JP2017068214A - 発音制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドラムの演奏を行う際に、簡便に騒音対策を行いつつ、演奏方法に制約が生じることがないようした発音制御装置を提供する。【解決手段】被加振部であるパッド10が固定されたパッド土台113とリム部111とガイド部110とを一体化した筐体11がリング部16によりフープの取り外されたアコースティックドラムに固定される。パッド土台113の下面のセンサ13は、パッド10およびリム部111の振動を検出し、このセンサ13の出力信号は信号処理部17およびゲイン調整部18を介し、駆動信号としてアクチュエータ15に供給される。アクチュエータ15は、駆動信号に応じてアコースティックドラムのドラムヘッドを加振する。【選択図】図1
Description
本発明は、ドラムに設置する発音制御装置に関する。
アコースティックドラムは、演奏者がアコースティックドラムのヘッドに打撃を加えることで生じた振動を音として放音する。一方、電子ドラムは、演奏者が電子ドラムのパッドに打撃を加えることで生じた振動を電気信号に変換し、その電気信号に信号処理を施してスピーカやヘッドフォンから音として放音する。アコースティックドラムや電子ドラムに対する演奏操作としては、ヘッド或いはパッドに打撃を加えることの他にヘッド或いはパッドをブラシで擦る操作が挙げられる。これらは、いずれもヘッド或いはパッドに振動を発生させる操作であるため、以下においては、これらの操作を「加振」と総称する。
さて、アコースティックドラムの演奏音の音量はヘッドを加振する際の力加減で調整可能である。しかし、力を加減しつつ演奏したのでは本来の演奏からかけ離れたものとなり、練習にならない。そこで、アコースティックドラムの演奏者は、演奏音が騒音となって周囲に迷惑をかけることを回避するため、騒音対策が施された場所で演奏練習を行うことが多い。このようにアコースティックドラムには、演奏を行う場所に制約があるといった問題があった。
これに対して、電子ドラムにはこのような制約はない。なぜなら、電子ドラムのパッドを加振しても、パッドの振動により大きな音が発生することはなく、スピーカから放音する演奏音の音量を充分に小さく調整しておくこと、或いはヘッドフォンを用いることで騒音の発生を簡便に回避できるからである。
そこで、アコースティックドラムのヘッドを電子ドラムのパッドに置き換えること(例えば、非特許文献1)、或いはアコースティックドラムのヘッドに電子ドラムのパッドを載せること(例えば、非特許文献2)で、簡便に騒音対策を行いつつアコースティックドラムの演奏を行えるようにする技術が種々提案されている。
Pearl社、Pearl ePro Live、平成27年6月26日検索、[online]、<URL:http://www.e-prolive.com/>
Rock oN Show Report NAMM2015 Day2:NFUZD audio、平成27年6月26日検索、[online]、<http://www.miroc.co.jp/show-report/namm2015/archives/1563>
非特許文献1の技術では、アコースティックドラムのヘッドを電子ドラムのパッドに置き換える作業が煩雑であるとともに、経済的負担が大きいという問題がある。これに対し、非特許文献2の技術は、アコースティックドラムのヘッドに電子ドラムのパッドを載せるだけで演奏を行うことができるので、演奏に先立って行う作業が簡単である。しかし、非特許文献2の技術には、電子ドラムのパッドをアコースティックドラムに強固に固定できないという問題がある。そのため、非特許文献2の技術では、電子ドラムのパッドの最外周近傍を加振すると、電子ドラムのパッドがアコースティックドラムに対して浮き上がる。さらに、加振する力加減によっては電子ドラムのパッドが裏返る可能性がある。そこで、非特許文献2の技術を用いたアコースティックドラムの演奏を行う場合は、電子ドラムのパッドがアコースティックドラムに対して浮き上がらないように力加減を調整して演奏せざるを得ず、演奏方法に制約が生じる。
この発明は以上説明した事情に鑑みて為されたものであり、ドラムの演奏を行う際に、簡便に騒音対策を行いつつ、演奏方法に制約が生じることがないようにする技術を提供することを目的とする。
この発明は、被加振部を有し、前記被加振部に発生する振動に応じて発音の制御を行う発音制御装置であって、当該発音制御装置をドラムヘッドと共にシェルに固定する固定部と、前記被加振部に発生する振動に応じて前記ドラムヘッドを加振するアクチュエータと、を有することを特徴とする発音制御装置を提供する。
