JP2017059934A - 信号処理装置及び信号処理方法 - Google Patents
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Description
本発明の要旨は、直交成分には信号成分が含まれず雑音成分のみが現れることに注目して、直交成分に基づいて同相成分に重畳された雑音成分を除去することである。雑音成分の除去は周波数軸上又は時間軸上により行うことができる。
本発明は、次の原理を用いて、復調後の信号から雑音を除去するものである。直交多重化していない両側帯波(例えば、AM放送波)を直交復調した場合に、ベースバンドの同相成分には信号成分と雑音成分が現れ、直交成分には信号成分が現れず、雑音成分のみが現れる。上側帯波に雑音が重畳している場合には、直交成分は、同相成分の雑音成分に対して、正周波数帯域も負周波数帯域も、時間軸上において、π/2だけ位相が遅れている。すなわち、正周波数帯域の雑音成分に関して、直交成分は同相成分に対して−π/2だけ位相が回転しており、負周波数帯域の雑音成分に関して、直交成分は同相成分に対して、π/2だけ位相が回転している。なお、位相の符号は、正周波数帯域、負周波数帯域に係わらず、複素座標系における位相の符号、すなわち、左回転方向を正として定義する。また、時間軸上に関する位相の進み、遅れの定義は、正周波数については、複素座標系において左回転、負周波数については右回転に対する進み、遅れとして定義する。
本発明は、以上の原理を用いるものである。
したがって、本発明において、合成手段は、時間軸上の直交成分と伝達関数のインパルス応答との畳み込みにより補正された時間軸上の直交成分を求める等価手段と、時間軸上の同相成分から、等価手段の出力する補正された時間軸上の直交成分を除去する雑音除去手段とを有する構成を採用することができる。時間軸上の合成には、畳み込み積分を実現するトランスバーサルフィルタ、その他のフィルタを用いることができる。
すなわち、上記発明において、合成手段は、直交周波数成分を伝達関数により補正する等価手段と、同相周波数成分から、等価手段の出力する補正された直交周波数成分を減算して雑音除去同相周波数成分を出力する雑音除去手段と、雑音除去同相周波数成分を逆フーリエ変換して、時間軸上の復調信号とする逆フーリエ変換手段と、を有する構成とすることができる。
伝達関数を求める構成は、幾つかある。
(1)伝達関数を、複素共役積の時間平均から演算する方法
上記発明において、伝達関数演算手段は、同相周波数成分と直交周波数成分との一方と、他方の複素共役とを各周波数毎に乗算する複素共役乗算手段と、複素共役乗算手段の出力の時間平均を演算する時間平均演算手段と、時間平均演算手段の出力から各周波数毎の符号成分を抽出し、その符号成分の周波数特性を伝達関数とする符号周波数特性抽出手段と、を有する構成とすることができる。
なお、負周波数領域の伝達関数は、正周波数領域の伝達関数の共役複素数で求めても、負周波数領域について、直接、Fr (−ω)Fi * (−ω)や、Fr (−ω)Fi * (−ω)の時間平均で求めても良い。結果は、Z* (−ω)=jsign(−ω)が得られる。
正周波数帯域の同相周波数成分Fr (ω)は、S(ω)+ρ(ω)である。正周波数帯域の直交周波数成分Fi (ω)は、上記したように、jsign(ω)ρ(ω)である。したがって、雑音成分の同相周波数成分の直交周波数成分に対する伝達関数Z(ω)は、Fr (ω)/Fi (ω)=(S(ω)+ρ(ω))/(jsign(ω)ρ(ω))の時間平均の虚部の符号の周波数関数として定義される。S(ω)/(jsign(ω)ρ(ω))の時間平均は、0を含む微小量の平均残差Δ(ω)となる。また、ρ(ω)/(jsign(ω)ρ(ω))は、瞬時値においても、−jsign(ω)である。したがって、平均残差Δ(ω)の絶対値が1より小さい場合には、伝達関数Z(ω)は、上記各周波数毎の直交周波数成分に対する同相周波数成分の比の移動時間平均により求めることができる。
また、正周波数領域における直交周波数成分の同相周波数成分に対する伝達関数Y(ω)は、Fi (ω)/Fr (ω)=(jsign(ω)ρ(ω))/(S(ω)+ρ(ω))の時間平均の虚部の符号の周波数関数として定義される。この時も、Fi (ω)/Fr (ω)=jsign(ω)/{[S(ω)/ρ(ω)]+1}であり、S(ω)/ρ(ω)の時間平均は、0を含む微小量の平均残差Δ(ω)となる。平均残差Δ(ω)の絶対値が1より小さい場合には、Fi (ω)/Fr (ω)の時間平均の虚部の符号はsign(ω)となる。したがって、このようにして求めた伝達関数Y(ω)の逆数で、伝達関数Z(ω)を求めても良い。
また、平均残差Δ(ω)の絶対値が小さい場合には、符号化しない伝達関数を用いても、その伝達関数と直交周波数成分とから雑音の同相周波数成分を求めることができる。すなわち、上記発明において、伝達関数演算手段は、同相周波数成分を直交周波数成分で各周波数毎に除算した周波数特性の時間平均、又は、直交周波数成分を同相周波数成分で除算した周波数特性の時間平均を演算する時間平均演算手段と、を有し、時間平均演算手段の出力する時間平均された周波数特性を伝達関数とする構成とすることができる。
すなわち、本発明において、伝達関数演算手段又は合成手段は、直交周波数成分の絶対値が所定閾値以上の周波数成分に対して演算又は合成を実行し、直交周波数成分の絶対値が所定閾値より小さい周波数成分に対しては演算又は合成を実行しない構成とすることができる。
すなわち、直交周波数成分の絶対値が所定閾値以上となる周波数のスペクトルだけ抽出して同相周波数成分との比率を演算すれば良い。この所定閾値は、S(ω)/(jsign(ω)ρ(ω)、又は、S(ω)/ρ(ω))の時間平均である平均残差Δ(ω)の絶対値が1以下となるρ(ω)の絶対値に設定すれば良い。そして、他の周波数では、伝達関数Z(ω)の演算や同相周波数成分に対する合成を実行しない。このようにすれば、演算しない周波数において雑音成分の除去はできないが、すなくとも、直交雑音成分が同相で同相雑音成分に重畳されてしまうことを防止することができる。この周波数の雑音レベルはもともと小さいので、同相成分から雑音が除去できなくとも、問題にはならない。
直交周波数成分の絶対値が0でなければ、上記の比率は演算できる。しかし、S(ω)/(jsign(ω)ρ(ω))の平均残差Δ(ω)の絶対値が1以上の場合には、同相周波数成分/直交周波数成分の時間平均の絶対値は、2以上となる可能性がある。比率の絶対値が2以上となると、比率の虚部の符号は、−jsign(ω)を表さなくなる。−jsign(ω)の絶対値は1であるので、比率の絶対値が2より小さい場合には、比率の虚部の符号は、−jsign(ω)に対して、符号反転することはない。
また、S(ω)/(ρ(ω)の平均残差Δ(ω)の絶対値が1以上の場合は、|Δ(ω)+1|が2以上となる可能性があり、したがって、直交周波数成分/同相周波数成分の時間平均の絶対値は、1/2以下となる可能性がある。この場合には、Δ(ω)+1の符号が負となる可能性がある。したがって、比率の絶対値が1/2以下となる場合は、比率の虚部の符号は、jsign(ω)を表さなくなる。比率の絶対値が1/2より大きい場合には、比率の虚部の符号は、jsign(ω)に対して、符号反転することはない。
また、比率演算により伝達関数を求める場合には、上側帯波雑音と下側帯波雑音とがベースバンドにおいて同一周波数で重なっている場合には、比率の時間平均は、−jsign(ω)とはならない。したがって、比率の時間平均から符号関数を求めずに、直接、比率の時間平均として、伝達関数Z(ω)を求める。上記の平均残差Δ(ω)の絶対値が小さく、比率の時間平均が大きく変化しない場合には、この伝達関数Z(ω)を、上側帯波雑音と下側帯波雑音と同一周波数で重畳された直交周波数成分に乗算すれば、上側帯波雑音と下側帯波雑音と同一周波数で重畳された同相周波数成分の雑音を求めることができる。
直交復調において、復調搬送波が受信信号の搬送波と同期していない場合には、直流付近にビート信号が表れ、これは直交周波数成分にも表れる。この周波数成分を除去して伝達関数を求めることができる。
本発明において、復調手段は、直交復調後の直交成分に含まれる、変調搬送波に対する復調搬送波の誤差周波数のビート信号が零となるように、復調搬送波の周波数と位相を制御するフェーズロックドループ部を有することが望ましい。同期検波を実行でき、雑音を確実に除去することができる。
また、同期手段は、ベースバンド信号の移動平均に伴って生じる瞬時位相の遅れを、検出した瞬時位相の時間差と移動平均に応じて補正する手段を有するようにしても良い。
本方法発明は、両側帯波信号を受信して、RF帯域に重畳する雑音を除去する信号処理方法において、両側帯波信号を直交復調して、正周波数帯域と負周波数帯域とを有したベースバンドの同相成分と直交成分とに復調し、同相成分と直交成分とをフーリエ変換して同相周波数成分と直交周波数成分とを求め、同相周波数成分と、直交周波数成分に基づき、直交周波数成分と同相周波数成分間の時間平均された伝達関数を求め、伝達関数に基づいて、直交成分の周波数特性を補正して、同相成分に合成することを特徴とする信号処理方法である。上記の装置発明について説明したことが方法発明にも適用できる。
