JP2017065771A - 二重容器用キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】蓋体を閉じた状態で内層体内に入った空気を容易に排出させることが可能な二重容器用キャップを提供する。【解決手段】本発明に係る二重容器用キャップ1は、内層体3と内層体3を内側に配置した外層体4とを有する二重容器本体2に装着可能な二重容器用キャップ1であって、減容変形可能な内層体3からの内容物を注出する注出孔14を有し、二重容器本体2の口部2aに装着されるキャップ本体10と、注出孔14を覆う開閉可能な蓋体30と、キャップ本体10の内側に設けられ、内層体3内の空気を外部に排出する排出弁27と、外部の空気を外層体4と内層体3との間の空間に導入する流入弁28とを備え、蓋体30を閉じた状態において、蓋体30に設けた蓋体通気手段36を通じて排出弁27による空気の排出及び流入弁28による空気の導入が可能であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、減容変形可能な内層体とこの内層体を内側に配置した外層体とを備える二重容器に対し、外層体の口部に装着されて内層体に収容した内容物を注出させる二重容器用キャップに関する。
化粧水などの化粧料や、シャンプーやリンス或いは液体石鹸、また食品調味料などを収用する容器としては、このような内容物を収容すると共に減容変形可能に設けられる内層体と、この内層体を内側に収めると共に容器の外殻を形成する外層体とを備える二重容器が知られている。この二重容器には、外層体と内層体とを最初から積層させて形成するデラミ容器(積層剥離容器)と、外層体と内層体とを個別に形成して組み付けるタイプの容器が存在する。また、デラミ容器は、加熱溶融された積層パリソンを金型で挟み、内部に空気を吹き込んで積層容器を形成するEBM(Extrusion Blow Molding:押出しブロー成形)によるものと、外側層と内側層とを備えた有底筒状に形成されたプリフォーム(容器素材)から積層容器を形成する二軸延伸ブロー成形によるものがある。このような二重容器においては、通常外層体の口部に、内容物を注出する注出筒を備えるとともに内層体への外気の侵入を防止する逆止弁を設けた二重容器用キャップが装着される。そして、外層体を押圧することで、外層体と内層体との間の空気を介して内層体内を加圧し、これによって逆止弁の弁体を開放させて内容物を注出する。また外層体には、内層体との間に外気を取り込む貫通孔を設けていて、注出後、外層体が元の形状に復元する際は、この貫通孔から外気が取り込まれ、内層体は減容変形したままで外層体のみが復元する。
ところで、上記の二重容器用キャップにおいて内層体への外気の侵入を防止する逆止弁には、例えば特許文献1のような円筒形状の環状壁の径方向内側に、3つのアームを介して連結する平板状の弁体が用いられている。この種の逆止弁では、外層体を押圧することにより外層体と内層体との間の空気が圧縮され、これに伴う圧力上昇により弁体が注出筒の方向に押し上げられて内層体に通じる連通口を開放し、内容物を注出することができる。また、内容物の注出後に外層体が元の形状に復元すると、外層体と内層体との間の空気の圧力が低下し、弁体は圧力差及び3つのアームの弾性力により元の閉鎖位置へと戻る。
特開2013−151316号公報
しかし、上記の構造の逆止弁では、例えば粉状又は粒状の調味料等の内容物を内層体に充填している場合には、開放状態にある弁体が閉塞状態へと戻る際に弁体と隔壁との間に内容物が入り込み、弁体が完全な閉塞状態に戻ることができない。このような場合には、内容物の吐出が終了した後に空気が内層体内に入り込むため、外部が多湿環境である場合には内層体内に湿った空気が残ってしまい、内容物の粉体等が吸湿して固化し易くなるという問題があった。
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、蓋体を閉じた状態で内層体内に入った空気を容易に排出させることが可能な二重容器用キャップを提供することである。
本発明は、内層体と該内層体を内側に配置した外層体とを有する二重容器本体に装着可能な二重容器用キャップであって、
