JP2017069462A - 太陽電池および太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池および太陽電池モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP2017069462A
JP2017069462A JP2015195306A JP2015195306A JP2017069462A JP 2017069462 A JP2017069462 A JP 2017069462A JP 2015195306 A JP2015195306 A JP 2015195306A JP 2015195306 A JP2015195306 A JP 2015195306A JP 2017069462 A JP2017069462 A JP 2017069462A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type
solar cell
doped region
surface side
main surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015195306A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6706779B2 (ja
Inventor
悟司 東方田
Satoshi Tohoda
悟司 東方田
正人 重松
Masato Shigematsu
正人 重松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2015195306A priority Critical patent/JP6706779B2/ja
Priority to US15/364,556 priority patent/US10923610B2/en
Priority to US15/393,870 priority patent/US10784396B2/en
Publication of JP2017069462A publication Critical patent/JP2017069462A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6706779B2 publication Critical patent/JP6706779B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/548Amorphous silicon PV cells

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】影がかかった場合において太陽電池モジュールに生じる発電性能の低下を抑制できる太陽電池およびそれを含む太陽電池モジュールを提供すること。
【解決手段】n型結晶性シリコン基板1に、n型低ドープ領域11と、そのn型低ドープ領域11よりも高いn型のドーパント濃度を有する第1主面側高ドープ領域12とを設ける。第1主面側高ドープ領域12を、n型低ドープ領域11とp型非晶質シリコン層3との間に配置する。
【選択図】図2

