JP2017066051A - 終末糖化産物生成抑制剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】終末糖化産物生成抑制剤を提供する。
【解決手段】キサントトキソール誘導体を有効成分として含有する終末糖化産物生成抑制剤を提供する。キサントトキソール誘導体はその終末糖化産物生成抑制作用により、糖尿病もしくは糖尿合併症の予防および/または治療、ならびに皮膚老化の予防および/または改善のために好適に用いられる。
【選択図】なし
【解決手段】キサントトキソール誘導体を有効成分として含有する終末糖化産物生成抑制剤を提供する。キサントトキソール誘導体はその終末糖化産物生成抑制作用により、糖尿病もしくは糖尿合併症の予防および/または治療、ならびに皮膚老化の予防および/または改善のために好適に用いられる。
【選択図】なし
Description
本発明は、特定のキサントトキソール誘導体を有効成分として含有する終末糖化産物生成抑制剤に関する。また、本発明は、特定のキサントトキソール誘導体を有効成分として含有する、糖尿病もしくは糖尿病合併症の予防および/または治療のための医薬組成物に関する。さらに、本発明は、特定のキサントトキソール誘導体を有効成分として含有する、非ヒト動物用医薬組成物に関する。加えて、本発明は、特定のキサントトキソール誘導体を有効成分として含有する、皮膚老化の予防および/または改善のための皮膚外用剤に関する。
アミノ酸と還元糖の混合物を加熱すると褐変する現象は、一般にメイラード反応と呼ばれ、食品分野では、食品の加熱処理や貯蔵中に生じる現象として知られている。メイラード反応は、生体内においても発生しており、1968年にはグリコシルヘモグロビン(HbA1c)が生体内で同定されたことにより、糖尿病や老化の進行に伴い蛋白質の糖化反応が進行することが明らかにされた。そして、近年では、蛋白質の糖化反応における終末糖化産物(Advanced glycation end products、以下「AGEs」とも称する)が糖尿病合併症や動脈硬化といった生活習慣病の発症や老化の進行に関与することが報告されている(非特許文献1〜3)。
生体内における蛋白質糖化反応の詳細は明らかとなっていないが、蛋白質に存在するアミノ基と還元糖に存在するアルデヒド基が反応し、シッフ塩基を形成した後、安定なアマドリ化合物を経由し、さらに長期の反応を経て、AGEsに移行すると考えられている。
AGEsは特定の物質を指すものではなく、その全容は未だ解明されていないが、蛍光性や架橋構造の有無によって、ペントシジン、ピロピリジン、ピラリン等、様々な物質の存在が確認されている。AGEsの物理化学的な特徴としては、黄褐色で蛍光性(主に、Ex:370nm、Em:440nm)を持ち、タンパク質間に架橋を形成することが挙げられる。しかし、ピラリンのように蛍光性を示さず、架橋構造を有しないAGEsも確認されている。
これらAGEsの体内蓄積は、腎糸球体組織硬化症や腎動脈硬化症などの糖尿病合併症だけでなく、アルツハイマー病などの神経変性疾患、皮膚の弾力性の低下や黄色化といった皮膚老化、骨の老化、眼球の老化、アルブミン蛋白の老化に深く関与することが報告されている(非特許文献4および5)
したがって、生体内の糖化反応を阻止することは、糖尿病合併症、動脈硬化、骨粗鬆症、変形性関節症などの疾患の発症・進展を防ぐ効果が期待される。また、糖化反応の阻止は、皮膚の弾力性の低下や黄色化等の予防・改善にも効果があるものと期待される。このため、さまざまな糖化反応阻害剤やAGEs生成阻害剤が開発・検討されている。
特許文献1には、アミノグアニジン等の化合物を含むメイラード反応阻害剤が開示されている。アミノグアニジンは当該技術分野における医薬品の開発において最も研究されている、抗糖化作用を示す物質であるが、肝障害等の副作用を有することが確認されており、実用化には至っていない。
その他にも、特許文献2に記載のガンビールノキやシラカバ等の植物の抽出物によるメイラード反応阻害剤などが知られているが、有効性や安全性の点に課題を残すものであった。
そこで、種々の疾患の発症や悪化ならびに皮膚老化等に関与するAGEsの生成を抑制することができ、かつ、重篤な副作用を有さない安全性の高い薬剤が求められている。
The Journal of Clinical Investigation, 1993, vol.91, pp.2470-2478
The New England Journal of Medicine, 1991, vol.325, pp.836-842
The Biochemical Journal, 2000, vol.350, pp.381-387
New Food Industry, 2011, vol.53, No.6
Fragrance Journal, 2012, vol.40, No.4, pp.32-34
