JP2017056479A - ラック軸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストの増大を抑制しつつラック歯を精度良く形成することができるラック軸の製造方法を提供する。
【解決手段】第1軸と第2軸とが軸方向に縦列接合されたラック軸6の製造方法では、鍛造工程では、ラック歯11が軸方向Xに配列されたラック領域12が第1軸21に形成される。焼き嵌め工程では、第1軸21の凹部25と第2軸22の凸部26とを嵌め合わせ、第1軸21に施した鍛造工程の熱を利用して焼き嵌めする。
【選択図】図7
【解決手段】第1軸と第2軸とが軸方向に縦列接合されたラック軸6の製造方法では、鍛造工程では、ラック歯11が軸方向Xに配列されたラック領域12が第1軸21に形成される。焼き嵌め工程では、第1軸21の凹部25と第2軸22の凸部26とを嵌め合わせ、第1軸21に施した鍛造工程の熱を利用して焼き嵌めする。
【選択図】図7
Description
この発明は、ラック軸の製造方法に関する。
下記特許文献1に記載のラック製造方法では、第1歯部が形成された第1のバーと、第2歯部が形成された第2のバーと、これらのバーの間に位置決めされた継手部材とが摩擦圧接で接合されることによって、ラックバーが形成される。このラックバーが組み込まれたラックアンドピニオン装置は、ラックバーを収容するラックハウジングを有している。ラックハウジングは、ステアリングホイールが取り付けられたステアリング軸に連結される入力軸を支持している。入力軸には、第1歯部と噛み合う操舵ピニオンが形成されている。
ラックバーの第1のバーでは、軸方向における位置によって第1歯部の圧力角、ピッチ、捩れ角等が異なる。これにより、ラックアンドピニオン装置では、バリアブルギヤレシオ(VGR:VariableGear Ratio)が達成される。
特許文献1に記載のラック製造方法では、第1軸と第2軸とを軸方向に接合するが、第1軸および第2軸の中心軸同士がずれやすいという欠点がある。
このような欠点を解消するためには、継ぎ目のない1本の軸に鍛造によってラック歯を形成することが考えられる。しかし、この場合、継ぎ目のない1本の軸を収容するための大きな金型が必要となり、コストが増大する虞がある。
このような欠点を解消するためには、継ぎ目のない1本の軸に鍛造によってラック歯を形成することが考えられる。しかし、この場合、継ぎ目のない1本の軸を収容するための大きな金型が必要となり、コストが増大する虞がある。
一方、大きな金型を用いず、1本の軸を部分的に金型内に収容して鍛造する場合、軸の拘束が不十分であるため、軸が伸びてしまいラック歯を精度良く形成できない虞がある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、コストの増大を抑制しつつラック歯を精度良く形成することができるラック軸の製造方法を提供することを目的とする。
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、コストの増大を抑制しつつラック歯を精度良く形成することができるラック軸の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、第1軸(21)と第2軸(22)とが軸方向(X)に縦列接合されたラック軸(6)の製造方法であって、前記第1軸にラック歯(11)が前記軸方向に配列されたラック領域(12)を形成する鍛造工程と、前記第1軸の一端(21A)と前記第2軸の一端(22A)とを嵌め合わせ、前記第1軸に施した鍛造工程の熱を利用して焼き嵌めする焼き嵌め工程と、を含む、ラック軸の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記鍛造工程は、前記第1軸の前記一端に凹部(25)を形成する工程を含み、前記第2軸は、前記一端に前記凹部よりも外径(P2)の大きな凸部(26)を有し、前記焼き嵌め工程は、前記凸部を前記凹部に圧入して嵌合した後、前記凹部を熱収縮により収縮させて前記凹部と前記凸部とを固着状態にする工程を含む、請求項1に記載のラック軸の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記鍛造工程において、前記第1軸は、所定の鍛造温度に加熱され、前記焼き嵌め工程における前記第1軸の温度は、前記鍛造温度以下である、請求項1または2に記載のラック軸の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記焼き嵌め工程において、前記第1軸の温度が前記第2軸の温度よりも高い、請求項1〜3のいずれか一項に記載のラック軸の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記焼き嵌め工程において、前記第1軸の温度が前記第2軸の温度よりも高い、請求項1〜3のいずれか一項に記載のラック軸の製造方法である。
請求項5に記載の発明は、前記鍛造工程において、前記第1軸の全体が金型(41)内に収容された状態で、前記第1軸に前記ラック領域が形成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のラック軸の製造方法である。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
