JP2017066286A - セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017066286A JP2017066286A JP2015193893A JP2015193893A JP2017066286A JP 2017066286 A JP2017066286 A JP 2017066286A JP 2015193893 A JP2015193893 A JP 2015193893A JP 2015193893 A JP2015193893 A JP 2015193893A JP 2017066286 A JP2017066286 A JP 2017066286A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- formula
- cellulose acylate
- compound
- acylate film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
Description
式1:−NR−C(=X1)−X2−
(式1中、Rは水素原子または置換基を表し、X1およびX2はそれぞれ独立に硫黄原子または酸素原子を表し、ただしX1およびX2の少なくとも一方は硫黄原子を表す。)
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜16、特に好ましくは0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレタン基、ウレイド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる。)、およびシリル基(好ましくは、炭素原子数3〜40、より好ましくは3〜30、特に好ましくは3〜24であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)。
これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が2つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
本発明の一態様にかかるセルロースアシレートフィルムは、式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物を含有するセルロースアシレートフィルムである。
(式1中、Rは水素原子または置換基を表し、X1およびX2はそれぞれ独立に硫黄原子または酸素原子を表し、ただしX1およびX2の少なくとも一方は硫黄原子を表す2価の連結基を1分子中に2つ以上含む化合物を含有する。)
ただし以上は推察に過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。
上記セルロースアシレートフィルムは、下記式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する。
式1−A:−NR−C(=S)−S−
式1−B:−NR−C(=S)−O−
式1−C:−NR−C(=O)−S−
上記化合物の具体的態様としては、下記一般式(I)で表される化合物を挙げることができる。以下に、一般式(I)で表される化合物について説明する。なお、以下に記載する化合物の構造に関する説明は、特記しない限り、一般式(I)で表される化合物に限定されず、式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物全般に当てはまるものとする。
Q1−(L12−L11)n1−X2−C(=X1)−NR−(L21−L22)n2−Q2
(一般式(I)中、L11およびL21は、それぞれ独立にアルキレン基を表し、アルキレン基は置換基を有していてもよい。L12およびL22はそれぞれ独立に単結合または−O−、−NR1−、−S−、−C(=O)−のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる基を表す。R1は、水素原子または置換基を表す。n1およびn2は、それぞれ独立に0〜20の範囲の整数を表し、n1およびn2のいずれか一方は1以上の整数であり、L11、L12、L21およびL22が複数存在する場合は、互いに同一でも異なっていてもよい。Q1およびQ2は、それぞれ独立に置換基を表す。Q1、Q2、−L12−L11−、−L21−L22−の少なくとも1つには、式1で表される2価の連結基が少なくとも1つ含まれる。)
直鎖または分岐のアルキレン基は置換基を有していない方が好ましい。環状アルキレン基は置換基を有していることが好ましい。
一方、L12およびL22が−OC(=O)−*、−C(=O)O−*である場合の−(L12−L11)−または−(L21−L22)−が表す連結基の具体例としては、下記一般式(2A)または(2C)で表される構造が例示される。
また、L12およびL22が酸素原子である場合の−(L12−L11)−または−(L21−L22)−が表す連結基の具体例としては、下記一般式(2B)で表される構造が例示される。
また、L12およびL22が−NR1−OC(=O)−*、−NR1−C(=O)O−*である場合の−(L12−L11)−または−(L21−L22)−が表す連結基の具体例としては、下記一般式(2D)または(2E)で表される構造が例示される。
一般式(2A) −{Rb jb(CRaRc)ja−O−(C=O)}−*
一般式(2B) −{Rb jb(CRaRc)ja−O}−*
一般式(2C) −{Rb jb(CRaRc)ja−(C=O)O−}−*
一般式(2D) −{Rb jb(CRaRc)ja−NR1(C=O)O−}−*
一般式(2E) −{Rb jb(CRaRc)ja−O−(C=O)NR1}−*
(一般式(2A)〜(2E)中、*は、Q1もしくはQ2との結合位置、または隣接する基とQ1もしくはQ2側で結合する位置を表し、RaおよびRcは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基(例えば炭素数1〜3のアルキル基、好ましくはメチル基)を表し、jaは1以上の整数を表し、1〜3の範囲の整数であることが好ましい。RaおよびRcが複数存在する場合、複数のRaおよびRcはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Rbは1つ以上の炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキレン基を表し、好ましくは1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシレン基であり、jbは0または1である。R1は水素原子または置換基を表し、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、アルキル基はメチル基であることがより好ましい。R1が複数存在する場合、複数のR1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
−C(CH3)2−O−(C=O)−、
−CH2CH2−O−(C=O)−、
−CH2CH2CH2−O−(C=O)−、
−CH2CH(CH3)−O−(C=O)−、
−CH(CH3)CH2−O−(C=O)−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CH2−O−(C=O)−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CH2CH2−O−(C=O)−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CH2CH2CH2−O−(C=O)−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CH2CH(CH3)−O−(C=O)−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CH(CH3)CH2−O−(C=O)−、
などが挙げられる。
−C(CH3)2−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CH2−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CH2CH2−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CH2CH2CH2−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CH2CH(CH3)−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CH(CH3)CH2−O−、
などが挙げられる。
−C(CH3)2−(C=O)−O−、
−CH2CH2−(C=O)−O−、
