JP2017062898A - 炭素材、及び、非水系二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
球形化天然黒鉛では、非晶質炭素による被覆や、球形化の強度が高く、粒子内空隙が塞がれることで、Liイオンの移動性が低下し、出力特性が不十分であった。また、粒子強度も高いため、球形化天然黒鉛を構成する粒子同士の結着性も高く、プレス性も不十分であった。
本発明にかかる炭素材が前記効果を奏する理由については、次の様に考えている。
<1>
リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な非水系二次電池用炭素材であって、該炭素材に下記方法で超音波処理を施した時、該炭素材の体積基準平均粒径が超音波処理前後で0.8μm以上変化することを特徴とする非水系二次電池用炭素材。
(超音波処理の方法)
炭素材100mgを水30mlに均一に分散させた分散液を底面が半径2cmの円柱状ポリプロピレン製容器に入れ、20kHzの超音波ホモジナイザーの半径3mmの円柱状チップを2cm以上分散液に浸し、分散液を10℃以上40℃以下に保ちながら、出力15Wで10分間超音波を照射する。
<2>
体積基準平均粒径が1μm以上30μm以下であることを特徴とする<1>に記載の非水系二次電池用炭素材。
<3>
タップ密度が0.8g/cm3以上であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の非
水系二次電池用炭素材。
<4>
前記方法で超音波処理を施したとき、体積基準モード径が超音波処理前後で0.5μm以上変化することを特徴とする<1>乃至<3>の何れかに記載の非水系二次電池用炭素材。
<5>
d90/d10が2以上10以下であることを特徴とする<1>乃至<4>の何れかに記載の非水系二次電池用炭素材。
<6>
BET比表面積が17m2/g以下であることを特徴とする<1>乃至<5>の何れかに記載の非水系二次電池用炭素材。
<7>
バルクメソフェーズ人造黒鉛及び天然黒鉛を含む複合粒子であることを特徴とする<1>乃至<6>の何れかに記載の非水系二次電池用炭素材。
<8>
リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに、電解質を備えると共に、該負極が集電体と該集電体上に形成された負極活物質層とを備えると共に、該負極活物質層が<1>乃至<7>の何れかに記載の炭素材を含有することを特徴とする非水系二次電池。
本発明の非水系二次電池用炭素材は、後述する条件で超音波処理を施した時、該炭素材の体積基準平均粒径が超音波処理前後で0.8μm以上変化するように製造すれば特に制限はないが、達成手段の一つとしては、d50が80μm以下となるように粒度を調整した鱗片状黒鉛を球形化(造粒)処理する際に生成する微粉を、球形化処理した黒鉛(以降、球形化黒鉛と称すことがある。)となる母材に付着、及び/又は球形化黒鉛の粒子に内包しながら球形化処理することにより、得ることができる。
1)前記原料炭素材を造粒する工程時に液体
2)造粒剤が有機溶剤を含まないか、有機溶剤を含む場合、有機溶剤の内、少なくとも1種は引火点を有さない、又は引火点を有するときには該引火点が5℃以上である。
上記造粒工程を有すれば、必要に応じて別の工程を更に有していてもよい。別の工程は単独で実施してもよいし、複数工程を同時に実施してもよい。
また、本発明においては、人造黒鉛と天然黒鉛を複合化させても良い。例えば、人造黒
鉛やその前駆体であるバルクメソフェーズ炭素材料(ピッチ原料を400〜600℃で熱処理した生コークスや、生コークスをさらに800〜1800℃で熱処理した仮焼コークス)と天然黒鉛を複合化させてもよい。中でも、複数の人造黒鉛の前駆体である生コークスと天然黒鉛を造粒させることが、複合化の工程の際に生じる黒鉛結晶の欠陥が黒鉛化後の人造黒鉛製品にも残存しないため好ましい。
一実施形態としては、以下の第1工程乃至第4工程を含む。
(第2工程)原料炭素材と造粒剤とを混合する工程
(第3工程)原料炭素材を造粒する工程
(第4工程)造粒された炭素材を黒鉛化する工程 以下、これら工程について説明する。
本発明で用いる原料炭素材は特に限定されず、人造黒鉛やその前駆体であるバルクメソフェーズ炭素材料、天然黒鉛を使用することが出来る。また、酸化物やその他金属を含んでいてもよい。その他金属としては、Sn、Si、Al、BiなどのLiと合金化可能な金属が挙げられる。
バルクメソフェーズ炭素材料の製造方法は特に制限されないが、例えば下記の方法で製造することができる。
(出発材料)
出発材料としては、ピッチ原料を用いることが好ましい。なお、本明細書において「ピッチ原料」とは、ピッチ及びそれに順ずるものであり、適当な処理を行なうことによって黒鉛化することができるものをいう。具体的なピッチ原料の例としては、上述した炭素質物となる有機化合物の項に記載の石油系重質油、石炭系重質油、直流系重質油、分解系石油重質油などを用いることができる。これらの中でも石油系重質油や石炭系重質油がランダムで均一な結晶成長が起こりやすくより好ましい。これらのピッチ原料は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
中でも、ピッチ原料中に含まれるキノリン不溶分の含有量が0.000〜20.000質量%、好ましくは0.001〜10.000質量%、更に好ましくは0.002〜7.000質量%の範囲であるものが好ましい。キノリン不溶分とは、コールタールなどのピッチ原料中に微量に含まれるサブミクロン単位の炭素粒子や極微小なスラッジ等であり、これが多すぎると黒鉛化過程での結晶性向上を著しく阻害し、黒鉛化後の放電容量の著しい低下を招く。なお、キノリン不溶分の測定方法としては、例えばJIS K2425に規定された方法を用いることができる。
本発明の効果を妨げない限り、出発材料として上述のピッチ原料に加え、各種の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を併用しても良い。
選択したピッチ原料を出発材料として用いて、熱処理を施し、黒鉛結晶の前駆体であるバルクメソフェーズ(本発明においては、バルクメソフェーズを黒鉛結晶前駆体ともいう。)を得る。
℃未満であると揮発分が多くなるため、大気中で安全にバルクメソフェーズの粉砕が行い難くなる一方で、600℃を超えると黒鉛結晶が過度に発達してしまい、バルクメソフェーズの粉砕時に生じる黒鉛結晶の欠陥が黒鉛化後の人造黒鉛製品にも残存するため、電解液との副反応が増加し、初期効率、保存特性、サイクル特性が低下する恐れがある。
熱処理に用いる装置としては、特に制限はないが、例えば、シャトル炉、トンネル炉、電気炉、オートクレーブ等の反応槽、コーカー(コークス製造の熱処理槽)などを用いることができる。熱処理時には、必要に応じて炉内等で攪拌を行なっても良い。
好ましくは4〜30質量%、より好ましくは8〜20質量%である。揮発分が4質量%未満であると、粉砕時に粒子が単一結晶ごとに割れ、偏平な粒子になりやすく極板にしたときに配向しやすい傾向がある。揮発分が30質量%を超えると、揮発分が多いため大気中で安全に粉砕を実施し難い。
次に、バルクメソフェーズを粉砕する。揮発分を8〜20質量%に制御した状態で粉砕することにより、粉砕時のダメージを低減し、さらに粉砕後の黒鉛化時に欠陥を修復できるので好ましい。
なお、通常の粉砕とは、物質に力を加えて、その大きさを減少させ、物質の粒径や粒度分布等を調節する操作をいう。
一方、上記粒度が5000μmを超えると、粉砕による微細化効果が薄れ結晶が配向し易くなり、黒鉛材料を用いた電極の活物質配向比が低くなり、電池充電時の電極膨張を抑制し難くなる。
粒度とは、例えばレーザー回折/散乱法粒度分布測定による体積基準の粒度分布から得られる50%粒径(d50)をいう。
粉砕処理されたバルクメソフェーズを焼成してもよい。本発明においては、焼成されたバルクメソフェーズを黒鉛結晶前駆体の焼成品ともいう。
焼成は、バルクメソフェーズの有機物由来の揮発分を完全に除去するために行う。
焼成を行なう際の温度は、好ましくは800〜1800℃、より好ましくは1000〜1500℃である。温度が800℃未満であると、揮発分が完全に除去され難くなる。一方、温度が2000℃を超えると、焼成設備に費用が掛かる場合がある。
焼成を行なう時に、温度を上記範囲に保持する保持時間は特に制限されないが、30分以上、72時間以下である。
焼成に用いる装置としては特に制限はないが、例えば、シャトル炉、トンネル炉、電気炉、リードハンマー炉、ロータリーキルン等を用いることができる。
天然黒鉛は、その性状によって、鱗片状黒鉛(Flake Graphite)、鱗状
黒鉛(Crystal Line Graphite)、塊状黒鉛(Vein Grap
hite)、土壌黒鉛(Amorphous Graphite)に分類される(「粉粒体プロセス技術集成」((株)産業技術センター、昭和49年発行)の黒鉛の項、および「HANDBOOK OF CARBON,GRAPHITE,DIAMOND AND
FULLERENES」(NoyesPublications発行)参照)。黒鉛化度は、鱗状黒鉛や塊状黒鉛が100%で最も高く、これに次いで鱗片状黒鉛が99.9%で高く、黒鉛化度が高い黒鉛が本発明において好適である。なかでも不純物の少ないものが好ましく、必要に応じて、公知である種々の精製処理を施して用いることができる。
天然黒鉛としては、例えば、鱗状、鱗片状、塊状又は板状の天然黒鉛が挙げられ、中でも、鱗片状黒鉛が好ましい。
硝酸、もしくは塩酸を含む酸処理を行うと、活性の高い硫黄元となりうる硫酸塩を系内に導入することなく黒鉛中の金属、金属化合物、無機化合物などの不純物を除去できるため好ましい。
なお、上記酸処理は、硝酸、もしくは塩酸を含む酸を用いればよく、その他の酸、例えば、臭素酸、フッ酸、ホウ酸あるいはヨウ素酸などの無機酸、または、クエン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、トリクロロ酢酸あるいはトリフルオロ酢酸などの有機酸を適宜混合した酸を用いることもできる。好ましくは濃フッ酸、濃硝酸、濃塩酸であり、より好ましくは濃硝酸、濃塩酸である。なお、本製法において硫酸にて黒鉛を処理してもよいが、本発明の効果や物性を損なわない程度の量と濃度にて用いることとする。酸を複数用いる場合は、例えば、フッ酸、硝酸、塩酸の組み合わせが、上記不純物を効率良く除去できるため好ましい。
内空隙へと効率的に行き渡ることが出来るようになり、粒子内のLiイオン挿入脱離サイトを効率的に利用できようになるため、出力特性やサイクル特性が向上する傾向にある。さらに、球形化黒鉛の円形度を高く調整することができるため、Liイオン拡散の屈曲度が上がることなく粒子間空隙中のスムーズな電解液移動が可能となり、急速充放電特性が向上する。
また、平均粒径が上記範囲にある場合、造粒工程中に生成する微粉を、造粒された黒鉛(以降、造粒炭素材と称す。)となる母材に付着或いは母材の内部に包む込みながら造粒することが可能になり、球形化度が高く微粉が少ない造粒炭素材を得ることが出来る。
粉砕に用いる装置に特に制限はないが、例えば、粗粉砕機としてはせん断式ミル、ジョークラッシャー、衝撃式クラッシャー、コーンクラッシャー等が挙げられ、中間粉砕機としてはロールクラッシャー、ハンマーミル等が挙げられ、微粉砕機としては、機械式粉砕機、気流式粉砕機、旋回流式粉砕機等が挙げられる。具体的には、ボールミル、振動ミル、ピンミル、攪拌ミル、ジェットミル、サイクロンミル、ターボミル等が挙げられる。特に、10μm以下の黒鉛粒子を得る場合には、気流式粉砕機や旋回流式粉砕機を用いることが好ましい。
分級処理に用いる装置としては特に制限はないが、例えば、乾式篩い分けの場合は、回転式篩い、動揺式篩い、旋動式篩い、振動式篩い等を用いることができ、乾式気流式分級の場合は、重力式分級機、慣性力式分級機、遠心力式分級機(クラシファイア、サイクロン等)を用いることができ、また、湿式篩い分け、機械的湿式分級機、水力分級機、沈降分級機、遠心式湿式分級機等を用いることができる。
本発明の実施形態で用いる造粒剤は、1)前記原料炭素材を造粒する工程時に液体及び2)造粒剤が有機溶剤を含まないか、有機溶剤を含む場合、有機溶剤の内、少なくとも1種は引火点を有さない、又は引火点を有するときには該引火点が5℃以上、の条件を満足するものである。
上記要件を満たす造粒剤を有することで、続く第3工程における原料炭素材を造粒する工程の際に、原料炭素材間を造粒剤が液架橋することにより、原料炭素材間に液橋内の毛管負圧と液の表面張力によって生じる引力が粒子間に液架橋付着力として働くため、原料炭素材間の液架橋付着力が増大し、原料炭素材がより強固に付着することが可能となる。
HOPG表面に1.2μLの造粒剤を滴下し、濡れ広がりが収束して一秒間の接触角θの変化率が3%以下となったとき(定常状態ともいう)の接触角を接触角測定装置(協和界面社製自動接触角計DM−501)にて測定する。ここで、25℃における粘度が500cP以下の造粒剤を用いる場合には25℃における値を、25℃における粘度が500cPより大きい造粒剤を用いる場合には、粘度が500cP以下となる温度まで加温した温度における接触角θの測定値とする。
ため、黒鉛粒子間の液架橋付着力が増大し、黒鉛粒子同士がより強固に付着することが可能となる。従って、前記造粒剤の黒鉛との接触角θは85°以下であることがより好ましく、80°以下であることが更に好ましく、50°以下であることがこと更に好ましく、30°以下であることが特に好ましく、20°以下であることが最も好ましい。
造粒剤の表面張力γは、表面張力計(例えば、協和界面科学株式会社製DCA−700)を用いてWilhelmy法により測定する。
また造粒剤の、25℃における粘度が1cP以上100000cP以下であることが好ましく、5cP以上10000cP以下であることがより好ましく、10cP以上8000cP以下であることが更に好ましく、50cP以上6000cP以下であることが特に好ましい。粘度が上記範囲内にあると、原料炭素材を造粒する際に、ローターやケーシングとの衝突などの衝撃力による付着粒子の脱離を妨ぐことが可能となる。
グリコール、テトラエチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、メトキシプロパノール、メトキシプロピル−2−アセテート、メトキシメチルブタノール、メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、などのグリコール類誘導体類や、1,4−ジオキサンなどのエーテル類や、ジメチルホルムアミド、ピリジン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンなどの含窒素化合物、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどの含ハロゲン化合物、及びそれらの混合物などがあげられ、例えばトルエンのような引火点が低い物は含まれない。これら有機溶剤は単体で造粒剤としても用いることが出来る。なお、本明細書において、引火点は、公知の方法により測定できる。
炭素材は、原料炭素材に衝撃圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を与えることにより球形化処理(以下、造粒とも称する)を施したものであることが好ましい。また、該球形
化黒鉛は、複数の鱗片状又は鱗状黒鉛、及び磨砕された黒鉛微粉からなるものであることが好ましい。
本発明の実施形態は、少なくとも衝撃、圧縮、摩擦、及びせん断力のいずれかの力学的エネルギーを付与して原料炭素材を造粒する造粒工程を有することが好ましい。
この工程に用いる装置としては、例えば、衝撃力を主体に、原料炭素材の相互作用も含めた圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を繰り返し与える装置を用いることができる。
このような装置としては、例えば、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロン、クリプトロンオーブ(アーステクニカ社製)、CFミル(宇部興産社製)、メカノフュージョンシステム、ノビルタ、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)、COMPOSI(日本コークス工業製)等が挙げられる。これらの中で、奈良機械製作所社製のハイブリダイゼーションシステムが好ましい。
また、原料炭素材に機械的作用を与える処理は、単に原料炭素材を通過させるだけでも可能であるが、原料炭素材を30秒以上、装置内を循環又は滞留させて処理するのが好ましく、より好ましくは1分以上、更に好ましくは3分以上、特に好ましくは5分以上、装置内を循環又は滞留させて処理する。
調整しても良いし、別途適切なタイミングで添加・混合してもよい。
粒子間介在物を介する物理的及び/または化学的架橋力としては、液体性介在物、固体性介在物、を介する物理的及び/または化学的架橋力が挙げられる。上記化学的架橋力としては、粒子と粒子間介在物との間で化学反応、焼結、メカノケミカル効果などにより、共有結合、イオン結合、水素結合等が形成された場合の架橋力が挙げられる。
造粒された炭素材の原料にバルクメソフェーズ炭素材料を用いている場合は、次に黒鉛化を行うことで本発明の好ましい炭素材を得ることができる。
黒鉛化は、電池評価における放電容量を大きくするために、炭素材の結晶性を向上させるために行う。
黒鉛化を行なう時に保持時間は特に制限されないが、通常1分よりも長い時間であり、72時間以下である。
黒鉛化に使用する装置としては特に制限はないが、例えば、直接通電炉、アチソン炉、間接通電式として抵抗加熱炉、誘導加熱炉等が挙げられる。
なお、黒鉛化を行う時、若しくはそれ以前の工程、即ち、熱処理から焼成までの工程において、Si、B、Ni等の黒鉛化触媒を材料(ピッチ原料又は熱処理黒鉛結晶前駆体)の中に組み込むか、材料の表面に上記黒鉛化触媒を接触させても良い。
その他、発明の効果が妨げられない限りにおいて、上記の各処理に加え、再分級処理等の各種の処理を行なうことができる。再分級処理は、造粒後、黒鉛化処理後の粒度を目的の粒径にするべく、粗粉や微粉を除去するためのものである。
分級処理に用いる装置としては特に制限はないが、例えば、乾式篩い分けの場合:回転式篩い、動揺式篩い、旋動式篩い、振動式篩い、乾式気流式分級の場合:重力式分級機、慣性力式分級機、遠心力式分級機(クラシファイア、サイクロン等)、湿式篩い分け、機械的湿式分級機、水力分級機、沈降分級機、遠心式湿式分級機等を用いることができる。
再分級処理は、造粒の後、黒鉛化を行う場合は、造粒の後に再分級処理を行ってから黒鉛化しても良く、造粒後黒鉛化した後、再分級処理を行っても良い。再分級処理を省略することも可能である。
前記炭素材とは異なる炭素材料としては、例えば天然黒鉛、人造黒鉛、炭素材を炭素質物で被覆した被覆黒鉛、非晶質炭素、金属粒子や金属化合物を含有した炭素材の中から選ばれる材料を用いることができる。これらの材料は、何れかを一種を単独で用いても良く、二種以上を任意の組み合わせ及び組成で併用しても良い。
天然黒鉛のBET比表面積は、通常1m2/g以上、好ましくは2m2/g以上、また、通常30m2/g以下、好ましくは15m2/g以下の範囲である。比表面積がこの範囲であれば、高速充放電特性、生産性が良好となるため好ましい。
また、天然黒鉛のタップ密度は、通常0.6g/cm3以上、0.7g/cm3以上が好ましく、0.8g/cm3以上がより好ましく、0.85g/cm3以上が更に好ましい。また、通常1.3g/cm3以下、1.2g/cm3以下が好ましく、1.1g/cm3以下がより好ましい。この範囲であれば高速充放電特性、生産性が良好となるため好ましい。
人造黒鉛の体積基準平均粒径は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常60μm以下、好ましくは40μm、更に好ましくは30μm以下の範囲である。この範囲であれば、極板膨れの抑制や生産性が良好となるため好ましい。
人造黒鉛のBET比表面積は、通常0.5m2/g以上、好ましくは1.0m2/g以
上、また、通常8m2/g以下、好ましくは6m2/g以下、更に好ましくは4m2/g以下の範囲である。この範囲であれば、極板膨れの抑制や生産性が良好となるため好ましい。
被覆黒鉛のBET比表面積は、通常1m2/g以上、好ましくは2m2/g以上、更に好ましくは2.5m2/g以上、また、通常20m2/g以下、好ましくは10m2/g以下、更に好ましくは8m2/g以下、特に好ましくは5m2/g以下の範囲である。比表面積がこの範囲であれば、高速充放電特性、生産性が良好となるため好ましい。
非晶質炭素の体積基準平均粒径は、通常5μm以上、好ましくは12μm以上、また、通常60μm以下、好ましくは40μm以下の範囲である。この範囲であれば、高速充放電特性、生産性が良好となるため好ましい。
非晶質炭素のBET比表面積は、通常1m2/g以上、好ましくは2m2/g以上、更に好ましくは2.5m2/g以上、また、通常8m2/g以下、好ましくは6m2/g以下、更に好ましくは4m2/g以下の範囲である。比表面積がこの範囲であれば、高速充放電特性、生産性が良好となるため好ましい。
金属からなる合金を使用してもよく、金属粒子が、2種以上の金属元素により形成された合金粒子であってもよい。これらの中でも、Si、Sn、As、Sb、Al、Zn及びWからなる群から選ばれる金属又はその化合物が好ましく、中でも好ましくはSi及びSiOxである。この一般式SiOxは、二酸化Si(SiO2)と金属Si(Si)とを原料として得られるが、そのxの値は通常0<x<2であり、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.4以上、更に好ましくは0.6以上であり、好ましくは1.8以下、より好ましくは1.6以下、更に好ましくは1.4以下である。この範囲であれば、高容量であると同時に、Liと酸素との結合による不可逆容量を低減させることが可能となる。
