JP2017065896A - 糸掛け部材、糸貯留装置、及び糸巻取機 - Google Patents
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Abstract
【課題】糸と接触する部分の摩耗の進行を抑制し、糸掛け部材の長寿命化を図ることができる糸掛け部材、糸貯留装置、及び糸巻取機を提供する。
【解決手段】糸掛け部材60は、糸貯留ローラ51に対して可能に取り付けられる糸掛け部材60であって、糸貯留ローラ51から解舒される糸Yと接触する本体部66を備え、本体部66の少なくとも一部は、本体部66を覆う第一層67と、第一層67を覆う第二層68と、の二層以上の被覆層により覆われている。
【選択図】図5
【解決手段】糸掛け部材60は、糸貯留ローラ51に対して可能に取り付けられる糸掛け部材60であって、糸貯留ローラ51から解舒される糸Yと接触する本体部66を備え、本体部66の少なくとも一部は、本体部66を覆う第一層67と、第一層67を覆う第二層68と、の二層以上の被覆層により覆われている。
【選択図】図5
Description
本発明は、糸掛け部材、糸貯留装置、及び糸巻取機に関する。
糸を一時的に貯留可能な糸貯留装置を備える繊維機械(例えば、紡績した糸を巻き取ってパッケージを形成する空気式紡績機等)が知られている。このような糸貯留装置として、例えば、特許文献1及び2には、糸貯留ローラ(弛み取りローラ)と、糸貯留ローラに対して相対回転可能な糸掛け部材(フライヤ)と、を備え、当該糸掛け部材に糸貯留ローラに対する回転抵抗が付与される構成の糸貯留装置が開示されている。
糸貯留装置の糸掛け部材は、糸が引っ掛けられることにより糸貯留ローラに糸を案内している。したがって、糸掛け部材において糸が引っ掛けられる部分は、糸との接触によって摩耗が発生することがある。
本発明は、糸と接触する部分の摩耗の進行を抑制し、糸掛け部材の長寿命化を図ることができる糸掛け部材、糸貯留装置、及び糸巻取機を提供することを目的とする。
本発明の糸掛け部材は、糸貯留ローラから解舒される糸と接触する本体部を備え、本体部の少なくとも一部は、本体部を覆う第一層と、第一層を覆う第二層と、の二層以上の被覆層により覆われている。
この構成の糸掛け部材では、糸は二層以上の被覆層に接触することになり、本体部が被覆層により保護される。被覆層は二層以上により形成されているので、仮に最外層に該当する被覆層が剥がれた場合であっても、その下の被覆層が本体部を保護する。本体部の表面は、二層以上の被覆層が全て剥がれるまで保護される。この結果、糸と接触する部分の摩耗の進行を抑制し、糸掛け部材の長寿命化を図ることができる。
本発明の糸掛け部材では、本体部の表面の少なくとも一部は、本体部の表面を覆う第一層と、第一層を覆う第二層と、により覆われていてもよい。
本発明の糸掛け部材では、第二層の硬度を、本体部の硬度よりも高くしてもよい。この構成の糸掛け部材では、糸が接触する部分の耐摩耗性を高めることができる。
本発明の糸掛け部材では、第一層の表面を、本体部の表面よりも滑らかにしてもよい。この構成の糸掛け部材では、本体部の表面の状態によらず、第二層の表面を滑らかにすることが容易となる。この結果、糸掛け部材と糸との接触抵抗が小さくなるので、糸掛け部材の耐摩耗性を高めることができる。また、第二層が剥がれ、第一層に糸が接触するようになった場合であっても、第一層と糸との接触抵抗が小さいので、糸掛け部材の耐摩耗性を高めることができる。
本発明の糸掛け部材では、第二層の表面を、本体部の表面よりも滑らかにし、かつ、第一層と同等以上に滑らかにしてもよい。この構成の糸掛け部材では、糸が接触する第二層を本体部の表面よりも滑らかにすることができるので、糸掛け部材と糸との摩擦抵抗を下げることができる。これにより、糸掛け部材の耐摩耗性を高めることができる。
本発明の糸掛け部材では、第一層の硬度を、本体部の硬度よりも高くしてもよい。この構成の糸掛け部材では、第二層が剥がれた場合であっても、糸は、本体部よりも高い硬度を有する第一層に接触する。これにより、糸掛け部材全体の耐摩耗性を高めることができ、摩耗の進行を効果的に抑制することができる。
本発明の糸掛け部材では、本体部を、金属により形成し、第一層を、硬質クロムにより形成し、第二層を、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングにより形成してもよい。
通常、DLCコーティングは、コーティング部分を厚くするほどコーティング部分の表面の滑らかさを維持するのが困難となり、また高価となる。また、金属により形成された本体部の外周面(表面)の表面粗度(滑らかさ)が相対的に荒く、被覆により金属の表面を滑らかにしようとすると、被覆部分には、ある程度の厚みが必要となる。したがって、DLCにより被覆層を形成しようとすると、外周面の滑らかさを維持できる厚み以上の厚みで被覆を形成する必要があり、高度な技術とコストが必要となる。この構成の糸掛け部材では、金属により形成される本体部は硬質クロムにより覆われるので、第一層の厚み及び滑らかさを容易に確保しつつ、糸掛け部材全体の硬度も維持できる。そして、比較的滑らかに形成された第一層をDLCに被覆させることで、第二層を比較的薄い被覆により形成しつつ、糸掛け部材全体の滑らかさも確保することができる。これにより、効果的に摩耗の進行を抑制することができる第一層及び第二層を形成することができる。