−CH2CH2CH2−(C=O)−O−、
−CH2CH(CH3)−(C=O)−O−、
−CH(CH3)CH2−(C=O)−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロヘキシレン基)−CH2−(C=O)−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロヘキシレン基)−CH2CH2−(C=O)−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロヘキシレン基)−CH2CH2CH2−(C=O)−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロヘキシレン基)−CH2CH(CH3)−(C=O)−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロヘキシレン基)−CH(CH3)CH2−(C=O)−O−、
などが挙げられる。
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロヘキシレン基)−CH2−NR1(C=O)O−
−CH2−NR1(C=O)−O−、
−CH2CH2−NR1(C=O)−O−、
−CH2CH2CH2−NR1(C=O)−O−、
−CH2CH(CH3)−NR1(C=O)−O−、
−CH(CH3)CH2−NR1(C=O)−O−、
などが挙げられる。
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロヘキシレン基)−CH2―O−(C=O)NR1−
−CH2−NR1(C=O)−O−、
−CH2CH2−NR1(C=O)−O−、
−CH2CH2CH2−NR1(C=O)−O−、
−CH2CH(CH3)−NR1(C=O)−O−、
−CH(CH3)CH2−NR1(C=O)−O−、
などが挙げられる。
置換基としては、上記置換基群Tが挙げられ、炭素数が6〜30(より好ましくは6〜20、更に好ましくは6〜10)のアリール基、炭素数が1〜12(より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5)のアルキル基(但し、アルキル鎖中に酸素原子が入っていてもよい)、炭素数が1〜12(より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5)のアルコキシ基が挙げられる。Q1およびQ2は、更に置換基を有していてもよく、置換基の具体例としては、上記置換基群Tが挙げられ、アリール基、アルキル基、アシル基が好ましい。なお上記アリール基とは、芳香族炭化水素基を意味するものとする。
一態様では、Q1、Q2は、一方または両方に環状構造を含むことが好ましい。含まれる環状構造としては、脂肪族環(シクロヘキサン環など)、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環など)などが挙げられ、複数種の環を有していてもよく、縮合環であってもよい。上記環状構造が置換基を有する場合、置換基としては、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。
(環状構造)−NR−C(=X1)−X2−
を少なくとも1つの分子末端基として有することが好ましく、上記環状構造は、置換または無置換のシクロヘキサン環またはベンゼン環であることが好ましく、無置換のシクロヘキサン環またはベンゼン環であることがより好ましく、無置換のベンゼン環であることが更に好ましい。即ち、式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物(好ましくは一般式(I)で表される化合物)は、下記分子末端基:
一般式(a)
*−(L12−L11)n1−X2−C(=X1)−NR−(L21−L22)n2−Q2
一般式(b)
Q1−(L12−L11)n1−X2−C(=X1)−NR−(L21−L22)n2−*
−(L12−L11)n1−X2−C(=X1)−NR−(L21−L22)n2−
で表される構造を、一分子中に2つ以上有することが好ましい。なお 上記一般式(a)、(b)中、L11〜L22、n1、n2、Q1およびQ2は、一般式(I)と同義である。 上記連結基としては、一般式(I−1)中のZ1について記載するものを挙げることができる。
n1、n2は、それぞれ独立に0〜20の範囲の整数を表し、n1およびn2のいずれか一方は1以上の整数である。n1、n2は、0〜10の範囲の整数が好ましく、0〜5の範囲の整数がより好ましく、0〜3の範囲の整数が更に好ましい。
一般式(I−1)
(Q3−(L32−L31)n3−A−(L41−L42)n4)m−Z1
(一般式(I−1)中、L31およびL41は、それぞれ独立にアルキレン基を表し、アルキレン基は置換基を有していてもよい。L32およびL42はそれぞれ独立に単結合または−O−、−NR1−、−S−、および−C(=O)−のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる基を表す。R1は、水素原子または置換基を表す。n3およびn4は、それぞれ独立に0〜20の範囲の整数を表し、n3およびn4のいずれか一方は1以上の整数であり、L31、L32、L41およびL42が複数存在する場合は、互いに同一でも異なっていてもよい。Q3は、置換基を表し、Z1はm価の連結基を表し、Aは、*−X2−C(=X1)−NR−、または*−NR−C(=X1)−X2−を表し、R、X1、X2は、式1と同義である(*はL41との結合位置を表す)。mは、2〜6の範囲の整数を表し、複数存在するQ3およびAは、それぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。)
L32、L42は、それぞれ独立に一般式(I)中のL12、L22と同義であり、好まましい範囲も同様である。
特に、(L41−L42)が表す連結基は、単結合またはアルキレン基が好ましく、(L32−L31)が表す連結基は、単結合、アルキレン基、または下記一般式(2A)〜 (2E)のいずれかで表される基であることが好ましい。一般式(2A)〜 (2E)の詳細は、上述の通りである。
一般式(2A) −{Rb jb(CRaRc)ja−O−(C=O)}−*
一般式(2B) −{Rb jb(CRaRc)ja−O}−*
一般式(2C) −{Rb jb(CRaRc)ja−(C=O)O−}−*
一般式(2D) −{Rb jb(CRaRc)ja−NR1(C=O)O−}−*
一般式(2E) −{Rb jb(CRaRc)ja−O−(C=O)NR1}−*
(一般式(2A)〜(2E)中、*は、Q3もしくはZ1との結合位置、または隣接する基とQ3もしくはZ1側で結合する位置を表し、Ra等の詳細は、先に記載した通りである。)
mは、2〜6の範囲の整数を表し、2〜3の範囲の整数が好ましい。
Q3が含む環状基は、単環でも縮合環でもよく、単環の方が好ましい。具体的には、脂肪族環(シクロヘキサン環など)、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環など)、などが挙げられ、芳香環が好ましく、芳香族炭素環がより好ましい。
Q3は炭素数が6〜30(より好ましくは6〜20、更に好ましくは6〜10)のアリールが更に好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
m個のQ3はいずれかが環構造を含むことが好ましく、いずれも環構造を含むことが好ましく、芳香族基を含むことがより好ましく、ベンゼン環(フェニル基)を含むことが更に好ましい。
Q3およびZ1の少なくとも一つが1つ以上の環状構造を含むことも好ましい。
Z1は、直鎖、分岐または環状の脂肪族基および芳香族基の少なくとも1つのみからなっていてもよいし、これらの基と、酸素原子、直鎖または分岐のアルキレン基との組み合わせであることも好ましい。Z1として含まれる脂肪族基は飽和脂肪族基であることが好ましい。
Z1を構成する炭素数は2〜20が好ましく、3〜15がより好ましい。
Z1は、置換基を有していてもよく、置換基の具体例としては、上記置換基群Tが挙げられるが、置換基を有さない方が好ましい。
具体的には、以下に例示される連結基が好ましい。なお、*はL41と結合する位置を表す。
一般式(I−2)
(Q4−(L52−L51)n5−A−(L61−L62)n6)m1−Z2
