ遺伝子をコードするプラスミドとウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子をコードするプラスミド(1穴あたり各1400ng)、PBS中でアニーリング処理した各種核酸(最終濃度 2.5 nM:ヌクレオチド換算で、scrambled siRNAは105nMに相当、Cont.IIIは125nMに相当、核酸b及び核酸dは170nMに相当)、及びpoly(I:C)(TaKaRa、最終濃度 0.019 ng/μL、ヌクレオチド換算で58nM)をOPTI-MEM培地中で混合した溶液(350μL)を添加して行った。また、ヌクレオチド換算で濃度を合わせた場合(170nM相当)も同様にして、インターフェロンの誘導を調べた。
トランスフェクション後、22時間培養した細胞を、セパゾール RNA I super G(1穴あたり400μL、ナカライテスク社)を用いてプレートから回収し、総RNAを抽出した。さらに、DNase Iで処理してDNAを除去した後、フェノール・クロロホルム抽出でRNA回収し、UV吸収からRNA量を求めた。得られたRNAを鋳型としてOne Step SYBR PrimeScipt RT-PCRキット(Perfect Real time、TaKaRa社)を用いて、リアルタイムRT-PCR(ABI7000)を行い、oas1とstat1の発現を定量した。プライマーは、IFN Response Watcher(TaKaRa社)に添付のoas1、stat1及びβ−actin(mRNA量補正用)プライマーセットを用いた。
oas1及びstat1遺伝子のmRNA量を、β-actinのmRNA量で補正した値をグラフ化して図16に示した。Poly(I:C)の導入では、インターフェロン応答が誘導され、oas1とstat1の発現が上昇しているが、Cont.III、核酸b及びdでは、oas1及びstat1遺伝子の有意な発現上昇は認められず、mRNA量がほぼ同等であったことから、siRNAの塩基配列を含む二本鎖核酸断片にヘアピン型DNAを付加してもインターフェロン応答は誘導されないことが確認された。
ヘアピン型DNAを構成要素とする本発明の核酸が核酸分解酵素による分解に対しても耐性が高いことを検証するため、siRNAを含む本発明の核酸のヘビ毒ホスホジエステラーゼ(SVPD)中での安定性を調べた。
本発明の核酸b(最終濃度2μM)と核酸bからへアピン型DNAを除いた構造に相当するCont.III(最終濃度2μM)をSVPD(最終濃度が0.0016U/μL)と混合し、この溶液を37℃でインキュベートした。溶液の組成は、20mM Tris-HCl (pH7.8)、15mM MgCl2である。10、20、30、40分後にそれぞれ混合溶液から6μLを分取し、10.6μLの500mM EDTA (pH8.0)溶液と4μLの40% Glycerolを混合して、分解反応を停止させた。反応後のサンプルを非変性15%ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離した後、ゲルをSYBR GREEN Iで染めることで二本鎖RNAを検出した。SVPDによる分解産物のバンドパターンをバイオイメージャーFLA7000(富士フィルム)で解析した。
結果を図17に示す。ヘアピン型DNAのない二本鎖核酸断片(二本鎖RNA)のみのCont.IIIでは、SVPD処理10分後には、全長に相当するバンドは確認できず、40分後には完全にバンドが消失し、二本鎖RNAは分解されてしまった。一方、核酸bでは、SVPD処理40分後でも、まだ全量の約20%程度が二本鎖RNAの状態で保持されていることがバンドパターンから確認できた。この結果から、siRNAを含む二本鎖核酸断片にヘアピン型DNAを連結した本発明の核酸では、ヘアピン型DNAにより二本鎖核酸断片に核酸分解酵素に対する分解耐性能が付与され、安定化することが立証された。
図18に、実施例7〜9に用いた各種核酸の二次構造とその配列を示す。Cont.1は、NF-κBへ結合するコンセンサス配列を含む二本鎖核酸断片のみからなる核酸で、Cont.2は、NF-κBへ結合するコンセンサス配列を含む二本鎖核酸断片の両末端をリンカーDNAで連結した従来型のダンベル型デコイDNAであって、いずれも本発明の核酸に対するコントロールとして用いた。A〜E(以下、「核酸A」〜「核酸E」とする)は、本発明の核酸であって、NF−κBを標的分子とするデコイDNAの塩基配列を二本鎖核酸断片領域に含み、その末端を2つのヘアピン型DNAを連結した構造を有する。核酸Aは、閉環状(ダンベル型)の核酸、核酸Bは、核酸Aに一箇所ニックが入った一本鎖核酸、核酸C及びDは二本鎖核酸断片領域を短縮化し、またニックの位置を変えた核酸である。