本発明は、副作用の少ないAGEs生成抑制剤を提供することを目的とする。本発明はまた、生活習慣病、特に糖尿病もしくは糖尿病合併症の予防および/または治療に有用であり、且つ副作用の少ない医薬組成物、ならびに皮膚老化、特に皮膚の弾力性低下や黄色化の予防および/または改善に有用であり、且つ副作用の少ない皮膚外用剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、抗糖化作用に優れ、且つ副作用が少ない物質について、天然物であり、食経験のある植物からのスクリーニングを試み、植物抽出物とその成分について検討した結果、特定のキサントトキソール誘導体に強いAGEs生成抑制効果を見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、式(1)で表されるキサントトキソール誘導体:
[式中のRは、水素原子、水酸基、炭素数1〜14の飽和アルコキシル基、アシル基、または単糖類、二糖類もしくは糖アルコールの糖残基を示す。](以下、単に「キサントトキソール誘導体」とも称する)を有効成分として含有する終末糖化産物生成抑制剤(以下、「本発明のAGEs生成抑制剤」とも称する)を提供する。
本発明はまた、キサントトキソール誘導体を有効成分として含有する、糖尿病もしくは糖尿病合併症の予防および/または治療のための医薬組成物(以下、「本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物」とも称する)を提供する。
本発明はさらに、非ヒト動物における糖尿病もしくは糖尿病合併症の予防および/または治療のための、キサントトキソール誘導体を有効成分として含む非ヒト動物用医薬組成物、キサントトキソール誘導体を非ヒト動物に投与することを含む、非ヒト動物における糖尿病もしくは糖尿病合併症を予防および/または治療する方法、キサントトキソール誘導体を飲食品に配合または添加することを特徴とする機能性飲食品の製造方法、ならびにキサントトキソール誘導体と担体を含有する経口摂取用組成物を提供する。
本発明はさらに、キサントトキソール誘導体を有効成分として含有する、皮膚老化の予防および/または改善のための皮膚外用剤(以下、「本発明の皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤」とも称する)を提供する。
AGEsは、種々の生活習慣病や皮膚老化との関連が示唆されている物質であり、特に、糖尿病およびその合併症の発症および/または進行、ならびに皮膚の弾力性低下および皮膚の黄色化の発生および/または進行に深く関与するものである。したがって、本発明者らによりAGEsの生成を抑制する作用が見出されたキサントトキソール誘導体は、糖尿病もしくは糖尿病合併症の予防および/または治療のための医薬組成物、または皮膚の弾力性低下もしくは黄色化等の皮膚老化の予防および/または改善のための皮膚外用剤における、副作用の少ない有効成分として有用である。
本発明のAGEs生成抑制剤、糖尿病予防/治療用医薬組成物、非ヒト動物用医薬組成物および皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤は、キサントトキソール誘導体を有効成分として含有するものである。
本発明のAGEs生成抑制剤の有効成分であるキサントトキソール誘導体は、合成品であってもよく、植物から抽出、単離されたものであってもよい。
本明細書並びに特許請求の範囲において、式(1)で表されるキサントトキソール誘導体としてはそれぞれ単一の化合物である場合、複数の混合物である場合のいずれも包含する。
キサントトキソール誘導体を植物から抽出、単離する場合、原料として用いることができる植物としては、これらは限定されないが、例えば、ボウフウ(Saposhnikovia divaricata Schischkin)、セイヨウトウキ(Angelica archangelica)、セロリ(Apium graveolens)、ハマボウフウ(Glehnia littoralis)等が挙げられる。一つの態様において、本発明のAGEs生成抑制剤の有効成分であるキサントトキシンを植物から抽出、単離する場合は、ボウフウを用いるのが好ましく、キサントトキソールを植物から抽出、単離する場合は、セイヨウトウキを用いるのが好ましく、キサントトキソール−8−O−β−D−グルコピラノシドを植物から抽出、単離する場合は、ハマボウフウを用いるのが好ましい。
抽出原料として用いる植物体は、開花期のものであっても栄養生長期のものであってもよく、生の状態であっても乾燥させたものであってもよい。また、抽出効率を高めるため、植物体を適宜細断ないし粉砕等したもの、例えば粉末状のものを抽出原料として用いてもよい。原料として用いる植物体の部位に関しては、花、葉、茎、根、またはこれらを含む全草のいずれを抽出原料として用いてもよい。
本発明のAGEs生成抑制剤、糖尿病予防/治療用医薬組成物、非ヒト動物用医薬組成物および皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤の有効成分であるキサントトキソール誘導体を植物から抽出する場合、一般的な植物成分抽出方法を用いることができる。かかる抽出方法としては、例えば、熱水抽出法、煮沸抽出法、浸漬抽出法、振とう抽出法、ソックスレー抽出法、水蒸気蒸留法などが挙げられる。
