JP2018063146A - アンテナ測定装置 - Google Patents

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【課題】指向性が鋭いアンテナに対する平面NFM測定を正しく行なえるようにする。
【解決手段】供試アンテナ1を、その放射面に直交する軸Zを中心に回転させる供試アンテナ回転機構31と、参照用アンテナ32をZ軸上で供試アンテナ1の放射面から所定距離隔て位置に保持する参照用アンテナ保持機構33と、プローブアンテナ35を供試アンテナ1の放射面から前記所定距離隔てた平面内でY軸に沿って移動させるプローブアンテナ移動機構36と、プローブアンテナ35のZ軸からの距離Lと、供試アンテナ1の回転角φとで座標(L,φ)が決まる極平面上の複数の座標位置に対応する複数の測定点にプローブアンテナ35が位置するように、供試アンテナ回転機構31とプローブアンテナ移動機構36を制御する測定点設定部37とを備え、各測定点でのプローブアンテナ35と参照用アンテナ32の受信信号から、近傍界の振幅位相の情報を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナの遠方界の指向特性を、近傍界測定法を用いて求める技術に関する。
アンテナの指向性を測定する方法として、電磁界理論によってアンテナの近傍電磁界から遠方界指向性を算出する近傍界測定法(NFM:Near Field Measurement)が知られている。
近傍界測定法は、アンテナ近傍で電磁界を測定するため、空間による電磁波の損失が小さく、指向性だけでなくアンテナの近傍界分布よりアンテナの診断を行うこともできる利点がある。
一般的に、図4に示すように、アンテナ開口面から放射される電磁界の領域のうち、アンテナ開口に近接する領域は、放射に寄与しない電磁界成分が主となるリアクティブ近傍界領域(極近傍)であり、アンテナ開口からの距離によって指向性の変化がない領域は放射遠方界領域(遠方界)と呼ばれる。一般にアンテナの指向性と表現するのは、この放射遠方界領域で測定された指向性である。
遠方界は、アンテナの最大径D(開口寸法)に対し、
R>2D/λ ……(1)
を満たす距離R以上離れた位置として規定される。ここでλは自由空間波長である。また、自由空間で受信アンテナが受信可能な最大電力Waは、送信アンテナの利得をGt、受信アンテナの利得をGr、送信電力をWtとすると、
Wa=(λ/4πR)・Gt・Gr・Wt ……(2)
となる。
このため、利得の高い開口面の大きなアンテナでは距離Rが大きくなり、空間での減衰が大きくなる。さらに、ミリ波帯では、自由空間波長λが小さくなるため、より減衰量が増加し、低レベルのサイドローブの測定が困難となる問題がある。
リアクティブ近傍界領域と放射遠方界領域の間の領域である放射近傍界領域(近傍界)は、距離に応じて指向性が変化する領域である。前記したNFMは、この放射近傍界領域で電磁界を測定し、計算により遠方界での指向性を求めるものである。
具体的には、励振された供試アンテナの放射面の近傍をプローブアンテナで走査し、そのプローブアンテナで受信した信号から、走査位置毎の振幅と位相の分布を求め、この分布から無限遠での指向性をデータ処理により得ることができる。アンテナ近傍での測定のため、空間での減衰量が小さく、遠方界の測定に比べ高精度な測定が可能である。
NFMは、供試アンテナの近傍を走査する範囲によって複数の種類に分かれるが、利得の高いアンテナに対して有利で、データ処理が容易な平面NFMが広く用いられる。また、平面NFMには、測定平面上の測定点の位置を、アンテナの放射中心軸(Z軸)に直交する平面上のXY座標で定義する直交平面走査方式と、測定平面上の測定点の位置を、アンテナの放射中心軸(Z軸)に直交する平面内で、Z軸からの距離Lと角度φで定義する極平面走査方式とがあるが、一般的には、プローブアンテナの走査位置の変更が容易な直交平面走査方式が用いられている。
