JP2017066286A - セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光板耐久性の向上を可能にする新たな手段となるセルロースアシレートフィルムを提供すること。【解決手段】式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物を含有するセルロースアシレートフィルム。偏光板。液晶表示装置。式1:−NR−C(=X1)−X2−式1中、Rは水素原子または置換基を表し、X1およびX2はそれぞれ独立に硫黄原子または酸素原子を表し、ただしX1およびX2の少なくとも一方は硫黄原子を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置に関する。
セルロースアシレートフィルムは、液晶表示装置等の表示装置を構成するフィルムとして広く用いられている。かかるセルロースアシレートフィルムの性能を向上することが、従来検討されてきた(例えば特許文献1参照)。
特開2014−224962号公報
セルロースアシレートフィルムの適用が有用な用途として、偏光板保護フィルムとしての用途が挙げられる。偏光板は、少なくとも偏光子を含み、通常、偏光子の一方または両方の面に、偏光子に傷が付くことを防ぐために保護フィルム(偏光板保護フィルム)が積層されている。液晶表示装置において、偏光板は、一定方向の偏波面を有する光を選択的に透過させる役割を担っており、この役割を果たすための機能は偏光子によって発揮される。
近年、液晶表示装置は、屋内での使用のほかに、屋外で使用される機会(例えば、屋外に設置される大画面ディスプレイ、携帯デバイス等)が増加している。そのため、液晶表示装置を構成する偏光板には、屋外をはじめとして様々な環境下での使用に耐え得る高い耐久性を有すること(詳しくは、様々な環境下で使用されたとしても上記役割を良好に果たすことができること;以下、「偏光板耐久性」とも記載する。)が求められ、通常求められるレベルを超えるきわめて優れた偏光板耐久性を有する偏光板へのニーズが高まっている。
偏光板耐久性の向上の手段としては、偏光子そのものの耐久性を高めることが考えられる。しかるに偏光子そのものの耐久性を向上するために偏光子に何らかの変更(組成の変更や製法の変更等)を加えることは、偏光子の性能の変化を引き起こす可能性があるため、偏光子の性能を維持しつつ耐久性を向上することは容易ではない。この点からは、偏光板保護フィルムが偏光板耐久性の向上に寄与できることが望ましいと言える。
本発明の目的は、偏光板耐久性の向上を可能にする新たな手段となるセルロースアシレートフィルムを提供することにある。
本発明の一態様は、式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物を含有するセルロースアシレートフィルムに関する。
式1:−NR−C(=X)−X
(式1中、Rは水素原子または置換基を表し、XおよびXはそれぞれ独立に硫黄原子または酸素原子を表し、ただしXおよびXの少なくとも一方は硫黄原子を表す。)
一態様では、上記化合物は、式1で表される2価の連結基を1分子中に2〜6つ含む。
一態様では、上記化合物は、式1で表される2価の連結基が芳香環と直結した部分構造を有する。なお本発明および本明細書において、ある基や部分構造同士の連結に関して、「直結」とは、それらの基や部分構造同士との間に連結基等の他の原子が存在せずに直接結合していることをいうものとする。
一態様では、上記化合物は、式1で表される2価の連結基が芳香環と直結した部分構造を少なくとも1つの分子末端に有する。
一態様では、上記部分構造において、式1で表される2価の連結基は、式1に含まれる窒素原子により芳香環と直結している。
一態様では、上記芳香環はベンゼン環である。
一態様では、上記化合物は、式1で表される2価の連結基として、式1中、Xが酸素原子を表し、かつXが硫黄原子を表す2価の連結基を1分子中に少なくとも1つ含む。
一態様では、上記化合物は、この化合物に含まれる式1で表される2価の連結基がすべて、式1中、Xが酸素原子を表し、かつXが硫黄原子を表す2価の連結基である。
一態様では、上記化合物は、式1で表される2価の連結基として、式1中、Xが酸素原子を表し、Xが硫黄原子を表し、かつRが水素原子を表す2価の連結基を1分子中に少なくとも1つ含む。
一態様では、上記化合物は、この化合物に含まれる式1で表される2価の連結基がすべて、式1中、Xが酸素原子を表し、Xが硫黄原子を表し、かつRが水素原子を表す2価の連結基である。
一態様では、上記化合物の分子量は、200以上2000以下である。
一態様では、上記セルロースアシレートフィルムは、上記化合物を、セルロースアシレート100.0質量部に対して0.1〜50.0質量部含有する。
本発明の更なる態様は、上記セルロースアシレートフィルムと、偏光子と、を含む偏光板に関する。
一態様では、上記偏光子は、ヨウ素染色ポリビニルアルコールフィルムである。
本発明の更なる態様は、上記偏光板と、液晶セルと、を含む液晶表示装置に関する。
一態様では、上記液晶表示装置には、上記偏光板が、少なくとも視認側偏光板として含まれている。
本発明の一態様によれば、偏光板保護フィルムとして有用なセルロースアシレートフィルム、このフィルムを含む偏光板耐久性に優れる偏光板、およびこの偏光板を含む液晶表示装置を提供することができる。
セルロースアシレートフィルムの製造方法(共流延)に用いる流延ダイの一例を示す模式図(部分拡大図)である。 セルロースアシレートフィルムの製造方法(共流延)の一例を示す模式図(部分拡大図)である。
以下に、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本発明および本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。本発明および本明細書において、アルキル基等の「基」は、特に述べない限り、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。更に、炭素数が限定されている基の場合、炭素数は、置換基が有する炭素数を含めた数を意味している。置換基としては、下記の置換基群Tに記載の各種置換基を例示することができる。
置換基群T:
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜16、特に好ましくは0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレタン基、ウレイド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる。)、およびシリル基(好ましくは、炭素原子数3〜40、より好ましくは3〜30、特に好ましくは3〜24であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)。
これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が2つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
[セルロースアシレートフィルム]
本発明の一態様にかかるセルロースアシレートフィルムは、式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物を含有するセルロースアシレートフィルムである。
式1:−NR−C(=X)−X
(式1中、Rは水素原子または置換基を表し、XおよびXはそれぞれ独立に硫黄原子または酸素原子を表し、ただしXおよびXの少なくとも一方は硫黄原子を表す2価の連結基を1分子中に2つ以上含む化合物を含有する。)
本発明者は、上記セルロースアシレートフィルムが、偏光板保護フィルムとして用いられることにより偏光板耐久性の向上を可能にする理由は、式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物を含むことにより、セルロースアシレートフィルムが水を含み難くなること(含水率の低下)や、水を通し難くなること(透湿度の低下)にあるのではないかと推察している。これにより、外部雰囲気から偏光子に到達する水分を低減できることが、偏光子の性能維持、即ち偏光板耐久性の向上につながるのではないかと本発明者は考えている。更に、上記化合物によりセルロースアシレートフィルムの含水率や透湿度の低下が可能になる理由については、本発明者は、上記化合物の1分子中に2つ以上含まれる式1で表される2価の連結基がフィルムの疎水性を高めることに寄与することや、この連結基がセルロースアシレートに含まれる構造(例えば、エステル結合、ヒドロキシ基、主鎖のグルコピラノース環におけるエーテル結合等)と相互作用することによりフィルムが緻密になり含水や水分の透過が抑制されることを推察している。
ただし以上は推察に過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。
以下に、上記セルロースアシレートフィルムについて、更に詳細に説明する。
<式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物>
上記セルロースアシレートフィルムは、下記式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する。
式1:−NR−C(=X)−X
式1中、Rは水素原子または置換基を表す。置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル基が挙げられる。Rは、水素原子、または、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基、炭素数6〜18のアリール基(例えば、ベンゼン環およびナフタレン環の基)が好ましく、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
式1中、XおよびXはそれぞれ独立に硫黄原子または酸素原子を表す。ただしXおよびXの少なくとも一方は硫黄原子を表す。したがって、式1は、下記式1−A、式1−B、式1−Cのいずれかとなる。式1は、好ましくは式1−Cである。
式1−A:−NR−C(=S)−S−
式1−B:−NR−C(=S)−O−
式1−C:−NR−C(=O)−S−
上記化合物は、式1で表される2価の連結基を、1分子中に2つ以上有する。これにより、上記化合物を含むセルロースアシレートフィルムは、これを偏光板保護フィルムとして用いることにより、偏光板耐久性に優れる偏光板の提供を可能にすることができる。上記化合物に含まれる式1で表される2価の連結基の数は、セルロースアシレートとの相溶性の観点から、1分子中に2〜8であることが好ましく、2〜6であることがより好ましく、2〜4であることが更に好ましい。
(式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物の具体的態様)
上記化合物の具体的態様としては、下記一般式(I)で表される化合物を挙げることができる。以下に、一般式(I)で表される化合物について説明する。なお、以下に記載する化合物の構造に関する説明は、特記しない限り、一般式(I)で表される化合物に限定されず、式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物全般に当てはまるものとする。
一般式(I)
−(L12−L11n1−X−C(=X)−NR−(L21−L22n2−Q
(一般式(I)中、L11およびL21は、それぞれ独立にアルキレン基を表し、アルキレン基は置換基を有していてもよい。L12およびL22はそれぞれ独立に単結合または−O−、−NR−、−S−、−C(=O)−のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる基を表す。Rは、水素原子または置換基を表す。n1およびn2は、それぞれ独立に0〜20の範囲の整数を表し、n1およびn2のいずれか一方は1以上の整数であり、L11、L12、L21およびL22が複数存在する場合は、互いに同一でも異なっていてもよい。QおよびQは、それぞれ独立に置換基を表す。Q、Q、−L12−L11−、−L21−L22−の少なくとも1つには、式1で表される2価の連結基が少なくとも1つ含まれる。)
11およびL21が表すアルキレン基としては、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよく、1つ以上の環状アルキレン基(シクロアルキレン基)と1つ以上の直鎖または分岐のアルキレン基とが連結したアルキレン基でもよい。直鎖または分岐のアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基などが挙げられる、直鎖または分岐のアルキレン基としては、炭素数1〜20のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜12のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基が特に好ましく、メチレン基、エチレン基、またはプロピレン基が最も好ましい。環状アルキレン基としては、置換基を有していてもよいシクロへキシレン基が好ましい。アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基が有していてもよい置換基としては、上記置換基群Tが挙げられる。これらの中でも、アルキレン基が有する置換基としては、アルキル基、アシル基、アリール基、アルコキシ基、カルボニル基が好ましい。
直鎖または分岐のアルキレン基は置換基を有していない方が好ましい。環状アルキレン基は置換基を有していることが好ましい。