実施例6で調製した各種核酸のNF-κB p50への結合を調べるために、従来型デコイDNAであるCont.1用いた競合実験を行った。具体的には、[γ-32P]ATPにより標識したCont.1と種々の濃度の非標識核酸(Cont.1、Cont.2、核酸A〜E)の存在下でNF-kB p50を添加して、インキュベートした。20μLの反応液(10mM トリス−塩酸緩衝液pH 7.6、100mM NaCl、2.5mM DTT、0.1 mM EDTA、0.05%NP−40及び10%グリセロール)中に、標識化Cont.1(最終濃度10nM)、各々の濃度の競合ODN(5〜500nM)、非特異的配列を持つ二本鎖核酸断片(配列番号41、42;最終濃度5μM)及びNF-κB p50(0.2 gsu、プロメガ社)が含まれるように調製し、25℃で30分間インキュベートした。その後、10%非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動にてNF-kB p50に結合した標識化Cont.1と遊離状態の標識化Cont.1とを分離し、ゲルを乾燥させ、バイオイメージアナライザーによって可視化して、放射活性を測定した。また、競合効率は、ソフトウエアのカレイダグラフ(Albelbeck Software)を用いて、計算式y=M0×M1/(M0+M2)に当てはめ、最小二乗法によるデータフィッティングを行い、IC50値として求めた。y (%)は、タンパク質との結合効率, M0 (nM)は競合物質の非標識ODNの濃度であり、IC50値は、M1 (nM)とし、M2 (%) は競合物質非存在下でのタンパク質との結合効率として算出した。
前期実施例5と同様に、デコイDNAを含む本発明の核酸が核酸分解酵素による分解に対しても耐性が高いことを検証するため、[γ−32P]ATPにより標識化した実施例6の各種核酸をエキソヌクアーゼIII、S1ヌクレアーゼ及びヒト血清と共にそれぞれインキュベートした。エキソヌクレアーゼIIIはDNAの3′末端から消化する核酸分解酵素である。エキソヌクレアーゼは、生体や細胞への投与等の核酸の生物学的応用において問題となるDNA分解の主な原因の一つとなっている。また、S1ヌクレアーゼは、一本鎖核酸領域を認識し、分解するエンドヌクレアーゼである。反応に用いた核酸は、それぞれ35pmolである。10μLの反応液中に2単位のエキソヌクアーゼIII又は1単位のS1ヌクレアーゼを添加し、37℃で10分間又は30分間インキュベートした。ヒト血清は、DNase活性を保持するために熱処理をせずに使用した。10μLの反応液中にヒト血清を50%になるまで添加し、37℃で2時間(120分間)又は6時間(360分間)インキュベーションした。その後、10M 尿素、40mM EDTAを含む反応停止緩衝液を等容量添加し、15%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて分離したのち、バイオイメージアナライザーFLA−7000(富士フィルム社)によって可視化した。
図12に記載した従来型siRNAであるCont. IIIの末端にヘアピン型DNAを連結した核酸を調製し、その結合位置の違いと該核酸による標的遺伝子の発現抑制効果について検証した。
本実施例では、本発明の核酸による発現抑制効果の持続性を検証した。
本実施例では、HeLa細胞の内在性遺伝子であるsurvivin遺伝子のmRNAに対するRNAi効果を検証した。
本実施例で用いた核酸の構造模式図を図25に示す。Cont.IV及び核酸pを構成する核酸断片の合成は、北海道システムサイエンス社(北海道、日本)に委託した。二本鎖核酸断片の調製は、脱塩処理後の合成核酸断片をゲル精製し、塩基対合する核酸断片を同一濃度となるようにリン酸緩衝液(pH 7.4)中にて混合し、90℃で加熱後25℃まで徐冷してアニーリングさせて調製した。また、Cont.Vを構成する核酸断片の合成は、ジーンデザイン社(大阪、日本)に委託した。二本鎖核酸断片の調製は、逆相カートリッジによる簡易カラムによる精製グレードを二本鎖断片の形で入手し、リン酸緩衝液(pH 7.4)中にて同様にアニーリングさせて調製した。
6穴プレートに、1穴あたり3×105個のHeLa細胞を播種し、抗生物質を含まない10%仔ウシ血清含有MEM培地(2mL)で24時間培養した。トランスフェクションは、リポフェクタミン2000(1穴あたり5μL)を用いて、PBS中でアニーリング処理した各種核酸が最終濃度で0.02〜2nMとなるように、OPTI-MEM培地(インビトロジェン社)で調整した溶液を1穴あたり400μLで添加した。トランスフェクションの6時間後に抗生物質を含まない10%仔ウシ血清含有MEM培地(2mL)に交換し、導入されなかったsiRNAを洗浄した。
細胞内に残存するsurvivin mRNAを定量するために、前記トランスフェクション処理した各細胞よりmRNAを回収し、リアルタイムRT-PCRによってsurvivin mRNA発現量を測定した。
実施例11に用いた各種核酸に関して、ヌクレアーゼを含む血清存在下での安定性を検証した。
