JP2017068790A - 制御装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部機器との通信に使用されない回路による無駄な消費電力を低減する。【解決手段】機器に搭載され当該機器を制御する制御装置であって、外部機器と通信を行うための一つの通信接続端子を通して外部機器と通信が可能な複数の通信制御装置と、通信接続端子を複数の通信制御装置のいずれかに接続するための切替器と、切替器を制御する制御部と、を有し、制御部は、複数の通信制御装置のうちの、当該制御装置が搭載される機器にて有効な当該機器の機能に適合しかつ消費電力が最低となる一つを選択し、選択した通信制御装置と、通信接続端子とを切替器により接続させ、選択しなかった他の通信制御装置の消費電力が最低となるよう制御する。【選択図】図1
Description
本発明は、制御装置および制御方法に関する。
従来より、画像形成装置には、ユーザ側で、ハードウェアを増設可能なものや、初期状態ではもたない機能を後で追加することが可能なものや、ユーザの都合により、ある機能を有効に設定したり、無効に設定したりすることができるものがある。このように、画像形成装置が実現する機能は、画像形成装置のハードウェア構成や設定によって異なる。
近年、画像形成装置においても外部と通信するためUSB規格に対応したものがある。このような画像形成装置は、転送パイプの数により実現できる機能が異なるので、従来は、想定される最大数の機能が実現可能であるように、最大数の転送パイプに対応した通信制御装置を有する制御装置を用いている。特許文献1には、複数の通信デバイス(内部USBデバイス等)及び/または通信コネクタを、切り替え手段を介して通信ホスト回路に接続する技術が開示されている。
しかしながら、転送パイプの数が増加すると対応するエンドポイント(FIFOバッファ)の数も増え回路規模が大きくなり、消費電力が大きくなる。そのため、当該制御装置を複数種類の機器に共通に適用する場合、機器によっては当該機器で実現または使用しない機能がある場合があるが、その機能に対応するための回路も電力を消費することになり、消費電力の無駄が発生していた。特許文献1のような従来技術では、上記のような消費電力の無駄に関して考慮されていない。
上述した課題を解決するために、本発明は、機器に搭載され当該機器を制御する制御装置であって、外部機器と通信を行うための一つの通信接続端子を通して前記外部機器と通信が可能な複数の通信制御装置と、前記通信接続端子を前記複数の通信制御装置のいずれかに接続するための切替器と、前記切替器を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記複数の通信制御装置のうちの、当該制御装置が搭載される機器にて有効な当該機器の機能に適合しかつ消費電力が最低となる一つを選択し、選択した通信制御装置と、前記通信接続端子とを前記切替器により接続させ、選択しなかった他の通信制御装置の消費電力が最低となるよう制御することを特徴とする。
本発明によれば、外部機器との通信を行うための通信制御装置を有する制御装置を複数種類の機器に共通に適用する場合に、外部機器との通信に使用されない回路による無駄な消費電力を低減することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、制御装置および制御方法の実施の形態を詳細に説明する。
(概要)
以下に説明する実施形態の制御装置は、外部機器と通信するための通信制御装置を複数搭載している。また、実施形態の制御装置は、この制御装置が制御対象とする機器と外部機器との通信に要求される性能を満たしかつ消費電力が最低となる通信制御装置を、複数の通信制御装置の中から選択してPC等の外部機器に接続するための構成をもつ。特に、実施形態の制御装置は、外部機器によるUSBインタフェースを介したMFPやプリンタ等の画像形成装置の機能制御において、MFPにおけるプリンタ機能およびスキャナ機能の実現や、プリンタにおけるプリンタ機能の実現といった、複数種類の画像形成装置におけるそれぞれの機能の実現を、当該制御装置を共通に用いて行うにあたり、外部機器との通信にかかる無駄な消費電力をなくして、低消費電力化を達成する。
以下に説明する実施形態の制御装置は、外部機器と通信するための通信制御装置を複数搭載している。また、実施形態の制御装置は、この制御装置が制御対象とする機器と外部機器との通信に要求される性能を満たしかつ消費電力が最低となる通信制御装置を、複数の通信制御装置の中から選択してPC等の外部機器に接続するための構成をもつ。特に、実施形態の制御装置は、外部機器によるUSBインタフェースを介したMFPやプリンタ等の画像形成装置の機能制御において、MFPにおけるプリンタ機能およびスキャナ機能の実現や、プリンタにおけるプリンタ機能の実現といった、複数種類の画像形成装置におけるそれぞれの機能の実現を、当該制御装置を共通に用いて行うにあたり、外部機器との通信にかかる無駄な消費電力をなくして、低消費電力化を達成する。