12およびL22はそれぞれ独立に単結合または−O−、−NR−、−S−、−C(=O)−のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる基を表し、中でも単結合、酸素原子、−NR−、または−C(=O)−であることが好ましい。Rは、水素原子または置換基を表し、置換基としては、アルキル基、アリール基、アシル基が挙げられ、水素原子または、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルキニル基、炭素数6〜18のアリール基(例えば、ベンゼン環およびナフタレン環の基)が好ましく、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。
12およびL22は、一態様では、単結合、−O−*、−OC(=O)−*、−C(=O)O−*、−NR−*、−RN−*であることが好ましい。ここで*は、QもしくはQとの結合位置、または隣接する基とQもしくはQ側で結合する位置を表す。
一方、L12およびL22が−OC(=O)−*、−C(=O)O−*である場合の−(L12−L11)−または−(L21−L22)−が表す連結基の具体例としては、下記一般式(2A)または(2C)で表される構造が例示される。
また、L12およびL22が酸素原子である場合の−(L12−L11)−または−(L21−L22)−が表す連結基の具体例としては、下記一般式(2B)で表される構造が例示される。
また、L12およびL22が−NR−OC(=O)−*、−NR−C(=O)O−*である場合の−(L12−L11)−または−(L21−L22)−が表す連結基の具体例としては、下記一般式(2D)または(2E)で表される構造が例示される。
一般式(2A) −{R jb(CRcja−O−(C=O)}−*
一般式(2B) −{R jb(CRcja−O}−*
一般式(2C) −{R jb(CRcja−(C=O)O−}−*
一般式(2D) −{R jb(CRcja−NR(C=O)O−}−*
一般式(2E) −{R jb(CRcja−O−(C=O)NR}−*
(一般式(2A)〜(2E)中、*は、QもしくはQとの結合位置、または隣接する基とQもしくはQ側で結合する位置を表し、RおよびRcは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基(例えば炭素数1〜3のアルキル基、好ましくはメチル基)を表し、jaは1以上の整数を表し、1〜3の範囲の整数であることが好ましい。RおよびRcが複数存在する場合、複数のRおよびRcはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Rは1つ以上の炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキレン基を表し、好ましくは1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシレン基であり、jbは0または1である。Rは水素原子または置換基を表し、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、アルキル基はメチル基であることがより好ましい。Rが複数存在する場合、複数のRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(2A)〜(2E)において、−(CRc)−で表される構造が2つ以上含まれる場合、RおよびRcがすべて水素原子であるか、またはRまたはRcのうち少なくとも一方がアルキル基であることが好ましい。
一般式(2A)で表される連結基の具体例としては、
−C(CH−O−(C=O)−、
−CHCH−O−(C=O)−、
−CHCHCH−O−(C=O)−、
−CHCH(CH)−O−(C=O)−、
−CH(CH)CH−O−(C=O)−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CH−O−(C=O)−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CHCH−O−(C=O)−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CHCHCH−O−(C=O)−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CHCH(CH)−O−(C=O)−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CH(CH)CH−O−(C=O)−、
などが挙げられる。
一般式(2B)で表される連結基の具体例としては、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、分岐を有するブチレンオキシ基、分岐を有するペンチレンオキシ基、分岐を有するへキシレンオキシ基、
−C(CH−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CH−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CHCH−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CHCHCH−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CHCH(CH)−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロへキシレン基)−CH(CH)CH−O−、
などが挙げられる。
一般式(2C)で表される連結基の具体例としては、
−C(CH−(C=O)−O−、
−CHCH−(C=O)−O−、
−CHCHCH−(C=O)−O−、
−CHCH(CH)−(C=O)−O−、
−CH(CH)CH−(C=O)−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロヘキシレン基)−CH−(C=O)−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロヘキシレン基)−CHCH−(C=O)−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロヘキシレン基)−CHCHCH−(C=O)−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロヘキシレン基)−CHCH(CH)−(C=O)−O−、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロヘキシレン基)−CH(CH)CH−(C=O)−O−、
などが挙げられる。
一般式(2D)で表される連結基の具体例としては、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロヘキシレン基)−CH−NR(C=O)O−
−CH−NR(C=O)−O−、
−CHCH−NR(C=O)−O−、
−CHCHCH−NR(C=O)−O−、
−CHCH(CH)−NR(C=O)−O−、
−CH(CH)CH−NR(C=O)−O−、
などが挙げられる。
一般式(2E)で表される連結基の具体例としては、
−(1〜3つの炭素数1〜3のアルキル基で置換されているシクロヘキシレン基)−CH―O−(C=O)NR
−CH−NR(C=O)−O−、
−CHCH−NR(C=O)−O−、
−CHCHCH−NR(C=O)−O−、
−CHCH(CH)−NR(C=O)−O−、
−CH(CH)CH−NR(C=O)−O−、
などが挙げられる。
(L12−L11)および(L21−L22)が表す連結基の好ましい態様としては、アルキレン基、または、一般式(2A)〜(2E)のいずれかで表される基が挙げられる。一態様では、より好ましい態様としては、アルキレン基、または、一般式(2A)もしくは、(2B)で表される基が挙げられる。他の一態様では、より好ましい態様として、一般式(2D)または(2E)で表される基が挙げられる。なお、(L12−L11)および(L21−L22)がアルキレン基であるとは、すなわち、L11およびL21がアルキレン基を表し、L12およびL22が単結合を表すことを意味する。一般式(I)中、n1、n2が1以上の整数(即ち1〜5)範囲の整数)である場合、一般式(I)中には複数の(L12−L11)、(L21−L22)が含まれる。この場合、複数の(L12−L11)、複数の(L21−L22)は、同じ構造であってもよく、異なっていてもよい。好ましくは、複数の(L12−L11)、複数の(L21−L22)には、アルキレン基と一般式(2A)〜(2E)のいずれかで表される基の1つ以上との組み合わせが含まれることが好ましい。
およびQは、それぞれ独立に置換基を表す。
置換基としては、上記置換基群Tが挙げられ、炭素数が6〜30(より好ましくは6〜20、更に好ましくは6〜10)のアリール基、炭素数が1〜12(より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5)のアルキル基(但し、アルキル鎖中に酸素原子が入っていてもよい)、炭素数が1〜12(より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5)のアルコキシ基が挙げられる。QおよびQは、更に置換基を有していてもよく、置換基の具体例としては、上記置換基群Tが挙げられ、アリール基、アルキル基、アシル基が好ましい。なお上記アリール基とは、芳香族炭化水素基を意味するものとする。
一態様では、Q、Qは、一方または両方に環状構造を含むことが好ましい。含まれる環状構造としては、脂肪族環(シクロヘキサン環など)、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環など)などが挙げられ、複数種の環を有していてもよく、縮合環であってもよい。上記環状構造が置換基を有する場合、置換基としては、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。
、Qの一方または両方に環状構造が含まれる場合、この環状構造は、好ましくは、脂肪族炭素環または芳香族炭素環であり、より好ましくはシクロヘキサン環、ベンゼン環であり、更に好ましくはベンゼン環である。
式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物は、シクロヘキサン環またはベンゼン環(好ましくはベンゼン環)を一分子中に2〜6つ含むことが好ましく、一般式(I)で表される化合物が、シクロヘキサン環またはベンゼン環(好ましくはベンゼン環)を一分子中に2〜6つ含むことが好ましい。
環状構造は、分子末端基として含まれることがより好ましい。分子末端基として含まれる環状構造は、式1で表される2価の連結基と直結していることが好ましく、式1で表される2価の連結基と、式1に含まれる窒素原子を介して直結していることが好ましい。即ち、式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物は、
(環状構造)−NR−C(=X)−X
を少なくとも1つの分子末端基として有することが好ましく、上記環状構造は、置換または無置換のシクロヘキサン環またはベンゼン環であることが好ましく、無置換のシクロヘキサン環またはベンゼン環であることがより好ましく、無置換のベンゼン環であることが更に好ましい。即ち、式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物(好ましくは一般式(I)で表される化合物)は、下記分子末端基:
を少なくとも1つ有することが好ましく、より多くの分子末端基が上記分子末端基であることがより好ましく、すべての分子末端基が上記分子末端基であることが更に好ましい。
上記分子末端基のより好ましい態様は、Xが酸素原子であり、Xが硫黄原子である下記分子末端基である。
上記分子末端基の更に好ましい態様は、Rが水素原子である下記分子末端基である。
または、Qが、下記一般式(a)で表される一価の置換基であるか、またはこの一価の置換基の1つ以上が連結基を介してL12と結合する置換基であることも好ましい。
一般式(a)
*−(L12−L11n1−X−C(=X)−NR−(L21−L22n2−Q
または、Qが、下記一般式(b)で表される一価の置換基であるか、またはこの一価の置換基の1つ以上が連結基を介してL22と結合する置換基であることも好ましい。
一般式(b)
−(L12−L11n1−X−C(=X)−NR−(L21−L22n2−*
即ち、一般式(I)で表される化合物は、
−(L12−L11n1−X−C(=X)−NR−(L21−L22n2
で表される構造を、一分子中に2つ以上有することが好ましい。なお 上記一般式(a)、(b)中、L11〜L22、n1、n2、QおよびQは、一般式(I)と同義である。 上記連結基としては、一般式(I−1)中のZについて記載するものを挙げることができる。
n1、n2は、それぞれ独立に0〜20の範囲の整数を表し、n1およびn2のいずれか一方は1以上の整数である。n1、n2は、0〜10の範囲の整数が好ましく、0〜5の範囲の整数がより好ましく、0〜3の範囲の整数が更に好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(I−1)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(I−1)
(Q−(L32−L31n3−A−(L41−L42n4−Z
(一般式(I−1)中、L31およびL41は、それぞれ独立にアルキレン基を表し、アルキレン基は置換基を有していてもよい。L32およびL42はそれぞれ独立に単結合または−O−、−NR−、−S−、および−C(=O)−のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる基を表す。Rは、水素原子または置換基を表す。n3およびn4は、それぞれ独立に0〜20の範囲の整数を表し、n3およびn4のいずれか一方は1以上の整数であり、L31、L32、L41およびL42が複数存在する場合は、互いに同一でも異なっていてもよい。Qは、置換基を表し、Zはm価の連結基を表し、Aは、*−X−C(=X)−NR−、または*−NR−C(=X)−X−を表し、R、X、Xは、式1と同義である(*はL41との結合位置を表す)。mは、2〜6の範囲の整数を表し、複数存在するQおよびAは、それぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。)