(一般式(I−2)中、L51およびL61は、それぞれ独立にアルキレン基を表し、アルキレン基は置換基を有していてもよい。L52およびL62は単結合または−O−、−NR1−、−S−、および−C(=O)−のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる基を表す。R1は、水素原子または置換基を表す。n5およびn6は、それぞれ0〜20の範囲の整数を表すが、n5およびn6のどちらか一方は1以上の整数であり、L51、L52、L61およびL62が複数存在する場合は、互いに同一でも異なっていてもよい。Q4は、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のシクロヘキシル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはt−ブチル基を表し、Z2は、直鎖、分岐または環状の脂肪族基および芳香族基の少なくとも1つを含む基を表し、Aは、*−X2−C(=X1)−NR−、または*−NR−C(=X1)−X2−を表し、R、X1、X2は、式1と同義である(*はL61との結合位置を表す)。m1は、2〜6の範囲の整数を表し、複数存在するQ4およびAは、それぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。)
L52、L62は、それぞれ独立に一般式(I)中のL12、L22と同義であり、好ましい範囲も同様である。
特に、(L61−L62)が表す連結基は、単結合またはエステル結合および/もしくはエーテル結合を含む有機基が好ましく、単結合またはエステル結合および/もしくはエーテル結合と連結したアルキレン基がより好ましい。(L52−L51)が表す連結基は、単結合、アルキレン基、または下記一般式(2A)〜(2E)のいずれかで表される基であることが好ましい。一般式(2A)〜(2E)の詳細は、上述の通りである。
一般式(2A) −{Rb jb(CRaRc)ja−O−(C=O)}−*
一般式(2B) −{Rb jb(CRaRc)ja−O}−*
一般式(2C) −{Rb jb(CRaRc)ja−(C=O)O−}−*
一般式(2D) −{Rb jb(CRaRc)ja−NR1(C=O)O−}−*
一般式(2E) −{Rb jb(CRaRc)ja−O−(C=O)NR1}−*
(一般式(2A)〜(2E)中、*は、Q4またはZ2との結合位置、または隣接する基とQ4もしくはZ2側で結合する位置を表し、Ra等の詳細は、先に記載した通りである。)
Q4で表されるシクロヘキシル基も、置換基を有していてもよく、無置換であってもよく、無置換のシクロヘキシル基であることが好ましい。
フェニル基、シクロヘキシル基に置換してもよい置換基の具体例としては、上記置換基群Tが挙げられる。
置換基群Tの置換位置については特に制限はなく、オルト、メタ及びパラ位のいずれの位置が置換されていてもよい。置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基がより好ましい。
Q4としては、無置換のフェニル基、無置換のシクロヘキシル基、またはメチル基が、より好ましい例として挙げられる。Q4がメチル基の場合、L52が−O−を表して、メトキシ基が分子末端基として含まれることがより好ましい。
Z2は、分岐または環状の脂肪族基および芳香族基の少なくとも1種のみからなっていてもよいし、これらの基と、酸素原子、直鎖または分岐のアルキレン基との組み合わせであることも好ましい。Z2として含まれる脂肪族基は飽和脂肪族基であることが好ましい。
Z2を構成する炭素数は3〜20が好ましく、3〜15がより好ましい。
Z2は、置換基を有していてもよく、置換基の具体例としては、上記置換基群Tが挙げられるが、置換基を有さない方が好ましい。
Z2の具体例は、上述のZ1のうち、分岐または環状の脂肪族基および芳香族基の少なくとも1種を含む基が例示される。
m1は、2〜6の範囲の整数を表す。
L72、L82は、それぞれ独立に一般式(I)中のL12、L22と同義であり、好ましい範囲も同様である。
n7、n8は、それぞれ独立に一般式(I)中のn1、n2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
(L81−L82)が表す連結基は、一般式(I−2)における(L61−L62)と同義であり、好ましい範囲も同様である。
中でも、一般式(I−3)において、(L72−L71)が表す連結基および(L81−L82)が表す連結基は、一態様では、前述の一般式(2A)または一般式(2B)で表される連結基であることが好ましい。他の一態様では、前述の一般式(2D)または一般式(2E)で表される連結基が好ましい。
下記の*は
一般式(I−4)中、(L81−L82)n8が表す連結基は、一般式(I−2)における(L61−L62)n6と同義であり、好ましい範囲も同様である。
中でも、一般式(I−4)において、(L72−L71)が表す連結基および(L81−L82)が表す連結基は、一態様では、前述の一般式(2A)または一般式(2B)で表される連結基であることが好ましい。他の一態様では、前述の一般式(2D)または一般式(2E)で表される連結基が好ましい。
下記の*は
一般式(I−5)中、(L81−L82)n8が表す連結基は、一般式(I−2)における(L61−L62)n6と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(2A−1) −{(CRaRc)ja−O−(C=O)}−*
一般式(2B−1) −{(CRaRc)ja−O}−*
一般式(2C−1) −{(CRaRc)ja−(C=O)O−}−*
一般式(2D−1) −{(CRaRc)ja−NR1(C=O)O−}−*
一般式(2E−1) −{(CRaRc)ja−O−(C=O)NR1}−*
(一般式(2A−1)〜(2E−1)中、*は、Q1aもしくはQ1bとの結合位置または隣接する基とQ1aもしくはQ1b側で結合する位置を表し、RaおよびRcは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、jaは1以上の整数を表し、Ra、Rcが複数存在する場合、複数のRa、Rcはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R1が複数存在する場合、複数のR1はそれぞれ同一であっても異なっていてよい。)
上記アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基等を挙げることができる。
L1aおよびL1bは、一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ、一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の2つ以上の組み合わせからなる基、または下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ以上とアルキレン基の1つ以上との組み合わせからなる基であることが好ましい。上記組み合わせは、例えば、上述の基の2つまたは3つからなる組み合わせである。
一般式(2A−1) −{(CRaRc)ja−O−(C=O)}−*
一般式(2B−1) −{(CRaRc)ja−O}−*
一般式(2C−1) −{(CRaRc)ja−(C=O)O−}−*
一般式(2D−1) −{(CRaRc)ja−NR1(C=O)O−}−*
一般式(2E−1) −{(CRaRc)ja−O−(C=O)NR1}−*
(一般式(2A−1)〜(2E−1)中、*は、Q11aもしくはQ11bとの結合位置または隣接する基とQ11aもしくはQ11b側で結合する位置を表し、RaおよびRcは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、jaは1以上の整数を表し、Ra、Rc、R1が複数存在する場合、複数のRa、Rc、R1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。一般式(II−1)に含まれる式1:−NR−C(=X1)−X2−で表される2価の連結基において、X1およびX2はそれぞれ独立に硫黄原子または酸素原子を表し、ただしX1およびX2の少なくとも一方は硫黄原子を表す。)
一般式(2A−1) −{(CHRa)ja−O−(C=O)}jc−*
一般式(2C−1) −{(CHRa)ja−(C=O)O−}jc−*
一般式(2D−1) −{(CRaRc)ja−NR1(C=O)O−}−*
一般式(2E−1) −{(CRaRc)ja−O−(C=O)NR1}−*
一般式(2A−1)、(2C−1)〜(2E−1)中、*は、Q11aもしくはQ11bとの結合位置または隣接する基とQ11aもしくはQ11b側で結合する位置を表し、RaおよびRcは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、jaは1以上の整数を表し、R1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Ra、Rc、R1が複数存在する場合、複数のRa、Rc、R1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。一般式(III−1)に含まれる式1:−NR−C(=X1)−X2−で表される2価の連結基において、X1およびX2はそれぞれ独立に硫黄原子または酸素原子を表し、ただしX1およびX2の少なくとも一方は硫黄原子を表す。)