ところで、USB規格では論理的な転送パイプおよびエンドポイントが規定されており、また各機能に対して実装すべき転送パイプもUSB規格の“クラス仕様”として規定されている。例えば、プリンタ機能を動作させるためには、USBのプリンタクラス仕様に準ずるために以下が必要となる。
・コントロール転送パイプ(USB規格で定められた基本通信を行う。他の機能と共用可能)
・バルクアウト転送パイプ(例えばPCからMFPへの画像データの送信用途)
・バルクイン転送パイプ(例えばMFPからPCへの通信用途。例:トナー残量の通知)
・コントロール転送パイプ(USB規格で定められた基本通信を行う。他の機能と共用可能)
・バルクアウト転送パイプ(例えばPCからMFPへの画像データの送信用途)
・バルクイン転送パイプ(例えばMFPからPCへの通信用途。例:トナー残量の通知)
またスキャナ機能については、USBのクラスとしては明確に定義されていないが、以下が必要となる。
・コントロール転送パイプ(USB規格で定められた基本通信を行う。他の機能と共用可能)
・バルクアウト転送パイプ(例えばPCからMFPへのスキャナ制御の送信用途)
・バルクイン転送パイプ(例えばMFPからPCへのスキャンデータの送信用途)
・コントロール転送パイプ(USB規格で定められた基本通信を行う。他の機能と共用可能)
・バルクアウト転送パイプ(例えばPCからMFPへのスキャナ制御の送信用途)
・バルクイン転送パイプ(例えばMFPからPCへのスキャンデータの送信用途)
このことから、外部との通信にUSBを利用するMFPにてプリンタ機能とスキャナ機能を両立させるためには以下の転送パイプを用意する必要がある。
・コントロール転送パイプ (プリンタ機能とスキャナ機能で共通)
・バルクアウト転送パイプ × 2 (プリンタ機能用とスキャナ機能用)
・バルクイン転送パイプ × 2 (プリンタ機能用とスキャナ機能用)
・コントロール転送パイプ (プリンタ機能とスキャナ機能で共通)
・バルクアウト転送パイプ × 2 (プリンタ機能用とスキャナ機能用)
・バルクイン転送パイプ × 2 (プリンタ機能用とスキャナ機能用)
USBの規格上、これらの転送パイプを実現するためには通信制御装置にて必要数(上記例では5個)の転送パイプを制御することが望ましく、例えばプリンタ機能とスキャナ機能に対応したMFPを実現するために、この必要数(5個)の転送パイプに対応した通信制御用のLSIあるいはASICが用いられる。
しかし、通信制御装置を実現する一般的なLSIやASICを用いて転送パイプの数を増やすと、対応するエンドポイントとなるFIFOバッファを含む回路が増加してしまう。一方、MFPやプリンタのように電源が投入されたまま待機している時間が長い機器では、微小な電力でもトータルの消費電力に大きな影響を与える。つまり、待機時の省エネ機能が重要視される機器において転送パイプの数を増やすこと、すなわち対応する回路規模を増加させることは、待機時の消費電力増加に繋がってしまうという問題がある。
そこで、以下に説明する実施形態の制御装置は、当該制御装置が適用される各機器において、複数ある通信制御装置の中から必要最小限のエンドポイントをもつ(すなわち、無駄な消費電力が生じない)通信制御装置を選択し、他の通信制御装置を最低消費電力の状態とすることにより、制御装置の共通化と低消費電力化とを実現する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の制御装置の構成を示すブロック図である。ここでは、通信制御装置であるUSBデバイスコントローラを用いた構成例について説明を行う。
図1は、第1の実施形態の制御装置の構成を示すブロック図である。ここでは、通信制御装置であるUSBデバイスコントローラを用いた構成例について説明を行う。
制御装置である図1に示すコントローラ100には、通常動作用のSoC110、省エネ動作用のASIC(図中省エネASIC)120、メモリ130、およびUSB切替器(バススイッチ)140が搭載されている。SoCは、System On Chipの略でCPUやペリフェラルインタフェースを集積した回路であり、図1に示すSoC110の例ではCPU111(制御部)、USBデバイスコントローラ(図中USB−CTL(A))112、PCIコントローラ(図中PCI−CTL)113が集積されている。一方、ASICは、application specific integrated circuit(特定用途向け集積回路)の略で特定の用途向けに複数機能の回路を1つにまとめた集積回路であり、図1に示す省エネASIC120(以下、ASIC120と記す)の例では、サブCPU121とUSBデバイスコントローラ(図中USB−CTL(B))122が集積されている。SoC110とASIC120は、PCIコントローラ113を介して接続される。なお、SoC110およびASIC120には、その他のデイバスも含んで構成されうる。