31、L41は、それぞれ独立に一般式(I)中のL11、L21と同義である。L31またはL41の少なくとも一方は一般式(I)中のL11、L21と同義のアルキレン基であることが好ましく、両方が一般式(I)中のL11、L21と同義のアルキレン基であることが更に好ましい。
32、L42は、それぞれ独立に一般式(I)中のL12、L22と同義であり、好まましい範囲も同様である。
特に、(L41−L42)が表す連結基は、単結合またはアルキレン基が好ましく、(L32−L31)が表す連結基は、単結合、アルキレン基、または下記一般式(2A)〜 (2E)のいずれかで表される基であることが好ましい。一般式(2A)〜 (2E)の詳細は、上述の通りである。
一般式(2A) −{R jb(CRcja−O−(C=O)}−*
一般式(2B) −{R jb(CRcja−O}−*
一般式(2C) −{R jb(CRcja−(C=O)O−}−*
一般式(2D) −{R jb(CRcja−NR(C=O)O−}−*
一般式(2E) −{R jb(CRcja−O−(C=O)NR}−*
(一般式(2A)〜(2E)中、*は、QもしくはZとの結合位置、または隣接する基とQもしくはZ側で結合する位置を表し、R等の詳細は、先に記載した通りである。)
n3、n4は、一般式(I)におけるn1およびn2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
mは、2〜6の範囲の整数を表し、2〜3の範囲の整数が好ましい。
は置換基を表し、好ましくは、炭素数が1〜30の直鎖状または分岐状のアルキル基、炭素数が6〜30の環状基であり、環状基のみからなることが好ましい。Qは、更に置換基を有していてもよく、置換基の具体例としては、上記置換基群Tが挙げられ、アリール基、アルキル基、アシル基、アルコキシ基が好ましい。Qは、置換基を有さない方が好ましい。
が含む環状基は、単環でも縮合環でもよく、単環の方が好ましい。具体的には、脂肪族環(シクロヘキサン環など)、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環など)、などが挙げられ、芳香環が好ましく、芳香族炭素環がより好ましい。
は炭素数が6〜30(より好ましくは6〜20、更に好ましくは6〜10)のアリールが更に好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
m個のQはいずれかが環構造を含むことが好ましく、いずれも環構造を含むことが好ましく、芳香族基を含むことがより好ましく、ベンゼン環(フェニル基)を含むことが更に好ましい。
およびZの少なくとも一つが1つ以上の環状構造を含むことも好ましい。
Aは、*−X−C(=X)−NR−、または*−NR−C(=X)−X−を表す(*はL41との結合位置を表す)。Aの詳細は、式1について記載した通りである。
は、m価の連結基を表し、2〜6価の連結基であることが好ましく、2〜3価の連結基であることがより好ましい。Zは、直鎖、分岐または環状の脂肪族基および芳香族基の少なくとも1つを含む基であることが好ましく、分岐または環状の脂肪族基および芳香族基の少なくとも1つを含む基であることがより好ましい。また、Zは、アルキレン基(例えば炭素数1〜10のアルキレン基)であることも好ましい。
は、直鎖、分岐または環状の脂肪族基および芳香族基の少なくとも1つのみからなっていてもよいし、これらの基と、酸素原子、直鎖または分岐のアルキレン基との組み合わせであることも好ましい。Zとして含まれる脂肪族基は飽和脂肪族基であることが好ましい。
を構成する炭素数は2〜20が好ましく、3〜15がより好ましい。
は、置換基を有していてもよく、置換基の具体例としては、上記置換基群Tが挙げられるが、置換基を有さない方が好ましい。
具体的には、以下に例示される連結基が好ましい。なお、*はL41と結合する位置を表す。
一般式(I−1)で表される化合物は、環状構造として脂肪族炭素環または芳香族炭素環を含むことが好ましい。また、一般式(I−1)で表される化合物は、Qがいずれも芳香族基(好ましくはベンゼン環)を有するか、Zが環状の脂肪族基または芳香族基を有することが好ましく、Qがいずれも無置換の芳香族基(好ましくは、無置換ベンゼン環(フェニル基))からなるか、Zが鎖状または環状の脂肪族基を有することがより好ましく、Qがいずれも無置換の芳香環基(好ましくは、無置換ベンゼン環)からなるか、Zが環状の脂肪族基または芳香族基を含むことが更に好ましく、Qがいずれも無置換の芳香族基(好ましくは、無置換ベンゼン環(フェニル基))からなり、Zが鎖状もしくは環状の脂肪族基または芳香族基を含むことが特に好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(I−2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(I−2)
(Q−(L52−L51n5−A−(L61−L62n6m1−Z
(一般式(I−2)中、L51およびL61は、それぞれ独立にアルキレン基を表し、アルキレン基は置換基を有していてもよい。L52およびL62は単結合または−O−、−NR−、−S−、および−C(=O)−のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる基を表す。Rは、水素原子または置換基を表す。n5およびn6は、それぞれ0〜20の範囲の整数を表すが、n5およびn6のどちらか一方は1以上の整数であり、L51、L52、L61およびL62が複数存在する場合は、互いに同一でも異なっていてもよい。Qは、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のシクロヘキシル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはt−ブチル基を表し、Zは、直鎖、分岐または環状の脂肪族基および芳香族基の少なくとも1つを含む基を表し、Aは、*−X−C(=X)−NR−、または*−NR−C(=X)−X−を表し、R、X、Xは、式1と同義である(*はL61との結合位置を表す)。m1は、2〜6の範囲の整数を表し、複数存在するQおよびAは、それぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。)
51、L61は、それぞれ独立に一般式(I)中のL11、L21と同義であり、好ましい範囲も同様である。
52、L62は、それぞれ独立に一般式(I)中のL12、L22と同義であり、好ましい範囲も同様である。
特に、(L61−L62)が表す連結基は、単結合またはエステル結合および/もしくはエーテル結合を含む有機基が好ましく、単結合またはエステル結合および/もしくはエーテル結合と連結したアルキレン基がより好ましい。(L52−L51)が表す連結基は、単結合、アルキレン基、または下記一般式(2A)〜(2E)のいずれかで表される基であることが好ましい。一般式(2A)〜(2E)の詳細は、上述の通りである。
一般式(2A) −{R jb(CRja−O−(C=O)}−*
一般式(2B) −{R jb(CRja−O}−*
一般式(2C) −{R jb(CRja−(C=O)O−}−*
一般式(2D) −{R jb(CRja−NR(C=O)O−}−*
一般式(2E) −{R jb(CRja−O−(C=O)NR}−*
(一般式(2A)〜(2E)中、*は、QまたはZとの結合位置、または隣接する基とQもしくはZ側で結合する位置を表し、R等の詳細は、先に記載した通りである。)
は、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のシクロヘキシル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはt−ブチル基を表す。一般式(I−2)中、m1は2〜6の範囲の整数を表すため、一般式(1−2)で表される化合物には複数(m個)のQが存在する。これら複数のQおよびZの少なくとも1つは、環状構造を含むことが好ましい。
で表されるフェニル基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよく、無置換のフェニル基であることが好ましい。フェニル基は、式1で表される2価の連結基と直結していることが好ましく、式1に含まれる窒素原子を介して直結していることがより好ましい。
で表されるシクロヘキシル基も、置換基を有していてもよく、無置換であってもよく、無置換のシクロヘキシル基であることが好ましい。
フェニル基、シクロヘキシル基に置換してもよい置換基の具体例としては、上記置換基群Tが挙げられる。
置換基群Tの置換位置については特に制限はなく、オルト、メタ及びパラ位のいずれの位置が置換されていてもよい。置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基がより好ましい。
としては、無置換のフェニル基、無置換のシクロヘキシル基、またはメチル基が、より好ましい例として挙げられる。Qがメチル基の場合、L52が−O−を表して、メトキシ基が分子末端基として含まれることがより好ましい。
は、直鎖、分岐または環状の脂肪族基および芳香族基の少なくとも1つを含む基であり、一態様では、直鎖、分岐または環状の脂肪族基の少なくとも1種を含む基であることが好ましく、分岐または環状の脂肪族基を含む基であることがより好ましく、分岐の脂肪族基であることが更に好ましい。Zがこのような基であることにより、一般式(I−2)で表される化合物とセルロースアシレートとの相溶性が良好となり、透明性に優れたフィルムを得る観点から好ましい。Zに含まれる環状構造は、脂肪族炭素環または芳香族炭素環であることが好ましい。
は、分岐または環状の脂肪族基および芳香族基の少なくとも1種のみからなっていてもよいし、これらの基と、酸素原子、直鎖または分岐のアルキレン基との組み合わせであることも好ましい。Zとして含まれる脂肪族基は飽和脂肪族基であることが好ましい。
を構成する炭素数は3〜20が好ましく、3〜15がより好ましい。
は、置換基を有していてもよく、置換基の具体例としては、上記置換基群Tが挙げられるが、置換基を有さない方が好ましい。
の具体例は、上述のZのうち、分岐または環状の脂肪族基および芳香族基の少なくとも1種を含む基が例示される。
n5およびn6は、一般式(I)中のn1、n2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
m1は、2〜6の範囲の整数を表す。
一般式(I)で表される化合物の好ましい態様としては、下記一般式(I−3)で表される化合物を挙げることができる。
(一般式(I−3)中、L71およびL81は、それぞれ独立にアルキレン基を表し、アルキレン基は置換基を有していてもよい。L72およびL82はそれぞれ独立に単結合または−O−、−NR−、−S−、および−C(=O)−のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる基を表す。Rは、水素原子または置換基を表す。n7およびn8は、それぞれ独立に0〜20の範囲の整数を表すが、n7およびn8のいずれか一方は1以上の整数であり、L71、L72、L81およびL82が複数存在する場合は、互いに同一でも異なっていてもよい。Qは、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のシクロヘキシル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはt−ブチル基を表す。Aは、*−X−C(=X)−NR−、または*−NR−C(=X)−X−を表し(*はL81との結合位置を表す)、R2aは炭素数1〜3のアルキル基を表す。m2は、2または3の整数を表し、複数存在するQおよびAは、それぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。aは、0〜10の整数を表し、aが1以上の整数の場合、複数存在するR2aは、互いに同一でも異なっていてもよい。)
71、L81は、それぞれ独立に一般式(I)中のL11、L21と同義であり、好ましい範囲も同様である。
72、L82は、それぞれ独立に一般式(I)中のL12、L22と同義であり、好ましい範囲も同様である。
n7、n8は、それぞれ独立に一般式(I)中のn1、n2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
(L72−L71)が表す連結基は、一般式(I−2)における(L52−L51)が表す連結基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
(L81−L82)が表す連結基は、一般式(I−2)における(L61−L62)と同義であり、好ましい範囲も同様である。
中でも、一般式(I−3)において、(L72−L71)が表す連結基および(L81−L82)が表す連結基は、一態様では、前述の一般式(2A)または一般式(2B)で表される連結基であることが好ましい。他の一態様では、前述の一般式(2D)または一般式(2E)で表される連結基が好ましい。
2aは炭素数1〜3のアルキル基を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。R2aは好ましくは、メチル基である。
m2は、2または3の整数を表し、2が好ましい。aは、0〜10の整数を表し、0〜6であることが好ましい。
は、一般式(I−2)中のQと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(I−3)中のシクロヘキサン環における2または3個の側鎖の結合位置の具体例としては下記が挙げられる。