減容変形可能な前記内層体からの内容物を注出する注出孔を有し、前記二重容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、
前記注出孔を覆う開閉可能な蓋体と、
前記キャップ本体の内側に設けられ、前記内層体内の空気を外部に排出する排出弁と、
前記キャップ本体の内側に設けられ、外部の空気を前記外層体と前記内層体との間の空間に導入する流入弁と
を備え、
前記蓋体を閉じた状態において、該蓋体に設けた蓋体通気手段を通じて前記排出弁による空気の排出及び前記流入弁による空気の導入が可能であることを特徴とする二重容器用キャップである。
また、前記排出弁は、前記キャップ本体の内側において鉛直方向に延びる円筒側面形状の弁壁から内周方向に延び、
前記流入弁は、前記弁壁から外周方向に延びることが好ましい。
また、前記排出弁による空気の排出及び前記流入弁による空気の導入は、前記キャップ本体に設けたキャップ空気孔及び前記蓋体通気手段を通じて行われることが好ましい。
また、前記注出孔と前記キャップ空気孔とは、前記蓋体又は前記キャップ本体の少なくとも一方に設けられる隔壁により、前記キャップ本体と前記蓋体との間の空間において非連通状態とされることが好ましい。
また、前記注出孔と前記キャップ空気孔とは、前記蓋体に設けられ該蓋体を閉じたときに前記注出孔に嵌入する凸部により、前記キャップ本体と前記蓋体との間の空間において非連通状態とされることが好ましい。
また、前記排出弁による空気の排出は、前記二重容器本体の内容物の収容空間と前記排出弁との間に設けられる排出孔を通じて行われ、該排出孔は水平方向に延びることが好ましい。
本発明の二重容器用キャップは、蓋体を閉じた状態で内層体内に入った空気を容易に排出させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る二重容器用キャップを二重容器に取り付けた状態を示す正面半断面図である。 本発明の一実施形態に係る二重容器用キャップを二重容器に取り付けて内容物を吐出している状態を示す正面半断面図である。 本発明の一実施形態に係る二重容器用キャップを二重容器に取り付け、蓋体を閉じて内層体内の空気を排出している状態を示す正面判断面図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態である二重容器用キャップ1が、これに適合する二重容器本体2に装着された状態を示す。なお、本明細書、特許請求の範囲、要約書および図面では、後述する蓋体30が位置する側を上方(図1における上側)とし、底部4fが位置する側を下方(図1における下側)とする。二重容器用キャップ1は、キャップ本体10、弁部20、及び蓋体30で構成されている。また、二重容器本体2は、内層体3、及び外層体4で構成されている。
まず、二重容器本体2について説明する。本実施形態では、二重容器本体2は、内層体3の合成樹脂素材と外層体4の合成樹脂素材とを積層して形成されるパリソンに対し、押出しブロー成形を行うことによって積層剥離容器を形作っている。そして、二重容器本体2を構成する内層体3の材料にはエチレン―ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)又はナイロンを用いている。また、外層体4の材料には、低密度ポリエチレン(LDPE)又は高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)を用いており、特にLDPEを用いた場合には高いスクイズ性を付与することができる。しかし、この態様に限定されず、例えば二軸延伸ブロー成形を行うことによって積層剥離容器を形成する場合には、内層体3の材料にはポリプロピレン(PP)を用い、外層体4の材料にはポリエチレンテレフタレート(PET)を用いてもよい。また、内層体3及び外層体4の材料には、相互に相溶性が低い他の樹脂を用いることができる。更に、二重容器本体2は、積層剥離容器ではなく、外層体4と内層体3とを個別に形成して組み付けるものであってもよい。また、図示は省略するが、内層体3と外層体4との間に、縦方向に延在して内層体3と外層体4とを部分的に接合する、1本或いは複数本の接着帯を設けてもよい。
