しかしながら、前記従来の燃焼装置では、モータの動力により作動する燃料搬送装置が用いられているので、使用に際して電力供給が不可欠となる、部品点数が増大してしまいコストアップを免れない、故障が起き易い、寿命が短いなどの不都合が生ずる。
この点は、木質ペレット以外の小形固形燃焼物を燃焼させる燃焼装置について同様である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、モータの動力により作動する燃料搬送装置を用いることなく、小形固形燃焼物を少しずつ燃焼させて長時間に渡る燃焼を実現することができる燃焼用筒状体、及び、これを用いた燃焼装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様による燃焼用筒状体は、上下に延びる燃焼用筒状体であって、前記燃焼用筒状体内の下部に小形固形燃焼物が入れられ、前記小形固形燃焼物の燃焼により生ずる炎及び可燃性ガスを含む流体が前記燃焼用筒状体内を上昇する燃焼用筒状体において、前記燃焼用筒状体内に空気を導入する1つ以上の空気導入孔が前記燃焼用筒状体の側部に設けられ、前記1つ以上の空気導入孔は、前記1つ以上の空気導入孔から前記燃焼用筒状体内に導入される空気により前記流体の渦状の旋回が発生又は助長されるように、形成されたものである。
前記小形固形燃焼物としては、木質ペレットや、ガーデンシュレッダ等で小片化された木材や竹などのウッドチップ、木質粉、籾殻などが挙げられるが、これらに限らない。
前記第1の態様によれば、前記燃焼用筒状体内の下部に入れられた小形固形燃焼物を上側から着火して燃焼させていく。このとき、前記燃焼用筒状体の側部には、前記燃焼用筒状体内に空気を導入する前記1つ以上の空気導入孔が、そこから前記燃焼用筒状体内に導入される空気により、小形固形燃焼物の燃焼により生ずる炎及び可燃性ガスを含む流体の渦状の旋回が発生又は助長されるように、形成されているので、そのような旋回がない場合に比べて、前記燃焼用筒状体内の小形固形燃焼物の上面付近がより均一に少しずつ燃焼していく。
したがって、前記第1の態様によれば、モータの動力により作動する燃料搬送装置を用いることなく、小形固形燃焼物を少しずつ燃焼させて長時間に渡る燃焼を実現することができる。
第2の態様による燃焼用筒状体は、前記第1の態様において、前記燃焼用筒状体の断面形状は多角形状であり、前記断面形状における線分に相当する平面部にその法線方向に向けて前記1つ以上の空気導入孔が形成されたものである。
第3の態様による燃焼用筒状体は、前記第1又は第2の態様において、前記燃焼用筒状体の断面形状は、正多角形の各辺の端部間を切り離してその間を段差形成用線分で繋いだようなかざぐるま状の形状であり、前記1つ以上の前記空気導入孔は、前記断面形状における前記段差形成用線分に相当する前記燃焼用筒状体の平面部にその法線方向に向けて形成されたものである。
前記第1の態様では、前記燃焼用筒状体の断面形状は、円形状、楕円形状、凸多角形状、凹多角形状などでもよい。例えば、前記燃焼用筒状体として円筒部を採用して前記燃焼用筒状体の断面形状を円形状とし、前記1つ以上の空気導入孔をそこから前記燃焼用筒状体内に導入される空気により前記流体の渦状の旋回が発生又は助長されるように、形成する場合には、空気導入孔を前記円形状の径方向に対して斜めに傾くように形成すればよい。しかし、円筒部材に斜めに穴加工するには高価な加工機が必要となる。
これに対し、前記第2及び前記第3の態様では、平面部にその法線方向に穴加工すればよいので、安価な加工機を用いることができる。そして、前記第3の態様によれば、例えば、前記燃焼用筒状体は、断面L字状の板金(断面形状において1つの辺と1つの段差形成用線分に相当する板金)に穴加工を施したものを、複数用意し、これらを溶接等により組み合わせて製造することができ、前記燃焼用筒状体の製造コストを低減することができる。
第4の態様による燃焼用筒状体は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、前記燃焼用筒状体の底部がロストルをなすものである。
この第4の態様によれば、前記燃焼用筒状体の底部がロストルをなすので、小形固形燃焼物の燃焼により生ずる灰の一部を前記底部から落とすことができるとともに、前記底部からも前記燃焼用筒状体内に空気を導入することができるので、より良好な燃焼を実現することができる。
第5の態様による燃焼装置は、前記第1乃至第4のいずれかの態様による燃焼用筒状体を備えたものである。
この第5の態様によれば、前記第1乃至第4のいずれかの態様による燃焼用筒状体を備えているので、モータの動力により作動する燃料搬送装置を用いることなく、小形固形燃焼物を少しずつ燃焼させて長時間に渡る燃焼を実現することができる。
第6の態様による燃焼装置は、前記第5の態様において、前記燃焼用筒状体の外周をそこから間隔をあけて覆うカバーを備え、外部の空気が前記カバーと前記燃焼用筒状体との間を通って前記1つ以上の空気導入孔に導かれるものである。
この第6の態様によれば、外部の空気が前記カバーと前記燃焼用筒状体との間を通って前記1つ以上の空気導入孔に導かれるので、外部の空気が小形固形燃焼物の燃焼により発生する熱により予め加熱された状態で前記燃焼用筒状体内に導入される。したがって、小形固形燃焼物の燃焼により生ずる未燃焼の可燃性ガスがより燃焼し易くなり、前記燃焼用筒状体内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。もっとも、前記第5の態様では、前記カバーを備えていなくてもよい。
第7の態様による燃焼装置は、前記第5又は第6の態様において、前記燃焼用筒状体の上部に連結される排気管を備えたものである。
この第7の態様によれば、前記排気管を備えているので、前記排気管が設けられていない場合に比べて煙突効果が高まる。このため、前記1つ以上の空気導入孔から燃焼用筒状体内により多くの空気を導入することができ、より良好な燃焼を実現することができる。
第8の態様による燃焼装置は、前記第7の態様において、前記排気管の排気口付近に設けられ前記排気口からの排気中の粉塵を除去するフィルタと、前記排気口から出て前記フィルタを経た排気を下方に向かわせる笠状部材と、を備えたものである。
この第8の態様によれば、前記排気口からの排気である温風が、フィルタにより粉塵が除去された後に、前記笠状部材により下方へ向かう。また、前記笠状部材は前記温風により加温されるため、前記笠状部材からの輻射熱も下方へ向かう。したがって、前記第8の態様によれば、当該燃焼装置の付近の人を効果的に暖めることができる。
本発明によれば、モータの動力により作動する燃料搬送装置を用いることなく、小形固形燃焼物を少しずつ燃焼させて長時間に渡る燃焼を実現することができる燃焼用筒状体、及び、これを用いた燃焼装置を提供することができる。
以下、本発明による燃焼用筒状体及びこれを用いた燃焼装置について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による燃焼装置1を示す概略正面図である。図2は、図1中のA−A’矢視図である。図3は、図1中のB−B’線に沿った概略横断面図である。図4は、図1中のC−C’矢視図である。図5は、図1中のD−D’矢視図である。図6は、図1に示す燃焼装置1を示す概略分解図であり、図5に対応している。図7は、図6中のE−E’矢視図である。
本実施の形態による燃焼装置1は、燃焼用筒状体11と、燃焼用筒状体11を覆うカバーを構成する本体12と、燃焼用筒状体11の上部に連結される排気管を有する排気管部13と、を備えている。燃焼用筒状体11、本体12及び排気管部13を構成する後述の各要素は、例えば、ステンレス鋼やその他の鋼材で構成される。
燃焼用筒状体11は、上下に延びており、燃焼用筒状体11内の下部に小形固形燃焼物(図示せず)が入れられ、前記小形固形燃焼物の燃焼により生ずる炎及び可燃性ガスを含む流体が燃焼用筒状体11内を上昇するものである。前記小形固形燃焼物としては、木質ペレットや、ガーデンシュレッダ等で小片化された木材や竹などのウッドチップ、木質粉、籾殻などが挙げられるが、これらに限らない。
本実施の形態では、燃焼用筒状体11は、上端が開口した筒状部21と、筒状部21の上端に設けられ平面視で四角形状をなすフランジ部22と、筒状部21の底部23とを有している。本実施の形態では、筒状部21として円筒部が用いられている。また、本実施の形態では、底部23として多数の孔23aが形成されたパンチングメタルが用いられ、底部23がロストルを構成している。孔23aは、前記小形固形燃焼物が燃焼前に抜け落ちない程度の大きさを有している。なお、底部23は、例えば金網などの他のロストルを構成してもよいし、ロストルを構成しない閉塞板等であってもよい。
本実施の形態では、燃焼用筒状体11内に空気を導入する1つ以上の空気導入孔21aが、燃焼用筒状体11の側部である筒状部21の側部に設けられている。本実施の形態では、図1、図5及び図6に示すように、筒状部21の上端に近い第1の高さ位置、第1の高さ位置よりもやや低い第2の高さ位置、筒状部21の中央の高さ位置よりもやや高い第3の高さ位置、及び、底部23に近い第4の高さ位置の、合計4つの高さ位置の各々において、図3に示すように筒状部21の円周方向に45゜ずつの角度間隔をなす4つの角度位置に合計4個の空気導入孔21aが設けられている。
本実施の形態では、小形固形燃焼物を燃焼用筒状体11内に最大量入れたときに小形固形燃焼物の上面が前記第3の高さ位置よりもやや低い位置となるように当該最大量が定められており、前記第1乃至第3の高さ位置は、小形固形燃焼物の上面よりも常に高い位置に位置するように設定されている。前記第4の高さ位置の空気導入孔21aは、燃焼用筒状体11の下側から燃焼用筒状体11内へ導入される空気を増大させるとともに、小形固形燃焼物の燃焼が進行して、小形固形燃焼物の残りが少なくなったときにも、小形固形燃焼物の上面付近においても、燃焼用筒状体11内を上昇する炎及び可燃性ガスを含む流体の旋回が発生又は助長されて、小形固形燃焼物の上面付近が均一に燃焼されるのを促進させる。もっとも、燃焼前の小形固形燃焼物の上面よりも低い位置である前記第4の高さ位置の空気導入孔21aは、必ずしも設ける必要はない。
1つ以上の空気導入孔21aは、1つ以上の空気導入孔21aから燃焼用筒状体11内に導入される空気により、燃焼用筒状体11内を上昇する炎及び可燃性ガスを含む流体の旋回が発生又は助長されるように、形成されている。
具体的には、本実施の形態では、各高さ位置おいて、1つ以上の空気導入孔21aは、図3に示すように、1つ以上の空気導入孔21aから導入された空気が上側から見て反時計方向の旋回力を与える方向に、径方向に対して斜めに傾けて形成されている。
なお、本発明では、前記1つ以上の空気導入孔21aの数や配置は前述した例に限らない。例えば、空気導入孔21aを形成する筒状部21の高さ位置や、同一高さ位置において形成する空気導入孔21aの数は前述した例に限らない。例えば、前記第1の高さ位置と前記第4の高さ位置との間において、狭い等ピッチの各高さ位置においても、筒状部21の側部に空気導入孔21aを形成してもよい。
本体12は、上端が開口し燃焼用筒状体11を収容する角筒部材31と、角筒部材31の2重底を構成する下側底板32及び上側底板33と、燃焼用筒状体11を支持する支持部材34と、持ち運び等を容易にするための把持部35とを有している。
本実施の形態では、支持部材34は、断面逆L字状をなし、本体12の上端付近において本体12の内周の全体に渡って設けられている。図1及び図2に示すように、燃焼用筒状体11のフランジ部22が支持部材34上に載置されることによって、燃焼用筒状体11が本体12内に収容された状態で支持される。このとき、角筒部材31は、燃焼用筒状体11の筒状部21の外周をそこから間隔をあけて覆っている。また、燃焼用筒状体11の底部23は、上側底板33から所定間隔をあけた状態に保たれる。燃焼用筒状体11の底部23の下方には、上側保持部材37上に設けられた部材40によって、底部23の孔23aから下方へ落ちる灰(この灰は、実際には少ない。)を貯留する灰溜り41が形成されている。灰溜り41に貯留された灰は、本体12から燃焼用筒状体11及び排気管部13を取り外し、本体12を引っ繰り返すことによって、排出させることができる。
本体12の角筒部材31の正面側の下部には、下側底板32と上側底板33との間の空間S1を外部に開口する吸気口36が形成されている。この吸気口36の外部への開口量(ひいては、吸気量)は、上側保持部材37及び下側保持部材38により横方向にスライド可能に保持された吸気調整扉39によって、調整し得るようになっている。図1、図2及び図4では、吸気調整扉39が吸気口36を完全に塞いでいる状態を示しているが、この状態から吸気調整扉39をその一方端部の立ち上がり部39aを操作して図1、図2及び図4中の右方向へ任意の位置までスライドさせることで、吸気口36を開いてその開口量を任意に調整することができる。
本実施の形態では、下側底板32は、角筒部材31の底を完全に閉塞している。一方、上側底板33は角筒部材31の底を完全には閉塞せずに、図2及び図4に示すように、上側底板33における吸気口36とは反対側の2つの角部が三角形状に切り欠かれることによって、上側底板33に2つ連通孔33aが形成されている。これらの連通孔33aは、下側底板32と上側底板33との間の空間S1を、燃焼用筒状体11と本体12との間の空間S2と連通させる。したがって、吸気口36から吸気された空気は、空間S1及び連通孔33aを順次経て空間S2内へ入り、空間S2を経て、筒状部21の側部の空気導入孔21a及び底部23の孔23aから燃焼用筒状体11内へ導入される。
なお、本体12の内壁又は外壁には、必要に応じて、断熱材を設けたり、断熱効果を得るための空気層を設けたりしてもよい。
本実施の形態では、排気管部13は、上端及び下端が開口した円筒をなす排気管本体51と、排気管本体51の下端に設けられ平面視で四角形状をなすフランジ部52と、排気管本体51の上端に設けられた部材53とを有している。部材53は、フライパン等の調理器具ややかん等を載せるための五徳として機能するようになっている。排気管部13のフランジ部52が燃焼用筒状体11のフランジ部22上に載置されることによって、排気管本体51が燃焼用筒状体11の上部に連結される。なお、燃焼装置1の輸送等に際して、排気管部13を図示の状態に対して上下引っ繰り返して排気管部13のフランジ部52を燃焼用筒状体11のフランジ部22上に載置することによって、排気管部13を本体12内に収容することができ、これにより、コンパクト化を図ることができる。
本実施の形態によれば、上方から燃焼用筒状体11内に小形固形燃焼物をその上面が前記第3の高さ位置よりもやや低い位置となるように投入し、市販の着火剤等を利用してバーナー等で小形固形燃焼物の上面付近に着火させる。このとき、吸気調整扉39によって吸気口36を所望の開口量で開いておく。燃焼ガスは、燃焼用筒状体11内を上昇し更に排気管部13内を上昇して外部に排出される。これにより燃焼用筒状体11が過熱されていくと、燃焼用筒状体11内で強い上昇気流が発生して自然吸気が可能となっていく。徐々に、空間S1,S2も加熱されていき、吸気口36から吸気され空間S1、連通孔33a及び空間S2を経て加熱された外気が、筒状部21の側部の空気導入孔21a及び底部23の孔23aから燃焼用筒状体11内へ導入されるようになっていく。
そして、本実施の形態では、1つ以上の空気導入孔21aは、1つ以上の空気導入孔21aから燃焼用筒状体11内に導入される空気により前記流体の渦状の旋回が発生又は助長されるように、形成されている。したがって、本実施の形態によれば、前記旋回により1つ以上の空気導入孔21aから導入された空気が燃焼用筒状体11内に行き渡り易くなって前記可燃性ガスが燃焼し易くなるため、燃焼用筒状体11内の小形固形燃焼物の上面付近がより均一に少しずつ燃焼していく。したがって、本実施の形態によれば、モータの動力により作動する燃料搬送装置を用いることなく、小形固形燃焼物を少しずつ燃焼させて長時間に渡る燃焼を実現することができる。
また、本実施の形態によれば、小形固形燃焼物の1次燃焼で生ずる未燃焼ガスが、燃焼用筒状体11の上部に形成された空気導入孔21aから導入された空気によって2次燃焼されるので、燃焼効率を高めることができる。
さらに、本実施の形態によれば、外部の空気が本体12と燃焼用筒状体11との間の空間S2を通って1つ以上の空気導入孔21aに導かれるので、外部の空気が小形固形燃焼物の燃焼により発生する熱により予め加熱された状態で燃焼用筒状体11内に導入される。したがって、小形固形燃焼物の燃焼により生ずる未燃焼の可燃性ガスがより燃焼し易くなり、燃焼用筒状体11内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
さらにまた、本実施の形態によれば、下側底板32と上側底板33との間の空間S1を通って1つ以上の空気導入孔21aに導かれるので、外部の空気が小形固形燃焼物の燃焼により発生する熱により予め加熱された状態で燃焼用筒状体11内に導入される。したがって、小形固形燃焼物の燃焼により生ずる未燃焼の可燃性ガスがより燃焼し易くなり、燃焼用筒状体11内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
燃焼用筒状体11の寿命は本体12及び排気管部13の寿命よりも短く、燃焼用筒状体11はいわば消耗品となる。本実施の形態によれば、燃焼用筒状体11、本体12及び排気管部13が互いに分離可能に構成されているので、燃焼用筒状体11のみを交換することができる。したがって、本実施の形態によれば、全体を交換する場合に比べて、コストを低減することができる。
[第2の実施の形態]
図8は、第2の実施の形態による燃焼装置61の要部を示す概略断面図であり、図3に対応している。図8において、図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、前記第1の実施の形態では、燃焼用筒状体11の筒状部21が円筒部として構成されているのに対し、本実施の形態では、図8に示すように、燃焼用筒状体11の筒状部21の断面形状は多角形状であり、前記断面形状における線分に相当する平面部21Bにその法線方向に向けて1つ以上の空気導入孔21aが形成されている。
具体的には、本実施の形態では、燃焼用筒状体11の筒状部21の断面形状は、図8に示すように、正多角形(図示の例では、正八角形であるが、他の多角形でもよい。)の各辺21Aの端部間を切り離してその間を段差形成用線分21Bで繋いだようなかざぐるま状の形状であり、1つ以上の空気導入孔21aは、前記断面形状における段差形成用線分21Bに相当する燃焼用筒状体11の筒状部21の平面部21Bにその法線方向に向けて形成されている。本実施の形態では、1つ以上の空気導入孔21aは、各平面部21Bに形成され、円周方向に渡って等角度間隔(45゜間隔)で形成されている。もっとも、本発明ではこれに限らない。
本実施の形態によっても、1つ以上の空気導入孔21aは、1つ以上の空気導入孔21aから燃焼用筒状体11内に導入される空気により、燃焼用筒状体11内を上昇する炎及び可燃性ガスを含む流体の旋回が発生又は助長されることになる。
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。また、本実施の形態によれば、次の利点も得られる。
前記第1の実施の形態では、燃焼用筒状体11の筒状部21として円筒部を採用し、1つ以上の空気導入孔21aをそこから燃焼用筒状体21a内に導入される空気により前記流体の渦状の旋回が発生又は助長されるように、形成するために、空気導入孔21aを円形状の径方向に対して斜めに傾くように形成している。しかし、円筒部材に斜めに穴加工するには高価な加工機が必要となる。
これに対し、本実施の形態では、平面部21Bにその法線方向に穴加工すればよいので、安価な加工機を用いることができる。そして、本実施の形態によれば、例えば、燃焼用筒状体11の筒状部21は、断面L字状の板金(断面形状において1つの辺と1つの段差形成用線分に相当する板金)に穴加工を施したものを、8枚用意し、これらを溶接等により組み合わせて製造することができ、燃焼用筒状体11の製造コストひいては当該燃焼装置61の製造コストを低減することができる。
なお、燃焼用筒状体11の断面形状として凹多角形を採用し、前記断面形状における線分に相当する平面部にその法線方向に向けて1つ以上の空気導入孔21aが形成しても、本実施の形態と同様の利点を得ることができる。
本実施の形態は、前記第1の実施の形態において燃焼用筒状体11の筒状部21の断面形状を前記かざぐるま状の形状となるように変形したものであるが、本発明では、後述する各実施の形態等において、燃焼用筒状体11の筒状部21の断面形状を前記かざぐるま状の形状となるように変形してもよい。
[第3の実施の形態]
図9は、本発明の第3の実施の形態による燃焼装置71を示す概略縦断面図であり、図5に対応している。図9において、図5中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、燃焼用筒状体11の筒状部21と本体12の角筒部材31との間にそれらと同軸に、円筒部材72が追加されている点である。円筒部材72の上端は、燃焼用筒状体11のフランジ部22に固定されている。
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。また、本実施の形態によれば、外気が燃焼用筒状体11の筒状部21と円筒部材72との間の空間S2’を経由して空気導入孔21aから燃焼用筒状体11の筒状部21内へ導入される。したがって、本実施の形態によれば、空気導入孔21aから燃焼用筒状体11の筒状部21内へ導入される空気は、前記第1の実施の形態に比べてより加熱された状態となる。このため、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態に比べて、燃焼用筒状体11内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
[第4の実施の形態]
図10は、本発明の第4の実施の形態による燃焼装置81を示す概略正面図であり、図1に対応している。図11は、図10に示す燃焼装置81を示す概略縦断面図であり、図5に対応している。図10及び図11において、図1及び図5中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、部材40が取り除かれ、図10及び図11に示すように、角筒部材31の背面部の内側面に沿って上側底板33上から支持部材34付近まで延びた断面コ字状部材82が追加され、上側底板33に連通孔33aを設ける代わりに、断面コ字状部材82の下端開口を空間S1に連通させる連通孔33bが上側底板33に設けられ、吸気口36から吸気された空気は、空間S1、連通孔33b、断面コ字状部材82の内部空間、断面コ字状部材82の上端開口を順次経て空間S2内へ入り、空間S2を経て、筒状部21の側部の空気導入孔21a及び底部23の孔23aから燃焼用筒状体11内へ導入されるようになっている点である。
