JP2017063732A - 細胞塊培養装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また一方においては、予め細胞を略球状に培養した細胞塊(スフェロイド)を相互に接触した状態に並べて浮遊培養を行い、細胞塊同士が融合した50〜300μmの厚みを有するシート状細胞塊(細胞塊シート)の作製方法が知られている(特許文献2)。
さらには、細胞塊を任意の空間に配置するための方法として、糸状体または針状体からなる支持体に細胞塊を貫通させる細胞の立体構造体の製造方法が知られている(特許文献3)。
また、特許文献2のように細胞塊を浮遊培養して細胞塊シートを得ようとした場合、細胞塊同士が不規則に融合するため、得られる細胞塊シートの形状が定まらず、厚さも不均一になるという問題があった。
さらに、特許文献3のように糸状体または針状体からなる支持体に細胞塊を貫通させる場合には、細胞にダメージを与えるおそれがあった。
また、細胞塊を載置面に平面的に配置して培養する場合、中央部に位置する細胞塊は培養液との接触が上部に限られるため、側部と上部が接触する周辺部の細胞塊に比べると成長が遅く、場合によっては壊死することもあった。
このような問題に鑑み、本発明は細胞塊シートの下部についても、培養液を接触させることが可能な細胞塊培養装置を提供するものである。
その表面に上記載置面が形成されるとともに、上下に貫通する複数の貫通孔を穿設した培養トレイを、内部に培養液が貯留された培養容器内に設け、
当該培養トレイの載置面側と下面側とが、上記貫通孔を介して連通していることを特徴としている。
上記細胞塊2は、例えば特許第4517125号に開示される方法で作製することができる。すなわち、内面が非接着性の容器に細胞を播種して培養すると、細胞は足場を求めて互いに接着し合うことで小さな細胞塊が形成され、これらがさらに融合することで外径寸法が500μm程度までの略球状の細胞塊2が形成される。
より効率的には、ウエルプレートの非接着性のウエル(略半球状の収容部)で培養することにより容易に細胞塊2を得ることができる。なお、細胞塊2の作製方法はこれに限らず、旋回している培養液中に細胞懸濁液を入れる旋回培養法、試験管に細胞懸濁液を入れて遠心分離器で沈殿させる方法、あるいはアルギン酸ビーズを用いて培養する方法など公知の様々な方法で作製することができる。
このように、細胞塊2とは、細胞同士が集合し凝集化した100〜500μm程度の外径寸法を有した略球状の細胞集合体を指し、本発明における細胞塊シート4とは、このような細胞塊の複数を融合させてシート状に形成したものであり、厚さは用いる細胞塊2の寸法に応じて100〜500μm程度のものを作製することが可能で、平面的なサイズは整列させる細胞塊2の個数によって調節可能となっている。
このように作製される上記細胞塊シート4は、細胞懸濁液を平面的に培養することで細胞単体をシート状に培養して得られる細胞シートとは異なるものである。
図1は上記アイソレータ61の内部に設けられた構成を示し、細胞塊2を収容する収容容器5を支持する収容容器支持部6と、細胞塊シート4の培養される培養容器3を支持する培養容器支持部7と、上記細胞塊2を保持する複数の保持手段としての吸引ノズル8と、上記吸引ノズル8を上記収容容器5および培養容器3に対して相対的に移動させる移動手段としてのノズル移動手段9と、上記培養容器3内の細胞塊シート4の培養状態を確認する検査手段10(図6参照)とを備えている。
一方、図7は上記インキュベータ62の内部に設けられた構成を示し、培養容器3上の細胞塊2もしくは細胞塊シート4に培養液を供給する培養液供給手段11と、培養中の細胞塊シート4移動させる細胞塊シート移動手段12とを備えている。このインキュベータ62の内部では上記細胞塊2もしくは細胞塊シート4の培養が行われるため、これらインキュベータ62の内部の構成は細胞塊培養装置もしくは細胞塊シート培養装置を構成するものとなっている。
なお、以下の説明において、図1における図示左右方向をX方向、前後方向をY方向、上下方向をZ方向とし、図4では図示左右方向をX方向、上下方向をY方向とする。
またアイソレータ61の正面には作業者が装着可能なグローブ61aが設けられており、各種の作業を行うことが可能となっている。なお、アイソレータ61の内部にロボットや所要の構成を有した移送手段を設けて、これらの作業を自動的に行うようにすることもできる。
次に、上記インキュベータ62は、内部が無菌環境に維持されるとともに、細胞塊シート4の培養に適した所定の温度および湿度に維持され、細胞塊2が培養されて融合し細胞塊シート4へと形成される間、上記インキュベータ62を上記アイソレータ61より分離して、当該アイソレータ61より離れた場所で細胞塊2の培養を行うことが可能となっている。
そのため、上記アイソレータ61とインキュベータ62とは接続手段64によって接続されており、例えば特許第4656485号公報に記載されるような、インキュベータ62とアイソレータ61とを無菌状態を維持したまま接離させる接続手段を使用することができる。
上記収容容器5の収容凹部5aは、平面視におけるX方向およびY方向にそれぞれ所定個数ずつ整列しており、本実施例では培養容器3において作製する細胞塊シート4を構成する細胞塊2のX方向およびY方向の個数と同数、すなわちX方向に7個、Y方向に7個それぞれ設けられている。
後述するように、本実施例の吸引ノズル8はX方向に7個設けられ、またX方向およびZ方向にのみ移動可能となっていることから、上記Y方向テーブル6aが収容容器5をY方向に移動させることで、吸引ノズル8と収容容器5とをXYZの各方向で相対的に移動させることができる。
具体的に説明すると、最初に上記Y方向テーブル6aが収容容器5の1列目の収容凹部5aを吸引ノズル8の下方に位置させて、当該一列目の収容凹部5aから吸引ノズル8が細胞塊2を吸着保持すると、Y方向テーブル6aが1列分だけY方向に収容容器5を移動させて、2列目の収容凹部5aを吸引ノズル8の下方に位置させるようになっている。
図3に示すように上記培養トレイ13は略正方形の板状を有しており、図4に示すようにその上面は載置面13aとしてX方向およびY方向にそれぞれ7個の細胞塊2が相互に接触した状態で整列可能な大きさに設定されている。
細胞塊2を配置する培養トレイ13の載置面13aは、細胞非接着性の性質を有しており、細胞塊2や細胞塊シート4が接着し難くなっている。細胞塊2が載置面13aに接着し難いため、隣接する細胞塊2同士が結びつこうとする働きが強くなり、細胞塊シート4の形成が促進される。
なお、細胞非接着性については、表面の性質を撥水性や超親水性とすることで得られ、これら性質を有する公知の材料を採用したり、表面処理やコーティング処理を施すことにより実現できる。また、その他に載置面13aの表面の性状としては、DLC(ダイアモンド ライク カーボン)膜を形成することも可能である。
さらに、上記培養トレイ3は光を透過させる材料によって構成され、上記載置面13aにコーティング等を形成した場合には、当該コーティングも光を透過させるようになっている。
培養容器3の底面は上記培養トレイ13と略同形に形成され、これにより上記培養トレイ13の載置面13a上に整列した細胞塊2のうち、外周側に位置する細胞塊2が培養容器3の内壁に接触し、これにより整列した細胞塊2を外側から移動しないように支持するようになっている。
また培養容器3は、透明な樹脂やガラスで形成され、光を透過させることが可能であり、培養容器3ごと上記検査手段10において検査を行うことが可能となっている。
上記培養トレイ13の四隅には支柱15が設けられ、隣接する支柱15同士はその上方に設けられた補強部材16によって相互に連結されている。各支柱15は上記培養容器3の内面に沿って上下方向(Z方向)のみの移動が許容され、このため培養トレイ13は水平状態を維持したまま上記培養容器3の内部を昇降可能となっている。
一方、上記培養容器3には、いずれかの支柱15が通過する位置に設けられて、図示しないスプリング等によって出没するロック機構17が設けられている。
上記支柱15のうち、上記ロック機構17を通過する支柱15には上記ロック機構17の係合する凹部15aが形成され、上記培養トレイ13が上昇位置に位置すると上記ロック機構17が突出して上記凹部15aに係合し、培養トレイ13を上昇位置に保持するようになっている。
一方、この上昇位置から培養トレイ13を上下に移動させる際には、上記支柱15に対してZ方向に所定の力を作用させればよく、これにより上記ロック機構17がスプリングの付勢力に抗して退没し、上記凹部15aより離脱するようになっている。
従って、上記培養トレイ13が下降位置に位置すると、上記ピン14が上記貫通孔13bを貫通して培養トレイ13の上面に突出し、ガイド手段Gが培養トレイ13上に設置された状態となる。
一方、培養トレイ13が上昇位置に位置すると、培養トレイ13が上記ピン14の先端部よりも上方に位置して、ピン14が貫通孔13bより離脱するため、上記培養トレイ13の載置面13a上よりガイド手段Gが退避された状態となる。
具体的には、一個の細胞塊2の周囲を4本のピン14によって囲繞し、また隣接するピン14とピン14との間隔を上記細胞塊2の直径よりも狭くなるようにする。
その結果、上記収容部Gaに細胞塊2を収容することで、隣接する収容部Gaに収容された細胞塊2同士を相互に接触させることができる。この時の細胞塊2同士の間隔や接触の程度はピン14とピン14との距離や、ピン14の直径によって調整することができる。
そして本実施例のように、培養トレイ13の載置面13aに細胞塊2を整列させた際に、上記細胞塊2と上記培養容器3の壁面とが接触するような場合には、当該壁面とピン14とによっても上記収容部Gaが形成されることとなる。
上記ガイド移動手段18は、培養トレイ13に設けられた支柱15の補強部材16を保持して上記培養トレイ13を所定高さに保持する保持手段18aと、上記培養容器3を支持して昇降させる昇降手段18bとから構成されている。
上記保持手段18aが上記培養トレイ13を保持した状態で、上記昇降手段18bが培養容器3を昇降させることにより、培養容器3と培養トレイ13とを相対的に昇降させ、培養トレイ3を下降位置および上昇位置に位置させることができる。
上記Y方向テーブル7aは、上記収容容器支持部6を構成するY方向テーブル6aと同様、吸引ノズル8に吸着保持された細胞塊2が培養トレイ13の上記収容部Gaに収容されるたびに、培養容器3ごと培養トレイ3の収容部Gaを上記Y方向に一列ずつ移動させるものとなっている。