Description

本開示は、太陽電池および太陽電池モジュールに関する。
従来、太陽電池モジュールとしては、特許文献1に記載されたバイパスダイオードを有するものがある。この太陽電池モジュールは、直列接続された複数の太陽電池ストリングと、直列接続された複数のバイパスダイオードとを備える。太陽電池ストリングは、直列接続された複数の太陽電池セルを有する。直列接続された2つの太陽電池ストリングで1つのユニットが構成される。各バイパスダイオードは、互いに異なる1つのユニット(以下、ストリングユニットという)に並列接続される。
太陽電池ストリング内の太陽電池セルに障害物の影がかかり、影の面積が大きくなると、その太陽電池セルを含むストリングユニットに並列接続されたバイパスダイオードに電流が流れる。このようにして、影がかかった太陽電池を含むストリングユニットがバイパスされ、太陽電池モジュールの出力がゼロになることを防止している。
特開2013−157457号公報
上記特許文献1の太陽電池モジュールでは、ある太陽電池に影がかかった場合、その太陽電池を含むストリングユニットがバイパスされるため、そのストリングユニット内の全ての太陽電池が発電に寄与しない。したがって、該ストリングユニット内の影がかかっていない太陽電池の発電まで妨げられ、発電性能が大きく低下する。
本開示の目的は、影がかかった場合において太陽電池モジュールに生じる発電性能の低下を抑制できる太陽電池セルおよびそれを含む太陽電池モジュールを提供することにある。
本開示の一態様である太陽電池は、第1導電型のシリコン基板と、シリコン基板の第1主面側に位置する第2導電型の非晶質シリコン層と、を備え、シリコン基板は、第1導電型にドーピングされた低ドープ領域と、低ドープ領域と非晶質シリコン層との間に設けられ、低ドープ領域よりも高い第1導電型のドーパント濃度を有する第1主面側高ドープ領域とを有する。
尚、上記「シリコン基板の第1主面側に位置する第2導電型の非晶質シリコン層」という要件は、第2導電型の非晶質シリコン層がシリコン基板の第1主面側に接触する場合に満たされる。また、上記「シリコン基板の第1主面側に位置する第2導電型の非晶質シリコン層」という要件は、第2導電型の非晶質シリコン層が、例えば真性半導体層等の層をシリコン基板の第1主面との間に挟んだ状態でシリコン基板の第1主面に対向する場合にも満たされる。
本開示の一態様である太陽電池によれば、影がかかった場合において太陽電池モジュールに生じる発電性能の低下を抑制できる。
第1実施形態の太陽電池モジュールの主要部を示す模式構成図である。 前記太陽電池モジュールの太陽電池の模式断面図である。 前記太陽電池の電圧−電流特性の1試験例を示すグラフである。 参考例の太陽電池の一部構造を示す模式断面図である。 第1実施形態の太陽電池における図4に対応する模式断面図である。 参考例の太陽電池モジュールの主要部を示す模式構成図である。 第2実施形態の太陽電池主要部の模式断面図である。 第3実施形態の太陽電池主要部の模式断面図である。 第3実施形態の変形例での太陽電池主要部の模式断面図である。 第4実施形態の太陽電池の模式断面図である。 第4実施形態の変形例での太陽電池の模式断面図である。
以下に、本開示に係る実施の形態(以下、実施形態という)について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本開示の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。また、実施形態の説明で参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率などは現物と異なる場合がある。本明細書において「略**」との記載は、略全域を例に挙げて説明すると、全域はもとより実質的に全域と認められる場合を含む意図である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の太陽電池モジュール50の主要部を示す模式構成図である。
図1に示すように、この太陽電池モジュール50は、6つの太陽電池ストリング20と、3つのバイパスダイオード30とを備える。6つの太陽電池ストリング20は、直列接続される。太陽電池ストリング20は、配線材16によって直列接続された12の太陽電池10を有する。3つのバイパスダイオード30は、直列接続される。直列接続された2つの太陽電池ストリングで1つのユニット(以下、ストリングユニットという)22が構成される。各バイパスダイオード30は、互いに異なる1つのストリングユニット22に並列接続される。
尚、図1に破線Aで示す流れは、太陽電池10の発電により生じた電流の流れである。また、図1に斜線で示す1つの太陽電池10kは、図示しない障害物により影がかかった太陽電池である。影がかかった太陽電池10kが生じた場合での太陽電池モジュール50の発電機構については、図3等を参照して後で詳述する。
図2は、太陽電池10の模式断面図である。図2に示すように、この太陽電池10は、第1導電型としてのn型の結晶性シリコン基板(以下、n型シリコン基板という)1と、第1i型非晶質シリコン層2と、第2導電型としてのp型の非晶質シリコン層(以下、p型非晶質シリコン層という)3と、第2i型非晶質シリコン層4と、n型非晶質シリコン層5とを備える。n型シリコン基板1は、n型多結晶シリコン基板であってもよいが、好ましくはn型単結晶シリコン基板である。
第1i型非晶質シリコン層2は、n型シリコン基板1の第1主面上に設けられる。また、p型非晶質シリコン層3は、n型シリコン基板1の第1主面側に設けられる。詳しくは、p型非晶質シリコン層3は、第1i型非晶質シリコン層2のn型シリコン基板1側とは反対側に設けられる。第2i型非晶質シリコン層4は、n型シリコン基板1の第2主面上に設けられる。n型非晶質シリコン層5は、第2i型非晶質シリコン層4のn型シリコン基板1側とは反対側に設けられる。
第1i型非晶質シリコン層2、p型非晶質シリコン層3、第2i型非晶質シリコン層4およびn型非晶質シリコン層5は、光生成キャリアの再結合を抑制する機能を有する。これらのシリコン層2,3,4,5は、化学気相成長法(CVD)特にプラズマCVD法により好適に成膜される。シリコン層2,3,4,5の成膜に使用する原料ガスとしては、SiH4、Si26等のシリコン含有ガス、またはそれらのガスとH2を混合したものが好適に用いられる。p型またはn型非晶質シリコン層3,5を形成するためのドーパントガスとしては、例えばB26またはPH3等が好適に用いられる。PやBといった不純物の添加量は微量でよく、SiH4やH2等との混合ガスを用いることもできる。
第1および第2i型非晶質シリコン層2,4は、i型水素化非晶質シリコン層(i型a−Si:H)であることが好ましく、p型非晶質シリコン層3は、p型水素化非晶質シリコン層(p型a−Si:H)であることが好ましい。また、n型非晶質シリコン層5は、n型水素化非晶質シリコン層(n型a−Si:H)であることが好ましい。i型a-Si:H層は、SiH4をH2で希釈した原料ガスを用いたCVD法により成膜できる。p型a-Si:H層の成膜には、SiH4にB26を添加して水素希釈した原料ガスが使用される。n型a-Si:H層の成膜には、B26の代わりにPH3を含む原料ガスが使用される。尚、各非晶質シリコン層2〜5は必ずしも水素化される必要はない。また、各半導体層の成膜法は特に限定されない。
