JP2017067639A - 光学式表面検査装置及び光学式表面検査方法 - Google Patents

光学式表面検査装置及び光学式表面検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検査物に存在する凹凸のある欠陥を精度良く検出する。
【解決手段】演算部521は、欠陥による正反射光の光軸の傾きを検出する。比較部522は、正反射光の光軸の傾きを、プラス側の第1のしきい値及びマイナス側の第2のしきい値と比較して、正反射光の光軸の傾きが、第1のしきい値又は第2のしきい値を超えた超過点と、第1のしきい値又は第2のしきい値以内に復帰した復帰点と、超過点から復帰点までの間で、正反射光の光軸の傾きがプラス側又はマイナス側のピーク値となったピーク点とを検出する。検出部524は、超過点、復帰点、及びピーク点のデータから、超過点から復帰点までの、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値を検出し、判定部525は、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値から、欠陥の凹凸を判定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、磁気ディスク又はその基板(以下、これらを総称して、「磁気ディスク」と呼ぶ)や、光学メディア、ウエハ、ガラス基板等の表面を光学的に検査する光学式表面検査装置及び光学式表面検査方法に関する。
磁気ディスクや、光学メディア、ウエハ、ガラス基板等の表面には、製造工程において、傷、汚れ、異物等の欠陥が発生する恐れがあるため、光学式の検査装置を用いて、欠陥の検査が行われている。例えば、特許文献1には、試料からの正反射光を複数の検出素子を有する検出器で検出し、この検出器からの出力信号を処理して試料上の欠陥の凹凸を判定するようにした磁気メディアの光学式検査方法及びその装置が開示されている。
特開2013−210232号公報
例えば、磁気ディスクの場合、ハードディスクドライブ(HDD)の記憶容量は、記録するコンテンツの容量の増大に伴い、ますます高容量化が要求されている。磁気ディスクが高容量化されると、それまでは問題とされなかった微小な欠陥も高容量化を阻害する原因となるため、その様な欠陥も検査で検出する必要がある。特許文献1に記載の技術を用いて欠陥の凹凸を判定する場合、従来は、複数の検出素子の出力信号から差Dを求めた後、差Dの値をプラス側及びマイナス側のしきい値と比較し、しきい値を超えたものについて、プラス側及びマイナス側の出現順序から、欠陥の凹凸を判定していた。しかしながら、従来の方法では、より微小な欠陥に対応するためにしきい値を小さくすると、ノイズの影響を受け易くなり、凹凸のある欠陥の検出精度が低下するという問題があった。また、従来の方法では、凹部や凸部が組み合わされた複雑な形状の欠陥を識別することができなかった。
本発明の課題は、被検査物に存在する凹凸のある欠陥を精度良く検出することである。また、本発明の課題は、凹部や凸部が組み合わされた複雑な形状の欠陥を識別することである。
本発明の光学式表面検査装置は、被検査物を移動するステージと、検査光を被検査物へ照射する検査光照射装置と、検査光が被検査物の欠陥により反射された正反射光を複数の検出素子により分割して受光して、各検出素子から検出信号を出力する正反射光検出系と、複数の検出素子から出力された各検出信号を処理して、被検査物の欠陥を検出する処理装置とを備え、処理装置が、各検出信号を演算して、欠陥による正反射光の光軸の傾きを検出する演算部と、演算部により検出された正反射光の光軸の傾きを、プラス側の第1のしきい値及びマイナス側の第2のしきい値と比較して、正反射光の光軸の傾きが、第1のしきい値又は第2のしきい値を超えた超過点と、第1のしきい値又は第2のしきい値以内に復帰した復帰点と、超過点から復帰点までの間で、正反射光の光軸の傾きがプラス側又はマイナス側のピーク値となったピーク点とを検出する比較部と、比較部により検出された超過点、復帰点、及びピーク点のデータから、超過点から復帰点までの、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値を検出する検出部と、検出部により検出された正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値から、欠陥の凹凸を判定する判定部とを有するものである。
また、本発明の光学式表面検査方法は、被検査物を移動しながら、検査光を被検査物へ照射し、検査光が被検査物の欠陥により反射された正反射光を複数の検出素子により分割して受光して、各検出素子から検出信号を出力し、複数の検出素子から出力した各検出信号を演算して、欠陥による正反射光の光軸の傾きを検出し、検出した正反射光の光軸の傾きを、プラス側の第1のしきい値及びマイナス側の第2のしきい値と比較して、正反射光の光軸の傾きが、第1のしきい値又は第2のしきい値を超えた超過点と、第1のしきい値又は第2のしきい値以内に復帰した復帰点と、超過点から復帰点までの間で、正反射光の光軸の傾きがプラス側又はマイナス側のピーク値となったピーク点とを検出し、検出した超過点、復帰点、及びピーク点のデータから、超過点から復帰点までの、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値を検出し、検出した正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値から、欠陥の凹凸を判定するものである。
