JP2017062959A - 蓄電装置用正極および蓄電装置 - Google Patents
蓄電装置用正極および蓄電装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017062959A JP2017062959A JP2015187899A JP2015187899A JP2017062959A JP 2017062959 A JP2017062959 A JP 2017062959A JP 2015187899 A JP2015187899 A JP 2015187899A JP 2015187899 A JP2015187899 A JP 2015187899A JP 2017062959 A JP2017062959 A JP 2017062959A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substituent
- substituted
- group
- positive electrode
- active material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/13—Energy storage using capacitors
Landscapes
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Abstract
Description
特許文献1ではリチウム塩としてリチウムビスフルオロスルホニルイミドが用いられ、特許文献2ではリチウム塩としてLiPF6および/またはLiBF4が用いられている。
そこで、製造時におけるフッ化水素の発生を抑制しつつ蓄電装置の性能の更なる向上を図り得る技術が望まれている。
下記一般式(1)で表される金属塩を含む正極活物質層を有する、正極である。
(R1SO2)(R2SO2)NLi………一般式(1)
(R1およびR2はそれぞれ独立してフルオロアルキル基またはアルキル基である。
また、R1およびR2は、互いに結合して環を形成しても良い。)
下記一般式(1)で表される金属塩を含む正極活物質層を有する、正極である。
(R1SO2)(R2SO2)NLi………一般式(1)
(R1およびR2はそれぞれ独立してフルオロアルキル基またはアルキル基である。
また、R1およびR2は、互いに結合して環を形成しても良い。)
本発明の蓄電装置用正極および蓄電装置においては、電解液とは別に、電極活物質層たる正極活物質層にリチウム元素を有する金属塩を含む。以下、必要に応じて、正極活物質層に配合される金属塩を「電極用金属塩」と呼び、電解液に含まれる金属塩つまり支持塩と区別する。
本発明の蓄電装置用正極および蓄電装置においては、既述の従来技術と同様に、電極用金属塩を正極活物質層に予め配合することに由来する種々の効果を期待できる。
このため本発明の蓄電装置用正極は、製造時におけるフッ化水素の発生を抑制しつつ、蓄電装置に優れた電池特性を付与できる。また、本発明の蓄電装置は、製造時におけるフッ化水素の発生が抑制されかつ電池特性に優れたものである。以下、本発明の蓄電装置用正極および蓄電装置を総称して、本発明の蓄電装置と呼ぶ場合がある。
つまり、電極用金属塩は、正極活物質層の全体に分布しても良いし、正極活物質層の表面に分布しても良い。但し、何れの場合にも、電極用金属塩は、正極活物質層が少なくとも電解液に接触する前の段階においては、正極活物質層の表面に存在するのが好ましい。こうすることで、電極用金属塩が電解液に接触し易くなり、電解液に溶出し易くなる。このため、正極活物質層に電極用金属塩を配合した効果、例えば、上記したように電解液と正極活物質との界面におけるLi伝導体としての効果や、SEI被膜の一部としての効果が発揮され易くなると考えられる。なお、電極用金属塩は当該表面において正極活物質の表面付近に分布していることがより好ましい。正極活物質の表面には上述したSEI被膜が形成されるため、電極用金属塩がこのように分布することで電極用金属塩およびその分解物がSEI被膜に供給され易くなる。また、上記したLi伝導体としての効果についても同様に、少なくとも電解液に接触する前の段階において電極用金属塩が正極活物質の表面付近に分布している方が、効果が発揮され易いと考えられる。
本発明の蓄電装置用正極は、正極活物質層を有する。正極活物質層は、正極活物質を含み、集電体上に設けられる。
正極活物質層は正極活物質、並びに必要に応じて結着剤および/または導電助剤を含む。
正極活物質層に電極用金属塩を添加することで、正極活物質近傍の塩濃度が高まったり、正極にSEIが形成されたりすると考えられる。これらの場合には、正極の耐酸化性が向上し、ひいては正極の寿命が向上すると考えられるため、正極活物質層に電極用金属塩を添加した本発明の正極は、上記の高電位正極活物質を含む高電位正極としての使用に耐えると考えられる。
集電体は、蓄電装置が放電又は充電する間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
本発明の蓄電装置は、上記した正極以外に負極を含む。負極は、負極活物質層を有する。負極活物質層は、負極活物質を含み、正極活物質層と同様に集電体上に設けられる。
