JP2017065287A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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貴久 平野
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Abstract

【課題】適用可能な車両用駆動装置の制約が少なく、チェーン駆動機構が備えるスプロケットの軸方向の位置を軸方向の適切な範囲内に維持することができる技術を実現する。【解決手段】ケース2は、壁部20から軸方向第一側L1に突出する突出部21を備え、スプロケット41は、突出部21に対して径方向Rの内側において回転軸と同軸に配置される。スプロケット41に対して軸方向第一側L1に、スプロケット41の軸方向第一側L1の側面に対して摺動する状態で当接する摺動面53を備える第一軸方向支持部材50が配置される。突出部21には、当該突出部21に対して少なくとも軸方向Lに位置決めされた状態で被取付部材3が取り付けられ、第一軸方向支持部材50が、被取付部材3の軸方向第二側L2を向く面である被当接面4に当接する第一当接面51を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、チェーン駆動機構を備えた車両用駆動装置に関する。
上記のような車両用駆動装置として、特開2009−36314号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。以下、この背景技術の欄の説明では、〔〕内に特許文献1における符号を引用して説明する。特許文献1には、車両用駆動装置に備えられるチェーン駆動機構として、トルコンスリーブ〔23〕と嵌合した第1スプロケット〔34〕と、オイルポンプ駆動軸〔31〕に設けられた第2スプロケット〔32〕と、第1スプロケット〔34〕と第2スプロケット〔32〕とに巻きかけられるチェーン〔33〕とを備えた構成が記載されている。そして、特許文献1に記載の構成では、エンジン〔1〕の駆動力を、チェーン駆動機構を介してオイルポンプ駆動軸〔31〕に伝達することで、オイルポンプ〔3〕を駆動するように構成されている。
ところで、チェーン駆動機構を介した動力の伝達を適切に行うために、駆動力源に駆動連結されるスプロケット(特許文献1の例では、第1スプロケット〔34〕)の軸方向の位置を、軸方向の適切な範囲内に維持することが必要である。この点に関し、特許文献1には、第1スプロケット〔34〕とトルクコンバータハウジング〔41〕との間にシム〔41a〕を設けると共に、第1スプロケット〔34〕とカバー〔42〕との間にスラストワッシャ〔42a〕を設けることで、第1スプロケット〔34〕の軸方向の位置決めを行っている。しかしながら、このようにスプロケットの軸方向の位置決めのためにトルクコンバータを用いる技術は、トルクコンバータを備えない車両用駆動装置には適用することができない。すなわち、車輪の駆動力源として回転電機を備えるハイブリッド車両や電動車両用の車両用駆動装置には、トルクコンバータが備えられない場合があるが、特許文献1の技術はこのような車両用駆動装置には適用することができない。
特開2009−36314号公報(段落0015、図2等)
そこで、適用可能な車両用駆動装置の制約が少なく、チェーン駆動機構が備えるスプロケットの軸方向の位置を軸方向の適切な範囲内に維持することができる技術の実現が望まれる。
上記に鑑みた、車輪の駆動力源として機能する回転電機と、前記回転電機に駆動連結されるスプロケットを備えるチェーン駆動機構と、前記回転電機及び前記チェーン駆動機構を収容するケースと、を備えた車両用駆動装置の特徴構成は、前記チェーン駆動機構は、前記回転電機の回転軸を基準とする軸方向における、前記ケースの壁部と前記回転電機との間に配置され、前記軸方向における前記壁部から前記回転電機に向かう側を軸方向第一側として、前記ケースは、前記壁部から前記軸方向第一側に突出する突出部を備え、前記スプロケットは、前記突出部に対して前記回転軸を基準とする径方向の内側において、前記回転軸と同軸に配置され、前記スプロケットに対して前記軸方向第一側に、前記スプロケットの前記軸方向第一側の側面に対して摺動する状態で当接する摺動面を備える第一軸方向支持部材が配置されていると共に、前記軸方向における前記スプロケットと前記壁部との間に、前記軸方向第一側とは反対側である軸方向第二側への前記スプロケットの移動を規制する第二軸方向支持部材が配置され、前記突出部には、当該突出部に対して少なくとも前記軸方向に位置決めされた状態で被取付部材が取り付けられ、前記第一軸方向支持部材が、前記被取付部材の前記軸方向第二側を向く面である被当接面に当接する第一当接面を備えている点にある。
上記の特徴構成によれば、スプロケットに対して軸方向第一側には第一軸方向支持部材が配置され、この第一軸方向支持部材は、軸方向に位置決めされた状態の被取付部材の軸方向第二側を向く被当接面に当接する第一当接面を備える。よって、スプロケットの軸方向第一側への移動許容範囲を、第一軸方向支持部材の第一当接面が被取付部材の被当接面に当接するまでの範囲内に制限することができる。ここで、スプロケットの軸方向第一側への移動を規制するための構造に含まれる要素であって軸方向に移動可能な要素は、基本的に第一軸方向支持部材のみとなる。よって、スプロケットの軸方向第一側への移動を規制するための構造に含まれる軸方向に移動可能な要素の数を少なく抑えることができ、結果、軸方向第一側へのスプロケットの移動許容量を適切な範囲内に抑えることが容易となっている。また、スプロケットに対して軸方向第二側には、軸方向第二側へのスプロケットの移動を規制する第二軸方向支持部材が配置される。よって、スプロケットの軸方向第二側への移動許容範囲を、第二軸方向支持部材によって制限することができる。従って、上記の特徴構成によれば、スプロケットの軸方向の位置を、第一軸方向支持部材と第二軸方向支持部材とによって軸方向の適切な範囲内に維持することができる。
以上のように、上記の特徴構成によれば、適用可能な車両用駆動装置の制約が少なく、チェーン駆動機構が備えるスプロケットの軸方向の位置を軸方向の適切な範囲内に維持することができる技術を実現することができる。
車両用駆動装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の実施形態の説明によってより明確となる。
実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図である。 実施形態に係る車両用駆動装置の一部の断面図である。 図2の部分拡大図である。 実施形態に係る第一軸方向支持部材の斜視図である。 実施形態に係る第一軸方向支持部材の別の斜視図である。 図2におけるVI−VI断面図である。 その他の実施形態に係る車両用駆動装置の一部の断面図である。
車両用駆動装置の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本明細書では、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を意味する。この概念には、2つの回転要素が一体回転するように連結された状態や、2つの回転要素が1つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態が含まれる。このような伝動部材には、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(軸、歯車機構、ベルト、チェーン等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等)が含まれてもよい。
本明細書では、2つの部材の配置に関して、「ある方向に見て重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。また、本明細書では、部材の形状に関して、「ある方向に延びる」とは、当該方向を基準方向として、部材の延在方向が当該基準方向に平行な形状に限らず、部材の延在方向が当該基準方向に交差する方向であっても、その交差角度が所定範囲内(例えば45度未満)である形状も含む概念として用いている。