被検査物を移動しながら、検査光を被検査物へ照射し、検査光が被検査物の欠陥により反射された正反射光を、複数の検出素子により分割して受光する。被検査物に凹凸のある欠陥が存在すると、正反射光の光軸がずれ、欠陥の凹凸に応じて、正反射光の光軸が変化する方向が異なる。そこで、複数の検出素子から出力し、ディジタル信号に変換した各検出信号を演算して、欠陥による正反射光の光軸の傾きを検出する。次に、検出した正反射光の光軸の傾きを、プラス側の第1のしきい値及びマイナス側の第2のしきい値と比較して、正反射光の光軸の傾きが、第1のしきい値又は第2のしきい値を超えた超過点と、第1のしきい値又は第2のしきい値以内に復帰した復帰点と、超過点から復帰点までの間で、正反射光の光軸の傾きがプラス側又はマイナス側のピーク値となったピーク点とを検出する。そして、超過点、復帰点、及びピーク点のデータから、超過点から復帰点までの、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値を検出する。少量のデータを用いた高速な処理で、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値が検出される。検出した正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値から、欠陥の凹凸を判定することにより、ノイズの影響を受けにくくなり、被検査物に存在する凹凸のある欠陥が精度良く検出される。また、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値を比較することで、凹部や凸部が組み合わされた複雑な形状の欠陥を識別することが可能となる。
さらに、本発明の光学式表面検査装置は、検出部が、超過点から復帰点までの水平方向の距離を底辺とし、ピーク点のピーク値を高さとする長方形の面積を、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値の絶対値として算出するものである。また、本発明の光学式表面検査方法は、超過点から復帰点までの水平方向の距離を底辺とし、ピーク点のピーク値を高さとする長方形の面積を、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値の絶対値として算出するものである。正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値が、容易に検出される。
あるいは、本発明の光学式表面検査装置は、検出部が、超過点から復帰点までの水平方向の距離を底辺とし、超過点、ピーク点及び復帰点を角に含む多角形の面積を、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値の絶対値として算出するものである。また、本発明の光学式表面検査方法は、超過点から復帰点までの水平方向の距離を底辺とし、超過点、ピーク点及び復帰点を角に含む多角形の面積を、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値の絶対値として算出するものである。正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値が、より正確に検出される。
本発明によれば、少量のデータを用いた高速な処理で、被検査物に存在する凹凸のある欠陥を精度良く検出することができる。また、凹部や凸部が組み合わされた複雑な形状の欠陥を識別することができる。
さらに、超過点から復帰点までの水平方向の距離を底辺とし、ピーク点のピーク値を高さとする長方形の面積を、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値の絶対値として算出することにより、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値を、容易に検出することができる。
あるいは、超過点から復帰点までの水平方向の距離を底辺とし、超過点、ピーク点及び復帰点を角に含む多角形の面積を、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値の絶対値として算出することにより、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値を、より正確に検出することができる。
本発明の一実施の形態による光学式表面検査装置の概略構成を示す図である。 表面変位測定器の概略構成を示す図である。 検出光学系の概略構成を示す図である。 磁気ディスクの平面図である。 欠陥による正反射光の光軸の傾きを説明する図である。 欠陥による正反射光の光軸の傾きを説明する図である。 本発明の一実施の形態による欠陥凹凸検査部のブロック図である。 演算部及び比較部の動作を説明する図である。 演算部及び比較部の動作を説明する図である。 演算部及び比較部の動作を説明する図である。 演算部及び比較部の動作を説明する図である。 演算部及び比較部の動作を説明する図である。 本発明の一実施の形態による検出部及び判定部の動作を説明する図である。 本発明の一実施の形態による検出部及び判定部の動作を説明する図である。 本発明の一実施の形態による検出部及び判定部の動作を説明する図である。 本発明の一実施の形態による検出部及び判定部の動作を説明する図である。 本発明の一実施の形態による検出部及び判定部の動作を説明する図である。 本発明の他の実施の形態による検出部及び判定部の動作の他の例を説明する図である。 処理装置による検出信号の処理を示すフローチャートである。
図1は、本発明の一実施の形態による光学式表面検査装置の概略構成を示す図である。本実施の形態の光学式表面検査装置100は、磁気ディスク1の表面及び裏面の欠陥を、表面及び裏面について同時に検査するものである。光学式表面検査装置100は、検査光照射装置10,10’、ミラー11、ステージ駆動装置15、ステージ16、表面変位測定器19、検出光学系20,20’、アナログディジタル変換装置40.処理装置50、入出力装置60、及び制御装置70を含んで構成されている。
被検査物である磁気ディスク1が、ステージ16に搭載されている。ステージ16は、磁気ディスク1を回転させるスピンドル17と、磁気ディスク1が回転する面内で、磁気ディスク1を少なくとも1軸方向に移動可能な直進ステージ18とを備えている。スピンドル17及び直進ステージ18は、ステージ駆動装置15により駆動される。
検査光照射装置10は、磁気ディスク1の表面へ検査光を照射する。検査光照射装置10’は、ミラー11を介して、磁気ディスク1の裏面へ検査光を照射する。検査光照射装置10,10’は、所定の波長のレーザー光を出力するレーザー光源を備えている。
表面変位測定器19は、磁気ディスク1の表面の高さの変位を測定する。図2は、表面変位測定器の概略構成を示す図である。表面変位測定器19は、投光器19aと受光器19bとを含んで構成されている。投光器19aは、光ビームを磁気ディスク1の表面へ斜めに投射する。受光器19bは、磁気ディスク1の表面へ投射された光ビームが磁気ディスク1の表面で反射された反射光を受光し、反射光の受光位置に応じた検出信号を出力する。受光器19bの検出信号は、制御装置70により処理されて、磁気ディスク1の表面の高さの変位量が検出される。
図1において、検出光学系20は、磁気ディスク1の表面へ照射された検査光が、磁気ディスク1の表面で反射された正反射光、及び磁気ディスク1の表面で散乱された散乱光を集光して検出する。検出光学系20’は、磁気ディスク1の裏面へ照射された検査光が、磁気ディスク1の裏面で反射された正反射光、及び磁気ディスク1の裏面で散乱された散乱光を集光して検出する。
図3は、検出光学系の概略構成を示す図である。検出光学系20と検出光学系20’とは、基本的に同じ構成であるので、磁気ディスク1の表面側に設けられた検出光学系20について説明する。図3(a)において、検出光学系20は、ミラー21、正反射光検出系22、及び散乱光検出系23を含んで構成されている。ミラー21は、磁気ディスク1の表面からの正反射光を、正反射光検出系22の方向へ反射させる。
正反射光検出系22は、集光レンズ24、及び正反射光検出器25を含んで構成されている。集光レンズ24は、ミラー21で反射された正反射光を集光して、平行光線束にする。正反射光検出器25は、集光レンズ24により集光された正反射光を検出する。図3(b)は、正反射光検出器25の正面図である。正反射光検出器25の受光面は、ステージ16のスピンドル17による磁気ディスク1の回転方向に、複数の検出素子25a及び検出素子25c、または検出素子25b及び検出素子25dを有するセンサーアレイで構成されている。各検出素子25a,25b,25c,25dは、受光した光の強度に応じた大きさの検出信号を出力する。なお、本実施の形態の正反射光検出器25は、4つの検出素子25a,25b,25c,25dを有するが、検出素子の数はこれに限るものではない。
図3(a)において、散乱光検出系23は、集光レンズ26、収束レンズ27、ピンホール板28、及び散乱光検出器29を含んで構成されている。集光レンズ26は、ミラー21で反射されなかった正反射光の周辺の散乱光を集光する。収束レンズ27は、集光レンズ26で集光された散乱光を収束させる。ピンホール板28は、収束レンズ27の収束点に位置して収束された散乱光を通過させるピンホールを有し、収束レンズ27により収束されなかった光を遮光する。散乱光検出器29は、例えば、光電子倍増管(フォトマルチプライヤー)からなり、ピンホール板28を通過した散乱光を検出する。
図1において、アナログディジタル変換装置40は、複数のA/D変換器41,41’,42,42’を備えている。検出光学系20から出力されたアナログの検出信号は、それぞれA/D変換器41,42で増幅され、ディジタル信号に変換されて、処理装置50へ入力される。同様に、検出光学系20’から出力されたアナログの検出信号は、それぞれA/D変換器41’,42’で増幅され、ディジタル信号に変換されて、処理装置50へ入力される。
処理装置50は、欠陥候補検出部51と、欠陥凹凸検査部52と、欠陥連続性判定部53と、欠陥特徴量抽出部54と、欠陥分類部55と、欠陥分布算出部56と、基板良否判定部57とを備え、アナログディジタル変換装置40によりディジタル信号に変換された各検出信号を処理する。入出力装置60は、表示画面61を備え、処理装置50の処理条件を入力し、また処理装置50の処理結果を表示する。制御装置70は、光学式表面検査装置100全体を制御する。
図4は、磁気ディスクの平面図である。図1の制御装置70は、ステージ駆動装置15を制御して、ステージ16のスピンドル17と直進ステージ18とを駆動し、磁気ディスク1を図4に矢印で示すθ方向に回転させながら、磁気ディスク1をその半径rの方向に一定の速度で直進させる。これにより、磁気ディスク1の内周部から外周部にかけて、検査光による欠陥の検査がスパイラル状に行われて、磁気ディスク1の表面及び裏面の全体の検査が行われる。
図1において、検査中、制御装置70は、表面変位測定器19の受光器19bの検出信号から、磁気ディスク1の表面の高さの変位量を検出する。そして、制御装置70は、図示しないオートフォーカス機構により、磁気ディスク1の表面又は裏面に対する、検出光学系20,20’の高さを調整する。これにより、常に安定した検査を実行することができる。
図5及び図6は、欠陥による正反射光の光軸の傾きを説明する図である。図5(a),(b),(c)は、磁気ディスク1の表面に凹状の欠陥2が存在する場合の、磁気ディスク1の表面からの正反射光Raを示している。図5(d),(e),(f)は、それぞれ、図5(a),(b),(c)の場合における、正反射光検出器25による正反射光Raの受光位置を示している。
まず、図5(a)に示す様に、検査光Iaが磁気ディスク1の平坦な部分へ照射されているとき、正反射光Raのスポットは、図5(d)に示す様に、正反射光検出器25の4分割された受光面の中央部へ照射される。各検出素子25a,25b,25c,25dは、正反射光Raをそれぞれ均等に受光する。
次に、磁気ディスク1が矢印Aで示す方向へ回転し、検査光Iaが図5(b)に示す位置へ照射されると、検査光Iaは、凹状の欠陥2の図面左側の斜面で反射され、その正反射光Raは、正反射光検出器25の受光面の中央部から図面下側へずれた位置へ照射される。従って、正反射光Raの光軸が検出素子25c,25dの側へずれ、正反射光検出器25の受光面で受光される正反射光Raのスポットは、図5(e)に示す様に、検出素子25c,25dの側へ移動する。
さらに、磁気ディスク1が矢印Aで示す方向へ回転し、検査光Iaが図5(c)に示す位置へ照射されると、検査光Iaは、凹状の欠陥2の図面右側の斜面で反射され、その正反射光Raは、正反射光検出器25の受光面の中央部から図面上側へずれた位置へ照射される。従って、正反射光Raの光軸が検出素子25a,25bの側へずれ、正反射光検出器25の受光面で受光される正反射光Raのスポットは、図5(f)に示す様に、検出素子25a,25bの側へ移動する。
