JP2017056507A - パラレルメカニズム - Google Patents
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Abstract
【課題】パラレルメカニズムにおいて、単純且つ高い信頼性が得られる構成で、複数のアームに含まれる複数の連結箇所のうちの少なくとも1つで連結が外れたことを知る。
【解決手段】パラレルメカニズム100は、ベース2、エンドプレート3、直列的に連結された上腕部8と下腕部9とを各々に有し、その基端部がベース2に回動可能に連結されるとともにその先端部がエンドプレート3に連結された複数のアーム7、エンドプレート3に設けられ、複数のアーム7の先端部の回動中心C3によって規定される対象面TPの傾きを検出する傾きセンサ51、及び、傾きセンサ51の検出値に基づいて対象面TPの傾きの変化を監視する傾き監視部102を備える。
【選択図】図7
【解決手段】パラレルメカニズム100は、ベース2、エンドプレート3、直列的に連結された上腕部8と下腕部9とを各々に有し、その基端部がベース2に回動可能に連結されるとともにその先端部がエンドプレート3に連結された複数のアーム7、エンドプレート3に設けられ、複数のアーム7の先端部の回動中心C3によって規定される対象面TPの傾きを検出する傾きセンサ51、及び、傾きセンサ51の検出値に基づいて対象面TPの傾きの変化を監視する傾き監視部102を備える。
【選択図】図7
Description
本発明は、例えば、パラレルロボット等に適用されるパラレルメカニズムに関する。
従来、ベースから最終出力であるエンドプレートまでが並列な複数のアームで連結されたパラレルメカニズムが知られている。また、このパラレルメカニズムを適用した産業用ロボットの一種として、デルタ型やヘキサ型のパラレルロボットが知られている。特許文献1には、この種のパラレルメカニズムが記載されている。
特許文献1に示すパラレルメカニズムは、ベースと、エンドプレートと、ベースとエンドプレートとを連結する並列な3本のアームとを備えている。各アームは、ベースに取り付けられたアクチュエータと、アクチュエータとエンドプレートとを連結する2本の平行なリンクとで構成されている。各リンクの一方の端部とアクチュエータ、及び、各リンクの他方の端部とエンドプレートとは、それぞれボールジョイントで連結されている。そして、各ボールジョイントにおいて、ボールスタッドが適切な可動域でソケットに球面接触している状態(接続状態)を保持するために、2本のリンクが例えば引張バネなどの連結部材で互いに近接する方向へ付勢されることによって、ボールスタッドがソケットに押し付けられている。
上記のようなパラレルメカニズムでは、作業性及びメンテナンス性を向上させるために、ボールジョイントが外れる(即ち、ボールスタッドとソケットとの接続状態が解除される)ように構成されていることがある。例えば、特許文献1に記載のパラレルメカニズムでは、2本のリンクを連結している連結部材を取り外せば、ボールスタッドとソケットとの球面接触が解除され、ボールスタッドとソケットの接続が解除される。
ところが、上記のようなパラレルメカニズムでは、急加速動作によりアームが急激な動きをした場合や、アームやエンドプレートが他の物体と意図せず干渉した場合に、ボールジョイントが外れてしまうことがある。そこで、特許文献1に記載のパラレルメカニズムは、各ボールジョイントにおいてボールスタッドの球頭部とソケットとの間に導電部材を介装し、球頭部とソケットの間の導電の有無によってボールジョイントの外れを検知するように構成されている。
しかし、上記特許文献1の構成では、パラレルメカニズムが備えるボールジョイントの各々に導電部材が設けられるとともに、各導電部材において導電性の検出が行われることから、多数の導電部材が必要となり、また、多くの配線により配線の取付が煩雑となる。更に、導電の有無によりボールジョイントの外れが検知されることから、ノイズの影響を受けやすく、信頼性が低下する。
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、パラレルメカニズムにおいて、単純且つ高い信頼性が得られる構成で、複数のアームに含まれる複数の連結箇所のうちの少なくとも1つで連結が外れたことを知ることにある。
本発明の一態様に係るパラレルメカニズムは、
ベースと、
エンドプレートと、