メモリ130は、SoC110のCPU111用の初期プログラムや、その他の制御プログラム、設定値等が記憶された不揮発性記憶装置(ROM、EEPROMなど)、および主記憶装置となるRAMからなり、SoC110に接続されている。
USB切替器140は、PC等の外部装置と繋がるUSBバスと複数の(図1では2つの)USBデバイスコントローラ(112、122)との入出力(信号線)を切り替えるデバイスである。このUSB切替器140によって、いずれかのUSBデバイスコントローラ(112または122)がUSBバスに接続される。なお、USB切替器140による切り替えは、機器の起動時(または再起動時)にSoC110のCPU111による制御によって行われる。
ここでは、USBデバイスコントローラ112は、転送パイプを5個もち、USBデバイスコントローラ122は、転送パイプを3個もつものとする。また、説明を簡略にするため、コントローラ100に2つの通信制御装置としてのUSBデバイスコントローラ112、122を搭載しこれらを切り替えるものとして説明するが、通信制御装置は複数であればよい。例えば、その他のASIC等に転送パイプを7個持つ第3のUSBデバイスコントローラがあってもよい。この場合、USB切替器140は、3つのUSBデバイスコントローラを切り替えることになる。
図2Aおよび図2Bはそれぞれ、本実施形態におけるUSBデバイスコントローラ112およびUSBデバイスコントローラ122の内部のエンドポイントについて説明する図である。なお、各USBデバイスコントローラ(112、122)自体は、USB規格に従って構成される従来のUSBデバイスコントローラと同様であり、詳細な構成については説明を省略する。
図2Aに示すUSBデバイスコントローラ112は、コントロール転送パイプに対応するエンドポイントを1つと、バルクアウト転送パイプおよびバルクイン転送パイプに対応するエンドポイントを各々2つ有する。MFPにおいては、この構成によってUSB経由の印刷(プリンタ機能)およびUSB経由のスキャン(スキャナ機能)の両機能が提供可能である。一方、図2Bに示すUSBデバイスコントローラ122は、コントロール転送パイプに対応するエンドポイントを1つと、バルクアウト転送パイプおよびバルクイン転送パイプに対応するエンドポイントを各々1つ有する。この構成ではUSB経由の印刷のみ、もしくはUSB経由のスキャンのみの機能が提供可能である。
両USBデバイスコントローラ(112、122)を比較すると、USBデバイスコントローラ112の方がUSBデバイスコントローラ122よりも転送パイプに対応するエンドポイントが2つ多く、これにより回路規模が大きくなっている。そのため、仮に両USBデバイスコントローラ(112、122)におけるエンドポイント以外の構成が共通のものであった場合、USBデバイスコントローラ112の方がUSBデバイスコントローラ122よりも動作時の消費電力が大きくなる。
図3は、SoC110のUSBデバイスコントローラ112が選択されている状態を示す図である。
USBデバイスコントローラ112は、前述のように、転送パイプを5個有し、例えばUSB経由のプリンタ機能およびUSB経由のスキャナ機能を同時に提供することができる。コントローラ100がプリンタ機能とスキャナ機能を有するMFPに搭載されこのMFPを制御する場合には、外部機器に接続するための通信接続端子(USBコネクタ)につながる信号線はUSB切替器140によりUSBデバイスコントローラ112に接続され(図中太線で例示)、外部機器にUSB経由のプリンタ機能およびUSB経由のスキャナ機能の両機能を提供する。このとき、選択されなかったUSBデバイスコントローラ122は、最低消費電力の状態に設定される。このため、MFPのUSBコネクタで外部のPCと接続された場合には、USBデバイスコントローラ112がPCとの通信を行う。これにより、PCからはMFPのプリンタ機能とスキャナ機能の両方の機能を利用することが可能となる。
図4は、ASIC120のUSBデバイスコントローラ122が選択されている状態を示す図である。
USBデバイスコントローラ122は、前述のように、転送パイプを3個持っており、例えば、USB経由のプリンタ機能、またはUSB経由のスキャナ機能のいずれか一方のみを提供することができる。コントローラ100がプリンタに搭載されこのプリンタを制御する場合には、USB経由のスキャナ機能は不要である。そのため、プリンタの外部に接続するための通信接続端子(USBコネクタ)につながる信号線は、USB切替器140によりUSBデバイスコントローラ122に接続されて(図中太線で例示)、当該プリンタは、USB経由のプリンタ機能を提供する。このため、このプリンタがそのUSBコネクタでPCと接続された場合には、USBデバイスコントローラ122が外部のPCとの通信を行う。これにより、PCからはプリンタ機能のみを利用することが可能となる。
