JP2017066244A - 加飾用シートおよび加飾用積層シート - Google Patents

加飾用シートおよび加飾用積層シート Download PDF

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Abstract

【課題】加工性、成形性、生産性に優れた加飾用シートおよび加飾用積層シートを提供することであり、特に低温成形性に優れた加飾用シートおよび加飾用積層シートを提供すること。
【解決手段】オレフィン系樹脂を主成分とし、90℃における引張弾性率が30MPa以上110MPa以下であることを特徴とする加飾用シート、および該加飾用シートを少なくとも1層有する加飾用積層シートとする。
【選択図】なし

Description

本発明はオレフィン系樹脂を主成分とする加飾用シートに関し、特に低温成形性に優れた加飾用シート、および該加飾用シートを有する加飾用積層シートに関する。
従来、家電製品や自動車部品、OA機器、携帯電話等の金属や硝子、プラスチック等からなる筐体の表面加飾には、印刷、塗装、蒸着、メッキ等が用いられてきた。しかし、近年、その製品形態が複雑化してきたことから印刷、塗装等での加飾が難しくなり、また、環境負荷の問題から溶剤塗装代替やメッキ代替の要望が高まっていることなどから、加飾用シートによる加飾技術の開発が進められている。
加飾用シートとしては、例えば、非晶性ポリエステル系樹脂を用いた無延伸シート(特許文献1)や無延伸ポリエステルフィルムの片面にポリオレフィン系樹脂フィルムが貼り合わされたシート(特許文献2)が提案されている。また、シートの破け、自己保持性等を考慮した加飾用シートとして、環状オレフィン系樹脂を主成分としてオレフィン系樹脂をブレンドしたシート(特許文献3)が提案されている。
特開2007−246910号公報 特開2006−103176号公報 特開2013−071419号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、耐溶剤性が悪く、印刷、コーティング加工等に耐えられないという問題があった。また、特許文献2に開示された技術では無延伸ポリエステルフィルムとポリオレフィン系樹脂フィルムとを貼り合せる際に接着剤が必要であり、煩雑な工程を必要としていた。また、特許文献3に開示された技術では、加工温度が高いため筐体が金属製の場合は問題ないが、筐体が樹脂製の場合などは、耐熱性に劣るため、加飾工程で、筐体が変形したり、加飾がズレたりしてしまうなどの問題が発生し、低温での成形性という点では十分なものではなかった。
本発明は上記実情に鑑みられたものであり、その解決課題は、加工性、成形性、生産性に優れた加飾用シートおよび加飾用積層シートを提供することであり、特に低温成形性に優れた加飾用シートおよび加飾用積層シートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を採用すれば上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の態様は、オレフィン系樹脂を主成分とし、90℃における引張弾性率が30MPa以上110MPa以下であることを特徴とする加飾用シートである。
本発明の第1の態様において、上記オレフィン系樹脂は、少なくとも融点が110℃以上135℃以下のポリプロピレン系樹脂(A)と、環状オレフィン系樹脂(B)とを含有することが好ましい。
本発明の第1の態様において、環状オレフィン系樹脂(B)は、ガラス転移温度が40℃以上100℃以下であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、上記ポリプロピレン系樹脂(A)と上記環状オレフィン系樹脂(B)との質量比は、(A):(B)=90:10〜40:60であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、示差走査熱量測定における昇温速度10℃/minで測定される融点が110℃以上135℃以下であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、JIS K 7127に準拠する90℃における引張試験において、引張伸度200%での引張強度に対する引張伸度500%での引張強度の比が1以上1.3以下であることが好ましい。
本発明の加飾用シートは、単層シートまたは2層以上の積層シートであってもよい。
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様に係る加飾用シートを少なくとも1層有する加飾用積層シートである。
本発明の加飾用シートおよび加飾用積層シートは、成形転写に好ましく使用することができる。
本発明によれば、筐体が高温での加飾工程に耐えられないような成形品、たとえば80〜110℃の低温における条件の加飾工程を必要とする場合においても、シートの弛みが生じることなく充分な成形性を有しており、加工性、生産性に優れる加飾用シートおよび加飾用積層シートを提供することが可能となる。