請求項1に記載の発明によれば、鍛造工程では、第1軸のみにラック領域が形成される。そのため、鍛造工程に用いられる金型には、ラック軸を構成する2本の軸のうちの一方である第1軸のみを収容すればよく、第2軸を収容する必要がない。したがって、鍛造工程で用いられる金型の大型化を抑制できるので、コストの増大を抑制できる。また、第1軸を金型内に収容しやすくなるため、ラック歯を精度良く形成することができる。
また、焼き嵌め工程では、鍛造工程の熱を利用して第1軸の一端と第2軸の一端とを嵌め合わせて焼き嵌めできる。そのため、鍛造工程とは別の工程として第1軸を加熱する工程を設ける必要がないので、コストの増大を抑制することができる。
以上の結果、コストの増大を抑制しつつラック歯を精度良く形成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、第2軸は、第1軸の凹部よりも外径の大きな凸部を有する。そのため、凸部を凹部に圧入することになり、圧入後に凹部は熱収縮により収縮し、凸部が凹部によって締め付けられる。これにより、凸部を凹部に強固に固定することができる。
以上の結果、コストの増大を抑制しつつラック歯を精度良く形成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、第2軸は、第1軸の凹部よりも外径の大きな凸部を有する。そのため、凸部を凹部に圧入することになり、圧入後に凹部は熱収縮により収縮し、凸部が凹部によって締め付けられる。これにより、凸部を凹部に強固に固定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、鍛造工程では、所定の鍛造温度に加熱されて軟化した状態の第1軸にラック歯が形成されるため、ラック歯の寸法精度を向上させることができる。また、鍛造工程の熱を利用することで、通常の焼き嵌めよりも高い温度に加熱された凹部に凸部を焼き嵌めすることができる。そのため、焼き嵌め後の凹部の収縮量を大きくすることができるので、凸部を凹部に強固に固定することができる。
請求項4に記載の発明によれば、焼き嵌め工程において、第1軸の温度が第2軸の温度よりも高い。そのため、焼き嵌め後の凹部の収縮量を大きくすることができるので、凸部を凹部に強固に固定することができる。
請求項5に記載の発明によれば、第1軸全体が金型内に収容された状態でラック領域が形成されるので、鍛造工程において第1軸が軸方向に伸びることを効果的に防止できる。そのため、ラック歯を一層精度良く形成することができる。
請求項5に記載の発明によれば、第1軸全体が金型内に収容された状態でラック領域が形成されるので、鍛造工程において第1軸が軸方向に伸びることを効果的に防止できる。そのため、ラック歯を一層精度良く形成することができる。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るラック軸6を備えるステアリング装置1の概略正面図である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、操舵部材2と、ステアリングシャフト3と、中間軸4と、ピニオン軸5と、ラック軸6と、ハウジング7とを主に含んでいる。
図1は、本発明の一実施形態に係るラック軸6を備えるステアリング装置1の概略正面図である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、操舵部材2と、ステアリングシャフト3と、中間軸4と、ピニオン軸5と、ラック軸6と、ハウジング7とを主に含んでいる。
操舵部材2として、たとえば、ステアリングホイールを用いることができる。操舵部材2には、ステアリングシャフト3の一端が連結されている。ステアリングシャフト3の他端と中間軸4の一端とが自在継手8によって連結されている。また、中間軸4の他端とピニオン軸5の一端とが自在継手9によって連結されている。ピニオン軸5の他端の外周面には複数のピニオン歯10が一体的に設けられている。
ラック軸6は、車両の幅方向である図1の左右方向に延びる略円柱状である。ここで、図1においてラック軸6が延びる左右方向を、軸方向Xとする。以下では、図1のステアリング装置1の姿勢を基準として、左側を軸方向Xの一方側X1といい、右側を軸方向Xの他方側X2という。図1以外の各図において図1の軸方向X、一方側X1および他方側X2に対応する方向には、図1と同じ符号を付している。ラック軸6は、ハウジング7に収容されている。ハウジング7は、図示しない車体に固定されている。
ラック軸6は、ピニオン軸5とともにラックアンドピニオン機構13を構成している。ラック軸6は、複数のラック歯11が軸方向Xに配列されたラック領域12を有している。
ラック軸6は、前述した複数のラック歯11が形成された第1軸21と、第1軸21に一方側X1から隣接する第2軸22とを含む。第1軸21と第2軸22とは、軸方向Xに縦列接合されている。第1軸21の他方側X2の端部は、ハウジング7から他方側X2へ突出している。第1軸21の他方側X2の端部には、継手30、タイロッド31およびナックルアーム(図示しない)を介して転舵輪32が連結されている。第2軸22の一方側X1の端部は、ハウジング7から一方側X1へ突出している。第2軸22の一方側X1の端部には、継手30、タイロッド31およびナックルアーム(図示しない)を介して転舵輪32が連結されている。