同様に、コントローラ100がスキャナに搭載されこのスキャナを制御する場合には、USB経由のプリント機能は不要である。そのため、スキャナの外部に接続するための通信接続端子(USBコネクタ)につながる信号線は、上記プリンタの例と同様に、USB切替器140によりUSBデバイスコントローラ122に接続されて、当該スキャナは、USB経由のスキャナ機能を提供する。このため、このスキャナがそのUSBコネクタでPCと接続された場合には、USBデバイスコントローラ122がPCとの通信を行う。これにより、PCからはスキャナ機能のみを利用することが可能となる。
上記のようにASIC120のUSBデバイスコントローラ122が選択されている状態の場合、SoC110のUSBデバイスコントローラ112は使用されない。そのため、この場合、SoC110内部でUSBデバイスコントローラ112へのクロック供給および電源供給を停止させてUSBデバイスコントローラ112を動作させないようにする。これにより、USBデバイスコントローラ112は、最低消費電力の状態に設定される。
もし、省エネ状態において、SoC110による処理が必要なUSB通信が開始される際にUSBデバイスコントローラ122が省エネ状態からの復帰信号を出力可能な場合、また、コントローラ100が搭載された機器においてその他のアクティビティ(例えば、ユーザが、コントローラ100の制御対象である画像形成装置の圧板を開いたり、ADFトレイに原稿を置いたり、操作部を操作したりすることなど)を復帰要因として、省エネ状態からの復帰信号をSoC110に供給できる場合、この復帰信号によりSoC110を再起動させる構成とすることにより、USBデバイスコントローラ112のみならず、SoC110全体の電源を落としてしまうことも可能となる。この省エネ状態では、SoC110は停止し、省エネ動作用のASIC120のみが動作していることとなり、USBデバイスコントローラ112、122の回路規模の違いのみの低消費電力化よりもさらに大きな低消費電力化が可能となる。
次に、以上に説明した2つのUSBデバイスコントローラ112、122の選択に関し、切替えをどのように判断し、USBバスをどちらのUSBデバイスコントローラ(112、122)に接続するかについて説明する。
通常、コントローラ100が制御する機器に備わる機能は、その機能を実現する機能モジュール(スキャナモジュール、作像エンジンなど)へのコントローラ100の接続の有無を検出することにより、コントローラ100側で判定することが可能である。例えば、スキャナモジュールが搭載されておりコントローラ100がこのスキャナモジュールを制御するため接続されている場合には、コントローラ100のCPU111は、制御対象の機器がスキャナ機能を有することを判定できる。また、同様に作像エンジンやFAXモジュールが搭載されているか否かも判定可能である。
よって、コントローラ100が制御する機器に、例えばスキャナモジュールと作像エンジンの存在を判定した場合は、USBデバイスコントローラ112を選択し、いずれか一方のみが検出された場合はUSBデバイスコントローラ122を選択するように構成することができる。このような選択を実現するため、コントローラ100は、制御対象となる機器が有する可能性のある機能モジュールすべてにおいて、それぞれの機能モジュールが動作するに当たって必要な転送パイプの数(=エンドポイントの数)をデータとして保持している。例えば、表1に例示するテーブルがメモリ130の不揮発性記憶装置に記憶される。
本実施形態では、コントローラ100のCPU111は、制御対象の機器の起動時に、どの機能モジュールを備えているかを検査し、当該機器が備える機能モジュールで必要とされるエンドポイントの数を計数して、必要な数のエンドポイントをもつUSBデバイスコントローラ(112または122)を選択するようにする。そして、選択されなかったUSBデバイスコントローラ(112または122)を最低消費電力の状態とする。この場合の動作を図5のフローチャートに示す。
図5に示すように、最初、CPU111は、バルクイン転送用のエンドポイント数を示す変数“EP数(BI)”およびバルクアウト転送用のエンドポイント数を示す変数“EP数(BO)”を0で初期化する(S101)。
次に、CPU111は、上記表1に例示したテーブルを参照し、このテーブルに記述された全ての機能についてチェック済みか判定する(S102)。
全ての機能をチェック済みでない場合(S102でNo)、CPU111は、制御対象の機器が、上記テーブルに示された機能の1つ(該当機能)を有するか検査する(S103)。
制御対象の機器が該当機能を有する場合(S103でYes)、CPU111は、必要なエンドポイント数を求めるため、変数EP数(BI)およびEP数(BO)にそれぞれ、上記テーブルに示された該当機能に対応する機能別EP数を加算する(S104)。具体的な算出式は、
EP数(BI)+=機能別EP数(BI)、
