JP2017058397A - フォトマスクの転写特性評価方法と転写特性評価システムおよびフォトマスクの製造方法 - Google Patents

フォトマスクの転写特性評価方法と転写特性評価システムおよびフォトマスクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 マルチパターニング用のフォトマスクの転写特性の正確な評価を可能とする評価方法、評価システム、および、信頼性の高いフォトマスクの製造を可能とする製造方法を提供する。【解決手段】 1つの層を構成するパターンをN枚(Nは2以上の整数)のフォトマスクの中で、n枚(nは1以上、(N−1)以下の整数)のフォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、当該フォトマスクのパターン設計データからシミュレーションにより求め、上記n枚を除いた他のフォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、当該フォトマスクをリソグラフィシミュレーション顕微鏡にて撮像したパターンから求め、このように求めた転写露光結果を重ね合わせて評価を行う。【選択図】 図1

Description

本発明は、フォトマスク、特にマルチパターニング用のフォトマスクの転写特性の評価方法、評価システム、および、当該評価方法を組み込んだフォトマスクの製造方法に関する。
半導体回路の作製では、半導体集積回路用基板のウエハ上に形成したレジスト層に対して、フォトマスクを介した露光が行われる。半導体回路の作製において使用されるフォトマスクは、近年の半導体回路の高密度化、複数種類のパターン混在化により、複数種類のパターンが高い密度で形成されるようになってきた。しかし、1枚のフォトマスクで高密度化された1つの層を形成する場合、パターン間の距離が小さい部位の分離が困難になるという解像度の問題があった。このため、1層分のパターンを2枚以上のフォトマスクに分割して形成し、複数回の露光を行うことにより、1回の露光では形成できないような高密度で微細なパターンを形成するマルチパターニングと呼ばれるフォトリソグラフィ技術が開発されている(特許文献1)。
半導体回路の作製において使用されるフォトマスクの欠陥判定では、フォトマスクの欠陥がウエハ等の基板上に転写された場合に、その欠陥が許容できるか否かの判定が行われている。上記のようなマルチパターニングによるパターン形成においても、従来のフォトマスクと同様に、使用するフォトマスクの転写特性の評価による欠陥判定が重要となる。このフォトマスクの欠陥判定のために、従来、光学シミュレーションを行ってフォトマスクの転写特性を評価する方法が行われている。この転写特性の評価では、リソグラフィシミュレーション顕微鏡が用いられており、例えば、エアリアルイメージ測定システム(Aerial Image Measurement System:カールツァイス社製、以後、AIMS(登録商標)と記す)等が知られている。
特開2009−53605号公報
上記のAIMSを用いたマルチパターニング用のフォトマスクの転写特性の評価では、1層分のパターンを分割して形成した各フォトマスクにおいて、AIMSを用いて半導体回路へのフォトマスクの転写の影響度が評価される。欠陥箇所が発見された場合、あるいは、欠陥箇所が発見され修正が行われた場合には、当該フォトマスクにより形成される半導体回路への転写の影響度が評価される。そして、このような転写特性の評価で良好と判定されたフォトマスクは、順次出荷、あるいは半導体回路の作製に供される。
しかし、マルチパターニングでは、個々のフォトマスクにおける転写特性の評価とともに、複数のフォトマスクを用いて形成した1つの層における微細なパターン間隙での転写の影響度を評価することが重要である。したがって、マルチパターニング用のフォトマスクの1枚において欠陥箇所が発見された場合、あるいは、発見された欠陥箇所の修正が行われた場合、1層分のパターンを形成するための他のフォトマスクとの間で、AIMSを用いたシミュレーションデータの重ね合わせが必要となる。しかしながら、1層分のパターンを形成するための他のフォトマスクが手元に存在しない場合が往々にしてある。すなわち、上記のように、転写特性の評価で良好と判定されたフォトマスクから順次出荷、あるいは半導体回路の作製に供されることが多く、また、1層分のパターンを形成するための他のフォトマスクが製造プロセス中であることなどが多い。この他、欠陥箇所が発見されたフォトマスクが、バックアップマスクとして1枚だけ作製したものである場合、洗浄とペリクルの再張設を行うために1枚だけ手元にある場合、破損したマスクの代替として1枚だけ再作製する場合等においては、通常、他のフォトマスクは手元に存在しないこととなる。したがって、1層分のパターンを形成するための全てのフォトマスクについて、AIMSを用いたシミュレーションデータを得ることは困難である場合が多く、このような場合に対処できるフォトマスクの転写特性の評価は未だ確立されていないのが現状である。
また、多層構造の半導体デバイスでは、フォトマスクを用いて形成した1つの層と、他の層におけるパターンとの間で転写の影響度を評価することも必要となるが、この場合も、上記と同様に、評価対象とした全てのフォトマスクについて、AIMSを用いたシミュレーションデータを得ることが困難な場合が多い。
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、マルチパターニング用のフォトマスクの転写特性の正確な評価を可能とする評価方法、評価システム、および、信頼性の高いフォトマスクの製造を可能とする製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明は、1つの層を構成するパターンをN枚(Nは2以上の整数)のフォトマスクを用いて転写露光により形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクの転写特性評価方法において、n枚(nは1以上、(N−1)以下の整数)の前記フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、該フォトマスクのパターン設計データからシミュレーションにより求め、前記n枚を除いた他の前記フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、該フォトマスクをリソグラフィシミュレーション顕微鏡にて撮像したパターンから求め、前記転写露光結果を重ね合わせて評価を行うような構成とした。
