JP2017066016A - フロート板ガラスの製造方法及びフロート板ガラスの製造装置 - Google Patents

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佑輔 冨田
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Abstract

【課題】フロートバスの上部室と下部室との温度差を確保する際にヒーターの電力使用量を抑えることを可能にしたフロート板ガラスの製造方法及びフロート板ガラスの製造装置を提供する。【解決手段】フロート板ガラスの製造方法に用いるフロートバス12は、溶融金属Mを収容する槽本体13と、槽本体13の上部に設けられたガス室14とを有する。フロートバス12は、ガス室14を上部室15と下部室16とに仕切る仕切壁17と、仕切壁17を上下に貫通した状態で設けられたヒーター18とを有する。フロート板ガラスの製造方法では、フロートバス12の上部室15に設けられた供給部19から上部室15内に溶融金属Mの酸化を抑制する酸化抑制用ガスを供給し、上部室15に設けられた上部排出部20からガス室14外に排出させるとともに上部室15内の酸化抑制用ガスをヒーター18の周囲の流入部21から下部室16に流入させる。【選択図】図2

Description

本発明は、フロート板ガラスの製造方法及びフロート板ガラスの製造装置に関する。
フロート板ガラスの製造では、溶融金属を収容する槽本体を備えたフロートバスが用いられる。こうしたフロートバスとしては、溶融金属上を流動しながら成形されるガラスリボンの温度を調整するために、ガラスリボンの上方を加熱するヒーターを備えた構成を有するものがある(例えば、特許文献1)。また、特許文献1に開示されるフロートバスは、槽本体の上部に設けられたガス室をさらに備えている。フロートバスのガス室は、仕切壁により上部室と下部室とに仕切られている。上述したヒーターは、ガス室の仕切壁を上下に貫通した状態で設けられている。詳述すると、ヒーターの発熱部は、下部室を加熱すべく下部室に配置されるとともに、ヒーターの給電部は、耐熱性が低いため、ガス室の上部室に配置されている。ヒーターの給電部を熱から保護するためには、上部室を所定温度以下で維持することが重要である。ここで、ガス室は、溶融金属の酸化を抑制するために酸化抑制用ガスで満たされる。酸化抑制用ガスは、ガス室の上部室に供給された後、ヒーターの周囲を通じて下部室に流入される。すなわち、フロートバスの上部室は、ガス室の外部から供給される酸化抑制用ガスにより冷却されるように構成されている。
特許文献1には、フロートバスの仕切壁(ルーフレンガ層)の厚さを厚くすることにより、上部室の温度(上方空間雰囲気温度)を低下させる方法が開示されている。
特許第4604693号公報
上述したフロートバスのガス室では、上部室に供給する酸化抑制用ガスの供給量を増加させることにより、上部室の温度を容易に低下させることができる。ところが、上部室に供給する酸化抑制用ガスの供給量を増加させると、下部室に流入する酸化抑制用ガスの流入量が増加するため、上部室とともに下部室の温度も低下し易くなる。この場合、下部室を加熱するヒーターの出力を増大させることで下部室の温度を維持することになる。なお、上記特許文献1に開示されるように、フロートバスの仕切壁の厚さを厚くしたとしても、上部室の温度が高まった場合には、上部室に供給する酸化抑制用ガスの供給量を増加させることが必要となる。この場合についても、下部室を加熱するヒーターの出力を増大させることで下部室の温度を維持することになる。
以上のように、フロートバスの上部室と下部室との温度差を確保する際にはヒーターの電力使用量が増加するため、この電力使用量の増加がフロート板ガラスの製造コストを増大させる一因となっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、フロートバスの上部室と下部室との温度差を確保する際にヒーターの電力使用量を抑えることを可能にしたフロート板ガラスの製造方法及びフロート板ガラスの製造装置を提供することにある。