一方、図6(a),(b),(c)は、磁気ディスク1の表面に凸状の欠陥3が存在する場合の、磁気ディスク1の表面からの正反射光Raを示している。図6(d),(e),(f)は、それぞれ、図6(a),(b),(c)の場合における、正反射光検出器25による正反射光Raの受光位置を示している。
まず、図6(a)に示す様に、検査光Iaが磁気ディスク1の平坦な部分へ照射されているとき、正反射光Raのスポットは、図6(d)に示す様に、正反射光検出器25の4分割された受光面の中央部へ照射される。各検出素子25a,25b,25c,25dは、正反射光Raをそれぞれ均等に受光する。
次に、磁気ディスク1が矢印Aで示す方向へ回転し、検査光Iaが図6(b)に示す位置へ照射されると、検査光Iaは、凸状の欠陥3の図面左側の斜面で反射され、その正反射光Raは、正反射光検出器25の受光面の中央部から図面上側へずれた位置へ照射される。従って、正反射光Raの光軸が検出素子25a,25bの側へずれ、正反射光検出器25の受光面で受光される正反射光Raのスポットは、図6(e)に示す様に、検出素子25a,25bの側へ移動する。
さらに、磁気ディスク1が矢印Aで示す方向へ回転し、検査光Iaが図6(c)に示す位置へ照射されると、検査光Iaは、凸状の欠陥3の図面右側の斜面で反射され、その正反射光Raは、正反射光検出器25の受光面の中央部から図面下側へずれた位置へ照射される。従って、正反射光Raの光軸が検出素子25c,25dの側へずれ、正反射光検出器25の受光面で受光される正反射光Raのスポットは、図6(f)に示す様に、検出素子25c,25dの側へ移動する。
図5及び図6に示す様に、磁気ディスク1の表面の欠陥が、凹状の欠陥2であるか、凸状の欠陥3であるかによって、正反射光Raの光軸が変化する方向が異なる。
図7は、本発明の一実施の形態による欠陥凹凸検査部のブロック図である。本実施の形態の欠陥凹凸検査部52は、演算部521、比較部522、メモリ523、検出部524、及び判定部525を含んで構成されている。演算部521は、アナログディジタル変換装置40によりディジタル信号に変換された検出素子25a,25b,25c,25dの各検出信号を演算して、磁気ディスク1の表面の欠陥による正反射光の光軸の傾きを検出する。
図8〜図12は、演算部及び比較部の動作を説明する図である。図8(a)は、凹状の欠陥2の断面形状の一例を示し、図9(a)は、欠陥2よりも微小な凹状の欠陥2’の断面形状の一例を示している。また、図10(a)は、凸状の欠陥3の断面形状の一例を示している。演算部521は、図5(d),(e),(f)及び図6(d),(e),(f)において、検出素子25aの出力と検出素子25bの出力の和と、検出素子25cの出力と検出素子25dの出力の和との差D={(検出素子25aの出力)+(検出素子25bの出力)}−{(検出素子25cの出力)+(検出素子25dの出力)}を演算する。
図5(d)及び図6(d)の場合、差Dはゼロとなる。図5(e)の場合、差Dはマイナスの値となり、検査光Iaが凹状の欠陥2の中央部へ照射されると、差Dはゼロに戻る。そして、図5(f)の場合、差Dはプラスの値となり、検査光Iaが凹状の欠陥2から外れると、差Dはゼロに戻る。一方、図6(e)の場合、差Dはプラスの値となり、検査光Iaが凸状の欠陥3の中央部へ照射されると、差Dはゼロに戻る。そして、図6(f)の場合、差Dはマイナスの値となり、検査光Iaが凸状の欠陥3から外れると、差Dはゼロに戻る。
図8(b)、図9(b)、及び図10(b)は、それぞれ、差Dの変化を示すグラフである。磁気ディスク1の表面に図8(a)に示す凹状の欠陥2がある場合、差Dは、図8(b)に示す様に、最初ゼロであったものが一旦マイナス側にピークとなった後にゼロとなり、次にプラス側にピークとなった後にゼロに戻る。磁気ディスク1の表面に図9(a)に示す微小な凹状の欠陥2’がある場合、差Dは、図9(b)に示す様に、図8(b)に比べて変化が小さい。一方、磁気ディスク1の表面に図10(a)に示す凸状の欠陥3がある場合、差Dは、図10(b)に示す様に、最初ゼロであったものが一旦プラス側にピークとなった後にゼロとなり、次にマイナス側にピークとなった後にゼロに戻る。図8(b)、図9(b)、及び図10(b)の差Dの波形は、磁気ディスク1の表面の欠陥による正反射光の光軸の傾きの変化を示している。
従来は、差Dの値がしきい値を超えたとき、図8(b)、図9(b)、及び図10(b)に示す差Dのプラス側及びマイナス側の出現順序から、欠陥の凹凸を判定していた。しかしながら、従来の方法では、より微小な欠陥に対応するためにしきい値を小さくすると、差Dの値がしきい値を超えたとき、それが、例えば図9(a)に示す微小な欠陥2’によるものなのか、あるいはノイズの影響によるものなのかが、分からなかった。
図11(a)は、凸部の中央に凹部が形成された欠陥4の断面形状の一例を示している。図11(b)は、図11(a)の場合における、差Dの変化を示すグラフである。また、図12(a)は、凸部が2つ続いて形成された欠陥5の断面形状の一例を示している。図12(b)は、図12(a)の場合における、差Dの変化を示すグラフである。図11(b)及び図12(b)において、差Dは、いずれも、最初ゼロであったものが一旦プラス側にピークとなった後にゼロとなり、次にマイナス側にピークとなった後にゼロに戻る。そして、再度、プラス側にピークとなった後にゼロとなり、次にマイナス側にピークとなった後にゼロに戻る。
従来は、差Dの値がしきい値を超えたとき、差Dのプラス側及びマイナス側の出現順序から、欠陥の凹凸を判定していたため、図11(b)に示す差Dの波形と、図12(b)に示す差Dの波形とを区別することができず、凹部や凸部が組み合わされた複雑な形状の欠陥を識別することができなかった。
図7において、比較部522は、演算部521により検出された正反射光の光軸の傾きを、プラス側の第1のしきい値及びマイナス側の第2のしきい値と比較して、正反射光の光軸の傾きが、第1のしきい値又は第2のしきい値を超えた超過点、及び第1のしきい値又は第2のしきい値以内に復帰した復帰点を検出する。また、比較部522は、超過点から復帰点までの間で、演算部521により検出された正反射光の光軸の傾きがプラス側又はマイナス側のピーク値となったピーク点を検出する。