内層体3は、減容変形可能に形成されるものであって、本実施形態では、積層状態で形成された二重容器本体2に対し、外層体4から剥離させることで得られるものである。内層体3は、その内側に内容物を収容する収容空間Sを備えている。
外層体4は、円筒状の口部周壁4aに、復元自在な可撓性を有する胴部4e、及び胴部4eの下端を閉鎖する底部4fを連結したものである。口部周壁4aの外周面には雄ねじ部4bを設けている。また、口部周壁4aには、内層体3との相互間に空気を取り込むための貫通孔4cを設けていて、更に、貫通孔4cを設けた外周面には、上下方向に雄ねじ部4bを切り欠く溝部4dを設けている。
次に、二重容器用キャップ1を構成するキャップ本体10について説明する。キャップ本体10は、口部周壁4aを取り囲む外周壁11を備えていて、外周壁11の内周面には、口部周壁4aの雄ねじ部4bに対応する雌ねじ部12が形成されている。また、外周壁11の上部には、頂壁19が一体に連結されている。頂壁19は、内容物を注出する注出孔14が設けられ円形形状を有する中央頂壁19aと、中央頂壁19aの外周端から下方に延びる頂壁段部19bと、頂壁段部19bの下端から外周方向に延びる頂壁外周部19cと、頂壁外周部19cの外周端から更に外周壁11の上端へと下方に延びる外周部段部19eとを備える。本実施形態において注出孔14は、二重容器本体2を傾けた時に適量の粉状又は粒状の内容物が吐出されるような大きさを有しており、例えば図1に示すように中央頂壁19aの中央寄りに複数箇所設けることができる。また、注出孔14は一箇所にのみ設けられていてもよい。頂壁外周部19cには内層体3からの空気の排出及び内層体3への空気の供給を行うキャップ空気孔16が設けられている。キャップ空気孔16は、一箇所のみに設けてもよいし、例えば円周上に等間隔で複数箇所に設けるなどしてもよい。
外周壁11の上端には、外周方向に向けてヒンジ38が設けられており、キャップ本体10に対して後述する蓋体30を開閉可能に結合している。また、頂壁外周部19cの外周端には係合突起19dが設けられ、蓋体30を閉じる時に蓋体30の側壁の内周面に設けられた蓋体突起37にアンダーカット係合して蓋体30をキャップ本体10に対して固定する。なお、外周壁11の下端は外層体4と気密に当接していて、口部上端2bと外周壁11との間には、貫通孔4cに空気を導入するための通気ギャップG1が設けられている。
また、キャップ本体10の内側には弁部20が設けられている。弁部20は、内層体3内の空気を外部に排出する排出弁27及び外部の空気を内層体3に導入する流入弁28を有する結合弁25と、結合弁25を覆いキャップ本体10に固定するための隔壁部材24とを備える。結合弁25は、上下方向に延び円筒側面形状を有する弁壁26と、弁壁26の内周面に結合されて内層体3内の正圧により開放されて空気を排出する排出弁27と、弁壁26の外周面に結合されて内層体3内の負圧により開放されて空気を導入する流入弁28とを有する。一方、隔壁部材24は、上下方向に延び円筒側面形状を有する嵌合壁24cと、嵌合壁24cの下端から内周及び外周方向に延びる水平隔壁24bと、水平隔壁24bの内周端から上方に延びる鉛直隔壁24aとを有する。そして結合弁25は、弁壁26の外周面が嵌合壁24cの内周面に嵌合し、弁壁26の下端が水平隔壁24bに当接することにより隔壁部材24に対して固定される。結合弁25が嵌合固定された隔壁部材24は、鉛直隔壁24aの外周面が頂壁段部19bの内周面に嵌合することによりキャップ本体10に固定される。なお、キャップ本体10を二重容器本体2の口部2aにねじ係合させることにより、鉛直隔壁24aの上端が中央頂壁19aの下面に押し付けられると共に水平隔壁24bの下面が口部上端2bに押し付けられ、弁部20はキャップ本体10及び二重容器本体2に対して強固に固定される。
排出弁27は、弁壁26の内周面から内周方向且つ上方に向かって同心状に延びる弁であり、排出弁27の先端が鉛直隔壁24aの外周面に当接することにより閉塞状態を維持する。そして、内層体3内部の正圧によって排出弁27の先端が上方に持ち上げられ、排出弁27の先端と鉛直隔壁24aとの間に隙間が生じることにより排出弁27は開放状態となり、内層体3内の空気が排出弁27を通じて排出可能となる。
鉛直隔壁24aの排出弁27より下方には、水平方向に延びる排出孔21が設けられており、内層体3内の空気は排出孔21を通って排出弁27へと導かれる。なお、本実施形態において排出孔21は水平方向に延びるように構成されているため、胴部4eを押下したときに内層体3内から空気と共に内容物が鉛直方向に運ばれてきたとしても、排出孔21を通って排出弁27に到達することがない。
排出弁27の開放状態において弁を通過した空気は、弁壁26の上端において半径方向に延びる空気溝29を経由し、更に頂壁外周部19cに設けられたキャップ空気孔16を通って蓋体30から外部へと排出される。
一方、流入弁28は、弁壁26の外周面から外周方向且つ下方に向かって同心状に延びる弁であり、流入弁28の先端が外周壁11の内周面に当接することにより閉塞状態を維持する。そして、内層体3内部の負圧によって流入弁28の先端が下方に押し下げられ、流入弁28の先端と外周壁11との間に隙間が生じることにより流入弁28は開放状態となる。開放状態になると、外部から蓋体30、キャップ空気孔16及び空気溝29を通って導入された空気が流入弁28を通じて内層体3内に導入可能となる。
水平隔壁24bにおける流入弁28の下方には、鉛直方向に延びる流入孔23が設けられており、キャップ空気孔16からの空気は流入弁28及び流入孔23を通過し、更に通気ギャップG1及び溝部4dを通って貫通孔4cから内層体3の内部へと導入される。なお、通気ギャップG1を通過した空気は、雄ねじ部4bと雌ねじ部12との隙間を経由しても貫通孔4cに導かれるので、溝部4dは必ずしも必須の構成ではない。
蓋体30は、図1に示すように、ヒンジ38を介してキャップ本体10の外周壁11の上端に連結されており、ヒンジ38を折り曲げることによって注出孔14及びキャップ空気孔16を覆い隠すことができる。蓋体30の側壁には蓋体段部30aが設けられており、蓋体30を閉めたときに外周部段部19eが当接する。この際に係合突起19dが蓋体突起37にアンダーカット係合して蓋体30はキャップ本体10に固定される。蓋体30の側壁の内側には、蓋体段部30aから蓋体突起37にかけてキャップ空気孔16に対応する位置に蓋体空気溝36が設けられている。そして、キャップ空気孔16から排出された空気が蓋体空気溝36及び後述するキャップ空気溝18を通じて外部に排出されると共に、外部からキャップ空気溝18、蓋体空気溝36及びキャップ空気孔16を通じて導入された空気が流入弁28を経由して内層体3の内部に供給される。
なお、本実施形態において、蓋体30は、ヒンジ38を介してキャップ本体10と一体成形されているが、この態様には限定されない。例えば、蓋体30がキャップ本体10とは別体のものとして構成され、両者が更なる連結手段によって連結されるように構成されていてもよい。また、蓋体30は、ねじやアンダーカットでキャップ本体10に装着するように構成してもよく、これらの態様は全て蓋体30がキャップ本体10に連結されている状態を指すものとする。
外周壁11の上端において蓋体空気溝36と対向する位置には、上述のようにキャップ空気溝18が設けられており、蓋体30を閉めているときに、蓋体空気溝36と共にキャップ空気孔16から排出された空気を外部に導く一方、外部から空気を導きキャップ空気孔16を経由して流入弁28に空気を供給する。
蓋体30の下面には、注出孔14に対応する位置に筒状の蓋体凸壁34が設けられており、蓋体30を閉めたときに注出孔14の内側に入り込んで注出孔14をシールする。また、蓋体30の下面の頂壁段部19bに対応する位置には、円筒側面形状を有する蓋体隔壁32が設けられ、蓋体30を閉めたときに頂壁段部19bに当接する。この蓋体凸壁34及び蓋体隔壁32により、蓋体30を閉めたときにキャップ本体10と蓋体30との間の空間において注出孔14とキャップ空気孔16とを非連通の状態に維持する。これにより、排出弁27によりキャップ空気孔16から排出された空気が注出孔14に向かうことがなく、蓋体空気溝36及びキャップ空気溝18を経由して外部に排出することが可能となる。
上記のように構成される二重容器用キャップ1から内容物を吐出するにあたっては、図2に示すように蓋体30を開き、二重容器本体2を起立姿勢から傾倒姿勢に姿勢変更することにより、粉状又は粒状の内容物は、自重で落下して注出孔14から吐出される。このとき、外層体4の胴部4eを押圧し、外層体4と内層体3との間の空気を介して内層体3を減容変形させることにより内層体3内部が正圧となり、内容物を更に勢いよく注出孔14から吐出することができる。なお、胴部4eを押圧して内層体3を減容変形させた場合には、外層体4は自らの剛性により元の形状に復元するため、外層体4と内層体3との間に負圧が発生する。この負圧により流入弁28が二重容器本体2の方向に変位して開放状態となるため、外部の空気がキャップ空気孔16及び空気溝29を経由して流入弁28に導かれる。流入弁28を通過した空気は、更に流入孔23、通気ギャップG1,及び溝部4dを経由して、貫通孔4cから外層体4と内層体3の間の空間に導入される。
ところで、内容物が注出孔14から吐出する場合には、吐出された内容物に代わって内層体3内には注出孔14から空気が導入される。このとき、外部が多湿環境である場合には内層体3内に湿った空気が入り込んでしまうことになる。
内容物の吐出が終了すると、利用者は二重容器本体2を傾倒姿勢から図3の起立姿勢へと戻す。そして、蓋体30を閉めて図3に矢印で示すように外層体4の胴部4eを押圧して内層体3を減容変形させる。これにより、内層体3の内部は正圧となるが、蓋体30が閉じられているため、内層体3内の空気は注出孔14からは排出されず、図3に破線矢印で示すように排出孔21から排出弁27へと導かれる。内層体3内の正圧により排出弁27は上方に変位して開放状態となり、排出弁27の空気は空気溝29及びキャップ空気孔16を経由し、更に蓋体空気溝36及びキャップ空気溝18を通じて外部に排出される。これにより、内層体3内の空気が適切に外部に排出されるため、内容物の粉体等が吸湿して固化することがない。そして胴部4eの押圧を止めると、外層体4の剛性により押圧された胴部4eは元の形状に戻るため、排出された空気の体積の分だけ貫通孔4cから外層体4と内層体3の間の空間に空気が取り込まれる。
なお、内層体3内の空気が排出される際に、粉状の内容物の一部が空気と共に上方に移動することがある。しかし内層体3の空気は、上方に移動した後に水平方向に延びる排出孔21を経由して排出弁27に至るため、比重が大きい内容物は慣性力によりそのまま上方に移動して排出孔21を通過することができない。従って、内層体3内の空気のみが外部に排出され、内容物が意図せず排出されてしまうことがない。
以上述べたように、本実施形態によれば、内容物の吐出後に二重容器用キャップ1の蓋体30を閉じた状態で外層体4の胴部4eを押圧することにより、内層体3内の空気を蓋体空気溝36から排出可能となるように構成した。これにより、粉状又は粒状の内容物の収容を想定して内層体3の収容空間Sと注出孔14との間に逆止弁を設けていない場合でも、内容物の吐出時に内層体3内に入り込んだ空気を吐出後に蓋体30を閉じた状態で容易に排出することができるため、内容物の粉体等が吸湿して固化することがない。
また、本実施形態によれば、内層体3の内部の空気を排出して内層体3の体積を内容物の残量に合わせて小さく維持することができる。これによって、例えば内容物が錠剤である場合に錠剤が内層体3の内部で大きく動くことがないので、当該錠剤の欠け、割れ等を防止することができる。
また、本実施形態によれば、内層体3内の空気を外部に排出する排出弁27と、内層体3と外層体4との間の空間に外部の空気を導入する流入弁28とを一体化することにより部品数を削減して、二重容器用キャップ1を低コスト化することができる。
また、本実施形態によれば、排出弁27による外部への空気の排出、及び流入弁28による外部からの空気の導入が、共通のキャップ空気孔16及び蓋体空気溝36を通じて行われるように構成した。これにより、空気の排出及び導入を簡単な構成により行うことができる。
また、本実施形態によれば、蓋体30を閉じたとき、蓋体30の下面に設けた蓋体隔壁32及び蓋体凸壁34により、キャップ本体10と蓋体30との間の空間において注出孔14とキャップ空気孔16とが非連通状態となるように構成した。これにより、キャップ空気孔16から排出された空気が注出孔14に回り込んでしまうことがない。
また、本実施形態によれば、収容空間Sから外部への排出弁27による空気の排出は、キャップ本体10の内側に設けた水平方向に延びる排出孔21を経由して行われるように構成した。これにより、内容物を排出させずに空気のみを選択的に内層体3内から外部に排出することができる。
なお、上述したところは、本発明の実施形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。例えば、蓋体30に蓋体通気手段として設けた蓋体空気溝36は必ずしも溝形状を有している必要はなく、例えば、蓋体30を貫通する孔として設けてもよい。
また、本実施形態において、排出弁27と流入弁28とを一体化して設けるように構成したが、この態様には限定されない。排出弁27と流入弁28とを別部品として設けるようにしてもよく、またキャップ空気孔16、蓋体空気溝36及びキャップ空気溝18を排出用と流入用とで別個に設けるように構成してもよい。また、排出弁27及び流入弁28は必ずしも同心状に構成される必要はなく、一方向弁として機能する任意の形状を採用することが可能である。そして、そのような構成は本発明の範囲内であると理解すべきである。
1 二重容器用キャップ
2 二重容器本体
2a 口部
2b 口部上端
3 内層体
4 外層体
4a 口部周壁
4b 雄ねじ部
4c 貫通孔
4d 溝部
4e 胴部
4f 底部
10 キャップ本体
11 外周壁
12 雌ねじ部
14 注出孔
16 キャップ空気孔
18 キャップ空気溝
19 頂壁
19a 中央頂壁
19b 頂壁段部
19c 頂壁外周部
19d 係合突起
19e 外周部段部
20 弁部
21 排出孔
23 流入孔
24 隔壁部材
24a 鉛直隔壁
24b 水平隔壁
24c 嵌合壁
25 結合弁
26 弁壁
27 排出弁
28 流入弁
29 空気溝
30 蓋体
30a 蓋体段部
32 蓋体隔壁(隔壁)
34 蓋体凸壁(凸部)
36 蓋体空気溝(蓋体通気手段)
37 蓋体突起
38 ヒンジ
G1 通気ギャップ
S 収容空間

Claims (6)

  1. 内層体と該内層体を内側に配置した外層体とを有する二重容器本体に装着可能な二重容器用キャップであって、
    減容変形可能な前記内層体からの内容物を注出する注出孔を有し、前記二重容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、
    前記注出孔を覆う開閉可能な蓋体と、
    前記キャップ本体の内側に設けられ、前記内層体内の空気を外部に排出する排出弁と、
    前記キャップ本体の内側に設けられ、外部の空気を前記外層体と前記内層体との間の空間に導入する流入弁と
    を備え、
    前記蓋体を閉じた状態において、該蓋体に設けた蓋体通気手段を通じて前記排出弁による空気の排出及び前記流入弁による空気の導入が可能であることを特徴とする二重容器用キャップ。
  2. 前記排出弁は、前記キャップ本体の内側において鉛直方向に延びる円筒側面形状の弁壁から内周方向に延び、
    前記流入弁は、前記弁壁から外周方向に延びる、請求項1に記載の二重容器用キャップ。
  3. 前記排出弁による空気の排出及び前記流入弁による空気の導入は、前記キャップ本体に設けたキャップ空気孔及び前記蓋体通気手段を通じて行われる、請求項1又は2に記載の二重容器用キャップ。
  4. 前記注出孔と前記キャップ空気孔とは、前記蓋体又は前記キャップ本体の少なくとも一方に設けられる隔壁により、前記キャップ本体と前記蓋体との間の空間において非連通状態とされる、請求項3に記載の二重容器用キャップ。
  5. 前記注出孔と前記キャップ空気孔とは、前記蓋体に設けられ該蓋体を閉じたときに前記注出孔に嵌入する凸部により、前記キャップ本体と前記蓋体との間の空間において非連通状態とされる、請求項3又は4に記載の二重容器用キャップ。
  6. 前記排出弁による空気の排出は、前記二重容器本体の内容物の収容空間と前記排出弁との間に設けられる排出孔を通じて行われ、該排出孔は水平方向に延びる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の二重容器用キャップ。
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