上記課題を解決するフロート板ガラスの製造方法は、溶融金属を収容する槽本体と、前記槽本体の上部に設けられたガス室と、前記ガス室を上部室と下部室とに仕切る仕切壁と、前記仕切壁を上下に貫通した状態で設けられたヒーターと、を有するフロートバスを用いるフロート板ガラスの製造方法であって、前記上部室に設けられた供給部から前記上部室内に前記溶融金属の酸化を抑制する酸化抑制用ガスを供給し、前記上部室内の酸化抑制用ガスを前記上部室に設けられた排出部から前記ガス室外に排出させるとともに前記ヒーターの周囲の流入部から前記下部室に流入させる。
この方法によれば、フロートバスの上部室に供給する酸化抑制用ガスの一部を、下部室に流入させずに上部室の冷却のみに利用することができる。すなわち、上部室に供給する酸化抑制用ガスの供給量を増加させることで上部室の温度の上昇を抑える場合において、下部室に酸化抑制用ガスが過剰に流入することを抑えることができる。これにより、下部室の温度を維持するためのヒーターの電力使用量を抑えることが可能となる。
上記フロート板ガラスの製造方法において、前記排出部は、前記供給部よりも下方に設けられていることが好ましい。
この方法によれば、例えば、フロートバスの上部室内において下方に向かう気流を発生させることで、ヒーターにおいて上部室内に配置される給電部を好適に冷却することができる。
上記フロート板ガラスの製造方法において、前記排出部は、前記溶融金属上の溶融ガラスの幅方向に位置するとともに前記上部室を構成する側壁部に設けられていることが好ましい。
上記のように排出部を設けることにより、例えば、上部室の温度上昇を好適に抑えることができる。
上記フロート板ガラスの製造方法において、前記排出部から前記ガス室外に排出させる酸化抑制用ガスの排出量は、前記流入部から前記下部室に流入させる酸化抑制用ガスの流入量よりも少ないことが好ましい。
上記のように酸化抑制用ガスの流量を調整することで、例えば、酸化抑制用ガスの使用量を削減することが可能となる。
上記フロート板ガラスの製造方法において、前記排出部は、第1排出部と、前記溶融金属上の溶融ガラスの流れ方向において前記第1排出部よりも下流側に位置する第2排出部とを備え、前記第1排出部における酸化抑制用ガスの排出量を前記第2排出部における酸化抑制用ガスの排出量よりも多くすることが好ましい。
この方法によれば、フロートバスの上部室において、溶融金属上の溶融ガラスの流れ方向の下流側よりも温度の高まり易い上流側を効率よく冷却することが可能となる。
上記課題を解決するフロート板ガラスの製造装置は、溶融金属を収容する槽本体と、前記槽本体の上部に設けられたガス室と、前記ガス室を上部室と下部室とに仕切る仕切壁と、前記仕切壁を上下に貫通した状態で設けられたヒーターと、を有するフロートバスを備えるフロート板ガラスの製造装置であって、前記フロートバスは、前記上部室に設けられるとともに前記上部室に前記溶融金属の酸化を抑制する酸化抑制用ガスを供給する供給部と、前記上部室に設けられるとともに前記上部室に供給された酸化抑制用ガスを前記上部室から前記ガス室外に排出させる排出部と、前記ヒーターの周囲に設けられるとともに前記上部室内に供給された酸化抑制用ガスを前記下部室に流入させる流入部と、を備える。
本発明によれば、フロートバスの上部室の温度と下部室の温度との温度差を確保する際にヒーターの電力使用量を抑えることが可能となる。
実施形態におけるフロートバスを示す模式断面平面図である。 図1の2−2線に沿った模式断面図である。
以下、フロート板ガラスの製造方法及びフロート板ガラスの製造装置の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。
図1及び図2に示すように、フロート板ガラスの製造装置11は、フロートバス12を備えている。図1は、本実施形態におけるフロートバス12を示す模式断面平面図であり、図2の1−1線に沿ったフロートバス12の断面図である。図2は、図1の2−2線に沿った模式断面図である。フロートバス12は、溶融金属Mを収容する槽本体13と、槽本体13の上部に設けられたガス室14とを有している。フロートバス12は、ガス室14を上部室15と下部室16とに仕切る仕切壁17と、仕切壁17を上下に貫通した状態で設けられたヒーター18とをさらに有している。