この発明によれば、発音制御装置が固定部によりシェルに固定されるので、力加減を調整して被加振部を加振する必要がなく、演奏方法に制約が生じるのを回避することができる。さらに、この発明によれば、発音制御装置とともにその一部であるアクチュエータがシェルに固定されるので、被加振部の加振が行われる状況においても、アクチュエータの加振力を適切にドラムヘッドに伝達することができる。従って、力加減を調整して被加振部を加振する必要がなく、演奏方法に制約が生じるのを回避することができる。
より好ましい態様において、固定部は、ドラムヘッド外縁を案内する円環状のガイド部と、発音制御装置の外周に設けられ、シェルに設けられたラグに対応する位置に孔が形成されているリング部と、を有する。
この態様によれば、発音制御装置は、ガイド部とリング部により、シェルに固定される。
より好ましい態様において、各々が被加振部であるパッドおよびパッドの外周に設けられたリム部と、パッドに生じた振動を検出し、当該検出した振動に応じた信号を出力する第1のセンサと、リム部に生じた振動を検出し、当該検出した振動に応じた信号を出力する第2のセンサとを有し、アクチュエータは、第1のセンサが出力する信号および第2のセンサが出力する信号に応じて、ドラムヘッドを加振する。
この態様によれば、パッドを加振することによりパッドに生じる振動およびリム部を加振することによりリム部に生じる振動に応じてドラムの打面の加振が行われる。したがって、この態様によれば、簡便に騒音対策を行いつつ、通常のドラムの打面を加振することにより得られる演奏音およびリムショットにより得られる演奏音と同様な音色を持った演奏音を発音制御装置の設置されたドラムヘッドから得ることができる。
より好ましい態様において、発音制御装置におけるパッドとリム部の頂上との間の距離は、ドラムヘッドとリムの頂上との間の距離と略一致する。
この態様によれば、上記各態様の効果に加え、演奏者は従来のドラムを演奏しているのと同様な感覚で発音制御装置を設置したドラムを演奏することができるという効果が得られる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1(a)〜(c)は、この発明の第1実施形態である発音制御装置1の構成を示す図である。ここで、図1(a)は、同発音制御装置1を演奏者側から見た平面図、図1(b)は図1(a)のA−A’線断面図、図1(c)は、発音制御装置1を図1(a)の反対側から見た背面図である。この発音制御装置1は、アコースティックドラム2の上に設置され、演奏者の演奏操作に応じて、そのアコースティックドラム2の発音制御を行う装置である。
図1(a)〜(c)は、この発明の第1実施形態である発音制御装置1の構成を示す図である。ここで、図1(a)は、同発音制御装置1を演奏者側から見た平面図、図1(b)は図1(a)のA−A’線断面図、図1(c)は、発音制御装置1を図1(a)の反対側から見た背面図である。この発音制御装置1は、アコースティックドラム2の上に設置され、演奏者の演奏操作に応じて、そのアコースティックドラム2の発音制御を行う装置である。
図1(a)〜(c)に示すように、発音制御装置1は、パッド10と、筐体11と、センサ13と、インシュレータ14と、アクチュエータ15と、リング部16と、信号処理部17と、ゲイン調整部18とを有する。パッド10は、加振される円板状の打面101を上面に有する部材であり、例えば電子ドラムのパッドである。筐体11は、上面にパッド10が固定された円板状のパッド土台113と、その外周縁において上方に突き出したリム部111と、下方に突き出したガイド部110とを一体化してなるものである。ここで、リム部111および上述のパッド10は演奏操作により加振される被加振部である。リング部16は、図1(a)および(b)に示すように筐体11の外周に設けられている。上述したガイド部110とこのリング部16は、発音制御装置1とアコースティックドラム2を固定するための固定部として機能する。パッド土台113の下面には、センサ13と、インシュレータ14と、アクチュエータ15と、リング部16と、信号処理部17と、ゲイン調整部18が配置されている。センサ13は、被加振部であるパッド10およびリム部111の各々に生じた振動を合成した振動を検出するセンサである。センサ13の出力信号は信号処理部17およびゲイン調整部18を介してアクチュエータ15に供給される。このアクチュエータ15はインシュレータ14を介してパッド土台113の下面に固定されており、ゲイン調整部18からの信号に応じてアコースティックドラム2の打面を加振する。以上が発音制御装置1の構成の概略である。なお、発音制御装置1の構成の詳細については後述する。