本発明の他の態様として、フォトマスクのパターン設計データからシミュレーションにより前記転写露光結果を求める方法は、マスクプロセスシミュレーションおよびフォトリソグラフィシミュレーションを用いるような構成とした。
本発明の他の態様として、フォトマスクをリソグラフィシミュレーション顕微鏡にて撮像したパターンから前記転写露光結果を求める方法では、撮像領域にフォトマスクの欠陥箇所を含めるような構成とした。
本発明の他の態様として、フォトマスクをリソグラフィシミュレーション顕微鏡にて撮像したパターンから前記転写露光結果を求める方法では、撮像領域にフォトマスクの欠陥修正箇所を含めるような構成とした。
前本発明の他の態様として、記転写露光結果を重ね合わせて行う評価では、パターン寸法により欠陥箇所および/または欠陥修正箇所の合否判定するような構成とし、また、前記転写露光結果を重ね合わせて行う評価では、欠陥箇所の転写影響度ΔCD値で合否判定するような構成とした。
本発明の他の態様として、他の1つの層を形成するためのM枚(Mは2以上の整数)のフォトマスクの少なくとも1枚のフォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、該フォトマスクのパターン設計データからシミュレーションにより求め、該転写露光結果と、前記1つの層を形成するための少なくとも1枚のフォトマスクの前記転写露光結果とを重ね合わせて評価を行うような構成とした。
また、本発明は、複数のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクを検査して合否判定を行う転写特性評価システムにおいて、フォトマスクの設計データを記憶する記憶部と、リソグラフィシミュレーション顕微鏡を用いてフォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を取得する測定部と、前記記憶部に記憶されているフォトマスクの設計データから、シミュレーションにより該フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を取得するシミュレーション部と、取得した前記転写露光結果を重ね合わせて検査を行う検査部と、前記記憶部、前記測定部、前記シミュレーション部および前記検査部を制御する制御部と、を有し、該制御部は、複数の前記フォトマスクの中で前記測定部による転写露光結果の取得ができないフォトマスクについて、前記記憶部から設計データを前記シミュレーション部に送り、シミュレーションにより該フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を取得するような構成とした。
また、本発明は、N枚(Nは2以上の整数)のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクの製造方法において、上述のいずれかのフォトマスクの転写特性評価方法による転写特性評価工程を含むような構成とした。
本発明の転写特性評価方法、転写特性評価システムは、マルチパターニング用のフォトマスクの転写特性を正確に評価することができる。
本発明のフォトマスクの製造方法は、マルチパターニングにおけるフォトマスク相互間の転写の影響が低減されたフォトマスクの製造を可能とする。
図1は、本発明のフォトマスクの転写特性評価方法の一実施形態のプロセスを説明するフロー図である。 図2は、図1に示されるフローを説明する図である。 図3は、図1に示されるフローを説明する図である。 図4は、図1に示されるフローを説明する図である。 図5は、図1に示されるフローを説明する図である。 図6は、図1に示されるフローを説明する図である。 図7は、マスクプロセスモデル、リソグラフィシミュレーションモデルの最適化のプロセスを説明するフロー図である。 図8は、図7に示されるフローを説明する図である。 図9は、図7に示されるフローを説明する図である。 図10は、本発明のフォトマスクの転写特性評価システムの一実施形態を示す構成図である。 図11は、リソグラフィシミュレーション顕微鏡の構成例を示す図である。 図12は、本発明のフォトマスク製造方法の一実施形態を示す工程図である。 図13は、設計データからマスクシミュレーション、リソグラフィシミュレーションを行って輪郭線化した画像データの一部を示す図である。 図14は、AIMS画像から得た輪郭線化した画像データの一部を示す図である。 図15は、設計データを基に転写シミュレーションにより得た第1フォトマスクのパターンエッジの輪郭線データと、AIMS画像から得た第2フォトマスクの輪郭線化した画像データを重ね合わせた一部を示す図である。 図16は、AIMS画像から得た第1フォトマスクの輪郭線データと、AIMS画像から得た第2フォトマスクの輪郭線化した画像データを重ね合わせた一部を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する形態に限定されることはなく、技術思想を逸脱しない範囲において種々変形を行なって実施することが可能である。また、添付の図面においては、説明のために上下、左右の縮尺を誇張して図示することがあり、実際のものとは縮尺が異なる場合がある。
[フォトマスクの転写特性評価方法]
本発明は、1つの層を構成するパターンをN枚(Nは2以上の整数)のフォトマスクを用いて転写露光により形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクの転写特性評価方法である。図1は、本発明のフォトマスクの転写特性評価方法の一実施形態のプロセスを説明するフロー図であり、図2〜図6は、図1に示されるフローを説明する図である。この実施形態では、第1フォトマスク、第2フォトマスクの2枚のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成する場合を例としており、また、第1フォトマスクは手元にないものとしている。