(1)式1で表される2価の連結基の中で、少なくとも1つが式1−Cで表される2価の連結基であり、好ましくはより多くが式1−Cで表される2価の連結基であり、最も好ましくはすべてが式1−Cで表される2価の連結基である。
(2)式1で表される2価の連結基を、1分子中に2〜6つ有する。
(3)式1で表される2価の連結基が芳香環と直結した部分構造を有し、この部分構造を好ましくは分子末端に有する。
(4)式1で表される2価の連結基が式1に含まれる窒素原子を介して芳香環と直結した部分構造を有し、この部分構造を好ましくは分子末端に有する。
(5)上記(3)、(4)において、芳香環がベンゼン環である。
(6)少なくとも1つの分子末端基が、以下の分子末端基:
なお上記化合物が重合体である場合、分子量とは、特記しない限り、重量平均分子量をいうものとする。本発明および本明細書における平均分子量(重量平均分子量、数平均分子量)とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC;Gel Permeation Chromatography)によりポリスチレン換算で測定される値を言うものとする。具体的な測定条件の一例としては、以下の測定条件を挙げることができる。後述の実施例に示す平均分子量は、以下の条件で測定された値である。
GPC装置:HLC−8320(東ソー製):
カラム:TSK gel SuperHZM−H、TSK gel SuperHZ4000、TSK gel SuperHZ2000併用、(東ソー製、4.6mmID(内径)×15.0cm)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
例えば、アルキルまたはアリールイソシアネートへのチオールの付加反応、アミンとカーボネートの縮合反応などにより得ることができる。
アルキルまたはアリールイソシアネートへのチオールの付加反応の際、触媒を用いることも好ましい。触媒として、アミン類、亜鉛、スズなどの金属有機酸塩、金属キレート化合物、亜鉛、スズ、ビスマスなどの有機金属化合物などの従来公知のウレタン化触媒を使用できる。ウレタン化触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテートなどが好ましく用いられる。
一価のイソシアネート成分の例としては、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、ブチルイソシアネートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
多価チオールの例としては、エチレンジチオール、ジエチレンジチオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、チオグリセリン等を挙げることができる。
上記セルロースアシレートフィルムは、以上説明した式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物を、セルロースアシレート100.0質量部に対して、0.1〜50.0質量部含むことが好ましく、0.5〜30.0質量部含むことがより好ましく、1.0〜20.0質量部含むことが更に好ましく、2.0〜15.0質量部含むことが特に好ましい。上記化合物として二種以上の化合物を併用する態様については、上記の含有量は二種以上の化合物の合計量をいうものとする。
セルロースアシレートフィルムは、上記化合物とともにセルロースアシレートを含む。セルロースアシレートフィルムにおいて、最も多くを占める成分(主成分)が、セルロースアシレートであることが好ましい。セルロースアシレートフィルムのセルロースアシレート含有量については、フィルム質量に対して、例えば50〜95質量%程度であることができるが、これに限定されるものではない。
セルロースアシレートのアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基が好ましく、アセチル基がより好ましい。
本発明の一態様においては、置換基および置換度の一方または両方の異なる2種のセルロースアシレートを併用、混合して用いてもよいし、後述の共流延法などにより、異なるセルロースアシレートからなる複数層からなるフィルムを形成してもよい。
上記セルロースアシレートフィルムは、上記化合物およびセルロースアシレートに加え、他の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、公知の可塑剤、有機酸、色素、ポリマー、レターデーション調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤などが例示される。これらについては、特開2012−155287号公報の段落番号0062〜0097の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、添加剤としては、剥離促進剤、有機酸、多価カルボン酸誘導体を挙げることもできる。これらについては、国際公報WO2015/005398号段落0212〜0219の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
添加剤の含有量(上記セルロースアシレートフィルムが二種以上の添加剤を含有する場合には、それらの合計含有量)は、セルロースアシレート100.0質量部に対して50.0質量部以下であることが好ましく、30.0質量部以下であることがより好ましい。
好ましい添加剤の1つとしては、可塑剤を挙げることができる。可塑剤の添加により、セルロースアシレートフィルムの疎水性をより高めることができる。可塑剤の分子量は、添加することによる上記効果を良好に得る観点からは、3000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。また、可塑剤の分子量は、低揮散性の観点からは、例えば300以上であり、好ましくは350以上である。なお重合体の可塑剤については、分子量とは、数平均分子量をいうものとする。
好ましい添加剤の1つとしては、酸化防止剤を挙げることもできる。酸化防止剤については、国際公報WO2015/005398号段落0143〜0165の記載も参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
好ましい添加剤の1つとしては、ラジカル捕捉剤を挙げることもできる。ラジカル捕捉剤については、国際公報WO2015/005398号段落0166〜0199の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
好ましい添加剤の1つとしては、劣化防止剤を挙げることもできる。劣化防止剤については、国際公報WO2015/005398号段落0205〜0206の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
上記セルロースアシレートフィルムは、バルビツール酸構造を有する化合物(バルビツール酸化合物)を含有することもできる。バルビツール酸化合物は、この化合物を添加することにより、セルロースアシレートフィルムに各種機能を発現させることができる化合物である。例えば、バルビツール酸化合物は、セルロースアシレートフィルムの硬度向上に有効である。また、バルビツール酸化合物は、この化合物を含むセルロースアシレートフィルムを備えた偏光板の光、熱、湿度等に対する耐久性の改良にも有効である。上記セルロースアシレートフィルムに添加可能なバルビツール酸化合物については、例えば国際公報WO2015/005398号段落0029〜0060段落の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
上記セルロースアシレートフィルムの製造方法は、特に限定されるものではないが、溶融製膜法または溶液製膜法(ソルベントキャスト法)により製造することが好ましく、添加剤の揮散や分解を考慮すると溶液製膜法(ソルベントキャスト法)により製造することがより好ましい。ソルベントキャスト法を利用したセルロースアシレートフィルムの製造例については、米国特許第2,336,310号、同第2,367,603号、同第2,492,078号、同第2,492,977号、同第2,492,978号、同第2,607,704号、同第2,739,069号および同第2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号および同第736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号および同62−115035号等の各公報を参考にすることができる。また、セルロースアシレートフィルムは、延伸処理が施されていてもよい。
