JP2018189601A - 無線端末のアンテナ指向特性測定システムおよび測定方法 - Google Patents

無線端末のアンテナ指向特性測定システムおよび測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】端末アンテナの位置が端末保持回転機構の回転中心からずれていても正確な指向特性の測定が行なえるようにする。【解決手段】指向特性取得手段51は、端末保持回転機構30によって測定対象の無線端末1を、基準点Oを中心に回転させ、その回転角(φ,θ)毎に測定用アンテナ21が受信した電波の電界強度Prを電波強度測定手段40で測定させて、無線端末1内の端末アンテナ1aの仮の指向特性を求める。一方、誤差情報出力手段60は、アンテナ位置入力手段52により入力されたアンテナの位置A0から、無線端末1の回転に伴って生じる受信角度誤差(φ′,θ′)、伝搬損失誤差E1および利得誤差E2を算出し、補正手段70により、これらの誤差で仮の指向特性を補正することで、無線端末1の端末アンテナ1aを基準点Oの位置で回転させたと仮定したときの指向特性Hcを求める。【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、無線ルータ等の無線端末のアンテナの遠方界の指向特性を、正確に測定するための技術に関する。
第3世代、第4世代と呼ばれる無線端末で使用されている周波数(例えば800MHz/2000MHzなど)に対して、次世代(第5世代)の無線端末で使用される周波数は、例えば24.25GHz/28GHz/39GHzなどのミリ波帯が割り当てられることが決まっており、このミリ波帯を用いる無線端末のアンテナの指向特性を測定するための技術が要求されている。
一般的に、アンテナの指向特性の測定は遠方界における電界強度あるいは放射電力の大きさ(以下、電波の強さという)の測定であり、遠方界の距離条件は、送受のアンテナ間の距離Rが次の条件を満たした状態で測定する。
R≧2D/λ
ただし、λは使用電波の自由空間波長(m)、Dは送受のアンテナの開口の最大径のうち、より径の大きい方(m)である。
仮に、Dを波長λの4倍とすると、
R≧2D/λ=2(16λ)/λ=32λ
となり、電波の周波数を30GHzとすればλ=10mmとなり、遠方界測定に必要な距離Rは32cm以上となる。
実際の遠方界測定の場合、電波無響室等の環境下で、送受のアンテナを距離Rだけ離し、電波を送受信させてその電波の強さを測定できる状態とし、回転自在なアンテナ設置部に固定した一方の測定対象のアンテナを、その位相中心を中心とし、例えば水平方向および垂直方向に所定角度ステップで回転させ、その回転角毎の電波の強さを測定することにより、一方のアンテナの指向特性を全方位について求める。
なお、アンテナの位相中心とは、電波の発射、入射において仮想的に電波の集中点と見なせる点であり、その位置はアンテナの形式に依存している。例えば、ダイポール系のアンテナであれば給電点近傍が位相中心となり、ホーン系のアンテナではホーン開口部の中心線上でホーンのやや内側に位相中心がある。理想的なアンテナではこの位相中心は一点に定まるが、現実のアンテナでは種々の要因でばらつく。ここでは、その平均の位置をアンテナの位相中心と定義し、アンテナ自体の位相中心の位置のばらつきに関しては、測定系の他の誤差に比べて無視できる程度に十分小さいものとして扱う。また、以下の説明で、「アンテナの位置」とは、特にことわらない限り、立体的あるいは平面的な拡がりをもつアンテナの物理的な位置でなく、アンテナの電気的機能を果たす位相中心を示すものとする。
なお、上記した遠方界測定の距離条件については、次の非特許文献1、2等に記載されている。
1989年12月30 第1版第5刷発行 オーム社 アンテナ工学ハンドブック 電子情報通信学会編 pp.439-446 昭和54年3月30日 第1版第1刷発行 オーム社 電子通信ハンドブック 電子情報通信学会編 pp.1534
しかしながら、昨今の携帯電話やスマートフォン等の無線端末の端末アンテナは端末筐体内に設けられており、その端末アンテナの位置(厳密には前記した位相中心;以下同様)が、無線端末を保持して回転させる端末保持回転機構の回転中心に一致するように無線端末を設置できれば問題はないが、試験対象となる無線端末は、機種により外形や大きさが異なり、しかも内部に設けられた端末アンテナの位置にも統一性がない。
したがって、これら種々の無線端末の測定を行なうために、その端末アンテナの位置が、端末保持回転機構の回転中心となるように無線端末を設置しなければならず、例えばXYZステージのような極めて複雑で大掛かりな位置合わせ機構が必要となり、しかもこの位置合わせ機構を無線端末の近傍に設けることによる電波への影響が避けられない。
これに対処する方法として、端末保持回転機構の回転中心から端末アンテナまでの距離に対して回転中心から指向特性測定用のアンテナとの距離Rを十分長くとり、端末アンテナの位置が回転中心からずれていることによる測定への影響を低減することも考えられる。例えば、距離Rを、回転中心から端末アンテナまでの距離(一般的なスマートフォン等の無線端末では最大で数10ミリ程度)に対して十分長い数mに設定すれば、端末アンテナの位置が回転中心からずれていることによる測定への影響をかなり小さくできる。