押さえ蓋供給手段としてはロボット等を用いることが可能であり、上記培養トレイ13上に細胞塊2が整列されたら、当該整列した細胞塊2の上部に上記押さえ蓋19を供給するようになっている。
上記押さえ蓋19はメッシュ状もしくは多数の貫通孔が形成された部材となっており、当該押さえ蓋19によって培養トレイ13上の細胞塊2および細胞塊シート4への培養液の供給を阻害しないようになっている。
また押さえ蓋19は培養トレイ13と同様、光を透過させる材料によって構成され、また押さえ蓋19における細胞塊2もしくは細胞塊シート4に接触する側は、上記培養トレイ13の載置面13aと同様、細胞非接着性となっている。
上記吸着部8bの内径は上記細胞塊2より小径となっており、上記収容容器5の収容凹部5aにおいて吸着部8bの先端に細胞塊2を吸着保持した際に、細胞塊2が当該吸着部8bの内部に吸い込まれないようになっている。
また培養トレイ13の載置面13aにおいては、上記吸着部8bの中心位置をピン14とピン14とで形成した収容部Gaの略中央に位置させ、この状態で上記負圧発生手段による負圧を解消することで、当該収容部Gaに細胞塊2を配置することができる。
なお保持手段としては、細胞塊2を吸着保持する吸引ノズル8の他、グリッパなどによって細胞塊2を保持する等の構成を有したものであってもよい。
また本実施例の吸引ノズル8はX方向に7個整列して設けられ、これら吸引ノズル8は間隔変更手段24によってX方向にその間隔が変更されるようになっている。
具体的には、上記吸引ノズル8が収容容器支持部6の上方に位置した際には、間隔変更手段24は上記収容容器5におけるX方向に整列した収容凹部5aと同じ間隔に上記吸引ノズル8の間隔を変更する。
一方、吸引ノズル8が培養容器支持部7の上方に位置した際には、間隔変更手段24は載置面13a上に突出したピン14によって形成された収容部GaにおけるX方向の間隔と同じ間隔に吸引ノズル8の間隔を変更する。
なお、吸引ノズル8についてはY方向に複数列設けることも可能であり、また収容容器支持部6の収容凹部5aの間隔と、培養トレイ3上に形成された収容部Gaの間隔とが同じ場合には、上記間隔変更手段24を省略することができる。
また例えば上記収容部Gaの間隔が狭い場合には、上記吸引ノズル8によって一つおきの収容部Gaに細胞塊2を収容させることも可能であり、その場合、最初に載置面13aにおける奇数番目の収容部Gaに細胞塊2を載置し、その後偶数番目の収容部Gaに細胞塊2を載置すればよい。
なお、吸引ノズル8は少なくとも1本備えられていれば良く、また、細胞塊2の供給手段としては、本実施例のように細胞塊2を移載する構成の他、多数の細胞塊2を収容した容器から1個ずつ繰り出すような構成であっても良い。
撮影された画像により、上記載置面13aにおける全ての収容部Gaに細胞塊2が配置されているか否かが確認され、必要に応じて細胞塊2の収容されていない収容部Gaに対して細胞塊2を収容するよう、指示することができる。
またカメラ25は、上記ノズル移動手段9が吸引ノズル8を培養容器支持部7の上方に位置させる際には、吸引ノズル8との接触を避けるために培養容器支持部7の上方から退避するようになっている。
上述したように、上記培養トレイ13、培養容器3の底部、押さえ蓋19はそれぞれ光透過性の材料によって構成されているため、上記照明手段26が照射した光は、これら培養トレイ3や培養容器3の底部を透過し、培養トレイ13上の細胞塊2もしくは細胞塊シート4を透過してカメラ27に受光されるようになっている。
上記カメラ27は撮影した細胞塊2もしくは細胞塊シート4から、これらの培養状態を確認し、その際培養状態の良否に応じて培養の継続や停止を判断することができる。
なお、本実施例では上記照明手段26およびカメラ27はアイソレータ61の内部に設けられているが、上記アイソレータ61の一部を外部に突出させるとともに、当該突出部の上部および下部を光透過性の部材として、これらの部材の間で上記培養容器3を保持するようにしてもよい。
上記インキュベータ62の内部に複数の培養容器3を収容する場合には、各培養容器3のそれぞれについて上記培養液供給手段11および細胞塊シート移動手段12を設けることができる。
上記培養容器3にはその下方に接続口3aが設けられており、具体的には、接続口3aは上記培養トレイ13が上昇位置に位置した状態で、当該培養トレイ13よりも下方に位置するように設けられている。
上記培養液供給手段11は、一端が上記接続口3aに接続され他端が上記培養容器3の上方から培養液の液面に挿入された配管31と、当該配管31に設けられた培養液を送液する送液ポンプ32とから構成されている。
上記送液ポンプ32は、上記培養容器3の上方側から培養液を吸引するとともに、当該培養液を上記接続口3aを介して培養トレイ容器3の下方から流入させ、これにより培養容器3内において培養液を循環させるようになっている。
そして上記ピン14の位置に合わせて培養トレイ13には、上下に貫通する貫通孔13bが穿設されており、具体的には上記培養トレイ13の載置面13a上に整列した上記細胞塊2と細胞塊2との間となる位置に穿設され、培養トレイ13の載置面13a側と下面側とを連通させている。
このような構成により、上記培養液供給手段11が供給した培養液は、上記貫通孔13bを通過して培養トレイ13の下面側より載置面13a側、すなわち載置面13aと上記細胞塊シート4の裏面側との間に供給されるようになっており、上記貫通孔13bを培養液の供給孔として使用することができる。
その結果、細胞塊シート4における培養トレイ13に接触する裏面側に培養液を供給して接触させることができ、培養トレイ13に接触することで培養液の供給が不十分になりがちな、細胞塊シート4の裏面側の培養を良好に行うことができる。
なお、送液ポンプ32の送液方向を逆にした場合は、貫通孔13bを介して細胞塊シート4の裏面側から培養液が吸引されるため、細胞塊シート4の周囲から裏面側に培養液が流入して、培養液の供給が行われる。この場合、貫通孔13bは排出孔として機能する。
またインキュベータ内には、上記培養トレイ13に設けられた支柱15の補強部材16を保持する保持部材33と、当該保持部材33を昇降させる昇降手段34とが設けられ、上記昇降手段34により保持部材33が昇降することで上記培養容器3内を培養トレイ13が昇降するようになっている。
図7(b)に示すように、上記昇降手段34が培養トレイ13を下降させて上記ピン14が培養トレイ13の下方から貫通すると、当該ピン14が培養トレイ13より若干突出して細胞塊シート4を下方から押し上げるようになっている。
ここで培養トレイ3の載置面13aは非接着性に形成されているため、上記ピン14によって細胞塊シート4を載置面13aから容易に剥離させることができる。
そして上記細胞塊シート移動手段12は所定の間隔で作動し、このように作用することにより、培養が終了した際に細胞塊シート4を培養容器3から容易に回収することができ、また、培養中においては細胞塊2に刺激を与え、細胞塊2を活性化することが期待される。
なお、ピン14は貫通孔13bから完全に抜き出さなくても良い。
最初に、上記パスボックス63を介して上記細胞塊2が収容された収容容器5や、上記培養トレイ13が収容された培養容器3を上記アイソレータ61内に搬入したり、培養容器3に所定量の培養液を供給する準備工程を行う。
その際、アイソレータ61の内部に上記収容容器5や培養容器3を複数搬入すれば、複数の培養容器3を用いて複数の細胞塊シート4を連続して作成することが可能となる。
なお、このガイド設置工程については、予め培養トレイ13を下降位置に位置させた培養容器3をアイソレータに搬入することで、上記準備工程と同時に行うことができる。
上記ノズル移動手段9が吸引ノズル8を移動させ、また間隔変更手段24が吸引ノズル8の間隔を変更しながら、収容容器5の収容凹部5aから細胞塊2を吸着保持し、この整列した細胞塊2を培養容器3の培養トレイ13に設置されたガイド手段Gの収容部Gaに収容する。
上記収容部Gaは細胞塊2の周囲を囲繞する4本のピン14によって構成されていることから、当該収容部Gaに収容された細胞塊2の飛び出しが防止され、細胞塊2の整列状態が維持されるようになっている。
このようにして全ての収容部Gaに細胞塊2が収容されると、上記カメラ25が培養容器支持部7の上方に移動して載置面13a上の細胞塊2を撮影し、細胞塊2が全ての収容部Gaに収容されているか否かを確認する。
具体的には、図示しない押さえ蓋供給手段もしくはグローブ61aを装着した作業者が上記培養容器3の内部に押さえ蓋19を投入し、当該押さえ蓋19によって載置面13a上の細胞塊2の浮き上がりを防止する。
具体的には、培養容器支持部7の上記ガイド移動手段18によって培養トレイ13を培養容器3に対して上昇位置に位置させ、これにより上記載置面13aの上面から突出していたピン14が載置面13aから退避された状態となる。
また上記収容部Gaに収容された際に隣接する細胞塊2同士が接触するようにされていることから、載置面13a上には縦横に整列した細胞塊2が接触した状態を維持したまま残ることとなる。
まず上記培養トレイ13がインキュベータ62に移送されると、当該インキュベータ62は上記アイソレータ61より分離され、アイソレータ61より離隔した位置に載置される。
そしてインキュベータ62内は所定の温度、湿度に維持されるとともに所定の炭酸ガスや酸素の濃度が維持され、培養トレイ13上の細胞塊2が培養されることにより、隣接する細胞塊2同士が融合して、最終的に一枚の細胞塊シート4を形成することとなる。
この時、細胞塊2は培養トレイ13の載置面13a上で整列し、かつ接触した状態を維持しているため、形成された細胞塊シート4は上記培養トレイ13の載置面13aの形状と略同一の形状を有することとなり、かつその厚さを略均一のものとすることができる、
上記培養液供給工程として、培養液供給手段11は所定の間隔で作動するようになっており、培養容器3内では下方から上方へと培養液の流れを発生させ、これにより細胞塊2もしくは細胞塊シート4に新たな培養液を供給するようになっている。
また培養トレイ13は培養容器3内で上昇位置に位置し、また上記供給孔としての貫通孔13bが穿設されていることから、当該貫通孔13bを介して細胞塊シート4と載置面13aの間に培養液を供給することができ、細胞塊シート4の裏面側を効率的に培養することができる。
つまり、本実施例のように細胞塊2を整列させて細胞塊シート4を作製する場合、中央に位置する細胞塊2の裏面側には十分に培養液が行き渡らないという問題があったが、この培養液供給工程を行うことで、当該部分に位置する細胞も良好に培養することが可能となった。
すると培養トレイ3の上面に上記ピン14が突出して、当該ピン14により細胞塊シート4が下方から押し上げ、細胞塊シート4を培養トレイ3から剥離させる。その際、培養トレイ3の表面は非接着性に形成されているため、少ない押圧力で細胞塊シート4を剥離させ上方に移動させることが可能となっている。
この細胞塊シート移動工程を所定の間隔で行うことにより、細胞塊シート4が培養トレイ3に付着しない状態、もしくはより小さな力で培養トレイ3より剥離可能な状態を維持することができ、また適度な刺激を与えることができる。
検査工程では接続されたインキュベータ62からアイソレータ61へと培養容器3が移送され、さらに図6に示す上記検査手段10へと移送される。
検査手段10では下方から照明手段26が照射した光が上記培養容器3、培養トレイ13、細胞塊シート4、押さえ蓋19を透過し、カメラ27が撮影した映像に基づいて細胞塊シート4の培養の良否が検査される。
そして当該検査工程において細胞塊シート4が十分に培養されていると判断された場合には、引き続き上記培養容器3より細胞塊シート4を回収する回収工程が行われる。
上記培養工程の間に上記細胞塊シート作用工程を行ったことにより、回収工程ではトリプシンなどの薬品を使用せずに細胞塊シート4を載置面13aより剥離させて回収することができ、細胞へのダメージを極力抑えることができる。
具体的には、上記ガイド手段Gとしてのピン14が培養トレイ13の載置面13a内に突出した状態のまま上記培養工程を行い、隣接する細胞塊2が融合して細胞塊シート4が形成されてから、ピン14を形成された細胞塊シート4より抜くことが可能である。また、ある程度細胞塊2が培養した後でガイド退避工程を行い、培養を継続するようにしてもよい。
その場合には上記細胞塊シート移動手段12としての保持部材33および昇降手段34を省略して、当該細胞塊シート移動手段12として上記培養液供給手段11を使用することが可能となる。
図8に示す培養トレイ13には上記細胞塊2を千鳥状に載置するようになっており、具体的にはX方向において細胞塊2は直線状に整列され、Y方向では細胞塊2が半個分ずれながら整列されるようになっている。
このように細胞塊2を整列させるため、上記培養トレイ13に穿設される貫通孔13bおよびガイド手段Gとしてのピン14は、各細胞塊2の周囲に6本のピン14を位置させて収容部Gaを形成するように配置される。
またこの培養トレイ13においても、隣接するピン14とピン14との間で細胞塊2が接触するようになっており、上記実施例と同様、上記ピン14を除去しても細胞塊2同士が接触した状態を維持することができる。
なお、図4や図8に示す培養トレイ13における、上記貫通孔13bおよびピン14の配置に限らず、例えば円形の培養トレイ13に同心円状に細胞塊2を配置する等、様々な態様で細胞塊2を整列させることができる。
本実施例の培養トレイ13には、図9(a)に示すように、上記第1の実施例同様、各細胞塊2の周囲に4本のピン14を位置させて、細胞塊2を縦横に整列させるようになっている。
上記ピン14は図4に示すピン14よりも大径となっており、また上記貫通孔13bはこのピン14の直径よりも大きく形成され、ピン14と貫通孔13bの開口部との間に隙間が形成されるようになっている。また貫通孔13bの4隅には、それぞれ細胞塊2の形状に合わせて4つの円弧状の逃がし部が形成されている。
このようにピン14と貫通孔3aの開口部との間に隙間が形成されるように貫通孔13bを大きくすることで、培養液供給工程において上記供給孔としての貫通孔3aからより多くの培養液を細胞塊2もしくは細胞塊シート4の裏面側に供給することが可能となる。
一方、図9(b)に示すように上記ピン14の先端部にはテーパ部14aが形成されており、当該テーパ部14aによってピン14aとピン14aとの間で細胞塊2同士の接触が妨げられないようになっている。
本実施例の培養トレイ13は、上記ピン14の貫通する貫通孔13bに加えて、上記収容部Gaに該当する位置、すなわち細胞塊2が載置される位置に供給孔13cを設けたものとなっている。
すなわち、上記培養液供給工程において、上記貫通孔3aおよび上記供給孔3bからも培養液を細胞塊シート4の裏面側に供給することが可能となり、多くの培養液を流通させることが可能となっている。
上記いずれの実施例においても、整列された細胞塊2の外周側にはピン14を配置していないが、外周側にもピン14を配置して培養容器3の内壁に細胞塊2が触れないよう構成することもできる。
この場合には、この外周側のピン14については、これ以外のピン14をガイド手段退避工程において載置面13a上から除去しても、載置面13a上に残るように構成する。
より具体的には、外周側のピン14をそれ以外のピン14よりも長くし、上記ガイド移動手段18によって培養トレイ13を培養容器3に対して上昇位置に位置させた際に、外周側のピン14は載置面13aに突出した状態を維持するようにする。これら外周側のピン14も退避させる必要がある場合には、さらに培養トレイ13を上記上昇位置よりさらに上昇できるよう、上昇位置を2段階に設定すればよい。