以下の説明では、特に明記している場合を除き、「軸方向L」、「径方向R」、及び「周方向C」は、回転電機MGの回転軸A(図2、図6参照)を基準として定義している。回転軸Aは仮想軸であり、回転電機MGのロータRoが、回転軸A周りに回転する。すなわち、回転軸Aは、ロータRoの回転軸心である。そして、軸方向Lにおける壁部20から回転電機MGに向かう側(図2における右側)を「軸方向第一側L1」とし、軸方向第一側L1とは反対側を「軸方向第二側L2」としている。以下の説明における各部材についての方向は、それらが車両用駆動装置1に組み付けられた状態での方向を表す。また、各部材についての方向や位置等に関する用語は、製造上許容され得る誤差による差異を有する状態を含む概念である。
図1に示すように、車両用駆動装置1は、車輪Wの駆動力源として機能する回転電機MGを備えている。ここで、回転電機は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。本実施形態では、車両用駆動装置1は、車輪Wの駆動力源として内燃機関E及び回転電機MGの双方を備える車両(ハイブリッド車両)を駆動するための駆動装置である。ここで、内燃機関は、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等)である。
本実施形態では、車両用駆動装置1は、内燃機関Eに駆動連結される入力軸Iと車輪Wに駆動連結される出力軸Oとを結ぶ動力伝達経路に、入力軸Iの側から順に、第一係合装置CL1、回転電機MG、第二係合装置CL2、中間軸M、変速装置TM、カウンタギヤ機構CG、及び出力用差動歯車装置DFを備えている。入力軸I、第一係合装置CL1、第二係合装置CL2、中間軸M、及び変速装置TMは、回転軸Aと同軸に(すなわち、回転電機MGと同軸に)配置されている。変速装置TMは、第二係合装置CL2の側から中間軸Mに入力される回転を変速してカウンタギヤ機構CGに伝達する。カウンタギヤ機構CGを介して変速装置TMの側から出力用差動歯車装置DFに入力される回転及びトルクは、出力用差動歯車装置DFによって左右2つの出力軸O(すなわち、左右2つの車輪W)に分配されて伝達される。なお、入力軸Iは、内燃機関Eの出力軸(クランクシャフト等)に、直接或いは他の部材(ダンパ等)を介して連結される。また、変速装置TMは、例えば、変速比の異なる複数の変速段を切替可能な自動有段変速装置、変速比を無段階に変更可能な自動無段変速装置、変速比の異なる複数の変速段を切替可能な手動式有段変速装置等とされる。
図1に示すように、回転電機MGは、ケース2に固定されるステータStと、ステータStに対して回転自在に支持されるロータRoとを備えている。本実施形態では、回転電機MGは、インナロータ型の回転電機であり、ロータRoは、ステータStに対して径方向Rの内側であって径方向Rに見てステータStと重複する位置に配置されている。回転電機MGは、蓄電装置(バッテリやキャパシタ等)に電気的に接続されており、蓄電装置から電力の供給を受けて力行し、或いは、内燃機関Eのトルクや車両の慣性力により発電した電力を蓄電装置に供給して蓄電させる。
第一係合装置CL1は、入力軸Iと回転電機MGとを連結又は連結解除する。すなわち、第一係合装置CL1は、入力軸Iと回転電機MGとを選択的に連結する。本実施形態では、第一係合装置CL1は、摩擦係合式のクラッチである。また、本実施形態では、第一係合装置CL1は、油圧駆動式のクラッチであり、第一係合装置CL1の係合の状態は、当該第一係合装置CL1に供給される油圧に応じて制御される。第二係合装置CL2は、回転電機MGと中間軸Mとを連結又は連結解除する。すなわち、第二係合装置CL2は、回転電機MGと中間軸Mとを選択的に連結する。本実施形態では、第二係合装置CL2は、摩擦係合式のクラッチである。また、本実施形態では、第二係合装置CL2は、油圧駆動式のクラッチであり、第二係合装置CL2の係合の状態は、当該第二係合装置CL2に供給される油圧に応じて制御される。後述するように、回転電機MGのロータRoは、第一スプロケット41と一体回転するように連結されている。よって、第一係合装置CL1及び第二係合装置CL2のそれぞれの係合の状態によらず、回転電機MGによって第一スプロケット41を回転駆動することが可能となっている。また、第一係合装置CL1が係合した状態で、内燃機関Eによって第一スプロケット41を回転駆動することが可能となっている。
図2に示すように、第二係合装置CL2は、第一摩擦部材95を径方向Rの外側から支持する外側支持部材90と、第一摩擦部材95と摩擦係合する第二摩擦部材96を径方向Rの内側から支持する内側支持部材97と、第一摩擦部材95及び第二摩擦部材96を軸方向Lに押圧するピストン93とを備えている。本実施形態では、ピストン93は、第一摩擦部材95及び第二摩擦部材96を軸方向第二側L2から押圧するように構成されている。外側支持部材90は、回転電機MGのロータRoと一体回転するように連結され、内側支持部材97は、中間軸Mと一体回転するように連結されている。詳細は省略するが、第一係合装置CL1も、摩擦部材を径方向Rの外側から支持する外側支持部材と、当該摩擦部材と摩擦係合する摩擦部材を径方向Rの内側から支持する内側支持部材とを備えている。そして、図1に示すように、第一係合装置CL1の外側支持部材は、回転電機MGのロータRoと一体回転するように連結され、第一係合装置CL1の内側支持部材は、入力軸Iと一体回転するように連結されている。なお、第二係合装置CL2は、第一係合装置CL1に対して軸方向第二側L2に配置されている。
図3に示すように、第二係合装置CL2の外側支持部材90は、回転軸Aと同軸の筒状(本例では円筒状)に形成されて第一摩擦部材95を支持する筒状支持部98を備えている。筒状支持部98の内周面に、第一摩擦部材95との係合部(スプライン係合部)が形成されている。本実施形態では、外側支持部材90は、外側支持部材90から(本例では、外側支持部材90の軸方向第二側L2の端部から)径方向Rの内側に延びる径方向延在部91を備えている。本実施形態では、径方向延在部91は、第一摩擦部材95及び第二摩擦部材96に対して軸方向第二側L2を径方向Rに延びるように配置され、軸方向Lにおける径方向延在部91とピストン93との間に、ピストン93の駆動用の油圧が供給されるシリンダ室94が形成されている。車両用駆動装置1は、後述するオイルポンプOP(図1参照)から供給される油圧を制御する油圧制御装置(図示せず)を備えており、シリンダ室94には、当該油圧制御装置による制御後の油圧が供給される。
車両用駆動装置1は、更に、チェーン駆動機構40と、回転電機MG及びチェーン駆動機構40を収容するケース2とを備えている。本実施形態では、図1に示すように、ケース2には、オイルポンプOP、第一係合装置CL1、第二係合装置CL2、中間軸M、変速装置TM、カウンタギヤ機構CG、及び出力用差動歯車装置DFも収容される。図2に示すように、ケース2は、壁部20を備えている。壁部20は、径方向Rに延びる板状に形成される。詳細は省略するが、ケース2は、回転電機MG等の外周を覆う周壁部(図示せず)を備えており、壁部20は、当該周壁部に直接的に又は間接的に固定され、或いは、当該周壁部と一体的に形成される。