実施例11に用いた各種二本鎖核酸断片(Cont. IV、Cont.V、核酸p)におけるsurvivin遺伝子のmRNAに対するRNAi効果の持続性について検証した。
本実施例では、HeLa細胞におけるsurvivin遺伝子以外の内在性遺伝子として、LaminA/C遺伝子のmRNAに対するRNAi効果を検証した。
本実施例で用いた核酸の構造模式図を図28に示す。核酸qは、従来型のsiRNAであるCont.VIにおける3′末端側のtのオーバーハング2塩基をヘアピン型DNAに置換した塩基配列を有し、核酸rは、従来型のsiRNAであるCont.VIIの3′末端側にヘアピン型DNAに付加した塩基配列を有する。各種核酸を構成する核酸断片の合成は、ジーンデザイン社(大阪、日本)に委託した。HPLC精製後の合成核酸断片を、塩基対合する核酸断片を同一濃度となるようにリン酸緩衝液(pH 7.4)中にて混合し、90℃で加熱後25℃まで徐冷してアニーリングさせて調製した。
基本的な方法は、上述の実施例11に記載の方法に準じた。各種核酸は、最終濃度0.1nMでリポフェクション法によりHeLa細胞に導入した。
細胞内に残存するLaminA/C mRNAを定量するために、前記トランスフェクション処理した細胞よりmRNAを回収し、リアルタイムRT-PCRによってLaminA/C mRNA発現量を測定した。
Claims (11)
- 核酸分解酵素耐性を有し、1つ又は2つの非連結部位を含む核酸分子であって、
前記核酸分子は、ヘアピン型DNAを核酸断片の少なくとも一の末端に連結してなり、
前記ヘアピン型DNAは、
5′末端側から3′末端側に向かって順番に連結された以下の(A)〜(C)の核酸領域: (A)2〜5個の任意のヌクレオチドからなる第1核酸領域、
(B)gna又はgnna(ここで、各nは、独立に、g、t、a若しくはc、塩基類似体又は修飾塩基のいずれかである)の塩基配列からなる第2核酸領域、及び
(C)第1核酸領域に相補的な塩基配列からなる第3核酸領域
において、
(A)の第1核酸領域及び(C)の第3核酸領域が互いに塩基対合したステム部分と
(B)の第2核酸領域からなるループ部分
によって構成され、かつ
前記核酸断片は、
(1)標的分子の結合領域を含む、完全に又は部分的に塩基対合する二本鎖核酸断片、又は
(2)一以上のステム構造及び一以上のループ構造を有する核酸アプタマー、リボザイム、モレキュラー・ビーコン、リボスイッチ又はU1アダプターを含む一本鎖核酸断片
によって構成され、
前記(1)又は(2)の核酸断片は、DNA、RNA、非天然型ヌクレオチド及び/又は非天然型核酸を含む、
前記核酸分子。 - 前記第1核酸領域がg又はcの塩基配列からなる、請求項1に記載の核酸分子。
- 以下の(1)又は(2)において、核酸断片及びヘアピン型DNAが5′末端側から3′末端側に向かって順番に連結された、請求項1又は2に記載の核酸分子。
(1)前記二本鎖核酸断片を構成する一方の核酸断片、
請求項1で規定されたヘアピン型DNA、
二本鎖核酸断片を構成する他方の核酸断片及び
請求項1で規定されたヘアピン型DNA、又は
(2)請求項1で規定されたヘアピン型DNA、
前記二本鎖核酸断片を構成する一方の核酸断片、
請求項1で規定されたヘアピン型DNA及び
二本鎖核酸断片を構成する他方の核酸断片 - 以下の核酸断片及びヘアピン型DNAが5′末端側から3′末端側に向かって順番に連結され、かつ該両末端が互いに連結された、請求項1又は2に記載の核酸分子。
前記二本鎖核酸断片を構成する一方の核酸断片、
請求項1で規定されたヘアピン型DNA、
二本鎖核酸断片を構成する他方の核酸断片及び
請求項1で規定されたヘアピン型DNA - 二本鎖核酸断片を構成する一方の核酸断片領域内に一箇所のニックを有する、請求項4に記載の核酸分子。
- 二本鎖核酸断片を構成するそれぞれの核酸断片領域内に一箇所のニックを有し、両ニックが対向しない、請求項4に記載の核酸分子。
- 前記二本鎖核酸断片を構成する一方の核酸断片の5′末端及び3′末端、又は
前記二本鎖核酸断片を構成するそれぞれの核酸断片の5′末端若しくは3'末端
のいずれかに請求項1で規定されたヘアピン型DNAを連結してなる、請求項1又は2に記載の核酸分子。 - 標的分子が転写調節因子である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 前記一本鎖核酸断片の5′末端又は3′末端のいずれかに請求項1で規定されたヘアピン型DNAを連結した、請求項8に記載の核酸分子。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の核酸を有効成分として含む医薬組成物。
- 製薬上許容可能な担体を含む、請求項10に記載の医薬組成物。
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