EP数(BO)+=機能別EP数(BO)
である。なお、演算子「+=」は、加算代入である。
EP数(BI)+=機能別EP数(BI)、
EP数(BO)+=機能別EP数(BO)
である。なお、演算子「+=」は、加算代入である。
上記算出(S104)の後、および、制御対象の機器が該当機能をもたない場合は(S103でNo)、CPU111は、S102に処理を戻す。
上記テーブルに示される全ての機能についてチェック済みとなると(S102でYes)、CPU111は、EP数(BI)およびEP数(BO)の算出結果から、必要最小限のエンドポイントを有する、すなわち消費電力が最低となる通信制御装置(USBデバイスコントローラ(112または122))を選択する(具体的には、信号線を該当の通信制御装置に接続するようにUSB切替器140を制御する)(S105)。
最後に、選択しなかったUSBデバイスコントローラ(112または122)を最低消費電力の状態とする(S106)。
以上のように、本実施形態では、コントローラ100が搭載される機器で使用される機能を元に、必要最低限の数の転送パイプを有する通信制御装置を選択し、すなわち、コントローラ100が搭載される機器にて有効な当該機器の機能に適合しかつ消費電力が最低となる一つを選択して、それ以外の通信制御装置は最低消費電力の状態にさせている。このようにすることにより、本実施形態では、複数種類の機器に適用可能な(共通に使用される)コントローラ100における無駄な消費電力を低減することができる。
(第2の実施形態)
コントローラ100の第2の実施形態として、コントローラ100に搭載されるメモリ130に含まれる書換え可能な不揮発性記憶装置に、コントローラ100が制御する機器の動作モードを記憶させ、その動作モードに従ってUSBデバイスコントローラ(112、122)を選択するように構成することもできる。なお、ここで言う動作モードとは、コントローラ100が搭載された画像形成装置がUSB接続で提供する1または複数の機能の内、ユーザが使用したい機能の有効/無効を指定するためのものである。本実施形態において、その他のハードウェア構成は、第1の実施形態のものと同様である。
コントローラ100の第2の実施形態として、コントローラ100に搭載されるメモリ130に含まれる書換え可能な不揮発性記憶装置に、コントローラ100が制御する機器の動作モードを記憶させ、その動作モードに従ってUSBデバイスコントローラ(112、122)を選択するように構成することもできる。なお、ここで言う動作モードとは、コントローラ100が搭載された画像形成装置がUSB接続で提供する1または複数の機能の内、ユーザが使用したい機能の有効/無効を指定するためのものである。本実施形態において、その他のハードウェア構成は、第1の実施形態のものと同様である。
図6は、本実施形態のコントローラ100のCPU111の起動時の動作を説明するフローチャートである。本実施形態では、前述の図5のS103の「該当機能を有すか?」の判定基準が、図6ではS103bの「該当機能が有効であるか?」となり、各機能の有効・無効の設定が動作モード情報として上記書換え可能な不揮発性記憶装置に記憶される。例えば、スキャナモジュールと作像エンジンが存在していても、外部機器からの印刷要求を受け付けることができないような複写機で、USB経由でのスキャナ機能のみを有効とする場合などは、上記書換え可能な不揮発性記憶装置に記憶された下記の表2に例示するテーブルの情報に従って、USB経由のスキャナ機能のみを有効として扱い、その結果、消費電力の少ないUSBデバイスコントローラ122を選択することができる。
ほかにも、USB経由のプリンタ機能を提供するに際して、印刷データの転送にIPP(Internet Printing Protocol) USBプロトコルを用いる場合、前述のUSB印刷とちがい、バルクアウト転送パイプおよびバルクイン転送パイプを各々2個の計4個必要とする。プリンタのような作像エンジンしかないような機器であっても、上記のIPP USBをサポートするには、USBデバイスコントローラ112を選択しなければならない。このような場合も、メモリ130に含まれる書換え可能な不揮発性記憶装置に記憶させた動作モード情報により、適切なUSBデバイスコントローラ(112または122)を選択することができる。この場合、下記の表3に例示するように、上記表2に対し「機能」として「プリンタIPP」「スキャナIPP」「FAX IPP」が追加され、それぞれで必要なエンドポイントの数(=転送パイプの数)が登録されており、動作モード情報としては、そのどれが有効とされているか否かが記憶されることとなる。