ところが、図8に示すように、800MHz帯や2GHz帯に比べて、ミリ波帯(28GHz)の自由空間の伝搬損失は格段に大きく、上記のように距離Rを数m以上にすれば、伝搬損失が70dB以上となり、指向特性の測定を精度よく行なうことが困難となる。
本発明は、この問題を解決し、試験対象の無線端末と測定用アンテナとの間の距離が、遠方界の測定条件を満たし、且つその間の伝搬損失が大きくならない比較的近距離であっても、端末アンテナの位置が端末保持回転機構の回転中心からずれていることによる測定への影響を生じさせることなく、正確な指向特性の測定が行なえる無線端末のアンテナ指向特性測定システムおよび測定方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の無線端末のアンテナ指向特性測定システムは、
外部からの電波の進入および内部での電波の反射が抑制された測定空間内の所定位置に固定された指向特性既知の測定用アンテナ(21)と、
前記測定空間内で、前記測定用アンテナの位相中心から所定距離だけ離れた位置を基準点とし、該基準点の近傍で測定対象の無線端末(1)を保持し、該保持した前記無線端末を、前記基準点を中心にして前記測定用アンテナから遠方界測定の距離条件を満たす領域内で回転させる端末保持回転機構(30)と、
前記端末保持回転機構に保持された前記無線端末内の端末アンテナが出力する電波に対して前記測定用アンテナが受信した電波の電界強度または電力を測定する電波強度測定手段(40)と、
前記端末保持回転機構を制御して前記無線端末を基準位置から回転させ、その回転角毎に前記電波強度測定手段で得られた測定値から、前記端末アンテナの仮の指向特性を取得する指向特性取得手段(51)と、
前記測定空間内で、前記無線端末が前記基準位置にあるときの前記端末アンテナの位置を入力させるためのアンテナ位置入力手段(52)と、
前記入力された前記端末アンテナの位置に基づいて、前記測定用アンテナの位相中心からみた前記基準点の方向に対する前記測定用アンテナの位相中心からみた前記端末アンテナの方向のずれを表す前記無線端末の回転角毎の受信角度誤差、前記測定用アンテナの位相中心から前記基準点までの距離と前記測定用アンテナの位相中心から前記端末アンテナまでの距離との差によって生じる前記無線端末の回転角毎の自由空間の伝搬損失誤差、および前記受信角度誤差と前記測定用アンテナの指向特性とで決まる前記無線端末の回転角毎の前記測定用アンテナの利得誤差を出力する誤差情報出力手段(60、60′)と、
前記端末アンテナの仮の指向特性を、前記誤差情報出力手段から出力された前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差、前記伝搬損失誤差および前記利得誤差により補正し、前記端末アンテナを前記基準点の位置で回転させたと仮定したときの指向特性を求める補正手段(70)とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2の無線端末のアンテナ指向特性測定システムは、請求項1記載の無線端末のアンテナ指向特性測定システムにおいて、
前記誤差情報出力手段は、
前記入力された前記端末アンテナの位置により、前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差を算出する受信角度誤差算出手段(61)と、
前記入力された前記端末アンテナの位置により、前記無線端末の回転角毎の前記自由空間の伝搬損失誤差を算出する伝搬損失誤差算出手段(62)と、
前記受信角度誤差算出手段により算出された前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差と前記測定用アンテナの指向特性から、前記無線端末の回転角毎の前記測定用アンテナの利得誤差を算出する利得誤差算出手段(63)とを含むことを特徴とする。
また、本発明の請求項3の無線端末のアンテナ指向特性測定システムは、請求項1記載の無線端末のアンテナ指向特性測定システムにおいて、
前記誤差情報出力手段は、
前記測定空間内で、測定対象候補の無線端末が前記基準位置にあるときの端末アンテナの位置となりうる複数の候補位置を設定し、該複数の候補位置のそれぞれについて、予め求められた前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差が記憶されている受信角度誤差記憶手段(65)と、
前記複数の候補位置のそれぞれについて、予め求められた前記無線端末の回転角毎の前記自由空間の伝搬損失誤差が記憶されている伝搬損失誤差記憶手段(66)と、
前記複数の候補位置のそれぞれについて、前記受信角度誤差記憶手段に記憶されている前記受信角度誤差と前記測定用アンテナの指向特性とにより予め求められた前記無線端末の回転角毎の前記測定用アンテナの利得誤差が記憶されている利得誤差記憶手段(67)と、
前記複数の候補位置のうち、前記アンテナ位置入力手段によって入力された位置に対応する候補位置に対して前記受信角度誤差記憶手段、前記伝搬損失誤差記憶手段および前記利得誤差記憶手段に予め記憶されていた前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差、前記伝搬損失誤差および前記利得誤差を読み出して前記補正手段に与える誤差情報読出手段(68)とを含むことを特徴とする。
また、本発明の請求項4の無線端末のアンテナ指向特性測定方法は、
外部からの電波の進入および内部での電波の反射が抑制された測定空間内で、所定位置に固定された指向特性既知の測定用アンテナ(21)の位相中心から所定距離離れた位置を基準点とし、該基準点の近傍で保持した測定対象の無線端末(1)を、前記測定用アンテナから遠方界測定の距離条件を満たす領域内で前記基準点を中心に基準位置から回転させ、その回転角毎に、前記無線端末内の端末アンテナから出力される電波に対して前記測定用アンテナが受信した電波の電界強度または電力を測定して、前記端末アンテナの仮の指向特性を求める段階と、
前記測定空間内で、前記無線端末が前記基準位置にあるときの前記端末アンテナの位置を入力させる段階と、
前記入力された前記端末アンテナの位置に基づいて、前記測定用アンテナの位相中心からみた前記基準点の方向に対する前記測定用アンテナの位相中心からみた前記端末アンテナの方向のずれを表す前記無線端末の回転角毎の受信角度誤差、前記測定用アンテナの位相中心から前記基準点までの距離と前記測定用アンテナの位相中心から前記端末アンテナまでの距離との差によって生じる前記無線端末の回転角毎の自由空間の伝搬損失誤差、および、前記受信角度誤差と前記測定用アンテナの指向特性とで決まる前記無線端末の回転角毎の前記測定用アンテナの利得誤差の各誤差を出力する段階と、
前記端末アンテナの仮の指向特性を、前記出力された前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差、前記伝搬損失誤差および前記利得誤差により補正し、前記端末アンテナを前記基準点の位置で回転させたと仮定したときの指向特性を求める段階とを含むことを特徴とする。
また、本発明の請求項5の無線端末のアンテナ指向特性測定方法は、請求項4記載の無線端末のアンテナ指向特性測定方法において、
前記各誤差を出力する段階は、
前記入力された前記端末アンテナの位置を用いた演算によって、前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差、前記伝搬損失誤差および前記利得誤差を算出することを特徴とする。
また、本発明の請求項6の無線端末のアンテナ指向特性測定方法は、請求項4記載の無線端末のアンテナ指向特性測定方法において、
前記測定空間内で、測定対象候補の無線端末が前記基準位置にあるときの端末アンテナの位置となりうる複数の候補位置を設定し、該複数の候補位置のそれぞれについて、前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差、前記自由空間の伝搬損失誤差、および、前記測定用アンテナの利得誤差を求めて予め記憶しておく段階を含み、
前記各誤差を出力する段階は、
前記複数の候補位置のうち、前記入力された端末アンテナの位置に対応する候補位置に対して予め記憶されていた前記受信角度誤差、前記伝搬損失誤差および前記利得誤差を読み出すことを特徴とする。
このように、本発明では、測定対象の無線端末を基準点を中心に回転させ、その回転角毎に測定用アンテナが受信した電波の電界強度または電力を測定して無線端末内の端末アンテナの仮の指向特性を求め、この仮の指向特性を、無線端末の回転に伴って生じる受信角度誤差、伝搬損失誤差および利得誤差により補正することで、無線端末の端末アンテナを基準点の位置で回転させたと仮定したときの指向特性を求めている。
このため、試験対象の無線端末と測定用アンテナとの間の距離が、遠方界の測定条件を満たし、且つその間の伝搬損失が大きくならない比較的近距離であっても、端末アンテナの位置が回転中心からずれていることによる測定への影響を生じさせることなく、正確な指向特性の測定が行なえる。
本発明の実施形態の全体構成図 受信角度誤差を説明するための図 伝搬損失誤差および受信角度誤差を説明するための図 受信角度誤差に伴う測定アンテナの利得誤差を説明するための図 実施形態の要部の処理を示す図 本発明の別の実施形態の全体構成図 本発明の別の実施形態の要部のデータ記憶例を示す図 周波数に対する自由空間伝搬損失の一例を示す図
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態のアンテナ指向特性測定システム(以下単に測定システムと記す)20の構成を示している。
この測定システム20は、測定用アンテナ21、端末保持回転機構30、電波強度測定手段40、コンピュータ構成の演算処理部50により構成されている。
測定用アンテナ21は、外部からの電波の進入および内部での電波の反射が抑制された測定空間(図示せず)内の所定位置に固定された指向特性既知のアンテナであり、同様に測定空間内に配置された測定対象の無線端末1が出力する電波を受信する。ミリ波帯では、図1に示しているようなホーンアンテナや、プリント基板上にアンテナ素子がパターン形成されたアンテナ(例えばテーパスロットアンテナ)等を含む各種アンテナを用いることができる。
端末保持回転機構30は、測定空間内で、測定用アンテナ21の位相中心Qからその指向特性の基準方向(通常は開口に直交する最大利得方向)に所定距離Rだけ離れた位置を基準点Oとし、その基準点Oの近傍で測定対象の無線端末1を保持し、保持した無線端末1を、基準点Oを中心にして測定用アンテナ21から遠方界測定の距離条件を満たす領域内で回転させる。