次に図2(a)〜(c)を参照し、発音制御装置1のアコースティックドラム2への設置態様を説明する。図2(a)は、発音制御装置1の設置対象であるアコースティックドラム2の構成を示す断面図である。このアコースティックドラム2は、例えばタムである。
図2(a)に示すように、アコースティックドラム2は、ドラムヘッド20、フープ21、フレッシュフープ22およびシェル24を含む。シェル24は、上下両端が開放した円筒形状をなしている。ドラムヘッド20は、このシェル24の開口端を覆うように設けられている。演奏者は、このドラムヘッド20を例えばスティックで加振することで音を放音する。ドラムヘッド20は、ドラムヘッド20の外縁をなすフレッシュフープ22によりシェル24に固定され、フープ21はフレッシュフープ22を上から押さえつけている。フープ21において、フレッシュフープ22とは反対側がリムである。図2(a)では図示を省略したが、シェル24の側面にはラグとチューニングピンが設けられている。ドラムヘッド20のテンションは、このラグとチューニングピンによって調整される。このドラムヘッド20のテンションを調整することで、アコースティックドラム2が放音する音の音色に変化を付けることができる。
アコースティックドラム2に発音制御装置1を設置する場合、まず、図2(a)に示すアコースティックドラム2から図2(b)に示すようにフープ21を取り外す。次に図2(c)に示すように、フープ21の取り外されたアコースティックドラム2のドラムヘッド20の上方に筐体11のパッド土台113を対向させ、発音制御装置1をアコースティックドラム2に固定する。
ここで、図1(a)〜(c)および図2(a)〜(c)を参照し、本実施形態による発音制御装置1のうちアコースティックドラム2への設置のために機能する各部分の詳細について説明する。
上述したように、筐体11は、円板状のパッド土台113の外周縁から上方向に突き出したリム部111と下方向に突き出したガイド部110とを有している。このリム部111およびガイド部110は、アコースティックドラム2のフープ21に対応している。ここで、ガイド部110は、パッド土台113の外周と略同径であり、パッド土台113の直下に位置する第1の円筒と、その下に位置する第2の円筒とを各々の中心軸を一致させて連結した円環状をしている。ここで、第1の円筒は、パッド土台113の外周と略同径であり、その下の第2の円筒は、第1の円筒よりも大きな直径を有し、図2(c)に示すフレッシュフープ22を丁度収容し得る程度の開口面積を有している。
本実施形態では、図2(c)に示すように、発音制御装置1のガイド部110(より具体的には上記第1の円筒の下端)をアコースティックドラム2のフレッシュフープ22の上に載せることによりフレッシュフープ22を案内し、発音制御装置1のパッド土台113をアコースティックドラム2のドラムヘッド20の上方に配置して固定する。この状態において、発音制御装置1のパッド土台113は、所定寸法の空間を挟んでアコースティックドラム2のドラムヘッド20と対向する。
好ましい態様において、ガイド部110のフレッシュフープ22と接する面には、緩衝材が敷き詰められており、発音制御装置1をアコースティックドラム2に設置する際には、この緩衝材がフレッシュフープ22と接する。この態様によれば、演奏者がパッド10を加振することで生じるパッド土台113の振動がアコースティックドラム2に伝達されてアコースティックドラム2が鳴ることを防止することができる。
また、筐体11の外周縁には、図1(a)および(c)に示すように複数のリング部16が設けられている。このリング部16は、アコースティックドラム2のシェル24に設けられるラグとチューニングピン(図2では図示略)に対応している。演奏者がこのリング部16に設けられた孔にアコースティックドラム2のチューニングピンを挿入して回し、ラグにチューニグピンを挿入して回すと、ガイド部110が下方に移動して図2(c)のフレッシュフープ22を押し下げ、アコースティックドラム2のドラムヘッド20のテンションを高める。従って、このリング部16の孔にアコースティックドラム2のチューニングピンを挿入して適度に回すことにより、発音制御装置1をアコースティックドラム2に強固に固定し、かつ、ドラムヘッド20に適度なテンションを与えることができる。