槽本体13は、例えば、耐火煉瓦等の耐火物から構成されている。槽本体13中に収容される溶融金属Mとしては、例えば、溶融スズ、及び溶融スズ合金が挙げられる。槽本体13中の溶融金属M上には、図示を省略した溶融窯で溶融された溶融ガラスが清澄室等を通じて流入される。溶融金属M上の溶融ガラスは、流れ方向Xに向けて流動しながら板状のガラスリボンGに成形される。なお、フロートバス12は、ガラスリボンGの両側部を上方から押さえることによりガラスリボンGの幅方向Yの収縮を抑制するトップロールを備えていてもよい。なお、図1においては下部室16中のガラスリボンGを透視した態様で破線にて図示する。
フロートバス12の上部室15は、例えば、耐熱鋼から構成されており、フロートバス12の下部室16及び仕切壁17は、例えば、耐火煉瓦等の耐火物から構成されている。フロートバス12は、上部室15に溶融金属Mの酸化を抑制する酸化抑制用ガスを供給する供給部19と、上部室15に供給された酸化抑制用ガスを上部室15からガス室14外に排出させる上部排出部20と、上部室15内に供給された酸化抑制用ガスを下部室16に流入させる流入部21とを備えている。供給部19及び上部排出部20は、上部室15に設けられている。本実施形態の上部排出部20は、供給部19よりも下方に設けられている。流入部21は、ヒーター18の周囲に設けられている。
詳述すると、フロートバス12の上部室15には、複数の供給部19が設けられており、これらの供給部19は溶融金属M上の溶融ガラス(ガラスリボンG)の幅方向Yに沿って配列されている。各供給部19は、上部室15を構成する上壁部15aに設けられている。各供給部19は、図示を省略したガス供給源に接続され、ガス供給源から送られる酸化抑制用ガスを上部室15に供給する。酸化抑制用ガスとしては、例えば、不活性ガス又は還元性ガスが挙げられる。不活性ガスとしては、例えば、窒素が挙げられる。還元性ガスとしては、例えば、窒素と水素の混合ガスが挙げられる。
フロートバス12の上部室15には、複数の上部排出部20が設けられている。上部排出部20は、第1上部排出部20aと、溶融金属M上の溶融ガラス(ガラスリボンG)の流れ方向Xにおいて第1上部排出部20aよりも下流側に位置する第2上部排出部20bとを備えている。第1上部排出部20aは、溶融ガラスの幅方向Yに位置するとともに上部室15を構成する上部側壁部15bに設けられている。本実施形態の第1上部排出部20aは、互いに向かい合うように配置される一対の第1上部排出部20a,20aから構成されている。第2上部排出部20bは、第1上部排出部20aと同様に上部側壁部15bに設けられており、互いに向かい合うように配置される一対の第2上部排出部20b,20bから構成されている。上部排出部20から排出される酸化抑制用ガスの排出量は、例えば、上部排出部20に接続される排気ブロアの出力によって調整することができる。
図1に拡大して示すように、仕切壁17は、ヒーター18が配置される貫通孔Hを有している。上述した流入部21は、貫通孔Hの内壁とヒーター18の外周面との間隙により構成されている。仕切壁17の厚さは、250mm以上、320mm未満であることが好ましい。仕切壁17の厚さを厚くすることにより、仕切壁17の断熱性を高めることができる。一方、仕切壁17の厚さを薄くすることにより、仕切壁17を構成する耐火煉瓦等の耐火物の使用量を削減することができるとともに仕切壁17を支持する構造を簡略化することができる。これにより、フロートバス12の設備コストを削減することが可能である。