図8(b)、図9(b)、図10(b)、図11(b)、及び図12(b)には、比較部522が使用するプラス側の第1のしきい値及びマイナス側の第2のしきい値の一例が、破線で示されている。そして、各図の黒い点は、比較部522により検出された超過点、ピーク点、又は復帰点を示している。
図8(b)においては、点2Aがマイナス側の超過点、点2Bがマイナス側のピーク点、点2Cがマイナス側の復帰点である。また、点2Dがプラス側の超過点、点2Eがプラス側のピーク点、点2Fがプラス側の復帰点である。
図9(b)においては、点2Gがマイナス側の超過点かつピーク点であり、点2Hがマイナス側の復帰点である。また、点2Iがプラス側の超過点かつピーク点であり、点2Jがプラス側の復帰点である。
図10(b)においては、点3Aがプラス側の超過点、点3Bがプラス側のピーク点、点3Cがプラス側の復帰点である。また、点3Dがマイナス側の超過点、点3Eがマイナス側のピーク点、点3Fがマイナス側の復帰点である。
図11(b)においては、点4Aがプラス側の超過点、点4Bがプラス側のピーク点、点4Cがプラス側の復帰点である。また、点4Dがマイナス側の超過点、点4Eがマイナス側のピーク点、点4Fがマイナス側の復帰点である。さらに、点4Gがプラス側の超過点、点4Hがプラス側のピーク点、点4Iがプラス側の復帰点である。また、点4Jがマイナス側の超過点、点4Kがマイナス側のピーク点、点4Lがマイナス側の復帰点である。
図12(b)においては、点5Aがプラス側の超過点、点5Bがプラス側のピーク点、点5Cがプラス側の復帰点である。また、点5Dがマイナス側の超過点、点5Eがマイナス側のピーク点、点5Fがマイナス側の復帰点である。さらに、点5Gがプラス側の超過点、点5Hがプラス側のピーク点、点5Iがプラス側の復帰点である。また、点5Jがマイナス側の超過点、点5Kがマイナス側のピーク点、点5Lがマイナス側の復帰点である。
図7において、比較部522により検出された超過点、ピーク点、及び復帰点のデータは、メモリ523に一旦記憶される。検出部524は、メモリ523に記憶された超過点、ピーク点、及び復帰点のデータを読み出して、超過点から復帰点までの、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値を検出する。
図13〜図17は、本発明の一実施の形態による検出部及び判定部の動作を説明する図である。本実施の形態において、検出部524は、超過点から復帰点までの水平方向の距離を底辺とし、ピーク点のピーク値を高さとする長方形の面積を、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値の絶対値として算出する。
図13(a)は、図8(a)と同じ凹状の欠陥2の断面形状の一例を示している。図13(b)には、図8(b)の差Dの波形が、破線で示されている。そして、マイナス側の超過点2Aからマイナス側の復帰点2Cまでの水平方向の距離を底辺とし、マイナス側のピーク点2Bのピーク値を高さとする長方形R1が、斜線を付して示されている。また、プラス側の超過点2Dからプラス側の復帰点2Fまでの水平方向の距離を底辺とし、プラス側のピーク点2Eのピーク値を高さとする長方形R2が、斜線を付して示されている。検出部524は、長方形R1の面積を、区間P0−P1における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出し、長方形R2の面積を、区間P1−P2における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出する。
図14(a)は、図9(a)と同じ凹状の欠陥2’の断面形状の一例を示している。図14(b)には、図9(b)の差Dの波形が、破線で示されている。そして、マイナス側の超過点2Gからマイナス側の復帰点2Hまでの水平方向の距離を底辺とし、マイナス側のピーク点2Gのピーク値を高さとする長方形R1’が、斜線を付して示されている。また、プラス側の超過点2Iからプラス側の復帰点2Jまでの水平方向の距離を底辺とし、プラス側のピーク点2Iのピーク値を高さとする長方形R2’が、斜線を付して示されている。検出部524は、長方形R1’の面積を、区間P0’−P1’における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出し、長方形R2’の面積を、区間P1’−P2’における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出する。
図15(a)は、図10(a)と同じ凸状の欠陥3の断面形状の一例を示している。図15(b)には、図10(b)の差Dの波形が、破線で示されている。そして、プラス側の超過点3Aからプラス側の復帰点3Cまでの水平方向の距離を底辺とし、プラス側のピーク点3Bのピーク値を高さとする長方形R3が、斜線を付して示されている。また、マイナス側の超過点3Dからマイナス側の復帰点3Fまでの水平方向の距離を底辺とし、マイナス側のピーク点3Eのピーク値を高さとする長方形R4が、斜線を付して示されている。検出部524は、長方形R3の面積を、区間P3−P4における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出し、長方形R4の面積を、区間P4−P5における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出する。
図16(a)は、図11(a)と同じ凸部の中央に凹部が形成された欠陥4の断面形状の一例を示している。図16(b)には、図11(b)の差Dの波形が、破線で示されている。そして、プラス側の超過点4Aからプラス側の復帰点4Cまでの水平方向の距離を底辺とし、プラス側のピーク点4Bのピーク値を高さとする長方形R5が、斜線を付して示されている。また、マイナス側の超過点4Dからマイナス側の復帰点4Fまでの水平方向の距離を底辺とし、マイナス側のピーク点4Eのピーク値を高さとする長方形R6が、斜線を付して示されている。
さらに、プラス側の超過点4Gからプラス側の復帰点4Iまでの水平方向の距離を底辺とし、プラス側のピーク点4Hのピーク値を高さとする長方形R7が、斜線を付して示されている。また、マイナス側の超過点4Jからマイナス側の復帰点4Lまでの水平方向の距離を底辺とし、マイナス側のピーク点4Kのピーク値を高さとする長方形R8が、斜線を付して示されている。
検出部524は、長方形R5の面積を、区間P6−P7における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出し、長方形R6の面積を、区間P7−P8における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出する。また、検出部524は、長方形R7の面積を、区間P8−P9における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出し、長方形R8の面積を、区間P9−P10における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出する。
図17(a)は、図12(a)と同じ凸部が2つ続いて形成された欠陥5の断面形状の一例を示している。図17(b)には、図12(b)の差Dの波形が、破線で示されている。そして、プラス側の超過点5Aからプラス側の復帰点5Cまでの水平方向の距離を底辺とし、プラス側のピーク点5Bのピーク値を高さとする長方形R9が、斜線を付して示されている。また、マイナス側の超過点5Dからマイナス側の復帰点5Fまでの水平方向の距離を底辺とし、マイナス側のピーク点5Eのピーク値を高さとする長方形R10が、斜線を付して示されている。
さらに、プラス側の超過点5Gからプラス側の復帰点5Iまでの水平方向の距離を底辺とし、プラス側のピーク点5Hのピーク値を高さとする長方形R11が、斜線を付して示されている。また、マイナス側の超過点5Jからマイナス側の復帰点5Lまでの水平方向の距離を底辺とし、マイナス側のピーク点5Kのピーク値を高さとする長方形R12が、斜線を付して示されている。
検出部524は、長方形R9の面積を、区間P11−P12における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出し、長方形R10の面積を、区間P12−P13における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出する。また、検出部524は、長方形R11の面積を、区間P13−P14における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出し、長方形R12の面積を、区間P14−P15における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出する。
図13〜図17に示した実施の形態では、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値の絶対値が、超過点から復帰点までの水平方向の距離を底辺とし、ピーク点のピーク値を高さとする長方形の面積として近似され、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値が、少量のデータを用いた高速な処理で、容易に検出される。従って、図7において、メモリ523は、超過点から復帰点までの間の、超過点、ピーク点、及び復帰点を除く他のデータを記憶する必要がなく、必要な容量が少なく済む。そして、検出部524は、長方形の面積を算出する簡単な処理で、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値を、高速かつ容易に検出することができる。
図18は、本発明の他の実施の形態による検出部及び判定部の動作を説明する図である。本実施の形態において、検出部524は、超過点から復帰点までの水平方向の距離を底辺とし、超過点、ピーク点及び復帰点を角に含む多角形の面積を、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値の絶対値として算出する。
図18(a)は、図8(a)と同じ凹状の欠陥2の断面形状の一例を示している。図18(b)には、図8(b)の差Dの波形が、破線で示されている。そして、マイナス側の超過点2Aからマイナス側の復帰点2Cまでの水平方向の距離を底辺とし、超過点2A、ピーク点2B及び復帰点2Cを角に含む五角形R13が、斜線を付して示されている。また、プラス側の超過点2Dからプラス側の復帰点2Fまでの水平方向の距離を底辺とし、超過点2D、ピーク点2E及び復帰点2Fを角に含む五角形R14が、斜線を付して示されている。検出部524は、五角形R13の面積を、区間P0−P1における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出し、五角形R14の面積を、区間P1−P2における正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値として算出する。
図18に示した実施の形態では、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値の絶対値が、超過点から復帰点までの水平方向の距離を底辺とし、超過点、ピーク点及び復帰点を角に含む多角形の面積として近似され、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値が、少量のデータを用いた高速な処理で、より正確に検出される。従って、図7において、メモリ523は、超過点から復帰点までの間の、超過点、ピーク点、及び復帰点を除く他のデータを記憶する必要がなく、必要な容量が少なく済む。そして、検出部524は、多角形の面積を算出する処理で、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値を、高速かつより正確に検出することができる。
図7において、検出部524により検出された正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値のデータは、メモリ523に一旦記憶される。判定部525は、メモリ523に記憶されたそれらのデータを読み出して、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値から、欠陥の凹凸を判定する。
図13(c)において、区間P0−P1における正反射光の光軸の傾きの累積値を−H、区間P1−P2における正反射光の光軸の傾きの累積値を+Hとする。同様に、図18(c)において、区間P0−P1における正反射光の光軸の傾きの累積値を−H’、区間P1−P2における正反射光の光軸の傾きの累積値を+H’とする。一方、図15(c)において、区間P3−P4における正反射光の光軸の傾きの累積値を+H、区間P4−P5における正反射光の光軸の傾きの累積値を−Hとする。
図14(c)において、区間P0’−P1’における正反射光の光軸の傾きの累積値を−h、区間P1’−P2’における正反射光の光軸の傾きの累積値を+hとする。図9(b)において、差Dの値がしきい値を越えたとき、それがノイズの影響によるものである場合は、ノイズの影響がプラス側とマイナス側とで等分に現れることはないので、区間P0’−P1’と区間P1’−P2’とで正反射光の光軸の傾きの累積値の絶対値が同じになることはない。
判定部525は、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値の出現順序が、マイナス−プラスの順であり、それらの絶対値がほぼ等しいものを、凹状の欠陥と判定する。また、判定部525は、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値の出現順序が、プラス−マイナスの順であり、それらの絶対値がほぼ等しいものを、凸状の欠陥と判定する。正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値を用いることにより、ノイズの影響を受けにくくなり、被検査物に存在する凹凸のある欠陥が精度良く検出される。
図16(c)において、区間P6−P7における正反射光の光軸の傾きの累積値を+H、区間P7−P8における正反射光の光軸の傾きの累積値を−2H、区間P8−P9における正反射光の光軸の傾きの累積値を+2H、区間P9−P10における正反射光の光軸の傾きの累積値を−Hとする。一方、図17(c)において、区間P11−P12における正反射光の光軸の傾きの累積値を+H、区間P12−P13における正反射光の光軸の傾きの累積値を−H、区間P13−P14における正反射光の光軸の傾きの累積値を+H、区間P14−P15における正反射光の光軸の傾きの累積値を−Hとする。
判定部525は、図16(c)においては、区間P7−P8の正反射光の光軸の傾きの累積値が−2H、区間P8−P9の正反射光の光軸の傾きの累積値が+2Hであるのに対し、図17(c)においては、区間P12−P13の正反射光の光軸の傾きの累積値が−H、区間P13−P14の正反射光の光軸の傾きの累積値が+Hであることから、図16(a)の欠陥4と図17(a)の欠陥5とを識別する。この様に、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側を比較することで、凹部や凸部が組み合わされた複雑な形状の欠陥を識別することが可能となる。
図19は、処理装置による検出信号の処理を示すフローチャートである。図1において、処理装置50が行う、磁気ディスク1の表面側に設けられた検出光学系20からの各検出信号の処理と、磁気ディスク1の裏面側に設けられた検出光学系20’からの各検出信号の処理とは同じであるので、磁気ディスク1の表面側に設けられた検出光学系20からの各検出信号の処理について説明する。
図19において、まず、検出光学系20から出力されて、アナログディジタル変換装置40によりディジタル信号に変換された各検出信号を、処理装置50へ入力する(ステップ301)。処理装置50の欠陥候補検出部51は、散乱光検出系23の検出信号のレベルを、予め設定したしきい値と比較し、しきい値を超えた検出信号を、欠陥候補として検出する(ステップ302)。このとき、欠陥候補検出部51は、各欠陥候補を、ステージ駆動装置15及びステージ16の図示しない検出系から得られる、各欠陥候補の磁気ディスク1の表面上の位置情報と関連付けて抽出する。
これと並行して、処理装置50の欠陥凹凸検査部52は、正反射光検出系22の複数の検出素子25a,25b,25c,25dの各検出信号から、正反射光の光軸の傾きを検出し、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値から、欠陥の凹凸を判定して、凹凸のある欠陥を検出する(ステップ303)。このとき、欠陥凹凸検査部52は、検出した各欠陥を、ステージ駆動装置15及びステージ16の図示しない検出系から得られる、各欠陥の磁気ディスク1の表面上の位置情報と関連付けて抽出する。
次に、処理装置50の欠陥連続性判定部53は、ステップ302及びステップ303で得られた各欠陥候補及び各欠陥の磁気ディスク1の表面上の位置情報から、各欠陥候補及び各欠陥の二次元マップを作成し、各欠陥候補及び各欠陥が互いに所定の距離内に存在するか否を確認して、欠陥の連続性を判定する(ステップ304)。連続性があると判定された欠陥候補及び欠陥は、一つの欠陥として、以降の処理を行う。
次に、処理装置50の欠陥特徴量抽出部54は、各欠陥について、欠陥の寸法(θ方向の大きさ、半径rの方向の大きさ)及び面積等の欠陥の特徴量を抽出する(ステップ305)。
次に、処理装置50の欠陥分類部55は、ステップ303で判定された欠陥の凹凸とステップ305で抽出された欠陥の特徴量とに基づいて、各欠陥を種類毎に分類する(ステップ306)。続いて、処理装置50の欠陥分布算出部56は、ステップ306で分類された欠陥の種類毎に、欠陥の磁気ディスク1の表面上の数と分布とを算出して、欠陥マップを作成する(ステップ307)。
次に、処理装置50の基板良否判定部57は、ステップ307で算出された欠陥の種類毎の欠陥の数を、予め設定した基準値と比較して、磁気ディスク1の良否判定を行う(ステップ308)。そして、処理装置50は、ステップ307で作成された欠陥マップや、ステップ308で判定された磁気ディスク1の良否判定の結果等の検査結果を、入出力装置60の表示画面61に表示する(ステップ309)。
以上説明した実施の形態によれば、少量のデータを用いた高速な処理で、被検査物に存在する凹凸のある欠陥を精度良く検出することができる。また、凹部や凸部が組み合わされた複雑な形状の欠陥を識別することができる。
さらに、図13〜図17に示した実施の形態によれば、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値を、容易に検出することができる。
あるいは、図18に示した実施の形態によれば、正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値を、より正確に検出することができる。
本発明は、磁気ディスクの欠陥の検査に限らず、光学メディア、ウエハ、液晶表示装置に用いられるガラス基板等の媒体表面に存在する欠陥の検査にも適用することができる。
1 磁気ディスク
100 光学式表面検査装置
10,10’ 検査光照射装置
11 ミラー
15 ステージ駆動装置
16 ステージ
17 スピンドル
18 直進ステージ
19 表面変位測定器
20,20’ 検出光学系
21 ミラー
22 正反射光検出系
23 散乱光検出系
24 集光レンズ
25 正反射光検出器
25a,25b,25c,25d 検出素子
40 アナログディジタル変換装置
50 処理装置
52 欠陥凹凸検査部
521 演算部
522 比較部
523 メモリ
524 検出部
525 判定部
60 入出力装置
70 制御装置

Claims (6)

  1. 被検査物を移動するステージと、
    検査光を前記被検査物へ照射する検査光照射装置と、
    前記検査光が前記被検査物の欠陥により反射された正反射光を複数の検出素子により分割して受光して、各検出素子から検出信号を出力する正反射光検出系と、
    前記複数の検出素子から出力された各検出信号を処理して、前記被検査物の前記欠陥を検出する処理装置とを備え、
    前記処理装置は、
    前記各検出信号を演算して、前記欠陥による前記正反射光の光軸の傾きを検出する演算部と、
    前記演算部により検出された前記正反射光の光軸の傾きを、プラス側の第1のしきい値及びマイナス側の第2のしきい値と比較して、前記正反射光の光軸の傾きが、前記第1のしきい値又は前記第2のしきい値を超えた超過点と、前記第1のしきい値又は前記第2のしきい値以内に復帰した復帰点と、前記超過点から前記復帰点までの間で、前記正反射光の光軸の傾きがプラス側又はマイナス側のピーク値となったピーク点とを検出する比較部と、
    前記比較部により検出された前記超過点、前記復帰点、及び前記ピーク点のデータから、前記超過点から前記復帰点までの、前記正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値を検出する検出部と、
    前記検出部により検出された前記正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値から、前記欠陥の凹凸を判定する判定部とを有することを特徴とする光学式表面検査装置。
  2. 前記検出部は、前記超過点から前記復帰点までの水平方向の距離を底辺とし、前記ピーク点のピーク値を高さとする長方形の面積を、前記正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値の絶対値として算出することを特徴とする請求項1に記載の光学式表面検査装置。
  3. 前記検出部は、前記超過点から前記復帰点までの水平方向の距離を底辺とし、前記超過点、前記ピーク点及び前記復帰点を角に含む多角形の面積を、前記正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値の絶対値として算出することを特徴とする請求項1に記載の光学式表面検査装置。
  4. 被検査物を移動しながら、
    検査光を前記被検査物へ照射し、
    前記検査光が前記被検査物の欠陥により反射された正反射光を複数の検出素子により分割して受光して、各検出素子から検出信号を出力し、
    前記複数の検出素子から出力した各検出信号を演算して、前記欠陥による前記正反射光の光軸の傾きを検出し、
    検出した前記正反射光の光軸の傾きを、プラス側の第1のしきい値及びマイナス側の第2のしきい値と比較して、前記正反射光の光軸の傾きが、前記第1のしきい値又は前記第2のしきい値を超えた超過点と、前記第1のしきい値又は前記第2のしきい値以内に復帰した復帰点と、前記超過点から前記復帰点までの間で、前記正反射光の光軸の傾きがプラス側又はマイナス側のピーク値となったピーク点とを検出し、
    検出した前記超過点、前記復帰点、及び前記ピーク点のデータから、前記超過点から前記復帰点までの、前記正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値を検出し、
    検出した前記正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値及びマイナス側の累積値から、前記欠陥の凹凸を判定することを特徴とする光学式表面検査方法。
  5. 前記超過点から前記復帰点までの水平方向の距離を底辺とし、前記ピーク点のピーク値を高さとする長方形の面積を、前記正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値の絶対値として算出することを特徴とする請求項4に記載の光学式表面検査方法。
  6. 前記超過点から前記復帰点までの水平方向の距離を底辺とし、前記超過点、前記ピーク点及び前記復帰点を角に含む多角形の面積を、前記正反射光の光軸の傾きのプラス側の累積値又はマイナス側の累積値の絶対値として算出することを特徴とする請求項4に記載の光学式表面検査方法。
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