以上が本実施形態による発音制御装置1のうちアコースティックドラム2への設置のために機能する各部分の詳細である。次に本実施形態による発音制御装置1の他の部分の詳細について説明する。
リム部111は、アコースティックドラム2のリムを模した円筒形状を有している。具体的にはパッド10の表面(図1(b)および図2(c)では上面)からリム部111の頂上までの高さc1は、アコースティックドラム2のドラムヘッド20からリムの頂上までの高さc2と略一致している。また、リム部111の直径a1と被加振部である打面101の直径b1との比は、アコースティックドラム2のリムの直径a2とドラムヘッド20の打面の直径b2との比に略一致している。
リム部111はアコースティックドラム2のリムを模しているため、発音制御装置1をアコースティックドラム2へ設置しても、演奏者は、発音制御装置1を設置していない通常のアコースティックドラム2と同様に演奏することができる。特に、高さc1が高さc2と略一致しているため、演奏者は通常のアコースティックドラム2と同様に演奏することができる。
好ましい態様において、リム部111は、ゴムシート等の柔軟素材により構成されている。この態様によれば、演奏者がリム部111を加振するリムショットを行った場合に、リム部111が振動しにくいため、周囲への騒音が発生するのを防止することができる。
センサ13は、パッド土台113の下面の中心付近に位置している。このセンサ13には、パッド10の打面101に発生した振動とリム部111に発生した振動が伝達される。従って、センサ13は、打面101に発生した振動とリム部111に発生した振動を合成した振動を検出し、その振動波形を示す信号を信号処理部17に出力する。
信号処理部17は、センサ13の出力信号に様々な信号処理を施し、ゲイン調整部18に出力する。ある好ましい態様では、信号処理部17は、センサ13の出力信号をその信号波形を維持したままゲイン調整部18に出力する。他の好ましい態様において、信号処理部17は、センサ13の出力信号にフィルタ処理を施してゲイン調整部18に出力する。さらに他の好ましい態様において、信号処理部17は、センサ13の出力信号の振幅、周波数等に基づいて、予め記憶した複数種類の波形の信号の中から1つの信号を選択し、ゲイン調整部18に出力する。
ゲイン調整部18は、信号処理部17の出力信号を増幅し、駆動信号としてアクチュエータ15に供給する。演奏者は、ゲイン調整部18におけるゲインを適宜調整することができる。このゲイン調整部18におけるゲインの調整により、演奏者の力加減によるアコースティックドラム2の音量の調整よりも細やかな音量の調整を行うことができる。
好ましい態様において、信号処理部17とゲイン調整部18は、発音制御装置1の制御中枢となるCPUがプログラムを実行することにより実現される機能である。他の好ましい態様において、信号処理部17とゲイン調整部18は、アナログ回路等により構成される。
アクチュエータ15は、インシュレータ14を間に挟んでパッド土台113の下面の中心付近に固定されている。アクチュエータ15をパッド土台113の下面の中心付近に設けるのは、通常、アコースティックドラム2の演奏者は、ドラムヘッド20の中心付近を加振して演奏するのが一般的であるからである。アクチュエータ15は、ゲイン調整部18から供給される駆動信号に応じて、アコースティックドラム2のドラムヘッド20を加振する。
本実施形態では、発音制御装置1がアコースティックドラム2に設置された状態において、アクチュエータ15の下面である加振部がアコースティックドラム2のドラムヘッド20と接し、或いはドラムヘッド20に数mm程度押し込まれるように、ガイド部110の高さが定められている。このため、アクチュエータ15により効率良くドラムヘッド20を加振することができる。この設置状態においては、アクチュエータ15は下方に変位しても上方に変位してもドラムヘッド20と接し離れないため、駆動信号に応じたアクチュエータ15の動きを忠実にドラムヘッド20に伝え、発生音を生じることができる。
アクチュエータ15とパッド土台113との間に挟まれたインシュレータ14は、防振部材である。このインシュレータ14は、アクチュエータ15の振動がパッド土台113を介してセンサ13に伝わってハウリングが発生することを回避するためのものである。
以上が本実施形態による発音制御装置1の詳細である。
以上が本実施形態による発音制御装置1の詳細である。