この実施形態では、測定空間が基準点Oを原点とするXYZ直交座標系で表されるものとし、測定用アンテナ21の位相中心QがX軸上に位置し、Z軸が図1において鉛直方向、Y軸がX軸、Z軸に直交する方向とする。端末保持回転機構30は、保持した無線端末を基準点Oを中心とし、3つの直交軸XYZのうち、少なくともZ軸回りとY軸回りに回転させる構造とする。なお、X軸回りの回転も含めた3軸構造とすることもできる。
上記したように、ここでは、測定空間を基準点Oを原点とするXYZ直交座標系で表すが、測定空間を定義する座標系の原点位置は任意であり、基準点O以外に、例えば測定用アンテナ21の位相中心Q等を原点としてもよく、また直交座標系だけでなく、基準点Oや測定用アンテナ21の位相中心Q等を原点とする極座標系を用いることもできる。
端末保持回転機構30の具体的な機構は詳述しないが、例えば、図1のように、無線端末1を保持する保持台31を、基準点Oを中心にしてステッピングモータやサーボモータ等の回転装置32、33によりZ軸回りおよびY軸回りに所定角度ステップで回転させる機構であれば任意の構造が採用できる。これらの回転角の制御は演算処理部50によって行なわれる。保持台31の材質、形状は、その保持機構を含めて、無線端末1のアンテナの放射特性に影響を与えにくいものが採用されている。
電波強度測定手段40は、端末保持回転機構30に保持された無線端末1の端末アンテナ1aが出力する電波に対して測定用アンテナ21が受信した電波の強さを表す電界強度Prを測定して演算処理部50に出力する。なお、以下の説明では、電波の強さを表す測定値として電界強度を用いるが、電界強度の代わりに受信波の電力を測定してもよい。
演算処理部50は、この測定システム20に必要な様々な制御および演算処理を実行するが、ここでは、前記した端末保持回転機構30に対する制御により、無線端末1の回転角毎に電波強度測定手段40で得られる電界強度Prを取得して仮の指向特性を求める処理と、無線端末1の回転に伴う端末アンテナの位置変化による測定系の各種誤差の算出、およびそれらの誤差分を補正して端末アンテナ1aの真の指向特性を算出する処理を行なう。
演算処理部50の指向特性取得手段51は、端末保持回転機構30を制御して無線端末1を基準位置から回転させ、その回転角(φ,θ)毎に電波強度測定手段40で測定される電界強度Pr(φ,θ)を取得して、無線端末1の端末アンテナ1aの仮の指向特性を仮の指向特性Ha(φ,θ)を求める。ここで、端末保持回転機構30に対する具体的な回転制御は、図示しない操作部などによる測定開始の指示を受けて、端末保持回転機構30の保持台31に保持された無線端末1を、基準位置(基準姿勢)から基準点Oを中心にZ軸回りとY軸回りにそれぞれ所定ステップΔφ、Δθで回転させる。また、ここでは、Z軸回りの回転角φについては、0°〜360°(0°±180°)の範囲内をΔφステップで回転させ、Y軸回りの回転角θについては、0°〜180°(0°±90°)の範囲をΔθステップで回転させることで、基準点Oを中心に全方位をカバーするものとする。
この回転制御の順番は任意であるが、例えば、一方を1ステップ変化させてから、他方を所定ステップで例えば360°(あるいは±180°)回転させるという動作を繰り返す。仮に、Δφ=Δθ=5°とすれば、端末アンテナ1aの位置は、Z軸回りの360/5=72ポイントと、Y軸回りでθ=±90°(上下2つの極点)を除いた180/5−1=35ポイントとの積に、上下2つの極点を加えた2522箇所となる。
また、ここでは、図1に示しているように、後述の座標変換式が適用できるように、随保持台31の端末保持面がXY平面に平行で、その上に無線端末1の表示操作面がほぼ水平状態(寝た状態)となるように保持され、その無線端末1内の端末アンテナ1aがX軸上にあり且つ測定用アンテナ21に最も近い位置にある状態を基準位置とする。この場合、基準点Oは保持台31の端末保持面より高い位置を通過する線上にあり、無線端末内部に位置する場合が多くなる。なお、端末アンテナ1aの位置がX軸より高い位置(あるいは低い位置)にある状態を基準位置とする場合、その高さ方向のずれに応じた角度でY軸回りの回転角θをオフセット補正すれば、後述の座標変換式が適用できる。また、無線端末1の基準位置は測定開始時の無線端末1の姿勢を特定するものであって、上記位置に限定されるものではなく、上記したように無線端末1の表示操作面がXY平面に平行な状態(寝た状態)だけでなく、YZ平面に平行な状態(立ち上がった状態)やXZ平面に平行な状態を基準位置(基準姿勢)としてもよい。
指向特性取得手段51により得られる仮の指向特性Ha(φ,θ)は、端末アンテナ1aの位置が基準点Oにある理想状態であれば、その端末アンテナ1aの指向特性を正確に表しているが、実際には端末アンテナ1aの位置が基準点Oに存在しないことによる誤差が生じるので、これを防ぐための手段として、演算処理部50には、アンテナ位置入力手段52、誤差情報出力手段60および補正手段70が設けられている。
アンテナ位置入力手段52は、基準点Oを原点とするXYZ直交座標系で表された測定空間内で、無線端末1が基準位置にあるときの端末アンテナ1aの位置を特定する座標を入力させる。例えば、図示しない操作部等により、試験者に無線端末1が基準位置に保持されているときの端末アンテナ1aの座標(以下、初期座標と記す)A0=(X,Y,Z)を入力させるものであり、前記したように、保持台31の端末保持面がXY平面に平行となり、その上にほぼ水平状態に保持される無線端末1内の端末アンテナ1aがX軸上にあり且つ測定用アンテナ21に最も近い位置にある状態を基準位置とすれば、端末アンテナ1aの初期座標A0は(L,0,0)となる。ここで、Lは、基準点Oから端末アンテナ1aまでの距離(回転半径に等しい)である。
誤差情報出力手段60は、アンテナ位置入力手段52により入力された端末アンテナ1aの位置に基づいて、端末アンテナ1aの位置が基準点Oに無いことによる無線端末1の回転角毎の各誤差の情報を出力するものであり、この実施形態では、入力された端末アンテナ1aの位置を用いた演算により誤差を算出する3つの誤差算出手段、即ち、受信角度誤差算出手段61、伝搬損失誤差算出手段62、利得誤差算出手段63で構成される。
受信角度誤差算出手段61は、入力された端末アンテナ1aの初期座標A0により、測定用アンテナ21の位相中心Qからみた基準点O方向に対して、測定用アンテナ21の位相中心Qからみた端末アンテナ1aの方向のずれを表す受信角度誤差(φ',θ')をZ軸回りとY軸回りの回転角(φ,θ)毎に求める。
例えば、図2に簡単な例を示しているように、端末アンテナ1aが、基準点Oから距離L離れたX軸上の初期座標A0から、Z軸回りにφ回転したとき、回転後の端末アンテナ1aの座標Axから測定用アンテナ21の位相中心へ向かう角度は、回転角φに、
φ'=tan−1[Lsinφ/(R−Lcosφ)]
を加えた角度φ+φ'となり、測定用アンテナ21からみた基準点O方向に対して、φ'だけずれた角度となっている。
同様に、端末アンテナ1aがY軸回りにθ回転していれば、測定用アンテナ21へ実際の方向は、回転角θに対して誤差角θ'が加わった角度θ+θ'となる。
この回転角θ、φに対する誤差角θ'、φ'は、入力された端末アンテナ1aの初期座標A0=(X,Y,Z)が決まれば、次の座標変換処理を用いることで、一義的に求められる。
Figure 2018189601
上記座標変換の式は、X軸回りの回転角ψも含めたものであるが、実施形態のように、Z軸回りとY軸回りだけの回転の場合には、ψ=0として、次の座標変換処理を用いればよい。
Figure 2018189601
例えば、図3のように、端末アンテナ1aの位置が基準位置からZ軸回りにφ、Y軸回りにθ回転したときの前記した受信角度誤差算出手段61によって求められる受信角度誤差θ'、φ'は、
θ'=tan−1[Z(φ,θ)/Ra]
φ'=tan−1{Y(φ,θ)/[R−X(φ,θ)]}
ただし Ra={Y(φ,θ)+[R−X(φ,θ)]1/2
となる。
上記処理は、端末アンテナ1aの基準点Oを中心とする半径Lの周回移動に伴う測定用アンテナ21方向の角度ずれを求めるものであるが、この端末アンテナ1aの周回移動に伴い、測定用アンテナ21までの距離も当然変化し、端末アンテナ1aが基準点Oの位置で回転する理想状態に対してこの距離変化による自由空間伝搬損失に誤差が生じる。
伝搬損失誤差算出手段62は、無線端末1の回転角毎の端末アンテナ1aから測定用アンテナ21の位相中心Qまでの距離Rxを求め、その距離Rxと、測定用アンテナ21の位相中心Qから基準点Oまでの距離Rとの差によって生じる自由空間の伝搬損失誤差を求める。
例えば、図3のように、端末アンテナ1aの位置が初期座標からZ軸回りにφ、Y軸回りにθ回転したときのアンテナ間距離Rxは、前述の座標変換の結果を用いれば、
Rx=[Z(φ,θ)+Ra1/2
で表される。
したがって、自由空間の伝搬損失誤差E1(φ,θ)は、
E1(φ,θ)=20 log(R/Rx) [dB]
により算出することができる。
また、利得誤差算出手段63は、端末アンテナ1aの周回移動に伴う測定用アンテナ21方向のずれ角によって決まる最大利得からの利得誤差E2(φ,θ)を求める。
この利得誤差E2(φ,θ)は、例えば、測定用アンテナ21のXY平面におけるθ=0の指向特性が図4のHr(XY)のような場合に、理想状態であればX軸に沿って到来する電波に対する利得(一般的に最大利得)G(0,0)と、実際にX軸に対してずれ角φ'をもって到来する電波に対する利得G(φ',0)との差により求めることができる。回転角を2軸に拡張した場合、Z軸回りのずれ角φ'、Y軸回りのずれ角θ'のときの利得誤差E2(φ,θ)は、入射角φ'、θ'のときの測定用アンテナの利得G(φ',θ')を用いて、
E2(φ,θ)=G(φ',θ')−G(0,0)
の演算で求めることができる。
補正手段70は、指向特性取得手段51によって得られた仮の指向特性Ha(φ,θ)を、誤差情報出力手段60から出力された回転角毎の受信角度誤差(φ',θ')、伝搬損失誤差E1(φ,θ)および利得誤差E2(φ,θ)により補正し、端末アンテナ1aを、基準点Oの位置で、その基準点Oを中心に回転させたと仮定したときの指向特性(本来求めたい真の指向特性)Hc(φ,θ)を求める。
つまり、回転角φ、θ毎に得られた指向特性Ha(φ,θ)は、実際の角度が(φ+φ',θ+θ')のものであり、しかも、アンテナ間距離変化により、E1(φ,θ)の自由空間伝搬損失誤差が含まれ、さらに、回転角のずれにより、E2(φ,θ)の利得誤差が含まれている。したがって、真の指向特性Hc(φ,θ)は、測定で得られた仮の指向特性Ha(φ,θ)に対して、電界強度の方向にE1(φ,θ)、E2(φ,θ)の誤差補正を行い、さらに、角度方向に受信角度誤差(φ',θ')の補正を加えることで得られる。