本発明では、第1フォトマスクの設計データを準備する(S101)。第1フォトマスクの設計データは、例えば、GDS形式、OASIS形式等が好適に用いられるが、多角形(ポリゴン)の閉曲線で表現されるポリゴン座標データであれば、これらに限定されない。設計データは、光近接効果を利用したOPC(Optical Proximity Collection)パターンを含むものであってよい(図2(A)参照)。この第1フォトマスクの設計データでは、デザインルールチェック(DRC)、光学的ルールチェック(ORC)等の設計検証が行われており、設計ルール違反により生じる欠陥に対して完全にクリーンな状態である。尚、図2(A)では、第1フォトマスクの設計データに対応する遮光パターンP1を、砂目模様を付して示している。
次に、第1フォトマスクの設計データを、マスクシミュレーション、リソグラフィシミュレーションを行うシミュレータに入力する(S102)。マスクシミュレーション、リソグラフィシミュレーションそれぞれにおいて、マスクプロセスモデルの最適化、リソグラフィシミュレーションモデルの最適化が必要な場合、予め最適化を実施する。これについては、後述する。
第1フォトマスクの設計データを基にマスクシミュレーション、リソグラフィシミュレーションを行い、このシミュレーション処理後のデータをパターンエッジの輪郭線データとして出力する(S103)。すなわち、シミュレーションで転写パターンの輪郭線を生成し、所定の形式、例えばGDS形式に変換して、第1フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果としての輪郭線データを得る。図2(B)には、シミュレーションで得た転写パターンPS1を示している
一方、第2フォトマスクの設計データを準備する(S104)。第2フォトマスクの設計データもGDS形式、OASIS形式等でよく、OPCパターンを含むものであってよい。図3では、第2フォトマスクの設計データに対応する遮光パターンP2を、斜線を付して示している。この第2フォトマスクの設計データでは、デザインルールチェック(DRC)、光学的ルールチェック(ORC)等の設計検証が行われており、設計ルール違反により生じる欠陥に対して完全にクリーンな状態である。
次に、第2フォトマスクの設計データに基づいて、例えば、電子線描画、現像、異物検査等の工程を経て第2フォトマスクを作製する(S105)。
作製した第2フォトマスクについて欠陥検査を行い、必要な場合には欠陥箇所の修正を行う(S106)。欠陥検査は、例えば、DB(Die to Database)検査方式やDD(Die to Die)検査方式よる、フォトマスク欠陥検査装置を用いて行うことができる。また、欠陥箇所の修正は、荷電粒子修正装置、AFM(原子間力顕微鏡)等の欠陥修正装置を用いて行うことができる。図3(B)では、欠陥検査において把握されるパターンPINS2を示しており、欠陥箇所Pdに細かいピッチの斜線を付して示している。
尚、既に上記のS104〜S106のプロセスが完了し、転写特性評価の対象である第2フォトマスクが手元に存在する場合には、上記のS104〜S106のプロセスは省略される。
次に、リソグラフィシミュレーション顕微鏡により第2フォトマスクを撮像する(S107)。リソグラフィシミュレーション顕微鏡はウエハ露光装置の光学系を模した顕微鏡であり、エアリアルイメージ測定システム(Aerial Image Measurement System:カールツァイス社製、以後、AIMS(登録商標)と記す)等が知られている。AIMSによる第2フォトマスクの撮像は、欠陥箇所、欠陥修正箇所を含む領域が対象となる。これは、フォトマスクの欠陥保証面積に対してAIMSによる撮像面積が狭く、かつ、撮像に要する時間が長いため、第2フォトマスクの欠陥検査(S106)において欠陥が発見された箇所、欠陥の修正が行われた箇所に限定して撮像することが効率的であるからである。
上記のように撮像したAIMS画像から特徴抽出を行い、輪郭線データを出力する(S108)。すなわち、AIMSを用いて撮像したパターン画像から、後述するパターンマッチングに必要な特徴データ(点、コーナー、線、輪郭線、領域)を抽出する。ここでは、Canny法、非極値抑制エッジ強調法、ハフ変換、動的輪郭法(SNAKE法)等により輪郭線を生成し、所定の形式、例えば、GDS形式に変換し、第2フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果としての輪郭線データとして出力する。図3(C)に、AIMSを用いて撮像したパターンPA2を示している。
次に、パターンマッチングにおいて、第1フォトマスク、第2フォトマスクの転写露光結果の重ね合わせ処理を行う(S109)。このパターンマッチングでは、設計データの座標情報を利用して、第1フォトマスクの輪郭線データ(パターンPS1)、第2フォトマスクの輪郭線データ(パターンPA2)を重ね合わせる(図4参照)。パターンマッチング方法としては、正規化相関法(例えば、重心分布)やベクトル相関法が挙げられ、輪郭線データはベクトルデータの抽出が容易であり、ベクトルデータ間のパターンマッチングが可能である。
パターンマッチングから、転写特性を評価する(S110)。この転写特性の評価では、パターン寸法により欠陥箇所および/または欠陥修正箇所の合否を判定することできる。例えば、該当箇所の転写影響度ΔCD値で合否判定をすることができる。欠陥箇所や欠陥修正箇所の転写影響度ΔCD値は、正常寸法Wと欠陥箇所あるいは欠陥修正箇所の寸法W′から、下記のように算出する。
ΔCD(%)=(W′− W)/ W ×100
ここで、図5は、第2フォトマスクのAIMS撮像から輪郭線化した画像データ(パターンPA2)の一部を示す図であり、第2フォトマスクがライン/スペースのパターンを有し、ライン部(斜線を付して示している)に線幅が大きくなるような欠陥が存在する場合を示している。図5(A)は欠陥箇所の例、図5(B)は欠陥修正箇所の例を示している。そして、図5(A)の欠陥箇所のスペース部でのΔCDは下記式から「−a%」、ライン部でのΔCDは下記式から「b%」とする。
