JP2017057806A - エンジン冷却系の制御装置 - Google Patents

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満 山口
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Abstract

【課題】エンジンの温間始動直後の冷却液の局所沸騰を抑制することのできるエンジン冷却系の制御装置を提供する。
【解決手段】液温制御切替部は、エンジンの内部に設けられたウォータジャケットを通って循環される冷却液の目標温度として、より低温の低温側目標液温LOを設定する低液温制御と、より高温の高温側目標液温HIを設定する高液温制御とをエンジンの運転状況に応じて切り替える(S107〜S111)。ただし、エンジンが温間始動された場合(S104:YES)、始動後積算空気量が判定値βに達するまでの期間は(S105:YES)、液温制御切替部は、低液温制御を保持している(S111)。
【選択図】図8

Description

本発明は、エンジン冷却系の制御装置に関する。
液冷式のエンジンでは、エンジンの内部に設けられたウォータジャケットとラジエータとの間で冷却液を循環させることで、エンジンを冷却している。そして、液冷式エンジンの冷却系において、冷却水を循環させるポンプの冷却液の吐出流量を調整したり、ラジエータを通って循環される冷却液の流量とラジエータを迂回して循環される冷却液の流量の比率を調整したりすることで、冷却液の温度が目標温度となるように液温制御を行うものがある。
こうした液温制御を行うエンジン冷却系の制御装置において、冷却液の目標温度を高い温度に設定すれば、潤滑油の粘度が低下して、エンジンのフリクション損失が少なくなる。しかしながら、冷却液の温度が高くなり、シリンダ壁面の温度が上昇すると、ノッキングが発生し易くなる。そのため、ノックコントロールを行うエンジンでは、冷却液の目標温度を高くすると、点火時期が遅角されて、エンジンの燃焼効率が悪化することがある。
従来、特許文献1に記載のエンジン冷却系の制御装置では、ノックコントロールによる点火時期の遅角状況に応じて、液温制御における冷却液の目標温度を調整するようにしている。こうした制御装置では、ノックコントロールによる点火時期の遅角化を抑えながら、冷却液の温度を高めることが可能となる。
特開2004−143969号公報
ところで、エンジンが停止すると、冷却液の循環も停止して、ウォータジャケットの内部に冷却液が滞留するようになる。一方、エンジンのウォータジャケットには、エンジン運転中にその壁面温度が局所的に高くなる部分(以下、高温部と記載する)が存在する。そうした高温部の付近では、エンジン停止後に、滞留した冷却液の温度が残熱により高くなる。そのため、エンジン停止の直後には、ウォータジャケット内の冷却液に、温度分布の偏りが生じるようになる。こうしたウォータジャケット内の冷却液の温度分布の偏りは、エンジン停止後しばらくすると、ウォータジャケット内の冷却液が全体的に冷却されて、解消するようになる。しかしながら、エンジンが停止後に短時間で再始動された場合、温度分布の偏りが未解消のまま、エンジンの運転が再開されるため、高温部の付近の冷却液が更に加熱されて沸騰する虞がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、エンジンの温間始動直後の冷却液の局所沸騰を抑制することのできるエンジン冷却系の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するエンジン冷却系の制御装置は、エンジンの内部に設けられたウォータジャケットを通って循環される冷却液の温度を目標温度とすべく制御する液温制御部と、前記目標温度としてより低い温度を設定する低液温制御と前記目標温度としてより高い温度を設定する高液温制御とを前記エンジンの運転状況に応じて切り替える液温制御切替部と、を備える。そして、同制御装置における液温制御切替部は、エンジンが温間始動された場合、その始動後に規定の低液温保持解除条件が成立するまでの期間、低液温制御を保持するようにしている。
こうしたエンジン冷却系の制御装置では、冷却液の実際の温度が目標温度よりも低いときには、冷却液の温度を高くするため、液温制御部によって、ウォータジャケットへの冷却液の流入やその流入する冷却液のラジエータでの冷却が抑えられる。そのため、ウォータジャケット内の冷却液に温度分布の偏りが生じたエンジンの温間始動直後に高液温制御が実行されて冷却液の目標温度が高められると、温度分布の偏りの解消が進みにくくなる。これに対して、上記エンジン冷却系の制御装置では、エンジンが温間始動された場合、その始動後に規定の低液温保持解除条件が成立するまでの期間、低液温制御が保持されて、目標温度が低い温度に維持される。そのため、ウォータジャケット内の冷却液の温度分布の偏りがより早期に解消されるように、ひいてはその偏りに起因した冷却液の局所沸騰が抑制されるようになる。したがって、上記エンジン冷却系の制御装置によれば、エンジンの温間始動直後の冷却液の局所沸騰を抑制することができる。