この補正を全ての回転角毎の測定値に対して行なうことで、端末アンテナ1aが基準点Oの位置で回転したと仮定したときの全方位についての真の指向特性を求めることができる。
例えば、θ=0でφ=0°±180°の範囲を回転させたときに図5の(a)に示す仮の指向特性Ha(φ,0)が得られたとする。この回転角φの変化に対し、図5の(b)のように、伝搬損失誤差E1(φ,0)は、φ=0°で正の最大値、φ=±180°で負の最小値となり、利得誤差E2(φ,0)は、φ=0°、±180°で0、0〜±90°の範囲内でそれぞれ負の最小値となり、これを合わせた電界強度方向の誤差特性はE3のようになる。図5の(c)のように、この誤差特性E3で点線で示す仮の指向特性Ha(φ,0)を補正すると、実線で示す指向特性Hb(φ,0)が得られる。
また、受信角度誤差φ’は、図5の(d)のように、φ=0°、±180°で0、0〜±90°の範囲内でそれぞれ正の最大値となるので、この受信角度誤差φ’により指向特性Hb(φ,0)の角度の補正を行なう、つまり、図5の(e)のように、角度φで測定された電界強度Pr(φ,0)を角度φ+φ’の位置にずらす補正を行なうと、各角度φの電界強度が、それぞれφ+φ’の角度位置にずれた実線で示す指向特性Hc(φ,0)となる。この指向特性Hc(φ,0)が、端末アンテナ1aが基準点Oの位置でZ軸回りに±180°の範囲で回転したと仮定したときの本来求めたい真の指向特性となる。
このように、本実施形態の測定システム20では、測定対象の無線端末1を、基準点Oを中心に回転させ、その回転角毎に測定用アンテナ21の受信信号から電界強度(電波の強度)を測定して無線端末内の端末アンテナ1aの仮の指向特性を求め、この仮の指向特性を、無線端末1の回転に伴って生じる受信角度誤差、伝搬損失誤差および利得誤差により補正することで、無線端末1の端末アンテナ1aを基準点Oの位置で回転させたと仮定したときの指向特性を求めている。
このため、試験対象の無線端末1と測定用アンテナ21との間の距離が、遠方界の測定条件を満たし、且つその間の伝搬損失が大きくならない比較的近距離であっても、端末アンテナ1aの位置が回転中心からずれていることによる測定への影響を生じさせることなく、正確な指向特性の測定が行なえる。なお、無線端末1が基準位置にあるときの端末アンテナ1aの位置と基準点Oとの距離が、0、または、測定用アンテナ21から基準点Oまでの距離Rに比べて十分短い場合には、仮の指向特性を補正せずにそのまま真の指向特性とすることができる。
上記実施形態では、測定空間内で、端末アンテナ1aの位置を特定する座標の入力値を用いた演算処理により、回転角毎の受信角度誤差、伝搬損失誤差、利得誤差を算出し、これらの誤差により仮の指向特性を補正していたが、測定空間内で、測定対象の候補となる無線端末が基準位置にあるときの端末アンテナの位置となりうる複数の候補位置を予め設定し、その複数の候補位置のそれぞれについて、前記した受信角度誤差、伝搬損失誤差および利得誤差を、無線端末の回転角毎に求めて予め記憶しておき、実際の測定対象となる無線端末についてその端末アンテナの位置が入力されたとき、その入力された位置に対応する候補位置に対して予め記憶されていた受信角度誤差、伝搬損失誤差および利得誤差を読み出し、これらを用いて仮の指向特性を補正してもよい。
図6は、その実施形態の測定システム20′の構成を示すものであり、前記実施形態の測定システム20とは演算処理部50′の構成が異なる。
即ち、この演算処理部50′では、前記同様に、指向特性取得手段51、アンテナ位置入力手段52、誤差情報出力手段60′、補正手段70を有しているが、誤差情報出力手段60′は、受信角度誤差記憶手段65、伝搬損失誤差記憶手段66、利得誤差記憶手段67および誤差情報読出手段68により構成されている。
受信角度誤差記憶手段65は、例えば、上記のように基準点Oを原点とする直交座標系で表される測定空間内で、測定対象の候補となる無線端末が基準位置にあるときの端末アンテナの位置となりうる複数の候補位置の座標A1、A2、……を設定し、その複数の候補位置の座標A1、A2、……それぞれについて、測定用アンテナ21の位相中心Qからみた基準点Oの方向を基準方向とし、その基準方向に対して測定用アンテナ21の位相中心Qからみた端末アンテナ1aの方向のずれを表す受信角度誤差(φ',θ')が、無線端末1の回転角(φ,θ)毎に予め記憶されている。
ここで、候補位置の座標A1、A2、……は、基準点Oを中心とする所定半径Lmax の球の内部に設定された任意の座標でよく、半径Lmax は、測定候補となる無線端末が基準位置に置かれたときの基準点から最も遠い端末アンテナまでの距離以下であればよい。ただし、実際には、無線端末1が保持される基準位置は、無線端末1の表示操作面が、XY平面またはYZ平面またはXZ平面のいずれか平行になる場合が多く、それにより、無線端末1の端末アンテナが、X、Y、Zの各軸上あるいはその近傍の領域に位置する確率が高いので、これらの領域に含まれる座標の位置のみを候補としてもよい。
同様に、伝搬損失誤差記憶手段66には、複数の候補位置の座標A1、A2、……のそれぞれについて、測定用アンテナ21の位相中心Qから基準点Oまでの距離Rと測定用アンテナ21の位相中心Qから端末アンテナ1aまでの距離Rxとの差によって生じる自由空間の伝搬損失誤差E1(φ,θ)が、回転角(φ,θ)毎に予め記憶され、利得誤差記憶手段67には、複数の候補位置の座標A1、A2、……のそれぞれについて、受信角度誤差(φ',θ')と測定用アンテナ21の指向特性Hrとにより求められた測定用アンテナ21の利得誤差E2(φ,θ)が、回転角(φ,θ)毎に予め記憶されている。
図7に、複数の候補位置の座標A1、A2、……について、回転角毎に求めた各誤差の例を示す。この図において、誤差E0(i,j,k)は、k番目の候補位置の座標Akについて、回転角(φi,θj)のときの受信角度誤差φ'、θ'の組を表すものとする。また、誤差E1(i,j,k)、E2(i,j,k)は、候補位置の座標毎の伝搬損失誤差、利得誤差である。
誤差情報読出手段68は、上記複数の候補位置の座標A1、A2、……のうち、アンテナ位置入力手段52によって入力された位置に対応する候補位置の座標Akに対して受信角度誤差記憶手段65、伝搬損失誤差記憶手段66および利得誤差記憶手段67に予め記憶されていた受信角度誤差E0、伝搬損失誤差E1および利得誤差E2を読み出して、補正手段70に与える。補正手段70は、前記実施形態と同様に、これらの各誤差E0〜E2により、端末アンテナ1aの仮の指向特性Haを補正し、端末アンテナ1aを基準点Oの位置で回転させたと仮定したときの指向特性Hcを求める。
この実施形態の場合、各候補位置のそれぞれについて、補正に必要な回転角毎の誤差情報が予め記憶されているので、測定により仮の指向特性が得られ、端末アンテナの位置が入力された段階で、直ちに補正演算を行なうことができ、真の指向特性を効率的に求めることができる。
なお、候補位置の座標の設定分解能が、端末アンテナの位置の座標入力値の分解能と等しい場合には、座標入力値と等しい候補位置について予め記憶した誤差を読み出せばよい。また、候補位置の座標の設定分解能が、端末アンテナの位置の座標入力値の分解能より大きい場合には、座標入力値に最も近い候補位置について予め記憶した誤差を読み出せばよく、この場合、各誤差の精度が僅かに低下するが、候補位置の設定数が少なくて済み、誤差の記憶に必要な記憶容量を少なくできる。
また、前記各誤差記憶手段65〜67および誤差情報読出手段68を、図1の測定システム20の演算処理部50に設け、入力された端末アンテナの位置が新規か登録済みかを図示しない判定手段により判定し、前記各誤差憶手段65〜67に登録済みであれば誤差情報読出手段68によりその座標に対応した誤差情報を読み出して補正手段70に与え、仮の指向特性の補正を行なわせ、新規の場合には、前記各誤差算出手段61〜63で各誤差を新たに算出して補正手段70に与え、仮の指向特性の補正を行なうとともに、新たに算出した各誤差と入力された端末アンテナの位置(新たな候補位置)と対応付けて、図示しない登録手段により、各誤差記憶手段65〜67に新規登録していくことで、各誤差記憶手段65〜67の記憶値を順次追加する構成も可能である。
20、20′……アンテナ指向特性測定システム、21……測定用アンテナ、30……端末保持回転機構、40……電波強度測定手段、50、50′……演算処理部、51……指向特性取得手段、52……アンテナ位置入力手段、60、60′……誤差情報出力手段、61……受信角度誤差算出手段、62……伝搬損失誤差算出手段、63……利得誤差算出手段、65……受信角度誤差記憶手段、66……伝搬損失誤差記憶手段、67……利得誤差記憶手段、68……誤差情報読出手段、70……補正手段

Claims (6)

  1. 外部からの電波の進入および内部での電波の反射が抑制された測定空間内の所定位置に固定された指向特性既知の測定用アンテナ(21)と、
    前記測定空間内で、前記測定用アンテナの位相中心から所定距離だけ離れた位置を基準点とし、該基準点の近傍で測定対象の無線端末(1)を保持し、該保持した前記無線端末を、前記基準点を中心にして前記測定用アンテナから遠方界測定の距離条件を満たす領域内で回転させる端末保持回転機構(30)と、
    前記端末保持回転機構に保持された前記無線端末内の端末アンテナが出力する電波に対して前記測定用アンテナが受信した電波の電界強度または電力を測定する電波強度測定手段(40)と、
    前記端末保持回転機構を制御して前記無線端末を基準位置から回転させ、その回転角毎に前記電波強度測定手段で得られた測定値から、前記端末アンテナの仮の指向特性を取得する指向特性取得手段(51)と、
    前記測定空間内で、前記無線端末が前記基準位置にあるときの前記端末アンテナの位置を入力させるためのアンテナ位置入力手段(52)と、
    前記入力された前記端末アンテナの位置に基づいて、前記測定用アンテナの位相中心からみた前記基準点の方向に対する前記測定用アンテナの位相中心からみた前記端末アンテナの方向のずれを表す前記無線端末の回転角毎の受信角度誤差、前記測定用アンテナの位相中心から前記基準点までの距離と前記測定用アンテナの位相中心から前記端末アンテナまでの距離との差によって生じる前記無線端末の回転角毎の自由空間の伝搬損失誤差、および前記受信角度誤差と前記測定用アンテナの指向特性とで決まる前記無線端末の回転角毎の前記測定用アンテナの利得誤差を出力する誤差情報出力手段(60、60′)と、
    前記端末アンテナの仮の指向特性を、前記誤差情報出力手段から出力された前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差、前記伝搬損失誤差および前記利得誤差により補正し、前記端末アンテナを前記基準点の位置で回転させたと仮定したときの指向特性を求める補正手段(70)とを備えたことを特徴とする無線端末のアンテナ指向特性測定システム。