ラック軸6は、前述した複数のラック歯11が形成された第1軸21と、第1軸21に一方側X1から隣接する第2軸22とを含む。第1軸21と第2軸22とは、軸方向Xに縦列接合されている。第1軸21の他方側X2の端部は、ハウジング7から他方側X2へ突出している。第1軸21の他方側X2の端部には、継手30、タイロッド31およびナックルアーム(図示しない)を介して転舵輪32が連結されている。第2軸22の一方側X1の端部は、ハウジング7から一方側X1へ突出している。第2軸22の一方側X1の端部には、継手30、タイロッド31およびナックルアーム(図示しない)を介して転舵輪32が連結されている。
ラック歯11は、ピニオン歯10と噛み合っており、ラック歯11およびピニオン歯10を介してピニオン軸5の回転がラック軸6に伝達されることによって、ラック軸6は、軸方向Xへ移動(ストローク)する。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転されると、中間軸4を介してピニオン軸5が回転される。ピニオン軸5の回転は、ピニオン歯10からラック歯11に伝達され、軸方向Xに沿ったラック軸6の直線運動に変換される。これにより、転舵輪32の転舵が達成される。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転されると、中間軸4を介してピニオン軸5が回転される。ピニオン軸5の回転は、ピニオン歯10からラック歯11に伝達され、軸方向Xに沿ったラック軸6の直線運動に変換される。これにより、転舵輪32の転舵が達成される。
ラックアンドピニオン機構13は、ストロークレシオがラック領域12内における位置によって異なる、いわゆるVGRのラックアンドピニオン機構である。ストロークレシオは、ピニオン軸5の回転角等の回転量に対する軸方向Xへのラック軸6の移動量(ストローク量)の度合いを示す。詳しくは、ストロークレシオは、ピニオン軸5の単位回転量当たりにラック軸6が軸方向Xへストロークした量を示す指標であり、ピニオン軸5の回転量に対するラック軸6のストローク量の比率である。
車両が直進しているときのステアリング装置1の状態を、操舵中立状態ということにする。また、軸方向Xにおけるラック軸6の位置をストローク位置とし、操舵中立状態におけるラック軸6の位置を中立位置とする。また、ラック軸6が中立位置から軸方向Xへ移動し、ストッパ等(図示せず)に当接することによって当該移動が規制されたときのラック軸6の位置をストロークエンド位置とする。
VGRのラックアンドピニオン機構13では、ラック軸6が中立位置付近に位置するときは、ピニオン軸5の単位回転量当たりの軸方向Xへのラック軸6のストローク量が小さく、ラック軸6がストロークエンド位置付近に位置するときは、ピニオン軸5の単位回転量当たりの軸方向Xへのラック軸6のストローク量が大きい。そのため、ラック軸6が中立位置付近に位置するときは、操舵部材2がぶれにくく操縦安定性を確保できる。また、ラック軸6がストロークエンド位置付近に位置するときは、転舵輪32をクイックに転舵させることができるので、操舵部材2の操作性を向上させることができる。
複数のラック歯11は、圧力角や、ピッチや、捩れ角等が軸方向Xの位置に応じて異なるように構成されている。捩れ角とは、軸方向Xの軸直角方向でもある径方向Rのうち図1において紙面の上下に延びる方向に対するラック歯11の歯すじの交差角度である。複数のラック歯11では、例えば、軸方向Xにおけるラック領域12の中央から外側に向かうにしたがって、圧力角、ピッチおよび捩れ角のそれぞれが大きくなるように設定されている。
第1軸21は、軸方向Xに延びる略円柱状であり、中心軸C1を有する。第1軸21の一方側X1の端部21A(一端)には、他方側X2へ向けて窪む凹部25が形成されている。第1軸21の端部21Aは、凹部25を中空部分とし、凹部25を取り囲む円筒部28を有する。円筒部28の一方側X1の端面は、軸方向Xから見て凹部25の底面を取り囲む環状である。円筒部28の一方側X1の端面と凹部25の底面とは、第1軸21の一方側X1の端面を構成している。凹部25は、軸方向Xから見て、第1軸21の一方側X1の端面の中心部に形成されているため、円筒部28では、中心軸C1を中心とする径方向Rにおける肉厚が均一である。複数のラック歯11は、第1軸21において軸方向Xに凹部25から離間した位置に形成されている。
第2軸22は、軸方向Xに延びる略円柱状であり、中心軸C2を有する。第2軸22は、第1軸21と同軸状に配置されているため、第2軸22の中心軸C2は、第1軸21の中心軸C1と一致している。第2軸22の他方側X2の端部22A(一端)には、他方側X2へ向けて突出する凸部26が形成されている。凸部26は、第2軸22の他の部分に比べて小径な円柱状なので、端部22Aにおいて凸部26の基端部の径方向外方には、段部27が形成されている。段部27の他方側X2の端面は、軸方向Xから見て凸部26の先端面を取り囲む環状である。段部27の他方側X2の端面と凸部26の先端面とは、第2軸22の他方側X2の端面を構成している。