本発明の糸掛け部材では、本体部と第二層とのビッカース硬さの差を2000以上にしてもよい。この構成の糸掛け部材では、本体部と第二層との間に第一層が設けられているため、糸掛け部材の表面層の硬度を高くすることができる。これにより、糸掛け部材の耐摩耗性をより高めることができ、摩耗の進行をより効果的に抑制することができる。
本発明の糸掛け部材では、本体部の硬度を、内部中心から表面に向かって段階的又は徐々に高くしてもよい。この構成の糸掛け部材では、例えば、本体部に対して熱処理による表面処理が施されることにより、本体部の内部中心から表面に向かって段階的又は徐々に硬度が高くなっている。これにより、被覆層が剥がれた場合であっても、糸と接触する部分の摩耗の進行を抑制することができる。
本発明の糸掛け部材では、糸貯留ローラに対して回転可能に取り付けられると共に、本体部とは異なる材質から形成される支持部を更に備え、本体部は、支持部に設けられていてもよい。
本発明の糸掛け部材では、本体部は、線状部材であり、線状部材の全体が二層以上の被覆層により覆われていてもよい。この構成の糸掛け部材では、容易に被膜層を形成することができる。
本発明の糸掛け部材では、支持部は、本体部が設けられる先端部と、糸貯留ローラに固定されるボス部と、先端部とボス部との間を一方向に延在する中央部と、中央部を補強する補強部と、を備えていてもよい。
この構成の糸掛け部材では、支持部により案内部を安定して支持することができる。
本発明の糸掛け部材では、補強部は、中央部の表面から突出するように設けられ、中央部が延在する方向に沿って延在する突出部を有していてもよい。
この構成の糸掛け部材では、補強部を容易に形成することができる。
本発明の糸掛け部材では、ボス部は、中央部から突出しており、突出部は、中央部のボス部が突出する側の表面において、ボス部が突出する方向及び中央部が延在する方向の両方に交差する方向の中央領域に設けられており、中央部の延在方向においてボス部が設けられている側から所定の長さに渡って形成されていてもよい。
この構成の糸掛け部材では、簡単な構成により、支持部により本体部を安定して支持することができる。
本発明の糸掛け部材では、補強部は、中央部において、ボス部が突出する方向及び中央部が延在する方向の両方に交差する方向の両端部のうちの少なくとも一方の端部に形成される増厚部を有していてもよい。
この構成の糸掛け部材では、支持部により本体部を安定して支持することができる。
本発明の糸貯留装置は、上記糸掛け部材と、糸掛け部材が回転可能に取り付けられた糸貯留ローラと、を備える。
本発明の糸巻取機は、繊維束をドラフトするドラフト装置と、ドラフト装置でドラフトされた繊維束に撚りを与えて糸を生成する紡績装置と、紡績装置で生成された糸を貯留する上記糸貯留装置と、糸貯留ローラに貯留された糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、を備えている。
これらの構成の糸貯留装置及び糸巻取機では、糸と接触する部分の摩耗の進行を抑制し、長寿命化を図ることができる糸掛け部材が設けられるので、糸掛け部材の交換サイクルを長くすることができる。この結果、糸貯留装置及び糸巻取機の稼動効率を向上することができる。
本発明によれば、糸と接触する部分の摩耗の進行を抑制し、糸掛け部材の長寿命化を図ることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1に示されるように、紡績機1は、複数の紡績ユニット(糸巻取機)2と、糸継台車3と、第1エンドフレーム5Aと、第2エンドフレーム5Bと、を備えている。複数の紡績ユニット2は、一列に配列されている。なお、以下の説明では、糸Yが走行する経路(すなわち、糸道)において、糸Yが生成される側を上流側といい、糸Yが巻き取られる側を下流側という。
各紡績ユニット2は、糸Yを生成してパッケージPに巻き取る。ある紡績ユニット2で糸Yが切断されたり、何らかの理由で糸Yが切れたりした場合、糸継台車3は、当該紡績ユニット2で糸継動作を行う。
第1エンドフレーム5Aには、紡績ユニット2の各部において旋回空気流などを発生させるための空気供給源及び/又は紡績ユニット2の各部において吸引空気流を発生させるための吸引源などが収容されている。
第2エンドフレーム5Bには、紡績ユニット2の各部に動力を供給するための駆動モータなどが収容されている。第2エンドフレーム5Bには、機台制御装置11と、表示部Dと、入力キーKと、が設けられている。
機台制御装置11は、紡績機1の各部を集中的に管理及び制御する。表示部Dは、紡績ユニット2の設定内容及び/又は状態に関する情報などを表示することができる。オペレータが入力キーKを用いて適宜の操作を行うことにより、紡績ユニット2の設定作業を行うことができる。
図1及び図2に示されるように、各紡績ユニット2は、糸Yの走行方向において上流側から順に、ドラフト装置6と、空気紡績装置7と、糸監視装置8と、テンションセンサ9と、糸貯留装置50と、ワキシング装置12と、巻取装置13と、を備えている。ユニットコントローラ10は、所定数の紡績ユニット2ごとに設けられており、紡績ユニット2の動作を制御する。