下記の*は
に連結する位置である。
上記シクロヘキサン環は、好ましくは、下記で示される構造である。
一般式(I−3)中、Qが置換または無置換のフェニル基である場合、一般式(I−3)で表される化合物は、下記一般式(I−3−1)で表される。
(一般式(I−3−1)中、R1aは炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のアルコキシ基を表す。a1は0〜5の範囲の整数を表し、a1が1以上の整数の場合、複数存在するR1aは、互いに同一でも異なっていてもよい。A、L71、L72、L81、L82、n7、n8、m2、R2a、aは、それぞれ一般式(I−3)と同義であり、好ましい範囲も同様である。)
1aは炭素数1〜3のアルキル基または、炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられ、好ましくは、メチル基、メトキシ基である。
a1は、0〜5の範囲の整数を表し、0〜3が好ましく、0がより好ましい。
一般式(I)で表される化合物の好ましい態様としては、下記一般式(I−4)で表される化合物を挙げることもできる。
一般式(I−4)中、Q、L71、L72、L81、L82、A、n7、n8、m2、それぞれ一般式(I−3)と同義である。R2bは炭素数1〜3のアルキル基を表す。bは、0〜5の範囲の整数を表し、bが1以上の整数の場合、複数存在するR2bは、互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(I−4)中、(L72−L71n7が表す連結基は、一般式(I−2)における(L52−L51n5が表す連結基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(I−4)中、(L81−L82n8が表す連結基は、一般式(I−2)における(L61−L62n6と同義であり、好ましい範囲も同様である。
中でも、一般式(I−4)において、(L72−L71)が表す連結基および(L81−L82)が表す連結基は、一態様では、前述の一般式(2A)または一般式(2B)で表される連結基であることが好ましい。他の一態様では、前述の一般式(2D)または一般式(2E)で表される連結基が好ましい。
一般式(I−4)中、Q、A、m2の好ましい範囲は、それぞれ一般式(I−3)と同様である。
2bは炭素数1〜3のアルキル基を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。R2bは好ましくは、メチル基である。
bは、0〜5の範囲の整数を表し、0〜2であることがより好ましく、0であることが耐光性の観点で更に好ましい。
一般式(I−4)中のベンゼン環における2または3個の側鎖の結合位置の具体例としては下記が挙げられる。
下記の*は
に連結する位置である。
一般式(I−4)中、Qが置換または無置換のフェニル基である場合、一般式(I−4)で表される化合物は、下記一般式(I−4−1)で表される。
(一般式(I−4−1)中、R1bは炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のアルコキシ基を表す。b1は0〜5の範囲の整数を表し、b1が1以上の整数の場合、複数存在するR1bは、互いに同一でも異なっていてもよい。L71、L72、L81、L82、A、n7、n8、m2、R2b、bは、それぞれ一般式(I−4)と同義であり、好ましい範囲も同様である。)
1bは炭素数1〜3のアルキル基または、炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられ、好ましくは、メチル基、メトキシ基である。
b1は、0〜5の範囲の整数を表し、0〜3が好ましく、0がより好ましい。
一般式(I)で表される化合物の好ましい態様としては、下記一般式(I−5)で表される化合物を挙げることもできる。
一般式(I−5)中、Q、L71、L72、L81、L82、A、n7、n8は、それぞれ一般式(I−3)と同義である。
一般式(I−5)中、(L72−L71n7が表す連結基は、一般式(I−2)における(L52−L51n5が表す連結基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(I−5)中、(L81−L82n8が表す連結基は、一般式(I−2)における(L61−L62n6と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(I−5)中、Q、Aの好ましい範囲は、それぞれ一般式(I−3)同様である。
一般式(I−5)中、m3は、1または2を表し、好ましくは1である。
一般式(I−5)中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、RおよびRが水素原子であるか、またはRおよびRがメチル基であることが好ましい。
一般式(I−5)中、複数存在するQ、L71、L72、L81、L82、A、n7、n8、m3は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I−5)で表される化合物の好ましい態様としては、下記一般式(I−5−1)を挙げることができる。
一般式(I−5−1)中、Q、L71、L72、L81、L82、A、n7、n8、m3、R、Rは、それぞれ一般式(I−5)と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(I)で表される化合物の好ましい態様としては、下記一般式(II)で表される化合物および下記一般式(III)で表される化合物を挙げることができる。
(一般式(II)、(III)中、L1aおよびL1bは、それぞれ独立に単結合、アルキレン基、または前述の一般式(2A)〜(2E)のいずれかで表される基の1つ、または一般式(2A)〜(2E)のいずれかで表される基およびアルキレン基の2つもしくは3つの組み合わせからなる基を表し、Q1aおよびQ1bは、それぞれ独立に置換基を表し、ただしQ1aおよびQ1bの少なくとも一方は、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換されていてもよいフェニル基を表す。上記一般式に含まれる式1:−NR−C(=X)−X−で表される2価の連結基において、XおよびXはそれぞれ独立に硫黄原子または酸素原子を表し、ただしXおよびXの少なくとも一方は硫黄原子を表す。)
一態様では、一般式(II)、(III)中、L1aおよびL1bは、それぞれ独立に単結合、アルキレン基、下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ、または下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ以上とアルキレン基の1つ以上との組み合わせ、例えば2つまたは3つの組み合わせからなる基を表す。
一般式(2A−1) −{(CRcja−O−(C=O)}−*
一般式(2B−1) −{(CRcja−O}−*
一般式(2C−1) −{(CRcja−(C=O)O−}−*
一般式(2D−1) −{(CRja−NR(C=O)O−}−*
一般式(2E−1) −{(CRja−O−(C=O)NR}−*
(一般式(2A−1)〜(2E−1)中、*は、Q1aもしくはQ1bとの結合位置または隣接する基とQ1aもしくはQ1b側で結合する位置を表し、RおよびRcは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、jaは1以上の整数を表し、R、Rcが複数存在する場合、複数のR、Rcはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rが複数存在する場合、複数のRはそれぞれ同一であっても異なっていてよい。)
1aおよびL1bは、それぞれ独立に単結合、アルキレン基、下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ、または下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基およびアルキレン基の2つ以上、例えば2つまたは3つの組み合わせからなる基を表す。一般式(2A−1)〜(2E−1)のRa、Rc、R、jaについては、一般式(2A)〜(2E)におけるRa、Rc、R、jaと同様である。
上記アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基等を挙げることができる。
1aおよびL1bは、一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ、一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の2つ以上の組み合わせからなる基、または下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ以上とアルキレン基の1つ以上との組み合わせからなる基であることが好ましい。上記組み合わせは、例えば、上述の基の2つまたは3つからなる組み合わせである。
1aおよびQ1bは、それぞれ独立に置換基を表し、置換基としては上記置換基群Tが挙げられる。ただし、Q1aおよびQ1bの少なくとも一方は、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換されていてもよいフェニル基を表し、Q1aおよびQ1bの両方が、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換されていてもよいフェニル基を表すことが好ましい。Q1aおよびQ1bの両方が、無置換フェニル基であることがより好ましい。
上記フェニル基を置換する炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基の詳細は、一般式(I−3−1)におけるR1aについて記載した通りである。
一般式(II)に含まれる一般式(2A−1)〜(2C−1)のいずれかで表される基について、jaは2以上の整数を表すことが好ましく、2〜5の範囲の整数を表すことがより好ましく、2または3であることが更に好ましい。jcは1〜3の範囲の整数を表すことが好ましく、1または2であることがより好ましい。
一般式(II)で表される化合物の好ましい態様としては、下記一般式(II−1)を挙げることができる。
(一般式(II−1)中、L11aおよびL11bは、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ、下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の2つ以上の組み合わせからなる基、または下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ以上とアルキレン基の1つ以上との組み合わせからなる基を表し、Q11aおよびQ11bは、それぞれ独立に置換基を表し、ただしQ11aおよびQ11bの少なくとも一方は、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換されていてもよいフェニル基を表す。
一般式(2A−1) −{(CRcja−O−(C=O)}−*
一般式(2B−1) −{(CRcja−O}−*
一般式(2C−1) −{(CRcja−(C=O)O−}−*
一般式(2D−1) −{(CRja−NR(C=O)O−}−*
一般式(2E−1) −{(CRja−O−(C=O)NR}−*
(一般式(2A−1)〜(2E−1)中、*は、Q11aもしくはQ11bとの結合位置または隣接する基とQ11aもしくはQ11b側で結合する位置を表し、RおよびRcは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、jaは1以上の整数を表し、R、Rc、Rが複数存在する場合、複数のR、Rc、Rはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。一般式(II−1)に含まれる式1:−NR−C(=X)−X−で表される2価の連結基において、XおよびXはそれぞれ独立に硫黄原子または酸素原子を表し、ただしXおよびXの少なくとも一方は硫黄原子を表す。)
一般式(II−1)中、Q11a、Q11b、L11a、L11bの詳細は、それぞれ一般式(II)中のQ1a、Q1b、L1a、L1bと同様である。
一態様では、L11aおよびL11bは、それぞれ独立に、下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ、下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の2つ以上の組み合わせからなる基、または下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ以上とアルキレン基の1つ以上との組み合わせからなる基を表す。上記組み合わせは、例えば、上述の基の2つまたは3つの組み合わせからなる。
一般式(III)で表される化合物の好ましい態様としては、下記一般式(III−1)を挙げることができる。
(一般式(III−1)中、L11aおよびL11bは、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、下記一般式(2A−1)もしくは(2C−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ、下記一般式(2A−1)もしくは(2C−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の2つ以上の組み合わせからなる基、または下記一般式(2A−1)もしくは(2C−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ以上とアルキレン基の1つ以上との組み合わせからなる基を表し、Q11aおよびQ11bは、それぞれ独立に置換基を表し、ただしQ11aおよびQ11bの少なくとも一方は、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基により置換されていてもよいフェニル基を表す。