直列的に連結された上腕部と下腕部とを各々に有し、その基端部が前記ベースに回動可能に連結されるとともにその先端部が前記エンドプレートに連結された複数のアームと、
前記エンドプレートに設けられ、前記複数のアームの先端部の回動中心によって規定される対象面の傾きを検出する傾きセンサと、
前記傾きセンサの検出値に基づいて前記対象面の傾きの変化を監視する傾き監視装置とを備えることを特徴としている。
ベースと、
エンドプレートと、
直列的に連結された上腕部と下腕部とを各々に有し、その基端部が前記ベースに回動可能に連結されるとともにその先端部が前記エンドプレートに連結された複数のアームと、
前記エンドプレートに設けられ、前記複数のアームの先端部の回動中心によって規定される対象面の傾きを検出する傾きセンサと、
前記傾きセンサの検出値に基づいて前記対象面の傾きの変化を監視する傾き監視装置とを備えることを特徴としている。
上記パラレルメカニズムでは、傾きセンサの検出値に基づいて対象面の傾きの変化を監視している。対象面の傾きの変化は、即ち、エンドプレートの傾きの変化を意味している。エンドプレートが傾けば、複数のアームに含まれる複数の連結箇所のうちの少なくとも1つで連結が外れているおそれがある。よって、対象面の傾きの変化を監視することによって、複数のアームに含まれる複数の連結箇所のうちの少なくとも1つで連結が外れたことを直ちに知ることができる。
また、対象面の傾きの変化を、エンドプレートに設けた傾きセンサの検出値に基づいて求めることで、各連結箇所にセンサを設ける場合と比較して、センサの数を低減することができる。また、センサの数が少ないので、そのための配線も単純となり、より高い信頼性が得られる。
本発明によれば、パラレルメカニズムにおいて、単純且つ高い信頼性が得られる構成で、複数のアームに含まれる複数の連結箇所のうちの少なくとも1つで連結が外れたことを知ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下では、全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
先ず、図1,2を参照して本発明の一実施形態に係るパラレルメカニズム100を採用したロボット1の概略構成について説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパラレルメカニズム100が適用されたロボット1の側面図であり、図2はロボット1の制御系統の構成を示すブロック図である。本実施形態に係るロボット1は、天井吊り下げ式のデルタ型パラレルロボットであって、例えば食品、薬品及び化粧品等の製造設備内でピッキング作業を行う産業用ロボットとして利用される。
ロボット1は、ベース2と、エンドプレート3と、ベース2とエンドプレート3とを連結する並列な複数(本実施形態では3本)のアーム7と、ロボット1の動作を司るロボットコントローラ10とを概ね備えている。上記のベース2、エンドプレート3、複数のアーム7、及びロボットコントーラ10によって、パラレルメカニズム100が構成されている。エンドプレート3には、ロボット1の図示されないエンドエフェクタが連結される。
ベース2は、バケット23と、バケット23の開口を上側から覆うカバー24とを備えている。ベース2は、ワークが載置される作業台の上方に配置され、図示されない架台に吊り下げられた態様で支持されている。バケット23は開口を取り囲む上縁部25を有し、この上縁部25が架台と締結される。
ベース2の下部には、3組のアーム7の基端部が連結されている。3組のアーム7の基端部は、所定のロボット1の中心軸線(ここではベース2の中心軸線)C0を中心として周方向に等間隔(即ち、120°間隔)で配置されている。3組のアーム7の先端部はエンドプレート3の周囲に連結されている。3組のアーム7の各々は実質的に同一の構造を有しているため、以下では1組のアーム7の構造について詳細に説明する。
図3はロボット1のアーム7の肘関節部分の側面図、図4はロボット1のアーム7の肘関節部分を上腕リンク81の延伸方向から見た図、図5はロボット1のアーム7の手首関節部分の側面図、図6はロボット1のアーム7の手首関節部分の平面図である。図1〜6に示すように、アーム7は、直列的に連結された上腕部8と下腕部9とを備えている。