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
[第5の実施の形態]
図12は、本発明の第5の実施の形態による燃焼装置91を示す概略縦断面図であり、図5に対応している。図13は、図12中のF−F’矢視図であり、図2に対応している。図14は、図12中のG−G’線に沿った概略横断面図であり、図3に対応している。図12乃至図14において、図5、図2及び図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、以下に説明する点である。
本実施の形態では、排気管部13において、部材53は設けられていない。燃焼用筒状体11において、フランジ部22が取り除かれ、筒状部21の上端が排気管部13のフランジ部52に固定されている。本体12が上端及び下端が開口した円筒部材92で構成され、円筒部材92の上端が排気管部13のフランジ部52に固定されている。円筒部材92は、燃焼用筒状体11の筒状部21と同軸に設けられ、燃焼用筒状体11の筒状部21の外周をそこから間隔をあけて覆っている。
本実施の形態による燃焼装置91は、使用に際して、例えば図12及び図13に示すように、円筒部材92の下端の両側部分がレンガ101,102上に載置される。
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
[第6の実施の形態]
図15は、本発明の第6の実施の形態による燃焼装置111を示す概略正面図であり、図1に対応している。図16は、図15に示す燃焼装置111の要部を示す概略縦断面図である。図15及び図16において、燃焼用筒状体11の図示は省略している。図15及び図16において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、以下に説明する点である。
本実施の形態では、本体12において把持部35が取り除かれ、排気管部13において、フランジ部52に代えて、本体12の上端部付近に嵌合して装着されるキャップ部52’が、排気管本体51の下端に設けられている。これに伴い、図面には示していないが、本実施の形態では、燃焼用筒状体11のフランジ部52(図1参照)の上端が本体12の上端と同一高さとなるように、支持部材34の位置が変更されている。
また、本実施の形態では、排気管部13の排気管本体51が上方に延ばされ、排気管本体51の上端付近に、フィルタ112、フィルタ支持部材113、笠状部材114、取付台115及び固定ネジ116が設けられている。本実施の形態では、排気管本体51の上端は閉塞され、排気管本体51の上端付近の側部に複数の排気口51aが設けられている。
取付台115は、排気管本体51の上端に設けられている。笠状部材114は、固定ネジ116で取付台115に取り付けられている。フィルタ112は、フィルタ支持部材113により支持されて排気口51a付近に設けられ、排気口からの排気中の粉塵を除去する。フィルタ112として、例えば金属メッシュフィルタが用いられるが、これに限らない。笠状部材114は、排気口51aから出てフィルタ112を経た排気を下方に向かわせる
本実施の形態によれば、排気口51aからの排気である温風が、フィルタ112により粉塵が除去された後に、笠状部材114により下方へ向かう。また、笠状部材114は前記温風により加温されるため、笠状部材114からの輻射熱も下方へ向かう。また、本体12からも輻射熱が放出されることは言うまでもない。したがって、本実施の形態によれば、当該燃焼装置111の付近の人を効果的に暖めることができる。よって、本実施の形態による燃焼装置111は、例えば、屋外のカフェやレストラン等において冬場に用いるのに適している。図面には示していないが、必要に応じて、キャップ部52’上にテーブルを設けてもよい。
なお、本体12及び排気管部13は高温となるので、火傷防止のため、必要に応じて、本体12及び/又は排気管部13に断熱材又は断熱カバーを設けてもよい。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。例えば、本発明では、前記第1の実施の形態における本体12及び排気管部13を用いずに、前記第1の実施の形態における燃焼用筒状体11のみで、燃焼装置を構成してもよい。