以上の構成において、演奏者は例えばスティックにより発音制御装置1のパッド10の打面101やリム部111を加振して演奏を行う。その際、パッド10が固定されたパッド土台113やリム部111を一体化した筐体11は、リング部16によりアコースティックドラム2に強固に固定されている。従って、パッド10やリム部111を激しく加振する演奏が行われる場合でも、被加振部であるパッド10やリム部111のアコースティックドラム2に対する位置ずれを防止することができる。従って、演奏方法に制約が生じることがない。
また、パッド10の打面101やリム部111を加振する演奏が行われる場合、センサ13は、この加振により生じた振動を検出し、その検出した振動に応じた信号を出力する。このセンサ13の出力信号は、信号処理部17およびゲイン調整部18の処理を経て、駆動信号としてアクチュエータ15に供給される。そして、アクチュエータ15は、この駆動信号に応じてアコースティックドラム2のドラムヘッド20を加振する。
ここで、仮に筐体11がアコースティックドラム2に強固に固定されておらず、パッド土台113の下面のアクチュエータ15が単にドラムヘッド20の上に載っているだけだと、アクチュエータ15がドラムヘッド20に加振力を与える場合に、その反力によりアクチュエータ15およびパッド土台113が浮き上がる。このため、アクチュエータ15からドラムヘッド20に適切に加振力を伝達することができない。しかしながら、本実施形態では、アクチュエータ15が筐体11のパッド土台113に固定されており、この筐体11がリング部16によりアコースティックドラム2に強固に固定されている。従って、アクチュエータ15の加振力を適切にアコースティックドラム2のドラムヘッド20に伝達することができる。
また、本実施形態によれば、発音制御装置1がアコースティックドラム2に設置された状態において、アコースティックドラム2のドラムヘッド20は、発音制御装置1のパッド土台113により覆われ、アクチュエータ15以外によりドラムヘッド20が加振されることはない。従って、本実施形態によれば、演奏によって騒音が発生するのを防止することができる。
また、本実施形態において、演奏者は、ゲイン調整部18におけるゲインを適宜調整することにより、アクチュエータ15からアコースティックドラム2のドラムヘッド20に伝達される加振力を調整し、アコースティックドラム2から放音される音の音量を周囲への騒音とならないように調整することができる。
また、本実施形態によれば、アコースティックドラム2からフープ21を取り外し、そのアコースティックドラム2のフレッシュフープ22の上に、発音制御装置1のガイド部110を載せて、リング部16により発音制御装置1をアコースティックドラム2に固定する、という簡単な作業により発音制御装置1をアコースティックドラム2に設置可能である。従って、本実施形態によれば、簡単な作業により、演奏時の騒音対策を講じることができる。
また、本実施形態によれば、パッド10の打面101に生じた振動と、リム部111に生じた振動とを合成した振動に応じてアクチュエータ15がドラムヘッド20を加振するので、ドラムヘッド20やリムへの加振が行われるアコースティックドラム2から得られる音と同様な音を得ることができる。
<第2実施形態>
図3は、この発明の第2実施形態の発音制御装置3の構成および同発音制御装置3のアコースティックドラム2への設置態様を示す断面図である。図3では、図1におけるものと同一の構成要素には同一の符号が付されている。発音制御装置1と発音制御装置3の違いは、リムセンサ12と信号処理部17である。ここで、リムセンサ12は、リム部111の内側の壁面の一部分にのみ設けられている。以下、リムセンサ12と信号処理部17を中心に説明する。
図3は、この発明の第2実施形態の発音制御装置3の構成および同発音制御装置3のアコースティックドラム2への設置態様を示す断面図である。図3では、図1におけるものと同一の構成要素には同一の符号が付されている。発音制御装置1と発音制御装置3の違いは、リムセンサ12と信号処理部17である。ここで、リムセンサ12は、リム部111の内側の壁面の一部分にのみ設けられている。以下、リムセンサ12と信号処理部17を中心に説明する。
本実施形態において、リムセンサ12はリム部111に設けられ、主としてリム部111に加えられた振動を検出し、検出した振動に応じた出力信号を信号処理部17に出力する。センサ13は、主としてパッド10の打面101に加えられた振動を検出し、検出した振動に応じた出力信号を信号処理部17に出力する。
信号処理部17は、センサ13の出力信号とリムセンサ12の出力信号からアクチュエータ15を駆動するための信号を生成する信号処理を実行する。以下、この信号処理部17が行う信号処理の例を説明する。