抽出溶媒としては、水、メタノール、エタノール等の低級アルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール類、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、アセトニトリル、酢酸エチル等のエステル類等を用いることができ、これらの中から抽出原料とする植物の種類、後に行う加工処理、抽出物の使用目的などを考慮した上で選択すれば良く、一つの態様において、メタノールが挙げられる。また、抽出物を食品用途等へ使用するため有機溶媒の含有が好ましくない場合においては、水のみを使用すれば良く、抽出後に除去しやすいエタノールを単独で、又は水との任意の割合の混液として使用しても良い。一つの態様において、好ましい抽出溶媒は、水またはエタノールである。
抽出溶媒の使用量は、重量比で、1:2〜1:30(植物原料:抽出溶媒)が好ましく、1:3〜1:25がより好ましく、1:4〜1:20がさらに好ましい。
抽出温度は各溶媒によって適宜決定すれば良いが、水抽出の場合は4〜130℃が好ましく、25〜110℃がより好ましく、40〜100℃がさらに好ましい。抽出温度が4℃未満の場合、活性成分が抽出されにくい傾向があり、130℃を越える場合、活性成分が分解されやすい傾向がある。エタノール抽出の場合、抽出温度は4〜100℃が好ましく、10〜80℃がより好ましく、20〜60℃がさらに好ましい。抽出温度が4℃未満の場合、活性成分が抽出されにくい傾向があり、100℃を越える場合、活性成分が分解されやすい傾向がある。
また、抽出時間は、水抽出の場合は1分〜15日間が好ましく、3分〜1日間がより好ましく、5分〜1時間がさらに好ましい。抽出時間が1分間未満の場合、活性成分が抽出されにくい傾向があり、15日間を越える場合、活性成分が分解されやすい傾向がある。エタノール抽出の場合は1時間〜15日間が好ましく、12時間〜10日間がより好ましく、1〜8日間がさらに好ましい。抽出時間が1時間未満の場合、活性成分が抽出されにくい傾向があり、15日間を越える場合、活性成分が分解されやすい傾向がある。
本明細書において、「抽出物」の用語には、溶媒を用いる各種抽出方法によって得られる抽出液、該抽出液を濃縮した濃縮液、該抽出液を適当な溶媒で希釈した希釈液、該抽出液またはその濃縮液もしくは希釈液から加熱乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥などの種々の方法によって溶媒を除くことにより得られる固形の抽出物(例えば粉末状や粒状のもの)、ならびに固形化剤やゲル化剤の添加等によって得られる固形もしくは半固形の抽出物が含まれるものとする。
抽出方法の例としては、(1)原料の植物体1重量部に対して2〜30重量部、好ましくは3〜25重量部の水を加え、40〜90℃で10〜120分間静置、あるいは100℃で5〜15分間煮沸する方法や、(2)原料の植物体1重量部に対して2〜30重量部、好ましくは3〜25重量部のエタノールを加え、10〜80℃で12時間〜10日間静置、好ましくは20〜60℃で1〜8日間静置する方法等が挙げられる。
原料植物から得られた抽出物は、所望により、キサントトキソール誘導体を単離する操作の前に精製処理に供してもよい。精製処理は、例えば、クロマトグラフ法、イオン交換樹脂を使用する溶離法、溶媒による分配抽出等を単独または組み合わせて採用することができる。クロマトグラフ法としては、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、薄相クロマトグラフィー、遠心液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等を挙げることができ、これらのいずれか、またはそれらを組み合わせて行う方法が挙げられる。分配抽出に用い得る溶媒としては、酢酸エチル、ヘキサン、1−ブタノール等が挙げられる。一つの態様において、吸着クロマトグラフィーにボウフウの粗抽出物を供した後、水、水:メタノール=1:1の溶液、メタノールの順に通液させ、メタノール画分に回収される精製抽出物は、本発明のAGEs生成抑制剤、糖尿病もしくは糖尿病合併症の予防および/または治療のための医薬組成物、非ヒト動物用医薬組成物および皮膚老化の予防および/または改善のための皮膚外用剤の有効成分であるキサントトキシンを豊富に含むものである。
本発明のAGEs生成抑制剤は、有効成分としてキサントトキソール誘導体を含有するものであればよく、キサントトキソール誘導体によるAGEs生成抑制効果を妨げない限り、さらに賦形剤等を含むものであってもよい。
本発明のAGEs生成抑制剤中のキサントトキソール誘導体の割合は特に限定されない。例えば、本発明のAGEs生成抑制剤は、キサントトキソール誘導体を40重量%以上、45重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、95重量%以上または98重量%以上含むものであり得る。あるいは、本発明のAGEs生成抑制剤は、キサントトキソール誘導体のみからなるものであってもよい。
本発明のAGEs生成抑制剤は、ペントシジン、クロスリン、ピロピリジン、グリオキサール由来リジンダイマー(GOLD)、メチルグリオキサール由来リジンダイマー(MOLD)等の蛍光性AGEsの生成を抑制することができる。一つの態様において、本発明のAGEs生成抑制剤は、蛍光性AGEsであるペントシジンの生成抑制のために用いられるものである。
