JP2017065472A - 垂直式荷受台昇降装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両に対する垂直式荷受台昇降装置の架装工数を低減させると共にメンテナンスを容易にする。
【解決手段】ポスト10L,Rと、これらに内挿したサブポスト20L,Rと、これらに内挿したスライダ30L,Rと、これらに連結した荷受台40と、ポスト10L,Rを連結するクロスメンバ50と、この内部に設けた油圧シリンダ60と、油圧シリンダ60によりクロスメンバ50内を往復移動する移動滑車80Lb,Rcと、移動滑車80Lb,Rcに掛かりサブポスト20L,Rを吊り下げたワイヤ90L,Rと、サブポスト20L,Rに取り付けられてポスト10L,R内を上下に往復移動する移動滑車81L,Rと、移動滑車81L,Rに掛かりスライダ30L,Rを吊り下げたワイヤ91L,Rと、油圧シリンダ60を駆動する動力装置70を設け、油圧シリンダ60のロッドの左右方向の一方側に位置するようにクロスメンバ50に動力装置70を収容する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、荷受台昇降装置の一種である垂直式荷受台昇降装置に関する。
荷受台昇降装置の一種に、車両の荷台に固定した左右のポストに対して荷受台を昇降させる垂直式荷受台昇降装置がある。この種の荷受台昇降装置では、油圧シリンダによって荷受台を昇降させる構成が通常であり、一般に油圧シリンダを駆動させるための動力装置(パワーユニット)は本体とは別に車両に架装され、架装に工数を要する。それに対し、左右のポストを連結するクロスメンバに油圧シリンダと動力装置を前後に並べて収容したものがある(特許文献1等参照)。
特開2009−269595号公報
垂直式荷受台昇降装置では一般に、荷受台と共に昇降するスライダの軌道を避けてポスト内の前側の空間にワイヤが通される。この場合、滑車を介してクロスメンバに導かれたワイヤは、クロスメンバ内においても前側の空間を通る。従って、動力装置を油圧シリンダと前後に並べた上記特許文献1の垂直式荷受台昇降装置では、必然的に動力装置が油圧シリンダの後側に配置される。
そのため、特許文献1の垂直式荷受台昇降装置では、例えばクロスメンバの後部カバーを開けても、車両の後側からでは動力装置が障害となって油圧シリンダへのアクセスが困難となる。その結果、油圧シリンダのメンテナンスの際には動力装置を取り外さなければならず非常に煩わしい。また、クロスメンバの下面にカバーを設けて下側からアクセスする方法も考えられるが、作業者に無理な態勢を強いることになる。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、車両に対する架装の工数を低減させると共にメンテナンスを容易にすることができる垂直式荷受台昇降装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、車両に架装される垂直式荷受台昇降装置であって、左右のポストと、前記左右のポストに内挿した左右のサブポストと、前記左右のサブポストに内挿した左右のスライダと、前記左右のスライダに連結した荷受台と、前記左右のポストを連結するクロスメンバと、前記クロスメンバ内に設けた油圧シリンダと、前記油圧シリンダに取り付けられて前記クロスメンバ内を水平に往復移動する第1の移動滑車と、前記第1の移動滑車に掛かって経路を折り返すと共に、前記左右のサブポストを吊り下げた第1のワイヤと、前記左右のサブポストに取り付けられて前記左右のポスト内を上下に往復移動する第2の移動滑車と、前記第2の移動滑車に掛かって経路を折り返すと共に、前記左右のスライダを吊り下げた第2のワイヤと、前記油圧シリンダを駆動する動力装置とを備え、前記動力装置が、前記油圧シリンダのロッドの左右方向の一方側に位置するように前記クロスメンバに収容されていることを特徴とする。
本発明によれば、車両に対する架装の工数を低減させると共にメンテナンスを容易にすることができる。