このメモリ130に含まれる書換え可能な不揮発性記憶装置に記憶させる内容は、機器の機能仕様などから工場出荷時に設定される。この場合、上記判定の結果も上記書換え可能な不揮発性記憶装置に記憶させておき、毎回判定を行わないように構成することも可能である。この構成においては、判定結果の記憶内容が初期値である場合、SoC110のCPU111は、上記判定を実施してその判定結果を上記書換え可能な不揮発性記憶装置に記憶させる。一方、初期値ではない場合、SoC110のCPU111は、既に判定結果が入っているものと判断して、その値をもってUSBデバイスコントローラ(112、122)の選択を行う。もし、判定結果に影響を与えるような機器の構成変更が行われた場合は、SoC110のCPU111は、判定結果の記録を消去し、次回の起動時に上記判定を行う。もちろん、この消去の時点でSoC110のCPU111が上記判定を行い、判定結果の記憶内容を初期化する代わりに新しい判定結果を記憶させるように構成することも可能である。
なお、上記で判定結果に影響を与えるような機器の構成変更が行われたか否かは、例えば、各機能を実現するための制御プログラムを構成するソフトウェアの属性として上記判定結果に影響があるもののリストをメモリ130に記憶しておき、該当するソフトウェアが書き換えられたことを以って、「判定結果に影響を与えるような機器の構成変更が行われた」と判断する。なお、機器の構成変更は、例えば、コピー機能とスキャナ機能しか有していないMFPに対してプリンタ機能を追加するためソフトウェアが書き換えられた場合が該当する。簡便には、ソフトウェアの書き換え時にはSoC110のCPU111が判定結果の記録を必ず消去するようにしてもよい。
また、図7に示すようにコントローラ100が操作部150を有する場合、またはコントローラ100が搭載される機器が操作部150を有する場合、この操作部150からの入力を受け付けて、その入力内容により、上記メモリ130の不揮発性記憶装置の記憶内容を書き換えるように構成することもできる。図8に、このような操作部150における操作画面例を示す。当該画面には、制御対象の機器がもつ全ての機能が表示される。ユーザは、有効としたい機能にチェックマークをつけることにより、SoC110のCPU111が該当機能を有効に設定する。このように構成することにより、ユーザが操作部150を操作して設定を自ら行うことにより、前述のIPP USBをサポートするプリンタであっても、IPP USBプロトコルは使わないと設定する(図8の例では、IPPを利用する機能部分のチェックマークを消す)ことにより、より消費電力の少ない、USBデバイスコントローラ122を選択するように設定することも可能となる。
また、図9に示すように、コントローラ100が、通信I/F(インタフェース)160を介してネットワーク通信可能な場合は、外部装置によるネットワーク通信の内容により、上記書換え可能な不揮発性記憶装置の記憶内容を書き換えるように構成することもできる。本例は、ネットワーク通信による点を除いて、上述の操作部150による設定の場合と同様である。このように構成することにより、例えば本社に在籍するIT管理者が支社に設置されている機器の設定を管理し変更することも可能となり、遠隔地からの機能制限等の一括設定が可能となる。この機能制限により、IPP USBが無効となった場合は、上記のように、消費電力の削減も可能となる。一例として、図10に、WebUIを介して設定を行う際の画面例を示す。
さらに、操作部150による操作やネットワーク通信により上記書換え可能な不揮発性記憶装置の記憶内容が更新された場合、その更新内容が機器の再起動を必要とする場合は、自動的に機器を再起動するように構成することもできる。例えば、プリンタ機能を利用する場合、USB経由の印刷は、専用のドライバソフトをパソコン等にインストールした上で印刷する一般的な印刷方法のほかにも、IPPなどの業界標準に準拠した形での印刷方法もある。スキャナ機能やFAX機能の場合も同様である。前述のように、操作部150やWeb経由でこれらの機能のうちの一部を有効化したり無効化したりした場合の上記書換え可能な不揮発性記憶装置の記憶内容(設定値)の変更は、再起動を必要とする変更となる。これに対して、USB通信に関係しない設定変更、例えばネットワークアドレスの設定変更などは、USB通信には関係なく、本実施形態のコントローラ100においては、再起動は不要とする。
コントローラ100の制御プログラムは、各機能に対する設定を記憶する書換え可能な不揮発性記憶装置の記憶場所の情報を保持しており、書き換えられた設定値を動作に反映させるには再起動が必要かどうかを、各機能に対する設定値の属性として保持することができる。
図11は、本実施形態のコントローラ100における、上記書換え可能な不揮発性メモリの記憶内容(設定値)が変更される場合の動作フローチャートである。
図11に示すように、SoC110のCPU111は、設定値を変更する操作が行われると、上記書換え可能な不揮発性記憶装置の設定値を変更する(S201)。
次いで、CPU111は、その設定値の上記属性を参照し、再起動が必要な場合は(S202でYes)、再起動フラグをセットし(S203)、そうでなければ(S202でNo)、S204へ移行し、設定が終了したか判断する。ここで設定操作が継続されていれば(S204でNo)、CPU111は、処理をS201に戻す。