上腕部8は、上腕リンク81と、アームアクチュエータ82(図2参照)とを概ね備えている。アームアクチュエータ82は、ベース2のバケット23に内装されている。上腕リンク81の基端部は、ベース2の下部に規定された回動軸C1回りに回動(揺動)可能にベース2と連結されている。上腕リンク81は、アームアクチュエータ82によって回動軸C1回りに回動駆動される。
3本のアーム7において、上腕リンク81の基端部(即ち、アーム7の基端部)の回動軸C1は同一平面上にある。このように、全てのアーム7の基端部の回動軸C1を含む平面を「基準面RP」ということとする。本実施形態においては、ロボット1のベース2が据え付けられる架台の据付面SPと基準面RPとは平行である。
下腕部9は、第1下腕リンク91及び第2下腕リンク92から成る一対の下腕リンクと、これら一対の下腕リンク91,92に架け渡された2組の付勢ユニット93,94とを概ね備えている。一対の下腕リンク91,92の基端部は、上腕リンク81の先端部と連結されている。また、一対の下腕リンク91,92の先端部は、エンドプレート3の周縁部と連結されている。一対の下腕リンク91,92は同一長さであり、平行に配置されている。
上腕リンク81の先端部と第1下腕リンク91の基端部とにより、上腕リンク81と第1下腕リンク91とを回動可能に連結するボールジョイント84が形成されている。同様に、上腕リンク81の先端部と第2下腕リンク92の基端部とにより、上腕リンク81と第2下腕リンク92とを回動可能に連結するボールジョイント85が形成されている。
各ボールジョイント84,85は、ボールスタッド84a,85aと、ボールスタッド84a,85aの球頭部と球面接触可能なソケット84b,85bとから構成されている。ボールスタッド84a,85aは、上腕リンク81の先端部に設けられている。2つのボールスタッド84a,85aの球頭部は、上腕リンク81の延伸方向と直交し且つ相反する方向に上腕リンク81の先端部から突出している。各ボールスタッド84a,85aの球頭部の中心は、各下腕リンク91,92の基端部の回動中心C2である。一対の下腕リンク91,92の基端部の回動中心C2は基準面RPと平行な同一直線上に配置されている。
ソケット84b,85bは、一対の下腕リンク91,92の各々の先端部に設けられている。ソケット84b,85bは、ボールスタッド84a,85aの球頭部に対して比較的浅く形成されている。具体的には、ソケット84b,85bは、ボールスタッド84a,85aの球頭部との摺接面がおよそ半球面となるように形成されている。ボールスタッド84a,85aの球頭部とソケット84b,85bの摺接面とが接触するように、ボールスタッド84a,85aの頭部にソケット84b,85bが嵌められている。
上記と同様に、第1下腕リンク91の先端部とエンドプレート3の周縁部とにより第1下腕リンク91とエンドプレート3とを回動可能に連結するボールジョイント86が形成され、第2下腕リンク92の先端部とエンドプレート3の周縁部とにより第2下腕リンク92とエンドプレート3とを回動可能に連結するボールジョイント87が形成されている。ボールジョイント86,87のボールスタッド86a,87aはエンドプレート3に設けられており、ソケット86b,87bは一対の下腕リンク91,92の各々の先端部に設けられている。
一対の下腕リンク91,92の基端部には付勢ユニット93が架け渡されており、一対の下腕リンク91,92の先端部には付勢ユニット94が架け渡されている。これらの付勢ユニット93,94は、一対の下腕リンク91,92を互いに近づく方向に付勢している。これにより、ボールスタッド84a,85aにソケット84b,85bが押し付けられてボールジョイント84,85の連結が維持されており、また、ボールスタッド86a,87aにソケット86b,87bが押し付けられてボールジョイント86,87の連結が維持されている。
2組の付勢ユニット93,94の各々は実質的に同じ構成を有している。付勢ユニット93,94の各々は、筒状のシリンダ61と、シリンダ61に対し進退移動するロッド62と、ロッド62がシリンダ61に退入するように付勢するコイルスプリングなどの付勢部材63と、シリンダ61及びロッド62に設けられた係止具64,65とにより構成されている。本実施形態に係る係止具64,65はU字形状のクレビスである。
一対の下腕リンク91,92の各々の基端部と先端部には、下腕リンク91,92の延伸方向と直交する方向へ突出する係止ピン67,68が設けられている。付勢ユニット93,94の係止具64,65のU字形状の鍵爪が下腕リンク91,92の係止ピン67,68に引っ掛けられることによって、係止ピン67,68に係止具64,65が係止されている。なお、係止具64,65のU字形状の鍵爪の開放部から係止ピン67,68を抜き出すことによって、係止ピン67,68と係止具64,65の係合を解除することができる。これにより、付勢ユニット93,94による一対の下腕リンク91,92の拘束が解除され、ボールジョイント84,85,86,87の少なくとも1つの連結が解除され、下腕リンク91,92を上腕リンク81及びエンドプレート3から取り外すことができる。
次に、エンドプレート3及びその周辺の構造について詳細に説明する。図7はロボット1のエンドプレート3及びその周辺の断面図である。図5〜7に示すように、エンドプレート3は、板状のプレート部31と、プレート部31を貫く旋回軸11を支承する軸受部32とを、一体的に有している。
プレート部31には、ボールジョイント86,87を構成するボールスタッド86a,87aが取り付けられる連結部31cが一体的に形成されている。連結部31cは、アーム7の数に応じてプレート部31の周縁部の3か所に設けられており、各連結部31cに2つのボールスタッド86a,87aが取り付けられている。2つのボールスタッド86a,87aの球頭部は、連結部31cから相反する方向へ突出している。各ボールスタッド86a,87aの球頭部の中心は、各下腕リンク91,92の先端部の回動中心C3である。ロボット1が備える全ての下腕リンク91,92において、下腕リンク91の先端部の回動中心C3は同一平面上にある。このように、下腕リンク91の先端部(即ち、アーム7の先端部)の回動中心C3を含む平面をエンドプレート3に規定された「対象面TP」ということとする。対象面TPは、旋回軸11の延伸方向(軸方向)と直交している。
軸受部32はプレート部31の一方の主面(第1主面31a)から突出した筒形状部であって、プレート部31の他方の主面(第2主面31b)には旋回軸11を回動駆動する旋回アクチュエータ12が設けられている。本実施形態に係る旋回アクチュエータ12はサーボモータであって、その出力軸12aから出力された動力が減速機を含む動力伝達部13を介して旋回軸11に入力される。旋回軸11は軸受部32から突出しており、ここにロボット1のエンドエフェクタが連結される。
プレート部31の第2主面31bには、旋回アクチュエータ12を覆うカバー5が着脱可能に取り付けられている。カバー5は、旋回アクチュエータ12及び動力伝達部13をすっぽりと覆うポット形状を有している。
カバー5の内部において、傾きセンサ51がプレート部31の第2主面31bに固定されている。傾きセンサ51は、エンドプレート3の傾きを検出する手段である。実施形態おいて、傾きセンサ51はエンドプレート3の水平方向への回転の角速度を検出可能に当該エンドプレート3に取り付けられたジャイロセンサである。本実施形態において、対象面TPがエンドプレート3の基準面であり、この対象面TPの傾きがエンドプレート3の傾きに相当する。
続いて、図2を参照しながら、ロボット1の制御系統の構成について説明する。ロボットコントローラ10は、いわゆるコンピュータを含む演算制御装置であって、例えば、マイクロコントローラ、CPU、MPU、PLC、DSP、ASIC又はFPGA等の演算処理部と、ROM、RAM等の記憶部とを有している(いずれも図示せず)。記憶部には、演算処理部が実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。また、記憶部には、ロボット1の動作を制御するための教示点データ、アーム7やエンドエフェクタの形状・寸法に関するデータなどが格納されている。ロボットコントローラ10では、記憶部に記憶されたプログラム等のソフトウェアを演算処理部が読み出して実行することにより、ロボット1の動作を制御するための処理が行われる。なお、ロボットコントローラ10は単一のコンピュータによる集中制御により各処理を実行してもよいし、複数のコンピュータの協働による分散制御により各処理を実行してもよい。
ロボットコントローラ10は、傾きセンサ51、旋回アクチュエータ12、及び各アームアクチュエータ82と電気的に接続されている。ロボットコントローラ10は、ロボット1の動作を制御するロボット制御部101と、エンドプレート3の傾きを監視する傾き監視部102(傾き監視装置)との各機能部を備えている。
ロボット制御部101は、エンドプレート3(又は旋回軸11)の位置及び姿勢と記憶部に記憶された教示点データとに基づいて所定の制御時間後の目標位置を演算し、所定の制御時間後にエンドプレート3が目標位置となるようにアームアクチュエータ82及び旋回アクチュエータ12へ制御指令を出力するように構成されている。これにより、ロボット1は、エンドプレート3を所望の位置へ動かすように動作する。
ロボット1の正常動作時、基準面RPと対象面TPは常に平行であり、基準面RPは固定されているので対象面TPの基準面RPに対する(又は、水平に対する)傾きは一定である。ところが、上記のようにロボット1が動作している間に、ロボット1の構成要素や、ロボット1に取り付けられたエンドエフェクタ、或いは、エンドエフェクタが保持するワークやツールが他の物体と意図せずに干渉して、ロボット1が備えるボールジョイント84,85,86,87が外れることがある。ロボット1が備えるボールジョイント84,85,86,87のうち少なくとも1つが外れると、それにより連結されていた要素の連結が解除され、基準面RPに対して対象面TP(即ち、エンドプレート3)が傾く。
そこで、傾き監視部102は、傾きセンサ51の検出信号に基づいて対象面TPの傾きの変化を演算する。そして、傾き監視部102は、対象面TPの傾きの変化、即ち、エンドプレート3の傾きの変化が適切な範囲であるか否かを監視している。なお、傾き監視部102は、対象面TPの傾きの変化に加えて又は代えて、傾きセンサ51の検出信号に基づいて基準面RPに対する対象面TPの相対的な傾きを演算し、これが適切な範囲であるか否かを監視してもよい。なお、基準面RPの水平からの傾きは既知であり、予め傾き監視部102に記憶されている。
更に、傾き監視部102は、対象面TPの傾きの変化が所定の閾値を超えると(即ち、基準面RPに対する対象面TPの相対的な傾きが大きくなると)、ロボット1が備える複数のボールジョイント84,85,86,87のうち少なくとも1つが外れたことを検出する。つまり、傾き監視部102によって、ボールジョイント84,85,86,87により構成されている連結箇所のうち、少なくとも1つの連結が解除されたことが検出される。
そして、傾き監視部102は、複数のアーム7に含まれる複数の連結箇所のうち少なくとも1つの連結が解除されたことを検出すると、複数のアーム7の動作を停止させるようにロボット制御部101に停止信号を送る。これにより、ロボット1は、停止(又は非常停止)する。上記において、傾き監視部102が、複数のアーム7の動作を停止させることに代えて、複数のアーム7の動作を定常動作から変更するようにロボット1を制御するように構成されていてもよい。なお、上記定常動作からの変更には、例えば、減速、軌道の変更、状況の判断、この判断に応じた停止などのうち少なくとも1つが含まれていてよい。
なお、ボールジョイント84,85,86,87が「外れる」とは、ボールスタッド84a,85a,86a,87aが適切な可動域でソケット84b,85b,86b,87bに球面接触している状態(接続状態)の位置関係から逸脱している状態を表している。この状態には、ボールスタッド84a,85a,86a,87aの球頭部とソケット84b,85b,86b,87bの摺動面とが離れている状態と、ボールスタッド84a,85a,86a,87aの球頭部がソケット84b,85b,86b,87bと適切な可動域の外(摺動面の外)で接触している状態とが含まれる。
以上に説明したように、本実施形態に係るロボット1はパラレルメカニズム100を備えている。このパラレルメカニズム100は、ベース2と、エンドプレート3と、直列的に連結された上腕部8と下腕部9とを各々に有し、その基端部がベース2に回動可能に連結されるとともにその先端部がエンドプレート3に連結された複数のアーム7と、エンドプレート3に設けられ、複数のアーム7の先端部の回動中心C3によって規定される対象面TPの傾きを検出する傾きセンサ51と、傾きセンサ51の検出値に基づいて対象面TPの傾きの変化を監視する傾き監視部102(傾き監視装置)とを備えている。
上記パラレルメカニズム100では、傾きセンサ51で検出された対象面TPの傾きに基づいて、対象面TPの傾きの変化を求め、これを監視している対象面TPの傾きの変化は、即ち、エンドプレート3の傾きの変化を意味している。対象面TPの傾きの変化が大きくなれば、即ち、エンドプレート3の傾きの変化が大きくなれば、複数のアーム7に含まれる複数の連結箇所のうちの少なくとも1つで連結が外れているおそれがある。よって、対象面TPの傾きの変化を監視することによって、複数のアーム7に含まれる複数の連結箇所のうちの少なくとも1つで連結が外れたことを直ちに知ることができる。
また、対象面TPの傾きの変化を、エンドプレート3に設けた傾きセンサ51の検出値に基づいて求めることで、各連結箇所にセンサを設ける場合と比較して、センサの数を低減することができる。更に、センサの数が少ないので、そのための配線も単純となり、より信頼性が高く、且つ、経済的な構成とすることができる。
また、本実施形態に係るパラレルメカニズム100では、傾き監視部102は、対象面TPの傾きの変化と所定の閾値とを比較し、対象面TPの傾きの変化が所定の閾値を超えると、複数のアーム7に含まれる複数の連結箇所のうち少なくとも1つの連結が解除されたことを検出するように構成されている。なお、本実施形態に係るロボット1において、上記複数の連結箇所に、上腕リンク81の先端部と一対の下腕リンク91,92の基端部との結合部(ボールジョイント84,85)、一対の下腕リンク91,92とエンドプレート3の周縁部との結合部(ボールジョイント86,87)が含まれている。
上記パラレルメカニズム100によれば、対象面TPの傾きの変化が適切な閾値と比較されるので、複数のアーム7に含まれる複数の連結箇所のうち少なくとも1つの連結が解除されたことが検出され、しかも、その誤検出を抑制することができる。
また、本実施形態に係るパラレルメカニズム100において、傾き監視部102は、複数のアーム7に含まれる複数の連結箇所のうち少なくとも1つの連結が解除されたことを検出すると、複数のアーム7の動作を停止させるように構成されている。
上記パラレルメカニズム100によれば、連結が外れたままで、即ち、エンドプレート3が傾いたままでパラレルメカニズム100が動作を継続することを防止できる。
また、本実施形態に係るパラレルメカニズム100では、傾きセンサ51は、エンドプレート3の水平方向への角速度を検出するジャイロセンサである。
上記パラレルメカニズム100によれば、傾きセンサ51として信頼性が高いジャイロセンサが用いられているので、単純且つ信頼性が高い構成で対象面TPの傾きを検出することができる。特に、ジャイロセンサは、エンドプレート3の傾きの加速度を排除して傾きを検出することができるので、ロボット1に適用されるパラレルメカニズム100の構成要素として好適である。
また、本実施形態に係るパラレルメカニズム100において、傾きセンサ51はエンドプレート3の第2主面31bに固定されており、エンドプレート3に傾きセンサ51を覆うカバー5が設けられている。
上記パラレルメカニズム100によれば、傾きセンサ51がカバー5によって化学的及び物理的に保護される。
また、本実施形態に係るパラレルメカニズム100において、複数のアーム7のうちの少なくとも1つは、上腕部8の先端部と下腕部9の基端部とを連結するボールジョイント84,85と、下腕部9の先端部とエンドプレート3の周縁部とを連結するボールジョイント86,87とを有している。
更に、本実施形態に係るパラレルメカニズム100において、上腕部8が、ベース2にその基端部が回動可能に連結された上腕リンク81を有し、下腕部9が、その基端部が上腕リンク81の先端部を回動自在に挟むようにして配置された互いに平行な一対の下腕リンク91,92と、一対の下腕リンク91,92の間に架け渡され、一対の下腕リンク91,92を互いに近付けるように付勢する付勢ユニット93,94とを有している。
上記によれば、ボールジョイント84,85,86,87を備えたパラレルメカニズム100において、単純且つ経済的な構成で、ボールジョイント84,85,86,87のボールスタッド84a,85a,86a,87aがソケット84b,85b,86b,87bから離脱したことを知ることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
例えば、上記実施形態において、傾きセンサ51はジャイロセンサであるが、傾きセンサ51は対象面TPの傾き(傾きの変化値、又は、傾きの絶対値)を検出できる手段であれば、上記に限定されない。例えば、傾きセンサ51として、エンドプレート3の水平からの傾きを検出する水準器(デジタル水準器)であってもよい。