本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物および皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤は、本発明のAGEs生成抑制剤と同様、有効成分としてキサントトキソール誘導体を含有するものである。
本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物中に有効成分として含有させるキサントトキソール誘導体の量は、目的とする剤形等に応じて適宜設定することができるが、通常、1〜98重量%程度であればよく、2〜95重量%程度であることが好ましく、3〜90重量%程度であることがより好ましい。
本明細書において、糖尿病もしくは糖尿病合併症の「治療」には、既に糖尿病もしくは糖尿病合併症に罹患している患者における症状の進行を阻止することも含まれる。
本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物の投与方法は、経口投与または非経口投与のいずれであってもよい。また、投与時期は特に限定されず、食前、食中、食後、食間のいずれであってもよいが、例えば、糖類含有量が5g以上である食事、またはアミノ酸および/または蛋白質含有量が20g以上である食事の食前、食中、食後および食間のいずれかに投与するのが好ましく、糖類ならびにアミノ酸および/または蛋白質を前記含有量以上含有する食事の食前、食中、食後および食間のいずれかに投与するのがより好ましい。前記アミノ酸としては、リジン、アルギニン等が挙げられ、その中でもAGEs化し易いリジンおよび/またはアルギニンを前記含有量以上含有する食事の食前、食中、食後および食間のいずれかに投与するのが好ましい。また、前記蛋白質としては、卵白アルブミン、乳アルブミン、グリアジン、乳カゼイン、大豆カゼイン等が挙げられ、その中でもAGEs化し易い卵白アルブミン、乳アルブミンおよび乳カゼインから選ばれる1種以上を前記含有量以上含有する食事の食前、食中、食後および食間のいずれかに投与するのが好ましい。ここで、一般的に「食事」とは、生存に必要な栄養分をとるために毎日の習慣として物を食べること(飲食行為)あるいはその飲食物を意味するが、本明細書において用いる「食事」の用語は、一回の飲食行為において摂取する一まとまりの飲食物を意味するものとする。
本明細書において用いる場合、「糖類」とは、単糖および/または二糖を意味するものとする。これに対し「糖質」とは、炭水化物のうち食物繊維以外のものをいい、糖類の他に、オリゴ糖、多糖、糖アルコール等が含まれる。
本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物の投与量は、糖尿病またはその合併症の程度、その他の疾病の程度、年齢、性別等の条件に応じて適宜選択されるが、AGEsの生成を抑制することができる量(以下、「AGEs生成抑制有効量」とも称する)のキサントトキソール誘導体を投与すればよい。AGEs生成抑制有効量は、当業者に周知の方法(各種の非臨床および/または臨床試験を含む)を用いて適宜決定することができる。
本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物は、AGEs生成抑制有効量のキサントトキソール誘導体を一度に投与するものであっても良く、間隔を置いて複数回に分けて投与するものであっても良い。複数回に分けて投与する場合は、一日に投与されるキサントトキソール誘導体の合計量がAGEs生成抑制有効量となればよく、食事の回数に合わせて投与するのが好ましい。
本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物は、糖尿病もしくは糖尿病合併症に罹患した者、または健常者のいずれに対しても投与することができるが、AGEsとの関連性が高い糖尿病に罹患した者に対して投与するのが好ましい。糖尿病に罹患した者とは、ヘモグロビンA1cが6.1%(JDS値)以上で、且つ、以下の(1)〜(3)のいずれかに該当する者を指す:(1)空腹時血糖値が126mg/dL以上、(2)随時血糖値(空腹か食後かにかかわらず)が200mg/dL以上、および(3)ブドウ糖負荷後2時間値が200mg/dL以上。糖尿病診断基準の詳細は、日本糖尿病学会による「糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告」(同学会のホームページ等から入手可能)に記載されている。
また、本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物は、糖尿病に伴って発症する糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害、糖尿病血管合併症、動脈硬化症、腎不全、アルツハイマー病、神経変性疾患、がん等の糖尿病合併症の予防および/または治療のために用いることができる。これらの糖尿病合併症の中でも、発症率の高い糖尿病網膜症、糖尿病腎症および/または糖尿病神経障害の予防および/または治療のために用いることが好ましい。
さらに、本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物は、健常者に投与することにより、糖尿病およびその合併症を効果的に予防することができる。