ドラフト装置6は、スライバ(繊維束)Sをドラフトする。ドラフト装置6は、スライバSの走行方向において上流側から順に、バックローラ対14と、サードローラ対15と、ミドルローラ対16と、フロントローラ対17と、を有している。各ローラ対14,15,16及び17は、ボトムローラと、トップローラと、を有している。ボトムローラは、第2エンドフレーム5Bに設けられた駆動モータ又は各紡績ユニット2に設けられた駆動モータにより回転駆動される。ミドルローラ対16のトップローラに対しては、エプロンベルト16Aが設けられている。ミドルローラ対16のボトムローラに対しては、エプロンベルト16Bが設けられている。
空気紡績装置7は、ドラフト装置6でドラフトされた繊維束Fに旋回空気流によって撚りを与えて糸Yを生成する。より詳細には(ただし、図示省略)、空気紡績装置7は、紡績室と、繊維案内部と、旋回空気流発生ノズルと、中空ガイド軸体と、を有している。繊維案内部は、上流側のドラフト装置6から供給された繊維束Fを紡績室内に案内する。旋回空気流発生ノズルは、繊維束Fが走行する経路の周囲に配置されている。旋回空気流発生ノズルから空気が噴射されることにより、紡績室内に旋回空気流が発生する。この旋回空気流によって、繊維束Fを構成する複数の繊維の各繊維端が反転されて旋回させられる。中空ガイド軸体は、糸Yを紡績室内から空気紡績装置7の外部に案内する。
糸監視装置8は、空気紡績装置7と糸貯留装置50との間に配置されている。糸監視装置8は、走行する糸Yに光を照射することにより糸Yの状態を検出する光学式の糸監視装置である。糸監視装置8は、走行する糸Yの状態を監視し、糸欠陥の有無を検出する。糸監視装置8は、糸欠陥を検出した場合、糸欠陥検出信号をユニットコントローラ10に送信する。糸監視装置8は、糸欠陥として、例えば、糸Yの太さ異常及び/又は糸Yに含有されている異物を検出する。糸監視装置8は、糸切れなども検出する。
テンションセンサ9は、空気紡績装置7と糸貯留装置50との間において、走行する糸Yのテンションを測定し、テンション測定信号をユニットコントローラ10に送信する。糸監視装置8及び/又はテンションセンサ9の検出結果に基づきユニットコントローラ10が異常有りと判断した場合、紡績ユニット2において、糸Yが切断される。具体的には、空気紡績装置7への空気の供給が停止されて、糸Yの生成が中断されることにより、糸Yが切断される。或いは、別途設けられたカッタにより糸Yが切断されるようにしてもよい。
ワキシング装置12は、糸貯留装置50と巻取装置13との間において、糸Yにワックスを付与する。
糸貯留装置50は、空気紡績装置7と巻取装置13との間において、糸Yの弛みを取る。糸貯留装置50は、空気紡績装置7から糸Yを安定して引き出す機能、糸継台車3による糸継動作時などに空気紡績装置7から送り出される糸Yを滞留させて糸Yが弛むのを防止する機能、及び糸貯留装置50よりも下流側の糸Yのテンションの変動が空気紡績装置7に伝わるのを防止する機能を有している。なお、糸貯留装置50の詳細な構成については後段にて詳述する。
巻取装置13は、糸YをボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。巻取装置13は、クレードルアーム21と、巻取ドラム22と、トラバースガイド23と、を有している。
クレードルアーム21は、ボビンBを回転可能に支持する。クレードルアーム21は、支軸24によって揺動可能に支持されており、ボビンBの表面又はパッケージPの表面を巻取ドラム22の表面に適切な圧力で接触させる。第2エンドフレーム5Bに設けられた駆動モータ(図示省略)が、複数の紡績ユニット2の巻取ドラム22を一斉に駆動する。これにより、各紡績ユニット2において、ボビンB又はパッケージPが巻取方向に回転させられる。各紡績ユニット2のトラバースガイド23は、複数の紡績ユニット2で共有されるシャフト25に設けられている。第2エンドフレーム5Bの駆動モータがシャフト25を巻取ドラム22の回転軸方向に往復駆動することによって、回転するボビンB又はパッケージPに対してトラバースガイド23が糸Yを所定幅でトラバースする。
糸継台車3は、ある紡績ユニット2において糸Yが切断されたり、何らかの理由で糸Yが切れたりした場合、当該紡績ユニット2まで走行して、糸継動作を行う。糸継台車3は、サクションパイプ31と、糸継装置37と、サクションマウス38と、を有している。
サクションパイプ31は、支軸31Aによって回動可能に支持されており、空気紡績装置7からの糸Yを捕捉して糸継装置37に案内する。サクションマウス38は、支軸38Aによって回動可能に支持されており、巻取装置13からの糸Yを捕捉して糸継装置37に案内する。糸継装置37は、案内された糸Y同士の糸継ぎを行う。糸継装置37は、圧縮空気を用いるスプライサ、種糸を用いるピーサー、又は糸Yを機械的に継ぐノッターなどである。
糸継台車3が糸継ぎ動作を行うとき、パッケージPを反巻取方向に回転(逆回転)させる。このときには、パッケージPが巻取ドラム22から離間するようにクレードルアーム21がエアーシリンダ(図示省略)によって移動させられ、糸継台車3に設けられた逆回転用ローラ36によってパッケージPが逆回転させられる。
上述した糸貯留装置50について、より詳細に説明する。図3に示されるように、糸貯留装置50は、糸貯留ローラ51と、糸掛け部材60と、を備えている。糸貯留装置50は、貯留量センサ56と、上流側ガイド57と、下流側ガイド59と、糸外し部材71と、を更に備えていてもよい。