完成状態のラック軸6では、第1軸21の凹部25には、第2軸22の凸部26が圧入状態、すなわちしまりばめの状態で嵌合されている。そのため、凸部26が嵌合された状態の凹部25の直径(内径)D1は、凹部25に嵌合された状態の凸部26の直径(外径)D2と等しい。
以下では、このようなラック軸6の製造方法について詳しく説明する。まず、ラック軸6の製造方法の準備工程として、凹部形成工程と凸部形成工程とが行われる。図2は、図1に示すラック軸6の製造工程を示す模式図であり、凹部形成工程を示している。
以下では、このようなラック軸6の製造方法について詳しく説明する。まず、ラック軸6の製造方法の準備工程として、凹部形成工程と凸部形成工程とが行われる。図2は、図1に示すラック軸6の製造工程を示す模式図であり、凹部形成工程を示している。
図2に示す凹部形成工程では、軸方向Xに延びる円柱状の第1軸21が準備され、第1軸21の一方側X1の端部21A(一端)に凹部25が形成される。具体的には、加工される前の第1軸21の一方側X1の端部21A(二点鎖線参照)がフライス盤等の加工治具40によって切削されることによって、凹部25が形成される。常温において、凸部26が嵌合される前の状態の凹部25の直径(内径)P1は、凸部26が嵌合された状態の凹部25の直径D1(図1参照)よりも小さい。
図3は、ラック軸6の製造工程を示す模式図であり、凸部形成工程を示している。
図3に示す凸部形成工程では、軸方向Xに延びる円柱状の第2軸22が準備され、第2軸22の他方側X2の端部22Aに凸部26が形成される。具体的には、加工される前の第2軸22の他方側X2の端部22A(二点鎖線参照)が加工治具40によって径方向外方から切削されることによって、凸部26が形成される。第2軸22に凸部26が形成されることによって、端部22Aにおいて凸部26の基端部の径方向外方に段部27が形成される。常温において、凹部25に嵌合される前の状態の凸部26の直径(外径)P2は、凹部25に嵌合された状態の凸部26の直径D2と等しい。また、直径P2は、直径P1(図2参照)よりも大きい。
図3に示す凸部形成工程では、軸方向Xに延びる円柱状の第2軸22が準備され、第2軸22の他方側X2の端部22Aに凸部26が形成される。具体的には、加工される前の第2軸22の他方側X2の端部22A(二点鎖線参照)が加工治具40によって径方向外方から切削されることによって、凸部26が形成される。第2軸22に凸部26が形成されることによって、端部22Aにおいて凸部26の基端部の径方向外方に段部27が形成される。常温において、凹部25に嵌合される前の状態の凸部26の直径(外径)P2は、凹部25に嵌合された状態の凸部26の直径D2と等しい。また、直径P2は、直径P1(図2参照)よりも大きい。
凹部形成工程および凸部形成工程は、いずれかの工程を先に行ってもよいし、これらの工程を同時に行ってもよい。なお、加工される前の第1軸21(図2参照)および第2軸22は、軸方向Xに延びる1本の軸(図示しない)を軸方向Xにおける所定の位置で切断することによって準備してもよい。
次に、ラック軸6の製造工程の一部であるラック歯形成工程としての鍛造工程について説明する。鍛造工程では、第1軸21にラック歯が形成される。
次に、ラック軸6の製造工程の一部であるラック歯形成工程としての鍛造工程について説明する。鍛造工程では、第1軸21にラック歯が形成される。
図4は、ラック軸6の製造工程を示す模式図であり、鍛造工程の一部を示している。図5は、図4の次の工程を示す模式図である。
図4を参照して、まず、第1軸21に複数のラック歯11を鍛造工程によって形成する際に用いる一対の金型41を準備する。一対の金型41は、軸方向Xに対する直交方向Yに互いに対向するように配置されている。ここでは、説明の便宜上、紙面の上側を上側Y1とし、紙面の下側を下側Y2とする(図5においても同様とする)。また、上側Y1の金型41を上型42といい、下側Y2の金型41を下型43という。
図4を参照して、まず、第1軸21に複数のラック歯11を鍛造工程によって形成する際に用いる一対の金型41を準備する。一対の金型41は、軸方向Xに対する直交方向Yに互いに対向するように配置されている。ここでは、説明の便宜上、紙面の上側を上側Y1とし、紙面の下側を下側Y2とする(図5においても同様とする)。また、上側Y1の金型41を上型42といい、下側Y2の金型41を下型43という。
上型42の下面には、上側Y1へ向けて上型42を窪ませる窪み42Aが形成されている。窪み42Aの底面42Bには、第1軸21に複数のラック歯11(図5参照)を形成するためのラック歯形成部44が設けられている。ラック歯形成部44は、軸方向Xに沿って並ぶ筋状の複数の突起45によって構成されている。下型43の上面には、下側Y2へ向けて下型43を窪ませる窪み43Aが形成されている。窪み43Aの底面は軸方向Xにフラットな円周面である。
一対の金型41を互いに近づけることによって上型42の下面と下型43の上面とを接触させると、上型42の窪み42Aと下型43の窪み43Aとが、合わせられる。この状態で、窪み42Aと窪み43Aとは、第1軸21を金型41に収容するための空間46(図5参照)を構成している。空間46は、軸方向Xに延びる略円柱状の空間であって、完成後の21とほぼ一致する大きさを有する。