一般式(2A−1) −{(CHRja−O−(C=O)}jc−*
一般式(2C−1) −{(CHRja−(C=O)O−}jc−*
一般式(2D−1) −{(CRja−NR(C=O)O−}−*
一般式(2E−1) −{(CRja−O−(C=O)NR}−*
一般式(2A−1)、(2C−1)〜(2E−1)中、*は、Q11aもしくはQ11bとの結合位置または隣接する基とQ11aもしくはQ11b側で結合する位置を表し、RおよびRcは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、jaは1以上の整数を表し、Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R、Rc、Rが複数存在する場合、複数のR、Rc、Rはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。一般式(III−1)に含まれる式1:−NR−C(=X)−X−で表される2価の連結基において、XおよびXはそれぞれ独立に硫黄原子または酸素原子を表し、ただしXおよびXの少なくとも一方は硫黄原子を表す。)
一般式(III−1)中、Q11a、Q11b、L11a、L11bの詳細は、それぞれ一般式(III)中のQ1a、Q1b、L1a、L1bと同様である。
一態様では、L11aおよびL11bは、それぞれ独立に、下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ、下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の2つ以上の組み合わせからなる基、または下記一般式(2A−1)〜(2E−1)のいずれかで表される基の1つ以上とアルキレン基の1つ以上との組み合わせからなる基を表す。上記組み合わせは、例えば、上述の基の2つまたは3つの組み合わせからなる。
更に、式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物の具体例としては、以下の化合物A〜Eを例示できる。
式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物の具体例としては、以下の化合物も例示できる。
上記化合物の好ましい態様としては、下記(1)〜(6)の少なくとも1つを満たす化合物を挙げることができ、下記(1)〜(6)の中のより多くを満たす化合物がより好ましい。
(1)式1で表される2価の連結基の中で、少なくとも1つが式1−Cで表される2価の連結基であり、好ましくはより多くが式1−Cで表される2価の連結基であり、最も好ましくはすべてが式1−Cで表される2価の連結基である。
(2)式1で表される2価の連結基を、1分子中に2〜6つ有する。
(3)式1で表される2価の連結基が芳香環と直結した部分構造を有し、この部分構造を好ましくは分子末端に有する。
(4)式1で表される2価の連結基が式1に含まれる窒素原子を介して芳香環と直結した部分構造を有し、この部分構造を好ましくは分子末端に有する。
(5)上記(3)、(4)において、芳香環がベンゼン環である。
(6)少なくとも1つの分子末端基が、以下の分子末端基:
であり、好ましくは以下の分子末端基:
であり、より好ましくは以下の分子末端基:
であり、より多くの分子末端基が上記分子末端基であることが好ましく、すべての分子末端基が上記分子末端基であることがより好ましい。
式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物の分子量は、セルロースアシレートとの相溶性の観点から、2000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。また、低揮散性の観点からは、上記分子量は200以上であることが好ましく、300以上であることがより好ましい。
なお上記化合物が重合体である場合、分子量とは、特記しない限り、重量平均分子量をいうものとする。本発明および本明細書における平均分子量(重量平均分子量、数平均分子量)とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC;Gel Permeation Chromatography)によりポリスチレン換算で測定される値を言うものとする。具体的な測定条件の一例としては、以下の測定条件を挙げることができる。後述の実施例に示す平均分子量は、以下の条件で測定された値である。
GPC装置:HLC−8320(東ソー製):
カラム:TSK gel SuperHZM−H、TSK gel SuperHZ4000、TSK gel SuperHZ2000併用、(東ソー製、4.6mmID(内径)×15.0cm)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
上記化合物は、既知の方法により製造することができる。
例えば、アルキルまたはアリールイソシアネートへのチオールの付加反応、アミンとカーボネートの縮合反応などにより得ることができる。
アルキルまたはアリールイソシアネートへのチオールの付加反応の際、触媒を用いることも好ましい。触媒として、アミン類、亜鉛、スズなどの金属有機酸塩、金属キレート化合物、亜鉛、スズ、ビスマスなどの有機金属化合物などの従来公知のウレタン化触媒を使用できる。ウレタン化触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテートなどが好ましく用いられる。
上記化合物としては、多価のイソシアネート(ジイソシアネート、トリイソシアネート、など)と一価のチオールの組み合わせ、および、多価チオールと一価のイソシアネートの組み合わせのいずれも好ましく用いることができる。
多価のイソシアネートの例としては、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、等の脂肪族ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイイソシアネート、p・p’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、およびm−キシリレンジイソシアネートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、光着色の抑制の観点から、脂肪族ジイソシアネート、共役系が切断されているm−キシリレンジイソシアネートが好ましい。
一価のイソシアネート成分の例としては、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、ブチルイソシアネートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
多価チオールの例としては、エチレンジチオール、ジエチレンジチオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、チオグリセリン等を挙げることができる。
(含有量)
上記セルロースアシレートフィルムは、以上説明した式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物を、セルロースアシレート100.0質量部に対して、0.1〜50.0質量部含むことが好ましく、0.5〜30.0質量部含むことがより好ましく、1.0〜20.0質量部含むことが更に好ましく、2.0〜15.0質量部含むことが特に好ましい。上記化合物として二種以上の化合物を併用する態様については、上記の含有量は二種以上の化合物の合計量をいうものとする。
<セルロースアシレート>
セルロースアシレートフィルムは、上記化合物とともにセルロースアシレートを含む。セルロースアシレートフィルムにおいて、最も多くを占める成分(主成分)が、セルロースアシレートであることが好ましい。セルロースアシレートフィルムのセルロースアシレート含有量については、フィルム質量に対して、例えば50〜95質量%程度であることができるが、これに限定されるものではない。
セルロースアシレートは、セルロースアシレートフィルムの製造に用いられる公知のセルロースアシレートを何ら制限なく用いることができる。セルロースアシレートの置換度は、セルロースの構成単位((β)1,4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つのヒドロキシ基がアシル化されている割合を意味する。置換度(アシル化度)は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸(または結合カルボン酸)量を測定して算出することができる。本発明および本明細書において、セルロース体の置換度はセルロース体を重水素置換されたジメチルスルフォキシド等の溶剤に溶解して13C−NMRスペクトルを測定し、アシル基中のカルボニル炭素のピーク強度比から求めることにより算出することができる。セルロースアシレートの残存ヒドロキシ基をセルロースアシレート自身が有するアシル基とは異なる他のアシル基に置換したのち、13C−NMR測定により求めることができる。測定方法の詳細については、手塚他(Carbohydrate.Res.,273(1995)83−91)に記載がある。
セルロースアシレートの置換度は、1.50以上3.00以下であることが好ましく、2.00〜2.97であることがより好ましく、2.30以上2.97未満であることが更に好ましく、2.30〜2.95であることが特に好ましい。
また、セルロースアシレートのアシル基としてアセチル基のみを用いたセルロースアセテートにおいては、置換度は、2.00以上3.00以下であることが好ましく、2.20〜3.00であることがより好ましく、2.30〜3.00であることが更に好ましく、2.30〜2.97であることが更に好ましく、2.30〜2.95で特に好ましい。
セルロースアシレートのアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基が好ましく、アセチル基がより好ましい。
2種類以上のアシル基からなる混合脂肪酸エステルも、本発明の一態様においてセルロースアシレートとして好ましく用いることができる。この場合も、アシル基としてはアセチル基と炭素数が3〜4のアシル基が好ましい。また、混合脂肪酸エステルを用いる場合、アシル基としてアセチル基を含む場合、その置換度は2.5未満が好ましく、1.9未満が更に好ましい。一方、炭素数が3〜4のアシル基を含む場合の置換度は0.1〜1.5であることが好ましく、0.2〜1.2であることがより好ましく、0.5〜1.1であることが特に好ましい。
本発明の一態様においては、置換基および置換度の一方または両方の異なる2種のセルロースアシレートを併用、混合して用いてもよいし、後述の共流延法などにより、異なるセルロースアシレートからなる複数層からなるフィルムを形成してもよい。
さらに特開2008−20896号公報の段落0023〜0038に記載の脂肪酸アシル基と置換もしくは無置換の芳香族アシル基とを有する混合酸エステルも本発明の一態様に好まく用いることができる。
セルロースアシレートは、250〜800の重量平均重合度を有することが好ましく、300〜600の重量平均重合度を有することが更に好ましい。また本発明の一態様で用いられるセルロースアシレートは、40000〜230000の数平均分子量を有することが好ましく、60000〜230000の数平均分子量を有することが更に好ましく、75000〜200000の数平均分子量を有することが最も好ましい。
セルロースアシレートは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。上記アシル化剤が酸無水物である場合は、反応溶媒として有機酸(例えば、酢酸)や塩化メチレンが使用される。また、触媒として、硫酸のようなプロトン性触媒を用いることができる。アシル化剤が酸塩化物である場合は、触媒として塩基性化合物を用いることができる。工業的に最も一般的な合成方法では、セルロースをアセチル基および他のアシル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)またはそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースアシレートを合成する。
以上の方法においては、綿花リンターや木材パルプのようなセルロースは、酢酸のような有機酸で活性化処理した後、硫酸触媒の存在下で、上記のような有機酸成分の混合液を用いてエステル化する場合が多い。有機酸無水物成分は、一般にセルロース中に存在するヒドロキシ基の量に対して過剰量で使用する。このエステル化処理では、エステル化反応に加えてセルロース主鎖(β)1,4−グリコシド結合)の加水分解反応(解重合反応)が進行する。主鎖の加水分解反応が進むとセルロースアシレートの重合度が低下し、製造するセルロースアシレートフィルムの物性が低下する。そのため、反応温度のような反応条件は、得られるセルロースアシレートの重合度や分子量を考慮して決定することが好ましい。
<セルロースアシレートフィルムに任意に含まれ得る添加剤>
上記セルロースアシレートフィルムは、上記化合物およびセルロースアシレートに加え、他の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、公知の可塑剤、有機酸、色素、ポリマー、レターデーション調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤などが例示される。これらについては、特開2012−155287号公報の段落番号0062〜0097の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、添加剤としては、剥離促進剤、有機酸、多価カルボン酸誘導体を挙げることもできる。これらについては、国際公報WO2015/005398号段落0212〜0219の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
添加剤の含有量(上記セルロースアシレートフィルムが二種以上の添加剤を含有する場合には、それらの合計含有量)は、セルロースアシレート100.0質量部に対して50.0質量部以下であることが好ましく、30.0質量部以下であることがより好ましい。
(可塑剤)
好ましい添加剤の1つとしては、可塑剤を挙げることができる。可塑剤の添加により、セルロースアシレートフィルムの疎水性をより高めることができる。可塑剤の分子量は、添加することによる上記効果を良好に得る観点からは、3000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。また、可塑剤の分子量は、低揮散性の観点からは、例えば300以上であり、好ましくは350以上である。なお重合体の可塑剤については、分子量とは、数平均分子量をいうものとする。
可塑剤としては、多価アルコールの多価エステル化合物(以下、「多価アルコールエステル可塑剤」とも記載する。)、重縮合エステル化合物(以下、「重縮合エステル可塑剤」とも記載する。)、炭水化物化合物(以下、「炭水化物誘導体可塑剤」とも記載する。)を挙げることができる。多価アルコールエステル可塑剤については、特開2014−077130号公報段落0081〜0098、重縮合エステル可塑剤については、同公報段落0099〜0124、炭水化物誘導体可塑剤については、同公報段落0125〜0140を参照できる。これらの可塑剤の含有量は、可塑剤の添加効果と可塑剤の析出抑制とを両立する観点から、セルロースアシレート100.0質量部に対して1.0〜20.0質量部とすることが好ましく、2.0〜15.0質量部とすることがより好ましく、5.0〜15.0質量部とすることが更に好ましい。
(酸化防止剤)
好ましい添加剤の1つとしては、酸化防止剤を挙げることもできる。酸化防止剤については、国際公報WO2015/005398号段落0143〜0165の記載も参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
(ラジカル捕捉剤)
好ましい添加剤の1つとしては、ラジカル捕捉剤を挙げることもできる。ラジカル捕捉剤については、国際公報WO2015/005398号段落0166〜0199の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
(劣化防止剤)
好ましい添加剤の1つとしては、劣化防止剤を挙げることもできる。劣化防止剤については、国際公報WO2015/005398号段落0205〜0206の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
(バルビツール酸化合物)
上記セルロースアシレートフィルムは、バルビツール酸構造を有する化合物(バルビツール酸化合物)を含有することもできる。バルビツール酸化合物は、この化合物を添加することにより、セルロースアシレートフィルムに各種機能を発現させることができる化合物である。例えば、バルビツール酸化合物は、セルロースアシレートフィルムの硬度向上に有効である。また、バルビツール酸化合物は、この化合物を含むセルロースアシレートフィルムを備えた偏光板の光、熱、湿度等に対する耐久性の改良にも有効である。上記セルロースアシレートフィルムに添加可能なバルビツール酸化合物については、例えば国際公報WO2015/005398号段落0029〜0060段落の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<セルロースアシレートフィルムの製造方法>
上記セルロースアシレートフィルムの製造方法は、特に限定されるものではないが、溶融製膜法または溶液製膜法(ソルベントキャスト法)により製造することが好ましく、添加剤の揮散や分解を考慮すると溶液製膜法(ソルベントキャスト法)により製造することがより好ましい。ソルベントキャスト法を利用したセルロースアシレートフィルムの製造例については、米国特許第2,336,310号、同第2,367,603号、同第2,492,078号、同第2,492,977号、同第2,492,978号、同第2,607,704号、同第2,739,069号および同第2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号および同第736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号および同62−115035号等の各公報を参考にすることができる。また、セルロースアシレートフィルムは、延伸処理が施されていてもよい。
(流延方法)
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押し出す方法、一旦金属支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があり、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるが、いずれも好ましく用いることができる。また、ここで挙げた方法以外にも、従来知られているポリマー溶液を流延製膜する種々の方法で実施することができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することができる。
・共流延
セルロースアシレートフィルムの形成においては、共流延法、逐次流延法、塗布法などの積層流延法を用いることが好ましく、特に同時共流延(同時多層共流延ともいう。)法を用いることが、安定製造および生産コスト低減の観点から特に好ましい。
共流延法および逐次流延法により製造する場合には、先ず、各層用のセルロースアセテート溶液(ドープ)を調製する。共流延法(重層同時流延)は、流延用支持体(バンドまたはドラム)の上に、各層(3層あるいはそれ以上でもよい)各々の流延用ドープを別のスリットなどから同時に押出す流延用ギーサからドープを押出して、各層同時に流延し、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。共流延ギーサを用い、流延用支持体の上に表層用ドープとコア層用ドープを3層同時に押出して流延することができる。図1は、共流延に用いる流延ダイの一例を示す模式図である。図2は、共流延の一例を示す模式図(部分拡大図)である。ドープを流延する際は、図1に示すように、走行するバンド85の上に流延ダイ89からドープを、スキン層A/コア層/スキン層Bの3層構成になるように、図2に示すように共流延(同時多層流延)することができる。なおコア層とは、3層構成で中心部に位置する層のことをいい、スキン層A、Bとは3層構造で外側に位置する層のことをいう。
逐次流延法は、流延用支持体の上に先ず第1層用の流延用ドープを流延用ギーサから押出して、流延し、乾燥あるいは乾燥することなく、その上に第2層用の流延用ドープを流延用ギーサから押出して流延する要領で、必要なら第3層以上まで逐次ドープを流延・積層して、適当な時期に支持体から剥ぎ取って乾燥し、セルロースアシレートフィルムを成形する流延法である。塗布法は、一般的には、コア層を溶液製膜法によりフィルム状に成形し、表層に塗布する塗布液を調製し、適当な塗布機を用いて、コア層の片面ずつまたは両面同時に塗布液を塗布・乾燥して積層構造のセルロースアシレートフィルムを成形する方法である。
上述の式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物を、これらの層のいずれか一層以上またはすべての層に含有させてセルロースアシレートフィルムを得ることができる。
(延伸処理)
セルロースアシレートフィルムの製造方法では、製膜された延伸する工程を含むことが好ましい。セルロースアシレートフィルムの延伸方向はセルロースアシレートフィルム搬送方向(MD(Machine Direction)方向)と搬送方向に直交する方向(TD(Transverse Direction)方向)のいずれでも好ましいが、セルロースアシレートフィルム搬送方向に直交する方向(TD方向)であることが、後に続くセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板加工プロセスの観点から特に好ましい。なお、2段階以上に分けて複数回の延伸処理を行ってもよい。
TD方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。MD方向の延伸の場合、例えば、セルロースアシレートフィルムの搬送ローラーの速度を調節して、セルロースアシレートフィルムの剥ぎ取り速度よりもセルロースアシレートフィルムの巻き取り速度の方を速くするとセルロースアシレートフィルムは延伸される。TD方向の延伸の場合、セルロースアシレートフィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもセルロースアシレートフィルムを延伸できる。セルロースアシレートフィルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。
セルロースアシレートフィルムを偏光子の保護フィルム(偏光板保護フィルム)として使用する場合には、偏光板を斜めから見たときの光漏れを抑制するため、偏光子の透過軸とセルロースアシレートフィルムの面内の遅相軸を平行に配置する態様も好ましい。連続的に製造されるロールフィルム状の偏光子の透過軸は、一般的に、ロールフィルムの幅方向に平行であるので、上記ロールフィルム状の偏光子とロールフィルム状のセルロースアシレートフィルムからなる保護膜を連続的に貼り合せるためには、ロールフィルム状の保護膜の面内遅相軸は、セルロースアシレートフィルムの幅方向に平行であることが必要となる。従ってTD方向により多く延伸することも好ましい。また延伸処理は、製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理してもよい。
TD方向の延伸は5〜100%の延伸が好ましく、より好ましくは5〜80%、特に好ましくは5〜40%延伸を行う。なお、未延伸とは延伸が0%であることを意味する。延伸処理は製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理してもよい。前者の場合には残留溶剤量を含んだ状態で延伸を行ってもよく、残留溶剤量=(残存揮発分質量/加熱処理後フィルム質量)×100%が0.05〜50%で好ましく延伸することができる。残留溶剤量が0.05〜5%の状態で5〜80%延伸を行うことが特に好ましい。
<セルロースアシレートフィルムの物性>
(含水率)
セルロースアシレートフィルムの含水率は、一定温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は一定温湿度に24時間放置した後に、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出したものである。
セルロースアシレートフィルムの温度25℃相対湿度80%における含水率は、3.3質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下がより好ましく、3.0質量%未満が更に好ましく、2.7質量%以下が一層好ましく、2.5質量%以下がより一層好ましい。含水率の下限値は、例えば0.1質量%以上であるが、特に限定されない。式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物は、この化合物を含まない場合と比べて、セルロースアシレートフィルムの含水率を低下させる作用を発揮することができる。この点が、上記化合物を含むセルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いることにより、偏光板耐久性の向上が可能になる理由の1つであると本発明者らは推察している。
(透湿度)
セルロースアシレートフィルムの透湿度は、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じ、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気中、試料を24時間に通過する水蒸気の質量を測定し、試料面積1mあたりの24時間に通過する水蒸気の質量に換算した値として求めることができる。
セルロースアシレートフィルムの透湿度は、500〜1000g/m・dayであることが好ましく、500〜940g/m・dayであることがより好ましく、500〜920g/m・dayであることが特に好ましい。
式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物は、この化合物を含まない場合と比べて、セルロースアシレートフィルムの透湿度を低下させる作用を発揮することができる。この点も、上記化合物を含むセルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いることにより、偏光板耐久性の向上が可能になる理由の1つであると本発明者らは推察している。
(膜厚)
セルロースアシレートフィルムの膜厚は、用途に応じ適宜定めることができ、例えば、5〜100μmである。5μm以上とすることにより、ウェブ状のフィルムを作製する際のハンドリング性が向上し好ましい。また、100μm以下とすることにより、湿度変化に対応しやすく、光学特性を維持しやすくなる。セルロースアシレートフィルムの膜厚は、8〜80μmがより好ましく、10〜70μmが更に好ましい。
