JP2017060856A - 自動気管瘻孔スピーチバルブ（ａｔｓｖ）固定具 - Google Patents

Abstract

【課題】自動気管瘻孔スピーチバルブ（ＡＴＳＶ）固定具を提供する。
【解決手段】自動気管瘻孔スピーチバルブ（ＡＴＳＶ）固定具（１）は、使用中に適所にＡＴＳＶベース要素を維持するための固定部（２）と、患者に対して保持するための保持部（３）とを備え、少なくとも保持部は、熱可塑性プラスチック材料を含み、熱可塑性プラスチック材料は患者の局部の解剖学的形状に成形可能である。
【選択図】図１

Description

本発明は、自動気管瘻孔スピーチバルブ（ＡＴＳＶ）固定具に関する。

特許文献１は、患者に気管チューブを取り付けるための装置を開示している。皮膚保護の軟質材料の種類が可撓性ネックバンドと共に開示されている。カニューレのための硬質プラスチックホルダが開示されており、それはまた、カニューレホルダの位置においてのみであるが、軟質材料保護材料が提供されている。特許文献１は熱可塑性プラスチック材料を述べているが、保護材料は実際の使用の間、実際に軟性を意味すること（シリコーンまたはエラストマー材料）は明らかである。

特許文献２は、気管チューブの適切な保持を確実にするためにネックバンドのための張り出し形態およびラッシュアイ（ｌａｓｈ ｅｙｅ）を備える、気管カニューレのためのシールドを開示している。このシールドは、ネックバンドラッシュの位置と共に、気管チューブを適所に固定して保持するために硬質材料から作製される。

特許文献３は、酸素マスクのためのヘッドバンドを開示しており、その一部は発泡プラスチック材料から作製される。その開示はマスクに作用する力に対して人の後頭部を保護するために発泡プラスチック材料を使用することを当業者に教示している。

特許文献４は、気管チューブを取り付けるための装置を開示している。気管チューブの取り付けリップに留められ得る端部コネクタを有する２つの部分のネックバンドが提供される。その２つの部分は、例えばベルクロ（登録商標）などを使用して患者の首周囲に接続され得る。

特許文献５は、気管チューブなどの医療チューブのためのホルダを開示している。ホルダは、可撓性ネックバンドを使用して患者の首周囲に固定され得、様々な直径を有するチューブの固定を可能にする。

特許文献６は、気管カニューレおよび瘻孔ステントなどの医療器具を支持し、保持するための装置を開示している。その装置は、チューブを固定するための環形状の支持手段、および患者の胸に固定され得る細長い締め付け具を備える。

独国特許公開第ＤＥ−Ａ−１０ ２００６ ０５６９４６号 独国特許公開第ＤＥ−Ｕ−２０ ２０１０ ００４２９７号 国際公開第２００５／０４６７７６号 独国特許公開第ＤＥ−Ｕ−２００６ ００９ ７６８号 米国特許出願公開第２００８／０１４９１０７号 国際公開第２００８／１２７１８９号

患者が喉頭全摘出術を受ける場合、発話は気管食道スピーチバルブを介して食道内に空気を圧迫することにより可能なままであるが、それは気管瘻孔を閉鎖している場合のみ可能である。これは、手動で、または自動気管瘻孔スピーチバルブを使用して行われ得る。気管瘻孔バルブまたは自動スピーチバルブを保持するための既存の装置において、患者が満足を感じるように十分にバルブを保持していないことがある。通常、自動スピーチバルブは石膏などを使用して患者の皮膚に固定されるが、自動スピーチバルブを作動する場合、石膏に大きな圧力が生じ、最終的に石膏が剥がれる。

本発明は喉頭切除患者の気管瘻孔バルブをしっかり固定するための改良された装置を提供することを目的とする。

本発明によれば、上記の序文に係る自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具であって、使用中に適所にＡＴＳＶベース要素（例えば、接着ベースプレートの形態）を維持するための固定部と、ＡＴＳＶ固定具を患者に対して保持するための保持部とを備え、固定部に隣接する保持部の少なくとも一部は熱可塑性プラスチック材料から作製され、熱可塑性プラスチック材料は、患者の首などの患者の局部の解剖学的形状に成形可能である、自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具が提供される。

これにより、固定具を正確に成形することができ、装着の快適性を向上させ、自動スピーチバルブが配置される接着石膏の十分に強い固定を提供し、ハンドフリーの発話を容易にする。実際のＡＴＳＶを使用せずに固定具を使用した場合でさえ、それは手動による発話のための患者をサポートできる。固定具の本発明の実施形態は、（ＡＴＳＶ）ベース要素をより良く、より永続的に固定することにより、手動による発話操作（瘻孔を塞ぐために患者の指を使用する）に貢献する。