本実施例の培養トレイ13は有底箱状を有しており、細胞塊2の載置される載置面13aと、これに隣接して設けられた側面13cとを有しており、図3における培養トレイ13および培養容器3と異なり、培養トレイ13の側面13cによって整列された細胞塊2を支持するようになっている。
培養容器3の底面は上記培養トレイ13に対して一回り大きく形成され、このため培養トレイ13の側面と培養容器3の内壁との間には隙間が形成されている。
上記隙間には、上記培養トレイ13の側面に設けられたスライド部材41と、培養容器3に上下方向に向けて設けられたガイドレール42が備えられ、これにより培養トレイ13はこのガイドレール42に沿って培養容器3内を昇降するようになっている。
そして上記培養トレイ13はヒンジ43を介して揺動可能に設けられた係止部材44を備えており、図11(b)に示すように培養トレイ13が上昇位置に位置した状態で、上記ヒンジ43により係止部材44が外側に倒れ、培養容器3の上端部に係止されるようになっている。
上記ガイド手段Gとしては、図3に示す培養トレイ13および培養容器3と同様、培養トレイ13に設けた貫通孔13bに、培養容器3の底面に設けたピン14を貫通させることにより、当該ピン14を培養トレイ13の載置面13a上に突出させる構成を有している。
そして上記培養トレイ13を培養容器3の内部で移動させて、上記ピン14を突出させるガイド移動手段18としては、図5における保持手段18a、昇降手段18bに代えてロボット等を使用することができる。
図7に示す培養液供給手段11は、上記配管31および送液ポンプ32を用いて培養容器3内の培養液を循環させて培養液の供給を行う構成となっているが、この図12の培養液供給手段11は上記培養容器3内に新鮮な培養液を供給可能な構成を有している。
具体的に説明すると、上記培養液供給手段11は、新鮮な培養液を貯溜する培養液タンク51と、当該培養液タンク51と上記培養容器3の接続口3aとの間に接続された供給配管52と、当該供給配管52に設けられた送液ポンプ53と、一端が上記培養容器3の培養液に挿入され、他端が図示しない排液タンクに接続された排出配管54と、当該排出配管54に設けられた排液ポンプ55とから構成されている。
上記構成によれば、上記送液ポンプ53によって培養液タンク51の新鮮な培養液を培養容器3に供給しつつ、培養容器3内の使用済みの培養液を上記排液ポンプ55によって排出することで、培養容器3内に新鮮な培養液を流通させることができる。
この場合において、図示のように培養トレイ13の下方に培養液を供給し、上方から排出させても良いが、逆に上方に供給して、下方から排出させるようにしても良い。
本実施例の培養容器103は、図13、14に示すように有底箱状を有するとともに予め培養液が収容されており、細胞塊2は当該培養容器103の底面である載置面103a上に載置されるようになっている。
図13(a)に示す本実施例のガイド手段Gは、上記培養容器103の載置面103a上に載置されるとともに、当該載置面103a上から保持されて退避されるようになっている。
またガイド手段Gは、複数の収容部Gaが区画された区画部材104からなり、細胞塊2をX方向およびY方向の縦横にそれぞれ整列させるようになっている。
ここで、各収容部Gaの大きさは上記細胞塊2の外径寸法よりも若干大きく設定されている。
上記収容部Gaに細胞塊2を収容した後、上記ガイド手段Gを培養トレイ103より退避させることにより、当該培養容器103の載置面103a上に細胞塊2を整列した状態で配置することができる。
上記押圧手段105は、上記培養容器103上に整列された細胞塊2に対して相対する第1の対向方向(Y方向)から相互に接近して、Y方向から細胞塊2を押圧する第1押圧部材111と、上記Y方向に直交する第2の対向方向(X方向)から相互に接近してX方向に細胞塊2を押圧する第2押圧部材112と、上記培養容器支持部7に設けられて上記第1、第2押圧部材111、112を進退動させる移動手段113とから構成されている。
上記培養容器103の4つの側面103bにはそれぞれ外部から内部に貫通する連結棒111a、112aが摺動可能に設けられており、当該連結棒111a、112aにおける培養容器103の内部側の端部にそれぞれ上記第1、第2押圧部材111、112が設けられている。
上記連結棒111a、112aには上記培養容器103の側面103bを挟んで二つのストッパ部材111b、112bが設けられており、当該ストッパ部材111b、112bの間隔で連結棒111a、112aのストローク量が定められている。
このような構成により、第1、第2押圧部材111、112はそれぞれ後退位置(図14(a))もしくは前進位置(図14(c)(d))に往復動可能となっている。なお、図15にも示すように、第1、第2押圧部材111、112の上方は、押さえ蓋19により覆われており、押圧動作中に細胞塊2が浮び上ることを防止している。
図14(c)に示すように第1押圧部材111を前進位置に移動させると、第1押圧部材111によって細胞塊2がY方向に押圧され、これにより整列した細胞塊2におけるY方向の隙間が解消される。