図5は、直交平面走査方式のNFMを用いて供試アンテナ1の指向性を求めるアンテナ測定装置10の構成を示している。このアンテナ測定装置10は、供試アンテナ1をその放射面1aが所定方向に向いた状態で支持する支持体11と、供試アンテナ1から出力された電磁波を受けるためのプローブアンテナ12と、プローブアンテナ12を供試アンテナ1の放射面1aに対向する近傍の測定平面内でX、Y方向に移動させるプローブ走査機構13を有している。
また、アンテナ測定装置10は、供試アンテナ1に測定用の信号を与える信号発生器21、プローブ走査機構13を制御して、測定平面P内でプローブアンテナ12の位置(測定点)を所定ピッチで走査させる測定点設定部22、測定点毎のプローブアンテナ12の受信信号から振幅、位相の情報を検出する振幅位相検出部23、振幅位相検出部23で検出される振幅と位相の情報から、供試アンテナ1の遠方界指向性を算出する遠方界指向性算出部24と、得られた供試アンテナ1の指向性を表示させる表示部25とを有している。
なお、振幅位相検出部23は、信号発生器21から供試アンテナ1に与える信号を基準として、プローブアンテナ12から出力される信号の振幅と位相の情報を検出するように構成されている。また、信号発生器21と振幅位相検出部23としては、それらの機能を有するネットワークアナライザを用いることができ、測定点設定部22および遠方界指向性算出部24としては、パーソナルコンピュータを用いることができる。
ここで、NFMの場合、プローブアンテナ12は供試アンテナ1から測定信号の3波長程度離れた近傍の測定平面P内を走査してその位置毎の電界の振幅と位相が検出されることになる。
この測定平面Pにおける振幅と位相の分布が、供試アンテナ1の指向性とプローブアンテナ12の指向性から定義される関数のフーリエ変換の形となっており、遠方界指向性算出部24において、逆フーリエ変換によりその関数を求めた後、プローブアンテナの指向性を取り除く演算処理(プローブ補正)を行なうことで、供試アンテナ1の指向性を求めることができる。遠方界指向性算出部24では、データ処理を高速フーリエ変換(FFT)によって行うことができるため、高速に供試アンテナ1の遠方界の指向性を算出することができる。
上記したように、測定平面Pにおける振幅と位相の分布が、供試アンテナの指向性とプローブアンテナの指向性から定義される関数のフーリエ変換の形となっていて、逆フーリエ変換によりその関数を求めた後、プローブアンテナの指向性を取り除く演算処理(プローブ補正)を行なうことで、供試アンテナの指向性を求めることができる点については、非特許文献1に開示されているように一般的に知られている。また、前記した極平面走査方式の近傍界測定で得られた情報から遠方界の指向性を算出する方法については、非特許文献2等にも開示されている。
このようにしてアンテナの指向性を求めるNFMは、遠方界測定(FFM:Far Field Measurement)に対して、次のような利点がある。
NFMは近距離での測定であるため、電波暗室を使用しなくても測定が可能であり、大規模な装置が必要でない。また、ミリ波帯では装置がコンパクトになるため、居室に設置した簡易電波暗箱での測定が可能であり、電波暗室での測定で課題となる測定系の構築に費やす時間を大幅に短縮することができる。さらに、自由空間損失の小さい領域での測定のため、精度の良い測定結果を得ることができる。
さらに、NFMでは、アンテナの近傍の振幅・位相分布が得られるため、設計通りの指向性が得られなかった場合に、その原因を診断することが可能である。これは、指向性の鋭いフェーズドアレーアンテナ等にとって大きな利点となる。
しかし、上記した直交平面走査方式のNFMで、実際にアレーアンテナ等を測定する場合、次の解決すべき課題がある。
近年のアレー化されたアンテナの場合、アンテナ内部に励振用の信号源があり、これを外部に出力しないアンテナが多く存在している。このようなアンテナを測定する場合、プローブアンテナ12の走査位置(測定点)毎の位相、振幅の情報を求めるための基準となる信号が得られないため、上記測定装置では供試アンテナの特性を求めることが極めて困難である。
これを解決する技術として、プローブアンテナとは別に参照用アンテナを供試アンテナの近傍に固定し、この参照用アンテナが受信した信号を基準として、プローブアンテナ12の走査位置毎の位相振幅の情報を求める方法が考えられる。