また、セルロースアシレートフィルムが3層以上の積層構造を有する場合、コア層の膜厚は3〜70μmが好ましく、5〜60μmがより好ましい。また、セルロースアシレートフィルムが、3層構造の場合、スキン層Aおよびスキン層Bの膜厚は、ともに0.5〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、0.5〜3μmが更に好ましい。
(幅)
セルロースアシレートフィルムを製造する場合は、その幅が700〜3000mmであることが好ましく、1000〜2800mmであることがより好ましく、1300〜2500mmであることが特に好ましい。
(鹸化処理)
セルロースアシレートフィルムはアルカリ鹸化処理することによりポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を付与し、偏光板保護フィルムとして用いることができる。
鹸化の方法としては、例えば、特開2007−86748号公報の段落0211と段落0212に記載される方法を用いることができる。
例えば、セルロースアシレートフィルムに対するアルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。上記アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの濃度は0.1〜5.0mol/Lの範囲にあることが好ましく、0.5〜4.0mol/Lの範囲にあることが更に好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることが更に好ましい。
または、アルカリ鹸化処理の代わりに、特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工をセルロースアシレートフィルムに施してもよい。
(Rth/d)
一態様では、式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物は、セルロースアシレートフィルムにおいて、レターデーション調整剤(レターデーション上昇剤)としての作用を奏することもできる。この化合物をセルロースアシレートフィルムに添加することにより、添加しない場合と比べて、膜厚方向のレターデーションRthを上昇させることができる。なおセルロースアシレートフィルムに延伸処理を施すことは、Rthを更に向上するうえで有効である。
一態様では、上記セルロースアシレートフィルムは、フィルムの膜厚d(単位:μm)により波長590nmにおける膜厚方向のレターデーションRth(単位:nm)の値を除した値Rth/dが、1.0以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。Rth/dは、例えば5.0以下であるが、これに限定されるものではない。
膜厚方向のレターデーションRthは、以下の方法により求められる値とする。先に記載した通り、本発明においてRth/dを求めるRthは、波長590nmにおけるRthである。以下において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび膜厚方向のレターデーションを表す。
Re(λ)はKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。Rth(λ)は上記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHが算出する。なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基に、以下の式(A)および式(B)よりRthを算出することもできる。ここで平均屈折率の仮定値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。セルロースアシレートの平均屈折率の値は、1.48である。平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
ここで、上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表し、nx、ny、nzは、屈折率楕円体の各主軸方位の屈折率を表し、dはフィルム厚を表す。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d 式(B)
なおこの際、パラメータとして平均屈折率nが必要になるが、これはアッベ屈折計((株)アタゴ社製の「アッベ屈折計2−T」)により測定した値を用いた。
また、Re(λ)およびRth(λ)の値は、測定装置により3以上の異なる波長(例としてλ=479.2、546.3、628.3、745.3nm)を用いて測定し、それぞれの波長からRe、Rthを算出するものとする。これらの値をコーシーの式(第3項まで、Re=A+B/λ+C/λ)にて近似して値A、B、Cを求める。以上より波長λにおけるRe、Rthをプロットし直し、そこから各波長λでのRe(λ)およびRth(λ)を求めることができる。
なお、レターデーションは、AxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)またはAxoScan(AXOMETRICS社)を用いて測定することもできる。
[偏光板]
(偏光板の構成)
本発明の一態様にかかる偏光板は、上述のセルロースアシレートフィルムと偏光子とを有する。
一態様では、偏光板は、偏光子と、その片面を保護する一枚またはその両面を保護する二枚の偏光板保護フィルムとを含み、上記セルロースアシレートフィルムを少なくとも一枚、偏光板保護フィルムとして有することができる。
また、液晶表示装置は、通常、視認側偏光板とバックライト側偏光板との間に、液晶セルが配置された構成を有する。視認側偏光板およびバックライト側偏光板において、偏光板と液晶セルとの間に位置する偏光板保護フィルムを、インナー側保護フィルム、インナー側とは反対側に位置する保護フィルムをアウター側保護フィルムと呼ぶと、上述のセルロースアシレートフィルムは、視認側偏光板のインナー側、アウター側、バックライト側偏光板のインナー側、アウター側のいずれの保護フィルムとしても用いることができる。
したがって、一態様では、液晶表示装置に、上記セルロースアシレートフィルムが、偏光子の液晶セルと対向する面とは反対側の面上に位置するアウター側偏光板保護フィルムとして含まれる。
また、他の一態様では、液晶表示装置に、上記セルロースアシレートフィルムが、偏光子と液晶セルとの間に位置するインナー側偏光板保護フィルムとして含まれる。
上記セルロースアシレートフィルムは、外部雰囲気から偏光子に到達する水分を低減する作用を奏すると考えられるため、かかる作用を効果的に発揮する観点からは、視認側偏光板の保護フィルムとして含まれることが好ましく、視認側偏光板のアウター側保護フィルムとして含まれることがより好ましい。
上記セルロースアシレートフィルムとともに、他のフィルム部材を偏光板保護フィルムとして用いることもできる。この場合に用いられる他のフィルム部材は特に限定されるものではなく、偏光板保護フィルムとして通常用いられる各種フィルム部材を用いることができる。
また、偏光子としては、例えば、ヨウ素染色ポリビニルアルコールフィルムを用いることができる。かかるフィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬して延伸したもの等を用いることができる。ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬して延伸した偏光子を用いる場合、例えば、接着剤を用いて偏光子の少なくとも一方の面に上記セルロースアシレートフィルムの鹸化処理面を直接貼り合わせることができる。なお本発明および本明細書において、接着剤との語は、接着剤と粘着剤とを包含する意味で用いるものとする。上記接着剤としては、ポリビニルアルコールまたはポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラール)の水溶液や、ビニル系ポリマー(例えば、ポリブチルアクリレート)のラテックス、紫外線硬化型の接着剤を用いることができる。特に好ましい接着剤は、完全鹸化ポリビニルアルコールの水溶液である。
偏光板保護フィルムの偏光子への貼り合せは、偏光子の透過軸と偏光板保護フィルムの遅相軸が実質的に平行、直交または45°となるように貼り合せることが好ましい。遅相軸の測定は、公知の種々の方法で測定することができ、例えば、複屈折計(KOBRADH、王子計測機器(株)製)を用いて行うことができる。
ここで、実質的に平行、直交または45°であるとは、偏光板保護フィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とは、そのずれが5°以内であることをいい、1°以内、好ましくは0.5°以内であることが好ましい。ずれが1°以内であれば、偏光板クロスニコル下での偏光度性能が低下しにくく、光抜けが生じにくく好ましい。
(偏光板の多機能化)
上記偏光板は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、液晶表示装置の視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板として用いることもできる。これらの詳細は、特開2012−082235号公報の段落0229〜0242、段落0249〜0250、特開2012−215812号公報の段落0086〜0103の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
一例としてハードコート層について以下に説明する。
(ハードコート層)
セルロースアシレートフィルム上には、所望によりハードコート層を設けることもできる。例えば、塗布組成物をセルロースアシレートフィルム上に塗布し、硬化させることによって、セルロースアシレートフィルム上にハードコート層を形成することができる。ハードコート層にフィラーや添加剤を加えることで、機械的、電気的、光学的な物理的な性能や撥水・撥油性などの化学的な性能をハードコート層に付与することもできる。ハードコート層の厚みは0.1〜6μmの範囲であることが好ましく、3〜6μmの範囲であることが更に好ましい。このような範囲の薄いハードコート層を有することで、脆性やカール抑制などの物性改善、軽量化および製造コスト低減がなされたハードコート層を含む偏光板を得ることができる。
ハードコート層形成用の塗布組成物の一例は、マトリックス形成バインダー用モノマーまたはオリゴマー、ポリマー類および有機溶媒を含有する。この塗布組成物を塗布後に硬化することでハードコート層を形成することができる。硬化には、架橋反応、または重合反応を利用することができる。これらの詳細は、特開2012−215812号公報の段落0088〜0101の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
塗布組成物は、例えば、上述の成分を有機溶媒に溶解および/または分散することで、調製することができる。ハードコート層の形成に好適な塗布組成物は、(メタ)アクリレート系化合物を含有する硬化性組成物である。なお(メタ)アクリレート系化合物には、アクリル系化合物とメタクリル系化合物とが包含されるものとする。
[液晶表示装置]
本発明の一態様にかかる液晶表示装置は、本発明の一態様にかかる偏光板を少なくとも1枚含む。液晶表示装置の詳細は、特開2012−082235号公報の段落0251〜0260の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。上記偏光板は、視認側偏光板、バックライト側偏光板のいずれの偏光板としても用いることができる。一態様では、少なくとも視認側偏光板として、上記偏光板を用いることが好ましい。
なお、例示していないが、他の構成として、反射型や半透過型の液晶表示装置や有機EL(Electro Luminescence)等の自発光素子の反射防止用途として配置される円偏光板の一部として、本発明の一態様にかかる偏光板を用いることもできる。
また、本発明の一態様にかかるセルロースアシレートフィルムは、水分による影響を低減する作用を奏することができるため、偏光板保護フィルムに限らず、水分の影響を低減することが望ましい各種用途における保護フィルムとしても有用である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
すべての合成した化合物の同定は、H−NMR(Nuclear Magnetic Resonance)(300MHz)、赤外分光法(infrared spectroscopy;IR)を用いて行った。
[化合物の合成例]
<例示化合物Aの合成>
コンデンサー付き三口フラスコ(300ml)に、ヘキサメチレンジイソシアネート30.0g(和光純薬製)、メトキシエタンチオール32.8g(サンタクルーズバイオテック製)およびテトラヒドロフラン100g(和光純薬製)を入れ、窒素気流下、室温で攪拌しているところへ、ビスマス触媒(日東化成製ネオスタンU−600)を1mg加え、液温を50℃まで昇温してから48時間攪拌した。この時、イソシアネート(NCO)とチオール(SH)との反応仕込み時の当量は1であった。その後、この反応溶液を室温まで放冷し、別途攪拌している2Lの水へ投入し、目的物の固体を析出させた。析出した固体をろ別し、得られた固体を常圧下(101.33kPa)、雰囲気温度50℃の環境下で48時間乾燥し、例示化合物Aの固体を得た。
<例示化合物B〜E、比較化合物F〜Hの合成>
例示化合物B〜Eおよび比較化合物F〜Hは、原料のチオール(またはアルコール)およびイソシアネートの種類を変えた以外は、例示化合物Aの合成と同様の合成方法にて合成した。なお、いずれの化合物の合成時においても、イソシアネートとチオール(またはアルコール)との反応仕込み時の当量は1となるようにした。
例示化合物A〜Eの構造は、先に示した通りである。比較化合物F〜Hは、以下の構造の化合物である。