これと同様、図14(d)に示すように第2押圧部材112を前進位置に移動させると、第2押圧部材112によって細胞塊2がX方向に押圧され、これにより整列した細胞塊2におけるX方向の隙間が解消される。
ここで、第2押圧部材112を前進位置に移動させる際には、第1押圧部材111との接触を避けるため、上記第1押圧部材111を予め後退位置に移動させるようになっている。
そして、第1、第2押圧部材111、112によって細胞塊2をY方向およびX方向からそれぞれ押圧することにより、培養容器103上の細胞塊2は、隣接する細胞塊2同士が相互に接触した状態で整列することとなる。
上記ホルダ114は相互に接触した細胞塊2におけるX方向およびY方向の幅と略同一に設定された枠状の部材となっており、細胞塊2の整列状態が崩れないように外側から支持するものとなっている。
またホルダ114は上面にメッシュが設けられており、当該ホルダ114の内部における細胞塊2の浮き上がりおよび移動が規制され、また培養液の流通を許容して内部の細胞塊2の培養を阻害しないようになっている。
上記第1、第2押圧部材111、112は上記移動手段115によって往復動することで、上記ホルダ114の装着された細胞塊2を、当該ホルダ114ごと横方向から押圧するようになっている。
上記培養容器103の載置面103aについても細胞非接着性とされていることから、横方向から押圧することで細胞塊シート4を移動させることができる。
また、培養容器103に接続口103cを設けて、第1実施例に記載した培養液供給手段11と同様、培養容器103内の培養液を循環させるようにしてもよい。
まず、上記アイソレータ内に収容容器5や培養容器103を搬入する搬入工程、培養容器103に培養液を貯溜する準備工程を行う。上記培養容器103を培養容器支持部7に載置する際には、上記第1、第2押圧部材111、112の連結棒111a、112aに、培養容器支持部7の移動手段113を連結する。
次に、図14(a)に示すように上記培養容器103に上記ガイド手段Gを設置するガイド設置工程を行うとともに、上記吸引ノズル8により培養容器103に設置されたガイド手段Gの収容部Gaに細胞塊2を収容する収容工程を行う。
上記収容工程によりガイド手段Gの収容部Gaに細胞塊2を収容したら、図14(b)に示すように上記培養容器103からガイド手段Gを退避させるガイド退避工程を行い、さらに培養容器3上に整列した細胞塊2の上部に押さえ蓋19を配置する浮上防止工程を行う。
なお、上記ガイド設置工程、ガイド除去工程、浮上防止工程については、作業者もしくはロボットによって行うことができる。
すなわち、上記ガイド退避工程においてガイド手段Gが退避された状態では、細胞塊2は整列しているものの、これらの間には隙間が形成される場合があり、この状態で培養を行っても、細胞塊2同士の融合が発生しない場合がある。
そこで、まず図14(c)に示すように、第1押圧部材111によって細胞塊2をY方向に移動させてから、図14(d)に示すように第2押圧部材112によって細胞塊2におけるX方向に移動させ、培養トレイ103上の細胞塊2が相互に接触した状態で整列させる。
上記ホルダ114が装着されることにより、当該ホルダ114の内部での細胞塊2の移動が阻止されることとなり、これにより細胞塊2は相互に接触した整列状態を維持することができる。
培養工程が所定の期間行われて、ホルダ114の内部で細胞塊2同士が融合し、細胞塊シート4が形成されると、当該細胞塊シート4を移動させる細胞塊シート移動工程が行われる。
上記培養容器103にはホルダ114の装着された細胞塊シート4が位置しており、上記インキュベータ62に設けられた移動手段115が上記第1、第2押圧部材111、112を移動させてホルダ114ごと細胞シート4を横方向から押圧する。
細胞塊シート移動工程により細胞塊シート4を移動させることにより、細胞塊シート4と培養容器103との間に培養液が入り込むため、細胞塊シート4の裏面側に位置する細胞に対して培養液を供給することが可能となっている。
なお、本実施例では第1、第2押圧部材111、112によってホルダ114内の細胞塊シート4をX方向およびY方向に移動させることができるが、第1押圧部材111もしくは第2押圧部材112の一方にのみ移動手段115を連結して、X方向もしくはY方向のいずれか一方向だけ移動させるようにしてもよい。
上記第1押圧部材111は、その両端部がスプリング等の付勢力によって伸縮可能に設けられており、当該第1押圧部材111が伸びた状態では、上記ガイド退避工程によってガイド手段Gが退避された状態における、相互に隙間の形成された細胞塊2の幅を有している。
従って、当該第1押圧部材111を前進位置に移動させることで、上記細胞塊2をY方向に押圧し、整列した細胞塊2におけるY方向の隙間を解消することができる。
上記第1押圧部材111は伸縮可能となっていることから、当該第1押圧部材111を前進位置に位置させたまま、第2押圧部材112を接近状態に位置させることができる。
すると第2押圧部材112は細胞塊2を押圧しながら、第1押圧部材111も押圧し、これにより上記第1押圧部材111を縮めることが可能となっている。
これにより、第1、第2押圧部材111、112をともに前進位置に位置させた状態で細胞塊2を整列させることができ、第2押圧部材112を前進位置に位置させる際に細胞塊2がY方向にずれて移動してしまうのを防止することができる。