次に、鍛造工程では、熱間鍛造等によって第1軸21に複数のラック歯11が形成される。詳しくは、まず、加熱炉(図示しない)等で第1軸21を所定の鍛造温度(例えば800℃〜900℃)に加熱する。そして、加熱した状態の第1軸21を一対の金型41の間に配置し、例えば下型43の位置を固定した状態で、上型42を下型43に近づける。ここでは、説明の便宜上、直交方向Yにおける一対の金型41の略中央に第1軸21を図示しているが、第1軸21は、下型43の窪み43Aに嵌め込まれていてもよい。やがて、第1軸21において一方側X1の端部21Aから他方側X2に離間した部分21Bが、上型42のラック歯形成部44に接触し、ラック歯形成部44に沿って徐々に変形される。図5に示すように、上型42の下面と下型43の上面とが接触する位置まで上型42と下型43とを近づけると、第1軸21全体が金型41内の空間46に収容された状態で、第1軸21の部分21Bに複数のラック歯11が形成される。複数のラック歯11が形成された第1軸21の部分21Bは、ラック領域12になる。
第1軸21は、鍛造温度に加熱されて軟化しているため、第1軸21の部分21Bがラック歯形成部44の形状に沿って変形しやすい。そのため、鍛造工程において形成されたラック歯11の寸法精度が向上される。また、第1軸21が鍛造温度に加熱されて柔らかくなっているため、一対の金型41が破損しにくく、一対の金型41の長寿命化を図れる。
次に、ラック軸6の製造工程において鍛造工程の後に続く焼き嵌め工程について説明する。
図6は、ラック軸6の製造工程を示す模式図であり、焼き嵌め工程の一部を示している。図7は、図6の次の工程を示す模式図である。
図6を参照して、焼き嵌め工程で第1軸21を用いるために、第1軸21を金型41(図5参照)から取り出す。金型41から取り出した状態の第1軸21の温度は、鍛造温度以下であり、たとえば700℃程度である。加熱した状態の第1軸21の一方側X1の端部21Aは、第1軸21の径方向Rに膨張している。そのため、金型41から取り出された直後の凹部25の直径D3は、常温での凹部25の直径P1(図2参照)と比べて大きい。直径D3は、直径D1と等しい大きさの第2軸22の凸部26の直径D2よりもわずかに小さい。
図6は、ラック軸6の製造工程を示す模式図であり、焼き嵌め工程の一部を示している。図7は、図6の次の工程を示す模式図である。
図6を参照して、焼き嵌め工程で第1軸21を用いるために、第1軸21を金型41(図5参照)から取り出す。金型41から取り出した状態の第1軸21の温度は、鍛造温度以下であり、たとえば700℃程度である。加熱した状態の第1軸21の一方側X1の端部21Aは、第1軸21の径方向Rに膨張している。そのため、金型41から取り出された直後の凹部25の直径D3は、常温での凹部25の直径P1(図2参照)と比べて大きい。直径D3は、直径D1と等しい大きさの第2軸22の凸部26の直径D2よりもわずかに小さい。
焼き嵌め工程では、まず、第1軸21と第2軸22とを位置合わせするために第1軸21および第2軸22のそれぞれを固定する一対のクランプ48を準備する。一対のクランプ48は、油圧シリンダ等(図示せず)によって構成され、軸方向Xに互いに対向しており、軸方向Xに相対移動可能である。
次に、第1軸21の他方側X2の端部を一方のクランプ48Aで第1軸21の径方向Rから挟むことによって、軸方向Xおよび径方向Rにおける第1軸21の位置が固定される。また、第2軸22の一方側X1の端部を他方のクランプ48Bで第2軸22の径方向Rから挟むことによって、軸方向Xおよび径方向Rにおける第2軸22の位置が固定される。これによって、第1軸21の中心軸C1と第2軸22の中心軸C2とが一致するように第1軸21と第2軸22とが位置合わせされる。
次に、第1軸21の他方側X2の端部を一方のクランプ48Aで第1軸21の径方向Rから挟むことによって、軸方向Xおよび径方向Rにおける第1軸21の位置が固定される。また、第2軸22の一方側X1の端部を他方のクランプ48Bで第2軸22の径方向Rから挟むことによって、軸方向Xおよび径方向Rにおける第2軸22の位置が固定される。これによって、第1軸21の中心軸C1と第2軸22の中心軸C2とが一致するように第1軸21と第2軸22とが位置合わせされる。
次に、第1軸21と第2軸22とが位置合わせされた状態で、例えば第2軸22を他方側X2へ移動させて凹部25に凸部26を圧入して嵌め込む。前述したように、凹部25の直径D3は、凸部26の直径D2よりもわずかに小さいので、凹部25に凸部26を容易に圧入することができる。
焼き嵌め工程は、凹部25に凸部26が嵌め込まれた状態で、常温になるまで第1軸21を冷却する冷却工程を含む。冷却工程によって、第1軸21の一方側X1の端部21Aが熱収縮により収縮するので、凹部25と凸部26とが強固な固着状態(しまりばめの状態)になり、ラック軸6の製造が完了する。
焼き嵌め工程は、凹部25に凸部26が嵌め込まれた状態で、常温になるまで第1軸21を冷却する冷却工程を含む。冷却工程によって、第1軸21の一方側X1の端部21Aが熱収縮により収縮するので、凹部25と凸部26とが強固な固着状態(しまりばめの状態)になり、ラック軸6の製造が完了する。