例えば電荷担体がリチウムイオンであれば、負極活物質としてLiや、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫などの14族元素、アルミニウム、インジウムなどの13族元素、亜鉛、カドミウムなどの12族元素、アンチモン、ビスマスなどの15族元素、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、銀、金などの11族元素をそれぞれ単体で採用すればよい。ケイ素などを負極活物質に採用すると、ケイ素1原子が複数のリチウムと反応するため、高容量の活物質となるが、リチウムの吸蔵及び放出に伴う体積の膨張及び収縮が顕著となるとの問題が生じる恐れがあるため、当該恐れの軽減のために、ケイ素などの単体に遷移金属などの他の元素を組み合わせた合金又は化合物を負極活物質として採用するのも好適である。合金又は化合物の具体例としては、Ag−Sn合金、Cu−Sn合金、Co−Sn合金等の錫系材料、各種黒鉛などの炭素系材料、ケイ素単体と二酸化ケイ素に不均化するSiOx(0.3≦x≦1.6)などのケイ素系材料、ケイ素単体若しくはケイ素系材料と炭素系材料を組み合わせた複合体が挙げられる。また、負極活物質として、Nb2O5、TiO2、Li4Ti5O12、WO2、MoO2、Fe2O3等の酸化物、又は、Li3−xMxN(M=Co、Ni、Cu)で表される窒化物を採用しても良い。負極活物質として、これらのものの一種以上を使用することができる。このうちケイ素系材料および/または炭素系材料は、特に好ましく使用される。
なお、上記したSiOxにおいては、リチウムイオン二次電池の充放電時にリチウムとSi相のケイ素とによる合金化反応が生じると考えられている。そして、この合金化反応がリチウムイオン二次電池の充放電に寄与すると考えられている。
また、負極の集電体は、使用する活物質に適した電圧に耐え得る金属であれば特に制限はなく、蓄電装置用正極の集電体と同様のものを使用できる。
電解液としては、有機溶媒と、当該有機溶媒に溶解した金属塩とを含むものを使用すれば良い。電解液における金属塩は、支持塩あるいは支持電解質とも呼ばれるものであり、既述したように、電極用金属塩と同じものであっても良いし異なっていても良い。
電解液としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒に、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3などのリチウム塩を0.5mol/Lから1.7mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
特開2013−149477号公報、特開2013−134922号公報、特開2013−145724号公報、特開2013−137873号公報等に記載されているように、従来、リチウムイオン二次電池に用いられる電解液においては、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネート等の比誘電率及び双極子モーメントの高い有機溶媒を約30体積%以上で含有する混合有機溶媒を用い、かつ、リチウム塩を概ね1mol/Lの濃度で含むことが技術常識となっていた。そして、これらの文献に記載のとおり、電解液の改善検討においては、リチウム塩とは別個の添加剤に着目して行われるのが一般的であった。
本発明の蓄電装置においては、電解液として、特定の電解質からなる金属塩と、専ら比誘電率および/または双極子モーメントの低い有機溶媒を含むヘテロ元素含有有機溶媒とを組み合わせて使用することができる。また、有機溶媒と金属塩とのモル比に着目し、当該モル比を特定の範囲とすることができる。このような電解液は従来ない新規な電解液であり、本発明の蓄電装置にこのような新規の電解液を併用する場合には、蓄電装置の更なる性能向上を望み得る。以下、必要に応じて、上記の「特定の電解質からなる金属塩と、専ら比誘電率および/または双極子モーメントの低い有機溶媒を含むヘテロ元素含有有機溶媒とを組み合わせ」た新規の電解液を「選択電解液」と称して一般的な電解液と区別する。
比誘電率が10以下及び/若しくは双極子モーメントが5D以下の特定有機溶媒、又は前記特定有機溶媒を含むヘテロ元素含有有機溶媒と、
アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルミニウムをカチオンとし、下記一般式(2)で表される化学構造をアニオンとする金属塩と、を含有するものを選択できる。
(R3X1)(R4SO2)N………一般式(2)
(R3は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R4は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
また、R3とR4は、互いに結合して環を形成しても良い。
X1は、SO2、C=O、C=S、RaP=O、RbP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Ra、Rbは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Ra、Rbは、R3又はR4と結合して環を形成しても良い。)
(R31、R41は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
また、R31とR41は、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X2は、SO2、C=O、C=S、RcP=O、RdP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rc、Rdは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rc、Rdは、R31又はR41と結合して環を形成しても良い。)
(R32、R42は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。