以下、本発明について詳細を説明する。但し、本発明の範囲は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、数値AおよびBについて「A〜B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。
本発明の加飾用シートは、オレフィン系樹脂を主成分とし、90℃おける引張弾性率が30MPa以上110MPa以下とすることによって、本課題を解決できる。
なお、本発明において、「主成分」と表現した場合には、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含し、特に当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100質量%も含む)を占める意を包含するものである。
本発明の加飾用シートは、90℃における引張弾性率が30MPa以上110MPa以下であることが重要であり、好ましくは40MPa以上100MPa以下であり、より好ましくは40MPa以上90MPa以下である。90℃における引張弾性率を30MPa以上とすることで、加飾工程時の剛性を好ましいものとすることができ、シートにしわが入ることを抑制することができる。また、110MPa以下とすることで成形性が悪化し、成形品への追従性や均一成形性が低下することを抑制することができる。
また、本発明のオレフィン系樹脂は、融点が110℃以上135℃以下のポリプロピレン系樹脂(A)と環状オレフィン系樹脂(B)とを含有することが好ましい。
本発明に使用できるポリプロピレン系樹脂(A)としては、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系触媒等が挙げられ、さらに詳しくはホモポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂等が挙げられる。
本発明に使用できるポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレンの共重合体、リアクター型のポリプロピレン系熱可塑性エラストマーおよびこれらの混合物等が例示できる。
上記プロピレンの共重合体としてはプロピレンとエチレンまたは他のα−オレフィンとのランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)、またはブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)、ゴム成分を含むブロック共重合体あるいはグラフト共重合体等が挙げられる。上記プロピレンと共重合可能な他のα−オレフィンとしては、炭素原子数が4〜12のものが好ましく、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン等が挙げられ、その1種または2種以上の混合物が用いられる。通常、α−オレフィンの混合割合はプロピレンに対して1〜10重量%程度である。
本発明に使用できる融点が110℃以上135℃以下の好ましいポリプロピレン系樹脂(A)は、上記融点を満たすものであれば特に限定することはないが、ランダムポリプロピレン系樹脂が好ましく、より好ましくはメタロセン系触媒を用いて重合して得られたメタロセン系ランダムポリプロピレン系樹脂を使用することができる。
本発明に使用できるポリプロピレン系樹脂(A)は、融点が110℃以上135℃以下の範囲であることが好ましく、115℃以上130℃以下の範囲であることがより好ましく、118℃以上128℃以下の範囲であることが更に好ましい。融点を110℃以上とすることで加飾工程時や加飾層を形成する工程において加飾用シートの弛み等が生じることを抑制することができる。また、融点を135℃以下とすることにより、低温での成形性を良好とすることができる。
本発明に使用できる環状オレフィン系樹脂(B)としては、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとのランダム共重合体の、環状オレフィン開環(共)重合体、環状オレフィン開環(共)重合体の水素添加物、および、これらの(共)重合体のグラフト変性物等があげられる。中でも生産性、加工性の点から環状オレフィンとエチレンとのランダム共重合体が好ましく、さらに詳しくは環状オレフィンとしてはビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−2−エン(ノルボルネン)が好ましい。
本発明に使用できる環状オレフィン系樹脂(B)は、示差走査熱量測定(条件:昇温速度10℃/min)より得られるガラス転移温度が40℃以上100℃以下であることが好ましく、より好ましくは50℃以上95℃以下であり、更に好ましくは55℃以上90℃以下である。ガラス転移温度を40℃以上とすることで、加飾層形成の工程において耐熱性を付与することができ、しわが入ることを抑制することができる。また、ガラス転移温度を100℃以下とすることで、剛性が高くなりすぎて成形性が低下することを抑制することができる。