このように、アンテナの指向性を近傍界の測定結果から算出するNFMにおいて、プローブアンテナとは別の参照用アンテナで受信した信号を基準として用い、プローブアンテナの走査位置毎の位相振幅の情報を求める方法は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2011−196763号公報
オーム社 平成20年7月25日発行 アンテナ工学ハンドブック(第2版)電子情報通信学会編 p730〜p733 「Near−Field Antenna Measurement」 Dan Slater Artech House 1991 p47〜p53
ところが、上記したように、参照用アンテナの出力を基準として、プローブアンテナの走査位置毎の位相振幅の情報を求める方式の場合、参照用アンテナが、測定平面内でのプローブアンテナの2次元の移動を妨げず、且つ、プローブアンテナへの電磁波の入力を妨げない配置を実現する必要がある。
このため、特許文献1では、図6に示すように、参照用アンテナ15を、供試アンテナ1の放射面とプローブアンテナ12が走査される測定平面Pとの間の範囲で、且つ、測定平面Pに重ならない外側の位置に配置しているが、このような配置では、参照用アンテナ15が供試アンテナ1の放射中心軸(Z軸)から大きな角度θをなす位置に存在することになり、供試アンテナ1が出力する電磁波を参照用アンテナ15で安定に且つ十分なレベルで受信できず、プローブアンテナ12の受信出力から、その位置における位相振幅の情報を正しく検出することができない。
本発明は、この課題を解決して、アレー化されたアンテナ等のように指向性が鋭いアンテナに対する平面NFM測定を正しく行なえるアンテナ測定装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1記載のアンテナ測定装置は、
測定対象の供試アンテナ(1)を保持し、該供試アンテナをその放射面に直交する第1の軸(Z軸)を中心に回転させる供試アンテナ回転機構(31)と、
前記供試アンテナが出力する電磁波を受信するための参照用アンテナ(32)と、
前記参照用アンテナを、前記第1の軸上で前記供試アンテナの放射面から所定距離隔て位置に保持する参照用アンテナ保持機構(33)と、
前記供試アンテナが出力する電磁波を受信するためのプローブアンテナ(35)と、
前記プローブアンテナを前記供試アンテナの放射面から前記所定距離隔てた平面内で保持し、前記第1の軸に直交する第2の軸(Y軸)に沿って移動させるプローブアンテナ移動機構(36)と、
前記プローブアンテナの前記第1の軸からの距離(L)と、前記供試アンテナの前記第1の軸回りの回転角(φ)とで座標(L,φ)が決まる近傍界の極平面を定義し、該極平面上で前記距離(L)が所定距離(ΔL)間隔となり、前記回転角(φ)が所定角度(Δφ)間隔となる複数の座標位置を前記極平面上の複数の測定点とし、該極平面上の各測定点に前記プローブアンテナが位置するように、前記供試アンテナ回転機構および前記プローブアンテナ移動機構を制御する測定点設定部(37)と、
前記各測定点における前記プローブアンテナの受信信号と前記参照用アンテナの受信信号から、前記各測定点における近傍界の電界の振幅位相の情報を検出する振幅位相検出部(38)とを備えている。
また、本発明の請求項2記載のアンテナ測定装置は、請求項1記載のアンテナ測定装置において、
前記振幅位相検出部によって得られた前記各測定点における近傍界の電界の振幅位相の情報から、前記供試アンテナの遠方界指向性を求める遠方界指向性算出部(40)とを備えている。
このように、本発明では、極平面走査方式のNFMを採用することで、プローブアンテナの移動方向を一方向に限定するとともに、近傍界の極平面上の各測定点における電界の振幅位相を求めるための基準となる信号を得るための参照用アンテナを、供試アンテナの回転中心軸上に配置しているので、参照用アンテナの受信信号を十分に高いレベルで安定的に得ることができ、近傍界の各測定点の電界の振幅位相の情報を正確に求めることができる。
また、この正確な近傍界の各測定点の電界の振幅位相の情報から、試供アンテナの遠方界指向性を精度よく測定できる。