金属粒子のBET比表面積は、通常0.5m2/g以上120m2/g以下、1m2/g以上100m2/g以下であることが好ましい。比表面積が前記範囲内であると、電池の充放電効率および放電容量が高く、高速充放電においてリチウムの出し入れが速く、出力特性に優れるので好ましい。
ill型混合機、流動化型混合機等を用いることができる。
本発明の炭素材は、下記方法で超音波処理を施した時、該炭素材の体積基準平均粒径が超音波処理前後で0.8μm以上変化することを特徴とする。
(超音波処理の方法)
炭素材100mgを水30mlに均一に分散させた分散液を底面が半径2cmの円柱状ポリプロピレン製容器に入れ、20kHzの超音波ホモジナイザーの半径3mmの円柱状チップを2cm以上分散液に浸し、分散液を10℃以上40℃以下に保ちながら、出力15Wで10分間超音波を照射する。
本発明の炭素材の超音波処理後の体積基準平均粒径(平均粒径d50)変化量は、0.8μm以上、好ましくは1.0μm以上、より好ましくは1.5μm以上、更に好ましくは2μm以上、殊更に好ましくは3μm以上、特に好ましくは4μm以上、また通常20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは12μm以下、特に好ましくは10μm以下である。変化量が少なすぎる場合、粒子内の空隙が少なくなり、粒子内へのLiイオンの拡散が悪く、出力特性の悪化を招く。変化量が大きすぎる場合、極板強度が弱くなり、電池製造工程性の悪化につながる場合がある。
超音波処理前後の体積基準平均粒径の測定方法は後述する。
・体積基準平均粒径(平均粒径d50)
炭素材の体積基準平均粒径(「平均粒径d50」、又は「メジアン径」とも記載する。)は好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上、殊更に好ましくは8μm以上、特に好ましくは10μm以上、最も好ましくは12μm以上である。また平均粒径d50は、好ましくは30μm以下、より好ましくは28μm以下、更に好ましくは25μm以下、特に好ましくは23μm以下である。上記範囲内であれば、不可逆容量の増加を抑制でき、またスラリー塗布における筋引きなどの生産性が損なわれないといった傾向がある。
炭素材の体積基準モード径(「モード径」とも記載する)は好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上、殊更に好ましくは8μm以上、特に好ましくは10μm以上、最も好ましくは12μm以上である。また平均粒径d50は、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、更に好ましくは35μm以下、殊更に好ましくは31μm以下、特に好ましくは30μm以下である。上記範囲内であれば、不可逆容量の増加を抑制でき、またスラリー塗布における筋引きなどの生産性が損なわれないといった傾向がある。
炭素材の、上記超音波処理後の体積基準平均粒径は、通常1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは8μm以上、ことさらに好ましくは9μm以上であり、また通常50μm以下、好ましくは40μm以下、より好ましくは35μm以下、更に好ましくは30μm以下、特に好ましくは25μm以下である。上記範囲内であれば、不可逆容量の増加を抑制でき、またスラリー塗布における筋引きなどにより生産性が損なわれないといった傾向がある。
炭素材の、上記超音波後の体積基準モード径は、通常1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは8μm以上、ことさらに好ましくは9μm以上であり、また通常50μm以下、好ましくは40μm以下、より好ましくは35μm以下、更に好ましくは30μm以下、特に好ましくは25μm以下である。上記範囲内であれば、不可逆容量の増加を抑制でき、またスラリー塗布における筋引きなどにより生産性が損なわれないといった傾向がある。
し、測定サンプルに28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、前記測定装置において体積基準のメジアン径及びモード径として測定したものであると定義する。
本発明の炭素材の超音波処理後の体積基準モード径の変化量は、0.5μm以上、好ましくは1.0μm以上、より好ましくは1.3μm以上、更に好ましくは1.6μm以上、殊更に好ましくは2.0μm以上、特に好ましくは3μm以上、最も好ましくは4μm以上、また通常20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは12μm以下、更に好ましくは10μm以下、特に好ましくは8μm以下である。変化量が少なすぎる場合、粒子内の空隙が少なくなり、粒子内へのLiイオンの拡散が悪く、出力特性の悪化を招く。変化量が大きすぎる場合、極板強度が弱くなり、電池製造工程性の悪化につながる場合がある。
本発明の炭素材の円形度は、通常0.88以上、好ましくは0.90以上、より好ましくは0.91以上である。また、円形度は好ましくは1以下、より好ましくは0.98以下、更に好ましくは0.97以下である。円形度が上記範囲内であると、当該炭素材を用いた非水系二次電池の高電流密度充放電特性の低下を抑制できる傾向にある。なお、円形度は以下の式で定義され、円形度が1のときに理論的真球となる。
また、円形度が上記範囲内であると、Liイオン拡散の屈曲度が下がって粒子間空隙中の電解液移動がスムーズになり、且つ適度に炭素材同士が接触することが可能なため、良好な急速充放電特性、及びサイクル特性を示す傾向がある。
(式)
円形度=(粒子投影形状と同じ面積を持つ相当円の周囲長)/(粒子投影形状の実際の周囲長)
本発明の炭素材のタップ密度は通常0.5g/cm3以上、好ましくは0.70g/cm3以上、より好ましくは0.8g/cm3以上、更に好ましくは0.83g/cm3以上、殊更に好ましくは0.85g/cm3以上、特に好ましくは0.88g/cm3以上、より特に好ましくは0.9g/cm3以上、最も好ましくは0.95g/cm3以上であり、好ましくは1.3g/cm3以下であり、より好ましくは1.2g/cm3以下であり、更に好ましくは1.1g/cm3以下である。
前記タップ密度は、粉体密度測定器を用い、直径1.6cm、体積容量20cm3の円筒状タップセルに、目開き300μmの篩を通して本発明の炭素材を落下させて、セルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行なって、その時の体積と試料の質量から求めた密度として定義する。
本発明の炭素材の、学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)は、好ましくは0.335nm以上、0.340nm未満である。ここで、d値はより好ましくは0.339nm以下、更に好ましくは0.337nm以下、特に好ましくは0.336nm以下である。d002値が上記範囲内にあると、黒鉛の結晶性が高いため、初期不可逆容量が増加を抑制する傾向にある。ここで、0.335nmは黒鉛の理論値である。
本発明の炭素材に含まれる灰分は、炭素材の全質量に対して、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以下である。また、灰分の下限は1ppm以上であることが好ましい。
灰分が上記範囲内であると非水系二次電池とした場合に、充放電時の炭素材と電解液との反応による電池性能の劣化を無視できる程度に抑えることができる。また、炭素材の製造に多大な時間とエネルギーと汚染防止のための設備とを必要としないため、コストの上昇も抑えられる。
本発明の炭素材のBET法により測定した比表面積(SA)は、好ましくは0.1m2/g以上、より好ましくは0.5m2/g以上、更に好ましくは0.7m2/g以上、特に好ましくは1m2/g以上である。また、好ましくは17m2/g以下、より好ましくは15m2/g以下である。
比表面積が上記範囲内であると、Liが出入りする部位を十分確保することができるため高速充放電特性出力特性に優れ、活物質の電解液に対する活性も適度抑えることができるため、初期不可逆容量が大きくならず、高容量電池を製造できる傾向にある。
また、炭素材を使用して負極を形成した場合の、その電解液との反応性の増加を抑制でき、ガス発生を抑えることができるため、好ましい非水系二次電池を提供することができる。
X線光電子分光法測定(XPS)としてX線光電子分光器(例えば、アルバック・ファイ社製ESCA)を用い、測定対象(ここでは炭素材)を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、C1s(280〜300eV)とO1s(525〜545eV)のスペクトルを測定する。得られたC1sのピークトップを284.3eVとして帯電補正し、C1sとO1sのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、CとOの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのOとCの原子濃度比O/C(O原子濃度/C原子濃度)×100を炭素材の表面官能基量O/C値と定義する。
本発明の炭素材の真密度は、好ましくは1.9g/cm3以上、より好ましくは2g/cm3以上、更に好ましくは2.1g/cm3以上、殊更に好ましくは2.2g/cm3以上であり、上限は2.26g/cm3である。上限は黒鉛の理論値である。真密度が上記範囲内であると、炭素の結晶性が低すぎず、非水系二次電池とした場合の、その初期不可逆容量の増大を抑制できる傾向にある。
本発明の炭素材の粉末状態でのアスペクト比は、理論上1以上であり、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上である。またアスペクト比は好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは5以下である。
アスペクト比が上記範囲内であると、極板化時に炭素材を含むスラリー(負極形成材料)のスジ引きが起こり難く、均一な塗布面が得られ、非水系二次電池の高電流密度充放電特性の低下を回避する傾向にある。
本発明の炭素材の最大粒径dmaxは、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは120μm以下、特に好ましくは100μm以下、最も好ましくは80μm以下である。dmaxが上記範囲内にあると、筋引きなどの工程不都合の発生を抑制できる傾向にある。
また、最大粒径は、平均粒径d50の測定の際に得られた粒度分布において、粒子が測定された最も大きい粒径の値として定義される。
本発明の炭素材のラマンR値は、特に限定されないが、その値は好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、殊更に好ましくは0.15以上、特に好ましくは0.2以上である。また、ラマンR値は通常1以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.6以下、特に好ましくは0.5以下、最も好ましくは0.4以下である。
なお、本明細書において「1580cm−1付近」とは1580〜1620cm-1の範囲を、「1360cm−1付近」とは1350〜1370cm-1の範囲を指す。
ラマンR値が上記範囲内にあると、炭素材粒子表面の結晶性は高くなり難く、高密度化した場合に負極板と平行方向に結晶が配向し難くなり、負荷特性の低下を回避する傾向にある。さらに、粒子表面の結晶も乱れ難く、負極の電解液との反応性の増大を抑制し、非水系二次電池の充放電効率の低下やガス発生の増加を回避できる傾向にある。
アルゴンイオンレーザー光の波長 :514.5nm
試料上のレーザーパワー :25mW
分解能 :4cm−1
測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
ピーク強度測定、ピーク半値幅測定:バックグラウンド処理、スムージング処理(単純平均によるコンボリューション5ポイント)
本発明の炭素材のDBP(フタル酸ジブチル)吸油量は、好ましくは85ml/100g以下、より好ましくは70ml/100g以下、更に好ましくは65ml/100g以下、特に好ましくは60ml/100g以下である。また、DBP吸油量は好ましくは30ml/100g以上、より好ましくは40ml/100g以上である。
また、DBP吸油量は、JIS K6217に準拠し、測定材料(炭素材)を40g投入し、滴下速度4ml/min、回転数125rpm、設定トルク500N・mとしたときの測定値として定義される。測定には、例えばブラベンダー社製 アブソープトメーター E型を用いることができる。
本発明の炭素材の体積基準で測定した粒径の、小さい粒子側から累積10%に相当する粒径(d10)は好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは17μm以下、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上である。
d10は、平均粒径d50の測定の際に得られた粒度分布において、粒子の頻度%が小さい粒径から積算で10%となった値として定義される。
本発明の炭素材の体積基準で測定した粒径の、小さい粒子側から累積90%に相当する粒径(d90)は好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下、更に好まし
くは60μm以下、より更に好ましくは50μm以下、特に好ましくは45μm以下、最も好ましくは42μm以下、好ましくは20μm以上、より好ましくは26μm以上、更に好ましくは30μm以上、特に好ましくは34μm以上である。
d90は、平均粒径d50の測定の際に得られた粒度分布において、粒子の頻度%が小さい粒径から積算で90%となった値として定義される。
本発明の非水系二次電池用炭素材のd90/d10は通常2以上、より好ましくは2.2以上、更に好ましくは2.5以上であり、通常10以下、好ましくは7以下、より好ま
しくは6以下、更に好ましくは5以下である。d90/d10が上記範囲内であると、大きな粒子間の空隙に小さな粒子が入る事により非水系二次電池用炭素材の充填性が向上して、比較的大きな細孔である粒子間細孔をより小さく、且つ容積を低減できるため、粉体に対する水銀圧入法により求められる細孔分布におけるモード径を小さくすることが可能になる。この結果、高容量で、優れた充放電負荷特性、及び入出力特性を示す傾向がある。
本発明の非水系二次電池用炭素材のd90/d10は上記方法により測定したd90をd10で除した値として定義される。
本発明の実施形態に係る非水系二次電池用負極(以下適宜「電極シート」ともいう。)は、集電体と、集電体上に形成された負極活物質層とを備えると共に、活物質層は少なくとも本発明の炭素材とを含有することを特徴とする。更に好ましくはバインダを含有する。
バインダとしては特に限定されないが、分子内にオレフィン性不飽和結合を有するものを用いることが好ましい。その種類は特に制限されないが、具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体などが挙げられる。このようなオレフィン性不飽和結合を有するバインダを用いることにより、活物質層の電解液に対する膨潤性を低減することができる。中でも入手の容易性から、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
する規定と不飽和結合の割合に関する規定のうち、少なくとも何れか一方を満たしていればよいが、両方の規定を同時に満たすものがより好ましい。オレフィン性不飽和結合を有するバインダの分子量が上記範囲内であると機械的強度と可撓性に優れる。
本発明においては、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダも、本発明の効果が失われない範囲において、上述のオレフィン性不飽和結合を有するバインダと併用することができる。オレフィン性不飽和結合を有するバインダに対する、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの混合比率は、好ましくは150質量%以下、より好ましくは120質量%以下の範囲である。
オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの例としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉、カラギナン、プルラン、グアーガム、ザンサンガム(キサンタンガム)等の増粘多糖類、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニルアルコール類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等のポリ酸、或いはこれらポリマーの金属塩、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのアルカン系ポリマー及びこれらの共重合体などが挙げられる。
スラリーを集電体上に塗布した後、好ましくは60℃以上、より好ましくは80℃以上、また、好ましくは200℃以下、より好ましくは195℃以下の温度で、乾燥空気又は不活性雰囲気下で乾燥し、活物質層を形成する。
ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上、また、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは75μm以下である。活物質層の厚みが上記範囲内であると、活物質の粒径との兼ね合いから負極としての実用性に優れ、高密度の電流値に対する十分なLiの吸蔵・放出の機能を得ることができる。
活物質層の厚さは、スラリーの塗布、乾燥後にプレスすることにより、上記範囲の厚さになるように調整してもよい。
本発明の非水系二次電池、特にリチウムイオン二次電池の基本的構成は、従来公知のリチウムイオン二次電池と同様であり、通常、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備える。負極としては、上述した本発明の炭素材を用いた負極を用いる。
正極は、正極活物質及びバインダを含有する正極活物質層を、集電体上に形成したものである。
10万以上、また、通常300万以下、好ましくは100万以下の範囲である。
導電剤としては、活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末、各種の金属の繊維、粉末、箔などが挙げられる。
正極板は、前記したような負極の製造と同様の手法で、正極活物質やバインダを溶剤でスラリー化し、集電体上に塗布、乾燥することにより形成する。正極の集電体としては、アルミニウム、ニッケル、ステンレススチール(SUS)などが用いられるが、何ら限定されない。
非水系電解液に使用される非水系溶媒は特に制限されず、従来から非水系電解液の溶媒として提案されている公知の非水系溶媒の中から、適宜選択して用いることができる。例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類;1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類などが挙げられる。
また、上述の非水系電解液に有機高分子化合物を含ませ、ゲル状、ゴム状、或いは固体シート状にして使用する場合、有機高分子化合物の具体例としては、ポリエチレンオキシ
ド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物;ポリエーテル系高分子化合物の架橋体高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニルアルコール系高分子化合物;ビニルアルコール系高分子化合物の不溶化物;ポリエピクロルヒドリン;ポリフォスファゼン;ポリシロキサン;ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリルなどのビニル系高分子化合物;ポリ(ω−メトキシオリゴオキシエチレンメタクリレート)、ポリ(ω−メトキシオリゴオキシエチレンメタクリレート−co−メチルメタクリレート)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン)等のポリマー共重合体などが挙げられる。
上記添加剤を用いる場合、その含有量は、上記非水系電解液の総質量に対して通常10質量%以下、好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下の範囲である。上記添加剤の含有量が多過ぎると、初期不可逆容量の増加や低温特性、レート特性の低下等、他の電池特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
正極と負極との間には通常、電極間の短絡を防止するために、多孔膜や不織布などの多孔性のセパレータを介在させる。この場合、非水系電解液は、多孔性のセパレータに含浸させて用いる。セパレータの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエーテルスルホンなどが用いられ、好ましくはポリオレフィンである。
実施例又は比較例の黒鉛質粒子を用い、活物質層密度1.35±0.03g/cm3ま
たは1.60±0.03g/cm3の活物質層を有する極板を作製した。具体的には、負
極材50.00±0.02gに、1質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩水溶液を50.00±0.02g(固形分換算で0.500g)、及び重量平均分子量27万
のスチレン・ブタジエンゴム水性ディスパージョン1.00±0.05g(固形分換算で0.5g)を、キーエンス製ハイブリッドミキサーで5分間撹拌し、30秒脱泡してスラリーを得た。
たは1.60±0.03g/cm3になるよう調整し電極シートを得た。
上記方法で作製した電極シートを直径12.5mmの円盤状に打ち抜き、リチウム金属箔を直径14mmの円板状に打ち抜き対極とした。両極の間には、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒(容積比=3:7)に、LiPF6を1mol/
Lになるように溶解させた電解液を含浸させたセパレータ(多孔性ポリエチレンフィルム製)を置き、2016コイン型電池をそれぞれ作製した。
上記方法で作製した電極シートを4cm×3cmに切り出し負極とし、NMCからなる正極を同面積で切り出し、負極と正極の間にはセパレータ(多孔性ポリエチレンフィルム製)を置き、組み合わせた。エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒(容積比=3:3:4)に、LiPF6を1.2mol/Lになるように溶解させた電解液を250μL注液してラミネート型電池を作製した。
上述の方法で作製した非水系二次電池(2016コイン型電池)を用いて、下記の測定方法で電池充放電時の容量を測定した。
0.05Cの電流密度でリチウム対極に対して5mVまで充電し、さらに5mVの一定電圧で電流密度が0.005Cになるまで充電し、負極中にリチウムをドープした後、0.1Cの電流密度でリチウム対極に対して1.5Vまで放電を行った。引き続き同電流密度で2回目の充放電を行い、この2サイクル目の放電容量を本材料の放電容量とした。
上記非水電解液二次電池の作製法により作製したラミネート型非水電解液二次電池を用いて、下記の測定方法で室温出力特性を測定した。
充放電サイクルを経ていない非水電解液二次電池に対して、25℃で電圧範囲4.1V〜3.0V、電流値0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下同様)にて3サイクル、電圧範囲4.2V〜3.0V、電流値0.2Cにて(充電時には4.2Vにて定電圧充電をさらに2.5時間実施)2サイクル、初期充放電を行った。
さらに、SOC50%まで電流値0.2Cで充電を行った後、25℃の環境下で、1/8C、1/4C、1/2C、1.5C、2Cの各電流値で2秒間定電流放電させ、各々の条件の放電における2秒後の電池電圧の降下を測定し、それらの測定値から充電上限電圧を3Vとした際に、2秒間に流すことのできる電流値Iを算出し、3×I(W)という式で計算される値をそれぞれの電池の室温出力特性とした。
上記非水電解液二次電池の作製法により作製したラミネート型非水電解液二次電池を用いて、下記の測定方法で低温出力特性を測定した。
充放電サイクルを経ていない非水電解液二次電池に対して、25℃で電圧範囲4.1V
〜3.0V、電流値0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下同様)にて3サイクル、電圧範囲4.2V〜3.0V、電流値0.2Cにて(充電時には4.2Vにて定電圧充電をさらに2.5時間実施)2サイクル、初期充放電を行った。
さらに、SOC50%まで電流値0.2Cで充電を行った後、−30℃の低温環境下で、1/8C、1/4C、1/2C、1.5C、2Cの各電流値で2秒間定電流放電させ、各々の条件の放電における2秒後の電池電圧の降下を測定し、それらの測定値から充電上限電圧を3Vとした際に、2秒間に流すことのできる電流値Iを算出し、3×I(W)という式で計算される値をそれぞれの電池の低温出力特性とした。
上記非水電解液二次電池の作製法により作製したラミネート型非水系二次電池を用いて、下記の測定方法でサイクル特性を測定した。
上記方法で作成した目付9.00±0.3mg/cm2のプレス前の電極を幅5cmに切り出し、直径20cmのローラを用いて活物質層の密度が1.60±0.03g/cm3
になるようロールプレスしたときの荷重をプレス荷重とした。
界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ツィーン20(登録商標))の0.2質量%水溶液10mLに、炭素材0.01gを懸濁させ、これを測定サンプルとして市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えばHORIBA製LA−920)に導入し、測定サンプルに28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、前記測定装置において体積基準のd10、d90、メジアン径及びモード径として測定した。
界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ツィーン20(登録商標))の0.2質量%水溶液30mLに、炭素材0.10gを懸濁させ、これを底面が半径2cmの円柱状ポリプロピレン製容器(例えば、アイボーイ広口びん50mL)に入れた。これを、20kHzの超音波ホモジナイザー(例えば、SONICS製VC−130)の半径3mmの円柱状チップを2cm以上分散液に浸し、分散液を10℃以上40℃以下に保ちながら、出力15Wで10分間超音波を照射した。その処理後の分散液をツィーン20の0.2質量%水溶液10mLを用いて、炭素材が1mg/mLとなるように希釈し、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えばHORIBA製LA−920)に導入し、測定サンプルに28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、前記測定装置において体積基準のメジアン径及びモード径として測定した。
粉体密度測定器を用い、直径1.6cm、体積容量20cm3の円筒状タップセルに、
目開き300μmの篩を通して本発明の炭素材を落下させて、セルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行なって、その時の体積と試料の質量から求めた密度として定義した。
BET比表面積は、表面積計(例えば、島津製作所製比表面積測定装置「ジェミニ2360」)を用い、炭素材試料に対して窒素流通下100℃、3時間の予備減圧乾燥を行なった後、液体窒素温度まで冷却し、大気圧に対する窒素の相対圧の値が0.3となるように正確に調整した窒素ヘリウム混合ガスを用い、ガス流動法による窒素吸着BET6点法によって測定した値として定義した。
バルクメソフェーズ人造黒鉛粒子(A)の前駆体であるd50が17.7μm、d10が
8.1μm、d90/d10が4.1の生コークス粒子と、黒鉛粒子(B)としてd50が8.8μm、d10が3.3μm、d90/d10が4.9の鱗片状天然黒鉛粒子を用い、質量比で80:20の割合で混合して100gの混合炭素材を得た後、造粒材としてパラフィン系オイル(流動パラフィン、和光純薬工業社製、一級、25℃における物性:粘度=95cP、接触角=13.2°、表面張力=31.7mN/m、rcоsθ=30
.9)を15g添加し、奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−1型にて、ローター周速度85m/秒で5分間、機械的作用による衝撃、圧縮、摩擦、せん断力を掛けながら球形化処理を行った。