エンジン冷却系の制御装置の一実施形態の全体構造を模式的に示す略図。 同実施形態の制御装置が適用されるエンジン冷却系に設けられた多方弁の斜視図。 同多方弁の分解斜視図。 同多方弁の構成部品であるハウジング本体の斜視図。 (a)は上記多方弁の構成部品である弁体の斜視図であり、(b)は別方向から見た同弁体の斜視図である。 同多方弁の弁位相と各吐出ポートの開口率との関係を示すグラフ。 上記実施形態の制御装置における液温制御に係る構成の制御ブロック図。 同制御装置において液温制御切替部が実行する液温制御切替ルーチンの処理手順を示すフローチャート。 (a)は上記液温制御切替ルーチンでの液温制御域判定に使用する通常用判定マップでの高温/低温制御域の区分け態様を示すグラフであり、(b)は同液温制御域判定に使用するSモード用判定マップでの高温/低温制御域の設定態様を示すグラフである。
以下、エンジン冷却系の制御装置の一実施形態を、図1〜図9を参照して詳細に説明する。
(冷却液回路の構成)
まず、本実施形態の制御装置が適用されるエンジン冷却系において、エンジンを冷却する冷却液が流れる冷却液回路の構成を、図1を参照して説明する。
図1に示すように、エンジン10のシリンダブロック11及びシリンダヘッド12の内部には、冷却液回路の一部となるウォータジャケット11A,12Aがそれぞれ設けられている。冷却液回路におけるウォータジャケット11A,12Aよりも上流側の部分には、冷却液回路に冷却液を循環させるための冷却液ポンプ13が設けられている。そして、冷却液ポンプ13が吐出した冷却液がウォータジャケット11A,12Aに導入されるようになっている。
なお、シリンダヘッド12のウォータジャケット12Aには、シリンダブロック11のウォータジャケット11Aから同ウォータジャケット12Aに流入した直後の冷却液の温度(入口液温)を検出する入口液温センサS1が設けられている。また、同ウォータジャケット12Aには、同ウォータジャケット12Aから外部に流出する直前の冷却液の温度(出口液温)を検出する出口液温センサS2も設けられている。
シリンダブロック11におけるウォータジャケット12Aの冷却液出口が設けられた部分には、多方弁14が取り付けられており、ウォータジャケット11A,12Aを通過した冷却液が多方弁14に流入するようになっている。冷却液回路は、この多方弁14において、ラジエータ経路R1、ヒータ経路R2、及びデバイス経路R3の3つの経路に分岐している。このうち、ラジエータ経路R1は、外気との熱交換により冷却液を冷却するラジエータ15に冷却液を供給するための経路である。また、ヒータ経路R2は、車室空調装置による暖房が行われるときに、冷却液の熱で車室内への送風を加熱するための熱交換器であるヒータコア16に冷却液を供給するための経路である。さらにデバイス経路R3は、冷却液を搬送媒体としてエンジン10の熱が伝達される各デバイスに冷却液を供給するための経路である。なお、ラジエータ経路R1の流路断面積は、より多量の冷却液を流せるように、ヒータ経路R2及びデバイス経路R3の流路断面積よりも大きくされている。
ラジエータ経路R1は、ラジエータ15に冷却液を供給した後、そのラジエータ15の下流側の部分において冷却液ポンプ13に接続されている。デバイス経路R3は、まず3つに分岐しており、各々の分岐先においてスロットルボディ17、EGR(排気再循環:Exhaust Gas Recirculation)バルブ18、EGRクーラ19にそれぞれ冷却液を供給する。さらに、デバイス経路R3は、それらスロットルボディ17、EGRバルブ18及びEGRクーラ19の下流側で一旦合流した後、2つに分岐し、各々の分岐先においてオイルクーラ20及びATF(Automatic Transmission Fluid)ウォーマ21にそれぞれ冷却液を供給する。そして、デバイス経路R3は、オイルクーラ20及びATFウォーマ21の下流側で再び合流され、その合流位置の下流側の部分において、ラジエータ経路R1におけるラジエータ15の下流側の部分に合流し、その合流位置の下流側では、ラジエータ経路R1と一体となって冷却液ポンプ13に接続されている。一方、ヒータ経路R2は、ヒータコア16に冷却液を供給した後、そのヒータコア16の下流側の部分において、デバイス経路R3におけるオイルクーラ20及びATFウォーマ21の下流側の部分に合流する。そして、ヒータ経路R2は、その合流位置の下流側では、デバイス経路R3と一体となり、さらにそのデバイス経路R3とラジエータ経路R1との合流位置の下流側では、ラジエータ経路R1とも一体となって冷却液ポンプ13に接続されている。
なお、多方弁14には、その内部の圧力が過上昇したときに開弁して、内部の冷却液の圧力を逃がすリリーフ弁22が設けられている。リリーフ弁22には、リリーフ経路R4が接続されており、そのリリーフ経路R4の下流側の部分は、ラジエータ経路R1におけるラジエータ15よりも上流側の部分に合流している。