本発明の加飾用シートは、ポリプロピレン系樹脂(A)と環状オレフィン系樹脂(B)との質量比が、(A):(B)=90:10〜40:60であることが好ましく、85:25〜45:55であることが好ましく、80:20〜48:52であることが更に好ましい。ポリプロピレン系樹脂(A)と環状オレフィン系樹脂(B)との質量比を上記とすることで、加飾工程時に剛性が好ましいものとなり、しわが入ることを抑制することができる。更に剛性が高くなりすぎ、成形性が低下することをより抑制することができる。
本発明の加飾用シートの融点は、110℃以上135℃以下の範囲であることが好ましく、115℃以上130℃以下の範囲であることがより好ましく、118℃以上128℃以下の範囲であることが更に好ましい。融点を110℃以上とすることで加飾工程時や加飾層を形成する工程において加飾用シートの弛み等が生じることを抑制することができる。また、融点を135℃以下とすることにより、低温での成形性を良好とすることができる。
なお、ここで説明する融点とは、示差走査熱量測定(条件:昇温速度10℃/min)より得られる融点のうち、融解熱量が最も大きいものに由来する融点のことをいう。
また、本発明の加飾用シートは、JIS K 7127に準拠する試験方法において、90℃の試験条件における引張試験(厚み200μm)で得られる引張伸度500%での引張強度が、20N以下であることが好ましく、より好ましくは15N以下であり、さらに好ましくは10N以下であり、特に好ましくは6N以下である。90℃における引張伸度500%での引張強度を20N以下とすることで、成形性が悪化し、成形品への追従性や均一成形性が低下することをより抑制することができ、シートにしわが入ることをより抑制することができる。
また、本発明の加飾用シートは、JIS K 7127に準拠する試験方法において、90℃の試験条件における引張試験(厚み200μm)で得られる引張伸度200%での引張強度に対する引張伸度500%での引張強度の比が、1以上1.3以下であることが好ましく、より好ましくは1以上1.2以下である。引張強度の比を上記の範囲とすることで、延伸されている状態において安定的な強度を保つことができ、延伸時の安定性を好ましくすることができ、加飾工程時に加飾用シートが破断することを抑制し、更に加飾工程の際に加飾用シートが配向しにくくなるため、成形後の加飾用シートの破けを抑制することができる。
本発明の加飾用シートの厚みは特に規定されないが30μm以上500μm以下が好ましく、より好ましくは50μm以上400μm以下であり、さらに好ましくは100μm以上300μm以下である。シートの厚みを30μm以上とすることで剛性が確保でき、しわが入りにくくなる。また、シートの厚みを500μm以下とすることで剛性が上がりすぎ成形性が低下することや製造コスト高になることを抑制することができる。
本発明の加飾用シートは、単層シートであっても2層以上の積層シートであってもよい。ここで、本発明の加飾用シートが2層以上の積層シートである場合、該積層シート全体が、上記引張伸度、引張弾性率、強度、厚み等の規定を満たすことを意味する。また、本発明の加飾用シートに他の層を積層させ、加飾用積層シートとして用いてもよい。この場合、加飾用積層シートは、少なくとも本発明に規定する加飾用シートを少なくとも1層有すれば良い。例えば、本発明に規定する加飾用シートを基材層とし、オレフィン系樹脂やその他の樹脂を使用して2層および/または3層以上の多層の加飾用積層シートとしてもよい。
また、本発明に規定する加飾用シートを中間層とし、表裏層にオレフィン系樹脂やその他の樹脂を使用して3層および/または3層以上の多層の加飾用積層シートとすることもできる。
本発明の加飾用シートは、その機能を阻害しない限り、添加剤を加えることができる。添加剤としては、酸化防止剤、安定剤、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、加工助剤、紫外線吸収剤、顔料や染料等の着色剤等が挙げられる。
本発明の加飾用シートは、該加飾用シートを成形品表面に貼合し、そのまま加飾層とすることができる。また、本発明の加飾用シートに加飾層を積層した加飾用積層シートを用いることで、成形体に加飾層を転写することができる。ここで加飾層とは着色、絵柄、木目調、マット調、金属調、凹凸、パール調等の意匠性を付与する層のことである。加飾層は本発明の加飾用シートそのものとして成形品表面に貼合されるか、または、加飾用積層シートを介して成形体に転写されるため、最終的な成形品最外層となる。そのため、加飾用シートそのものとして成形品表面に貼合する際には、貼合する側と反対側の面にトップコート層を有することが好ましい。また、加飾用積層シートを用いる場合には、加飾層は加飾用シート側にトップコート層を有し、かつ加飾層と成形体との密着性を考慮すると、成形体側には接着層をする構成が好ましい。加飾層として好ましい形態例を加飾用シート側から順に示すと、トップコート層/意匠層/接着層が挙げられるが、特に規定されるものではなく、本発明の目的を損なわない範囲で適宜な形態とすることができる。
加飾用積層シートを用いて成形体に加飾層を転写する際に、加飾用シートとトップコート層との離型性が悪い場合には、加飾用シートとトップコート層との間に離型層を設けても良い。