本発明の一実施形態に係る垂直式荷受台昇降装置を備えた車両の後部の左側面図である。 本発明の一実施形態に係る垂直式荷受台昇降装置の左側面図である。 本発明の一実施形態に係る垂直式荷受台昇降装置の後面図である。 本発明の一実施形態に係る垂直式荷受台昇降装置の平面図である。 本発明の一実施形態に係る垂直式荷受台昇降装置の荷受台を上げた状態を表す左側面図である。 本発明の一実施形態に係る垂直式荷受台昇降装置のワイヤの経路を表した模式図である。
以下に図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
1.垂直式荷受台昇降装置
図1は本発明の一実施形態に係る垂直式荷受台昇降装置を備えた車両の後部の左側面図である。本願明細書では、車両の運転席側(図1中の左側)を前方、荷台側(図1中の右側)を後方とする。
図1に示した車両は、シャシフレーム(車枠)101の前部に設けた運転室(不図示)、シャシフレーム101上に設けた荷台103、及び荷台103の後部に架装した垂直式荷受台昇降装置100を備えている。
図2は垂直式荷受台昇降装置の左側面図、図3は後面図、図4は平面図、図5は図2に対応する図であって荷受台を上げた状態を表す図である。図2−図5においては内部を透視して表している。但し、図3及び図4では荷受台40を繁雑防止のために図示省略している。また、図4ではポスト10L,10Rの内挿物の図示を更に省略している。
本実施形態の垂直式荷受台昇降装置100は、左右のポスト10L,10R、左右のサブポスト20L,20R、左右のスライダ30L,30R、荷受台40、クロスメンバ50、油圧シリンダ60、動力装置70、滑車80La,80Lb,80Ra−80Rc,81L,81R、及びワイヤ90L,91L,90R,91Rを備えている。以下、各要素について順次説明していく。
2.ポスト
ポスト10L,10Rは、車両の荷台103の後端部の左右両端に位置し上下に延在している。ポスト10L,10Rには中空の例えば角パイプが用いられている。ポスト10L,10Rの内部の前側の空間を前室12、後側の空間を後室13と称する。前室12と後室13は隔壁(不図示)で隔てても良いが、例えば断面積や形状等で区画する構成としても良い。後室13の後壁には、上下に延びるスリット14(図3参照)が設けられている。また、ポスト10L,10Rの内部の下端近傍には、ワイヤ固定部15(図2)が設けられている。
3.サブポスト
サブポスト20L,20Rは、ポスト10L,10Rの後室13内に上下方向に移動可能に挿入されている。サブポスト20L,20Rの後壁にはポスト10L,10Rのスリット14と対応するようにスリット21が上下方向に形成されている。これらサブポスト20L,20Rには後室13の後側内壁を転動するローラ22(図2)が設けられており、このローラ22にガイドされて後室13の内部を円滑に上下動するように構成されている。なお、図示していないが、ポスト10L,10Rの前室12の下部にガイドローラが設けられていて、サブポスト20L,20Rの上下方向へのスライド動作は、そのガイドローラによっても案内される。サブポスト20L,20Rの下端近傍には、ワイヤ固定部23(図2)が前方に突出して設けられている。また、サブポスト20L,20Rの上側部分には、滑車81L,81Rを取り付けるためのブラケット24(図2)が前室12まで突出して設けられている。
4.スライダ
スライダ30L,30Rは上下に延在し、それぞれサブポスト20L,20Rに挿入されていて、サブポスト20L,20Rの内部で上下に移動する。これらスライダ30L,30Rには、上下方向の中間位置及び上端付近にローラ31が設けられている。これらローラ31はスライダ30L,30Rの昇降の際にサブポスト20L,20Rの内壁に転動する。スライダ30L,30Rの水平断面は前後に延びる形状をしていて、サブポスト20L,20Rのスリット21及びポスト10L,10Rのスリット14を介して後部がポスト10L,10Rの後方に突出している。これら突出した部分の下部にはブラケット32が設けられている。また、スライダ30L,30Rには、ワイヤ90L,90Rの端部を固定するワイヤ固定部33(図2)が、例えば上下のローラ31の間に位置するように設けられている。