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押し出す方法、一旦金属支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があり、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるが、いずれも好ましく用いることができる。また、ここで挙げた方法以外にも、従来知られているポリマー溶液を流延製膜する種々の方法で実施することができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することができる。
セルロースアシレートフィルムの形成においては、共流延法、逐次流延法、塗布法などの積層流延法を用いることが好ましく、特に同時共流延(同時多層共流延ともいう。)法を用いることが、安定製造および生産コスト低減の観点から特に好ましい。
共流延法および逐次流延法により製造する場合には、先ず、各層用のセルロースアセテート溶液(ドープ)を調製する。共流延法(重層同時流延)は、流延用支持体(バンドまたはドラム)の上に、各層(3層あるいはそれ以上でもよい)各々の流延用ドープを別のスリットなどから同時に押出す流延用ギーサからドープを押出して、各層同時に流延し、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。共流延ギーサを用い、流延用支持体の上に表層用ドープとコア層用ドープを3層同時に押出して流延することができる。図1は、共流延に用いる流延ダイの一例を示す模式図である。図2は、共流延の一例を示す模式図(部分拡大図)である。ドープを流延する際は、図1に示すように、走行するバンド85の上に流延ダイ89からドープを、スキン層A/コア層/スキン層Bの3層構成になるように、図2に示すように共流延(同時多層流延)することができる。なおコア層とは、3層構成で中心部に位置する層のことをいい、スキン層A、Bとは3層構造で外側に位置する層のことをいう。
上述の式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物を、これらの層のいずれか一層以上またはすべての層に含有させてセルロースアシレートフィルムを得ることができる。
セルロースアシレートフィルムの製造方法では、製膜された延伸する工程を含むことが好ましい。セルロースアシレートフィルムの延伸方向はセルロースアシレートフィルム搬送方向(MD(Machine Direction)方向)と搬送方向に直交する方向(TD(Transverse Direction)方向)のいずれでも好ましいが、セルロースアシレートフィルム搬送方向に直交する方向(TD方向)であることが、後に続くセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板加工プロセスの観点から特に好ましい。なお、2段階以上に分けて複数回の延伸処理を行ってもよい。
(含水率)
セルロースアシレートフィルムの含水率は、一定温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は一定温湿度に24時間放置した後に、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出したものである。
セルロースアシレートフィルムの温度25℃相対湿度80%における含水率は、3.3質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下がより好ましく、3.0質量%未満が更に好ましく、2.7質量%以下が一層好ましく、2.5質量%以下がより一層好ましい。含水率の下限値は、例えば0.1質量%以上であるが、特に限定されない。式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物は、この化合物を含まない場合と比べて、セルロースアシレートフィルムの含水率を低下させる作用を発揮することができる。この点が、上記化合物を含むセルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いることにより、偏光板耐久性の向上が可能になる理由の1つであると本発明者らは推察している。
セルロースアシレートフィルムの透湿度は、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じ、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気中、試料を24時間に通過する水蒸気の質量を測定し、試料面積1m2あたりの24時間に通過する水蒸気の質量に換算した値として求めることができる。
セルロースアシレートフィルムの透湿度は、500〜1000g/m2・dayであることが好ましく、500〜940g/m2・dayであることがより好ましく、500〜920g/m2・dayであることが特に好ましい。
式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物は、この化合物を含まない場合と比べて、セルロースアシレートフィルムの透湿度を低下させる作用を発揮することができる。この点も、上記化合物を含むセルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いることにより、偏光板耐久性の向上が可能になる理由の1つであると本発明者らは推察している。
セルロースアシレートフィルムの膜厚は、用途に応じ適宜定めることができ、例えば、5〜100μmである。5μm以上とすることにより、ウェブ状のフィルムを作製する際のハンドリング性が向上し好ましい。また、100μm以下とすることにより、湿度変化に対応しやすく、光学特性を維持しやすくなる。セルロースアシレートフィルムの膜厚は、8〜80μmがより好ましく、10〜70μmが更に好ましい。
また、セルロースアシレートフィルムが3層以上の積層構造を有する場合、コア層の膜厚は3〜70μmが好ましく、5〜60μmがより好ましい。また、セルロースアシレートフィルムが、3層構造の場合、スキン層Aおよびスキン層Bの膜厚は、ともに0.5〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、0.5〜3μmが更に好ましい。
セルロースアシレートフィルムを製造する場合は、その幅が700〜3000mmであることが好ましく、1000〜2800mmであることがより好ましく、1300〜2500mmであることが特に好ましい。
セルロースアシレートフィルムはアルカリ鹸化処理することによりポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を付与し、偏光板保護フィルムとして用いることができる。
鹸化の方法としては、例えば、特開2007−86748号公報の段落0211と段落0212に記載される方法を用いることができる。
一態様では、式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物は、セルロースアシレートフィルムにおいて、レターデーション調整剤(レターデーション上昇剤)としての作用を奏することもできる。この化合物をセルロースアシレートフィルムに添加することにより、添加しない場合と比べて、膜厚方向のレターデーションRthを上昇させることができる。なおセルロースアシレートフィルムに延伸処理を施すことは、Rthを更に向上するうえで有効である。
一態様では、上記セルロースアシレートフィルムは、フィルムの膜厚d(単位:μm)により波長590nmにおける膜厚方向のレターデーションRth(単位:nm)の値を除した値Rth/dが、1.0以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。Rth/dは、例えば5.0以下であるが、これに限定されるものではない。
Re(λ)はKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。Rth(λ)は上記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHが算出する。なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基に、以下の式(A)および式(B)よりRthを算出することもできる。ここで平均屈折率の仮定値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。セルロースアシレートの平均屈折率の値は、1.48である。平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d 式(B)
なおこの際、パラメータとして平均屈折率nが必要になるが、これはアッベ屈折計((株)アタゴ社製の「アッベ屈折計2−T」)により測定した値を用いた。
なお、レターデーションは、AxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)またはAxoScan(AXOMETRICS社)を用いて測定することもできる。
(偏光板の構成)
本発明の一態様にかかる偏光板は、上述のセルロースアシレートフィルムと偏光子とを有する。
一態様では、偏光板は、偏光子と、その片面を保護する一枚またはその両面を保護する二枚の偏光板保護フィルムとを含み、上記セルロースアシレートフィルムを少なくとも一枚、偏光板保護フィルムとして有することができる。
また、液晶表示装置は、通常、視認側偏光板とバックライト側偏光板との間に、液晶セルが配置された構成を有する。視認側偏光板およびバックライト側偏光板において、偏光板と液晶セルとの間に位置する偏光板保護フィルムを、インナー側保護フィルム、インナー側とは反対側に位置する保護フィルムをアウター側保護フィルムと呼ぶと、上述のセルロースアシレートフィルムは、視認側偏光板のインナー側、アウター側、バックライト側偏光板のインナー側、アウター側のいずれの保護フィルムとしても用いることができる。
したがって、一態様では、液晶表示装置に、上記セルロースアシレートフィルムが、偏光子の液晶セルと対向する面とは反対側の面上に位置するアウター側偏光板保護フィルムとして含まれる。
また、他の一態様では、液晶表示装置に、上記セルロースアシレートフィルムが、偏光子と液晶セルとの間に位置するインナー側偏光板保護フィルムとして含まれる。
上記セルロースアシレートフィルムは、外部雰囲気から偏光子に到達する水分を低減する作用を奏すると考えられるため、かかる作用を効果的に発揮する観点からは、視認側偏光板の保護フィルムとして含まれることが好ましく、視認側偏光板のアウター側保護フィルムとして含まれることがより好ましい。
ここで、実質的に平行、直交または45°であるとは、偏光板保護フィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とは、そのずれが5°以内であることをいい、1°以内、好ましくは0.5°以内であることが好ましい。ずれが1°以内であれば、偏光板クロスニコル下での偏光度性能が低下しにくく、光抜けが生じにくく好ましい。
上記偏光板は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、液晶表示装置の視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板として用いることもできる。これらの詳細は、特開2012−082235号公報の段落0229〜0242、段落0249〜0250、特開2012−215812号公報の段落0086〜0103の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
セルロースアシレートフィルム上には、所望によりハードコート層を設けることもできる。例えば、塗布組成物をセルロースアシレートフィルム上に塗布し、硬化させることによって、セルロースアシレートフィルム上にハードコート層を形成することができる。ハードコート層にフィラーや添加剤を加えることで、機械的、電気的、光学的な物理的な性能や撥水・撥油性などの化学的な性能をハードコート層に付与することもできる。ハードコート層の厚みは0.1〜6μmの範囲であることが好ましく、3〜6μmの範囲であることが更に好ましい。このような範囲の薄いハードコート層を有することで、脆性やカール抑制などの物性改善、軽量化および製造コスト低減がなされたハードコート層を含む偏光板を得ることができる。
本発明の一態様にかかる液晶表示装置は、本発明の一態様にかかる偏光板を少なくとも1枚含む。液晶表示装置の詳細は、特開2012−082235号公報の段落0251〜0260の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。上記偏光板は、視認側偏光板、バックライト側偏光板のいずれの偏光板としても用いることができる。一態様では、少なくとも視認側偏光板として、上記偏光板を用いることが好ましい。
また、本発明の一態様にかかるセルロースアシレートフィルムは、水分による影響を低減する作用を奏することができるため、偏光板保護フィルムに限らず、水分の影響を低減することが望ましい各種用途における保護フィルムとしても有用である。
すべての合成した化合物の同定は、1H−NMR(Nuclear Magnetic Resonance)(300MHz)、赤外分光法(infrared spectroscopy;IR)を用いて行った。
<例示化合物Aの合成>
コンデンサー付き三口フラスコ(300ml)に、ヘキサメチレンジイソシアネート30.0g(和光純薬製)、メトキシエタンチオール32.8g(サンタクルーズバイオテック製)およびテトラヒドロフラン100g(和光純薬製)を入れ、窒素気流下、室温で攪拌しているところへ、ビスマス触媒(日東化成製ネオスタンU−600)を1mg加え、液温を50℃まで昇温してから48時間攪拌した。この時、イソシアネート(NCO)とチオール(SH)との反応仕込み時の当量は1であった。その後、この反応溶液を室温まで放冷し、別途攪拌している2Lの水へ投入し、目的物の固体を析出させた。析出した固体をろ別し、得られた固体を常圧下(101.33kPa)、雰囲気温度50℃の環境下で48時間乾燥し、例示化合物Aの固体を得た。
例示化合物B〜Eおよび比較化合物F〜Hは、原料のチオール(またはアルコール)およびイソシアネートの種類を変えた以外は、例示化合物Aの合成と同様の合成方法にて合成した。なお、いずれの化合物の合成時においても、イソシアネートとチオール(またはアルコール)との反応仕込み時の当量は1となるようにした。
合成により得られた固体が目的物であることは、1H−NMRスペクトルおよびIRスペクトルにより確認した。
<セルロースアシレート溶液の調製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、更に液温90℃で約10分間加熱した後、平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターで順次ろ過し、セルロースアシレート溶液Iを調製した。
セルロースアシレート溶液Iの組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート(置換度2.88、数平均分子量163000)
100.0質量部
表1に記載の化合物 9.0質量部
重縮合エステル可塑剤S3 5.0質量部
メチレンクロライド 451.0質量部
メタノール 39.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
アジピン酸:エタンジオール=100:100(モル比)の重縮合エステル化合物(末端封止なし、水酸基価112mgKOH/g、数平均分子量:1000)
次に上記方法で作製したセルロースアシレート溶液を含む下記組成物を分散機に投入し、マット剤分散液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤分散液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・マット剤(日本アエロジル社製アエロジル(登録商標)R972)0.2質量部
・メチレンクロライド 72.4質量部
・メタノール 10.8質量部
・セルロースアシレート溶液I 10.3質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記セルロースアシレート溶液Iを100質量部、マット剤分散液をセルロースアシレート樹脂に対してマット剤微粒子が0.20質量部となる量で混合し、製膜用ドープを調製した。
上述の製膜用ドープを、バンド流延機を用いて流延した。なお、バンドはステンレス鋼材(SUS;Steel Special Use Stainless)製であった。
流延されて得られたウェブ(フィルム)を、バンドから剥離後、クリップでウェブの両端を留め搬送するテンター装置を用いてテンター装置内(装置内温度:100℃)にて、20分間乾燥した。
その後、更に乾燥温度120℃で乾燥ゾーン中を搬送させ、ウェブを乾燥させた。
こうして、実施例1〜3、5、6および比較例1〜4の膜厚60μmのセルロースアシレートフィルムを得た。
実施例4のセルロースアシレートフィルムは、流延して得られたウェブを、クリップで把持し、固定端一軸の条件で横方向に延伸した。なお、延伸時の雰囲気温度は180℃とし、延伸率は30%とした。得られたフィルムの膜厚は60μmであった。
<偏光板保護フィルムの鹸化処理>
実施例、比較例の各セルロースアシレートフィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(液温55℃)に3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、液温30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフィルムに対して表面の鹸化処理を行った。
厚さ75μmの長尺ポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製9X75RS)をガイドロールにて連続搬送し、30℃の水浴中に浸漬させて1.5倍に膨潤させ、かつ延伸処理して2倍の延伸倍率とした後、ヨウ素とヨウ化カリウム配合の染色浴(30℃)に浸漬して染色処理するとともに延伸処理して3倍の延伸倍率とし、次いでそれをホウ酸とヨウ化カリウムを添加した酸性浴(60℃)中で架橋処理するとともに延伸処理して6.5倍の延伸倍率とし、雰囲気温度50℃の雰囲気中で5分間乾燥させて、厚み20μmの偏光子を得た。
上記の鹸化処理したセルロースアシレートフィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作製した偏光子の片側に貼り付けた。市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)に同様の鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記で作製した各セルロースアシレートフィルムを貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と得られたセルロースアシレートフィルムの遅相軸とは平行するように配置した。また、偏光子の透過軸と市販のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸については、直交するように配置した。
このようにして各偏光板を作製した。
<偏光板耐久性の評価>
偏光板耐久性試験を、作製した偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けた形態で次のように行った。
ガラスの上に偏光板を、実施例、比較例のセルロースアシレートフィルムが空気界面側になるように貼り付けたサンプル(約5cm×5cm)を2つ作製した。単板直交透過率測定では、このサンプルのガラス側を光源に向けてセットして測定した。測定は、日本分光(株)製の自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて380nm〜780nmの範囲で測定し、偏光子の性能低下の影響が顕著に出やすい波長である410nmにおける直交透過率の測定値を採用した。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を偏光板の単板直交透過率とした。
平行透過率は、作製したサンプルを90°回転させた以外は、上記の単板直交透過率測定の場合と同じ方法で測定した。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を偏光板の平行透過率とした。
上記で測定した単板直交透過率および平行透過率の値から、以下の式により偏光度(経時前偏光度)を求めた。
偏光度(%)=[(単板直交透過率−平行透過率)/(単板直交透過率+平行透過率)]1/2×100
経時前後の偏光度から、以下の式により偏光度の変化量を算出した。
偏光度の変化量(%)=[経時後偏光度(%)−経時前偏光度(%)]
A+:経時前後の偏光度変化量が0.05%未満
A :経時前後の偏光度変化量が0.05%以上2.0%未満
B :経時前後の偏光度変化量が2.0%以上3.0%未満
C :経時前後の偏光度変化量が3.0%以上
実施例、比較例のセルロースアシレートフィルムの含水率(平衡含水率;温度25℃相対湿度80%)を、各フィルムから切り出したフィルム試料(サイズ:7mm×35mm)を用いて、水分測定器(試料乾燥装置“CA−03”および“VA−05”(共に三菱化学(株)製)にてカールフィッシャー法で測定した。含水率は、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出した。
実施例、比較例のセルロースアシレートフィルムの透湿度を、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じ、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気中、試料を24時間に通過する水蒸気の質量を測定し、試料面積1m2あたりの24時間に通過する水蒸気の質量に換算した値として求めた。
波長590nmにおけるRthを、AxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)を用いて測定し、Rth(単位:nm)をフィルム厚み(単位;μm)で除して、Rth/dを求めた。
セルロースアシレートフィルムに添加した化合物によるレターデーション上昇効果を、下記基準に基づき評価した。
A:2.0以上
B:1.5以上2.0未満
C:1.0以上1.5未満
D:1.0未満
更に、実施例でセルロースアシレートフィルムに添加した化合物が、レターデーション上昇剤として機能したことも、表1に示すRth/dの結果から確認できる。
市販の液晶テレビ(SONY(株)のブラビアJ5000)の視認側の偏光板をはがし、上記実施例で作製した各偏光板を、上記各実施例の偏光板保護フィルムがアウター側となるように、粘着剤を介して貼り付けて液晶表示装置を得た。
85 流延バンド
89 流延ダイ
120 コア層用ドープ
121 スキン層A用ドープ
122 スキン層B用ドープ
120a コア層
121a スキン層A
122a スキン層B
150 スキン層B(支持体層)用ダイ
151 コア層(基層)用ダイ
152 スキン層A(エア面層)用ダイ
Claims (16)
- 式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物を含有するセルロースアシレートフィルム;
式1:
−NR−C(=X1)−X2−
式1中、Rは水素原子または置換基を表し、X1およびX2はそれぞれ独立に硫黄原子または酸素原子を表し、ただしX1およびX2の少なくとも一方は硫黄原子を表す。 - 前記化合物は、式1で表される2価の連結基を1分子中に2〜6つ含む請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記化合物は、式1で表される2価の連結基が芳香環と直結した部分構造を有する請求項1または2に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記化合物は、式1で表される2価の連結基が芳香環と直結した部分構造を少なくとも1つの分子末端に有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記部分構造において、式1で表される2価の連結基は、式1に含まれる窒素原子を介して芳香環と直結している請求項3または4に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記芳香環はベンゼン環である請求項3〜5のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記化合物は、式1で表される2価の連結基として、式1中、X1が酸素原子を表し、かつX2が硫黄原子を表す2価の連結基を1分子中に少なくとも1つ含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記化合物は、前記化合物に含まれる式1で表される2価の連結基がすべて、式1中、X1が酸素原子を表し、かつX2が硫黄原子を表す2価の連結基である請求項7に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記化合物は、式1で表される2価の連結基として、式1中、X1が酸素原子を表し、X2が硫黄原子を表し、かつRが水素原子を表す2価の連結基を1分子中に少なくとも1つ含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記化合物は、前記化合物に含まれる式1で表される2価の連結基がすべて、式1中、X1が酸素原子を表し、X2が硫黄原子を表し、かつRが水素原子を表す2価の連結基である請求項9に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記化合物の分子量は、200以上2000以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記化合物を、セルロースアシレート100.0質量部に対して0.1〜50.0質量部含有する請求項1〜11のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムと、偏光子と、を含む偏光板。
- 前記偏光子は、ヨウ素染色ポリビニルアルコールフィルムである請求項13に記載の偏光板。
- 請求項14に記載の偏光板と、液晶セルと、を含む液晶表示装置。
- 前記偏光板を、少なくとも視認側偏光板として含む請求項15に記載の液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015193893A JP6572081B2 (ja) | 2015-09-30 | 2015-09-30 | セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015193893A JP6572081B2 (ja) | 2015-09-30 | 2015-09-30 | セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017066286A true JP2017066286A (ja) | 2017-04-06 |
JP6572081B2 JP6572081B2 (ja) | 2019-09-04 |
Family
ID=58491635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015193893A Active JP6572081B2 (ja) | 2015-09-30 | 2015-09-30 | セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6572081B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020032131A1 (ja) * | 2018-08-09 | 2020-02-13 | 株式会社Adeka | 化合物、チオール発生剤、組成物、硬化物及び硬化物の製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005272566A (ja) * | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロース体組成物、セルロース体フイルム、セルロース体フイルム用改質剤、偏光板保護膜、液晶表示装置およびハロゲン化銀写真感光材料 |
WO2015012407A1 (ja) * | 2013-07-26 | 2015-01-29 | 富士フイルム株式会社 | セルロースアシレートフィルム、新規化合物、偏光板および液晶表示装置 |
-
2015
- 2015-09-30 JP JP2015193893A patent/JP6572081B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005272566A (ja) * | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロース体組成物、セルロース体フイルム、セルロース体フイルム用改質剤、偏光板保護膜、液晶表示装置およびハロゲン化銀写真感光材料 |
WO2015012407A1 (ja) * | 2013-07-26 | 2015-01-29 | 富士フイルム株式会社 | セルロースアシレートフィルム、新規化合物、偏光板および液晶表示装置 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020032131A1 (ja) * | 2018-08-09 | 2020-02-13 | 株式会社Adeka | 化合物、チオール発生剤、組成物、硬化物及び硬化物の製造方法 |
JPWO2020032131A1 (ja) * | 2018-08-09 | 2021-08-26 | 株式会社Adeka | 化合物、チオール発生剤、組成物、硬化物及び硬化物の製造方法 |
JP7422076B2 (ja) | 2018-08-09 | 2024-01-25 | 株式会社Adeka | 化合物、チオール発生剤、組成物、硬化物及び硬化物の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6572081B2 (ja) | 2019-09-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6274673B2 (ja) | 偏光板用組成物、偏光板保護フィルム、セルロースアシレートフィルム、偏光子、偏光板および表示装置 | |
JP6095766B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、新規化合物、偏光板および液晶表示装置 | |
JP4242602B2 (ja) | 位相差フィルム | |
US9784897B2 (en) | Optical film, polarizing plate and liquid crystal display device | |
JP5920336B2 (ja) | 位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置及び化合物 | |
WO2017057255A1 (ja) | 偏光板保護フィルム、その製造方法、偏光板及び画像表示装置 | |
US20150185368A1 (en) | Optical film, polarizing plate and liquid crystal display using the same, and compound | |
JP6193797B2 (ja) | 光学フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
WO2015012407A1 (ja) | セルロースアシレートフィルム、新規化合物、偏光板および液晶表示装置 | |
JP6572081B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP2012215687A (ja) | 光学フィルムとその製造方法、偏光板および液晶表示装置 | |
JP6339530B2 (ja) | ポリマーフィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
US20150355397A1 (en) | Optical film, polarizing plate, and liquid crystal display device | |
JP6001729B2 (ja) | セルロースエステルフィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP6200071B2 (ja) | セルロースエステルフィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP6072225B2 (ja) | 光学フィルム、それを用いた偏光板および液晶表示装置 | |
JP6277095B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
US10001584B2 (en) | Optical film, and polarizing plate and liquid crystal display device that use this optical film | |
CN105384951B (zh) | 聚合物膜、偏振片及液晶显示装置 | |
WO2018020904A1 (ja) | セルロースエステルフィルム、偏光板および画像表示装置 | |
WO2013125420A1 (ja) | 光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 | |
JP2017066288A (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JPWO2020054135A1 (ja) | 表面保護フィルム用基材、該基材を用いた表面保護フィルム、および表面保護フィルム付光学フィルム | |
WO2017195583A1 (ja) | セルロースアシレートフィルム、光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170810 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180531 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180626 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180824 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190115 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190315 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190730 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190809 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6572081 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |