JP6547535B2 - フォトマスクの転写特性評価方法と転写特性評価システムおよびフォトマスクの製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、マルチパターニングでは、個々のフォトマスクにおける転写特性の評価とともに、複数のフォトマスクを用いて形成した1つの層における微細なパターン間隙での転写の影響度を評価することが重要である。したがって、マルチパターニング用のフォトマスクの1枚において欠陥箇所が発見された場合、あるいは、発見された欠陥箇所の修正が行われた場合、1層分のパターンを形成するための他のフォトマスクとの間で、AIMSを用いたシミュレーションデータの重ね合わせが必要となる。しかしながら、1層分のパターンを形成するための他のフォトマスクが手元に存在しない場合が往々にしてある。すなわち、上記のように、転写特性の評価で良好と判定されたフォトマスクから順次出荷、あるいは半導体回路の作製に供されることが多く、また、1層分のパターンを形成するための他のフォトマスクが製造プロセス中であることなどが多い。この他、欠陥箇所が発見されたフォトマスクが、バックアップマスクとして1枚だけ作製したものである場合、洗浄とペリクルの再張設を行うために1枚だけ手元にある場合、破損したマスクの代替として1枚だけ再作製する場合等においては、通常、他のフォトマスクは手元に存在しないこととなる。したがって、1層分のパターンを形成するための全てのフォトマスクについて、AIMSを用いたシミュレーションデータを得ることは困難である場合が多く、このような場合に対処できるフォトマスクの転写特性の評価は未だ確立されていないのが現状である。
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、マルチパターニング用のフォトマスクの転写特性の正確な評価を可能とする評価方法、評価システム、および、信頼性の高いフォトマスクの製造を可能とする製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の態様として、フォトマスクをリソグラフィシミュレーション顕微鏡にて撮像したパターンから前記転写露光結果を求める方法では、撮像領域にフォトマスクの欠陥箇所を含めるような構成とした。
本発明の他の態様として、フォトマスクをリソグラフィシミュレーション顕微鏡にて撮像したパターンから前記転写露光結果を求める方法では、撮像領域にフォトマスクの欠陥修正箇所を含めるような構成とした。
本発明の他の態様として、他の1つの層を形成するためのM枚(Mは2以上の整数)のフォトマスクの少なくとも1枚のフォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、該フォトマスクのパターン設計データからシミュレーションにより求め、該転写露光結果と、前記1つの層を形成するための少なくとも1枚のフォトマスクの前記転写露光結果とを重ね合わせて評価を行うような構成とした。
本発明のフォトマスクの製造方法は、マルチパターニングにおけるフォトマスク相互間の転写の影響が低減されたフォトマスクの製造を可能とする。
本発明は、1つの層を構成するパターンをN枚(Nは2以上の整数)のフォトマスクを用いて転写露光により形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクの転写特性評価方法である。図1は、本発明のフォトマスクの転写特性評価方法の一実施形態のプロセスを説明するフロー図であり、図2〜図6は、図1に示されるフローを説明する図である。この実施形態では、第1フォトマスク、第2フォトマスクの2枚のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成する場合を例としており、また、第1フォトマスクは手元にないものとしている。
本発明では、第1フォトマスクの設計データを準備する(S101)。第1フォトマスクの設計データは、例えば、GDS形式、OASIS形式等が好適に用いられるが、多角形(ポリゴン)の閉曲線で表現されるポリゴン座標データであれば、これらに限定されない。設計データは、光近接効果を利用したOPC(Optical Proximity Collection)パターンを含むものであってよい(図2(A)参照)。この第1フォトマスクの設計データでは、デザインルールチェック(DRC)、光学的ルールチェック(ORC)等の設計検証が行われており、設計ルール違反により生じる欠陥に対して完全にクリーンな状態である。尚、図2(A)では、第1フォトマスクの設計データに対応する遮光パターンP1を、砂目模様を付して示している。
第1フォトマスクの設計データを基にマスクシミュレーション、リソグラフィシミュレーションを行い、このシミュレーション処理後のデータをパターンエッジの輪郭線データとして出力する(S103)。すなわち、シミュレーションで転写パターンの輪郭線を生成し、所定の形式、例えばGDS形式に変換して、第1フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果としての輪郭線データを得る。図2(B)には、シミュレーションで得た転写パターンPS1を示している
一方、第2フォトマスクの設計データを準備する(S104)。第2フォトマスクの設計データもGDS形式、OASIS形式等でよく、OPCパターンを含むものであってよい。図3では、第2フォトマスクの設計データに対応する遮光パターンP2を、斜線を付して示している。この第2フォトマスクの設計データでは、デザインルールチェック(DRC)、光学的ルールチェック(ORC)等の設計検証が行われており、設計ルール違反により生じる欠陥に対して完全にクリーンな状態である。
作製した第2フォトマスクについて欠陥検査を行い、必要な場合には欠陥箇所の修正を行う(S106)。欠陥検査は、例えば、DB(Die to Database)検査方式やDD(Die to Die)検査方式よる、フォトマスク欠陥検査装置を用いて行うことができる。また、欠陥箇所の修正は、荷電粒子修正装置、AFM(原子間力顕微鏡)等の欠陥修正装置を用いて行うことができる。図3(B)では、欠陥検査において把握されるパターンPINS2を示しており、欠陥箇所Pdに細かいピッチの斜線を付して示している。
尚、既に上記のS104〜S106のプロセスが完了し、転写特性評価の対象である第2フォトマスクが手元に存在する場合には、上記のS104〜S106のプロセスは省略される。
次に、パターンマッチングにおいて、第1フォトマスク、第2フォトマスクの転写露光結果の重ね合わせ処理を行う(S109)。このパターンマッチングでは、設計データの座標情報を利用して、第1フォトマスクの輪郭線データ(パターンPS1)、第2フォトマスクの輪郭線データ(パターンPA2)を重ね合わせる(図4参照)。パターンマッチング方法としては、正規化相関法(例えば、重心分布)やベクトル相関法が挙げられ、輪郭線データはベクトルデータの抽出が容易であり、ベクトルデータ間のパターンマッチングが可能である。
ΔCD(%)=(W′− W)/ W ×100
(W′S − WS)/WS ×100 = −a%
(W′L − WL)/WL ×100 = b%
(W″S − WS)/WS ×100 = −c%
(W″L − WL)/WL ×100 = d%
(W′S' − WS')/WS' ×100 = −a′%
(W′L − WL)/WL ×100 = b%
(W″S' − WS')/WS' ×100 = −c′%
(W″L − WL)/WL ×100 = d%
上述のように、本発明のフォトマスクの転写特性評価方法では、1層分のパターンを形成するためのフォトマスクにおいて、AIMSを用いたシミュレーションデータを得ることが困難なフォトマスクが存在しても、フォトマスクの転写特性の正確な評価を可能とする。
図7は、マスクプロセスモデル、リソグラフィシミュレーションモデルの最適化のプロセスを説明するフロー図であり、図8〜図9は、図7に示されるフローを説明する図である。
このテストマスクの設計データに基づいて、例えば、電子線描画、現像、異物検査等の工程を経てテストマスクを作製する(S112)。
また、作製したテストマスクについて、AIMSを用いてテストマスクを撮像し(S115)、撮像したAIMS画像から特徴抽出を行い、輪郭線データを出力する(S116)。すなわち、AIMSを用いて撮像したパターン画像から、Canny法、非極値抑制エッジ強調法、ハフ変換、動的輪郭法(SNAKE法)等により輪郭線を生成し、所定の形式、例えば、GDS形式に変換し輪郭線データとして出力する。図9(A)の右側に、AIMSを用いて撮像したパターンPTAを、斜線を付して示している。
上述のフォトマスクの転写特性評価方法の実施形態は例示であり、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。
図10は、本発明のフォトマスクの転写特性評価システムの一実施形態を示す構成図である。この実施形態における転写特性評価システムは、制御部11、記憶部12、測定部13、シミュレーション部14、検査部15を備えている。
制御部11は、記憶部12、測定部13、シミュレーション部14および検査部15を制御するものであり、測定、演算を行うプログラムが記憶されている。
記憶部12には、フォトマスクの設計データが記憶されている。設計データは、GDS形式、OASIS形式等で表現されており、設計データを表示するソフトウエアが当該フォーマット形式を表示でき、図形データとして取り扱うことができれば、フォーマット形式には特に制限はない。
シミュレーション部14は、記憶部12に記憶されているフォトマスクの設計データから、シミュレーションにより当該フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を取得する機能を備えている。このシミュレーション部14では、記憶部12に記憶されているフォトマスクの設計データをシミュレータに入力し、設計データを基にマスクシミュレーション、リソグラフィシミュレーションを行い、転写パターンの輪郭線を生成し、例えばGDS形式に変換して、輪郭線データとして転写露光結果を出力する。シミュレーション部14には、このような一連の演算を行うプログラムが記憶されている。
このようなフォトマスクの転写特性評価システムは、複数のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクを検査して合否判定を行うことができる。そして、測定部13においてAIMSを用いたシミュレーションデータを得ることが困難なフォトマスクが存在しても、フォトマスクの転写特性の正確な評価が可能である。
上述のフォトマスクの転写特性評価システムの実施形態は例示であり、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、記憶部12は制御部11と別に設けられているが、制御部11に組み込まれたものであってもよい。
図12は、本発明のフォトマスク製造方法の一実施形態を示す工程図である。
本発明は、N枚(Nは2以上の整数)のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクの製造方法であり、この実施形態では、N枚のフォトマスクの所望の1枚について、マスク設計データを作成する(S201)。このマスク設計データは、光近接効果を利用したOPCパターンを含むものであってよい。
次いで、レジストを現像し、このレジストを介して遮光膜をエッチングする(S203)。これにより、所望の遮光パターンを備えたフォトマスクが得られる。
このように作製したフォトマスクについて欠陥検査を行う(S204)。欠陥検査は、例えば、DB(Die to Database)検査方式やDD(Die to Die)検査方式よる、フォトマスク欠陥検査装置を用いて行うことができる。そして、欠陥が発見され、当該欠陥の修正が必要な場合には、欠陥修正を行う(S205)。この欠陥修正は、例えば、荷電粒子修正装置、AFM型の修正装置等を用いて行うことができる。
このような本発明のフォトマスク製造方法では、フォトマスク相互間における転写の影響が低減されているマルチパターニング用のフォトマスクの製造が可能である。
上述のフォトマスクの製造方法の実施形態は例示であり、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば、欠陥検査(S204)の前に異物検査を行い、フォトマスク上に異物が付着、発生していないか検査してもよい。また、マスクパターンの寸法精度、位置精度の検査(S207)が終了した後、フォトマスクにペリクルを貼り付ける工程、欠陥検査工程、異物検査工程等を有するものであってもよい。
[実施例]
ライン/スペースのパターンを2分割した第1フォトマスク、第2フォトマスクの設計データ(GDS形式、OPCパターンを含む)を作製した。この設計データでは、遮光部であるライン幅を280nm、透光部であるスペース幅を960nmとした。
次に、第1フォトマスクの設計データを基にマスクシミュレーション、リソグラフィシミュレーションを行い、パターンエッジの輪郭線データを出力した。図13は、第1フォトマスクの設計データからマスクシミュレーション、リソグラフィシミュレーションを行って輪郭線化した画像データに対応するライン/スペースのパターンの一部を示す図であり、砂目模様を付した部位が遮光部である。
このように作製した第2フォトマスクについて、波長193nmのレーザー光を用いたフォトマスク欠陥検査装置により欠陥検査を行い、上記の異物によるエッチング阻害部位に対応した2箇所の欠陥を検出した。
(AIMS照明条件)
・波長λ : 193nm
・開口数NA : 1.2
・Illumination : Annular 66%
・σ : 0.76
ΔCD(%)=(W′− W)/W ×100
実施例における第2フォトマスクと同様に、第1フォトマスクの設計データを基に、電子線描画、現像、異物検査等の工程を経て第1フォトマスクを作製した。
このように作製した第1フォトマスクについて、実施例における第2フォトマスクと同様に、AIMSにより撮像し、撮像したAIMS画像から特徴抽出を行い、輪郭線データを出力した。
次に、上記のようにAIMS画像から得た第1フォトマスクの輪郭線データと、実施例においてAIMS画像から得た第2フォトマスクの輪郭線データとの重ね合わせ処理を行った。図16は、AIMS画像から得た第1フォトマスクの輪郭線データと、AIMS画像から得た第2フォトマスクの輪郭線化した画像データとの重ね合わせに対応するライン/スペースのパターンの一部を示す図である。図16では、第1フォトマスクのパターンの遮光部には砂地模様を付し、第2フォトマスクのパターンの遮光部には斜線を付して示している。図16に示されるパターンにおいて、第2フォトマスク製造時のレジスト層の2箇所の欠落部位に対応した欠陥箇所の転写影響度ΔCDを算出し、その結果を図16に記載した。
実施例において算出した2箇所の欠陥箇所のスペース部における転写影響度ΔCD(図15参照)と、比較例において算出した2箇所の欠陥箇所のスペース部における転写影響度ΔCD(図16参照)を、下記の表1に記載した。
12…記憶部
13…測定部
14…シミュレーション部
15…検査部
Claims (9)
- 1つの層を構成するパターンをN枚(Nは2以上の整数)のフォトマスクを用いて転写露光により形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクの転写特性評価方法において、
n枚(nは1以上、(N−1)以下の整数)の前記フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、該フォトマスクのパターン設計データからシミュレーションにより求め、
前記n枚を除いた他の前記フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、該フォトマスクをリソグラフィシミュレーション顕微鏡にて撮像したパターンから求め、
前記転写露光結果を重ね合わせて評価を行うことを特徴とするフォトマスクの転写特性評価方法。 - フォトマスクのパターン設計データからシミュレーションにより前記転写露光結果を求める方法は、マスクプロセスシミュレーションおよびフォトリソグラフィシミュレーションを用いることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクの転写特性評価方法。
- フォトマスクをリソグラフィシミュレーション顕微鏡にて撮像したパターンから前記転写露光結果を求める方法では、撮像領域にフォトマスクの欠陥箇所を含めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォトマスクの転写特性評価方法。
- フォトマスクをリソグラフィシミュレーション顕微鏡にて撮像したパターンから前記転写露光結果を求める方法では、撮像領域にフォトマスクの欠陥修正箇所を含めることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフォトマスクの転写特性評価方法。
- 前記転写露光結果を重ね合わせて行う評価では、パターン寸法により欠陥箇所および/または欠陥修正箇所の合否判定することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のフォトマスクの転写特性評価方法。
- 前記転写露光結果を重ね合わせて行う評価では、欠陥箇所の転写影響度ΔCD値で合否判定することを特徴とする請求項5に記載のフォトマスクの転写特性評価方法。
- 他の1つの層を形成するためのM枚(Mは2以上の整数)のフォトマスクの少なくとも1枚のフォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を、該フォトマスクのパターン設計データからシミュレーションにより求め、該転写露光結果と、前記1つの層を形成するための少なくとも1枚のフォトマスクの前記転写露光結果とを重ね合わせて評価を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のフォトマスクの転写特性評価方法。
- 複数のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクを検査して合否判定を行う転写特性評価システムにおいて、
フォトマスクの設計データを記憶する記憶部と、
リソグラフィシミュレーション顕微鏡を用いてフォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を取得する測定部と、
前記記憶部に記憶されているフォトマスクの設計データから、シミュレーションにより該フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を取得するシミュレーション部と、
取得した前記転写露光結果を重ね合わせて検査を行う検査部と、
前記記憶部、前記測定部、前記シミュレーション部および前記検査部を制御する制御部と、を有し、
該制御部は、複数の前記フォトマスクの中で前記測定部による転写露光結果の取得ができないフォトマスクについて、前記記憶部から設計データを前記シミュレーション部に送り、シミュレーションにより該フォトマスクのフォトリソグラフィによる転写露光結果を取得することを特徴とするフォトマスクの転写特性評価システム。 - N枚(Nは2以上の整数)のフォトマスクを用いて転写露光により1つの層を形成するマルチパターニングに用いるフォトマスクの製造方法において、
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のフォトマスクの転写特性評価方法による転写特性評価工程を含むことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
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