本発明の実施形態の全体構成図 本発明の実施形態の極平面上の測定点の配置例を示す図 本発明の実施形態の動作を説明するためのフローチャート アンテナの測定領域の説明図 従来装置の構成図 参照用アンテナとプローブアンテナの配置例を示す図
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用したアンテナ測定装置30の構成を示している。
このアンテナ測定装置30は、極平面走査方式のNFMを用いて供試アンテナ1の近傍界の電界分布を求め、その電界分布から遠方界指向性を求めるものであり、供試アンテナ回転機構31、参照用アンテナ32、参照用アンテナ保持機構33、プローブアンテナ35、プローブアンテナ移動機構36、測定点設定部37、振幅位相検出部38、遠方界指向性算出部40および表示部45を有している。
ここで、供試アンテナ1は、例えば、複数のアンテナ素子が縦横に配列された平面形アレーアンテナであり、外部から入力されるビーム方向制御信号により、各アンテナ素子に対する給電位相が制御されて、アンテナ全体として出力するビームの方向が変更されるものとする。また、この供試アンテナ1は、アンテナ励振用の信号を発生させる回路が内蔵されている。
供試アンテナ回転機構31は、測定対象の供試アンテナ1の背面側を保持するとともに、供試アンテナ1をその電磁波の放射面1a(アンテナとしての開口面)の中心に直交するZ軸(第1の軸)を中心に回転させる。この回転には、例えばステッピングモータ等を駆動源として用いており、後述する測定点設定部37により、供試アンテナ1の回転角φを、所定の角度ステップΔφで回転させる。角度ステップΔφは、基本的に、360度の整数分の1であり、例えば、10度、15度、30度、45度等である。
参照用アンテナ32は、供試アンテナ1が出力する電磁波を受信するためのものであり、数10GHz帯では方形導波管等が用いられる。
参照用アンテナ保持機構33は、参照用アンテナ32(厳密にはその受信開口面)を、Z軸上で、供試アンテナ1の放射面1aから所定距離R隔てた位置(近傍界領域内)に固定保持する。
プローブアンテナ35は、参照用アンテナ32と同様に、供試アンテナ1が出力する電磁波を受信するためのものであり、数10GHz帯では方形導波管等が用いられる。
プローブアンテナ移動機構36は、プローブアンテナ35を供試アンテナ1の放射面1aから所定距離R隔てた平面内で保持し、Z軸に直交するY軸(第2の軸)に沿って直線的に移動させる。プローブアンテナ移動機構36は、後述する測定点設定部37により制御され、プローブアンテナ35をZ軸から所定の距離ステップΔLで移動させる。ここで、距離ステップΔLは、例えば、供試アンテナ1が出力する電磁波の波長の1/2程度とする。
また、ここでは、参照用アンテナ保持機構33とプローブアンテナ移動機構36を別体に形成していたが、両者を一体的に形成してもよく、一体化すれば、参照用アンテナ32の位置に対し、プローブアンテナ35の移動軸のずれが生じにくい。
近傍界走査を行うための参照用アンテナ32およびプローブアンテナ35について求められる主な特性は、次の(a)〜(c)の3つである。
(a)できるだけ広いビーム幅を持つこと。理想的には等方性アンテナが相応しいが、実在するアンテナには指向性が存在する。このため参照用アンテナ32、プローブアンテナ35の指向性でNFMにより算出された供試アンテナ1の指向性を補正するプローブ補正が必要となる。ここでビーム幅が狭いアンテナを用いた場合、指向性のダイナミックレンジが小さくなり、低レベルのサイドローブを正確に測定できなくなる可能性がある。
(b)交差偏波の小さいこと。アンテナの指向性は、偏波ごとに評価する必要がある。直線偏波のアンテナであれば垂直・水平偏波で、円偏波アンテナであれば左旋偏波・右旋偏波で評価を行う。NFMにおける偏波は、参照用アンテナ32、プローブアンテナ35の偏波に依存するため、精度の良い測定なためには、できる限り交差偏波の小さいアンテナを使用する必要がある。
(c)多重反射による測定結果への影響が小さいこと。これは、アンテナを小型化し、電波吸収体で周囲を覆うことで実現することができる。なお、反射による影響を小さくするため、光電界変換を用いた光プローブを用いることも可能である。