5.荷受台
荷受台40は、スライダ30L,30Rのブラケット32に対してピン41(図2)を介して回動自在に連結されていて、スライダ30L,30Rの上下動に伴って昇降する。この荷受台40は、不使用時には垂直に起立させることで荷台103の後壁(テールゲート)を構成する(図1参照)。一方、水平に倒伏した姿勢では、荷受台40は、荷役作業時に荷物や作業者等を載せて荷台103の床面の高さと地面の高さの間を昇降する(図2及び図5参照)。
6.クロスメンバ
クロスメンバ50は、左右に延在してポスト10L,10Rの上下方向の中間部分を連結している。クロスメンバ50は中空に形成されていて、その内部空間はポスト10L,10Rの内部空間に連通している。垂直式荷受台昇降装置100を車両に架装した状態において、このクロスメンバ50は車両のシャシフレーム101より上部に位置する。特に図示していないが、クロスメンバ50の後面は取り外し可能なカバーになっている。また、クロスメンバ50には、それぞれワイヤ90L,90Rの端部を固定するワイヤ固定部51,52が設けられている。
7.油圧シリンダ
油圧シリンダ60は、クロスメンバ50内に収容されている。油圧シリンダ60は、ロッドを左向きにした姿勢で設置することもできるが、本実施形態ではロッドを右向きにした姿勢で支持部材を介してクロスメンバ50の内壁にチューブを固定して設置してある。油圧シリンダ60のロッドの先端部は、油圧シリンダ60の伸縮に伴ってクロスメンバ50の左右方向の中央の領域で往復移動する。
8.動力装置
動力装置(パワーユニット)70は、油圧シリンダ60を駆動する一つのユニットであり、詳細な説明は省略するが、油圧ポンプ、電動モータ、タンク、コンタクタ、バルブユニット等を備えている。電動モータで油圧ポンプを駆動させ、バルブユニットによって圧油の方向や流量を制御しつつタンクの圧油を油圧シリンダ60に供給する。油圧シリンダ60からの戻り油はタンクに戻る。本実施形態においては、この動力装置70がクロスメンバ50内に収容されていて、油圧シリンダ60の左右方向の一方側(本実施形態では右側)に位置し、油圧シリンダ60と左右に横並びに配置されている。本実施形態においては、図3及び図4に示したように、動力装置70は、油圧シリンダ60のロッドの中心軸の延長線上に位置している。
9.滑車
滑車80La,80Lbはワイヤ90Lを、滑車81Lはワイヤ91Lを、滑車80Ra−80Rcはワイヤ90Rを、滑車81Rはワイヤ91Rをそれぞれ案内する(後述)。これら滑車80La,80Lb,81L及び滑車80Ra−80Rc,81Rは、他の構造物に干渉しない範囲で径の大きなものを用いることが好ましい。ワイヤ90L,90R,91L,91Rの転向部の曲率が抑えられ、ワイヤ90L,90R,91L,91Rの長寿命化が期待できるからである。
滑車80La,80Ra,80Rbはクロスメンバ50に収容された固定滑車である(以下、この3つの滑車を適宜「固定滑車」と記載する)。固定滑車80La,80Ra,80Rbは、回転軸を前後に延ばしている。このうち固定滑車80La,80Rbは、クロスメンバ50の左端部近傍に位置し、一部がポスト10Lの前室12に臨むように、ブラケットを介して油圧シリンダ60のチューブ(クロスメンバ50の内壁面でも良い)に取り付けられている。一方、固定滑車80Raは、クロスメンバ50の右端部近傍に位置し、一部がポスト10Rの前室12に臨むように、ブラケットを介してクロスメンバ50の内壁面に取り付けられている。