本実施形態では、壁部20は、入力軸Iと出力軸Oとの間の動力伝達機構を構成する回転軸部材を支持する支持部材である。そして、本実施形態では、壁部20は、軸方向Lにおける回転電機MGと変速装置TMとの間に配置されており、中間軸Mが、壁部20を軸方向Lに貫通する状態で、軸受を介して壁部20に支持されている。具体的には、ケース2は、壁部20から軸方向第一側L1に突出する第二突出部26を備えている。第二突出部26は、回転軸Aと同軸の筒状(本例では円筒状)に形成されている。そして、第二突出部26の内周面によって囲まれる空間に、中間軸Mが挿通されている。なお、本実施形態では、第二突出部26は、壁部20と一体的に形成されている。また、図2に示すように、本実施形態では、壁部20には、上述した油圧制御装置によって調圧された油が供給される第一油路71が形成されている。具体的には、壁部20には、第一油路71として、シリンダ室94に油を供給するための油路が形成されている。また、壁部20には、別の第一油路71として、後述する第二油路72に油を供給するための油路が形成されている。中間軸Mの内部には複数の油路(軸内油路)が形成されており、壁部20には、上記第一油路71とは別に、当該複数の油路に油を供給するための油路も形成されている。図2には、中間軸Mに形成される軸内油路の一例として、第三油路73と第四油路74とを示している。詳細は省略するが、第三油路73は、第一係合装置CL1のシリンダ室(図示せず)に油を供給するための油路であり、第四油路74は、第一係合装置CL1のキャンセル室(図示せず)に油を供給するための油路である。
図2に示すように、ケース2は、壁部20から軸方向第一側L1に突出する第一突出部21を備えている。本実施形態では、第一突出部21は、回転軸Aと同軸の筒状(本例では円筒状)に形成されている。第一突出部21は、第二突出部26よりも大径の筒状に形成されている。本実施形態では、図6に示すように、第一突出部21は、周方向Cの全域に連続する筒状ではなく、切り欠き部25において周方向Cに不連続となる筒状に形成されている。詳細は後述するが、切り欠き部25は、第一突出部21の内周面23と外周面24とを連通するように形成される。また、本実施形態では、第一突出部21は、壁部20と一体的に形成されている。本実施形態では、壁部20における第一突出部21と第二突出部26との径方向Rの間の部分(すなわち、第一突出部21と第二突出部26とを接続する部分)は、回転軸Aと同軸の円環板状に形成されている。本実施形態では、第一突出部21が「突出部」に相当する。
図2に示すように、車両用駆動装置1は、回転電機MGの回転を検出する回転センサ30を備えている。回転センサ30は、ステータStに対するロータRoの回転方向の位置を検出するためのセンサであり、本実施形態ではレゾルバを回転センサ30として用いている。回転センサ30は、ケース2に固定されるセンサステータ31と、センサステータ31に対して回転自在に支持されるセンサロータ34とを備えている。センサロータ34は、ロータRoと一体回転するように連結されている。本実施形態では、回転センサ30は、アウタロータ型の回転センサであり、センサロータ34は、センサステータ31に対して径方向Rの外側であって径方向Rに見てセンサステータ31と重複する位置に配置されている。
図2に示すように、本実施形態では、回転センサ30は、軸方向Lにおける回転電機MGと壁部20との間に配置されており、センサステータ31は、第一突出部21に固定されている。具体的には、図3に示すようにセンサステータ31は、第一突出部21の軸方向第一側L1を向く支持面22に固定されている。すなわち、回転センサ30は、第一突出部21の軸方向第一側L1を向く支持面22に固定されるセンサステータ31を備えている。本実施形態では、支持面22は、軸方向Lに見て、切り欠き部25において周方向Cに不連続となる環状に形成されている。また、本実施形態では、図2及び図3に示すように、第一突出部21は、センサステータ31の筒状の内周面であるセンサ内周面33を径方向Rの内側から支持する内周支持部27を備えている。内周支持部27は、センサステータ31に対して径方向Rの内側において、支持面22から軸方向第一側L1に突出するように形成されている。また、内周支持部27は、回転軸Aと同軸の筒状であって、切り欠き部25において周方向Cに不連続となる筒状(本例では円筒状)に形成されている。
センサステータ31は、図3及び図6に示すように、支持面22に当接する環状の被支持面32を備えている。ここでは、軸方向Lに見て周方向Cの全域に連続する環状の面を、被支持面32とする。被支持面32には、支持面22に当接する部分に加えて、支持面22に当接しない部分が含まれ、被支持面32における支持面22に当接しない部分によって、後述する被当接面4が形成される。センサステータ31は、支持面22に対して軸方向第一側L1から当接した状態で、軸方向第一側L1から挿通される締結部材35(本例では、締結ボルト)によって第一突出部21に対して締結固定されている。すなわち、センサステータ31は、被支持面32が支持面22に当接することで、軸方向Lに位置決めされている。また、本実施形態では、センサステータ31は、センサ内周面33が内周支持部27の外周面に嵌合することで、径方向Rに位置決めされている。なお、図3は、切り欠き部25(図6参照)を通る断面図であるが、理解を容易にすべく、図3には、図3に示す断面には存在しない第一突出部21及び締結部材35を、これらが配置される径方向Rの位置に示している。本実施形態では、図6に示すように、センサステータ31は、3つの締結部材35によって第一突出部21に対して締結固定されている。そして、第一突出部21は、筒状の本体部に対して径方向Rの外側に突出する突出部を複数備え、当該突出部のそれぞれに、締結部材35が締結される締結孔が形成されている。
図2に示すように、チェーン駆動機構40は、軸方向Lにおけるケース2の壁部20と回転電機MGとの間に配置されている。本実施形態では、第二係合装置CL2が、回転電機MGのロータRoに対して径方向Rの内側であって径方向Rに見てロータRoと重複する位置に配置されており、チェーン駆動機構40は、軸方向Lにおけるケース2の壁部20と第二係合装置CL2との間に配置されている。チェーン駆動機構40は、第一スプロケット41を備えている。第一スプロケット41は、回転軸Aと同軸に配置される。本実施形態では、第一スプロケット41は、第二突出部26に対して径方向Rの外側であって径方向Rに見て第二突出部26と重複する位置に配置されている。図3に示すように、第二突出部26の外周面には、第一スプロケット41を径方向Rの内側からケース2に対して回転可能に支持するための軸受80が設けられている。すなわち、第一スプロケット41は、軸受80を介して第二突出部26により径方向Rの内側から支持されている。なお、軸受80は、径方向Rの荷重を受けることが可能なラジアル軸受であり、本実施形態では、転がり軸受(具体的には、ニードルベアリング)を軸受80として用いている。第二突出部26には油路(後述する第二油路72等)が形成されると共に、第二突出部26に対して径方向Rの内側に配置される中間軸Mにも軸内油路(第三油路73や第四油路74等)が形成されるため、第二突出部26の最大径(最も大径の部分の外周面の径)は大きくなりやすい。この点に関し、本実施形態に係る車両用駆動装置1は、後述するように、第一軸方向支持部材50及び第二軸方向支持部材5を備えることで、第一スプロケット41の軸方向Lの位置を軸方向Lの適切な範囲内に維持することができる。そのため、第一スプロケット41の軸方向Lの位置を軸受80によって規制する必要はなく、本例のように軸受80として径方向Rの厚さが小さい軸受(図示の例ではニードルベアリング)を用いることも可能となっている。すなわち、本開示に係る技術は、第二突出部26と第一スプロケット41との径方向Rの間に、ボールベアリングを配置するための隙間が確保できないような場合に特に有効である。本実施形態では、第一スプロケット41が「スプロケット」に相当する。
第一スプロケット41は、回転電機MGに駆動連結される。本実施形態では、第一スプロケット41は、回転電機MGのロータRoと一体回転するように連結されている。具体的には、図3に示すように、第二係合装置CL2の外側支持部材90は、第一スプロケット41に連結される軸方向延在部92を備えている。軸方向延在部92は、回転軸Aと同軸の筒状(本例では、円筒状)に形成されており、径方向延在部91の径方向Rの内側端部に連結されている。そして、軸方向延在部92の軸方向第二側L2の端部が、第一スプロケット41と一体回転するように連結されている。上述したように、外側支持部材90は、ロータRoと一体回転するように連結されている。よって、第一スプロケット41は、外側支持部材90を介して、回転電機MGのロータRoと一体回転するように連結されている。
詳細は省略するが、第二係合装置CL2の外側支持部材90は、外側支持部材90とケース2との間に設けられる軸方向の隙間(クリアランス)の総和の範囲内で軸方向Lに移動する部材である。この点に鑑みて、本実施形態では、軸方向延在部92(外側支持部材90)と第一スプロケット41とは、軸方向Lに相対移動可能な状態で一体回転するように連結されている。具体的には、本実施形態では、図3に示すように、軸方向延在部92の軸方向第二側L2の端部は、軸方向第二側L2に突出する係合片92aが周方向Cに複数配置された係合部とされている。第一スプロケット41には、係合片92aを軸方向第一側L1から挿入するための挿入部41aが係合片92aと同数形成されており、係合片92aのそれぞれが挿入部41aに挿入された状態で、軸方向延在部92と第一スプロケット41とが、軸方向Lに相対移動可能な状態で一体回転するように連結されている。本実施形態では、挿入部41aは、第一スプロケット41の内周面に形成されたスプライン溝により形成されている。また、本実施形態では、軸方向延在部92は、軸受80の外周面に接するように配置されており、第一スプロケット41は、軸方向延在部92の外周面に接するように配置された状態で、軸受80を介して第二突出部26により径方向Rの内側から支持されている。
図1に示すように、チェーン駆動機構40は、第一スプロケット41に加えて、第一スプロケット41に巻きかけられるチェーン43と、第一スプロケット41とは別軸に配置される第二スプロケット42とを備えている。第二スプロケット42は、回転軸Aと平行な回転軸Aとは異なる軸に配置されている。チェーン43は、第一スプロケット41と第二スプロケット42とに巻きかけられ、第一スプロケット41と第二スプロケット42とは互いに連動して回転する。すなわち、第一スプロケット41に伝達される回転電機MG又は内燃機関Eのトルクは、チェーン43を介して第二スプロケット42に伝達される。これにより、第二スプロケット42に連結された装置(本実施形態では、オイルポンプOP)を回転駆動することが可能となっている。なお、第二スプロケット42は、第一スプロケット41と軸方向Lの同じ位置に配置されており、チェーン43は、軸方向Lに直交する面に沿って配置されている。
図2及び図3に示すように、第一スプロケット41は、第一突出部21に対して径方向Rの内側に配置されている。そして、本実施形態では、第一スプロケット41は、径方向Rに見て第一突出部21と重複する位置に配置されている。そのため、第一スプロケット41に巻きかけられるチェーン43の軸方向Lの配置領域は、第一突出部21の軸方向Lの配置領域と重複し、本実施形態では、チェーン43の軸方向Lの配置領域は、第一突出部21の軸方向Lの配置領域に含まれる。そのため、本実施形態では、図6に示すように、軸方向Lに見て第一突出部21とチェーン43とが重複する周方向Cの領域に、チェーン43を挿通させるために第一突出部21の内周面23と外周面24とを連通する切り欠き部25が形成されている。切り欠き部25は、少なくともチェーン43が配置される軸方向Lの領域で、第一突出部21の内周面23と外周面24とを連通するように形成される。本実施形態では、切り欠き部25は、第一突出部21の内周面23と外周面24とを軸方向Lの全域において連通するように形成されている。すなわち、本実施形態では、回転軸Aと同軸の筒状に形成される第一突出部21は、切り欠き部25において、軸方向Lの全域で周方向Cに分離している。上記のような切り欠き部25が第一突出部21に形成されるため、本実施形態では、切り欠き部25の形成領域を除く周方向Cの全域において、径方向Rに見て第一突出部21と重複するように第一スプロケット41が配置されている。
図6に示すように、軸方向Lに見て第一突出部21とチェーン43とが重複する周方向Cの領域は、2箇所に存在するため、第一突出部21には、少なくとも2つの切り欠き部25が形成される。本実施形態では、第一突出部21には、上記2つの切り欠き部25に加えて更に1つの切り欠き部25が形成されている。すなわち、本実施形態では、軸方向Lに見て第一突出部21とチェーン43とが重複する周方向Cの領域に形成される切り欠き部25(以下、「第一切り欠き部」という。)と、軸方向Lに見て第一突出部21とチェーン43とが重複しない周方向Cの領域に形成される切り欠き部25(以下、「第二切り欠き部」という。)とが、第一突出部21に形成されている。本実施形態では、1つの第二切り欠き部が第一突出部21に形成されており、合計で3つの切り欠き部25が第一突出部21に形成されている。そして、本実施形態では、軸方向Lに見て当該3つの切り欠き部25のそれぞれの周方向Cの中心を頂点として形成される三角形が、鋭角三角形となる周方向Cの位置に、第二切り欠き部が形成されている。本実施形態では、図6に示すように、この鋭角三角形が二等辺三角形となる周方向Cの位置に、第二切り欠き部が形成されている。
本実施形態では、図1に示すように、車両用駆動装置1は、回転軸Aとは異なる軸上に配置されるオイルポンプOPを備えている。オイルポンプOPは、回転軸Aと平行な軸上に配置されている。そして、第二スプロケット42が、オイルポンプOPの駆動軸に連結されている。よって、チェーン43を介して第一スプロケット41から第二スプロケット42に伝達されるトルク(回転電機MG及び内燃機関Eの少なくとも一方のトルク)によって、オイルポンプOPが駆動される。すなわち、本実施形態では、チェーン駆動機構40は、オイルポンプOPを駆動するために備えられている。オイルポンプOPは、ケース2の下部に設けられた油貯留部(オイルパン等)の油を吸引して油圧を発生させる。オイルポンプOPとして、例えば、内接型又は外接型のギヤポンプや、ベーンポンプ等を用いることができる。
以下、第一スプロケット41の軸方向Lの位置を軸方向Lの適切な範囲内に維持するための、第一スプロケット41の軸方向Lの支持構造について説明する。図3に示すように、第一スプロケット41に対して軸方向第一側L1には、軸方向第一側L1への第一スプロケット41の移動を規制する第一軸方向支持部材50が配置されている。また、第一スプロケット41の軸方向第二側L2には、軸方向第二側L2への第一スプロケット41の移動を規制する第二軸方向支持部材5が配置されている。
図3に示すように、第二軸方向支持部材5は、軸方向Lにおける第一スプロケット41と壁部20との間に配置されている。第二軸方向支持部材5は、スラスト荷重を受けることが可能なスラスト軸受であり、本実施形態では、環状(ワッシャ形状)の滑り軸受を第二軸方向支持部材5として用いている。図3に示すように、第二軸方向支持部材5は、第一スプロケット41の軸方向第二側L2の側面に対して摺動する状態で当接する摺動面6を備えている。後述するように、第二軸方向支持部材5は壁部20に対して回転不能に取り付けられるため、第一スプロケット41が回転している状態で、摺動面6は第一スプロケット41の軸方向第二側L2の側面に対して摺動する状態で当接する。摺動面6は、軸方向Lに見て環状に形成される。本実施形態では、摺動面6には、当該摺動面6の内周部から外周部まで径方向Rに延びる溝部(後述する第一溝部53aと同様の溝部、図4参照)が形成されており、摺動面6は、軸方向Lに見て、当該溝部において周方向Cに不連続となる環状に形成されている。本実施形態では、摺動面6は、第二軸方向支持部材5の径方向Rの一部の領域(本例では、径方向Rの内側部分)に形成されており、第二軸方向支持部材5の軸方向第一側L1の端面は、摺動面6の形成領域が他の領域に対して軸方向第一側L1に突出する形状に形成されている。
第二軸方向支持部材5は、第二突出部26に対して径方向Rの外側において壁部20に対して回転不能に取り付けられている。詳細は省略するが、本実施形態では、第二軸方向支持部材5には、当該第二軸方向支持部材5の板状部(環状の板部)から軸方向第二側L2に突出する複数の突部(図示せず)が形成されており、当該突部のそれぞれが壁部20の軸方向第一側L1の端面に形成された凹部(図示せず)に挿入されることにより、第二軸方向支持部材5が壁部20に対して回転不能となっている。第二軸方向支持部材5は、例えば、合成樹脂の成形品とされる。なお、第二軸方向支持部材5としてスラスト荷重を受けることが可能な転がり軸受を用いることも可能である。
上記のような第二軸方向支持部材5を備えることで、第一スプロケット41の軸方向第二側L2への移動は、第二軸方向支持部材5によって規制される。具体的には、第二軸方向支持部材5の軸方向第二側L2の端面(上記突部を除く板状部の端面)が壁部20の軸方向第一側L1の端面に当接しており、且つ、第一スプロケット41の軸方向第二側L2の側面が第二軸方向支持部材5の摺動面6に当接している状態での第一スプロケット41の軸方向Lの位置が、第一スプロケット41に許容される最も軸方向第二側L2の位置とされる。
第一軸方向支持部材50は、図3に示すように、第一摺動面53と第一当接面51とを備えている。本実施形態では、第一軸方向支持部材50は、更に、第二摺動面54と第二当接面52とを備えている。第一摺動面53は、第一スプロケット41の軸方向第一側L1の側面に対して摺動する状態で当接する面である。後述するように、第一軸方向支持部材50は第一突出部21に対して回転不能に取り付けられるため、第一スプロケット41が回転している状態で、第一摺動面53は第一スプロケット41の軸方向第一側L1の側面に対して摺動する状態で当接する。第一摺動面53は、図6に示すように、軸方向Lに見て環状に形成される。また、第一摺動面53は、図3に示すように、摺動面6と径方向Rの同じ位置に形成される。本実施形態では、第一摺動面53には、当該第一摺動面53の内周部から外周部まで径方向Rに延びる第一溝部53aが形成されている。第一溝部53aは、第一摺動面53に対して軸方向第一側L1に窪む凹溝状に形成されている。よって、本実施形態では、第一摺動面53は、軸方向Lに見て、第一溝部53aにおいて周方向Cに不連続となる環状に形成されている。本実施形態では、第一摺動面53が「摺動面」に相当する。
第一当接面51は、被取付部材3の軸方向第二側L2を向く面である被当接面4に当接する面である。ここで、被取付部材3は、第一突出部21に対して少なくとも軸方向Lに位置決めされた状態で取り付けられる部材である。すなわち、第一突出部21には被取付部材3が取り付けられている。本実施形態では、被取付部材3がセンサステータ31である。すなわち、本実施形態では、被取付部材3は、第一突出部21に対して固定される部材である。上述したように、センサステータ31は、被支持面32が支持面22に当接することで、軸方向Lに位置決めされていると共に、センサ内周面33が内周支持部27の外周面に嵌合することで、径方向Rに位置決めされている。よって、本実施形態では、被取付部材3は、第一突出部21に対して軸方向Lに加えて径方向Rにも位置決めされた状態で取り付けられる部材である。
そして、本実施形態では、被当接面4は、センサステータ31の被支持面32における支持面22に当接していない部分である。上述したように、センサステータ31の被支持面32は、軸方向Lに見て周方向Cの全域に連続する環状の面である。一方、第一突出部21の支持面22は、軸方向Lに見て、切り欠き部25において周方向Cに不連続となる環状に形成されている。そのため、切り欠き部25の周方向Cの形成領域において被支持面32は支持面22に当接しておらず、被支持面32における切り欠き部25の周方向Cの形成領域に配置される部分が、被当接面4を構成している。
第二当接面52は、センサステータ31の筒状のセンサ内周面33に径方向Rの内側から当接する面である。第二当接面52は、周方向Cの複数の位置に分散して設けられ、又は周方向Cの全域に連続して設けられる。本実施形態では、第二当接面52は、周方向Cの複数の位置に分散して設けられている。そして、第二当接面52のそれぞれがセンサ内周面33に当接することで、第一軸方向支持部材50が、第一突出部21に固定されたセンサステータ31によって径方向Rに位置決めされている。上述したように、本実施形態では、センサ内周面33を径方向Rの内側から支持する内周支持部27が、第一突出部21に形成されている。そして、内周支持部27は、切り欠き部25において周方向Cに不連続となる筒状に形成されている。第二当接面52は、切り欠き部25の周方向Cの形成領域において、センサ内周面33に径方向Rの内側から当接している。第二当接面52は、切り欠き部25のそれぞれに対応して切り欠き部25と同数設けられている。
第二摺動面54は、第二係合装置CL2の外側支持部材90に備えられる径方向延在部91の軸方向第二側L2の端面に対して、摺動する状態で当接する面である。第二摺動面54は、図5に示すように、軸方向Lに見て環状に形成される。本実施形態では、第二摺動面54には、当該第二摺動面54の内周部から外周部まで径方向Rに延びる第二溝部54aが形成されている。第二溝部54aは、第二摺動面54に対して軸方向第二側L2に窪む凹溝状に形成されている。よって、本実施形態では、第二摺動面54は、軸方向Lに見て、第二溝部54aにおいて周方向Cに不連続となる環状に形成されている。
本実施形態では、図3に示すように、径方向延在部91における径方向Rの内側部分(シリンダ室94の軸方向第二側L2を区画する部分)は、径方向延在部91における径方向Rの外側部分(軸方向Lに見て第一摩擦部材95と重複する部分)に対して軸方向第二側L2に配置されている。そして、径方向延在部91における径方向Rの内側部分は、第一突出部21に対して径方向Rの内側であって径方向Rに見て第一突出部21と重複する位置に配置されている。一方、径方向延在部91における径方向Rの外側部分は、第一突出部21に対して軸方向第一側L1であって軸方向Lに見て第一突出部21と重複する位置に配置されている。そして、第二摺動面54は、径方向延在部91における径方向Rの内側部分の軸方向第二側L2の端面に対して、当接するように設けられている。
上記のような第一軸方向支持部材50を備えることで、第一スプロケット41の軸方向第一側L1への移動は、第一軸方向支持部材50によって規制される。具体的には、第一当接面51が被当接面4(本例では被支持面32)に当接しており、且つ、第一スプロケット41の軸方向第一側L1の側面が第一摺動面53に当接している状態での第一スプロケット41の軸方向Lの位置が、第一スプロケット41に許容される最も軸方向第一側L1の位置とされる。なお、軸方向Lに移動する部材ではあるが、第一スプロケット41に対して軸方向第一側L1に隣接して外側支持部材90が配置されているため、比較例として、軸方向Lにおける第一スプロケット41と外側支持部材90の径方向延在部91との間にスラスト軸受を配置することで、第一スプロケット41の軸方向第一側L1への移動を規制することが考えられる。しかしながら、このような比較例の場合には、第一スプロケット41の軸方向第一側L1への移動を規制するための構造に含まれる要素(部品)の数が、外側支持部材90等の分だけ増加する結果、軸方向第一側L1への第一スプロケット41の移動許容量が大きくなりやすい。なぜなら、各要素の間には基本的に軸方向Lのクリアランスが設けられるため、要素の数が多くなるに従って一般に軸方向Lのクリアランスの総和が大きくなるからである。これに対し、上記のような第一軸方向支持部材50によって第一スプロケット41の軸方向第一側L1への移動を規制する場合には、第一スプロケット41の軸方向第一側L1への移動を規制するための構造に含まれる要素の数を、上記のような比較例に比べて減らすことができるため、軸方向第一側L1への第一スプロケット41の移動量を適切な範囲内に制限することが容易となる。
なお、第一軸方向支持部材50の軸方向第二側L2への移動は、第一突出部21によっては規制されない。また、図3に示すように、第一軸方向支持部材50の第一当接面51が被当接面4に当接しており、且つ、第二軸方向支持部材5の軸方向第二側L2の端面が壁部20に当接している状態での、第一軸方向支持部材50の第一摺動面53と第二軸方向支持部材5の摺動面6との間の軸方向Lの離間距離は、第一スプロケット41の軸方向Lの幅よりも大きく設定されている。なお、ここでの第一スプロケット41の軸方向Lの幅は、第一スプロケット41における第一摺動面53と摺動面6との軸方向Lの間に配置される部分の幅である。よって、第一軸方向支持部材50は、径方向延在部91側から軸方向第二側L2への荷重を受けると、壁部20と第一軸方向支持部材50との間の軸方向Lのクリアランスがなくなるまで第一軸方向支持部材50が軸方向第二側L2に移動する。第一軸方向支持部材50は、第二摺動面54を備えることで、軸方向第二側L2への第二係合装置CL2の外側支持部材90の移動を規制する機能も有している。そして、壁部20と第一軸方向支持部材50との間の軸方向Lのクリアランスがなくなるまで軸方向第二側L2に第一軸方向支持部材50が移動しており、且つ、第一軸方向支持部材50の第二摺動面54に対して径方向延在部91が当接している状態での外側支持部材90の軸方向Lの位置が、外側支持部材90に許容される最も軸方向第二側L2の位置とされる。
以上のように、本実施形態では、第一軸方向支持部材50は、第一摺動面53、第二摺動面54、第一当接面51、及び第二当接面52を備えている。これらの各面を備える第一軸方向支持部材50の構成の一例として、本実施形態に係る第一軸方向支持部材50の構成を図3〜図6を参照して説明する。図3〜図5に示すように、本実施形態では、第一軸方向支持部材50は、第一突出部21に対して径方向Rの内側において回転軸Aと同軸に配置される筒状部56と、筒状部56から径方向Rの内側に延びる環状板部57と、筒状部56から径方向Rの外側に突出する径方向突部58と、を備えている。筒状部56の外周面は、第一突出部21の内周面23よりも小径に形成されており、筒状部56の外周面と第一突出部21の内周面23との間には径方向Rの隙間が形成されている。環状板部57は、軸方向Lに見て環状(本例では、円環状)に形成される板状部である。また、径方向突部58は、周方向Cの複数の位置に形成されている。本実施形態では、径方向突部58は、切り欠き部25のそれぞれに対応して切り欠き部25と同数形成されている。そして、図6に示すように、径方向突部58のそれぞれは、切り欠き部25の周方向Cの両側の内面に嵌合する形状に形成されている。すなわち、径方向突部58は、切り欠き部25の周方向Cの両側の内面に嵌合する嵌合部55として機能する。よって、第一軸方向支持部材50は、径方向突部58(嵌合部55)が切り欠き部25に嵌合した状態で、第一突出部21によって周方向Cに位置決めされる。すなわち、第一軸方向支持部材50は、第一突出部21に対して回転不能に取り付けられる。
図3及び図6に示すように、環状板部57の径方向Rの内側部分に第一摺動面53が形成されている。環状板部57の軸方向第二側L2の端面は、第一摺動面53の形成領域が他の領域に対して軸方向第二側L2に突出する形状に形成されている。本実施形態では、第一摺動面53は、環状板部57の径方向Rの内側の端部に形成されている。また、本実施形態では、チェーン43と環状板部57との軸方向Lの離間距離を適切に確保すべく、環状板部57における軸方向Lに見てチェーン43と重複する領域に、環状板部57における他の部分に比べて軸方向第一側L1に窪む凹部57aが形成されている。また、本実施形態では、環状板部57の径方向Rの内側部分に第二摺動面54が形成されている。環状板部57の軸方向第一側L1の端面は、第二摺動面54の形成領域が他の領域に対して軸方向第一側L1に突出する形状に形成されている。本実施形態では、図3に示すように、第二摺動面54は、第一摺動面53に対して径方向Rの外側にずれた位置に形成されている。
また、図3〜図5に示すように、径方向突部58のそれぞれに第一当接面51が形成されている。本実施形態では、径方向突部58のそれぞれには、第二当接面52も形成されている。具体的には、径方向突部58における軸方向第一側L1の部分の外周面によって、第二当接面52が形成されている。第二当接面52は、図6に示すように、軸方向Lに見て円弧に沿う形状に形成されている。また、径方向突部58における軸方向第二側L2の部分は、径方向突部58における軸方向第一側L1の部分(第二当接面52の形成部分)よりも径方向Rの外側に突出しており、径方向突部58における軸方向第二側L2の部分の軸方向第一側L1の端面によって、第一当接面51が形成されている。図6に示すように、径方向突部58における軸方向第二側L2の部分の外周面は、軸方向Lに見て円弧に沿う形状に形成されている。
本実施形態では、第一軸方向支持部材50は、筒状部56、環状板部57、及び径方向突部58が一体的に形成された部品とされている。例えば、第一軸方向支持部材50を、筒状部56、環状板部57、及び径方向突部58が合成樹脂により一体的に成形された一体成形品とすることができる。
なお、本実施形態では、図3に示すように、第二突出部26には、第二突出部26の外周面における軸受80に対して軸方向第一側L1の部分に開口する第二油路72が形成されている。第二油路72には、油圧制御装置による制御後の油圧が供給され、第二突出部26の外周面における第二油路72の開口部から流出した油によって、軸受80が潤滑される。そして、軸受80を潤滑した後の油が、上述した各摺動面(摺動面6、第一摺動面53、及び第二摺動面54)に対して供給される。この際、各摺動面には溝部が形成されているため、各摺動面に対して油が適切に供給される。
〔その他の実施形態〕
車両用駆動装置のその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、被取付部材3がセンサステータ31であり、被当接面4が、センサステータ31の被支持面32における支持面22に当接していない部分である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、被取付部材3が、第一突出部21に対して取り付けられる部材であって、センサステータ31とは異なる部材とされる構成とすることもできる。例えば、図7に示すように、被取付部材3が、第一突出部21に取り付けられるスナップリング7であり、被当接面4が、スナップリング7における径方向Rの内側部分の軸方向第二側L2を向く面である構成とすることもできる。図7に示す例では、第一軸方向支持部材50には筒状部56が備えられておらず、環状板部57の径方向Rの外側部分に第一当接面51が形成されている。図示は省略するが、図7に示す例では、環状板部57から径方向Rの外側に突出する径方向突部が形成されており、当該径方向突部が、切り欠き部25の周方向Cの両側の内面に嵌合する嵌合部として機能するように構成されている。また、図示は省略するが、図7に示す例では、周方向Cの一部の領域で環状板部57の外周面が第一突出部21の内周面23に当接することで、第一軸方向支持部材50が径方向Rに位置決めされている。
(2)上記の実施形態では、第一軸方向支持部材50が、筒状部56と環状板部57と径方向突部58とを備えた構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第一軸方向支持部材50が環状板部57を備えず、第一摺動面53の形成部分と筒状部56とが、周方向Cに複数配置された径方向延在部によって連結される構成とすることもできる。また、例えば、第一軸方向支持部材50が筒状部56を備えず、径方向突部58が環状板部57から径方向Rの外側に突出するように形成される構成とすることもできる。
(3)上記の実施形態では、第一軸方向支持部材50が第二摺動面54を備える構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、径方向延在部91が第一軸方向支持部材50に接触しない場合等には、第一軸方向支持部材50が第二摺動面54を備えない構成とすることもできる。
(4)上記の実施形態では、第二当接面52がセンサ内周面33に当接することで、第一軸方向支持部材50が、第一突出部21に固定されたセンサステータ31によって径方向Rに位置決めされる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、周方向Cの少なくとも一部の領域において第一突出部21の内周面23に第一軸方向支持部材50の外周面が当接することで、第一軸方向支持部材50が径方向Rに位置決めされる構成とすることもできる。例えば、上記の実施形態の構成(図3、図4参照)において、筒状部56の外周面が第一突出部21の内周面23に当接することで、第一軸方向支持部材50が第一突出部21によって径方向Rに位置決めされる構成とすることができる。
(5)上記の実施形態では、第二当接面52が、周方向Cの複数の位置に分散して設けられた構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第二当接面52が、周方向Cの全域に連続して設けられる構成とすることもできる。例えば、軸方向Lの少なくとも一部の領域で、センサ内周面33が周方向Cの全域に亘って第一突出部21(内周支持部27)によって覆われない構成とした場合に、センサ内周面33に径方向Rの内側から当接する第二当接面52が周方向Cの全域に連続して設けられる構成とすることができる。
(6)上記の実施形態では、センサステータ31が第一突出部21に固定された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、センサステータ31が、第一突出部21とは径方向Rの異なる位置において壁部20に固定される構成とすることもできる。また、回転センサ30が、回転電機MGに対して軸方向第一側L1に配置され、センサステータ31が、回転電機MGに対して軸方向第一側に配置されるケース2の壁部に固定される構成とすることもできる。
(7)上記の実施形態では、第一突出部21が、回転軸Aと同軸の筒状に形成された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第一突出部21が回転軸Aと同軸の筒状には形成されない構成(例えば、第一突出部21が回転軸Aとは異なる位置において軸方向Lに延びる柱状に形成される構成等)とすることもできる。また、上記の実施形態では、第一突出部21が、壁部20と一体的に形成された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第一突出部21が壁部20とは別部材とされ、第一突出部21が壁部20から軸方向第一側L1に突出するように壁部20に固定される構成とすることもできる。
(8)上記の実施形態では、車両用駆動装置1が、第一係合装置CL1及び第二係合装置CL2の双方を備える構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、車両用駆動装置1が、第一係合装置CL1及び第二係合装置CL2のうちの第一係合装置CL1のみを備える構成としても良い。また、上記の実施形態では、車両用駆動装置1が、車輪Wの駆動力源として内燃機関E及び回転電機MGの双方を備える車両(ハイブリッド車両)を駆動するための駆動装置である場合を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、車両用駆動装置1が、車輪Wの駆動力源として単数又は複数の回転電機MGのみを備える車両(電動車両)を駆動するための駆動装置であっても良い。
(9)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎないと理解されるべきである。従って、当業者は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した車両用駆動装置の概要について説明する。
車輪(W)の駆動力源として機能する回転電機(MG)と、前記回転電機(MG)に駆動連結されるスプロケット(41)を備えるチェーン駆動機構(40)と、前記回転電機(MG)及び前記チェーン駆動機構(40)を収容するケース(2)と、を備えた車両用駆動装置(1)であって、前記チェーン駆動機構(40)は、前記回転電機(MG)の回転軸(A)を基準とする軸方向(L)における、前記ケース(2)の壁部(20)と前記回転電機(MG)との間に配置され、前記軸方向(L)における前記壁部(20)から前記回転電機(MG)に向かう側を軸方向第一側(L1)として、前記ケース(2)は、前記壁部(20)から前記軸方向第一側(L1)に突出する突出部(21)を備え、前記スプロケット(41)は、前記突出部(21)に対して前記回転軸(A)を基準とする径方向(R)の内側において、前記回転軸(A)と同軸に配置され、前記スプロケット(41)に対して前記軸方向第一側(L1)に、前記スプロケット(41)の前記軸方向第一側(L1)の側面に対して摺動する状態で当接する摺動面(53)を備える第一軸方向支持部材(50)が配置されていると共に、前記軸方向(L)における前記スプロケット(41)と前記壁部(20)との間に、前記軸方向第一側(L1)とは反対側である軸方向第二側(L2)への前記スプロケット(41)の移動を規制する第二軸方向支持部材(5)が配置され、前記突出部(21)には、当該突出部(21)に対して少なくとも前記軸方向(L)に位置決めされた状態で被取付部材(3)が取り付けられ、前記第一軸方向支持部材(50)が、前記被取付部材(3)の前記軸方向第二側(L2)を向く面である被当接面(4)に当接する第一当接面(51)を備えている。
この構成によれば、スプロケット(41)に対して軸方向第一側(L1)には第一軸方向支持部材(50)が配置され、この第一軸方向支持部材(50)は、軸方向(L)に位置決めされた状態の被取付部材(3)の軸方向第二側(L2)を向く被当接面(4)に当接する第一当接面(51)を備える。よって、スプロケット(41)の軸方向第一側(L1)への移動許容範囲を、第一軸方向支持部材(50)の第一当接面(51)が被取付部材(3)の被当接面(4)に当接するまでの範囲内に制限することができる。ここで、スプロケット(41)の軸方向第一側(L1)への移動を規制するための構造に含まれる要素であって軸方向(L)に移動可能な要素は、基本的に第一軸方向支持部材(50)のみとなる。よって、スプロケット(41)の軸方向第一側(L1)への移動を規制するための構造に含まれる軸方向(L)に移動可能な要素の数を少なく抑えることができ、結果、軸方向第一側(L1)へのスプロケット(41)の移動許容量を適切な範囲内に抑えることが容易となっている。また、スプロケット(41)に対して軸方向第二側(L2)には、軸方向第二側(L2)へのスプロケット(41)の移動を規制する第二軸方向支持部材(5)が配置される。よって、スプロケット(41)の軸方向第二側(L2)への移動許容範囲を、第二軸方向支持部材(5)によって制限することができる。従って、上記の構成によれば、スプロケット(41)の軸方向(L)の位置を、第一軸方向支持部材(50)と第二軸方向支持部材(5)とによって軸方向(L)の適切な範囲内に維持することができる。
以上のように、上記の構成によれば、適用可能な車両用駆動装置(1)の制約が少なく、チェーン駆動機構(40)が備えるスプロケット(41)の軸方向(L)の位置を軸方向(L)の適切な範囲内に維持することができる技術を実現することができる。
ここで、前記回転電機(MG)の回転を検出する回転センサ(30)を備え、前記回転センサ(30)は、前記突出部(21)の前記軸方向第一側(L1)を向く支持面(22)に固定されるセンサステータ(31)を備え、前記センサステータ(31)は、前記支持面(22)に当接する環状の被支持面(32)を備え、前記被取付部材(3)が前記センサステータ(31)であり、前記被当接面(4)が、前記センサステータ(31)の前記被支持面(32)における前記支持面(22)に当接していない部分であると好適である。