本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物は、キサントトキソール誘導体による糖尿病もしくは糖尿病合併症の予防および/または治療効果を妨げない範囲であれば、キサントトキソール誘導体の他にさらに賦形剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、矯味剤、懸濁化剤、乳化剤、着香剤、溶解補助剤、着色剤、粘稠剤等の一般的な医薬品に配合される成分を添加して各種の剤形とすることができる。
本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物の剤形としては、錠剤(口腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠)、カプセル剤、顆粒剤(発泡顆粒剤)、散剤、経口液剤(エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤)、シロップ剤(シロップ用剤)、経口ゼリー剤、口腔用錠剤(トローチ剤、舌下錠、バッカル錠、付着錠、ガム剤)、口腔用スプレー剤、口腔用半固形剤、含嗽剤、注射剤(輸液剤、埋め込み注射剤、持続性注射剤)、透析用剤(腹膜透析用剤、血液透析用剤)、吸入剤(吸入粉末剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤)、坐剤、直腸用半固形剤、注腸剤、点眼剤、眼軟膏剤、点耳剤、点鼻剤(点鼻粉末剤、点鼻液剤)、膣錠、膣用坐剤、外用固形剤(外用散剤)、外用液剤(リニメント剤、ローション剤)、スプレー剤(外用エアゾール剤、ポンプスプレー剤)、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤(テープ剤、パップ剤)等が挙げられる。これらの中でも経口投与のし易さの点で、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤、口腔用錠剤、口腔用スプレー剤、口腔用半固形剤および含嗽剤が好ましく、生体内に吸収され易い点で、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤がより好ましい。
また、本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物は、エキス剤、丸剤、酒精剤、浸剤・煎剤、茶剤、チンキ剤、芳香水剤、流エキス剤等の生薬関連製剤に本発明のAGEs生成抑制剤を添加した剤形で使用することもできる。これら剤形は、糖尿病またはその合併症の程度、その他の疾病の程度、年齢、性別等の条件に応じて適宜選択される。
更に、本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物は、AGEs生成抑制効果を有する他の薬剤をさらに含むものとすることができる。これらの薬剤としては、例えば、インスリン抵抗性改善薬、脂質異常症治療薬、アンジオテンシンII1型受容体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、メトホルミン等が例示される。
本発明のAGEs生成抑制剤またはその有効成分であるキサントトキソール誘導体は、非ヒト動物における糖尿病もしくは糖尿病合併症を予防および/または治療するために用いることもできる。したがって、本発明の一態様において、非ヒト動物における糖尿病もしくは糖尿病合併症の予防および/または治療のための、キサントトキソール誘導体を含む非ヒト動物用医薬組成物(以下、本発明の非ヒト動物用医薬組成物とも称する)が提供される。また、キサントトキソール誘導体を非ヒト動物に投与することを含む、非ヒト動物における糖尿病もしくは糖尿病合併症を予防および/または治療する方法も提供される。非ヒト動物としては、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ等の家畜類や、イヌ、ネコ等のペットとして飼育される動物等が例示される。
本発明の非ヒト動物用医薬組成物に含有させるキサントトキソール誘導体の量、該医薬組成物の投与方法、投与時期、投与量および剤形、該医薬組成物においてキサントトキソール誘導体と併用可能な他の薬剤、天然物および天然由来物質、ならびに本発明のAGEs生成抑制剤を非ヒト動物に投与する場合における投与方法、投与時期、投与量等については、「本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物」について上述した内容と同様である。または、本発明の非ヒト動物用医薬組成物は飼料や飲用水に配合して投与してもよい。
また本発明のAGEs生成抑制剤は、食品添加剤として用いることもできる。キサントトキソール誘導体を飲食品に配合または添加することにより、AGEsの生成を抑制する機能性飲食品を提供することができる。また、キサントトキソール誘導体と担体を含む経口摂取用組成物は、AGEs生成を抑制するサプリメントとして用い得る。なお、本願において「担体」は液体製剤を製造するためのキサントトキソール誘導体を溶解あるいは懸濁させることのできる生理的に許容される媒体または固形製剤を製造するための賦形剤を意味する。担体は組成物の剤形に応じて、通常医薬品やサプリメントの製造に用いられる成分を適宜選択すればよい。該組成物にはAGEs生成抑制作用を妨げない限り、担体に加えて安定剤、保存剤、緩衝剤、矯味剤、懸濁化剤、乳化剤、着香剤、溶解補助剤、着色剤、粘稠剤等の通常医薬品やサプリメントに用いられる成分を添加してもよい。