糸貯留ローラ51は、電動モータ55の駆動軸55Aに固定されており、電動モータ55によって回転させられる。糸貯留ローラ51は、糸貯留部52と、基端側テーパ部53と、先端側テーパ部54と、を有している。糸貯留部52は、糸Yが巻き付けられる円筒状の部分であり、先端側に向かって僅かに先細りに形成されている。糸貯留部52は、糸Yの巻付け開始側である基端部52aと、糸Yが解舒される側である先端部52bとを有する。基端側テーパ部53は、基端部52aから上流側に向かって末広がりとなっている。先端側テーパ部54は、先端部52bから下流側に向かって末広がりとなっている。
基端側テーパ部53は、上流側から糸貯留ローラ51に導入される糸Yを受けて基端部52aに円滑に案内する。これにより、糸貯留部52には、基端側から先端側に向かって整然と糸Yが巻き付けられていく。糸貯留部52に巻き付けられた糸Yは、糸貯留部52上において糸層を形成する。糸層は、糸貯留部52において糸Y同士が略平行となるように巻き付けられている部分である。先端側テーパ部54は、糸貯留ローラ51から糸Yが解舒される際に、糸貯留部52に巻き付けられた糸Yが一度に抜け落ちる輪抜け現象の発生を防止しつつ、糸貯留ローラ51から下流側に糸Yを円滑に導出する。
貯留量センサ56は、糸貯留ローラ51に貯留されている糸Yの貯留量を非接触式で検出する。貯留量センサ56は、検出した貯留量をユニットコントローラ10に送信する。
上流側ガイド57は、糸貯留ローラ51の上流側に配置されている。上流側ガイド57は、糸貯留ローラ51の外周面に対して糸Yを適切に案内する。上流側ガイド57は、空気紡績装置7から伝播される糸Yの撚りが当該上流側ガイド57よりも下流側に伝わることを防止する。
下流側ガイド59は、糸貯留ローラ51の下流側に配置されている。下流側ガイド59は、糸Yの軌道を規制し、下流側ガイド59より下流側の走行経路を安定させて糸Yを案内する。
糸掛け部材60は、図2に示されるように、糸貯留ローラ51の先端側に設けられ、糸Yを引っ掛けて糸貯留ローラ51に巻き付ける部材である。図3に示されるように、糸掛け部材60は、フライヤ軸61と、フライヤ63と、を有している。フライヤ軸61は、糸貯留ローラ51と同一軸回りに回転可能に設けられている。フライヤ63は、フライヤ軸61の先端に固定されており、その先端部が先端側テーパ部54上に位置するように湾曲する形状に形成されている。糸掛け部材60を糸貯留ローラ51に対して相対回転させるために、糸貯留ローラ51とフライヤ軸61との間には、所定値以上のトルクが生じるような磁力発生手段が設けられている。
糸外し部材71は、糸掛け部材60から糸Yを外す部材であり、糸貯留ローラ51の先端側テーパ部54近傍に配置されている。糸外し部材71は、その先端部が下降位置と上昇位置との間で揺動可能となるように、支軸71Aによって支持されている。下降位置は、糸道から退避した位置であり、上昇位置は、糸道上の糸Yを押し上げて糸掛け部材60から糸Yを外す位置である。糸外し部材71は、ばね(図示省略)によって下降位置側に付勢されている。糸外し部材71は、通常は下降位置に位置しており、糸継動作時等には、糸継台車3に設けられた空気圧シリンダ(図示省略)によって上昇位置に移動させられる。
図4に示されるように、フライヤ63は、アーム部(支持部)64と、案内部65と、を有している。アーム部64は、フライヤ軸61の先端部に取り付けられ、フライヤ軸61と共に回転可能に構成されている。アーム部64はボス部64aを備えており、当該ボス部64aにフライヤ軸61を取り付けることができる。また、アーム部64は、ボス部64aから糸貯留ローラ51の径方向に延びるように細長く形成されている。
案内部65は、アーム部64に固定されており、アーム部64の先端部からアーム部64から遠ざかる方向に延在する。案内部65は、延在方向に直交する断面形状は円形であり、その直径D1は、0.7mm以上1.2mm以下とすることができる(図5(A)参照)。案内部65は、線状部材を折り曲げることにより、糸貯留ローラ51の外周面(糸貯留部52)に向かって適宜湾曲する形状に形成されている。
図5(A)及び(B)に示されるように、案内部65は、本体部66と、本体部66の表面66aを被覆する第一層(被覆層)67と、第一層67の表面67aを被覆する第二層(被覆層)68と、を有している。第一層67は、第二層68と本体部66との間に設けられた層である。本体部66は、ピアノ線、又は、ばね鋼等の鋼材(金属)により形成されている。第一層67は、硬質クロムにより形成されている。第二層68は、DLC(Diamond-like Carbon)コーティングにより形成されている。本体部66に用いられる鋼材は、一方向に延在する線状部材である。硬質クロムにより形成される第一層67は、鋼材をメッキ処理することにより形成される。DLCコーティングにより形成される第二層68は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)、イオン化蒸着法、非平衡マグネトロンスパッタ法、又はカソードアーク法等により形成される。
硬質クロムにより形成される第一層67の厚みt1は、5μm〜25μmであり、DLCにより形成される第二層68の厚みt2は、2μm〜6μmである。すなわち、第一層67の厚みt1は、第二層68の厚みt2よりも厚い。