合成により得られた固体が目的物であることは、H−NMRスペクトルおよびIRスペクトルにより確認した。
[セルロースアシレートフィルムの製膜]
<セルロースアシレート溶液の調製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、更に液温90℃で約10分間加熱した後、平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターで順次ろ過し、セルロースアシレート溶液Iを調製した。
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セルロースアシレート溶液Iの組成
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セルロースアシレート(置換度2.88、数平均分子量163000)
100.0質量部
表1に記載の化合物 9.0質量部
重縮合エステル可塑剤S3 5.0質量部
メチレンクロライド 451.0質量部
メタノール 39.0質量部
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重縮合エステル可塑剤S3:
アジピン酸:エタンジオール=100:100(モル比)の重縮合エステル化合物(末端封止なし、水酸基価112mgKOH/g、数平均分子量:1000)
<マット剤分散液の調製>
次に上記方法で作製したセルロースアシレート溶液を含む下記組成物を分散機に投入し、マット剤分散液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤分散液の組成
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・マット剤(日本アエロジル社製アエロジル(登録商標)R972)0.2質量部
・メチレンクロライド 72.4質量部
・メタノール 10.8質量部
・セルロースアシレート溶液I 10.3質量部
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<製膜用ドープの調製>
上記セルロースアシレート溶液Iを100質量部、マット剤分散液をセルロースアシレート樹脂に対してマット剤微粒子が0.20質量部となる量で混合し、製膜用ドープを調製した。
<流延>
上述の製膜用ドープを、バンド流延機を用いて流延した。なお、バンドはステンレス鋼材(SUS;Steel Special Use Stainless)製であった。
<乾燥>
流延されて得られたウェブ(フィルム)を、バンドから剥離後、クリップでウェブの両端を留め搬送するテンター装置を用いてテンター装置内(装置内温度:100℃)にて、20分間乾燥した。
その後、更に乾燥温度120℃で乾燥ゾーン中を搬送させ、ウェブを乾燥させた。
こうして、実施例1〜3、5、6および比較例1〜4の膜厚60μmのセルロースアシレートフィルムを得た。
実施例4のセルロースアシレートフィルムは、流延して得られたウェブを、クリップで把持し、固定端一軸の条件で横方向に延伸した。なお、延伸時の雰囲気温度は180℃とし、延伸率は30%とした。得られたフィルムの膜厚は60μmであった。
[偏光板の作製]
<偏光板保護フィルムの鹸化処理>
実施例、比較例の各セルロースアシレートフィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(液温55℃)に3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、液温30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフィルムに対して表面の鹸化処理を行った。
<偏光子の作製>
厚さ75μmの長尺ポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製9X75RS)をガイドロールにて連続搬送し、30℃の水浴中に浸漬させて1.5倍に膨潤させ、かつ延伸処理して2倍の延伸倍率とした後、ヨウ素とヨウ化カリウム配合の染色浴(30℃)に浸漬して染色処理するとともに延伸処理して3倍の延伸倍率とし、次いでそれをホウ酸とヨウ化カリウムを添加した酸性浴(60℃)中で架橋処理するとともに延伸処理して6.5倍の延伸倍率とし、雰囲気温度50℃の雰囲気中で5分間乾燥させて、厚み20μmの偏光子を得た。
<偏光子と偏光板保護フィルムとの貼り合わせ>
上記の鹸化処理したセルロースアシレートフィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作製した偏光子の片側に貼り付けた。市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)に同様の鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記で作製した各セルロースアシレートフィルムを貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と得られたセルロースアシレートフィルムの遅相軸とは平行するように配置した。また、偏光子の透過軸と市販のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸については、直交するように配置した。
このようにして各偏光板を作製した。
[評価方法]
<偏光板耐久性の評価>
偏光板耐久性試験を、作製した偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けた形態で次のように行った。
ガラスの上に偏光板を、実施例、比較例のセルロースアシレートフィルムが空気界面側になるように貼り付けたサンプル(約5cm×5cm)を2つ作製した。単板直交透過率測定では、このサンプルのガラス側を光源に向けてセットして測定した。測定は、日本分光(株)製の自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて380nm〜780nmの範囲で測定し、偏光子の性能低下の影響が顕著に出やすい波長である410nmにおける直交透過率の測定値を採用した。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を偏光板の単板直交透過率とした。
平行透過率は、作製したサンプルを90°回転させた以外は、上記の単板直交透過率測定の場合と同じ方法で測定した。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を偏光板の平行透過率とした。
上記で測定した単板直交透過率および平行透過率の値から、以下の式により偏光度(経時前偏光度)を求めた。
偏光度(%)=[(単板直交透過率−平行透過率)/(単板直交透過率+平行透過率)]1/2×100
その後、上記と同様に、作製した偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けたサンプルを準備し、雰囲気温度85℃、相対湿度85%の環境下で500時間保存した後に、上記と同様の方法で偏光度(経時後偏光度)を求めた。なお、調湿なしの環境下での相対湿度は、0〜20%の範囲であった。
経時前後の偏光度から、以下の式により偏光度の変化量を算出した。
偏光度の変化量(%)=[経時後偏光度(%)−経時前偏光度(%)]
算出した偏光度の変化量から、下記基準に基づき偏光板耐久性を評価した。上記方法により求められる偏光度の変化量が小さいほど、偏光板耐久性に優れると判断することができる。雰囲気温度85℃、相対湿度85%の環境下での500時間保存は過酷な保存条件であり、この条件下で評価結果A以上であれば、様々な環境下で使用されたとしても偏光板としての役割を良好に発揮し続けることができるきわめて優れた偏光板耐久性を有すると判断することができる。
A+:経時前後の偏光度変化量が0.05%未満
A :経時前後の偏光度変化量が0.05%以上2.0%未満
B :経時前後の偏光度変化量が2.0%以上3.0%未満
C :経時前後の偏光度変化量が3.0%以上
<含水率の測定>
実施例、比較例のセルロースアシレートフィルムの含水率(平衡含水率;温度25℃相対湿度80%)を、各フィルムから切り出したフィルム試料(サイズ:7mm×35mm)を用いて、水分測定器(試料乾燥装置“CA−03”および“VA−05”(共に三菱化学(株)製)にてカールフィッシャー法で測定した。含水率は、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出した。
<透湿度>
実施例、比較例のセルロースアシレートフィルムの透湿度を、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じ、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気中、試料を24時間に通過する水蒸気の質量を測定し、試料面積1mあたりの24時間に通過する水蒸気の質量に換算した値として求めた。
<Rth/d>
波長590nmにおけるRthを、AxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)を用いて測定し、Rth(単位:nm)をフィルム厚み(単位;μm)で除して、Rth/dを求めた。
セルロースアシレートフィルムに添加した化合物によるレターデーション上昇効果を、下記基準に基づき評価した。
A:2.0以上
B:1.5以上2.0未満
C:1.0以上1.5未満
D:1.0未満
以上の結果を、表1に示す。
表1に示す結果から、実施例の偏光板は、偏光板耐久性に優れることが確認できる。また、実施例のセルロースアシレートフィルムは、比較例のセルロースアシレートフィルムと比べて含水率、透湿度ともに低かった。このことが、偏光板耐久性の向上に寄与していると本発明者は推察している。
更に、実施例でセルロースアシレートフィルムに添加した化合物が、レターデーション上昇剤として機能したことも、表1に示すRth/dの結果から確認できる。
[液晶表示装置の作製]
市販の液晶テレビ(SONY(株)のブラビアJ5000)の視認側の偏光板をはがし、上記実施例で作製した各偏光板を、上記各実施例の偏光板保護フィルムがアウター側となるように、粘着剤を介して貼り付けて液晶表示装置を得た。
本発明は、液晶表示装置の技術分野において有用である。
70 流延膜
85 流延バンド
89 流延ダイ
120 コア層用ドープ
121 スキン層A用ドープ
122 スキン層B用ドープ
120a コア層
121a スキン層A
122a スキン層B
150 スキン層B(支持体層)用ダイ
151 コア層(基層)用ダイ
152 スキン層A(エア面層)用ダイ

Claims (16)

  1. 式1で表される2価の連結基を1分子中に2つ以上有する化合物を含有するセルロースアシレートフィルム;
    式1:
    −NR−C(=X)−X
    式1中、Rは水素原子または置換基を表し、XおよびXはそれぞれ独立に硫黄原子または酸素原子を表し、ただしXおよびXの少なくとも一方は硫黄原子を表す。
  2. 前記化合物は、式1で表される2価の連結基を1分子中に2〜6つ含む請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
  3. 前記化合物は、式1で表される2価の連結基が芳香環と直結した部分構造を有する請求項1または2に記載のセルロースアシレートフィルム。
  4. 前記化合物は、式1で表される2価の連結基が芳香環と直結した部分構造を少なくとも1つの分子末端に有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  5. 前記部分構造において、式1で表される2価の連結基は、式1に含まれる窒素原子を介して芳香環と直結している請求項3または4に記載のセルロースアシレートフィルム。
  6. 前記芳香環はベンゼン環である請求項3〜5のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  7. 前記化合物は、式1で表される2価の連結基として、式1中、Xが酸素原子を表し、かつXが硫黄原子を表す2価の連結基を1分子中に少なくとも1つ含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  8. 前記化合物は、前記化合物に含まれる式1で表される2価の連結基がすべて、式1中、Xが酸素原子を表し、かつXが硫黄原子を表す2価の連結基である請求項7に記載のセルロースアシレートフィルム。
  9. 前記化合物は、式1で表される2価の連結基として、式1中、Xが酸素原子を表し、Xが硫黄原子を表し、かつRが水素原子を表す2価の連結基を1分子中に少なくとも1つ含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  10. 前記化合物は、前記化合物に含まれる式1で表される2価の連結基がすべて、式1中、Xが酸素原子を表し、Xが硫黄原子を表し、かつRが水素原子を表す2価の連結基である請求項9に記載のセルロースアシレートフィルム。
  11. 前記化合物の分子量は、200以上2000以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  12. 前記化合物を、セルロースアシレート100.0質量部に対して0.1〜50.0質量部含有する請求項1〜11のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムと、偏光子と、を含む偏光板。
  14. 前記偏光子は、ヨウ素染色ポリビニルアルコールフィルムである請求項13に記載の偏光板。
  15. 請求項14に記載の偏光板と、液晶セルと、を含む液晶表示装置。
  16. 前記偏光板を、少なくとも視認側偏光板として含む請求項15に記載の液晶表示装置。
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