多方弁14は、エンジン制御を司る電子制御ユニット25により制御されている。電子制御ユニット25は、エンジン制御に係る各種の演算処理を行う中央演算処理装置、制御用のプログラムやデータが予め記憶された読出専用メモリ、中央演算処理装置の演算結果やセンサの検出結果などを一時的に記憶する読書可能メモリを備える。こうした電子制御ユニット25には、上述の入口液温センサS1及び出口液温センサS2に加え、クランク角センサS3、エアフローメータS4などの車両各部に設けられたセンサの検出信号が入力されている。クランク角センサS3は、エンジン10の出力軸であるクランクシャフトの回転位相(クランク角)を検出し、エアフローメータS4は、エンジン10の吸入空気量を検出する。なお、電子制御ユニット25は、そうしたクランク角の検出結果から、エンジン10の回転速度(エンジン回転数)を演算する。
さらに、電子制御ユニット25には、カーナビゲーションシステムNAVから車両の現在位置を示す情報(車両位置情報)が入力されている。また、電子制御ユニット25には、走行モード選択スイッチSW1、及び変速モード切替スイッチSW2の操作状態を示す信号が入力されている。
走行モード選択スイッチSW1は、車両の走行モードを選択するためのスイッチである。本実施形態の制御装置が搭載された車両では、選択可能な走行モードの一つとして、スポーツモード(以下、Sモードと記載する)を有する。Sモードの選択時には、通常よりも車両の加速性能が高くなるように、自動変速機の変速点が変更される。なお、選択可能な走行モードには他にも、燃費を優先するように自動変速機の変速点を設定する通常モードと、雪道走行用のスノーモードとがある。
変速モード切替スイッチSW2は、自動変速機の変速段の昇降に係る変速モードを切り替えるためのスイッチである。本実施形態の制御装置が搭載された車両では、切替可能な変速モードとして、自動変速機の変速段の昇降を自動で行う自動変速モードと、同変速段の昇降を運転者の手動操作で行う手動変速モード(以下、Mモードと記載する)と、を有する。
(多方弁の構成)
続いて、こうしたエンジン冷却装置の冷却液回路に設けられた多方弁14の構成を、図2〜図5を参照して説明する。なお、以下の説明では、図2〜図5において矢印Uで示す方向を多方弁14の上方とし、矢印Dで示す方向を多方弁14の下方とする。
図2に示すように、多方弁14は、冷却液の吐出口となる3つの吐出ポートを、すなわちラジエータポートP1、ヒータポートP2、及びデバイスポートP3を備える。多方弁14がエンジン10に組み付けられた際に、ラジエータポートP1はラジエータ経路R1に接続されて、そのラジエータ経路R1の一部を構成する。また、ヒータポートP2はヒータ経路R2に接続されて、そのヒータ経路R2の一部を構成する。さらに、デバイスポートP3はデバイス経路R3に接続されて、そのデバイス経路R3の一部を構成する。
図3に示すように、多方弁14は、その構成部品として、ハウジング30、弁体33、カバー34、モータ35、3つのギア36A〜36Cからなる減速ギア機構を備える。多方弁14の骨格をなすハウジング30には、上記3つの吐出ポートP1〜P3が設けられている。なお、ハウジング30は、ハウジング本体30Aと、各経路R1〜R3がそれぞれ接続されるコネクタ部30B〜30Dとに分割形成されている。図3には、こうしたハウジング30が、ラジエータ経路R1のコネクタ部30Bがハウジング本体30Aから分離された状態で示されている。
ハウジング本体30Aの下部には、回転に応じて各吐出ポートP1〜P3の開口面積を可変とする弁体33が収容される。また、ハウジング本体30Aの上部には、モータ35及び減速ギア機構が収容される。モータ35は、減速ギア機構を構成する各ギア36A〜36Cを介して、弁体33の回転軸である弁軸33Aに連結された状態でハウジング30に収容され、これにより、モータ35の回転が減速された上で弁体33に伝達されるようになっている。
一方、ハウジング30には、モータ35及び減速ギア機構が収容された部分の上方を覆うようにカバー34が取り付けられる。カバー34の内部には、ハウジング30に対する弁体33の相対回転位相(以下、弁位相と記載する)を検出するための弁位相センサS5が取り付けられている。弁位相センサS5の検出信号は、上述の電子制御ユニット25に入力される。さらに、ハウジング30内には、上述のリリーフ弁22が収容されるようにもなっている。
図4に、下方から見たハウジング本体30Aの斜視構造を示す。ハウジング本体30Aの下側の面は、シリンダヘッド12への取付面30Eとされており、多方弁14は、この取付面30Eがシリンダヘッド12の外壁に接した状態でエンジン10に組み付けられる。ハウジング本体30Aにおける弁体33の収容空間は、取付面30Eに開口しており、その開口は、シリンダヘッド12のウォータジャケット12Aから冷却液が流入する流入ポート30Fとなっている。そして、上記3つの吐出ポートP1〜P3は、ハウジング30の内側において、こうした弁体33の収容空間にそれぞれ開口している。
なお、ハウジング本体30Aには、上述のリリーフ経路R4が、弁体33を介さず、流入ポート30FとラジエータポートP1とを連通するように設けられている。そして、そうしたリリーフ経路R4内にリリーフ弁22が設置されるようになっている。
図5(a)に示すように、弁体33は、2つの樽型の物体を上下に重ね合わせた形状とされている。そして弁体33には、その上面中央から上方に突出すように弁軸33Aが設けられている。弁体33は、ハウジング30に収容された際に流入ポート30Fに連通する開口を下面に有した中空構造とされている。弁体33の、上記2つの樽型の部分の側周には、冷却液が流通可能な2つの孔39,40が設けられている。
ハウジング30に収容された状態において、弁体33の下部に設けられた孔39は、弁位相がある範囲内にあるときに、ヒータポートP2及びデバイスポートP3の少なくとも一方と連通する。また、弁体33の上部に設けられた孔40は、弁位相が別の範囲内にあるときに、ラジエータポートP1と連通する。各吐出ポートP1〜P3は、対応する孔39又は孔40に対して完全に重なり合わない状態となる位置に弁体33が位置するときに閉じて、接続された経路R1〜R3への冷却液の吐出を遮断する。また、各吐出ポートP1〜P3は、孔39又は孔40に対してその一部又は全部が重なり合った状態となる位置に弁体33が位置するときに開いて、接続された経路R1〜R3への冷却液の吐出を許容する。
さらに、弁体33の上面には、一部をストッパ43として残すように、弁軸33Aの根本部分を囲んで円弧状に延びる溝42が形成されている。一方、図4に示すように、ハウジング30における弁体33の収容空間の奥部には、弁体33を収容した際に、そうした溝42内に収容されるストッパ44が形成されている。そして、それらストッパ43,44との当接により、ハウジング30内での弁体33の回動範囲が制限されている。すなわち、ハウジング30内での弁体33の回動は、溝42内でのストッパ44の移動が、図5(b)に矢印Lで示す範囲となる限りにおいて許容されている。
図6に、多方弁14の弁位相と各吐出ポートP1〜P3の開口率との関係を示す。なお、弁位相は、すべての吐出ポートP1〜P3が閉じた状態となる位置を、弁位相が「0°」の位置とし、その位置からの上方から見た時計回り方向(プラス方向)、及び半時計回り方向(マイナス方向)の弁体33の回転角度を表している。また、開口率は、全開時の開口面積を「100%」とした、各吐出ポートP1〜P3の開口面積の比率を表している。
同図に示すように、各吐出ポートP1〜P3の開口率は、弁体33の弁位相により変化するように設定されている。なお、弁位相が「0°」の位置よりもプラス側の弁位相の範囲は、外気温が低く、車室の暖房が使用される可能性が高いとき(冬モード時)に使用される弁位相の範囲(冬モード使用域)とされている。また、弁位相が「0°」の位置よりもマイナス側の弁位相の範囲は、外気温が高く、車室の暖房が使用される可能性が低いとき(夏モード時)に使用される弁位相の範囲(夏モード使用域)とされている。
弁位相が「0°」の位置から弁体33をプラス方向に回転させると、まずヒータポートP2が開き始め、プラス方向への弁位相の増加に応じてヒータポートP2の開口率が次第に大きくなる。ヒータポートP2が全開に、すなわちその開口率が「100%」に達すると、次にデバイスポートP3が開き始め、プラス方向への弁位相の増加に応じてデバイスポートP3の開口率が次第に大きくなる。そして、デバイスポートP3が全開に、すなわちその開口率が「100%」に達すると、ラジエータポートP1が開き始め、プラス方向への弁位相の増加に応じてラジエータポートP1の開口率が次第に大きくなる。そして、ラジエータポートP1の開口率は、弁体33のそれ以上のプラス方向の回転がストッパ43,44の当接により規制される位置よりも手前の位置で「100%」に達するようになる。
一方、弁位相が「0°」の位置から弁体33をマイナス方向に回転させると、まずデバイスポートP3が開き始め、マイナス方向への弁位相の増加に応じてデバイスポートP3の開口率が次第に大きくなる。そして、デバイスポートP3が全開に、すなわちその開口率が「100%」に達する位置よりも少し手前の位置から、ラジエータポートP1が開き始め、マイナス方向への弁位相の増加に応じてラジエータポートP1の開口率が次第に大きくなる。そして、ラジエータポートP1の開口率は、弁体33のそれ以上のマイナス方向への回転がストッパ43,44の当接により規制される位置よりも手前の位置で「100%」に達するようになる。ちなみに、弁位相が「0°」の位置よりもマイナス側の夏モード使用域では、ヒータポートP2は常に全閉となっている。
(液温制御)
以上のように構成されたエンジン冷却系において、電子制御ユニット25は、エンジン10の暖機完了後に、冷却液回路を流れる冷却液の温度を制御する液温制御を行う。以下、こうした液温制御の詳細を説明する。
図7に、液温制御にかかる電子制御ユニット25の制御ブロック図を示す。電子制御ユニット25は、液温制御にかかる構成として、液温制御切替部50、液温制御部51、及び多方弁14のモータ35を駆動するモータ駆動部52を備える。なお、実際には、これら液温制御切替部50、液温制御部51、及びモータ駆動部52の機能は、電子制御ユニット25の中央演算処理装置が行う処理を通じて実現されている。
液温制御切替部50は、冷却液回路内を循環する冷却液の目標温度(以下、目標液温と記載する)としてより低い温度(低温側目標液温LO)を設定する低液温制御と、目標液温としてより高い温度(高温側目標液温HI)を設定する高液温制御と、をエンジン10の運転状況に応じて切り替える。より詳しくは、液温制御切替部50は、低温側目標液温LO、及び高温側目標液温HIのいずれかを目標液温として選択し、その選択した目標液温を液温制御部51に出力する。なお、こうした液温制御切替部50による液温制御の切り替えに係る処理の詳細は、後で説明する。
液温制御部51は、出口液温を目標液温とするために必要な多方弁14の弁位相を、要求弁位相として演算し、モータ駆動部52に出力する。具体的には、液温制御部51は、目標液温と出口液温との偏差に応じて要求弁位相をフィードバック調整している。すなわち、出口液温が目標液温よりも高いときには、ラジエータ15に供給される冷却液の流量を増やすべく、ラジエータポートP1の開口率がより大きくなる側に要求弁位相を調整する。また、出口液温が目標液温よりも低いときには、ラジエータ15に供給される冷却液の流量を減らすべく、ラジエータポートP1の開口率が小さくなる側に要求弁位相を調整する。なお、液温制御部51は、要求弁位相を、車室空調装置による暖房が必要な場合には冬モード使用域内の値に設定し、不要な場合には夏モード使用域内の値に設定する。本実施形態では、このときの暖房の要否、すなわち暖房要求の有無を、例えば外気温が基準温度以下であるか否かにより判定している。
モータ駆動部52は、液温制御部51より入力された要求弁位相に応じて多方弁14のモータ35を駆動する。より詳しくは、モータ駆動部52は、弁位相センサS5による多方弁14の弁位相の検出値(実弁位相)が要求弁位相と一致するまで、実弁位相が要求弁位相に近づく方向にモータ35を回転させる。
(液温制御切替処理)
続いて、上述した液温制御切替部50による液温制御の切り替えに係る処理の詳細を説明する。この処理は、図8に示す液温制御切替ルーチンに従って行われる。液温制御切替部50は、本ルーチンの処理を、エンジン10の運転中、規定の制御周期毎に繰り返し実行する。
図8に示すように、本ルーチンが開始されると、まずステップS100において、エンジン10の暖機が完了しているか否かが判定される。ここで、エンジン10の暖機が完了していなければ(NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了され、完了していれば(YES)、ステップS101に処理が進められる。
ステップS101に処理が進められると、そのステップS101において、カーナビゲーションシステムNAVから車両位置情報が取得される。そして、続くステップS102において、車両の現在位置が、モータスポーツを行う場所として予め登録された、公道以外の場所(以下、サーキット場と記載する)にあるか否かが判定される。ここで、車両の現在位置がサーキット場であれば(YES)、ステップS111において、低液温制御を行うべく、目標液温に低温側目標液温LOが設定された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。一方、車両の現在位置がサーキット場になければ(NO)、ステップS103に処理が進められる。
ステップS103に処理が進められると、そのステップS103において、変速モードがMモード(手動変速モード)に設定されているか否かが判定される。ここで、変速モードがMモードに設定されていれば(YES)、上述のステップS111に処理が進められて、目標液温に低温側目標液温LOが設定された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。一方、変速モードがMモードに設定されていなければ、すなわち変速モードが自動変速モードに設定されていれば(NO)、ステップS104に処理が進められる。
ステップS104に処理が進められると、そのステップS104において、温間始動フラグがセットされているか否かが判定される。温間始動フラグは、今回のエンジン10の始動が温間始動であったか否かを表すフラグであり、始動時の出口液温(始動時出口液温)が規定の温間始動判定値α以上のときにセットされ、同始動時出口液温が温間始動判定値α未満のときにクリアされる。温間始動判定値αには、エンジン10の始動後の暖機運転を殆ど必要としない状態となるときの始動時出口液温の下限値がその値として設定されている。ここで、温間始動フラグがセットされていれば(YES)、ステップS105に処理が進められ、セットされていなければ(NO)、ステップS106に処理が進められる。
ステップS105に処理が進められると、そのステップS105において、エンジン10の始動後における吸入空気量の積算値である始動後積算空気量が規定の判定値β未満であるか否かが判定される。ここで、始動後積算空気量が判定値β未満であれば(YES)、上述のステップS111に処理が進められて、目標液温に低温側目標液温LOが設定された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。一方、始動後積算空気量が判定値β以上であれば(NO)、ステップS106に処理が進められる。
ステップS106に処理が進められると、そのステップS106において、走行モードがSモード(スポーツモード)に設定されているか否かが判定される。走行モードがSモードに設定されていれば(YES)、ステップS107に処理が進められる。そして、そのステップS107において、Sモード用判定マップを用いて液温制御域の判定が行われた後、ステップS109に処理が進められる。一方、走行モードがSモード以外のモードに設定されていれば(NO)、ステップS108に処理が進められる。そして、そのステップS108において、通常用判定マップを用いて液温制御域の判定が行われた後、ステップS109に処理が進められる。
液温制御域の判定では、エンジン回転数及びエンジン負荷率に基づいて、現在のエンジン10の運転域が、高液温制御を行う高液温制御域にあるか、低液温制御を行う低液温制御域にあるかが判定される。ここでのエンジン負荷率は、現状のエンジン回転数においてエンジン10のスロットルを全開としたときの吸入空気量を「100%」としたときの現状の吸入空気量の比率を表す。なお、ここでの判定には、制御ハンチングを抑えるため、エンジン回転数やエンジン負荷率の瞬時値ではなく、それらの徐変値が用いられている。
図9(a)に、通常用判定マップにおける高液温制御域、低液温制御域の区分け態様を示す。こうした通常用判定マップでは、高液温制御域、低液温制御域が、以下のように区分けされている。
エンジン10では、ノッキングの発生状況に応じた点火時期の遅角制御、いわゆるノックコントロールが行われている。ノックコントロールでは、ノッキングの発生の有無を監視し、ノッキングが発生しない限りにおいて、エンジン10のトルク発生効率が最大となる最適点火時期(MBT:Minimum advance for the Best Torque)に近づくように、点火時期を制御している。なお、ノッキングは、エンジン10のシリンダ壁面温度が高いほど発生し易くなる。よって、高いトルク発生効率を確保するには、ウォータジャケット11A,12Aを流れる冷却液の温度を低くして、シリンダ壁面の温度上昇を抑えることが必要となる。ただし、冷却液の温度を下げると、エンジン10の潤滑油の粘度が上がり、エンジン10の可動部分の摺動抵抗が、すなわちフリクション損失が増加して燃費の悪化を招く。よって、液温制御での目標液温は、ノッキングを抑制可能な範囲で、可能な限り高い温度に設定することが望ましい。
一方、エンジン10の運転条件によっては、ノッキングが確実に発生すると予測される点火時期(ノック限界点火時期)よりも、MBTが十分進角側の時期となることがある。こうした運転条件では、シリンダ壁面温度が上がってノック限界点火時期が多少進角側に変化しても、点火時期をMBTとしたまま、エンジン10の運転を続けることができる。すなわち、エンジン10のトルク発生効率を維持したまま、液温制御の目標液温をより高い温度とすることが、ひいてはエンジン10のフリクション損失をより低くすることが可能となる。なお、以下の説明では、ノック限界点火時期がMBTよりも遅角側の時期となるエンジン10の運転域をMBT域と記載し、MBTがノック限界点火時期よりも遅角側の時期となるエンジン10の運転域をノック域と記載する。上記通常用判定マップでは、MBT域よりも若干狭い領域が高液温制御域に設定され、それ以外の領域が低液温制御域に設定されている。なお、同図(a)及び(b)には、MBT域とノック域との境界が破線Bにて示されている。
図9(b)に、Sモード用判定マップにおける高液温制御域、低液温制御域の区分け態様を示す。上述の通常用判定マップと比較すると、Sモード用判定マップでは、高液温制御域がより狭くされている。すなわち、液温制御域の判定にSモード用判定マップを用いる場合には、通常用判定マップを用いる場合に比して、高液温制御が選択され難くなっている。
さて、これら判定マップを用いた判定の結果、高液温制御域にあると判定された場合(S109:YES)、ステップS110に処理が進められる。そして、そのステップS110において、高液温制御を行うべく、目標液温に高温側目標液温HIが設定された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。一方、低液温制御域にあると判定された場合には(S109:NO)、上述のステップS111において目標液温に低温側目標液温LOが設定された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
(作用)
本実施形態が適用されたエンジン冷却系では、エンジン10の暖機が完了すると、液温制御部51により、冷却液の温度(出口液温)を目標液温とするための液温制御が開始される。そして、液温制御切替部50により、液温制御における目標液温をより低温の低温側目標液温LOとする低液温制御と、同目標液温をより高温の高温側目標液温HIとする高液温制御とがエンジン10の運転状況に応じて切り替えられるようになる。
液温制御切替部50は、基本的には、エンジン回転数及びエンジン負荷率により規定されるエンジン10の動作点が、低液温制御域にあるか、高液温制御域にあるかによって、低液温制御及び高液温制御のいずれの制御を実施するかを決定する。ただし、液温制御切替部50は、下記状況(イ)〜(ハ)の少なくとも一つに該当する場合には、エンジン回転数、エンジン負荷率に拘らず、低液温制御を選択する。
(イ)車両の現在位置がサーキット場である。
(ロ)変速モードがMモードに設定されている。
(ハ)温間始動フラグがセット、且つ始動後積算空気量が判定値β未満である。
ここで、上記状況(イ)は、エンジン10の温間始動直後の期間に該当する。エンジン10が停止すると、冷却液回路での冷却液の循環も停止して、シリンダヘッド12のウォータジャケット12A内に冷却液が滞留するようになる。一方、ウォータジャケット12Aには、エンジン運転中にその壁面温度が局所的に高くなる部分(以下、高温部と記載する)が存在する。そうした高温部の付近では、エンジン停止後に、滞留した冷却液の温度が残熱により高くなる。そのため、エンジン停止の直後には、ウォータジャケット12A内の冷却液に、温度分布の偏りが生じるようになる。こうしたウォータジャケット12A内の冷却液の温度分布の偏りは、エンジン停止後しばらくすると、ウォータジャケット12A内の冷却液が全体的に冷却されて、解消するようになる。しかしながら、エンジン10が停止後に短時間で再始動された場合、温度分布の偏りが未解消のまま、エンジン10の運転が再開されるため、高温部の付近の冷却液が更に加熱されて沸騰する虞がある。すなわち、エンジン10の温間始動の直後は、シリンダヘッド12のウォータジャケット12Aにおいて、冷却液の局所沸騰が発生し易い状態となっている。こうした状態で高液温制御が実施されて、冷却液回路を循環する冷却液の温度が全体的に高められると、上記のようなウォータジャケット12Aにおける冷却液の局所沸騰がより発生し易くなる。
本実施形態のエンジン冷却系の制御装置では、エンジン10の温間始動後、しばらくの間は、低液温制御が保持されて、高液温制御は行われないようになる。そのため、温間始動直後の期間、ウォータジャケット12A内の冷却液がより低温に保たれるようになる。ちなみに、上記判定値βには、エンジン10の温間始動時のウォータジャケット12A内の冷却液の温度分布の解消に要する期間における吸入空気量の積算値の想定値がその値として設定されている。
なお、本実施形態では、温間始動後の低液温制御を保持する期間を、始動後積算空気量が判定値βに達するまでの期間としている。すなわち、本実施形態では、エンジンが温間始動された場合、その始動後に始動後積算空気量が判定値βに達するまでの期間、低液温制御を保持している。こうした本実施形態では、始動後積算空気量が判定値βに達することが、エンジン10の温間始動後の低液温制御の保持を解除する条件、すなわち低液温保持解除条件となっている。
一方、上記状況(ロ)、(ハ)に該当する場合、車両がスポーティ走行される可能性が高く、エンジン10の急加速が高い頻度で行われることが予想される。上述のように高液温制御域、低液温制御域の判定には、エンジン回転数やエンジン負荷率の徐変値を用いているため、エンジン10が急加速してその動作点がMBT域からノック域に移行しても、高液温制御から低液温制御への切り替えは、直ちにはなされない。また、高液温制御から低液温制御に切り替えられても、冷却液の温度低下にはある程度の時間がかかる。そのため、MBT域からノック域への移行後も、ある程度の期間、冷却液が高温の状態でエンジン10が運転されることになり、ノッキングが発生してしまう。そしてその結果、ノックコントロールにより点火時期が遅角され、その分、エンジン10の発生トルクが、ひいては車両の加速性能が低下するようになる。したがって、こうした場合に高液温制御を実施可能とすると、運転者の要望に応じた車両の加速性能の確保が不十分となる虞がある。
その点、本実施形態のエンジン冷却系の制御装置では、車両がスポーティ走行される可能性が高い場合には、低液温制御が保持されるようになり、高液温制御は行われないようになる。そのため、運転者がスポーティ走行を要望していると予測される状況において、より高い加速性能が確保されるようになる。
また、Sモードが選択されている場合には、車両の加速性能が高くなるように自動変速機の変速点が変更されるため、Mモード設定時やサーキット走行時ほどではないにせよ、エンジン10が急加速される頻度が高くなることが予想される。よって、Sモード設定時にも、高液温制御域を通常と同じ範囲に設定すると、エンジン10の動作点がMBT域からノック域に移行した直後に、冷却液の温度低下が間に合わず、ノッキングの発生を招いてしまう虞がある。そして、ノックコントロールにより点火時期が遅角されてしまうため、車両の加速性能が十分高められなくなってしまう。その点、本実施形態のエンジン冷却系の制御装置では、Sモード設定時には、高液温制御域が狭められる。そのため、MBT域からノック域への移行に際しての高液温制御から低液温制御への切り替えが、より余裕をもって行われるようになり、エンジン10の急加速時にも、冷却液が高温のままエンジン10がノック域で運転される状況にはなり難くなる。
以上の本実施形態のエンジン冷却系の制御装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)冷却液の温度を多少高くしても、ノッキングが発生しないMBT域において、目標液温としてより高温の高温側目標液温HIを設定する高液温制御を行って、エンジン10のフリクション損失を低減するようにしている。そのため、エンジン10の燃費性能を向上することができる。
(2)エンジン10が温間始動された場合、その始動後に始動後積算空気量が判定値βに達するまでの期間、低液温制御を保持している。そのため、高液温制御による燃費向上を図りながらも、エンジン10の温間始動直後におけるウォータジャケット12A内の冷却液の局所沸騰を抑制することができる。
(3)車両の現在位置がサーキット場である場合や、自動変速機の変速モードがMモードに設定されている場合、低液温制御を保持している。そのため、スポーティ走行が要望される状況において、より高い加速性能を確実に確保することができる。
(4)車両の走行モードがSモードに設定されている場合、高液温制御域を狭くしている。そのため、Sモード設定時には、運転域を限定して高液温制御を実施することで、燃費性能の向上を図りつつ、車両の加速性能を確保することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、始動後積算空気量が判定値βに達することを、低液温保持解除条件としていたが、同条件を別の条件としてもよい。例えばエンジン始動後の経過時間が規定値に達すること、エンジン始動後の冷却液ポンプ13の冷却液吐出量の積算値が規定値に達することなどを、低液温保持解除条件としてもよい。
・上記実施形態では、車両の現在位置がサーキット場である場合や、変速モードがMモードに設定されている場合にも、低液温制御を保持するようにしていたが、それらの場合も高液温制御の実施を許容するようにしてもよい。そうした場合にも、サーキット走行時やMモード設定時の高温液制御域を通常よりも狭くすれば、冷却液が高温のまま、エンジン10がノック域で運転されることをある程度に回避できる。
・上記実施形態では、Sモード設定時には、高液温制御域を狭くするようにしていたが、Sモード設定時の車両の加速性能をより確実に確保したい場合には、Sモード設定時にも低液温制御を保持するようにしてもよい。また、Sモード設定時におけるエンジン10の燃費性能をより優先する場合には、Sモード設定時にも高液温制御域を通常と同じ範囲に保持するようにしてもよい。
・上記実施形態では、モータ駆動式の多方弁14によりラジエータ15に供給される冷却液の流量を調整することで、液温制御を行っていた。サーモワックスを加熱する電気ヒータを内蔵する電子サーモスタットを多方弁14の代わりに設け、ラジエータ15に供給される冷却液の流量の調整を、電気ヒータの通電制御により行うようにしてもよい。また、冷却液ポンプ13として電動式のポンプを採用し、同ポンプの冷却液吐出量を調整することで液温制御を行うようにしてもよい。
・冷却液回路の構成が図1に例として挙げたものと異なるエンジン冷却系にも、上記実施形態の液温制御切替に係る処理は同様に適用することができる。
NAV…カーナビゲーションシステム、P1…ラジエータポート、P2…ヒータポート、P3…デバイスポート、R1…ラジエータ経路、R2…ヒータ経路、R3…デバイス経路、R4…リリーフ経路、S1…入口液温センサ、S2…出口液温センサ、S3…クランク角センサ、S4…エアフローメータ、S5……弁位相センサ、SW1…走行モード選択スイッチ、SW2…変速モード切替スイッチ、10…エンジン、11…シリンダブロック、12…シリンダヘッド、11A,12A…ウォータジャケット、13…冷却液ポンプ、14…多方弁、15…ラジエータ、16…ヒータコア、17…スロットルボディ、18…EGRバルブ、19…EGRクーラ、20…オイルクーラ、21…ATFウォーマ、22…リリーフ弁、25…電子制御ユニット、30…ハウジング、30A…ハウジング本体、30B〜30D…コネクタ部、30E…取付面、30F…流入ポート、33…弁体、33A…弁軸、34…カバー、35…モータ、36A…ギア、39,40…孔、42…溝、43,44…ストッパ、50…液温制御切替部、51…液温制御部、52…モータ駆動部。

Claims (1)

  1. エンジンの内部に設けられたウォータジャケットを通って循環される冷却液の温度を目標温度とすべく制御する液温制御部と、前記目標温度としてより低い温度を設定する低液温制御と前記目標温度としてより高い温度を設定する高液温制御とを前記エンジンの運転状況に応じて切り替える液温制御切替部と、を備えるエンジン冷却系の制御装置において、
    前記液温制御切替部は、前記エンジンが温間始動された場合、その始動後に規定の低液温保持解除条件が成立するまでの期間、前記低液温制御を保持する
    ことを特徴とするエンジン冷却系の制御装置。
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