図2に示すように、n型シリコン基板1は、低ドープ領域11と、第1主面側高ドープ領域12とを有する。低ドープ領域11は、n型にドーピングされる。また、第1主面側高ドープ領域12は、低ドープ領域11とp型非晶質シリコン層3との間に設けられ、低ドープ領域11よりも高いn型のドーパント濃度を有する。低ドープ領域11および第1主面側高ドープ領域12のn型ドーパント濃度については、図3を参照して後述する。第1主面側高ドープ領域12は、低ドープ領域11のp型非晶質シリコン層3側の全面に設けられる。第1主面側高ドープ領域12は、低ドープ領域11よりも多くのn型ドーパントがドーピングされたn+領域である。低ドープ領域11および第1主面側高ドープ領域12の夫々は、イオン注入法、熱拡散法、プラズマドープ法またはエピタキシャル成長法等を用いて形成される。n型ドーパントとしては、P、As、Sb等が用いられ、特にPが好適に用いられる。Pは、POCl3ガスを混ぜて熱処理を行うことによって欠陥生成を抑制した状態で好適にドープされる。イオン注入法を用いる場合、イオン注入で生じた欠陥を低減するため高温アニールやRTA(Rapid ThermalAnnealing)を併用するのが好ましい。
第1主面側高ドープ領域12を形成するのに熱拡散法又はプラズマドープ法を用いた場合は、n型シリコン基板1の低ドープ領域11から離れるにしたがって濃度が徐々に高くなる濃度勾配が形成される。エピタキシャル成長法を用いた場合は、例えば熱拡散法を用いた場合と比べて低ドープ領域11と第1主面側高ドープ領域12との境界位置でドーパント濃度を急峻に上昇させることができ、また第1主面側高ドープ領域12の全体でドーパント濃度を均一化し易い。
太陽電池10は、n型非晶質シリコン層5側から光を受光することが想定される。図2に示すように、太陽電池10は、受光側とは反対側の裏面側でp型非晶質シリコン層3上に透明導電層6および裏側集電極7をこの順に備える。また、太陽電池10は、受光側である表側でn型非晶質シリコン層5上に透明導電層8および表側集電極9をこの順に備える。透明導電層6は、p型非晶質シリコン層3の裏面の略全域に形成され、透明導電層8は、n型非晶質シリコン層5の表側面の略全域に形成される。各透明導電層6,8は、透光性及び導電性を有する。各透明導電層6,8は、例えばIn23、ZnO、SnO2、又はTiO2などの金属酸化物で構成される。これらの金属酸化物に、Sn、Zn、W、Sb、Ti、Ce、Zr、Mo、Al、Gaなどのドーパントがドープされてもよい。
裏側および表側集電極7,9は、例えば、多数のフィンガー部と、フィンガーよりも少ない本数のバスバー部とを含むパターンで導電性ペーストをスクリーン印刷して形成される。裏面側集電極7は、表側集電極9よりも大面積に形成されることが好ましく、裏面側集電極7のフィンガー部は表側集電極9のフィンガー部よりも多く形成されるのが好ましい。なお、電極の構造は特に限定されないので、例えば裏面側集電極を、透明導電層上の略全域に形成した金属層で構成してもよい。
太陽電池10は、n型非晶質シリコン層5側から光を受光することが想定されるが、太陽電池は、p型非晶質シリコン層側から光を受光してもよい。また、太陽電池は、p型非晶質シリコン層側およびn型非晶質シリコン層側の両方から光を受光してもよい。n型シリコン基板1の第1主面側を非光入射面とすると好ましい。というのは、高ドープ領域では、キャリアの移動度が小さくなる。したがって、高ドープ領域を光入射面とすると、高ドープ領域内で発生したキャリアが再結合し易いため、照射される光の強さに関係する短絡光電流密度が低下する。高ドープ領域を、光入射面と逆の面にすることによって短絡光電流密度の低下を抑制できる。
図3は、太陽電池10の電圧−電流特性の1試験例を示すグラフである。この試験例では、低ドープ領域11にドープしたPのドープ濃度の平均は1.8×1015cm-3程度である。図3において、実線fは、第1主面側高ドープ領域12にドープしたPの濃度平均が1×1018cm-3である場合の電圧−電流特性を示す。また、点線gは、第1主面側高ドープ領域12にドープしたPの濃度平均が5×1018cm-3である場合の電圧−電流特性を示す。また、一点鎖線rは、第1主面側高ドープ領域12にドープしたPの濃度平均が1×1019cm-3である場合の電圧−電流特性を示す。また、実線hは、n型シリコン基板を低ドープ領域だけで構成して第1主面側高ドープ領域を設けなかった参考例の太陽電池の電圧−電流特性を示す。
実線hで示すように、第1主面側高ドープ領域を設けなかった参考例の太陽電池の場合、電圧降下が15Vまで増大しても電流が流れなかった。一方、実線fに示す太陽電池の場合、電圧降下が2V程度以上になると電流が序々に流れ、電流値は最終的に3Aあたりで収束した。また、Pの濃度平均が5×1018cm-3以上である点線gおよび一点鎖線rで示す場合、電圧降下が1.5V以上になると電流が急激に流れはじめた。そして、電流が6A流れた場合に電圧降下が略2V以下になるという良好な電圧−電流特性が得られた。
図4は、参考例の太陽電池110の一部構造を示す模式断面図である。太陽電池110は、Pの平均ドープ濃度が1×1014〜1×1016cm-3であるn型結晶性シリコン基板101を有する。太陽電池110は、n型結晶性シリコン基板101上にi型非晶質シリコン層111とp型非晶質シリコン層112とをこの順に積層してなる構造を有する。また、図5は、本実施形態の太陽電池10における図4に対応する模式断面図である。太陽電池10は、低ドープ領域11および第1主面側高ドープ領域12を有するn型シリコン基板1を有する。太陽電池10では、n型シリコン基板1上にi型非晶質シリコン層11とp型非晶質シリコン層12とをこの順に積層してなる構造を有する。参考例の太陽電池110は、低ドープ領域および第1主面側高ドープ領域がn型結晶性シリコン基板101に設けられなくてn型結晶性シリコン基板101が一定のn型ドーパント濃度を有する点が太陽電池10と異なる。
太陽電池10の発電性能は、参考例の太陽電池110の発電性能と同等であることが確かめられている。尚、本実施形態の変形例の太陽電池の発電性能や以下の実施形態およびその変形例で説明する太陽電池の発電性能が、参考例の太陽電池110の発電性能と同等であることも確かめられている。
図6は、参考例の太陽電池モジュール150の主要部を示す模式構成図である。太陽電池モジュール150は、太陽電池10の代わりに図4に示す太陽電池110を使用している点のみが、本実施形態の太陽電池モジュール50と異なる。以下、図1に示す本実施形態の太陽電池モジュール50で影がかかった太陽電池10が生じた場合の発電性能を、参考例の太陽電池モジュール150で影がかかった太陽電池110が生じた場合の発電性能と比較する。参考例の太陽電池モジュール150においても、直列接続された2つの太陽電池ストリング120でストリングユニット122が構成される。各バイパスダイオード130は、互いに異なる1つのストリングユニット122に並列接続される。
図6に示す参考例の太陽電池モジュール150において影が1つの太陽電池110kにかかったとする。この場合、図3の参考例hに示すように太陽電池110kに電流が流れるためには過大な電圧降下が必要になる。よって、この場合、図6に示すように、電流がストリングユニット122に並列接続されたバイパスダイオード130を流れ、太陽電池110kを有するストリングユニット122がバイパスされる。したがって、電流が図6に矢印Dで示す点線上の経路を流れて、そのストリングユニット220内の斜線領域にある24の太陽電池110が発電に寄与しない。よって、大きな出力損失が発生する。
これに対し、図1に示す本実施形態の太陽電池モジュール50において影が1つの太陽電池10kにかかったとする。この場合、図3の点線gに示すように、電流が小さな電圧の降下で太陽電池10k内を急激に流れるようになる。したがって、太陽電池モジュール50を流れる電流は一般的にそれほど大きくないので、上記小さな電圧と上記それほど大きくない電流との積で表される太陽電池10kでの消費電力が小さく抑えられる。よって、ストリングユニット22内において影がかかっていない太陽電池10k以外の大多数の太陽電池10が発電を行うことを考慮すると、本実施形態の太陽電池モジュール50では、参考例の太陽電池モジュール150との比較で出力損失が大幅に低減される。尚、本実施形態の場合でも、各ストリングユニット22に1つのバイパスダイオード30が並列接続される。これは同一のストリングユニット22内にある複数の太陽電池10に影がかかった場合、その同一のストリングユニット22をバイパスした方が、出力損失を低減できる場合があるからである。