一方、設定が終了したとき(S204でYes)、CPU111は、再起動フラグがセットされていなければ(S205でNo)そのとき動作している(選択されている)USBデイバイスコントローラ(112、122)の動作状態を維持し、再起動フラグがセットされていれば(S205でYes)、機器を再起動させる再起動シーケンスを起動することとなる。
このように、機器の再起動を必要とする場合に自動的に機器を再起動するようにした場合、メモリ130に含まれる書換え可能な不揮発性記憶装置の記憶内容の反映タイミングを機器の起動時とした場合でも、その反映が確実におこなわれるようになる。またネットワーク通信により遠隔地から設定を行う場合は、機器の電源の操作は通常不可能であり、このような機能が搭載されていることが望ましい。
本実施形態では、コントローラ100が搭載される機器が多機能であっても、有効とする機能を任意に設定できるので、ユーザ側の利便性が向上する。また、特定の機能を使うことが無いことがわかっている場合には、より消費電力が少ない状態で必要とされる機能を提供することができる。
(第3の実施形態)
複数種類の機器で共通に使用される制御装置の利用形態として、通信接続端子であるUSBコネクタの非実装が想定される場合がある。例えば、制御装置が大型の印刷装置を制御する場合など、一般的にユーザがUSB接続を必要としない機器では、USBコネクタ自体を非実装にするケースがある。一方、そのような機器でも、USB接続を利用したいというユーザ向けに、通信接続端子部分のみをオプションパーツとして提供し、それを制御装置に装着することでUSB印刷を可能にするというケースもある。このような場合、USBコネクタが実装されているか検知可能であれば、USB切替器140によって接続させる通信接続端子を適切に選択できる。なお、ここでは、物理的なUSBコネクタを含むパーツであって、制御装置本体に接続可能なものを通信接続端子と称す。
複数種類の機器で共通に使用される制御装置の利用形態として、通信接続端子であるUSBコネクタの非実装が想定される場合がある。例えば、制御装置が大型の印刷装置を制御する場合など、一般的にユーザがUSB接続を必要としない機器では、USBコネクタ自体を非実装にするケースがある。一方、そのような機器でも、USB接続を利用したいというユーザ向けに、通信接続端子部分のみをオプションパーツとして提供し、それを制御装置に装着することでUSB印刷を可能にするというケースもある。このような場合、USBコネクタが実装されているか検知可能であれば、USB切替器140によって接続させる通信接続端子を適切に選択できる。なお、ここでは、物理的なUSBコネクタを含むパーツであって、制御装置本体に接続可能なものを通信接続端子と称す。
本実施形態では、物理的なUSBコネクタが実装されているか否かを検知するために、図12に示すように、制御装置本体上の、通信接続端子を繋ぐための1以上の接続コネクタ(通信端点)170に、同図に示す信号線群を繋ぐ構成をとる。また、この接続コネクタ170と通信接続端子は、接続コネクタ170に通信接続端子が装着された場合に、USBコネクタに対し各信号線がUSB規格に従った接続となるよう構成されている。
図12に示す、Vbus、D+、D−、GNDは、USB規格に従う通信接続端子に必要な信号線群である。場合によっては、Vbusの接続が無い場合もあるため、Vbusの信号線は任意となる。Sense信号線は物理的な通信接続端子を提供する基板上でGNDに接続されている。また、SoC110側では、当該Sense信号線をプルアップ抵抗により、電位をかけておく。このSense信号線端子の電位を読み取ることで、SoC110のCPU111は、物理的なUSBコネクタが実装されているか否かを検出することが可能となる。
図13に、本実施形態の制御装置(コントローラ)100bの構成を示すブロック図を示す。
同図に示すように、前述の第1の実施形態のコントローラ100に対し、本実施形態のコントローラ100bでは、通信接続端子が装着可能な接続コネクタ170が複数あって、これらがUSB切替器(バススイッチ)140bに接続されている。
実装検知部114は、上述した信号線群およびプルアップ抵抗を含み、上述のようにして物理的なUSBコネクタを含む通信接続端子の実装/非実装を検知可能とする。この実装検知部114は、SoC110内部の一モジュールとして実装することが可能であり、この場合標準IO(GPIO)で実現される。プルアップ抵抗はGPIOの機能の一部として実装されている場合もあり、また、その機能を有さないGPIOであれば、外部に個別部品として実装されることとなる。
USB切替器(バススイッチ)140bは、SoC110のCPU111が第1の実施形態にて前述したように通信制御装置を選択する際、SoC110のCPU111による制御により、実装検知部114が物理的なUSBコネクタの実装を検知した通信接続端子からの信号線を、選択された通信制御装置(112または122)に接続する切り替えを行う。