図2に示すように、ヒーター18は、上部室15内に配置される給電部18aと、下部室16内に配置される発熱部18bとを有している。図2に模式的に示す給電部18aは、発熱部18bに電力を供給するための配線や電気的な接続部分である。ヒーター18の給電部18aは、アルミニウム、銅等の金属材料からなる部材(例えば、バスバー、配線、ストラップ等)を備えている。ヒーター18の発熱部18bとしては、例えば、炭化ケイ素から構成される抵抗発熱体が挙げられる。
フロートバス12の下部室16には、下部室16内の酸化抑制用ガスをガス室14外に排出させる下部排出部22が設けられている。下部排出部22から排出される酸化抑制用ガスの排出量は、例えば、下部排出部22に接続される排気ブロアによって調整してもよいし、自然排気されるように構成してもよい。
フロート板ガラスの製造装置11は、図示を省略するが、ガラスリボンGを徐冷する徐冷窯、ガラスリボンGの切断装置等をフロートバス12の下流側に備え、ガラスリボンGを切断することでフロート板ガラスが得られる。
次に、フロート板ガラスの製造方法について説明する。
フロート板ガラスの製造方法では、上述したフロートバス12が用いられる。図2には、フロートバス12における酸化抑制用ガスの流れを矢印で示している。フロートバス12の上部室15内には、上部室15に設けられた供給部19から酸化抑制用ガスが供給される。供給部19から供給される酸化抑制ガスの温度は、例えば、5℃以上、40℃以下の範囲である。
フロート板ガラスの製造方法では、上部室15に設けられた上部排出部20からガス室14外に排出させるとともに、上部室15内の酸化抑制用ガスをヒーター18の周囲の流入部21から下部室16に流入させる。すなわち、この製造方法では、上部室15内の酸化抑制用ガスの一部を下部室16に流入させずにガス室14外に排出させている。
上部室15内の雰囲気温度は、酸化抑制用ガスの上部室15への供給量を調整することにより、例えば、300℃以下に設定される。下部室16内の雰囲気温度は、ヒーター18の出力により高めることが可能であり、製造するフロート板ガラスの種類に応じて設定することができる。
フロートバス12の上部排出部20から排出される酸化抑制用ガスの温度Ta(℃)は、上部室15に供給される酸化抑制用ガスの温度Tb(℃)よりも高く、下部排出部22から排出される酸化抑制用ガスの温度Tc(℃)よりも低い。
上記温度Ta(℃)は、上記温度Tb+100(℃)以上であることが好ましい。この場合、酸化抑制用ガスを上部室15の冷却に効率よく利用することができ、酸化抑制用ガスの使用量を削減することができる。
また、より高温条件におけるガラスリボンGの成形が好適なフロート板ガラスを製造する場合、上記温度Tc(℃)と上記温度Ta(℃)との温度差をより大きくする必要がある。このようなフロート板ガラスを製造する場合、例えば、上記温度Tc(℃)と上記温度Ta(℃)との温度差Tc−Ta(℃)は、450℃以上に設定される。なお、温度Tc(℃)は、例えば、700℃以上、1000℃以下の範囲である。
フロートバス12の上部排出部20からガス室14外に排出させる酸化抑制用ガスの排出量は、フロートバス12の流入部21から下部室16に流入させる酸化抑制用ガスの流入量よりも少ないことが好ましい。上記排出量(Nm/h)は、例えば、上記流入量(Nm/h)の1/5以上、4/5以下の範囲であることが好ましい。ここで用いる単位Nmは、酸化抑制用ガスを標準状態(0℃、1気圧)に換算した体積を表す単位である。なお、フロートバス12の上部室15内及び下部室16内の各室内の圧力は、大気圧よりも高い正圧に設定されている。
フロート板ガラスの製造方法では、フロートバス12の第1上部排出部20aにおける酸化抑制用ガスの排出量を第2上部排出部20bにおける酸化抑制用ガスの排出量よりも多くすることが好ましい。第1上部排出部20aにおける酸化抑制用ガスの排出量(Nm/h)は、第2上部排出部20bにおける酸化抑制用ガスの排出量(Nm/h)の1.1倍以上であることが好ましく、より好ましくは1.2倍以上である。
次に、本実施形態の主な作用について説明する。
フロート板ガラスの製造方法では、フロートバス12における上部室15内の酸化抑制用ガスをヒーター18の周囲の流入部21から下部室16に流入させる。これにより、下部室16は、酸化抑制用ガスの雰囲気下となり、溶融金属Mの酸化が抑えられる。下部室16内の雰囲気温度は、ヒーター18の出力を制御することでガラスリボンGの成形に適した温度に設定される。また、フロートバス12の上部室15内の温度上昇は、上部室15に供給する酸化抑制用ガスの供給量を増加させることによって抑えることができる。
フロート板ガラスの製造方法では、フロートバス12における上部室15内の酸化抑制用ガスを上部室15に設けられた上部排出部20からガス室14外に排出させる。この方法によれば、フロートバス12の上部室15に供給する酸化抑制用ガスの一部を、下部室16に流入させずに上部室15の冷却のみに利用することができる。すなわち、上部室15に供給する酸化抑制用ガスの供給量を増加させることで上部室15の温度の上昇を抑える場合において、下部室16に酸化抑制用ガスが過剰に流入することを抑えることができる。これにより、下部室16の温度を維持するためのヒーター18の電力使用量を抑えることが可能となる。
次に、試験例について説明する。
(試験例1)
表1に示すように、試験例1では、フロートバス12において、供給部19から上部室15内に酸化抑制用ガスを供給する供給量を2550Nm/h、上部室15内の酸化抑制用ガスを上部排出部20から排出する排出量を850Nm/h、下部室16内の酸化抑制用ガスを下部排出部22から排出する排出量を1700Nm/hに設定した。この酸化抑制用ガスの条件に設定したフロートバス12を備えたフロート板ガラスの製造装置11を用いてフロート板ガラスを製造した。フロートバス12の供給部19から供給される酸化抑制用ガスは、窒素と酸素の混合ガスからなる還元性ガスであり、還元性ガスの温度は、約25℃である。下部室16内の酸化抑制用ガスを下部排出部22から排出する排出量は、上部室15から流入部21を通じて下部室16に流入する酸化抑制用ガスの流入量に相当する。ヒーター18の出力は、下部排出部22から排出される酸化抑制用ガスの温度が750℃以上、1000℃以下の範囲となるように制御した。
(試験例2〜4)
表1に示すように、フロートバス12における酸化抑制用ガスの条件を変更した以外は、試験例1と同様にフロート板ガラスを製造した。
各試験例におけるヒーター18の使用電力及び上部室15内の雰囲気温度を表1に示す。ヒーター18の使用電力は実測値であり、上部室15内の雰囲気温度は複数の上部排出部20から排出された酸化抑制用ガスの温度の平均値である。
試験例1では、上部室15内の雰囲気温度を300℃以下に維持し、かつヒーター18の使用電力を試験例3よりも200kW程度削減することができた。
試験例2では、上部排出部20からの酸化抑制用ガスの排出量を試験例1よりも増加させている。この試験例2についても、上部室15内の雰囲気温度を300℃以下に維持し、かつヒーター18の使用電力を試験例3よりも230kW程度削減することができた。
なお、試験例4では、上部室15に供給する酸化抑制用ガスの供給量を削減することで、流入部21を通じて下部室16に流入する酸化抑制用ガスの流入量(すなわち、下部排出部22からの酸化抑制用ガスの排出量)を試験例3よりも削減した。この試験例4では、ヒーター18の使用電力は試験例1よりも削減できるものの、上部室15内の雰囲気温度を300℃以下に維持できないことが分かる。
以上詳述した実施形態によれば、次のような作用効果が発揮される。
(1)フロート板ガラスの製造方法に用いるフロートバス12は、溶融金属Mを収容する槽本体13と、槽本体13の上部に設けられたガス室14とを有している。フロートバス12は、ガス室14を上部室15と下部室16とに仕切る仕切壁17と、仕切壁17を上下に貫通した状態で設けられたヒーター18とをさらに有している。フロート板ガラスの製造方法では、フロートバス12の上部室15に設けられた供給部19から上部室15内に溶融金属Mの酸化を抑制する酸化抑制用ガスを供給している。また、フロートバス12における上部室15内の酸化抑制用ガスを上部室15に設けられた上部排出部20からガス室14外に排出させるとともにヒーター18の周囲の流入部21から下部室16に流入させている。
この方法によれば、上述した作用が得られるため、フロートバス12の上部室15と下部室16との温度差を確保する際にヒーター18の電力使用量を抑えることが可能となる。従って、ヒーター18の電力使用量に基づくフロート板ガラスの製造コストの増大を抑えることができる。
(2)上記フロートバス12の上部排出部20は、フロートバス12の供給部19よりも下方に設けられていることが好ましい。この方法によれば、例えば、フロートバス12の上部室15内において下方に向かう気流を発生させることで、ヒーター18において上部室15内に配置される給電部18aを好適に冷却することができる。従って、ヒーター18の給電部18aの温度上昇を好適に抑えることができる。
(3)上記フロートバス12の上部排出部20は、溶融金属M上の溶融ガラスの幅方向Yに位置するとともにフロートバス12の上部室15を構成する上部側壁部15bに設けられていることが好ましい。
上記のように上部排出部20を設けることで、例えば、上部室15の温度上昇を好適に抑えることができる。
(4)フロート板ガラスの製造方法において、フロートバス12の上部排出部20からガス室14外に排出させる酸化抑制用ガスの排出量は、フロートバス12の流入部21から下部室16に流入させる酸化抑制用ガスの流入量よりも少ないことが好ましい。
上記のように酸化抑制用ガスの流量を調整することで、例えば、酸化抑制用ガスの使用量を削減することが可能となる。このように、フロートバス12の上部室15の冷却のみに用いる酸化抑制用ガスの使用量を削減することにより、フロート板ガラスの製造コストを削減することが可能となる。
(5)上記フロートバス12の上部排出部20は、第1上部排出部20aと、溶融金属M上の溶融ガラスの流れ方向Xにおいて第1上部排出部20aよりも下流側に位置する第2上部排出部20bとを備えている。フロート板ガラスの製造方法では、第1上部排出部20aにおける酸化抑制用ガスの排出量を第2上部排出部20bにおける酸化抑制用ガスの排出量よりも多くすることが好ましい。
この方法によれば、フロートバス12の上部室15において、溶融金属M上の溶融ガラスの流れ方向Xの下流側よりも温度の高まり易い上流側を効率よく冷却することが可能となる。従って、フロートバス12の上部室15の温度上昇を効率よく抑えることが可能となる。
(6)フロート板ガラスの製造装置11のフロートバス12は、上部室15に設けられるとともに上部室15に溶融金属Mの酸化を抑制する酸化抑制用ガスを供給する供給部19を備えている。このフロートバス12は、上部室15に設けられるとともに上部室15に供給された酸化抑制用ガスを上部室15からガス室14外に排出させる上部排出部20と、ヒーター18の周囲に設けられるとともに上部室15内に供給された酸化抑制用ガスを下部室16に流入させる流入部21とを備えている。この構成によれば、上述した作用が得られるため、フロートバス12の上部室15と下部室16との温度差を確保する際にヒーター18の電力使用量を抑えることが可能となる。
(変更例)
上記実施形態を次のように変更してもよい。
・フロート板ガラスの製造方法に用いるフロートバス12において、第1上部排出部20aにおける酸化抑制用ガスの排出量を第2上部排出部20bにおける酸化抑制用ガスの排出量よりも少なく設定してもよい。また、第1上部排出部20aにおける酸化抑制用ガスの排出量と、第2上部排出部20bにおける酸化抑制用ガスの排出量とを同じ排出量に設定してもよい。
・フロート板ガラスの製造方法に用いるフロートバス12において、一対の第1上部排出部20aのいずれか一方を省略してもよい。一対の第2上部排出部20bについても、いずれか一方を省略してもよい。この場合であっても、第1上部排出部20aにおける酸化抑制用ガスの排出量を第2上部排出部20bにおける酸化抑制用ガスの排出量よりも多くすることで、上記(5)欄で述べた作用効果を得ることができる。
・フロート板ガラスの製造方法に用いるフロートバス12において、上部排出部20の数は、単数であってもよい。また、上部排出部20の位置、形状等を変更してもよい。例えば、フロートバス12の上部排出部20は、上部室15の上壁部15aに設けることもできる。また、上部排出部20を供給部19よりも上方に設けることもできる。
・フロート板ガラスの製造方法に用いるフロートバス12において、ヒーター18の数形状、寸法や、発熱部18bの材質は、特に限定されず、例えば、フロートバス12の寸法、フロート板ガラスの種類等に応じて変更可能である。
・フロート板ガラス(ガラスリボンG)を構成するガラスは、無アルカリガラスであってもよいし、アルカリ成分を含むガラスであってもよい。なお、フロート板ガラスの用途としては、例えば、ディスプレイ用途、タッチパネル用途、光電変換パネル用途、電子デバイス用途、窓ガラス用途、建材用途、及び車両用途が挙げられる。
11…フロート板ガラスの製造装置、12…フロートバス、13…槽本体、14…ガス室、15…上部室、15b…上部側壁部、16…下部室、17…仕切壁、18…ヒーター、19…供給部、20…上部排出部、20a…第1上部排出部、20b…第2上部排出部、21…流入部、H…貫通孔、M…溶融金属、X…流れ方向、Y…幅方向。

Claims (6)

  1. 溶融金属を収容する槽本体と、
    前記槽本体の上部に設けられたガス室と、
    前記ガス室を上部室と下部室とに仕切る仕切壁と、
    前記仕切壁を上下に貫通した状態で設けられたヒーターと、を有するフロートバスを用いるフロート板ガラスの製造方法であって、
    前記上部室に設けられた供給部から前記上部室内に前記溶融金属の酸化を抑制する酸化抑制用ガスを供給し、
    前記上部室内の酸化抑制用ガスを前記上部室に設けられた排出部から前記ガス室外に排出させるとともに前記ヒーターの周囲の流入部から前記下部室に流入させることを特徴とするフロート板ガラスの製造方法。
  2. 前記排出部は、前記供給部よりも下方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフロート板ガラスの製造方法。
  3. 前記排出部は、前記溶融金属上の溶融ガラスの幅方向に位置するとともに前記上部室を構成する側壁部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフロート板ガラスの製造方法。
  4. 前記排出部から前記ガス室外に排出させる酸化抑制用ガスの排出量は、前記流入部から前記下部室に流入させる酸化抑制用ガスの流入量よりも少ないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のフロート板ガラスの製造方法。
  5. 前記排出部は、第1排出部と、前記溶融金属上の溶融ガラスの流れ方向において前記第1排出部よりも下流側に位置する第2排出部とを備え、
    前記第1排出部における酸化抑制用ガスの排出量を前記第2排出部における酸化抑制用ガスの排出量よりも多くすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフロート板ガラスの製造方法。
  6. 溶融金属を収容する槽本体と、
    前記槽本体の上部に設けられたガス室と、
    前記ガス室を上部室と下部室とに仕切る仕切壁と、
    前記仕切壁を上下に貫通した状態で設けられたヒーターと、を有するフロートバスを備えるフロート板ガラスの製造装置であって、
    前記フロートバスは、
    前記上部室に設けられるとともに前記上部室に前記溶融金属の酸化を抑制する酸化抑制用ガスを供給する供給部と、
    前記上部室に設けられるとともに前記上部室に供給された酸化抑制用ガスを前記上部室から前記ガス室外に排出させる排出部と、
    前記ヒーターの周囲に設けられるとともに前記上部室内に供給された酸化抑制用ガスを前記下部室に流入させる流入部と、を備えることを特徴とするフロート板ガラスの製造装置。
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