また、R32とR42は、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+b+c+d+eを満たす。)
(R5、R6は、それぞれ独立に、鎖状アルキルであるCnHaFbClcBrdIe、又は、環状アルキルを化学構造に含むCmHfFgClhBriIjのいずれかから選択される。nは1以上の整数、mは3以上の整数、a、b、c、d、e、f、g、h、i、jはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e、2m=f+g+h+i+jを満たす。)
(R51、R61は、それぞれ独立に、鎖状アルキルであるCnHaFb、又は、環状アルキルを化学構造に含むCmHfFgのいずれかから選択される。nは1以上の整数、mは3以上の整数、a、b、f、gはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b、2m=f+gを満たす。)
なお、本明細書においては、「選択電解液は、ヘテロ元素含有有機溶媒と前記金属塩とをモル比1〜8で含む」などと表現することもある。本明細書でいう上記モル比とは、前者を後者で除した値、すなわち、(選択電解液に含まれるヘテロ元素含有有機溶媒のモル数)/(選択電解液に含まれる金属塩のモル数)の値を意味する。選択電解液を用いた二次電池は、電極/電解液界面で形成されるSEI被膜が従来の有機溶媒由来成分主体ではなく低抵抗なS=O構造を有する金属塩由来成分を多く含んでおり、かつ被膜中のLiイオン濃度が高い等の理由によって、反応抵抗が比較的小さい。上記モル比1〜8の範囲の意義は、二次電池の反応抵抗が比較的小さい範囲であって、かつ、電解液のイオン伝導度が好適な範囲である。モル比3〜6であれば、二次電池の反応抵抗、電解液のイオン伝導度、それらの温度特性のバランスを考慮してより好適な範囲であるといえる。本発明の電解液における、ヘテロ元素含有有機溶媒と前記金属塩とのモル比は、上記したように1〜8の範囲内であるのが好ましく、2〜6の範囲内であるのがより好ましく、3〜5.5の範囲内であるのがさらに好ましい。さらには、3.2〜5.2の範囲内がより好ましく、3.5〜5の範囲内であるのが最も好ましい。なお、従来の電解液は、ヘテロ元素含有有機溶媒と、電解質若しくは金属塩とのモル比が概ね10程度である。
さらに、当該カチオンは負極活物質の内部にも移動可能であると考えられ、負極活物質に移動した当該カチオンは充放電によって負極活物質に移動した支持塩のカチオンと同様に充放電反応に寄与できると推測される。例えば蓄電装置がリチウムイオン二次電池であれば電池容量の増加等が期待できる。また、リチウムイオンキャパシタであれば、負極活物質に移動した当該カチオンにより負極活物質にプレドープしたかの如き効果が生じると推測され、その結果、負極活物質の電位低下を期待し得る。つまり、電極用金属塩を正極活物質層に配合したことで、本発明の蓄電装置にはこれら各種の優れた電池特性が付与されると推測される。
実施例1のリチウムイオン二次電池を以下のとおり製造した。
正極集電体として厚み15μmのアルミニウム箔を準備した。このアルミニウム箔の表面に、ドクターブレードを用いて上記二次スラリーが膜状になるように塗布した。二次スラリーが塗布されたアルミニウム箔を80℃で20分間乾燥し、その後プレスして接合物を得た。得られた接合物を真空乾燥機で120℃、6時間加熱乾燥して、正極活物質層が形成されたアルミニウム箔を得た。これを実施例1の正極とした。
実施例1の正極における正極活物質層は、正極活物質、導電助剤、結着剤および電極用金属塩の質量の和を100質量%としたときに、電極用金属塩である(CF3SO2)2NLiを3質量%含む。
上記の正極と負極とでセパレータを挟持し、極板群とした。この極板群を二枚一組のラミネートフィルムで覆い、三辺をシールした後、袋状となったラミネートフィルムに上記の電解液を注入した。その後、残りの一辺をシールすることで、四辺が気密にシールされ、極板群および電解液が密閉されたリチウムイオン二次電池を得た。この電池を実施例1のリチウムイオン二次電池とした。
実施例2のリチウムイオン二次電池は、正極活物質層が電極用金属塩である(CF3SO2)2NLiを1質量%含むこと以外は、実施例1のリチウムイオン二次電池と同じものである。
実施例3のリチウムイオン二次電池は、電解液以外は実施例1のリチウムイオン二次電池と同じである。実施例3のリチウムイオン二次電池で用いた電解液は、以下のように製造した。
エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを3:3:4の体積比で加えた有機溶媒に、支持塩としてのLiPF6を溶解させて、LiPF6の濃度が1.0mol/Lである電解液を製造した。この電解液は有機溶媒10モルに対して支持塩約1モルを含む。なお、実施例3で用いたジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートは特定有機溶媒であり、エチレンカーボネートは他のヘテロ有機溶媒である。また、実施例3で用いた電解液は選択電解液ではない。
実施例4のリチウムイオン二次電池は、正極活物質層が電極用金属塩である(CF3SO2)2NLiを1質量%含むこと以外は、実施例3のリチウムイオン二次電池と同じものである。
比較例1のリチウムイオン二次電池は、負極活物質層に電極用金属塩を含まないこと以外は、実施例1のリチウムイオン二次電池と同じものである。
比較例2のリチウムイオン二次電池は、負極活物質層に電極用金属塩を含まないこと以外は実施例3のリチウムイオン二次電池と同じものである。