トップコート層として使用される樹脂は公知のものを用いることができ、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などが挙げられ、さらに詳しくはアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などが挙げられる。
トップコート層の形成方法としては、ローラー塗装法、刷毛塗装法、スプレー塗装法、浸漬塗装法の他、グラビアコーター法、ダイコーター法、コンマコーター法、バーコーター法、ナイフコーター法を用いた方法が挙げられる。また、トップコート層は直接形成させる方法、キャリアフィルムへ一旦形成させ、転写させる方法などが挙げられるが、形成させた後に高温での乾燥が必要な場合は、一旦キャリアフィルムへ形成させ、その後、転写させる方法が好ましい。
意匠層としては、印刷層、着色層、金属蒸着層などが挙げられる。意匠層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法、グラビアコーター法、ダイコーター法、コンマコーター法、バーコーター法、ナイフコーター法などのコート法、真空蒸着法、EB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの蒸着法が挙げられる。意匠層の形成方法は特に限定されないが、意匠感に合わせて適宜な形成方法を選択することができる。
接着層としては、感熱接着剤、感圧接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤等が挙げられる。接着層は特に限定されないが、成形体、用途に合わせて適宜な接着剤を選択することができる。接着層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法、グラビアコーター法、ダイコーター法、コンマコーター法、バーコーター法、ナイフコーター法、ホットメルトコート法などのコート法が挙げられる。
以下に本発明における実施例を示すが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<加飾用シートの作製>
(実施例1)
ランダムポリプロピレン系樹脂((A−1):日本ポリプロ社製、ウィンテック WFX6、融点126℃、融解熱量ΔHm=59.1J/g)70質量%と環状オレフィン系樹脂((B−1):ポリプラスチックス社製、TOPAS9506F−500、ガラス転移温度65℃)30質量%とを配合し、40mmφの単軸押出機を用いTダイ法にて樹脂温度200℃で押出成形し、厚み200μmの実施例1に係る加飾用シートを作製し、後述する評価を行った。
(実施例2)
中間層の配合をランダムポリプロピレン系樹脂(A−1)60質量%、環状オレフィン系樹脂(B−1)40質量%、表/裏層の配合を上記ランダムポリプロピレン系樹脂(A−1)100質量%として、50mmφの押出機1台と35mmφの押出機2台を使用し、Tダイ法にて樹脂温度220℃の条件で押出成形し、厚さ200μmの三層の実施例2に係る加飾用シートを作製し、後述する評価を行った。
尚、三層の場合の各層の厚み比率は、表層:中間層:裏層=5:90:5で作製した。
(実施例3)
配合をランダムポリプロピレン系樹脂(A−1)50質量%、環状オレフィン系樹脂(B−1)50質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で実施例3に係る加飾用シートを作製し、後述する評価を行った。
(比較例1)
配合をホモポリプロピレン系樹脂((A−3):日本ポリプロ社製、ノバテックPP FY6HA、融点167℃、融解熱量ΔHm=96.7J/g)100質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で比較例1に係る加飾用シートを作製し、後述する評価を行った。
(比較例2)
配合をホモポリプロピレン系樹脂(A−3)60質量%、環状オレフィン系樹脂(B−1)40質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で比較例2に係る加飾用シートを作製し、後述する評価を行った。
(比較例3)
配合をホモポリプロピレン系樹脂(A−3)40質量%、環状オレフィン系樹脂((B−2):ポリプラスチックス社製、TOPAS7010F−600、ガラス転移温110℃)60質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で比較例3に係る加飾用シートを作製し、後述する評価を行った。
(比較例4)
配合をホモポリプロピレン系樹脂(A−3)60質量%、環状オレフィン系樹脂(B−2)40質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で比較例4に係る加飾用シートを作製し、後述する評価を行った。
(比較例5)
配合をランダムポリプロピレン系樹脂((A−2):日本ポリプロ社製、ウィンテック WFW5T、融点144℃、融解熱量ΔHm=78.5J/g)60質量%、環状オレフィン系樹脂(B−1)40質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で比較例5に係る加飾用シートを作製し、後述する評価を行った。
<評価項目>
得られた加飾用シートについて、以下の評価を行った。加飾用シートの構成と評価結果を表1に記す。
(1)90℃の引張弾性率
得られた加飾用シートから試験片のサンプルを幅5mm、厚み200μm、初期長300mmの短冊形で採取し、試験条件は、島津製作所製卓上形精密万能試験機AGS−Xを用いて90℃雰囲気下おいて引張速度5mm/minの条件で引張試験を行い、引張試験により得られた初期の弾性領域の傾きを引張弾性率とした。
(2)90℃の引張伸度200%および500%での引張強度
得られた200μmの加飾用シートを90℃雰囲気下においてJIS K 7127(試験片形状:試験片タイプ5)に準ずる方法で引張試験を行い、伸度200%、500%における引張強度を測定し、200%での引張強度に対する引張伸度500%での引張強度の比を算出した。
(3)融点
得られた加飾用シートの融点をJIS K 2721に準ずる方法で示差走査熱量測定より算出した。
尚、熱量の測定は、ファーストランにおける測定結果である。
(4)成形性
得られた加飾用シートを550mm×550mmの大きさに切り出したサンプルを、布施真空株式会社製の三次元真空加熱成形機(TOM成形機/NGF−0404−S)を用いて、90℃の温度になるように加熱し、50℃に加熱した金型に沿って真空・圧空成形(圧空:0.2MPa)を行い、成形体を得た。得られた成形体の状態を均一成形性、型への追従性、加飾用シートのしわ、破けについて以下の基準で評価した。
i)均一成形性
○:厚みムラなく成形できている。
×:伸びて厚みが薄くなっている部分がある。
ii)追従性
○:金型に対してシャープに成形できている。
△:金型に対して部分的に追従できていないところがある。
×:金型に対して追従できていない。
iii)しわ
○:しわなく成形できている。
△:金型の角付近に1か所あるいは2か所しわがみられる。
×:3か所以上しわがみられる。
iv)破け
○:成形後の加飾用シートに破けがみられない。
×:成形後の加飾用シートに破けがみられる。
Figure 2017066244
<結果>
表1より、実施例1〜3に係る本発明の加飾用シートは低温での成形性に優れることがわかる。一方、90℃の引張弾性率が本発明の範囲外にある比較例1〜5に係る加飾用シートは成形性に劣るものであった。
本発明の加飾用シートは、オレフィン系樹脂を主成分とし、90℃における引張弾性率が30MPa以上110MPa以下とすることによって、プレス成形や真空成形、圧空成形、TOM成形、絞り成形といった各種成形方法において80〜110℃の低温での加飾工程で充分な成形性を有しており加工性、生産性に優れることから、金属、硝子、セラミック等に限らず、耐熱性の低い樹脂の成形体への加飾に好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. オレフィン系樹脂を主成分とし、90℃における引張弾性率が30MPa以上110MPa以下であることを特徴とする加飾用シート。
  2. 前記オレフィン系樹脂は、少なくとも融点が110℃以上135℃以下のポリプロピレン系樹脂(A)と、環状オレフィン系樹脂(B)とを含有することを特徴とする請求項1に記載の加飾用シート。
  3. 前記環状オレフィン系樹脂(B)は、ガラス転移温度が40℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の加飾用シート。
  4. 前記ポリプロピレン系樹脂(A)と前記環状オレフィン系樹脂(B)との質量比は、(A):(B)=90:10〜40:60であることを特徴とする請求項2または3に記載の加飾用シート。
  5. 示差走査熱量測定における昇温速度10℃/minで測定される融点が110℃以上135℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の加飾用シート。
  6. JIS K 7127に準拠する90℃における引張試験において、引張伸度200%での引張強度に対する引張伸度500%での引張強度の比が1以上1.3以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の加飾用シート。
  7. 単層シートまたは2層以上の積層シートである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の加飾用シート。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の加飾用シートを少なくとも1層有する加飾用積層シート。
  9. 成形転写に使用する請求項1〜7のいずれか1項に記載の加飾用シート。
  10. 成形転写に使用する請求項8に記載の加飾用積層シート。
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