このように、加熱した状態の第1軸21の凹部25と第2軸22の凸部26とを嵌め合わせ、凹部25と凸部26とを固定(固着)することを焼き嵌めという。
図7を参照して、凹部25に凸部26が焼き嵌めされた状態で、第1軸21の円筒部28と、第2軸22の段部27とが当接することによって、第1軸21と第2軸22とが、軸方向Xに位置決めされる。詳しくは、円筒部28の一方側X1の端面と、段部27の他方側X2の端面とを突き合わせることによって第1軸21と第2軸22とが軸方向Xに位置決めされる。
図7を参照して、凹部25に凸部26が焼き嵌めされた状態で、第1軸21の円筒部28と、第2軸22の段部27とが当接することによって、第1軸21と第2軸22とが、軸方向Xに位置決めされる。詳しくは、円筒部28の一方側X1の端面と、段部27の他方側X2の端面とを突き合わせることによって第1軸21と第2軸22とが軸方向Xに位置決めされる。
前述したように、複数のラック歯11は、鍛造工程において軸方向Xに凹部25から離間した位置に形成される。すなわち、第1軸21において凹部25の周辺は、鍛造によって変形される部分21Bから軸方向Xに離間しているため、鍛造工程による影響を受けにくく、寸法精度が狂いにくい。したがって、焼き嵌め工程では、高精度の凹部25に凸部26を圧入することによって、第1軸21の中心軸C1と第2軸22の中心軸C2とを一致させやすい。
また、凹部25と凸部26との焼き嵌めでは、冷却される前の加熱された状態の第1軸21が用いられるため、冷却によって第1軸21が収縮して反る前に、第1軸21と第2軸22との位置合わせを行うことができるので、中心軸C1と中心軸C2とを一致させやすい。
また、前述したように、凹部25に凸部26を焼き嵌めする際の第1軸21は、鍛造温度以下であり、700℃程度であるため、通常の焼き嵌めの温度である400℃〜600℃よりも高い。そのため、冷却による端部21Aの収縮の度合い(凹部25の収縮量)を通常の焼き嵌めよりも大きくすることができるので、凸部26を凹部25に強固に固定することができる。
また、前述したように、凹部25に凸部26を焼き嵌めする際の第1軸21は、鍛造温度以下であり、700℃程度であるため、通常の焼き嵌めの温度である400℃〜600℃よりも高い。そのため、冷却による端部21Aの収縮の度合い(凹部25の収縮量)を通常の焼き嵌めよりも大きくすることができるので、凸部26を凹部25に強固に固定することができる。
また、凹部25に凸部26を焼き嵌めする際、凹部25を有する第1軸21の温度は、凸部26を有する第2軸22の温度よりも十分に高い。具体的には、第2軸22の温度は、常温であってもよいし、常温以下に冷却されていてもよい。そのため、焼き嵌め後の凹部25の収縮量を大きくすることができるので、凸部26を凹部25に強固に固定することができる。
また、第2軸22の凸部26の外径P2は、第1軸21の凹部25の内径D3よりも大きい。そのため、凸部26を凹部25に圧入することになり、圧入後に凹部25が熱収縮により収縮して、凸部26が凹部25によって締め付けられる。これにより、凸部26を凹部25に強固に固定することができる。
このように、焼き嵌め工程では、鍛造工程での熱を利用して凹部25と凸部26とを焼き嵌めすることによって、すなわち第1軸21および第2軸22の一端同士を焼き嵌めすることによって第1軸21と第2軸22とが強固にかつしっかりと縦列接合される。
このように、焼き嵌め工程では、鍛造工程での熱を利用して凹部25と凸部26とを焼き嵌めすることによって、すなわち第1軸21および第2軸22の一端同士を焼き嵌めすることによって第1軸21と第2軸22とが強固にかつしっかりと縦列接合される。
また、本実施形態とは異なり第1軸21と第2軸22とを接続するために摩擦圧接を用いた場合、第1軸21と第2軸22とが互いに押し付けられる部分に熱が発生するので、第1軸21と第2軸22との接続部分には、径方向外方全周に亘ってばりが発生する。そのため、このばりを取り除くために切削工程が必要である。しかし、本実施形態では、焼き嵌め工程を用いているため、第1軸21と第2軸22とを互いに押し付ける必要がないので、ばりが発生しない。よって、切削工程を省略することができる。
また、本実施形態とは異なり第1軸21と第2軸22とを接続するために摩擦圧接を用いた場合、第1軸21および第2軸22の端面同士を突き合わせて第1軸21と第2軸22とを相対回転させるので、第1軸21の一方側X1の円形状の端面全体と第2軸22の他方側X2の円形状の端面全体とを精度良く加工しておく必要がある。しかし、本実施形態では、凹部25の底面と凸部26の先端面とを突き合わせる必要がないので、凹部25の底面および凸部26の先端面を精度良く加工する必要がない。焼き嵌めの際に互いに突き合わせる円筒部28の一方側X1の環状の端面と、段部27の他方側X2の環状の端面とを、すなわち、第1軸21および第2軸22の端面の一部を精度良く加工すればよい。したがって、摩擦圧接を用いた場合と比較して高精度な加工が必要な面積が小さいので、第1軸21および第2軸22の端面を加工する手間が省ける。
その結果、第1軸21と第2軸22とを接続してVGRのラックアンドピニオン機構13のラック軸6を製造する際において、コストの低減を図れる。