本発明の経口摂取用組成物に含有させるキサントトキソール誘導体の合計量は、目的とする剤形等に応じて適宜設定することができるが、通常、1〜98重量%程度であればよく、2〜95重量%程度であることが好ましく、3〜90重量%程度であることがより好ましい。
経口摂取用組成物の剤形としては、上記で医薬組成物の剤形として列挙したもののうち、経口摂取することができるものであればよく、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤、口腔用錠剤、口腔用スプレー剤、口腔用半固形剤および含嗽剤が好ましく、生体内に吸収され易い点で、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤がより好ましい。
本発明の経口摂取用組成物は健康を維持することを目的とするサプリメントとして摂取させることができる。経口摂取用組成物の摂取方法、摂取時期、摂取量等は「本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物」について投与方法、投与時期、投与量等として上述した内容と同様である。
さらに、キサントトキソール誘導体は、皮膚老化の予防/改善のための皮膚外用剤の有効成分として用いることもできる。本発明の皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤中に含有させるキサントトキソール誘導体の量は、目的とする剤形等に応じて適宜設定することができるが、通常、0.01〜20重量%程度であればよく、0.05〜15重量%程度であることが好ましく、0.1〜10重量%程度であることがより好ましい。
本発明の皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤の皮膚への適用量は、皮膚老化の程度、その他の皮膚トラブルの程度、年齢、性別等の条件に応じて適宜選択されるが、AGEsの生成を抑制することができる量(AGEs生成抑制有効量)を適用すればよい。AGEs生成抑制有効量は、当業者に周知の方法(各種の非臨床および/または臨床試験を含む)を用いて適宜決定することができる。
本発明の皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤は、AGEs生成抑制有効量のキサントトキソール誘導体を一度に適用するものであっても良く、間隔を置いて複数回に分けて適用するものであっても良い。複数回に分けて適用する場合は、一日に適用されるキサントトキソール誘導体の合計量がAGEs生成抑制有効量となればよい。
本発明の皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤は、塗布等の方法で皮膚に適用することにより、皮膚老化、例えば皮膚の弾力性低下や黄色化を効果的に予防することができるほか、これら皮膚老化を改善し、または皮膚老化の進行を阻止することができる。
本発明の皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤は、キサントトキソール誘導体による皮膚老化の予防および/または改善効果を妨げない範囲であれば、キサントトキソール誘導体の他にさらに安定剤、防腐剤、緩衝剤、酸化防止剤、懸濁化剤、界面活性剤、溶解補助剤、着色剤、粘稠剤、香料等の成分を添加して各種の剤形とすることができる。
本発明の皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤は、化粧料または医薬組成物であり得る。該化粧料は、通常、化粧品もしくは医薬部外品として提供され得るものである。
本発明の皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤の形態としては、乳液、美容液、ローション、パック、クリーム、ハンドクリームなどの基礎化粧料、ファンデーション、化粧下地、リップクリーム、口紅などのメークアップ化粧料、洗顔料、石鹸、メイク落とし、ボディーシャンプーなどの洗浄用化粧料、ヘアートニック、ヘアーローションなどの頭髪用化粧料、入浴剤などが挙げられる。
また、本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物、非ヒト動物用医薬組成物、食品添加剤および皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤は、AGEs生成抑制効果を有する天然物または天然由来物質をさらに含むものとすることもできる。これらの天然物または天然由来物質としては、例えば、ドクダミ、セイヨウサンザシ、カモミール、ブドウ葉等のハーブ類、桜の花、トウモロコシの花柱および柱頭、セイヨウオオバコ種子、マロニエ、シャクヤク、バラの花、梅果実、山ぶどう、紫菊花、小麦胚芽、小麦胚芽由来のポリアミン、マンゴスチン等が例示される。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら記載に限定されるものではない。