(W′S − WS)/WS ×100 = −a%
(W′L − WL)/WL ×100 = b%
また、図5(B)の欠陥修正箇所のスペース部でのΔCDは下記式から「−c%」、ライン部でのΔCDは下記式から「d%」とする。但し、a、b、c、dはいずれも正数であり、a>c、b>dとする。
(W″S − WS)/WS ×100 = −c%
(W″L − WL)/WL ×100 = d%
図6は、第2フォトマスクのAIMS撮像から輪郭線化した画像データ(パターンPA2)に、設計データから転写シミュレーションした第1フォトマスクの輪郭線化した画像データ(パターンPS1)を重ね合わせた一部を示す図である。図6(A)は図5(A)に示される例での重ね合わせ、図6(B)は図5(B)に示される例での重ね合わせを示している。そして、図6(A)の欠陥箇所のスペース部でのΔCDは下記式から「−a′%」、ライン部でのΔCDは、上記と同様に、下記式から「b%」とする。
(W′S' − WS')/WS' ×100 = −a′%
(W′L − WL)/WL ×100 = b%
また、図6(B)の欠陥修正箇所のスペース部でのΔCDは下記式から「−c′%」、ライン部でのΔCDは、上記と同様に、下記式から「d%」とする。但し、a′、c′はいずれも正数であり、a′>c′とする。
(W″S' − WS')/WS' ×100 = −c′%
(W″L − WL)/WL ×100 = d%
図5(A)および図6(A)の欠陥箇所のスペース部では、ΔCDがパターンマッチング前の「−a%」からパターンマッチング後の「−a′%」となっている。一方、図5(B)および図6(B)の欠陥修正箇所のスペース部では、ΔCDがパターンマッチング前の「−c%」からパターンマッチング後の「−c′%」となっている。そして、欠陥箇所の合否判定における「良」の基準を、例えば、パターンマッチング後のΔCDの絶対値が10%以下(|ΔCD|≦10%)の範囲とすることができる。この場合、図6(A)の欠陥箇所のスペース部のΔCDが|−a′%|>10%の場合、欠陥箇所の合否判定は不良となる。また、図6(B)の欠陥修正箇所のスペース部のΔCDが|−c′%|≦10%の場合、欠陥修正箇所の合否判定を良とすることができる。
上述のように、本発明のフォトマスクの転写特性評価方法では、1層分のパターンを形成するためのフォトマスクにおいて、AIMSを用いたシミュレーションデータを得ることが困難なフォトマスクが存在しても、フォトマスクの転写特性の正確な評価を可能とする。
上述の実施形態では、第1フォトマスク、第2フォトマスクの2枚のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成するダブルパターニングの場合であって、第1フォトマスクは手元になくAIMSを用いたシミュレーションデータを得ることができない場合である。例えば、第1フォトマスク〜第3フォトマスクの3枚のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成するトリプルパターニング、第1フォトマスク〜第4フォトマスクの4枚のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成するクアドロパターニングの場合であっても、上記と同様に、フォトマスクの転写特性の正確な評価が可能である。すなわち、マルチパターニングに用いるN枚(Nは2以上の整数)のフォトマスクにおいて、n枚(nは1以上、(N−1)以下の整数)のフォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、図1のS101〜103のプロセスで、設計データからのシミュレーションデータとして求め、このn枚を除いた他のフォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、図1のS104〜S108のプロセスで、AIMSを用いたシミュレーションデータとして求め、設計データからのシミュレーションデータとAIMSを用いたシミュレーションデータとのパターンマッチングを行うことにより、フォトマスクの転写特性の正確な評価が可能である。
ここで、上述の本発明のフォトマスクの転写特性評価方法において、設計データからシミュレーションデータを得るマスクシミュレーション、リソグラフィシミュレーション(S102)におけるマスクプロセスモデル、リソグラフィシミュレーションモデルの最適化について説明する。
図7は、マスクプロセスモデル、リソグラフィシミュレーションモデルの最適化のプロセスを説明するフロー図であり、図8〜図9は、図7に示されるフローを説明する図である。
モデル最適化では、テストマスクの設計データを準備する(S111)。テストマスクは、フォトマスクに存在する種々の形状、寸法を代表するような単純化されたパターン、例えば、ライン形状、ホール形状、ピラー形状等のパターン、あるいは、これらの組み合わせ集合であってよい。テストマスクのデータの形式は、例えば、GDS形式、OASIS形式等が好適に用いられるが、これらに限定されない。設計データは、光近接効果を利用したOPCパターンを含むものであってよい(図8(A)参照)。この第1フォトマスクの設計データでは、デザインルールチェック、光学的ルールチェック等の設計検証が行われており、設計ルール違反により生じる欠陥に対して完全にクリーンな状態である。尚、図8(A)では、テストマスクの設計データに対応する遮光パターンPTを、砂目模様を付して示している。
このテストマスクの設計データに基づいて、例えば、電子線描画、現像、異物検査等の工程を経てテストマスクを作製する(S112)。
作製したテストマスクを、例えば、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて撮像する(S113)。撮像したSEM画像から特徴抽出を行い、輪郭線データを出力する(S114)。図8(B)の右側に、撮像したSEM画像のパターンPTSEMを、斜線を付して示している。SEMを用いて撮像したパターン画像から、パターンマッチングに必要な特徴データ(点、コーナー、線、輪郭線、領域)を抽出する。ここでは、Canny法、非極値抑制エッジ強調法、ハフ変換、動的輪郭法(SNAKE法)等により輪郭線を生成し、所定の形式、例えば、GDS形式に変換し輪郭線データとして出力する。尚、S113では、SEMの他に、イオンビームを走査して画像を形成するFIB(集束イオンビーム)装置等を用いてテストマスクを撮像してもよい。