ここで、本実施形態とは異なり、継ぎ目のない1本のラック軸に複数のラック歯11を形成する工程を含む比較例のラック軸の製造方法を想定する。比較例の場合、ラック軸の一部を金型内に収容して鍛造することによって、複数のラック歯11が形成される。この場合、ラック軸全体を金型内に収容してラック軸を軸方向Xに拘束することは困難であるため、ラック軸においてラック歯11が形成される部分の軸方向Xにおける拘束が不十分である。そのため、鍛造の際、ラック軸において金型内で圧力を受けた部分が軸方向Xに伸びるいわゆる肉流れによって、ラック歯11が精度良く形成されないことがある。そのため、ラック歯11の歯幅方向の端部における歯先部分が欠損する、いわゆる歯だれが発生する虞がある。特に、複数のラック歯11のうち軸方向Xの両外側に配置されたラック歯11において歯だれが発生しやすい。
ここで、本実施形態とは異なり、継ぎ目のない1本のラック軸に複数のラック歯11を形成する工程を含む比較例のラック軸の製造方法を想定する。比較例の場合、ラック軸の一部を金型内に収容して鍛造することによって、複数のラック歯11が形成される。この場合、ラック軸全体を金型内に収容してラック軸を軸方向Xに拘束することは困難であるため、ラック軸においてラック歯11が形成される部分の軸方向Xにおける拘束が不十分である。そのため、鍛造の際、ラック軸において金型内で圧力を受けた部分が軸方向Xに伸びるいわゆる肉流れによって、ラック歯11が精度良く形成されないことがある。そのため、ラック歯11の歯幅方向の端部における歯先部分が欠損する、いわゆる歯だれが発生する虞がある。特に、複数のラック歯11のうち軸方向Xの両外側に配置されたラック歯11において歯だれが発生しやすい。
歯だれの発生によって、ラック歯11の強度が低下することがある。また、歯だれの発生によって、ピニオン歯10と同時に噛み合うラック歯11の枚数を示す指標である噛み合い率が低下し、操舵部材2を操舵する際に運転者が感じる操舵感が悪化する虞がある。
また、歯だれが発生した部分をピニオン歯10との噛み合いに使用しないようにするために、捨て歯と呼ばれる余分なラック歯11を軸方向Xの両外側に設けなければならない。したがって、捨て歯を設ける分だけ、長いラック軸を準備しなければならず、ラック軸のコストが増大する虞がある。
また、歯だれが発生した部分をピニオン歯10との噛み合いに使用しないようにするために、捨て歯と呼ばれる余分なラック歯11を軸方向Xの両外側に設けなければならない。したがって、捨て歯を設ける分だけ、長いラック軸を準備しなければならず、ラック軸のコストが増大する虞がある。
歯だれを抑制するための手段として、クランプ等の治具によって軸方向Xにおける両側を固定する方法も想定できるが、これでは、鍛造のコストが増大する。
一方、本実施形態によれば、鍛造工程では、第1軸21のみにラック領域12が形成される。そのため、鍛造工程に用いられる金型41には、ラック軸6を構成する2本の軸のうちの一方である第1軸21のみを収容すればよく、第2軸22を収容する必要がない。したがって、鍛造工程に用いられる金型41の大型化を抑制できるので、コストの増大を抑制できる。また、第1軸21を金型41内に収容しやすくなるため、ラック歯11を精度良く形成することができる。ラック歯11を精度良く形成することで歯だれの発生を抑制することができる。
一方、本実施形態によれば、鍛造工程では、第1軸21のみにラック領域12が形成される。そのため、鍛造工程に用いられる金型41には、ラック軸6を構成する2本の軸のうちの一方である第1軸21のみを収容すればよく、第2軸22を収容する必要がない。したがって、鍛造工程に用いられる金型41の大型化を抑制できるので、コストの増大を抑制できる。また、第1軸21を金型41内に収容しやすくなるため、ラック歯11を精度良く形成することができる。ラック歯11を精度良く形成することで歯だれの発生を抑制することができる。
そのため、第1軸21に捨て歯を設ける必要がないので、ラック軸6の長さを比較例のものよりも短くすることができる。したがって、ラック歯11とピニオン歯10との噛み合い率の低下や操舵感の悪化を抑制することができるし、コストを低減することもできる。
また、焼き嵌め工程では、鍛造工程の熱を利用して凹部25と凸部26とを嵌め合わせて焼き嵌めできる。そのため、鍛造工程とは別の工程として第1軸21を加熱する工程を設ける必要がないので、コストの増大を抑制することができる。
また、焼き嵌め工程では、鍛造工程の熱を利用して凹部25と凸部26とを嵌め合わせて焼き嵌めできる。そのため、鍛造工程とは別の工程として第1軸21を加熱する工程を設ける必要がないので、コストの増大を抑制することができる。
以上の結果、コストの増大を抑制しつつラック歯11を精度良く形成することができる。
また、第1軸21全体を一対の金型41内に完全に収容することで、鍛造工程において第1軸21が軸方向Xに伸びることを効果的に防止できる。そのため、ラック歯11を一層精度良く形成することができ、歯だれが発生するのを一層抑制できる。
また、第1軸21全体を一対の金型41内に完全に収容することで、鍛造工程において第1軸21が軸方向Xに伸びることを効果的に防止できる。そのため、ラック歯11を一層精度良く形成することができ、歯だれが発生するのを一層抑制できる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、凹部形成工程では、切削加工によって凹部25が形成されているが、鍛造工程が凹部形成工程を含んでいてもよい。
また、鍛造工程において凹部25が形成される場合、凹部25とラック領域12は、同時に形成されてもよい。この場合、製造工程を削減できるため、コストを一層低減できる。
例えば、凹部形成工程では、切削加工によって凹部25が形成されているが、鍛造工程が凹部形成工程を含んでいてもよい。
また、鍛造工程において凹部25が形成される場合、凹部25とラック領域12は、同時に形成されてもよい。この場合、製造工程を削減できるため、コストを一層低減できる。
また、鍛造工程では、一対の金型41を用いた鍛造によって第1軸21に複数のラック歯11が形成されたが、転造によって第1軸21に複数のラック歯11が形成されてもよい。なお、転造とは、第1軸21を回転させながら、転造ダイス等の工具(図示しない)により複数のラック歯11を成形する方法である。
また、本実施形態のラック軸6の製造方法は、ラック軸6において軸方向Xに離間した2箇所にラック領域12が形成されたデュアル(ダブル)ピニオン式のステアリング装置に用いられるラック軸6の製造にも適用することができる。この場合、焼き嵌め工程の後に、ブローチ盤等による切削等により、第2軸22にVGRではない標準ギヤレシオの複数のラック歯11を形成することにより、ラック軸6の2箇所にラック領域12が形成される。そして、VGRと標準ギヤレシオのラック歯の位相が正確となる。
また、本実施形態のラック軸6の製造方法は、ラック軸6において軸方向Xに離間した2箇所にラック領域12が形成されたデュアル(ダブル)ピニオン式のステアリング装置に用いられるラック軸6の製造にも適用することができる。この場合、焼き嵌め工程の後に、ブローチ盤等による切削等により、第2軸22にVGRではない標準ギヤレシオの複数のラック歯11を形成することにより、ラック軸6の2箇所にラック領域12が形成される。そして、VGRと標準ギヤレシオのラック歯の位相が正確となる。
また、本実施形態のラック軸6の製造方法は、ラック軸6と操舵補助用のモータの回転軸(図示しない)とが平行に配置されたラックパラレル式のステアリング装置に用いられるラック軸6の製造にも適用することができる。ラックパラレル式のステアリング装置では、操舵補助用のモータの動力をラック軸6に伝達するためのボールねじ機構(図示しない)が設けられることがある。図示しないが、ボールねじ機構は、ラック軸6を取り囲みラック軸6に対して回転可能なボールナットと、複数のボールと、ラック軸6に形成された軌道部とを含む。モータの動力は、ボールナットおよび複数のボールを介してラック軸6に伝達される。これにより、モータの動力が、軸方向Xにおけるラック軸6の移動に変換される。
この場合、焼き嵌め工程の後に、切削等により、第2軸22にボールねじ機構のボール用の軌道部が形成される。本実施形態によれば、ラック軸6に捨て歯を設ける必要がないので、第1軸21のラック領域12の近くに当該軌道部を設けることができる。
6…ラック軸、11…ラック歯、12…ラック領域、21…第1軸、21A…端部、22…第2軸、22A…端部、25…凹部、26…凸部、41…金型、P2…直径(外径)、X…軸方向
Claims (5)
- 第1軸と第2軸とが軸方向に縦列接合されたラック軸の製造方法であって、
前記第1軸にラック歯が前記軸方向に配列されたラック領域を形成する鍛造工程と、
前記第1軸の一端と前記第2軸の一端とを嵌め合わせ、前記第1軸に施した鍛造工程の熱を利用して焼き嵌めする焼き嵌め工程と、を含む、ラック軸の製造方法。 - 前記鍛造工程は、前記第1軸の前記一端に凹部を形成する工程を含み、
前記第2軸は、前記一端に前記凹部よりも外径の大きな凸部を有し、
前記焼き嵌め工程は、前記凸部を前記凹部に圧入した後、前記凹部を熱収縮により収縮させて前記凹部と前記凸部とを固着状態にする工程を含む、請求項1に記載のラック軸の製造方法。 - 前記鍛造工程において、前記第1軸は、所定の鍛造温度に加熱され、
前記焼き嵌め工程における前記第1軸の温度は、前記鍛造温度以下である、請求項1または2に記載のラック軸の製造方法。 - 前記焼き嵌め工程において、前記第1軸の温度が前記第2軸の温度よりも高い、請求項1〜3のいずれか一項に記載のラック軸の製造方法。
- 前記鍛造工程において、前記第1軸の全体が金型内に収容された状態で、前記第1軸に前記ラック領域が形成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のラック軸の製造方法。
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WO2023037743A1 (ja) * | 2021-09-13 | 2023-03-16 | 日立Astemo株式会社 | ラックバー及びステアリング装置 |
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2015
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