第一層67の硬度は、本体部66の硬度(例えば、HV300〜500)よりも高い(例えば、HV1000)。第二層68の硬度は、本体部66の硬度(例えば、HV300〜500)よりも高い(例えば、HV2500)。硬さの指標は、例えば、JIS等で定められたビッカース硬さである。ビッカース硬さ(HV)は、JISZ 2244,7725(ISO 6507−1〜4に対応した日本工業規格)で定められた試験方法によって得られた数値である。本実施形態では、本体部66と第二層68とのビッカース硬さの差は2000以上である。
第一層67の表面67aは、本体部66の表面66aよりも滑らかである。第二層68の表面68aは、第一層67の表面67aよりも滑らかである。滑らかさの指標は、例えば、JIS等で定められた表面粗さであり、算術平均高さRa等である。
本体部66には、硬質クロムによりめっき処理が施される前に、熱処理が施されている。これにより、本体部66の硬度は、内部中心のある部分から表面66aまでの領域において、徐々に高くなっている。
上記実施形態の糸掛け部材60では、本体部66の表面66aは、第一層67及び第二層68により覆われているので、糸Yは第二層68に接触することになり、本体部66は第一層67及び第二層68により保護される。仮に第二層68が最外層であり、第二層68が剥がれた場合であっても、その下の第一層67が本体部66を保護する。本体部66は、これら第一層67及び第二層68が全て剥がれるまで保護される。この結果、糸Yと接触する部分の摩耗の進行を抑制し、糸掛け部材60の長寿命化を図ることができる。
上記実施形態では、第二層68の硬度は、本体部66の硬度よりも高いので、糸Yが接触する部分の耐摩耗性を高めることができる。
上記実施形態では、第一層67の表面67aは、本体部66の表面66aよりも滑らかなので、本体部66の表面66aの状態によらず、第二層68の表面68aを滑らかにすることが容易となる。また、上記実施形態では、第二層68の表面68aは、本体部66の表面66aよりも滑らかであり、かつ、第一層67の表面67aと同等以上に滑らかであるので、糸掛け部材60と糸Yとの摩擦抵抗を下げることができ、糸掛け部材60の耐摩耗性を高めることができる。また、第二層68が剥がれ、第一層67に糸Yが接触するようになった場合であっても、第一層67と糸Yとの接触抵抗が小さいので、糸掛け部材60の耐摩耗性を高めることができる。これにより、効果的に糸Yと接触する部分の摩耗の進行を抑制することができる。
上記実施形態では、第一層67の硬度は、本体部66の硬度よりも硬いので、第二層68が剥がれた場合であっても、糸Yは、本体部66よりも高い硬度を有する第一層67に接触する。これにより、糸掛け部材60全体の耐摩耗性を高めることができ、摩耗の進行を効果的に抑制することができる。
上記実施形態では、鉄又はピアノ線により形成される本体部66は、硬質クロムにより形成される第一層67により覆われている。これにより、本体部66の表面上の層の厚み及び滑らかさを容易に確保しつつ、糸掛け部材60全体の硬度も維持できる。比較的滑らかに形成された硬質クロムにより形成された第一層67は、DLCにより形成される第二層68により被覆させている。これにより、本体部66の外側に位置する層(第二層68)を比較的薄い被覆により形成しつつ、糸掛け部材60の表面の滑らかさも確保することができる。これにより、効果的に摩耗の進行を抑制することができる第一層67及び第二層68を形成することができる。
上記実施形態では、本体部66に対して熱処理による表面処理が施されることにより、本体部66の内部中心から表面に向かって段階的又は徐々に硬度が高くなっている。これにより、本体部66を覆う第一層67及び第二層68が剥がれた場合であっても、糸Yと接触する部分の摩耗の進行を抑制することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。
<変形例1>
上記実施形態では、図5(A)に示されるように、断面形状が円形形状の本体部66を用いる例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図6に示されるように、案内部165は、延在方向に直交する断面形状が楕円形を有する本体部166を備えていてもよい。本体部166は、上記実施形態と同様に、硬質クロムから形成される第一層167及びDLCにより形成される第二層168の少なくとも二層により覆われている。
上記実施形態では、図5(A)に示されるように、断面形状が円形形状の本体部66を用いる例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図6に示されるように、案内部165は、延在方向に直交する断面形状が楕円形を有する本体部166を備えていてもよい。本体部166は、上記実施形態と同様に、硬質クロムから形成される第一層167及びDLCにより形成される第二層168の少なくとも二層により覆われている。
このような本体部166を有する糸掛け部材60では、糸Yは、断面形状が半楕円形状の外周面168aからなる案内部165に接触することにより案内される。例えば、半楕円は、長軸と短軸との長さの比が2:1である。糸Yがこのような案内部165に接触する場合には、案内部165よりも曲線半径の小さな(曲率が大きな)案内部65の外周面と接触する場合と比べて、案内部165と糸Yとの接触面積が増加する。これにより、案内部165が糸Yから受ける単位面積当たりの圧力(面圧)が、案内部65が糸Yから受ける単位面積当たりの圧力と比べて小さくなる。この結果、糸Yと接触する部分の摩耗の進行を抑制し、糸掛け部材60の長寿命化を図ることができる。
<変形例2>
上記実施形態又は変形例では、案内部65の延在方向における全体に第一層67及び第二層68が形成されている例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、延在方向において、糸Yと接触する部分(糸Yが引っ掛けられる部分)のみに第一層67及び第二層68が形成されていてもよい。これにより、案内部65の延在方向における全体に第一層67及び第二層68を形成する場合に比べて、材料費を低減させることができる。
上記実施形態又は変形例では、案内部65の延在方向における全体に第一層67及び第二層68が形成されている例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、延在方向において、糸Yと接触する部分(糸Yが引っ掛けられる部分)のみに第一層67及び第二層68が形成されていてもよい。これにより、案内部65の延在方向における全体に第一層67及び第二層68を形成する場合に比べて、材料費を低減させることができる。
延在方向における一部のみに第一層67及び第二層68を形成することに代えて又は加えて、円周方向において糸Yと接触する部分のみに第一層67及び第二層68が形成されていてもよい。この場合も、案内部65の延在方向における全体に第一層67及び第二層68を形成する場合に比べて、材料費を低減させることができる。
<変形例3>
上記実施形態又は変形例では、図4に示されるように、フライヤ63が、アーム部64と、アーム部64から延在する線状部材によって形成された案内部65とを備える例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。図7に示されるように、例えば、フライヤ263は、アーム部64と、アーム部64に一体的に形成された板状の案内部265とを備えていてもよい。案内部265は、アーム部64と別体として形成されてもよい。この場合も、上記実施形態又は変形例と同様に、本体部266は、例えば、図8に示されるように、第一層267及び第二層268により被覆される。第一層267及び第二層268は、板状の案内部265の延在方向全体に形成されてもよいし、糸Yと接触する部分にのみ形成されてもよい。また、例えば一方の面にのみ第一層267及び第二層268が形成されるなど、外周方向においても、一部の面にのみ第一層267及び第二層268が形成されてもよい。
上記実施形態又は変形例では、図4に示されるように、フライヤ63が、アーム部64と、アーム部64から延在する線状部材によって形成された案内部65とを備える例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。図7に示されるように、例えば、フライヤ263は、アーム部64と、アーム部64に一体的に形成された板状の案内部265とを備えていてもよい。案内部265は、アーム部64と別体として形成されてもよい。この場合も、上記実施形態又は変形例と同様に、本体部266は、例えば、図8に示されるように、第一層267及び第二層268により被覆される。第一層267及び第二層268は、板状の案内部265の延在方向全体に形成されてもよいし、糸Yと接触する部分にのみ形成されてもよい。また、例えば一方の面にのみ第一層267及び第二層268が形成されるなど、外周方向においても、一部の面にのみ第一層267及び第二層268が形成されてもよい。
<その他の変形例>
上記実施形態又は変形例では、本体部66が第一層67及び第二層68の二層に被覆されている例を挙げて説明したが、本体部66は、二層以上の層によって被覆されていてもよい。例えば、第三層として、第二層68よりも高い硬度を有する層を設けてよい。
上記実施形態又は変形例では、本体部66が第一層67及び第二層68の二層に被覆されている例を挙げて説明したが、本体部66は、二層以上の層によって被覆されていてもよい。例えば、第三層として、第二層68よりも高い硬度を有する層を設けてよい。
上記実施形態又は変形例では、第一層67が硬質クロムから形成され、第二層68がDLCから形成される例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、本体部66は、例えば、無電解ニッケルから形成された層と、無電解ニッケルから形成された層を覆う硬質クロムにより形成された層(第一層)と、硬質クロムにより形成された層を覆うDLCにより形成された層(第二層)と、から形成されていてもよい。なお、無電解ニッケルは、めっき処理により形成される。
上記実施形態又は変形例では、本体部66に対して熱処理による表面処理が施されることにより、本体部66の内部中心から表面に向かって段階的又は徐々に硬度を高くする例を挙げて説明したが、例えば、本体部66の表面66aに窒素を浸み込ませる処理(窒化処理)により、本体部66を、当該本体部66の内部中心から表面66aに向かって段階的又は徐々に硬度を高くしてもよい。
上記実施形態又は変形例では、糸掛け部材60,160を糸貯留ローラ51に対して相対回転させるために、糸貯留ローラ51とフライヤ軸61との間には、所定値以上のトルクを生じさせるような磁力発生手段を設ける例を挙げて説明したが、糸掛け部材60,160と糸貯留ローラ51とは別のモータを用いてそれぞれ独立して回転させるようにしてもよい。
上記実施形態又は変形例に係るフライヤ63,163,263について、アーム部64と案内部65,165,265とが別体として形成された例を挙げて説明したが、一体的に形成されていてもよい。
上記実施形態又は変形例では、本体部66,166,266が、線状又は板状の部材であり、中空部がない中実状(中身が詰まった状態)の部材である例を挙げて説明したが、延在方向の全体又は一部に中空部が形成されてもよい。これにより、案内部65,165,265を移動させる際の自重による慣性力の影響を低減させることができる。この結果、負荷(糸張力)の変動に対する糸掛け部材60,160の反応性及び追従性が良好となる。
前記糸貯留ローラ51の形状は、上記実施形態で説明した形状及び図3に図示した形状には限定されない。例えば、先端側テーパ部54は省略してもよい。
上記実施形態又は変形例に係るフライヤ63,163,263のアーム部64は、図4又は図7に示されている形状とは異なる形状を有していてもよい。例えば、図9に示されるように、アーム部(支持部)364は、案内部(本体部)65,165,265が設けられる先端部301と、糸貯留ローラ51に固定されるボス部303と、先端部301とボス部303との間を一方向に延在する中央部302と、中央部302を補強する補強部としての突出部304と、を備えていてもよい。突出部304が中央部302に設けられることにより、案内部65,165,265による糸Yの案内動作が安定する。なお、図9では、案内部65,165,265が設けられる先端部301のみ記載し、案内部65,165,265の記載は省略する。
突出部304は、中央部302の表面302aから突出するように設けられ、中央部302が延在する方向(図9に示す方向L)に沿って延在する。ボス部303は、中央部302から突出している。突出部304は、中央部302においてボス部303が突出する側の表面302aにおいて、ボス部303が突出する方向及び中央部302が延在する方向に直交(交差)する方向(図9に示す方向W)の中央領域に設けられている。突出部304は、中央部302の延在方向においてボス部303が設けられている側から所定の長さ(図9に示す例では、中央部302の延在方向における長さの1/2)に渡って形成されている。突出部304の上記長さは、図9に示されている長さに限定されず、先端部の近傍付近まで至るように、すなわち、中央部302の延在方向における長さと同等の長さに形成されていてもよい。また、図9に示す例では、中央部302の表面302aからの突出量が、ボス部303から先端部301に向かって徐々に小さくなる例を挙げて説明したが、これに限定されず、段階的に小さくなってもよいし、一定であってもよい。
補強部としての突出部304に加えて、或いは突出部304に代えて、中央部302においてボス部303が突出する方向及び中央部302が延在する方向の両方に直交(交差)する方向(短手方向)における両端部に形成される増厚部305A,305Bを有していてもよい。増厚部305A,305Bは、中央部302の上記短手方向における両端部に形成されるだけでなく、一方の端部のみに形成されてもよい。増厚部305A,305Bの上記延在方向Lの長さは、図9に示されている長さに限定されず、先端部の近傍付近まで至るように(すなわち、中央部302の延在方向における長さと同等の長さに)形成されていてもよい。また、図9に示す例では、中央部302の表面302aからの増厚量(中央部302において増厚部305A,305Bが形成されていない中央領域を基準とする増厚量)が、ボス部303から先端部301に向かって徐々に小さくなっている。しかし、当該増厚量は、当該例に限定されず、ボス部303から先端部301に向かって段階的に小さくなってもよいし、一定であってもよい。
上記実施形態又は変形例では、空気紡績装置は、繊維束の撚りが空気紡績装置の上流側に伝わるのを防止するために、繊維案内部に保持されて紡績室内に突出するように配置されたニードルを更に備えていてもよい。また、空気紡績装置は、そのようなニードルに代えて、繊維案内部の下流側端部によって、繊維束の撚りが空気紡績装置の上流側に伝わるのを防止するものであってもよい。更に、空気紡績装置は、上記の構成に代えて、互いに反対方向に繊維束に撚りを掛ける一対のエアージェットノズルを備えていてもよい。
上記実施形態又は変形例では、紡績ユニット2は、糸貯留装置50が空気紡績装置7から糸Yを引き出す機能を有していたが、デリベリローラとニップローラを設け、デリベリローラとニップローラとが空気紡績装置7から糸Yを引き出してもよい。
上記実施形態又は変形例では、紡績機1は、機台高さ方向において、上側で供給された糸Yが下側で巻き取られるように各装置が配置されていた。上記の構成に代えて、下側で供給された糸が上側で巻き取られるように各装置が配置されていてもよい。
上記実施形態又は変形例では、紡績機1は、ドラフト装置6のボトムローラの少なくとも一つ及びトラバースガイド23が、第2エンドフレーム5Bからの動力によって(すなわち、複数の紡績ユニット2共通で)駆動されていた。上記の構成に代えて、紡績ユニット2の各部(例えば、ドラフト装置、紡績装置、巻取装置等)が紡績ユニット2ごとに独立して駆動されてもよい。
上記実施形態又は変形例では、糸Yの走行方向において、テンションセンサ9が糸監視装置8の上流側に配置されてもよい。ユニットコントローラ10は、紡績ユニット2ごとに設けられてもよい。紡績ユニット2において、ワキシング装置12、テンションセンサ9及び糸監視装置8は、省略されてもよい。
図1では、紡績機1は、チーズ形状のパッケージPを巻き取るように図示されているが、コーン形状のパッケージを巻き取ることも可能である。コーン形状のパッケージの場合、糸のトラバースにより糸の弛みが発生するが、当該弛みは、糸貯留装置50で吸収することができる。各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。
1…紡績機、2…紡績ユニット(糸巻取機)、3…糸継台車、50…糸貯留装置、51…糸貯留ローラ、52…糸貯留部、55…電動モータ、55A…駆動軸、57…上流側ガイド、59…下流側ガイド、60,160…糸掛け部材、61…フライヤ軸、63…フライヤ、64,364…アーム部(支持部)、65,165,265…案内部、66,166,266…本体部、67,167,267…第一層(被覆層)、68,168,268…第二層(被覆層)、301…先端部、302…中央部、303…ボス部、304…突出部、305A,305B…増厚部。
Claims (16)
- 糸貯留ローラに対して回転可能に取り付けられる糸掛け部材であって、
前記糸貯留ローラから解舒される糸と接触する本体部を備え、
前記本体部の少なくとも一部は、前記本体部を覆う第一層と、前記第一層を覆う第二層と、の二層以上の被覆層により覆われている、糸掛け部材。 - 前記第二層の硬度は、前記本体部の硬度よりも高い、請求項1記載の糸掛け部材。
- 前記第一層の表面は、前記本体部の表面よりも滑らかである、請求項1又は2記載の糸掛け部材。
- 前記第二層の表面は、前記本体部の表面よりも滑らかであり、かつ、前記第一層と同等以上に滑らかである、請求項1〜3の何れか一項記載の糸掛け部材。
- 前記第一層の硬度は、前記本体部の硬度よりも高い、請求項1〜4の何れか一項記載の糸掛け部材。
- 前記本体部は、金属により形成され、
前記第一層は、硬質クロムにより形成され、
前記第二層は、ダイヤモンドライクカーボンコーティングにより形成されている、
請求項1〜5の何れか一項記載の糸掛け部材。 - 前記本体部と前記第二層とのビッカース硬さの差は2000以上である、請求項1〜6の何れか一項記載の糸掛け部材。
- 前記本体部の硬度は、当該本体部の内部中心から表面に向かって段階的又は徐々に高くなっている、請求項1〜7の何れか一項記載の糸掛け部材。
- 前記本体部は、線状部材であり、前記線状部材の全体が前記二層以上の被覆層により覆われている、請求項1〜8の何れか一項記載の糸掛け部材。
- 前記糸貯留ローラに対して回転可能に取り付けられると共に、前記本体部とは異なる材質から形成される支持部を更に備え、
前記本体部は、前記支持部に設けられている、請求項1〜9の何れか一項記載の糸掛け部材。 - 前記支持部は、前記本体部が設けられる先端部と、前記糸貯留ローラに固定されるボス部と、前記先端部と前記ボス部との間を一方向に延在する中央部と、前記中央部を補強する補強部と、を備える、請求項10記載の糸掛け部材。
- 前記補強部は、前記中央部の表面から突出するように設けられ、前記中央部が延在する方向に沿って延在する突出部を有する、請求項11記載の糸掛け部材。
- 前記ボス部は、前記中央部から突出しており、
前記突出部は、前記中央部の前記ボス部が突出する側の前記表面において、前記ボス部が突出する方向及び前記中央部が延在する方向に交差する方向の中央領域に設けられており、前記中央部の延在方向において前記ボス部が設けられている側から所定の長さに渡って形成されている、請求項12記載の糸掛け部材。 - 前記補強部は、前記中央部において、前記ボス部が突出する方向及び前記中央部が延在する方向に交差する方向における両端部のうちの少なくとも一方の端部に形成される増厚部を有する、請求項11〜13の何れか一項記載の糸掛け部材。
- 請求項1〜14の何れか一項記載の糸掛け部材と、
前記糸掛け部材が回転可能に取り付けられた糸貯留ローラと、
を備える、糸貯留装置。 - 繊維束をドラフトするドラフト装置と、
前記ドラフト装置でドラフトされた前記繊維束に撚りを与えて糸を生成する紡績装置と、
前記紡績装置で生成された前記糸を貯留する、請求項15記載の糸貯留装置と、
前記糸貯留ローラに貯留された前記糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、
を備える、糸巻取機。
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JP2015194778A JP2017065896A (ja) | 2015-09-30 | 2015-09-30 | 糸掛け部材、糸貯留装置、及び糸巻取機 |
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