なお、本実施形態のコントローラ100bにおけるその他のハードウェア構成は、第1の実施形態のコントローラ100と同様である。また、通信制御装置であるUSBデバイスコントローラ(112、122)の選択の手法は、基本的には第1の実施形態の場合と同様であるが、物理的なUSBコネクタが実装された通信接続端子が全くない場合は、全てのUSBデバイスコントローラ(112および122)を最低消費電力の状態とする。また、物理的なUSBコネクタが実装された通信接続端子が複数ある場合は、用途を制限した形ですべての通信接続端子を選択されたUSBデバイスコントローラ(112または122)に接続することも可能である。
100、100b コントローラ(制御装置)
111 CPU
112 USBデバイスコントローラ(USB−CTL(A))
113 PCIコントローラ(PCI−CTL)
120 省エネASIC
121 サブCPU
122 USBデバイスコントローラ(USB−CTL(B))
130 メモリ
140 USB切替器
150 操作部
160 通信I/F
111 CPU
112 USBデバイスコントローラ(USB−CTL(A))
113 PCIコントローラ(PCI−CTL)
120 省エネASIC
121 サブCPU
122 USBデバイスコントローラ(USB−CTL(B))
130 メモリ
140 USB切替器
150 操作部
160 通信I/F
Claims (9)
- 機器に搭載され当該機器を制御する制御装置であって、
外部機器と通信を行うための一つの通信接続端子を通して前記外部機器と通信が可能な複数の通信制御装置と、
前記通信接続端子を前記複数の通信制御装置のいずれかに接続するための切替器と、
前記複数の通信制御装置のうちの、当該制御装置が搭載される機器にて有効な当該機器の機能に適合しかつ消費電力が最低となる一つを選択し、選択した通信制御装置と、前記通信接続端子とを前記切替器により接続させ、選択しなかった他の通信制御装置の消費電力が最低となるよう制御する制御部と、
を備えた制御装置。 - 機器に搭載され当該機器を制御する制御装置であって、
外部機器と通信を行うための複数の通信接続端子のいずれかを通して通信が可能な複数の通信制御装置と、
前記複数の通信接続端子の各々を前記複数の通信制御装置のいずれかに接続するための切替器と、
前記複数の通信制御装置のうちの、当該制御装置が搭載される機器にて有効な機能に適合しかつ消費電力が最低となる一つを選択し、選択した通信制御装置と、前記通信接続端子とを前記切替器により接続させ、選択しなかった他の通信制御装置の消費電力が最低となるよう制御する制御部と、
を備えた制御装置。 - 前記有効な機能とは、当該制御装置が搭載される機器が有する機能である、請求項1または請求項2に記載の制御装置。
- 前記有効な機能とは、前記機器が有する機能のうち、当該制御装置に設けられる記憶装置の記憶内容として、有効な機能として指定された機能である、請求項1または請求項2に記載の制御装置。
- 当該制御装置が搭載される機器を操作するための操作部よりユーザが前記記憶装置の記憶内容を更新することにより、前記有効な機能を指定する、請求項4に記載の制御装置。
- ユーザが操作する外部装置からのネットワーク通信により前記記憶装置の記憶内容を更新することにより、前記有効な機能を指定する、請求項4に記載の制御装置。
- 前記制御部は、前記記憶装置の記憶内容の更新に伴い機器の再起動が必要であると判断される場合、当該制御装置が搭載された機器を自動で再起動させる、請求項4または請求項5に記載の制御装置。
- 前記通信接続端子を装着可能な1以上の通信端点と、
前記通信端点における前記通信接続端子の実装/非実装を検知する実装検知部と、
を有し、
前記制御部は、
前記複数の通信制御装置のうちの、当該制御装置が搭載される機器にて有効な機能に適合しかつ消費電力が最低となる一つを選択し、選択した通信制御装置と、前記実装検知部が実装を検知した前記通信接続端子とを前記切替器により接続させ、選択しなかった他の通信制御装置の消費電力が最低となるよう制御する
請求項2に記載の制御装置。 - 機器に搭載され当該機器を制御する制御装置における制御方法であって、
前記制御装置の制御部が、
外部機器と通信を行うための一つの通信接続端子を通して前記外部機器と通信が可能な複数の通信制御装置のうちの、当該制御装置が搭載される機器にて有効な当該機器の機能に適合しかつ消費電力が最低となる一つを選択し、
選択した通信制御装置と、前記通信接続端子とを、前記通信接続端子を前記複数の通信制御装置のいずれかに接続するための切替器により接続させ、
選択しなかった他の通信制御装置の消費電力が最低となるよう制御する、
制御方法。
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