特定の利点を有するさらなる実施形態および代替は以下の図面を参照して記載する。

本発明は添付の図面を参照して複数の例示的な実施形態を使用して以下により詳細に説明する。

本発明の一実施形態に係る自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具の正面図を示す。 本発明のさらなる実施形態に係る自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具の正面図を示す。 患者により装着された自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具の簡略図である。

本発明の実施形態において、自動気管瘻孔スピーチバルブ（ＡＴＳＶ）９は、例えばＡＴＳＶ石膏８の形態のＡＴＳＶベース要素８と共に患者に固定され、ＡＴＳＶ９およびＡＴＳＶベース要素８はさらに、固定具１により支持される。固定具１は、患者が話す場合、過度なストレスを与えずにＡＴＳＶベース要素８がＡＴＳＶ９を患者に対して保持するために正常に適用されることを確保する。固定具１は、ＡＴＳＶ９に対する、ＡＴＳＶベース要素８上からの患者による発話の間に与えられる大きな力を受けることができる。本発明の実施形態に係る固定具１は、その固定具１を、個々の首の外形などの患者の（局部の）解剖学的形状に成形するのを可能にする（部分的に）特別な材料から作製される。したがって固定具１は大部分の患者に適する。結果として、本発明の固定具の実施形態は、喉頭全摘出術を受けた患者のハンドフリーでの発話を改善するのに役立ち得る。

図１に示した実施形態の概略図に示すように、ＡＴＳＶ固定具１は、使用の間、ＡＴＳＶ固定ベース要素８およびＡＴＳＶ９を適所に置くことを維持するための固定部２と、ＡＴＳＶ固定具１を患者、例えば患者の首周囲に適切に保持するための保持部３とを備える。少なくとも保持部３（または固定部２に直接隣接する少なくともその一部）は熱可塑性プラスチック材料を含み、その熱可塑性プラスチック材料は患者の局部の解剖学的形状に成形可能である。これにより、ＡＴＳＶ固定具１は個々の患者の特定の局部の解剖学的形状に適応でき、患者にとってより良く適合し、より都合が良く、快適になる。さらなる実施形態において、固定部２もまた、同じ熱可塑性プラスチック材料から作製され、その熱可塑性プラスチック材料は、患者により使用される場合、ＡＴＳＶベース要素８の局部の解剖学的形状に成形可能である。

示した実施形態における固定具１は、固定部２の各側に２つのセクションを有する保持部３を備える。各セクションの端部５ａ、５ｂはここでそれぞれ、例えばベルクロ（登録商標）部の形態で協働する接続要素６ａおよび６ｂを備える。これらの接続要素６ａ、６ｂは、例えば、さらなるバンド３ａ（図３を参照）を使用して固定具１を患者の首周囲に閉じるために使用され得る。接続要素６ａ、６ｂは、例えば、接続要素６ａ、６ｂ周囲に端部５ａ、５ｂの一部を成形することにより接続要素６を取り付けるのに十分に熱可塑性プラスチック材料を局所的に加熱することにより固定具１の端部５ａ、５ｂに取り付けられる。代替として、熱可塑性プラスチック材料は、接続要素６ａ、６ｂを端部５ａ、５ｂに接着できる粘性になるまで、加熱されてもよい。

上記のように、接続要素６ａ、６ｂは協働するベルクロ（登録商標）部であってもよい。あるいは、クリップおよびフックなどの他の機械的接続要素が提供されてもよい。

さらなる特定の実施形態において、保持部３は、例えば、（比較的）長い距離にわたって重なる端部５ａ、５ｂを有することにより、または保持部３の適切な成形により任意のさらなる接続要素を必要とせずに患者の首周囲の固定具１の十分な固定を可能にするように成形される。

さらなる実施形態において、固定具１は患者の首７全体にわたらない端部５ａ、５ｂを備える。この実施形態において、例えば可撓性バンドの形態のさらなる固定具が提供される。可撓性バンドはまた、長さが調節可能なバンドとして提供されてもよい。

示した実施形態において、固定部２は、患者の接着固定ベース要素８においてＡＴＳＶ９を適所に保持できる（実質的に）円形の開口部４を備える。固定部２は、例えば、固定部２の薄い可撓性の内側環部分を使用することにより異なるサイズの気管瘻孔バルブに調節可能な開口部を有してもよい。

固定部２は上記の保持部３と同じ材料から作製されてもよいが、さらにこの部分は例えば厚く作製されてもよく、それにより、ＡＴＳＶベース要素８におけるＡＴＳＶ９の十分な固定を確保するためにその形状の維持を容易にする。あるいは、固定部２の形状は、例えばチューブ形態の部分を有することにより、発話の間、ＡＴＳＶベース要素８に付与される力に十分に抵抗するように作製されてもよい。さらに、ＡＴＳＶ９を挿入し、ＡＴＳＶ９をＡＴＳＶベース要素８から取り除く能力を改善するために、固定部は、その内面において、例えば、ステンレス鋼からのコーティングを含んでもよい。