滑車80Lb,80Rc,81L,81Rは移動滑車である(以下、この4つの滑車を適宜「移動滑車」と記載する)。このうち移動滑車80Lb,80Rcは、回転軸を前後に延ばした姿勢でブラケットを介して油圧シリンダ60のロッド先端に取り付けられている。これら移動滑車80Lb,80Rcは、油圧シリンダ60の伸縮に伴ってクロスメンバ50の左右方向の中央領域を水平方向に往復移動する。一方の移動滑車81L,81Rは、回転軸を左右に延ばした姿勢でサブポスト20L,20Rのブラケット24に取り付けられていて、ポスト10L,10Rの前室12と後室13を跨いで配置されている。これら移動滑車81L,81Rは、サブポスト20L,20Rの昇降に伴ってポスト10L,10Rの内部を上下方向に往復移動する。
10.ワイヤ
図6はワイヤの経路を表した模式図である。この図において説明済みの部材には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
図6に示したように、ワイヤ90L,90R(同図中の実線参照)は、それぞれ移動滑車80Lb,80Rcに掛けられ、一端が静止構造物であるクロスメンバ50と固定関係にあり、他端がそれぞれ左右のサブポスト20L,20Rのワイヤ固定部23に係止されている。具体的には、ワイヤ90Lは移動滑車80Lb及び固定滑車80Laに掛かっていて、その一端は上記ワイヤ固定部51に係止され、ワイヤ固定部51を介してクロスメンバ50に固定されている。このワイヤ90Lはワイヤ固定部51から右向きに延在し、移動滑車80Lbを介して左向きに経路を折り返した後、固定滑車80Laを介して下方に転向し、最終的にサブポスト20Lのワイヤ固定部23に他端が係止されている。一方のワイヤ90Rは移動滑車80Rc及び固定滑車80Rb,Raに掛かっていて、その一端は上記ワイヤ固定部52に係止され、ワイヤ固定部52を介してクロスメンバ50に固定されている。このワイヤ90Rはワイヤ固定部52から右向きに延在し、移動滑車80Rcを介して左向きに経路を折り返した後、固定滑車80Rbを介して再び右向きに折り返し、更に固定滑車80Raを介して下方に転向し、最終的にサブポスト20Rのワイヤ固定部23に他端が係止されている。サブポスト20L,20Rは、このようにしてそれぞれワイヤ90L,90Rにより吊り下げられている。
ワイヤ91L,91R(同図中の破線参照)は、それぞれ移動滑車81L,81Rに掛けられ、一端がそれぞれ静止構造物であるポスト10L,10Rと固定関係にあり、他端がそれぞれスライダ30L,30Rに係止されている。具体的には、ワイヤ91Lは移動滑車81Lに掛かっていて、その一端は上記ワイヤ固定部15を介してポスト10Lに係止されている。このワイヤ91Lはワイヤ固定部15から上向きに延在し、移動滑車81Lを介して経路を下向きに折り返した後、最終的にスライダ30Lのワイヤ固定部33に他端が係止されている。一方のワイヤ91Rは移動滑車81Rに掛かっていて、その一端はワイヤ固定部15を介してポスト10Rに係止されている。このワイヤ91Rはワイヤ固定部15から上向きに延在し、移動滑車81Rを介して経路を下向きに折り返した後、最終的にスライダ30Rのワイヤ固定部33に他端が係止されている。スライダ30L,30R及び荷受台40は、このようにしてワイヤ91L,91Rにより吊り下げられている。
11.動作
垂直式荷受台昇降装置100を使用する際、まず図1のように起立した姿勢の荷受台40のロック(不図示)を解き、図2に示したように荷受台40を水平に倒伏させて展開する。例えば荷台103の荷物を下す場合、荷受台40が荷台103の床面高さにある状態で荷台103の荷物を荷受台40に移す。そして、操作装置(不図示)を適宜操作して油圧シリンダ60を縮ませる。油圧シリンダ60が収縮すると、移動滑車80La,80Rcが固定滑車80La,80Rbに向かって移動し、ワイヤ90L,90Rが緩んでサブポスト20L,20Rが下降し、それに伴って移動滑車81L,81Rが下降する。移動滑車81L,81Rが下降すると、ワイヤ91L,91Rが緩んでスライダ30L,30Rと共に荷受台40が下降する。