また、上記実施形態において、ロボット1の全てのアーム7は同一構成を有しているが、パラレルメカニズム100を形成することができれば、各アーム7が異なる構成を有していてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
1 :パラレルロボット
2 :ベース
3 :エンドプレート
5 :カバー
7 :アーム
10 :ロボットコントローラ
51 :傾きセンサ
81 :上腕リンク
82 :アームアクチュエータ
84,85,86,87 :ボールジョイント
84a,85a,86a,87a :ボールスタッド
84b,85b,86b,87b :ソケット
91,92 :下腕リンク
93,94 :付勢ユニット
100 :パラレルメカニズム
C1 :回動軸(回動中心)
C2,C3 :回動中心
RP :基準面
TP :対象面
2 :ベース
3 :エンドプレート
5 :カバー
7 :アーム
10 :ロボットコントローラ
51 :傾きセンサ
81 :上腕リンク
82 :アームアクチュエータ
84,85,86,87 :ボールジョイント
84a,85a,86a,87a :ボールスタッド
84b,85b,86b,87b :ソケット
91,92 :下腕リンク
93,94 :付勢ユニット
100 :パラレルメカニズム
C1 :回動軸(回動中心)
C2,C3 :回動中心
RP :基準面
TP :対象面
Claims (8)
- ベースと、
エンドプレートと、
直列的に連結された上腕部と下腕部とを各々に有し、その基端部が前記ベースに回動可能に連結されるとともにその先端部が前記エンドプレートに連結された複数のアームと、
前記エンドプレートに設けられ、前記複数のアームの先端部の回動中心によって規定される対象面の傾きを検出する傾きセンサと、
前記傾きセンサの検出値に基づいて、前記対象面の傾きの変化を監視する傾き監視装置とを備える、
パラレルメカニズム。 - 前記傾き監視装置は、前記対象面の傾きの変化と所定の閾値とを比較し、前記対象面の傾きの変化が前記所定の閾値を超えると、前記複数のアームに含まれる複数の連結箇所のうち少なくとも1つの連結が解除されたことを検出するように構成されている、
請求項1に記載のパラレルメカニズム。 - 前記傾き監視装置は、前記複数のアームに含まれる複数の連結箇所のうち少なくとも1つの連結が解除されたことを検出すると、前記複数のアームの動作を停止させるように構成されている、
請求項2に記載のパラレルメカニズム。 - 前記傾きセンサが、前記エンドプレートの水平方向への角速度を検出するジャイロセンサである、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のパラレルメカニズム。 - 前記傾きセンサが、前記エンドプレートの水平からの傾きを検出する水準器である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のパラレルメカニズム。 - 前記傾きセンサは前記エンドプレートの主面に固定されており、
前記エンドプレートに前記傾きセンサを覆うカバーが設けられている、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のパラレルメカニズム。 - 前記複数のアームのうちの少なくとも1つは、前記上腕部の先端部と前記下腕部の基端部とを連結するボールジョイントと、前記下腕部の先端部と前記エンドプレートの周縁部とを連結するボールジョイントとを有する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載のパラレルメカニズム。 - 前記上腕部が、前記ベースにその基端部が回動可能に連結された上腕リンクを有し、
前記下腕部が、その基端部が前記上腕リンクの先端部を回動自在に挟むようにして配置された互いに平行な一対の下腕リンクと、前記一対の下腕リンクの間に架け渡され、前記一対の下腕リンクを互いに近付けるように付勢する付勢ユニットとを有する、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のパラレルメカニズム。
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