実施例1
蛍光性AGEs強度の測定
キサントトキシン(Wako社製)を用いて、AGEs生成抑制効果を確認するため下記方法で蛍光性AGEs強度を測定した。7.5mg/mlBoc−リジンおよび7.5mg/mlBoc−アルギニンを含有する0.5Mリン酸バッファー液(pH7.2)(以下、アミノ酸液とする)1.0ml、54mg/mlDL−グリセルアルデヒド液(以下、糖液とする)0.25mlおよび表1に示す組成のサンプル溶液0.25mlを混合し、37℃で7日間静置した。反応液の蛍光強度(励起波長380nm、蛍光波長400−600nm)を96ウエルマイクロプレートリーダーを用いて測定し、この値を以下に示す蛍光性AGEs強度計算式中のa2とした。該計算式中のb2〜d2についても同様の条件で反応させて蛍光強度を測定し、蛍光性AGEs強度を算出した。ブランクは、サンプル溶液を加える代わりに、溶媒を加え測定した。
蛍光性AGEs強度=a2−b2−c2−d2
a2:各試験区のサンプル溶液0.25mL+アミノ酸液1.0mL+糖液0.25ml
b2:各試験区のサンプル溶液0.25mL+0.5Mリン酸バッファー(pH7.2)1.25ml
c2:アミノ酸液1.0ml+0.5Mリン酸バッファー(pH7.2)0.5ml
d2:糖液0.25ml+0.5Mリン酸バッファー(pH7.2)1.25ml
蛍光性AGEs強度の測定
キサントトキシン(Wako社製)を用いて、AGEs生成抑制効果を確認するため下記方法で蛍光性AGEs強度を測定した。7.5mg/mlBoc−リジンおよび7.5mg/mlBoc−アルギニンを含有する0.5Mリン酸バッファー液(pH7.2)(以下、アミノ酸液とする)1.0ml、54mg/mlDL−グリセルアルデヒド液(以下、糖液とする)0.25mlおよび表1に示す組成のサンプル溶液0.25mlを混合し、37℃で7日間静置した。反応液の蛍光強度(励起波長380nm、蛍光波長400−600nm)を96ウエルマイクロプレートリーダーを用いて測定し、この値を以下に示す蛍光性AGEs強度計算式中のa2とした。該計算式中のb2〜d2についても同様の条件で反応させて蛍光強度を測定し、蛍光性AGEs強度を算出した。ブランクは、サンプル溶液を加える代わりに、溶媒を加え測定した。
蛍光性AGEs強度=a2−b2−c2−d2
a2:各試験区のサンプル溶液0.25mL+アミノ酸液1.0mL+糖液0.25ml
b2:各試験区のサンプル溶液0.25mL+0.5Mリン酸バッファー(pH7.2)1.25ml
c2:アミノ酸液1.0ml+0.5Mリン酸バッファー(pH7.2)0.5ml
d2:糖液0.25ml+0.5Mリン酸バッファー(pH7.2)1.25ml
キサントトキシンを用いた試験区では、ブランクに比べ蛍光性AGEs強度が低下しており、キサントトキシンが蛍光性AGEsの生成を抑制していることが確認された。結果を表2に示す。
実施例2
散剤の製造
表3に示す割合で原材料を混合し、散剤を製造した。該散剤は、本発明のAGEs生成抑制剤、本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物または本発明の経口摂取用組成物の一形態である。
散剤の製造
表3に示す割合で原材料を混合し、散剤を製造した。該散剤は、本発明のAGEs生成抑制剤、本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物または本発明の経口摂取用組成物の一形態である。
実施例3
錠剤の製造
表4に示す割合で原材料を混合した後、連続式打錠機(Piccola B−10/RIVA社製)を用い、杵金型(φ8mm、R12mm)、1錠あたりの重量150〜200mg、回転盤の回転数12rpm、打錠圧4kNの打錠条件で直接打錠し、錠剤を製造した。該錠剤は、本発明のAGEs生成抑制剤、本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物、または本発明の経口用組成物の一形態である。
錠剤の製造
表4に示す割合で原材料を混合した後、連続式打錠機(Piccola B−10/RIVA社製)を用い、杵金型(φ8mm、R12mm)、1錠あたりの重量150〜200mg、回転盤の回転数12rpm、打錠圧4kNの打錠条件で直接打錠し、錠剤を製造した。該錠剤は、本発明のAGEs生成抑制剤、本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物、または本発明の経口用組成物の一形態である。
実施例4
経口液剤の製造
表5に示す割合で原材料を蒸留水に溶解し、経口液剤を製造した。該経口液剤は、本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物または経口摂取用組成物の一形態である。
経口液剤の製造
表5に示す割合で原材料を蒸留水に溶解し、経口液剤を製造した。該経口液剤は、本発明の糖尿病予防/治療用医薬組成物または経口摂取用組成物の一形態である。
実施例5
化粧水の製造