LiFSA:(FSO2)2NLi
LiTFSA:(CF3SO2)2NLi
DMC:ジメチルカーボネート
EMC:エチルメチルカーボネート
EC:エチレンカーボネート
DMC:ジメチルカーボネート
上記した実施例1〜4および比較例1、2のリチウムイオン二次電池について、先ず、25℃、0.1Cレートの定電流で、4.1V(vs.Li基準)まで充電した後に3.0V(vs.Li基準)まで放電した。
上記した初回充放電後、25℃、1Cレートの定電流で、3.0V〜4.1Vの範囲で充放電を50回繰り返した。
上記した電池の活性化後、各リチウムイオン二次電池を25℃でSOC(state of charge)60%となるように充電した。なお、リチウムイオン二次電池を3Vから4.1Vまで充電する間の電流容量をSOC100%とした。その後、各リチウムイオン二次電池に対し、−10℃で交流インピーダンスを測定した。複素平面プロットにおいて周波数0.1〜1000Hzに対応するプロットが描いた円弧状の成分を反応抵抗として測定した。表4に実施例2および比較例1の正極の反応抵抗を示す。
上記した電池の活性化後、実施例1〜4および比較例1、2の各リチウムイオン二次電池を25℃、1Cレートの定電流で、3.0Vと4.2Vとの間の充放電を200サイクル繰り返した。そして、1サイクル目の放電容量と200サイクル目の放電容量とを基に、各リチウムイオン二次電池の容量維持率を算出した。詳しくは、容量維持率(%)は(200サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100により算出した。サイクル特性評価試験の結果を既出の表4に示す。
また、この結果から、電解液および電荷担体の種類ならびにその濃度を問わず、正極活物質層中における電極用金属塩含有量が高い程リチウムイオン二次電池の容量維持率が高く、サイクル耐久性に優れることもわかる。
さらに、実施例1、2と実施例3、4とを比較すると、選択電解液を用いた実施例1、2のリチウムイオン二次電池は、選択電解液を用いていない実施例3、4のリチウムイオン二次電池に比べて容量維持率が向上していた。この結果から、本発明の正極と選択電解液とを併用した本発明の蓄電装置は、さらに容量維持率が高く、サイクル耐久性に優れるといえる。
上記サイクル特性評価試験後の実施例2および実施例4のリチウムイオン二次電池につき、電解液に溶出した電極用金属塩の濃度を測定した。
先ず、サイクル特性評価試験後つまり200サイクル経過後の実施例2および実施例4のリチウムイオン二次電池を解体し、各リチウムイオン二次電池の電解液をそれぞれ回収した。
この分析サンプルをNMR分析し、フッ素の信号を取得した。電極用金属塩たるLiTFSAに由来する信号と、内部標準たるジフルオロベンゼンに由来する信号と、の強度比から、電解液中に溶出したLiTFSA濃度を算出した。結果を表5に示す。
実施例2のリチウムイオン二次電池と実施例4のリチウムイオン二次電池との相違点は電解液のみであるため、上記の結果は電解液の違いによるものと考えられる。つまり、実施例2のリチウムイオン二次電池で用いた電解液は、選択電解液であり、比誘電率の低い有機溶媒を主成分とするとともに支持塩の濃度も高い。このような選択電解液を用いたことにより、電解液へのLiTFSAの溶出が抑制されたものと考えられる。つまり、選択電解液と本発明の正極とを組み合わせた本発明の蓄電装置によると、電解液へのLiTFSA等の電極用金属塩の溶出が抑制され、正極の反応抵抗低減や蓄電装置の耐久劣化抑制といった本発明の効果がより好適に得られると考えられる。
Claims (9)
- 下記一般式(1)で表される金属塩を含む正極活物質層を有する、蓄電装置用正極。
(R1SO2)(R2SO2)NLi………一般式(1)
(R1およびR2はそれぞれ独立してフルオロアルキル基またはアルキル基である。
また、R1およびR2は、互いに結合して環を形成しても良い。) - 前記金属塩は、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)2NLi、(SO2CF2CF2SO2)NLi、および、(SO2CF2CF2CF2SO2)NLiから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の蓄電装置用正極。
- 請求項1または請求項2に記載の蓄電装置用正極と、負極と、電解液とを有する、蓄電装置。
- 前記電解液は、比誘電率が10以下および/または双極子モーメントが5D以下の特定有機溶媒を含むヘテロ元素含有有機溶媒を含有する、請求項3に記載の蓄電装置。
- 前記電解液は、
前記特定有機溶媒または前記ヘテロ元素含有有機溶媒と、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムをカチオンとし下記一般式(2)で表される化学構造をアニオンとする金属塩と、を含有する、請求項4に記載の蓄電装置。
(R3X1)(R4SO2)N………一般式(2)
(R3は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R4は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
また、R3とR4は、互いに結合して環を形成しても良い。
X1は、SO2、C=O、C=S、RaP=O、RbP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Ra、Rbは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Ra、Rbは、R3またはR4と結合して環を形成しても良い。) - 前記電解液は、前記特定有機溶媒または前記ヘテロ元素含有有機溶媒が、前記金属塩に対し、モル比3〜6で含まれる、請求項5に記載の蓄電装置。