この構成によれば、スプロケット(41)の軸方向第一側(L1)への移動を規制するための専用の被取付部材(3)を設けることなく、車両用駆動装置(1)に備えられるセンサステータ(31)を被取付部材(3)として用いて、スプロケット(41)の軸方向第一側(L1)への移動を規制することができる。また、スプロケット(41)の軸方向第一側(L1)への移動を規制するための専用の突出部(21)を壁部(20)に形成する必要もない。よって、スプロケット(41)の軸方向第一側(L1)への移動を規制するための構造を、車両用駆動装置(1)の製造コストの低減を図りつつ実現することができる。
上記のように、前記被取付部材(3)が前記センサステータ(31)であり、前記被当接面(4)が、前記センサステータ(31)の前記被支持面(32)における前記支持面(22)に当接していない部分である構成において、前記第一軸方向支持部材(50)が、前記センサステータ(31)の筒状の内周面(33)に前記径方向(R)の内側から当接する第二当接面(52)を備え、前記第二当接面(52)は、前記回転軸(A)を基準とする周方向(C)の複数の位置に分散して設けられ、又は前記周方向(C)の全域に連続して設けられていると好適である。
この構成によれば、第一軸方向支持部材(50)を、突出部(21)に固定されたセンサステータ(31)によって径方向(R)に適切に位置決めすることができる。
上記の各構成の車両用駆動装置(1)において、前記チェーン駆動機構(40)は、前記スプロケット(41)に巻きかけられるチェーン(43)を備え、前記突出部(21)は、前記回転軸(A)と同軸の筒状に形成され、前記回転軸(A)を基準とする周方向(C)における、前記軸方向(L)に見て前記突出部(21)と前記チェーン(43)とが重複する領域に、前記チェーン(43)を挿通させるために前記突出部(21)の内周面(23)と外周面(24)とを連通する切り欠き部(25)が形成され、前記第一軸方向支持部材(50)が、前記切り欠き部(25)の前記周方向(C)の両側の内面に嵌合する嵌合部(55)を備えていると好適である。
この構成によれば、筒状部(21)に形成されるチェーン(43)挿通用の切り欠き部(25)を有効に利用して、第一軸方向支持部材(50)を突出部(21)によって周方向(C)に適切に位置決めすることができる。
また、前記第一軸方向支持部材(50)は、前記突出部(21)に対して前記径方向(R)の内側において前記回転軸(A)と同軸に配置される筒状部(56)と、前記筒状部(56)から前記径方向(R)の内側に延びる環状板部(57)と、前記筒状部(56)から前記径方向(R)の外側に突出する径方向突部(58)と、を備え、前記径方向突部(58)は、前記回転軸(A)を基準とする周方向(C)の複数の位置に形成され、前記環状板部(57)の前記径方向(R)の内側部分に前記摺動面(53)が形成され、前記径方向突部(58)のそれぞれに前記第一当接面(51)が形成されていると好適である。
この構成によれば、第一軸方向支持部材(50)における摺動面(53)の形成部位と、第一軸方向支持部材(50)における第一当接面(51)の形成部位とが、環状板部(57)の径方向(R)の外側部分及び筒状部(56)によって連結される。よって、摺動面(53)と第一当接面(51)とを径方向(R)の異なる位置に備える第一軸方向支持部材(50)の強度を適切に確保することが容易となる。また、第一当接面(51)が、複数備えられる径方向突部(58)のそれぞれに形成されるため、第一当接面(51)と被当接面(4)とを、周方向(C)の複数の位置において当接させることができる。よって、第一軸方向支持部材(50)の軸方向第一側(L1)への移動を被取付部材(3)によって適切に規制することができ、結果、スプロケット(41)の軸方向第一側(L1)への移動を適切に規制することができる。
1:車両用駆動装置
2:ケース
3:被取付部材
4:被当接面
5:第二軸方向支持部材
20:壁部
21:第一突出部(突出部)
22:支持面
23:内周面
24:外周面
25:切り欠き部
30:回転センサ
31:センサステータ
32:被支持面
33:センサ内周面(センサステータの筒状の内周面)
40:チェーン駆動機構
41:第一スプロケット(スプロケット)
43:チェーン
50:第一軸方向支持部材
51:第一当接面
52:第二当接面
53:第一摺動面(摺動面)
55:嵌合部
56:筒状部
57:環状板部
58:径方向突部
A:回転軸
C:周方向
L:軸方向
L1:軸方向第一側
L2:軸方向第二側
MG:回転電機
R:径方向
W:車輪

Claims (5)

  1. 車輪の駆動力源として機能する回転電機と、前記回転電機に駆動連結されるスプロケットを備えるチェーン駆動機構と、前記回転電機及び前記チェーン駆動機構を収容するケースと、を備えた車両用駆動装置であって、
    前記チェーン駆動機構は、前記回転電機の回転軸を基準とする軸方向における、前記ケースの壁部と前記回転電機との間に配置され、
    前記軸方向における前記壁部から前記回転電機に向かう側を軸方向第一側として、前記ケースは、前記壁部から前記軸方向第一側に突出する突出部を備え、
    前記スプロケットは、前記突出部に対して前記回転軸を基準とする径方向の内側において、前記回転軸と同軸に配置され、
    前記スプロケットに対して前記軸方向第一側に、前記スプロケットの前記軸方向第一側の側面に対して摺動する状態で当接する摺動面を備える第一軸方向支持部材が配置されていると共に、前記軸方向における前記スプロケットと前記壁部との間に、前記軸方向第一側とは反対側である軸方向第二側への前記スプロケットの移動を規制する第二軸方向支持部材が配置され、
    前記突出部には、当該突出部に対して少なくとも前記軸方向に位置決めされた状態で被取付部材が取り付けられ、
    前記第一軸方向支持部材が、前記被取付部材の前記軸方向第二側を向く面である被当接面に当接する第一当接面を備えている車両用駆動装置。
  2. 前記回転電機の回転を検出する回転センサを備え、
    前記回転センサは、前記突出部の前記軸方向第一側を向く支持面に固定されるセンサステータを備え、
    前記センサステータは、前記支持面に当接する環状の被支持面を備え、
    前記被取付部材が前記センサステータであり、
    前記被当接面が、前記センサステータの前記被支持面における前記支持面に当接していない部分である請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記第一軸方向支持部材が、前記センサステータの筒状の内周面に前記径方向の内側から当接する第二当接面を備え、
    前記第二当接面は、前記回転軸を基準とする周方向の複数の位置に分散して設けられ、又は前記周方向の全域に連続して設けられている請求項2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記チェーン駆動機構は、前記スプロケットに巻きかけられるチェーンを備え、
    前記突出部は、前記回転軸と同軸の筒状に形成され、
    前記回転軸を基準とする周方向における、前記軸方向に見て前記突出部と前記チェーンとが重複する領域に、前記チェーンを挿通させるために前記突出部の内周面と外周面とを連通する切り欠き部が形成され、
    前記第一軸方向支持部材が、前記切り欠き部の前記周方向の両側の内面に嵌合する嵌合部を備えている請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記第一軸方向支持部材は、前記突出部に対して前記径方向の内側において前記回転軸と同軸に配置される筒状部と、前記筒状部から前記径方向の内側に延びる環状板部と、前記筒状部から前記径方向の外側に突出する径方向突部と、を備え、
    前記径方向突部は、前記回転軸を基準とする周方向の複数の位置に形成され、
    前記環状板部の前記径方向の内側部分に前記摺動面が形成され、前記径方向突部のそれぞれに前記第一当接面が形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
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