固定部２の主な機能はＡＴＳＶベース要素８に対する支持を提供するので、さらなる実施形態において、開口部４の直径はＡＴＳＶ９の直径よりわずかに大きくてもよい。

図２に概略的に示したさらなる実施形態において、ＡＴＳＶ固定具１はさらに、固定部２から延びる胸部延在部２ａを含む。この胸部延在部２ａもまた、熱可塑性プラスチック材料（例えばＡＴＳＶ固定具１の残りと同じ材料）から作製されてもよい。この胸部延在部２ａは、（例えば接着剤を使用して）患者の胸部に取り付けられ得、（例えば、広い胸部を有する患者のために）ＡＴＳＶ固定具１が変形するのを防ぐ。

図３は、ＡＴＳＶ９を保持するための本発明の実施形態の１つに従って固定具１を装着している患者の首７の簡略化した側面図を示す。患者の首７の皮膚の一部には、ＡＴＳＶベース要素８として機能する気管瘻孔石膏が提供される。保持部３は、示されているように、例えば、鎖骨の湾曲に密接に従って患者の首７の解剖学的形状に成形される。示した実施形態において、固定部２は、患者の首７周囲に固定具１を固定する部分３、３ａを保持することにより適所にＡＴＳＶ９を維持する。

さらに、固定部２は、作用した後、固定部を成形することにより石膏８と密接に接触する。さらに、このような密接な接触は、例えば、それ自体として公知の接着剤を使用して可能になる。一実施形態において、固定部２は、患者の皮膚における瘻孔石膏８との堅固な接触のための接着剤と接触する、および接着剤を塗布するための接触面（固定部２の裏側）を含む。

一実施形態において、熱可塑性プラスチック材料は、少なくとも第１の閾値温度（または活性温度）まで加熱された後、第１の時間（または作用時間）の間、成形可能なままである。すなわち、熱可塑性プラスチック材料は、少なくとも第１の時間、人と接触する室温にて成形可能なままである。これにより、固定具１（保持部３、または保持部３と固定部２）は、患者の身体の局部の解剖学的形状と適合した形状になる。

熱可塑性プラスチック材料は、冷却後、または少なくとも冷却時間（または全時間）の間、室温で剛性になる材料である。これにより、固定具１の（解剖学的）形状を恒久的にとどめることができる。すなわち、最初の適合後、患者は、長時間固定具１を使用したままにできる。特に個々に成形された固定具１のために、患者は非常に快適に固定具１を装着できる。

成形プロセスをさらに高め、装着の間の快適性を高めるために、熱可塑性プラスチック材料は、さらなる実施形態において、例えば、コーティングの形態で非粘性の表面を含む。非粘性表面は異なる材料由来であってもよく、または熱可塑性プラスチック材料の適切な処理から得られ得る。

固定具１は完全に同じ材料から作製されてもよい。一実施形態において、固定部２および保持部３は、熱可塑性プラスチック材料の単一シートから一体的に形成される。これにより、本発明に従って非常に容易かつ経済的に固定具１が製造される。

一実施形態において、熱可塑性プラスチック材料は、例えば、レーザ切断技術を使用して成形のために切断される。加工後、熱可塑性プラスチック材料は、それ自体で平滑になるか、または処理後、非常に扱いやすくなり得る。

本発明の実施形態に係る固定具のために使用される熱可塑性プラスチック（記憶）材料は、例えば、ポリカプロラクトン（ＰＣＬ）ベースの材料である。これは約６０℃の低い融点を有する生分解性ポリエステルである。

一旦軟化すると、それは手動で適切な形状に成形されてもよい。外層の温度が減少する場合、それは非粘性になるが、依然として柔軟であり、成形可能である。

使用されるこのような熱可塑性プラスチック材料の例は、Ｏｒｆｉｔから市販されているＡｑｕａｆｉｔ ＮＳ材料である。この材料は、周囲温度まで冷却すると、白色になり、固定具の成形の間の容易な扱いを可能にする、非粘性の層（アクリル酸ウレタンのコーティング分散）が提供される。作用は、約６５℃の作用温度に到達すると、透明になる色の変化として容易にモニターされ得る。これは、温水中での加熱を使用した場合、約４〜５分かかる。約２分の作用時間が、患者の首周囲で適切に固定具を成形するのに十分である。長い時間（約９分の硬化時間）の間、材料はまだ可撓性であるが、もはや成形できない。約２５分（完全な時間）後、固定具１は患者に装着される状態になる。他の類似の材料が同様に使用されてもよい。

本発明に係る実施形態の固定具１のための熱可塑性プラスチック材料が再加熱（すなわち、第２の閾値以上の温度まで加熱）される場合、材料はその元の形状（記憶機能）に戻り、これにより、固定具１を再使用できるか、または適切な成形および適合手順を再び開始できる。

材料は、無臭で平滑面を有するので、ＡＴＳＶ９を使用している間、接着ベース要素８を支持するために固定具１としての用途に非常に適している。皮膚の炎症は通常の使用の間、生じない。

材料は、閾値以上に加熱した後、成形され得るので、固定具１は、ほぼ全ての患者に適して作製され得る。完全に冷却した後、固定具１はその形状を保持し、その結果として、固定具１の適合は簡単で単一の事象になる。本発明の固定具１を使用している患者は、手を使わずに（すなわち、手で自動気管瘻孔スピーチバルブ９を保持せずにそれを使用して）長い時間、話せることがわかった。また、話すことは、自動スピーチバルブ９を適所に保持するいくらかの抵抗を感じるので、より快適であると経験された。

さらに、固定具１はここで装着される必要があるが、患者はこれにかなりすぐに慣れることがわかった。患者が、喉頭全摘出術後に直接本発明に係る固定具１と共にＡＴＳＶ９を使用するときはいつでも、その実施形態の１つにおける本発明は、患者の発話の再確認に非常に有用であり得ることが見出された。

本発明の実施形態は、図面に示した複数の例示的な実施形態を参照して上記に記載している。いくつかの部分または要素の修飾および代替の実施が可能であり、それらは添付の特許請求の範囲に定義された保護の範囲に含まれる。

Claims (15)

1. 自動気管瘻孔スピーチバルブ（ＡＴＳＶ）固定具であって、
   使用中に適所にＡＴＳＶベース要素（８）を維持するための固定部（２）と、
   固定具（１）を患者に対して保持するための保持部（３）と、
   を備え、
   前記固定部（２）に隣接する前記保持部（３）の少なくとも一部は熱可塑性プラスチック材料から作製され、前記熱可塑性プラスチック材料は患者の局部の解剖学的形状に成形可能である、自動気管瘻孔スピーチバルブ（ＡＴＳＶ）固定具。
2. 前記固定部（２）は、熱可塑性プラスチック材料を含み、前記熱可塑性プラスチック材料は、患者により使用される場合、前記ＡＴＳＶベース要素（８）の局部形状に成形可能である、請求項１に記載の自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具。
3. 前記固定具（１）は、前記固定部（２）から延びる胸部延在部（２ａ）をさらに備える、請求項１または２に記載の自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具。
4. 前記固定部（２）は、チューブ形状要素を備える、請求項１〜３のいずれか一項に記載の自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具。
5. 前記固定部（２）は、その内面にコーティングを含む、請求項１〜４のいずれか一項に記載の自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具。
6. 前記熱可塑性プラスチック材料は、少なくとも第１の閾値温度に加熱された後、第１の時間の間、成形可能なままである、請求項１〜５のいずれか一項に記載の自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具。
7. 前記熱可塑性プラスチック材料は、少なくとも冷却時間の間、周囲温度に冷却された後、剛性になる材料である、請求項１〜６のいずれか一項に記載の自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具。
8. 前記熱可塑性プラスチック材料は、第２の閾値以上の温度に加熱された後、その元の形状に戻る材料である、請求項１〜７のいずれか一項に記載の自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具。
9. 前記熱可塑性プラスチック材料は、非粘性表面を含む、請求項１〜８のいずれか一項に記載の自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具。
10. 前記固定部（２）および保持部（３）は、前記熱可塑性プラスチック材料の単一シートから一体的に形成される、請求項１〜９のいずれか一項に記載の自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具。
11. 前記固定部（２）は、接着剤を塗布するための接触面を備える、請求項１〜１０のいずれか一項に記載の自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具。
12. 前記固定部（２）は、異なるサイズのＡＴＳＶに適応可能である、請求項１〜１１のいずれか一項に記載の自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具。
13. 前記保持部（３）は、接続要素（６ａ、６ｂ）を備え、前記接続要素（６ａ、６ｂ）は前記熱可塑性プラスチック材料を局所的に加熱することにより接着される、請求項１〜１２のいずれか一項に記載の自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具。
14. 前記熱可塑性プラスチック材料は、ポリカプロラクトンベースのポリマーである、請求項１〜１３のいずれか一項に記載の自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具。
15. 前記熱可塑性プラスチック材料には、アクリル酸ウレタンのコーティング分散が提供される、請求項１〜１４のいずれか一項に記載の自動気管瘻孔スピーチバルブ固定具。

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