信号処理部17は、センサ13の出力信号およびリムセンサ12の出力信号の少なくとも一方の振幅が立ち上がると、センサ13の出力信号およびリムセンサ12の出力信号に基づいて演奏者によって行われた演奏形態の判別を行う。
本実施形態では、演奏形態として次のような各形態を想定している。
演奏形態a:スティックによりパッド10に打撃を加える
演奏形態b:ブラシによりパッド10を擦る
演奏形態c:スティックによりリム部111を加振する
演奏形態d:オープンリムショット
演奏形態e:クローズリムショット
ここで、オープンリムショットとは、スティックのチップとシャフトとによりパッド10とリム部111を同時に打撃する演奏形態である。また、クローズリムショットとは、スティックの一端をパッド10に当て、そこを支点にしてスティックを旋回させ、スティックの途中の部分によりリム部111を打撃する演奏形態である。
演奏形態a:スティックによりパッド10に打撃を加える
演奏形態b:ブラシによりパッド10を擦る
演奏形態c:スティックによりリム部111を加振する
演奏形態d:オープンリムショット
演奏形態e:クローズリムショット
ここで、オープンリムショットとは、スティックのチップとシャフトとによりパッド10とリム部111を同時に打撃する演奏形態である。また、クローズリムショットとは、スティックの一端をパッド10に当て、そこを支点にしてスティックを旋回させ、スティックの途中の部分によりリム部111を打撃する演奏形態である。
信号処理部17は、センサ13の出力信号およびリムセンサ12の出力信号の少なくとも一方の振幅が立ち上がるとき、その時点におけるセンサ13の出力信号およびリムセンサ12の出力信号の振幅の立ち上がりの時間レート、周波数等に基づいて、演奏者によって行われた演奏形態が上記演奏形態a〜eのいずれであるかを判別する。
演奏形態の判別が終了すると、信号処理部17は、アクチュエータ15を駆動するための信号として、判別した演奏形態に対応した信号を生成する。ある好ましい態様において、発音制御装置3の不揮発性メモリ(図示略)には、上記演奏形態a〜eに対応付けて、アクチュエータ15を駆動するための信号波形のサンプル列を記憶している。信号処理部17は、これらのうち判別した演奏形態に対応付けられたサンプル列を読み出してD/A変換し、ゲイン調整部18に出力する。他の好ましい態様において、同不揮発性メモリには、上記演奏形態a〜eに対応付けて、センサ13の出力信号およびリムセンサ12の出力信号の各々に施すフィルタ処理のフィルタ係数の組、フィルタ処理を経たセンサ13の出力信号およびリムセンサ12の出力信号のミキシング比率が記憶されている。信号処理部17は、これらのうち判別した演奏形態に対応付けられたフィルタ係数の組、ミキシング比率を読み出し、読み出したフィルタ係数の組を用いた各フィルタ処理をセンサ13の出力信号およびリムセンサ12の出力信号に各々施し、フィルタ処理後の各信号を読み出したミキシング比率でミキシングしてゲイン調整部18に出力する。
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、簡便に騒音対策を行いつつ、演奏方法に制約が生じることを回避することができる。さらに、本実施形態によれば、パッド10に生じた振動を示すセンサ13の出力信号と、リム部111に生じた振動を示すリムセンサ12の出力信号が別個に得られる。そして、信号処理部17では、センサ13の出力信号とリムセンサ12の出力信号とからアクチュエータ15を駆動するための信号を生成する。従って、多彩な演奏形態に対応した多彩な音色の演奏音を得ることができ、演奏の表現力を高めることができる。
<他の実施形態>
以上、この発明の第1および第2実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態があり得る。例えば次の通りである。
以上、この発明の第1および第2実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態があり得る。例えば次の通りである。
(1)上記各実施形態において、パッド土台113に複数のセンサ13を設け、信号処理部17がそれらの複数のセンサ13の出力信号を用いてアクチュエータ15を駆動するための信号を生成するようにしてもよい。