反対に荷物を荷台103に積み込む場合、荷受台40がグランドレベルにある状態で荷物を荷受台40に載せ、操作装置(不図示)を適宜操作して油圧シリンダ60を伸ばす。油圧シリンダ60が伸長すると、移動滑車80La,80Rcが固定滑車80La,80Rbから離れる方向に移動し、ワイヤ90L,90Rによりサブポスト20L,20Rが吊り上げられ、それに伴って移動滑車81L,81Rが上昇する。移動滑車81L,81Rが上昇すると、スライダ30L,30Rと共に荷受台40がワイヤ91L,91Rで吊り上げられて上昇する。荷役作業を続ける場合は以上の作業を繰り返し、作業が終了したら図1のように荷受台40を起立させて荷受台40をロックする。
12.効果
(1)以上説明した通り、油圧シリンダ60の伸縮に伴って第1のワイヤ(ワイヤ90L,90R)に吊り下げられたサブポスト20L,20Rが昇降し、サブポスト20L,20Rの昇降に伴って第2のワイヤ(ワイヤ91L,91R)に吊り下げられたスライダ30L,30Rが昇降する。例えば左のスライダ30Lの昇降機構を見ると、第1のワイヤであるワイヤ90Lは移動滑車80Lbを介し、第2のワイヤであるワイヤ91Lは移動滑車81Lを介して折り返している。この構成によれば、スライダ30Lの昇降距離は移動滑車81Lの昇降距離(つまりサブポスト20Lの昇降距離)の2倍、サブポスト20Lの昇降距離は移動滑車80Lbの移動距離(つまり油圧シリンダ60の伸縮距離)の2倍となる。右のスライダ30Rの昇降機構も同様である。即ち、油圧シリンダ60の伸縮量の4倍もの距離を荷受台40が昇降する。これにより、荷受台40の昇降距離を従来通り確保しつつ、油圧シリンダ60のストロークを短縮することができる。従って、クロスメンバ50の内部において油圧シリンダ60の延長線上に十分なスペースを確保することができ、このスペースを利用して図3等に示したように動力装置70を収納することができる。
このように動力装置70をクロスメンバ50に内蔵することができるので、動力装置を本体と別々に車両に架装する必要がなく、車両に対する垂直式荷受台昇降装置100の架装工数を低減させることができる。また、動力装置70は油圧シリンダ60と左右に並んでいるので、クロスメンバ50の内部において動力装置70及び油圧シリンダ60の双方とも後方に特に障害となるものがない。従って、例えばクロスメンバ50の後面カバーを外せば車両後側から無理なく油圧シリンダ60にも動力装置70にもアクセスでき、メンテナンスを容易にすることができる。
(2)油圧シリンダ60のロッドの中心軸の延長線上に動力装置70が設けられていることで、クロスメンバ50の前後長(図4中の上下方向の長さ)を抑制できる。ポスト10L,10Rやクロスメンバ50等は、荷台103の後端部を切り欠いてその切り欠き部に固定されるが、本実施形態のようにクロスメンバ50の前後長を抑えることで、荷台103の切り欠き量も抑制できる。この点も車両に対する垂直式荷受台昇降装置100の架装工数の抑制に寄与する。なお、クロスメンバ50の前後長に余裕がある場合には、動力装置70が油圧シリンダ60のロッドの中心軸の延長線上から外れた位置に設けられていても構わない。
(3)油圧シリンダ60のロッドの中心軸の延長線上に動力装置70が位置しており、図3からも明らかなように油圧シリンダ60と動力装置70の配置が高さ方向にオーバーラップしている。これによりクロスメンバ50の高さ方向の寸法が抑えられ、クロスメンバ50の地上高を所望の高さにすることができる。なお、油圧シリンダ60や動力装置70の大きさに対してクロスメンバ50の内部空間の高さ方向の寸法に余裕がある場合、又は上記地上高に余裕がある場合等には、油圧シリンダ60の左右方向の一方側に動力装置70を配置する上で、動力装置70が油圧シリンダ60のロッドの中心軸の延長線上から外れていても構わない。
(3)スライダ30L,30Rはワイヤ91L,91Rで吊り下げた構成であるので、上昇させる場合はワイヤ91L,91Rで引き上げることとなるが、下降させる場合にワイヤ91L,91Rで押し下げることはできない。しかし、スライダ30L,30Rには荷受台40が連結されており、自重に加えて荷受台40の重量が加わるため、ワイヤ91L,91Rが緩めばサブポスト20L,20Rに対してスライダ30L,30Rが円滑に下降する。
同じように、サブポスト20L,20Rもワイヤ90L,90Rの緊張と弛緩で昇降する構成であるが、サブポスト20L,20Rには自重の他、ワイヤ91L,91Rを介してスライダ30L,30R及び荷受台40の重量が作用するため、ワイヤ90L,90Rが緩めばポスト10L,10Rに対してサブポスト20L,20Rが円滑に下降する。
このように油圧シリンダ60の伸縮動作に応じたスライダ30L,30R(荷受台40)及びサブポスト20L,20Rの円滑な昇降動作が得られることも、本実施形態のメリットである。
13.その他
上記実施形態においては、動力装置70が油圧シリンダ60と別構成である場合を例に挙げて説明したが、動力装置70の少なくとも一部を油圧シリンダ60と一体にした構成とすることもできる。
また、ワイヤ固定部51,52をクロスメンバ50の内壁に設けた場合を例に挙げて説明したが、ワイヤ固定部51,52はクロスメンバ50と固定関係にある静止構造物に固定されていれば良く、例えば油圧シリンダ60のチューブに取り付けても良い。
また、滑車とワイヤを用いてサブポスト20L,20Rやスライダ30L,30Rを駆動する構成としたが、例えばワイヤ90L,90R,91L,91Rに代えてチェーンを、移動滑車80Lb,80Rc,81L,81R及び固定滑車80La,80Ra,80Rbに代えてスプロケットを用いた構成とすることもできる。この場合、滑車に比べて径の小さなスプロケットを用いることができるので、クロスメンバ50やポスト10L,10Rをスリム化することができ、垂直式荷受台昇降装置100の小型化に繋がる。
10L,10R…ポスト、20L,20R…サブポスト、30L,30R…スライダ、40…荷受台、50…クロスメンバ、60…油圧シリンダ、70…動力装置、80Lb,80Rc…移動滑車(第1の移動滑車)、90L,90R…ワイヤ(第1のワイヤ)、81L,81R…移動滑車(第2の移動滑車)、91L,91R…ワイヤ(第2のワイヤ)、100…垂直式荷受台昇降装置

Claims (2)

  1. 車両に架装される垂直式荷受台昇降装置であって、
    左右のポストと、
    前記左右のポストに内挿した左右のサブポストと、
    前記左右のサブポストに内挿した左右のスライダと、
    前記左右のスライダに連結した荷受台と、
    前記左右のポストを連結するクロスメンバと、
    前記クロスメンバ内に設けた油圧シリンダと、
    前記油圧シリンダに取り付けられて前記クロスメンバ内を水平に往復移動する第1の移動滑車と、
    前記第1の移動滑車に掛かって経路を折り返すと共に、前記左右のサブポストを吊り下げた第1のワイヤと、
    前記左右のサブポストに取り付けられて前記左右のポスト内を上下に往復移動する第2の移動滑車と、
    前記第2の移動滑車に掛かって経路を折り返すと共に、前記左右のスライダを吊り下げた第2のワイヤと、
    前記油圧シリンダを駆動する動力装置とを備え、
    前記動力装置が、前記油圧シリンダの左右方向の一方側に位置するように前記クロスメンバに収容されていることを特徴とする垂直式荷受台昇降装置。
  2. 請求項1の垂直式荷受台昇降装置において、前記第1及び第2のワイヤに代えてチェーンを、前記第1及び第2の移動滑車に代えてスプロケットを用いたことを特徴とする垂直式荷受台昇降装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0550877A (ja) * 1991-08-14 1993-03-02 Osaka Unsou Kk トラツク用ゲート板垂直昇降装置
JPH08295170A (ja) * 1995-04-28 1996-11-12 Toyota Auto Body Co Ltd 車両用リフター装置
JP2015067043A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 新明和工業株式会社 垂直式荷受台昇降装置

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