例えば第2実施例における培養容器103を第1実施例における培養トレイ3に代えて培養容器3に収容し、上記培養容器103の底面に貫通孔を穿設するとともに培養容器3の底面に設けたピン14を貫通させれば、当該ピン14をガイド手段Gとして使用することができる。
この場合、上記培養容器103には押圧手段105が設けられているため、上記ガイド手段Gの収容部Gaに収容される細胞塊2同士を接触させる必要がなくなるため、容易にピン14とピン14とによって形成した収容部Gaに細胞塊2を収容させることができ、その後上記押圧手段押圧手段105を作動させて押圧工程を行えば、細胞塊2同士を接触した状態で整列させることができる、
またこのような構成にすれば、上記培養容器103に設けた貫通孔を供給孔として培養液を細胞塊シート4の裏面側に供給することで、当該裏面側に位置する細胞を良好に培養することができ、また上記ピンによって細胞塊シートを培養容器103から押し上げることができる。
つまり、細胞塊シート移動工程において、第2実施例のように細胞塊シートを横方向に移動させる必要がなくなることから、上記押圧工程において第1、第2押圧部材111、112を前進位置に位置させたまま、インキュベータに収容することができ、その場合ホルダ114の装着を省略することができる。
本実施例の培養容器3は有底箱状を有するとともに、その底面が細胞塊2の載置面13aを構成し、上記実施例同様、載置面13aは細胞非接着性を有している。
本実施例のガイド手段Gは、格子状に設けられた支持枠201と、当該格子における交点部分より垂下して設けられたピン202とから構成され、上記格子の交点部分および上記ピン202の位置は第1実施例における図4に示すピン14と同じ配置で設けられ、4本のピン202によって細胞塊2を収容する収容部Gaを構成するようになっている。
このようにピン202を配置することで、上記収容部Gaに細胞塊2を収容した場合には隣接する細胞塊2同士が相互に接触した状態で細胞塊2を整列させることが可能となる。
ここで、上記支持枠201を構成する各格子の大きさは、上記ピン202が上記配列で設けられていることから、細胞塊2の直径よりも若干小さく設定されているが、上記吸引ノズル8によって上方から細胞塊2を押し込むことが可能となっている。
そして、上記実施例同様、上記ガイド手段Gの収容部Gaに細胞塊2が収容されたら、ガイド退避工程として上記ガイド手段Gを直ちに取り出してもよく、またある程度細胞塊2の培養が進行してから退避させるようにしてもよい。
また本実施例の細胞容器3は、その上部に蓋203が設けられるようになっているが、上記実施例と同様、図示しない培養液供給手段11の配管31がこの蓋203に設けられており、培養液の供給を行うようになっている。
さらに、上記各実施例において、上記ガイド手段Gの収容部Gaにはそれぞれ一個の細胞塊2を収容するようになっているが、一つの収容部Gaに複数、例えば2個ないし4個程度の予め設定した数の細胞塊2を収容するようにしてもよく、各収容部Ga毎に、それぞれが個別に所定個数の細胞塊2を収容するようになっていればよい。
3 培養容器 4 細胞塊シート
5 収容容器 8 吸引ノズル
9 ノズル移動手段 10 検査手段
11 培養液供給手段 12 細胞塊シート移動手段
13 培養トレイ 13a 載置面
13b 貫通孔 13c 供給孔
14 ピン 19 押さえ蓋
G ガイド手段 Ga 収容部
Claims (6)
- 複数の細胞塊を培養容器内の載置面に平面的に配置し、上記細胞塊が培養されて相互に融合した細胞塊シートを作製する細胞塊培養装置であって、
その表面に上記載置面が形成されるとともに、上下に貫通する複数の貫通孔を穿設した培養トレイを、内部に培養液が貯留された培養容器内に設け、
当該培養トレイの載置面側と下面側とが、上記貫通孔を介して連通していることを特徴とする細胞塊培養装置。 - 上記貫通孔は、配置される細胞塊の位置に応じて穿設されていることを特徴とする請求項1に記載の細胞塊培養装置。
- 上記培養トレイの下面側から載置面側に、上記貫通孔を介して培養液を流通させる培養液流通手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の細胞塊培養装置。
- 上記培養トレイの載置面側から下面側に、上記貫通孔を介して培養液を流通させる培養液流通手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の細胞塊培養装置。
- 上記培養トレイの下面側から上記貫通孔に挿入される複数のピンを備え、
上記貫通孔に対して各ピンを相対的に挿抜することにより、上記貫通孔に培養液を流通させる培養液流通手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の細胞塊培養装置。 - 上記培養容器が、上記細胞塊を培養するためのインキュベータに収容されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の細胞塊培養装置。
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