ここでは、ミリ波帯で上記条件を満たす参照用アンテナ32、プローブアンテナ35として、先端を開放した導波管を用いている。この導波管を用いたアンテナは、アンテナ開口面が小さいため、ビームが広く、また、交差偏波を主偏波に対し−20dB程度に抑えることができる。さらに、周囲を電波吸収体で覆う構造を簡単に実施でき、多重反射対策が容易である。
なお、図1では示していないが、実施形態の参照用アンテナ32、プローブアンテナ35には、上記多重反射対策が施されており、また、これ以外に、供試アンテナ回転機構31、参照アンテナ保持機構33、プローブアンテナ移動機構36の表面や、供試アンテナ1から参照アンテナ32、プローブアンテナ35の間の空間が、電波吸収体(簡易電波暗箱)で覆われていて、小規模な測定環境で、内部の不要な反射や外部からの電磁波の混入の影響を防いでいるものとする。
供試アンテナ回転機構31とプローブアンテナ移動機構36は、測定点設定部37によって制御される。測定点設定部37は、プローブアンテナ35のZ軸からの距離Lと、供試アンテナ1のZ軸回りの回転角φとで座標(L,φ)が決まる近傍界の極平面を定義し、その極平面上で距離Lが所定距離ΔL間隔となり、回転角φが所定角度Δφ間隔となる複数の座標位置を極平面上の複数の測定点とし、極平面上の各測定点にプローブアンテナ35が位置する(実際には供試アンテナ1の回転を反映した仮想的な位置)、供試アンテナ回転機構31およびプローブアンテナ移動機構36を制御する。
図2は、角度ステップΔφを45度とした場合の極平面上に設定される測定点の位置(黒丸)を示している。この例ではZ軸が直交通過する中心点に対して45度の中心角を成すようにして放射状にのびた4本の線上に、ΔL間隔で測定点が設定されることになる。
振幅位相検出部38は、上記極平面上の測定点に位置するプローブアンテナ35の受信信号Sxと参照用アンテナの受信信号Srから、各測定点における電界の振幅位相の情報を検出する。
この処理は、2つのアンテナの出力信号の振幅位相の情報を検出する機能を有するスペクトラムアナライザやベクトルネットワークアナライザを用いてもよく、また、前記特許文献1に記載されているように、二つのアンテナの出力の時間軸特性に対してFFT演算を行い、測定点ごとに振幅と位相差の情報を求めるものであってもよい。
遠方界指向性算出部40は、振幅位相検出部38で得られた各測定点における電界の振幅と位相の情報から、供試アンテナ1の遠方界指向性を求める。
この演算については詳述しないが、前記非特許文献1を参考にして説明すれば、近傍界の各測定点について得られた振幅と位相差の分布を、逆フーリエ変換することで結合積を求め、その結合積に対し、プローブアンテナ35の指向性(既知とする)から得られるベクトル受信関数を除算してプローブアンテナ35の指向性の影響を取り除いて(プローブ補正)、供試アンテナ1のベクトル送信関数を求め、そのベクトル送信関数に基づき所定の演算(例えば非特許文献1の式11・70、11・71)により指向性を算出する。また、近傍界の極平面上の測定点の振幅と位相差の情報から遠方界指向性を得る演算方法として、前記した非特許文献2には3種類の方法が示され、具体的な変換式として(3.9)、(3.24)、(3.26)が示されており、そのいずれを用いてもよい。
なお、振幅位相検出部38としては、前述したように、2系統の入力信号の振幅情報と位相差の情報を検出する機能を有するスペクトラムアナライザやネットワークアナライザ等を用いることができ、測定点設定部37や遠方界指向性算出部40としては、それぞれの機能を実現するプログラムにしたがって動作する汎用のパーソナルコンピュータや専用化された処理回路によって構成することができる。
次に、上記実施形態のアンテナ測定装置30の動作を図3のフローチャートにしたがって説明する。
始めに、供試アンテナ1が励振されている状態で、供試アンテナ1の回転角φを0(初期値)、プローブアンテナ35のZ軸からの距離LをΔLに設定する(S1、S2)。