表6に示す割合で原材料を蒸留水に溶解し、化粧水を製造した。該化粧水は、本発明の皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤の一形態である。
化粧水の製造
表6に示す割合で原材料を蒸留水に溶解し、化粧水を製造した。該化粧水は、本発明の皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤の一形態である。
実施例6
乳液の製造
表7に示す割合で原材料を混合し、乳液を製造した。該乳液は、本発明の皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤の一形態である。
乳液の製造
表7に示す割合で原材料を混合し、乳液を製造した。該乳液は、本発明の皮膚老化予防/改善用皮膚外用剤の一形態である。
Claims (19)
- 式(1)で表される物質が、キサントトキシンである請求項1に記載の終末糖化産物生成抑制剤。
- 式(1)で表されるキサントトキソール誘導体が、キサントトキシンである請求項3に記載の医薬組成物。
- 糖尿病合併症が、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害、糖尿病血管合併症および動脈硬化症からなる群より選ばれる1種以上の疾患である、請求項3または4に記載の医薬組成物。
- 糖類含有量が5g以上であり、且つアミノ酸および/または蛋白質含有量が20g以上である食事の食前、食中、食後および食間のいずれかに投与されるものである、請求項3〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
- 錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤、口腔用錠剤、口腔用スプレー剤、口腔用半固形剤、含嗽剤、注射剤および吸入剤からなる群より選ばれる剤形のものである、請求項3〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
- 式(1)で表されるキサントトキソール誘導体が、キサントトキシンである請求項8に記載の非ヒト動物用医薬組成物。
- 式(1)で表される物質が、キサントトキシンである請求項10に記載の方法。
- 式(1)で表されるキサントトキソール誘導体が、キサントトキシンである請求項12に記載の機能性食品の製造方法。
- 式(1)で表されるキサントトキソール誘導体が、キサントトキシンである請求項14に記載の口腔摂取用組成物。
- 式(1)で表されるキサントトキソール誘導体が、キサントトキシンである請求項16に記載の皮膚外用剤。
- 化粧料である、請求項16または17に記載の皮膚外用剤。
- 乳液、美容液、ローション、パック、クリーム、ハンドクリーム、ファンデーション、化粧下地、リップクリームおよび口紅からなる群より選ばれる形態のものである、請求項18に記載の皮膚外用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015190023A JP2017066051A (ja) | 2015-09-28 | 2015-09-28 | 終末糖化産物生成抑制剤 |
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JP2015190023A JP2017066051A (ja) | 2015-09-28 | 2015-09-28 | 終末糖化産物生成抑制剤 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP4233833A1 (en) * | 2022-02-28 | 2023-08-30 | CUTANEON - Skin & Hair Innovations GmbH | Active agent modulating the activity of an ion channel for use in inhibition of skin aging |
-
2015
- 2015-09-28 JP JP2015190023A patent/JP2017066051A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP4233833A1 (en) * | 2022-02-28 | 2023-08-30 | CUTANEON - Skin & Hair Innovations GmbH | Active agent modulating the activity of an ion channel for use in inhibition of skin aging |
WO2023161050A1 (en) * | 2022-02-28 | 2023-08-31 | Cutaneon - Skin & Hair Innovations Gmbh | Active agent modulating the activity of an ion channel for use in inhibition of skin aging |
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