- 前記ヘテロ元素含有有機溶媒は、前記特定有機溶媒を80体積%以上または80モル%以上で含む、請求項4〜請求項6の何れか一項に記載の蓄電装置。
- 前記特定有機溶媒は、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、またはジエチルカーボネートから選ばれる少なくとも1種である請求項4〜請求項7の何れか一項に記載の蓄電装置。
- 前記正極活物質層は、上限電位3V以上6V未満の正極活物質を含む、請求項3〜請求項8の何れか一項に記載の蓄電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015187899A JP6661934B2 (ja) | 2015-09-25 | 2015-09-25 | 蓄電装置用正極および蓄電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015187899A JP6661934B2 (ja) | 2015-09-25 | 2015-09-25 | 蓄電装置用正極および蓄電装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017062959A true JP2017062959A (ja) | 2017-03-30 |
JP6661934B2 JP6661934B2 (ja) | 2020-03-11 |
Family
ID=58430231
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015187899A Active JP6661934B2 (ja) | 2015-09-25 | 2015-09-25 | 蓄電装置用正極および蓄電装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6661934B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018025469A1 (ja) * | 2016-08-05 | 2018-02-08 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | リチウムイオン二次電池及びその製造方法 |
JPWO2017145677A1 (ja) * | 2016-02-26 | 2018-11-01 | 国立大学法人 東京大学 | 電解液 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09171814A (ja) * | 1995-01-25 | 1997-06-30 | Ricoh Co Ltd | リチウム二次電池用負極および該負極を用いたリチウム二次電池 |
JP2005317493A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-11-10 | Hitachi Maxell Ltd | 非水二次電池およびこれを用いた電子機器 |
JP2007188875A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-07-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 非水電解液二次電池 |
JP2008218385A (ja) * | 2006-09-19 | 2008-09-18 | Sony Corp | 電極およびその形成方法ならびに電池 |
JP2009129797A (ja) * | 2007-11-27 | 2009-06-11 | Gs Yuasa Corporation:Kk | 非水電解質電池 |
JP2011071100A (ja) * | 2009-08-31 | 2011-04-07 | Sanyo Electric Co Ltd | 非水電解質二次電池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池 |
US20150188187A1 (en) * | 2014-01-02 | 2015-07-02 | Wildcat Discovery Technologies, Inc. | Solid state electrolyte and electrode compositions |
-
2015
- 2015-09-25 JP JP2015187899A patent/JP6661934B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09171814A (ja) * | 1995-01-25 | 1997-06-30 | Ricoh Co Ltd | リチウム二次電池用負極および該負極を用いたリチウム二次電池 |
JP2005317493A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-11-10 | Hitachi Maxell Ltd | 非水二次電池およびこれを用いた電子機器 |
JP2007188875A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-07-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 非水電解液二次電池 |