また、作製したテストマスクについて、AIMSを用いてテストマスクを撮像し(S115)、撮像したAIMS画像から特徴抽出を行い、輪郭線データを出力する(S116)。すなわち、AIMSを用いて撮像したパターン画像から、Canny法、非極値抑制エッジ強調法、ハフ変換、動的輪郭法(SNAKE法)等により輪郭線を生成し、所定の形式、例えば、GDS形式に変換し輪郭線データとして出力する。図9(A)の右側に、AIMSを用いて撮像したパターンPTAを、斜線を付して示している。
一方、テストマスクの設計データをマスクプロセスシミュレータに入力して、マスクプロセスシミュレーション実施後の出力データを得る(S117)。マスクプロセスシミュレータでは、レジストシミュレーション、エッチングシミュレーションが行われ、暫定のマスクプロセスモデルによりシミュレーションされたマスクパターンの輪郭線を生成し、所定の形式、例えば、GDS形式に変換し輪郭線データとして出力する。図8(B)の左側に、シミュレーションで得たマスクパターンPTMSを、砂目模様を付して示している。
次に、マスクプロセスシミュレーション実施後の出力データと、テストマスクのSEM画像の輪郭線データとを用いてパターンマッチングを行う(S118)。このパターンマッチングでは、マスクプロセスシミュレーション実施後の出力データ(パターンPTMS)と、SEM画像からの輪郭線データ(パターンPTSEM)との間でモデルの類似度を求める(図8(B)参照)。類似度は、パターンの特徴量の差分で評価し、残量が設定した許容値以下で最小となるように、言い換えれば類似度が最大となるように、マスクプロセスモデルを合わせこむ(フィッティング)。パターンマッチングの手法としては、正規化相関法(ピクセル画像をベースとした相関値を求める手法)、幾何マッチング(エッジ点列を用いるXY座標の出力)、ベクトル相関法(エッジ等の特徴を高次元の特徴ベクトルに変換して相関を求める手法)等がある。そして、パターンマッチング(S118)で差分が最小とはならない場合(No)には、再度、マスクプロセスシミュレータにて、モデル関数のフィッティングを行い、マスクプロセスシミュレーションを実施後のパターンデータを出力する。図8(C)に、モデル関数のフィッティングを行った後のシミュレーションで得たパターンPTMS'を示している。このマスクプロセスシミュレーション実施後の出力データ(パターンPTMS')と、テストマスクのSEM画像の輪郭線データ(パターンPTSEM)とを用いてパターンマッチングを行う(S118)。そして、パターンマッチングで差分が最小となった場合(Yes)、マスクプロセスモデルの最適化が完了する(S119)。
次に、マスクプロセスシミュレータにおいて、最適化されたマスクプロセスモデルによりシミュレーションされたマスクパターンデータを出力する(S120)。このマスクパターンデータ(例えば、GDS形式)をリソグラフィシミュレータに入力して、リソグラフィシミュレーション実施後の出力データを得る(S121)。このリソグラフィシミュレータでは、暫定の光学モデルによりリソグラフィシミュレーションされた転写パターンの輪郭線を生成し、所定の形式、例えば、GDS形式に変換し輪郭線データとして出力する。図9(A)の左側に、シミュレーションで得たマスクパターンPTLSを、砂目模様を付して示している。
次に、リソグラフィシミュレーション実施後の出力データと、テストマスクのAIMS画像の輪郭線データとを用いてパターンマッチングを行う(S122)。このパターンマッチングにおいても、リソグラフィシミュレーション実施後の出力データ(パターンPTLS)と、AIMS画像からの輪郭線データ(パターンPTA)との間でモデルの類似度を求める(図9(A)参照)。類似度は、パターンの特徴量の差分で評価し、残量が最小となるようにマスクプロセスモデルを合わせこむ(フィッティング)。そして、パターンマッチング(S122)で差分が最小ではない場合(No)には、再度、リソグラフィシミュレータにて、モデル関数のフィッティングを行い、リソグラフィシミュレーションを実施後のパターンデータを出力する。図9(B)に、モデル関数のフィッティングを行った後のシミュレーションで得たパターンPTLS'を示している。このリソグラフィシミュレーション実施後の出力データ(パターンPTLS')と、テストマスクのAIMS画像の輪郭線データ(パターンPTA)とを用いてパターンマッチングを行う(S122)。そして、パターンマッチングで差分が最小となった場合(Yes)、リソグラフィモデルの最適化が完了する(S123)。
上述の実施形態では、1層分のパターンを形成するための第1フォトマスク、第2フォトマスクの2枚のフォトマスクの転写特性評価の例であるが、本発明のフォトマスクの転写特性評価方法は、1つの層を形成するためのフォトマスクと、他の層を形成するためのフォトマスクについても、転写特性を評価することが可能である。多層構造の半導体デバイスでは、上層と下層の重なりは、上下層の接続が適正になされているか否かを判断するために重要な評価項目である。
この場合、1つの層を形成するためのN枚のフォトマスクの転写露光結果は、図1を参照して説明した上述の実施形態により求めることができる。また、他の層を形成するためのM枚(Mは2以上の整数)のフォトマスクのうち、上記の1つの層と上下層間の接続をなすフォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、図1のS101〜103のプロセスで、設計データからのシミュレーションデータとして求める。また、上下層間接続をなすフォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果が、AIMSを用いたシミュレーションデータとして求めることができる場合には、図1のS104〜S108のプロセスで転写露光結果を求める。そして、この他の層を形成するためのフォトマスクの転写露光結果と、1つの層を形成するためのN枚のフォトマスクの中で上下層間の接続をなすフォトマスクの転写露光結果とを重ね合わせてパターンマッチングを行うことにより、上下層間接続を含めたフォトマスクの転写特性の正確な評価が可能である。尚、他の層を形成するためのM枚(Mは2以上の整数)全てのフォトマスクについて、設計データからのシミュレーションデータ、あるいは、AIMSを用いたシミュレーションデータを求めて転写特性の評価を行ってもよい。また、他の層を形成するためのフォトマスクの転写露光結果と重ね合わせてパターンマッチングを行う1つの層を形成するためのフォトマスクは、上下層間の接続をなすフォトマスク以外のフォトマスクも含めてよく、上下層間における相対的なパターン位置の確認を行うことができる。
上述のフォトマスクの転写特性評価方法の実施形態は例示であり、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。
[フォトマスクの転写特性評価システム]
図10は、本発明のフォトマスクの転写特性評価システムの一実施形態を示す構成図である。この実施形態における転写特性評価システムは、制御部11、記憶部12、測定部13、シミュレーション部14、検査部15を備えている。
制御部11は、記憶部12、測定部13、シミュレーション部14および検査部15を制御するものであり、測定、演算を行うプログラムが記憶されている。
記憶部12には、フォトマスクの設計データが記憶されている。設計データは、GDS形式、OASIS形式等で表現されており、設計データを表示するソフトウエアが当該フォーマット形式を表示でき、図形データとして取り扱うことができれば、フォーマット形式には特に制限はない。
測定部13は、フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、AIMSを用いて取得する機能を備えている。この測定部13では、AIMS画像から特徴抽出を行い、輪郭線を生成し、例えば、GDS形式に変換し輪郭線データとして転写露光結果を出力する。測定部13には、このような一連の測定、演算を行うプログラムが記憶されているが、測定部13で得られたAIMS画像を信号回線を介して制御部へ送り、制御部に記憶されているプログラムにより上記の一連の測定、演算を行うものであってもよい。尚、AIMSを構成するリソグラフィシミュレーション顕微鏡は、ウエハ露光装置の光学系を模した顕微鏡であり、例えば、図11に示されるように、試料であるフォトマスクPMの一方に位置する照明光学系21と、フォトマスクPMの他方に位置する投影光学系22、投影レンズ23、CCD等の撮像素子24を備えている。
シミュレーション部14は、記憶部12に記憶されているフォトマスクの設計データから、シミュレーションにより当該フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を取得する機能を備えている。このシミュレーション部14では、記憶部12に記憶されているフォトマスクの設計データをシミュレータに入力し、設計データを基にマスクシミュレーション、リソグラフィシミュレーションを行い、転写パターンの輪郭線を生成し、例えばGDS形式に変換して、輪郭線データとして転写露光結果を出力する。シミュレーション部14には、このような一連の演算を行うプログラムが記憶されている。
検査部15は、測定部13にて取得した転写露光結果とシミュレーション部14にて取得した転写露光結果を重ね合わせてパターンマッチングを行い、転写特性を評価する機能を備えている。パターンマッチングでは、設計データの座標情報を利用して、転写露光結果である各フォトマスクの輪郭線データを重ね合わせる。転写特性の評価では、パターンマッチング後のパターン寸法、パターン間隙により欠陥箇所の合否判定を行う。検査部15には、このような一連の演算を行うプログラムが記憶されている。
このようなフォトマスクの転写特性評価システムは、複数のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクを検査して合否判定を行うことができる。そして、測定部13においてAIMSを用いたシミュレーションデータを得ることが困難なフォトマスクが存在しても、フォトマスクの転写特性の正確な評価が可能である。
上述のフォトマスクの転写特性評価システムの実施形態は例示であり、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、記憶部12は制御部11と別に設けられているが、制御部11に組み込まれたものであってもよい。
[フォトマスクの製造方法]
図12は、本発明のフォトマスク製造方法の一実施形態を示す工程図である。
本発明は、N枚(Nは2以上の整数)のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクの製造方法であり、この実施形態では、N枚のフォトマスクの所望の1枚について、マスク設計データを作成する(S201)。このマスク設計データは、光近接効果を利用したOPCパターンを含むものであってよい。
次に、遮光膜を備えたフォトマスク用の透明基板の遮光膜上に、電子線感応型のレジストを塗布し、上記のマスク設計データに基づいて電子線描画を行う(S202)。フォトマスク用の透明基板は、露光光を高い透過率で透過する物であり、例えば、光学研磨された合成石英、蛍石、フッ化カルシウム等の基板を挙げることができる。また、遮光膜は、露光光を実質的に完全に遮光する光学濃度3以上の遮光膜のみならず、露光光を所定の透過率で透過する半透過性の遮光膜を含むものである。また、電子線描画は、ラスタースキャン方式、ベクタースキャン方式のいずれであってもよい。
次いで、レジストを現像し、このレジストを介して遮光膜をエッチングする(S203)。これにより、所望の遮光パターンを備えたフォトマスクが得られる。
このように作製したフォトマスクについて欠陥検査を行う(S204)。欠陥検査は、例えば、DB(Die to Database)検査方式やDD(Die to Die)検査方式よる、フォトマスク欠陥検査装置を用いて行うことができる。そして、欠陥が発見され、当該欠陥の修正が必要な場合には、欠陥修正を行う(S205)。この欠陥修正は、例えば、荷電粒子修正装置、AFM型の修正装置等を用いて行うことができる。
次に、フォトマスクの転写特性評価を行う(S206)。このフォトマスクの転写特性評価では、1つの層を形成するための他のフォトマスク、あるいは、必要に応じて、上層または下層に位置する他の層を形成するための少なくとも1枚のフォトマスクとの間で、パターンデータのマッチングを行うものであり、上述の本発明のフォトマスクの転写特性評価方法により実施することができる。この場合、現在製造工程にあるフォトマスクが、1つの層を形成するためのN枚のフォトマスクの最初のフォトマスクであり、他のフォトマスクは未製造の状態である場合には、他のフォトマスクについては、マスク設計データを基にマスクシミュレーション、リソグラフィシミュレーションを行って得たパターンエッジの輪郭線データを用いて転写特性評価を行う。また、1つの層を形成するための他のフォトマスクが既に出荷されており手元にない場合にも、当該フォトマスクについては、マスク設計データを基にマスクシミュレーション、リソグラフィシミュレーションを行って得たパターンエッジの輪郭線データを用いて転写特性評価を行う。
フォトマスクの転写特性評価で良との判断がなされた後、マスクパターンの寸法精度、位置精度を検査し(S207)、良と判断された場合には出荷される(S208)。
このような本発明のフォトマスク製造方法では、フォトマスク相互間における転写の影響が低減されているマルチパターニング用のフォトマスクの製造が可能である。
上述のフォトマスクの製造方法の実施形態は例示であり、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば、欠陥検査(S204)の前に異物検査を行い、フォトマスク上に異物が付着、発生していないか検査してもよい。また、マスクパターンの寸法精度、位置精度の検査(S207)が終了した後、フォトマスクにペリクルを貼り付ける工程、欠陥検査工程、異物検査工程等を有するものであってもよい。
次に、より具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例]
ライン/スペースのパターンを2分割した第1フォトマスク、第2フォトマスクの設計データ(GDS形式、OPCパターンを含む)を作製した。この設計データでは、遮光部であるライン幅を280nm、透光部であるスペース幅を960nmとした。
次に、第1フォトマスクの設計データを基にマスクシミュレーション、リソグラフィシミュレーションを行い、パターンエッジの輪郭線データを出力した。図13は、第1フォトマスクの設計データからマスクシミュレーション、リソグラフィシミュレーションを行って輪郭線化した画像データに対応するライン/スペースのパターンの一部を示す図であり、砂目模様を付した部位が遮光部である。
一方、第2フォトマスクの設計データを基に、電子線描画、現像、異物検査等の工程を経て第2フォトマスクを作製した。ここでは、光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の透明な石英基板を透明基板として準備し、この石英基板に一方の面に、スパッタリング法でMoSi(モリブデンシリサイド)を厚み50nmで成膜して遮光膜とし、この遮光膜上にネガ型の電子線感応型レジストを塗布してレジスト層を形成し、このレジスト層に電子線描画を行った。次いで、現像してレジストパターンを形成し、このレジストパターンを介して遮光膜をフッ素と酸素の混合ガスでドライエッチングした。尚、ここでは、エッチング前に故意に異物を散布し、大小2箇所の残渣欠陥(黒欠陥とも呼ばれる)を設けた。
このように作製した第2フォトマスクについて、波長193nmのレーザー光を用いたフォトマスク欠陥検査装置により欠陥検査を行い、上記の異物によるエッチング阻害部位に対応した2箇所の欠陥を検出した。
次いで、下記の照明条件で、AIMSにより第2フォトマスクの欠陥箇所を含む領域を撮像した。
(AIMS照明条件)
・波長λ : 193nm
・開口数NA : 1.2
・Illumination : Annular 66%
・σ : 0.76
撮像したAIMS画像から特徴抽出を行い、輪郭線データを出力した。図14は、AIMS画像から得た輪郭線化した画像データに対応するライン/スペースのパターンの一部を示す図であり、斜線を付した部位が遮光部である。図14に示されるパターンにおいて、上記のレジスト層の2箇所の欠落部位に対応した欠陥箇所の転写影響度ΔCDを算出し、その結果を図14に記載した。尚、欠陥箇所の転写影響度ΔCD値は、正常寸法Wと欠陥箇所の寸法W′から、下記のように算出した。
ΔCD(%)=(W′− W)/W ×100
次に、設計データを基に転写シミュレーションにより得た第1フォトマスクのパターンエッジの輪郭線データと、AIMS画像から得た第2フォトマスクの輪郭線との重ね合わせ処理を行った。図15は、設計データを基に転写シミュレーションにより得た第1フォトマスクのパターンエッジの輪郭線データと、AIMS画像から得た第2フォトマスクの輪郭線化した画像データとの重ね合わせに対応するライン/スペースのパターンの一部を示す図である。図15では、第1フォトマスクのパターンの遮光部には砂地模様を付し、第2フォトマスクのパターンの遮光部には斜線を付して示している。図15に示されるパターンにおいて、第2フォトマスク製造時のレジスト層の2箇所の欠落部位に対応した欠陥箇所の転写影響度ΔCDを算出し、その結果を図15に記載した。
[比較例]
実施例における第2フォトマスクと同様に、第1フォトマスクの設計データを基に、電子線描画、現像、異物検査等の工程を経て第1フォトマスクを作製した。
このように作製した第1フォトマスクについて、実施例における第2フォトマスクと同様に、AIMSにより撮像し、撮像したAIMS画像から特徴抽出を行い、輪郭線データを出力した。
次に、上記のようにAIMS画像から得た第1フォトマスクの輪郭線データと、実施例においてAIMS画像から得た第2フォトマスクの輪郭線データとの重ね合わせ処理を行った。図16は、AIMS画像から得た第1フォトマスクの輪郭線データと、AIMS画像から得た第2フォトマスクの輪郭線化した画像データとの重ね合わせに対応するライン/スペースのパターンの一部を示す図である。図16では、第1フォトマスクのパターンの遮光部には砂地模様を付し、第2フォトマスクのパターンの遮光部には斜線を付して示している。図16に示されるパターンにおいて、第2フォトマスク製造時のレジスト層の2箇所の欠落部位に対応した欠陥箇所の転写影響度ΔCDを算出し、その結果を図16に記載した。
[検 討]
実施例において算出した2箇所の欠陥箇所のスペース部における転写影響度ΔCD(図15参照)と、比較例において算出した2箇所の欠陥箇所のスペース部における転写影響度ΔCD(図16参照)を、下記の表1に記載した。
Figure 2017058397
表1に示されるように、実施例における転写影響度ΔCDと、比較例における転写影響度ΔCDの差異は、2種の欠陥箇所のいずれにおいても2%未満であった。このことから、第1フォトマスクについて、AIMS画像を使用せず、設計データに基づいて得たシミュレーション画像を用いても、精度の高い転写特性評価が可能なことが確認された。
本発明は、マルチパターニングを用いる種々の微細加工に適用することができる。
11…制御部
12…記憶部
13…測定部
14…シミュレーション部
15…検査部

Claims (9)

  1. 1つの層を構成するパターンをN枚(Nは2以上の整数)のフォトマスクを用いて転写露光により形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクの転写特性評価方法において、
    n枚(nは1以上、(N−1)以下の整数)の前記フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、該フォトマスクのパターン設計データからシミュレーションにより求め、
    前記n枚を除いた他の前記フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、該フォトマスクをリソグラフィシミュレーション顕微鏡にて撮像したパターンから求め、
    前記転写露光結果を重ね合わせて評価を行うことを特徴とするフォトマスクの転写特性評価方法。
  2. フォトマスクのパターン設計データからシミュレーションにより前記転写露光結果を求める方法は、マスクプロセスシミュレーションおよびフォトリソグラフィシミュレーションを用いることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクの転写特性評価方法。
  3. フォトマスクをリソグラフィシミュレーション顕微鏡にて撮像したパターンから前記転写露光結果を求める方法では、撮像領域にフォトマスクの欠陥箇所を含めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォトマスクの転写特性評価方法。
  4. フォトマスクをリソグラフィシミュレーション顕微鏡にて撮像したパターンから前記転写露光結果を求める方法では、撮像領域にフォトマスクの欠陥修正箇所を含めることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフォトマスクの転写特性評価方法。
  5. 前記転写露光結果を重ね合わせて行う評価では、パターン寸法により欠陥箇所および/または欠陥修正箇所の合否判定することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のフォトマスクの転写特性評価方法。
  6. 前記転写露光結果を重ね合わせて行う評価では、欠陥箇所の転写影響度ΔCD値で合否判定することを特徴とする請求項5に記載のフォトマスクの転写特性評価方法。
  7. 他の1つの層を形成するためのM枚(Mは2以上の整数)のフォトマスクの少なくとも1枚のフォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、該フォトマスクのパターン設計データからシミュレーションにより求め、該転写露光結果と、前記1つの層を形成するための少なくとも1枚のフォトマスクの前記転写露光結果とを重ね合わせて評価を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のフォトマスクの転写特性評価方法。
  8. 複数のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクを検査して合否判定を行う転写特性評価システムにおいて、
    フォトマスクの設計データを記憶する記憶部と、
    リソグラフィシミュレーション顕微鏡を用いてフォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を取得する測定部と、
    前記記憶部に記憶されているフォトマスクの設計データから、シミュレーションにより該フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を取得するシミュレーション部と、
    取得した前記転写露光結果を重ね合わせて検査を行う検査部と、
    前記記憶部、前記測定部、前記シミュレーション部および前記検査部を制御する制御部と、を有し、
    該制御部は、複数の前記フォトマスクの中で前記測定部による転写露光結果の取得ができないフォトマスクについて、前記記憶部から設計データを前記シミュレーション部に送り、シミュレーションにより該フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を取得することを特徴とするフォトマスクの転写特性評価システム。
  9. N枚(Nは2以上の整数)のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクの製造方法において、
    請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のフォトマスクの転写特性評価方法による転写特性評価工程を含むことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
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