また、方法発明において、合成は、同相周波数成分から、直交周波数成分を伝達関数で補正した直交周波数成分を除去して雑音除去同相周波数成分を求め、雑音除去同相周波数成分を逆フーリエ変換して、時間軸上の復調信号とするようにしても良い。装置発明と同様に成立する。
本発明の具体的な一実施例に係る信号処理装置1の構成を図1に示す。本実施例は、HV(ハイブリッド車)におけるAMラジオ受信機に混入する雑音を抑制する信号処理装置である。HVには、100kHzのキャリア周波数で制御されるDC−DCコンバータが搭載されていると仮定する。AMラジオ放送波は、531kHzから1602kHzの周波数帯域が割り当てられている。DC−DCコンバータから発生するスイッチング雑音は、基本的には、周波数空間では、線スペクトル列となる。この雑音が、AMラジオ放送帯域に入り込み、AMラジオ放送波に雑音を与える。本発明は、AMラジオ放送の上側帯波帯域と下側帯波帯域とに、共に、雑音が存在する場合であっても、雑音を除去することができる。本実施例は、AMラジオ放送帯域に入り込むこの種の雑音をキャンセルする信号処理装置である。しかしながら、本発明は、このような雑音に限定されることなく、直交多重化されていない両側帯波伝送において、RF帯域に雑音が混入する全ての環境において用いることができる。また、混入する雑音は線スペクトルに限らず帯域を有した連続スペクトルであっても良い。
1.受信信号のスペクトル
雑音は、放送局から受信装置に至る間に上側帯波帯域と下側帯波帯域とに重畳されるものとする。アンテナ11の出力する受信信号r(t)は、(1)式で表される。
1.同期復調
復調搬送波発生部22の出力する復調搬送波の周波数は、変調搬送波の周波数ωc に対してΔωだけ大きいとする。すなわち、復調搬送波波L(t)は(2)式で表される。
信号成分の直交成分は存在しないので、複素空間では、直交復調は、(1)式で表される複素関数の実部の受信信号にexp[−j(ωc +Δω)t]を掛ける演算を行うことに等しい。したがって、ミキサー21の出力する復調した後のベースバンドの信号は、(3)式で表される。なお、復調結果には1/2の係数が係るので、表現を簡単にするために、x(t)は、直交復調の結果の2倍で定義する。ベースバンド信号に、exp(−jΔωt)の因子が現れる。なお、ミキサー21の出力には2ωc の高調波成分が含まれるので、実際には、ローパスフィルタにより高調波成分は除去されている。
この処理により、復調搬送波の周波数が変調搬送波の周波数に対して偏差Δωを有していても、その偏差による影響を排除することができる。
なお、上記の説明では、受信信号に含まれる復調搬送波と、変調搬送波との位相差Δφは、明示していないが、(2)〜(5)式におけるjΔωtをjΔωt+jΔφとおいて、位相誤差Δφを考慮して、(6)式を演算すると、Δφは消去されるので、Δφが存在しても、(6)式が得られる。すなわち、周波数誤差だけでなく位相誤差も、補償されることになる。
同相成分は、(8)式で、直交成分は、(9)式で表される。
次に、直交周波数成分Xi (ω)は、π/2だけ位相を回転させる(jを乗算する)位相回転部26に入力して、jの乗算が行われ、位相回転直交周波数成分jXi (ω)が求められる。この位相回転直交周波数成分jXi (ω)は、複素共役演算部47に入力しその複素共役直交周波数成分(jXi (ω))* が演算される。次に、乗算部48において、FFT45の出力する同相周波数成分Xr (ω)と複素共役直交周波数成分(jXi (ω))* との各周波数毎の積が演算される。演算結果である複素積周波数成分Xr (ω)(jXi (ω))* は、(12)式で表される。だだし、表現を簡単にするために、複素積周波数成分の4倍で表現している。
なお、時間平均R(ω)に、平均残差Δ(ω)が存在しても、その絶対値が雑音スペクトルの絶対値の2乗の時間平均より小さいならば、時間平均R(ω)が|Δ(ω)|より大きいところの周波数について、符号の抽出を行うことで、符号周波数特性を抽出することができる。
さらに、このjの乗算を行うことなく、複素積周波数成分Xr (ω)(Xi (ω))* 又は(Xr (ω))* (Xi (ω))を演算するようにしても良い。(11)式から明らかなように、直交周波数成分Xi (ω)には、共通に1/jの因子がかかっているだけであるので、複素積周波数成分Xr (ω)(Xi (ω))* は、(12)式の右辺においてjを共通に掛けた式で表される。したがって、(13)式の時間平均R(ω)及び(14)式の時間平均伝達関数W(ω)も、各項にjを掛けた式で表される。(13)式の各項は虚数であるので、符号を決定することができる。したがって、直交周波数成分Xi (ω)に時間平均伝達関数W(ω)を周波数毎に乗算すると、(15)式の推定同相雑音成分Q(ω)が得られる。よって、図1において、位相回転部26が存在しない場合も同様に雑音成分が除去された同相周波数成分を求めることができ、時間軸上の雑音が除去された復調信号S(t)を得ることができる。