得られた複合黒鉛粒子前駆体を、電気炉にて窒素雰囲気下、1000℃で1時間焼成した後、さらに、電気炉にて、Ar流通下、3000℃で黒鉛化し、バルクメソフェーズ人造黒鉛粒子(A)と黒鉛粒子(B)が複合化した複合炭素材を得た。前記測定法でd50、d90、d10、d90/d10、モード径、Tap、SA、超音波処理後のd50及びモード径、放電容量特性、出力特性、プレス荷重を測定した。結果を表1〜3に示す。
バルクメソフェーズ人造黒鉛粒子(A)の前駆体であるd50が32.3μm、d10
が11.2μm、d90/d10が5.8の生コークス粒子を、奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−1型にて、ローター周速度85m/秒で5分間、機械的作用による衝撃、圧縮、摩擦、せん断力を掛けながら球形化処理を行った。これと、黒鉛粒子(B)としてd50が8.8μm、d10が3.3μm、d90/d10が4.9
の鱗片状天然黒鉛粒子を、質量比で80:20の割合で混合して、混合炭素材を得た。得られたサンプルについて、実施例1同様の測定を行った結果を表1〜3に示す。
バルクメソフェーズ人造黒鉛粒子(A)の前駆体であるd50が17.7μm、d10
が8.1μm、d90/d10が4.1の生コークス粒子100gに、造粒材としてパラフィン系オイル(流動パラフィン、和光純薬工業社製、一級、25℃における物性:粘度=95cP、接触角=13.2°、表面張力=31.7mN/m、rcоsθ=30.9
)を15g添加し、奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−1型にて、ローター周速度85m/秒で5分間、機械的作用による衝撃、圧縮、摩擦、せん断力を掛けながら造粒球形化処理を行った。得られたサンプルについて、実施例1同様の測定を行った結果を表4〜6に示す。
バルクメソフェーズ人造黒鉛粒子(A)の前駆体であるd50が32.3μm、d10
が11.2μm、d90/d10が5.8の生コークス粒子を、奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−1型にて、ローター周速度85m/秒で5分間、機械的作用による衝撃、圧縮、摩擦、せん断力を掛けながら球形化処理を行った。得られたサンプルについて、実施例1同様の測定を行った結果を表4〜6に示す。
d50が8.8μm、d10が3.3μm、d90/d10が4.9の鱗片状天然黒鉛
粒子100gに、造粒材としてパラフィン系オイル(流動パラフィン、和光純薬工業社製、一級、25℃における物性:粘度=95cP、接触角=13.2°、表面張力=31.
7mN/m、rcоsθ=30.9)を12g添加し、奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−1型にて、ローター周速度85m/秒で5分間、機械的作用による衝撃、圧縮、摩擦、せん断力を掛けながら造粒球形化処理を行った。得られたサンプルについて、実施例1同様の測定を行った結果を表7〜9に示す。
d50が100μmの鱗片状天然黒鉛を、奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−1型にて、ローター周速度85m/秒で10分間の機械的作用による球形化処理を行った。このサンプルを分級により上記鱗片黒鉛状微粉を除去し、球形化黒鉛を得た。得られたサンプルについて、実施例1同様の測定を行った結果を表7〜9に示す。
実施例1で得られた複合炭素材と非晶質炭素前駆体としてコールタールピッチを混合し、不活性ガス中で720℃焼成した後、さらに、1300℃で熱処理を施した後、焼成物を解砕・分級処理することにより、炭素材と非晶質炭素とが複合化した複層構造炭素材を得た。焼成収率から、得られた複層構造黒鉛粒子において、造粒黒鉛粒子と原料黒鉛より結晶性が低い炭素質物との質量比率(造粒黒鉛粒子:非晶質炭素)は1:0.03であることが確認された。得られたサンプルについて、実施例1同様の測定を行った結果を表10〜12に示す。
d50が100μmの鱗片状天然黒鉛を、奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−1型にて、ローター周速度85m/秒で3分間の機械的作用による球形化処理を行った。得られたサンプルには母材に付着、及び内包されていない状態の鱗片黒鉛や球形化処理中に生成する鱗片黒鉛状微粉が多く存在していることが確認された。このサンプルを分級により上記鱗片黒鉛状微粉を除去し、d50が23μmの球形化黒鉛を得た。得られた球形化天然黒鉛と非晶質炭素前駆体としてコールタールピッチを混合し、不活性ガス中で720℃熱処理を施し、さらに不活性ガス中で1300℃熱処理を施した後、焼成物を解砕・分級処理することにより、黒鉛粒子と非晶質炭素とが複合化した複層構造炭素材を得た。焼成収率から、得られた複層構造炭素材において、球形化黒鉛質粒子と非
晶質炭素との質量比率(球形化黒鉛質粒子:非晶質炭素)は1:0.03であることが確認された。得られたサンプルについて、実施例1同様の測定を行った結果を表10〜12に示す。
Claims (8)
- リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な非水系二次電池用炭素材であって、該炭素材に下記方法で超音波処理を施した時、該炭素材の体積基準平均粒径が超音波処理前後で0.8μm以上変化することを特徴とする非水系二次電池用炭素材。
(超音波処理の方法)
炭素材100mgを水30mlに均一に分散させた分散液を底面が半径2cmの円柱状ポリプロピレン製容器に入れ、20kHzの超音波ホモジナイザーの半径3mmの円柱状チップを2cm以上分散液に浸し、分散液を10℃以上40℃以下に保ちながら、出力15Wで10分間超音波を照射する。 - 体積基準平均粒径が1μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用炭素材。
- タップ密度が0.8g/cm3以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水系二次電池用炭素材。
- 前記方法で超音波処理を施したとき、体積基準モード径が超音波処理前後で0.5μm以上変化することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の非水系二次電池用炭素材。
- d90/d10が2以上10以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の非水系二次電池用炭素材。
- BET比表面積が17m2/g以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の非水系二次電池用炭素材。
- バルクメソフェーズ人造黒鉛及び天然黒鉛を含む複合粒子であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の非水系二次電池用炭素材。
- リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに、電解質を備えると共に、該負極が集電体と該集電体上に形成された負極活物質層とを備えると共に、該負極活物質層が請求項1乃至7の何れか一項に記載の炭素材を含有することを特徴とする非水系二次電池。
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