(2)上記第2実施形態では、図3に示すように、リムセンサ12がリム部111の内側の壁面に設けられているが、リムセンサ12をリム部111の内部に埋め込んでもよい。要は、リム部111に加えられた振動を検出できるのであれば、リムセンサ12のリム部111への設置対象はどのような態様であってもよい。
(3)上記各実施形態において、発音制御装置1(3)は、ドラムヘッド20を加振するアクチュエータ15を有していたが、発音制御装置1(3)がアクチュエータ15を有さない態様であってもよい。例えば、発音制御装置1(3)は、パッド10やリム部111の振動を検出し、この検出した振動に応じて電子音源を駆動するものであってもよい。
(4)上記各実施形態では、パッド10は電子ドラムのパッドであったが、これに限られない。例えば、パッド10がゴム素材の円盤であってもよい。
(5)上記各実施形態では、発音制御装置1や発音制御装置3をアコースティックドラム2に設置していたが、他の種類のドラムに設置してもよい。電子ドラムに発音制御装置1や発音制御装置3を設置してもよい。その場合、センサ13やリムセンサ12、信号処理部17の信号処理の内容を設置するドラムに応じて変更すればよい。
(6)上記第2実施形態では、信号処理部17が演奏形態の判別をしていたが、センサ13の出力信号とリムセンサ12の出力信号を適当なバランスで足しあわせたものをそのままゲイン調整部18に出力してもよい。
1,3……発音制御装置、10……パッド、101……打面、11……筐体、113……パッド土台、110……ガイド部、111……リム部、12……リムセンサ、13……センサ、14……インシュレータ、15……アクチュエータ、16……リング部、17……信号処理部、18……ゲイン調整部、2……アコースティックドラム、20……ドラムヘッド、21……フープ、22……フレッシュフープ、24……シェル。
Claims (4)
- 被加振部を有し、前記被加振部に発生する振動に応じて発音の制御を行う発音制御装置であって、
当該発音制御装置をドラムヘッドと共にシェルに固定する固定部と、
前記被加振部に発生する振動に応じて前記ドラムヘッドを加振するアクチュエータと、
を有することを特徴とする発音制御装置。 - 前記固定部は、
前記ドラムヘッド外縁を案内する円環状のガイド部と、
当該発音制御装置の外周に設けられ、前記シェルに設けられたラグに対応する位置に孔が形成されているリング部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の発音制御装置。 - 各々が前記被加振部であるパッドおよび前記パッドの外周に設けられたリム部と、
前記パッドに生じた振動を検出し、当該検出した振動に応じた信号を出力する第1のセンサと、
前記リム部に生じた振動を検出し、当該検出した振動に応じた信号を出力する第2のセンサとを有し、
前記アクチュエータは、前記第1のセンサが出力する信号および前記第2のセンサが出力する信号に応じて、前記ドラムヘッドを加振することを特徴とする請求項1または2に記載の発音制御装置。 - 前記発音制御装置における前記パッドと前記リム部の頂上との間の距離は、前記ドラムヘッドとリムの頂上との間の距離と略一致することを特徴とする請求項3に記載の発音制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2015197061A JP2017068214A (ja) | 2015-10-02 | 2015-10-02 | 発音制御装置 |
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JP2015197061A JP2017068214A (ja) | 2015-10-02 | 2015-10-02 | 発音制御装置 |
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JP2017068214A true JP2017068214A (ja) | 2017-04-06 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2015
- 2015-10-02 JP JP2015197061A patent/JP2017068214A/ja active Pending
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JP6207113B1 (ja) * | 2017-05-08 | 2017-10-04 | Atv株式会社 | 電子打楽器 |
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