本実施例では、全周波数帯域において、上記の合成までの演算を行うことを想定しているが、直交周波数成分(Xi (ω)の絶対値が所定閾値以上の周波数だけ実行するようにしても良い。この所定閾値は、直交雑音成分の絶対値の2乗が、平均残差Δ(ω)の絶対値以上となる値に設定すれば良い。このようにすれば、雑音の直交成分が同相成分に同相で合成されることが防止される。
上記実施例では、説明を簡単にするために、上側帯波雑音、下側帯波雑音を単一の線スペクトルとして説明した。しかし、多数の線スペクトル列であっても、連続スペクトルであっても、各周波数成分毎に上記の原理が成立する。したがって、雑音が多数の線スペクトル列、連続スペクトルの場合にも、本発明は適用できる。
上記実施例では、正負の全周波数帯域で演算することを想定しているが、正周波数帯域について上記の演算により符号周波数特性W(ω)を求め、負周波数帯域の符号周波数特性はその複素共役W(−ω)* として求めても良い。当然に、その逆であっても良い。
上記実施例では、正負の全周波数帯域で演算することを想定しているが、正周波数帯域について上記の演算により符号関数{−jsign(ω)}を伝達関数Z(ω)として求め、負周波数帯域の符号周波数特性はその複素共役Z(−ω)* =jsign(ω)として求めても良い。当然にその逆であっても良い。
さらに、比率演算部71において、同相周波数成分Xr (ω)に対する直交周波数成分Xi (ω)の比率周波数特性V(ω)を求めて、それから符号関数を抽出して、それを伝達関数の逆数1/Z(ω)としても良い。また、符号関数を抽出することなく、比例周波数特性の逆数1/V(ω)を直交周波数成分Xi (ω)に乗算するか、直交周波数成分Xi (ω)をその比例周波数特性V(ω)で除して推定同相周波数特性Q(ω)を求めても良い。
上記したことは、同様に成立する。直交周波数成分の絶対値が所定閾値以上の周波数、又は、比率の絶対値が1/2より大きい周波数についてのみ、比率演算又は合成演算を行えば良い。
24…直交成分抽出部
60,70…伝達関数演算部
80…合成部
Claims (16)
- 両側帯波信号を受信して、RF帯域に重畳する雑音を除去する信号処理装置において、 前記両側帯波信号を直交復調して、正周波数帯域と負周波数帯域とを有したベースバンドの同相成分と直交成分とに復調する復調手段と、
前記同相成分と前記直交成分とをフーリエ変換して同相周波数成分と直交周波数成分とを出力するフーリエ変換手段と、
前記同相周波数成分と、前記直交周波数成分に基づき、前記直交周波数成分と前記同相周波数成分間の時間平均された伝達関数を求める伝達関数演算手段と、
前記伝達関数に基づいて、前記直交成分の周波数特性を補正して、前記同相成分に合成する合成手段と
を有することを特徴とする信号処理装置。 - 前記伝達関数演算手段は、
前記同相周波数成分と前記直交周波数成分との一方と、他方の複素共役とを各周波数毎に乗算する複素共役乗算手段と、
前記複素共役乗算手段の出力の時間平均を演算する時間平均演算手段と、
前記時間平均演算手段の出力から各周波数毎の符号成分を抽出し、その符号成分の周波数特性を前記伝達関数とする符号周波数特性抽出手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記復調手段の出力する前記直交成分と前記同相成分のうちの一方にのみ純虚数j又は−jを乗算又は除算するか、又は、前記フーリエ変換手段の出力する前記直交周波数成分と前記同相周波数成分のうちの一方にのみ純虚数j又は−jを乗算又は除算した周波数成分を新たに前記直交周波数成分又は前記同相周波数成分とする位相回転手段を有することを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。
- 前記伝達関数演算手段は、
前記同相周波数成分を前記直交周波数成分で各周波数毎に除算した周波数特性の時間平均、又は、前記直交周波数成分を前記同相周波数成分で除算した周波数特性の時間平均を演算する時間平均演算手段と、
前記時間平均演算手段の出力から各周波数毎の符号成分を抽出し、その符号成分の周波数特性を前記伝達関数とする符号周波数特性抽出手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記伝達関数演算手段は、
前記同相周波数成分を前記直交周波数成分で各周波数毎に除算した周波数特性の時間平均、又は、前記直交周波数成分を前記同相周波数成分で除算した周波数特性の時間平均を演算する時間平均演算手段と、