第1実施形態によれば、n型シリコン基板1内にn型低ドープ領域11とそれよりも高いドーパント濃度を有するn型第1主面側高ドープ領域12とを設け、n型第1主面側高ドープ領域12がn型低ドープ領域11とp型非晶質シリコン層3との間に設けられる。低い電圧降下で影がかかった太陽電池10k内にも電流を流すことができる。よって、太陽電池10に影がかかった場合に生じる太陽電池モジュール50の発電性能の低下を抑制できる。
尚、上記第1実施形態では、n型シリコン基板1の第1主面側に第1i型非晶質シリコン層2とp型非晶質シリコン層3とをこの順に積層して再結合を抑制する層(以下、再結合抑制層という)を形成する場合について説明した。また、第1i型非晶質シリコン層2がi型水素化非晶質シリコン層(i型a−Si:H)であると好ましく、p型非晶質シリコン層3がp型水素化非晶質シリコン層(p型a−Si:H)であることが好ましいと言及した。しかし、n型シリコン基板1の第1主面側にそれらの層以外の再結合抑制層を形成してもよい。n型シリコン基板1の第1主面側には、それらの層含む下記(1)〜(6)より選択される材料からなる再結合抑制層を好適に形成できる。(1)p型a-Si:H、(2)p型a-SiC:H、(3)i型若しくはp型a-Si:Hと高濃度のp型a-Si:Hとの積層体(i型若しくはp型a-Si:H/高濃度のp型a-Si:Hの積層体)、(4)i型若しくはp型a-Si:H/高濃度のp型水素化微結晶シリコン(p型μc-Si:H)の積層体、(5)i型若しくはp型a-SiC:H/高濃度のp型a-Si:Hの積層体、(6)i型若しくはp型a-SiC:H/高濃度のp型μc-Si:Hの積層体。また、これ以外のp型層を含む再結合抑制層、例えば水素化されていないp型層を含む再結合抑制層を形成することもできる。ここで、上記「高濃度」とは「p型a-Si:H/高濃度のp型a-Si:Hの積層体」を例に挙げて説明すると、前者に比べて後の後者のドーパント濃度が高いことを意味する。即ち、当該記載はドーパント量が異なる2つの層を積層した構造であることを意味する。
尚、n型シリコン基板1の第2主面側に第2i型非晶質シリコン層4とn型非晶質シリコン層5とをその順に積層して再結合抑制層を形成する場合について説明した。また、第2i型非晶質シリコン層4がi型水素化非晶質シリコン層(i型a−Si:H)であると好ましく、n型非晶質シリコン層5がn型水素化非晶質シリコン層(n型a−Si:H)であることが好ましいと言及した。しかし、n型シリコン基板1の第2主面側にそれらの層以外の再結合抑制層を形成してもよい。n型シリコン基板1の第2主面側には、それらの層含む下記(7)〜(12)より選択される材料からなる再結合抑制層を好適に形成できる。(7)n型a-Si:H、(8)n型a-SiC:H、(9)i型若しくはn型a-Si:Hと高濃度のn型a-Si:Hとの積層体(i型若しくはn型a-Si:H/高濃度のn型a-Si:Hの積層体)、(10)i型若しくはn型a-Si:H/高濃度のn型水素化微結晶シリコン(n型μc-Si:H)の積層体、(11)i型若しくはn型a-SiC:H/高濃度のn型a-Si:Hの積層体、(12)i型若しくはn型a-SiC:H/高濃度のn型μc-Si:Hの積層体。また、これ以外のn型層を含む再結合抑制層、例えば水素化されていないn型層を含む再結合抑制層を形成することもできる。ここで、上記「高濃度」とは「n型a-Si:H/高濃度のn型a-Si:Hの積層体」を例に挙げて説明すると、前者に比べて後の後者のドーパント濃度が高いことを意味する。即ち、当該記載はドーパント量が異なる2つの層を積層した構造であることを意味する。
また、n型シリコン基板1の第1および第2主面側にある再結合抑制層上に保護層を形成しない例について説明した。しかし、n型シリコン基板1の第1および第2主面側にある再結合抑制層の少なくとも一方上に保護層を形成してもよい。保護層は、例えば再結合抑制層の損傷を抑制し光の反射を抑制する機能を有する。保護層は、光透過性が高い材料から構成されることが好ましく、酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、又は酸窒化ケイ素(SiON)等から構成されることが好適である。
また、n型シリコン基板1の表面には、テクスチャ構造(図示せず)が設けられてもよい。テクスチャ構造とは、表面反射を抑制してn型シリコン基板1の光吸収量を増大させるための表面凹凸構造であって、例えば受光面のみ、又は受光面と裏面の両方に形成される。テクスチャ構造は、アルカリ性溶液を用いて単結晶シリコン基板の(100)面を異方性エッチングすることで形成でき、単結晶シリコン基板の表面に(111)面を斜面としたピラミッド形状の凹凸構造が形成される。テクスチャ構造の凹凸の高さは、例えば1μm〜15μmである。
また、各層1〜5,11,12の層厚を、仕様によって適宜変動できるのは言うまでもない。例えば、n型シリコン基板1の厚さは、50μm〜300μmとでき、n型第1主面側高ドープ領域12の厚さは、500nm以下とできる。また、n型シリコン基板1の第1および第2主面側にある再結合抑制層の夫々の厚さは、1nm〜50nm、好ましくは2nm〜15nmとできる。
また、低ドープ領域11の表面ドープ濃度が1×1014〜1×1016cm-3であり、第1主面側高ドープ領域12でのPの表面ドープ濃度が1×1018cm-3以上である場合に好適な結果が得られた。しかし、低ドープ領域および第1主面側高ドープ領域の表面ドープ濃度は、これらの値に限らない。これは、表面ドープ濃度が低ドープ領域11よりも大きい第1主面側高ドープ領域12を形成することによって、本願発明の効果が得られるためである。第1主面側高ドープ領域12の平均ドープ濃度が1×1018cm-3より小さい場合でも、例えば、低ドープ領域11の表面ドープ濃度が1×1015cm-3以上、より好ましくは5×1015cm-3以上であれば、2V程度の小さな電圧降下で電流が流れる。したがって、その場合でも、図3のhに示す15Vの電圧降下まで電流が流れなかった参考例との比較においてトンネル効果が格段に起こり易くなる。よって、その場合でも、仕様によっては太陽電池に影がかかった場合に生じる太陽電池モジュールの出力損失を抑制できる。
また、第1主面側高ドープ領域12を、低ドープ領域11のp型非晶質シリコン層3側の全面に設けた例について説明した。しかし、第1主面側高ドープ領域を、低ドープ領域のp型非晶質シリコン層側の一部表面に設けてもよい。例えば、第1主面側高ドープ領域を厚さ方向に略直交する方向の両端部のみに設けてもよく、又は該略直交する方向の中央部のみに設けてもよい。
また、第1導電型がn型で第2導電型がp型である例について説明した。しかし、第1導電型がp型で第2導電型がn型であってもよい。
また、太陽電池モジュール50が、6つの太陽電池ストリング20を備え、太陽電池ストリング20が、12の太陽電池10を有する例について説明した。しかし、太陽電池モジュールは、6以外の数の太陽電池ストリングを有してもよく、各太陽電池ストリングが、12以外の数の太陽電池を有してもよい。また、直列接続された2つの太陽電池ストリング20からなるストリングユニット22に1つのバイパスダイオード30を並列接続する例について説明した。しかし、直列接続された2以外の数(1も含む)の太陽電池ストリングからなるストリングユニットに1つのバイパスダイオードを並列接続してもよい。また、太陽電池モジュールは、バイパスダイオードを有さなくてもよい。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態の太陽電池210の主要部における模式断面図である。図7では、透明導電層及び集電極は、図示を省略する。第2実施形態の太陽電池では、第1実施形態の太陽電池の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略する。第2実施形態の太陽電池では、第1実施形態の太陽電池と共通の作用効果および変形例については説明を省略し、第1実施形態の太陽電池と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行う。
第2実施形態では、n型結晶性シリコン基板201が、低ドープ領域11および第1主面側高ドープ領域12に加えて、第2主面側高ドープ領域213を有する点が、第1実施形態とは異なる。
第2主面側高ドープ領域213は、n型結晶性シリコン基板201の第2主面側に設けられる。第2主面側高ドープ領域213は、低ドープ領域11とn型非晶質シリコン層5との間に設けられる。第2主面側高ドープ領域213は、低ドープ領域11のn型非晶質シリコン層5側の全面に設けられる。
第2主面側高ドープ領域213は、低ドープ領域11よりも高いn型平均ドーパント濃度を有する。第2主面側高ドープ領域213のn型平均ドープ濃度は、第1主面側高ドープ領域12のn型平均ドープ濃度と同一でも異なっていてもよい。第2主面側高ドープ領域213のn型平均ドープ濃度は、適宜変動できるが好ましくは1×1018cm-3以上である。
第2主面側高ドープ領域213の層厚は、第1主面側高ドープ領域12の層厚と同一でも異なっていてもよい。第2主面側高ドープ領域213の層厚は、仕様によって適宜変動できる。第2主面側高ドープ領域213の層厚は、例えば200nm以下とできる。n型結晶性シリコン基板201におけるn型非晶質シリコン層5側(第2主面側)にn型高ドープ領域を設けると、光生成キャリアの再結合が抑制されて出力の向上が得られる。
第2実施形態によれば、低ドープ領域11とn型非晶質シリコン層5との間に低ドープ領域11よりも表面ドーパント濃度が高い第2主面側高ドープ領域213が設けられるので、光生成キャリアの再結合を抑制できて出力を増大できる。特に、第1主面側高ドープ領域12のn型表面ドープ濃度が1×1018cm-3以上に設定され、第2主面側高ドープ領域213のn型表面ドープ濃度が1×1017cm-3以上に設定されると好ましい。この場合、影がかかった太陽電池10kが生じた場合の太陽電池モジュール50の出力低下の抑制効果と、光生成キャリアの再結合の抑制効果とを共に顕著に発揮できるからである。
第2実施形態では、第2主面側高ドープ領域213が、低ドープ領域11のn型非晶質シリコン層5側の全面に設けられる例について説明した。しかし、第2主面側高ドープ領域は、低ドープ領域のn型非晶質シリコン層側の一部表面のみに設けられてもよい。例えば、第2主面側高ドープ領域を厚さ方向に略直交する方向の両端部のみに設けてもよく、又は該略直交する方向の中央部のみに設けてもよい。又は、面内に点在していてもよい。
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態の太陽電池310の主要部における模式断面図である。図8では、透明導電層及び集電極は、図示を省略する。第3実施形態の太陽電池310では、第2実施形態の太陽電池210の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略する。第3実施形態の太陽電池310では、第1および第2実施形態の太陽電池10,210と共通の作用効果および変形例については説明を省略する。第3実施形態の太陽電池310では、第1および第2実施形態10,210の太陽電池と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行う。
第3実施形態では、n型結晶性シリコン基板301がn型低ドープ領域11、第1主面側高ドープ領域12および第2主面側高ドープ領域213を備える点が、第2実施形態と同等である。一方、第3実施形態では、n型結晶性シリコン基板301がn型低ドープ領域11の両側面を覆うように設けられた第1および第2側方高ドープ領域314a,314bを備える点が、第2実施形態と異なる。
図8に示すように、n型結晶性シリコン基板301は、n型低ドープ領域11の厚さ方向に略直交する方向の一方側に第1側方高ドープ領域314aを有する。また、n型結晶性シリコン基板301は、n型低ドープ領域11の上記略直交する方向の他方側に第2側方高ドープ領域314bを有する。第1および第2側方高ドープ領域314a,314bの夫々は、n型結晶性シリコン基板301の厚さ方向に延在する。第1側方高ドープ領域314aは、上記略直交する方向の一方側で第1主面側高ドープ領域12と第2主面側高ドープ領域213とを連結する。また、第2側方高ドープ領域314bは、上記略直交する方向の他方側で第1主面側高ドープ領域12と第2主面側高ドープ領域213とを連結する。
第1および第2側方高ドープ領域314a,314bの夫々は、低ドープ領域11よりも高いn型平均ドーパント濃度を有する。第1側方高ドープ領域314aのn型平均ドーパント濃度は、第1主面側高ドープ領域12および第2主面側高ドープ領域213のうちの1以上の領域のn型平均ドーパント濃度と同一であってもよい。また、第1側方高ドープ領域314aのn型平均ドーパント濃度は、それら全ての領域12,213のn型平均ドーパント濃度と異なってもよい。また、第2側方高ドープ領域314bのn型平均ドーパント濃度は、第1主面側高ドープ領域12、第2主面側高ドープ領域213および第1側方高ドープ領域314aのうちの1以上の領域のn型平均ドーパント濃度と同一であってもよい。また、第2側方高ドープ領域314bのn型平均ドーパント濃度は、それら全ての領域12,213,314aのn型平均ドーパント濃度と異なってもよい。第1および第2側方高ドープ領域314a,314bの夫々が、1×1018cm-3以上のn型平均ドーパント濃度を有すると好ましい。第1および第2側方高ドープ領域314a,314bの夫々における基板厚さ方向に垂直な方向の層厚は、仕様によって適宜変動できる。第1および第2側方高ドープ領域314a,314bの夫々における基板厚さ方向に垂直な方向の層厚は、例えば200nm以下にできる。
第3実施形態によれば、n型結晶性シリコン基板301の両側面が第1および第2側方高ドープ領域314a,314bで覆われるので、n型結晶性シリコン基板301の両側面の表面再結合を低減でき、発電性能を向上できる。
また、n型結晶性シリコン基板301の低ドープ領域11を取り囲むようにn型高ドープ領域が設けられるので、各高ドープ領域12,213,314a,314bを、POCl3ガスを使用した熱拡散等で低ドープ領域11の周囲に同時かつ容易に形成できる。したがって、太陽電池310の製造工数を低減できてサイクルタイムを短縮できる。この場合、高ドープ領域12,213,314a,314b全てが1×1018cm-3以上で同一のn型平均ドーパント濃度を有すると好ましい。
尚、第3実施形態では、第1および第2側方高ドープ領域314a,314bが、n型低ドープ領域11の両側面を覆うように設けられる例について説明した。しかし、側方高ドープ領域は、n型低ドープ領域11の片側側面のみに設けられてもよい。
また、第1および第2側方高ドープ領域314a,314bが、第1主面側高ドープ領域12と第2主面側高ドープ領域213とを連結する例について説明した。しかし、少なくとも1つの側方高ドープ領域は、第1主面側高ドープ領域と第2主面側高ドープ領域とを連結しなくてもよい。少なくとも1つの側方高ドープ領域が、低ドープ領域の側面の一部のみに設けられてもよい。また、第2主面側高ドープ領域が存在しない場合に側方高ドープ領域を低ドープ領域の側面の少なくとも一部に設けてもよい。また、図9すなわち第3実施形態の変形例での太陽電池410の主要部の模式断面図に示すように、n型シリコン基板401の第1主面側の中央部にn型高ドープ領域を設けなくてもよい。図9に示すように、第1主面側高ドープ領域がn型シリコン基板401の厚さ方向に略直交する方向の両端部のみに設けられてもよい。尚、図9では、透明導電層及び集電極の図示は省略されている。
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態の太陽電池510の模式断面図である。第4実施形態の太陽電池510では、第1実施形態の太陽電池10と共通の作用効果および変形例については説明を省略し、第1実施形態の太陽電池10と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行う。
第4実施形態の太陽電池510では、n型結晶性シリコン基板501の第1主面側にp型半導体層550およびn型半導体層560が設けられる点が、第1〜第3実施形態と異なる。
図10に示すように、太陽電池510は、n型結晶性シリコン基板(以下、単に基板という)501と、基板501の第1主面上に形成されたp型半導体層550及びn型半導体層560を備える。p型半導体層550とn型半導体層560は、互いに厚さ方向に重なる部分を有し、重なり部分の厚さ方向の間には絶縁層570が設けられる。基板501の受光面とは、基板501の第1主面の反対側の面に該当する。太陽電池510は、n型低ドープ領域511と、n型第1主面側高ドープ領域512とを有する。n型第1主面側高ドープ領域512は、n型低ドープ領域511よりも高いn型平均ドープ濃度を有する。n型第1主面側高ドープ領域512は、n型低ドープ領域511の受光面側とは反対側の全面に形成される。
n型第1主面側高ドープ領域512の一部は、n型低ドープ領域511とp型半導体層550との間に設けられる。p型半導体層550は、例えば第1実施形態で説明したi型非晶質シリコン層とp型非晶質シリコン層との積層構造で構成される。p型半導体層550を、上記(1)〜(6)より選択される材料からなる再結合抑制層で構成してもよい。
n型第1主面側高ドープ領域512の他の一部は、n型低ドープ領域511とn型半導体層560との間に設けられる。n型半導体層560は、例えば第1実施形態で説明したi型非晶質シリコン層とn型非晶質シリコン層との積層構造で構成される。n型半導体層560を、好ましくは上記(7)〜(12)より選択される材料からなる再結合抑制層で構成してもよい。
p型半導体層550の基板501側とは反対側にはp側電極580が設けられる。p側電極580は、p型半導体層550上に設けられた透明導電層と、透明導電層上に設けられた集電極とからなる。また、n型半導体層560の基板501側とは反対側にはn側電極590が設けられる。n側電極590は、n型半導体層560上に設けられた透明導電層と、透明導電層上に設けられた集電極とからなる。p側電極580およびn側電極590の両方を基板501の受光面側とは反対側に配置することによって、遮光損失を抑制している。
各透明導電層の材質および製造方法としては、第1実施形態で説明した材質および製造方法を好適に使用できる。各集電極は、導電性ペーストを用いて形成されてもよいが、好ましくは電解めっきにより形成される。前記裏側および表側集電極は、例えばNi、Cu、Ag等の金属から構成され、Ni層とCu層との積層構造であってもよく、耐食性を向上させるために最表面に錫(Sn)層を有してもよい。透明導電層および集電極の好適な積層構造としては、透明導電層としての酸化インジウムスズ(ITO)と集電極としてのCuの積層構造がある。
p側電極580とn側電極590は、互いに接触しておらず電気的に分離されている。太陽電池510はn型結晶性シリコン基板501の裏面側のみに形成された一対の電極を備える。発電領域で発生した正孔はp側電極により収集され、電子はn側電極により収集される。
p型半導体層550とn型半導体層560は、いずれもn型結晶性シリコン基板501の裏面上に積層され、当該裏面上にはp型領域とn型領域とが形成される。p型領域とn型領域は、例えば一の方向に交互に配置され、互いに噛み合う平面視櫛歯状パターンで形成される。図10に示す例では、p型半導体層550の一部がn型半導体層560の一部の上に重なって、n型結晶性シリコン基板501の裏面上に各半導体層(p型領域、n型領域)が隙間なく形成される。p型半導体層550とn型半導体層560が重なる部分には絶縁層570が設けられる。絶縁層570は、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は酸窒化ケイ素等から構成される。各層や各領域において、ドーパント濃度、層厚および各層の製造法は、仕様によって適宜変動される。濃度、層厚、各層の製造法は、第1実施形態およびその変形例で説明したものを採用できる。
第4実施形態によれば、低ドープ領域511の受光面側とは反対側の全面に形成された第1主面側高ドープ領域512の一部が、n型低ドープ領域511とp型半導体層550との間に位置する。また、第1主面側高ドープ領域512の他の一部が、n型低ドープ領域511とn型半導体層560との間に位置する。したがって、低ドープ領域511の受光面側とは反対側に1つの高ドープ領域512を設けるだけで、第2実施形態の第1および第2主面側高ドープ領域12,213に対応する層を一度に形成できる。よって、影がかかった太陽電池が生じた場合の太陽電池モジュールの出力低下の抑制効果と、光生成キャリアの再結合の抑制効果とを簡易に獲得できる。
第4実施形態では、n型低ドープ領域511の全面に第1主面側高ドープ領域512を設ける例について説明した。しかし、n型低ドープ領域の全面に第1主面側高ドープ領域を設けなくてもよい。図11は、第4実施形態の変形例の太陽電池610の模式断面図である。この変形例では、第4実施形態の構成部と同一な構成部には同一参照番号を付して説明を省略する。図11に示すように、この変形例では、第1主面側高ドープ領域612がn型結晶性シリコン基板601におけるn型低ドープ領域611とp型半導体層550との間の一部のみに設けられる。この変形例のように、第1主面側高ドープ領域612をn型低ドープ領域611とn型半導体層560との間に設けなくても、影がかかった太陽電池610が生じた場合の太陽電池モジュールの出力低下を抑制できる。尚、第1主面側高ドープ領域を、n型結晶性シリコン基板におけるn型低ドープ領域とp型半導体層との間の全域に設ける一方、n型結晶性シリコン基板におけるn型低ドープ領域とn型半導体層との間に全く設けないようにしてもよい。また、第1主面側高ドープ領域を、n型結晶性シリコン基板におけるn型低ドープ領域とp型半導体層との間の全域に設けるとともに、n型結晶性シリコン基板におけるn型低ドープ領域とn型半導体層との間の一部のみに設けてもよい。また、第1主面側高ドープ領域を、n型結晶性シリコン基板におけるn型低ドープ領域とp型半導体層との間の一部のみに設けるとともに、n型結晶性シリコン基板におけるn型低ドープ領域とn型半導体層との間の一部のみに設けてもよい。
1、 201、 301、 401、 501、 601 n型シリコン基板、 2 第1i型非晶質シリコン層、 3 p型非晶質シリコン層、 4 第2i型非晶質シリコン層、 5 n型非晶質シリコン層、 10、 210、 310、 410、 510、 610 太陽電池、 11、 511、 611 低ドープ領域、 12、 512、 612 第1主面側高ドープ領域、 20 太陽電池ストリング、 30 バイパスダイオード、 50 太陽電池モジュール、 213 第2主面側高ドープ領域、 314a 第1側方高ドープ領域、 314b 第2側方高ドープ領域、 550 p型半導体層、 560 n型半導体層。

Claims (10)

  1. 第1導電型のシリコン基板と、
    前記シリコン基板の第1主面側に位置する第2導電型の非晶質シリコン層と、
    を備え、
    前記シリコン基板は、前記第1導電型にドーピングされた低ドープ領域と、前記低ドープ領域と前記非晶質シリコン層との間に設けられ、前記低ドープ領域よりも高い前記第1導電型のドーパント濃度を有する第1主面側高ドープ領域とを有する、太陽電池。
  2. 請求項1に記載の太陽電池において、
    前記シリコン基板の第2主面側に位置する前記第1導電型の非晶質シリコン層を備え、
    前記シリコン基板は、前記低ドープ領域と前記第1導電型の非晶質シリコン層との間に設けられ、前記低ドープ領域よりも高い前記第1導電型のドーパント濃度を有する第2主面側高ドープ領域を有する、太陽電池。
  3. 請求項1または2に記載の太陽電池において、
    前記シリコン基板は、前記シリコン基板の厚さ方向に延在する側面を覆うように設けられ、前記低ドープ領域よりも高い前記第1導電型のドーパント濃度を有する側方高ドープ領域を有する、太陽電池。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の太陽電池において、
    前記第1主面側高ドープ領域が、前記シリコン基板の厚さ方向に略直交する方向の両端部に設けられる、太陽電池。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の太陽電池において、
    前記第1主面側高ドープ領域における表面ドーパント濃度が、1×1018/cm-3以上である、太陽電池。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の太陽電池において、
    前記低ドープ領域は、n型結晶性シリコンからなり、
    前記第1主面側高ドープ領域は、前記低ドープ領域よりも多くのn型ドーパントがドーピングされたn+領域である、太陽電池。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つに記載の太陽電池において、
    前記シリコン基板の前記第1主面側は、非光入射面である、太陽電池。
  8. 請求項1に記載の太陽電池において、
    前記シリコン基板の前記第1主面側に、前記第2導電型の非晶質シリコンに前記シリコン基板の厚さ方向に略直交する方向に隣り合う第1導電型の非晶質シリコン層を更に備える、太陽電池。
  9. 直列接続された請求項1乃至8のいずれか1つに記載の太陽電池を複数備える、太陽電池モジュール。
  10. 請求項9に記載の太陽電池モジュールにおいて、
    前記複数の太陽電池に含まれる直列接続された2以上の前記太陽電池に並列接続されたバイパスダイオードを備える、太陽電池モジュール。
JP2015195306A 2015-09-30 2015-09-30 太陽電池および太陽電池モジュール Active JP6706779B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015195306A JP6706779B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 太陽電池および太陽電池モジュール
US15/364,556 US10923610B2 (en) 2015-09-30 2016-11-30 Solar cell and solar cell module
US15/393,870 US10784396B2 (en) 2015-09-30 2016-12-29 Solar cell, solar cell module, and production method for solar cell

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015195306A JP6706779B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 太陽電池および太陽電池モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017069462A true JP2017069462A (ja) 2017-04-06
JP6706779B2 JP6706779B2 (ja) 2020-06-10

Family

ID=58495215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015195306A Active JP6706779B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 太陽電池および太陽電池モジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6706779B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018025643A1 (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 太陽電池セルおよび太陽電池セルの製造方法
JP2019533408A (ja) * 2017-05-12 2019-11-14 フレックス,リミテッド 車両用ソーラールーフ用板葺式アレイモジュール
CN112490296A (zh) * 2019-09-11 2021-03-12 松下电器产业株式会社 太阳能单电池

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05110121A (ja) * 1991-10-17 1993-04-30 Sharp Corp 太陽電池
JP2006237363A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Sanyo Electric Co Ltd 光起電力素子
US20100186802A1 (en) * 2009-01-27 2010-07-29 Peter Borden Hit solar cell structure
US20110277816A1 (en) * 2010-05-11 2011-11-17 Sierra Solar Power, Inc. Solar cell with shade-free front electrode
JP2013069760A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Shin Etsu Chem Co Ltd 太陽電池および太陽電池の製造方法
JP2013157457A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Jx Nippon Oil & Energy Corp 太陽電池モジュール及び太陽光発電システム
JP2014093418A (ja) * 2012-11-02 2014-05-19 Mitsubishi Electric Corp 光起電力装置およびその製造方法、光起電力モジュール
US20140261660A1 (en) * 2013-03-13 2014-09-18 Intermolecular , Inc. TCOs for Heterojunction Solar Cells
JP2015153934A (ja) * 2014-02-17 2015-08-24 シャープ株式会社 光電変換装置

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05110121A (ja) * 1991-10-17 1993-04-30 Sharp Corp 太陽電池
JP2006237363A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Sanyo Electric Co Ltd 光起電力素子
US20100186802A1 (en) * 2009-01-27 2010-07-29 Peter Borden Hit solar cell structure
US20110277816A1 (en) * 2010-05-11 2011-11-17 Sierra Solar Power, Inc. Solar cell with shade-free front electrode
JP2013069760A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Shin Etsu Chem Co Ltd 太陽電池および太陽電池の製造方法
JP2013157457A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Jx Nippon Oil & Energy Corp 太陽電池モジュール及び太陽光発電システム
JP2014093418A (ja) * 2012-11-02 2014-05-19 Mitsubishi Electric Corp 光起電力装置およびその製造方法、光起電力モジュール
US20140261660A1 (en) * 2013-03-13 2014-09-18 Intermolecular , Inc. TCOs for Heterojunction Solar Cells
JP2015153934A (ja) * 2014-02-17 2015-08-24 シャープ株式会社 光電変換装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018025643A1 (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 太陽電池セルおよび太陽電池セルの製造方法
JP2019533408A (ja) * 2017-05-12 2019-11-14 フレックス,リミテッド 車両用ソーラールーフ用板葺式アレイモジュール
CN112490296A (zh) * 2019-09-11 2021-03-12 松下电器产业株式会社 太阳能单电池

Also Published As

Publication number Publication date
JP6706779B2 (ja) 2020-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9929294B2 (en) Photoelectric conversion device, manufacturing method thereof, and photoelectric conversion module
US20110155210A1 (en) Solar cell module
JP6785427B2 (ja) 太陽電池素子および太陽電池モジュール
JP2011035092A (ja) 裏面接合型太陽電池及びそれを用いた太陽電池モジュール
US9577132B2 (en) Solar cell module
KR20150000065A (ko) 태양 전지
US20190252562A1 (en) Solar cell and method of manufacturing the same
US9929297B2 (en) Solar cell and method for manufacturing the same
KR101284278B1 (ko) 태양 전지 모듈 및 태양 전지 모듈에 사용되는 인터커넥터
JP5927027B2 (ja) 光電変換装置
JP2019033298A (ja) 太陽電池
JP6414767B2 (ja) 太陽電池セル
JP6706779B2 (ja) 太陽電池および太陽電池モジュール
KR20140095658A (ko) 태양 전지
CN108615775B (zh) 一种叉指背接触异质结单晶硅电池
KR20110045246A (ko) 태양 전지 셀 및 이를 구비한 태양 전지 모듈
WO2013057978A1 (ja) 光電変換装置およびその製造方法、光電変換モジュール
US10784396B2 (en) Solar cell, solar cell module, and production method for solar cell
KR101975580B1 (ko) 태양전지
JP6706808B2 (ja) 太陽電池、太陽電池モジュールおよび太陽電池の製造方法
US10923610B2 (en) Solar cell and solar cell module
KR101146733B1 (ko) 태양 전지
KR20130080662A (ko) 태양전지 모듈
KR20140093383A (ko) 태양 전지
KR20180043915A (ko) 태양전지 및 이의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180522

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190416

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200423

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6706779

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151