  2. 前記誤差情報出力手段は、
    前記入力された前記端末アンテナの位置により、前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差を算出する受信角度誤差算出手段(61)と、
    前記入力された前記端末アンテナの位置により、前記無線端末の回転角毎の前記自由空間の伝搬損失誤差を算出する伝搬損失誤差算出手段(62)と、
    前記受信角度誤差算出手段により算出された前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差と前記測定用アンテナの指向特性から、前記無線端末の回転角毎の前記測定用アンテナの利得誤差を算出する利得誤差算出手段(63)とを含むことを特徴とする請求項1記載の無線端末のアンテナ指向特性測定システム。
  3. 前記誤差情報出力手段は、
    前記測定空間内で、測定対象候補の無線端末が前記基準位置にあるときの端末アンテナの位置となりうる複数の候補位置を設定し、該複数の候補位置のそれぞれについて、予め求められた前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差が記憶されている受信角度誤差記憶手段(65)と、
    前記複数の候補位置のそれぞれについて、予め求められた前記無線端末の回転角毎の前記自由空間の伝搬損失誤差が記憶されている伝搬損失誤差記憶手段(66)と、
    前記複数の候補位置のそれぞれについて、前記受信角度誤差記憶手段に記憶されている前記受信角度誤差と前記測定用アンテナの指向特性とにより予め求められた前記無線端末の回転角毎の前記測定用アンテナの利得誤差が記憶されている利得誤差記憶手段(67)と、
    前記複数の候補位置のうち、前記アンテナ位置入力手段によって入力された位置に対応する候補位置に対して前記受信角度誤差記憶手段、前記伝搬損失誤差記憶手段および前記利得誤差記憶手段に予め記憶されていた前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差、前記伝搬損失誤差および前記利得誤差を読み出して前記補正手段に与える誤差情報読出手段(68)とを含むことを特徴とする請求項1記載の無線端末のアンテナ指向特性測定システム。
  4. 外部からの電波の進入および内部での電波の反射が抑制された測定空間内で、所定位置に固定された指向特性既知の測定用アンテナ(21)の位相中心から所定距離離れた位置を基準点とし、該基準点の近傍で保持した測定対象の無線端末(1)を、前記測定用アンテナから遠方界測定の距離条件を満たす領域内で前記基準点を中心に基準位置から回転させ、その回転角毎に、前記無線端末内の端末アンテナから出力される電波に対して前記測定用アンテナが受信した電波の電界強度または電力を測定して、前記端末アンテナの仮の指向特性を求める段階と、
    前記測定空間内で、前記無線端末が前記基準位置にあるときの前記端末アンテナの位置を入力させる段階と、
    前記入力された前記端末アンテナの位置に基づいて、前記測定用アンテナの位相中心からみた前記基準点の方向に対する前記測定用アンテナの位相中心からみた前記端末アンテナの方向のずれを表す前記無線端末の回転角毎の受信角度誤差、前記測定用アンテナの位相中心から前記基準点までの距離と前記測定用アンテナの位相中心から前記端末アンテナまでの距離との差によって生じる前記無線端末の回転角毎の自由空間の伝搬損失誤差、および、前記受信角度誤差と前記測定用アンテナの指向特性とで決まる前記無線端末の回転角毎の前記測定用アンテナの利得誤差の各誤差を出力する段階と、
    前記端末アンテナの仮の指向特性を、前記出力された前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差、前記伝搬損失誤差および前記利得誤差により補正し、前記端末アンテナを前記基準点の位置で回転させたと仮定したときの指向特性を求める段階とを含むことを特徴とする無線端末のアンテナ指向特性測定方法。
  5. 前記各誤差を出力する段階は、
    前記入力された前記端末アンテナの位置を用いた演算によって、前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差、前記伝搬損失誤差および前記利得誤差を算出することを特徴とする請求項4記載の無線端末のアンテナ指向特性測定方法。
  6. 前記測定空間内で、測定対象候補の無線端末が前記基準位置にあるときの端末アンテナの位置となりうる複数の候補位置を設定し、該複数の候補位置のそれぞれについて、前記無線端末の回転角毎の前記受信角度誤差、前記自由空間の伝搬損失誤差、および、前記測定用アンテナの利得誤差を求めて予め記憶しておく段階を含み、
    前記各誤差を出力する段階は、
    前記複数の候補位置のうち、前記入力された端末アンテナの位置に対応する候補位置に対して予め記憶されていた前記受信角度誤差、前記伝搬損失誤差および前記利得誤差を読み出すことを特徴とする請求項4記載の無線端末のアンテナ指向特性測定方法。
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