を有し、
前記時間平均演算手段の出力する時間平均された周波数特性を前記伝達関数とする
ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記伝達関数演算手段又は前記合成手段は、前記直交周波数成分の絶対値が所定閾値以上の周波数成分に対して演算又は合成を実行し、前記直交周波数成分の絶対値が所定閾値より小さい周波数成分に対しては演算又は合成を実行しない
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の信号処理装置。 - 前記合成手段は、
前記伝達関数演算手段が、前記同相周波数成分を前記直交周波数成分で各周波数毎に除算した周波数特性の時間平均を演算する場合にはその時間平均の絶対値が2より小さい周波数成分のみに対して合成演算を実行し、
前記伝達関数演算手段が、前記直交周波数成分を前記同相周波数成分で除算した周波数特性の時間平均を演算する場合にはその時間平均の絶対値が1/2より大きい周波数成分のみに対して合成演算を実行する
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の信号処理装置。 - 前記合成手段は、
前記直交周波数成分を前記伝達関数により補正する等価手段と、
前記同相周波数成分から、前記等価手段の出力する補正された直交周波数成分を減算して雑音除去同相周波数成分を出力する雑音除去手段と、
前記雑音除去同相周波数成分を逆フーリエ変換して、時間軸上の復調信号とする逆フーリエ変換手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の信号処理装置。 - 前記合成手段は、
時間軸上の前記直交成分と前記伝達関数のインパルス応答との畳み込みにより補正された時間軸上の直交成分を求める等価手段と、
時間軸上の前記同相成分から、前記等価手段の出力する補正された時間軸上の直交成分を除去する雑音除去手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の信号処理装置。 - 前記フーリエ変換手段の出力から前記伝達関数演算手段の出力までの間において、直流を含む帯域を除去するマスク手段を
有することを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の信号処理装置。 - 前記復調手段は、直交復調後の前記直交成分に含まれる、変調搬送波に対する復調搬送波の誤差周波数のビート信号が零となるように、復調搬送波の周波数と位相を制御するフェーズロックドループ部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の信号処理装置。
- 前記復調手段は、前記ベースバンド信号の移動平均から、変調搬送波に対する復調搬送波の誤差周波数のビート信号を求め、そのビート信号に基づいて前記ベースバンド信号のビート信号による変動を補正した信号を新たにベースバンド信号とする同期手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の信号処理装置。
- 前記同期手段は、前記ベースバンド信号の移動平均に伴って生じる瞬時位相の遅れを、検出した瞬時位相の時間差と移動平均に応じて補正する手段を有する
ことを特徴とする請求項12に記載の信号処理装置。 - 両側帯波信号を受信して、RF帯域に重畳する雑音を除去する信号処理方法において、 前記両側帯波信号を直交復調して、正周波数帯域と負周波数帯域とを有したベースバンドの同相成分と直交成分とに復調し、
前記同相成分と前記直交成分とをフーリエ変換して同相周波数成分と直交周波数成分とを求め、
前記同相周波数成分と、前記直交周波数成分に基づき、前記直交周波数成分と前記同相周波数成分間の時間平均された伝達関数を求め、
前記伝達関数に基づいて、前記直交成分の周波数特性を補正して、前記同相成分に合成する
ことを特徴とする信号処理方法。 - 前記時間平均された前記伝達関数から各周波数毎の符号成分を抽出して、その符号成分の周波数特性を前記直交成分の補正に用いる前記伝達関数とすることを特徴とする請求項14に記載の信号処理方法。
- 前記合成は、前記同相周波数成分から、前記直交周波数成分を前記伝達関数で補正した直交周波数成分を除去して雑音除去同相周波数成分を求め、
前記雑音除去同相周波数成分を逆フーリエ変換して、時間軸上の復調信号とする
ことを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の信号処理方法。
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