この状態で、参照用アンテナ32の受信信号Srとプローブアンテナ35の受信信号Sxを取得し、その測定点(ΔL,0)の電界の振幅と位相差の情報を求める(S3、S4)。なお、この状態における参照用アンテナ32の受信信号Sxの振幅は極平面の中心の測定点(0、0)の振幅として記憶され、受信信号Sxの位相は基準位相0として記憶される。
次に、回転角を保持した状態で、プローブアンテナ35のZ軸からの距離Lが最大値となるまでΔLずつ増していき、それぞれの測定点についての振幅と位相差の情報を求める(S5、S6)。
そして、距離Lが最大値に達した場合、供試アンテナ1の回転角φをΔφ増やして、処理S2に戻り、再び、プローブアンテナ35のZ軸からの距離LをΔLから最大値までΔLずつ増しながら、近傍界における各測定点の振幅と位相差の情報を求める(S7、S8)。
上記処理を繰り返し、回転角φおよび距離Lが最大となって、全ての測定点の振幅と位相差の情報が求まった後、これらの情報から、供試アンテナ1の遠方界指向を求める(S9)。得られた遠方界指向性は表示部45に表示される。
このように、実施形態のアンテナ測定装置30は、極平面走査方式のNFMを採用することで、プローブアンテナ35の移動方向を一方向に限定するとともに、近傍界の極平面上の各測定点における電界の振幅位相を求めるための基準となる信号を得るための参照用アンテナ32を、供試アンテナ1の回転中心軸(Z軸)上に配置しているので、参照用アンテナ32の受信出力を十分に高いレベルで安定的に得ることができ、近傍界の電界の振幅位相を正確に求めることができ、これを用いて試供アンテナ1の遠方界指向性を精度よく測定できる。
なお、この実施形態のアンテナ測定装置30は、各測定点について振幅位相検出部38で得られた近傍界の電界の振幅位相の情報を遠方界指向性算出部40に与えて、試供アンテナ1の遠方界指向性を算出しているが、アンテナ測定装置として、遠方界指向性算出部を含まない構成とし、試供アンテナ1の近傍界の各測定点における電界の振幅位相の情報を求めるまでの構成としてもよい。
1……供試アンテナ、30……アンテナ測定装置、31……供試アンテナ回転機構、32……参照用アンテナ、33……参照用アンテナ保持機構、35……プローブアンテナ、36……プローブアンテナ移動機構、37……測定点設定部、38……振幅位相検出部、40……遠方界指向性算出部、45……表示部

Claims (2)

  1. 測定対象の供試アンテナ(1)を保持し、該供試アンテナをその放射面に直交する第1の軸(Z軸)を中心に回転させる供試アンテナ回転機構(31)と、
    前記供試アンテナが出力する電磁波を受信するための参照用アンテナ(32)と、
    前記参照用アンテナを、前記第1の軸上で前記供試アンテナの放射面から所定距離隔て位置に保持する参照用アンテナ保持機構(33)と、
    前記供試アンテナが出力する電磁波を受信するためのプローブアンテナ(35)と、
    前記プローブアンテナを前記供試アンテナの放射面から前記所定距離隔てた平面内で保持し、前記第1の軸に直交する第2の軸(Y軸)に沿って移動させるプローブアンテナ移動機構(36)と、
    前記プローブアンテナの前記第1の軸からの距離(L)と、前記供試アンテナの前記第1の軸回りの回転角(φ)とで座標(L,φ)が決まる近傍界の極平面を定義し、該極平面上で前記距離(L)が所定距離(ΔL)間隔となり、前記回転角(φ)が所定角度(Δφ)間隔となる複数の座標位置を前記極平面上の複数の測定点とし、該極平面上の各測定点に前記プローブアンテナが位置するように、前記供試アンテナ回転機構および前記プローブアンテナ移動機構を制御する測定点設定部(37)と、
    前記各測定点における前記プローブアンテナの受信信号と前記参照用アンテナの受信信号から、前記各測定点における近傍界の電界の振幅位相の情報を検出する振幅位相検出部(38)とを備えたアンテナ測定装置。
  2. 前記振幅位相検出部によって得られた前記各測定点における近傍界の電界の振幅位相の情報から、前記供試アンテナの遠方界指向性を求める遠方界指向性算出部(40)とを備えたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ測定装置。
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