JP2008218385A (ja) * | 2006-09-19 | 2008-09-18 | Sony Corp | 電極およびその形成方法ならびに電池 |
JP2009129797A (ja) * | 2007-11-27 | 2009-06-11 | Gs Yuasa Corporation:Kk | 非水電解質電池 |
JP2011071100A (ja) * | 2009-08-31 | 2011-04-07 | Sanyo Electric Co Ltd | 非水電解質二次電池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池 |
US20150188187A1 (en) * | 2014-01-02 | 2015-07-02 | Wildcat Discovery Technologies, Inc. | Solid state electrolyte and electrode compositions |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2017145677A1 (ja) * | 2016-02-26 | 2018-11-01 | 国立大学法人 東京大学 | 電解液 |
WO2018025469A1 (ja) * | 2016-08-05 | 2018-02-08 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | リチウムイオン二次電池及びその製造方法 |
JPWO2018025469A1 (ja) * | 2016-08-05 | 2019-05-30 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | リチウムイオン二次電池及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6661934B2 (ja) | 2020-03-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6450395B2 (ja) | 電解液 | |
US11201354B2 (en) | Electrolytic solution and lithium ion secondary battery | |
US11271242B2 (en) | Lithium ion secondary battery | |
JP6402957B2 (ja) | 電極表面に被膜を具備する二次電池の製造方法 | |
WO2016079919A1 (ja) | 電解液 | |
WO2017179411A1 (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
JP2017191744A (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
JP6661934B2 (ja) | 蓄電装置用正極および蓄電装置 | |
JP2018045794A (ja) | 電解液 | |
JP6957986B2 (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
JP6661935B2 (ja) | 蓄電装置用負極および蓄電装置 | |
JP2019021393A (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
JP2017199572A (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
KR102147076B1 (ko) | 전해액 | |
JP6423330B2 (ja) | アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルミニウムをカチオンとする塩と、ヘテロ元素を有する有機溶媒とを含む電解液群 | |
JP2015141824A (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JP2015141823A (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JP2019129041A (ja) | 電解液 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180608 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190516 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190521 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190621 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191024 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191202 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200114 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200127 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6661934 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |