JP2017058263A - アンテナ評価装置及びアンテナ評価方法 - Google Patents
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Description
そのため、長尺アンテナの延在方向に沿った一次元電流分布、及び、延在軸線回りの周方向に沿った円軌道電流分布の各々を簡易かつ精度良く測定可能とするアンテナ用の測定装置の開発が望まれている。
このような構成とすることで、アンテナを支持する柱状のアンテナ支持部材が、その両端が支持された状態で回転するので、回転支持部材の回転に伴い、アンテナ支持部材(及び、これに支持されるアンテナ)の軸線がぶれることを防止することができる。したがって、アンテナの放射指向性を簡易かつ精度良く評価できる。
このようにすることで、評価対象とするアンテナを水平な姿勢で取り付けることができ、その取り付け、取り外し工程等における作業性が向上する。
このようにすることで、固定されたアンテナに対しプローブを一方側から他方側にかけて移動させることができるので、自動的に、一次元電流分布を取得することができる。したがって、アンテナ評価の作業効率を向上させることができる。
このようにすることで、プローブとアンテナとの間隔を、測定のステップに応じて自動的に変更することができる。
このようにすることで、評価対象とするアンテナの形状が様々に異なる場合であっても、当該アンテナの主軸線を回転軸線に容易に一致させることができる。
これにより、全球面についての放射指向性E(θ,φ)を網羅的にサンプリングするよりも、サンプリング点数を大幅に減らせるので、評価に要する時間を大幅に短縮することができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係るアンテナ評価装置を、図1〜図6を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図4は、それぞれ、第1の実施形態に係るアンテナ評価装置の斜視図、上面図、正面図及び側面図である。
図1〜図4に示すように、第1の実施形態に係るアンテナ評価装置1は、土台部材10と、固定支持部材11a、11bと、回転駆動機構12a、12bと、回転支持部材13a、13bと、アンテナ支持部材14と、を備えている。
なお、土台部材10における長尺アンテナAの下方には、電波吸収体Bが配置されている。これにより、載置する床面の床材による電波の反射等の影響を軽減でき、プローブPによる各種電流分布の測定精度を高めることができる。
また、回転駆動機構12a、12bは、後述するように、連動して駆動し、互いに同じタイミング、回転量及び回転速度で回転する。
回転駆動機構12aの可動部位には、回転支持部材13aが連結されている。また、回転駆動機構12bの可動部位には、回転支持部材13bが連結されている。
回転支持部材13aは、長辺方向の一端(基端)側が回転駆動機構12aの可動部位に連結される。これにより、回転駆動機構12aの可動部位が回転した際には、回転支持部材13aの他端(先端)側が回転軸線O回りの円軌道に沿って旋回移動する。
同様に、回転支持部材13bは、長辺方向の一端(基端)側が回転駆動機構12bの可動部位に連結される。これにより、回転駆動機構12bの可動部位が回転した際には、回転支持部材13bの他端(先端)側が回転軸線O回りの円軌道に沿って旋回移動する。
また、回転支持部材13aの長辺方向の先端側には、アンテナ支持部材14の一端が連結されている。また、回転支持部材13bの長辺方向の先端側には、アンテナ支持部材14の他端が連結されている。
アンテナ支持部材14は、その延在方向が回転軸線Oと平行となるように、その両端において回転支持部材13a及び回転支持部材13bに連結されて支持されている。また、アンテナ支持部材14は、回転支持部材13a、13bを通じて、回転軸線Oから一定の間隔rを空けた位置に配置される。
アンテナ支持部材14は、回転駆動機構12a、12bの可動部位が連動して回転することで、回転軸線Oと平行な姿勢を維持したまま、当該回転軸線O回りに、間隔rを半径とする円軌道に沿って旋回移動する。
ここで、図1〜図4に示すように、長尺アンテナAは、その主軸線(長尺アンテナAの長尺方向に伸びる中心軸線)がアンテナ評価装置1の回転軸線Oに一致するように支持される。このように支持された状態で回転駆動機構12a、12bの各々が連動して回転することで、長尺アンテナAがその主軸線を中心に回転(自転)する。
例えば、アンテナ評価装置1のオペレータは、評価対象とする長尺アンテナAの形状に応じて、当該長尺アンテナAの主軸線を回転軸線Oに一致させるように、スライド機構L1、L2(間隔r)を調整する。
ただし、他の実施形態においては上記態様に限定されず、アンテナ評価装置1は、基地局用アンテナ以外のアンテナを評価対象としてもよい。また、アンテナ評価装置1は、当該評価対象とする種々のアンテナの形状、サイズに応じて、適宜、設計変更され得る。
プローブ支持部材20は、長尺アンテナAの電流分布を計測するためのプローブPを固定して支持する。
また、プローブPは、微小ループコイルであって、当該ループコイルが配される空間的位置の微小領域に生じている電流を非接触に検出可能とする。プローブPは、図示しない電流計測器に接続され、当該電流計測器にて、プローブPで検出された電流検出値のサンプリングがなされる。
径方向移動機構21は、プローブ支持部材20を支持しながら、回転軸線O回りの径方向(±Y方向)に移動可能とする駆動機構である。径方向移動機構21が駆動することで、プローブ支持部材20に取り付けられたプローブPが回転軸線Oの径方向に移動する。これにより、プローブPと、アンテナ支持部材14に取り付けられた長尺アンテナAと、の間隔(後述する距離d1、d2)が所望に調整される。
また、延在方向移動機構22は、径方向移動機構21を更に支持しながら、これを回転軸線Oに沿って移動可能とする駆動機構である。延在方向移動機構22が駆動することで、プローブ支持部材20に取り付けられたプローブPが回転軸線Oに沿って移動する。即ち、プローブPは、アンテナ支持部材14に取り付けられた長尺アンテナAの長尺方向に沿って移動する。
図5は、第1の実施形態に係るアンテナ評価装置の処理フローを示す図である。
図6は、第1の実施形態に係るアンテナ評価装置の各種処理を詳細に説明する図である。
以下、図5、図6を参照しながらアンテナ評価装置1が実施する各種処理手順について詳細に説明する。
この処理の結果、アンテナ評価装置1は、図6に示すように、長尺アンテナAレドーム内部に配されるアンテナ基板A’の長尺方向(回転軸線O方向)に沿う複数の垂直面用サンプリングポイントp1で電流検出値を取得する。即ち、アンテナ評価装置1は、垂直面用サンプリングポイントp1における電流検出値からなる一次元電流分布(主軸方向電流分布)を取得する(ステップS02)。
ここで、図6に示すように、垂直面用サンプリングポイントp1は、アンテナ基板A’の主軸線(回転軸線O)から当該アンテナ基板A’の板面(XZ面)の垂直方向(+Y方向)に距離d1だけ離れた位置となる。また、垂直面用サンプリングポイントp1の走査方向(回転軸線O方向)における間隔は、例えば、0.1λ程度とされる。
この処理の結果、アンテナ評価装置1は、図6に示すように、長尺アンテナA(アンテナ基板A’)の主軸線(回転軸線O)回りの周方向に沿う複数の水平面用サンプリングポイントp2で電流検出値を取得する。即ち、アンテナ評価装置1は、水平面用サンプリングポイントp2における電流検出値からなる円軌道電流分布を取得する(ステップS04)。
ここで、図6に示すように、水平面用サンプリングポイントp2は、アンテナ基板A’の主軸線(回転軸線O)を中心とする、半径が距離d2の円軌道上に配される位置となる。また、水平面用サンプリングポイントp2の走査方向(周方向)における間隔は、0.1λ程度とされる。
以上のように、第1の実施形態に係るアンテナ評価装置1は、回転軸線Oに対し一定の間隔rを空けて平行に延在する柱状の部材であって、柱状側面に評価対象とするアンテナAを固定して支持するアンテナ支持部材14を備えている。また、アンテナ評価装置1は、アンテナ支持部材14の延在方向における両端の各々を支持しながら、当該アンテナ支持部材14を、回転軸線O回りの円軌道に沿って移動可能とする一対の回転支持部材13a、13bと、を備えている。また、アンテナ支持部材14は、長尺アンテナAの主軸が回転軸線Oと一致するように支持する。
即ち、アンテナ評価装置1は、アンテナ支持部材14の延在方向の両端が一対の回転支持部材13a、13bで支えられ、当該一対の回転支持部材13a、13bが連動して回転する構成とされている。そのため、長尺アンテナAを支持する柱状のアンテナ支持部材14が、その両端が支持された状態で回転するので、回転支持部材13a、13bの回転に伴い、アンテナ支持部材14(及び、これに支持される長尺アンテナA)の軸線がぶれることを防止することができる。
したがって、長尺アンテナAの放射指向性を簡易かつ精度良く評価できる。
このようにすることで、長尺アンテナAを水平な姿勢で取り付けることができる。そうすると、3m程度の長さを有する長尺アンテナAの取り付け、取り外し工程等における作業性が向上する。また、高い天井を有する特殊な実験設備でなくとも評価可能となる。
これにより、プローブPが長尺アンテナAの長尺方向の一方側から他方側にかけて移動させることができるので、自動的に、一次元電流分布(主軸方向電流分布)を取得することができる。したがって、アンテナ評価の作業効率を向上させることができる。
これにより、プローブPと長尺アンテナAとの間隔を、測定のステップに応じて自動的に変更することができる。特に、一次元電流分布を取得する際(図5のステップS02)のプローブPと長尺アンテナAとの間隔(距離d1)と、円軌道方向電流分布を取得する際(図5のステップS04)のプローブPと長尺アンテナAとの間隔(距離d2)と、を測定のステップごとに自動的に調整することで、アンテナ評価の作業効率を向上させることができる。
なお、非特許文献1によれば、長尺アンテナAの一次元電流分布(主軸方向電流分布)を取得する際のプローブPと長尺アンテナAとの間隔は、近傍界の中でも特に間隔を狭くする(極近傍界とする)ことで、垂直面内放射指向性の推定精度が向上することが知られている。したがって、求められる測定精度によっては、長尺アンテナAの一次元電流分布の取得時における間隔(距離d1)と、円軌道電流分布の取得時における間隔(距離d2)とは、それぞれ異なり得る。
このようにすることで、評価対象とする長尺アンテナAの形状が様々に異なる場合であっても、当該長尺アンテナAの主軸線を回転軸線Oに容易に一致させることができる。
これにより、長尺アンテナAの垂直面内指向性E(θ)と、水平面内指向性E(φ)と、をそれぞれ算出し、これらの積(E(θ)・E(φ))から、長尺アンテナAの全球面についての放射指向性E(θ,φ)を算出することができる。そうすると、全球面についての放射指向性E(θ,φ)を網羅的にサンプリングするよりも、サンプリング点数を大幅に減らせるので、評価に要する時間を大幅に短縮することができる。
例えば、第1の実施形態においては、長尺アンテナAが水平方向に配置される態様として説明したが、別の実施形態では、長尺アンテナAが垂直方向に配置される態様であってもよい。
また、プローブPを移動させる各種移動機構(径方向移動機構21、延在方向移動機構22)の各種態様は第1の実施形態に限定されることはなく、例えば、必要とするサンプリングポイントの位置等に応じて、その一部又は全部を具備しない態様であってもよい。
また、図5に示す処理フローにおいて、ステップS01〜S02の処理工程(一次元電流分布の取得)と、ステップS03〜S04(円軌道電流分布の取得)と、の処理の順番は、所望に変更可能である。
また、図5に示す処理フローでは、一次元電流分布及び円軌道電流分布は、それぞれ、一回ずつ測定を行う態様であったが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。例えば、円軌道電流分布を長尺アンテナAの長尺方向(±X方向)における異なる箇所で複数回取得してもよい。
10 土台部材
11a、11b 固定支持部材
12a、12b 回転駆動機構
13a、13b 回転支持部材
14 アンテナ支持部材
20 プローブ支持部材
21 径方向移動機構
22 延在方向移動機構
A 長尺アンテナ
A’ アンテナ基板
A1、A2 固定具
B 電波吸収体
P プローブ
O 回転軸線
L1、L2 スライド機構(間隔変更機構)
p1 垂直面用サンプリングポイント
p2 水平面用サンプリングポイント
g1、g2 釣合おもり
Claims (6)
- 所定の回転軸線に対し一定の間隔を空けて平行に延在する柱状の部材であって、柱状側面に評価対象とするアンテナを固定して支持するアンテナ支持部材と、
前記アンテナ支持部材の延在方向における両端の各々を支持しながら、当該アンテナ支持部材を、前記回転軸線回りの円軌道に沿って移動可能とする一対の回転支持部材と、
を備え、
前記アンテナ支持部材は、前記アンテナの主軸線が前記回転軸線と一致するように支持する
アンテナ評価装置。 - 前記アンテナ支持部材は、水平方向に延在している
請求項1に記載のアンテナ評価装置。 - 前記アンテナの電流分布を計測するためのプローブを、前記回転軸線の延在方向に移動可能とする延在方向移動機構を更に備える
請求項1又は請求項2に記載のアンテナ評価装置。 - 前記プローブを、前記回転軸線回りの径方向に移動可能とする径方向移動機構を更に備える
請求項3に記載のアンテナ評価装置。 - 前記回転軸線と前記アンテナ支持部材との間隔を変更可能な間隔変更機構を更に備える
請求項1から請求項4の何れか一項に記載のアンテナ評価装置。 - 前記請求項1から請求項5の何れか一項に記載のアンテナ評価装置を用いて行うアンテナ評価方法であって、
前記アンテナの主軸線に沿う方向の電流分布である主軸方向電流分布を取得するステップと、
前記アンテナの主軸線回りの周方向に沿う電流分布である円軌道電流分布を取得するステップと、
を有するアンテナ評価方法。
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